処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2004040305 - 化合物の固相担体への固定化方法

注意: このテキストは、OCR 処理によってテキスト化されたものです。法的な用途には PDF 版をご利用ください。

[ JA ]
明細書

化合物の固相担体への固定化方法

技術分野

本発明は、化合物(対象分子、特に低分子化合物)の固定化技術についての基 盤技術に関する。より具体的には、対象となる分子を固相担体に固定し、低分子 一高分子、低分子一低分子あるいは高分子一高分子相互作用を測定、あるいは特 異的な相互作用をベースとしターゲット分子を精製する際により効率的な対象分 子の固相担体への固定化を可能にする技術に関する。

背景技術

対象分子(特に低分子化合物)を固相担体に固定し、あるいは他の分子と結合 し、低分子一高分子、低分子一低分子あるいは高分子一高分子相互作用を測定、 あるいは特異的な相互作用をベースとしターゲット分子を精製する方法は様々な 領域で活用されている。例えば、新規創薬ターゲット探索を目的としたァフィ二 ティー樹脂を用いたターゲット蛋白研究が著名である。この研究の代表例として は、 1 989年のシュライパー教授によるアブイ二ティー樹脂を用いた免疫抑制 剤 FK506の結合蛋白質 FKB P (FK506 b i n d i n g p r o t e i n s) の発見(FK506の細胞内結合蛋白質としての FKB P 12の発見; 例えば 「ネイチヤー(Na t u r e) 」,(英国), 1 989年 10月 26日', 第 341卷, p. 758— 760参照)、および引き続き行われた FK506— FKB P複合体による FK506薬効メカニズムにおけるカルシニューリン阻害 作用の発見(例えば「セル(C e 1 1) 」,(米国), 1 99 1年 8月 23日, 第 66卷,第 4号, p. 807-8 1 5参照)や、抗がん剤 T r a p o x i nの ターゲット蛋白質としての HDAC (例えば「サイエンス(S c i e n c e) 」,

(米国), 1 996年 4月 1 9日,第 272卷, p. 408— 41 1参照)発見 等が有名である。

しかし、これまでは、低分子を固相担体に固定するためには、低分子構造の中, で、活性に悪影響を起こさない位置に選択的にスぺーサーを導入することが必要

とされていた。そのため、ターゲット分子を探索し精製する、あるいは対象分子 とそのターゲットとの相互作用を解析するという研究を遂行するには、事前に対 象低分子化合物に関する広範な構造活性相関研究を行い、求める活性の消失を引 き起こさない構造上の部位を同定することが必須とされてきた。しかし、この検 討には膨大な数の化合物をそれぞれ個別に 1から合成し、その薬理活性を測定す る必要があるため、多大な投資と時間を必要としていた。また、限られた研究期 間の範囲において、求める化合物を得ることが出来ない場合も多くみられターゲ ット探索研究そのものを断念せざるを得ない場合も存在している。すなわち、必 須とされる構造活性相関研究が上記研究を遂行するにあたり大きな障害となって きた。

近年、有効な創薬ターゲット探索を目的とし、ゲノム創薬に多大な投資がなさ れているが、アブイ二ティー樹脂を用いたターゲット探索研究はゲノム研究に比 ベ効率的な投資が可能なことから上述の障害を克服する新たな手法が待たれてい た。

本発明は、構造活性相関研究を必須とすることなく、固相担体上での分子間相 互作用解析ならびに当該解析をもとに対象化合物(リガンド)のターゲット分子 を探索し得る方法の提供を目的とする。

発明の開示

本願発明者らは、上記課題を解決すべく、リガンドに関する構造活性相関に関. する検討を行うことなく、 1 ) リガンドにもともと存在する官能基(以下、リガ ンド固有の官能基と称する)を利用し、あるいは 2 ) リガンドに新たに導入した 官能基を利用し、この官能基を直接的に固定化反応に利用あるいは適当なスぺー サーを介し間接的に固定化反応に利用する方法を考案し、低分子化合物を固定化 するための一般的な方法を開発した。

すなわち、 1 ) リガンド自身に活用可能な官能基がもともとある場合:リガン ド固有の官能基を利用し、この官能基を直接的に固定化反応に利用あるいは適当 なスぺーサ一を介して間接的に固定化反応に利用することによって、リガンドの タ一ゲット分子を探索する方法、 2 ) リガンドに活用可能な官能基が無い場合: リガンドに化学的あるいは酵素的な官能基付加反応を行った後、直接的に固定化 反応に利用あるいは適当なスぺーサーを介して間接的に固定化反応に利用するこ とによって、リガンドのターゲット分子を探索する方法を開発した。

即ち本発明は下記の通りである。

〔1〕少なくとも以下の工程を含む、分子 Aと該分子 Aに特異的な相互作用を有 する分子 Bとの相互作用を解析する方法:

( 1 ) 分子 A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子 Aを結合すること によつて分子 Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程、

( 2 ) 分子 Bを含むかまたは含まない試料を上記(1 ) で得られた固相担体の混 合物に接触させる工程、および

( 3 ) 分子 Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、 分子 Aと分子 Bとの相互作用を解析する工程。

〔2〕分子 Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、分子 Aと固相 担体との間に分子 A側の導入位置を特定することなくスぺーサーを導入すること を特徴とする上記〔1〕記載の方法。

〔3〕分子 Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、(1 ) 分子 A に官能基が導入されること、および(2 ) 該官能基の導入が分子 A側の導入位置 を特定することなく行われることを特徴とする上記〔1〕記載の方法。

[ 4 ] スぺーサ一の分子 Aへの導入が、分子 A側の導入位置を特定することなく 導入された官能基を介して行われるものである上記〔2〕記載の方法。

〔 5〕分子 A側の導入位置を特定することなく行われる分子 Aへの官能基の導入 力 化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである上記〔3〕又 は 〔4〕記載の方法。

〔6〕分子 A側の導入位置を特定することなく行われる分子 Aへの官能基の導入 力 酵素反応によるものである上記〔5〕記載の方法。

〔7〕酵素反応が、代謝酵素により行われることを特徴とする、上記〔6〕記載 の方法。

〔8〕少なくとも以下の工程を含む、分子 Aに特異的な相互作用を有する分子 B を選別する方法:

( 1 ) 分子 A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子 Aを結合すること によつて分子 Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程、

( 2 ) 分子 Bを含むかまたは含まない試料を上記(1 ) で得られた固相担体の混 合物に接触させる工程、および

( 3 ) 分子 Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、 分子 Bを選別する工程。

〔9〕分子 Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、分子 Aと固相 担体との間に分子 A側の導入位置を特定することなくスぺーサーを導入すること を特徴とする上記〔8〕記載の方法。

〔1 0〕分子 Aを固定化した固相担体の混合物を得る工程において、(1 ) 分子 Aに官能基が導入されること、および(2 ) 該官能基の導入が分子 A側の導入位 置を特定することなく行われることを特徴とする上記〔8〕記載の方法。

〔1 1〕スぺーサ一の分子 Aへの導入が、分子 A側の導入位置を特定することな く導入された官能基を介して行われるものである上記〔9〕記載の方法。

〔1 2〕分子 A側の導入位置を特定することなく行われる分子 Aへの官能基の導 入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである上記〔1 0〕又は〔1 1〕記載の方法。

〔1 3〕分子 A側の導入位置を特定することなく行われる分子 Aへの官能基の導 入が、酵素反応によるものである上記〔1 2〕記載の方法。

〔1 4〕酵素反応が、代謝酵素により行われることを特徴とする、上記〔1 3〕 記載の方法。

〔1 5〕分子 A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子 Aを結合するこ とによって得られる 2種以上の分子 A固定化固相担体からなる分子 A固定ィヒ固相 担体混合物であって、該 2種以上の分子 A固定化固相担体において、分子 Aは分 子 A上のそれぞれ異なる位置で固相担体に固定化されている、分子 A固定化固相 担体混合物。

〔1 6〕分子 Aの固相担体への結合が、分子 Aと固相担体との間に分子 A側の導 入位置を特定することなく導入されたスぺーサーを介して行われるものである、 上記 〔1 5〕記載の分子 A固定化固相担体混合物。

〔1 7〕分子 Aの固相担体への結合が、(1 ) 分子 Aに導入された官能基を介し て行われること、および(2 ) 該官能基の導入が分子 A側の導入位置を特定する ことなく行われることを特徴とする上記〔1 5〕記載の分子 A固定化固相担体混 合物。

〔1 8〕スぺーサ一の分子 Aへの導入が、分子 A側の導入位置を特定することな く導入された官能基を介して行われるものである上記〔1 6〕記載の分子 A固定 化固相担体混合物。

