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1. JP2014152180 - コーティング液及び反射防止膜

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Description

Title of Invention コーティング液及び反射防止膜 20131113 C03C17/00〜C03C17/44 C09D1/00〜C09D201/10 G02B1/00〜G02B1/12 H01L31/00〜H01L31/20 登録実用新案第3181244(JP,U) 特開2013−006131(JP,A) 特開2010−116301(JP,A) 特開2010−285300(JP,A) 特開平05−196802(JP,A) 特開昭58−126502(JP,A) 特開平07−309616(JP,A) 東亞合成研究年報 TREND ,第12号 ,34〜37ページ 20130227 安藤 達也

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005  

Citation List

Patent Literature

0006  

Disclosure of Invention

Technical Problem

0007   0008  

Technical Solution

0009  

Advantageous Effects

0010  

Brief Description of Drawings

0011  

Description of Embodiments

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052  

Reference Signs List

0053  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12    

Drawings

1   2   3   4   5   6   7   8    

Description

コーティング液及び反射防止膜

20131113 C03C17/00〜C03C17/44 C09D1/00〜C09D201/10 G02B1/00〜G02B1/12 H01L31/00〜H01L31/20 patcit 1 : 登録実用新案第3181244(JP,U)
patcit 2 : 特開2013−006131(JP,A)
patcit 3 : 特開2010−116301(JP,A)
patcit 4 : 特開2010−285300(JP,A)
patcit 5 : 特開平05−196802(JP,A)
patcit 6 : 特開昭58−126502(JP,A)
patcit 7 : 特開平07−309616(JP,A)
nplcit 1 : 東亞合成研究年報 TREND ,第12号 ,34〜37ページ
20130227 安藤 達也

Technical Field

[0001]
本発明は、反射防止膜を形成するためのコーティング液、及び前記コーティング液を塗布及び乾燥させて成膜した反射防止膜に関する。

Background Art

[0002]
近年、クリーンエネルギーに関する技術開発が盛んに行われている。自然エネルギーや再生可能エネルギーなどと称される太陽光も、クリーンエネルギーの一つである。太陽光を電気に変える太陽電池は、一般的に、多数の光電変換素子を配列したパネル構造とされ、素子を保護する透明性の保護カバーがパネル表面に配置されている。また、透明性部材の一面に光電変換素子を配置した一体型の太陽電池もある。前記保護カバーや前記透明性部材の光透過率が低いと発電効率に影響を及ぼすため、これらの材料としては光透過率が高いガラス基板が選択され、さらに反射防止膜で表面をコーティングして光透過率を向上させることが知られている。反射防止膜としては、コーティングすることに因って光透過率が1.5%以上向上することが望まれる。
[0003]
一方で、太陽電池は、屋外に設置されることが多いため、ガラス基板の表面に汚れが付着したり、傷がついたりして、次第に光透過率が低下する場合がある。そのため、硬度向上を目的にしたコーティング膜や、防汚を目的としたコーティング膜など、特定の効果を発揮する機能性コーティング膜の検討がなされている(例えば、特許文献1〜4参照)。
[0004]
しかしながら、硬度向上や防汚の機能的効果が得られる一方で、機能性コーティング膜を形成することに因って光透過率が低下してしまうと、発電効率に影響を及ぼす。太陽電池用のガラス基板においては、コーティングすることに因る光透過率の低下が0.2%未満であれば許容範囲内とされる場合もあるが、現実的には光透過率が低下しないことが好ましく、光透過率が向上することがより好ましい。
[0005]
すなわち、反射防止膜は、コーティングすることに因る光透過率の向上だけでなく、使用中の光透過率低下を抑える機能性を有していることが有用である。そのような機能性としては、基板表面の硬度向上と防汚が有効である。但し、硬度向上と防汚の機能を発揮する成分を膜組成に加えたことで光透過率が低下したのでは意味がなく、所望の光透過率を確保することが重要である。

Citation List

Patent Literature

[0006]
patcit 1 : 特開2005−15728号公報
patcit 2 : 特開2001−98187号公報
patcit 3 : 特開2001−40245号公報
patcit 4 : 特開2004−60036号公報

Disclosure of Invention

Technical Problem

[0007]
本発明は、上述の事情に基づいてなされたものであり、その目的は、コーティングすることで高い光透過率の向上が得られ、さらに表面硬度が高く、防汚の機能性を備えた反射防止膜を成膜することのできるコーティング液を提供することにある。
[0008]
さらに、本発明の他の目的は、前記コーティング液を原料として後述する塗布法によって成膜される、光透過率が高く、表面硬度が高く、防汚の機能性を備えた反射防止膜を提供することにある。

