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1. JP2013196788 - 非水電解液二次電池

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Description

Title of Invention 非水電解液二次電池

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

Citation List

Patent Literature

0011  

Summary of Invention

Technical Problem

0012  

Technical Solution

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033  

Brief Description of Drawings

0034  

Description of Embodiments

0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063  

Examples

0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097  

Reference Signs List

0098  

Claims

1    

Drawings

1   2   9   3   4   5   6   7   8   10    

Description

非水電解液二次電池

Technical Field

[0001]
本発明は、発電要素がラミネート樹脂フィルムケースに収納された非水電解液二次電池に関する。

Background Art

[0002]
ノート型コンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等電子機器の普及に伴い、これら電子機器を駆動するための二次電池の需要が拡大している。近年、これら電子機器においては、高機能化の進展に伴い消費電力が増大していることや、小型化が期待されていることから、二次電池の容量の増大が求められている。二次電池の中でも非水電解液二次電池(特に、リチウムイオン二次電池)が高容量化が可能であることから、種々の電子機器に利用されている。
[0003]
そして、この非水電解液二次電池は、電子機器だけでなく、車両用や住宅用等の電力消費量の大きい、種々の用途への使用も検討されている。
[0004]
非水電解液二次電池は、正極活物質を正極集電体に保持してなる正極板,負極活物質を負極集電体に保持してなる負極板,電解質を非水溶媒に溶解させてなる非水電解液を、必要であれば正極板と負極板との間にセパレータを配した状態で有する電極体を、電池容器(ケース)内に収納(密封)して形成されている。
[0005]
非水電解液二次電池の電極体を収納する電池容器は、気密性が高く、かつ機械的強度に優れている金属製の電池容器が用いられている。しかしながら、二次電池の軽量化や電池容器の材料、外形形状には大きな制約となっていた。
[0006]
この問題を解決する方法として、電極体をラミネート樹脂フィルムよりなる電池容器に収納する方法が知られている。電極体をラミネート樹脂フィルムよりなる電池容器に収納してなる二次電池は、電解液の液漏れや電池外部からの水分等の侵入がなく、かつ電池の軽量化を図ることができる。
[0007]
この電池容器を形成するラミネート樹脂フィルムは、金属箔の片面または両面に樹脂層を密着させてなる構成であり、その金属箔は穴のない材料を用いることでフィルム面を透過する方向(ラミネート樹脂フィルムの厚さ方向)の気密構造を達成している。また、その樹脂層は、一般に延展性を持つ金属箔の引っ張り強度、突き刺し強度、屈曲弱さ等を補強したり、発電要素を収納した後熱溶着等の方法によって封口が可能となるようフィルム面に接着性を付与する機能を発揮する。すなわち、このラミネート樹脂フィルムよりなる電池容器は、電極体を収納した状態で、ラミネート樹脂フィルムの樹脂層を溶着(融着)して容器を封止している。
[0008]
しかしながら、電池が過充電状態となったり内部短絡が生じることにより電池が発熱した場合や、高温下に放置された場合に、二次電池容器内部の圧力が上昇すると、ラミネート樹脂フィルムの溶着部付近の屈曲部に力が集中するために、電池内側の溶着部が剥離し、電池の気密漏れを起こし最悪の場合では液漏れを起こすという問題があった。
[0009]
この問題に対して、特許文献1には、ラミネート樹脂フィルムの溶着部の電池内側に、大きく突出した樹脂塊を形成することで耐久性を高めることを開示している。特許文献1によると、電池容器の内部の圧力が増加してラミネート樹脂フィルムの溶着部を開く方向に力が加わった場合には、樹脂塊を含めたラミネート樹脂全体が変形して力を受けることで、電池容器の損傷を抑えることができる。この場合、電池内側に突出する樹脂塊の大きさ(樹脂量)が、緩和できる応力の大きさに影響を及ぼす。すなわち、樹脂塊の電池内側への突出量が大きくなるほど、緩和できる応力の大きさが大きくなる。
[0010]
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、クリープ試験のように一定の応力が加わった状態で長時間が経過した場合、樹脂塊を含めたラミネート樹脂全体が変形せずに、樹脂塊とラミネート樹脂フィルムの境界部(ラミネート樹脂と樹脂塊の溶着部の電池内部側の端部)に応力が集中するようになる。応力の集中は疲労の蓄積を生じさせ、亀裂の起点となる。亀裂が発生すると、樹脂塊が溶着した樹脂層から金属箔との界面にまで到達し、ラミネート樹脂フィルムよりなる電池容器の溶着部が剥離する。

