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1. WO2005030468 - 厚物平板成形品及びその製造方法

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[ JA ]
厚物平板成形品及びその製造方法

技術分野

本発明は、厚物平板成形品及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発 明は、中央部から周縁部まで厚みが均一でむらがなく、金型表面の微細な凹凸模 様を正確に転写し、光学材料として好適に用いることができる厚物平板成形品及 びその製造方法に関する。

背景技術

射出成形品は、日用品、自動車部品、家電部品、電子部品、光学機器など、汎 用から精密用途に至るまで広範囲に使用されている。射出成形品の品質と生産性 の良否は、金型の良否に左右されるところが大きい。射出成形用金型の製作には 、工作精度、品質の均一化、生産性など、あらゆる面で高度な技術が要求される 。液晶表示装置の光拡散板、導光板などは、一見すると単純な形状の平板である が、実用上は極めて厳密な平面性が必要であり、厚みむらがないことが要求され る。平板のような単純な形状であっても、厚みむらのない射出成形品を製造する ことは容易ではなく、厚みむらのなレ、射出成形品を製造するためにさまざまな試' みがなされている。

例えば、プラテン平行度のずれやタイバ延びの変化に起因した金型のかじりや 成形体の厚みむらを低減させる射出成形方法として、固定プラテンと可動プラテ ンの平行度をそれぞれ実際の射出成形時のプラテン温度に相当する温度に加熱し た状態で予め調整しておき、射出成形時にプラテンを平行度調整時の温度に維持 する方法が提案されている(特許文献 1 )。しかし、射出成形においては、型締圧 力や射出圧力などの力が作用して金型が変形するので.、特に大型成形品の場合は 、温度制御のみによって平行性を実現することは困難である。また、光磁気ディ スク基盤などの寸法精度と面粗さ精度を上げ、成形体の充填密度を上げることが できる射出成形金型として、固定側組立と可動側組立とを有し、円盤キヤビティ 中に射出された溶融樹脂材料が凝固する前に力ットスリーブを押し上げて中心孔

の形成と円盤キヤビティ部の密閉を同時に行い、次に可動側組立を上昇させて一 次成形体を再圧縮する金型が提案されている(特許文献 2 )。しかし、大型の長方 形の成形品の厚みむらをこのような手段によって低減することは困難である。さ らに、成形圧力による金型の撓みを抑えること力 S可能であり、パーティング面に 大きな隙間が発生してバリが発生するのを抑えることができる金型として、成形 圧力による金型の橈みを抑えるように、キヤビティの数及ぴ配置に応じてェジェ クタスペースを複数設けた射出成形用金型が提案されている(特許文献 3 )。しか し、このような手段は、多数個取りの金型には有効であっても、大型成形品 1個 取りの金型に適用することはできない。

[特許文献 1 ] 特開平 1 0— 3 2 3 8 7 2号公報(第 2頁、図 1—2 )

[特許文献 2 ] 特開平 6— 2 7 0 2 0 8号公孝 β (第 2— 3頁、図 1 )

[特許文献 3 ] 特開平 1 0— 4 4 1 9 7号公 β (第 2 Μ、図 1 )

発明の開示

本発明は、中央部から周縁部まで厚みが均一でむらがなく、金型表面の微細な 凹凸模様を正確に転写し、光学材料として好適に用いることができる厚物平板成 形品及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。

本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性榭脂 の射出成形により厚物平板成形品を製造すると、厚物平板成形品の周縁部の厚み が中央部の厚みよりも厚くなり、そのために厚物平板成形品を液晶表示装置の導 光板として用いたとき、画面の周縁部に明線ゃ嗲帯などの輝度の異なる縞状の部 分が生ずること、及び、射出成形用金型の端辺を加熱して金型の中央部より高温 に保つことにより、厚物平板成形品の周縁部の厚みと中央部の厚みとの差が減少 し、厚物平板成形品を液晶表示装置の導光板として用いたとき、画面の周縁部に 明線や暗帯などが発生しなくなることを見いだし、この知見に基づいて本発明を 完成するに至った。

