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1. WO2004038973 - 送信機

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明 細 書

送信機

技術分野

本発明は、マルチキャリア信号の送信機に係り、特に複数のキャリア に対して、各キヤリァの入力レベルの変動に対応して増幅器へのマルチ キヤリァ信号の入力レベルの変動を平均的に抑えることのできる送信機 に関する。

背景技術

一般的に、 W— C D MA (Wideband Code Division Multiple Access:広 帯域符号分割多元接続)方式を移動通信方式として採用する移動通信シ ステムに備えられた基地局装置(C D M A基地局装置)では、物理的に 遠く離れた移動局装置(C D M A移動局装置)まで無線信号を到達させ る必要があるため、送信対象となる信号を増幅器(アンプ)で大幅に増 幅して送信出力することが必要である。

しかしながら、増幅器はアナログデバイスであるため、その入出力特 性は非線形な関数となる。特に、飽和点と呼ばれる増幅限界以降では、 増幅器に入力される電力が増大しても出力電力がほぼ一定となる飽和状 態になってしまう。そして、この非線形な出力によって出力信号に非線 形歪が発生する。

通常、増幅前の送信信号は、希望信号帯域外の信号成分が帯域制限フ ィルタによって低レベルに抑えられるが、増幅器通過後の信号では非線 形歪が発生して希望信号帯域外(隣接チャネル)へ信号成分が漏洩する。 例えば基地局装置では上記したように送信電力が高いため、このよう

な隣接チヤネルへの漏洩電力の大きさは厳しく規定されており、隣接チ ャネル漏洩電力(A C P : Adjacent Channel leakage Power) を削減する技 術が用いられる。

上記技術の一つとして、送信対象の信号の最大電力(ピーク)を制限 して出力するピークリミッタを増幅器の前段に設け、ピークを制限した 信号を増幅器の入力信号とする技術が知られている。

ピークリミッタを用いた C D M A基地局送信機として、平成 1 4年 2 月 8日公開の特開 2 0 0 2— 4 4 0 5 4号「リミッタ回路付きキヤリァ 合成送信回路」(出願人:株式会社日立国際電気、発明者:佐々木宏平) が提案されている。

上記発明は、基地局からのマルチキヤリァ送信時に、リミッタ回路(ピ ークリミッタ)が全キャリアを多重した信号に基づいて、その瞬時電力 と平均電力との比率を瞬時にピークファクタとして算出し、その瞬時ピ ークファクタを基準値であるピークファクタ閾値と比較し、その結果に 基づいてクリッピングの必要程度に適合したリミット係数を出力し、キ ャリァ毎に当該リミット係数との乗算を行ってピーク制限を行うことに より、マルチキャリアを増幅する増幅器のダイナミックレンジを有効に 活用し、不要なピーク制限を行うことなく、移動局におけるビット誤り 率を低下させることができるものである。(特許文献 1 )

特許文献 1 としては、特開 2 0 0 2— 4 4 0 5 4号公報(第 5〜 7頁、 第 1図)がある。

従来のピークリミッタは、増幅器に入力される信号の最大電力を抑え るため、入力信号に対し、入力信号の平均電力及び入力信号の瞬時電力 を検出し、さらに平均電力の情報と瞬時電力の情報からリミツトを施す べきピークの有無を検出してピーク検出情報を出力し、当該ピーク検出 情報に従って、リミットを施すべきピークが検出された場合に、入力さ

れる入力信号の電力を予め定められているリミツト電力に制限して出力 信号を出力するものとし、その結果リミット電力に制限された信号が増 幅器に入力されるようにすることが考えられる。

また、複数のキャリアを扱う送信機においては、複数キャリアが多重 (合成)されたマルチキャリア信号が増幅器に入力されるため、ピーク リミッタは、キャリア多重後の瞬時電力及び平均電力を算出し、これら の値に基づいて、ピークの有無の検出を行う。

ここで、ピークの有無の検出方法としては、入力信号の瞬時電力と平 均電力の比を求め、予め設定されたピークファクタ閾値と比較して大で あれば、リミツトを施すべきピークであると判断する方法が考えられる。 ここでピークファクタとは、図 8に示すように増幅器入力信号における 最大電力と平均電力の比であり、すなわち平均電力に対して最大電力の 差が小さいほどピークファクタは小さいことになる。図 8は、一般的な 増幅器のピークファクタの説明図である。

通常、ピークリミッタに入力される入力信号は、帯域制限前のベース パンド信号であり、ピークリミッタによってリミッタ処理が施された後 にフィルタによつて帯域制限が行われるので、増幅器において歪は発生 せず、また、ピークリミッタによって入力信号のピーク値が制限されて いるため、入力信号のピークファクタが小さくなつており、帯域制限後 に増幅を行う増幅器の動作点を上げることができるので電力効率を向上 できるものである。

ここで、ピークリミッタによるリミッタ後に帯域制限を行うため、帯 域制限後のピークファクタは帯域制限前のピークファクタより通常は大 きくなる。これは、帯域制限前の矩形波が、帯域制限後に鈍ることで、 ピークが高くなるポイントが現れるためである。そこで、ピークリミツ タに予め設定されるピークファクタ閾値は、帯域制限後のピークファタ タが大きくなることを考慮して低めに設定する必要がある。 しかしながら、一般的な C D M A基地局送信機では、複数のキャリア に対してピーク制限(抑圧)を行う場合に、キャリアの入力レベルが変 動すると、ピーク制限後のレベルが変動するという問題点があった。 上述したように、複数のキャリアのピーク制限を行う場合には、ピー クリミッタは、キャリア多重後の入力レベル、すなわちキャリアの総和 電力に基づいて瞬時電力及び平均電力を算出し、これらの比とピークフ ァクタ閾値とを比較して、ピークの有無を検出し、各キャリアに対して ピーク制御を行っている。

ピークリミッタにおいて、ピークファクタ閾値は、各キャリアが最大 出力、同一レベルである場合に最適化されているが、全てのキャリアが 最大出力、同一レベルでないときでもピーク抑圧は行われる。また、ピ ークファクタ閾値は、一般的に、キャリア数に依存して決められる。 すなわち、一般的な送信機のピーク電力抑圧部(ピークリミッタ)における ピーク制限は、装置構成上で入力される複数キャリア全てにキャリア信号が存 在し、且つ各キャリア信号が同程度のレベルであるという仮定の下で、キヤリ ァの総和電力に基づいてピークを検出した時に、各キヤリァに対して一律の抑 圧率で均等にピーク電力抑圧を施し、それにより全キヤリァのトータルで希望 のピーク抑圧が達成されて、結果的にマルチキヤリアのピークファクタを小さ くするものである。

そのようなピーク電力抑圧部を送信機に用いた場合、特定のキヤリァの入力 レベルが一時的に急激に変動すると、複数キャリア全てにピーク制限(抑圧) が施されてピーク制限後のレベルが変動し、その結果結合後のマルチキヤリァ 信号のレベルが変動するという問題点があった。

ここで、ピークファクタ閾値が固定されたままで、あるキャリアの入 カレベルが変動した場合、キャリアの総和電力が変動するため、ピーク

リミッタによるピーク制限は最適なものとならず、マルチキヤリァ信号 のレベルが ± 0 . 3 d Bの範囲で変動するパワー偏差が発生する。

また、特定のキヤリァの入力レベルが一定で、他の全てのキヤリァの 入力レベルが変動した場合にも、キヤリァの総和電力が変動するため、 ピークリミッタによるピーク制限は最適なものとならず、入力レベルが 一定のキヤリァの制限後のレベルが変動するパワー偏差が発生する。こ のパワー偏差はキヤリァ数に依存しており、総キヤリァ数が 2キャリア の場合には ± 0 . 3 d B、 4キャリアの場合には ± 1 . 2 d Bの範囲で 変動する。

すなわち、一般的な送信機の場合、特定キャリアの入力レベルが急激に変動 した場合、キャリアの総和電力にも急激な変動が生じるため、平均電力はさほ ど変化しなくても瞬時電力が急激に大きくなり、ピークファクタが大きくなつ てピークが検出される。その結果、全てのキャリアに対して一律のピーク抑圧 が働き、入力レベルが変動していないキャリアに対して大きな影響を及ぼし、 全体的に電力が低下し、マルチキャリア信号のレベルが低下するという第 1の 問題点が発生する。

また、例えば、複数キヤリァの内の幾つかのキヤリァが停止している場合に、 動作しているキヤリァ内の特定キャリアの入力レベルが急激に変動し、ピーク リミッタにおいてピークファクタが大きくなつてピークが検出された場合、停 止しているキヤリァを含めた全てのキャリアが同レベルであるという前提の抑 圧率で一律にピーク抑圧されるため、幾つかのキヤリァが停止している場合に はピークリミッタにおける抑圧率が十分でなく、マルチキヤリァ信号のレベル を十分低下しきれないことになるという第 2の問題点が発生する。

また、前述したようにピーク電力抑圧部では、後続の帯域制限(波形整形フ ィルタ)で発生するピークも鑑みてピークファクタ閾値を低めに設定するため、 現状の回路における必要性以上にピーク抑圧が動作する場合があるという第 3 の問題点がある。

一方、 W— C D MA通信方式では、基地局の送信機における出力差が 0 . 1 (1 8或ぃは0 . 5 d B相当のパワーコントロールが実現されよう としているが、上記送信機では、上記問題点により、送信キャリア数の 増減及び各キャリアにおける入力レベルの増減により、ピーク制限が十 分に行われない場合やピーク制限をかけすぎてレベルが過剰に抑圧され るなどの上述した問題が発生するため、規定内の出力差の達成が難しい という問題点があった。

本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、送信キヤリァ数の増減や 各キャリアの入力レベルの変動に対応して増幅器へのマルチキャリア信 号の入力レベルの変動を平均的に抑えることのできる送信機を提供する ことを目的とする。

発明の開示

本発明は、送信機において、入力された信号のレベルに基いてピーク の有無を検出し、ピークが検出されるとレベルを抑圧した信号を出力す るピーク抑圧部と、ピーク抑圧部への入力前の信号のレベルを演算する 入力電力演算部と、ピーク抑圧部からの出力後の信号のレベルを演算す る出力電力演算部とを備え、入力電力演算部で演算されたレベルと出力 電力演算部で演算されたレベルに基いて出力する信号の信号レベルが調 整されるように制御する調整手段とを有するものである。

また本発明は、複数のキヤリアを合成したマルチキヤリァ信号の信号 レベルを調整する送信機であって、入力された各キヤリァの電力レベル の総和に基いてピークの有無を検出し、ピークが検出されると予め定め られたピーク閾値よりも総和電力レベルが小さくなるように各キヤリァ の電力レベルを抑圧したキヤリァを出力するピーク抑圧部と、ピーク抑 圧部への入力前の各キヤリァに対する平均電力レベルを各々演算する入 力電力演算部と、ピーク抑圧部から出力された後の各キヤリァに対する 平均電力レベルを各々演算する出力電力演算部と、入力電力演算部で演 算された平均電力レベルと出力電力演算部で演算された平均電力レベル に基いてマルチキヤリァ信号の信号レベルを制御するレベル制御情報を 出力する監視部と、監視部の出力するレベル制御情報に基づいてマルチ キヤリァ信号のレベル調整を行うレベル調整部を備えたものである。 また本発明は、複数のキヤリァを合成したマルチキヤリァ信号の信号 レベルが調整されるように制御する送信機であって、入力された各キヤ リアの電力レベルの総和に基いてピークの有無を検出し、ピークが検出 されると予め定められたピーク閾値よりも総和電力レベルが小さくなる ように各キヤリァの電力レベルを抑圧したキヤリァを出力するピーク抑 圧部と、ピーク抑圧部への入力前の各キヤリァに対する平均電力レベル を各々演算する入力電力演算部と、ピーク抑圧部から出力された後の各 キャリアに対する平均電力レベルを各々演算する出力電力演算部と、各 キヤリァに対し、入力電力演算部で演算された平均電力レベルと出力電 力演算部で演算された平均電力レベルに基いてピーク抑圧部から出力さ れる各キヤリァの信号レベルを制御するレベル制御情報を出力する監視 部と、各キャリアに対し、対応したレベル制御情報に基いて各キャリア のレベル調整を行うレベル調整部を備えたものである。

また本発明は、複数のキヤリァを合成したマルチキヤリァ信号の信号 レベルを調整する送信機であって、入力された各キヤリァの電力レベル の総和に基いてピークの有無を検出し、ピークが検出されると予め定め られたピーク閾値よりも総和電力レベルが小さくなるように各キャリア の電力レベルを抑圧したキャリアを出力するピーク抑圧部と、ピーク抑 '圧部への入力前の各キヤリァに対する総和の平均電力レベルを演算する 入力電力演算部と、ピーク抑圧部から出力された各キヤリァに対する総 和の平均電力レベルを演算する出力電力演算部と、入力電力演算部で演 算された総和の平均電力レベルと出力電力演算部で演算された総和の平 均電力レベルに基いてマルチキヤリァ信号の信号レベルを制御するレべ ル制御情報を出力する監視部と、監視部の出力するレベル制御情報に基 づいてマルチキヤリァ信号のレベル調整を行うレベル調整部を備えたも のである。

また本発明は、複数のキヤリァを合成したマルチキヤリァ信号の信号 レベルを調整する送信機であって、入力されたマルチキヤリァ信号の電 カレベルに基いてピークの有無を検出し、ピークが検出されると予め定 められたピーク閾値よりも電力レベルが小さくなるように電力レベルを 抑圧したマルチキヤリァ信号を出力するピーク抑圧部と、ピーク抑圧部 への入力前のマルチキヤリァ信号に対する平均電力レベルを演算する入 力電力演算部と、ピーク抑圧部から出力されたマルチキヤリァ信号に対 する平均電力レベルを演算する出力電力演算部と、入力電力演算部で演 算された平均電力レベルと出力電力演算部で演算された平均電力レベル に基いてマルチキヤリァ信号の信号レベルを制御するレベル制御情報を 出力する監視部と、監視部の出力するレベル制御情報に基いてマルチキ ャリァ信号のレベル調整を行うレベル調整部を備えたものである。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の第 1の実施例に係る送信機の構成プロック図である。 図 2は、本発明の第 2の実施例に係る送信機の構成プロック図である。 図 3は、本発明の第 3の実施例に係る送信機の構成プロック図である。 図 4は、本発明の第 1の実施例に係る送信機と従来技術の C D MA基地 局送信機における、 3 2コード多重時信号 1キャリア送信時の、入力設 定レベルと出力レベル偏差に関する特性を示したグラフである。図 5は、 本発明の第 1の実施例に係る送信機と従来技術の C D M A基地局送信機 における、 3 2コード多重時信号 2キャリア送信時の、入力設定レベル と出力レベル偏差に関する特性を示したグラフである。図 6は、一般的 な C D M A基地局で用いる送信増幅器の構成プロック図である。図 7は、 —般的な C D MA基地局送信機の構成ブロック図である。図 8は、一般 的な増幅器のピークファクタの説明図である。図 9は、本発明の第 1の 実施例に係る送信機の監視部 1 8におけるレベル制御情報の算出処理の フローチャートである。図 1 0は、本発明の第 1の実施例に係る送信機 の監視部 1 8におけるレベル制御情報の算出処理のフローチャートであ る。図 1 1は、本発明の第 1〜第 3の実施例に係る送信機の監視部にお ける、テーブルを用いたレベル制御情報の出力処理のフローチヤ一トで ある。図 1 2は、本発明の第 3の実施例に係る送信機の監視部 3 2にお けるレベル制御情報及び各キヤリァのゲイン値の算出処理のフローチヤ ートである。図 1 3は、本発明の第 3の実施例に係る送信機の監視部 3 2におけるキャリアのゲイン値の算出処理のフローチヤ一トである。図 1 4は、本発明の第 3の実施例に係る送信機の監視部 3 2におけるキヤ リアのゲイン値の算出処理のフローチャートである。図 1 5は、本発明 の第 4の実施例に係る送信機の構成ブロック図である。図 1 6は、本発 明の第 4の実施例に係る送信機の監視部 4 1におけるキヤリァのゲイン 値の算出処理のフローチャートである。図 1 7は、本発明の第 4の実施 例に係る送信機の変形例の構成ブロック図である。図 1 8は、一般的な C D MA基地局で用いる送信増幅器の別の構成プロック図である。図 1 9は、 本発明の第 5の実施例に係る送信機の構成ブロック図である。図 2 0は、本発明の第 6の実施例に係る送信機の構成ブロック図である。 図 2 1は、本発明の第 6の送信機におけるデジタル信号処理部の別の内 部構成例を示すプロック図である。図 2 2は、本発明の第 5の送信機の 監視部におけるレベル制御情報の設定処理のフローチヤ一トである。図 2 3は、本発明の第 7の実施例に係る第 1の送信機(第 7— 1の送信機) の構成ブロック図である。図 2 4は、本発明の第 7— 1の送信機のピー ク電力抑圧 ·調整部内部の第 1の構成例を示す構成プロック図である。 図 2 5は、本発明の第 7の送信機の監視部における各キヤリァのレベル 制御情報の設定処理のフローチャートである。図 2 6は、第 7の送信機 の監視部における、テーブルを用いたレベル制御情報の出力処理のフロ 一チャートである。図 2 7は、第 7の送信機と従来技術の送信機におけ る、 3 2コード多重時信号 1キャリア送信時の、入力設定レベルと出力 レベルに関するシミュレーション例を示したグラフである。図 2 8は、 入力設定レベルとレベル偏差に関するシミユレーション例を示したグラ フである。図 2 9は、 3 2コード多重時信号 2キャリア送信時の、レぺ ル変動キヤリ了 (キヤリア 1 ) に対する入力設定レベルと出力レベルに 関するシミユレーション例を示したグラフである。図 3 0は、キャリア 1に対する入力設定レベルと入出力レベル差に関するシミュレーション 例を示したグラフである。図 3 1は、レベル固定キヤリ了 (キヤリア 2 ) に対する、キャリア 1の入力設定レベルとキヤリア 2の入出力レベル差 に関するシミュレーション例を示したグラフである。図 3 2は、本発明 の第 7— 1の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0内部の第 2の構成例 を示す構成ブロック図である。図 3 3は、本発明の第 7の実施例に係る 第 2の送信機(第 7 _ 2の送信機)の構成プロック図である。図 3 4は、 本発明の第 7の実施例に係る第 3の送信機(第 7 _ 3の送信機)の構成 プロック図である。図 3 5は、本発明の第 8の実施例に係る送信機(第 8の送信機)の構成ブロック図である。図 3 6は、本発明の第 8の送信 機のピーク電力抑圧 ·調整部内部の第 1の構成例を示す構成プロック図 である。図 3 7は、本発明の第 8の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部内 部の第 2の構成例を示す構成プロック図である。

発明を実施するための最良の形態

本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

尚、以下で説明する機能実現手段は、当該機能を実現できる手段であ れば、どのような回路又は装置であっても構わず、また機能の一部又は 全部をソフトウェアで実現することも可能である。更に、機能実現手段 を複数の回路によって実現してもよく、複数の機能実現手段を単一の回 路で実現してもよい。

本発明の実施の形態に係る送信機は、大きく 4つの類型に分類するこ とができる。

第 1の類型は、複数のキヤリァがピーク電力抑圧及び帯域制限及び直 交変調 (まとめて、デジタル信号処理と呼ぶ)されて合成されたマルチ キャリア信号を送信する送信機において、キャリア毎に、キャリアの平 均入力電力 (及び、場合によって当該キャリアのデジタル信号処理後の 平均電力)に基づいて、当該キャリアのデジタル信号処理後の信号レべ ルを調整するキヤリァレベル調整を行う力又は特定のキヤリァの平均 入力電力 (及び、場合によって当該キャリアのデジタル信号処理後の平 均出力電力)に基づいて、マルチキャリア信号の信号レベルを調整する マルチキヤリァレベル調整を行うか、またはキャリアレベル調整とマノレ チキヤリアレベル調整の両方を行う送信機である。

第 1の類型の送信機については、第 1〜第 4の実施例として詳細な説 明を行う。

第 2の類型は、複数のキャリアがピーク電力抑圧及び帯域制限及び直 交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号を送信する送信機において、 全キャリアの総和の平均入力電力(及び、場合によってマルチキャリア 信号の平均出力電力)に基づいて、マルチキャリア信号の信号レベルを 調整する送信機である。

