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1. WO2004038200 - 内燃機関の可変バルブタイミング制御装置

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[ JA ]
明細書

内燃機関の可変バルブタイミング制御装置

技術分野

本発明は、内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイミングを可変す る内燃機関の可変バルブタイミング制御装置に関するものである。

背景技術

近年、車両に搭載される内燃機関においては、出力向上、燃費節減、排気エミ ッション低減等を目的として、吸気バルブや排気バルブのバルブタイミングを可 変する可変バルブタイミング装置を採用したものが増加しつつある。現在、実用 化されている可変バルブタイミング装置は、油圧で位相可変機構を駆動してクラ ンク軸に対するカム軸の回転位相を変化させることで、カム軸によって開閉駆動 される吸気バルブや排気バルブのバルブタイミングを変化させるものが多い。し かし、この油圧駆動方式の可変バルブタイミング装置では、寒冷時やエンジン始 動時に、油圧が不足したり、油圧制御の応答性が低下したりして、バルブタイミ ング制御精度が低下するという欠点がある。

そこで、例えば、特開平 6— 2 1 3 0 2 1号公報に記載されているように、モ 一タの駆動力で位相可変機構を駆動してクランク軸に対する力ム軸の回転位相を 変化させてバルブタイミングを変化させるモータ駆動方式の可変バルブタイミン グ装置が開発されている。

しかし、上記従来のモータ駆動方式の可変バルブタイミング装置は、クランク 軸によって回転駆動されるプーリと一体にモータ全体が回転する構成であるため、 可変バルブタイミング装置の回転系の慣性重量が重くなって可変バルブタイミン グ装置の耐久性が低下するという欠点がある。しかも、回転するモータと外部の 電気配線とを接続するためにブラシ等を用いた摺接式の接続構造にしなければな らず、これも耐久性を低下させる原因となっている。更には、従来のモータ駆動 方式の可変バルブタイミング装置は、全般的に構成が複雑で、高コストであると いう欠点もある。

本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的は可変バル ブタイミング装置の耐久性向上、低コスト化の要求を満たしながら、モータ駆動 方式でバルブタイミングを制御することができ、バルブタイミング制御精度を向 上させることができる内燃機関の可変バルブタイミング制御装置を提供すること にある。

発明の開示

上記目的を達成するために、本発明に係わる可変バルブタイミング装置は、力 ム軸と同心状に配置され且つクランク軸の回転駆動力によって回転駆動される第 1の回転部材と、カム軸と一体的に回転する第 2の回転部材と、第 1の回転部材 の回転力を第 2の回転部材に伝達し且つ第 1の回転部材に対する第 2の回転部材 の回転位相を変化させる位相可変部材と、この位相可変部材の回転位相を制御す るようにをカム軸と同心に配置されたモータとを備え、バルブタイミングを変化 させないときは、モータの回転速度をカム軸の回転速度に一致させて、位相可変 部材の旋回速度をカム軸の回転速度に一致させることで、第 1の回転部材と第 2 の回転部材との回転位相の差を現状維持してカム軸位相を現状維持し、バルブタ ィミングを変化させるときは、モータの回転速度をカム軸の回転速度に対して変 化させて、位相可変部材の旋回速度をカム軸の回転速度に対して変化させること で、第 1の回転部材と第 2の回転部材との回転位相の差を変化させて力ム軸位相 を変化させるように構成している。

この構成では、モータ全体を回転させる必要がないため、可変バルブタイミン グ装置の回転系の慣性重量を軽量化することができると共に、モータと外部の電 気配線とを固定的な接続手段によって直接接続することができ、総じて、可変バ ルブタイミング装置の耐久性を向上させることができる。しかも、可変バルブタ イミング装置の構成が比較的簡単であり、低コスト化の要求も満たすことができ る。

更に、本発明では、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差に基 づいて要求バルブタイミング変化速度を算出して、この要求バルブタイミング変 化速度に基づいてモータとカム軸との要求回転速度差を算出し、モータとカム軸 との回転速度差を要求回転速度差に制御するようにモータ制御値を算出するよう にしている。このようにすれば、モータとカム軸との回転速度差を要求回転速度 差に一致させるようにモータの回転速度をフィードフォヮ一ド的に精度良く制御 することができて、モータ駆動方式で実バルブタイミングを目標バルブタイミン グに制御することができ、バルブタイミング制御精度を向上させることができる。 この場合、モータとカム軸との回転速度差を要求回転速度差に制御するのに必 要なモータ制御値を算出する具体的な方法として、例えば、カム軸の回転速度と 要求回転速度差とに基づいて要求モータ回転速度を算出し、モータの回転速度を 要求モータ回転速度に制御するようにモータ制御値を算出するようにしても良レ、。 或は、モータの回転速度をカム軸の回転速度と同じ基本モータ回転速度に制御す るための基本制御値を算出すると共に、モータの回転速度を基本モータ回転速度 に対して要求回転速度差だけ変化させるための変化制御値を算出し、基本制御値 と変化制御値とに基づいてモータ制御値を算出するようにしても良い。いずれの 方法を用いても、モータとカム軸との回転速度差を要求回転速度差に制御するの に必要なモータ制御値を精度良く算出することができる。

更に、目標バルブタイミングと実バルブタイミングとの偏差が所定値以下のと きには、モータの回転速度をカム軸の回転速度と同じ回転速度に制御するように モータ制御値を算出するようにしても良い。このようにすれば、実バルブタイミ ングが目標バルブタイミング又はその近傍にあるときには、実バルブタイミング をそのまま安定保持することができる。

ところで、モータの出力トルクは、可変バルブタイミング装置内部の摩擦損失 やカム軸側の駆動損失による損失トルクとしても消費されるため、モータとカム 軸との回転速度差を要求回転速度差に制御するのに必要なモータ制御値(印加電 圧値、デューティ値等)は、可変バルブタイミング装置内部やカム軸側の駆動損 失によって変化する。また、モータが回転するとモータに逆起電力が発生するた め、モータとカム軸との回転速度差を要求回転速度差に制御するのに必要なモー タ制御値は、モータの逆起電力によっても変化する。

これらの事情を考慮して、可変バルブタイミング装置内部の摩擦損失又はこれ と相関関係にあるパラメータ、カム軸側の駆動損失又はこれと相関関係にあるパ ラメータ、モータの逆起電力又はこれと相関関係にあるパラメータのうちの少な くとも 1つを用いてモータ制御値を算出するようにすると良い。このようにすれ ば、可変バルブタイミング装置内部やカム軸側の駆動損失の変化、モータの逆起 電力の変化を考慮に入れてモータ制御値を算出することができるので、摩擦損失 や逆起電力等の影響を受けずに、モータとカム軸との回転速度差を要求回転速度 差に制御するのに必要なモータ制御値を精度良く算出することができる。

本発明の可変バルブタイミング装置では、モータとカム軸との回転速度差に応 じてバルブタイミング変化速度が変化するため、可変バルブタイミング装置内部 の摩擦損失は、モータとカム軸との回転速度差に応じて変化する。従って、可変 バルブタイミング装置内部の摩擦損失パラメータ(摩擦損失又はこれと相関関係 にあるパラメータ)を用いる場合には、モータとカム軸との実回転速度差に応じ て可変バルブタイミング装置内部の摩擦損失パラメータを算出するようにしても 良いが、モータとカム軸との要求回転速度差に応じて可変バルブタイミング装置 内部の摩擦損失パラメータを算出するようにしても良い。このようにすれば、モ 一タ制御値の算出に用いる可変バルブタイミング装置内部の摩擦損失パラメータ をフィードフォヮ一ド的に算出することができて、モータ回転制御の応答性を向 上させることができる。その結果、レーシング時(空吹かし時)のようにェンジ ン回転速度(カム軸の回転速度)が急変化する運転条件下でも、カム軸の回転速 度変化に対してモータ回転速度を応答良く追従させることができ、バルブタイミ ング制御精度を確保することができる。

また、モータの逆起電力は、モータの回転速度に応じて変化するため、モータ の逆起電力パラメータ(逆起電力又はこれと相関関係にあるパラメータ)を用い る場合には、モータの実回転速度に応じてモータの逆起電力パラメータを算出す るようにしても良いが、カム軸の回転速度と要求回転速度差とに基づいて算出し た要求モータ回転速度に応じてモータの逆起電力パラメータを算出するようにし ても良い。このようにすれば、モータ制御値の算出に用いるモータの逆起電力パ ラメータをフィードフォヮ一ド的に算出することができて、上述したのと同様の 効果を得ることができる。

ところで、図 1 2に示すように、モータの回転速度が変化すると、モータの逆 起電力が変化して有効電圧(バッテリ電圧と逆起電力との差)が変化する。また、 モータの増速時には、モータの回転速度が速くなるほど、有効電圧が減少し、反 対に、モータの増速時には、モータの回転速度が速くなるほど、有効電圧が増加 する。

そこで、モータの回転速度及びノ又その増減状態に基づいてモータ制御値を補 正するようにしても良い。このようにすれば、モータの回転速度やその増減状態 によって有効電圧が変化しても、それに対応してモータ制御値を補正することが できる。従って、有効電圧の変化の影響を受けずに、適正なモータ制御値を算出 することができる。このモータ制御値の補正は、モータへの供給電力をデューテ ィ制御するためのデューティ値(通電率)をモータ制御値として算出するシステ ムに適用すると良い。デューティ制御では、供給電圧のデューティ値を調整する ことで、供給電圧のパルス幅を調整してモータへの供給電力を調整する。し力し、 デューティ値が同じでも、有効電圧(バッテリ電圧と逆起電力との差)が変化す ると、供給電圧パルスの振幅が変化するため、その分、モータへの供給電力が変 化する。従って、モータの回転速度やその増減状態に基づいてデューティ値を捕 正すれば、モータの回転速度やその増減状態によって有効電圧が変化して供給電 圧パルスの振幅が変化するのに対応して、デューティ値を補正して供給電圧のパ ルス幅を補正することができる。この結果、供給電圧パルスの振幅変化による供 給電力の変化分を供給電圧のパルス幅の補正によって補償することができる。 また、バルブタイミングの変化速度、モータとカム軸との回転速度差、モータ の回転速度のうちの少なくとも 1つに対して制限値を設けるようにしても良レ、。 このようにすれば、バルブタイミングの変化速度、モータとカム軸との回転速度 差、モータの回転速度を制限値で制限することができるので、可変バルブタイミ ング装置の保証限界を越えた作動による故障や損傷を未然に回避することができ る。

なお、本発明のその他の特徴や優れた効果に関しては、以下の図面を用いた実 施形態の説明により明らかとなる。

図面の簡単な説明

図 1は、本発明の第 1実施形態における制御システム全体の概略構成図である。 図 2は、可変バルブタイミング装置の概略構成図である。図 3は、第 1実施形態 の可変バルブタイミング制御プログラムの処理の流れを示すフローチヤ一トであ る。図 4は、第 1実施形態のモータ制御値算出プログラムの処理の流れを示すフ ローチャートである。図 5は、要求トルク T Areq のマップを概念的に示すダラ フである。図 6は、カム軸側の損失トルク T Bのマップを概念的に示すグラフで ある。図 7は、可変バルブタイミング装置內部の損失トルク T Cのマップを概念 的に示すグラフである。図 8は、モータの逆起電力 Eのマップを概念的に示すグ ラフである。図 9は、第 2実施形態のモータ制御値算出プログラムの処理の流れ の一部を示すフローチャートである。図 1 0は、第 3実施形態のモータ制御値算 出プログラムの処理の流れの一部を示すフローチャートである。図 1 1 ( a ) は モータ増速時の有効電圧補正係数 Kのマップを概念的に示すグラフであり、図 1 1 ( b ) はモータ減速時の有効電圧補正係数 Kのマップを概念的に示すグラフで ある。図 1 2は、モータ回転速度及びその増減状態と有効電圧との関係を示すグ ラフである。図 1 3は、第 4実施形態のモータ制御値算出プログラムの処理の流 れを示すフローチャートである。図 1 4は、第 5実施形態のモータ制御値算出プ ログラムの処理の流れの一部を示すフローチヤ一トである。図 1 5〜図 1 7は、 第 6実施形態における実バルブタイミング算出プログラムの処理の流れを示すフ ローチャートである。図 1 8及び図 1 9は、第 7実施形態における実バルブタイ ミング算出プログラムを説明するためのフローチャートである。図 2 0は、第 7 実施形態における実バルブタイミング算出の一例を示すタイミングチヤ一トであ る。図 2 1は、本発明の第 8実施形態におけるバルブタイミングの可変範囲及び 速度制限領域を説明するための図である。図 2 2は、エンジン回転速度と実バル ブタイミングとの関係を示すグラフである。図 2 3は、バルブタイミング変化速 度と減速時変化量との関係を示すグラフである。図 2 4は、第 8実施形態のバル プタイミング変化速度制限制御プログラムの処理の流れを示すフローチヤ一トで ある。図 2 5は、第 9実施形態のバルブタイミング変化速度制限制御プログラム の処理の流れを示すフローチャートである。図 2 6は、第 9実施形態の目標バル ブタイミング算出プログラムの処理の流れを示すフローチヤ一トである。図 2 7 は、第 1 0実施形態のバルブタイミング変化速度制限制御プログラムの処理の流 れを示すフローチャートである。図 2 8は、第 1 1実施形態の基準位置学習優先 制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図 2 9は、第 1 2実 施形態の基準位置学習異常判定プログラムの処理の流れを示すフローチヤ一トで ある。図 3 0は、第 1 2実施形態のバルブタイミング変化速度制限制御プロダラ ムの処理の流れを示すフローチャートである。図 3 1は、第 1 3実施形態の基準 位置学習優先制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図 3 2 は、第 1 4実施形態の始動前基準位置学習制御プログラムの処理の流れを示すフ ローチャートである。図 3 3は、第 1 5実施形態の始動前基準位置学習制御プロ グラムの処理の流れを示すフローチャートである。図 3 4は、第 1 6実施形態の 始動前基準位置学習制御プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 図 3 5は、第 1 7実施形態におけるバルブタイミングメイン制御プログラムの処 理の流れを示すフローチャートである。図 3 6は、第 1 7実施形態のエンジン正 回転 '逆回転判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図 3 7 は、第 1 7実施形態のエンジン正回転中のバルブタイミング制御プログラムの処 理の流れを示すフローチャートである。図 3 8は、第 1 7実施形態のエンジン停 止中のバルブタイミング制御プログラムの処理の流れを示すフロ一チヤ一トであ る。図 3 9は、第 1 7実施形態のエンジン逆回転中のバルブタイミング制御プロ グラムの処理の流れを示すフローチャートである。図 4 0は、第 1 7実施形態の 基準位置到達判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図 4 1 は、第 1 7実施形態における可変バルブタイミング制御の実行例を示すタイムチ ヤートである。図 4 2は、第 1 8実施形態のエンジン正回転 '逆回転判定プログ ラムの処理の流れを示すフローチャートである。図 4 3は、第 1 9実施形態のェ ンジン回転状態判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。図 4 4は、第 2 0実施形態のエンジン停止中のバルブタイミング制御プログラムの処 理の流れを示すフローチャートである。図 4 5は、第 2 1実施形態のエンジン停 止中のバルブタイミング制御プログラムの処理の流れを示すフローチヤ一トであ る。図 4 6は、第 2 2実施形態のエンジン停止中のバルブタイミング制御プログ ラムの処理の流れを示すフローチャートである。図 4 7は、第 2 3実施形態の基 準位置到達判定プログラムの処理の流れを示すフローチヤ一トである。図 4 8は、 第 2 4実施形態の基準位置到達判定プログラムの処理の流れを示すフローチヤ一 トである。図 4 9は、第 2 5実施形態の基準位置到達判定プログラムの処理の流 れを示すフローチャートである。図 5 0は、第 2 6実施形態の可変バルブタイミ ング装置の作動条件変更プログラムの処理の流れを示すフローチヤ一トである。

発明を実施するための最良の形態

《第 1実施形態》

以下、本発明を吸気バルブの可変バルブタイミング制御装置に適用した第 1実 施形態を図 1乃至図 8に基づいて説明する。まず、図 1に基づいてシステム全体 の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン 1 1は、クランク軸 1 2からの 動力がタイミングチェーン 1 3 (又はタイミングベルト)により各スプロケット 1 4、 1 5を介して吸気側カム軸 1 6と排気側カム軸 1 Ίとに伝達されるように なっている。また、吸気側カム軸 1 6側には、モータ駆動式の可変バルブタイミ ング装置 1 8が設けられている。この可変バルブタイミング装置 1 8によってク ランク軸 1 2に対する吸気側カム軸 1 6の回転位相(カム軸位相)を可変するこ とで、吸気側カム軸 1 6によって開閉駆動される吸気バルブ(図示せず)のバル プタイミングを可変するようになっている。

また、吸気側カム軸 1 6の外周側には、所定のカム角毎にカム角信号を出力す るカム角センサ 1 9が取り付けられている。一方、クランク軸 1 2の外周側には、 所定のクランク角毎にクランク角信号を出力するクランク角センサ 2 0が取り付 けられている。

次に、図 2に基づいて可変バルブタイミング装置 1 8の概略構成を説明する。 可変バルブタイミング装置 1 8の位相可変機構 2 1は、吸気側カム軸 1 6と同心 状に配置された内歯付きのァウタギヤ 2 2 (第 1の回転部材)と、このァウタギ ャ 2 2の内周側に同心状に配置された外歯付きのインナギヤ 2 3 (第 2の回転部 材)と、これらァウタギヤ 2 2とインナギヤ 2 3との間に配置されて両者に嚙み 合う遊星ギヤ 2 4 (位相可変部材)とから構成されている。ァウタギヤ 2 2は、 クランク軸 1 2と同期して回転するスプロケット 1 4と一体的に回転するように 設けられ、インナギヤ 2 3は、吸気側カム軸 1 6と一体的に回転するように設け られている。また、遊星ギヤ 2 4は、ァウタギヤ 2 2とインナギヤ 2 3に嚙み合 つた状態でインナギヤ 2 3の回りを円軌道を描くように旋回することで、ァウタ ギヤ 2 2の回転力をインナギヤ 2 3に伝達する役割を果たすと共に、インナギヤ 2 3の回転速度(吸気側カム軸 1 6の回転速度)に対する遊星ギヤ 2 4の旋回速 度 (公転速度)を変化させることで、ァウタギヤ 2 2に対するインナギヤ 2 3の 回転位相(カム軸位相)を調整する。

一方、エンジン 1 1には、遊星ギヤ 2 4の旋回速度を可変するためのモータ 2 6が設けられている。このモータ 2 6の回転軸 2 7は、吸気側カム軸 1 6、ァゥ タギヤ 2 2及びィンナギヤ 2 3と同軸上に配置され、このモータ 2 6の回転軸 2 7と遊星ギヤ 2 4の支持軸 2 5とが、径方向に延びる連結部材 2 8を介して連結 されている。これにより、モータ 2 6の回転に伴って、遊星ギヤ 2 4が支持軸 2 5を中心に回転(自転)しながらインナギヤ 2 3の外周の円軌道を旋回(公転) できるようになっている。また、モータ 2 6には、モータ 2 6の回転速度 R M (回 転軸 2 7の回転速度)を検出するモータ回転速度センサ 2 9 (図 1参照)が取り 付けられている。

この可変バルブタイミング装置 1 8では、モータ 2 6の回転速度 R Mを吸気側 カム軸 1 6の回転速度 R Cに一致させて、遊星ギヤ 2 4の公転速度をインナギヤ 2 3の回転速度(ァウタギヤ 2 2の回転速度)に一致させると、ァウタギヤ 2 2 とインナギヤ 2 3との回転位相の差が現状維持されて、バルブタイミング(カム 軸位相)が現状維持される。

そして、吸気バルブのバルブタイミングを進角する場合には、モータ 2 6の回 転速度 R Mを吸気側カム軸 1 6の回転速度 Rじょりも速くして、遊星ギヤ 2 4の 公転速度をインナギヤ 2 3の回転速度よりも速くする。これにより、ァウタギヤ 2 2に対するインナギヤ 2 3の回転位相が進角されて、バルブタイミング(カム 軸位相)が進角される。

一方、吸気バルブのバルブタイミングを遅角する場合には、モータ 2 6の回転 速度 R Mを吸気側カム軸 1 6の回転速度 Rじょりも遅くして、遊星ギヤ 2 4の公 転速度をインナギヤ 23の回転速度よりも遅くする。これにより、ァウタギヤ 2 2に対するインナギヤ 23の回転位相が遅角されて、バルブタイミングが遅角さ れる。

前述した各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する) 30に入力される。この ECU 30は、マイクロコンピュータを主体として構成 され、その ROM (記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実 行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁(図示せず)の燃料噴射量 や点火プラグ(図示せず)の点火時期を制御する。