すなわち、本発明は、

( 1 ) 射出成形法により製造された熱可塑性樹脂を含んでなる長方形の厚物平板 成形品において、以下の式

ギャップ値 = {(τΜΑΧΜΙΝ) /TCENTER} X I 00

(ただし、上記式において、 τΜΑΧは平板成形品の最大厚み、 TMINは平板成形品 の最小厚み、 TCENTERは平板成形品の中央部の厚みをそれぞれ表す)

で表されるギヤップ値が 3 %以下であることを特徴とする厚物平板成形品、 (2) ギャップ値が 1%以下である第 1項記載の厚物平板成形品、

(3) 中央部の厚みが、 3〜 5 Ommである第 1項又は第 2項記載の厚物平板成 形品、

(4) 熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する樹脂で ¾>る第 1項乃至第 3項のいず れか 1項に記載の厚物平板成形品、 .

(5) 熱可塑性樹脂が、メタタリル榭脂又は (メタ)ァクリル酸アルキルエステル 一芳香族ビュル化合物共重合体である第 1項乃至第 3項のいずれか 1項に記載の 厚物平板成形品、

( 6 ) 液晶表示装置の導光板であ第 1項乃至第 5項の 1、ずれか 1項に記載の厚物 平板成形品、及び

(7) 熱可塑性樹脂の厚物平板成形品を射出成形法により製造するに際して、射 出成形用金型の長方形のキヤビティの少なくとも 1対の対向する 2端辺の温度が 、金型のキヤビティの中央部の最高温度よりも 2 °C以上高く維持されるように金 型を加熱することを特徴とする第 1項乃至第 6項のいずれか 1項に記載の厚物平 板成形品の製造方法、

を提供するものである。

さらに、本発明の好ましい態様として、

(8) 1つの成形サイクル中に、金型内の熱媒体流路に通液する熱媒体を高温の 熱媒体と低温の熱媒体に切り替えて、射出時の金型のキヤビティの中央部の温度 を高く、冷却時の金型のキヤビティの中央部の温度を低くする第 6項記載の厚物 平板成形品の製造方法、

を挙げることができる。

図面の簡単な説明

F i g. 1は射出成形法により製造された厚物平板成形品の模式的断面図、 F i g . 2は液晶表示装置の画面の説明図、 F i g . 3は厚物平板成形品の中央部 の説明図、 F i g . 4は本発明方法におけるキヤビティの端辺の加熱方法の一態 様を示す説明図である。図中、符号 1は中央部、 2は端辺、 3は明線、 4は暗帯 、 5はキヤビティ、 6は棒状ヒーターである。

発明を実施するための最良の形態

本発明の厚物平板成形品は、射出成形法により製造された熱可塑性樹脂の長方 形の厚物平板成形品において、最大厚みと最小厚みとの差が、中央部の厚みの 3 %以下、より好ましくは 2 %以下、特に好ましくは 1 %以下である厚物平板成形 品である。本発明の厚物平板成形品及びその製造方法を適用する対象に特に制限 はないが、導光板、光拡散板、反射板などの表面に厳しい平面性が要求される大 型の厚物平板成形品に好適に適用することができるが、液晶表示装置の導光板に 特に好適に適用することができる。

F i g . 1は、射出成形法により製造された厚物平板成形品の模式的断面図で ある。厚物平板成形品を射出成形法により製造すると、中央部 1よりも端辺 2の 厚みが厚い成形品が得られる。このような成形品を液晶表示装置の導光板として 用いると、画面の入光面の近くに、 F i g . 2に模式的に示すような、輝度の強 い線状の明線 3や、輝度の弱い帯状の暗帯 4などが現れて、画質を低下させる。 液晶表示装置の導光板として、最大厚みと最小厚みとの差が中央部の厚みの 3 % 以下である本発明の厚物平板成形品を用いることにより、明線や暗帯などのない 外観品質の良好な画面を得ることができる。

