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1. WO2005033252 - バイオディーゼル燃料改質剤、燃料、それらに関わる方法

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[ JA ]
明 細書

バイオディーゼル燃料改質剤、燃料、それらに関わる方法

技術分野

[0001] 本発明は、バイオディーゼル燃料 (BDF)に添加するバイオディーゼル燃料改質剤 、前記改質剤を添加した燃料、及びそれらに関わる方法に関する。より詳細には、植 物油をオゾン処理することにより得られるノィォディーゼル燃料改質剤、特に、バイオ ディーゼル燃料の流動点を降下させ、ディーゼルエンジンのトルク及び馬力を向上さ せるバイオディーゼル燃料改質剤、前記改質剤を添加した燃料、及びそれらに関わ る方法に関する。

背景技術

[0002] 近年、大気汚染防止等の観点から、 SOx発生の少ないディーゼルエンジン用燃料 として、バイオディーゼル燃料(BDF)が注目されている。バイオディーゼル燃料は、 植物油から製造される液体燃料で、原料となる植物油は硫黄をほとんど含まないた め、 SOx発生を低く抑えることができる。

[0003] また、バイオディーゼル燃料の原料となる植物油は、油糧植物から生産されるもの であるため、自給 '再生が可能であり、また、油糧植物は、炭酸ガス吸収力が高いこと から、バイオディーゼル燃料の利用促進は、地球温暖化防止の観点からも有用であ り、欧米諸国を中心に、バイオディーゼル燃料の普及が進められている。

[0004] ノィォディーゼル燃料として、現在最も実用化されているのは、ヒマヮリ油、大豆油 等の植物油をメチルエステルイ匕反応させたものである。このメチルエステル化燃料は 、石油系のディーゼルエンジン用燃料である軽油と比較して、流動点が高いという欠 点がある。市販の軽油の流動点カ 15°Cであるのに対し、メチルエステル化燃料は 2°C程度である。そのため、メチルエステル化燃料は、気温の低い条件下では、使用 できず、寒冷地等で利用することが困難であった。

[0005] そこで、欧米を中心に多くの国では、石油系軽油にバイオディーゼル燃料を混入し た混合燃料が一般的に用いられている。例えば、石油系軽油にバイオディーゼル燃 料を 20%混入したものを、「B20」という。

[0006] なお、非特許文献 1一非特許文献 4には、世界各国のノィォディーゼル燃料の現 況が記載されている。

非特許文献 I : http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g30625d50j.pdf 非特許文献 2 : NEDO海外レポート、 NO. 913、 2003. 8. 20、英国の再生可能ェ ネルギー動向— 2002年、 (

http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/913/913— 04.pdf)。

非特許文献 3 : X. Lang, A.K. Dalai, N.N Bakhshi, M.J. Reaney and P.B. Hertz Preparation and Characterization of Bio-Diesels from Various Bio- Oils"、

BioresourceTechnology, 80, 53—62 (2001)。

非特許文献 4 : S. binha and N.C. Misra、 "Diesel Fuel Alternative from Egetable Oils 、 Chemical Engineering World, October, 1997、 h

ttp://www.exicom.org/ cew/ oct9/ sinna.ntm

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] し力しながら、従来の技術には、以下のような解決すべき課題があった。

[0008] 大気汚染や地球温暖化などの環境負荷を軽減するために、本来は、石油系軽油と の混合燃料ではなぐ 100%バイオディーゼル燃料を用いるのが理想的である。しか しながら、現況では、流動点が高いため、寒冷地など気温の低い条件下では、 100 %ディーゼル燃料を使用できなヽと、う課題があった。

[0009] 現在使用されて!、る B20などの混合燃料も、石油系軽油を混合しただけであり、バ ィォディーゼル燃料の流動点が高、と、う課題を根本的に解決するものではな、。 従って、 B20などの混合燃料にも、依然として、流動点が高いという問題点があり、ま た、バイオディーゼル燃料の混合比率を上げれば、それだけ、流動点が高くなるとい う課題があった。

[0010] 現在、寒冷地などでは、 B20などの混合燃料に対しても、 EVA (エチレン酢酸ビ 二ル系共重合体)などの流動点降下剤が使用されているが、これらの流動点降下剤 は、石油系軽油に対して用いられるものであり、バイオディーゼル燃料に対して効果

