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1. WO2005030359 - 溶液から目的物質を回収する方法

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[ JA ]
明 細 書

溶液から目的物質を回収する方法

技術分野

本発明は溶液中に含まれる目的物質を回収する方法に関するものである。

背景技術

溶液から目的物質を回収する方法としては、一般に化合物の沸点差を利用し た蒸留法や溶解度差を利用した晶析法が用いられる。

しかしながら、これらの方法では目的化合物を含有する混合溶液から目的成 分またはその他の成分を選択的に蒸発もしくは析出させなくてはならず、加熱 において目的化合物が変質することがある。さらに、加熱または冷却にしばし ば多くのエネルギーが必要となり、省エネルギ一という点で不満足である。 また、別の方法として液膜分離法が知られている(化学工学便覧改定六版第 6 6 0頁参照。)。しかし、該分離方法は原料液相中の目的化合物とその他成 分の液膜通過速度差を利用した方法であり、例えば公知の乳化液膜を利用した 分離技術(特開平 5— 2 3 9 4 6 9号公報参照。)では、一旦生成せしめたェ マルジョンをさらに別の相に分散させて複ェマルジョンを形成し、抽出と同時 に逆抽出を行う非平衡分離であることから、複雑な工程 ·操作条件を必要とす る点で満足できない。

発明の開示

本発明の目的は回収すべき目的物質を含む溶液から目的物質を回収する方法 であって、蒸留のように溶液を加熱することを必須とすることなく溶液から目 的物質を回収することができ、よって熱に不安定な目的物資を変質させること なく回収することができ、かつ省エネルギーの観点からも優れる目的物質の回 収方法を提供する点にある。

本発明は、回収すべき目的物質と第一の溶媒からなる溶液に第二の溶媒を添 加して混合し、第二の溶媒に、第二の溶媒には均一溶解していない状態で目的 物質を含むェマルジョンを形成せしめる工程、及び得られたェマルジョンを溶 液から分離する工程を含む溶液から目的物質を回収する方法に係るものである。

発明を実施するための最良の形態

本発明において、回収される目的物質としては 2つ以上の異なる親液性部 分を持つ物質、例えば親油性部分と親水性部分を有する化合物をあげることが できる。一般に、親油性部分とは主として炭化水素からなる部分であり、親水 'f生咅分とは主として水素と酸素が結合した部分である。目的物質の具体例とし てはェチルベンゼン八ィドロパーォキサイド、クメン Λィドロパーォキサイド、 ィソブチルベンゼンハイドロパーォキサイド、 t -ブチルベンゼンハイドロパー ォキサイドなどのアルキルベンゼンハイドロパーォキサイド、 t -ブチルハイド 口パーォキサイドなどアルキルハイドロパーォキサイド等の有機ハイドロパー オキサイドをあげることができる。

有機ハイドロパーォキサイドは有機化合物を酸化することにより得られ、特 にアルキルべンゼンを酸化することにより得られるアルキルべンゼンハイド口 パ一ォキサイドが好適である。

第一の溶媒としては回収すべき目的物質を溶解し、且つ第二の溶媒と均一に 混ざらない溶媒であればよいが、好ましくは有機溶媒を使用することができる。 有機溶媒の例としてはケトン類 (メチルェチルケトン、メチルイソプチルケト ン等)、エーテル類 (ェチルエーテル、 n-プチルエーテル等)、力ルポン酸ェ ステル (酢酸ェチル等)、脂肪族炭化水素(n—へキサン、 n-ヘプタン、 n -オクタン、 n -デカン等) :芳香族炭化水素 (ベンゼン、トルエン、キシレン、 ェチルベンゼン、クメン、 t _ブチルベンゼン等)等があげられるが脂肪族また は芳香族炭化水素溶媒が好ましい。

ここで、溶液とは、第一の溶媒中に目的物質が実質的に均一に溶解した液を 意味する。

本発明において、目的物質の回収とは、目的物質の少なくとも一部を回収す ることを意味する。

第二の溶媒は目的物質を均一に溶解させず、且つ第一の溶媒とは均一には混 ざらず、先述の目的物質を含む溶液と混合してェマルジョンを形成するもので あって、目的物質の 1つの基と親液性を示すものであり、たとえば水が好まし レ