本発明において、厚物平板成形品の中央部とは、長方形の厚物平板成形品の対 角線の交点である。厚物平板成形品が正確な長方形の形状でない場合は、その形 状の各辺を延長して形成される長方形の対角線の交点を中央部とする。このとき 、各辺の延長により補われる部分と除かれる部分の合計面積が最小になるように 各辺を延長して長方形を形成する。 F i g . 3は、厚物平板成形品の中央部の説 明図である。本図の 3例に示すように、各例において、点線で示すように各辺を 延長して長方形を形成し、例えば、中央の図の一点鎖線で示すようには各辺を延 長しない。

本発明の厚物平板成形品においては、中央部の厚みが 3〜 5 0 mmであること が好ましく、 5〜 2 0 mmであることがより好ましい。中央部の厚みが 3 mm未 満の平板成形品は、最大厚みと最小厚みとの差が中央部の厚みの 3 °/0を超えても 、明線や暗帯などの光学的な不都合が生じにくい。中央部の厚みが 5 O mmを超 える厚物平板成形品は、冷却に長時間を要するので射出成形法により製造するこ とは得策ではない

本努明に用いる熱可塑性樹脂に特に制限はなく、例えば、脂環式構造を有する 榭脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル一 スチレン共重合体樹脂、(メタ)アクリル酸エステノ I ^一芳香族ビニル化合物共重合 体、好ましくはメタクリル酸メチルースチレン共重合体樹脂、 A B S樹脂、ポリ エーテルスルホンなどを挙げることができる。これらの中で、脂環式構造を有す る樹脂、メタクリル樹月旨及び (メタ)ァクリル酸エステル一芳香族ビニルイ匕合物共 重合体を好適に用いることができ、脂環式構造を有する樹脂を特に好適に用いる ことができる。

脂環式構造を有する樹脂は、溶融樹脂の流動性力 S良好なので、金型のキヤビテ ィ表面の微細な凹凸模様を正確に転写することができ、吸湿性が極めて低いので 、寸法安定性に優れ、厚物平板成形品に反りを生ずることがなく、比重が小さい ので、大型の厚物平板成形品を軽量化することができる。

脂環式構造を有する樹脂としては、主鎖又は側鎖に脂環式構造を有する重合体 樹脂を挙げることができる。主鎖に脂環式構造を^する重合体樹脂は、機械的強 度と耐熱性が良好なので、特に好適に用いることできる。脂環式構造は、飽和 環状炭化水素構造であることが好ましく、その炭泰数は、 4〜 3 0であることが 好ましく、 5〜2 0であることがより好ましく、 5〜1 5であることがさらに好 ましい。脂環式構造を有する重合体樹脂中の脂環構造を有する繰り返し単位の 割合は、 5 0重量%以上であることが好ましく、ァ 0重量%以上であることがよ り好ましく、 9 0重量%以上であることがさらに好ましい。

脂環式構造を有する樹脂としては、例えば、ノノレボルネン系単量体の開環重合 体若しくは開環共重合体又はそれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付カロ 重合体若しくは付加共重合体又はそれらの水素添カロ物、単環の環状ォレフィン系 単量体の重合体又はその水素添加物、環状共役ジェン系単量体の重合体又はその 水素添加物、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体若しくは共重合体又はそれ らの水素添加物、ビニル芳香族炭化水素系単量の重合体又は共重合体の芳香環 を含む不飽和結合部分の水素添加物などを挙げることができる。これらの中で、 ノルボルネン系単量体の重合体の水素添加物及び、ビニル芳香族炭化水素系単量体 の重合体の芳香環を含む不飽和結合部分の水素添力 Π物は、機械的強度と耐熱性に 優れるので、特に好適に用いることができる。

メタクリル樹脂としては、メタクリル酸メチノレに由来する繰返し単位を全繰返 し単位に対し好ましくは 8 0モル%以上含有するものを挙げることができる。中 でも、 A S TM D 1 2 3 8に準拠して 2 3 0。C、 3 7. 3 k gの荷重下で測定し たメルトフローレートが、 0. 5〜2 0 g Z l 0分のメタクリノレ榭脂が好ましレ、。

(メタ)アクリル酸アルキルエステル一芳香族ビニルイ匕合物共重合体は、芳香族 ビュル化合物と低級アルキル基を有する(メタ)ァクリル酸アルキルエステル化合 物とを共重合して得られる。