を有するものではな力つた。従って、 B20などの混合燃料に用いても効果が制限され 、また、 100%ノィオデイーゼル燃料には、流動点降下作用がほとんどみられないと いう課題があった。

[0011] そこで、本発明は、メチルエステル化燃料などのバイオディーゼル燃料 (BDF)の 流動点を降下させる添加剤を提供することを主な目的とする。

課題を解決するための手段

[0012] 上記の技術的課題を解決するために、本発明では、植物油をオゾン処理すること により得られるバイオディーゼル燃料改質剤を提供する。本発明に係るバイオディー ゼル燃料改質剤は、例えば、ヒマヮリ油、菜種油、大豆油などの植物油をオゾン'酸 素混合ガスに曝気させるなどの方法により、オゾン処理することによって、製造するこ とがでさる。

[0013] 現在、最も普及して、るバイオディーゼル燃料 (BDF)であるメチルエステル化燃料 は、ヒマヮリ油、菜種油、大豆油などの植物油をメチルエステルイ匕して精製したもので ある。このメチルエステル化燃料に、本発明に係るノィォディーゼル燃料改質剤を添 加することにより、メチルエステル化燃料の流動点を大幅に下げることができる。従つ て、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤を添加することにより、例えば、寒冷 地など気温が低くなる地域でも、バイオディーゼル燃料の利用が可能になる。

[0014] カロえて、本願発明者の鋭意研究の結果、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質 剤には、ディーゼルエンジンのトルク'馬力を向上させる作用があることを新規に見出 した。即ち、バイオディーゼル燃料に、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤を 添加することにより、ディーゼルエンジンのエンジン性能、特に、低速回転時における トルク及び馬力を向上させることができるため、例えば、大型トラックなどにおけるバイ ォディーゼル燃料の利用が可能になる。

[0015] ノィォディーゼル燃料改質剤の流動点降下作用は、バイオディーゼル燃料改質剤 の原料となる植物油に含まれる不飽和二重結合数と関係性がある。バイオディーゼ ル燃料改質剤の原料として特に有効なのは、ヒマヮリ油、亜麻仁油、菜種油などの不 飽和二重結合の多、植物油である。

[0016] 例えば、ヒマヮリ油をオゾン処理して製造したバイオディーゼル燃料改質剤 (「ォゾ ン処理ヒマヮリ油」)は、ヒマヮリ油、菜種油から製造されたメチルエステル化燃料の流 動点を- 30°C程度にまで下げることができる。これは、石油系軽油の流動点 (-15°C )よりも低い値である。

[0017] 流動点降下の具体的な作用機序としては、バイオディーゼル燃料改質剤の中に含 まれるトリグリセリドの不飽和二重結合におけるォゾ-ド形成の度合いが、作用機序 において重要な役割を果たしていると考えられる。すなわち、本発明に係るバイオデ イーゼル燃料改質剤に含まれるトリグリセリドの不飽和二重結合のォゾ-ドカメチル エステル化燃料に含まれる不飽和脂肪酸に作用して、メチルエステル化燃料の不飽 和脂肪酸の結晶化、付着化を防止し、流動点を下げるのではないかと考えられる。

[0018] そこで、本発明では、トリグリセリドの不飽和二重結合部位がォゾ -ドを形成してい るバイオディーゼル燃料改質剤をも提供する。前記の作用機序に基づき、バイオディ ーゼル燃料の流動点降下作用が起こると考えられることから、人工的に合成された不 飽和二重結合部位の多いトリグリセリドに、オゾン処理を施すことによつても、バイオ ディーゼル燃料の流動点を降下させるバイオディーゼル燃料改質剤を製造すること ができる。

[0019] なお、本願発明者の追加実験 (本明細書には記載しな、)により、メチルエステル ィ匕燃料自体をオゾン処理したものを添加した場合には、流動点降下作用は得られな いことが明らかになった。このことは、本発明に係るノィォディーゼル燃料改質剤のト リグリセリドの構造 (櫛のような構造)が、流動点降下作用に重要な役割を果たしてお り、また、メチルエステルイ匕反応によってトリグリセリドの構造の壊れたメチルエステル ィ匕燃料自体に、オゾン処理を施しても、流動点降下作用は得られないことを明らかに するものである。