また、 ECU30は、後述する図 3に示す可変バルブタイミング制御プロダラ ム及び図 4に示すモータ制御値算出プログラムを実行する。これらのプログラム を実行することにより、まず、吸気バルブの目標バルブタイミング VTtgと実バ ルブタイミング VTとの偏差 Dを小さくするように要求バルブタイミング変化速 度 Vreq を算出する。この要求バルブタイミング変化速度 Vreq に基づいてモー タ 26とカム軸 1 6の要求回転速度差 DMCreq を算出する。そして、モータ 2 6とカム軸 1 6との回転速度差 DMCを要求回転速度差 DMCreq に制御するよ うにモータ制御値(例えばモータ印加電圧値)を算出する。これにより、モータ 26とカム軸 16との回転速度差 DMCを要求回転速度差 DMCreq に制御する ようにモータ 26の回転を制御して、吸気バルブの実バルブタイミング VTを目 標バルブタイミング VTtgに制御する。以下、これら各プログラムの具体的な処 理内容を説明する。

図 3に示す可変バルブタイミング制御プログラムは、例えば、イダニッシヨン スィッチ(図示せず)のオン後に所定周期で実行される。本プログラムが起動さ れると、まず、ステップ 101で、エンジン運転状態等に基づいて目標バルブタ イミング VTtgを算出する。その後、ステップ 102に進み、クランク角センサ 20から出力されるクランク角信号とカム角センサ 1 9から出力されるカム角信 号とに基づいて実バルブタイミング VTを算出する。なお、実バルブタイミング VTの算出は、後述する第 6実施形態のように行なうことも可能である。

実バルブタイミング VTの算出後、ステップ 1 03に進み、目標バルブタイミ ング VTtgと実バルブタイミング VTとの偏差 Dを算出する。次に、ステップ 1 04で、この偏差 Dを小さくするように該偏差 Dに応じてマップ等により要求バ ルブタイミング変化速度 Vreq を算出する。この要求バルブタイミング変化速度 Vreq は、例えば、バルブタイミングの変化方向が進角側のときにプラス値、遅 角側のときにマイナス値になる。このステップ 104の処理が特許請求の範囲で いう要求バルブタイミング変化速度算出手段としての役割を果たす。

この後、ステップ 1 05に進み、バルブタイミング変化速度に対して制限速度 Vs が設定されているか否かを判定する。この制限速度 Vs は、例えば、位相可 変機構 2 1の可動範囲を制限するための可動部がストツパ部に衝突してもギヤ機 構 (ギヤ 22〜24) の嚙み込みや損傷が発生しない比較的遅いバルブタイミン グ変化速度である。そして、①実バルブタイミング VTが最遅角位置付近ゃ最進 角位置付近に設定された速度制限領域内にあるとき、②バルブタイミングの基準 位置学習が完了していないとき、③基準位置学習の異常有り(基準位置の誤学習) • と判定されたとき等に、制限速度 Vs が設定される。なお、バルブタイミング変 化速度に対する制限速度 Vs の設定に関しては、後述する第 7実施形態において 詳細に説明する。

このステップ 1 05で、制限速度 Vs が設定されていると判定された場合には、 ステップ 106に進み、要求バルブタイミング変化速度 Vreq の絶対値が制限速 度 Vs よりも大きいか否かを判定する。その結果、要求バルブタイミング変化速 度 Vreq の絶対値が制限速度 Vs よりも大きいと判定された場合には、ステップ 107に進み、要求バルブタイミング変化速度 Vreq の絶対値を制限速度 Vs で ガード処理する。その後、ステップ 1 08に進む。

一方、上記ステップ 105で、制限速度 Vs が設定されていないと判定された 場合、又は、上記ステップ 1 06で、要求バルブタイミング変化速度 Vreq の絶 対値が制限速度 Vs 以下であると判定された場合には、目標バルブタイミング V Ttg と実バルブタイミング VTとの偏差 Dに応じて算出した要求バルブタイミ ング変化速度 Vreq を変更せずに、ステップ 108に進む。

このステップ 1 08で、要求バルブタイミング変化速度 Vreq [°CA/ s ] を 用いて、式(1) によりモータ 26とカム軸 1 6の要求回転速度差 DMCreq [ r pm] を算出する。

DMCreq = Vreq X 60 X G/ 7 20°CA ··■ ( 1 )

ここで、 Gは位相可変機構 2 1の減速比であり、カム軸 16に対するモータ 2 6の相対回転量とバルブタイミング変化量(カム軸位相の変化量)との比である。 このステップ 1 08の処理が特許請求の範囲でいう要求回転速度差算出手段とし ての役割を果たす。

要求回転速度差 DMCreq の算出後、ステップ 1 09に進み、図 4に示すモー タ制御値算出プログラムを実行してモータ制御値を算出する。この図 4のモータ 制御値算出プログラムは、特許請求の範囲でいうモータ制御値算出手段としての 役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ 20 1で、目標バ ルブタイミング VTtg と実バルブタイミング VTとの偏差 Dが所定値以下であ るか否かを判定する。偏差 Dが所定値以下であれば、ステップ 202に進み、式 (2)のように、要求モータ回転速度 RMreq をカム軸回転速度 R Cに設定する。

RMreq =R C … (2)

一方、上記ステップ 201で、偏差 Dが所定値よりも大きいと判定された場合 には、ステップ 203に進み、式(3)のように、要求モータ回転速度 RMreq を、 カム軸回転速度 R Cに要求回転速度差 DMCreq を加算した値に設定する。

RMreq =RC + DMCreq … (3)

以上のようにしてステップ 202又は 203で要求モータ回転速度 RMreq を 設定した後、ステップ 204に進む。ステップ 204では、図 5に示す要求トル ク TAreq のマップ又は数式を用いて、要求モータ回転速度 R Mreq とカム軸回 転速度 RCとの差に応じた要求トルク TAreq を算出する。この要求トルク T A req は、遊星ギヤ 24を要求モータ回転速度 R Mreq で公転させるのに必要な正 味のトルク(可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失トルクやカム軸 1 6側の 損失トルクを含まないトルク)である。図 5に示す要求トルク TAreq のマップ は、要求モータ回転速度 RMreq とカム軸回転速度 R Cとの差に対する要求トル ク TAreq の変化特性に基づいて設定されている。

この後、ステップ 205に進み、図 6に示すカム軸 1 6側の損失トルク T Bの マップ又は数式を用いて、カム軸回転速度 RCに応じたカム軸 1 6側の損失トル ク TBを算出する。このカム軸 1 6側の損失トルク TBは、カム軸 1 6側の駆動 損失によって消費されるトルクである。図 6に示すカム軸 1 6側の損失トルク T Bのマップは、カム軸回転速度 RCに対するカム軸 1 6側の損失トルク TBの変 化特性に基づいて設定されている。

そして、次のステップ 206で、図 7に示す可変バルブタイミング装置 1 8内 部の損失トルク T Cのマップ又は数式を用いて、モータ 26とカム軸 1 6の回転 速度差 DMC (モータ回転速度 RMとカム軸回転速度 RCとの差)に応じた可変 バルブタイミング装置 18内部の損失トルク TCを算出する。この可変バルブタ ィミング装置 1 8内部の損失トルク TCは、可変バルブタイミング装置 1 8内部 の摩擦損失によって消費されるトルクである。図 7に示す可変バルブタイミング 装置 1 8内部の損失トルク T Cのマップは、モータ 26とカム軸 16の回転速度 差 DMCに対する可変バルブタイミング装置 18内部の損失トルク TCの変化特 性に基づいて設定されている。

この後、ステップ 207に進み、式(4) に示すように、要求トルク TAreq に カム軸 1 6側の損失トルク TBと可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失トル ク TCとを加算して、モータ回転速度 RMを要求モータ回転速度 RMreq に制御 するのに必要な要求モータトルク TMreq を求める。

TMreq = TAreq +TB + TC ··· (4)

この後、ステップ 208に進み、要求モータトルク TMreq をマップ等により 要求モータ電圧 VDに換算する。その後、ステップ 209に進み、図 8に示すモ ータ 26の逆起電力 Eのマップ又は数式を用いて、モータ回転速度 RMに応じた モータ 26の逆起電力 Eを算出する。図 8に示すモータ 26の逆起電力 Eのマツ プは、モータ回転速度 RMに対するモータ 26の逆起電力 Eの変化特性に基づい て設定されている。

そして、次のステップ 2 10で、式(5) に示すように、要求モータ電圧 VD に逆起電力 Eを加算して、モータ回転速度 RMを要求モータ回転速度 RMreq に 制御するのに必要なモータ印加電圧 VMを求める。

VM = VD + E … (5)

以上の処理により、目標バルブタイミング VTtgと実バルブタイミング VTと の偏差 Dが所定値よりも大きくなつたときには、要求モータ回転速度 RMreq を 4

カム軸回転速度 RCに要求回転速度差 DMCreq を加算した値に設定して、モー タ回転速度 RMを要求モータ回転速度 RMreq ( カム軸回転速度 R C +要求回 転速度差 DMCreq ) に制御するのに必要なモータ印加電圧 V Mを算出する。こ れにより、モータ 2 6とカム軸 1 6との回転速度差 DM Cを要求回転速度差 DM Creq に一致させるようにモータ 26の回転速度をフィードフォヮード的に制御 して、実バルブタイミング VTを目標バルブタイミング VTtgの方向へ応答良く 変化させることができる。

そして、目標バルブタイミング VTtgと実バルブタイミング VTとの偏差 Dが 所定値以下になった時点で、要求モータ回転速度 RMreq をカム軸回転速度 RC に設定して、モータ回転速度 RMを要求モータ回転速度 RMreq (二カム軸回転 速度 RC) に制御するのに必要なモータ印加電圧 VMを算出する。これにより、 モータ 26とカム軸 1 6との回転速度差 DMCを 0にするようにモータ 26の回 転を制御して、実バルブタイミング VTを目標バルブタイミング VTtg又はその 近傍に安定保持する。このようにすれば、モータ駆動方式で実バルブタイミング を目標バルブタイミングに精度良く制御することができ、バルブタイミング制御 精度を向上させることができる。

また、本第 1実施形態の可変バルブタイミング装置 1 8は、カム軸 1 6と同心 状に配置され且つクランク軸 1 2の回転駆動力によって回転駆動されるァウタギ ャ 22と、カム軸 1 6と一体的に回転するインナギヤ 23と、ァウタギヤ 22の 回転力をインナギヤ 23に伝達し且つ両ギア 22, 23間の相対的な回転位相を 変化させる遊星ギヤ 24と、この遊星ギヤ 24をカム軸 1 6と同心の円軌道に沿 つて旋回させるモータ 26とを備えた構成としている。このため、モータ 26全 体を回転させる必要がなく、可変バルブタイミング装置 1 8の回転系の慣性重量 を軽量化することができると共に、モータ 26と外部の電気配線とを固定的な接 続手段によって直接接続することができ、総じて、可変バルブタイミング装置 1 8の耐久性を向上させることができる。しかも、可変バルブタイミング装置 1 8 の構成が比較的簡単であり、低コスト化の要求も満たすことができる。

ところで、モータ 26の出力トルクは、可変バルブタイミング装置 1 8内部の 摩擦損失やカム軸 1 6側の駆動損失による損失トルクとしても消費される。この ため、モータ 26とカム軸 1 6の回転速度差 DMCを要求回転速度差 DMCreq に制御するのに必要なモータ制御値(例えばモータ印加電圧)は、可変バルブタ イミング装置 1 8内部やカム軸 1 6側の駆動損失によって変化する。また、モー タ 26が回転するとモータ 26に逆起電力が発生するため、モータ 26とカム軸 1 6の回転速度差 DMCを要求回転速度差 DMCreq に制御するのに必要なモー タ制御値は、モータ 26の逆起電力によっても変化する。

これらの事情を考慮して、本第 1実施形態では、可変バルブタイミング装置 1 8内部の摩擦損失によって消費される損失トルク TCと、カム軸 1 6側の駆動損 失によって消費される損失トルク TBと、モータ 26の逆起電力 Eとを用いてモ ータ制御値を算出するようにした。このように、可変バルブタイミング装置 1 8 内部やカム軸 1 6側の駆動損失の変化、モータ 26の逆起電力の変化を考慮に入 れてモータ制御値を算出しているので、摩擦損失や逆起電力等の影響を受けずに、 モータ 26とカム軸 1 6の回転速度差 DMCを要求回転速度差 DMCreq に制御 するのに必要なモータ制御値を精度良く算出することができる。

また、本第 1実施形態では、要求バルブタイミング変化速度 Vreq を制限速度 Vs で制限するようにしたので、可変バルブタイミング装置 1 8の急作動による 故障や損傷を未然に回避することができる。

《第 2実施形態》

本発明の第 2実施形態で実行する図 9に示すモータ制御値算出プログラムは、 第 1実施形態で説明した図 4のステップ 206とステップ 20 9の処理を、それ ぞれステップ 206 aとステップ 209 aの処理に変更したものであり、これ以 外のステップの処理は図 4と同じである。

前述した第 1実施形態では、図 4のステップ 206で、モータ 26とカム軸 1 6の回転速度差 DMC (モータ回転速度 RMとカム軸回転速度 RCとの差)に応 じて可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失トルク TCを算出し、ステップ 2 09で、 モータ回転速度 RMに応じてモータ 26の逆起電力 Eを算出するように した。しかしながら、本第 2実施形態では、図 9のステップ 206 aで、モータ 26とカム軸 1 6の要求回転速度差 DMCreq (要求モータ回転速度 RMreq と カム軸回転速度 RCとの差)に応じて可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失 トルク T Cを算出し、ステップ 2 0 9 aで、要求モータ回転速度 R Mreq に応じ てモ一タ 2 6の逆起電力 Eを算出するようにしている。

このようにすれば、モータ制御値の算出に用いる可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失トルク T Cとモータ 2 6の逆起電力 Eをフィードフォワード的に算 出することができるので、モータ回転制御の応答性を向上させることができる。 これにより、レーシング時(空吹かし時)のようにエンジン回転速度(カム軸回 転速度 R C ) が急変化する運転条件下でも、カム軸回転速度 R Cの変化に対して モータ回転速度 R Mを応答良く追従させることができ、バルブタイミング制御精 度を確保することができる。

《第 3実施形態》

次に、図 1 0乃至図 1 2を用いて本発明の第 3実施形態を説明する。図 1 2に 示すように、モータ回転速度 R Mが変化すると、モータ 2 6の逆起電力が変化し て有効電圧(バッテリ電圧と逆起電力との差)が変化する。また、モータ回転速 度 R Mの増速時と減速時とでは、有効電圧が異なる。

本第 3実施形態では、図 1 0に示すモータ制御値算出プログラムを実行するこ とで、モータ 2 6への供給電力をデューティ制御するためのデューティ値をモー タ制御値として算出する。このデューティ制御では、供給電圧のデューティ値(通 電率)を調整することで、供給電圧のパルス幅を調整してモータ 2 6への供給電 力を調整する。この場合、デューティ値が同じでも、有効電圧(バッテリ電圧と 逆起電力との差)が変化すると、供給電圧パルスの振幅が変化するため、その分、 モータ 2 6への供給電力が変化する。

そこで、本第 3実施形態では、図 1 0に示すモータ制御値算出プログラムを実 行することで、モータ回転速度 R M及びその増減状態に基づいてデューティ値を 補正する。これにより、モータ回転速度 R Mやその増減状態によって有効電圧が 変化するのに対応してデューティ値を補正することができる。

図 1 0に示すモータ制御値算出プログラムは、前述の第 1実施形態で説明した 図 4のステップ 2 0 8〜2 1 0の処理を、ステップ 2 0 8 b〜 2 1 0 bの処理に 変更したものであり、これ以外のステップの処理は図 4と同じである。

本プログラムでは、ステップ 2 0 7で、モータ回転速度 R Mを要求モータ回転 速度 RMreq に制御するのに必要な要求モータトルク TMreq を算出する。その 後、ステップ 208 bに進み、要求モータトルク TMreq をマップ等により要求 デューティ値 DDu t yに換算する。

この後、ステップ 209 bに進み、図 1 1 (a) 及び(b) に示すモータ増速 時及びモータ減速時の有効電圧補正係数 Kのマップ又は数式を用いて、モータ回 転速度 RM及びその増減状態に応じた有効電圧補正係数 Kを算出する。

図 1 2に示すように、モータ增速時には、モータ回転速度 RMが速くなるほど 有効電圧(バッテリ電圧と逆起電力との差)が小さくなり、モータ減速時には、 モータ回転速度 RMが遅くなるほど有効電圧が小さくなる。このため、図 1 1 (a) に示すモータ増速時の有効電圧補正係数 Kのマップは、モータ回転速度 RMが速 くなるほど有効電圧補正係数 Kを大きくして最終デューティ値 Du t yを大きく するように設定される。また、図 1 1 (b) に示すモータ減速時の有効電圧補正 係数 Kのマップは、モータ回転速度 RMが遅くなるほど有効電圧補正係数 Kを大 きくして最終デューティ値 Du t yを大きくするように設定されている。

有効電圧補正係数 Kの算出後、ステップ 2 1 0 bに進み、式(6) のように要 求デューティ値 DDu t yを有効電圧補正係数 Kで補正して、モータ回転速度 R Μを要求モータ回転速度 RMreq に制御するのに必要な最終デューティ値 D u t yを求める。

Du t y=DDu t y XK ··· (6)

以上説明した本第 3実施形態では、モータ回転速度 RM及びその増減状態に応 じてデューティ値を補正するようにした。このため、モータ回転速度 RMやその 増減状態によつて有効電圧が変化して供給電圧パルスの振幅が変化するのに対応 して、デューティ値を補正して供給電圧のパルス幅を補正することができる。こ の結果、供給電圧パルスの振幅変化による供給電力の変化分を供給電圧のパルス 幅の補正で補うことができる。これにより、モータ回転速度 RMやその増減状態 によって変化する有効電圧の影響を受けない安定したモータ回転制御を行なうこ とができる。

《第 4実施形態》

前述の第 1実施形態では、カム軸回転速度 RCに要求回転速度差 DMCreq を 加算して要求モータ回転速度 RMreq を求め、モータ回転速度 RMを要求モータ 回転速度 RMreq に制御するようにモータ制御値を算出するようにした。それに 対して、図 1 3に示す本発明の第 4実施形態では、モータ回転速度 RMをカム軸 回転速度 R Cと同じ基本モータ回転速度 RMbase に制御するための基本制御値 を算出すると共に、モータ回転速度 RMを基本モータ回転速度 RMbaseに対して 要求回転速度差 DMCreq だけ変化させるための変化制御値を算出し、基本制御 値と変化制御値とに基づいてモータ制御値を算出するようにしている。

本第 4実施形態で実行する図 1 3のモータ制御値算出プログラムでは、まずス テツプ 30 1で、目標バルブタイミング VTtgと実バルブタイミング VTとの偏 差 Dが所定値以下であるか否かを判定する。この偏差 Dが所定値以下であれば、 ステップ 302に進み、後述する要求トルク TAreq 、損失トルク変化量 ΔΤΒ、 損失トルク TC、逆起電力変化量 Δ Εを全て「0」にリセットした後、ステップ 307に進む。

一方、ステップ 30 1で、目標バルブタイミング VTtgと実バルブタイミング VTとの偏差 Dが所定値よりも大きいと判定された場合には、ステップ 303に 進む。ステップ 303では、図 5に示す要求トルク TAreq のマップ又は数式を 用いて、要求回転速度差 DMCreq (要求モータ回転速度 RMreq とカム軸回転 速度 RCとの差)に応じた要求トルク TAreq を算出する。その後、ステップ 3 04に進み、過渡時(カム軸回転速度 RCの変化時)であれば、図 6に示すカム 軸 1 6側の損失トルク TBのマップ又は数式を用いて、カム軸回転速度変化量 Δ RCに応じたカム軸 1 6側の損失トルク変化量 ΔΤΒを算出する。

この後、ステップ 305に進み、図 7に示す可変バルブタイミング装置 1 8内 部の損失トルク TCのマップ又は数式を用いて、モータ 26とカム軸 1 6の回転 速度差 DMC (モータ回転速度 RMとカム軸回転速度 RCとの差 DMC) に応じ た可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失トルク TCを算出する。次に、ステ ップ 306では、図 8に示すモータ 26の逆起電力 Eのマップ又は数式を用いて、 モータ回転速度変化量 A RM (モータ回転速度 RM—基本モータ回転速度 RM base) に応じたモータ 26の逆起電力変化量 Δ Eを算出する。

