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1. JP2010265770 - タービン翼の遠心応力模擬試験方法及び装置

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Description

Title of Invention タービン翼の遠心応力模擬試験方法及び装置

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010  

Citation List

Patent Literature

0011  

Summary of Invention

Technical Problem

0012   0013   0014  

Technical Solution

0015   0016   0017   0018   0019   0020  

Advantageous Effects

0021  

Brief Description of Drawings

0022  

Description of Embodiments

0023  

Examples

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036  

Industrial Applicability

0037  

Reference Signs List

0038  

Claims

1   2   3   4   5   6    

Drawings

1   2   3   4   5    

Description

タービン翼の遠心応力模擬試験方法及び装置

Technical Field

[0001]
本発明はタービン翼の遠心応力模擬試験方法及び装置に係り、特に、タービン翼の振動防止のために前記タービン翼の端部に設けられるシュラウドの、溶接肉盛部が翼の回転に伴って受ける遠心応力を、簡単な方法、装置で効率良く模擬試験できるようにした、タービン翼の遠心応力模擬試験方法及び装置に関するものである。

Background Art

[0002]
発電用などの蒸気タービンに用いられるタービン翼は、大出力の要求に応えるために、図5に示したような40インチを越える長大翼が製作されている。この図5において、(A)はタービンの長大翼の構成の一例斜視図で、(B)、(C)は、運転時にシュラウド52、スタブ54にかかるねじり戻りモーメントを矢印で示した図、(D)、(E)は、このねじり戻りモーメントにより、全周のシュラウド52、スタブ54同士が当接して全周リング翼構造になった状態を示した図である。
[0003]
こういった蒸気タービンの長大翼では、運転中のタービン翼の振動を抑えるために図5(A)に示したように、タービン翼50の先端にシュラウド52を、中央部にスタブ54を設けることがおこなわれている。すなわち蒸気タービンにおけるロータの周りに取り付けられた個々のタービン翼50には、運転中、先端部(シュラウド52の部分)には図5(B)に、中央部付近(スタブ54の付近)には図5(C)に、それぞれ矢印で示したようなねじり戻りモーメントが加わる。
[0004]
そのためシュラウド52、スタブ54が設けられたタービン翼50は、図5(D)、図5(E)に示したように、このねじり戻りモーメントによって全周のシュラウド52、スタブ54同士が当接して全周リング翼構造になる。すなわち蒸気タービンでは、タービン翼50のねじり戻り変形を利用し、隣接するシュラウド52やスタブ54同士を当接させて接触面に生じる摩擦力により、振動を減衰させるようにしているわけである。なお、この図5において56は、タービン翼50を蒸気タービンのロータに装着するためのセレーション(翼根)である。
[0005]
一方、例えば40インチを越える長大翼は、3600rpmで回転させるとシュラウド52の周速がマッハ2近く、またはそれを越えるスピードになる。これが蒸気によって回転するため、タービン翼50には微細な水の粒子と衝突することになって、エロージョンとよばれる侵食が生じることがある。このエロージョンは硬い材料に対しては侵食が進まないため、タービン翼50の形状、周速などで決まる最も侵食され易い部位、例えば図5(A)に58で示したようにシュラウド52と翼部60の境界部に、耐エロージョン性に優れたステライト(デロロ・ステライト・ホールディングス・コーポレーションの登録商標)などを溶接肉盛することがおこなわれている。
[0006]
溶接肉盛した部分には、内在欠陥が生じることがあるが、ステライトなどは耐エロージョン性には優れているが靱性が低く、遠心応力を負荷すると内在欠陥が表出することがある。すなわち前記したようにマッハ2、又はそれを越える周速でシュラウド52が回転すると、シュラウド52の質量にもよるが、シュラウド52にかかる遠心力が5tを越えることがあり、溶接肉盛した部分58には、このような遠心力がかかると、硬い方の材料はより靭性が低いために内在欠陥が生じると共に、これが表面化するおそれがある。
[0007]
このように溶接肉盛した部分に遠心応力が作用する場合に、内在欠陥により生じる問題に対しては、例えば蒸気タービンのロータの試験装置に、図5(A)に示した翼50を装着し、モータなどで定格の115%相当の回転速度で回転させ、実際にロータに遠心応力を負荷することによって、ロータ全体の健全性を確認するためのHSB(High Speed Balance)テストという方法がある。そして、このテスト後に、超音波などを用いて溶接肉盛部の状態を検査することが行われている。
[0008]
しかしながら、蒸気タービンのロータにタービン翼を装着すると、直径はタービン翼単体の長さの3倍近くになって大きなスペースを必要とする。またこのHSBテストは、タービン翼50を高速回転させたときの空気抵抗を軽減させる必要があることから、試験装置全体を収容した部屋を真空にしてテストを行うための大型の真空室が必要になる。更に、真空室を真空にするための大容量の真空ポンプが必要であると共に真空にするまでに時間がかかり、それだけ大きなコストを必要とする。しかも、こういったHSBテストは出荷までの最終工程近くで行われるが、テストの結果、欠陥が発見されればタービン翼50の補修を行い、試験装置に装着し、再度のテストをおこなう必要があることから、工程の大きな出戻りが生じてしまうおそれがある。
[0009]
こういった応力負荷状態の試験装置としては、例えば特許文献1に、所定の曲げ応力負荷を維持した状態で耐環境性を評価できる応力負荷耐環境性評価法を提供するため、試料に曲げ荷重を負荷する治具と治具を内部に収納できる容器をもち、容器内雰囲気の温度、圧力及び組成を調整できる疑似環境再現装置と、治具に荷重する荷重装置とを備えた応力負荷耐環境性評価装置が示されている。
[0010]
また特許文献2には、先端にシュラウドのような翼の連結構造物、および長手方向の一部に遠心力によりシールピン溝に押しつけられるシールピンにより隣接した翼を連結させる翼の連結構造部、をもつタービン翼における振動の測定方法に係わるものではあるが、セレーション(翼根)を固定する治具により翼の根元部を所定の状態に固定する第一の工程と、シュラウドを両側から略等しい力で押さえて固定する治具、及びシールピンを遠心力相当の力(翼の長手方向先端側に向けた力)でシールピン溝に押しつけて固定する治具と、これら治具への荷重付加機構、該荷重の検出器、を設けた装置で所定の拘束力により拘束する第二の工程と、翼の金体の振動を測定する第三の工程とからなる翼の振動測定方法が示されている。