〔1 9〕分子 A側の導入位置を特定することなく行われる分子 Aへの官能基の導 入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである上記〔1 7〕又は〔1 8〕記載の分子 A固定化固相担体混合物。

〔2 0〕分子 A側の導入位置を特定することなく行われる分子 Aへの官能基の導 入が、酵素反応によるものである上記〔1 9〕記載の分子 A固定化固相担体混合 物。

〔2 1〕酵素反応が、代謝酵素により行われることを特徴とする、上記〔2 0〕 記載の分子 A固定化固相担体混合物。

〔2 2〕ァフィ二ティークロマトグラフィー用固相担体である、上記〔1 5〕〜 〔2 1〕のいずれか 1項に記載の分子 A固定化固相担体混合物。

〔2 3〕分子 A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子 Aを結合し、 2 種以上の分子 A固定化固相担体からなる分子 A固定化固相担体混合物を得ること を含むァフィ-ティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法であって、該 2 種以上の分子 A固定化固相担体において、分子 Aは分子 A上のそれぞれ異なる位 置で固相担体に固定化されている、ァフィ二ティークロマトグラフィー用固相担 体の製造方法。

〔2 4〕分子 Aの固相担体への結合が、分子 Aと固相担体との間に分子 A側の導 入位置を特定することなく導入されたスぺーサーを介して行われるものである、 上記 〔2 3〕記載のァフィ二ティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。 〔2 5〕分子 Aの固相担体への結合が、(1 ) 分子 Aに導入された官能基を介し て行われること、および(2 ) 該官能基の導入が分子 A側の導入位置を特定する ことなく行われることを特徴とする上記〔2 3〕記載のァフィ二ティーク口マト グラフィー用固相担体の製造方法。

〔2 6〕スぺーサ一の分子 Aへの導入が、分子 A側の導入位置を特定することな く導入された官能基を介して行われるものである上記〔2 4〕記載のァフィニテ ィークロマトグラフィ一用固相担体の製造方法。

〔2 7〕分子 A側の導入位置を特定することなく行われる分子 Aへの官能基の導 入が、化学反応によるものであるかまたは酵素反応によるものである上記〔2 5〕又は〔2 6〕記載のァフィ二ティークロマトグラフィー用固相担体の製造方 法。

〔2 8〕分子 A側の導入位置を特定することなく行われる分子 Aへの官能基の導 入が、酵素反応によるものである上記〔2 7〕記載のァフイエティークロマトグ ラフィー用固相担体の製造方法。

〔2 9〕酵素反応が、代謝酵素によって行われるものである、上記〔2 8〕記載 のァフィ二ティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法。

〔3 0〕少なくとも(1 ) 分子 Bを含むかまたは含まない試料を上記〔1 5〕〜

〔2 2〕のいずれか 1項に記載の分子 A固定化固相担体混合物に接触させる工程、 および(2 ) 分子 Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を 同定し、分子 Bを選別する工程を含む、分子 Aに特異的な相互作用を有する分子 Bのスクリーニング方法。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の概念図を模式的に図示したものである。従来法と比較してあ る。

図 2は、本発明の FK506結合ァフィ二ティー樹脂(実施例 2) を用いて 1 y s a t e中の FK506に結合する蛋白質(FKB P 12) を検出した結果を 示す、電気泳動写真である。

レーン 1 :マーカー

レーン 2 :結合位置が確定していて既にその有効性がわかっている標準の FK 5

06付ァフィ二ティ一樹脂(参考製造例 3 )

レーン 3 :位置を特定することなく FK506を付したァフィ二ティー樹脂(実 施例 2)

レーン 4 :レーン 2の実験の前に行った最終洗浄の混合液 A

レーン 5 :レーン 3の実験の前に行った最終洗浄の混合液 A

レーン 6 :実施例 1 ( 1 ) で述べた 1 y s a t e

レーン 7 :レーン 2の実験で樹脂との結合を終えた後の 1 y s a t e

レーン 8 :レーン 3の実験で樹脂との結合を終えた後の 1 y s a t e

レーン 9 :マーカー(レーン 1と同じ)

図 3は、本発明の FK506結合ァフィ二ティー樹脂(実施例 3) を用いて 1 y s a t e中の FK506に結合する蛋白質(FKB P 12) を検出した結果を 示す、電気泳動写真である。

レーン 1 :マーカー

レーン 2 :結合位置が確定していて既にその有効性がわかっている標準の FK 5

06付ァフィ二ティ一樹脂(参考製造例 3 )

レーン 3 :位置を特定することなくスぺ一サーを介さずに FK 506を直接樹脂 に結合させて作成した FK506付ァフィ二ティー樹脂(実施例 3) 発明の詳細な説明

本発明の概念図を図 1に示す。図 1はリガンド(分子 A:詳細は後述)を適当 なスぺーサーを介して固相担体に結合することによって分子 A固定化固相担体を 得る方法を模式的に示したものである。従来法ならぴに本突明法を示す。従来法 であれば、分子 A側の生物活性に関与する結合部位が無傷で保有されている固相 担体のみをあらかじめ構造活性相関を検討することによつて製造するか、あるい は選別する必要があつたが、本発明では、分子 A側の固相担体との結合部位を確 認することなく、分子 A側の生物活性に関与する結合部位が損なわれている固相 担体と、当該結合部位が無傷で保有されている固相担体とが混じつた状態での使 用が可能である。

本発明は、固相担体に固定化される分子(本明細書中、分子 Aとも定義し、便 宜上 「リガンド」とも称する)と当該分子に対して特異的な相互作用を有する分 子 (本明細書中、分子 Bとも定義し、便宜上「ターゲット分子」とも称する)と の相互作用を解析する技術、かかる解析をもとに分子 Bを同定、選別するという 技術を提供する。本明細書中、リガンドならびにターゲット分子という用語は、 互いに特異的な分子間相互作用を有する組み合わせを意図するものであって、当 該組み合わせのうち、片方をリガンドとして固相に固定化すれば他方がターゲッ ト分子となり、すなわちどちらを固相に固定化するかによつて、それらの呼称は 変更され得る。分子 Aに特異的な相互作用を有する分子 Bは 1種類とは限らず、 また同様に分子 Bに特異的な相互作用を有する分子 Aも 1種類とは限らない。本 明細書では分子 Aならびに分子 Bという用語は、互いに異なる物質であることを 明確にすべく、便宜上、 Aあるいは Bとの符号を付したものである。ある特定の 分子を指すものではなく特異的な相互作用を有する分子同士の各々を意味するも のである。

「特異的な相互作用」とは、特定のリガンド(特定のターゲット分子)のみを 特異的に認識して結合するような特性を発揮する作用であり、ァゴニストあるい はアンタゴニストに対する特異的受容体、基質に対する酵素、そして例えば FK

506 (リガンド)に対する FK506結合蛋白質(ターゲット分子)や、ステ ロイドホルモンに対するステロイドホルモン受容体(例 = d e X a m e t h a s o nと g l u c o c o r t i c o i d r e c e p t o r) 、抗カ Sん斉 !j t r o x i nに対する HD AC等の関係が「特異的な相互作用」に該当する。

本発明において「特異相互作用を解析する」とは、分子 Aと分子 Bとの間の特 異相互作用の程度を、相互作用情報として得ることであって、例えば K d、 K a 等の数値として得ることができる。本発明において「選別」とは、上記相互作用 情報に基づき、分子 Aと特異的な相互作用を有するか否かを判定し、分子 Bを同 定することを意味する。

本発明において用いられる固相担体は、その上で分子 Aと分子 Bの特異的な相 互作用が生じるものであれば特に限定されず、当分野で通常使用されるものが利 用でき、その後に実施する分子 Bの同定、選別の工程の為に行われる方法に応じ て適宜決定される。材質としては、例えば、樹脂(ポリスチレン、メタクリレー ト系樹脂、ポリアクリルアミド等)、ガラス、金属(金、銀、鉄、シリコン等) 等が用いられる。これらの固相は、いかなる形状のものであってもよく、また上 記した材質の種類や、その後に実施する分子 Bとの相互作用の解析、分子 Bの同 定、選別の工程の為に行われる方法に応じて適宜決定される。例えば板状、ビー ズ状、薄膜状、糸状、コイル状等が挙げられるが、樹脂からなるビーズであれば カラムに充填することによりその後の操作を簡便にし、また金属の薄膜であれば 表面プラズモン共鳴による B I A C O R E等の担体として好適に使用できる。ま たガラスプレートを用いることも好適である。