[0020] その他、メチルエステル化燃料の原料となる植物油と、バイオディーゼル燃料改質 剤としてオゾン処理を行う植物油(トリグリセリド)の種類を同一のものにすることにより 、一般的に、良好な結果が得られる。これは、メチルエステル化燃料のメチルエステ ルと、バイオディーゼル燃料改質剤の脂肪酸構造が類似しているほうが、ォゾ -ドに よる作用が起こりやす、ためではな!/、かと推測される。

[0021] 但し、ヒマヮリ油をオゾン処理して得られたバイオディーゼル燃料改質剤は、全ての メチルエステル化燃料に対して、充分な流動点降下作用を有した。また、菜種油をォ ゾン処理して得られたバイオディーゼル燃料改質剤 (「オゾン処理菜種油」)も、多く のメチルエステル化燃料に対して、十分な流動点降下作用を有した。これは、オゾン 処理ヒマヮリ油及びオゾン処理菜種油は、不飽和二重結合数が多ぐ構造中にォゾ -ド数が多いためと考えられる。

[0022] 続、て、本発明では、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤を添加したバイ ォディーゼル燃料を提供する。上記のとおり、本発明に係るバイオディーゼル燃料改 質剤をバイオディーゼル燃料に添加することにより、一般的な石油系軽油の流動点( — 15°C)よりも、バイオディーゼル燃料の流動点を下げることができるため、石油系軽 油と混合しなヽ 100%バイオディーゼル燃料を利用することも可會となる。

[0023] なお、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤を添加することにより、バイオディ ーゼル燃料は、流動点だけでなぐ引火点も下がるため(実施例 1、表 2参照)、 100 %バイオディーゼル燃料を使用する際のもう一つの課題であった、「バイオディーゼ ル燃料は、引火点が高すぎる」という問題点についても、同時に解決することができる

[0024] 本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤は、 100%バイオディーゼル燃料だけ でなぐ B20などの石油系軽油とバイオディーゼル燃料との混合燃料に対しても、有 効である。そこで、本発明では、少なくとも、石油系軽油又は Z及びバイオディーゼ ル燃料と本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤とを組成物として含有するディ ーゼルエンジン用燃料を提供する。

[0025] 前記したとおり、従来のバイオディーゼル燃料改質剤は、石油系軽油に対して作用 するものであり、バイオディーゼル燃料に対しては、ほとんど作用を示さな力つた。そ こで、本発明に係るノィオデイーゼル燃料改質剤を、単独で、又は、石油系軽油に 対する流動点降下剤と同時に、混合燃料に添加することにより、安定した流動点降 下作用を奏することができる。

[0026] なお、本願発明者による追加実験により(明細書に記載しない)、添加量を 1%以下 に抑えた場合、流動点を下げる作用は奏されるものの、作用の持続性がなぐ作用

活性が落ちてしまうことが明らかになった。従って、本発明に係るバイオディーゼル燃 料改質剤は、バイオディーゼル燃料に対して、 1重量%以上添加することが望ましい

発明の効果

[0027] 本発明によって奏される効果は、以下の通りである。

[0028] 本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤をバイオディーゼル燃料に添加するこ とにより、ノィォディーゼル燃料の流動点を下げることができる。

[0029] 本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤をバイオディーゼル燃料に添加するこ とにより、ノィォディーゼル燃料の弓 I火点も下げることができる。

[0030] 本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤は、それ自体、硫黄をほとんど含まず、 また、自給 ·再生可能であるので、大気汚染 ·地球温暖化などの環境負荷を与えない ものである。また、バイオディーゼル燃料も環境負荷の少ない燃料である。従って、本 発明に係るノィォディーゼル燃料改質剤をバイオディーゼル燃料に添加することに よって、環境負荷が少なぐ寒冷地など広い地域での使用が可能なディーゼルェン ジン用燃料を提供することができる。

[0031] その他、本発明に係るノィォディーゼル燃料改質剤をバイオディーゼル燃料に添 加することにより、ディーゼルエンジンのトルク及び馬力を向上させることができる。

実施例 1

[0032] 実施例 1は、各種植物油由来のメチルエステル化燃料に、オゾン処理したヒマヮリ 油を添加した場合の、流動点降下を調べた実験である。手順は以下のとおりである。

