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1. WO2006035552 - 流体ポンプ

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糸田 : »

流体ポンプ

技術分野

本発明は、自動車用エンジン等に備えられ、一般にウォーターポンプと 称される流体ポンプに関する。

背景技術

自動車用エンジンを初めとする水冷式エンジンには、シリンダゃシリン ダヘッドを冷却するための媒体(冷媒)として水(冷却水)が使用されて おり、その冷却水をエンジンのシリンダブ口ック内に形成されたウォータ ージャケット内に送り込んで強制循環させるための装置として流体ポンプ が備えられている。このような流体ポンプは一般にウォーターポンプと呼 ばれており、シリンダプロックの一部からなり冷却水の吐出口と吸入口と が形成されたポンプベースと、このポンプベースに取り付けられてポンプ 室を形成するポンプボディと、ポンプボディの外周部においてベアリング

(ラジアルベアリング)を介して回転自在に支持されたポンププーリと、 ポンププーリに一端部が連結されるとともにポンプボディの開口部を通つ てポンプ室内に延びるポンプシャフトと、このポンプシャフトの他端部に 取り付けられてポンプ室内に位置するインペラ(羽根車)とを有して構成 される。ポンププーリにはエンジンのクランクシャフトと繋がる駆動ベル トが掛け渡されており、ポンププーリがクランクシャフトに駆動されて回 転すると、ポンププーリと一体となったポンプシャフトがィンペラととも に回転する。インペラが回転すると吸入口より冷却水が吸入され、遠心力 により外周側に飛ばされて吐出口からウォータージャケット内に吐出され る (例えば、特開平 5— 3 1 2 1 8 6号公報、特開 2 00 2— 349 4 8 1号公報、特開 20 04— 84 6 1 0号公報参照)。

このような構成のウォーターポンプではポンプ室の密閉性を保持する必 要があり、ポンプボディの開口部におけるポンプシャフトとポンプボディ との間にはシール手段が設置されている。このシール手段はポンプボディ 側に取り付けられる部材(ボディ側シール部材)と、ポンプシャフト側に 取り付けられる部材(シャフト側シール部材)とからなるメカ二カルシー ルと称されるシール手段が用いられることが多く、これら両シール部材が 接触することによりシール面を形成するようになっている。

発明の開示

発明が解決しようとする課題

ところで、従来のウォーターポンプではベアリングとシール手段とはポ ンプシャフト上において軸方向に並んで配置されるのが一般的であったた め、ポンププーリの駆動によりポンプシャフトが回転すると、これに伴つ てポンプシャフトは微小ながらも本来の回転軸からずれた状態で回転する こととなり、いわゆる軸振れを生じる。このようにポンプシャフトが軸振 れを生じると、シール手段を構成するシャフト側シール部材がボディ側シ 一ル部材に対して相対変動することとなるため、シール面の面圧を一定に 保つとこができず、シール面から液漏れを起こすおそれがあった。また、 上記のようにベアリングとシール手段とがポンプシャフト上において軸方 向に並んで配置されることからポンプシャフトの軸方向寸法を短縮するに は限界があり、ポンプ全体のコンパクト化が妨げられていた。

本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、シャフト部材の 軸振れに起因するシール面からの液漏れを防止するとともに、ポンプ全体 のコンパクト化を図ることが可能な構成の流体ポンプを提供することを目 的としている。

課題を解決するための手段

本発明に係る流体ポンプは、内部にポンプ室が形成されるとともにボン プ室に繋がる流体の吐出口及び吸入口を有したポンプケーシング(例えば、 実施形態におけるポンプベース 1およびポンプボディ 5から構成される) と、ポンプケーシングにおける外方に突出した円筒部の外周面に取り付け られたべァリングと、円筒部を外周側から覆うとともにベアリングを介し てポンプケーシングに回転自在に取り付けられたボンプ駆動部材(例えば、 実施形態におけるポンププーリ 9 ) と、一端がポンプ駆動部材に取り付け られて円筒部に形成された開口部を通ってポンプ室内に突出するシャフト 部材 (例えば、実施形態におけるポンプシャフト 1 0 ) と、シャフト部材 の他端側に取り付けられてポンプ室内に位置する羽根車(例えば、実施形 態におけるインペラ 1 1 ) と、開口部の内周において円筒部に取り付けら れたボディ側シ一ル部材およびシャフト部材に取り付けられてボディ側シ 一ル部材と軸方向に対向接触するシャフト側シール部材からなるシール手 段 (例えば、実施形態におけるメカニカルシール 1 2 ) とを備え、動力源 (例えば、実施形態におけるエンジン E G ) により駆動されたプーリ部材 の回転作動に伴ってシャフト部材を介して羽根車がポンプ室内で回転する ことにより、吸入口より流体を吸入して吐出口から吐出するように構成さ れる。そして、ベアリングの荷重支持中心を含む軸直角方向に延びる荷重 支持面と、ボディ側シール部材およびシャフト側シール部材が対向接触す る軸直角方向に延びたシール面とが軸方向においてほぼ重なるように構成 さ; ている。

