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1. WO2005033228 - 孔版印刷用水性インキおよび孔版印刷方法

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[ JA ]
明 細書

孔版印刷用水性インキおよび孔版印刷方法

技術分野

[0001] 本発明は、孔版印刷用水性インキ、特に輪転式デジタル孔版印刷機への使用に 適した孔版印刷用水性インキとそれを用いた孔版印刷方法に関する。

背景技術

[0002] 孔版印刷方式は、オフセット印刷、グラビア印刷、凸版印刷のような印刷方式に比 ベて、使用後に洗浄等の煩雑な作業を行う必要がない、専門のオペレーターを必要 としない等の操作性の良さ、簡便性を備えている。サーマルプリンティングヘッドをデ バイスとして用いる感熱製版方式を用いて以来、孔版印刷方式において画像処理の デジタル化が図られるようになり、高品位の印刷物を短時間で簡便に得られるように なったため、情報処理端末としてもますますその利便性が認められてレ、る。

マスターの製版'着版'排版動作、インキの供給動作や印刷動作等が自動制御さ れた輪転式孔版印刷機は、デジタル孔版印刷機等の名称でオフィスや学校などで 広く利用されている。

[0003] 孔版印刷用インキとしては、従来から一般に油中水 (W/O)型エマルシヨンインキ が使用されている。 wZ〇型エマルシヨンインキは、印刷機を非使用状態に放置した ときに、印刷機内部のインキが大気と接触していても、インキの成分構成や物性の変 化を抑制する機能を有している。すなわち、エマルシヨンインキの内相成分である水 は、外相成分である油によって覆われているため、その蒸発が抑制されている。 w/o型エマルシヨンインキにより印刷された印刷物におけるインキの乾燥は、イン キが被印刷体(印刷媒体)である印刷用紙の紙繊維の間へ浸透することと、紙繊維と の接触によりエマルシヨンが油相と水相に徐々に分離して、インキの主成分である水 が大気と接触して蒸発することとにより進行すると考えられている。しかし、被印刷体 に転移したインキ中の水は、印刷後の短時間のうちには大気と接触することができな いため、印刷直後の乾燥性は浸透乾燥に頼ったものとなるところ、 w/o型エマルシ ヨンインキの粘度はある程度高く設計されているため、浸透速度は速くなぐそのため 印刷直後のインキ乾燥性は充分とはいえなかった。

印刷物の乾燥を速めることは、孔版印刷にとって極めて重要な課題である。印刷物 が乾燥しないと作業者はその印刷物を取り扱うことができず、孔版印刷の「短時間で 高品質の印刷物を得る」利点が充分に活力^れないからである。

[0004] そこで、印刷物の乾燥性を高めるために様々な改良がなされており、たとえば、紫 外線照射により定着乾燥する孔版印刷用紫外線硬化型インキが知られている(特開 2002-30238号公報)。また、環境保全性、安全性の観点から孔版印刷用の水性ィ ンキが開発されており、印刷直後の印刷面に塩基を加えて水性インキの紙への浸透 性を高める孔版印刷方法が知られている(特開 2001—302955号公報)。

[0005] しかし、従来の孔版印刷用水性インキでは、印刷物が乾燥した後の画像の定着性 が充分ではなぐ印刷部分を消しゴムで擦ると画像が薄くなる、水性ペンや水性マー カーにより印刷文字がにじむといった問題があった。カロえて、従来の孔版印刷用水 性インキは、印刷機が非使用状態におかれて印刷機内のインキが開放系に放置さ れた状態になると、インキの流動性が失われてしまうという問題点を有していた。特に 、インキ中に定着剤を含有させた場合、インキの付着している印刷済みのマスターが 定着剤の作用によって印刷ドラムに接着してしまい、マスターの排版不良が発生して しまうことがあった。他方、化学反応による定着方式を利用した場合は、硬化工ネル ギ一の照射装置や反応液の塗布装置、そのためのエネルギー等が必要とされた。 そこで、本発明は、熱、光、反応性物質の付与等の特殊な手段、装置、エネルギー 等を使用しなくても印刷用紙等の被印刷体(印刷媒体)への定着性に優れ、かつ、印 刷機が非使用状態で放置された場合のマスターの排版不良を低減できる孔版印刷 用水性インキ、および、それを用いた孔版印刷方法を提供することを目的とする。 発明の開示