[0033] まず、実験に用いるメチルエステル化燃料を作製した。メチルエステル化燃料は、ヒ マヮリ油、菜種油、大豆油、パーム油の各植物油を、それぞれ、メチルエステル化さ せることにより作製した。このメチルエステル化反応は、各植物油 300gに、 CH 3 OH6

Og、 NaOCH 31· 5gを添カ卩して、 60 70°C、 2時間、定置することにより行った。そし て、メチルエステルイ匕反応終了後、反応液をー晚静置し、デカンテーシヨンによって、 メチルエステル層とグリセロール層を分離し、メチルエステル層を回収した。このメチ ルエステル層を、遠心分離、常圧下での蒸留による余剰メタノールの除去、水洗によ る中和、無水 Na 2 SO 4を用いた脱水を行って精製した。以上の工程により、各植物油 由来のメチルエステル化燃料を作製した。

[0034] 次に、バイオディーゼル燃料改質剤として、「オゾン処理ヒマヮリ油」を作製した。ォ ゾン処理したヒマヮリ油は、小型気泡塔に 50mlのヒマヮリ油を入れ、ここにオゾン濃度 40g— O 3 Zm3のオゾン'酸素混合ガスを容積速度 0. 5LZminで所定時間通気する ことにより作製した。なお、オゾン処理ヒマヮリ油は、オゾン'酸素混合ガスの通気中の 、気泡塔出入口におけるオゾン濃度を、オゾン濃度計で測定して調製することにより 、 0. 183及び 0. 206g-O 3 /ml— oilの二種類のオゾン濃度のものを作製した。

[0035] そして、各植物油由来のメチルエステル化燃料を 40°Cに加温して、その中に、 0. 1 83又は 0. 206g-O 3 Zml— oilのオゾン処理ヒマヮリ油を、 1. 0重量%及び 1. 5重量

%、添加して、よく混合した。そして、各植物油由来のメチルエステル化燃料の流動 点を測定した。結果は、表 1に示したとおりである。

[0036] [表 1]


[0037] 表 1に示すとおり、ヒマヮリ油から製造されたメチルエステル化燃料に、オゾン処理ヒ マヮリ油を添加すると、流動点の温度が 20°C以上、降下した。従って、本実験により 、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤は、メチルエステル化燃料の流動点降 下剤として、有効であることが示された。

[0038] オゾン処理ヒマヮリ油を、 1. 0重量%添加した場合と 1. 5重量%添加した場合を比 較すると、 0. 183g— O Zml— oilと 0. 206g— O Ζπ — oilのどちら場合も、大きな差 は見られなかった。一方、オゾン処理ヒマヮリ油のうち、 0. 183g-0 3 Zml— oilと 0. 2 06g— O 3 Zml— oilとを比較すると、 0. 206g-O 3 Zml— oilの方力若干、流動点降 下作用が大きくなる傾向が見られた。この結果は、オゾン処理したヒマヮリ油の流動 点降下作用は、添加量よりも、不飽和脂肪酸のォゾ-ド形成の度合いが重要な因子 になって!/、ることを示して!/、る。

[0039] また、表 1に示されているように、本実験により、オゾン処理ヒマヮリ油は、ヒマヮリ油 より製造されたメチルエステル化燃料の流動点を効果的に下げるだけでなぐ他の植 物油より製造されたメチルエステル化燃料に対しても、流動点降下作用を有すること が明らかになった。本発明に係るオゾン処理ヒマヮリ油は、菜種油より製造されたメチ ルエステル化燃料の流動点を、顕著に降下させる作用を有しており、菜種油由来の メチルエステル化燃料に対する添加剤として、極めて有効であることを示している。大 豆油より製造されるメチルエステル化燃料に関しても、一定の流動点降下作用が見ら れた。メチルエステル化燃料の流動点力—10°C程度まで下がれば、寒冷地などに おいても、この燃料を使用できるので、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤は 、大豆油由来のメチルエステル化燃料に対しても有効であることも示された。

[0040] 一方、オゾン処理ヒマヮリ油は、パーム油より製造されるメチルエステル化燃料に対 しては、効果を示さな力つた。これは、パーム油は、他の植物油と比較して、飽和脂 肪酸エステルの含有量が顕著に高、ことに起因して、ると考えられる。