芳香族ビニル化合物としては、スチレン、ひーメチルスチレン、 m—メチノレス チレン、 ーメチノレスチレン、 o—クロノレスチレン、 p—クロルスチレン等が挙 げられる。これらを単独若しくは 2種以上併用して使用してもよい。

低級アルキル基を有する(メタ)ァクリル酸アルキルエステル化合物としては、 炭素数 1〜4のアルキル基、好ましくは炭素数 1スは 2のアルキル基を有する(メ タ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ、具 #的にはメタクリル酸メチル、メ タクリル酸ェチル、アクリル酸メチル、アクリル酸ェチルが挙げられる。これら を単独若しくは 2種以上併用して使用してもよい。

前記共重合体を構成する各成分の割合は、芳香族ビニル化合物が 9 5〜 5重量 %、低級アルキル基を有する(メタ)ァクリル酸ァ /レキルエステル化合物が 5〜 9 5重量%の範囲である。中でも、光学特性、成形 t生などの点から、上記芳香族ビ 二ルイ匕合物が 6 0〜 2 0重量。 /。、低級アルキル基を有する(メタ)ァクリル酸アル キルエステル化合物が 8 0〜4 0重量%の範囲が好ましレ、。

本発明に用いる熱可塑性樹脂のガラス転移温度 TT gは、 8 0 °C以上、好ましく は 9 0〜2 5 0 °Cである—。ガラス転移温度 T gは、 J I S K 7 1 2 1に準拠し て、示差走査熱量測定(D S C) により測定する。

なお、本発明の厚物平板成形品を導光板として用いる場合、上述した樹脂に、 必要に応じて、その他のポリマー、各種配合剤又は充填剤を単独あるいは 2種以 上混合して用いることができる。その他のポリマーとしては、ポリブタジエン、 ポリアクリレートなどのゴム又は樹脂が挙げられる。

配合剤としては、酸化防止剤、紫外泉吸収剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染 料や顔料などの着色剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤などの配合剤が 挙げられる。また、導光板は、必ずしも透明である必要はなく、ポリスチレン系 重合体、ポリシロキサン系重合体又はこれらの架橋物からなる微粒子を配合し光 散乱能を付与することもできる。

上記その他のポリマー、各種配合剤又は充填材は、単独で、あるいは 2種以上 を組み合わせて用いることができ、その酉己合量は本発明の目的を損なわなレ、範囲 で適宜選択され、熱可塑性樹脂 1 0 0重量部に対して、通常 0〜5重量部、好ま しくは 0〜 3重量部である。

本発明の厚物平板成形品の製造方法においては、熱可塑性樹脂の厚物平板成形 品を射出成形法により製造するに際して、射出成形用金型の長方形のキヤビティ の少なくとも 1対の対向する 2端辺の温度が、金型のキヤビティの中央部の最高 温度よりも 2 °C以上高く維持されるように金型を加熱する。キヤビティの中央部 の温度とは、厚物平板成形品の中央部が接触する金型の中央部の温度をいう。ま た、対向する 2端辺の温度とは、厚物平板成形品と接触する金型の 2端辺の温度 をいう。なお、 2端辺に温度分布がある場合は、その最も低い部分の温度をキヤ ビティの中央部の最高温度よりも 2 °C以上高く維持する必要がある。 F i g . 4 は、本発明方法におけるキヤビティの端辺の加熱方法の一態様'を示す説明図であ る。本図においては、金型のキヤビティ 5の 1対の対向する 2長辺に発熱抵抗体 からなる棒状ヒーター 6が埋め込まれている。棒状ヒーターに通電する電圧を調 節することにより、キヤビティの端辺の温度を制御することができる。 F i g . 4に示す態様においては、金型のキヤビティの 1対の対向する 2長辺を加熱して いるが、さらに、他の 2辺にも棒状ヒーターを埋め込んで、キヤビティの 2対の 対向する 4端辺を加熱することもできる。本発明方法において、キヤビティの端 辺を加熱する方法に特に制限はなく、例えば、金型内のキヤビティの端辺の近傍 に熱媒体の流路を設け、高温の熱媒体を通液することにより加熱することができ る。 · 本発明方法においては、金型のキヤビティの少なくとも 1対の対向する 2端辺 の温度をキヤビティの中央部の温度より高くすることにより、厚物平板成形品の 周縁部が厚くなることを防ぎ、厚みむらの少ない、優れた平面性を有する厚物平 板成形品を得ることができる。まこ、厚物平板成形品が導光板である場合、出光 面には光を拡散するための微細なプリズムパターンが設けられ、反射面には光の 反射方向を制御するための微細な突起などのパタ一ンが設けられる場合が多レ、。 ゲートからキヤビティ内に送られこ溶融榭脂は、キヤビティ内を流動して端辺ま で到達し、キヤビティを充填する。しかし、キヤビティ内を流動する間に溶融樹 脂の温度が下がり、キヤビティの端辺では金型の微細な凹凸模様の転写が不完全 になりやすい。本発明方法によれば、溶融樹脂の温度が下がりやすいキヤビティ の端辺の温度をキヤビティ中央部の最高温度より高くすることにより、金型の微 細な凹凸模様の転写性を高めること力 Sできる。