[0006] 本発明は、不飽和カルボン酸系水溶性高分子の一価金属塩またはァミン塩と、ァ ルカリ可溶性樹脂のアンモニゥム塩とを含む孔版印刷用水性インキに関する。

[0007] 別の本発明は、上記本発明に係る孔版印刷用水性インキを用いる孔版印刷方法 に関する。

発明を実施するための最良の形態

[0008] 本発明に係る孔版印刷用水性インキ(以下、孔版印刷用水性インキを単に「インキ」 と記す。)は、水と着色剤を含み、不飽和カルボン酸系水溶性高分子の一価金属塩 またはァミン塩とアルカリ可溶性樹脂のアンモニゥム塩とを含むことを特徴とする。以 下、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸とメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリル酸の誘導 体は、アクリル酸の誘導体とメタクリル酸の誘導体を意味する。

[0009] 不飽和カルボン酸系水溶性高分子の一価金属塩またはアミン塩は、インキの増粘 剤として作用する。本発明において、不飽和カルボン酸系水溶性高分子は、以下の 式 (1) :

[化 1]


(式中、 R I , R 2 , R 3はそれぞれ独立に H、 CH 3、 (CH 2 ) nCOOH (nは 0または Iの整 数)を表す。)で示される繰り返し単位を含む水溶性の高分子を意味する。 2以上の カルボキシル基を含む場合に、それらが酸無水物を形成していてもよい。共重合体と なっている場合の共重合形式は、ランダム型、交互型、ブロック型、グラフト型等のい ずれの形態であってもよい。

[0010] この不飽和カルボン酸系増粘剤としては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、無水 マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸およびィタコン酸からなる群から選ばれ る I種以上の不飽和カルボン酸を主鎖に含む水溶性高分子が挙げられ、それらの塩 も含まれる。さらに具体的には、たとえば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリクロトン酸、ポリイ タコン酸、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、アクリル酸一メタクリル酸共重合体、(メタ)ァ クリル酸ーィタコン酸共重合体、(メタ)アクリル酸一マレイン酸共重合体、(メタ)アタリ ル酸ー (メタ)アクリル酸エステル共重合体(すなわち、アクリル酸一アクリル酸エステル 共重合体、アクリル酸ーメタクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸一アクリル酸エス テル共重合体、メタクリル酸ーメタクリル酸エステル共重合体)、(メタ)アクリル酸ースル ホン酸系モノマー共重合体等の不飽和カルボン酸系合成高分子が挙げられる。一

価金属塩としては、たとえば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が挙げられ、了 ミン塩としては、たとえば、トリエタノールァミン等のアルカノールァミン塩が挙げられる

[0011] さらに具体的には、不飽和カルボン酸系水溶性高分子の一価金属塩またはァミン 塩として、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(メタ)アクリル酸カリウム、ポリ(メタ)ァク リノレ酸トリエタノーノレアミン、ポリイタコン酸ナトリウム、ポリマレイン酸ナトリウム、アタリ ル酸-メタクリル酸共重合体ナトリウム、(メタ)アクリル酸-マレイン酸共重合体ナトリウ ム等を好ましく用いることができる。これらは単独で、または 2種以上を組み合わせて 使用すること力 Sできる。

[0012] 不飽和カルボン酸系水溶性高分子の一価金属塩またはアミン塩として、上記の中 和塩に代えて、あるいは、上記の中和塩に加えて、未中和タイプの不飽和カルボン 酸系水溶性高分子と水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールァミン、ジイソ プロパノールァミン等のアルカリ性中和剤とを水中で混合して中和した水溶液を利用 することちでさる。