[0041] なお、オゾン処理ヒマヮリ油を 1重量%添加したメチルエステル化燃料は、密度、粘 度、曇り点などは、無添加のものと比較して、ほとんど変化は見られな力つた力流動 点の他に、引火点が平均で 23°Cほど下がっていることが明らかになった (表 2参照)。 この低下は、ォゾ -ドの引火性に起因するものであると考えられる。従って、本発明に 係るバイオディーゼル燃料改質剤は、バイオディーゼル燃料の流動点を下げるだけ でなぐ引火点も下げることが明らかになった。バイオディーゼル燃料は、流動点だけ でなぐ引火点が高い点も改善すべき課題であったので、本発明は、その解決を図る 点でも有効であることが示された。なお、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤 を添カ卩したすベてのメチルエステル化燃料は、欧米のバイオディーゼルの引火点の 基準を満たすものである。

[0042] [表 2]

'ん燃、、料改暂斉 IJ

無添加 ( 1 %添加)

ヒマヮリ油 181。C土 1 162°C ±2

178。C ±0 155。C士 1

大豆油 186°C ±2 159。C土 1

パーム油 179。C ±3 155。C± 1

実施例 2

[0043] 実施例 2は、ヒマヮリ油、菜種油、大豆油、パーム油の各植物油をオゾン処理して作 製した本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤が、ヒマヮリ油、菜種油、大豆油、 パーム油の各植物油より製造されたメチルエステル化燃料の流動点を下げる効果が あるかどうかを示した実験である。

[0044] ヒマヮリ油、菜種油、大豆油、パーム油の各植物油より製造されたメチルエステルイ匕 燃料は、実施例 1と同様の方法により製造した。また、オゾン処理して作製した本発 明に係るノィォディーゼル燃料改質剤も、ヒマヮリ油、菜種油、大豆油、パーム油の 各植物油を原料として、実施例 1のオゾン処理ヒマヮリ油と同様の方法を用 V、て作製 した。なお、オゾン処理した各植物油の、吸収されたオゾン量は、それぞれ、オゾン 処理菜種油 0. 168g— O 3 /mi-oil,オゾン処理大豆油 0. 179g— O 3 Zml— oil、ノ ーム油 0. 063g— O 3 Zml— oilであった。この値は、不飽和二重結合の量と相関して いると考えられる。また、オゾン処理ヒマヮリ油には、実施例 1で用いた 0. 206g-O 3

Zml— oilのものを用いた。

[0045] そして、各植物油より製造されたメチルエステル化燃料に、オゾン処理した各植物 油を添加して、流動点を測定した。結果を表 3に示す。

[0046] [表 3]

メチル オゾン処理植物油(メチルエステル燃料に 1 %添加) エステノレ燃無添加 ヒマヮリ油 大豆油 パーム油 料

ヒマヮリ油一 4。C - 2 9 °C - 2 0 °C - 2 2 °C - 1 5 °C 菜種油 一 1 1。C _ 3 0。C — 3 0。C - 2 9 °C — 1 0。C 大豆油 一 1。C - 1 1 °C — 1 1。C - 1 2 °C - 1 0 °C パーム油 1 4。C 1 1 °C 1 3。C 1 3 °C 1 0 °C

[0047] 表 3に示すとおり、ヒマヮリ油、菜種油、大豆油をオゾン処理して得られたノィオデイ ーゼル燃料改質剤は、それぞれ、ヒマヮリ油、菜種油、大豆油から製造されたメチル エステル化燃料の流動点を有効に降下させており、流動点降下剤として、非常に有 効であることを示している。特に、オゾン処理ヒマヮリ油は、ヒマヮリ油及び菜種油から 製造されたメチルエステル化燃料の流動点を一 30°C近くまで下げており、また、大豆 油より製造されたメチルエステル化燃料に対しても、他のオゾン処理植物油と同等の 効果を有していることから、流動点降下剤として、メチルエステル化燃料全般に有効 である。

[0048] また、オゾン処理パーム油も、ヒマヮリ油、菜種油、大豆油より製造されたメチルエス テル化燃料に対しては、一定の効果を有していることが示された。一方、パーム油か ら製造されたメチルエステル化燃料は、オゾン処理植物油による流動点降下作用は 、認められなかった。