本発明において使用する固相は、上述の如く、その材質や形状に特に制限はな いが、当然のことながら、分子 Aが固定ィヒされないような、あるいは分子 Aが固 定化されるものの分子 Bとの特異的な相互作用を発揮することができないような 構造上の障害を有するものは、余分な工程を経る必要があって操作が煩雑になつ たり、あるいは使用に耐えなかったりする場合があるので、本発明を実施する上 で好ましくない。

本発明の「分子 Aと該分子 Aに特異的な相互作用を有する分子 Bとの相互作用 を解析する方法」ならびに「分子 Aに特異的な相互作用を有する分子 Bを選別す る方法」では、分子 A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子 Aを結合 することによって得られる 2種以上の分子 A固定化固相担体を含む分子 A固定化

固相担体の混合物を用いることを通常は前提とする(1種のみの場合もありう る)。該 2種以上の分子 A固定化固相担体において分子 Aは分子 A上のそれぞれ 異なる位置で固相担体に固定化されているが、それらの位置はあらかじめ特定さ れているものではない。分子 Aの固相担体への結合は、直接的、あるいはスぺー サーを介して間接的に行われる。直接的に結合させる場合には、分子 A固有の官 能基を利用する場合と、分子 Aに新たに導入された官能基を利用する場合がある。 当該新たな官能基の導入もまた、分子 A側の導入位置を特定することなく行われ る。また、分子 Aへのスぺーサ一の導入も、分子 A側の導入位置を特定すること なく行われる。各結合あるいは導入位置の分布は、分子 Aの、固相担体への結合 あるいは分子 Aへのスぺーサーゃ官能基の導入に使用する各試薬に対する反応性 によって、決定される。当該結合あるいは導入位置は、 1箇所であっても 2箇所 以上であっても構わないが、上述のように、各位置の分布が、各試薬に対する反 応性および反応条件によって決定されるものであるため、分子 Aと用いる試薬の 組み合わせおよぴ Zまたは反応条件によっては分子 A側の生物活性に関与する結 合部位を無傷で保有させることが不可能な場合もある。

例えば、分子 Bを検出する手段としての固相担体、すなわち分子 A側の生物活 性に関与する結合部位を無傷で保有している固相担体が混合物中に含まれない場 合、例えば上述したように分子 A側の生物活性に関与する結合部位が損なわれて いるような固相担体のみで構成されている混合物の場合が考えられるので、その ような場合には、利用する試薬や反応を変更する等により新たに別の固相担体混 合物を調製して用いる。本発明の分子 Aと分子 Bとの相互作用を解析する方法や 分子 Bを選別する方法、分子 Bのスクリーユング方法やアブイ二ティークロマト グラフィー用固相担体の製造方法においては、分子 Bを検出する手段として用い る固相担体が混合物中に存在するか否かを予め確認する工程を含むことが好まし い。

固相担体との結合、スぺーサ一の導入、官能基の導入は、分子 A側の結合位置 あるいは導入位置を特定することなく行われ、どの位置で各工程が行われている かを確認する必要はなく、結果として、分子 Aが、分子 A側の、分子 Bとの結合 を阻害しない位置(必要な場合には官能基および/またはスぺーサ一が導入され て)で固相担体に固定化された分子 A固定化固相担体のみが分子 Bを捕捉し、単 離 ·選別あるいはその分子 Aとの相互作用を解析することができればよい。図 1 に示すように、本発明においては、分子 Aの固相担体との(分子 A側の)結合位 置、あるいは分子 Aへの官能基あるいはスぺーサ一の(分子 A側の)導入位置を 特定しなくても、得られるいずれかの分子 A固定化固相担体が、分子 A側の生物 活性に関与する結合部位を無傷で保有していることになるので、その部位と分子 Bとの結合が保証され得る。すなわち、本発明では、種々の分子 A固定化固相担 体の混合物(さらには原料や分解物を含んでいてもよい)中で、分子 Aの構造活 性相関を問題とすることなく、分子 B (ターゲット分子)との結合を阻害しない 位置で固相担体に固定化された分子 A固定化固相担体と分子 Bとの相互作用のみ を検出できる。

尚、本明細書中、用語「分子 A側の結合位置」および「分子 A側の導入位置」 は、分子 Aに結合、あるいは導入する他の要素に応じて区別して用いたが、分子 A側の反応に関与する位置を特定することなく双方(分子 Aと固相担体、分子 A とスぺーサ一、分子 Aと官能基)を繋げるという点では同義である。

さらに、「分子 Aと該分子 Aに特異的な相互作用を有する分子 Bとの相互作用 を解析する方法」ならびに「分子 Aに特異的な相互作用を有する分子 Bを選別す る方法」に使用される上記分子 A固定化固相担体の混合物は、ァフィ二ティーク 口マトグラフィー用の固相担体として有用である。したがって、本発明は、分子 A側の結合位置を特定することなく固相担体に分子 Aを結合することによって固 定化し、 2種以上の分子 A固定化固相担体からなる分子 A固定化固相担体混合物 を得ることを含むァフイエティークロマトグラフィー用固相担体の製造方法であ つて、該 2種以上の分子 A固定化固相担体において、分子 Aは分子 A上のそれぞ れ異なる位置で固相担体に固定化されている、ァフィ二ティーク口マトグラフィ 一用固相担体の製造方法を提供する。かかる方法によって得られるァフィ二ティ 一クロマトグラフィー用固相担体は、 2種以上の分子 A固定化固相担体からなる 分子 A固定化固相担体混合物でありながら、さらなる精製や分別を必要とするこ となく、十分に分子 Bとの親和性を発揮することができ、分子 Bの選別や分子 B との相互作用の解析に使用することができる。

得られる分子 A固定化固相担体の混合物には具体的には以下の態様が例示され る。

1 ) 分子 A固有の官能基を利用する場合

分子 A (リガンド)が固有に有する官能基を直接的に固相担体との結合に使用 する場合であって、リガンド固有の官能基を利用し、この官能基を直接的に固定 化反応に利用あるいは適当なスぺーサーを介して固定化反応に利用することによ つて、リガンドのターゲット分子を探索する。

リガンドの官能基を直接的に固定化反応に付す場合には、リガンドと固相担体 を固定化に好適な条件下で反応させる。

具体的にはリガンドを水性または有機性の溶媒あるいはそれらの混合溶媒に溶 解し、得られたリガンド溶液と固相(固相についても予め水性または有機性の溶 媒あるいはそれらの混合溶媒に懸濁しておくことが好ましい)とを混合すること によって、あるいはリガンドと固相担体とのアミド結合や、シッフ塩基形成によ る結合、 C一 C結合、エステル結合、水素結合、疎水相互作用等の共有結合ある いは非共有結合に付すことによってリガンドを固相に固定化する。リガンドおよ ぴ固相を溶解または懸濁しておく水性または有機性の溶媒としては、同じもので あっても異なるものであってもよく、例えば水、緩衝液等の水性溶媒、アルコー ル (メタノール、エタノール等)、ジメチルホルムアミド、ジクロルメタン、ァ セトニトリル等の有機性溶媒が挙げられる。これらの混合溶媒もまた好適に使用 できる。固定化するリガンド上の官能基の種類等に応じてリガンドの固相への固 定化に利用する反応が設定され、適宜公知の手法によりリガンドを固相に固定化 する。

一連の反応や処理を行う際の温度は、設定した固定化反応に好適で且つリガン

ドが安定な温度であれば特に限定されないが、通常 0 °C〜1 0 0 ° (:、好ましくは 室温〜 7 0 °Cで実施される。また、固相とリガンドとを混合する時間も、固相に リガンドが固定化されれば特に限定されず、設定した固定化反応や固定化を意図 するリガンド、使用する固相の種類等に応じて適宜設定される。通常 1時間から 数日間、好ましくは 2時間からー晚程度である。結合反応には、利用する固定化 反応に応じて適宜設定される、一般に固相に対して過剰量のリガンドを用いる力 固相上、あるいはリガンドの全ての結合可能部位が反応に供せられる必要はなく、 固相にリガンドが部分的に固定化されるものであっても、本願発明の目的を達成 することができるので、必ずしも過剰量である必要はない。

アミド結合や、シッフ塩基、 c一 c結合、エステル結合、水素結合、疎水相互 作用等のリガンドの固相担体への固定ィヒに利用する反応は当分野では公知の技術 であり、反応試薬や反応条件等は従来実施されている方法に準じて行うことがで き、また必要に応じて適宜変更してもよい。