これら要求トルク TAreq 、カム軸 16側の損失トルク変化量 ΔΤΒ、可変バ P T/JP2003/013578

19

ルブタイミング装置 1 8内部の損失トルク TC、モータ 26の逆起電力変化量 Δ Eが、モータ回転速度 RMを基本モータ回転速度 RMbase (=カム軸回転速度 R C) に対して要求回転速度差 DMCreq だけ変化させるための変化制御値に相当 する。

この後、ステップ 307に進み、図 6に示すカム軸 1 6側の損失トルク T Bの マップ又は数式を用いて、カム軸回転速度 RCに応じたカム軸 16側の損失トル ク TBを算出する。ステップ 308では、図 8に示すモータ 26の逆起電力 Eの マップ又は数式を用いて、基本モータ回転速度 RMbase (=カム軸回転速度 RC) に応じたモータ 26の基本逆起電力 Ebaseを算出する。これらカム軸 1 6側の損 失トルク TBとモータ 26の基本逆起電力 Ebaseが、モータ回転速度 RMを基本 モータ回転速度 RMbase (=カム軸回転速度 RC) に制御するための基本制御値 に相当する。

次のステップ 309で、式(7) に示すように、要求トルク TAreq にカム軸 1 6側の損失トルク TBと損失トルク変化量 Δ TBと可変バルブタイミング装 置 1 8内部の損失トルク TCとを加算して、モータ回転速度 RMを要求モータ回 転速度 RMreq に制御するのに必要な要求モータトルク TMreq を求める。

TMreq = T Areq + TB+ ATB + TC … (7)

この後、ステップ 3 10に進み、要求モータトク TMreq をマップ等により 要求モータ電圧 VDに換算する。ステップ 3 1 1では、式(8) に示すように、 要求モータ電圧 VDに基本逆起電力 Ebase と逆起電力変化量 ΔΕとを加算して、 モータ回転速度 RMを要求モータ回転速度 RMreq に制御するのに必要なモータ 印加電圧 VMを求める。

VM= VD + Ebase+ Δ Ε … (8)

以上の処理により、目標バルブタイミング VTtgと実バルブタイミング VTと の偏差 Dが所定値よりも大きくなつたときには、モータ回転速度 RMを基本モー タ回転速度 RMbase (=カム軸回転速度 RC) に制御するための基本制御値(T Areq 、 ΔΤΒ、 TC、 Δ E) と、モータ回転速度 RMを基本モータ回転速度 R Mbaseに対して要求回転速度差 DMCreq だけ変化させるための変化制御値(T B、 Ebase) とに基づいてモータ印加電圧 VMを算出する。これにより、モータ 2 6とカム軸 1 6との回転速度差 DM Cを要求回転速度差 DM Creq に一致させ るようにモータ 2 6の回転速度をフィードフォワード的に制御して、実バルブタ ィミング VTを目標バルブタイミング VTtg の方向へ応答良く変化させること ができる。

そして、目標バルブタイミング VTtgと実バルブタイミング VTとの偏差 Dが 所定値以下になったときに、モータ回転速度 RMを基本モータ回転速度 RMbase (=カム軸回転速度 RC)に制御するのに必要なモータ印加電圧 VMを算出する。 これにより、モータ 26とカム軸 1 6との回転速度差 DMCを 0にするようにモ ータ 2 6の回転速度を制御し、実バルブタイミング VTを目標バルブタイミング VTtg又はその近傍に安定保持する。このようにしても、モータ駆動方式で実バ ルブタイミングを目標バルブタイミングに精度良く制御することができ、バルブ タイミング制御精度を向上させることができる。

《第 5実施形態》

本発明の第 5実施形態で実行する図 1 4に示すモータ制御値算出プログラムは、 前述の第 4実施形態で説明した図 1 3のステップ 3 0 5とステップ 3 0 6の処理 を、それぞれステップ 30 5 aとステップ 3 0 6 aの処理に変更したものであり、 これ以外のステップの処理は図 1 3と同じである。

前述の第 4実施形態では、図 1 3のステップ 3 0 5で、モータ 26とカム軸 1 6の回転速度差 DMC (モータ回転速度 RMとカム軸回転速度 RCとの差)に応 じて可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失トルク TCを算出し、次のステツ プ 3 0 6で、モータ回転速度変化量 A RM (モータ回転速度 RM—基本モータ回 転速度 RMbase) に応じてモータ 2 6の逆起電力変化量 Δ Eを算出した。それに 対して、本第 5実施形態では、図 1 4のステップ 3 0 5 aで、モータ 2 6とカム 軸 1 6の要求回転速度差 DMCreq (要求モータ回転速度 RMreq とカム軸回転 速度 RCとの差)に応じて可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失トルク TC を算出する。そして、次のステップ 3 06 aで、要求モータ回転速度変化量厶 R Mreq (要求モータ回転速度 R Mreq —基本モータ回転速度 RMbase) に応じて モータ 2 6の逆起電力変化量 Δ Eを算出する。

このようにすれば、モータ制御値の算出に用いる可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失トルク T Cとモータ 2 6の逆起電力変化量 Δ Εをフィードフォヮ ード的に算出することができる。従って、モータ回転制御の応答性を向上させる ことができ、前述の第 2実施形態と同じ効果を得ることができる。

尚、第 4及び第 5実施形態では、モータ制御値としてモータ印加電圧を算出す るようにした力、モータ制御値としてデューティ値を算出するようにしても良レ、。 その際、第 3実施形態と同じように、モータ回転速度及びその増減状態に基づい てデューティ値を補正するようにすると良い。

また、第 1〜第 5実施形態では、バルブタイミング変化速度に対して制限値(制 限速度 V s ) を設けるようにしたが、モータ 2 6とカム軸 1 6との回転速度差や モータ回転速度に対して制限値を設けるようにしても良い。更に、それらの制限 値をエンジン運転状態(例えばエンジン回転速度、冷却水温、吸入空気量、負荷 等)に応じて変化させるようにしても良い。

また、バルブタイミングゃバルブタイミング変化速度の目標値に対する収束状 態に基づいて、モータ制御値又はモータ制御値の算出に用いる制御パラメータ(要 求トルク T Areq 、カム軸 1 6側の損失トルク T B、可変バルブタイミング装置 1 8内部の損失トルク T C、モータ 2 6の逆起電力 E、有効電圧補正係数 K等) を修正し、その修正結果を学習するようにしても良い。また、その修正結果に基 づいて各制御パラメータの算出に用いるマツプゃ数式を修正するようにしても良 レ、。

《第 6実施形態》

次に、本発明の第 6実施形態について説明する。

現在、実用化されている可変バルブタイミング装置は、内燃機関のクランク軸 に対するカム軸の回転位相(以下「カム軸位相」という)を可変することで、力 ム軸によって開閉駆動される吸気バルブや排気バルブのバルブタイミングを可変 するものが多い。その際に、実バルブタイミング(実カム軸位相)を検出する方 法として、例えば、特開 2 0 0 1— 3 5 5 4 6 2号公報)に記載されているよう に、所定クランク角毎にクランク角センサから出力されるクランク角信号と所定 カム角毎にカム角センサ出力されるカム角信号とに基づいて実バルブタイミング を算出するようにしたものがある。

しかし、上記従来のバルブタイミング算出方法では、前回のカム角信号が出力 されてから次のカム角信号が出力されるまでの期間(つまりカム角信号が出力さ れない期間)は、実バルブタイミングを算出することができない。このため、実 際には実バルブタイミングが萆続的に変化していても、実バルブタイミングの算 出値を段階的にしか更新することができず、その分、可変バルブタイミング制御 精度が低下するという欠点があった。

そのため、本第 6実施形態では、カム角信号が出力されない期間においても、 実バルブタイミングを算出することができ、可変バルブタイミング制御精度を向 上させることができる内燃機関の可変バルブタイミング制御装置を提供すること を目的とする。

まず、本第 6実施形態による内燃機関の可変バルブタイミング制御装置の概略 について説明する。本第 6実施形態による可変バルブタイミング装置は、カム軸 と同心状に配置され且つクランク軸の回転駆動力によって回転駆動される第 1の 回転部材と、カム軸と一体的に回転する第 2の回転部材と、第 1の回転部材の回 転力を第 2の回転部材に伝達し且つ第 1の回転部材に対する第 2の回転部材の回 転位相を変化させる位相可変部材と、この位相可変部材の回転位相を制御するよ うにカム軸と同心に配置されたモータとを備え、バルブタイミングを変化させな いときは、モータの回転速度をカム軸の回転速度に一致させて、位相可変部材の 旋回速度をカム軸の回転速度に一致させることで、第 1の回転部材と第 2の回転 部材との回転位相の差を現状維持してカム軸位相を現状維持し、バルブタイミン グを変化させるときは、モータの回転速度をカム軸の回転速度に対して変化させ て、位相可変部材の旋回速度をカム軸の回転速度に対して変化させることで、第 1の回転部材と第 2の回転部材との回転位相の差を変化させてカム軸位相を変化 させるように構成している。この構成では、モータ全体を回転させる必要がない ため、可変バルブタイミング装置の回転系の慣性重量を軽量化することができる と共に、モータと外部の電気配線とを固定的な接続手段によつて直接接続するこ とができ、総じて、可変バルブタイミング装置の耐久性を向上させることができ る。しかも、可変バルブタイミング装置の構成が比較的簡単であり、低コスト化 の要求も満たすことができる。

また、第 6実施形態のように、モータの回転速度をカム軸の回転速度に対して 変化させてバルブタイミングを可変する可変バルブタイミング装置では、モータ の回転速度とカム軸の回転速度との差に応じてバルブタイミング変化量(カム軸 位相変化量)が変化する。このため、モータの回転速度とカム軸の回転速度との 差に基づいてバルブタイミング変化量を算出することができる。

この点に着目して、第 6実施形態では、カム角センサからカム角信号が出力さ れる毎に、該カム角信号とクランク角センサから出力されるクランク角信号とに 基づいてカム角信号出力時の実バルブタイミングを算出すると共に、所定の演算 周期で、モータの回転速度とカム軸の回転速度との差に基づいてバルブタイミン グ変化量を算出し、所定の演算周期で、カム角信号出力時の実バルブタイミング とバルブタイミング変化量とに基づいて最終的な実バルブタイミングを算出する ようにした。

具体的には、演算周期当りのバルブタイミング変化量を算出してその算出値を 積算すると共に、カム角信号が出力される毎にバルブタイミング変化量の積算値 をリセットし、最新のカム角信号出力時の実バルブタイミングの算出値に、それ 以後のバルブタイミング変化量の積算値を加算して最終的な実バルブタイミング を求めるようにすると良い。

モータの回転速度とカム軸の回転速度との差に基づいて算出するバルブタイミ ング変化量は、カム角信号が出力されない期間でも算出することができるので、 カム角信号が出力されない期間に、最新のカム角信号出力後のバルブタイミング 変化量を算出すれば、最新のカム角信号出力時の実バルブタイミングに、それ以 後のバルブタイミング変化量を加算して最終的な実バルブタイミングを精度良く 求めることができる。これにより、カム角信号が出力されない期間でも、実バル ブタイミングを連続的に精度良く算出することが可能となり、可変バルブタイミ ング制御精度を向上させることができる。

ところで、バルブタイミング変化量を算出する際に用いるカム軸の回転速度は、 カム角信号の出力周期に基づいて算出することが考えられるが、一般に、カム軸 1回転当りのカム角信号の出力数は少ないため、各気筒の爆発行程毎に変動する カム軸の回転速度の変動をカム角信号の出力周期から検出することは困難である c 一方、クランク角センサから出力されるクランク角信号の数は、カム角信号の数 と比べて遥かに多いため、クランク角信号を用いれば、各気筒の爆発行程毎に変 動するクランク軸の回転速度の変動を検出することができる。

そこで、クランク軸が 2回転する間にカム軸が 1回転するという関係を考慮し て、カム軸の回転速度のデータとして、クランク角センサのクランク角信号の出 力周期に基づいて検出されるクランク軸の回転速度の 1 2の値を用いるように すると良い。このようにすれば、少ないカム角信号からカム軸の回転速度を検出 する場合よりも精度の良いカム軸の回転速度を用いてバルブタイミング変化量を 算出することができ、実バルブタイミングの算出精度を向上することができる。 内燃機関の停止中には、カム軸の回転速度が 0になるため、停止時の実バルブ タイミングの算出値に、それ以後のバルブタイミング変化量の積算値を加算して 最終的な実バルブタイミングを求めるか又は基準位置からバルブタイミングの変 化量の積算値で最終的な実バルブタイミングを求めるようにすると良い。これに より、内燃機関の停止中でも、実バルブタイミングを精度良く算出することがで き、内燃機関の停止中でも実バルブタイミングを目標値に制御することができる。 また、停止時の実バルブタイミングが不明な場合も、機械的な基準位置(例えば 最遅角位置)又は他の手段で検出した基準位置からのバルブタイミング変化量の 積算値で実バルブタイミングを算出することができる。

また、カム角センサが故障すると、カム角信号が出力されなくなることを考慮 して、カム角センサの故障時には、故障前の最後のカム角信号出力時の実バルブ タイミングの算出値に、それ以後のバルブタイミング変化量の積算値を加算して 最終的な実バルブタイミングを求めるか又は基準位置からバルブタイミングの変 化量の積算値で最終的な実バルブタイミングを求めるようにすると良い。これに より、カム角センサの故障時でも、実バルブタイミングを精度良く算出すること ができ、カム角センサの故障中でも実バルブタイミングを目標値に制御すること ができる。また、カム角センサ故障前の実バルブタイミングが不明な場合も、機 械的な基準位置(例えば最遅角位置)又は他の手段で検出した基準位置からのバ ルブタイミング変化量の積算値で実バルブタイミングを算出することができる。 以下、第 6実施形態による可変バルブタイミング制御装置について図面に基づ いて詳細に説明する。なお、第 6実施形態による可変バルブダイミング制御装置 のシステム構成は、図 1及び図 2に示すものと同様であるため、説明を省略する。 第 6実施形態における E C U 3 0は、可変バルブタイミング制御プログラム(図 示せず)を実行することで、吸気バルブの実バルブタイミングを目標バルブタイ ミングに一致させるように可変バルブタイミング装置 1 8をフィードバック制御 する。

その際、 E C U 3 0は、図 1 5乃至図 1 7に示す実バルブタイミング算出プロ グラムを実行することで、クランク角センサ 2 0から出力されるクランク角信号 とカム角センサ 1 9から出力されるカム角信号とに基づいてセンサ出力時の実バ ルブタイミング V T Cを算出する。さらに、モータ 2 6の回転速度 R Mと吸気側 カム軸 1 6の回転速度 R Cとの差に基づいてバルブタイミング変化量 Δ V Tを 算出する。そして、カム角信号出力時の実バルブタイミング V T Cに、それ以後 のバルブタイミング変化量 A V Tを加算して最終的な実バルブタイミング V T を求める。

図 1 5乃至図 1 7に示す実バルブタイミング算出プログラムは、イダ-ッショ ンスィッチ(図示せず)のオン後に所定時間毎に実行される。本プログラムが起 動されると、まず、ステップ 4 0 1で、エンジン回転中であるか否かを、例えば、 クランク角センサ 2 0から出力されるクランク角信号の出力周期から算出したェ ンジン回転速度が 0か否かによつて判定する。

エンジン回転中と判定されれば、ステップ 4 0 2に進み、カム角センサ 1 9が 正常であるか否かを、カム角センサ故障診断プログラム(図示せず)による故障 診断結果に基づいて判定する。その結.果、カム角センサ 1 9が正常である(故障 していない)と判定されれば、ステップ 4 0 3に進み、カム角センサ 1 9から出 力されるカム角信号が入力されたか否かを判定する。

そして、カム角信号が入力されたと判定されたときに、ステップ 4 0 4に進み、 カム角信号の入力時刻 T eam を E C U 3 0のメモリ(図示せず)に記憶する。そ の後、ステップ 4 0 5に進み、その直後にクランク角センサ 2 0から出力された クランク角信号の入力時刻 T crk をメモリに記憶する。

この後、ステップ 4 0 6に進み、クランク角信号に対するカム角信号の時刻差 TVTを式 (9) により算出する。

T VT-Tcrk -Team +K ··· (9)

ここで、 Κは、カム角センサ 1 9とクランク角センサ 20の応答遅れの差を補 正するための補正量である。

そして、次のステップ 407で、クランク角信号に対するカム角信号の時刻差 TVTを用いて、 式(10) によりクランク角信号に対するカム角信号の回転位 相 VTBを算出する。

VTB = TVT/T120 X 1 20°CA ··· (10)

ここで、 T120 は、クランク軸 1 2が 1 20°CA回転するのに要した時間であ り、クランク角センサ 20の出力信号に基づいて算出される。

この後、ステップ 408に進み、バルブタイミングが基準位置(例えば最遅角 位置)に制御された状態であるか否かを判定する。バルブタイミングが基準位置 であれば、ステップ 409に進み、式(1 1) に示すように、現在のクランク角 信号に対するカム角信号の回転位相(カム軸位相) VTBを、クランク軸 1 2に 対する吸気側カム軸 1 6の回転位相の基準位置(基準カム軸位相) VTBKとし て学習した後、ステップ 4 10に進む。

VT BK = VT B ··· (1 1)

一方、ステップ 408で、バルブタイミングが基準位置ではないと判定された 場合には、ステップ 409の基準位置学習処理を行わずにステップ 4 1 0に進む。 ステップ 4 10では、式(1 2) に示すように、現在のクランク角信号に対する カム角信号の回転位相 VTBと基準位置 VTBKとを用いて、基準位置 VTBK を基準としたカム角信号の回転位相 VTCを算出する。これがカム角信号出力時 の実バルブタイミング VT Cとなる。

VTC = VTB-VTBK ··· (1 2)

これらのステップ 403〜4 1 0の処理が、特許請求の範囲でいうカム角信号 出力時バルブタイミング算出手段としての役割を果たし、カム角信号が入力(出 力)される毎に、カム角信号とクランク角信号とに基づいてカム角信号出力時の 実バルブタイミング VTCを算出する。

この後、ステップ 4 1 1に進み、カム角信号出力時の実バルブタイミング VT Cが算出される毎(カム角信号が入力される毎)に、後述するバルブタイミング 変化量 AVTH:、 AVTSを両方とも「0」にリセットする。その後、ステップ 4 1 9に進み、最終的な実バルブタイミング VTを式( 1 3) により算出する。

VT = VTC+ Δ VTH+ Δ VT S ··· ( 1 3)

従って、カム角信号の入力時(出力時)には、ステップ 4 1 1のリセット処理 により、 ΔνΤΗ=0、 AVT S = 0となるため、 VT = VTCとなる。

一方、ステップ 403で、カム角信号が入力されていないと判定された場合に は、図 1 6のステップ 4 1 2に進み、式( 14) のように、モータ 26の回転速 度 RM [r pm] と吸気側カム軸 1 6の回転速度 R C [ r p m] との回転速度差 DMC [ r p m] を算出する。

DMC = RM-RC … ( 14)

この場合、吸気側カム軸 1 6の回転速度 RCは、式(1 5) に示すように、ク ランク角センサ 20から出力されるクランク角信号の出力周期に基づいて算出し たクランク軸 1 2の回転速度(エンジン回転速度) X 1Z2の値を用いる。

カム軸回転速度 RC =クランク軸回転速度 X 1/2 - (1 5) この後、ステップ 4 1 3に進み、式(1 6) に従って回転速度差 DMC [ r p m] を 1秒当りの回転差 RVT [r e v/ s] に換算する。

R VT = DMC/60 … ( 1 6)

そして、次のステップ 4 14で、バルブタイミング変化量 Δ VTHの演算周期 (本プログラムの実行周期) P [ s] 当りのバルブタイミング変化量 d VTHを 式 ( 1 7) により算出する。

d VTH = R VT/G X 720°CA X P ··· (1 7)

ここで、 Gは位相可変機構 2 1の減速比であり、吸気側カム軸 1 6に対するモ ータ 26の相対回転量とバルブタイミング変化量(カム軸位相の変化量)との比 である。

この後、ステップ 4 1 5に進み、式(1 8) に示すように、演算周期 P当りの バルブタイミング変化量 d VTHを積算して、バルブタイミング変化量 Δ VTH を算出する。

Δ VTH= Δ VTH+ d VTH ··· (1 8)

これらのステップ 4 1 2〜4 1 5の処理が、特許請求の範囲でいうバルブタイ ミング変化量算出手段としての役割を果たし、カム角信号が入力されない期間に、 演算周期 P当りのバルブタイミング変化量 d VTHを積算して、最新のカム角信 号出力後のバルブタイミング変化量 Δ VTHを求める。