[0013] 不飽和カルボン酸系水溶性高分子の含有量は、その種類や所望とするインキ粘度 等によって異なる力 S、安定したインキ物性を得るために 0. 01重量%以上であること が好ましぐ他のインキ成分の含有量とのバランスや印刷機が非使用状態で放置さ れた後の印刷動作性の観点から 5重量%以下であることが好ましぐ 0. 05— 3重量 %であることがより好ましぐ 0. 1一 2重量%がー層好ましい。

[0014] インキは、上記不飽和カルボン酸系水溶性高分子に加えて、他の水溶性高分子系 増粘剤や粘土鉱物系増粘剤の 1種以上を必要に応じて含むこともできる。

任意に配合されるその他の水溶性高分子系増粘剤としては、たとえば、アラビアガ ム、カラギーナン、グァガム、ローカストビーンガム、ぺクチン、トラガントガム、コーンス ターチ、コンニヤクマンナン、寒天等の植物系天然高分子;プルラン、キサンタンガム 、デキストリン等の微生物系天然高分子;ゼラチン、カゼイン、にかわ等の動物系天 然高分子;ェチノレセノレロース、カノレボキシメチノレセノレロース、ヒドロキシェチノレセノレ口 ース、ヒドロキシプロピノレセノレロース、メチノレセノレロース、ヒドロキシプロピノレメチノレセ ノレロース等のセルロース系半合成高分子;ヒドロキシェチルスターチ、カルボキシメチ

ノレスターチナトリウム、シクロデキストリン等のデンプン系半合成高分子;アルギン酸 ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコール等のアルギン酸系半合成高分子;ヒアル ロン酸ナトリウム;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエー テル、ポリ N—ビュルァセトアミド、ポリアクリノレアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリェチ レンィミン、ポリウレタン等の合成高分子、を用いることができる。

粘土鉱物系の増粘剤としては、たとえば、モンモリロナイト、ヘクトライト、サボナイト 等のスメクタイト系粘土鉱物を用いることができる。

任意に配合されるその他の増粘剤の配合量は、好ましくはインキ中に 10重量%以 下、より好ましくは 5重量%以下、一層好ましくは 2重量%以下である。

[0015] アルカリ可溶性樹脂のアンモニゥム塩は、印刷用紙等の被印刷体への着色剤の定 着剤等として用いられる。着色剤として顔料を用いる場合は、これを顔料の分散剤と して兼用することあでさる。

本発明においてアルカリ可溶性樹脂とは、水には不溶性であるが、アルカリの存在 下では水可溶性になる高分子のことを意味する。したがって、たとえばアクリル酸-ァ クリル酸エステル共重合体のように、化合物名が同じであっても、本発明においては

、その溶解性により水溶性高分子またはアルカリ可溶性樹脂に分類される。

[0016] アルカリ可溶性樹脂のアンモニゥム塩としては、たとえば、スチレン- (メタ)アクリル 酸共重合体、スチレン一 αメチルスチレン一 (メタ)アクリル酸共重合体、スチレン一 (メ タ)アクリル酸エステル- (メタ)アクリル酸共重合体(すなわち、スチレン-アクリル酸ェ ステルーアクリル酸共重合体、スチレン一アクリル酸エステルーメタクリル酸共重合体、 スチレンーメタクリル酸エステル一アクリル酸共重合体、スチレンーメタクリル酸エステル —メタクリル酸共重合体)、スチレン一無水マレイン酸共重合体、ビュルナフタレン一 (メ タ)アクリル酸共重合体、ビュルナフタレン—マレイン酸共重合体、イソブチレン一無水 マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸エステル— (メタ)アクリル酸共重合体 (すなわ ち、アクリル酸エステル一アクリル酸共重合体、メタクリル酸エステル一アクリル酸共重 合体、アクリル酸エステルーメタクリル酸共重合体、メタクリル酸エステルーメタクリル酸 共重合体)、アクリル酸エステルーメタクリル酸エステル一 (メタ)アクリル酸共重合体の 各アンモニゥム塩を用いることができる。これらは単独で、または 2種以上を組み合わ

せて使用できる。通常、アルカリ可溶性樹脂のアンモニゥム塩は、アンモニア水溶液 中にアルカリ可溶性樹脂を溶解させた、アルカリ可溶性樹脂アンモニゥム塩の水溶 液として用いられる。