第 2の類型の送信機については、第 5、第 6の実施例として詳細な説 明を行う。

第 3の類型は、複数のキヤリァがピーク電力抑圧及び帯域制限及び直 交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号を送信する送信機において、 キャリア毎に、キャリアのピーク電力抑圧前の平均入力電力、及ぴ場合 によって当該キャリアのピーク電力抑圧後の平均出力電力に基づいて、 当該キャリアのピーク電力抑圧された信号の信号レベルを調整する送信 機である。

第 3の類型の送信機については、第 7の実施例として詳細な説明を行

5。

第 4の類型は、複数のキヤリァが帯域制限及び直交変調されて合成さ れたマルチキヤリァ信号をピーク電力抑圧してから送信する送信機にお いて、マルチキャリアのピーク電力抑圧前の平均入力電力(及び、場合 によってマルチキヤリァのピーク電力抑圧後の平均出力電力)に基づい て、マルチキヤリァのピーク電力抑圧された信号の信号レベルを調整す る送信機である。

第 4の類型の送信機については、第 8の実施例として詳細な説明を行 う o

なお、各類型の送信機において、キャリア又はマルチキャリア信号の 信号レベルを調整するためのレベル制御量を決定する方法は、次の 3つ の方法がある。

第 1の方法は、キャリア又はマルチキャリア信号の平均入力電力と平 均出力電力と算出し、算出された平均入力電力と平均出力電力からレべ ル制御量を演算により求め決定する方法であり、この方法を「演算によ るフィードフォワード制御」と呼ぶ。

第 2の方法は、キヤリァ又はマルチキヤリァ信号の平均入力電力の推 定値とレベル制御量とが対応付けられたテーブルを用いて、キヤリァ又 はマルチキヤリァ信号の平均入力電力に対応するレベル制御量を決定す る方法であり、この方法を「テーブルによるフィードフォワード制御」 と呼ぶ。

第 3の方法は、キヤリァ又はマルチキヤリァ信号の平均入力電力の推 定値と平均出力電力の理想値とが対応付けられたテーブルを用いて、キ ャリァ又はマルチキヤリァ信号の平均入力電力に対応する平均出力電力 の理想値を特定し、現実の平均出力電力が当該理想値に等しくなるよう にレベル制御量を調整しながら適切なレベル制御量に収束させる方法で あり、この方法を「テーブルによるフィードパック制御」と呼ぶ。

なお、各方法の詳細は、各実施例内で説明する。

尚、本発明の実施例の説明において、各図における監視部 1 8, 3 2、 4 1及び信号レベル調整部 1 5及ぴ乗算器 3 1が請求項における調整手 段に相当している。また、信号レベル調整部 1 5又は乗算器 3 1が請求 項におけるレベル調整部に相当している。

本発明の実施の形態に係る送信機を説明する前に、本発明の送信機が 用いられる送信増幅器について説明する。

本発明の送信機が用いられる送信増幅器(以下、本送信増幅器)は、 図 6に示すように、 n個(n > 2 ) のキャリアを変調及び合成し、マル チキヤリァ信号として出力する送信機 1 と、デジタル · アナログ変換を 行う D / Aコンバータ 2と、無線周波数への変換処理を行う周波数変換 部 3と、無線周波数信号を増幅する電力増幅部 4とから構成される。図 6は、一般的な C D M A基地局で用いる送信増幅器の構成ブロック図で ある。

本送信増幅器は、 CDMA通信方式の基地局において、 n個(n > 2) のキャリアに対して変調を行い、各キヤリアを合成してマルチキヤリァ 信号を生成して増幅し、無線送信を行う。

本送信増幅器は、送信機 1におけるキャリアのレベル制御が、従来の CDMA基地局送信増幅器と相違する。

送信機 1は、デジタル信号である複数のキヤリァの送信データに対し て拡散変調、帯域制限及び直交変調を行い、さらに各キャリア( I相成 分のみ) を合成してマルチキヤリァ信号として D/Aコンバータ 2に出 力する。

また、送信機 1は、各キャリアの入力レベルに基づいて、マルチキヤ リァ信号のレベルの調整制御を行う。上記調整制御の詳細については、 送信機の説明において述べる。

D/Aコンバータ 2は、送信機 1からのマルチキヤリァ信号をアナ口 グ変換し、周波数変換部 3に出力する。

周波数変換部 3は、マルチキヤリァ信号を無線送信で用いる無線周波 数に変換して、電力増幅部 4に出力する。

電力増幅部 4は、無線周波数に変換されたマルチキヤリァ信号を増幅 し、アンテナ(図示せず)を介して無線送信を行う。

また、本発明の送信機を用いる送信増幅器の別の構成としては、図 1 8に示すように、送信機 1 ' でデジタル信号である複数のキャリアの送 信データに対して拡散変調、帯域制限及び直交変調を行い、さらに各キ ャリアを合成してマルチキヤリァ信号として I相、 Q相各成分を出力し、 I相、 Q相各成分に対して設けられた D/Aコンバータ 2' -1、 2' -2 で各々アナログ変換し、アナログ変換されたマルチキャリア信号をアナ ログ直交変調部 3' において無線送信で用いる無線周波数に変換し、電 力增幅部 4で増幅し、アンテナ(図示せず)を介して無線送信を行う構 成に用いても良い。

図 1 8は、一般的な CDMA基地局で用いる送信増幅器の別の構成ブ ロック図である。

次に、本送信増幅器の送信機 1, 1 に相当する、本発明の送信機の 各形態について類型別に説明するが、その前に、本発明の送信機の前提 となる一般的な送信機について、図 7を用いて説明する。図 7は、一般 的な CDMA基地局送信機の構成プロック図である。

図 7に示した一般的な送信機は、図 6の送信機 1に相当するものであ り、キャリア毎に送信データを拡散変調して合成するキャリア符号多重 信号生成部 5 0-1〜5 0-nと、キヤリァ毎に独立した系列として信号ピ ークの制限を行うピーク電力抑圧部(ピークリミッタ) 5 1と、各キヤ リァの帯域制限を行う波形整形フィルタ 5 2-1〜5 2-nと、各キヤリァ に対してデジタル直交変調を行うデジタル直交変調部 5 3 -1〜 5 3-nと、 デジタル直交変調されたキヤリアを合成する加算器 54とから構成され る。

図 7の CDMA基地局送信機の動作は、デジタルデータである各キヤ リアの送信データが対応するキャリア符号多重信号生成部 5 0-1〜5 0 -nに入力され、固有の拡散符号によって拡散変調されて合成され、各キ ャリアは同相成分( I成分)及び直交成分(Q成分)とが出力され、さ らにピーク電力抑圧部 5 1で各キャリアに対し、予め設定されたピーク ファクタ閾値に基づいてピーク値が制限される。ピーク値の制限された 各キヤリァは、対応する波形整形フィルタ 5 2-1〜 5 2-nにおいて帯域 制限が行われ、さらに対応するデジタル直交変調部 5 3-1〜5 3-nで直 交変調が行われる。そして、加算器 54で直交変調された各キャリアが 合成され、マルチキヤリァ信号として出力される。

図 7の送信機から出力されたマルチキヤリァ信号は、さらに図 6にお いて、 D / Aコンバータ 2でアナログ変換され、周波数変換部 3で無線 周波数への変換が行われた後、電力増幅部 4で増幅される。増幅後のマ ルチキャリア信号は、アンテナ(図示せず)を介して無線送信される。 すなわち図 6の送信増幅器は、送信機 1のピーク電力抑圧部 5 1によ つて各キャリアのピーク値が制限され、帯域制限、アップコンバートを 行い、その後に結合し、結合後のマルチキャリア信号を電力増幅部 4で 増幅することになり、結合前のキャリアのピークファクタが小さくなる ことにより、結合後のマルチキヤリァ信号のピークファタタも小さくな るため、結果的に電力増幅器 4への入力信号のピークファクタが抑圧さ れて、電力増幅器 4における動作点を上げることができるものである。 次に、本発明の第 1の類型に属する送信機について説明する。

本発明の第 1の類型に属する送信機を手段構成で説明すると、各キヤ リァの平均入力電力を算出する入力電力演算部と、各キヤリァの帯域制 限後の平均電力である平均出力電力を算出する出力電力演算部と、各キ ャリァの平均入力電力が最大となるキヤリァを特定し、その最大値を取 得し、さらに特定されたキャリアの平均出力電力を取得して、取得した 平均入力電力と平均出力電力の比を求め、当該比と予め設定された期待 値との比であるレベル制御情報を出力する監視部と、監視部から出力さ れたレベル制御情報を乗算して、マルチキャリア信号のレベルを調整す る信号レベル調整部とを備えたものであり、これによりキヤリァの入力 レベルの変動に対応してマルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に 抑えることができる。

また、帯域制御後のキヤリァとゲイン値の乗算を行う乗算器をキヤリ ァ毎に設け、監視部は、キャリア毎に平均入力電力及び平均出力電力の 比を求め、当該比と予め設定された期待値との比に基づいて各キヤリァ のゲイン値を算出し、対応する乗算器に出力するものであり、これによ りキヤリァの帯域制限後のレベルの変動をキヤリァ毎に平均的に抑える ことができ、マルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑えること ができる。

また、監視部において上記マルチキャリアのレベル制御情報、又は各 キヤリァのゲイン値の別の決定方法として、キヤリァの平均入力電力の 推定値とレベル制御量又はゲイン値とが対応付けられたテーブルを用い て決定する方法、或いは、キャリアの平均入力電力の推定値とマルチキ ャリァ信号又はキヤリァの平均出力電力の理想値とが対応付けられたテ 一ブルを用いて、平均出力電力が理想値に等しくなるようにレベル制御 量又はゲイン値を調整して決定する方法を実現するので、簡単な制御に よって、キヤリァの帯域制限後のレベルの変動をキヤリァ毎に平均的に 抑えることができ、マルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑え ることができる。

本発明の第 1の類型に属する送信機の具体的構成例について、実施例 :!〜 4で説明する。

[実施例 1 ]

本発明の第 1の実施例に係る送信機は、複数のキヤリァが帯域制限及 ぴ直交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号の送信信号レベルを調 整する送信機であって、複数のキャリアのうち、特定の条件で選択され たキヤリァの平均入力レベルと平均出力レベルの比である入出力レベル 比と、予め設定された期待値との比であるレベル制御量を出力する監視 部と、マルチキヤリァ信号にレベル制御量を乗算してレベル調整を行う レベル調整部とを備えた送信機としているので、キヤリァの入力レベル の変動に対応して、マルチキャリア信号のレベルの変動を抑えることが できるものである。

また、本発明の第 1の実施例に係る送信機は、複数のキャリアが帯域 制限及ぴ直交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号の送信信号レべ ルを調整する送信機であって、キヤリァの平均入力レベルの想定値と、 マルチキヤリァ信号のレベル制御量とが対応付けられて格納されたテー ブルを有し、複数のキャリアのうち、特定の条件で選択されたキャリア の平均入力レベルに相当する想定値から対応するレベル制御量をテープ ルから読み出し、出力する監視部と、マルチキャリア信号にレベル制御 量を乗算してレベル調整を行うレベル調整部を備えた送信機としている ので、キャリアの入力レベルの変動に対応して、マルチキャリア信号の レベルの変動を抑えることができるものである。

まず、本発明の第 1の実施例に係る送信機(以下、第 1の送信機)の 構成例について、図 1を用いて説明する。図 1は、第 1の送信機の構成 ブロック図である。

第 1 の送信機は、キャリア符号多重信号生成部 1 0 -1〜 1 0 -nと、ピ ーク電力抑圧部 1 1と、波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nと、デジタル 直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nと、加算器 1 4と、信号レベル調整部 1 5と、 入力電力演算部 1 6 -1〜 1 6 -nと、出力電力演算部 1 7 -1〜 1 7 -nと、監 視部 1 8とから構成される。

次に、第 1の送信機の各部の構成について説明する。

キャリア符号多重信号生成部 1 0 -1〜 1 0 -nは、キャリア毎に設けら れており、予めキヤリアに対応する拡散符号を格納している。

キヤリァ符号多重信号生成部 1 0 -1〜 1 0 - nは、対応するキヤリアの 送信データがチャネル単位で入力されると、格納されている拡散符号を 用いて拡散変調を行い、拡散変調後の送信データを合成し、同相成分(以 下、 I成分)及び直交成分(以下、 Q成分)とに分けてピーク電力抑圧 部 1 1に出力する。

ピーク電力抑圧部 1 1は、各キヤリァ符号多重信号生成部 1 0 -:!〜 1 0 -nから出力された拡散変調後のキヤリァのレベルに基づいて、キヤリ ァの電力制限を行い、制限後の各キヤリァを対応する波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nに出力する。

ピーク電力抑圧部 1 1は、従来と同様のリミッタであり、ここで特に 重要なことは、各キヤリァ合成後のマルチキヤリァが送信増幅器におけ る電力増幅部 4に入力される際のピークファクタを抑えることができる ように、入力された各キャリアを用いて仮に合成した電力に基づいてピ ーク検出を行い、ピークが検出された場合に、各キャリアに対して一律 の抑圧率で電力制限を行うものである点である。

ピーク電力抑圧部 1 1の動作の詳細については、後述する。

波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nは、キヤリァ毎に設けられており、 ピーク電力抑圧部 1 2から出力された制限後のキャリアに対して帯域制 限を行い、対応するデジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nに出力する。 波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nでは、帯域制限を行うことによって、 対応するキヤリァの占有帯域が予め設定された値に収まるようなスぺク トル整形が施される。

デジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nは、キヤリァ毎に設けられており、 対応する波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nから出力された帯域制限後の キャリアを直交変調し、直交変調後の I成分を加算器 1 4に出力する。 また、直交変調後の I, Q両成分は、対応する出力電力演算部 1 7 -1〜 1 7 -nに出力される。

加算器 1 4は、各デジタル直交変調部 1 3 -:!〜 1 3 -nから出力される 直交変調後のキヤリァの I成分を合成し、マルチキヤリァ信号として信 号レベル調整部 1 5に出力する。

信号レベル調整部 1 5は、後述する監視部 1 8から出力されるレベル 制御情報に基づいて、加算器 1 4からのマルチキヤリァ信号に対しレべ ル調整制御を行う。

入力電力演算部 1 6 -1〜 1 6 -nは、キャリア毎に設けられており、キ ャリア符号多重信号生成部 1 0-1〜 1 O-nから出力された拡散変調後の キャリアの電力値に基づいて、対応するキャリアの平均入力電力を算出 して、監視部 1 8に出力する。入力電力演算部 1 6-1〜 1 6 -nにおける 平均入力電力の算出方法については、後述する。

出力電力演算部 1 7-1〜 1 7-nは、キャリア毎に設けられており、デ ジタル直交変調部 1 3-1〜 1 3 -nから出力された直交変調後のキャリア ( 1、 Q両成分)の電力値に基づいて、対応するキャリアの平均出力電 力を算出して、監視部 1 8に出力する。出力電力演算部 1 7-1〜1 7-n における平均出力電力の算出方法については、後述する。

入力電力演算部 1 6-1〜 1 6 -nと出力電力演算部 1 7-1〜 1 7-nでは、 監視部 1 8への平均入力電力及び平均出力電力の入力の遅延時間や、平 均化時間を考慮し、平均化操作のための構成及び平均化操作の方法は、 同一とすることが好ましい。

監視部 1 8は、入力電力演算部 1 6-1〜 1 6-nから出力される平均入 力電力と、出力電力演算部 1 7-1〜 1 7-nから出力される平均出力電力 とに基づいて、マルチキヤリァ信号のレベル調整に関するパラメータを 算出し、レベル制御情報として信号レベル調整部 1 5に出力する。

監視部 1 8におけるレベル制御情報の算出方法の詳細については、後 述する。

次に、第 1の送信機の動作について説明する。

図 1において、デジタル信号である各キヤリァの送信データはチヤネ ル単位で、送信機において対応したキャリア符号多重信号生成部 1 0-1 〜 1 0-nに入力される。キヤリァ符号多重信号生成部 1 0-1〜 1 0-nで は、送信データは、予め格納されている拡散符号によって拡散変調が行 われ、合成された後、 I Q成分毎にピーク電力抑圧部 1 1に出力される。 拡散変調後のキャリアが入力されると、ピーク電力抑圧部 1 1は、キ ャリァの総和電力に対する瞬時電力及び平均電力を算出して、これらの 比を求め、算出された比を予め設定されたピークファクタ閾値と比較す ることでピークの有無の検出を行い、比較結果に基づいてキヤリアのレ ベル調整を行う。

ここで、キヤリァの総和電力に対する瞬時電力及ぴ平均電力の算出方 法について、数式を用いて説明する。各キヤリァの入力信号を、下式( 1) のように示す。

[数 1]

Sk =Ik(t) + j-Qk{t) ( 1,2,… (1)

ピーク電力抑圧部 1 1は、まず、入力されたキャリアを合成して多重 化する。キャリアの多重化処理は、下式(2) にょうに表せる。

[数 2]


(2) 式において、 Ai ( t ) 、 Α ( t ) はそれぞれ、入力信号の同 相成分の多重結果と直交成分の多重結果を表している。

(2) 式の表現を用いると、各キャリアの総和電力に対する瞬時電力 及び平均電力は、下式(3) (4) のように表せる。

[数 3]

時電力 - Pint (り =4 (ί)2 + 4ひ)2 (3)

平均電力-上. Pint (た) (4)


( 4 ) 式において、 Tは過去の瞬時電力値のうち、平均化の対象とす るものの個数を示しており、予めピーク電力抑圧部 1 1で設定されてい る値である。また、ピーク電力抑圧部 1 1は、瞬時電力値を算出する毎 に記憶手段 (図示せず)に記憶して、平均電力の算出時に記憶手段から 読み出している。

ピーク電力抑圧部 1 1は、キャリアの総和電力の瞬時電力対平均電力 比 (以下、瞬時平均電力比)を求め、予め設定されたピークファクタ閾 '値と比較することで、ピークの有無の検出を行う。

ピーク電力抑圧部 1 1で用いるピークファクタ閾値は、キャリア数に 依存する固定値である。また、ピークファクタ閾値は、各キャリアが最 大レベルである場合に最適化されているが、ピーク電力抑圧部 1 1は、 全てのキヤリァが最大レベルでないときでもピーク抑圧は行われる。 比較の結果、ピークファクタ閾値と比較して、瞬時平均電力比が大で あれば、ピーク電力抑圧部 1 1は、キャリアにリミットを施すべきであ ると判断し、各キヤリアの合成後の電力が規定の電力となるよう各キヤ リァの電力を制限し、対応する波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nに出力 する。具体的には、各キャリアに対して総和電力に対応した乗算係数を 一律に乗算することによって電力制限(ピーク制限)を行う。

ピークファクタ閾値と比較して、瞬時平均電力比が小であれば、電力 の制限を行わずに各キヤリァを波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nに出力 する。

課題で説明したように、各キヤリァはピーク制限後に帯域制限を行う ため、帯域制限後のキャリアのピークファクタは、帯域制限前よりも大 きくなり、このため電力増幅部 4の出力特性は非線形となり非線形歪が 発生する。

ピーク電力抑圧部 1 1は、電力増幅部 4に入力されるマルチキャリア 信号の最大電力を抑えるため、キャリアの総和電力に対する瞬時電力及 ぴ平均電力に基づいてピークの検出を行い、ピークが検出された場合に、 各キヤリァの電力値を制限して出力しており、これによつてマルチキヤ リァ信号のピークファクタを低下させることができ、電力増幅部 4にお ける非線形歪の発生を防止している。

第 1の送信機は、上述したようにピークファクタ閾値を基準として各キヤリ ァのピーク制限を行うピーク電力抑圧部 1 1を用いているが、マルチキャリア 信号のピークを制限することを目的とするものであれば、他の方法でピーク制 限を行うもの、例えば電力閾^ iを基準として各キヤリァのピーク制限を行うも のを用いてもよい。

電力閾値を基準としたピーク制限では、ピーク電力抑圧部 1 1は、あ らかじめ電力閾値を設定しておき、各キヤリァの合成後のマルチキヤリ ァ信号の電力値が電力閾値を超える場合に、電力閾値を超えた分の電力 を制限するよう各キヤリァの電力制限を行う。

図 1において、ピーク電力抑圧部 1 1から出力された各キャリアは、 対応して設けられた波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nで帯域制限され、 デジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nで直交変調された後、 I成分が加算 器 1 4で合成されてマルチキヤリァ信号として信号レベル調整部 1 5に 出力される。

また、キャリア符号多重信号生成部 1 0 -1〜 1 0 -nで拡散変調された 各キャリアは、ピーク電力抑圧部 1 1の他、対応する入力電力演算部 1 6 -1〜 1 6 -nに入力される。