本発明方法において、金型の温度調節方法に特に制限はなく、例えば、金型内 の熱媒体の流路に一定温度の熱媒体を通液して、金型温度を一定に制御すること ができ、あるいは、射出成形の 1サイクルの中で、高温の熱媒体と低温の熱媒体 を切り替えて通液し、射出時には金型温度を高くして、溶融樹脂の流動性と転写 性を高め、冷却時には金型温度を低くして、成形サイクルを短くし、生産性を向 上することもできる。金型温度を一定に制御する場合は、その温度がキヤビティ 中央部の最高温度となり、高温の熱媒体と低温の熱媒体を切り替えて通液する場 合は、 1成形サイクル中にキヤビティの中央部が到達する最も高い温度が、キヤ ビティの中央部の最高温度である。

本発明方法において、金型のキャビティの少なくとも 1対の対向する 2端辺の 温度は、キヤビティの中央部の最高温度より 2 °C以上高く、より好ましくは 3〜 3 0 °C高く、さらに好ましくは 5〜 2 0 °C高く維持する。金型のキヤビティの端 辺の温度とキヤビティの中央部の最高温度の差が 2 °C未満であると、厚物平板成 形品の厚みむらを減少する効果と、鈕型の微細な凹凸模様を正確に転写する効果

が十分に発現しないおそれがある。金型のキヤビティの端辺の温度とキヤビティ の中央部の最高温度の差が大きすぎると、成形サイクルが延びて生産性が低下す るおそれがある。

本発明においては、通常 T g + 100 (°C) 〜Tg + 200 (°C)、好ましくは Tg+150 (。C) 〜Tg + 200 (°C) の樹脂温度で、通常 T g— 50 (°C)、 好ましくは Tg— 30 (°C) 〜Tg (°C) の金型温度で射出成形する。なお、前 記 Tgは、用いる熱可塑性榭 3旨のガラス転移温度(単位は。 C) である。

実施例

以下に、実施例を挙げて本猪明をさらに詳細に説明する力 s、本発明はこれらの 実施例によりなんら限定されるものではない。

なお、実施例及ぴ比較例において、厚物平板成形品は下記の方法により評価し た。

(1) ギャップ値

導光板の対角線の交点を中央部とし、中央部を通る短辺に平行な直線上で、導 光板の端から端まで 0.1 mm 隔で、非接触三次元測定器 [三鷹光器 (株)、 NH 一 3] を用いて厚みを測定し、次式によりギャップ値を求める。

ギャップ値 = {(TMAX-TMIN) ZTCENTER} X I 00

ただし、上記式において、 TMAXは導光板の最大厚み、 TMINは導光板の最小厚 み、 TCENTERは導光板の中央部の厚みをそれぞれ表す。

(2) 転写率

短辺 276.4 mm, 長辺 34 4.0 mmの導光板の対角線の交点を中央部とし、 中央部を通る短辺に平行な直線上で、中央部、中央部から 69.1 mm、 103.6 mm、 132 mmから 138 mmまで 0.5 mmピッチで 13点及び 138.2mm で、超深度顕微鏡 [(株)キーエンス、 VK— 9500] を用いて円柱状の突起の 高さ h m) を測定し、各点について下式により転写率を求め、さらに求めた 数値から平均値と標準偏差を算出する。