Citation List

Patent Literature

[0011]
patcit 1 : 特許第4432146号

Summary of Invention

Technical Problem

[0012]
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、ラミネート樹脂フィルムよりなる電池容器を用いてなる非水電解液二次電池において、溶着部におけるラミネート樹脂の剥離が抑えられた非水電解液二次電池、特にクリープ特性が向上した非水電解液二次電池を提供することを課題とする。

Technical Solution

[0013]
上記課題を解決するために本発明者等は、電極体をラミネート樹脂フィルムよりなる電池容器に収納した状態で溶着で封止してなる非水電解液二次電池であって、ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部の電池内部側の端部に樹脂塊部が形成された非水電解液二次電池について検討を重ねた結果、樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムとの溶着部の端部(電池内部側の端部)に応力が集中しない形状とすることで上記課題を解決できることを見出した。
[0014]
すなわち、請求項1に記載の本発明の非水電解液二次電池は、正極と負極とを有する電極体をラミネート樹脂フィルムケースに収納した状態でラミネート樹脂フィルムを溶着して封止してなる非水電解液二次電池において、ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部の電池内部側の端部には、溶着した一対のラミネート樹脂フィルムの合わせ面を覆うように各ラミネート樹脂フィルムと一体にもうけられた樹脂塊部が形成され、樹脂塊部は、ラミネート樹脂フィルムと溶着した溶着部の電池内部側の端部から、電池内部側への突出量(L)が−0.15mm<L<0.15mmであり、樹脂塊部の表面が近似する円の半径(r1)が、0.10<r1<1.5mmであり、樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムとの溶着部の端部であって、電池内部側の端部の表面が近似する円の半径(r2)が、r2>0.10mmであることを特徴とする。
[0015]
本発明の非水電解液二次電池は、正極と負極とを有する電極体をラミネート樹脂フィルムケースに収納した状態でラミネート樹脂フィルムを溶着して封止してなる。そして、ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部の電池内部側の端部には、溶着した一対のラミネート樹脂フィルムの合わせ面を覆うように各ラミネート樹脂フィルムと一体にもうけられた樹脂塊部が形成されている。溶着した一対のラミネート樹脂フィルムの合わせ面を覆うように各ラミネート樹脂フィルムと一体にもうけられた樹脂塊部が形成されていることで、一対のラミネート樹脂同士を強固に溶着するとともに、ラミネート樹脂の溶着界面からの剥離が抑えられる。さらに、各ラミネート樹脂フィルムと一体にもうけられた樹脂塊部は、ケース内部の圧力が増加してラミネート樹脂フィルムの溶着部を開く方向に力が加わっても、樹脂塊部を含めたラミネート樹脂全体が変形して力を受けることとなり、フィルムケースの損傷を抑えることができる。
[0016]
その上で、本発明の非水電解液二次電池は、樹脂塊部が以下の(a)〜(c)を満たす形状となっている。
[0017]
(a)ラミネート樹脂フィルムと溶着した溶着部の電池内部側の端部から、電池内部側への突出量(L)が−0.15mm<L<0.15mm。
[0018]
(b)樹脂塊部の表面が近似する円の半径(r1)が、0.10<r1<1.5mm。
[0019]
(c)樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムとの溶着部の端部であって、電池内部側の端部の表面が近似する円の半径の大きさ(r2)が、r2>0.10mm。
[0020]
樹脂塊部の「ラミネート樹脂フィルムと溶着した溶着部」とは、樹脂塊部がラミネート樹脂と溶着した構成となっている部分を示す。すなわち、樹脂塊部が形成されていない状態でのラミネート樹脂フィルムの表面(電池内部側の表面)から、樹脂塊部が突出して形成されている部分を示す。
[0021]
また、「溶着部の電池内部側の端部」とは、樹脂塊部がラミネート樹脂と溶着した構成となっている部分のうち、電池内部側の端部を示す。すなわち、樹脂塊部が形成されていない状態(樹脂塊部が形成されていないと想定したとき)のラミネート樹脂フィルムの電池内部側の表面から樹脂塊部が突出して形成されている部分のうち、電池内部側の端部を示す。ここで、この「溶着部の電池内部側の端部」は、ラミネート樹脂の電池内部側の表面から樹脂塊部が立接する境界部分に相当する。なお、以下において、特に言及されない限りは、「溶着部の端部」とは、「溶着部の電池内部側の端部」を示す。