本発明によれば、溶液中の第一溶媒に対する目的物質の割合よりも形成され たェマルジョン中の第一溶媒に対する目的物質の割合が極めて高くなること、 すなわち、第一の溶媒中の目的物質を効率よく濃縮できることが見出された。

エマルジョン形成工程において、溶液と第二の溶媒の混合液は、第一の溶媒 および回収されなかつた目的物質を主とする溶液相とェマルジヨンから成る相 に分離する。

ェマルジョンを形成する好ましい混合方法として、例えば超音波照射又は機 械攪拌を用いる方法をあげることができる。すなわち、溶液と第二の溶媒の混 合液に超音波を照射し、及び Z又は溶液と第二の溶媒の混合液を機械的に攪拌 してェマルジョンを形成させる。マルジョン形成後静置することにより上記の ように 2つの相に分離する。

ェマルジョン形成工程で得られたェマルジョンを溶液から分離する工程を実 施するには、第一の溶媒と回収されなかった目的物質を主とする溶液相とエマ レジョンの相を両相の界面で分離すればよい。

本発明においては、分離工程の後に得られたェマルジョンから目的物質を回 収する工程を設けることができる。

目的物質の回収方法としてはェマルジョンを遠心分離操作する方法、ェマル ジョンから抽剤を用いて目的物質を抽出して回収する方法などをあげることが できる。抽出する場合、抽剤として目的物質及び第二の溶媒のいずれよりも沸 , の低い抽剤を用いて行い、更にその後、得られた抽出混合物を蒸留に付し、 目的物質を分離して回収する工程を用いることが好ましい。

本発明の方法は有機化合物を酸化することにより有機ハイドロパーォキサイ ドを得る酸化工程、該有機ハイド口パーオキサイドを濃縮する濃縮工程、該有 機ハイドロパーォキサイドとプロピレンとを反応させることによりプロピレン ォキサイドを得るエポキシ化工程を含むプロピレンォキサイドの製造方法(た とえば、特開 2003— 327576号公報参照。)における濃縮工程の少な くとも一部として好適に適用できる。

この場合の好ましい具体例として、回収すべき目的物質がクメンハイドロパ —オキサイド(CMHP) であり、第一の溶媒がクメンを主とする有機溶媒で あり、第二の溶媒が水を主とする溶媒である場合をあげることができる。

実施例

実施例 1

目的物質としてのクメンハイド口一パ一オキサイド(CMHP) を第一の溶 媒としてのクメンを主とする有機溶媒に 24. 7重量%含む溶液を第二の溶媒 としての水と常温 ·常圧のもと接触させ、超音波を照射して水相が白濁するま で混合した。得られた混合液が油相と白濁したェマルジョンを含む水相に相分 離するまで静置した後、白濁したェマルジヨンを含む水相を分離した。この白 濁した水相を遠心分離器に 1時間かけて、透明な水相と油相の 2液相を得た。 油相を分離し、ョードメトリ一滴定法により C M H P濃度を測定したところ、 66. 3重量%であった。以上の操作により、溶液中に 24. 7重量%の割合 で存在していた CMHPが、 66. 3重量%にまで濃縮されて選択的に回収さ れたことがわかる。

実施例 2

目的物質としてのクメンハイドローパーオキサイド(CMHP) を第一の溶 媒としてのクメンを主とする有機溶媒に 24. 6重量%含む溶液を第二の溶媒 としての水を主とする溶媒と 65°C、約 120 OKP aGのもとで機械攪拌を 付与した後、油水分離ドラムにて比重差を利用して油相と白濁したェマルジョ ンを含む水相に分離した。この白濁した水相を遠心分離器にかけて透明な水相 と油相の 2液相を得た。油相を分離し、ョードメトリー滴定法により CMHP 濃度を測定したところ、 69. 0重量%であった。以上の操作により、溶液中 こ 2 4. 6重量%の割合で存在していた C MH Pが、 6 9 . 0重量%にまで濃 縮されて選択的に回収されたことがわかる。

産業上の利用可能性

本発明により、回収すべき目的物質と第一の溶媒からなる溶液から目的物質 を回収する目的物質の回収方法であつて、蒸留のように溶液を加熱することを 必須とすることなく溶液から目的物質を回収することができ、よって熱に不安 定な目的物資を変質させることなく回収することができ、かつ省エネルギーの 観点にも優れる溶液からの目的物質の回収方法を提供することができる。