また、図 1 5のステップ 402で、カム角センサ 1 9が故障していると判定さ れた場合も、これらのステップ 4 1 2〜4 1 5の処理を実行する。すなわち、力 ム角センサ 1 9の故障中に演算周期 P当りのバルブタイミング変化量 d VTHを 積算して、カム角センサ 1 9の故障前の最後のカム角信号出力時から現在までの バルブタイミング変化量 Δ VTHを求める。

バルブタイミング変化量 ΔνΤΗの算出後、図 1 5のステップ 4 1 9に進み、 最終的な実バルブタイミング VTを上述した式(1 3) により算出する。カム角 センサ 1 9の故障時は、 AVTS = 0であるため、 VT = VTC + AVTHとな る。

一方、ステップ 40 1で、エンジン停止中と判定された場合には、図 1 7のス テツプ 416に進む。ステップ 4 1 6では、式( 1 9) に示すように、モータ 2 6の回転速度 RM [ r p m] のみを用いて 1秒当りの回転差 R V T [ r e v/ s ] を算出する。

R VT = RM/60 ··· (1 9)

この後、ステップ 4 1 7に進み、バルブタイミング変化量 Δ VT Sの演算周期 (つまり本プログラムの実行周期) P [s] 当りのバルブタイミング変化量 d V T Sを式(20) により算出する。

d VT S = R VT/G X 720°CAX P ··· (20)

ここで、 Gは位相可変機構 2 1の減速比である。

この後、ステップ 4 1 8に進み、式(2 1) に示すように、演算周期 p当りの バルブタイミング変化量 d VT Sを積算して、停止前の最後のカム角信号出力か ら現在までのバルブタイミング変化量 Δ VTSを求める。

厶 VT S = Δ VT S + d VT S ··· (2 1)

これらのステップ 4 1 6〜4 1 8の処理も特許請求の範囲でいうバルブタイミ ング変化量算出手段としての役割を果たす。

バルブタイミング変化量 AVT Sの算出後、図 1 5のステップ 4 1 9に進み、 最終的な実バルブタイミング VTを上述した式(1 3)により算出する。ここで、 エンジン停止中は ΔνΤΗ= 0であるため、 VT-VTC+ A VT Sとなる。尚、 このステップ 4 1 9の処理が特許請求の範囲でいう最終バルブタイミング算出手 段としての役割を果たす。

以上の処理により、エンジン回転中にカム角信号が入力される毎に、カム角信 号とクランク角信号とに基づいてカム角信号出力時の実バルブタイミング VTC が算出される。そして、カム角信号の入力時(出力時)には、ステップ 4 1 1の リセット処理により、バルブタイミング変化量 Δ VTH、 Δ VT Sが 0にリセッ トされるため、カム角信号出力時の実バルブタイミング VTCがそのまま最終的 な実バルブタイミング VTとなる。

一方、カム角信号が入力されない期間には、モータ 2 6と吸気側カム軸 1 6の 回転速度差 DMCに基づいて、演算周期当りのバルブタイミング変化量 d VTH を算出して積算する。そして、最新のカム角信号出力時の実バルブタイミング V TCに、 それ以後のバルブタイミング変化量 AVTH (dVTHの積算値)を加 算して最終的な実バルブタイミング VTを求める。これにより、カム角信号が出 力されない期間でも、実バルブタイミング V Tを連続的に精度良く算出すること が可能となり、可変バルブタイミング制御精度を向上させることができる。

また、エンジン停止時には、停止前の最後のカム角信号出力時の実バルブタイ ミング VTCに、それ以後のバルブタイミング変化量 AVT Sを加算して最終的 な実バルブタイミング VTを求める。このため、エンジン停止中でも、実バルブ タイミング VTを精度良く算出することができ、実バルブタイミング VTを目標 値に制御することができる。

また、カム角センサ 1 9の故障時には、故障前の最後のカム角信号出力時の実 バルブタイミング VTCに、それ以後のバルブタイミング変化量 ΔνΤΗを加算 して最終的な実バルブタイミング VTを求める。このため、カム角センサ 1 9の 故障時でも、実バルブタイミング VTを精度良く算出することができ、実バルブ タイミング VTを目標値に制御することができる。

尚、エンジン停止時やカム角センサ 1 9の故障時に、機械的な基準位置(例え ば最遅角位置)又は他の手段で検出した基準位置からのバルブタイミング変化量 の積算値で実バルブタイミングを算出するようにしても良い。

《第 7実施形態》

次に、第 7実施形態について説明する。上述した第 6実施形態では、モータ 2 6の回転速度 RMと吸気側カム軸 1 6の回転速度 RCとの差に基づいてバルブタ ィミング変化量 Δ VTを算出し、カム角信号出力時の実バルブタイミング VTC に、それ以後のバルブタイミング変化量 Δ VTを加算して最終的な実バルブタイ ミング VTを求めた。

これに対して、第 7実施形態では、モータ 26の回転速度 RMと吸気側カム軸 1 6の回転速度 RCとの差(バルブタイミング変化量 ΔνΤ) を、モータ 26の 回転角度の変化量と、カム軸の回転角度の変化量とに基づいて算出し、カム角信 号出力時の実バルブタイミング VTCに、それ以降のバルブタイミング変化量厶 VTを加算して最終的な実バルブタイミングを求める。

以下、バルブタイミング変化量 ΔνΤを、モータ 26の回転角度の変化量と、 カム軸の回転角度の変化量とに基づいて算出する第 7実施形態を図 1 8、図 1 9 のフローチャートを用いて説明する。尚、図 1 8は、第 6実施形態において説明 した図 1 6のエンジン運転中のバルブタイミング変化量 Δ VTHを算出するた めの処理に替えて行われる処理を示す。また、図 1 9は、図 1 7のエンジン停止 中のバルブタイミング変化量 Δ VT Sの算出するための処理に替えて行われる 処理を示す。なお、第 6実施形態における図 1 5のフローチャートに示す処理は、 第 7実施形態においても全く同様に実行される。

まず、図 1 8のフローチャートについて説明する。図 1 8は、エンジン運転中 にカム角センサ信号が入力された後の実バルブタイミングを算出するための処理 である。この処理においては、モータ回転角の変化量とカム軸回転角の変化量を 比較する。モータ回転角の変化量とカム軸回転角の変化量を比較するために、第 7実施形態では、モータ角度信号の出力回数カウンタのカウント値とクランク角 度信号の出力回数カウンタのカウント値との比較を行っている。

ここで、カム軸信号を用いる代わりに、クランク角度信号を用いる理由は、ク ランク軸とカム軸とが減速比 1/2で接続されており、クランク角度信号を用いて もカム軸の角度信号を把握できることに加え、一般的に、カム軸パルスに対して クランク軸パルスの方が多パルスであるからである。これにより、カム角度信号 を用いるよりも、クランク角度信号を用いる方が精度良くカム軸回転角の変化量 を求めることができる。

尚、本実施形態では、クランク軸のパルスは 1 0 ° C A毎に合計 3 6個あり、 実際の演算に用いられるパルスは 3 0。 C A毎のパルスである。つまり、 1 2個 のパルスが用いられている。一方、モータ 2 6には、 3 0 ° C A毎のパルスを用 いている。

しかしながら、カム軸とクランク軸には 1 / 2の減速比がある。そこで、まず、 ステップ 4 2 0では、モータ 2 6の回転角度のカウント値と、クランク角度信号 のカウント値の 1カウントあたりの変化角度を同一とするように、例えばクラン ク角度信号のカウント値を 1/2に補正する。逆に、モータ 2 6の回転角度のカウ ント値を 2倍するように補正しても良い。このようにして、両カウンタの 1カウ ント値の角度変化量を揃えて、ステップ 4 2 1に進む。

ステップ 4 2 1では、クランク回転角度の変化量を算出する。実際には、前回 の演算時から今回の演算時までにカウントされたクランク角度信号のカウント値 に基づいて変化量を算出する(クランク角カウンタの変化量 =今回演算時クラン ク角カウンタ一前回演算時クランク角カウンタ)。

次に、ステップ 4 2 2に進み、モータ 2 6の回転角度の変化量を算出する。実 際には、前回の演算時から今回の演算時までにカウントされたモータ 2 6の回転 角度信号のカウント値に基づいて変化量を算出する(モータ角カウンタの変化量 =今回演算時モータ角カウンター前回演算時モータ角カウンタ)。

そして、続くステップ 4 2 3において、クランク角カウンタの変化量とモータ 角カウンタの変化量の差を算出し、ステップ 4 2 4において、カム軸に対するモ ータの角度変化量を算出する。具体的には、ステップ 4 2 4において、「カム軸に 対するモータの角度変化量 = (モータ角カウンタの変化量一クランク角カウンタ の変化量) X 1カウントあたりの回転角度」で示される演算式を用いてカム軸に 対するモータの角度変化量を演算する。

次に、ステップ 4 2 5では、カム軸に対するモータの角度変化量にバルブタイ ミング変更部の減速比 1/G分を補正して、演算周期当たりのバルブタイミングの 変化量 d VTHを算出する(バルブタイミング変化量 d VTH =カム軸に対する モータの角度変化量 ZG (減速比))。ここで、 Gは可変バルブタイミング装置 1 8の位相可変機構 2 1の減速比であり、吸気側カム軸 1 6に対するモータ 26の 相対回転量とバルブタイミング変化量(カム軸位相の変化量)との比である。 この後、ステップ 426に進み、式(2 2) に示すように、前回の演算から今 回の演算までに変化したバルブタイミングの位相、つまり、バルブタイミング変 化量 d VTHを前回までのバルブタイミング変化量 Δ VTHに積算して、最終的 なバルブタイミング変化量 ΔνΤΗを算出する。

厶 VTH AVTH ( i - 1 ) + d VTH ··· (22)

これらのステップ 420 426の処理が、特許請求の範囲でいうバルブタイ ミング変化量算出手段としての役割を果たし、カム角信号が入力されない期間の バルブタイミングの変化量 Δ VTHを算出する。

また、図 1 5のステップ 402において、カム角センサ 1 9が故障したと判定 された場合であっても、図 18の処理を実行してカム角センサ 1 9の故障中のバ ルブタイミング変化量 dVTHを積算して、カム角センサ 1 9の故障前の最後の カム角信号出力時から現在までのバルブタイミング変化量 Δ VTHを求める事 も可能である。これにより、カム角センサ 1 9が故障した場合であっても、精度 良く実バルブタイミングを演算できる。

バルブタイミング変化量 Δ VTHの算出後は、図 1 5のステップ 41 9に進み、 最終的な実バルブタイミング VTを上述した式(1 3) により算出する。なお、 カム角センサ 1 9の故障時は、 AVTS = 0であるため、 VT = VTC+AVT Hとなる。

上述した図 1 8のフローチャートによる処理による実バルブタイミングの算出 例を図 20のタイミングチャートに示す。図 18のフローチャートに示す処理で は、モータ 26の回転角度の変化量と、カム軸の回転角度の変化量との差に基づ いて、カム角信号出力時の実バルブタイミング VTCに、それ以降のバルブタイ ミング変化量 ΔνΤΗを加算して最終的な実バルブタイミング VTを求めてい る。従って、図 20のタイミングチャートに示すように、カム角信号が入力され ない期間においても、実バルブタイミング VTを連続的に精度良く算出すること が可能となり、可変バルブタイミング制御精度を向上させることができる。 一方、図 1 5のフローチャートのステップ 4 0 1で、エンジン停止中と判定さ れた場合には、図 1 9の処理を実行する。この図 1 9の処理は、エンジン停止中 のバルブタイミング変化量 Δ VT Sを算出するためのものである。

まず、ステップ 4 2 7では、モータ 2 6の回転角度の変化量を算出する。実際 には、前回の演算時から今回の演算時までにカウントされたモータ 2 6の回転角 度信号のカウント値に基づいて変化量を算出する(モータ角カウンタの変化量 = 今回演算時モータ角カウンタ一前回演算時モータ角カウンタ)。そして、ステップ 4 2 8において、モータ 2 6のモータ回転角度の変化量のみで、カム軸に対する モータ 2 6の角度変化量を算出する。具体的には、「カム軸に対するモータの角度 変化量 モータ角カウンタの変化量 X 1カウント値あたりの回転角度」の演算式 を用いて算出する。

次に、ステップ 4 2 9では、カム軸に対するモータ 2 6の角度変化量にバルブ タイミング変更部の減速比 1/G分を補正して、バルブタイミング変化量 d VT S を算出する(バルブタイミング d VT S カム軸に対するモータの角度変化量ノ G (減速比))。

この後、ステップ 4 3 0に進み、式(2 3) に示すように、前回の演算時期か ら今回の演算時期までに変化したバルブタイミング、つまり、バルブタイミング 変化量 d VT Sを前回までの ΔνΤ Sに積算して現在までのバルブタイミング 変化量 AVT Sを算出する。

△ VT S = AVT S ( i - 1 ) +d VT S .■·· (2 3)

従って、図 1 9のフローチャートに示す処理が、特許請求の範囲でいうバルブ タイミング変化量算出手段としての役割を果たす。

バルブタイミング変化量 AVT Sを算出した後、図 1 5のステップ 4 1 9へ進 み、最終的な実バルブタイミング VTを算出する(VT = VTC + Δ VTH+厶 VT S)。ここで、エンジン停止中であるため、 VTH= 0となり、 VT = VTC +厶 VT Sとなる。なお、上記ステップ 4 1 9の処理が特許請求の範囲でいう最 終バルブタイミング算出手段としての役割を果たす。

以上説明したように、図 1 8の処理では、エンジン運転中において、モータ回 転角度の変化量とカム軸回転角度の変化量の比較からバルブタイミング変化量を 算出した場合も、モータと吸気側カム軸の回転速度差に基づいて、バルブタイミ ング変化量を算出した場合と同様に、指針となるカム角信号出力時の実バルブタ ィミング VTCに、それ以降のバルブタイミング変化量 ΔνΤΗを加算して最終 的な実バルブタイミング VTを求める。これにより、カム角信号が出力されない 期間でも、実バルブタイミング VTを連続的に精度良く算出することが可能とな り、可変バルブタイミング制御精度を向上できる。

また、エンジン停止中には、停止前の最後のカム角信号出力時の実バルブタイ ミング VTCに、それ以後のバルブタイミング変化量 ΔνΤ Sを加算して最終的 な実バルブタイミング VTを求めるようにした。このため、エンジン停止中でも 実バルブタイミング VTを精度良く算出することができ、エンジン停止中でも、 実バルブタイミング VTを目標値に制御できる。

また、カム角センサ 1 9の故障時には、故障前の最後のカム各信号出力時の実 バルブタイミング VTCに、それ以後のバルブタイミング変化量 ΔνΤΗを加算 して最終的な実バルブタイミング VTを求めるようにした。このため、カム角セ ンサ 1 9の故障時でも、実バルブタイミング VTを精度良く算出でき、実バルブ タイミング VTを目標値に制御できる。

尚、エンジン停止時やカム角センサ 1 9の故障時に、機械的な基準位置(例え ば最遅角位置)又は他の手段で検出した基準位置からのバルブタイミング変化量 の積算値で実バルブタイミングを算出するようにしても良い。

また、上述した第 6及び第 7実施形態の可変バルブタイミング装置 1 8は、力 ム軸 1 6と同心状に配置され且つクランク軸 1 2の回転駆動力によって回転駆動 されるァウタギヤ 2 2 (第 1の回転部材)と、カム軸 1 6と一体的に回転するィ ンナギヤ 23 (第 2の回転部材)と、ァウタギヤ 22の回転力をインナギヤ 23 に伝達し且つ両ギア 22, 23間の相対的な回転位相を変化させる遊星ギヤ 24 (位相可変部材)と、この遊星ギヤ 24をカム軸 1 6と同心の円軌道に沿って旋 回させるモータ 26とを備え、バルブタイミングを変化させないときは、モータ 26の回転速度をカム軸 1 6の回転速度に一致させて、遊星ギヤ 24の旋回速度 をカム軸 1 6の回転速度に一致させることで、ァウタギヤ 2 2とインナギヤ 2 3 との回転位相の差を現状維持してカム軸位相を現状維持し、バルブタイミングを 変化させるときは、モータ 2 6の回転速度をカム軸 1 6の回転速度に対して変化 させて、遊星ギヤ 2 4の旋回速度をカム軸 1 6の回転速度に対して変化させるこ とで、ァウタギヤ 2 2とインナギヤ 2 3との回転位相の差を変化させてカム軸位 相を変化させるように構成している。この構成では、モータ 2 6全体を回転させ る必要がないため、可変バルブタイミング装置 1 8の回転系の慣性重量を軽量化 することができると共に、モータ 2 6と外部の電気配線とを固定的な接続手段に よって直接接続することができ、総じて、可変バルブタイミング装置 1 8の耐久 性を向上させることができる。しかも、可変バルブタイミング装置 1 8の構成が 比較的簡単であり、低コスト化の要求も満たすことができる。

また、上述した第 1実施形態〜第 7実施形態では吸気バルブの可変バルブタイ ミング制御装置について説明したが、本発明は、吸気バルブの可変バルブタイミ ング制御装置に限定されず、排気バルブの可変バルブタイミング制御装置に適用 しても良い。更に、可変バルブタイミング装置 1 8の位相可変機構は、上述した 実施形態のような遊星歯車機構を用いたものに限定されず、他の方式の位相可変 機構を用いても良く、要は、モータの回転速度をカム軸の回転速度に対して変化 させることでバルブタイミングを可変するモータ駆動式の可変バルブタイミング 装置であれば良い。

《第 8実施形態》

次に、本発明の第 8実施形態について説明する。

一般に、可変バルブタイミング装置は、バルブタイミングの可変範囲の限界位 置 (可変バルブタイミング装置の可動範囲の限界位置)を、位相可変機構の可動 部品をストツバ部に当接させることで機械的に制限するようにしている。このた め、バルブタイミングを可変バルブタイミング装置の可動範囲の限界位置(最遅 角位置や最進角位置)又はその近傍へ制御する際に、オーバーシュートして位相 可変機構の可動部品が十分に減速されずにストツパ部に激突することがある。こ の激突時の衝撃荷重によって、位相可変機構のギヤの嚙み合い部分に大きな荷重 が掛かって、ギヤ同士が嚙み込んでロック状態になったり、ギヤ機構が損傷する おそれがあり、バルブタイミングを正常に制御できなくなってしまう可能性があ る。

そのため、第 8実施形態では、バルブタイミングを可変バルブタイミング装置 の可動範囲の限界位置又はその近傍へ制御する際に、可変バルブタイミング装置 のギヤ機構の嚙み込みや損傷を未然に防止することができ、可変バルブタイミン グ装置の動作信頼性を向上させることが可能な可変バルブタイミング制御装置を 提供することを目的としている。

まず、第 8実施形態による内燃機関の可変バルブタイミング制御装置の概略に ついて説明する。第 8実施形態による可変バルブタイミング制御装置は、実バル ブタイミングが可変バルブタイミング装置の可動範囲の限界位置付近に設定され た所定の速度制限領域内にあるときに、バルブタイミング変化速度を所定速度以 下に制限する速度制限制御を実行するようにしたものである。このようにすれば、 実バルブタイミングが限界位置付近の速度制限領域内にあるときに、バルブタイ ミング変化速度を所定速度以下に減速して位相可変機構の可動部品の動作速度を 強制的に減速することができる。従って、位相可変機構の可動部品が減速されず にストツパ部に激突することを回避することができ、ギヤ機構の嚙み込みや損傷 を未然に防止することができる。

この場合、実バルブタイミングが速度制限領域内にある場合でも、その速度制 限領域の限界位置と反対方向へ実バルブタイミングを変化させるとき(例えば最 遅角位置付近から進角方向へ実バルブタイミングを変化させるとき)には、バノレ ブタイミング変化速度が大きくても、位相可変機構の可動部品とストツバ部との 衝突は発生しない。そのため、実バルブタイミングが速度制限領域内にある場合 でも、その速度制限領域の限界位置と反対方向へ実バルブタイミングを変化させ るときには、速度制限制御を実行しないようにすると良い。このようにすれば、 実バルブタイミングが速度制限領域内であっても、位相可変機構の可動部品とス トツバ部との衝突が発生しない方向へ実バルブタイミングを変化させるときには、 バルブタイミング変化速度を減速しないようにできる。この結果、実バルブタイ ミングを速やかに目標バルブタイミングへ変化させることができ、可変バルブタ ィミング制御の応答性も確保することができる。