[0022]
その上で、(a)〜(c)で示した樹脂塊部の形状は、樹脂塊部が延在する方向に垂直な方向での断面における形状で規定される。その上で、当該断面における樹脂塊部の形状によりL,r1,r2が規定でき、図1に具体的に示した。なお、図1中の符号は、後述の実施例と同様である。
[0023]
ここで、樹脂塊部の突出量(L)とは、上記した断面において、溶着した一対のラミネート樹脂フィルムが積層した状態で界面の広がる方向(以下、界面延在方向)に沿った方向において、「溶着部の電池内部側の端部」から、最も電池内部側に位置する先端部までの長さである。ここで、樹脂塊部の突出量(L)は、溶着部から離れる方向に進むにつれて、その値が大きくなる。
[0024]
樹脂塊部の表面が近似する円の半径(r1)は、上記した断面において、樹脂塊部の表面(上記した突出量を求める表面)がなす形状(湾曲形状)に外接する円の半径である。樹脂塊部の突出量(L)が正の値の場合には、樹脂塊部の表面に外接する円の中心は、溶着部側に位置する。樹脂塊部の突出量(L)が負の値の場合には、樹脂塊部の表面に外接する円の中心は、樹脂塊部の表面よりも電池内部側に位置する。
[0025]
溶着部の端部の表面が近似する円の半径の大きさ(r2)は、上記した断面において、溶着部の端部の表面に外接する円の半径である。
[0026]
(a)は、ラミネート樹脂フィルムと溶着した溶着部の電池内部側の端部から、電池内部側への突出量(L)が−0.15mm<L<0.15mmである。
[0027]
樹脂塊部は、ケースの内部の圧力が増加してラミネート樹脂フィルムの溶着部を開く方向に力が加わったときに、樹脂塊部を含めたラミネート樹脂全体が変形して力を受け、その結果としてケースの損傷を抑える効果を発揮する。そして、突出量がこの範囲内となることで、クリープ試験のように一定の応力が加わった状態で長時間が経過した場合でも、樹脂塊部の端部に亀裂が発生しなくなる。この結果、ケースの損傷が抑えられる。
[0028]
突出量(L)が−0.15mmより小さくなると、樹脂塊部自身が殆ど形成されなくなり、樹脂塊部を形成することの効果が得られなくなる。また、突出量(L)が0.15mmを超えて大きくなると、樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムの境界部(ラミネート樹脂と樹脂塊部の溶着部の電池内部側の端部)に応力が集中するようになる。応力の集中は疲労の蓄積を生じさせ、亀裂(破損)の起点となる。
[0029]
(b)は、樹脂塊部の表面が近似する円の半径(r1)が、0.10<r1<1.5mmである。半径(r1)が、この範囲内となることで、クリープ試験のように一定の応力が加わった状態で長時間が経過した場合でも、樹脂塊部の端部に亀裂が発生しなくなる。この結果、ケースの損傷が抑えられる。なお、樹脂塊部の表面とは、電池内部側の表面を示し、突出量(L)を測定する表面を示す。
[0030]
r1が0.10mmより小さくなると、一対のラミネートフィルム間の距離が短くなりすぎ、樹脂塊部を形成する効果が得られなくなる。場合によっては、ラミネートフィルム間の距離に対する樹脂塊部の突出量が大きくなりすぎ、樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムとの端部が破壊の起点となるおそれが生じる。r1が1.5mmを超えると、端部間の距離が長くなりすぎ(ラミネート樹脂フィルム間の距離が広くなりすぎ)、結果として樹脂塊部を形成する樹脂量が少なくなり、樹脂塊部を形成する効果が得られなくなる。
[0031]
(c)は、樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムとの溶着部の端部であって、電池内部側の端部の表面が近似する円の半径の大きさ(r2)が、r2>0.10mmである。このr2が0.10mmより大きくなることで、クリープ試験のように一定の応力が加わった状態で長時間が経過した場合でも、樹脂塊部の端部に亀裂が発生しなくなる。この結果、ケースの損傷が抑えられる。
[0032]
r2は、溶着部の端部の内周形状を示す。すなわち、r2は、溶着部の表面と、ラミネート樹脂フィルムの表面との関係を示す。r2が0.10mm以下の状態は、溶着部の表面と、ラミネート樹脂フィルムの表面と、が交差する部分の角度が、小さい状態を示す。この状態は、樹脂塊部が、ラミネートフィルム間の距離に対する突出量が相対的に大きくなりすぎ、樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムとの端部が破壊の起点となるおそれが生じる。
[0033]
本発明の非水電解液二次電池は、ラミネート樹脂フィルムケースが上記の(a)〜(c)を満たす樹脂塊部を形成することで、溶着部におけるラミネート樹脂の剥離が抑えられた非水電解液二次電池、特にクリープ特性が向上した非水電解液二次電池となる。