Citation List

Patent Literature

[0011]
patcit 1 : 特開平10−185798号公報
patcit 2 : 特開平2−297037号公報

Summary of Invention

Technical Problem

[0012]
しかしながら、特許文献1に示された応力負荷耐環境性評価装置は、所定の曲げ応力負荷を維持した状態で耐環境性を評価するための装置であり、前記したように遠心応力により、タービン翼50、シュラウド52の母材にステライトなどの溶接肉盛した部分58における、界面部分の内在欠陥のテストには使用できない。
[0013]
また特許文献2に示された翼の振動測定方法では、翼の根元部を固定する治具、シュラウドを固定する治具、シールピンを遠心力相当の力でシールピン溝に押しつけて固定する治具、とにより翼を固定しているが、この特許文献2は翼の振動測定方法であり、特許文献1と同様、翼50、シュラウド52の母材にステライトなどを溶接肉盛した部分58における、界面部分の内在欠陥のテストには応用できない。
[0014]
そのため本発明においては、従来のHSBテストのように、大型の真空室や大容量の真空ポンプを必要とせず、また、前記真空室を真空するまでに長時間を要するようなことがなく、タービン翼とシュラウドの境界部に、溶接肉盛した部位における遠心応力を、静的な方法を用いてタービン翼単体で模擬テストできる、タービン翼の遠心応力模擬試験方法及び装置を提供することが課題である。