ところで、速度制限領域の幅が狭いと、速度制限領域に入るバルブタイミング 変化速度が速いときに、バルブタイミング変化速度が十分に減速されずに、位相 可変機構の可動部品がストッパ部に激突してしまう可能性がある。また、実バル ブタイミングの検出誤差(ばらつき)が大きければ、実バルブタイミングが速度 制限領域に入ったことを検出するタイミングが遅れて、バルブタイミング変化速 度が十分に減速されずに、位相可変機構の可動部品がストツパ部に激突してしま う可能性がある。これらの事情を考慮して、速度制限領域は、バルブタイミング 変化速度を所定速度以下に減速するのに必要なバルブタイミング変化量及び Z又 は実バルブタイミングの検出誤差に基づいて設定するようにすると良い。このよ うにすれば、減速に必要なバルブタイミング変化量や実バルブタイミングの検出 誤差を考慮して、バルブタイミング変化速度を確実に所定速度以下に減速できる 幅を持った速度制限領域を設定することができる。それにより、実バルブタイミ ングの検出誤差やバルブタイミング変化速度の影響を受けない安定した速度制限 制御を行なうことができる。この場合、可変バルブタイミング制御中に、バルブ タイミング変化速度(又は実バルブタイミングの検出誤差)を演算して、その演 算値に応じて速度制限領域を設定しても良いし、予め、設計段階等で、技術者が バルブタイミングの最大変化速度(又は実バルブタイミングの最大検出誤差)を 測定又は演算して、その値に応じて一定の速度制限領域を設定してメモリに記憶 しておくようにしても良い。

以下、第 8実施形態による内燃機関の可変バルブタイミング制御装置を図面に 基づいて詳細に説明する。なお、第 8実施形態による可変バルブタイミング制御 装置のシステム構成は、基本的に図 1及び図 2に示すものと同様である。

ただし、図 1及び図 2に示す可変バルブタイミング装置 1 8には、バルブタイ ミングの可変範囲(位相可変機構 2 1の可動範囲)を制限するために、例えば、 位相可変機構 2 1に可動部とストツバ部(共に図示せず)が設けられている。そ して、図 2 1に示すように、位相可変機構 2 1の可動範囲を、可動部が遅角側ス トツバ部に当接する位置から進角側ストッパ部に当接する位置までの範囲に制限 して、バルブタイミングの可変範囲を制限するようにしている。この場合、位相 可変機構 2 1の可動部が遅角側ストツパ部に当接する位置が、位相可変機構 2 1 の最遅角位置(遅角側の限界位置)、つまり、バルブタイミングの最遅角位置とな る。一方、位相可変機構 2 1の可動部が進角側ストツバ部に当接する位置が、位 相可変機構 2 1の最進角位置(進角側の限界位置)、つまり、バルブタイミングの 最進角位置となる。

なお、第 8実施形態による可変バルブタイミング制御装置の制御対象となる可 変バルブタイミング装置 1 8は、図 1及び図 2に示す構成のものに限られるもの ではない。すなわち、ギヤ機構を有する可変バルブタイミング装置であれば、駆 動源や位相可変機構の種類を問わず、第 8実施形態による可変バルブタイミング 制御装置を適用できる。

E C U 3 0は、図 3に示す、第 1実施形態と同様の可変バルブタイミング制御 プログラムを実行する。従って、吸気バルブの目標バルブタイミング V T tgと実 バルブタイミング V Tとの偏差 Dを小さくするように要求バルブタイミング変化 速度 Vreq を算出し、この要求バルブタイミング変化速度 Vreq を実現するよう にモータ 2 6の回転速度 R Mを制御する。このようにして、吸気バルブの実バル ブタイミング V Tを目標バルブタイミング V T tgに一致させる。

更に、 E C U 3 0は、後述する図 2 4に示すバルブタイミング変化速度制限制 御プログラムを実行する。これにより、吸気バルブの実バルブタイミング V Tが、 最遅角位置付近に設定された遅角側速度制限領域又は最進角位置付近に設定され た進角側速度制限領域内にあるときに、要求バルブタイミング変化速度 Vreq を 制限する制限速度 V s を設定して速度制限制御を実行する。

図 2 1に示すように、遅角側速度制限領域は、最遅角位置から進角方向に所定 幅 c [°C A] の範囲で設定され、進角側速度制限領域は、最進角位置から遅角方 向に所定幅 a [°CA]の範囲で設定されている。これらの速度制限領域の幅ひ [°C A] は、式(2 4 ) に示すように、実バルブタイミング V Tの検出誤差 C [°CA] と、バルブタイミング変化速度 Vを制限速度 V s まで減速するのに必要なバルブ タイミング変化量 D [°CA] とを合計した値に設定されている。

a = C + D ··· ( 2 4 )

図 2 2に示すように、エンジン回転速度 N Eが高くなるほど実バルブタイミン グ V Tの検出誤差 Cが大きくなるため、本実施形態では、実バルブタイミング V Tの検出誤差 Cとしてその最大検出誤差 Cmax (最大エンジン回転速度 N E max に対応する実バルブタイミング VTの検出誤差 Cmax ) を用いる。

また、図 2 3に示すように、バルブタイミング変化速度 Vが速くなるほど、制 限速度 Vs まで減速するのに必要なバルブタイミング変化量 Dが大きくなるため、 本実施形態では、減速に必要なバルブタイミング変化量 Dとしてその最大値 Dmax (バルブタイミング変化速度 Vを最高速度 Vtnax から制限速度 Vs まで減速する のに必要なバルブタイミング変化量 Dtnax ) を用いる。

以下、 E CU 30が実行する図 24に示すバルブタイミング変化速度制限制御 プログラムの処理内容を説明する。図 24に示すバルブタイミング変化速度制限 制 プログラムは、例えば、イダニッシヨンスィッチのオン後に所定周期で実行 される。

本プログラムが起動されると、まず、ステップ 50 1で、実バルブタイミング VTが遅角側速度制限領域内であるか否か( I最遅角位置一 VT I≤遅角側速度 制限領域の幅 α であるか否か)を判定する。実バルブタイミング VTが遅角側速 度制限領域内であると判定されれば、ステップ 502に進む。ステップ 502で は、目標バルブタイミング VTtgが実バルブタイミング VTよりも遅角側である か否か(VTtg— VTく 0であるか否か)を判定する。

その結果、目標バルブタイミング VTtgが実バルブタイミング VTよりも遅角 側であると判定された場合には、実バルブタイミング VTが遅角側速度制限領域 内でその限界位置である最遅角位置の方向へ変化するため、位相'可変機構 2 1の 可動部が遅角側ストツパ部に衝突する可能性があると判断して、ステップ 505 に進む。ステップ 505では、ギヤ機構(ギヤ 22〜24) の嚙み込みや損傷を 防ぐために、要求バルブタイミング変化速度 Vreq を制限する制限速度 Vs を設 定して速度制限制御を実行する。

これに対して、上記ステップ 502で、目標バルブタイミング VTtgが実バル ブタイミング VTよりも進角側(VTtg— VT>0) であると判定された場合に は、実バルブタイミング VTが遅角側速度制限領域内で最遅角位置と反対方向(進 角方向)へ変化するため、位相可変機構 2 1の可動部が遅角側ストツバ部に衝突 する可能性がないと判断して、ステップ 506に進む。ステップ 506では、要 求バルブタイミング変化速度 Vreq に対する制限速度 Vs を解除する。

一方、上記ステップ 50 1で、実バルブタイミング VTが遅角側速度制限領域 内ではないと判定された場合には、ステップ 503に進む。ステップ 50 3では、 実バルブタイミング VTが進角側速度制限領域内であるか否か(最進角位置一 V T≤進角側速度制限領域の幅 α であるか否か)を判定する。実バルブタイミング VTが進角側速度制限領域内であると判定されれば、ステップ 504に進み、目 標バルブタイミング VTtg が実バルブタイミング VTよりも進角側であるか否 力、(VTtg— VTく 0であるか否か)を判定する。

その結果、目標バルブタイミング VTtgが実バルブタイミング VTよりも進角 側であると判定された場合には、実バルブタイミング VTが進角側速度制限領域 内でその限界位置である最進角位置の方向へ変化するため、位相可変機構 2 1の 可動部が進角側ストツバ部に衝突する可能性があると判断して、ステップ 505 に進む。ステップ 505では、ギヤ機構(ギヤ 22〜24) の嚙み込みや損傷を 防ぐために、要求バルブタイミング変化速度 Vreq を制限する制限速度 Vs を設 定して速度制限制御を実行する。

これに対して、上記ステップ 504で、目標バルブタイミング VTtgが実バル ブタイミング VTよりも遅角側であると判定された場合には、実バルブタイミン グ VTが進角側速度制限領域内で最進角位置と反対方向(遅角方向)へ変化する ため、位相可変機構 2 1の可動部が進角側ストツパ部に衝突する可能性がないと 判断して、ステップ 506に進む。ステップ 506では、要求バルブタイミング 変化速度 Vreq に対する制限速度 Vs を解除する。

以上の処理により、実バルブタイミング VTが遅角側 ·進角側速度制限領域内 でその限界位置の方向へ変化するときに、制限速度 Vs を設定して要求バルブタ イミング変化速度 Vreq を制限速度 Vs 以下に制限する速度制限制御を実行する。 これにより、遅角側 ·進角側速度制限領域内でバルブタイミング変化速度 Vを制 限速度 Vs 以下に減速して位相可変機構 2 1の可動部の動作速度を遅くすること ができる。このため、位相可変機構 2 1の可動部が高速でストツバ部に衝突する ことを回避できる。その結果、ギヤ機構(ギヤ 22〜24) の嚙み込みや損傷を 未然に防止することができ、可変バルブタイミング装置 1 8の動作信頼性を向上 させることができる。

一方、実バルブタイミング V Tが遅角側 ·進角側速度制限領域内であっても、 その限界位置と反対方向へ変化するときには、制限速度 V s を解除して速度制限 制御を実行しない。これにより、実バルブタイミング V Tが遅角側 ·進角側速度 制限領域内であっても、位相可変機構 2 1の可動部とストツパ部との衝突が発生 しない方向へ実バルブタイミング V Tが変化するときには、バルブタイミング変 化速度速度を減速しないようにできる。このため、実バルブタイミング V Tを速 やかに目標バルブタイミング V T tgへ変化させることができ、可変バルブタイミ ング制御の応答性も確保することができる。

ところで、遅角側 ·進角側速度制限領域の幅 α が狭いと、遅角側 ·進角側速度 制限領域に入るバルブタイミング変化速度が速いときに、バルブタイミング変化 速度が十分に減速されずに、位相可変機構 2 1の可動部がストツパ部に激突して しまう可能性がある。また、実バルブタイミング V Tの検出誤差(ばらつき)が 大きければ、実バルブタイミング V Tが遅角側 ·進角側速度制限領域に入ったこ とを検出するタイミングが遅れて、バルブタイミング変化速度が十分に減速され ずに、位相可変機構 2 1の可動部がストツパ部に激突してしまう可能性がある。 このため、本実施形態では、遅角側 ·進角側速度制限領域の幅 α を、実バルブ タイミング V Tの検出誤差 Cと、十分な減速に必要なバルブタイミング変化量 D とを合計した値に設定するようにした。従って、バルブタイミング変化速度を確 実に所定の制限速度 V s 以下に減速できる幅を持った遅角側■進角側速度制限領 域を設定することができる。それゆえ、実バルブタイミング V Tの検出誤差ゃバ ルブタイミング変化速度の影響を受けない安定した速度制限制御を行なうことが できる。

尚、本実施形態では、バルブタイミング可変範囲(位相可変機構 2 1の可動範 囲)の最遅角側と最進角側の両方に同一幅の速度制限領域を設定した。しかしな がら、バルブタイミングの実用範囲等によっては、遅角側速度制限領域の幅と進 角側速度制限領域の幅とを異ならせるようにしたり、遅角側と進角側のいずれか 一方のみに速度制限領域を設定するようにしても良い。

《第 9実施形態》

次に、本発明の第 9実施形態を図 2 5及び図 2 6を用いて説明する。

E C U 3 0は、第 6実施形態において説明したように、所定の学習条件が成立 する毎 (例えばカム角信号の入力毎、エンジン始動毎等)に、バルブタイミング の基準位置(例えば最遅角位置)を学習することによって、実バルブタイミング V Tの検出精度を維持するようにしている。従って、基準位置学習が完了してい ないときには、実バルブタイミング V Tの検出精度が低下している(検出誤差が 増大している)ため、この状態で、バルブタイミングをその可変範囲の限界位置 又はその付近に制御すると、位相可変機構 2 1の可動部を高速でストッパ部に衝 突させてしまう可能性がある。

そこで、本実施形態では、 E C U 3 0は、図 2 5に示すバルブタイミング変化 速度制限制御プログラムを所定周期で実行することで、基準位置学習が完了して いないときに、要求バルブタイミング変化速度 Vreq を制限する制限速度 Vs を 設定して速度制限制御を実行するようにしている。

更に、 E C U 3 0は、図 2 6に示す目標バルブタイミング算出プログラムを所 定周期で実行することで、基準位置学習が完了していない状態で可変バルブタイ ミング制御を実行するときに、速度制限制御により制限速度 VS 以下に制限され た要求バルブタイミング変化速度 V req に応じた目標バルブタイミング V T tg を算出するようにしている。以下、これら各プログラムの処理内容を説明する。 図 2 5に示すバルブタイミング変化速度制限制御プログラムが起動されると、 まず、ステップ 6 0 1で、基準位置学習が未完了であるか否かを判定する。基準 位置学習が未完了であると判定された場合には、実バルブタイミング V Tの検出 精度が低下している(検出誤差が増大している)ため、位相可変機構 2 1の可動 部を高速でストッパ部に衝突させてしまう可能性がある。このため、ステップ 6 0 2に進み、要求バルブタイミング変化速度 Vreq を制限する制限速度 V s を設 定して速度制限制御を実行する。

その後、本プログラムが起動されて、ステップ 6 0 1で、基準位置学習が完了 したと判定された段階で、ステップ 6 0 3に進み、要求バルブタイミング変化速 度 Vreq に対する制限速度 V s を解除する。

また、図 2 6に示す目標バルブタイミング算出プログラムが起動されると、ま ず、ステップ 7 0 1で、基準位置学習の未完了による速度制限制御を実行中であ るか否かを判定する。速度制限制御を実行中であると判定された場合には、ステ ップ 7 0 2に進み、制限速度 VS 以下に制限された要求バルブタイミング変化速 度 Vreq に応じた目標バルブタイミング V T tgを算出する。この速度制限制御実 行中の目標バルブタイミング V T tgは、減速されたバルブタイミング変化速度で も失火等の不具合が発生しない目標バルブタイミングに設定される。

一方、速度制限制御の実行中ではないと判定された場合には、ステップ 7 0 3 に進み、エンジン運転状態等に基づいて通常の目標バルブタイミング V T tgを算 出する。

以上説明した第 9実施形態では、基準位置学習が完了していないときに、要求 バルブタイミング変化速度 Vreq を制限速度 V s 以下に制限する速度制限制御を 実行するようにした。このため、基準位置学習の完了前で実バルブタイミング V Tの検出精度が低下しているときに、バルブタイミングをその可変範囲の限界位 置又はその付近に制御する場合でも、位相可変機構 2 1の可動部が高速でストツ パ部に衝突することを回避することができ、ギヤ機構の嚙み込みや損傷を未然に 防止することができる。

更に、第 9実施形態では、基準位置学習が完了していない状態で可変バルブタ ィミング制御を実行するときに、速度制限制御により制限速度 V s 以下に制限さ れたバルブタイミング変化速度に応じた目標バルブタイミング V T tg を設定す る。このため、速度制限制御により減速されたバルブタイミング変化速度で可変 バルブタイミング制御を行なう場合でも、エンジン 1 1の燃焼性等をある程度確 保して運転を継続できるように目標バルブタイミング V T tg を設定することが できる。

《第 1 0実施形態》

前述の第 9実施形態では、基準位置学習が完了していないときに、全バルブタ ィミング領域で速度制限制御を実行するようにしたが、第 1 0実施形態では、基 準位置学習が完了していないときに実バルブタイミング V Tと限界位置(最遅角 位置や最進角位置)との差が所定値以内の領域(学習前速度制限領域)でのみ、 速度制限制御を実行するようにしている。

本実施形態におけるバルブタイミング変化速度制限制御プログラムを図 2 7に 示す。図 2 7のバルブタイミング変化速度制限制御プログラムは、図 2 5のステ ップ 6 0 1とステップ 6 0 2の処理の間に、ステップ 6 0 1 aの処理を追加した ものであり、これ以外のステップの処理は図 2 5と同じである。

図 2 7に示すプログラムでは、ステップ 6 0 1で、基準位置学習が未完了であ ると判定されたときに、ステップ 6 0 1 aに進み、実バルブタイミング V Tが所 定の学習前速度制限領域内であるか否かを判定する。この学習前速度制限領域は、 基準位置の未学習による実バルブタイミング V Tの検出精度の低下(検出誤差の 増大)等を考慮に入れて、位相可変機構 2 1の可動部とストツバ部との衝突が発 生する可能性がある領域であって、前述の第 7実施形態で説明した速度制限領域 (図 2 1参照)よりも広い領域に設定される。

基準位置学習が完了していないときに実バルブタイミング V Tが学習前速度制 限領域内であると判定された場合には、位相可変機構 2 1の可動部とストツパ部 との衝突が発生する可能性があると判断できる。このため、ステップ 6 0 2に進 み、要求バルブタイミング変化速度 Vreq を制限する制限速度 V s を設定して速 度制限制御を実行する。尚、実バルブタイミング ν τが学習前速度制限領域内で あっても、その^界位置と反対方向へ変化するときには、制限速度 V s を解除し て速度制限制御を実行しないようにしても良い。

これに対して、基準位置学習が完了していないときでも、実バルブタイミング V Tが学習前速度制限領域内ではないと判定された場合には、位相可変機構 2 1 の可動部とストツパ部との衝突が発生する可能性が低いと判断できる。このため ステップ 6 0 3に進み、要求バルブタイミング変化速度 Vreq に対する制限速度 V s を解除する。

以上説明した第 1 0実施形態では、基準位置学習が完了していないときに実バ ルブタイミング V Tが学習前速度制限領域内にあると、速度制限制御を実行する ようにした。このため、基準位置学習の際に、位相可変機構 2 1の可動部とスト ッパ部との衝突が発生しない領域では、バルブタイミング変化速度を制限せずに、 実バルブタイミング V Tを速やかに変化させることができ、基準位置学習の所要 時間を短くすることができる。

尚、第 1 0実施形態においても、図 2 6の目標バルブタイミング算出プロダラ ムを実行して、基準位置学習が完了していない状態で可変バルブタイミング制御 を実行するときに、速度制限制御により制限速度 V s 以下に制限されたバルブタ ィミング変化速度に応じた目標バルブタイミング V T tg を設定するようにして も良い。

《第 1 1実施形態》

本発明の第 1 1実施形態では、図 2 8に示す基準位置学習優先制御プログラム を実行することで、基準位置学習が完了するまで、通常の可変バルブタイミング 制御を禁止して基準位置学習のみを実行可能にしている。

図 2 8に示す基準位置学習優先制御プログラムは、例えば、イダニッシヨンス イッチのオン後に所定周期で実行される。本プログラムが起動されると、まず、 ステップ 8 0 1で、基準位置学習が未完了であるか否かを判定する。基準位置学 習が未完了であると判定された場合には、ステップ 8 0 2に進み、通常の可変バ ルブタイミング制御を禁止する。その後、ステップ 8 0 3に進み、要求バルブタ イミング変化速度 Vreq に対する制限速度 V s を設定する。

この後、ステップ 8 0 4に進み、基準位置学習を実行する。この基準位置学習 では、バルブタイミングを基準位置に制御した状態(例えば、最遅角位置を基準 位置とする場合には、位相可変機構 2 1の可動部を遅角側ストツパ部に突き当て た状態)で実バルブタイミング V Tを算出し、それを基準位置として学習する。 その後、ステップ 8 0 1で、基準位置学習が完了したと判定されたときに、ス テツプ 8 0 5に進み、通常の可変バルブタイミング制御を許可する。その後、ス テツプ 8 0 6に進み、要求バルブタイミング変化速度 Vreq に対する制限速度 V s を解除する。

以上説明した第 1 1実施形態では、基準位置学習が完了するまで、通常の可変 バルブタイミング制御を禁止して基準位置学習のみを実行可能とするようにした。 このため、基準位置学習が完了して実バルブタイミング V Tの検出精度を確保で きるようになつてから通常の可変バルブタイミング制御に移行することができる。 《第 1 2実施形態》

基準位置学習が完了していても、万一、基準位置学習に異常が発生して基準位 置を誤学習していると、実バルブタイミング VTの検出誤差が大きくなる。この ため、バルブタイミングをその可変範囲の限界位置又はその付近に制御するとき に、位相可変機構 2 1の可動部を高速でストツパ部に衝突させてしまう可能性が ある。