Brief Description of Drawings

[0034]
[fig. 1] 本発明の非水電解液電池の樹脂塊部近傍の構成を示した模式図である。
[fig. 2] 実施例の試験用ケースの溶着部近傍の構成を示した模式図である。
[fig. 3] 実施例1の試験用ケースの溶着部近傍の構成を示した顕微鏡写真である。
[fig. 4] 実施例2の試験用ケースの溶着部近傍の構成を示した顕微鏡写真である。
[fig. 5] 実施例3の試験用ケースの溶着部近傍の構成を示した顕微鏡写真である。
[fig. 6] 比較例1の試験用ケースの溶着部近傍の構成を示した顕微鏡写真である。
[fig. 7] 比較例2の試験用ケースの溶着部近傍の構成を示した顕微鏡写真である。
[fig. 8] 比較例3の試験用ケースの溶着部近傍の構成を示した顕微鏡写真である。
[fig. 9] 実施例の試験用ケースの評価方法を示した模式図である。
[fig. 10] 実施例の試験用ケースを用いたリチウムイオン二次電池の構成を示した模式図である。

Description of Embodiments

[0035]
本発明の非水電解液二次電池は、上記したラミネート樹脂フィルムケース(溶着部の端部に樹脂塊部が形成されたケース)であること以外は従来公知の非水電解液二次電池と同様の構成とすることができる。
[0036]
本発明の記載の非水電解液二次電池は、その種類が限定されるものではなく、従来公知の非水電解液二次電池とすることができる。非水電解液二次電池のうち、リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池であることがより好ましい。
[0037]
本発明の非水電解液二次電池において、電極体は、正極と負極を有する構成であれば、特に限定されるものではなく、正極活物質を正極集電体に保持してなる正極板,負極活物質を負極集電体に保持してなる負極板,電解質を非水溶媒に溶解させてなる非水電解液を、必要であれば正極板と負極板との間にセパレータを配した状態で有する電極体を、ケース内に収納(密封)して形成できる。
[0038]
また、電極体は、正極板と負極板とを、セパレータを介して積層した状態で形成できる。このとき、積層体を巻回して巻回体としてもよい。さらに、巻回体を径方向に圧縮した扁平型の巻回体としてもよい。
[0039]
負極板は、負極活物質、導電剤及び結着剤からなる負極合材を適切な溶媒に懸濁させて混合し、スラリーとしたものを負極集電体の片面または両面に塗布し、乾燥することで作製することができる。
[0040]
負極活物質は、黒鉛などの容量を発現する炭素質材料を用いることができる。
[0041]
導電剤としては、炭素材料、金属粉、導電性ポリマーなどを用いることができる。導電性と安定性の観点から、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラックなどの炭素材料を使用することが好ましい。
[0042]
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素樹脂共重合体(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、SBR、アクリル系ゴム、フッ素系ゴム、ポリビニルアルコール(PVA)、スチレン・マレイン酸樹脂、ポリアクリル酸塩、カルボキシルメチルセルロース(CMC)などをあげることができる。
[0043]
溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒、または水などをあげることができる。
[0044]
負極集電体としては、従来公知の集電体を用いることができ、銅、ステンレス、チタンあるいはニッケルからなる箔、メッシュなどを用いることができる。
[0045]
正極板は、正極活物質、導電剤及び結着剤からなる正極合材を適用な溶媒に懸濁させて混合し、スラリーとしたものを正極集電体の片面または両面に塗布し、乾燥することで作製することができる。
[0046]
正極活物質としては、種々の酸化物、硫化物、リチウム含有酸化物、導電性高分子などを用いることができる。例えば、MnO 、TiS 、TiS 、MoS 、FeS 、Li 1−xMnO 、Li 1−xMn 、Li 1−xCoO 、Li 1−xNiO 、LiV 、V 、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリチオフェン、ポリピロール、及びそれらの誘導体、安定ラジカル化合物、があげられる。なお、これらの正極活物質におけるxは0〜1の数を示す。各々にLi、Mg、Al、またはCo、Ti、Nb、Cr等の遷移金属を添加または置換した材料等であってもよい。また、これらのリチウム−金属複合酸化物を単独で用いるばかりでなくこれらを複数種類混合して用いることもできる。このなかでもリチウム−金属複合酸化物としては、層状構造またはスピネル構造のリチウムマンガン含有複合酸化物、リチウムニッケル含有複合酸化物及びリチウムコバルト含有複合酸化物のうちの1種以上であることが好ましい。