入力電力演算部 1 6-;!〜 1 6-nは、入力されたキヤリァに基づいて各 キャリアの平均電力である平均入力電力を算出し、監視部 1 8に出力す る。

ここで、入力電力演算部 1 6-:!〜 1 6-nにおける平均入力電力の算出 方法について、数式を用いて説明する。入力電力演算部 1 6は、まず入 力されたキャリアの電力値を算出する。キャリアの入力信号を(1 ) 式 で表すとすると、当該入力信号の電力 P o wは、下式(5) のように表 せる。

[数 4]

Pow(t) = I(t)2+Q(t)2 (5)

次に、入力電力演算部 1 6は、算出した電力値 P o wを用いて、平均 電力を算出する。入力電力演算部 1 6は、予め記憶されている重み係数 λ ( 0≤ λ≤ 1 ) を用いて、下式(6 ) に示す重み付け平均化の演算処 理を行う。

[数 5]

AvgW(t) = +h .AvgW(t-l) (6)

X λ

( 6 ) 式において、 Av gW ( t - 1 ) は、直前に算出された重み付 け平均化の演算結果を示している。入力電力演算部 1 6は、重み付け演 算結果を算出する毎に内蔵する記憶手段(図示せず)に記憶して、新た な重み付け演算時に記憶手段から読み出している。

さらに、入力電力演算部 1 6は、(6 ) 式の演算結果を用いて、下式 ( 7) に示す平均化処理を行う。

[数 6 ]


(7) 式において、 xは過去の重み付け平均演算結果のうち、平均化 の対象とするものの個数を示しており、予め入力電力平均部 1 6で設定 されている値である。また、入力電力平均部 1 6は、重み付け演算結果 を算出する毎に記憶手段に記憶して、平均電力の算出時に記憶手段から 読み出している。

そして入力電力平均部 1 6は、(7) 式で算出される平均電力 A V g ( t ) を、平均入力電力として監視部 1 8に出力する。以上が入力電力 平均部 1 6における平均入力電力の算出方法である。

また、デジタル直交変調部 1 3-1〜 1 3-nで直交変調された各キヤリ ァの I, Q両成分は、加算器 14の他( I成分のみ)、対応する出力電 力算出部 1 7- 1〜 1 7-nに入力される。出力電力演算部 1 7-1〜 1 7 -n は、入力されたキヤリァに基づいて各キヤリァの帯域制限後の平均電力 である平均出力電力を算出し、監視部 1 8に出力する。

出力電力演算部 1 7-1〜 1 7-nにおける平均出力電力の算出方法は、 直交変調後のキヤリァの電力値を用いる以外は、既述した入力電力演算 部 1 6-;!〜 1 6-nにおける平均入力電力の算出方法と同一であるので、 説明は省略する。

監視部 1 8は、入力電力演算部 1 6-1〜 1 6-nから出力される平均入 力電力と、出力電力演算部 1 7-1〜 1 7-nから出力される平均出力電力 とに基づいて、マルチキヤリァ信号のレベル調整に関するパラメータを 算出し、レベル制御情報として信号レベル調整部 1 5に出力する。

ここで説明する監視部 1 8は、マルチキャリア信号の信号レベルを調 整するためのレベル制御量を決定する第 1の方法である「演算によるフ

イードフォワード制御」を実現するものである。

以下、監視部 1 8におけるレベル制御情報の算出方法について、図 9 及び図 1 0を用いて説明する。図 9及び図 1 0は、第 1の送信機の監視 部 1 8におけるレベル制御情報の算出処理のフローチヤ一トである。

尚、図 9のフローチヤ ^"トにおける(A) は、図 1 0のフローチヤ一 トにおける(A) とつながっている。 - 監視部 1 8は、平均入力電力及び平均出力電力の値及び出力状況を監 視することによって、入力電力演算部 1 6-1〜1 6-n及び出力電力演算 部 1 7-1〜1 7-nの動作状況を監視している。動作状況の監視によって、 監視部 1 8は、例えば、現在のキャリア数等を知ることができる。

図 9において、監視部 1 8は、動作状況の監視によって、入力電力演 算部 1 6-1〜 1 6-nから同一のタイミングで出力される平均入力電力の うち、最大値 A ( t ) を取得する(S 1 1 ) 。次に監視部 1 8は、最大 値 A ( t) の出力された入力電力演算部 1 6を特定することで、平均入 力電力が最大となるキャリア F ( t ) を特定し(S 1 2) 、更に処理 S 1 2で特定されたキャリアに対応する出力電力演算部 1 7から出力され る平均出力電力 B ( t) を取得する(S 1 3) 。

ここで第 1の送信機が 1つのキャリアを扱う場合には、監視部 1 8は 処理 S 1 1〜S 1 3の代わりに、入力される平均入力電力と平均出力電 力を取得するだけでよい。

そして監視部 1 8は、平均入力電力の最大値 A ( t ) が 0、すなわち キャリアが存在しないか否かを確認し(S 1 4) 、もし 0以外であれば (S 1 4の No) 対応する平均出力電力 B ( t ) が予め設定された閾値未 満か否かを確認する(S 1 5) 。

ここで、 S 1 5の平均出力電力 B ( t ) と閾値との比較判定は、装置 構成上必要な処理であり、閾値については予め監視部 1 8に設定されて

いる値である。

装置構成上必要な理由としては、監視データ(ここでは平均入力電力 が最大となるキャリア)の送信レベルが低くなると、レベル調整の精度 が劣化するので、精度劣化を特定レベルでくい止めるためである。

特に、ゲイン計算を後述する S 1 7, S 1 8 , S 1 9のステップで行 う場合、 S 1 8の除数に当たる平均出力電力 B ( t ) が小さくて 0に近 づくと、計算結果が発散してしまうため、最大平均出力電力 B ( t ) が 閾値に満たない場合に S 1 7, S 1 8, S 1 9の計算処理を回避するよ うにしている。

処理 S 1 5において、 B ( t) が閾値以上(B ( t ) ≥閾値)であれ ば ( S 1 5の No) 、監視部 1 8は、マルチキヤリァ信号のレベル制御が 可能と判断し、レベル制御情報の算出を行う。

レベル制御情報の算出にあたり、監視部 1 8はまず、 A ( t ) に対し 係数 ο:を乗算し(S 1 7) 、さらに乗算結果である C ( t ) を B ( t ) で割って (S 1 8) 、 D ( t ) を求める。よって処理 S 1 7及び S 1 8 における演算処理は、 D ( t ) = α · A ( t ) /B ( t ) と表すこと力 S できる。以下、 A ( t ) /B ( t ) を入出力電力比と称する。

ここで係数 (α > 0 ) は、キャリアの電力値によって決まる値であ り、予め監視部 1 8に設定されている。監視部 1 8では、係数ひを決定 するにあたり、キャリアの電力値の基準データ(例えば、ピーク電力抑 圧部 1 1においてピーク制御の対象とならない電力値)の入出力電力比 を求め、この逆数を αとしている。

したがって D ( t ) は、基準データの入出力電力比 1 /ひに対する、 実測データの入出力電力比(A ( t ) /B ( t) ) の比を表していると いえる。以下、 D ( t ) を基準実測比と称する。

そして監視部 1 8は、処理 S 1 9で得られた基準実測比 D ( t) の平 方根を取り、ゲイン値 G A I N ( t ) とする(S 1 9 ) 。ゲイン値 G A I N ( t ) は、マルチキャリア信号のレベル調整に関するパラメータで ある。

処理 S 1 4において、 A ( t ) が 0、すなわちキャリアが存在しない 場合 ( S 1 4の Yes) 力、、あるいは処理 S 1 5において、 B ( t ) が闘 値未満 (B ( t ) く閾値)であれば(S 1 5の Yes) 、監視部 1 8は、 ゲイン値 GA I N ( t ) として、直前に用いたゲイン値 G A I N ( t— 1 ) に設定する(S 1 6) 。

図 1 0において、監視部 1 8は次に GA I N ( t ) が上限値より大か 否かを確認する(S 2 0) 。処理 S 2 0において、 GA I N ( t ) が上 限値より大 (GA I N ( t ) >上限値)であれば(S 2 0の Yes) 、監 視部 1 8は、 GA I N ( t ) の値を上限値に置き換え(S 2 1 ) 、 G A I N ( t ) が上限値以下(GA I N ( t ) ^上限値)であれば(S 2 0 の No) 、次に GA I N ( t ) が下限値未満か否かを確認する(S 2 2) 。 処理 S 2 2において、 GA I N ( t ) が下限値未満(GA I N ( t ) く下限値)であれば(S 2 2の Yes) 、監視部 1 8は GA I N ( t ) の 値を下限値に置き換え(S 2 3) 、下限値以上(GA I N ( t ) 下限 値)であれば(S 2 2の No) 、現在の G A I N ( t ) をそのまま用いる ことになり、 GA I N ( t ) の値が確定する。

ここで GA I N ( t ) の上限値及ぴ下限値は、キャリアの電力値及び 動作中のキャリア数によって決まる値であり、予め監視部 1 8に設定さ れている。

監視部 1 8は、ゲイン値 GA I N ( t )の値が決まると、 GA I N ( t ) をレベル制御情報として信号レベル調整部 1 5に出力する(S 24) 。 以上が監視部 1 8におけるレベル制御情報の算出処理である。

監視部 1 8は、規定のタイミングで上述したレベル制御情報の算出処

理を定期的に行う。また、監視部 1 8は、過去のタイミングで算出した ゲイン値 GA I N ( t) を内蔵する記憶手段(図示せず)に記憶して、 新たなゲイン値の算出時に記憶手段から読み出している。

図 1において、信号レベル調整部 1 5は、加算器 14から出力された マルチキャリア信号に対し、監視部 1 8から出力されたゲイン値 GA I N ( t ) を乗算することによって、マルチキャリア信号のレベル調整を 行う。

上述したように、監視部 1 8は、入出力電力比の平方根に基づいて G A I N ( t ) を算出する。キャリアの電力値は(5) 式で示すように、 同相成分と直交成分の二乗和で表されるため、 GA I N ( t ) をマルチ キヤリァ信号に乗算することによって、所望のレベル調整を行うことが できる。

レベル調整の行われたマルチキヤリァ信号は、 DZ A変換器 2におけ るアナログ変換、周波数変換部 3における無線周波数の変換が施された 後、電力增幅部 4で増幅されて無線送信される。以上が第 1の送信機の 動作である。

第 1の送信機において、信号レベル調整部 1 5においてマルチキヤリ ァ信号のレベルに応じたレベル調整を行うため、第 1の送信機の本線系 (ピーク電力抑圧部 1 1〜加算器 14) から出力されるマルチキヤリァ 信号と、制御系(入力電力演算部 1 6、出力電力演算部 1 7及び監視部 1 8) から出力される、上記マルチキャリア信号に対応したレベル制御 情報は、同一のタイミングで信号レベル調整部 1 5に入力されることが 好ましい。

このため、本線系又は制御系に遅延器等を設けて、本線系及び制御系 のデータ出力の同期を図るようにしてもよい。

第 1の送信機によれば、各キャリアの送信機への平均入力電力と、帯 域制限後の平均出力電力とに基づいて、各キヤリアの合成後のマルチキ ャリァ信号のレベル調整の制御量を算出し、当該制御量を用いてマルチ キヤリァ信号のレベル調整を行うようにしているので、各キヤリァの入 力レベルの変動に対応して、マルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均 的に抑えることができる。

通常のピーク電力抑圧部は、キヤリァの総和電力に応じて各キヤリァ のピーク制御を行う。従って、送信機への入力レベルの変動の激しいキ ャリアがあつたとしても、キヤリァ全体の電力レベルが規定値未満であ れば、ピーク制御は行われずそのまま帯域制限が行われて合成される。 そのため、マルチキャリア信号のレベルの変動も激しいものとなる場合 がある。

また、入力レベルが固定されているキヤリアと、入力レベルが変動し ているキヤリァが混在している場合、入力レベルの変動によってピーク 電力抑圧部 1 1のピーク制御の頻度が多くなり、入力レベルが固定され ているキヤリァにもピーク制限がかかることになり、入力レベルが固定 されているキヤリァのレベルが低下する。

上述したように、監視部 1 8は、レベル制御情報の算出にあたり、平 均入力電力の最大値を取るキヤリァについて、その入出力電力比を求め、 基準データにおける入出力電力比との比である基準実測比 D ( t ) に基 づいて、ゲイン値 G A I N ( t ) を算出している。

すなわち第 1の送信機は、キヤリァの平均入出力電力に基づいてゲイ ン値を算出し、マルチキャリア信号に乗算しているため、ピーク電力抑 圧部 1 1においてキヤリァへのピーク制限が充分に行われない場合ゃキ ャリアにピーク制限をかけすぎてレベルが過剰に抑圧された場合にも対 応して、任意の区間(フレーム等)に対応するマルチキャリア信号のレ ベル総和を基準データを用いた際のレベル総和に近似させることができ る。よって第 1の送信機は、入力されたキャリアのレベルに変動が発生 しても、安定してマルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑える ことができる。

また、第 1の送信機は、従来の送信機の構成に、キャリア数分の入力 電力演算部 1 6及び出力電力演算部 1 7と、監視部 1 8と、信号レベル 調整部 1 5とを加えることによって実現できる。したがって第 1の送信 機は、従来の送信機の設備をそのまま利用できるため、設置のためのコ ストを低減することができる。

第 1の送信機において、監視部 1 8は、レベル制御情報の算出に用いる平均 入力電力の条件として、最大値である以外に、異なる条件(例えば 2番目に大 きい平均入力電力)を設定してもよい。ピーク電力抑圧部 1 1において各キヤ リァは共通の乗算係数によってピーク制限されるため、どのキャリアについて もその入出力電力比は一定となる。

しかしながら、出力電力演算部における平均出力電力の値の精度が低く、実 際の値よりも小さくなる場合には入出力電力比の誤差が増大する。特に平均出 力電力の値がもともと小さい場合には、この傾向は顕著となる。したがって入 出力電力比の演算で用いる平均出力電力はなるべく大きい方が好ましいことか ら、平均入力電力も最大値を採用することが望ましい。

次に、第 1の送信機及び従来の送信機におけるキヤリァの入出力特性 について、図 4及び図 5を用いて説明する。図 4は、第 1の送信機と従 来技術の送信機における、 3 2 コード多重時信号 1キヤリァ送信時の、 入力設定レベルと出力レベル偏差に関する特性を示したグラフであり、 図 5は、第 1の送信機と従来技術の送信機における、 3 2コード多重時 信号 2キヤリァ送信時の、入力設定レベルと出力レベル偏差に関する特 性を示したグラフである。

図 4及び図 5の説明として、出力レベル期待値とのレベル差とは、送

信機の出力レベルの期待値とのレベル差を表す。すなわち、入力レベル を線形に増加させた場合、出力レベルも線形に増加させた値を期待値と している。また、レベル補正量とは、監視部 1 8により設定されたレべ ル制御情報であり、従来技術の送信機の出力を、レベル制御情報を基に、 後段の信号レベル調整部 1 5によって振幅制御すると、理論的には、第 1の送信機における出力レベルと等しくなる。

図 4に示す特性の測定において、第 1の送信機及び従来の送信機で用 いるピーク電力抑圧部 1 1は、キャリアのレベル制限を行っており、閾 値は固定値としている。図 4に示すように、従来の送信機の場合、入力 の設定レベルを増加させると、その分ピーク電力抑制部の閾値を超え、 振幅制限が実施されるので、 ± 0 . 2 d B程度の偏差が生じる。第 1の 送信機では、信号レベル調整部 1 5においてレベル制御情報がキヤリァ に乗算されることによって、土 0 . 1 d B程度の偏差に抑える事ができ る。また、この ± 0 . 1 d Bは各電力測定部の平均化時定数((7 ) 式 における X ) を変更する(例えば、大きくする)ことにより更に偏差を 小さくすることが可能である。

また、各電力測定部における平均電力計算時の(b i t ) 精度を向上 すれば、監視部 1 8におけるゲイン値算出精度が向上し、レベル制御手 段 1 5で行われるレベル制御の精度が向上し、出力パワー誤差を小さく することができる。

また、図 5に示す特性の測定において、 2つのキャリアのうち、キヤ リア 1は入力レベルを固定とし、キャリア 2の入力レベルを変動させて いる。また、ピーク電力抑圧部 1 1はキャリアの総和電力に基づいて動 作する仕様となっている。

図 5に示すように、従来の送信機の場合、キャリア 2の入力設定レべ ルを大きくすると、ピーク電力抑圧部 1 1の動作頻度が多くなり、一定 レベルで入力したキヤリア 1においても、出力レベルが一定とならずに 低下する。そのため、キャリア 1の出力レベルには ± 0 . 3 d B程度の 偏差が生じる。

一方、第 1の送信機では、図 4の 1キャリア時の送信時と同様、監視 部 1 8により設定されるレベル制御情報を基に、信号レベル調整部 1 5 においてマルチキヤリァ信号のレベル制御がなされ、結果としてキヤリ ァ 1の出力レベルを ± 0 . 0 5 d B程度の偏差に抑えることが可能とな る。

図 5のグラフから、第 1の送信機は、 W— C D M A通信方式において、 キャリアが複数ある場合でも、 0 . 1 (1 8或ぃは0 . 5 d B相当のパヮ ーコントロールを実現可能であることが分かる。

すなわち、第 1の送信機では、特定のキャリアにおける平均入力電力 と、ピーク抑圧、帯域制限、直交変調というキャリア毎の一連の信号処 理後の平均出力電力に基づいて、実際のキヤリァの電力値及ぴ動作中の キャリア数によって決まる閾値や上限、下限値を用いて装置の現動作状 況に即したレベル調整をマルチキヤリァ信号に施すので、特に課題で説 明した第 2,第 3の問題点を解決できる。

[実施例 2 ]

次に、本発明の第 2の実施例に係る送信機(以下、第 2の送信機)に ついて、第 1の送信機との相違点を中心に説明する。図 2は、第 2の送 信機の構成プロック図である。尚、第 1の送信機と同一の構成部分につ いては、同一の符号を付して説明する。

第 2の送信機は、デジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nと加算器 1 4と の間に、第 2のピーク電力抑圧部 2 1を設けている。第 2のピーク電力 抑圧部 2 1の構成は、ピーク電力抑圧部 1 1と同一である。また、第 2 の送信機において、出力電力演算部 1 7 -1〜 1 7 -nは、第 2のピーク電 力抑圧部 2 1でピーク制限された各キヤリァについて、平均出力電力を 算出する。

第 2の送信機によれば、第 2のピーク電力抑圧部 2 1は、波形整形フ ィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nにおける帯域制限後の各キヤリァに対してピーク 制限を行っており、これにより帯域制限によってピークファクタの増大 した、すなわちレベルの突出したキヤリァに対して突出部分のレベルを 抑圧することができる。

よって監視部 1 8は、既にピーク制御の行われたキヤリァの平均出力 電力に基づいてレベル制御情報の演算処理を行い、算出したレベル制御 情報を信号レベル調整部 1 5に出力するため、確実にマルチキャリア信 号のレベルの変動を平均的に抑えることができる。

[実施例 3 ]

本発明の第 3の実施例に係る送信機は、複数のキヤリァが帯域制限及 ぴ直交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号の送信信号レベルを調 整する送信機であって、各キャリアに対し、平均入力レベルと、帯域制 限及ぴ直交変調後の平均出力レベルの比である入出力レベル比と、予め 設定された期待値との比であるレベル制御量を出力する監視部と、帯域 制限及び直交変調後の各キヤリアに対し、対応するレベル制御量を乗算 する乗算部とを備えた送信機としているので、キヤリァの帯域制限後の レベルの変動をキャリア毎に平均的に抑えることができ、マルチキヤリ ァ信号のレベルの変動を平均的に抑えることができるものである。

本発明の第 3の実施例に係る送信機は、複数のキヤリァが帯域制限及 ぴ直交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号の送信信号レベルを調 整する送信機であって、キャリアの平均入力レベルの想定値と、平均入 力レベルの想定値に基づいて求められるキヤリァのレベル調整に関する 制御値とが対応付けられて格納されたテーブルを有し、各キヤリァの平 均入力レベルに相当する想定値から対応する制御値をテーブルから読み 出し、制御値に基づいて各キヤリァのレベル制御量を出力する監視部と、 帯域制限及び直交変調後の各キヤリアに対し、対応したレベル制御量を 乗算する乗算部を備えた送信機としているので、キヤリァの帯域制限後 のレベルの変動をキャリア毎に平均的に抑えることができ、マルチキヤ リァ信号のレベルの変動を平均的に抑えることができるものである。 また、上記送信機において、監視部が、各キャリアに対応するレベル 制御量の中で特定のレベル制御量をマルチキヤリァのレベル制御量とし て出力する監視部であり、マルチキヤリァのレベル制御量をマルチキヤ リァ信号に乗算してレベル調整を行うレベル調整部を備えた送信機とし ているので、キヤリァの帯域制限後のレベルの変動をキヤリァ毎に平均 的に抑え、更にマルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑えるこ とができるものである。