Technical Solution

[0009]
本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)反射防止膜を形成するためのコーティング液であって、コロイダルシリカとチタニア−シリカが溶媒に分散しており、該溶液を組成する全ケイ素元素と全チタン元素のモル比(Si/Ti)が3以上(Si/Ti≧3)であることを特徴とするコーティング液。
(2)前記モル比(Si/Ti)が24〜60の範囲内であることを特徴とするコーティング液。
(3)前記モル比(Si/Ti)が30〜55であることを特徴とするコーティング液。
(4)前記コロイダルシリカが、水ガラスを原料として精製し、アルカリ金属イオンが5000ppm以下の物であることを特徴とするコーティング液。
(5)前記コロイダルシリカが、ケイ素(Si)の有機塩を原料としたコロイダルシリカであることを特徴とするコーティング液。
(6)水溶性シリカをさらに含むことを特徴とするコーティング液。
(7)前記水溶性シリカが、珪酸アンモニウム、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸ルビジウム、珪酸セシウムのいずれか1種以上であることを特徴とするコーティング液。
(8)前記チタニア−シリカが、ペルオキソ型のチタニア−シリカを含み、前記溶液を組成するペルオキソ基の割合が0.0005質量%〜0.1質量%であることを特徴とするコーティング液。
(9)ペルオキソ型のチタニアをさらに含有し、前記溶液を組成するペルオキソ基の割合が0.0005質量%〜0.1質量%であることを特徴とするコーティング液。
(10)前記コーティング液を塗布、乾燥して成膜された反射防止膜であって、前記コロイダルシリカに由来するシリカとチタニア−シリカを膜組成物に含有し、前記反射防止膜を組成する全ケイ素元素と全チタン元素のモル比(Si/Ti)が3以上(Si/Ti≧3)であることを特徴とする反射防止膜。
(11)前記モル比(Si/Ti)が24〜60の範囲内であることを特徴とする反射防止膜。
(12)前記モル比(Si/Ti)が30〜55であることを特徴とする反射防止膜。

Advantageous Effects

[0010]
本発明によれば、コロイダルシリカとチタニア−シリカが溶媒に分散しており、該溶液を組成する全ケイ素元素と全チタン元素のモル比(Si/Ti)が3以上(Si/Ti≧3)、好ましくは24〜60、より好ましくは30〜55に調製されたコーティング液であることにより、コーティングすることによって光透過率が1.5%以上向上し、引っかき硬度試験(鉛筆法、JIS K5600-5-4)で表面硬度が6H以上に到達し、チタニア−シリカの光触媒作用によって防汚機能を発揮することができる反射防止膜を、低温で容易に成膜することが可能となる。

Brief Description of Drawings

[0011]
[fig. 1] 本発明の実施形態に従う反射防止膜を示す。
[fig. 2] 膜組成物のモル比(Si/Ti)と光透過率の相関図である。
[fig. 3] 上記反射防止膜の水接触角を示す。
[fig. 4] コーティング液を組成するチタニア−シリカを調製する手順を示す。
[fig. 5] 上記反射防止膜の水溶性シリカ濃度と光透過率の相関図である。
[fig. 6] 水溶性シリカを添加しない反射防止膜の耐水性試験の結果を示す。
[fig. 7] 水溶性シリカを添加した反射防止膜の耐水性試験の結果を示す。
[fig. 8] コーティング液を組成するチタニアを調製する手順を示す。