そこで、本発明の第 1 2実施形態では、図 2 9に示す基準位置学習異常判定プ 口グラム及び図 30に示すバルブタイミング変化速度制限制御プログラムを実行 する。これらのプログラムにより、基準位置学習の異常の有無を判定し、基準位 置学習の異常有りと判定されたときに、要求バルブタイミング変化速度 Vreq に 対する制限速度 Vs を設定して速度制限制御を実行することができる。

図 29に示す基準位置学習異常判定プログラムは、例えば、イダニッシヨンス ィツチのオン後に所定周期で実行され、特許請求の範囲でいう学習異常判定手段 としての役割を果たす。本プログラムが起動されると、まず、ステップ 90 1で、 現在の基準位置学習値 VT0 が上限側学習ガード値 VTGmax 以下であるか否か を判定する。ステップ 902では、現在の基準位置学習値 VT0 が下限側学習ガ ード値 VTGmin 以上であるか否かを判定する。ここで、上限側学習ガード値 V TGmax と下限側学習ガード値 V T Gmin は、システムの個体差や経時変化等に よる基準位置の正常なばらつき範囲を考慮して設定された値である。

そして、基準位置学習値 VT0 が下限側学習ガード値 VTGmin から上限側学 習ガード値 VTGmax までの正常範囲内(VTGmin ≤ VT0 ≤ VTGmax ) で あれば、ステップ 903に進み、基準位置学習の異常無し(正常)であると判定 する。

これに対して、基準位置学習値 VT0 が上限側学習ガード値 VTGmax よりも 大きいか、或は、下限側学習ガード値 VTGmin よりも小さい場合、つまり、基 準位置学習値 V TO が上下限の学習ガード値 VTGmax , VTGmin の範囲に収 まっていない場合には、ステップ 904に進む。ステップ 904では、基準位置 学習の異常有り(基準位置の誤学習)と判定する。

また、図 30に示すバルブタイミング変化速度制限制御プログラムが起動され ると、まず、ステップ 1 001で、前述した図 29の基準位置学習異常判定プロ グラムによる異常判定結果に基づいて基準位置学習が異常であるか否か(基準位 置を誤学習しているか否か)を判定する。

その結果、基準位置学習が異常である(基準位置を誤学習している)と判定さ れた場合には、実バルブタイミング V Tの検出精度が低下している(検出誤差が 増大している)ため、位相可変機構 2 1の可動部を高速でストツパ部に衝突させ てしまう可能性があると判断できる。このため、ステップ 1 0 0 2に進み、要求 バルブタイミング変化速度 Vreq を制限する制限速度 V s を設定して速度制限制 御を実行する。

一方、ステップ 1 0 0 1で、基準位置学習が正常であると判定された場合には、 ステップ 1 0 0 3に進み、要求バルブタイミング変化速度 Vreq に対する制限速 度 V s を解除する。

以上説明した第 1 2実施形態では、基準位置学習が異常である(基準位置を誤 学習している)と判定されたときに、要求バルブタイミング変化速度 Vreq を制 限速度 V s 以下に制限する速度制限制御を実行するようにした。このため、基準 位置が誤学習されて実バルブタイミング V Tの検出誤差が大きくなつても、位相 可変機構 2 1の可動部が高速でストツパ部に衝突することを回避することができ、 ギヤ機構の嚙み込みや損傷を未然に防止することができる。

尚、第 1 2実施形態においても、図 2 6の目標バルブタイミング算出プロダラ ムを実行して、基準位置学習の異常有りと判定された状態で可変バルブタイミン グ制御を行なうときに、速度制限制御により制限速度 V s 以下に制限されたバル ブタイミング変化速度に応じた目標バルブタイミング V T tg を設定するように しても良い。

《第 1 3実施形態》

本発明の第 1 3実施形態では、図 3 1に示す基準位置学習優先制御プログラム を実行することで、基準位置学習が正常と判定されるまで、通常の可変バルブタ イミング制御を禁止して基準位置学習のみを実行可能とするようにしている。 図 3 1に示す基準位置学習優先制御プログラムは、図 2 8のステップ 8 0 1の 処理を、ステップ 8 0 1 aの処理に変更したものであり、これ以外のステップの 処理は図 2 8と同じである。

本プログラムでは、まずステップ 8 0 1 aで、前述した図 2 9の基準位置学習 異常判定プログラムによる異常判定結果に基づいて基準位置学習が異常であるか 否か (基準位置を誤学習しているか否か)を判定する。

その結果、基準位置学習が異常であると判定された場合には、通常の可変バル ブタイミング制御を禁止すると共に、要求バルブタイミング変化速度 V req に対 する制限速度 V s を設定した後、基準位置学習を実行する(ステップ 8 0 2〜8 0 4 )。その後、ステップ 8 0 1 aで、基準位置学習が正常であると判定されたと きに、通常の可変バルブタイミング制御を許可すると共に、要求バルブタイミン グ変化速度 Vreq に対する制限速度 V s を解除する(ステップ 8 0 5、 8 0 6 )。 以上説明した第 1 3実施形態では、基準位置学習が正常であると判定されるま で、通常の可変バルブタイミング制御を禁止して基準位置学習のみを実行するよ うにした。このため、基準位置学習が正常に完了して実バルブタイミング V丁の 検出精度を確保できるようになつてから通常の可変バルブタイミング制御に移行 することができる。

《第 1 4実施形態》

モータ駆動式の可変バルブタイミング装置 1 8 (図 2参照)は、エンジン 1 1 の始動前(エンジン停止中)でも制御可能である。そこで、第 1 4実施形態では、 図 3 2に示す始動前基準位置学習制御プログラムを実行することで、エンジン 1 1の始動前 (クランキング前)に基準位置学習を実行するようにしている。

図 3 2に示す始動前基準位置学習制御プログラムは、 E C U 3 0への電源投入 直後 (イダニッシヨンスィッチを O F F位置から A C C位置又は O N位置へ操作 した直後)から所定周期で実行される。本プログラムが起動されると、まず、ス テツプ 1 1 0 1で、イダニッシヨンスィッチが O N位置に操作されているか否か を判定する。イダニッシヨンスィッチが O N位置に操作されていれば、ステップ 1 1 0 2に進み、基準位置学習が完了しているか否かを判定する。まだ、基準位 置学習が完了していなければ、ステップ 1 1 0 3に進み、基準位置学習を実行す る。

以上の処理によりエンジン 1 1の始動前に基準位置学習が実行されるため、ェ ンジン 1 1の始動当初から実バルブタイミング V Tを精度良く検出することがで きる。従って、実バルブタイミング V Tを始動に適した目標バルブタイミング V T tgに精度良く制御することができ、エンジン 1 1の始動性を向上させることが できる。

《第 1 5実施形態》

第 1 5実施形態では、図 3 3に示す始動前基準位置学習制御プログラムを実行 することで、エンジン 1 1の始動前に基準位置学習を実行し、基準位置学習が完 了するまでエンジン 1 1の始動制御(スタータの作動)を禁止するようにしてい る。

図 3 3に示す始動前基準位置学習制御プログラムが起動されると、まず、ステ ップ 1 2 0 1で、ィダニッションスィツチが O N位置に操作されているか否かを 判定する。イダ-ッシヨンスィッチが O N位置に操作されていれば、ステップ 1 2 0 2に進み、基準位置学習が完了しているか否かを判定する。まだ、基準位置 学習が完了していなければ、ステップ 1 2 0 3に進み、エンジン 1 1のスタータ の作動(クランキング)を禁止する。その後、ステップ 1 2 0 4に進み、基準位 置学習を実行する。上記ステップ 1 2 0 3の処理が特許請求の範囲でいう始動禁 止手段としての役割を果たす。

その後、ステップ 1 2 0 2で、基準位置学習が完了したと判定されたときに、 ステップ 1 2 0 5に進み、エンジン 1 1のスタータの作動を許可する。この後は、 イダ二ッションスィツチを S T A R T位置に操作すれば、スタータが作動してェ ンジン 1 1が始動される。

以上説明した第 1 5実施形態では、基準位置学習が完了するまでスタータの作 動を禁止するようにしたので、基準位置学習の完了前にスタータの作動を開始し てしまうことを防止できる。換言すると、基準位置学習が確実に完了してからス タータの作動を開始してエンジン 1 1を始動することができる。

《第 1 6実施形態》

第 1 6実施形態では、図 3 4に示す始動前基準位置学習制御プログラムを実行 することで、基準位置学習が完了するまでエンジン 1 1の始動制御(スタータの 作動)を禁止する処理をイダニッ.ションスィツチのオンから所定時間内に限って 実行するようにしている。

図 3 4に示す始動前基準位置学習制御プログラムは、図 3 3のステップ 1 2 0 1の処理の後に、ステップ 1 2 0 1 aの処理を追加したものであり、これ以外の ステップの処理は図 3 3と同じである。

本プログラムでは、ステップ 1 2 0 1で、ィグニッシヨンスィッチのオン(O N位置への操作)と判定された後に、ステップ 1 2 0 1 aに進み、イダ二ッショ ンスィッチのオンから所定時間が経過したか否かを判定する。ィグニッシヨンス イッチのオンから所定時間が経過する前であれば、ステップ 1 2 0 2及びステツ プ 1 2 0 3の処理によって、基準位置学習が完了するまでエンジン 1 1のスター タの作動を禁止する。そして、基準位置学習が完了した後に、エンジン 1 1のス タータの作動を許可する(ステップ 1 2 0 5 )。

これに対して、基準位置学習が完了する前に、イダニッシヨンスィッチのオン から所定時間が経過した場合には、ステップ 1 2 0 1 aからステップ 1 2 0 5に 進み、基準位置学習の完了前でも、エンジン 1 1のスタータの作動を許可する。 以上説明した第 1 6実施形態では、基準位置学習が完了するまでエンジン 1 1 のスタータの作動を禁止する処理をイダ二ッションスィツチのオンから所定時間 内に限って実行するようにした。このため、何らかの原因でィグニッシヨンスィ ツチのオンから所定時間内に基準位置学習を完了できない場合でも、その後に、 エンジン 1 1の始動制御(スタータ作動)を開始することができ、エンジン 1 1 が始動不能に陥る不具合を防止できる。

以上説明した第 8実施形態〜第 1 6実施形態では、本発明を吸気バルブの可変 バルブタイミング制御装置に適用したが、これに限定されず、本発明を排気バル ブの可変バルブタイミング制御装置に適用しても良い。更に、可変バルブタイミ ング装置 1 8の構成は、適宜変更しても良く、要は、ギヤ機構を用いてバルブタ ィミングを可変する可変バルブタイミング装置であれば良い。また、可変バルブ タイミング装置の駆動源もモータに限定されず、油圧を駆動源とするものでも、 ギヤ機構を用いていれば、本発明を適用して実施できる。

その他、本発明は、上述した第 8実施形態〜第 1 6実施形態を適宜組み合わせ て実施しても良い等、種々変更して実施できる。

《第 1 7実施形態》

次に、本発明の第 1 7実施形態について説明する。

モータ駆動式の可変バルブタイミング装置は、エンジン運転状態に関係なくバ ルブタイミングを可変することができるという特徴がある。従って、エンジンの 始動時や停止時にも可変バルブタイミング制御を行なうことも可能である。しか し、エンジンの始動時や停止時には、エンジンの逆回転が発生することがある。 エンジンの始動時や停止時において、可変バルブタイミング制御を実行している とき、エンジンが逆回転すると、次のような問題が発生する。

クランク角センサやカム角センサの出力信号に基づいた実バルブタイミングの 算出は、エンジンが正回転、つまりクランク軸とカム軸が正回転していることを 前提として行っている。このため、エンジンが逆回転すると、実バルブタイミン グを誤算出してしまう。従って、エンジン始動時や停止時の可変バルブタイミン グ制御中にエンジンが逆回転すると、誤算出した実バルブタイミングに基づいて 可変バルブタイミング装置を制御してしまうことになる。

そのため、第 1 7実施形態では、内燃機関の逆回転によって発生する可変バル ブタイミング制御に関する不具合を未然に防止することができ、内燃機関の始動 時や停止時の制御性を向上させることができる内燃機関の可変バルブタイミング 制御装置を提供することを目的としている。

まず、第 1 7実施形態による内燃機関の可変バルブタイミング制御装置の概略 について説明する。第 1 7実施形態による可変バルブタイミング制御装置は、内 燃機関とは別に設けられた駆動源により吸気バルブ又は排気バルブのバルブタイ ミングを可変する可変バルブタイミング装置をバルブタイミング制御手段により 制御するシステムにおいて、内燃機関の回転状態を回転状態判定手段により判定 し、内燃機関が正回転中又は停止中であると判定されたときに、実バルブタイミ ングの算出及び/又は可変バルブタイミング制御を行なうようにしたものである。 このようにすれば、内燃機関の回転状態を監視して、内燃機関が正回転してい るときや停止しているときにだけ、実バルブタイミングの算出や可変バルブタイ ミング制御を行なうようにすることができる。一方、内燃機関の逆回転が発生し たときには、カム角センサゃクランク角センサからの出力信号に基づく実バルブ タイミングの算出や、通常の可変バルブタイミング制御を停止することができる。 これにより、内燃機関の始動時や停止時に内燃機関の逆回転が発生しても、逆回 転によるバルブタイミング制御精度の悪化を未然に防止することができ、内燃機 関の始動時や停止時の可変バルブタイミング制御の制御性を向上させることがで きる。

この場合、クランク角センサ及び又はカム角センサの出力信号に基づいて内 燃機関の回転状態を判定するようにすると良い。クランク角センサは所定クラン ク角毎にクランク角信号を出力し、カム角センサは所定カム角毎にカム角信号を 出力する。このため、クランク角センサやカム角センサの出力信号を監視すれば、 内燃機関の回転中と停止中とを判別することができる。

更に、スタータがオンされているとき又はスタータがオフされた時点の機関回 転速度が所定値以上と判定された内燃機関の回転中に、内燃機関が正回転してい ると判定するようにすると良い。スタータのオン中はスタータの駆動力で内燃機 関が強制的に正回転駆動されているため、内燃機関が正回転していると判定する ことができる。また、機関回転速度が十分に上昇していないときにスタータがォ フされると、内燃機関が逆回転する可能性があるが、機関回転速度が十分に上昇 してからスタータがオフされた場合は、内燃機関の始動が正常に完了してスター タオフ後も内燃機関が引き続き正回転する。従って、スタータがオフされた時点 の機関回転速度が所定値以上と判定された内燃機関の回転中であれば、内燃機関 が正回転していると判定することができる。

ところで、内燃機関の停止中は、クランク角センサやカム角センサから信号が 出力されなくなるため、クランク角センサやカム角センサの出力信号に基づく実 バルブタイミングの算出を行なうことができない。

そこで、内燃機関の停止中に可変バルブタイミング制御を実行する際には、機 関停止後の可変バルブタイミング装置の作動量を制御して実バルブタイミングを 目標バルブタイミングに一致させるようにすると良い。機関停止後の可変バルブ タイミング装置の作動量は、機関停止後のバルブタイミング変化量を表すパラメ ータとなる。このため、機関停止後の可変バルブタイミング装置の作動量を制御 すれば、機関停止直前に算出した実バルブタイミングからのバルブタイミング変 化量を制御することができる。それにより、内燃機関の停止中に実バルブタイミ ングを直接算出しなくても、間接的に機関停止中の実バルブタイミング(機関停 止直前の実バルブタイミング +バルブタイミング変化量)を目標バルブタイミン グに一致させることができ、可変バルブタイミング制御を精度良く実行すること ができる。

内燃機関の停止中に可変バルブタイミング制御を実行する際に、可変バルブタ ィミング装置がモータ駆動式の場合は、可変バルブタイミング装置の作動量とし てモータの回転量(回転数、回転角度、位相変化量)を制御することが好ましい。 これにより、内燃機関の停止中に、可変バルブタイミング制御を高精度に実行す ることができる。

また、内燃機関が逆回転したと判定されたときには、実バルブタイミングを基 準位置に制御するようにすると良い。このようにすれば、速やかに次の可変バル ブタイミング制御の準備状態にすることができる。

基準位置が可変バルブタイミング装置の可動範囲の限界位置(最進角位置又は 最遅角位置)に設定されている場合は、内燃機関の逆回転中又は逆回転後の停止 中に実バルブタイミングを基準位置に制御するようにしても良い。基準位置が可 変バルブタイミング装置の可動範囲の限界位置に設定されている場合は、実バル ブタイミングが分からなくても、可変バルブタイミング装置の位相可変機構の可 動部が進角側又は遅角側のストツパ部に付き当った位置が基準位置(最進角位置 又は最遅角位置)となる。そのため、内燃機関の逆回転中 ·停止中のいずれの時 期でも実バルブタイミングを基準位置に制御することができる。

この場合、可変バルブタイミング装置に対する制御出力に基づいて実バルブタ ィミングが可変バルブタイミング装置の可動範囲の限界位置に設定された基準位 置に到達したか否かを判定するようにすると良い。つまり、可変バルブタイミン グ装置に対する制御出力が、実バルブタイミングを基準位置に到達させる(位相 可変機構の可動部をトツパ部に付き当てる)のに必要な所定値を越えているか否 かによつて、実バルブタイミングが基準位置に到達したか否かを判定することが できる。

一方、基準位置が可変バルブタイミング装置の可動範囲の中間的な位置に設定 されている場合は、内燃機関の逆回転後の停止中に実バルブタイミングを基準位 置に制御するようにすると良い。基準位置が可変バルブタイミング装置の可動範 囲の中間位置に設定されている場合は、実バルブタイミングが分からないと、実 バルブタイミングを基準位置に制御することができない。従って、内燃機関の逆 回転後の停止中になるのを待って、実バルブタイミングを例えば限界位置からの バルブタイミング変化量等によって把握できる状態になつてから、実バルブタイ ミングを基準位置に制御すれば良い。

以下、第 1 7実施形態による内燃機関の可変バルブタイミング制御装置の具体 例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、第 1 7実施形態による可変バルブタ ィミング制御装置のシステム構成は、基本的に図 1及び図 2に示すものと同様で あるため、説明を省略する。

第 1 7実施形態における E C U 3◦は、後述する図 3 5乃至図 4 0に示すバル ブタイミング制御用の各プログラムを実行することで、回転状態判定手段及びバ ルブタイミング制御手段として機能し、エンジン 1 1の回転状態を監視しながら 可変バルブタイミング装置 1 8を制御する。

第 1 7実施形態では、図 4 1に示すように、ィグニッシヨンスィッチ(以下「 I Gスィッチ」と表記する)がオンされた時点で、可変バルブタイミング装置駆動 リレー (以下「V C T駆動リレー」と表記する)がオンされて、バッテリ(図示 せず)からの電源電圧が E C U 3 0や可変バルブタイミング装置 1 8等に供給さ れる。そして、 I Gスィッチがオフされた後も所定時間が経過するまでは V C T 駆動リレーがオン状態に維持されて、電源電圧が E C U 3 0、可変バルブタイミ ング装置 1 8等に供給され続ける。そして、 I Gスィッチのオフから所定時間が 経過した時点で、 V C T駆動リレーがオフされて、 E C U 3 0や可変バルブタイ ミング装置 1 8等への電源電圧の供給が停止される。これにより、 E C U 3 0は、 エンジン停止中も、 V C T駆動リレーがオフされるまで、可変バルブタイミング 装置 1 8を制御できるようになつている。

E C U 3 0は、クランク角センサ 2 0とカム角センサ 1 9の出力信号、スター タ(図示せず)のオン Zオフ信号等に基づいてエンジン 1 1の回転状態(正回転、 逆回転、停止)を判定する。エンジン 1 1が正回転中又は停止中であると判定さ れたとき、実バルブタイミングの算出や可変バルブタイミング制御を行なう。ェ ンジン 1 1の逆回転が発生したときには実バルブタイミングの算出や可変バルブ

タイミング制御を停止する。

エンジン 1 1の正回転中は、エンジン運転状態等に基づいて目標バルブタイミ ングを算出する共に、クランク角センサ 2 0とカム角センサ 1 9の出力信号に基 づいて実バルブタイミングを算出する。そして、実バルブタイミングを目標バル ブタイミングに一致させるように可変バルブタイミング装置 1 8のモータ 2 6を フィードバック制御する。