一方、リガンド固有の官能基を適当なスぺーサーを介して固定化反応に利用す る場合には、まずリガンド固有の官能基にスぺーサーを導入する。当該スぺーサ 一の導入も、分子 A側の導入位置を特定することなく行われ、通常、化合物にス ぺーサ一を導入するのに実施される公知の方法が利用できる。本発明においては その導入位置を特定する必要がなく混合物としての使用が可能なので、構造活性 相関を考慮することなく、リガンドとスぺーサ一を、スぺーサー導入に好適な条 件下で反応させる。

具体的には、リガンドを水性または有機性の溶媒あるいはそれらの混合溶媒に 溶解し、得られたリガンド溶液とスぺーサー(スぺ一サーも予め水性または有機 性の溶媒あるいはそれらの混合溶媒に溶解しておくことが好ましい)を混合し、 固定化するリガンドの官能基に応じて当分野で公知の方法を用いてスぺーサ一と リガンドを結合させる。当該スぺーサ一は必要に応じて反応性を付与する為に誘 導体化してもよい。例えば、官能基として水酸基を有するリガンドであれば、ス ぺーサ一としてカルボン酸またはその誘導体を用い脱水剤の存在下で脱水反応を

行うことによって、好適にスぺーサ一がリガンドに導入される。ここで用いる水 性または有機性の溶媒としては、上記したものと同様なものが用いられる。 一連の反応や処理を行う際の温度は、反応が進行し、且つリガンドゃスぺーサ 一が安定な温度であれば特に限定されないが、通常 0 °C〜1 0 0 °C、好ましくは 室温〜 7 0 °Cで実施される。また、反応時間も特に限定されず、実施する化学反 応ゃ使用するリガンド、スぺーサ一の種類等に応じて適宜設定される。通常 1時 間〜数日間、好ましくは 2時間〜一晩である。結合反応には、一般にリガンドに 対して過剰量のスぺーサ一を用いるが、リガンド上あるいはスぺーサー上の全て の結合可能部位が反応に供せられる必要はなく、リガンドにスぺーサ一が部分的 に導入されたものであっても、本願発明の目的を達成することができるので、必 ずしも過剰量である必要はない。

「スぺーサ一」とは、リガンドの固相担体への固定化の際に導入されて固相担 体とリガンドとの間に介在する基となる物質であって、ここで「スぺーサ一が介 在する」とは、該スぺーサ一が固相内の官能基からリガンド内の官能基までの間 に存在することを意味する。該スぺーサ一は、その一端を固相内の官能基と結合 し、他端をリガンド内の官能基と結合する。当分野で通常、リガンドの固相への 固定化の際に使用されているものが利用でき(ス^ ーサーあるいはリンカ一とも 称される)、結果的に固相担体とリガンドとの間に介在する基として機能し得る ものであれば新規に合成されるものであってもよい。該スぺーサ一とリガンドと の結合はアミド結合や、シッフ塩基、 C一 C結合、エステル結合、水素結合、疎 水相互作用等の共有結合あるいは非共有結合である。

スぺーサーを導入後、該スぺーサ一が導入されたリガンドを用いて、上記の

「リガンドの官能基を直接的に固定化反応に付す場合」で実施した方法と同様に してリガンドを分子 A側の結合位置を特定することなく固相担体に結合する。 2 ) リガンドに活用可能な官能基が無い場合

リガンドに化学反応的あるいは酵素反応的な官能基付加反応を行った後、固定 化反応に利用あるいは適当なスぺーサーを介して固定化反応(上記 1 ) 参照)に 利用することによって、リガンドのターゲット分子を探索する。

当該官能基の付カ卩もまた、分子 A側の導入位置を特定することなく実施される ものである。

化学的に官能基を付加する方法としては、ニトロ化、ハロゲン化およびそれに 続く各種反応等が挙げられる。例えばニトロ化を行った後、還元反応を行うこと によりアミノ基を付加することができ、さらに各種置換基(アミド、 N—アルキ ル、スルフォンアミド等)へと変換できる。またハロゲン化を行った後、酸化的 付加反応を行うことによりカルボキシル基、エステル基、ァリ一ル基等を付加す ることができる。

酵素反応的に官能基を付加する方法としては、例えば、酸化酵素、還元酵素、 加水分解酵素等の代謝酵素、特に薬物代謝酵素(S— 9Mi x等)を利用する方 法が挙げられる。用いる酵素の由来は特に限定されず、細菌 (P s e u d omo n o n a s属等) 、放線菌 (S t r e p t omy c e s属等) 、カビ由来 (A s p e r g i 1 1 u s属等) 等の微生物由来、哺乳動物の細胞や組織由来であって もよいし、そのような代謝酵素を発現するように遺伝子組換え技術により調製さ れた形質転換体由来のものであってもよい。大量に入手できるという利点から微 生物由来あるいは形質転換体由来の酵素が好ましい。

例えば肝組織の細胞破砗液 (c e l l h omo g e n a t e) を 9, 000 X gで遠心して得られる上清(S— 9画分: S— 9M i Xとして商業的に入手可 能)が用いられる。この酵素とリガンドを反応させることによってリガンドに各 種官能基が導入されることが知られている。例えば芳香環あるいはアルキル鎖の 水酸化による水酸基の導入、 2重結合のエポキシ化によるエポキシ基の導入、 N 一アルキルアミノ基の脱アルキル化に伴うアミノ基の生成、酸化的脱ァミノ化に よるカルポニル基の生成、エステルあるいはアミド結合の加水分解による力ルポ キシル基、アミノ基あるいは水酸基の生成等が知られている(新版薬物代謝、 G. G. ギブソン等著、村田敏郎監訳、講談社 I SBN 4-06- 1 39775-3) 。

さらに官能基は固相担体との結合、あるいはスぺーサ一との結合に先立って活 性化されていてもよい。具体的には各種官能基(例えば水酸基、アミノ基、カル ポキシル基等)を例えばフォスゲン等の反応性の高い試薬で活性化することがで さる。

分子 Aが固相担体に固定化されたか否かは、分子 A、あるいは分子 Aに予め結 合 ·導入されたスぺーサ一、あるいは官能基に含まれるある特定の構造乃至置換 基等に基づく呈色反応等を利用して確認することができる。例えばァミノ基を認 識するニンヒドリン反応等が利用できる。

本発明において固相担体に固定化する分子 A (リガンド)は特に限定されず、 公知の化合物であっても今後開発される新規な化合物であってもよい。また、低 分子化合物であっても高分子化合物であってもかまわない。ここで低夯子化合物 とは分子量 1 0 0 0未満程度の化合物であって、例えば医薬品として通常使用し 得る有機化合物およびその誘導体や無機化合物が挙げられ、有機合成法等を駆使 して製造される化合物やその誘導体、天然由来の化合物やその誘導体、プロモー タ一等の小さな核酸分子や各種の金属等であり、望ましくは医薬品として使用し 得る有機化合物およびその誘導体、核酸分子をいう。また、高分子化合物として は分子量 1 0 0 0以上程度の化合物であって、蛋白質、ポリ核酸類、多糖類、お よびこれらを組み合わせたものなどが挙げられる。これらの低分子化合物あるい は高分子化合物は、公知のものであれば商業的に入手可能であるか、各報告文献 に従って採取、製造、精製等の工程を経て得ることができる。これらは、天然由 来であっても、また遺伝子工学的に調製されるものであってもよく、また半合成 等によっても得ることができる。

本発明では、上記分子 Aを固定化した固相上で該分子 Aとの特異的相互作用に 基づいて分子 Bを選別する過程を要する。従って分子 Bは、分子 Aと特異的に相 互作用するものであれば特に限定されるものではなく、公知化合物である場合も あれば新規物質である場合も予想される。分子 Bとしては低分子化合物であって も高分子化合物であってもかまわない。分子 Bが低分子化合物の場合には低分子 化合物である分子 Aとの低分子化合物と低分子化合物との特異的相互作用に基づ き、あるいは高分子化合物である分子 Aとの高分子化合物と低分子化合物との特 異的相互作用に基づき、分子 Bが選別され得る。また分子 Bが高分子化合物の場 合には低分子化合物である分子 Aとの低分子化合物と高分子化合物との特異的相 互作用に基づき、あるいは高分子化合物である分子 Aとの高分子化合物と高分子 化合物との特異的相互作用に基づき、分子 Bが選別され得る。好ましい分子 Aと 分子 Bの組み合わせは低分子化合物と高分子化合物、あるいは高分子化合物と高 分子化合物という組み合わせである。