[0017] アルカリ可溶性樹脂は、その定着剤としての効果を発揮させるために、インキ中に 固形分換算で 0. 1重量%以上含有させることが好ましぐより好ましくは 0. 3重量% 以上である。一方、これを多量に含有させると印刷機の非使用後の印刷性能に支障 をきたす恐れがあるため、固形分換算で 5重量%以下の範囲で含有させることが好ま しぐより好ましくは 3重量%以下である。

[0018] 上記不飽和カルボン酸系水溶性高分子とアルカリ可溶性樹脂は、固形分換算重 量比として 1: 9一 4 : 1の配合比で含まれていることが印刷画像の定着性と印刷機の 非使用後の印刷性能の点から好ましぐより好ましくは 1 : 6 3 : 1、さらに好ましくは 1 : 4一 2 : 1である。

本発明において、アルカリ可溶性樹脂は、印刷機内部においては定着剤として作 用せず、印刷用紙等の被印刷体上では定着剤として大きな効果を発揮する。その理 由は、以下のように考えられる。すなわち、印刷機が非使用状態におかれてインキが 開放系に放置され、アルカリ可溶性樹脂のアンモニゥム塩からアンモニアが蒸発して も、印刷機内部では多量のインキが連続相として存在するため、増粘剤中の不揮発 成分である一価金属もしくはァミン成分がインキ中を移動して、水溶性のアルカリ可 溶性樹脂一価金属塩またはアミン塩となるため、インキ中のアルカリ可溶性樹脂はィ ンキ定着剤として作用しないと考えられる。一方、印刷用紙に転移したインキは、印 刷機内の存在量と比較して少量であるうえ印刷用紙に浸透拡散するため、インキは 印刷用紙上で非連続相となり、その結果、アルカリ可溶性樹脂アンモニゥム塩からァ ンモユアが徐々に蒸発して不溶性の樹脂(アルカリ可溶性樹脂)が生成し、これがィ ンキ定着剤として作用すると考えられる。

[0019] 水溶性有機溶剤としては、室温で液体であり、水に溶解可能な有機化合物が用い られる。たとえば、メタノーノレ、エタノール、 1_プロパノール、イソプロパノール、 1—ブ タノ一ノレ、 2—ブタノール、イソブタノール、 2—メチノレ _2_プロパノール等の低級アルコ 一ノレ類;エチレングリコーノレ、ジエチレングリコーノレ、トリエチレングリコーノレ、テトラエ チレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリ コール、トリプロピレングリコール等のグリコール類;グリセリン;ァセチン類(モノァセチ ン、ジァセチン、トリァセチン);トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ ングリコーノレモノェチノレエーテノレ、トリエチレングリコーノレモノプロピノレエーテノレ、トリ エチレングリコーノレモノブチノレエーテノレ、テトラエチレングリコーノレモノメチノレエーテ ノレ、テトラエチレングリコーノレモノェチノレエーテノレ、テトラエチレングリコーノレジメチノレ エーテル、テトラエチレングリコールジェチルエーテル等のグリコール類の誘導体;ト リエタノーノレアミン、 /3—チォジグリコール、スルホランを用いることができる。平均分子 量 200、 300、 400、 600等の平均分子量力 S190— 630の範囲にあるポリエチレング リコーノレ、平均分子量 400等の平均分子量が 200 600の範囲にあるジオール型ポ リプロピレングリコール、平均分子量 300、 700等の平均分子量が 250 800の範囲 にあるトリオール型ポリプロピレングリコール、等の低分子量ポリアルキレングリコール を用いることもできる。これらの水溶性有機溶剤は単独で、または 2種以上を組み合 わせて使用することができる。