Technical Solution

[0015]
上記課題を解決するため本発明になるタービン翼の遠心応力模擬試験方法は、
タービン翼の端部にシュラウドを、タービンロータへの装着側に翼根を有し、前記シュラウドと前記タービン翼の端部との境界部に溶接肉盛部を設けたタービン翼における、前記溶接肉盛部への遠心力に対する影響を模擬するためのタービン翼の遠心応力模擬試験方法であって、
前記タービン翼における前記翼根を翼根保持部に装填し、前記翼根保持部外から前記翼根に遠心力方向の力を加えて前記翼根の前記翼根保持部への嵌合ガタを排除した状態で、前記シュラウドにおける前記溶接肉盛部を設けた側に、タービン運転中の遠心力と運転により生じるタービン翼のねじり戻り変形とに相当する押圧力を加えると共に、前記シュラウドにおける前記押圧力の印加部位と対向する部位を固定し、前記溶接肉盛部の遠心応力模擬試験を実施することを特徴とする。
[0016]
そしてこの方法を実施するタービン翼の遠心応力模擬試験装置は、
タービン翼の端部にシュラウドを、タービンロータへの装着側に翼根を有し、前記シュラウドと前記タービン翼の端部との境界部に溶接肉盛部を設けたタービン翼における、前記溶接肉盛部への遠心力に対する影響を模擬するためのタービン翼の遠心応力模擬試験装置であって、
前記翼根を装填する翼根保持部と、該翼根保持部外から前記翼根に前記タービン翼に加わる遠心力方向の力を加えて前記翼根と前記翼根保持部との嵌合ガタを排除する第1の油圧装置と、前記シュラウドにおける前記溶接肉盛部を設けた側に、運転中の遠心力と運転により生じるタービン翼のねじり戻り変形とに相当する押圧力を加える第2の油圧装置と、前記シュラウドにおける前記第2の油圧装置による押圧力を加える部位と対向した部位を固定する第1の固定装置と、前記翼根保持部に装填された前記タービン翼と平行に設けられ、前記第2の油圧装置と第1の固定装置とをそれぞれ支持する第1と第2の支柱とからなり、前記第2の油圧装置により加えた押圧力で、蒸気タービンの運転により前記溶接肉盛部に加わる応力を模擬することを特徴とする。
[0017]
このようにタービン翼の翼根を翼根保持部に装填して遠心力方向に押圧し、嵌合ガタを排除した状態としてシュラウドに、遠心力と、運転により生じるタービン翼のねじり戻り変形とに相当する押圧力を加えると共に、対向する部位を固定することで、シュラウドと前記タービン翼の端部の境界部に設けた溶接肉盛部に対し、タービン翼に加わるねじり戻り変形と遠心力とを正確に模擬した押圧力を加えることができる。そのため、ステライトなどの耐エロージョン性に優れてはいるが靱性の低い材料を溶接肉盛した部分に、どのような応力が加わっているか、を、静的な方法で、かつ、タービン翼単体で、精度良く模擬できる、タービン翼の遠心応力模擬試験方法及び装置を提供することができる。
[0018]
また本発明では、従来のHSBテストのように、大型の真空室や大容量の真空ポンプを必要とせず、また、前記真空室を真空するまでに長時間を要するようなことがなく、簡単に模擬試験を実施することができるから、この模擬試験後、溶接肉盛部を、超音波などを用いて検査することで、容易に、正確に、溶接肉盛した部位における界面部分の内在欠陥を検査することができる。
[0019]
そして、前記溶接肉盛部を前記シュラウドにおける作動流体入り口側に設けると共に、前記入り口側にタービン運転中の遠心力と運転により生じる前記タービン翼のねじり戻り変形とに相当する押圧力を加え、前記シュラウドの作動流体出口側を固定し、そのため、前記第1の固定装置は前記シュラウドにおける作動流体出口側に、前記第2の油圧装置は前記シュラウドにおける作動流体入り口側にそれぞれ設けられて、前記第2の油圧装置は、前記タービン翼の遠心力方向、かつ、前記タービン翼のねじり戻り変形方向に前記シュラウドを押圧するよう配置されていることで、運転中に溶接肉盛部にかかる応力を正確に模擬することができる。
[0020]
また、前記タービン翼は翼の長手方向中央部の表裏に運転中のねじり戻り変形で隣り合う翼と互いに当接するスタブを備え、前記スタブを固定した状態で前記シュラウドへの押圧力を加え、そのため、前記第1と第2の支柱は前記スタブを固定する第2の固定装置を備えていることで、さらに精度の良いタービン翼の遠心応力模擬試験方法及び装置を提供することができる。

Advantageous Effects

[0021]
以上記載のごとく本発明になるタービン翼の遠心応力模擬試験方法及び装置は、タービン翼とシュラウドの境界部にエロージョン防止用溶接肉盛した部分における、各材料の界面の部分の内在欠陥を見いだすための遠心応力模擬試験を、静的な方法で、タービン翼単体で実施することができる。従って、従来のHSBテストのように、大型の真空室や大容量の真空ポンプを必要とせず、また、前記真空室を真空するまでに長時間を要するようなことがなく、効率的に、精度良くタービン翼の遠心応力模擬試験を実施することができる。