[0047]
正極の導電材としては、黒鉛の微粒子、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンナノファイバなどのカーボンブラック、ニードルコークスなどの無定形炭素の微粒子などが使用されるが、これらに限定されない。
[0048]
結着剤としては、例えば、PVDF、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、SBR、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、フッ素ゴムなどがあげられるが、これらに限定されない。
[0049]
正極活物質などが分散する溶媒としては、通常は結着剤を溶解する有機溶剤が使用される。例えば、NMP、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどをあげることができるが、これらに限定されない。また、水に分散剤、増粘剤などを加えてPTFEなどで活物質をスラリー化する場合もある。
[0050]
電解液において電解質を溶解する非水溶媒は、エチレンカーボネート(EC),ビニレンカーボネート(VC),ジメチルカーボネート(DMC),エチルメチルカーボネート(EMC),ジエチルカーボネート(DMC)より選ばれる少なくとも一種を主成分とする溶媒を用いることができる。
[0051]
電解質は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF 、LiBF 、LiClO 及びLiAsF から選ばれる無機塩、これらの無機塩の誘導体、LiSO CF 、LiC(SO CF 及びLiN(SO CF 、LiN(SO 、LiN(SO CF )(SO )、から選ばれる有機塩、ならびにこれらの有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが望ましい。これらの電解質は、電池性能をさらに優れたものとすることができ、かつその電池性能を室温以外の温度域においてもさらに高く維持することができる。電解質の濃度についても特に限定されるものではなく、用途に応じ、電解質及び有機溶媒の種類を考慮して適切に選択することが好ましい。
[0052]
セパレータは、正極板及び負極板を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たす。セパレータは、例えば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いることができる。なお、セパレータは、正極と負極との絶縁を担保するため、正極及び負極よりもさらに大きいものとするのが好ましい。
[0053]
電極体は、正極板及び負極板のそれぞれに電気的に接続された、導体よりなる電力取り出し用の部材を有する。電力取り出し用の部材は、ラミネート樹脂フィルムケースの内部と外部とを電気的に接続する。電力取り出し用の部材は、正極板及び負極板のそれぞれに電気的に接続した部材(例えば、電極端子)であっても、正極板及び負極板のそれぞれにもうけられたタブであっても、いずれでもよい。
[0054]
電力取り出し用の部材は、ラミネート樹脂フィルムケースのラミネート樹脂フィルムの溶着部を貫通した状態で固定することができる。この構成により、ラミネート樹脂フィルムに開口を形成する必要が無くなり、開口部からのラミネート樹脂フィルムケースの破壊が生じにくくなる。なお、電力取り出し用の部材が溶着部を貫通した状態で固定されるときに、電力取り出し用の部材と溶着部の樹脂との間に、溶着部をなす樹脂とは異なる樹脂よりなる樹脂層を配していてもよい。
[0055]
本発明の非水電解液二次電池は、電極体をラミネート樹脂フィルムケースに収納する。ラミネート樹脂フィルムケースを構成するラミネート樹脂フィルムは、従来のラミネート樹脂フィルムケースに使用されているフィルムを用いることができる。
[0056]
ラミネート樹脂フィルムは、金属箔の片面または両面に樹脂層を密着させてなる構成を有する。ラミネート樹脂フィルムは、外周面を形成する樹脂層がポリエチレンテレフタレート(PET),ナイロン等の樹脂よりなり、金属箔がアルミニウム箔よりなり、内周面を形成する樹脂層がポリプロピレン(PP)よりなるフィルムを用いることができる。また、金属箔,樹脂層のそれぞれは、多層が積層して形成されていてもよい。