[0020] 水溶性有機溶剤のインキ中の含有量は、 5重量%以上であることが好ましぐ 10重 量%以上であることがより好ましい。一方、水溶性有機溶剤の配合量の上限につい ては、特に限定はされないが、画像の裏抜けを少なくするため、 45重量%以下程度 であることが好ましぐ 35重量%以下程度がより好ましい。水よりも高沸点の、より好ま しくは沸点が 150°C以上の水溶性有機溶剤をインキ中に 5重量%以上含有させるこ とにより、印刷中のマスター穿孔部の乾燥を有効に防止でき好ましい。

[0021] 水は、印刷物の乾燥性を高める観点から、インキ中に 50重量%以上含まれている ことが好ましぐ 65重量%以上含まれていることがより好ましい。一方、水の配合量の 上限は、特に限定はなぐ他の配合成分とのバランスから適宜設定されることが好ま しい。

[0022] 着色剤としては、顔料または染料を用いることができ、 2種以上を併用してもよい。

顔料としては、たとえば、ァゾ系、フタロシアニン系、染料系、縮合多環系、ニトロ系、 ニトロソ系等の有機顔料(ブリリアントカーミン 6B、レーキレッド C、ウォッチングレッド、 ジスァゾイェロー、ノヽンザイェロー、フタロシアニンブノレー、フタロシアニングリーン、

アル力リブノレー、ァニリンブラック等);コバルト、鉄、クロム、銅、亜鉛、鉛、チタン、ノく ナジゥム、マンガン、ニッケル等の金属類、金属酸化物および硫化物、ならびに黄土 、群青、紺青等の無機顔料、ファーネスカーボンブラック、ランプブラック、アセチレン ブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック類を用いることができる。染料として は、たとえば、塩基性染料、酸性染料、直接染料、可溶性バット染料、酸性媒染染料 、媒染染料、反応染料、バット染料、硫化染料等のうち水溶性の染料および還元等 により水溶性になった水溶性染料を用いることができる。顔料、染料のいずれ力もしく は両方を着色剤として用いてもよいが、顔料を用いることにより画像の滲みや裏抜け が少なぐ耐候性にも優れたインキとすることができるため好ましい。

[0023] インキ中の着色剤の含有量は、通常 1一 15重量%であり、 3 12重量%であること が好ましい。印刷物の印刷濃度をより高めるために、 5重量%以上含有させることがさ らに好ましい。着色剤の含有量が 15重量%を超えると、印刷機が非使用状態におか れた後の印刷性能を損なう恐れがある。

[0024] インキには、上記の成分に加え、顔料分散剤、他の定着剤、消泡剤、表面張力低 下剤、 pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤等を適宜含有させることができる。

たとえば、インキに水中油(〇/W)型樹脂エマルシヨンを含有させて、印刷用紙等 の被印刷体への着色剤の定着剤等として用いることができる。着色剤として顔料を用 レ、る場合においては、この樹脂エマルシヨンを顔料の分散剤として用いることもできる

水中油(O/W)型樹脂エマルシヨンとしては、たとえば、ポリ酢酸ビュル、エチレン 一酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニルー (メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ(メタ) アクリル酸エステル、ポリスチレン、スチレン一(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ス チレン一ブタジエン共重合体、塩化ビニリデンー (メタ)アクリル酸エステル共重合体、 ポリ塩ィ匕ビュル、塩ィ匕ビ二ルー酢酸ビュル共重合体、ポリウレタン等の樹脂エマルショ ンを用いることができる。これらの 2種以上を併用してもょレ、。

樹脂エマルシヨンは、多量に含有させると印刷機の非使用後の印刷性能に支障を きたす恐れがあるため、インキ中に固形分換算で 5重量%以下の範囲で含有させる ことが好ましぐより好ましくは 2重量%以下である。

[0025] なお、増粘剤として例示した上記水溶性高分子は、その種類と量によっては、イン キの増粘剤以外にも、印刷用紙への着色剤の定着剤等として用いることができる。ま た、着色剤として顔料を用いる場合においては、顔料の分散剤として用いることもで きる。

[0026] 印刷物の画質を向上させるために、インキ中に体質顔料を含有させることができる。

体質顔料としては、たとえば、白土、タルク、クレー、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸 バリウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ、カオリン、マイ力、水酸化アルミユウ ムを用いることができ、これらの 2種以上を併用してもよい。