次に、本発明の第 3の実施例に係る送信機(以下、第 3の送信機)に ついて、第 1の送信機との相違点を中心に説明する。図 3は、第 3の送 信機の構成ブロック図である。尚、第 1の送信機と同一の構成部分につ いては、同一の符号を付して説明する。

第 3の送信機は、デジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nと加算器 1 4と の間に、各キャリアに対応した乗算器 3 1 -1〜3 1 -nを設けている。ま た、監視部 3 2は、レベル制御情報を算出して信号レベル調整部 1 5に 出力する他に、デジタル直交変調された各キヤリァに対するゲイン値を 算出し、乗算器 3 1 -1〜 3 1 -nに出力する。

尚、ここで説明する監視部 3 2は、各キャリアの信号レベルを調整す るためゲイン値及びマルチキヤリァの信号レベルを調整するレベル制御 量を決定する第 1の方法である「演算によるフィードフォワード制御」 を実現するものである。

ここで第 3の送信機の監視部 3 2における、レベル制御情報及ぴ各キ ャリァに対するゲイン値の算出方法について、図 1 2〜 1 4を用いて説 明する。図 1 2は、第 3の送信機の監視部 3 2におけるレベル制御情報 及び各キヤリアのゲイン値の算出処理のフローチヤ一トであり、図 1 3 及び図 1 4は、監視部 3 2におけるキャリアのゲイン値の算出処理のフ ローチャートである。尚、図 1 3のフローチャートにおける(A) は、 図 1 4のフローチャートにおける(A) とつながっている。

レベル制御情報及び各キヤリァのゲイン値の算出にあたり、監視部 3 2は、 1 ) レベル制御情報のみを算出する、 2) 各キャリアのゲイン値 のみを算出する、 3 ) レベル制御情報及ぴ各キャリアのゲイン値の両方 を算出する、のうちどの処理を行うかを予め設定(以下、算出対象の設 定)しておく。

1;) 〜 3) の処理では、レベル調整後のマルチキャリア信号又はキヤ リアのレベルの精度に違いがあり、 3) 、 2) 、 1) の順で精度がよく なることが知られている。このため監視部 3 2において 1 ) 〜3) のど の処理を行うかは、各キヤリァで要求される送信電力レベルの精度に応 じて決めることが望ましい。

また、処理の設定方法としては、監視部 3 2に予め特定の処理のみを 行わせるよう設定したり、管理者が手動によって処理を選択して監視部 3 2に設定するようにしてもよい。

図 1 2において、監視部 3 2はまず、算出対象の設定内容を確認する ことで、各キャリアのゲイン値を算出するよう設定されているか否かを 確認する (S 4 1 ) 。処理 S 4 1において、 1 ) のレベル制御情報のみ を算出するよう設定されていることを確認すると(S 4 1の No) 、監視 部 3 2は、図 9及ぴ図 1 0に示すフローチャートの手順で、レベル制御 情報の算出処理を行い、レベル信号調整部 1 5に出力し(S 4 2) 、レ ベル制御情報の算出処理を終了する。

処理 S 4 1において、 2 )の各キヤリアのゲイン値のみを算出するか、 3 ) のレベル制御情報及び各キャリアのゲイン値の両方を算出するよう 設定されていることを確認すると、監視部 3 2は、各キャリアのゲイン 値を算出する (S 4 3 ) 。

処理 S 4 3において、監視部 3 2は、入力電力演算部 1 6 -1〜 1 6 -n から出力される各キャリアの平均入力電力と、入力電力演算部 1 7 -1〜 1 7 -nから出力される各キャリアの平均出力電力に基づいて、キャリア 毎にゲイン値を算出する。各キヤリァのゲイン値の詳細な算出方法につ いては、後述する。

監視部 3 2で算出された各キャリアのゲイン値は、対応する乗算器 3 1 -1〜 3 1 -nに出力され(S 4 4 ) 、帯域制限及ぴデジタル直交変調後 のキャリアとの乗算が行われる。乗算器 3 1 -1〜 3 1 -nの乗算結果は、 加算器 1 4で合成され、マルチキャリア信号として信号レベル調整部 1 5に出力される。

次に、監視部 3 2は、算出対象の設定内容を確認することで、レベル 制御情報を算出するよう設定されているか否かを確認する(S 4 5 ) 。 処理 S 4 5において、 2 ) の各キャリアのゲイン値のみを算出するよう 設定されていることを確認すると(S 4 5の No) 、監視部 3 2は、各キ ャリアのゲイン値の算出処理を終了する。

処理 S 4 5において、 3 ) のレベル制御情報及び各キャリアのゲイン 値を算出するよう設定されていることを確認すると(S 4 5の Yes) 、 監視部 3 2は、処理 S 4 3で算出したゲイン値のうち、最大となるゲイ ン値をレベル制御情報に決定し、レベル信号調整部 1 5に出力して(S 4 6 ) 、算出処理を終了する。

処理 S 4 6において、監視部 3 2は、レベル制御情報とするゲイン値の条件 として、異なる条件(例えば 2番目に大きいゲイン値)を設定してもよいが、 第 1の送信機で説明したように、入出力電力比に用いる平均入力電力は、最大 値を揉用することが望ましい。

次に、各キャリアのゲイン値の算出処理について、図 13及ぴ図 14を用い て説明する。尚、図 1 3及び図 14は、キャリア nについてのゲイン値を算出 する場合の処理について示したものであるが、監視部 32は、他のキャリアに ついても同様の処理を行い、ゲイン値を算出する。

監視部 3 2は、平均入力電力及び平均出力電力の値及び出力状況を監 視することによって、入力電力演算部 1 6-1〜 1 6-n及び出力電力演算 部 1 7-1〜 1 7-nの動作状況を監視している。

図 1 3において、監視部 3 2は、動作状況の監視によって、入力電力 演算部 1 6-1〜 1 6-nのうち、入力電力演算部 1 6-nから出力される平 均入力電力 A ( t ) を取得する(S 5 1) 。次に監視部 3 2'は、出力電 力演算部 1 7- nから出力される平均出力電力 B ( t ) を取得する(S 5 2) 。

そして監視部 3 2は、平均入力電力の最大値 A ( t ) が 0、すなわち キャリア nが存在しないか否かを確認し (S 5 3) 、もし 0以外であれ ば (S 5 3の No) 対応する平均出力電力 B ( t ) が予め設定された閾値 未満か否かを確認する(S 54) 。

ここで、 S 54の平均出力電力 B ( t ) と閾値との比較判定は、図 9 の場合と同様に、装置構成上必要な処理であり、閾値については予め監 視部 1 8に設定されている値である。

処理 S 54において、 B ( t ) が閾値以上(B ( t ) 閾値)であれ ば ( S 54の No) 、監視部 3 2は、キャリア nのレベル制御が可能と判 断し、キャリア nに対するゲイン値の算出を行う。

ゲイン値の算出は、レベル制御情報の場合と同様、監視部 3 2は A( t ) に対し係数ひを乗算し(S 5 6) 、さらに乗算結果である C ( t) を B ( t) で割って(S 5 7) 、基準実測比 D ( t ) を求める。

ここで係数 a; (α > 0) は、レベル制御情報の場合と同様、キャリア ηの電力値によって決まる値であり、予め監視部 3 2に設定されている。 監視部 3 2では、係数 αを決定するにあたり、キャリア ηの電力値の基 準データの入出力電力比を求め、この逆数をひとしている。

そして監視部 3 2は、処理 S 5 8で得られた基準実測比 D ( t) の平 方根を取り、さらに捕正係数 j8を乗算して、ゲイン値 GA I Nn ( t ) を算出する(S 5 8) 。

ここで補正係数 3 (]3 > 0) は、各キャリアの周波数差を考慮した補 正係数であり、予め監視部 3 2に設定されている。また、ゲイン値 G A I Nn ( t ) は、キャリア nのレベル調整に関するパラメータである。 処理 S 5 3において、 A ( t ) が 0、すなわちキャリア nが存在しな い場合 (S 5 3の Yes) 力、、あるいは処理 S 5 4において、 B ( t ) カ 閾値未満(B ( t ) く閾値)であれば(S 54の Yes) 、監視部 3 2は、 ゲイン値 GA I Nn ( t ) として、直前に用いたゲイン値 G A I Nn ( t ― 1) に設定する(S 5 5) 。

図 1 4において、監視部 3 2は次に G A I Nn ( t ) が上限値より大 か否かを確認する ( S 5 9 ) 。処理 S 5 9において、 G A I Nn ( t ) が上限値より大(G A I Nn ( t ) >上限値)であれば(S 5 9の Yes) 、 監視部 3 2は、 GA I Nn ( t ) の値を上限値に置き換え(S 6 0) 、 G A I Nn ( t ) が上限値以下(GA I Nn ( t ) ≤上限値)であれば(S

5 9の No) 、次に GA I Nn ( t ) が下限値未満か否かを確認する(S

6 1) 。

処理 S 6 1において、 G A I Nn ( t ) が下限値未満(G A I Nn ( t ) く下限値)であれば(S 6 1の Yes) 、監視部 3 2は GA I Nn ( t ) の 値を下限値に置き換え(S 6 2 ) 、下限値以上(G A I N n ( t ) 下 限値)であれば(S 6 1の No) 、現在の G A I N n ( t ) をそのまま用 いることになり、 G A I N n ( t ) の値が確定する。

ここで G A I N n ( t ) の上限値及び下限値は、レベル制御情報の場 合と同様、キャリアの電力値及び動作中のキャリア数によって決まる値 であり、予め監視部 3 2に設定されている。

監視部 3 2は、ゲイン値 G A I N n ( t ) の値が決まると、 G A I N n ( t ) を内蔵する記憶手段に記憶する(S 6 3 ) 。以上が監視部 3 2に おけるキヤリァに対するゲイン値の算出処理である。

監視部 3 2は、規定のタイミングでレベル制御情報及び各キヤリアの ゲイン値の算出処理を定期的に行う。また、監視部 3 2は、過去のタイ ミングで算出したマルチキヤリァ信号に対するゲイン値 G A I N ( t ) 及ぴ各キャリアに対するゲイン値 G A I N n ( t ) を内蔵する記憶手段 (図示せず)に記憶して、新たなゲイン値の算出時に記憶手段から読み 出している。

第 3の送信機によれば、監視部 3 2は、マルチキャリア信号に対する レベル制御情報を算出すると共に、各キャリアの平均入力電力及び平均 出力電力に基づいて、キヤリァ毎にゲイン値を算出して対応する乗算器 3 1 -1〜3 1 -nに出力し、乗算器 3 1 -1〜 3 1 -nは、帯域制限後の対応す るキャリアとの乗算を行う。

これにより、各キャリアのレベルに応じたレベル調整が行われ、例え ば入力レベルが一時的に急激に変動したキヤリァに対しては、変動に応 じてピーク電力抑圧部 1 1で一律に為されたレベル抑圧だけでなく更に レベルを抑圧することになり、逆に入力レベルが変動していないキヤリ ァに対しては、ピーク電力抑圧部 1 1で一律に為されたレベル抑圧を回 復して、出力信号の変動を抑えることができる。

第 3の送信機では、キヤリァの合成前に帯域制限後の各キヤリアのレ ベル調整を行ってキヤリァのレベル変動を平均的に抑え、さらにマルチ キヤリァ信号に対するレベル調整を行うため、一層確実にマルチキヤリ ァ信号のレベルの変動を平均的に抑えることができる。

上記説明では、第 1〜第 3の送信機の監視部におけるレベル制御情報 又はゲイン値の決定方法として、第 1の方法(「演算によるフィードフ ォワード ;制御」)で説明してきたが、第 2の方法(「テーブルによるフ イードフォワード制御」)について説明する。

第 1〜第 3の送信機の監視部におけるレベル制御情報又はゲイン値の 第 2の決定方法として、予め平均入力電力の想定値と、レベル制御情報 とが組となつて構成されたテーブルを用いてレベル制御情報を出力する ようにしてもよい。

第 2の方法(「テーブルによるフィードフォワード制御」)の動作に ついて、第 1、 2の送信機の監視部 1 8の例で図 1 1を用いて説明する。 図 1 1は、第 1、第 2の送信機の監視部における、テーブルを用いたレ ベル制御情報の出力処理のフローチヤ一トである。

上記決定方法を行うにあたって、監視部には、キャリアの平均入力電 力の想定値と、ゲイン値 G A I N ( t ) とが対応付けられて格納されて いるテーブルが予め設定されている。ゲイン値 G A I N ( t ) は、平均 入力電力が想定値の場合の測定によって得られたゲイン値の最適値が格 納されている。

監視部は、入力電力演算部 1 6 -1〜1 6 -nの動作状況を監視し、入力 電力演算部 1 6 -1〜 1 6 -nから同一のタイミングで出力される平均入力 電力のうち、最大値 A ( t ) を取得する(S 3 1 ) 。次に監視部は、テ 一ブルに格納されている平均入力電力の想定値のうち、最大値 A ( t ) に相当する想定値を特定する(S 3 2 ) 。処理 S 3 2において、監視部 は具体的に、テーブルに格納されている想定値のうち、最大値 A ( t ) に最も近似する想定値を選び出すことで、想定値を特定する。

そして監視部は、特定された想定値に対応するゲイン値 G A I N ( t ) を読み出し (S 3 3 ) 、レベル制御情報として信号レベル調整部 1 5に 出力する (S 3 4 ) 。以上がテーブルを用いたレベル制御情報の出力処 理である。

第 3の送信機の監視部 3 2において、キャリアの平均入力電力の想定値と、 ゲイン値とが対応付けられて格納されたテープ^^をキヤリァ毎に設け、上記処 理をキヤリァ毎に行うことによって、当該テーブルを用いて各キヤリァのゲイ ン値を出力できる。

第 1〜第 3の送信機によれば、監視部におけるレベル制御情報又はゲ イン値の決定方法として、第 2の方法(「テーブルによるフィードフォ ワード制御」)を実現すれば、テーブルを用いてレベル制御情報又はゲ ィン値を出力することによって、レベル制御情報又はゲイン値の算出の ための構成が不要となるため監視部の構成を簡易にでき、またレベル制 御情報又はゲイン値の出力に要する時間を低減できるため、マルチキヤ リァ信号又は各キヤリアと、対応するレベル制御情報又はゲイン値の出 力タイミングのずれを軽減できる。

[実施例 4 ]

次に、第 1〜第 3の送信機の監視部におけるレベル制御情報又はゲイ ン値の決定方法として、第 3の方法(「テーブルによるフィードパック. 制御」)を実現する場合の構成について、第 4の実施例として説明する。 本発明の第 4の実施例に係る送信機は、複数のキヤリァが帯域制限及 び直交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号の送信信号レベルを調 整する送信機であって、帯域制限及び直交変調後の各キャリアに対し、 入力されるレベル制御量を乗算してレベル調整されたキヤリァを出力す

る乗算部と、キャリアの平均入力レベルの想定値と、平均入力レベルの 想定値に基づいて求められるキヤリァの平均出力レベルの理想値とが対 応付けられて格納されたテーブルを有し、各キヤリァの平均入力レベル に相当する想定値から対応する平均出力レベルの理想値をテーブルから 読み出し、乗算部から出力される対応するキャリアの平均出力レベルが 平均出力レベルの理想値に等しくなるように各キヤリァのレベル制御量 を調整して乗算部に出力する監視部とを備えた送信機としているので、 キャリア毎に、平均入力レベルに対応する平均出力レベルの理想値にな るようにレベル制御を行うことで、帯域制限後のレベルの変動をキヤリ ァ毎に平均的に抑えることにより、マルチキャリア信号のレベルの変動 を平均的に抑えることができるものである。

また、上記送信機において、監視部が、各キャリアに対応するレベル 制御量の中で特定のレベル制御量をマルチキヤリァのレベル制御量とし て出力する監視部であり、マルチキヤリァのレベル制御量をマルチキヤ リア信号に乗算してレベル調整を行うレベル調整部を備えた送信機とし ているので、キヤリァの帯域制限後のレベルの変動をキヤリァ毎に平均 的に抑え、更にマルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑えるこ とができるものである。

本発明の第 4の実施例の送信機(以下、第 4の送信機)について、第 1〜第 3の送信機との相違点を中心に説明する。図 1 5は、第 4の送信 機の構成プロック図であり、図 1 6は第 4の送信機の監視部 4 1におけ る各キャリアのゲイン値の算出処理のフローチャートである。尚、第 1 〜第 3の送信機と同一の構成部分については、同一の符号を付して説明 する。

第 4の送信機において、出力電力演算部 1 7 -1〜 1 7 -nは、乗算器 3 1 -1〜 3 1 -nにおけるゲイン値との乗算後のキヤリァの平均出力電力を 算出し、監視部 4 1に出力する。また、監視部 4 1は、各キャリアに対 するゲイン値を算出して、乗算器 3 1-1〜3 1-nに出力する。また、第 4の送信機には、信号レベル調整部は設けられておらず、加算器 1 4で 生成されたマルチキヤリァ信号は、そのまま D/ Aコンバータ 2に出力 される。

次に監視部 4 1における各キヤリアに対するゲイン値の決定方法につ いて、図 1 6を用いて説明する。尚、図 1 6は、キャリア nについての ゲイン値を決定する場合の処理について示したものであるが、監視部 4 1は、他のキヤリァについても同様の処理を行い、ゲイン値を算出する。 上記決定方法を行うにあたって、監視部 4 1には、平均入力電力の想 定値と、平均出力電力の理想値とが対応付けられて格納されているテー プルがキャリア毎に予め設定されている。平均出力電力の理想値は、平 均入力電力が想定値である場合の測定によって得られた平均出力電力の 最適値が格納されている。

まず前提条件として、監視部 4 1は、予め設定されている各キャリア のゲイン値の初期値 (例えば、 1) を、対応する乗算器 3 1-1〜 3 1-n に出力する。

ゲイン値の算出処理として、監視部 4 1はまず、動作状況の監視によ つて、入力電力演算部 1 6-1〜 1 6 のうち、入力電力演算部 1 6-nか ら出力される平均入力電力 A ( t ) を取得する(S 7 1) 。次に監視部 4 1は、テーブルに格納されている平均入力電力の想定値のうち、平均 入力電力 A ( t ) に相当する想定値を特定する(S 72) 。処理 S 72 において、監視部 4 1は具体的に、テーブルに格納されている想定値の うち、平均入力電力 A ( t) に最も近似する想定値を選び出すことで、 想定値を特定する。

そして監視部 4 1は、特定された想定値に対応する平均出力電力の理 想値である理想出力電力 B ' ( t) をテーブルから読み出す(S 7 3)。 さらに監視部 4 1は、出力電力演算部 1 7 -nから出力されるキャリア nの平均出力電力 B ( t ) を取得し(S 74) 、処理 S 7 3で読み出さ れた理想出力電力 B ' ( t ) と比較して、一致するか否かを確認する(S 7 5 ) 。

処理 S 7 5において、平均出力電力 B ( t ) が理想出力電力 B ' ( t ) と一致しなければ(S 7 5の No) 、監視部 4 1は、直前のゲイン値 G A I Nn ( t - 1 ) に対し、補正係数 γを加算又は減算して、新たなゲイ ン値 GA I Nn ( t ) を算出して、対応する乗算器 3 1-nに出力する(S 7 6 ) 。処理 S 7 6によって、新たなゲイン値 G A I Nn ( t ) が乗算 器 3 1-nに出力され、キャリア nとの乗算が行われる。

処理 S 7 6において、補正係数 γ (γ > 0) は、予め監視部 4 1に設 定されているパラメータであり、キャリアの平均入力電力又は平均出力 電力の値等によって値を変える。また、処理 S 7 6において、補正係数 γの加算又は減算を行うかは、平均出力電力 Β ( t ) と、理想出力電力 B ' ( t ) の大小によって決定する。例えば平均出力電力 B ( t ) が理 想出力電力 B一 ( t ) より小であれば加算を、大であれば減算を行う。 監視部 4 1は、理想出力電力 B ' ( t ) 、平均出力電力 B ( t) 及び 補正係数 Yとが互いに対応付けられたテーブルが設定されており、理想 出力電力 ( t ) と平均出力電力 B ( t ) の関係から、用いる補正係 数 γを決定して、新たなゲイン値 GA I Nn ( t ) を算出する。