[0057]
ラミネート樹脂フィルム全体ならびにそれぞれの樹脂層及び金属箔の厚さは、特に限定されるものではない。
[0058]
本発明の非水電解液二次電池を複数個組み合わせて組電池を形成してもよい。この場合、電極体がラミネート樹脂フィルムケースに収納されてなる本発明の非水電解液二次電池を、電気的に直列及び/又は並列に接続した状態で、金属や樹脂等の剛性を有する材質よりなる容器に収納した構成とすることができる。
[0059]
(製造方法)
本発明の非水電解液二次電池は、その製造方法が限定されるものではない。例えば、以下の方法により製造することができる。
[0060]
正極板と負極板をセパレータを介した状態で積層させ、積層体を巻回して各電極板に電極端子を接合する。
[0061]
電極端子が接合された巻回体を、ラミネート樹脂フィルムケースを形成するラミネート樹脂フィルムの間に配置(未封止のケース内に配置)し、別に調製した電解液を注入する。
[0062]
電解液が注入された状態で、ラミネート樹脂フィルムケースを封止する。この封止は、ラミネート樹脂フィルムを重ね合わせた状態で、溶着(融着)させることで行う。
[0063]
以上により、本発明の非水電解液二次電池を製造することができる。
Examples
[0064]
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
[0065]
本発明の非水電解液二次電池の実施例として、リチウムイオン二次電池を作成した。本実施例のリチウムイオン二次電池は、後述の構成を有している。
[0066]
本発明の実施例では、まず、リチウムイオン二次電池に適用されるラミネート樹脂ケースにおける溶着部の耐剥離性の効果を確認した。具体的には、まず、ラミネート樹脂フィルムで試験用ケースを製造した。
[0067]
(試験用ケースの製造)
厚さ30μmの外装樹脂層200,厚さ40μmのアルミニウム箔層201,合計厚さ90μmとなるように多層の未延伸PP樹脂よりなる内層樹脂層202が、この順番で一体に積層してなる合計厚さ160μmのラミネート樹脂フィルム20を準備した。
[0068]
ラミネート樹脂フィルムを所定の大きさに切断し、電極体を収納するための凹部を成形した。成形後のラミネート樹脂フィルムは、断面が凹字状をなしている。この形状は、凹字状の深さが5.5mmとなっている。ここで、成形後のラミネート樹脂の凹部となっていない周縁部の内側樹脂層の表面には、溶着後の樹脂塊部を形成するための微細な凹凸が形成されている。
[0069]
つづいて、成形後のラミネート樹脂フィルム2枚を、それぞれの内側樹脂層が対向した状態で重ね、周縁部を溶着(融着)した。このとき、非水電解液二次電池を形成した時に、電極体と電気的に接続される電極端子を介在させた状態で周縁部の溶着(融着)が行われた。
[0070]
電極端子3は、正極端子として厚さが200〜400μmのアルミニウム箔,負極端子として厚さが200〜400μmの銅箔,が用いられた。これらの電極端子3は、ポリプロピレン(未延伸PP,架橋PP)よりなる厚さ100〜150μmのタブフィルム30を介した状態で周縁部の溶着(融着)が行われた。
[0071]
以上により、実施例1〜3及び比較例1〜3の試験用ケースが製造された。試験用ケースの溶着部近傍の構成を図2に示した。図2(a)は、電極端子が形成されていない部分の構成を示し、図2(b)は、電極端子を介在させている部分での構成を示した。
[0072]
図2に示したように、試験用ケース2は、ラミネート樹脂フィルム20が、溶着して溶着部20aを形成する。溶着部20aの電池内部側の端部には、溶着した一対のラミネート樹脂フィルム20,20の合わせ面を覆うように各ラミネート樹脂フィルム20,20と一体にもうけられた樹脂塊部21が形成されている。
[0073]
製造された試験用ケースのラミネート樹脂フィルムの溶着部の顕微鏡写真を撮影した。顕微鏡写真によると、溶着部の電池内部側の端部には、溶着した一対のラミネート樹脂フィルムの合わせ面を覆うように各ラミネート樹脂フィルムと一体にもうけられた樹脂塊部が形成されていることが確認できた。撮影された顕微鏡写真を図3〜8に示した。
[0074]
また、撮影された顕微鏡写真から、樹脂塊部の電池内部側への突出量(L),樹脂塊部の表面が近似する円の半径(r1),樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムとの溶着部の端部の表面が近似する円の半径(r2)、をそれぞれ求めた。それぞれの試験用ケースのL,r1,r2の数値を、表1に示した。
[0075]
[Table 1]