Brief Description of Drawings

[0022]
[fig. 1] 本発明になるタービン翼の遠心応力模擬試験装置の概略側面図である。
[fig. 2] 本発明になるタービン翼の遠心応力模擬試験装置の概略平面図である。
[fig. 3] 本発明になるタービン翼の遠心応力模擬試験方法を実施するタービン翼10の(A)、(B)が一例全体図、(C)、(D)がシュラウド12とその溶接肉盛部124の図である。
[fig. 4] タービン翼10の溶接肉盛部124のFEM解析(有限要素法:Finite Element Method)による応力分布図である。
[fig. 5] タービン翼の構成の一例を示した図である。

Description of Embodiments

[0023]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りはこの発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
Examples
[0024]
図3は、本発明になるタービン翼の遠心応力模擬試験方法を実施するタービン翼の(A)が一例斜視図、(B)がその側面図、(C)はそれぞれのタービン翼に設けられたシュラウドが運転中に当接する状態を説明するための図、(D)はシュラウドの溶接肉盛部の斜視図である。
[0025]
前記図5で説明したように、タービン翼10は前記タービン翼の端部にシュラウド12、図示していないタービンロータへの装着側に翼根(セレーション)18、そして翼の長手方向中央部にスタブ14、16を有している。翼根(セレーション)18は、逆3角形状に形成されて側面に凹凸を有している。一方、図示していないタービンロータには、翼根18の形状に対応する翼溝が形成されており、前記翼溝に装填したとき、タービン翼10が遠心力で離脱しないようになっている。またタービン翼10はこの翼根18から図5に示したようにねじられて立設されている。
[0026]
そして、それぞれのタービン翼10に設けられたシュラウド12は、図3(C)に示したように、蒸気タービンの運転により生じるタービン翼10のねじり戻り変形で互いの当接部120、122が当接し、全周のシュラウド12同士が当接することで全周リング翼構造となる。なお、これはスタブ14、16も同様である。また、それぞれのシュラウド12における作動流体としての蒸気の入り口側には、前記したようにエロージョンによる侵食を防止するため、図3(D)に示したように、124で示した溶接肉盛が施されている。
[0027]
このような構成のタービン翼10における、溶接肉盛部124に対する遠心応力の模擬試験装置の一例の概略側面図が図1であり、概略平面図が図2である。なお、図1は図2にB−B’で示した位置から見た側面図で、図2は(A)がこのタービン翼固定装置の概略平面図、(B)が図1にA−A’で示した位置から見たタービン翼におけるスタブ固定構造である。図1、図2において10は図3で説明したタービン翼、12はシュラウド、14、16はスタブ、18は翼根であり、20は翼根18を固定するための翼根保持部、22はその翼根18の装填部、24は装置の基台であり、タービン翼10は翼根保持部20に装着される。翼根保持部20の翼根装填部22は、翼根18の側面に設けた凹凸に対応した凹凸を有し、装填された翼根18は、翼根保持部20に設けられた穴26を介して図示していない油圧装置(第1の油圧装置)からの押圧力で、図上、下から、すなわちタービン翼10に加わる遠心力方向の力が加えられ、翼根18と翼根保持部20との嵌合ガタが排除される。
[0028]
28、30はH型鋼などで形成し、翼根保持部20に翼根18を装着したタービン翼10と平行に設けられた支柱である。支柱28に設けられた横梁29には、シュラウド12を押圧するため、シュラウド12における当接部120の形状を一部に設けた、シュラウドホルダ34を有した油圧装置(第2の油圧装置)32が設けられている。また支柱30には、シュラウド12における油圧装置(第2の油圧装置)32で押圧する部位と対向した部位を固定する、シュラウド固定装置(第1の固定装置)36が設けられている。38、40は、L型鋼42、44で支柱28、30に取り付けられ、タービン翼10のスタブ14、16を固定する固定装置(第2の固定装置)である。
[0029]
シュラウド固定装置(第1の固定装置)36、スタブ固定装置(第2の固定装置)38、40は、例えばシュラウド12、スタブ14、16のそれぞれに3方向から接触するボルトなどを備え、翼根保持部20に装填したタービン翼10におけるシュラウド12、スタブ14、16の位置が多少変位していても、それらボルトを繰り出すことで接触できるようにし、変位方向によらずにシュラウド12、スタブ14、16を固定できるようにする。