さらに監視部 4 1は、処理 S 7 6の実行後、処理 S 74に戻り、再ぴ キヤリァ nの平均出力電力を取得して、処理 S 7 5の理想出力電力 B ' ( t ) との比較を行う。監視部 4 1は、処理 S 7 5において、この一連 の操作を平均出力電力 B ( t) が理想出力電力 ( t ) と一致するま で (S 7 5の Yes) 行う。以上が監視部 4 1におけるゲイン値の決定処 理である。

上記説明した第 4の送信機において、監視部 4 1はテーブルを用いて 各キヤリァの平均出力電力の理想値を求め、実際の平均出力電力が当該 理想値になるようにゲイン値を制御して出力しているが、第 3の送信機 の監視部 3 2の場合と同様、各キャリアの平均入力電力から予想される レベル制御量を計算、或いはレベル制御量をテーブルから読み出して乗 算器 3 1に出力し、乗算器 3 1でレベル制御量乗算後の平均出力電力と 平均入力電力とを比較して同一となるようにゲイン値を補正して出力す る構成としてもよい。

第 1〜第 3の送信機は、キャリア又はマルチキャリア信号の信号レべ ルを調整するためのレベル制御量を決定する第 1の方法で実現する場合、 ピーク制限前の各キヤリァの平均入力電力と、ピーク制限及び帯域制限 後のキヤリァの平均出力電力に基づいて、マルチキヤリァ信号又は各キ ャリアに対するゲイン値を算出、出力し、ピーク制限が充分でない又は ピーク制限をかけ過ぎたマルチキヤリァ信号又はキヤリァに対してゲイ ン値を乗算して基準のレベルに戻すフィードフォヮード制御でマルチキ ャリァ又は各キヤリァのレベル調整を行っている。

それに対して、第 4の送信機では、監視部 4 1は最初に、予め各キヤ リアに対するゲイン値の初期値を対応する乗算器 3 1 -1〜 3 1 -nに出力 し、次にピーク制限前の各キャリアの平均入力電力に基づいて対応する 理想の平均出力電力を読み出し、ピーク制限、帯域制限及びゲイン値乗 算後のキヤリアの平均出力電力と比較し、相違すれば補正値を加減して 新たなゲイン値を算出し、乗算器 3 1 -1〜3 1 -nに出力する操作を繰り 返している。

つまり第 4の送信機は、レベル調整後のキャリアの平均出力電力と理 想値とを比較し、当該平均出力電力が理想値と等しくなるまでゲイン値 を補正して乗算器 3 1 -:!〜 3 1 -nに出力するフィードバック制御によつ て、各キャリアのレべノレ調整を行っている。

このような構成とすることで、マルチキヤリァ信号又は各キヤリァの ゲイン値を算出する処理を行うフィードフォヮード制御(第 1の方法) よりも、監視部 4 1は複雑な演算回路を用いることなく迅速に最適なゲ ィン値を特定することができる。

第 4の送信機において、第 1〜第 3の送信機と同様、加算器 1 4の後 段にマルチキヤリァ信号のレベル調整を行うためのレベル信号調整部を 設けてもよい。図 1 7は、第 4の送信機の変形例の構成ブロック図であ り、加算器 1 4の後段にマルチキャリア信号のレベル調整を行うための レベル信号調整部 1 5を設けたものである。この場合、監視部 4 1は、 例えば第 3の送信機の監視部 3 2と同様に、各キヤリァのゲイン値決定 後、最大となるゲイン値をレベル制御情報に決定し、レベル信号調整部 1 5に出力する。この処理において、監視部 4 1は、レベル制御情報と するゲイン値の条件として、異なる条件(例えば、 2番目に大きいゲイ ン値)を設定してもよいが、最大となるゲイン値を使用することが望ま しい。

また、第 4の送信機は、フィードパック制御によるレベル調整を行つ ているため、各キヤリァの平均出力電力が理想値となるまで時間がかか る。そこで、レベル信号調整部 1 5におけるレベル制御情報の別の決定 方法として、各キヤリァの平均出力電力が理想値に達するまでの間に、 監視部 4 1で第 1の送信機の監視部 1 8と同様に、平均入力電力の最大 値を取るキヤリァについて、その平均入力電力と平均出力電力からレべ ル制御情報を算出し、レベル信号調整部に出力してマルチキヤリァ信号 と乗算させることにより、フィードバック制御では対応しきれない各キ ャリァの平均出力電力の理想値とのずれを解消することができる。

上記説明した第 3、第 4の送信機では、各キャリアにおける平均入力 . 電力と、ピーク抑圧、帯域制限、直交変調というキャリア毎の一連の信 号処理後の平均出力電力に基づいて、実際のキヤリァの電力値及び動作 中のキヤリァ数によって決まる閾値や上限、下限値を用いて装置の現動 作状況に即したレベル調整を各キャリアに施すので、特に課題で説明し た第 1の問題点を解決できる。

また、更にマルチキャリア信号に対してもレベル調整を行えば、装置 の現動作状況に即したレベル調整をマルチキヤリァ信号にも施すことに なり、全ての問題点を解決できる。

上述したように、本発明の第 1の類型に属する実施例の送信機によれ ば、監視部において各キヤリァの平均入力電力が最大となるキヤリァを 特定し、その最大値を取得し、さらに特定されたキャリアの平均出力電 力を取得して、取得した平均入力電力と平均出力電力の比を求め、当該 比と予め設定された期待値との比であるレベル制御情報を算出し、信号 レベル調整部においてマルチキヤリァ信号とレベル制御情報の乗算を行 つてマルチキヤリァ信号のレベルを調整することにより、キヤリァの入 力レベルの変動に対応してマルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的 に抑えることができる効果がある。

また、帯域制御後のキヤリアとゲイン値の乗算を行う乗算器をキヤリ ァ毎に設け、監視部は、キャリア毎に平均入力電力及び平均出力電力の 比を求め、当該比と予め設定された期待値との比に基づいて各キヤリァ のゲイン値を算出し、対応する乗算器に出力することにより、キャリア の帯域制限後のレベルの変動をキヤリァ毎に抑えることができ、マルチ キヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑えることができる効果がある。 また、本発明の第 1の類型に属する送信機では、特定キャリア又はキャリア 毎の平均入力電力及び帯域制限後の平均出力電力に基づいて算出したゲイン値 を用いて各キヤリァ又はマルチキヤリァのレベル調整を行うので、各キヤリァ の帯域制限によって発生するピークも含めて調整することができ、ピーク電力 抑圧部 1 1におけるピークファクタ閾値を設定する際に、帯域制限によって発 生するピークを考慮した低めの閾値を設定する必要が無くなり、実際に発生す るピークに応じたレベル調整が可能となる。

尚、これまで説明してきた送信機の構成(図 1、図' 2、図 3、図 1 5、 図 1 7 ) は、いずれも図 6に示す送信増幅器に用いる送信機 1の構成で あり、デジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nから出力される各キヤリァの 直交変調後の I, Q両成分のうち、 I成分について加算器 1 4で合成し てマルチキャリア信号を出力し、信号レベル調整部 1 5では、 I成分を 合成したマルチキヤリァ信号に対するレベル調整を行うものであった。 以降、この形式の送信機 1をデジタル直交変調版の送信機と呼ぶ。 それに対して、図 1 8に示す送信増幅器に用いる送信機 1 ' の構成と するためには、各送信機において、デジタル直交変調部 1 3の後段に位 置するピーク電圧抑圧部 2 1 (図 2 ) や乗算器 3 1がデジタル直交変調 部 1 3 -1〜 1 3 -nから出力される各キヤリァの直交変調後の I , Q両成 分を入力して、ピーク電圧抑圧或いはゲインの乗算を行う。

そして、デジタル直交変調部 1 3又はピーク電圧抑圧部 2 1又は乗算 器 3 1の後段に 2つの加算器 1 4 -1、 1 4 -2を設けて、各キヤリアの I、 Q成分を各々加算して、合成後のマルチキャリア信号を I、 Q各々の成 分として出力する。 '

そして、信号レベル調整部 1 5を有する構成においては、マルチキヤ リア信号の I、 Q各成分に対するレベル調整を行うものとする。以降、 この形式の送信機 1 ' をアナログ直交変調版の送信機と呼ぶ。

これにより、図 1 8に示す送信増幅器に用いるアナログ直交変調版の 送信機 1 ' においても、デジタル直交変調版の送信機 1と同様の動作を

行い、同様の効果が得られるものである。

次に、本発明の第 2の類型に属する送信機について説明する。

本発明の第 2の類型に属する送信機は、複数のキヤリァがピーク電力 抑圧及び帯域制限及び直交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号を 送信する送信機において、全キャリアの総和の平均入力電力(及び、場 合によってマルチキャリア信号の平均出力電力)に基づいて、マルチキ ャリァ信号の信号レベルを調整する送信機である。

そして、本発明の第 2の類型に属する送信機を機能実現手段で説明す ると、全キヤリァの総和の平均入力電力を算出する入力電力演算部と、 各キヤリアを帯域制限し合成したマルチキヤリァ信号の平均電力である 平均出力電力を算出する出力電力演算部と、取得した平均入力電力と平 均出力電力の比を求め、当該比と予め設定された期待値との比であるレ ベル制御情報を出力する監視部と、監視部から出力されたレベル制御情 報を乗算して、マルチキヤリァ信号のレベルを調整する信号レベル調整 手段とを備えたものであり、これによりキャリアの入力レベルの変動に 対応してマルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑えることがで さる。

また、監視部において上記マルチキヤリァのレベル制御情報の決定方 法として、キヤリァの総和の平均入力電力の推定値とレベル制御量とが 対応付けられたテーブルを用いて決定する方法、或いは、キャリアの総 和の平均入力電力の推定値とマルチキヤリァ信号の平均出力電力の理想 値とが対応付けられたテーブルを用いて、平均出力電力が理想値に等し くなるようにレベル制御量を調整して決定する方法を実現するので、簡 単な制御によって、キヤリァの入力レベルの変動に対応してマルチキヤ リァ信号のレベルの変動を平均的に抑えることができる。

本発明の第 2の類型に属する送信機の具体的構成例について、実施例 5、実施例 6で説明する。

[実施例 5 ]

次に、本発明の第 5の実施例に係る送信機(以下、第 5の送信機)に ついて、第 1の送信機との相違点を中心に説明する。

まず、第 5の送信機の構成について図 1 9を用いて説明する。図 1 9 は、第 5の実施例に係る送信機の構成プロック図である。尚、第 1の送 信機と同一の構成部分については、同一の符号を付して説明する。

第 5の送信機は、第 1の送信機と同様の構成部分として、キャリア符 号多重信号生成部 1 0-1〜 1 0-nと、ピーク電力抑圧部 1 1 と、波形整 形フィルタ 1 2-1〜 1 2-nと、デジタル直交変調部 1 3-1〜 1 3-nと、カロ 算器 1 4-1, 1 4 -2と、信号レベル調整部 1 5と、入力電力演算部 1 6' と、出力電力演算部 1 7と、監視部 1 8とから構成されている。

尚、第 5の送信機において、入力電力演算部 1 6' における入力電力 演算対象、及び出力電力演算部 1 7における出力電力演算対象、及び監 視部 1 8におけるレベル制御情報算出方法が、第 1の送信機とは若干異 なっている。

また、第 5の送信機では、ピーク電力抑圧部 1 1と、波形整形フィル タ 1 2-1〜 1 2 と、デジタル直交変調部 1 3-1〜 1 3-nと、加算器 1 4 -1, 14-2とから成る部分をデジタル信号処理部 70と呼ぶことにする。 次に、第 5の送信機の各部の構成について説明するが、キャリア符号 多重信号生成部 1 0〜信号レベル調整部 1 5については、第 1の送信機 と同様であるので、ここでは説明を省略する。尚、加算器 14-1, 1 4 -2は、 I成分用、 Q成分用それぞれに設けられている。

第 5の送信機における入力電力演算部 1 6' は、キャリア符号多重信 号生成部 1 0-;!〜 1 0-nから出力された拡散変調後の全てのキヤリァを 入力し、各キャリアの電力値に基づいて、全てのキャリアの総和の平均

入力電力を算出して、監視部 1 8に出力する。

ここで、入力電力演算部 1 6' における平均入力電力の算出方法につ いて、第 1の送信機の入力電力演算部 1 6との違いを中心に説明する。 第 1の送信機では、入力電力演算部 1 6がキャリア毎に設けられ、 1 つのキャリアの入力信号に対する電力値を算出していたのに対して、第 5の送信機の入力電力演算部 1 6' では、全てのキャリアの入力信号の 総和を取って電力値を算出することになる。

よって、各キャリアの入力信号を(1 ) 式で表すとすると、全キヤリ ァの入力信号の総和電力 P o wは、下式(8) のように表すことができ る。

[数 7]


Pow(t) = A(t)2+Aq(t)2 (8)

次に、入力電力演算部 1 6' は、上記算出した総和電力値 P o wを用 いて、第 1の送信機での説明と同様に、式(6) に示した重み付け演算 処理、及ぴ(7) に示した平均化処理を行う。

出力電力演算部 1 7は、 I、 Q各成分それぞれに加算されたマルチキ ャリァ信号を入力してマルチキヤリァ信号の平均出力電力を算出し、監 視部 1 8に出力する。出力電力演算部 1 7における平均出力電力の算出 方法は、入力される信号がマルチキャリア信号である点を除いて、第 1 の送信機と同様である。

監視部 1 8は、入力電力演算部 1 6' から出力される平均入力電力と、 出力電力演算部 1 7から出力される平均出力電力とに基づいて、マルチ キヤリァ信号のレベル調整に関するパラメータを算出し、レベル制御情 報として信号レベル調整部 1 5に出力するものである。

ここで説明する監視部 1 8は、マルチキャリア信号の信号レベルを調 整するためのレベル制御量を決定する第 1の方法である「演算によるフ イードフォワード制御」を実現するものである。

ここで、第 5の送信機における監視部 1 8のレベル制御情報の算出方 法について、図 2 2を用いて説明する。図 2 2は、本発明の第 5の送信 機の監視部 1 8におけるレベル制御情報の設定処理のフローチヤ一トで める。

図 2 2において、監視部 1 8はまず、入力電力演算部 1 6 ' から出力 されるキャリアの総和平均入力電力と、出力電力演算部 1 7から出力さ れるマルチキヤリァ信号の平均出力電力に基づいて、マルチキヤリァ信 号のレベル制御情報(ゲイン値)を算出し(S 1 1 0 ) 、算出したレべ ル制御情報を、信号レベル調整部 1 5に出力する(S 1 1 1 ) 。

第 5の送信機の監視部 1 8におけるレベル制御情報算出処理(S 1 1 0 ) の詳細な処理フローは、図 9、図 1 0を用いて第 1の送信機の監視 部 1 8におけるマルチキャリアのレベル制御情報(ゲイン値)算出処理 フローとして説明したものとほぼ同様であるので詳しい説明は省略する。 図 9,図 1 0では、複数キャリアの平均入力電力の中から最大となる キヤリアを選択する処理(S 1 2 ) が有り、当該選択されたキヤリアの 平均入力電力と平均出力電力から演算を行っていた。

それに対して、第 5の送信機の監視部 1 8では、平均入力電力として キヤリァの総和平均入力電力が入力され、平均出力電力としてマルチキ ャリァ信号の平均出力電力が入力され、平均入力電力と平均出力電力か らマルチキャリア信号のレベル制御情報を算出するので、(S 1 2 ) が 不要となる点が異なるだけである。

そして、処理の中で平均出力電力 B ( t ) に対して比較を行う閾値及 び GA I N ( t ) の上限値及ぴ下限値は、キャリアの電力値及び動作中 のキヤリァ数によって決まる、マルチキヤリァに対する値である。

また、ここで演算処理に用いる係数 α (α > 0) については、複数の キヤリア信号の総和電力値によって決まる値であり、予め監視部 1 8に 設定されている。監視部 1 8では、係数 αを決定するにあたり、複数の キヤリァ信号の総和電力とマルチキヤリァ信号の電力値の基準データの 入出力電力比を求め、この逆数を αとしている ri

次に、第 5の送信機の動作について、第 1の送信機との違いを中心に 説明する。

第 5の送信機の本線系の動作は、第 1の送信機と同様で、デジタルデ ータである各キヤリァの送信データが対応するキヤリァ符号多重信号生 成部 1 0-1〜1 0-nに入力され、固有の拡散符号によって拡散変調され て合成され、各キヤリァは同相成分 ( I成分) 及び直交成分 (Q成分) とが出力され、さらにピーク電力抑圧部 1 1で各キャリアに対し、キヤ リアの総和電力に基づいて均一のピーク値制限が為され、波形整形フィ ルタ 1 2-1〜1 2 -nで帯域制限され、デジタル直交変調部 1 3-1〜1 3 -n で直交変調が行われ、加算器 1 4-1, 1 4-2で、 I, Q各成分が各々合 成されて、マルチキャリア信号として出力される。

そして、第 5の送信機の特徴動作として、キャリア符号多重信号生成 部 1 0-1〜 1 0-nから出力される各キャリアの I、 Q成分が入力電力演 算部 1 6' に入力され、入力電力演算部 1 6, で各キャリアの電力値に 基づいて、全てのキヤリァの総和の平均入力電力が算出されて監視部 1 8に出力される。

また、上記加算器 1 4-1, 1 4 -2で合成されたマルチキャリア信号の I、 Q成分が、出力電力演算部 1 7に入力され、出力電力演算部 1 7で マルチキャリア信号の平均出力電力が算出されて、監視部 1 8に出力さ れる。

監視部 1 8では、入力電力演算部 1 6 ' からの平均入力電力と、出力 電力演算部 1 7から出力される平均出力電力とに基づいてマルチキヤリ ァ信号のレベル制御情報が算出されて出力され、信号レベル調整部 1 5 でマルチキヤリァ信号に対してレベル調整が為される。

第 5の送信機において、信号レベル調整部 1 5においてマルチキヤリ ァ信号のレベルに応じたレベル調整を行うため、第 5の送信機の本線系 (ピーク電力抑圧部 1 1〜加算器 1 4 ) から出力されるマルチキヤリァ 信号と、制御系(入力電力演算部 1 6 ' 、出力電力演算部 1 7及び監視 部 1 8 ) から出力される、上記マルチキャリア信号に対応したレベル制 御情報は、同一のタイミングで信号レベル調整部 1 5に入力されること が好ましい。

このため、本線系又は制御系に遅延器等を設けて、本線系及び制御系 のデータ出力の同期を図るようにしてもよい。

第 5の送信機によれば、監視部 1 8で、各キャリアの総和平均入力電 力とマルチキヤリァ信号の平均出力電力とに基づいて、各キヤリァの合 成後のマルチキヤリァ信号のレベル調整の制御量を算出し、信号レベル 調整部 1 5で当該制御量を用いてマルチキヤリァ信号のレベル調整を行 うようにしているので、各キヤリァの入力レベルの変動により発生する 総和電力の変動に対応して、マルチキャリア信号のレベルの変動を平均 的に抑えることができる。

通常のピーク電力抑圧部 1 1は、キャリアの総和電力に応じて各キヤ リアのピーク制御を行うが、その後の帯域制限等でピークなどが発生す る場合が多く、第 5の送信機では、キャリアの総和平均入力電力と、各 キヤリァが実際に帯域制限され合成されたマルチキヤリァ信号の平均出 力電力とに基づいて、マルチキヤリァ信号のレベル調整の制御量を算出 してレベル調整しているので、帯域制限等で発生したピークなども含め て、最終的に増幅器に入力される信号のピークを抑えながら、且つ安定 してマルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑えることができる。 上記説明では、第 5の送信機の監視部 1 8におけるレベル制御情報の 決定方法として、第 1の方法(「演算によるフィードフォヮ一ド制御」) で説明してきたが、第 1の送信機と同様に、予め平均入力電力の想定値 と、レベル制御情報とが組となって構成されたテープルを用いてレベル 制御情報を出力する第 2の方法(「テーブルによるフィードフォワード 制御」)で実現するようにしても良い。

この場合、監視部 1 8には、平均入力電力(第 5の送信機においては、 各キャリアの総和平均入力電力)の想定値と、制御対象信号(第 5の送 信機においては、マルチキヤリァ信号)のレベル制御情報 G A I N ( t ) とが対応付けられて格納されているテーブルが予め設定されている。 ここで、レベル制御情報 G A I N ( t ) は、各キャリアの総和平均入 力電力が想定値の場合の測定によつて得られたレベル制御情報の最適値 が格納されている。