Description of Embodiments

[0012]
以下、本発明の好ましい実施形態に従うコーティング液及び反射防止膜について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。但し、以下に説明する実施形態によって本発明の技術的範囲は何ら限定解釈されることはない。また、以下の説明では、コーティング対象である基板の一例として太陽電池の発電用採光部分のガラスを挙げているが、太陽電池の発電用採光部分のガラスに制限されることはなく、光学レンズ,電子機器のディスプレイ,建築材、自動車の窓ガラスなど、光透過特性が求められるすべての部材を含む。
[0013]
図1に示すように、本実施形態の反射防止膜1は、光透過性を有する基板2の表面に形成されている。反射防止膜1は、基板2の表面にだけでなく、表面と裏面の両方に形成してもよい。さらに、基板2と反射防止膜1との間に他の薄膜が介在してもよい。また、図1には一例として平板状の基板2を示しているが、基板2の平面形状及び断面形状並びに厚みも特に限定されることはない。
[0014]
基板2は、反射防止膜1が未形成のときに、波長400−700nmの平均光透過率が80%以上であることが好ましい。但し、用途,設置場所,設計仕様等によって平均光透過率の要望値が変わる場合もある。特に、太陽電池の場合は、高い発電効率を得るために波長400−700nmの平均光透過率90%以上のガラス基板が用いられる。平均光透過率が前記基準を満たしていれば、用途等に応じて基板2の厚みを種々設定することができる。一例として、太陽電池の発電用採光部分のガラスの場合は、3〜5mmの厚みのガラス基板を用いる。
[0015]
基板2は、好ましくはガラス(ガラス基板)を用いる。その中でも石英ガラスが透過性に優れるので好ましい。勿論、ガラスの種類が制限されることはなく、ソーダガラス,クリスタルガラス,硼珪酸ガラスなど、公知のガラスのいずれをも適用することができる。また、基板2は、ガラス以外の材料を用いることもできる。ガラス以外の材料としては、透明プラスチック等の樹脂材料や、可撓性を有する透明フィルム等を一例として挙げることができる。
[0016]
反射防止膜1は、以下の3つの主要項目(1)〜(3)について基準を満たすことが好ましく、更に2つの追加項目(4)〜(5)について基準を満たすことが、より好ましい。
(1)光透過率(成膜することに因る向上率が1.5%以上)
(2)膜硬度(引っかき硬度試験(鉛筆法、JIS K5600-5-4)で6H以上)
(3)防汚機能(光触媒機能を発揮すること)
(4)レベリング性能(膜表面粗さが平均膜厚±30%以下)
(5)不純物レベル(コーティング液中のアルカリ金属が1200ppm以下、より好ましくは250ppm以下、塩化物(Cl)が5ppm以下、硫化物(SO )が5ppm以下、より好ましくは、いずれも1ppm以下)
[0017]
(1)光透過性
反射防止膜1は、基板2の表面に例えば50〜150nmの厚みで成膜される。成膜方法は、特に限定されないが、後述するコーティング液を用いて、後述する塗布法によって成膜することが好ましい。反射防止膜1は、コロイダルシリカとチタニア−シリカに由来する膜組成物によって形成されている。すなわち、コロイダルシリカとチタニア−シリカを含有するコーティング液を基板表面に塗布し、乾燥することによって、コロイダルシリカのシリカとチタニア−シリカが均一に分布・散在した膜組成物が形成されている。
[0018]
反射防止膜1は、基板2の表面をコートすることによって光透過率が向上することが好ましい。好ましい基準値は、基板上に約100nmの薄膜を形成したときに、波長400−700nmの平均光透過率が1.5%以上向上することである。1.5%以上向上という基準値を満足するためは、反射防止膜1を組成する全ケイ素元素と全チタン元素のモル比(Si/Ti)が3以上(Si/Ti≧3)となっていることが重要である。好ましくはモル比(Si/Ti)が3〜96、より好ましくは24〜60、更に好ましくは30〜55である。これらの範囲内において、基板2の用途に応じてモル比(Si/Ti)をきめ細かく設定するようにすれば更に好ましい。モル比(Si/Ti)が3未満の場合、光透過率の向上が基準値に達成しない場合が多く、またモル比(Si/Ti)が1を下回ると、光透過率が低下する場合がある。一例として実施した試験では、モル比(Si/Ti)を1としたときに波長400−700nmの平均光透過率が2.0%低下した。
[0019]
用途に応じたモル比(Si/Ti)の設定値の一例として、基板2が太陽電池の発電用採光部分のガラスの場合は、モル比(Si/Ti)を24〜60、好ましくは30〜55に設定する。モル比(Si/Ti)が小さいと、チタニアの含有率が多い分だけ防汚機能が向上するが、反面、光透過性及び膜硬度の低下が起こる場合がある。前記の範囲内に設定すれば高い膜硬度を実現でき、例えば後述する熱水試験や沸騰水試験において鉛筆硬度6H以上を達成することが可能である。反対に、モル比(Si/Ti)が大きいと、光透過性及び膜硬度が向上するが、防汚機能が得られない場合がある。なお、膜組成物のモル比(Si/Ti)は、ICP−AES、EDX等の測定装置を用いて測定することができる。また、コーティング液中のシリカ及びチタニア−シリカの濃度からモル比(Si/Ti)を求めることもできる。なお、後述する水溶性シリカやペルオキソ型チタニア等、コロイダルシリカ及びチタニア−シリカ以外の第3成分がSi又はTiを含む場合、これら第3成分のSi及びTiも全ケイ素元素と全チタン元素のモル比(Si/Ti)に含める。
[0020]