分子 Bとの相互作用の解析、ならびに分子 Bの選別は簡便には固相上で行う。 分子 Bとして予め候補物質が予測される場合には、候補物質を単独で上記固相に 固定化された分子 Aと接触させ両者の相互作用を測定し、候補物質が分子 Bであ るか否か、すなわち分子 Aのターゲット分子であるか否かを判断すればよいが、 通常、複数の物質(高分子化合物およびノまたは低分子化合物)を含む試料を分 子 Aと接触させ、複数の物質(高分子化合物および Zまたは低分子化合物)の 各々と分子 Aとの相互作用の有無ならぴにその相互作用の程度を測定することに より分子 Bであるか否かを判断し、選別する。ここで複数の物質を含む試料とし ては、全て公知化合物から構成されるものであっても、一部新規な化合物を含む ものであっても、さらには全て新規な化合物から構成されるものであってもよい。 しかしながら、リガンドのターゲット分子の探索、あるいは昨今のプロテオーム 解析の進歩によれば、全てその構造が公知な化合物の混合物であることが望まし い。全て公知な化合物から構成される試料としては、大腸菌等によって遺伝子ェ 学的に調製された精製蛋白質の混合物等であり、一部新規な化合物を含むものと しては、細胞や組織の抽出物(1 y s a t e ) であり、また全て新規な化合物か ら構成されるものとしては、まだその機能や構造が知られていない新規な蛋白質 や新しく合成された化合物等の混合物が挙げられる。試料が混合物の場合、特に 公知化合物を含む場合には、任意にこれらの化合物の試料中の含有量を所望の値 に設定しておくこともできる。リガンドのターゲット分子の探索という見地にた てば、選別すべき分子 Bは、低分子化合物ならびに高分子化合物であるのが好ま しく、ヒト等の動物体内でのターゲット分子の探索についていえば高分子化合物 であることが好ましい。

また、あらかじめリガンドに対して生理活性を有する試料であることが特に好 ましく、固定化を所望するリガンドに応じて、用いる試料は適宜変更され、最適 なものが選択される。これら試料の選択は、本発明の分子 Aと分子 Bとの相互作 用を解析する方法や分子 Bを選別する方法、分子 Bのスクリーニング方法ゃァフ ィニティーク口マトグラフィ一用固相担体の製造方法を実施する前に行うことが 好ましい。

本発明は、上記固相に固定化された分子 Aを用いて、当該分子 Aに特異的な相 互作用を有する分子 Bをスクリーユングする方法を提供する。該スクリーニング 方法は以下の工程を少なくとも含む。

( 1 ) 分子 Bを含むかまたは含まない試料を上述の分子 A固定化固相担体混合物 に接触させる工程。

本工程において用いる試料は、上記同様、複数の物質を含むものである。その 態様は特に限定されず、使用する固相担体や後の工程にどのような原理や手段、 方法を用いるかによつて適宜変更し得る。例えば分子 Aが固定化されたビーズ樹 脂を充填したカラムを用いる場合には液状とするのが好ましい。分子 Bを含まな い試料であれば、工程(2 ) で分子 Aに特異的な相互作用を示さなかった分子 (複数種存在する場合あり)の同定ならびに解析を行う。分子 Bを含む試料であ れば、工程(2 ) で分子 Aに特異的な相互作用を示した分子 B (複数種存在する 場合あり)を同定、解析する。試料と固相担体とを接触させる方法は、試料内の 分子 Bが固相担体に固定化された分子 Aと結合することができれば特に限定され ず、使用する固相担体や後の工程の同定方法あるいは解析方法にどのような原理 や手段、方法を用いるかによつて適宜変更し得る。例えば分子 Aが固定化された ビーズ樹脂を充填したカラムを用いる場合には、液状にした試料をカラムに添カロ しカラム内を通すことにより簡便に実施される。

( 2 ) 分子 Aに特異的な相互作用を示したか、または示さなかった分子を同定し、 分子 Bを選別する工程を含む、分子 Aに特異的な相互作用を有する分子 Bのスク リーユング方法。

かかる工程は、使用する固相担体や固定化した分子 Aの種類等によって適宜変 更し得るが、通常当分野で実施されている低分子化合物あるいは高分子化合物を 同定する為の各種方法により行う。また、今後開発されるであろう方法によって も実施可能であろう。例えば分子 A固定化固相担体として分子 A固定化ビーズ樹 脂を充填してなるカラムを用いた場合、続く試料の添加により、分子 Aに分子 B を結合させる。結合した分子 Bを緩衝液の極性を変える、あるいは過剰の分子 A をさらに加える等の処理によって分子 Aから解離させ、その後同定したり、ある いは固相上の分子 Aと結合した状態でそのまま界面活性剤等によって抽出して同 定したりすることもできる。同定方法としては具体的には電気泳動法、免疫学的 反応を用いたィムノブロッテイングや免疫沈降法、クロマトグラフィー、マスス ぺクトラム、アミノ酸シーケンス、 NMR (低分子のときに特に)等の公知の手 法により、またこれらの方法を組み合わせて実施する。分子 Aに結合しない分子 を同定する工程も上記分子 Aに結合する分子を同定する方法に準じて行うことが できるが、カラムの素通り画分に含まれる分子を同定の対象とするので、同定ェ 程に入る前に予め濃縮や粗精製等の処理を行うことが好ましい。得られたデータ ならびに既存の報告をもとに各分子を同定し、分子 Aのターゲット分子であるか 否かを判断する。

また、本工程は自動化されていてもよい。例えば 2次元電気泳動で得られた 種々の分子のデータを直接読み取り、既存のデータベースに基づいて分子の同定 を行うことも可能である。

かかる結合が、特異的なものであるか否かは拮抗試験を行うことによって確認 できる。具体的には以下の方法が挙げられる。まずターゲット分子であると判断 された分子を含む試料をフリーの分子 Aと混合し、十分に反応させる。ついで得 られた混合液を分子 A固定化固相担体混合物に接触させる。固相担体にトラップ された分子の種類を、フリーの分子 Aと混合しなかった場合(対照)と比較する。 さきにターゲット分子であると判断された分子が事実ターゲット分子であるなら、 対照で認められた分子 Bのパンドが消失、あるいは減弱しているはずである。

実施例

以下、製造例ならびに実施例、実験例により本発明をさらに詳細に説明する力 本発明はこれらの実施例、実験例によりなんら限定されるものではない。尚、各 構造式中の略語は以下の通りである。

Me :メチノレ基

TBD P S : t -プチルジフェニルシリル基

TB S : t -プチルジメチルシリル基

実施例 1 : FK— 506へのスぺ一サー導入(位置を特定しないで導入する) 17—ァリル一 1, 14一ジ一ヒドロキシ一 12— { 2 - [4一(7—カルボキ シーヘプタノィルーォキシ) — 3—メトキシ一シクロへキシ^^] — 1一メチ^^レー ビエル } — 23, 25—ジメトキシー 13, 19, 21, 27ーテトラメチルー 11, 28—ジォキサ一 4ーァザ一トリシクロ [22. 3. 1. 04' 9] ォクタ コス一 18—ェン一 2, 3, 10, 16—テトラオン(混合物 A) の合成


KFK506)

17—ァリルー 1, 14一ジ一ヒドロキシー 12— [2—(4ーヒドロキシ一 3—メ トキシ一シクロへキシル)一 1—メチル一ビュル] — 23, 25—ジメト キシ一 13, 19, 21, 27—テトラメチル一 11, 28—ジォキサ一 4ーァ