そして、監視部 1 8において、第 2の方法(「テーブルによるフィー ドフォワード制御」)を実現する場合の処理動作については、図 1 1を 用いて説明した第 1の送信機の監視部 1 8の処理動作とほぼ同様である ので、ここでは詳しい説明を省略する。

第 1の送信機の監視部 1 8の処理動作と異なる点は、図 1 1では S 3 1において、複数の入力電力演算部 1 6 -1〜 1 6 -nから入力される各キ ャリァの平均入力電力の中から最大値を取得していたが、第 5の送信機 の監視部 1 8では、入力電力演算部 1 6 から入力されるキャリアの総 和平均入力電力をそのまま取得すればいい点が異なるだけである。

[実施例 6 ]

次に、第 5の送信機の監視部におけるレベル制御情報の決定方法とし て、第 3の方法(「テーブルによるフィードバック制御」)を実現する 場合の構成について、第 6の実施例として説明する。

本発明の第 6の実施例に係る送信機(以下、第 6の送信機)について、 第 5の送信機との相違点を中心に説明する。図 2 0は、本発明の第 6の 実施例に係る送信機の構成プロック図である。尚、第 5の送信機と同一 の構成部分については、同一の符号を付して説明する。

本発明の第 6の送信機の構成は、図 1 9に示した第 5の送信機とほぼ 同様に、各キャリアの本線系(キャリア符号多重信号生成部 1 0 -1〜 1 0 -nと、ピーク電力抑圧部 1 1 と、波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 と、 デジタル直交変調部 1 3 -1〜1 3 -nと、加算器 1 4 -1, 1 4 -2) と、信号 レベル調整部 1 5と、入力電力演算部 1 ' と、出力電力演算部 1 7と、 監視部 4 1 とから構成されている。

尚、第 6の送信機において、出力電力演算部 1 7における出力電力演 算対象が第 5の送信機とは異なり、また監視部 4 1におけるレベル制御 情報の制御方法が、第 5の送信機の監視部 1 8とは異なっている。

第 6の送信機の出力電力演算部 1 7は、入力される信号の平均出力電 力を算出するものであるが、信号レベル調整部 1 5におけるレベル制御 情報との乗算後のマルチキャリア信号( 1, Q両成分)が入力され、当 該レベル制御情報乗算後のマルチキヤリァ信号の平均出力電力を算出し て出力するものである。

第 6の送信機の監視部 4 1 は、マルチキヤリァに対するレベル制御情 報の決定方法として第 3の方法(「テーブルによるフィードバック制御」) を実現するに当たり、平均入力電力(第 6の送信機においては、各キヤ リアの総和平均入力電力)の想定値と、制御対象信号(第 6の送信機に おいては、マルチキャリア信号)の平均出力電力の理想値とが対応付け

られて格納されているテーブルが予め設定されている。

ここで、平均出力電力の理想値は、平均入力電力が想定値である場合 の測定によって得られた平均出力電力の最適値が格納されている。

次に、第 6の送信機の監視部 4 1におけるマルチキヤリァに対するレ ベル制御情報の決定処理の概要は、入力電力演算部 1 6 ' から出力され るキヤリァの総和平均入力電力に対応する平均出力電力の理想値(理想 出力電力)をテーブルから読み出し、出力電力演算部 1 7からのレベル 制御情報乗算後のマルチキヤリァの平均出力電力が理想出力電力に等し くなるようレベル制御情報を再度調整して信号レベル調整部 1 5に出力 する処理である。

尚、第 6の送信機の監視部 4 1 レベル制御情報の決定処理の具体的な 処理フローは、図 1 6を用いて説明した第 1の類型に属する第 4の送信 機における監視部 4 1の制御フローと同様であるのでここでは説明を省 略する。図 1 6では、特定のキャリアの平均入力電力を取得して当該キ ャリアに対するゲイン値を制御する処理を示しているが、第 6の送信機 では、総和平均入力電力を取得してマルチキヤリァに対するレベル制御 情報を制御する点が異なっている。

尚、これまで説明してきた第 5 , 第 6の送信機の構成(図 1 9、図 2 0 ) は、いずれも図 6に示す送信増幅器に用いるデジタル直交変調版の 送信機 1の構成であり、デジタル信号処理部 7 0からの出力の内 I成分 のみを信号レベル調整部 1 5に入力するか(図 1 9 ) 、又は信号レベル 調整部 1 5からの出力の内 I成分のみを送信機出力とする(図 2 0 ) も のであった。

それに対して、図 1 8に示す送信増幅器に用いるアナ口 'グ直交変調版 の送信機 1 ' の構成とするためには、各送信機において、デジタル信号 処理部 7 0からの出力の I, Q両成分を信号レベル調整部 1 5に入力し てレベル調整を行うカゝ(図 1 9) 、又は信号レベル調整部 1 5からの出 力の I, Q両成分を送信機出力とすればよい。

これにより、図 1 8に示す送信増幅器に用いる送信機 1' においても、 送信機 1と同様の動作を行い、同様の効果が得られるものである。

図 1 9,図 20に示した第 5, 第 6の送信機では、デジタル信号処理 部 70の内部が、図 7に示した従来及び第 1の類型に属する送信機(第 1〜第 4の送信機)と同様に、ピーク電力抑圧部 1 1と、波形整形ブイ ルタ 1 2-1〜 1 2 と、デジタル直交変調部 1 3-:!〜 1 3-nと、加算器 1 4-1, 14-2とから構成される場合を示したが、デジタル信号処理部 7 0の内部は、別の構成であっても構わない。

第 5,第 6の送信機におけるデジタル信号処理部 70の内部の別の構 成例としては、図 2 1に示すように、第 1〜第 4のピーク電力抑圧部 1 1 _1〜 1 1—4と、波形整形フィルタ 1 2-1〜 1 2-nと、デジタル直交変調 部 1 3-1〜 1 3-nと、加算器 14-1, 1 4 -2とから構成されている。図 2 1は、本発明の第 6の送信機におけるデジタル信号処理部 70の別の内 部構成例を示すプロック図である。

第 1〜第 3のピーク電力抑圧部 1 1-1〜 1 1-3は、各々の構成が、入 力されるキヤリァのレベルに基づいて、又は各キヤリアを合成した場合 のレベルに基づいて、各キャリアに一律の電力制限を行い、制限後の各 キャリア信号を出力するものである。

また、第 4のピーク電力抑圧部 1 1-4は、入力されるマルチキャリア のレベルに基づいて、当該マルチキャリア信号の電力制限を行い、制限 後のマルチキヤリァ信号を出力するものである。

各ピーク電力抑圧部 1 1の動作の詳細については、第 1の送信機で説 明した通りなので、ここでは説明を省略する。

尚、第 1〜第 4のピーク電力抑圧部は、機能内部でピーク低減操作を

複数回施行することにより、ピーク電力の低減をより理想的に実現する 事を可能としている。

また、図 2 1の構成では、第 1〜第 4ピーク電力抑圧部を設けている 力 S、全て設置する必要はなく、目標効率、回路規模等考慮し、少なくと も 1箇所に配置する事が条件となる。

上述したように、本発明の第 2の類型に属する送信機によれば、監視 部において、取得した全キャリアの総和の平均入力電力(及び、場合に よってマルチキャリア信号の平均出力電力)に基づいて、実際のキヤリ ァの電力値及び動作中のキヤリァ数によって決まる閾値や上限、下限値 を用いて装置の現動作状況に即したレベル調整をマルチキヤリァ信号に 施すので、特に課題で説明した第 2 , 第 3の問題点を解決し、帯域制限 等で発生したピークなども含めて、最終的に増幅器に入力される信号の ピークを抑えながら、且つ安定してマルチキヤリァ信号のレベルの変動 を平均的に抑えることができる。

次に、本発明の第 3の類型に属する送信機について説明する。

本発明の第 3の類型に属する送信機は、複数のキヤリァがピーク電力 抑圧及ぴ帯域制限及ぴ直交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号を 送信する送信機において、キャリア毎に、キャリアのピーク電力抑圧前 の平均入力電力、及び場合によって当該キヤリアのピーク電力抑圧後の 平均出力電力に基づいて、当該キャリアのピーク電力抑圧された信号の 信号レベルを調整する送信機である。

そして、本発明の第 3の類型に属する送信機を機能実現手段で説明す ると、各キャリアに対してキヤリァの総和に基づく一律なピーク電力抑 圧を行うピーク電力抑圧部と、各キャリアに対応付けた構成として、ピ ーク電力抑圧前の平均電力である平均入力電力を算出する入力電力演算 部と、ピーク電力抑圧後の平均電力である平均出力電力を算出する出力 電力演算部と、算出された平均入力電力と平均出力電力の比を求め、当 該比と予め設定された期待値との比であるレベル制御情報を出力する監 視部と、監視部から出力されたレベル制御情報をピーク電力抑圧後の信 号に乗算して、キヤリァ信号のレベルを調整する信号レベル調整部とを 有するピーク電力抑圧 ·調整部を備えたものであり、これによりキヤリ ァの総和に基づく一律なピーク電力抑圧の後でキヤリァ毎のレベル調整 を行うことにより、キヤリァの入力レベルの変動に対応してキヤリァ信 号のレベルの変動を平均的に抑えることができる。

本発明の第 3の類型に属する送信機では、複数のキヤリァが帯域制限 及び直交変調されて合成されたマルチキヤリァ信号を送信する送信機に おいて、上記ピーク電力抑圧 ·調整部を、帯域制限前、又は帯域制限と 直交変調の間、直交変調と合成の間に配置したものであり、これに,より 配置した各所でキヤリァの入力レベルの変動に対応してキヤリァ信号の レベルの変動を平均的に抑えることができる。

また、監視部において上記キャリアのレベル制御情報を決定する方法 として、キヤリァの平均入力電力の推定値とレベル制御量とが対応付け られたテーブルを用いて決定する方法、或いは、キャリアの平均入力電 力の推定値とキヤリァの平均出力電力の理想値とが対応付けられたテー ブルを用いて、平均出力電力が理想値に等しくなるようにレベル制御量 を調整して決定する方法を実現するので、簡単な制御によって、キヤリ ァの入力レベルの変動に対応してキヤリァ信号のレベルの変動を平均的 に抑えることができる。

本発明の第 3の類型に属する送信機の具体的構成例について、実施例 7で説明する。

[実施例 7 ]

次に、本発明の第 7の実施例に係る送信機の第 1の構成例(以下、第 7— 1の送信機)の構成について、図 23を用いて第 1の送信機との違 いを中心に説明する。図 23は、本発明の第 7の実施例に係る第 1の送 信機 (第 7— 1の送信機)の構成プロック図である。尚、従来の送信機 又は第 1の送信機と同一の構成部分については、同一の符号を付して説 明する。

尚、図 23では、デジタル直交変調版の送信機 1における構成を示し ているが、デジタル直交変調部 1 3-1〜 1 3-n以降を I, Q両成分出力 とすれば、アナログ直交変調版の送信機 1' となる。

本発明の第 7— 1の送信機は、図 7に示した従来又は本発明の第 1〜 4の送信機とほぼ同様の構成として、キャリア符号多重信号生成部 1 0 -1〜 1 0-nと、波形整形フィルタ 1 2-1〜 1 2 と、デジタル直交変調部 1 3-1〜 1 3-nと、加算器 1 4とから構成され、従来のピーク電圧抑圧 部 5 1の代わりに、ピーク電力抑圧 ·調整部 60を設けている。

次に、第 7— 1の送信機の各部の構成について説明するが、従来又は 本発明の第 1〜4の送信機と同様の構成であるキヤリァ符号多重信号生 成部 1 0-1〜 1 0-nと、波形整形フィルタ 1 2-:!〜 1 2 と、デジタル直 交変調部1 3-1〜 1 3 と、加算器 14については、説明を省略する。

尚、加算器 14は、デジタル直交変調部 1 3-1〜 1 3-nから出力され る直交変調信号の I成分のみを加算するものである。

第 7 _ 1の送信機の特徴部分であるピーク電力抑圧 ·調整部 6 ひは、 入力される各キヤリァの総和に基づいて各キヤリァに対して一律にピー ク電力抑圧を行い、更に各キヤリァの平均入力電力に基づくレベル調整、 或いは各キヤリァの平均入力電力とピーク電力制限後の平均電力とに基 づくレベル調整を行い、レベル調整後の各キヤリァを出力するものであ る。

第 7— 1の送信機のピーク電力抑圧 '調整部 60の具体的構成例(第

1の構成例)について図 2 4を用いて説明する。図 2 4は、本発明の第 7 - 1の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0内部の第 1の構成例を示 す構成プロック図である。

本発明の第 7— 1の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0内部の第 1 の構成例としては、図 2 4に示すように、複数(図では、 n個)のピー ク電力抑圧部を有するピーク電力抑圧部 1 1と、各キヤリアに対応付け て設けられる信号レベル調整部 1 5 -1〜 1 5 -n及び入力電力演算部 1 6 -1〜 1 6 - n及び出力電力演算部 1 7 -1〜 1 7 -nと、監視部 1 8とから構成 される。

次にピーク電力抑圧 ·調整部 6 0内部の各部について説明する。

ピーク電力抑圧部 1 1は、送信増幅器における電力増幅部に入力され るマルチキヤリァ信号の最大電力を抑えるため、キヤリアの総和電力に 対する瞬時電力及ぴ平均電力に基づいてピークの検出を行い、ピークが 検出された場合に、キャリアの電力値を一律に抑圧して出力する従来か らのピーク電力抑圧部である。

尚、図 2 4では第 1〜第 nのピーク電力抑圧部を多段に設け、ピーク 低減操作を複数回施行することにより、ピーク電力の低減をより理想的 に実現するものであるが、目標効率、回路規模等考慮し、少なくとも 1 つ配置する事が条件となる。

ピーク電力抑圧部 1 1の動作の詳細については、第 1の送信機と同様 であるので、ここでは説明を省略する。

信号レベル調整部 1 5 -1〜 1 5 -nは、後述する監視部 1 8から出力さ れるレベル制御情報に基づいて、ピーク電力抑圧部 1 1からの各キヤリ ァ信号に対しレベル調整制御を行い出力するものである。

入力電力演算部 1 6 -:!〜 1 6 -nは、キャリア毎に設けられており、ピ ーク電力抑圧部 1 1に入力される前、すなわちピーク電力抑圧前のキヤ

リアを入力とし、当該入力信号の電力値に基づいて平均入力電力を算出 して、監視部 1 8に出力するものである。尚、入力電力演算部 1 6-1〜 1 6-nにおける平均入力電力の算出方法については、第 1の送信機と同 様であるので、ここでは説明を省略する。

出力電力演算部 1 7-1〜 1 7-nは、キャリア毎に設けられており、ピ ーク電力抑圧部 1 1から出力されたピーク電力抑圧後のキヤリァを入力 とし、当該入力信号の電力値に基づいて平均出力電力を算出して、監視 部 1 8に出力するものである。尚、出力電力演算部 1 7-1〜 1 7-nにお ける平均出力電力の算出方法についても、入力される演算対象の信号が 異なるだけで、演算対象信号に対する平均出力電力の算出方法は第 1の 送信機と同様であるので、ここでは説明を省略する。

監視部 1 8は、入力電力演算部 1 6-1〜1 6-nから出力される平均入 力電力と、出力電力演算部 1 7-1〜1 7-nから出力される平均出力電力 とを入力し、各キヤリアに対応付けられている両演算部から出力される 2種類の平均電力に基づいて、各キャリア信号のレベル調整に関するパ ラメータを算出し、レベル制御情報として演算対象のキヤリアに対応す る信号レベル調整部 1 5-1〜1 5-nに出力するものである。

監視部 1 8における各キヤリァのレベル制御情報の算出方法について、 図 2 5を使って説明する。図 2 5は、本発明の第 7の送信機の監視部 1 8における各キヤリァのレベル制御情報の設定処理のフローチヤ一トで める。

図 2 5において、監視部 1 8は、キャリア毎にゲイン値を算出し(S 1 4 3-l〜S 1 4 3-n) 、対応する信号レベル調整部 1 5-:!〜 1 5-nに出 力する (S 1 44) 。

処理 S 1 4 3-l〜S 1 4 3-nにおける処理の概要としては、算出対象 のキヤリアに対応する入力電力演算部 1 6-1〜1 6-nから出力される平

均入力電力と、出力電力演算部 1 7-1〜 1 7-nから出力される平均出力 電力に基づいて、当該キャリアのゲイン値を算出するものである。尚、 ゲイン値算出の具体的な処理方法については、図 1 3,図 1 4を用いて 第 3の送信機で説明した処理と同様であるので、ここでは説明を省略す る。

監視部 1 8は、規定のタイミングで各キャリアのレベル制御情報(ゲ イン値)の算出処理を定期的に行う。また、監視部 1 8は、過去のタイ ミングで算出した各キャリアに対するゲイン値 GA I Nn ( t ) を内蔵 する記憶手段(図示せず)に記憶して、新たなゲイン値の算出時に記憶 手段から読み出している。

第 7-1の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0の動作を図 24を参照 しながら説明すると、入力される各キャリアの信号が、ピーク電力抑圧 部 1 1で各キヤリァの総和に基づいて一律にピーク電力制限が施されて 出力される。

そしてそれと平行して、ピーク電力抑圧部 1 1への入力前の各キヤリ ァが入力電力演算部 1 6-1〜 1 6-nに入力されて平均入力電力が求めら れ、ピーク電力抑圧部 1 1からの各キヤリァが出力電力演算部 1 7-1〜 1 7-nに入力されて平均出力電力が求められ、監視部 1 8でキヤリァ毎 に平均入力電力と平均出力電力からレベル制御情報(ゲイン値)が算出 され、算出対象のキャリアに対応する信号レベル調整部 1 5-1〜 1 5-n に出力される。

そして、信号レベル調整部 1 5-1〜 1 5-nにおいて、ピーク電力抑圧 部 1 1から出力される一律にピーク電力抑圧された各キャリアに、監視 部 1 8から出力される各ゲイン値が乗算され、キャリア毎にレベル調整 された信号が出力される。

本発明の第 7の送信機の動作を図 2 3を参照しながら説明すると、デ ジタルデータである各キヤリァの送信データが対応するキヤリァ符号多 重信号生成部 1 0 -1〜 1 O -nに入力され、固有の拡散符号によって拡散 変調されて合成されて I , Q各成分が出力され、ピーク電力抑圧 '調整 部 6 0において、各キヤリァの総和に基づいて各キヤリァに対して一律 にピーク電力抑圧が行われ、更に各キャリアの平均入力電力に基づくレ ベル調整、或いは各キヤリァの平均入力電力とピーク電力制限後の平均 電力とに基づくレベル調整が行われて、レベル調整後の各キャリアが出 力される。

そして、ピーク抑圧 · レベル調整後の各キャリア信号が、対応する波 形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nで帯域制限され、さらにデジタル直交変 調部 1 3 -1〜 1 3 -nで直交変調されて、加算器 1 4で直交変調された各 キャリアの I成分が合成され、マルチキヤリァ信号として出力されるよ うになつている。

第 7の送信機によれば、ピーク電力抑圧部 1 1でピーク抑圧が動作し た区間においては、入力電力演算部 1 6からの平均入力電力に対して出 力電力演算部 1 7からの平均出力電力はレベルが抑えられていることが 予想される力、平均入力電力とピーク抑圧後の平均出力電力に基づいて、 実際のキヤリアの電力値及び動作しているキヤリァ数によって決まる閾 値や上限、下限値を用いて装置の現動作状況に即したレベル調整を各キ ャリアに施すので、任意の区間(フレーム等)に対応する各キャリア信 号を基準データを用いた際のレベルに近似させることができ、特に課題 で説明した第 1の問題点を解決し、入力されたキヤリアのレベルに変動 が発生しても、安定して各キヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑え ることができ、最終的にマルチキヤリァ信号におけるレベルの変動を抑 えることができる。

上記説明では、第 7の送信機の監視部 1 8におけるレベル制御情報の 決定方法として、第 1の方法(「演算によるフィードフォワード制御」 ) で説明してきたが、第 1〜第 6の送信機と同様に、予め平均入力電力の 想定値と、レベル制御情報とが組となって構成されたテーブルを用いて レベル制御情報を出力する第 2の方法(「テーブルによるフィードフォ ワード制御」)で実現するようにしても良い。