一方、エンジン 1 1の停止中は、クランク角センサ 2 0やカム角センサ 1 9か ら信号が出力されなくなるため、クランク角センサ 2 0やカム角センサ 1 9の出 力信号に基づく実バルブタイミングの算出を行なうことができない。そこで、ェ ンジン 1 1の停止中は、エンジン停止後の可変バルブタイミング装置 1 8のモー タ 2 6の回転量(回転数、回転角度、位相変化量)を制御して実バルブタイミン グを目標バルブタイミングに一致させる。つまり、エンジン停止後のモータ 2 6 の回転量は、エンジン停止後のバルブタイミング変化量を表すパラメータとなる ため、エンジン停止後のモータ 2 6の回転量を制御すれば、エンジン停止直前に 算出した実バルブタイミングからのバルブタイミング変化量を制御することがで きる。これにより、エンジン停止中に実バルブタイミングを直接算出しなくても、 間接的にエンジン停止中の実バルブタイミング(エンジン停止直前の実バルブタ ィミング +バルブタイミング変化量)を目標バルブタイミングに一致させること ができる。

また、もし、エンジン 1 1が逆回転したと判定されたときには、通常の可変バ ルブタイミング制御とは異なり、実バルブタイミングを基準位置に制御して、'速 やかに次の可変バルブタイミング制御の準備状態にする。この基準位置は、例え ば、可変バルブタイミング装置 1 8の可変範囲の限界位置(最進角位置又は最遅 角位置)に設定される。

以下、 E C U 3 0が実行する図 3 5乃至図 4 0に示すバルブタイミング制御用 の各プログラムの処理内容を説明する。

[バルブタイミングメィン制御]

図 3 5のバブタイミングメイン制御プログラムは、 I Gスィツチのオンから V C T駆動リレーのオフまでの間に所定周期で実行される。本プログラムが起動 されると、まず、ステップ 1 3 0 1で、クランク角センサ 2 0の出力信号に基づ いてエンジン回転 ·停止判定を行なう。尚、カム角センサ 1 9の出力信号に基づ いてエンジン回転 ·停止判定を行なうようにしても良い。

この後、ステップ 1 3 0 2に進み、上記ステップ 1 3 0 1の判定結果に基づい てエンジン回転中であるか否かを判定する。エンジン回転中でない(エンジン停 止中である)と判定されれば、ステップ 1 3 0 5に進み、後述する図 3 8のェン ジン停止中のバルブタイミング制御プログラムを実行して、本プログラムを終了 する。

一方、上記ステップ 1 3 0 2で、エンジン回転中であると判定された場合には、 ステップ 1 3 0 3に進み、後述する図 3 3のエンジン正回転 ·逆回転判定プログ ラムを実行して、スタ一タ(図示せず)のオンオフ信号等に基づいてエンジン 正回転 .逆回転判定を行なう。この後、ステップ 1 3 0 4に進み、上記ステップ 1 3 0 3の判定結果に基づいてエンジン正回転中であるか否かを判定する。ェン ジン正回転中であると判定されれば、ステップ 1 3 0 6に進み、後述する図 3 7 のエンジン正回転中のバルブタイミング制御プログラムを実行して、本プロダラ ムを終了する。一方、上記ステップ 1 3 0 4で、エンジン正回転中でない(ェン ジン逆回転中である)と判定された場合には、ステップ 1 3 0 7に進み、後述す る図 3 9のエンジン逆回転中のバルブタイミング制御プログラムを実行して、本 プログラムを終了する。

[エンジン正回転 .逆回転判定]

図 3 5のバルブタイミングメイン制御プログラムのステップ 1 3 0 3で、図 3 6のエンジン正回転 '逆回転判定プログラムが起動されると、まず、ステップ 1 4 0 1で、スタータがオンされているか否かを判定する。その結果、スタータが オンされていると判定された場合には、スタータの駆動力でエンジン 1 1が強制 的に正回転駆動されていると判断して、ステップ 1 4 0 2に進む。ステップ 1 4 0 2では、エンジン正回転中と判定して、本プログラムを終了する。

一方、上記ステップ 1 4 0 1で、スタータがオンされていない(スタータがォ フされている)と判定された場合には、ステップ 1 4 0 3に進む。ステップ 1 4 0 3では、スタータがオフされた時点のエンジン回転速度が正回転を維持できる 所定回転速度以上であるか否かを判定する。スタータオフ時のエンジン回転速度 が所定回転速度以上であると判定された場合には、エンジン回転速度が十分に上 昇してからスタータがオフされたため、エンジン 1 1の始動が正常に完了してス タータオフ後もエンジン 1 1が引き続き正回転していると判断できる。従って、 ステップ 1 4 0 2に進み、エンジン正回転中と判定して、本プログラムを終了す る。

これに対して、上記ステップ 1 4 0 3で、スタータオフ時のエンジン回転速度 が所定回転速度よりも低いと判定された場合には、エンジン回転速度が十分に上 昇していないときにスタータがオフされたため、スタータオフ後にエンジン 1 1 が逆回転している可能性がある。このため、ステップ 1 4 0 4に進み、エンジン 逆回転中と判定して、本プログラムを終了する。

[エンジン正回転中のバルブタイミング制御]

図 3 5のバルブタイミングメイン制御プログラムのステップ 1 3 0 6で、図 3 7のエンジン正回転中のバルブタイミング制御プログラムが起動されると、まず、 ステップ 1 5 0 1で、エンジン運転状態等に基づいて目標バルブタイミングを算 出する。その後、ステップ 1 5 0 2に進み、例えば、クランク角センサ 2 0から 出力されるクランク角信号とカム角センサ 1 9から出力されるカム角信号とに基 づいて実バルブタイミングを算出する。

この後、ステップ 1 5 0 3に進み、実バルブタイミングを目標バルブタイミン グに一致させるように可変バルブタイミング装置 1 8のモータ 2 6をフィードバ ック制御する。

なお、このエンジン正回転中のバルブタイミング制御は、上述した第 1実施形 態等と同様の制御を行なっても良い。

[エンジン停止中のバルブタイミング制御]

図 3 5のバルブタイミングメイン制御プログラムのステップ 1 3 0 5で、図 3 8のエンジン停止中のバルブタイミング制御プログラムが起動されると、まず、 ステップ 1 6 0 1で、目標バルブタイミング(例えば次のエンジン始動に適した バルブタイミング)を算出する。その後、ステップ 1 6 0 2に進み、エンジン停 止直前に算出した実バルブタイミングと目標バルブタイミングとの差(目標バル ブタイミング変化量)に応じてモータ 2 6の目標回転数(目標回転量)を算出す る。

この後、ステップ 1 6 0 3に進み、エンジン停止後のモータ 2 6の回転数(回 転量)を積算してモータ 2 6の実回転数(実回転量)を求める。尚、モータ 2 6 の回転数は、例えば、モータ正回転方向の場合にプラス値とし、モータ逆回転方 向の場合にマイナス値とする。

この後、ステップ 1 6 0 4に進み、エンジン停止後のモータ 2 6の実回転数が 目標回転数に一致したか否かを判定する。その結果、エンジン停止後のモータ 2 6の実回転数が目標回転数に一致していない判定された場合には、ステップ 1 6 0 5に進み、エンジン停止後のモータ 2 6の実回転数が目標回転数よりも少ない か否かを判定する。モータ 2 6の実回転数が目標回転数よりも少なければ、ステ ップ 1 6 0 6に進み、モータ 2 6を正回転制御した後、ステップ 1 6 0 3に戻る。 一方、モータ 2 6の実回転数が目標回転数以上であれば、ステップ 1 6 0 7に進 み、モータ 2 6を逆回転制御した後、ステップ 1 6 0 3に戻る。

その後、ステップ 1 6 0 4で、エンジン停止後のモータ 2 6の実回転数が目標 回転数に一致したと判定されたときに、ステップ 1 6 0 8に進み、エンジン停止 中の実バルブタイミング(エンジン停止直前の実バルブタイミング +バルブタイ ミング変化量)が目標バルブタイミングに到達したと判定する。その後、ステツ プ 1 6 0 9に進み、モータ 2 6を停止し、その時点の実バルブタイミングを保持 して、本プログラムを終了する。

[エンジン逆回転中のバルブタイミング制御]

図 3 5のバルブタイミングメイン制御プログラムのステップ 1 3 0 7で、図 3 9のエンジン逆回転中のバルブタイミング制御プログラムが起動されると、まず、 ステップ 1 7 0 1で、目標バルブタイミングとして基準位置を読み込む。前述し たように、この基準位置は、例えば、可変バルブタイミング装置 1 8の可変範囲 の限界位置である最進角位置又は最遅角位置に設定される。

この後、ステップ 1 7 0 2に進み、目標バルブタイミング(基準位置)が最進 角位置又は最遅角位置であるか否かを判定し、目標バルブタイミング(基準位置) が最進角位置又は最遅角位置であると判定されれば、ステップ 1 7 0 3以降の処 理を実行して、エンジン逆回転中に実バルブタイミングを基準位置(最進角位置 又は最遅角位置)に制御する。基準位置が最進角位置又は最遅角位置に設定され ている場合は、実バルブタイミングが分からなくても、可変バルブタイミング装 置 1 8の位相可変機構 2 1の可動部が進角側又は遅角側のストツバ部に付き当つ た位置が基準位置(最進角位置又は最遅角位置)となる。従って、. エンジン逆回 転中でも実バルブタイミングを基準位置に次のようにして制御することができる。 まず、ステップ 1 7 0 3で、後述する図 4 0の基準位置到達判定プログラムを 実行して、モータ 2 6の制御出力に基づいて実バルブタイミングが基準位置(最 進角位置又は最遅角位置)に到達したか否かの判定を行なう。

この後、ステップ 1 7 0 4に進み、上記ステップ 1 7 0 3の判定結果に基づい て実バルブタイミングが基準位置(最進角位置又は最遅角位置)に到達している か否かを判定する。その結果、実バルブタイミングが基準位置(最進角位置又は 最遅角位置)に到達していないと判定された場合には、ステップ 1 7 0 5に進み、 実バルブタイミングが基準位置(最進角位置又は最遅角位置)の方向へ移動する ようにモータ 2 6の制御値を出力する。

その後、上記ステップ 1 7 0 4で、実バルブタイミングが基準位置(最進角位 置又は最遅角位置)に到達したと判定されたときに、ステップ 1 7 0 6に進み、 実バルブタイミングの記憶値を基準位置(最進角位置又は最遅角位置)で更新す る。その後、ステップ 1 7 0 7に進み、現在のバルブタイミングを保持するよう にモータ 2 6を制御して、本プログラムを終了する。

尚、エンジン逆回転後の停止中にステップ 1 7 0 3 ~ 1 7 0 7の処理を実行し て、エンジン逆回転後の停止中に実バルブタイミングを基準位置(最進角位置又 は最遅角位置)に制御するようにしても良い。

一方、基準位置が、可変バルブタイミング装置 1 8の可変範囲の中間位置に設 定されている場合には、上記ステップ 1 7 0 2で「N o」と判定されて、ステツ プ 1 7 0 3 ~ 1 7 0 7の処理を実行することなく、本プログラムを終了する。こ の場合、エンジン逆回転後の停止中に実バルブタイミングを基準位置(中間位置) に制御するようにすると良い。基準位置が可変バルブタイミング装置 1 8の可動 範囲の中間位置に設定されている場合は、実バルブタイミングが分からないと、 実バルブタイミングを基準位置(中間位置)に制御することができなレ、。従って、 エンジン逆回転後の停止中になるのを待って、実バルブタイミングを例えば限界 位置からのバルブタイミング変化量等によって把握できる状態になつてから、実 バルブタイミングを基準位置に制御する。

[基準位置到達判定]

図 3 9のエンジン逆回転中のバルブタイミング制御プログラムのステップ 1 7 0 3で、図 4 0の基準位置到達判定プログラムが起動されると、まず、ステップ 1 8 0 1で、実バルブタイミングを基準位置(最進角位置又は最遅角位置)に到 達させる(位相可変機構 2 1の可動部をストッパ部に付き当てる)のに必要なモ ータ 2 6の目標制御出力積算値を算出する。その後、ステップ 1 8 0 2に進み、 実バルブタイミングが基準位置(最進角位置又は最遅角位置)の方向へ移動する ようにモータ 2 6を制御し始めてからのモータ制御値を積算してモータ 2 6の実 制御出力積算値を求める。

この後、ステップ 1 8 0 3に進み、モータ 2 6の実制御出力積算値が目標制御 出力積算値を越えたか否かを判定する。モータ 2 6の実制御出力積算値が目標制 御出力積算値を越えたと判定されたときに、ステップ 1 8 0 4に進み、実バルブ タイミングが基準位置(最進角位置又は最遅角位置)に到達したと判断して、本 プログラムを終了する。

以上説明した第 1 7実施形態の実行例を図 4 1のタイムチャートを用いて説明 する。エンジン 1 1を始動する際には、 I Gスィッチがオン(V C T駆動リレー がオン)されてからスタータがオンされるまでのエンジン停止中は、エンジン停 止中のバルブタイミング制御を実行する。すなわち、エンジン停止後のモータ 2

6の実回転数を目標回転数に制御してエンジン停止中の実バルブタイミングを目 標バルブタイミングに一致させる。

その後、スタータがオンされているエンジン正回転中は、エンジン正回転中の バルブタイミング制御を実行する。すなわち、クランク角センサ 2 0とカム角セ ンサ 1 9の出力信号に基づいて算出した実バルブタイミングを目標バルブタイミ ングに一致させるように可変バルブタイミング装置 1 8のモータ 2 6をフィード バック制御する。

そして、スタータのオフ後に、エンジン正回転中と判定されれば、再びェンジ ン正回転中のバルブタイミング制御を実行する。しかし、スタータのオフ後に、 エンジン逆回転中と判定された場合には、実バルブタイミングの算出及び可変バ ルブタイミング制御を停止し、実バルブタイミングを基準位置(最進角位置又は 最遅角位置)に戻す。

一方、エンジン 1 1を停止する際には、 I Gスィッチがオフされた直後のェン ジン正回転中は、エンジン正回転中のバルブタイミング制御を実行する。その後、 エンジン停止中と判定されれば、 V C T駆動リレーがオフされるまで、エンジン 停止中のバルブタイミング制御を実行する。ただし、エンジン逆回転中と判定さ れた場合には、実バルブタイミングの算出及び可変バルブタイミング制御を停止 し、実バルブタイミングを基準位置(最進角位置又は最遅角位置)に戻す。

以上説明した第 1 7実施形態によれば、エンジン 1 1の回転状態を監視して、 エンジン正回転中や停止中にだけ、実バルブタイミングの算出や可変バルブタイ ミング制御を行い、エンジン逆回転が発生したときには実バルブタイミングの算 出や可変バルブタイミング制御を停止するようにした。このため、エンジン始動 時や停止時にエンジン逆回転が発生しても、逆回転によるバルブタイミング制御 精度の悪化を未然に防止することができ、エンジン始動時や停止時の可変バルブ タイミング制御の制御性を向上させることができる。

ただし、エンジン停止中は、クランク角センサ 2 0やカム角センサ 1 9の出力 信号に基づいた実バルブタイミングの算出を行なうことができない。そこで、第 1 7実施形態では、エンジン停止中に可変バルブタイミング制御を実行する際に、 エンジン停止後のモータ 2 6の実回転数が目標回転数に一致するように制御して エンジン停止中の実バルブタイミング(エンジン停止直前の実バルブタイミング +バルブタイミング変化量)を目標バルブタイミングに一致させるようにした。 これにより、エンジン停止中に実バルブタイミングを直接算出しなくても、間接 的にエンジン停止中の実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させる ことができ、可変バルブタイミング制御を精度良く実行することができる。

更に、第 1 7実施形態では、エンジン逆回転が発生したときに、実バルブタイ ミングを基準位置に制御するようにしたので、速やかに次の可変バルブタイミン グ制御の準備状態にすることができる。

《第 1 8実施形態》

次に、本発明の第 1 8実施形態について説明する。

本実施形態における可変バルブタイミング装置 1 8は、モータ 2 6を駆動して いないときにモータ 2 6の回転軸 2 7が吸気側カム軸 1 6と同期して回転する構 造となっている。モータ 2 6の回転状態(正回転 .逆回転 '停止)は、モータ回 転速度センサ 2 9の出力信号等に基づいて判定することができる。従って、モー タ 2 6が吸気側カム軸 1 6と同期して回転する状態となっているときに、モータ 2 6の回転状態を判定すれば、エンジン 1 1の回転状態を判定することができる。 第 1 8実施形態で実行する図 4 2のエンジン正回転'逆回転判定プログラムは、 第 1 7実施形態で説明した図 3 6のステップ 1 4 0 3とステップ 1 4 0 4の間に、 2つのステップ 1 4 0 3 a、 1 4 0 3 bの処理を追加したものであり、それ以外 の各ステップの処理は図 3 6と同じである。

本プログラムでは、ステップ 1 4 0 3で、スタータオフ時のエンジン回転速度 が正回転を維持できる所定回転速度よりも低いと判定された場合に、ステップ 1 4 0 3 aに進む。ステップ 1 4 0 3 aでは、可変バルブタイミング装置 1 8が実 バルブタイミングを現状維持する状態になっているとき、つまり、モータ 2 6が 吸気側カム軸 1 6と同期して回転する状態になっているときに、モータ回転速度 センサ 2 9の出力信号等に基づいてモータ 2 6の正回転 ·逆回転を判定する。こ のモータ 2 6の正回転 '逆回転は、エンジン 1 1の正回転 ·逆回転に対応してい る。

この後、ステップ 1 4 0 3 bに進み、スタータのオフ後にモータ 2 6の回転状 態に基づいて正回転と判定される状態が所定時間(又は所定回転数)以上継続し たか否か判定する。その結果、モータ 2 6の回転状態に基づいて正回転と判定さ れる状態が所定時間(又は所定回転数)以上継続すれば、ステップ 1 4 0 2に進 み、エンジン正回転中と判定する。一方、モータ 2 6の回転状態に基づいて正回 転と判定される状態が所定時間(又は所定回転数)以上継続しなければ、ステツ プ 1 4 0 4に進み、エンジン逆回転中と判定する。

このようにすれば、スタータオフ後のエンジン 1 1の正回転 ·逆回転をより精 度良く判定することができる。

《第 1 9実施形態》

本発明の第 1 9実施形態においても、可変バルブタイミング装置 1 8は、モー タ 2 6を駆動していないときにモータ 2 6の回転軸 2 7が吸気側カム軸 1 6と同 期して回転する構造となっている。このため、吸気側カム軸 1 6と同期して回転 するモータ 2 6の回転状態を判定すれば、エンジン 1 1の回転状態を判定するこ とができる。

本発明の第 1 9実施形態では、図 4 3のエンジン回転状態判定プログラムを実 行する。本プログラムが起動されると、まず、ステップ 1 9 0 1で、可変バルブ タイミング装置 1 8を実バルブタイミングが現状維持される状態、つまり、モー タ 2 6が吸気側カム軸 1 6と同期して回転する状態に設定する。その後、ステツ プ 1 9 0 2に進み、モータ回転速度センサ 2 9の出力信号等に基づいてモータ 2 6の回転状態 (正回転 ·逆回転,停止)を判定する。

この後、ステップ 1 9 0 3に進み、上記ステップ 1 9 0 2の判定結果に基づい てモータ回転中であるか否かを判定する。モータ回転中でない(モータ停止中で ある)と判定されれば、ステップ 1 9 0 5に進み、エンジン停止中と判定して、 本プログラムを終了する。

一方、上記ステップ 1 9 0 3で、モータ回転中であると判定された場合には、 ステップ 1 9 0 4に進み、上記ステップ 1 9 0 2の判定結果に基づいてモータ正 回転中であるか否かを判定する。モータ正回転中であると判定されれば、ステツ プ 1 9 0 6に進み、エンジン正回転中と判定して、本プログラムを終了する。 これに対して、上記ステップ 1 9 0 4で、モータ正回転中でない(モータ逆回 転中である)と判定された場合には、ステップ 1 9 0 7に進み、エンジン逆回転 中と判定して、本プログラムを終了する。

以上説明した第 1 9実施形態では、モータ 2 6が吸気側カム軸 1 6と同期して 回転する状態に設定した後、吸気側カム軸 1 6と同期して回転するモータ 2 6の 回転状態に基づいて、エンジン 1 1の回転状態(正回転 '逆回転 '停止)を判定 するようにしたので、エンジン 1 1の回転状態を精度良く判定することができる。 《第 2 0実施形態》

エンジン停止中に可変バルブタイミング制御を実行する際に、第 1 7実施形態 では、エンジン停止後の可変バルブタイミング装置 1 8のモータ 2 6の回転量と して、モータ 2 6の実回転数が目標回転数に一致するように制御してエンジン停 止中の実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させるようにした。そ れに対して、第 2 0実施形態では、モータ 2 6の回転量として、位相変化量を用 いるものである。すなわち、エンジン停止後のモータ 2 6の実位相変化量(実回 転角度)を目標位相変化量(目標回転角度)に一致させるように制御してェンジ ン停止中の実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させるようにする。 尚、モータ 2 6の位相変化量(回転角度)は、モータ 2 6が所定角度回転する 毎にモータ回転速度センサ 2 9から出力されるパルス信号をカウン卜することで 検出することができる。