なお、ポンプケーシングが、吐出口及び吸入口を有したベース部材(例 えば、実施形態におけるポンプベース 1 ) と、吐出口及び吸入口を覆って ベース部材に取り付けられたボディ部材(例えば、実施形態におけるボン プボディ 5 ) とからなり、ボディ部材に円筒部が形成されている構成とす るのが好ましい。

このような構成の流体ポンプにおいて、ベース部材がエンジンのシリン ダブロックの側面にシリンダブロックと一体に形成され、吐出口がシリン ダブ口ック内に形成されたウォータージャケットに繋がり、羽根車の回転 に応じて吐出口から吐出される流体をウォータージャケット内に供給する ように構成してもよい。

さらに、ボディ部材が、外周面にベアリングが取り付けられる円筒部と、 円筒部の内側端部から広がる形状を有するとともに吐出口および吸入口を 覆ってベース部材に接合されてポンプ室を形成する裾部とから一体に形成 され、円筒部に取り付けられたベアリングの内周面の内側領域内において 開口部が形成されるように構成するのが好ましい。

発明の効果

本発明に係る流体ポンプでは、プーリ部材を回転自在に支持するベアリ ングの荷重支持中心(ほぼ、ベアリングの厚さ方向中心)を含む平面と、 ポンプ室の密閉性を保持するシール手段のシール面(ボディ側シ一ル部材 とシャフト側シール部材との接触面)を含む平面(ともにプーリ部材の回 転軸に垂直な平面)とが軸方向においてほぼ一致した構成となっているの で、プーリ部材の回転作動に伴ってシャフト部材が回転した際に軸振れを 起こしたとしても、シャフト部材の回転に伴って生ずる両シール部材間の 相対変動量を極めて小さく抑えることができ、シール面の接触面庄を一定 に保たせることができる。このためシャフト部材の軸振れに起因するシー ル手段のシール面からの液漏れを効果的に防止することができ、ポンプ室 の密閉性の保持性能が向上する。また、このような構成ではシール手段が ベアリングの内周面の内周側の領域内に配置されることになるので、ベア リングとシール手段とがシャフト部材上において軸方向に並んで配置され ていた従来の構成に比してシャフト部材の軸方向寸法を短縮することがで き、流体ポンプ全体の軽量コンパクト化と製造コストの低廉化とを図るこ とができる。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の流体ポンプの一実施形態に係るウォーターポンプの構 成を示す側断面図である。

図 2は、上記ウォーターポンプによる冷却水の循環経路を示すプロック 図である。

発明を実施するための最良の形態

以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図 1は本発明の流体ポンプの一実施形態に係るウォーターポンプ 1の構成を 断面図により示したものである。この実施形態では、ウォーターポンプ 1 は図 2に示すように自動車用のエンジン E Gのシリンダブ口ック内に形成 されたウォータージャケット W Jに冷却水を強制循環させるための装置と して用いられる。

ウォーターポンプ 1は、図 1に示すように、エンジン E Gのシリンダブ ロックの一部からなるポンプベース 2をベースとして組み立てられている ポンプベース 2にはウォータージャケット W Jへの冷却水の吐出流路 L 1 と繋がる吐出口 3と、冷却水の戻り流路 L 2と繫がる吸入口 4とが設けら れており、これら両ポート 3, 4はそれぞれポンプベース 2の表面 2 a (図 1では左面)に開口している。