体質顔料は、多量に含有させると被印刷体への着色剤の定着を阻害したり、印刷 機の非使用後の印刷性能に支障をきたす恐れがあるため、 5重量%以下の範囲で 含有させることが好ましぐより好ましくは 2重量%以下である。

[0027] さらに、顔料分散剤、消泡剤、表面張力低下剤等として、ァニオン界面活性剤、力 チオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、または高分子系、シリ コーン系、フッ素系の界面活性剤をインキに含有させることができる。

インキの粘度や pHを調整するために、インキに電解質を配合することもできる。電 解質としては、たとえば、硫酸ナトリウム、リン酸水素カリウム、クェン酸ナトリウム、酒 石酸カリウム、ホウ酸ナトリウムが挙げられ、 2種以上を併用してもよい。硫酸、硝酸、 酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニゥム、トリエタノールアミン等 も、インキの増粘助剤や pH調整剤として用いることができる。

[0028] 酸化防止剤を配合することにより、インキ成分の酸化を防止し、インキの保存安定 性を向上させることができる。酸化防止剤としては、たとえば、 L-ァスコルビン酸、 L- ァスコルビン酸ナトリウム、イソァスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリ ゥム、チォ硫酸ナトリウム、亜ニチオン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムを用いること ができる。

[0029] 防腐剤を配合することにより、インキの腐敗を防止して保存安定性を向上させること 力 Sできる。防腐剤としては、たとえば、 5—クロ口一 2-メチル一4-イソチアゾリン一 3—オン 、 2_メチル _4_イソチアゾリン一 3_オン、 2_n—ォクチノレ一 4_イソチアゾリン一 3_オン、 1 , 2_ベンゾイソチアゾリン一 3—オン等のイソチアゾロン系防腐斉 lj ;へキサヒドロ _1, 3 , 5—トリス(2-ヒドロキシェチル) _s_トリァジン等のトリアジン系防腐剤; 2-ピリジンチ オールナトリウム- 1-ォキシド、 8-ォキシキノリン等のピリジン'キノリン系防腐剤;ジメ チルジチォカルバミン酸ナトリウム等のジチォ力ルバメート系防腐剤; 2, 2—ジブロモ _3_二トリ口プロピオンアミド、 2_ブロモ _2_ニトロ— 1 , 3—プロパンジォーノレ、 2, 2- ジブロモ— 2_ニトロエタノール、 1 , 2_ジブロモ _2, 4_ジシァノブタン等の有機臭素 系防腐剤; P—ヒドロキシ安息香酸メチル、 P—ヒドロキシ安息香酸ェチル、ソルビン酸 カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、サリチル酸を用いることができる。

[0030] 以上のような成分を含むインキは、水と着色剤と不飽和カルボン酸系水溶性高分 子の一価金属塩またはァミン塩とアルカリ可溶性樹脂のアンモニゥム塩と、必要に応 じて適宜配合される上記の成分とを混合させて製造することができる。たとえば、一部 の水と顔料と顔料分散剤とを混合し、ボールミル、ビーズミル等の分散手段を用いて 顔料を分散させ、一方で、残りの水と増粘剤と定着剤と水溶性有機溶剤とを混合し、 そして、両者を混ぜ合わせるようにしてもよい。

インキの粘度は、印刷装置の印圧等によってその適性範囲は異なるが、一般に、 約 0· 5—約 20Pa' s (20°C、せん断速度 100/sにおける粘度)であり、また、(擬)塑 性流動性であることが孔版印刷用として適してレ、る。

[0031] 本発明のインキは、不飽和カルボン酸系水溶性高分子の一価金属塩またはァミン 塩と、アルカリ可溶性樹脂のアンモニゥム塩とを含んでいるために、被印刷体への定 着性に優れるとともに、印刷機内部の開放系で放置された場合のマスターの排版性 の低下を低減できる。したがって、本発明のインキを用いることにより、インキの定着 性に優れ、印刷部分を消しゴムで擦っても画像が薄くなりにくぐ水性ペンや水性マ 一力一により印刷文字がにじみにくい高品質な印刷物を提供することができ、かつ、 印刷機を非使用状態で放置した後も、支障なく印刷を再開することができる。加えて 、本発明では、熱、光、被印刷体への反応性物質の付与等の特殊な手段、装置、ェ ネルギ一等を必要としないため、印刷装置の小型化、環境保全、安全性等の点で優 れている。