ザ一トリシクロ [22. 3. 1. 04' 9] ォクタコスー 18—ェン一 2, 3, 1 0, 16—テトラオン(FK— 506、丄、 3. 3mg、 4. 10/zmo l ) を ベンゼンで 2回共沸した後、ジクロロメタン(39 μ 1) に溶解し、 Ο—モノ ( t e r t—プチルージフエ二ルーシラニル)オクタン二酸/ジクロロメタン溶 液 (10 Omg/m 1 ) を 16. 2 μ 1 (4. 09 m o 1 ) カロえた。これに 1 一 [ 3—(ジメチルァミノ)プロピル] ― 3—ェチルカルポジィミド塩酸塩(W SC/HC 1 , 0. 94mg, 4. 90 m o 1 ) 及び 4ージメチルァミノピリ ジン Zジクロロメタン溶液( 10 m gZm 1) を 23 /i l (1. 88 mo l) 、 室温で加えて溶解した後、 1. 5時間静置した。これにジクロロメタン(150 μ 1) 及び飽和炭酸ナトリウム水(150 μ 1) を加えて抽出した。集めた有機 相に窒素気流を吹きかけ濃縮した。得られたシラップにァセトニトリル(28 μ 1 ) を加えて溶解した後、 46— 48 %フッ化水素水( 6. 5 1 ) を室温で加 え、 1. 5時間静置した。これに酢酸ェチル(100 μ 1) 及ぴ飽和炭酸ナトリ ゥム水(100 /ζ 1) を加えて抽出し、有機相に窒素気流を吹きかけて濃縮し、 混合物 Αのシラップを得た。混合物 Aは精製等を行うことなくこのまま次のステ ップに使用した。混合物 A中に、 FKBP 12との結合を阻害しない位置のみに スぺーサ一が導入された化合物、例えば参考製造例 2で示す 17—ァリル一 1, 14—ジーヒ ドロキシー 12— { 2 - [4— (7—力ノレポキシ一ヘプタノィノレ一 ォキシ)一 3—メトキシ一シクロへキシル] 一 1—メチルービュル } -23, 2 5—ジメトキシー 13, 19, 21, 27ーテトラメチルー 1 1 , 28—ジォキ サ一 4—ァザ一トリシクロ [22. 3. 1. 04' 9] ォクタコス一 18—ェン一 2, 3, 10, 16—テトラオンが含まれている力または FKB P 12との結 合に寄与する位置にスぺーサ一が導入された FK 506、あるいは複数のスぺー サ一が導入された FK 506が含まれるか等の構造情報は不明のまま使用した。 実施例 2 :スぺ一サー付 FK— 506の混合物のトヨパール樹脂への固定化 実施例 1で得られたシラップをベンゼンで遠心減圧濃縮した後、塩化メチレン ZN—メチル一2—ピロリドン(4Z1) の混合溶媒(0. 3ml) に溶解し、

WS C (1. 44mg、 7. 5 m o 1 ) 及ぴ 1—ヒドロキシベンゾトリァゾー ル (1. 01mg、 7. 5 / mo l) を加えた。この溶液をトヨパール樹脂(T SKg e 1 AF— am i n o ; 100 1中に 0. O lmmo lのァミンが存 在) 10 1に加えて終夜室温で振とうした。反応終了後、樹脂を塩化メチレン N—メチルー 2—ピロリドン(4Z1) の混合溶媒、及ぴ DM Fで十分に洗浄 した後、ニンヒドリンテストにより縮合収率を測定した(約 29%) 。得られた 樹脂に無水酢酸 ZDMF (1/4) の混合溶液(0. 3ml) を加えて室温で 3 0分間振とうした。反応終了後、樹脂を塩化メチレン、ジメチルホルムアミド (DMF) 及ぴ 20%エタノール水で十分に洗浄し、後の実験で使用するアブイ 二ティー樹脂とした。

参考製造例 1 : 17—ァリル一 14一( t e r t—プチル—ジメチルーシラニル ォキシ)一 1—ヒドロキシー 12— { 2 - [4— (7— ( t e r t—プチル一ジ メチルーシラニルォキシ一力ルポニル)ヘプタノィルーォキシ)一 3—メトキシ 一シク口へキシル] — 1ーメチルービニル } —23, 25—ジメトキシ一 13, 19, 2 ,1, 27—テトラメチル一 11, 28—ジォキサ一 4一ァザートリシク 口 [22. 3. 1. 04' 9] ォクタコスー 18—ェン一 2, 3, 10, 16—テ トラ才ンの合成

ーヒドロキシ一 12— [2- (4ーヒドロキシー 3—メトキシーシクロへキシ ル)一 1—メチルービュル ] 一 23, 25—ジメトキシー 13, 19, 21, 2 7—テトラメチル一 11, 28—ジォキサ一 4ーァザートリシクロ [22. 3. 1. 04' 9] ォクタコス一 18—ェン一 2, 3, 10, 16—テトラオン(13 8mg, 0. 15mmo 1 ) 、 O—モノ( t e r t—プチノレ一ジメチレーシラュ ル)オクタン二酸(86. 7mg, 0. 218mmo 1 ) 、ジメチルァミノピリ ジン (DMAP ; 16. 5mg, 0. 098 mm o 1 ) 、 1一 [3— (ジメチル ァミノ)プロピル] 一 3—ェチルカルポジイミド塩酸塩(EDC/HC 1 ; 69. 1 mg, 0. 261 mmo 1 ) および塩化メチレン(CH2C 12 ; lml) の 混合物を室温で 1. 5時間撹拌した。反応物を酢酸ェチルー水混合液に注ぎ、抽 出した。得られた有機相を水、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム(Mg SO 4) で乾燥した。 Mg SO4を濾別後、減圧下濃縮した。こうして得られた残渣 をシリカゲルカラムで精製し(20%AcOE t (n—へキサン中)で溶出)、 目的とする 17—ァリル一 14一 ( t e r t—プチルージメチルーシラニルォキ シ)一 1ーヒドロキシー 12— { 2 - [4— (7 - (t e r t—ブチルージメチ ルーシラニルォキシ一カルボニル)ヘプタノィルーォキシ)一3—メトキシーシ クロへキシル ] — 1—メチル一ビュル } — 23, 25—ジメトキシ一 13, 19, 21, 27—テトラメチルー 1 1, 28—ジォキサー 4—ァザ一トリシクロ [2 2. 3. 1. 04' 9] ォクタコス一 18—ェンー2, 3, 10, 16—テトラオ ン (44mg, 24. 6%) を得た。

XH-NMR (CDC 13) δ :ー0. 1— 0. 1 (12H, m) , 0. 7— 2. 6 (47H, m) , 0. 85 a n d 0. 86 (18H, s ) , 1. 50 (3H, s ) , 1. 63 (3 H, s ) , 2. 75 ( 1 H, m) , 3. 31 (3H, s ) , 3. 35 (3H, s) , 3. 39 (3H, s ) , 4. 05 ( 1 H, m) , 3. 0-4. 4 (6H) , 4. 5— 5. 8 (9H, m) .

参考製造例 2 : 17—ァリル一 1, 14ージ一ヒドロキシー 12— { 2 - [4一 (7—力ルポキシ一ヘプタノィルーォキシ)一 3—メトキシ一シクロへキシル] 一 1ーメチルービュル } — 23, 25—ジメトキシ一 1 3, 1 9, 21, 27-テトラメチルー 1 1, 28—ジォキサ一 4ーァザートリシクロ [22. 3. 1. 04' 9] ォクタコス一 18—ェン一 2, 3, 10, 1 6—テトラオンの合成


参考製造例 1で調製した 1 7—ァリル— 14— (t e r t -プチルージメチル ーシラニルォキシ) 一 1—ヒドロキシー 1 2— {2— [4一 (7 - ( t e r ΐ -プチルージメチル一シラニルォキシーカルボニル) ヘプタノィルーォキシ) 一 3 —メトキシーシクロへキシル] 一 1ーメチルービニ 7レ} -23, 25—ジメトキ シ一 1 3, 1 9, 21, 27—テトラメチル一 1 1, 28—ジォキサ一 4ーァザ —トリシクロ [22. 3. 1. 04' 9] ォクタコス一 18—ェン一 2, 3, 1 0: 1 6—テトラオン(44mg, 0. 037mmo 1 ) とァセトニトリル(0. 8 8m l) の混合物に 46— 48%のフッ化水素(HF) 水(0. 1 2m l ) を静 かに加え室温にて終夜撹拌した。反応物を酢酸ェチルー水混合液に注ぎ、抽出し た。得られた有機相を水、食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウム(Mg SO4) で 乾燥した。 Mg SO4を濾別後、減圧下濃縮した。こうして得られた残渣をシリ 力ゲルカラムで精製し(5%メタノール(クロ口ホルム中))、目的とする 1 7 ーァリル一 1, 14一ジーヒドロキシー 1 2— { 2 - [4一(7—カノレポキシ一 ヘプタノィルーォキシ) _ 3—メトキシーシクロへキシル] ー 1—メチルービニ ル} ー23, 25—ジメトキシー 1 3, 1 9, 21, 27—テトラメチル一 1 1. 28—ジォキサー4ーァザ一トリシクロ [22. 3. 1. 04' 9] ォクタコス一 18—ェン一 2, 3, 10, 1 6—テトラオン(14. 2 m g , 40%) 。

一 NMR (CDC 13) δ : 0. 7-2. 6 (47H, m) , 1. 50 (3 H, s ) , 1. 63 (3H, s ) , 2. 75 (1H, m) , 3. 3 1 (3H, s) , 3. 35 (3H, s) , 3. 39 (3H, s ) , 4. 05 ( 1 H, m) , 3. 0— 4. 4 (6H) , 4. 5— 5. 8 (1 1 H, m) .