[0076]
(評価)
実施例の評価として、試験用ケースに耐圧試験を施した。
[0077]
耐圧試験は、試験用ケース2の内部に窒素ガスを注入し、試験用ケース2が損傷した条件を求めることで行われた。
[0078]
具体的には、試験用ケース2に、封止された状態でケース2の外部と内部とを連通する貫通孔を、開口させる。そして、図9に示したように、ステンレスよりなる一対の拘束板4,4間の距離を11mmに保持して、試験用ケース2の厚さの変化を規制した状態で、貫通孔を介して試験用ケース2の内部に窒素ガスを注入する。ここで、拘束板4は、試験用ケース2の貫通孔を介しての窒素ガスの注入を規制しない形状に形成されている。
[0079]
そして、室温(25℃)条件の下で窒素ガスの注入を続け、試験用ケース2が損傷したときの内部の圧力を測定した。測定結果を、開口圧力として表1に合わせて示した。表1においては、開口圧力が0.50MPa以上を合格(○)とし、0.50MPa未満のものを不適(×)としてその評価を示した。
[0080]
また、同様にして、試験用ケース2を一対の拘束板4,4で変形を規制した状態で、試験用ケース2内の圧力を0.05MPaに維持した状態で60℃で放置し、試験用ケース2が損傷したときの時間を測定した。測定結果を、長期耐圧開口時間として表1に合わせて示した。表1においては、長期耐圧開口時間が1000Hr以上を合格(○)とし、1000Hr未満のものを不適(×)としてその評価を示した。
[0081]
表1に示したように、実施例1〜3の試験用ケースでは、開口圧力及び長期耐圧開口時間のいずれもが優れたものとなっていた。なお、図3に示したように、実施例1は、樹脂塊部21の表面が電池内部方向にわずかに突出した形状で形成されている。図4に示したように、樹脂塊部21の表面がわずかにくぼんだ(電池内部から外側方向にわずかに突出した)形状で形成されている。図5に示したように、樹脂塊部21の表面がわずかにくぼむとともに、中央部がわずかに突出した(厚さ方向で略W字状をなす)形状で形成されている。すなわち、樹脂塊部21の形状が、上記した(a)〜(c)を満たしていれば、具体的な形状が限定されることなく、開口圧力及び長期耐圧開口時間のいずれもが優れたものとなることがわかる。
[0082]
図6に示した、樹脂塊部21の半径r1及びr2が(b)及び(c)よりもはるかに小さい比較例1は、開口圧力は高かったが、長期耐圧開口時間は十分に得られなかった。このことは、樹脂塊部21の端部に応力が集中してケースの損傷の基点になったためである。
[0083]
図7に示した、樹脂塊部21の突出長さLが上記した(a)よりも小さい比較例2は、長期耐圧開口時間は長時間となっているが、開口圧力は十分に得られなかった。このことは、樹脂塊部21が小さすぎて、樹脂塊部21を形成することの効果が得られなかったためである。
[0084]
図8に示した、樹脂塊部21の半径r1が(b)よりも小さい比較例3は、開口圧力及び長期耐圧開口時間がともに十分に得られなかった。このことは、比較例2の時と同様に、樹脂塊部21を形成することの効果が得られなかったためである。
[0085]
上記したように、樹脂塊部21の形状が、上記した(a)〜(c)を満たした各実施例の試験用ケースでは、開口圧力及び長期耐圧開口時間のいずれもが優れたものとなることが確認できた。
[0086]
(リチウムイオン二次電池)
負極活物質としてのグラファイト粉末を98質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)を1質量部とを、水98質量部に分散させ、さらに結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)を1質量部追加し分散させ、スラリーとした。このスラリーを銅製の負極集電体表面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、負極板とした。その後、この負極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合材を掻き取ることで、負極集電体に負極活物質層が形成された負極板51を作製した。
[0087]
正極活物質としてのLiFePO を78質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを18質量部と、水80質量部に分散させ、さらに結着材としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を4質量部追加し分散させ、スラリーとした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体表面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、正極板とした。その後、この正極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合剤を掻き取ることで、正極集電体に正極活物質層が形成された正極板52を作製した。
[0088]
正極板52,セパレータ(図示せず),負極板51,セパレータを介した状態で積層し、積層体を巻回する。このとき、正極板52と負極板51は、それぞれのリードタブ溶接部が背向した状態で積層する。また、それぞれのリードタブ溶接部は、セパレータの端部から突出した状態で配される。そして、積層体の巻回は、一対のリードタブ溶接部が背向する方向に沿って、巻回の中心軸が位置した状態で行われる。
[0089]
巻回体を、径方向に圧縮して、扁平型の巻回体とし、それぞれのリードタブ溶接部に、電力取り出し用のシート状の電極端子3,31,32を溶接する。正極板52のリードタブ溶接部に溶接される正極端子32は、アルミニウムよりなる。負極板51のリードタブ溶接部に溶接される負極端子31は、銅よりなる。
[0090]
上記の試験用ケース2を形成するための、断面が凹字状をなしているラミネート樹脂フィルム20を2枚準備した。
[0091]
成形されたラミネート樹脂フィルム2枚を、その間に巻回体を配した状態で、それぞれの内側樹脂層が対向した状態で重ね合わせた。このとき、正極端子及び負極端子のそれぞれが、周縁部から突出した状態で配置される。また、正極端子及び負極端子のそれぞれは、周縁部との当接部が、PPよりなるタブフィルム30を介した状態で配される。
[0092]
その後、重ねられたラミネート樹脂フィルム20の周縁部を溶着(融着)した。
[0093]
溶着後、初期充放電処理を行った。
[0094]
以上にして、本発明の非水電解液二次電池の一つの実施形態であるリチウムイオン二次電池が製造された。
[0095]
製造されたリチウムイオン二次電池は、図10に示したように、上記した試験用ケースと同様なラミネート樹脂ケース2,ラミネート樹脂ケース2内に収納した正極板52及び負極板51を有する電極体5を有する。ラミネート樹脂ケース2は、上記した試験用ケースと同様に溶着部の電池内部側の端部に、樹脂塊部21が形成されている。
[0096]
製造されたリチウムイオン二次電池1は、上記した試験用ケースを用いた電池である。すなわち、上記した試験用ケースにより得られた効果を発揮できる。
[0097]
すなわち、実施例のリチウムイオン二次電池は、ケースの内圧が急激に上昇しても、溶着部の端部に樹脂塊部が形成されていることで溶着部が剥離することが抑えられる。また、ケースの内圧が上昇した状態で長時間が経過しても、樹脂塊部の形状が所定の形状(L,r1,r2のいずれもが所定の範囲内の形状)となっており、樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムとの間で応力の集中が抑えられており、樹脂塊部とラミネート樹脂フィルムの損傷が抑えられる。この結果、実施例のリチウムイオン二次電池は、ケースの内圧の上昇による損傷が抑えられたものとなるという効果を発揮する。