図2は、モル比(Si/Ti)と平均光透過率の変化率(成膜前後の差分)との相関図であり、実際の試験結果に基づいて作成した。図2におけるプロット●は、コーティング液の組成物として、コロイダルシリカは市販品を用い、チタニア−シリカは後述する方法で調製したペルオキソ型のチタニア−シリカを用いた。また、プロット▲は、TEOS系のペルオキソ型のチタニア−シリカのみでモル比を調整した物を用いたときの結果である。基板2は、ガラス(平均光透過率90%)を用い、反射防止膜1の厚みが100nmとなるように成膜した。塗布はスプレーを用いて行い、自然乾燥で溶媒を蒸発させて成膜した。図2から明らかなように、モル比(Si/Ti)が1から3の範囲に光透過率が急激に向上する臨界特性があり、モル比(Si/Ti)が3以上で1.5%以上の基準値を達成できた。モル比(Si/Ti)が3以上においても、モル比(Si/Ti)が大きくなるに従って光透過率が向上し、モル比(Si/Ti)が6以上で2.0%以上の向上率を達成できた。
[0021]
ここで、「チタニア−シリカ」とは、TiとSiがOを介して結合したTi−O−Si複合化合物を含むものであって、且つ、少なくともTiOOH,SiOOH,TiOOTi,SiOOSi,TiOOSiの過酸化結合の一種以上を含むものを意味し、チタニアのみや、チタニアとシリカを単純に混合したものとは区別される。チタニア−シリカは、光触媒機能によって基板表面に付着した汚れ(例えば、有機物)を分解する機能を発揮する。さらに、シリカの構造部分によって発揮される親水性によって汚れを防止する機能も発揮する。このようなチタニア−シリカは、例えば特許第2913257号によって報告されている。
[0022]
チタニア−シリカは、ペルオキソ型のチタニア−シリカ、アナターゼ型のチタニア−シリカ、ルチル型のチタニア−シリカ、ブルッカイト型のチタニア−シリカのいずれか1種以上である。好ましくは、バインダーとして作用するペルオキソ型のチタニア−シリカと、光触媒作用が優れたアナターゼ型及びブルッカイト型のいずれか1種以上のチタニア−シリカとの混合物である。さらに好ましくは、ペルオキソ型のチタニア−シリカとアナターゼ型のチタニア−シリカの混合物である。ペルオキソ型のチタニア−シリカ、アナターゼ型のチタニア−シリカ、ルチル型のチタニア−シリカ、ブルッカイト型のチタニア−シリカは、市販の物を使用することができる。又は製造した物を使用することもできる。
[0023]
コロイダルシリカは、ケイ素(Si)の無機塩を加水分解して得られるシリカゾル、有機塩を加水分解して得られるシリカゾル、或いはこれらの混合物である。ケイ素(Si)の無機塩としては、珪酸アンモニウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム等が一例として挙げられる。また、ケイ素(Si)の有機塩としては、TEOS(Tetraethyl orthosilicate)、TMOS(Tetramethoxysilane)、TiPOS(Tetraisopropoxysilane)又はTBOS(Tetrabutoxysilane)等のケイ素のアルコキシドが一例として挙げられる。その中でも、特にTEOSが安価で光透過性の向上率が高いので好適である。無機系のコロイダルシリカは、アニオン性のコロイダルシリカ及びカチオン性のシリカゾルを採用することができ、代表的な例として日産化学株式会社のスノーテックス,日本化学工業株式会社のシリカドール,株式会社ADEKA(アデカ)のアデライトがある。一方、有機系のコロイダルシリカの代表的な例として、多摩化学工業株式会社、扶桑化学工業株式会社の製品があるが、自社でTetraorganosilaneを加水分解してつくることができる。
[0024]
コロイダルシリカは、例えば粒径が数ナノメートルから数十マイクロメーターの微粒子が液中に分散したシリカゾルである。さらに、引っかき硬度試験(鉛筆法、JIS K5600-5-4)で表面硬度が6H以上を到達するためにコロイダルシリカを構成する微粒子の平均粒径が50nm以下であることが好ましい。チタニア−シリカも、例えば粒径が数ナノメートルから数十マイクロメーターの微粒子であり、コーティング液中でゾルを形成している。好ましいコーティング液は、前述のモル比(Si/Ti)となるコロイダルシリカとチタニア−シリカを含有している。
[0025]
(2)膜硬度
さらに、膜硬度が前記基準を満たすためには、ガラス基板表面のシリカ(SiO )と水素結合を形成し易いバインダー的性質を有するゾル成分が不可欠である。該当するものとしては、加水分解による脱水縮重合でガラス基板表面のシリカとシロキサン結合を容易に形成するコロイダルシリカが挙げられるが、更に基板表面との密着性を向上させるには、水素結合を形成し易いペルオキソ体が膜組成物に存在することである。しかし、ケイ素(Si)のみではペルオキソ体を形成することができないため、チタン(Ti)の存在が不可欠となる。そのため、前述したようにチタニア−シリカがペルオキソ型のチタニア−シリカを含んでいることが好ましい。そのとき、膜組成物中のペルオキソ基の割合が0.05質量%〜10質量%であることが好ましい。従って、コーティング液の固形分濃度が1質量%の場合は、液中のペルオキソ基の割合が0.0005質量%〜0.1質量%であることが好ましい。コーティング液の固形物濃度は1質量%に限定はされない。1質量%以外の固形物濃度であっても、1質量%に換算したときに液中のペルオキソ基の割合が0.0005質量%〜0.1質量%であればよい。ペルオキソ基の割合が少な過ぎると、基板2に対する溶液の一様な分布が得られ難くなる場合があり、反対に多過ぎると、遊離の過酸化水素が存在することになり、その分解で発生する気泡が平滑な膜形成を阻害する場合がある。なお、チタニア−シリカがペルオキソ型でないものを使用する場合、ペルオキソ型のチタニアを加えるようにしてもよい。勿論、ペルオキソ型のチタニア−シリカとペルオキソ型のチタニアの両方を含有していてもよい。
[0026]
密着性が向上する理由について詳しく説明すると、チタン化合物のペルオキソ体が存在する場合、結晶中心のTiに結合した−O−O−H基がTi及び/又はSiを引き連れて基板ガラスのSiO に配位し、−O−O−H基の−O−O−部分(δ−)が基板ガラスのSiO のSi(δ+)に引き付けられ、一方、−O−O−H基のH(δ+)がSi−O−SiのO(δ−)と水素結合が形成し易くなると考えられる。すなわち、単なるコロイダルシリカの密着性・レベリング性に加えて、この作用により一層密着性が向上し、高い膜硬度が得られる。一例として実施した試験では、塗布後1日以内で引っかき硬度試験(鉛筆法、JIS K5600-5-4)が2H以上となり、屋外暴露で1週間後に4H、30日後に6Hに到達した。