[0049] その他、本実験では、全般的に、同じ植物油から製造されたメチルエステル化燃料 に、同じ植物油をオゾン処理して得られたノィォディーゼル燃料改質剤を添加した 場合に、最も流動点降下作用があるという傾向が見られた。

実施例 3

[0050] 実施例 3は、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤に、ディーゼルエンジンの トルク及び馬力を向上させる作用があることを示した実験である。実験手順は以下の とおりである。

[0051] まず、シャーシダイナモテスター(商品名「ダイナマスター 6000S」、サクラダイノシス テム株式会社製、以下同じ)に、ディーゼル車 (排気量 3. 5L、商品名「ランドクルー ザ一 PZJ70」、トヨタ自動車株式会社製、「ランドクルーザー」は登録商標、以下同じ) を設置した。なお、シャーシダイナモテスターは、馬力 'トルク自動測定装置である。

[0052] また、石油系軽油(出光興産株式会社製の市販の軽油、以下同じ)、自ら製造した バイオディーゼル燃料、前記バイオディーゼル燃料に本発明に係るノィオデイーゼ ル燃料改質剤を添加した燃料、の 3種類の燃料を準備した。ヒマヮリ油から製造した バイオディーゼル燃料は、ヒマヮリ油を原料とし、実施例 1と同様の方法により、メチル エステル化処理を行って、製造した。ノィォディーゼル燃料改質剤も、ヒマヮリ油を原 料とし、実施例 1と同様の方法によりオゾン処理して製造した。

[0053] 次に、ディーゼル車に前記各燃料を入れ、シャーシダイナテスター上でディーゼル 車を時速 150km程度まで急加速し、各エンジン回転数におけるトルク及び馬力を測 定した。トルクの測定結果を図 1に、馬力の測定結果を図 2に、それぞれ示す。

[0054] 図 1中、「dieselトルク」は石油系軽油のトルク測定値を、「BDFトルク」は、バイオデ イーゼル燃料のトルク測定値を、「BDF+Addトルク」は、前記バイオディーゼル燃料 にバイオディーゼル燃料改質剤を添加した燃料のトルク測定値を、それぞれ示す。 図 2中、「馬力」はフランス馬力(ps)を示す。

[0055] 図 1、図 2に示すとおり、バイオディーゼル燃料改質剤を添加した燃料 (BDF+ Ad dトルク)は、バイオディーゼル燃料のみの場合(BDFトルク)と比較して、エンジン回 転数 2000— 3600rpmの時に、トルク及び馬力の向上が見られた。即ち、本発明に 係るバイオディーゼル燃料改質剤には、ディーゼルエンジンのトルク'馬力を向上さ せる作用があることがわかった。

[0056] また、バイオディーゼル燃料改質剤を添加した燃料は、石油系軽油(dieselトルク) と比較して、同等のトルク'馬力を有していた。このことは、本発明に係るバイオディー ゼル燃料改質剤を用いることにより、バイオディーゼル燃料を、従来の石油系軽油の 代替品として用いることができることを示している。

産業上の利用可能性

[0057] 本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤は、バイオディーゼル燃料に添加する ことにより、バイオディーゼル燃料の流動点を下げる働きを有する。従って、気温が— 2°C (本発明に係るノィォディーゼル燃料改質剤を添加しな力つた場合の大豆油由 来メチルエステル化燃料の流動点)以下に下がる地域においても、バイオディーゼル 燃料を使用できるようになる点で、産業上利用性がある。

[0058] バイオディーゼル燃料は、大気汚染など環境負荷を少なくする観点から、これから さらに利用が進むと考えられる。従って、本発明は、ノィオデイーゼル燃料をさらに広 く普及させる上で有用であり、産業上の利用性がある。

[0059] 本発明は、 100%バイオディーゼル燃料を、車、列車などのディーゼルエンジンに 使用する可能性を開くものであり、産業上の利用可能性を有するものである。

[0060] 現在、普及しつつある B20などの混合燃料に対しても、流動点降下作用があるの で、産業上利用可能である。

[0061] その他、本発明に係るバイオディーゼル燃料改質剤は、ディーゼルエンジンのェン ジン性能、特に、低速回転時のトルク及び馬力を向上させるので、バイオディーゼル 燃料の大型トラックなどへの適用が可能である。

図面の簡単な説明

[0062] [図 1]トルク測定値を示すグラフ。

[図 2]馬力測定値を示すグラフ。