この場合、監視部 1 8には、平均入力電力(第 7の送信機においては、 各キャリアの平均入力電力)の想定値と、制御対象信号(第 7の送信機 においては、ピーク抑圧後のキャリア信号)のレベル制御情報 G. A I N ( t ) とが対応付けられて格納されているテーブルが予め設定されてい る。

ここで、レベル制御情報 G A I N ( t ) は、各キャリアの平均入力電 力が想定値の場合の測定によって得られたレベル制御情報の最適値が格 納されている。

そして、監視部 1 8において、第 2の方法(「テーブルによるブイ一 ドフォワード制御」)を実現する場合の処理動作については、図 2 6を 用いて説明する。図 2 6は、第 7の送信機の監視部 1 8における、テー ブルを用いたレベル制御情報の出力処理のフローチヤ一トである。尚、 図 2 6は、キヤリァ nについてのレベル制御情報を決定する場合の処理 について示したものであるが、監視部 1 8は、他のキャリアについても 同様の処理を行い、レベル制御情報を決定する。

監視部は、入力電力演算部 1 6 -nの動作状況を監視し、入力電力演算 部 1 6 -nから平均入力電力 A n ( t ) を取得する(S 1 7 1 ) 。次に監 視部は、テーブルに格納されている平均入力電力の想定値のうち、平均 入力電力 A n ( t ) に相当する想定値を特定する(S 1 7 2 ) 。処理 S 1 7 2において、監視部は具体的に、テーブルに格納されている想定値 のうち、平均入力電力 A n ( t ) に最も近似する想定値を選び出すこと で、想定値を特定する。

そして監視部は、特定された想定値に対応するレベル制御情報(ゲイ ン) G A I N n ( t ) を読み出し(S 1 7 3 ) 、レベル制御情報として 信号レベル調整部 1 5 -nに出力する(S 1 7 4 ) 。以上がテーブルを用 いたレベル制御情報の出力処理である。

第 7の送信機によれば、ピーク電力抑圧 ·調整部 6 0において、従来 からあるピーク電力抑圧部 1 1で入力される各キヤリァの総和に基づい て各キヤリアに対して一律にピーク電力抑圧を行う際に、監視部 1 8が、 キヤリァ毎に各キヤリァの入力電力に基づくレベル調整、或いは各キヤ リアの入力電力とピーク電力抑圧後の電力とに基づくレベル調整に関す るレベル制御情報を求め、ピーク電力抑圧後のレベル調整を行うので、 キヤリァの総和に基づく一律のピーク電力抑圧の弊害を各キヤリァ信号 のレベルに合わせて調整し、各キヤリァの出力レベルの変動を平均的に 抑えることができる。

次に、第 7の送信機及び従来の送信機における 1キヤリァの入出力特性 について、図 2 7及至図 3 1を用いて説明する。図 2 7は、第 7の送信 機と従来技術の送信機における、 3 2コード多重時信号 1キヤリァ送信 時の、入力設定レベルと出力レベルに関するシミュレーション例を示し たグラフであり、図 2 8は、入力設定レベルとレベル偏差に関するシミ ユレーシヨン例を示したグラフである。また、図 2 9は、 3 2コード多 重時信号 2キャリア送信時の、レベル変動キャリア(キャリア 1 ) に対 する入力設定レベルと出力レベルに関するシミュレーション例を示した グラフであり、図 3 0は、キャリア 1に対する入力設定レベルと入出力 レベル差に関するシミュレーション例を示したグラフであり、図 3 1は レベル固定キャリア(キャリア 2 ) に対する、キャリア 1の入力設定レ ベルとキヤリア 2の入出力レベル差に関するシミユレーション例を示し

たグラフである。

図 2 7及び図 2 8の説明として、入出力レベル差とは、送信機の入力 設定レベルと出力レベルのレベル差を表す。すなわち、入力レベルを線 形に増加させた場合、出力レベルも線形に増加させた値が期待値となる。 図 2 7及び図 2 8に示す特性の測定において、第 7の送信機及ぴ従来 の送信機で用いるピーク電圧抑圧部 1 1は、キャリアのレベル制限を行 つており、閾値は固定値(OdBm送信時に平均電力 +6dB) としている。 図 2 7に示すように、従来の送信機の場合、入力の設定レベルを増加さ せると、その分ピーク電圧抑圧部 1 1の閾値を超え、振幅制限が実施さ れるので、入力の設定レベルの増加に伴い、レベル偏差が生じる。第 7 の送信機では、信号レベル調整部 1 5においてレベル制御情報がキヤリ ァに乗算されることによって入出力特性を線形に保つ事が可能となる。 つまり、入出力レベル差を一定にする事ができる。

また、図 2 9及至図 3 1に示す特性の測定において、 2つのキャリア のうち、キャリア 2は入力レベルを固定とし、キヤリァ 1の入力レベルを 変動させている。また、ピーク電力抑圧部 1 1はキャリアの総和電力に 基づいて動作する仕様となっている。閾値は固定値で(2キャリアが共 に OdBm送信時の平均電力 +6dB) としている。

図 2 9及び図 3 0に示すように、キャリア 1に関しては、 1キャリア 送信時と同様に、入力の設定レベルを増加させると、その分ピーク電力 抑圧部の閾値を超え、振幅制限が実施されるので、入力の設定レベルの 増加に伴い、レベル偏差が生じる。

また、図 3 1に示すように、キャリア 2に関しては、従来の送信機の 場合、キャリア 1の入力設定レベルを大きくすると、ピーク電力抑圧部 1 1 の動作頻度が多くなり、一定レベルで入力したキャリア 2において も、出力レベルが一定とならずに低下する。そのため、キャリア 2の出 力レベルは、キヤリア 1の設定レベル増加に伴い、レベル偏差が生じる。 一方、第 7の送信機では、図 2 8の 1キャリア時の送信時と同様、監 視部 1 8により設定されるレベル制御情報を基に、信号レベル調整部 1 5 -1〜 1 5 -nにキャリア信号のレベル制御がなされ、結果として、各キ ャリアの出力レベルの変動を抑えることが可能となる。

次に、第 7の送信機の監視部におけるレベル制御情報の決定方法とし て、第 3の方法(「テーブルによるフィードパック制御」)を実.現する 場合のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0の具体的構成例(第 2の構成例)に ついて、図 3 2を用いて説明する。図 3 2は、本発明の第 7— 1の送信 機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0内部の第 2の構成例を示す構成プロッ ク図である。尚、図 2 4の第 1の構成例と同一の構成部分については、 同一の符号を付して説明する。

本発明の第 7— 1の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0内部の第 2 の構成例としては、図 3 2に示すように、複数(図では、 n個)のピー ク電力抑圧部を有するピーク電力抑圧部 1 1と、各キャリアに対応付け て設けられる信号レベル調整部 1 5 -1〜 1 5 -n及ぴ入力電力演算部 1 6 -1〜 1 6 -n及び出力電力演算部 1 7 -1〜 1 7 -nと、監視部 4 1とから構成 されている。

尚、第 2の構成例において、出力電力演算部 1 7における出力電力演 算対象が第 1の構成例とは異なり、また監視部 4 1におけるレベル制御 情報の制御方法が、第 1の構成の監視部 1 8とは異なっている。

第 2の構成例の出力電力演算部 1 7 -1〜 1 7 -nは、入力される信号の 平均出力電力を算出するものであるが、信号レベル調整部 1 5 -;!〜 1 5 -nにおけるレベル制御情報との乗算後の各キヤリァ信号が入力され、当 該レベル制御情報乗算後のキヤリァ信号の平均出力電力を算出して出力 するものである。

第 2の構成例の監視部 4 1は、各キャリアに対するレベル制御情報の 決定方法として第 3の方法(「テーブルによるフィードバック制御」) を実現するに当たり、平均入力電力(第 7の送信機においては、各キヤ リアの平均入力電力)の想定値と、制御対象信号(第 7の送信機におい ては、各キャリア信号)の平均出力電力の理想値とが対応付けられて格 納されているテーブルが予め設定されている。

ここで、平均出力電力の理想値は、平均入力電力が想定値である場合 の測定によって得られた平均出力電力の最適値が格納されている。

次に、第 2の構成例の監視部 4 1における各キヤリァに対するレベル 制御情報の決定処理の概要は、キャリア毎に入力電力演算部 1 6 -1〜 1 6 -nから出力されるキヤリァの平均入力電力に対応する平均出力電力の 理想値 (理想出力電力)をテーブルから読み出し、対応する出力電力演 算部 1 7 -1〜1 7 -nからのレベル制御情報乗算後のマルチキャリアの平 均出力電力が等しくなるようレベル制御情報を再度調整して対応する信 号レベル調整部 1 5 -1〜1 5 -nに出力する処理である。

尚、第 2の構成例の監視部 4 1 レベル制御情報の決定処理の具体的な 処理フローは、図 1 6を用いて説明した第 1の類型に属する第 4の送信 機における監視部 4 1の制御フローと同様であるのでここでは説明を省 略する。

上記図 3 2を用いて説明した第 7の送信機において、監視部 4 1はテ 一プルを用いて各キヤリァの平均出力電力の理想値を求め、実際の平均 出力電力が当該理想値になるようにゲイン値を制御して出力しているが、 第 3の送信機の監視部 3 2の場合と同様、各キャリアの平均入力電力か ら予想されるレベル制御量を計算、或いはレベル制御量をテーブルから 読み出して信号レベル調整部 1 5に出力し、信号レベル調整部 1 5でレ ベル制御量乗算後の平均出力電力と平均入力電力とを比較して同一とな るようにゲイン値を補正して出力する構成としてもよい。

第 7の送信機において、ピーク電力抑圧 ·調整部 6 0に第 2の構成例 を用いれば、レベル調整後の各キヤリァ信号の平均出力電力と理想値と を比較し、当該平均出力電力が理想値と等しくなるまでレベル制御情報 を補正して信号レベル調整部 1 5 -1〜 1 5 -nに出力するフィードパック 制御によって、各キャリアのレベル調整を行っているので、各キャリア のレベル制御情報を算出する処理を行うフィードフォヮ一ド制御(第 1 の方法)よりも、監視部 4 1は複雑な演算回路を用いることなく迅速に 最適なレベル制御情報を特定することができる。

これまで、本発明の第 3の類型に属する送信機の具体的構成例として、 図 2 3に示すようにピーク電力抑圧 ·調整部 6 0を波形整形フィルタ 1 2 -:!〜 1 2 -nの前に配置する構成の送信機(第 7— 1の送信機)で説明 してきたが、ピーク電力抑圧 ·調整部 6 0を別の場所に配置する構成で あってもかまわない。

具体例としては、図 3 3に示すように、ピーク電力抑圧 ·調整部 6 0 を波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nとデジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nとの間に設けた送信機(第 7— 2の送信機)とする例や、図 3 4に示 すように、ピーク電力抑圧 ·調整部 6 0をデジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nと加算器 1 4との間に設けた送信機(第 7— 3の送信機)とする 例が考えられる。

図 3 3は、本発明の第 7の実施例に係る第 2の送信機(第 7— 2の送 信機)の構成ブロック図であり、図 3 4は、本発明の第 7の実施例に係 る第 3の送信機(第 7— 3の送信機)の構成ブロック図である。

第 7— 2の送信機では、ピーク電力抑圧 ·調整部 6 0を、波形整形フ ィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nの後段に設け、波形整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -n における帯域制限後の各キヤリァに対して各キヤリァの総和に基づく一

律のピーク電力抑任を行いながら、各キヤリァの平均入力電力に応じた レベル調整を行っており、これにより帯域制限によってピークファタタ の増大した、すなわちレベルの突出したキヤリアに対して突出部分のレ ベルを抑圧しながら、且つ総和に基づく一律のピーク電力抑圧の弊害を 各キヤリァ信号のレベルに合わせて調整することができる。

また、第 7— 3の送信機では、ピーク電力抑圧 ·調整部 6 0を、デジ タル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nの後段に設け、デジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -nにおける変調後の各キヤリァに対して各キヤリァの総和に基 づく一律のピーク電力抑圧を行いながら、各キヤリァの平均入力電力に 応じたレベル調整を行っており、これにより帯域制限おょぴデジタル直 交変調などのキヤリァ毎に行われたトータルな信号処理によって発生し たピークファクタの増大、すなわちレベルの突出等を踏まえて、キヤリ ァの総和に基づく一律のピーク電力抑圧を施してキヤリアに対して突出 部分のレベルを抑圧しながら、且つ総和に基づく一律のピーク電力抑圧 の弊害を各キヤリァ信号のレベルに合わせて調整することができる。 第 3の類型に係る送信機では、信号レベル調整部 1 5 -1〜1 5 - nにお いて各キヤリァ信号のレベルに応じたレベル調整を行うため、本線系(ピ ーク電力抑圧部 1 1 ) から出力されるキャリア信号と、制御系(入力電 力演算部 1 6、出力電力演算部 1 7及び監視部 1 8, 4 1 ) から出力さ れる、上記各キャリア信号に対応したレベル制御情報は、同一のタイミ ングで信号レベル調整部 1 5 -1〜 1 5 - nに入力されることが好ましい。 このため、本線系又は制御系に遅延器等を設けて、本線系及ぴ制御系 のデータ出力の同期を図るようにしてもよい。

第 3の類型に係る送信機によれば、各キヤリァに対するピーク電力抑 圧部 1 1におけるピーク抑圧前の平均入力電力とピーク抑圧後の平均出 力電力とに基づいて、各キャリアのレベル調整の制御量を算出し、当該 制御量を用いてピーク抑圧後の各キヤリァ信号のレベル調整を行うよう にしているので、ピーク電力抑圧部 1 1におけるキャリアの総和に基づ く一律のレベル抑圧の弊害を各キヤリァの平均入力レベルに応じて調整 することができ、各キヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑えること ができる。

具体的な事象として、通常のピーク電力抑圧部 1 1は、キヤリァの総和電力 に応じて各キヤリァのピーク制御を行うので、入力レベルにおいて変動の激し いキャリアがあつたとしても、全キャリアの総和電力レベルが規定値未満であ れば、ピーク制御は行われないが、監視部 1 8, 4 1において変動の激しいキ ャリアに対して適切なゲイン値が算出されて、当該キャリアに対応する信号レ ベル調整部 1 5でレベルの抑圧が行われて変動が抑えられ、最終的にマルチキ ャリァ信号におけるレベルの変動は抑えられることになる。

また、別の事象として、入力レベルの変動の少ないキャリア Aと、入 カレベルが急激に変動するキヤリア Bが混在している場合、キャリア B の入力レベルの変動によってピーク電力抑圧部 1 1ではピーク制御(抑 圧)の頻度が多くなり、キャリア Aに対しても一律のピーク制限がかか つてキヤリァのレベルが低下してしまう。

それに対して、監視部 1 8, 4 1では、キャリア Aのピーク制御(抑 圧)前後の平均電力比から、ピーク電力抑圧部 1 1で行われた一律のピ ーク抑圧を戻すようなゲイン値が算出されて、キャリア Aに対応する信 号レベル調整部 1 5でレベルの制御(実施には、上昇)が行われてレべ ルが回復し、最終的にマルチキヤリァ信号におけるレベルの変動は抑え られることになる。

第 3の類型に係る送信機によれば、各キヤリアにおける平均入力電力 と、ピーク抑圧、帯域制限、直交変調というキャリア毎の一連の信号処 理後の平均出力電力に基づいて、実際のキャリアの電力値及び動作中の

キヤリァ数によって決まる閾値や上限、下限値を用いて装置の現動作状 況に即したレベル調整を各キャリアに施すので、任意の区間(フレーム 等)に対応する各キヤリァ信号を基準データを用いた際のレベルに近似 させることができ、特に課題で説明した第 1の問題点を解決し、入力さ れたキャリアのレベルに変動が発生しても、安定して各キャリア信号の レベルの変動を平均的に抑えることができ、最終的にマルチキヤリァ信 号におけるレベルの変動を抑えることができる。

次に、本発明の第 4の類型に属する送信機について説明する。

第 4の類型は、複数のキヤリァが帯域制限及び直交変調されて合成さ れたマルチキヤリァ信号をピーク電力抑圧してから送信する送信機にお いて、マルチキャリアのピーク電力抑圧前の平均入力電力(及び、場合 によってマルチキヤリァのピーク電力抑圧後の平均出力電力)に基づい て、マルチキヤリァのピーク電力抑圧された信号の信号レベルを調整す る送信機である。

そして、本発明の第 4の類型に属する送信機を機能実現手段で説明す ると、マルチキヤリァに対してピーク電力抑圧を行うピーク電力抑圧部 と、ピーク電力抑圧前の平均電力である.平均入力電力を算出する入力電 力演算部と、ピーク電力抑圧後の平均電力である平均出力電力を算出す る出力電力演算部と、算出された平均入力電力と平均出力電力の比を求 め、当該比と予め設定された期待値との比であるレベル制御情報を出力 する監視部と、監視部から出力されたレベル制御情報をピーク電力抑圧 後の信号に乗算して、マルチキヤリァ信号のレベルを調整する信号レべ ル調整部とを有するピーク電力抑圧 ·調整部を備えたものであり、これ によりマルチキヤリァのピーク電力抑圧の後でレベル調整を行うことに より、マルチキャリア信号の入力レベルの変動に対応してピーク抑圧後 のマルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑えることができる。 本発明の第 4の類型に属する送信機の具体的構成例について、実施例 8で説明する。

[実施例 8 ]

次に、本発明の第 8の実施例に係る送信機の構成例の構成について、 図 3 5を用いて第 7の送信機との違いを中心に説明する。図 3 5は、本 発明の第 8の実施例に係る送信機(第 8の送信機.) の構成プロック図で ある。尚、第 7の送信機と同一の構成部分については、同一の符号を付 して説明する。

尚、図 3 5では、アナログ直交変調版の送信機 1 ' における構成を示 しているが、デジタル直交変調部 1 3 -1〜 1 3 -n以降を I成分のみの出 力とすれば、デジタル直交変調版の送信機 1となる。

本発明の第 8の送信機は、図 2 3等に示した本発明の第 7の送信機と 同様の構成であるキヤリァ符号多重信号生成部 1 0 -1〜 1 0 -nと、波形 整形フィルタ 1 2 -1〜 1 2 -nと、デジタル直交変調部 1 3 -1〜1 3 と、 加算器 1 4とから構成され、第 7の送信機においてキャリア毎の処理の 過程に設けたピーク電力抑圧 ·調整部 6 0の代わりに、加算機 1 4の後 段にマルチキヤリァ信号に対してピーク電力抑圧 ·調整部 6 0 ' を設け ている。

第 8の送信機の特徴部分であるピーク電力抑圧 ·調整部 6 0 ' は、入 力されるマルチキャリアに基づいてピーク電力抑圧を行い、且つマルチ キヤリァの平均入力電力に基づくレベル調整、或いはマルチキヤリァの 平均入力電力とピーク電力制限後の平均電力とに基づくレベル調整を行 い、レベル調整後の各キャリアを出力するものである。

第 8の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0 ' の具体的構成例(第 1 の構成例)について図 3 6を用いて説明する。図 3 6は、第 8の送信機 のピーク電力抑圧♦調整部 6 0 ' 内部の第 1の構成例を示す構成プロッ

ク図である。尚、図 3 6では、アナログ直交変調版の送信機 1 ' におけ る構成を示しているが、入出力を I成分のみとすれば、デジタル直交変 調版の送信機 1における構成となる。

本発明の第 8の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0 ' 内部の第 1の 構成例としては、図 3 6に示すように、複数(図では、 n個)のピーク 電力抑圧部を有するピーク電力抑圧部 1 1 ' と、信号レベル調整部 1 5 と、入力電力演算部 1 6と、出力電力演算部 1 7と、監視部 1 8とから 構成される。

次にピーク電力抑圧 ·調整部 6 0 ; 内部の各部について説明する。 ピーク電力抑圧部 1 1 ' は、送信増幅器における電力増幅部に入力さ れるマルチキヤリァ信号の最大電力を抑えるため、マルチキヤリァ信号 の瞬時電力及ぴ平均電力に基づいてピークの検出を行い、ピークが検出 された場合に、マルチキヤリァの電力値を抑圧して出力するものである。 尚、図 3 6では第 1〜第 nのピーク電力抑圧部を多段に設け、ピーク 低減操作を複数回施行することにより、ピーク電力の低減をより理想的 に実現するものであるが、目標効率、回路規模等考慮し、少なくとも 1 つ配置する事が条件となる。