[0027]
図2には、モル比(Si/Ti)を1,3,6,9,12に設定したときの膜硬度の結果を併せて示している。膜硬度の測定は、1日経過後に行った。図2の結果から明らかなように、モル比(Si/Ti)が6以上で鉛筆硬度6Hが達成できた。
[0028]
(3)防汚機能
既述のように、チタニア−シリカは、有機物を分解する光触媒機能及び親水性を発現する光触媒機能の両方を有し、これら光触媒機能によって高い防汚機能を発揮する。特に、アナターゼ型及びブルッカイト型のチタニア−シリカが光触媒機能に優れている。防汚機能が前記基準値を満たすか否かを判断する指標の一つとして、反射防止膜1の水接触角がある。一般に、水接触角が少なくとも20°以下、望ましくは10°以下であれば、特に親水性に基づく防汚機能があると判定される(測定法;JIS R 1703-1, ファインセラミックス−光触媒材料のセルフクリーニング試験方法−第1部:水接触角の測定)。すなわち、水接触角が小さいことで、大気中のダスト等の異物が基板表面に付着し難く、また付着しても雨水等で容易に異物が流れ落ちる。
[0029]
図3は、前述のモル比(Si/Ti)を12に設定した反射防止膜1、シリカ(SiO )のみの反射防止膜(膜原料;コロイダルシリカ)、反射防止膜が未形成の基板ガラス(コートなし)の水接触角を測定した結果を示す。水接触角は、光触媒機能が作用するように紫外線暴露下で行った。図3から明らかなように、モル比(Si/Ti)を12に設定した反射防止膜1は、紫外線暴露下144時間(6日)で水接触角が20°以下、約350時間で10°以下を達成した。すなわち、光触媒機能による防汚機能を発揮できる。
[0030]
(4)レベリング性
既述のように、チタン化合物のペルオキソ体を含むことで膜硬度が向上する。チタン化合物のペルオキソ体は、ペルオキソ基がガラス基板の表面上で配位する位置が限定されることから、成膜時のレベリング性向上にも寄与する。すなわち、ペルオキソ型のチタニア−シリカを含むことで、表面の凹凸差が小さい平滑な薄膜であって、且つ、結晶核成分が良好に分散した反射防止膜1を容易に形成することができ、反射防止効果が高い。ペルオキソ型のチタニアも同様の作用・効果が期待できる。表面が平滑であることの指標としては、膜表面粗さを用いることができる。実際に測定したところ、平均膜厚±30%であった。なお、レベリング性を一層向上させるに、微量のレベリング剤の添加をしてもよく、各種のレベリング剤や界面活性剤の中から成膜方法に応じて選定する。その場合、使用濃度は概ね200ppm以下の添加が好ましく、10〜100ppmの範囲がより好ましい。一例として、エアプロダクツジャパン株式会社、ビッグケミー・ジャパン株式会社、楠本化成株式会社、花王株式会社、ライオン株式会社、三洋化成工業株式会社、東邦化学工業株式会社の製品の中から選定する。
[0031]
(5)不純物レベル
膜組成物は、陰・陽イオン系不純物が非常に少ないか、存在しないことが望まれる。陽イオン系不純物とは、特にアルカリ金属である。また、陰イオン系不純物とは、特に塩化物(Cl)や硫化物(SO )である。これらの不純物を含んでいると、空気中の金属類を化学的に捕捉し、コンタミの原因となり、光透過率の低下につながる場合がある。市販のコロイダルシリカを使用する場合、予め陽イオンとしてアルカリ金属が含まれていることが多いので、アルカリ金属を除去するか、アルカリ金属の少ないものを選定する必要がある。ケイ素(Si)の有機金属(例えば、ケイ素のアルコキシド)を加水分解して得られるコロイダルシリカは、陰陽イオンの不純物が少なく好適である。但し、価格が高いことと加水分解反応後のアルコール等の残存量に注意する必要がある。不純物レベルの指標としては、本溶液中のアルカリ金属が1200ppm以下、より好ましくは250ppm以下、塩化物(Cl)が5ppm以下、硫化物(SO )が5ppm以下、より好ましくは、いずれも1ppm以下である。
[0032]
(コーティング液)
続いて、コーティング液の好ましい調製方法について説明する。図4に示すフローチャートは、ペルオキソ型のチタニア−シリカ微粒子を分散させたチタニア−シリカ溶液、及び前記ペルオキソ型のチタニア−シリカ微粒子を原料にしてアナタース型のチタニア−シリカ微粒子を分散させたチタニア−シリカ溶液を調製する好ましい一例である。基板2に塗布するコーティング液は、得られたチタニア−シリカをコロイダルシリカと混合することによって調製する。混合割合は、前述のモル比(Si/Ti)の設定値に基づく。図4に示す調製方法によれば、チタン化合物(TIP)及びシリカ化合物(TEOS)の配合量を変えることによって、種々のモル比(Si/Ti)のチタニア−シリカ(例えば、Si/Ti=1,3,6,9,12など)を生成することができる。
[0033]
一例として、コーティング液のモル比(Si/Ti)の目標値を12とした場合、図4に示すフローチャートに従って例えばモル比(Si/Ti)が9のチタニア−シリカ溶液を調製し、これにコロイダルシリカによって3のシリカ分を加えることで目標値のコーティング液を調製することができる。コーティング液中の固形分(シリカ及びチタニア−シリカの微粒子)の濃度は、例えば0.05質量%〜5.0質量%に調整することが出来る。また、溶媒としては、例えば水、アルコール類、過酸化水素水、希硝酸などを選択することができる。好適な液組成は、少なくともペルオキソ基を0.0005〜0.1質量%含有するチタニア−シリカ及び/又はチタニアを配合した固形物濃度が0.1〜3.0質量%、より好ましくは0.25〜1.2質量%のコロイダルシリカゾル溶液である。高い光透過率の向上を期待する場合は、図4に一例を示すように有機金属系原料の加水分解で一挙に生成したチタニア−シリカを含有するコロイダルシリカ溶液が好適である。
[0034]