転写率 = (h/ht) X 100 (%)

ただし、 htは金型から計算される円柱状の突起の理論高さ(μπι) であり、金 型キヤビティの円柱状の窪みの深さに等しい。

(3) 外観品質

導光板の 2つの長辺に、冷陰極蛍光ランプレ、リソン東芝ライティング (株)、 MBSM24 JN10W 370NLU] 各 1本を取り付けて液晶表示装置を組 み立て、目視により、ランプ近傍の明線と暗帯に着目して、外観品質を検査する

実施例 1

熱可塑性樹脂として、脂環式構造を有する樹脂の一種であるノルボルネン系重 合体 [日本ゼオン (株)、 ZE ONOR 106 OR, ガラス転移温度 100°C] を - 用い、射出成形機 [東芝機械 (株)、 I S 350GS、スクリュー径 70 mm、型 締め力 3,430 kN] を用レ、て、射出成形法により 17インチ型導光板を製造し た。

成形品の寸法は、短辺 276.4mm、長辺 344.0mm、厚み 8.0 mmであ る。導光板の出光面となる金型の可動側のキヤビティの表面には、光を拡散する プリズムパターンとして、折面が底辺 50 Aim, 頂角 140度の二等辺三角形で ある単位プリズムを、隣接する単位プリズム同士が下端で接する状態で、長辺に 対して垂直に設けた。導光板の反射面となる金型の固定側のキヤビティの表面に は、直径 80μπι、高さ 80 Aimの円柱状の突起を形成する穴を、キヤビティの 2つの長辺の中間のピッチ 1 30 μπιから、長辺の近傍のピッチ 300 imまで 順次拡大して設けた。金型のキヤビティの 2つの長辺に隣接して、 800Wの棒 状ヒーターを 1本ずつ埋め込んだ。また、キヤビティの 1つの短辺に、ファンゲ ートを設けた。

上記の射出成形機と金型を用いて、成形温度 270°C、金型温度 85°C、金型 の長辺近傍温度 95 °Cとし、射出時間 5秒、射出後 15 M P aの保圧を 10秒カロ え、その後冷却 120秒、取り出し 5秒、成形サイクル 140秒で導光板の射出 成形を行った。金型温度は、金型内流路に通水する温水の温度を 80°Cに保つこ とにより調節し、金型の長辺近傍温度は、棒状ヒーターに通電する電圧を制御す ることにより、 95 °Cに保つた。金型のキャビティの中央部の最高温度は 85 °C 、キヤビティの長辺の温度は 95°Cであった。

得られた導光板の最大厚みは 8.01 lmm、最小厚みは 7.995 mm, 中央部 の厚みは 8.00 1mmであり、ギャップ値は 0.20 %であった。転写率の平均値 は 89.5 %であり、標準偏差は 0.34 %であった。この導光板を用いて外観品質 を評価したところ、液晶表示装置の画面に明線、暗帯はなく、外観品質は良好で めつに。

実施例 2

取り出し 5秒、射出 5秒、保圧 10秒の間は、金型内流路に 90 °Cの温水を通 水し、冷却 10 O秒の間は金型内流路に 25 °Cの冷水を通水した以外は、実施例 1と同じ条件で、導光板の射出成形を行った。金型のキヤビティの中央部の最高 - 温度は 90 °C、キヤビティの長辺の温度は 95 °Cであつた。

得られた導光板の最大厚みは 8.01 8mm、最小厚みは 7.989mm、中央部 の厚みは 8.005 mmであり、ギヤップ値は 0.36 %であった。転写率の平均値 は 93.7%であり、標準偏差は 0.18%であった。この導光板を用いて外観品質 を評価したところ、液晶表示装置の画面に明線、暗帯はなく、外観品質は良好で あつ 7こ。