[0030]
このように構成したタービン翼の遠心応力模擬試験装置は、まずタービン翼10の翼根18を翼根保持部20に装着し、図示していない第1の油圧装置により穴26からこの翼根18に遠心力方向(図1において図上、上方向)の力を加え、翼根18の翼根保持部20への嵌合ガタを排除する。その後、図1、図2に示したシュラウド固定装置(第1の固定装置)36でシュラウド12における押圧する側とは逆側、すなわち図3(C)に示す当接部122を固定する。また、図1、図2に14、16で示したスタブを、スタブ固定装置(第2の固定装置)38、40で固定する。
[0031]
こうして翼根18の翼根保持部20への嵌合ガタを排除し、シュラウド12における押圧する側とは逆側、及びスタブ14、16、を固定したら、最後にシュラウドホルダ34をシュラウド12の図3(C)に示す当接部に120に当て、油圧装置(第2の油圧装置)32により、タービン翼10のシュラウド12にかかる遠心力、及び運転により生じるタービン翼のねじり戻り変形に相当する押圧力で、シュラウド12の当接部120(図3参照)を押圧する。
[0032]
すると、シュラウド12の当接部120の位置には、遠心力、及び運転により生じるタービン翼のねじり戻り変形に相当の力が加わるため、タービン翼10には図2に「ひずみ方向」として示した方向のねじり戻り変形力が加わる。そのため、図3(D)に示す溶接肉盛部124には、これらタービン翼10に加わったねじり戻り変形力、シュラウド12の当接部120の位置への遠心力相当の力による応力が加わり、静的な方法で、かつ、タービン翼単体で、タービン翼10を蒸気タービンのロータに装着して実施したHSBテストと同様、タービン翼の遠心応力模擬試験を精度良く実施することができる。
[0033]
図4は、タービン翼10の端部とシュラウド12の境界部に施した、溶接肉盛部124(図3(D)参照)のFEM解析(有限要素法:Finite Element Method)による応力分布図で、Case0と記したのはHSBテスト(すなわちシュラウド12に遠心力による応力が加わった場合)の場合、Case1はシュラウド12の作動流体としての蒸気の入り口側(背側、図3(C)における当接部120側)を押圧(印加)して出口側(腹側、図3(C)における当接部122側)を固定した場合、Case2はシュラウド12の蒸気入り口側(背側)を固定して出口側(腹側)を押圧した場合、Case3は蒸気入り口側(背側)、出口側(腹側)両方を押圧した場合である。
[0034]
まずCase0と記したHSBテストの場合、遠心応力はシュラウド12に均等にかかり、最も高い応力は腹側が62で示した部位、背側が64で示した部分にかけての部位となっている。Case1のシュラウド12における蒸気入り口側を押圧して出口側を固定した場合は、腹側には高い応力分布はなく、背側には68で示した位置からシュラウド12の当接部120方向、すなわち図3(D)に示す溶接肉盛部124における、シュラウド12側に高い応力分布が生じている。
[0035]
Case2の、シュラウド12の蒸気入り口側(背側)を固定して出口側(腹側)を押圧した場合は、腹側のシュラウド12とはかなり離れた70の部分に高い応力が生じ、背側はシュラウド12の突起120より腹側に近い方の72で示した位置に高い応力分布が出ている。最後のCase3として示した、蒸気入り口側(背側)、出口側(腹側)両方を押圧した場合は、腹側が74で示した位置に、背側が76で示した位置に高い応力分布が出ている。
[0036]
これらのことから、シュラウド12の溶接肉盛部124に対する応力分布は、Case3の蒸気入り口側(背側)、出口側(腹側)両方を押圧した場合よりも、Case1のシュラウド12における蒸気入り口側を押圧し、出口側を固定した場合が、Case0と記したHSBテストの場合に最も近似していて、HSBテストと同様な結果が得られることがわかる。

Industrial Applicability

[0037]
本発明によれば、大型の真空室や大容量の真空ポンプを必要とせず、また、前記真空室を真空するまでに長時間を要するようなことがなく、タービン翼10におけるエロージョン防止用溶接肉盛部を設けた部位の遠心応力を、タービン翼単体で、静的な方法で、効率的に、精度良く模擬試験できるから、溶接肉盛部の内在欠陥を容易に見つけて欠陥のないタービン翼を提供することができる。