図4のフローチャートについて詳しく説明すると、まず、チタニアの原料となるチタンテトライソプロポキシド(TIP)とイソプロパノール(IPA)の混合液と、IPAと水の混合液とを混合し、TIPを加水分解させてチタニアの微粒子を生成させる。配合モル比としては、例えばTIP:IPA:H O=1:10:4とすることができる。そしてこのチタニアの微粒子を濾過分離し、例えば100℃で乾燥させてチタニアの粉末を得る。このようにして得られたチタニアの粉末は、粒界を有しないアモルファス型のチタニアである。なお、チタニアの原料としては、TIPに限られず、例えばチタンテトラエトキシドなど、その他のチタンアルコキシド(アルコール分子のOH基のHがTiに置換された化合物)を用いてもよい。
[0035]
続いて前記アモルファス型のチタニアを、酸又は酸化液(例えば35質量%の過酸化水素水)に溶解せしめることにより、チタニアのゲル体を生成させる(これを「一次処理」と称する)。そしてこのゲル体に、シリカ前駆体であるオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)とエタノールの混合物を添加する。
[0036]
続いて、シリカ前駆体を加えたチタニアのゲル体に、酸又は酸化液(例えば35質量%の過酸化水素水)をさらに加えてペルオキソ化することにより、過酸化結合によってチタニアとシリカが結合したチタニア−シリカ微粒子のゾル体を生成させる(これを「二次処理」と称する)。最後に、pH調整のためにアルカリ溶液として、例えば35%アンモニア水を添加し、pHを例えば6〜8の中性領域に調整することにより、ペルオキソ型のチタニア−シリカ微粒子を含有するチタニア−シリカ溶液を得る。
[0037]
さらに、図4に示すように、アナタース型のチタニア−シリカ微粒子は、前述のペルオキソ型のチタニア−シリカ微粒子をアナタース化することによって調製することができる。より具体的には、ペルオキソ型のチタニア−シリカ微粒子を含有する液を、例えば95〜120℃に加熱処理する。これにより、ペルオキソ型のチタニア−シリカがアナタース型のチタニア−シリカに変性し、アナタース型のチタニア−シリカ微粒子を含有するチタニア−シリカ溶液を得る。加熱温度を変えることでルチル型、ブルッカイト型に変性させることもできる。
[0038]
図4のフローチャートに従ってチタニア−シリカ溶液が得られると、チタニア−シリカのモル比(Si/Ti)を測定するか、或いはチタン原料及びシリカ原料の配合量に基づいて算出し、さらに目標値に応じた量のコロイダルシリカと混合することによってコーティング液が調製される。チタニア−シリカは、ペルオキソ型のみ又はアナタース型、もしくはペルオキソ型とアナタース型混合物の何れの場合でもよいが、より顕著な防汚機能を期待する場合はアナタース型を選択する。
[0039]
続いて、上述のコーティング液を用いて、基板2としてのガラス基板に反射防止膜1を成膜する手順について説明する。成膜の作業は、工場内で施工してもよく、現場施工であってもよい。まず、コーティング液は、予め表面を洗浄や研磨(親水化)などの前処理したガラス基板に塗布する。塗布法は、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、スリットコート、ローラーコート、刷毛などによる手塗りなど、いずれの方法であってもよい。塗布量としては、単位面積あたりの液量が20g/m 〜40g/m となるようにする。塗膜の厚みは、80nm〜130nmであることが好ましい。
[0040]
一般的な従来のコーティング液は、膜硬度を得るための高温加熱の必要性が高く、現場施工が困難であった。一方、既述したように本実施形態によるコーティング液は、屋外暴露で膜硬度が6Hに到達した。すなわち、本実施形態によるコーティング液は、自然乾燥で成膜することができ、従来のような塗布後の加熱処理及びそのための電気炉など加熱装置を省略できる利点がある。勿論、加熱処理を行うようにしてもよい。加熱処理する場合の温度は、例えば100〜200℃で設定することができる。
[0041]
上述の実施形態によれば、ガラス基板等の光透過性を有する基板2の表面をコートする反射防止膜1が、コロイダルシリカとチタニア−シリカに由来する組成物を含有し、該反射防止膜1を組成する全ケイ素元素と全チタン元素のモル比(Si/Ti)が3以上(Si/Ti≧3)であることにより、反射防止膜1をコートすることによって基板2の波長400−700nmの平均光透過率が1.5%以上向上し、引っかき硬度試験(鉛筆法、JIS K5600-5-4)で表面硬度が6H以上を到達し、チタニア−シリカの光触媒作用によって防汚機能を発揮することができる。
[0042]
また、上述の実施形態によれば、塗布法で反射防止膜1を形成するコーティング液として、コロイダルシリカとチタニア−シリカが溶媒に分散しており、該溶液を組成する全ケイ素元素と全チタン元素のモル比(Si/Ti)が3以上(Si/Ti≧3)に調製された溶液を用いることにより、基板2の表面に塗布法で成膜することによって基板2の波長400−700nmの平均光透過率が1.5%以上向上し、引っかき硬度試験(鉛筆法、JIS K5600-5-4)で表面硬度が6H以上に到達し、チタニア−シリカの光触媒作用によって防汚機能を発揮することができる。
[0043]
(硬度増進剤)
反射防止膜1は、膜硬度をより一層高めるために硬度増進剤を含有していてもよい。硬度増進剤としては、水溶性シリカが好ましく、特に主成分が珪酸アルカリのものが好ましい。具体的な物質としては、例えば珪酸アンモニウム、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸ルビジウム、珪酸セシウムのいずれか1種以上を挙げることができる。アルカリ土類金属の場合、溶解度が小さく使用が難しい。また、硬度増強剤として、AlやZrの酸化物コロイドゾルを用いることもできる。硬度増強剤として水溶性シリカを用いる場合、前述のコーティング液に所定の割合で混合し、一液で基板に塗布する。既述のように、膜組成物にアルカリ金属が含まれるとコンタミや、いわゆるガラスのヤケ等で光透過率低下の一因となるため、水溶性シリカの混合量は、可能な限り少量で膜硬度の向上効果が得られる範囲であることが好ましい。すなわち、水溶性シリカの混合量は、例えばコーティング液の固形分(すなわち、コロイダルシリカとチタニア−シリカ)を1としたときに0.1〜1.0の固体割合になるようする。硬度9Hが要求される場合、0.3〜1.0に設定することが好ましい。