実施例 3

熱可塑性榭脂として、脂環式構造を有する樹脂の代わりに、メタクリル樹脂 [ 旭化成 (株)、デルぺット 80NH] を用い、成形温度を 260°Cとした以外は、 実施例 1と同じ条件で、導光板の射出成形を行った。

得られ'た導光板の最大厚みは 8.025 mm, 最小厚みは 7.994 mm、中央部 の厚みは 8.015 mmであり、ギヤップ値は 0.39 %であった。転写率の平均値 は 80.3%であり、標準偏差は 1.50%であった。この導光板を用いて外観品質 を評価したところ、液晶表示装置の画面に明線、暗帯はなく、外観品質は良好で あった。

実施例 4

熱可塑性樹脂として、脂環式構造を有する榭脂の代わりに、メタクリル酸エス テル一芳香族ビニノレ化合物共重合体ほ; f日鐡化学 (株)、エスチレン MS— 600 ] を用いた他は、実施例 1と同じ条件で、導光板の射出成形を行った。

得られた導光板の最大厚みは 8.052mm、最小厚みは 7.978 mm、中央部

の厚みは 8.040 mmであり、ギヤップ値は 0.92。/。であった。転写率の平均値 は 82.4%、標準偏差は 1.82%であった。この導光板を用いて外観品質を評価 したところ、液晶表示装置の画面に明線、暗帯はなく、外観品質は良好であった

比較例 1

金型のキヤビティの 2つの長辺に隣接して埋め込んだ棒状ヒーターを取り外し 、長辺側からの加熱を行わなかった以外は、実施例 1と同じ条件で、導光板の射 出成形を行った。金型のキャビティの中央部の最高温度は 85 °C、キヤビティの 長辺の温度は 85°Cであった。

得られた導光板の最大厚みは 8.102 mm, 最小厚みは 7.808 mm、中央部 の厚みは 8.005 mmであり、ギヤップ値は 3.67 %であった。転写率の平均値 は 84 · 9 %であり、標準偏差は 1 1.98 %であった。この導光板を用いて外観品 質を評価したところ、液晶表示装置の画面の長辺近傍に、明線と暗帯が現れ、外 観品質は不良であった。

実施例 1〜 4及び比較例 1の結果を、第 1表に示す。

第 1表

金型温度(。C) ギャップ値 転写率(%)

熱可塑性樹脂 外観品質 中央部最高 長辺 (%) 平均値 標準偏差

場ォ德:;告 85 95 Π 9 Π 89.5 0.34 民白 Hナ 実施例 2 脂環式構造 90 95 0. 36 93. 7 0. 18 良好 実施例 3 メタクリル 85 95 0. 39 80. 3 1. 50 良好

CO メタクリル酸エステル一芳香族

実施例 4 85 95 0.92 82.4 1.82

ビュル化合物共重合体 良好

' 比較例 1 脂環式構造 85 85 3.67 84. 9 11. 98 明線、暗帯

第 1表に見られるように、金型のキヤビティの 2つの長辺に隣接して棒状ヒー ターを埋め込み、金型のキヤビティの長辺近 {旁の温度を金型のキヤビティ中央部 の最高温度よりも高く保った実施例 1〜4の導光板は、厚みむらと円柱状の突起 の転写率のばらつきが小さく、液晶表示装置の画面に明線や暗帯などがなく、良 好な性能を有している。特に、脂環式構造を有する樹脂を用いた実施例 1〜2の 導光板の性能が優れている。これに対して、金型のキヤビティの端辺を加熱しな かった比較例 1の導光板は、厚みむらと円柱状の突起の転写率のばらつきが大き く、液晶表示装置の画面に明線と暗帯が現れる。

産業上の利用可能性

本発明の厚物平板成形品は、厚みむらが少なく、平面性が良好であり、液晶表 示装置の導光板として用いることにより、画面に明線や暗帯などのない優れた外 観品質を得ることができる。本発明方法によれば、射出成形用金型のキヤビティ の端辺を加熱して、端辺の温度をキヤビティの中央部の温度より高めることによ り、厚みむらが少なく、平面性の良好な厚物平板成形品を容易に製造することが できる。