第 2 0実施形態では、図 4 4に示すエンジン停止中のバルブタイミング制御プ ログラムを実行する。本プログラムが起動されると、まず、ステップ 2 0 0 1で、 目標バルブタイミングを算出する。次いで、ステップ 2 0 0 2で、エンジン停止 直前に算出した実バルブタイミングと目標バルブタイミングとの差(目標バルブ タイミング変化量)に応じてモータ 2 6の目標位相変化量を算出する。そして、 ステップ 2 0 0 3で、エンジン停止後のモータ 2 6の位相変化量を積算してモ一 タ 2 6の実位相変化量を求める。尚、モータ 2 6の位相変化量は、例えば、モー タ正回転方向の場合にプラス値とし、モータ逆回転方向の場合にマイナス値とす る。

この後、ステップ 2 0 0 4及びステップ 2 0 0 5で、エンジン停止後のモータ 2 6の実位相変化量と目標位相変化量とを比較する。モータ 2 6の実位相変化量 が目標位相変化量よりも少なければ、ステップ 2 0 0 6にてモータ 2 6を正回転 制御し、モータ 2 6の実位相変化量が目標位相変化量以上であれば、ステップ 2 0 0 7にてモータ 2 6を逆回転制御する。

その後、ステップ 2 0 0 4にてエンジン停止後のモータ 2 6の実位相変化量が 目標位相変化量に一致したと判定されると、ステップ 2 0 0 8にて、エンジン停 止中の実バルブタイミング(エンジン停止直前の実バルブタイミング +バルブタ イミング変化量)が目標バルブタイミングに到達したと判定する。そして、ステ ップ 2 0 0 9にて、モータ 2 6を停止して、その時点の実バルブタイミングを保 持する。

以上説明した第 2 0実施形態のようにしても、間接的にエンジン停止中の実バ ルブタイミングを算出し、その実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一 致させることができ、可変バルブタイミング制御を精度良く実行することができ る。

《第 2 1実施形態》

上述した第 1 7実施形態や第 2 0実施形態のように、エンジン停止後の可変バ ルブタイミング装置 1 8の作動量を示すモータ 2 6の回転量(回転数、回転角度、 位相変化量)を制御することにより、エンジン停止中の実バルブタイミングを目標 バルブタイミングに一致させることができる。ただし、エンジン停止後のバルブ タイミング変化量を表すパラメータは、上述した可変バルブタイミング装置 1 8 の作動量(モータ 2 6の回転量)に限られず、.例えば、可変バルブタイミング装 置への供給駆動力量を採用することも可能である。

図 4 5に示す本発明の第 2 1実施形態では、エンジン停止中に可変バルブタイ ミング制御を実行する際に、上述した可変バルブタイミング装置 1 8への供給駆 動力量として、可変バルブタイミング装置 1 8のモータ 2 6への供給電力量を用 いる。すなわち、エンジン停止後のモータ 2 6への実供給電力量を目標供給電力 量に一致させるように制御して、エンジン停止中の実バルブタイミングを目標バ ルブタイミングに一致させる。

第 2 1実施形態では、図 4 5に示すエンジン停止中のバルブタイミング制御プ ログラムを実行する。本プログラムが起動されると、まず、ステップ 2 1 0 1で、 目標バルブタイミングを算出する。次に、ステップ 2 1 0 2で、エンジン停止直 前に算出した実バルブタイミングと目標バルブタイミングとの差(目標バルブタ イミング変化量)に応じてモータ 2 6への目標供給電力量を算出する。その後、 ステップ 2 1 0 3で、エンジン停止後のモータ 2 6への供給電力量を積算してモ ータ 2 6への実供給電力量を求める。尚、モータ 2 6への供給電力量は、例えば、 モータ正回転方向の場合にプラス値とし、モータ逆回転方向の場合にマイナス値 とする。

この後、ステップ 2 1 0 4及びステップ 2 1 0 5において、エンジン停止後の モータ 2 6への実供給電力量と目標供給電力量とを比較する。モータ 2 6への実 供給電力量が目標供給電力量よりも少なければ、ステップ 2 1 0 6にてモータ 2 6に正回転方向の電力を供給する。一方、モータ 2 6への実供給電力量が目標供 給電力量以上であれば、ステップ 2 1 0 7にてモータ 2 6に逆回転方向の電力を 供給する。

その後、ステップ 2 1 0 4にて、エンジン停止後のモータ 2 6への実供給電力 量が目標供給電力量に一致したと判定したとき、ステップ 2 1 0 8にてエンジン 停止中の実バルブタイミング(エンジン停止直前の実バルブタイミング +バルブ タイミング変化量)が目標バルブタイミングに到達したと判定する。そして、ス テツプ 2 1 0 9にて、モータ 2 6への電力供給を停止して、その時点の実バルブ タイミングを保持する。

以上説明した第 2 1実施形態のようにしても、間接的にエンジン停止中の実バ ルブタイミングを算出して、この実バルブタイミングを目標バルブタイミングに 一致させることができ、可変バルブタイミング制御を精度良く実行することがで きる。

《第 2 2実施形態》

上述した第 2 1実施形態では、可変バルブタイミング装置 1 8がモータ駆動式 であったため、可変バルブタイミング装置 1 8への供給駆動力量として、可変バ ルブタイミング装置 1 8のモータ 2 6への供給電力量を用いた。

第 2 2実施形態では、油圧駆動式の可変バルブタイミング装置を用いた場合に、 可変バルブタイミング装置への供給駆動力量として、油圧駆動源(電動オイルポ ンプ)から供給される供給油量を採用するものである。すなわち、図 4 6に示す 本発明の第 2 2実施形態では、エンジン 1 1とは別に設けられた電動オイルボン プ等から供給される油圧で駆動する油圧駆動式の可変バルブタイミング装置(以 下 「油圧 V C T」と表記する)において、エンジン停止後の油圧 V C Tへの実供 給油量を目標供給油量に一致させるように制御してエンジン停止中の実バルブタ ィミングを目標バルブタイミングに一致させるようにする。

第 2 2実施形態では、図 4 6に示すエンジン停止中のバルブタイミング制御プ ログラムを実行する。本プログラムが起動されると、まず、ステップ 2 2 0 1で、 目標バルブタイミングを算出する。次に、ステップ 2 2 0 2で、エンジン停止直 前に算出した実バルブタイミングと目標バルブタイミングとの差(目標バルブタ イミング変化量)に応じて油圧 V C Tへの目標供給油量を算出する。そして、ス テツプ 2 2 0 3で、エンジン停止後の油圧 V C Tへの供給油量を積算して油圧 V C Tへの実供給油量を求める。尚、油圧 V C Tへの供給油量は、例えば、バルブ タイミング進角方向の場合にプラス値とし、バルブタイミング遅角方向の場合に マイナス値とする。

この後、ステップ 2 2 0 4及びステップ 2 2 0 5にて、エンジン停止後の油圧 V C Tへの実供給油量と目標供給油量とを比較する。油圧 V C Tへの実供給油量 が目標供給油量よりも少なければ、ステップ 2 2 0 6にて、油圧 V C Tにバルブ タイミング進角方向の油圧を供給する。一方、油圧 V C Tへの実供給油量が目標 供給油量以上であれば、ステップ 2 2 0 7にて、油圧 V C Tにバルブタイミング 遅角方向の油圧を供給する。

その後、ステップ 2 2 0 4にて、エンジン停止後の油圧 V C Tへの実供給油量 が目標供給油量に一致したと判定したとき、ステップ 2 2 0 8にて、エンジン停 止中の実バルブタイミング(エンジン停止直前の実バルブタイミング +バルブタ イミング変化量)が目標バルブタイミングに到達したと判定する。そして、ステ ップ 2 2 0 9にて、油圧 V C Tへの油供給条件を保持して、その時点の実バルブ タイミングを保持する。

以上説明した第 2 2実施形態のようにしても、間接的にエンジン停止中の実バ ルブタイミングを算出し、算出した実バルブタイミングを目標バルブタイミング に一致させることができ、可変バルブタイミング制御を精度良く実行することが できる。

《第 2 3実施形態》

エンジン逆回転中又は逆回転後の停止中に実バルブタイミングを基準位置(最 進角位置又は最遅角位置)に制御する際に、前述の第 1 7実施形態では、モータ 2 6の実制御出力積算値が目標制御出力積算値を越えたか否かによって実バルブ タイミングが基準位置に到達したか否かを判定するようにした。それに対して、 第 2 3実施形態では、モータ 2 6の実制御時間積算値が目標制御時間積算値を越 えたか否かによって実バルブタイミングが基準位置に到達したか否かを判定する ものである。すなわち、可変バルブタイミング装置 1 8に対する制御出力を判定 する際に、その制御出力の積算値以外に、制御時間の積算値を用いても、実バル ブタイミングが基準位置に到達したか否かを判定することができる。

第 2 3実施形態では、図 4 7に示す基準位置到達判定プログラムを実行する。 本プログラムでは、まず、ステップ 2 3 0 1で、実バルブタイミングを基準位置 (最進角位置又は最遅角位置)に到達させる(位相可変機構 2 1の可動部をスト ツバ部に付き当てる)のに必要なモータ 2 6の目標制御時間積算値を算出する。 その後、ステップ 2 3 0 2に進み、実バルブタイミングが基準位置(最進角位置 又は最遅角位置)の方向へ移動するようにモータ 2 6を制御し始めてからのモー タ制御時間を積算してモータ 2 6の実制御時間積算値を求める。

この後、ステップ 2 3 0 3にて、モータ 2 6の実制御時間積算値と目標制御時 間積算値とを比較する。モータ 2 6の実制御時間積算値が目標制御時間積算値を 越えたとき、ステップ 2 3 0 4にて、実バルブタイミングが基準位置(最進角位 置又は最遅角位置)に到達したと判断する。

以上説明した第 2 3実施形態のようにしても、実バルブタイミングが基準位置 (最進角位置又は最遅角位置)に到達したか否かを精度良く判定することができ る。

《第 2 4実施形態》

上述した第 1 7実施形態及び第 2 3実施形態では、可変バルブタイミング装置 1 8に対する制御出力に基づいて、実バルブタイミングが基準位置に到達したか 否かを判定した。しかしながら、実バルブタイミングが基準位置に到達したか否 かは、可変バルブタイミング装置 1 8の作動状態に基づいて判定することも可能 である。

図 4 8に示す本発明の第 2 4実施形態では、実バルブタイミングが基準位置(最 進角位置又は最遅角位置)に到達して位相可変機構 2 1の可動部がストツバ部に 付き当ったときに、モータ 2 6の回転がカム軸回転速度と同等速度に急低下又は 急停止してモータ 2 6の電流値又は電圧値が増加することに着目した。すなわち、 可変バルブタイミング装置 1 8の作動状態として、モータ 2 6の実電流値又は実 電圧値を監視し、実電流値又は実電圧値が所定の閾値を越えたか否かによって実 バルブタイミングが基準位置に到達したか否かを判定するものである。

第 2 4実施形態では、図 4 8に示す基準位置到達判定プログラムを実行する。 本プログラムでは、まず、ステップ 2 4 0 1で、実バルブタイミングが基準位置 (最進角位置又は最遅角位置)に到達したか否か(つまり、モータ 2 6の回転が 制限されてモータ 2 6の電流値又は電圧値が増加したか否か)を判定するための モータ電流閾値又はモータ電圧閾値を算出する。その後、ステップ 2 4 0 2で、 モータ 2 6の実電流値又は実電圧値を検出する。

この後、ステップ 2 4 0 3にて、モータ 2 6の実電流値(又は実電圧値)とモ ータ電流閾値(又はモータ電圧閾値)とを比較する。モータ 2 6の実電流値(又 は実電圧値)がモータ電流閾値(又はモータ電圧閾値)を越えたとき、ステップ 2 4 0 4にて、実バルブタイミングが基準位置(最進角位置又は最遅角位置)に 到達したと判断する。

以上説明した第 2 3実施形態のようにしても、実バルブタイミングが基準位置 (最進角位置又は最遅角位置)に到達したか否かを精度良く判定することができ る。

《第 2 5実施形態》

第 2 5実施形態は、上述した第 2 4実施形態の変形例に相当する。すなわち、 第 2 5実施形態では、実バルブタイミングが基準位置(最進角位置又は最遅角位 置)に到達して位相可変機構 2 1の可動部がストツバ部に付き当ったときに、モ ータ 2 6の回転がカム軸回転速度と同等速度に急低下又は急停止したことを、モ ータ 2 6の実回転速度によって検出する。具体的には、モータ 2 6の回転がカム 軸回転速度と同等速度に急低下又は急停止してモータ 2 6の実回転速度が所定の 閾値以下になったとき、実バルブタイミングが基準位置に到達したと判定する。 第 2 5実施形態では、図 4 9に示す基準位置到達判定プログラムを実行する。 本プログラムでは、まず、ステップ 2 5 0 1で、実バルブタイミングが基準位置 (最進角位置又は最遅角位置)に到達したか否か(つまり、モータ 2 6の回転速 度が急低下したか否か)を判定するためのモータ回転速度閾値を算出する。その 後、ステップ 2 5 0 2で、モータ 2 6の実回転速度を検出する。

この後、ステップ 2 5 0 3にて、モータ 2 6の実回転速度とモータ回転速度閾 値とを比較する。モータ 2 6の実回転速度がモータ回転速度閾値以下になったと きに、ステップ 2 5 0 4にて、実バルブタイミングが基準位置(最進角位置又は 最遅角位置)に到達したと判断する。

以上説明した第 2 5実施形態のようにしても、実バルブタイミングが基準位置 (最進角位置又は最遅角位置)に到達したか否かを精度良く判定することができ る。

《第 2 6実施形態》

次に、図 5 0を用いて本発明の第 2 6実施形態を説明する。

エンジン始動時や停止時等のエンジン回転速度が低いときには、エンジン 1 1 で駆動されるオルタネータの発電量(バッテリの充電量)が低下して、バッテリ 電圧が低下しやすくなる。エンジン始動時や停止時の可変バルブタイミング制御 中にバッテリ電圧が低くなり過ぎると、可変バルブタイミング装置 1 8への供給 電力が不足状態になって可変バルブタイミング装置 1 8の動作不良が発生したり、 スタータへの供給電力が不足状態になってエンジン 1 1の始動性が低下したりす る可能性がある。

この対策として、第 2 6実施形態では、図 5 0に示す可変バルブタイミング装 置の作動条件変更プログラムを実行することで、エンジン回転速度が所定値より も低いときに、バッテリ電圧に応じて可変バルブタイミング装置 1 8の作動条件 を変更する。これにより、エンジン始動時や停止時等のエンジン回転速度が低い ときにバッテリ電圧が低下しても、そのバッテリ電圧条件下で可変バルブタイミ ング装置 1 8が正常動作できるように、或は、スタータへの供給電力を確保でき るように、可変バルブタイミング装置 1 8の作動条件を変更できる。

図 5 0に示す可変バルブタイミング装置の作動条件変更プログラムは、 I Gス イッチのオンから V C T駆動リレーのオフまでの期間に所定周期で実行される。 本プログラムが起動されると、まず、ステップ 2 6 0 1で、現在のバッテリ電圧 を検出する。その後、ステップ 2 6 0 2に進み、現在のエンジン回転速度を検出 する。次に、ステップ 2 6 0 3にて、エンジン回転速度が所定値以上であるか否 かを判定する。この所定値は、エンジン 1 1で駆動されるオルタネータの発電量

(バッテリの充電量)を+分に確保できるエンジン回転速度に設定される。その 結果、エンジン回転速度が所定値以上であると判定されれば、バッテリ電圧低下 による不具合は発生しないと判断して、本プログラムを終了する。

一方、ステップ 2 6 0 3で、エンジン回転速度が所定値よりも低いと判定され た場合には、ステップ 2 6 0 4に進み、バッテリ電圧が第 1の所定値 V I 以上で あるか否かを判定する。その結果、バッテリ電圧が第 1の所定値 V I 以上である と判定されれば、バッテリ電圧低下による不具合は発生しないと判断して、本プ ログラムを終了する。

上記ステップ 2 6 0 4で、バッテリ電圧が第 1の所定値 V I よりも低いと判定 されたときは、ステップ 2 6 0 5に進み、バッテリ電圧が第 2の所定値 V 2 以上 であるか否かを判定する。この第 2の所定 ί直 V2 は、第 1の所定値 V I よりも低 い電圧値に設定されている。その結果、バッテリ電圧が第 1の所定値 V I よりも 低く、且つ、第 2の所定値 V 2 以上であると判定された場合には、ステップ 2 6 0 6に進み、可変バルブタイミング装置 1 8の作動速度を所定速度以下に制限し て、可変バルブタイミング装置 1 8の消費電力を低減する。これにより、可変バ ルブタイミング装置 1 8を低消費電力モードで正常動作させながら、スタータ等 への供給電力を確保できるようにする。

これに対して、バッテリ電圧が第 2の所定値 V I よりも低いと判定された場合 には、可変バルブタイミング装置 1 8の作動速度制限では対処しきれないと判断 して、ステップ 2 6 0 7に進み、可変バルブタイミング装置 1 8の作動を禁止す る。これにより、可変バルブタイミング装置 1 8の動作不良やスタータへの供給 電力不足を確実に防止できるようにする。

以上説明した第 2 6実施形態によれば、エンジン回転速度が所定値よりも低い ときに、バッテリ電圧に応じて可変バルブタイミング装置 1 8の作動速度を制限 したり、可変バルブタイミング装置 1 8の作動を禁止するようにした。これによ り、エンジン始動時や停止時にバッテリ電圧の低下が発生しても、その電圧低下 によって発生する可変バルブタイミング装置 1 8の動作不良やエンジン始動性の 低下を未然に防止することができ、エンジン始動時や停止時の制御性を向上させ

ることができる。

尚、第 2 6実施形態におけるエンジン回転速度の所定値(閾値)ゃバッテリ電 圧の所定値(閾値)は、エンジン状態(温度、エンジン負荷、電気負荷、オイル 粘度等)に応じて変更しても良い。このようにすれば、例えば低温始動時のよう にバッテリ負荷が大きい場合に、エンジン回転速度の所定値又はバッテリ電圧の 所定値を大きくして、バッテリ電圧不足による不具合を防止することが可能にな る。

また、第 2 6実施形態では、バッテリ電圧が低いときに、可変バルブタイミン グ装置 1 8の作動速度を制限するようにしたが、可変バルブタイミング装置 1 8 の他の作動条件(例えば作動量等)を変更するようにしても良い。

また、第 2 6実施形態は、上述した各実施形態と組み合わせて実施しても良い 力 S、単独で実施しても良い。

また、上記第 1 7実施形態〜第 2 6実施形態では、バルブタイミング制御プロ グラム側でエンジン逆回転を判定するようにしたが、エンジン制御プログラム側 でエンジン逆回転判定を実行し、その判定結果をバルブタイミング制御プログラ ムで利用するようにしても良い。また、バルブタイミング制御プロダラム側で実 行したェンジン逆回転判定の判定結果をェンジン制御プログラム側に反映させて、 逆回転判定時の燃料力ット制御等を実行するようにしても良い。

また、上記第 1 7実施形態〜第 2 6実施形態では、エンジン停止中に可変バル ブタイミング制御を実行する際に、エンジン停止後のモータ 2 6の回転量(回転 数、位相変化量)等のバルブタイミング変化量を表すパラメータを目標値に制御 することで、エンジン停止中に実バルブタイミングを直接算出せずに、エンジン 停止中の実バルブタイミングを目標バルブタイミングに一致させるようにした。 しかし、エンジン停止直前の実バルブタイミングと、エンジン停止後のモータ 2 6の回転量 (回転数、位相変化量)等のバルブタイミング変化量を表すパラメ一 タとに基づいてエンジン停止中の実バルブタイミング(エンジン停止直前の実バ ルブタイミング +バルブタイミング変化量)を算出し、エンジン停止中の実バル ブタイミングを目標バルブタイミングに一致させるように可変バルブタイミング 装置 1 8をフィードバック制御するようにしても良レ、。

また、本発明は、上述した第 1 7実施形態〜第 2 6実施形態のように吸気バル ブの可変バルブタイミング制御装置に限定されず、排気バルブの可変バルブタイ ミング制御装置に適用しても良い。更に、可変バルブタイミング装置 1 8の構成 は、適宜変更しても良く、要は、エンジンとは別に設けたモータ、オイルポンプ 等の駆動源で駆動する可変バルブタイミング装置であれば良い。