Reference Signs List

[0038]
10 タービン翼
12 シュラウド
120、122 当接部
124 溶接肉盛部
14、16 スタブ
18 翼根(セレーション)
20 翼根保持部
22 翼根装填部
24 基台
26 穴
28、30 支柱
29 横梁
32 油圧装置(第2の油圧装置)
34 シュラウドホルダ
36 シュラウド固定装置(第1の固定装置)
38、40 スタブ固定装置(第2の固定装置)
42、44 L型鋼

Claims

[1]
タービン翼の端部にシュラウドを、タービンロータへの装着側に翼根を有し、前記シュラウドと前記タービン翼の端部との境界部に溶接肉盛部を設けたタービン翼における、前記溶接肉盛部への遠心力に対する影響を模擬するためのタービン翼の遠心応力模擬試験方法であって、
前記タービン翼における前記翼根を翼根保持部に装填し、前記翼根保持部外から前記翼根に遠心力方向の力を加えて前記翼根の前記翼根保持部への嵌合ガタを排除した状態で、前記シュラウドにおける前記溶接肉盛部を設けた側に、タービン運転中の遠心力と運転により生じるタービン翼のねじり戻り変形とに相当する押圧力を加えると共に、前記シュラウドにおける前記押圧力の印加部位と対向する部位を固定し、前記溶接肉盛部の遠心応力模擬試験を実施することを特徴とするタービン翼の遠心応力模擬試験方法。
[2]
前記溶接肉盛部を前記シュラウドにおける作動流体入り口側に設けると共に、前記入り口側にタービン運転中の遠心力と運転により生じる前記タービン翼のねじり戻り変形とに相当する押圧力を加え、前記シュラウドの作動流体出口側を固定することを特徴とする請求項1に記載したタービン翼の遠心応力模擬試験方法。
[3]
前記タービン翼は翼の長手方向中央部の表裏に運転中のねじり戻り変形で隣り合う翼と互いに当接するスタブを備え、前記スタブを固定した状態で前記シュラウドへの押圧力を加えることを特徴とする請求項2に記載したタービン翼の遠心応力模擬試験方法。
[4]
タービン翼の端部にシュラウドを、タービンロータへの装着側に翼根を有し、前記シュラウドと前記タービン翼の端部との境界部に溶接肉盛部を設けたタービン翼における、前記溶接肉盛部への遠心力に対する影響を模擬するためのタービン翼の遠心応力模擬試験装置であって、
前記翼根を装填する翼根保持部と、該翼根保持部外から前記翼根に前記タービン翼に加わる遠心力方向の力を加えて前記翼根と前記翼根保持部との嵌合ガタを排除する第1の油圧装置と、前記シュラウドにおける前記溶接肉盛部を設けた側に、運転中の遠心力と運転により生じるタービン翼のねじり戻り変形とに相当する押圧力を加える第2の油圧装置と、前記シュラウドにおける前記第2の油圧装置による押圧力を加える部位と対向した部位を固定する第1の固定装置と、前記翼根保持部に装填された前記タービン翼と平行に設けられ、前記第2の油圧装置と第1の固定装置とをそれぞれ支持する第1と第2の支柱とからなり、前記第2の油圧装置により加えた押圧力で、蒸気タービンの運転により前記溶接肉盛部に加わる応力を模擬することを特徴とするタービン翼の遠心応力模擬試験装置。
[5]
前記溶接肉盛部を前記シュラウドにおける作動流体入り口側に設け、前記第1の固定装置は前記シュラウドにおける作動流体出口側に、前記第2の油圧装置は前記シュラウドにおける作動流体入り口側にそれぞれ設けられて、前記第2の油圧装置は、前記タービン翼の遠心力方向、かつ、前記タービン翼のねじり戻り変形方向に前記シュラウドを押圧するよう配置されていることを特徴とする請求項5に記載したタービン翼の遠心応力模擬試験装置。
[6]
前記タービン翼は翼の長手方向中央部の表裏に運転中のねじり戻り変形で隣り合う翼と互いに当接するスタブを備え、前記第1と第2の支柱は前記スタブを固定する第2の固定装置を備えていることを特徴とする請求項5に記載したタービン翼の遠心応力模擬試験装置。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5]