[0044]
図5は、モル比(Si/Ti)を12に設定したコーティング液に水溶性シリカを添加したときの、平均光透過率の変化率(成膜前後の差分)と膜硬度の測定結果を示す。図中の水溶性シリカ添加割合Xは、コーティング液の固形物に対する水溶性シリカの質量比(固形分:水溶性シリカ=1:X)を意味する。なお、基板2は、ガラス基板(平均光透過率90%)を用い、反射防止膜1の厚みが100nmとなるように成膜した。塗布はスプレーを用いて行い、自然乾燥で溶媒を蒸発させて成膜した。図5から明らかなように、シリカ添加割合が0.3以上で膜硬度9Hを達成でき、さらに0.3〜1.0の範囲において1.6%以上の平均光透過率の向上率を達成できた。
[0045]
続いて、耐水性試験の結果について図6を参照しながら説明する。耐水性試験は、恒温恒湿試験の代用として行われる試験の一つである。評価方法は、所定温度のイオン交換水の浴中に反射防止膜1をコートした基板2を浸漬し、所定時間経過後の鉛筆硬度が要求物性(例えば、6H)を満たすか否かを判定する。但し、浸漬する前にも鉛筆硬度が要求物性を満たしていることが要求される(例えば、6H以上)。鉛筆硬度の測定は、引っかき硬度試験(鉛筆法、JIS K5600-5-4)による。例えば基板が太陽電池の発電用採光部分のガラス基板の場合、反射防止膜1は、耐水性試験において鉛筆硬度6Hを満たすことが要求される。
[0046]
図6は、前述の硬度増進剤である水溶性シリカを添加しなかった反射防止膜1の熱水試験(90℃)及び沸騰水試験(95℃以上)の結果を示している。より詳しくは、熱水試験では、固形物濃度3質量%のコーティング液をガラス基板に塗布(ディップ法)した後、90℃で30分の乾燥により反射防止膜1を成膜した。また、沸騰水試験では、固形物濃度3質量%のコーティング液をガラス基板に塗布(スプレー法)した後、90℃で30分の乾燥により反射防止膜1を成膜した。熱水試験及び沸騰水試験共に、種々のモル比(Si/Ti)で試験を行った。なお、図中の記号は、×:5H未満、△:5H、〇:6H、◎:7H以上を示す。
[0047]
図6の結果から分かるように、コロイダルシリカとチタニア−シリカを含有するコーティング液でガラス基板上に成膜される反射防止膜1が、熱水及び沸騰水試験において要求物性を満たすには、モル比(Si/Ti)を24以上、好ましくは30以上(とりわけ36以上)にするのがよい。沸騰水という過酷な条件の場合、突沸による振動で膜が弱体化、脆弱化、剥離等が起こり得るが、モル比(Si/Ti)を30以上(とりわけ36以上)にすることで要求物性を満たすことができる。なお、スプレー法で塗布すると初期硬度が発現し難いが、ディップ法で塗布すると初期硬度が発現し易い。より確実に初期硬度を発現させるためには水溶性シリカを添加するのがよい。
[0048]
図7は、水溶性シリカを添加した反射防止膜1の冷水試験(22.5±2.5℃)の結果を示している。より詳しくは、固形物濃度3質量%のコーティング液をガラス基板に塗布(スプレー法)した後、90℃で30分の乾燥により反射防止膜1を成膜した。評価方法は、熱水試験及び沸騰水試験と同様である。さらに、本試験でも種々のモル比(Si/Ti)で試験を行っているが、図7に示すモル比(Si/Ti)は、水溶性シリカのケイ素元素も含めている。本試験では、コロイダルシリカとチタニア−シリカのモル比(Si/Ti)が3、36、48となる配合とし、コーティング液の固形分を1としたときに、0.1,0.3,0.5,0.7,1.0の割合となるように水溶性シリカを添加した。
[0049]
図7の結果から分かるように、水溶性シリカを添加した反射防止膜1は、初期硬度が早期に発現して要求物性を満たす。そして、モル比(Si/Ti)を46以上にすることで耐水試験において要求物性を満たすことができる。なお、このモル比の内訳は、コロイダルシリカとチタニア−シリカのモル比(Si/Ti)が36の配合であり、これに水溶性シリカのSiが加わって46となっている。
[0050]
最後に、ペルオキソ型のチタニア微粒子を分散させたチタニア溶液、及び前記ペルオキソ型のチタニア微粒子を原料にしてアナタース型のチタニア微粒子を分散させたチタニア溶液を調製する好ましい一例について、図8を参照しながら説明する。
[0051]
図4のフローチャートと対比すれば明らかなように、ペルオキソ型のチタニア微粒子を分散させたチタニア溶液は、TEOSとEtOHを加えないチタニアのゲル体を上記過酸化水素による二次処理を行ってチタニアのゾル体にしたことを除けば、チタニア−シリカと同様の手順で調製することができる。さらに、アナタース型のチタニア微粒子は、得られたペルオキソ型のチタニア微粒子をアナタース化することによって調製することができる。この方法で得られたペルオキソ型のチタニア、アナタース型のチタニアは、目的に応じてコーティング液に添加することができる。一例として、バインダー機能を志向する場合はペルオキソ型のチタニアを添加し、光触媒機能を志向する場合はアナタース型のチタニアを添加する。
[0052]
以上、本発明を具体的な実施形態に則して詳細に説明したが、形式や細部についての種々の置換、変形、変更等が、特許請求の範囲の記載により規定されるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行われることが可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。従って、本発明の範囲は、前述の実施形態及び添付図面に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。