MS (m/ z) : 960 (M + )

参考製造例 3 : FK506付 TOY Oパール樹脂(TSKg e l AF— am i n o ) の合成


参考製造例 2で調製した 1 7—ァリルー 1, 14一ジーヒドロキシー 1 2— { 2 - [4— ( 7一カルボキシ一へプタノィル一ォキシ) —3—メトキシーシク 口へキシル ] — 1ーメチルービュル } 一 23, 25—ジメトキシ一 1 3, 1 9, 21, 27—テトラメチル一 1 1 , 28—ジォキサー 4—ァザートリシクロ [2 2. 3. 1. 04' 9] ォクタコス一 1 8—ェン一 2, 3, 10, 16—テトラ才 ン (38. 4mg, 0. 04mmo 1 ) 、 TOYOパール樹脂(TSKg e 1 AF— am i n o, 100 1 , 遊離ァミノ (a v a i l a b l e a m i n o g r o u p) は 0. 0 lmmo 1 ) 、 EDC/HC 1 (9. 2mg, 0. 0 48mmo l) 、 1—ヒドロキシベンゾトリァゾーノレ(HO B t ; 6. 5 m g , 0. 048mmo 1 ) および DMF (lm l ) の混合物を室温で 6時間撹拌した。 反応の終点はニンヒドリン反応で残存アミノ基が肉眼で観測できなくなることで 確認した。この時の反応率を換算すると約 82%であった。反応終了確認後、 D MFで樹脂を 5回洗浄した。ここに無水酢酸(100 /i l) および DMF (40 0 ^ 1) を加え 1時間室温で撹拌した。その後 DMFで十分洗浄し、得られた F K506付 TOY Oパール樹脂は後述する結合実験において対照用ァフィ-ティ

一樹脂として用いた。

実施例 3 : F K 5 0 6のトヨパール樹脂への直接的な固定化

FK- 5 0 6 (3 , 3 m g、 4. 1 ^ m o 1 ) をベンゼンで遠心減圧濃縮した 後、 DMF (0. 6m l ) に溶解し、 WS C ( 1. 0 0m g、 5. 2 μ τχίθ 1 ) 及び 1—ヒドロキシベンゾトリアゾール(0. 7 mg、 5. 2 mo 1 ) を加え た。この溶液をトョパール樹脂(T S K g e l AF- a m i n o ; 1 0 0 μ 1 中に 0. 0 1 mmo 1のァミンが存在) 1 0 1に加えて終夜室温で振とうした。 反応終了後、樹脂を DMFで十分に洗浄した。得られた樹脂に無水酢酸/ DMF ( 1/4) の混合溶液(0. 3 m l ) を加えて室温で 3 0分間振とうした。反応 終了後、樹脂を DMF及び 2 0 %エタノール水で十分に洗浄し、 FK 5 0 6を結 合したァフィ二ティ一樹脂を得た。

実施例 4 :結合実験 1

( 1 ) 1 y s a t eの調製

ラットの脳( 2. 2 g) を混合液 1 ( 0. 2 5 Mシュクロース, 2 5 mM T r i sバッファー(p H 7. 4) , 2 2m l ) に混ぜ、ホモジネートを作成後、 9 5 0 0 r p mで 1 0分間遠心分離した。遠心分離上清を取り、 5 0 0 0 0 r p mでさらに 3 0分間遠心分離した。こうして得られた上清を 1 y s a t eとして 使用した。なお、実験はすべて 4 °Cあるいは氷上で行った。

(2) 結合実験

実施例 2で作成した FK 5 0 6結合ァフィ二ティー樹脂、ならびに参考製造例 3で作成した既にその有効性が分っている従来の FK 5 0 6結合ァフィ二ティー 樹脂を用いて以下の手順で 1 y s a t eとの結合実験を行った。なお、 1 y s a t eは混合液 1で 1 Z 2に希釈して使用した。 F K 5 0 6を結合した各種ァフィ 二ティー樹脂をそれぞれ 1 Q μ 1ずつ使用した。

FK 5 0 6結合ァフィ-ティー樹脂と 1 y s a t e ( 1 m 1 ) を 4 °Cで終夜、 静かに振とうした。その後、上清を除き、残った FK 5 0 6結合ァフィ二ティー 樹脂を混合液 1で 4回十分に洗浄して F K 5 0 6結合ァフィニティ一樹脂表面を 十分に洗浄した。

こうして得られた FK 506結合ァフィ二ティー樹脂に 20 μ 1の SDS用泳 動バッファー(n a k a l a i c a t. NO= 30566— 22、電気泳動用 s am l e b u f f e r s o l u t i o n w i t h 2— ME (2— m e r c a p t o e t h a n o l) (2 x) SDS PAGE用)をカ卩え、 25 °C で 10分間加熱した。こうして得られたサンプル液を市販の SDSゲル(B i o R a d r e a d y G e 1 J, 15% SDS, c a t. NO= 161 - J 34 1) で分離し、その SDSゲルを解析した。比較として、参考製造例 3で示した FKB P 12との結合を妨げないことが知られている位置にスぺーサーを選択的 に結合させた FK506を保持するァフィ二ティー樹脂を使用した(図 2) 。参 考製造例 3で示したァフィ二ティー樹脂は F KB P 12と効率的に結合すること を確認している(特願 2002— 222226) 。

F K B P 12との結合について着目した結果を図 2に示す。

図 2からもわかるように、実施例 2で FK 506上の結合位置を特定すること なく作成した本発明の FK506結合ァフィ二ティー樹脂(レーン 3) は、参考 製造例 3で作成した標準的なァフィユティー樹脂(あらかじめ FKBP 12との 結合を妨げないことが知られている位置にスぺーサーを結合させてある)同様 F KB P 12との結合が確認された。 FK506と結合する他の蛋白質との結合に ついても、実施例 2で作成した本発明の FK 506結合ァフィ二ティー樹脂と、 参考製造例 3で作成した標準的なァフィニティ一樹脂とでは酷似した結果が得ら れた。

これらの結果より、本発明の方法が効果的で、有用であることが示された。 実施例 5 :結合実験 2

実施例 3で作成した FK506結合ァフィユティー樹脂、ならびに参考製造例 3で作成した既にその有効性が分っている従来の F K 506結合ァフィ二ティー 樹脂を用レ、て実施例 4で行つたのと同様にして結合実験を行つた。結果を図 3に 示す。

図 3からもわかるように、実施例 3で結合位置を特定することなく FK506 を固相に結合させて作成した本発明の FK 506結合アブイエティ一樹脂は、参 考製造例 3で作成した標準的なアブイユティー樹脂と同様の FKBP 1 2との結 合が確認された。 FK506と結合する他の蛋白質との結合についても、実施例 3で作成した本発明の F K506結合ァフィニティ一樹脂と、参考製造例 3で作 成した標準的なァフィ二ティ一樹脂とでは酷似した結果が得られた。

これらの結果より、本発明の方法が効果的で、有用であることが示された。 実施例 6 : FK506固定化固相担体(官能基の活性化処理)

1 7—ァリル一 1, 14—ジ一ヒドロキシ一 12— [2— (4—ヒドロキシ一 3 ーメトキシ一シクロへキシル)一 1一メチル一ビニノレ] -23, 25—ジメトキ シー 13, 19, 2 1, 27—テトラメチルー 1 1 , 28—ジォキサ一 4ーァザ ートリシクロ [22. 3. 1. 04' 9] ォクタコスー 1 8—ェン一 2, 3, 1 0 16—テトラオン (FK506 ; 8. 04mg, 0. 0 1 mmo 1) をァセトニ トリル(CH3CN; 1 00 ^ 1 ) に溶解し、室温にてフォスゲン(COC 12) 一トノレェン(To l u e n e) 溶液(1. 24 mmo 1 / m 1 ; 8 /x l、 0. 0 lmmo 1 ) を加え、 1. 5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、 TOY Oパール樹脂 (TSKg e 1 AF— am i n o, Ι Ο Ο μ Ι,遊離アミノ基

(a v a i l a b l e am i n o g r o u p) は 0. 0 1 mm o 1 ;東ソ一 株式会社製)およぴァセトニトリル (CH3CN; 500 /X 1 ) を加え、室温に て 1. 5時間撹拌した。反応終了後、樹脂を DMFで 2回、水で 2回洗浄し、飽 和炭酸水素ナトリウム水溶液(1m l) を加えて、 1分間撹拌した。樹脂を水で 2回、 DMFで 2回洗浄した後、無水酢酸(100 1 ) および DMF (400 μ 1 ) を加え 5分間室温で撹拌した。その後 DMFで 3回、 20%エタノール水 で 2回洗浄し、得られた FK506付 TOY Οパール樹脂は後述する結合実験に 用いた。