ピーク電力抑圧部 1 1 ' の動作の概要は、第 1の送信機とほぼ同様で あり、第 1の送信機では、入力される複数のキャリアの総和電力からピ ークファクタを求め、各キヤリァに対してるピーク抑圧を行うのに対し、 第 8の送信機では、既に複数のキヤリァが合成されたマルチキヤリァ信 号が入力されるので、入力されるマルチキヤリァ信号の電力からピーク ファクタを求め、マルチキヤリァに対してピーク抑圧を行う点が異なる。 信号レベル調整部 1 5と、入力電力演算部 1 6と、出力電力演算部 1 7と、監視部 1 8に関しては、第 7の送信機のピーク電力抑圧 .調整部

6 0内部のものと同様であり、第 7の送信機では、各部に入力される信 号が各キヤリァ信号であつたのに対して、第 8の送信機では各部に入力 される信号がマルチキヤリァ信号であるが異なるだけで、具体的な演算 方法や制御方法は同様であるので、ここでは説明を省略する。

上記説明では、第 8の送信機の監視部 1 8におけるレベル制御情報の 決定方法として、第 1の方法(「演算によるフィードフォワード制御」) ' で説明してきたが、第 1〜第 7の送信機と同様に、予め平均入力電力の 想定値と、レベル制御情報とが組となつて構成されたテーブルを用いて レベル制御情報を出力する第 2の方法(「テーブルによるフィードフォ ワード制御」)で実現するようにしても良い。

この場合、監視部 1 8には、平均入力電力(第 8の送信機においては、 マルチキャリアの平均入力電力)の想定値と、制御対象信号(第 8の送 信機においては、ピーク抑圧後のマルチキャリア信号)のレベル制御情 報 G A I N ( t ) とが対応付けられて格納されているテーブルが予め設 定されている。

ここで、レベル制御情報 G A I N ( t ) は、マルチキャリアの平均入 力電力が想定値の場合の測定によって得られたレベル制御情報の最適値 が格納されている。

そして、監視部 1 8において、第 2の方法(「テーブルによるフィー ドフォワード制御」)を実現する場合の処理動作については、図 2 6を 用いて第 7の送信機の監視部 1 8で説明したものと同様であるので、こ こでは説明を省略する。尚、図 2 6は、キャリア nについてのレベル制 御情報を決定する場合の処理について示したものであるが、第 8の送信 機の監視部 1 8では、マルチキャリア信号についての制御となる。

第 8の送信機の第 1のピーク電力抑圧 ·調整部 6 の動作は、第 7 -1の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0の動作と同様であるので詳し い説明は省略するが、ピーク電力抑圧部 1 1でマルチキャリアに基づい

てピーク電力制限(抑圧)が施され、マルチキャリアのピーク電力抑圧 前の平均入力電力が入力電力演算部 1 6で求められ、場合によってピー ク電力抑圧後の平均出力電力が出力電力演算部 1 7で求められ、監視部 1 8で平均入力電力と平均出力電力からレベル制御情報(ゲイン値)が 算出されるか、又はテーブルを用いて平均入力電力に対応するレベル制 御情報が所得され、信号レベル調整部 1 5で、ピーク電力抑圧部 1 1か ら出力されるマルチキヤリアにゲイン値が乗算され、レベル調整された マルチキヤリァ信号が出力される。

次に、第 8の送信機の監視部におけるレベル制御情報の決定方法とし て、第 3の方法(「テーブルによるフィードパック制御」)を実現する 場合のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0 ' の具体的構成例(第 2の構成例) について、図 3 7を用いて説明する。図 3 7は、第 8の送信機のピーク 電力抑圧 ·調整部 6 0 ' 内部の第 2の構成例を示す構成プロック図であ る。尚、図 3 6の第 1の構成例と同一の構成部分については、同一の符 号を付して説明する。尚、図 3 7では、アナ口グ直交変調版の送信機 1 ' における構成を示している力 S、送信機からの出力を I成分のみとすれば、 デジタル直交変調版の送信機 1における構成となる。

本発明の第 8の送信機のピーク電力抑圧 ·調整部 6 0 ' 内部の第 2の 構成例としては、図 3 7に示すように、複数(図では、 n個)のピーク 電力抑圧部を有するピーク電力抑圧部 1 1 ' と、信号レベル調整部 1 5 と、入力電力演算部 1 6と、出力電力演算部 1 7と、監視部 4 1 とから 構成されている。

尚、第 2の構成例において、出力電力演算部 1 7における出力電力演 算対象が第 1の構成例とは異なり、また監視部 4 1におけるレベル制御 情報の制御方法が、第 1の構成の監視部 1 8とは異なっている。

第 2の構成例の出力電力演算部 1 7は、入力される信号の平均出力電 力を算出するものであるが、信号レベル諷整部 1 5におけるレベル制御 情報との乗算後のマルチキヤリァ信号が入力され、当該レベル制御情報 乗算後の、マルチキヤリァ信号の平均出力電力を算出して出力するもの である。

第 2の構成例の監視部 4 1は、マルチキャリアに対するレベル制御情 報の決定方法として第 3の方法(「テーブルによるフィードパック制御」) を実現するに当たり、平均入力電力(第 8の送信機においては、マルチ キャリアの平均入力電力)の想定値と、制御対象信号(第 8の送信機に おいては、マルチキャリア信号)の平均出力電力の理想値とが対応付け られて格納されているテーブルが予め設定されている。

ここで、平均出力電力の理想値は.、平均入力電力が想定値である場合 の測定によって得られた平均出力電力の最適値が格納されている。

次に、第 2の構成例の監視部 4 1における各キヤリァに対するレベル 制御情報の決定処理の概要は、入力電力演算部 1 6から出力されるマル チキャリアの平均入力電力に対応する平均出力電力の理想値(理想出力 電力)をテーブルから読み出し、出力電力演算部 1 7からのレベル制御 情報乗算後のマルチキヤリアの平均出力電力が等しくなるようレベル制 御情報を再度調整して対応する信号レベル調整部 1 5に出力する処理で ある。

尚、第 2の構成例の監視部 4 1 レベル制御情報の決定処理の具体的な 処理フローは、図 1 6を用いて説明した第 1 の類型に属する第 4の送信 機における監視部 4 1 の制御フローと同様であるのでここでは説明を省 略する。

上記図 3 7を用いて説明した第 8の送信機において、監視部 4 1はテ 一ブルを用いてマルチキャリア信号の平均出力電力の理想値を求め、実 際の平均出力電力が当該理想値になるようにゲイン値を制御して出力し ているが、第 3の送信機の監視部 3 2の場合と同様、マルチキャリア信 号の平均入力電力から予想されるレベル制御量を計算、或いはレベル制 御量をテーブルから読み出して信号レベル調整部 1 5に出力し、信号レ ベル調整部 1 5でレベル制御量乗算後の平均出力電力と平均入力電力と を比較して同一となるようにゲイン値を補正して出力する構成としても よい。

第 8の送信機において、ピーク電力抑圧 '調整部 6 0 に第 2の構成 例を用いれば、レベル調整後のマルチキヤリァ信号の平均出力電力と理 想値とを比較し、当該平均出力電力が理想値と等しくなるまでレベル制 御情報を補正して信号レベル調整部 1 5に出力するフィードバック制御 によって、マノレチキャリアのレべノレ調整を行っているので、マルチキヤ リァのレベル制御情報を算出する処理を行うフィードフォヮード制御 (第 1の方法)よりも、監視部 4 1は複雑な演算回路を用いることなく 迅速に最適なレベル制御情報を特定することができる。

本発明の第 8の送信機の動作を図 3 5を参照しながら説明すると、デ ジタルデータである各キヤリァの送信データが対応するキヤリァ符号多 重信号生成部 1 0 -1〜1 0 -nに入力され、固有の拡散符号によって拡散 変調されて合成されて I, Q各成分が出力され、各キャリアに対応する 波形整形フィルタ 1 2 -:!〜 1 2 -nで帯域制限され、さらにデジタル直交 変調部 1 3 -1〜 1 3 -nで直交変調されて、加算器 1 4 -1、 1 4 _2で直交変 調された各キャリアが合成され、マルチキャリア信号として I, Q各成 分が出力される。

そして、ピーク電力抑圧 '調整部 6 0 ' において、マルチキヤリァの 電力からピークファクタを求め、マルチキヤリァに対してピーク電力抑 圧が行われ、更にマルチキャリアの平均入力電力に基づくレベル調整、 或いはマルチキヤリアの平均入力電力とピーク電力制限後の平均電力と

に基づくレベル調整が行われて、レベル調整後のマルチキヤリァが出力 されるようになつている。

第 4の類型に係る送信機によれば、マルチキヤリァに対するピーク電 力抑圧部 1 1におけるピーク抑圧前の平均入力電力とピーク抑圧後の平 均出力電力とに基づいて、実際のマルチキャリアの電力値によって決ま る閾値や上限、下限値を用いて装置の現動作状況に即したレベル調整を マルチキャリアに施すので、ピーク電力抑圧部 1 1における平均電力を 求める区間に対して施された一律のレベル抑圧の弊害をマルチキヤリァ の平均入力レベルに応じて調整することができ、特に課題で説明した第 2 , 3の問題点を解決して、マルチキャリア信号のレベルの変動を平均 的に抑えることができる。

具体的な事象として、マルチキヤリアにおいて入力レベルが急激に変 動し、ピーク電力抑圧部 1 1においてピーク制御(抑圧)の対象となつ た場合、ピーク電力抑圧部 1 1におけるピークファクタ算出のための平 均化区間 (抑圧区間)において一律のピーク抑圧がかかってマルチキヤ リアのレベルが全体的に低下するが、監視部 1 8, 4 1では、マルチキ ャリアのピーク制御(抑圧)前後の平均電力比から、ピーク電力抑圧部 1 1で行われた一律のピーク抑圧を戻すようなゲイン値が算出されて、 マルチキヤリアに対応する信号レベル調整部 1 5でゲイン値が乗算され てレベルが回復し、マルチキャリア信号におけるレベルの変動は抑えら れることになる。

上記説明してきた本発明において、第 1〜第 3の類型に係る送信機は、 入力される複数キャリアが、本線系としてピーク電力抑圧部 1 1におい て総和電力に基づく各キヤリァ一律のレベル抑圧が為され、帯域制限、 直交変調されてから合成されてマルチキャリア信号となる過程で、制御 系 (入力電力演算部、出力電力演算部、監視部、信号レベル調整部、乗 算部)において、キャリアの平均入力電力に基づいて、本線系の各所に おけるキヤリァ又はマルチキヤリァの平均電力がピーク電力抑圧部 1 1 におけるレベル抑圧の弊害を回復した理想値となるようにレベル調整す ることで、送信機に入力されるキヤリァの入力レベルに変動は生じても、 キャリア又はマルチキャリア信号のレベルの変動を抑え、最終的に送信 機から出力されるマルチキヤリァ信号を安定させることができる効果が ある。

また、本発明において、第 4の類型に係る送信機は、合成後のマルチ キヤリァ信号がピーク電力抑圧部 1 1においてレベル抑圧が為される過 程で、制御系において、マルチキヤリァ信号の平均入力電力に基づいて、 マルチキヤリァの平均出力電力がピーク電力抑圧部 1 1におけるレベル 抑圧の弊害を回復した理想値となるようにレベル調整することで、送信 機に入力されるキヤリァの入力レベルに変動が生じて合成直後のマルチ キヤリァ信号に変動が生じても、マルチキヤリァ信号のレベルの変動を 抑え、最終的に送信機から出力されるマルチキャリア信号を安定させる ことができる効果がある。

また、本発明の送信機において、ピーク電力抑圧部 1 1でピーク抑圧 が動作した区間では、一律のピーク抑圧がかかってマルチキヤリアのレ ベルが全体的に低下するが、平均入力電力と平均出力電力に基づいて、 実際のキヤリァ又はマルチキヤリァの電力値及び動作中のキヤリァ数等 によつて決まる閾値や上限、下限値を用いて装置の現動作状況に即した レベル調整を各キヤリァ又はマルチキヤリアに施すので、任意の区間(フ レーム等)に対応する各キヤリァ信号を基準データを用いた際のレベル に近似させることができ、ピーク電力抑圧部 1 1で行われた急激なレべ ル変動に伴う一律なピーク抑圧による弊害を回復して、入力されたキヤ リァのレベルに変動が発生しても、安定して各キヤリァ信号のレベルの 変動を平均的に抑えることができ、最終的にマルチキヤリァ信号におけ るレベルの変動を抑えることができる効果がある。

また、本発明の各類型に係る送信機において、監視部におけるレベル 制御情報の決定方法として第 2の方法(「テーブルによるフィードフォ ワード制御」)を用いると、テーブルを用いた対応付けでレベル制御情 報を出力することによって、レベル制御情報の算出のための構成が不要 となるため監視部の構成を簡易にでき、またレベル制御情報の出力に要 する時間を低減できるため、制御対象の信号と、対応するレベル制御情 報の出力タイミングのずれを軽減できる効果がある。

また、第 2の方法 ( 「テーブルによるフィードフォワード制御」 ) を 用いた場合、各送信機の構成において、出力電力演算部 1 7又は出力電 力演算部 1 7 -1〜 1 7 -nが不要となり、第 1の方法に比べて送信機の構 成全体を軽減できる効果がある。

また、監視部におけるレベル制御情報の決定方法として第 3の方法 ( 「テーブルによるフィードバック制御」)を用いると、レベル調整後 のキヤリァ又はマルチキヤリァ信号の平均出力電力と理想値とを比較し、 当該平均出力電力が理想値となるようにレベル制御情報を調整して信号 レベル調整部 1 5に出力するフィードパック制御によって、キヤリァ又 はマルチキヤリァ信号のレベル調整を行っているので、キヤリァ又はマ ルチキヤリァ信号のレベル制御情報を算出する処理を行うフィードフォ ワード制御 (第 1の方法)よりも、監視部 4 1は複雑な演算回路を用い ることなく迅速に最適なレベル制御情報を特定することができる効果が ある。

また、本発明の送信機は、従来の送信機の構成に、入力電力演算部 1 6及び場合によって出力電力演算部 1 7と、監視部 1 8と、信号レベル 調整部 1 5及び場合によって乗算器 3 1とを加えることによって実現で きる。従って、本発明の信機は、従来の送信機の設備をそのまま利用で きるため、設置のためのコストを低減することができる効果がある。 尚、これまで第 3,第 4の類型に係る送信機では、各キャリア又はマ ルチキャリアに対して設けられたピーク電力抑圧部 1 1 (リミッタ)に おけるピーク電力抑圧前の平均入力電力(及び、場合によってマルチキ ャリアのピーク電力抑圧後の平均出力電力)に基づいて、ピーク電力抑 圧された信号の信号レベルを調整する送信機として説明してきたが、リ ミッタに限定せず、非線形な動作をする機能、例えば、予め定めたレべ ルょりも低いレベルだけで動作する回路や、非線形フィルタなどの前後 の信号の平均入力電力(及び、場合によってマルチキャリアのピーク電 力抑圧後の平均出力電力)に基づいて、出力される信号の信号レベルを 調整する装置に適応しても良い。

これまで説明してきた本発明の送信機は、電力レベルを制御対象とし ている、すなわち各キヤリァ又はマルチキヤリァ信号の電力レベルに基 づいて、キャリア又はマルチキャリア信号の電力レベル調整を行うもの であるが、電圧レベルを制御対象としてもよく、そうした場合であって も上述した効果と同様の効果を奏するものである。

また、上述した本発明の送信機を図 6、図 1 8の送信増幅器における 送信機 1、 1 ' として用いることにより、送信機 1、 1 ' からは安定し たレベルのマルチキャリア信号が供給されるため、電力増幅部 4での増 幅で非線形歪の発生を抑えることができ、高品質の無線送信を実現でき る。

また、本発明の送信機は、キャリア符号多重信号生成部 1 0の構成を 変更することで、 C D MA通信方式以外の無線通信方式(例えば T D M A (Time Division Multiple Access) や O F D M (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) ) においても、同様の効果を奏するものである。

また、本発明の送信機は、キャリア符号多重信号生成部 1 0の構成を 変更することで、基地局以外の装置(例えば中継局)にも用いることが できる。

本発明によれば、ピーク抑圧部が入力された信号のレベルに基いてピ ークの有無を検出し、ピークが検出されるとレベルを抑圧した信号を出 力し、入力電力演算部がピーク抑圧部への入力前の信号のレベルを演算 し、出力電力演算部がピーク抑圧部からの出力後の信号のレベルを演算 し、調整手段が入力電力演算部で演算されたレベルと出力電力演算部で 演算されたレベルに基いて出力する信号の信号レベルが調整されるよう に制御する送信機としているので、入力信号のレベルの変動に対応して、 出力信号のレベルの変動を抑えることができる効果がある。

本発明によれば、複数のキヤリアを合成したマルチキヤリァ信号の信 号レベルを調整する送信機であって、ピーク抑圧部が入力された各キヤ リァの電力レベルの総和に基いてピークの有無を検出し、ピークが検出 されるとキャリアの電力レベルを抑圧して出力し、入力電力演算部が電 カレベル抑圧前の各キヤリァの平均電力レベルを、出力電力演算部が電 カレベル抑圧後の各キヤリァの平均電力レベルを各々演算し、監視部が 電力レベル抑圧前の平均電力レベルと電力レベル抑圧後の平均電力レべ ルに基いてマルチキヤリァ信号のレベル制御情報を出力し、レベル調整 部がマルチキャリア信号のレベル調整を行う送信機としているので、キ ャリァの入力レベルの変動に対応して、マルチキヤリァ信号のレベルの 変動を抑えることができる効果がある。

本発明によれば、複数のキヤリァを合成したマルチキヤリァ信号の信 号レベルが調整されるように制御する送信機であって、ピーク抑圧部が 入力された各キヤリァの電力レベルの総和に基いてピークの有無を検出 し、ピークが検出されるとキャリアの電力レベルを抑圧して出力し、入 力電力演算部が電力レベル抑圧前の各キヤリァの平均電力レベルを、出 力電力演算部が電力レベル抑圧後の各キヤリァの平均電力レベルを各々 演算し、監視部が電力レベル抑圧前の平均電力レベルと電力レベル抑圧 後の平均電力レベルに基いて各キヤリァのレベル制御情報を出力し、レ ベル調整部が各キヤリァ信号のレベル調整を行う送信機としているので、 キヤリァの入力レベルの変動に対応して、キヤリァの電力レベル抑圧後 のレベルの変動をキヤリァ毎に平均的に抑えることができ、結果的にマ ルチキヤリァ信号のレベルの変動を平均的に抑えることができる効果が ある。

本発明によれば、複数のキャリアを合成したマルチキャリア信号の信 号レベルを調整する送信機であって、ピーク抑圧部が入力された各キヤ リァの電力レベルの総和に基いてピークの有無を検出し、ピークが検出 されるとキヤリァの電力レベルを抑圧して出力し、入力電力演算部が電 カレベル抑圧前の各キヤリァの総和の平均電力レベルを、出力電力演算 部が電力レベル抑圧後の各キヤリァの総和の平均電力レベルを各々演算 し、監視部が電力レベル抑圧前の総和の平均電力レベルと電力レベル抑 圧後の総和の平均電力レベルに基いてマルチキヤリァ信号のレベル制御 情報を出力し、レベル調整部がマルチキヤリァ信号のレベル調整を行う 送信機としているので、複数のキヤリァの総和の平均電力からマルチキ ャリア信号のレベル制御を行うことで、キャリアの入力レベルの変動に 対応して、マルチキヤリァ信号のレベルの変動を抑えることができる効 果がある。

本発明によれば、複数のキヤリアを合成したマルチキヤリァ信号の信 号レベルを調整する送信機であって、ピーク抑圧部が入力されたマルチ キャリア信号の電力レベルの総和に基いてピークの有無を検出し、ピー クが検出されるとマルチキヤリァ信号の電力レベルを抑圧して出力し、 入力電力演算部が電力レベル抑圧前のマルチキヤリァ信号の平均電力レ ベルを、出力電力演算部が電力レベル抑圧後のマルチキヤリァ信号の平 均電力レベルを各々演算し、監視部が電力レベル抑圧前の平均電力レべ ルと電力レベル抑圧後の平均電力レベルに基いてマルチキヤリァ信号の レベル制御情報を出力し、レベル調整部がマルチキャリア信号のレベル 調整を行う送信機としているので、マルチキヤリァの入力レベルの変動 に対応して、ピーク抑圧後のレベルの変動を抑えることができる効果が め 。

産業上の利用可能性

本発明は、複数のキャリアに対して、各キャリアの入力レベルの変動 に対応して増幅器へのマルチキヤリァ信号の入力レベルの変動を平均的 に抑えることのできる送信機に適している。