Reference Signs List

[0098]
1:リチウムイオン二次電池
2:ラミネート樹脂ケース
20:ラミネート樹脂フィルム
21:樹脂塊部
3:電極端子
30:タブフィルム
31:負極端子
32:正極端子
4:拘束板
5:電極体
51:負極板
52:正極板

Claims

[1]
正極と負極とを有する電極体をラミネート樹脂フィルムケースに収納した状態でラミネート樹脂フィルムを溶着して封止してなる非水電解液二次電池において、
該ラミネート樹脂フィルムケースの溶着部の電池内部側の端部には、溶着した一対のラミネート樹脂フィルムの合わせ面を覆うように各ラミネート樹脂フィルムと一体にもうけられた樹脂塊部が形成され、
該樹脂塊部は、該ラミネート樹脂フィルムと溶着した溶着部の該電池内部側の端部から、該電池内部側への突出量(L)が−0.15mm<L<0.15mmであり、
該樹脂塊部の表面が近似する円の半径の大きさ(r1)が、0.10<r1<1.5mmであり、
該樹脂塊部と該ラミネート樹脂フィルムとの溶着部の端部であって、該電池内部側の端部の表面が近似する円の半径(r2)が、r2>0.10mmであることを特徴とする非水電解液二次電池。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 9]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5]

[ Fig. 6]

[ Fig. 7]

[ Fig. 8]

[ Fig. 10]