Reference Signs List

[0053]
1 反射防止膜
2 基板

Claims

[1]
太陽電池の発電用採光部分の表面をコートする反射防止膜を形成するためのコーティング液であって、
コロイダルシリカとチタニア−シリカが溶媒に分散しており、 前記チタニア−シリカがペルオキソ型のチタニア−シリカを含み、該溶液を組成する全ケイ素元素と全チタン元素のモル比(Si/Ti)が 24以上(Si/Ti≧ 24)であることを特徴とするコーティング液。
[2]
前記モル比(Si/Ti)が24〜60の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング液。
[3]
前記モル比(Si/Ti)が30〜55であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング液。
[4]
前記コロイダルシリカが、水ガラスを原料として精製し、アルカリ金属イオンが5000ppm以下の物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング液。
[5]
前記コロイダルシリカが、ケイ素(Si)の有機塩を原料としたコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング液。
[6]
水溶性 の珪酸アルカリ塩をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング液。
[7]
前記水溶性 の珪酸アルカリ塩が、珪酸アンモニウム、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸ルビジウム、珪酸セシウムのいずれか1種以上であることを特徴とする請求項6に記載のコーティング液。
[8]
記溶液を組成するペルオキソ基の割合が0.0005質量%〜0.1質量%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のコーティング液。
[9]
ペルオキソ型のチタニアをさらに含有し、
前記溶液を組成するペルオキソ基の割合が0.0005質量%〜0.1質量%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のコーティング液。
[10]
前記請求項1〜9のいずれか1項に記載のコーティング液を 太陽電池の発電用採光部分の表面に塗布 、乾燥して成膜された反射防止膜であって、
前記コロイダルシリカに由来するシリカとチタニア−シリカを膜組成物に含有し、 前記チタニア−シリカがペルオキソ型のチタニア−シリカを含み、前記反射防止膜を組成する全ケイ素元素と全チタン元素のモル比(Si/Ti)が 24以上(Si/Ti≧ 24)であることを特徴とする反射防止膜。
[11]
前記モル比(Si/Ti)が24〜60の範囲内であることを特徴とする請求項10に記載の反射防止膜。
[12]
前記モル比(Si/Ti)が30〜55であることを特徴とする請求項10に記載の反射防止膜。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5]

[ Fig. 6]

[ Fig. 7]

[ Fig. 8]