[0032] 次に、本発明に係る孔版印刷方法は、上記の本発明のインキを用いて行われる。

具体的には、製版したマスターを準備する工程と、製版したマスターと被印刷体を圧

接させることによってマスターの穿孔部から本発明のインキを通過させて被印刷体に インキを転移させる工程とを含んでレ、る。

用いられる孔版印刷機は、特に限定はされないが、操作性に優れる点からデジタ ル孔版印刷機を用いることが好ましい。

ぐ実施例 >

[0033] 以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるも のではない。以下、「重量%」を単に「%」と記す。

(実施例 1)

着色剤としてカーボンブラック (三菱化学株式会社製「# 40」)6. 0%、顔料分散剤 として非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンノユルフェニルエーテル(日光ケ ミカルズ株式会社製「NP_10」)1. 0%、蒸留水 20. 0%を混合し、ビーズミルで充 分に分散させて顔料分散液を調製した。増粘剤として不飽和カルボン酸系水溶性高 分子の一価金属塩であるポリアクリル酸ナトリウム(日本純薬株式会社製「レオジック 2 50H」)1. 0%を蒸留水 30. 0%に溶解させ、これに先に調製した顔料分散液 27. 0 %、アルカリ可溶性樹脂としてアクリル酸アクリル酸エステル共重合体アンモニゥム 水溶液(日本純薬株式会社製「ジユリマー AT-510」、固形分 30%) 10. 0%、水溶 性有機溶剤としてテトラエチレングリコール 20. 0%、および蒸留水の残部(12. 0%) をカ卩えて混合して、実施例 1のインキを得た。

[0034] (実施例 2— 4、比較例 1および 2)

表 1に示す配合とした以外は実施例 1と同様にして、各実施例のインキを得た。表 1 中、アクリル酸メタクリル酸エステル共重合体は BFグッドリッチ社製「カーボポール E TD2020」であり、スチレン一 aメチルスチレン一アクリル酸共重合体アンモニゥム水 溶液はジョンソンポリマー株式会社製「ジョンクリル 60」(固形分 34%)である。実施例 2および 4では、アクリル酸一メタクリル酸エステル共重合体 1. 0%を蒸留水 30. 0% に溶解させたのち、トリエタノールァミン 2. 0%をカ卩えて中和してアミン塩として用いた 力 比較例 2では、トリエタノールアミンを使用しな力、つた。また、実施例 3と 4では、非 イオン界面活性剤を使用せず、アルカリ可溶性樹脂を用いて顔料を分散させた。

[0035] 上記実施例および比較例で作製した各インキを用いて、それぞれ孔版印刷機(リソ

グラフ RP370、理想科学工業株式会社製)にて印刷用紙 (理想科学工業株式会社 製「理想用紙薄口」)に印刷を行レ、、インキの(印刷物の画像の)定着性および排版 動作性をそれぞれ以下のように評価した。

(耐消しゴム性)印刷 1時間後に得られた画像を消しゴムでこすり、画像がほとんど消 えなかったものを A、薄くなつてしまったものを Cとして評価した。

(耐水性ペン性)印刷 1時間後に得られた画像を水性蛍光顔料ペンでなぞり書きした 。画像の滲みがほとんどなかったものを A、滲みが大きかったものを Cと評価した。 (排版動作性)印刷終了後、印刷機をそのままの状態で 14時間放置した。その後、 マスターの排版動作を問題なくできたものを A、マスターが印刷ドラムに接着してしま つていたため排版できな力たものを Cと評価した。

それぞれの評価結果を表 1に併せて示す。

[表 1]


実施例のインキはいずれも、印刷物の画像の定着性に優れ、排版動作性も良好で あった。