ポンプベース 2.の表面 2 aにはポンプボディ 5が複数のボルト 6により 着脱自在に取り付けられており、ポンプベース 2とポンプボディ 5 とによ り囲まれた空間はポンプ室 7を形成している。なお、ポンプベース 2とポ ンプボディ 5 とによりポンプケーシングが構成される。ポンプボディ 5は 中空の円筒部 5 a と、この円筒部 5 aの端部から外方に拡がって延びた裾 部 5 b とを有しており、ポンプボディ 5がポンプベース 2に取り付けられ た状態では、ポンプベース 2に形成された上記吐出口 3及び吸入口 4は裾 部 5 bにより覆われる。また、円筒部 5 aはポンプベース 2の表面 2 aに 対して垂直方向(図 1では紙面左右方向)に延びた状態となる。

ポンプボディ 5の円筒部 5 aの外周にはベアリング(ラジアルベアリン グ) 8を介してポンププーリ 9が同心上に位置して取り付けられている。 ポンププーリ 9はポンプボディ 5の円筒部 5 aを外周側から覆う中空円筒 部 9 a及びこの中空円筒部 9 aの側端部に設けられた底部 9 bからなる有 底円筒形状を有しており、ベアリング 8のァウタレース 8 aがポンププー リ 9の内周面に固定されるとともに、ベアリング 8のィンナレース 8 bが ポンプボディ 5の外周面に固定されることによってポンププーリ 9はボン プボディ 5に対して同心上において相対回転自在に支持された状態となつ ている。ポンププーリ 9の外周面にはエンジン E Gのクランクシャフト C Sと繋がる駆動ベルト D Bが掛け渡されるベルト溝 9 cが形成されており ベルト溝 9 cに掛け渡された駆動ベルト D Bを介してクランクシャフト C Sの回転駆動力がポンププーリ 9に伝達されてポンププーリ 9が回転駆動 されるようになっている。したがってポンププーリ 9には駆動ベルト D B からの荷重(ベルト荷重)が軸直角方向に作用するが、ベアリング 8に偏 芯荷重が作用するのを防止してベアリング 8の耐久性向上を図るため、ポ ンププーリ 9の外周面のベルト溝 9 cの幅方向中心位置がベアリング 8の 幅方向中心位置(ベアリング 8の荷重支持中心位置)と軸方向においほぼ 一致するように構成されている。

ポンプブーリ 9の底部 9 bにはポンプシャフト 1 0の一端部が圧入によ り取り付けられており、ポンプシャフト 1 0はその中心軸 A X 2をポンプ プーリ 9の回転軸(ベアリング 8のァウタレース 8 aの回転中心軸) A X 1に一致させた状態でポンプボディ 5の円筒部 5 aの端部に形成された開 口部 5 cを貫通してポンプ室 7内に延びている。なお、円筒部 5 aに取り 付けられたベアリング 8のインナレース 8 bの内周面の内側領域内に開口 部 5 cが形成されている。ポンプシャフト 1 0の他端部にはインペラ (羽 根車) 1 1が固定されており、インペラ 1 1はポンプ室 7内に配置されて いる。このインペラ 1 1は中央部に中空円筒状のシャフト取り付け部 1 1 aを有した平板部 1 1 bと、この平板部 1 1 bに取り付けられた複数の羽 根 1 1 cとから構成されており、シャフト取り付け部 1 1 a内にポンプシ ャフト 1 0が圧入されることによってポンプシャフト 1 0に固定されてい る。 '

ポンプシャフト 1 0とポンプボディ 5の開口部 5 cとの間はメ力二カル シール 1 2によってシーノレされている。メカ二カノレシ一ノレ 1 2はポンプボ ディ 5の開口部 5 cの内周に固定されたリング状のボディ側シール部材 1 2 aと、ポンプシャフト 1 0の中間部に圧入により固定されたリング状の シャフト側シール部材 1 2 bとからなり、ボディ側シール部材 1 2 a とシ ャフト側シール部材 1 2 bとがポンプシャフト 1 0の中心軸 A X 2の方向 に対向した状態で滑り接触することによりポンプ室 7の密閉性が保持され るようになっている。ここで、図 1に示すように、ポンプ室 7の密閉性を 保持するメカニカルシール 1 2は、そのシール面 S P (ボディ側シール部 材 1 2 aとシャフト側シール部材 1 2 bとの接触面) 1 ポンププーリ 9 を回転自在に支持するベアリング 8の荷重支持中心(ほぼ、ベアリング 8 の厚さ方向中心)を含む平面 B P (シール面 S Pと荷重支持中心平面 B P はともにポンププーリ 9の回転軸 A X 1に垂直な平面)とほぼ一致するよ うに配置されている。