実施例 7 :結合実験 3 '

(1) 1 y s a t eの調製

ラット脳(2. 0 g) をバッファー A (0. 5 %Tw e e n 20と 300 S o d i um N, N— d i e t h y l d i t h i o c a r b a ma t e t r i h y d r a t eを含有する T r i s—HC l , H 8. 0, 20m l ) に混ぜ、 ホモジネートを作成後、超音波破砕法により、 10分間処理した。 9000 r p mにて 10分遠心分離した。遠心分離上清を取り、 50000 r pmでさらに 3 0分間遠心分離した。こうして得られた上清を 1 y S a t eとして使用した。な お、実験はすべて 4 °Cあるいは氷上にて行った。

(2) 実施例 6で調製した FK506を結合したァフィ二ティー樹脂(10 1) をバッファー Aにて充分洗浄した後、上記(1) で調製したラット脳 1 y s a t e (1m 1 ) と混合し、 4でで約0. 5時間、静かに振とうした。遠心分離 操作を行い、上澄み液を除去した。得られた FK506結合樹脂をバッファー A にて充分洗浄し、 2' 5 1の SDS用 l o a d i n g b u f f e r (n a k a 1 a i c a t. NO=30566— 22、 電気泳動用 s amp l e b u f f e r s o l u t i o n w i t 2— ME 、2— me r c a p t o e t h a n o 1 ) (2 x) SD S PAGE用)を加え、 25 °Cで 10分間撹拌した。 こうして得られたサンプル液を市販の SDSゲル(B i oR a d R e a d y G e l J, 1 5 % S D S , c a t . NO= 16 1— J 341) で分離した結果、 樹脂上に特異的に結合すると考えられている F KB P 12のパンドが観察された。 実施例 8 :官能基の導入(S— 9Mi xの利用)

S— 9M i X ;エームス試験用凍結 S— 9M i X (キッコーマン株式会社)を使 用した。

[S-9Mi Xを用いた代謝 1]

実験操作; S— 9M i x 2 0 m lを 5 0m lファルコンチューブに加え、化合物 A ( 1. 5 mg、 5 ίΜ) をメタノール 7 5 μ 1に溶かし S— 9M i x中に加え た。恒温槽にて 3 7°C、 2 1時間攪拌した。反応液に酢酸ェチル 3 m 1を加え、 激しく攪拌後、 6, 0 0 0 Gにて 1 5分遠心し、有機相を分離した。酢酸ェチル の抽出操作を 3回行った。得られた酢酸ェチル相を飽和食塩水にて洗浄し、有機 相を別のファルコンチューブ(1 5 m l容器)に移し、窒素ガスを噴きかけ乾燥 した。

[樹脂上への固定化]

S— 9m i Xを用いて得られた代謝物(A代謝混合物 (B) ) を CH2C 1 2 3 0 0 μ 1および DMF 3 0 1の混合溶媒に溶かし、 0. 5 m lエツペンチュ ーブに加えた。無水こはく酸(0. 9 8 mg, 9. 8 X 1 0— 3mmo l ) 、ト リエチルァミン(E t 3N; 0. 9 8 m g, 9. 8 X 1 0— 3 mm o 1 ) 、触媒量 の DMAPを加え室温にて 3. 5時間攪拌した。 1 N— HC 1 (5 0 0 1 ) を 加え、酢酸ェチル 1 m 1 X 3にて抽出した。得られた酢酸ェチル相を 5 0 0 /ί 1 飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリゥムにて乾燥した。酢酸ェチル相を 1 5 m 1コニカルチューブに移し、窒素ガスを嘖きかけ乾燥した。 TOYOパール

(AF-Am i n o - 6 5 0M) (8 0 μ 1 , 8 m ο 1 ) に先ほど得られた化 合物を CH2C 1 2 ( l m l ) に溶かし加えた。ベンゾトリアゾールー 1ーィル ォキシトリピロリジノホスホニゥム(P y B O P ; 5 m g、 9. 6 mo l) 、 ジイソプロピルェチルァミン(2. 5 μ I , 1 9. 2 mo 1 ) を加え、 1 7時 間室温にて攪拌した。

DMFで 5回、 CH2C 1 2で 5回それぞれ洗浄後、 2 0 %無水酢酸 C H 2 C 1 2 溶液 l m 1を加え 3 0分間攪拌し、樹脂上に残っているアミノ基をァセチルキヤ ッビングした。再ぴ; DMFで 5回、 CH2C 1 2で 5回洗浄後、 2 0%アルコール 溶液で 5回さらに洗浄して、目的物の樹脂(C) を得た。

[S - 9M i Xを用いた代謝 2]


(TOYOPEARレ NH2)

実験操作; S— 9Mi x l 0m lを 50m lファルコンチューブに加え、化合物 D (3. Omg) をメタノール 75 1および水 75 / 1に溶かし S— 9M i X 中に加えた。恒温槽にて 37°C、終夜攪拌した。反応液に酢酸ェチル 3 m 1を加 え、有機相を分離し、さらに抽出操作を行った。酢酸ェチルによる抽出操作は 3 回行った。得られた酢酸ェチル相を飽和食塩水にて洗浄し、有機相を別のフアル コンチューブ(1 5m l容器)に移し、窒素ガスを嘖きかけ乾燥した。これに、 ァセトニトリル(500 μ 1 ) を加え、さらに別に調製したフォスゲンのトルェ ン溶液(1. 24mmo l) を 53 加えた。この混合物を室温にて約 3時間 攪拌し、数分間減圧濃縮し、未反応フォスゲンを除いた後、ここに TO ΥΟパー ル (AF-Am i n o - 650 M) (65 1 , 6. 5 m ο 1 ) を加えた。こ の混合物を数時間攪拌し、ァセトニトリル、飽和 NaHC03水溶液、水で十分 に洗浄して、目的物の樹脂(E) を得た。


[結合実験]

(1) 1 y s a t eの調製

大腸菌株 DH 5 αを用い前培養を行い、 SB培地で本培養を開始し、 37°C、 130 r pmでー晚培養した。培養終了後、集菌し、バッファー Aを 10 m 1加 え、超音波でホモジネート処理をし、 E. c o 1 i l y s a t e (1. 5 m g /m 1 ) を得た。

E . c o l i l y s a t e (1. 5 m g // m 1 ) 1m lに COX 1 (e y e l o o x y g e n a s e 1 ; o v i n e, c a yma n c a t n o. 60 100) 10 gを加え調製した。

(2) 結合実験

上記で得られた S— 9Mi x代謝物を固定化したァフイエティ一樹脂を用いて、 以下の手順で 1 y s a t eとの結合実験を行った。 1 y s a t eは上記調製した 1 y s a t e 1m l (COX 1含有)を使用した。 S— 9M i x代謝物固定化 樹脂 (C) は 10 1 (1 ^mo 1相当分)を用いた。

S— 9M i X代謝物固定ィヒ樹脂(C) と l y s a t e 1m lを 4°Cで終夜、 静かに振とうした。樹脂を 1 2, 000Gにて遠心分離により沈殿させ、上清を 取り除いた。樹脂をバッファー Aにて 5回洗浄した。こうして得られた S— 9 M i X代謝物固定化樹脂(C) に 20 1の SD S用 1 o a d i n g b u f f e r (n a k a 1 a i c a t . NO ; 30566-22, 電気泳動用 s a m ρ 1 e b u f f e r s o l u t i o n i t h 2— ME (2— me r e a p t o e t h a n o l ) (2 x) SD S PAGE用)を加え、 25 °Cで 10分間 攪拌した。こうして得られたサンプル液および標品としての COX 1 (c a ym a n c a t n o. 60100) を市販の SDSゲル(PAG Mi n i "D A I I C H I " 10 ( 1 3 W) , c a t. No. 301 61) で分離し、その S DSゲルを解析した。結果、サンプル液中に COX 1に相当するパンドが検出さ れ、 S— 9Mi X代謝物固定化樹脂に COX 1が結合していることが確認された。 かくして目的の COX 1を混合 l y s a t eから抽出することができた。

産業上の利用可能性

本発明の方法によれば、従来必須とされてきた構造活性相関に関する事前の検 討を必要とすることなく、リガンドを固相担体に固定化することが可能となり、 多大な労力や経費を低減化することができる。従って、従来に比し短時間で多数 のリガンドのターゲット分子を得ることが可能となる。

本出願は、 13本で出願された特願 2002— 3 1 9099を基礎としておりそ れらの内容は本明細書に全て包含されるものである。