ウォーターポンプ 1のポンププーリ 9は図 2に示すようにエンジン E G のクランクシャフト C Sにより、駆動ベルト D Bを介して駆動される。こ れによりポンププーリ 9と一体となったポンプシャフト 1 0がィンペラ 1 1とともに回転する。インペラ 1 1の回転に伴って吸入口 4内に吸入され た戻り流路 L 2内の冷却水は、インペラ 1 1の回転に伴う遠心力を受けて 外周側に飛ばされ、吐出口 3から吐出流路 L 1内に吐出される。吐出流路 L 1内に吐出された冷却水はウォータージャケット W Jに送られ、ェンジ ン E Gのシリンダゃシリンダヘッド(共に図示せず)等を冷却した後、接 続流路 C Lからラジェター R Dに流れて放熱される。そして再び戻り流路 L 2からウォーターポンプ 1に戻り、吸入口 4から吸入されて吐出口 4よ り吐出される。接続流路 C L中にはサーモスタツトにより動作する切換弁 S Vが設けられており、冷却水の温度が設定温度よりも低いときには冷却 水をラジェター R Dに流すが、冷却水の温度が設定温度よりも高いときに は冷却水をバイパス流路 B Lに流す。バイパス流路 B Lは戻り流路 L 2に 通じており、ラジェター R Dを経由することなく、直接ウォーターポンプ 1により吸入される。このようにしてウォーターポンプ 1は、冷却水をゥ オータージャケット W J内において強制循環させる。

ウォーターポンプ 1は上記のような構成を有しているが、このウォータ 一ポンプ 1では、ポンププーリ 9を回転自在に支持するベアリング 8の荷 重支持中心を含む平面 B Pと、ポンプ室 7の密閉性を保持するメカニカル シール 1 2のシール面 S P (ボディ側シール部材 1 2 aとシャフト側シ一 ル部材 1 2 bとの接触面)とがほぼ一致しているので、ポンププーリ 9の 回転作動に伴ってポンプシャフト 1 0が回転した際に軸振れを起こしたと しても、ポンプシャフト 1 0の回転に伴って生ずる両シール部材 1 2 b, 1 2 a間の相対変動量を極めて小さく抑えることができ、シール面 S Pの 面圧を一定に保たせることができる。このためポンプシャフト 1 0の軸振 れに起因するメカニカルシール 1 2のシール面 S Pからの液漏れを防止す ることができ、ポンプ室 7の密閉性の保持性能が向上する。ここで、ボン プシャフト 1 0の軸振れ時における両シール部材 1 2 b, 1 2 a間の相対 変動量を最も小さく抑え得るのは、図 1に示すように、ベアリング 8の荷 重支持中心を含む平面 B Pと、メカニカルシール 1 2のシール面 S Pとが 完全に一致しているときであるが、ベアリング 8の荷重支持中心を含む平 面 B Pとメカニカルシール 1 2のシール面 S Pとがほぼ一致しているので あれば、十分に上記効果を得ることができる。

また、このような構成ではメカ-カルシール 1 2がベアリング 8の内周 面 (インナレース 8 bの内周面)の内側領域内に配置されることになるの で、ベアリングとメ力二カルシールとがポンプシャフト上において軸方向 に並んで配置されていた従来の構成に比してポンプシャフト 1 0の軸方向 寸法を短縮することができ、ウォーターポンプ 1全体の軽量コンパクト化 と製造コストの低廉化とを図ることができる。

これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の 範囲は上述の実施形態に限定されない。例えば、ポンププーリ 9を駆動べ ルト D Bを介してクランクシャフト C Sにより駆動される構成に代えて、 ギヤ機構を介してクランクシャフト C Sにより駆動される構成とすること もできる。また、本発明の流体ポンプは自動車用エンジンの冷却用に限ら れず、他の動力機械のエンジン冷却用として、またエンジンの冷却用に限 らず、流体の供給に使用されるあらゆる流体ポンプに適用することができ る。また、本発明の流体ポンプにおいて使用する流体は水に限らず、オイ ル等の他の流体であっても構わない。