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1. JPWO2007136039 - 輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造、並びに、その製造方法

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Title of Invention 輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造、並びに、その製造方法 JP 2006141491 20060522

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

Disclosure of Invention

Technical Problem

0009  

Technical Solution

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136  

Advantageous Effects

0137   0138   0139   0140   0141  

Brief Description of Drawings

0142   0143  

Best Mode for Carrying out the Invention

0144  

Mode for the Invention 1

0145   0146   0147   0148   0149   0150  

Mode for the Invention 2

0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158  

Mode for the Invention 3

0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175  

Mode for the Invention 4

0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186  

Mode for the Invention 5

0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203  

Mode for the Invention 6

0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222  

Mode for the Invention 7

0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231   0232   0233   0234   0235   0236   0237   0238   0239   0240   0241   0242   0243   0244   0245   0246   0247   0248   0249  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14    

Drawings

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   20080206A16333全文3

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15    

Description

輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造、並びに、その製造方法

JP 2006141491 20060522

Technical Field

[0001]
本発明は、主に、輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造、並びに、その製造方法に関する。

Background Art

[0002]
様々な分野において、省資源化や製造コスト削減の観点から、より少ない材料で構造物を製造することが求められている。とりわけ、大量の材料を必要とする大型の構造物、例えば、建造物や輸送機器の分野では、より少ない材料で構造物を製造することによる省資源化や製造コスト削減への寄与が大きい。
[0003]
しかしながらその一方で、このような大型の構造物には、高い強度を維持し、高い安全レベルを達成することが求められる。例えば、これらの構造物には、構造物を構成する部材が、圧縮荷重や曲げ荷重に対して、所定の座屈強度を有することが求められる。
[0004]
構造物を構成する部材が圧縮荷重を受けるとき、圧縮荷重がある値に達すると、最初真直ぐであった部材は、図1(a)に示されるように、突然横方向に曲がってしまう。この部材全体が座屈する現象を部材座屈と呼ぶ。部材を構成する長方形板が薄い場合には、圧縮荷重がある値に達すると、部材座屈が起こる前に、図1(b)に示すように長方形板が面外方向に突然変形してしまう。このように、部材を構成する長方形板が座屈する現象を板座屈と呼ぶ。
[0005]
構造物を構成する部材が曲げ荷重を受けるときも、部材座屈と板座屈が存在する。ただし各座屈の変形パターンは、圧縮荷重を受けるときの変形パターンとは異なる。通常の部材設計では、板座屈が生じると、部材座屈強度が低下するので、部材座屈が起こる前に板座屈が起こらないように板の断面寸法が決定される。
[0006]
部材を構成する長方形板を薄肉化することにより部材の材料を削減することができるが、長方形板を単に薄肉化すると、長方形板が、面内方向に作用する圧縮荷重や曲げ荷重に対して板座屈を起こしやすくなるといった問題が生じる。
[0007]
そこで従来は、長方形板に対して図2に示すようなリブ(中間支持体)と称する支持体を取り付け、長方形板が座屈するときリブの位置を移動させないようにすることにより、長方形板の座屈強度を上げていた。
[0008]
しかし、長方形板にリブが備えられた状態から、座屈強度を低減させることなく長方形板をさらに薄肉化する技術はなかった。ましてや、リブが備えられていない場合に、座屈強度を低減させることなく長方形板を薄肉化する技術はなかった。

Disclosure of Invention

Technical Problem

[0009]
本発明は、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を満たしつつより少ない材料で製造可能な薄肉化された長方形板を提供することを主目的とする。

Technical Solution

[0010]
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行ったところ、長方形板に突起を備えることにより、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を満たしつつ、従来の突起を有さない長方形板と比べて、長方形板の幅厚比を大きく且つ突起及び長方形板の合計断面積を小さくできることを見出し、本発明を完成するに至った。
[0011]
即ち、本発明は、以下の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造およびその製造方法に関する。
〔項1〕長方形板、2以上の支持体、及び1以上の突起を備える輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造であって、
(i)長方形板は、長方形板の端部の2つの支持体を含む2以上の支持体により支持され
(ii)1以上の突起は、2以上の支持体のうち向かい合う2つの支持体により挟まれる領域において長方形板に備えられ、
(iii)長方形板の幅厚比が、突起を備えていない長方形板の幅厚比よりも大きく、
(iv)長方形板及び1以上の突起の合計断面積が、突起を備えていない長方形板の断面積よりも小さく、且つ、
(v)1以上の突起が備えられた長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有し、
(vi)前記突起は長方形板の座屈変形に合わせて変形方向に位置が移動し、前記支持体は座屈変形時に位置が移動しない、
輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造。
〔項2〕長方形板の端部の支持体と中間の支持体の間、中間の支持体を2以上有する場合にはさらに中間の支持体と中間の支持体の間に各々1以上の突起が備えられる、項1に記載のパネル構造。
〔項3〕1以上の突起が、向かい合う2の支持体に平行に備えられている、項1に記載のパネル構造。
〔項4〕前記突起が、支持体と支持体の間に等間隔で備えられる項1に記載のパネル構造。
〔項5〕前記長方形板が、金属、樹脂、及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなり、且つ、前記突起が、金属、樹脂、及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなる、項1に記載のパネル構造。
〔項6〕前記長方形板が、金属からなり、且つ、前記突起が、金属及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなる、項5に記載のパネル構造。
〔項7〕前記長方形板及び前記突起が同種の材料からなる、項1に記載のパネル構造。
〔項8〕前記金属が、鉄、アルミニウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種、或いは、これをベースとする合金である、項5に記載のパネル構造。
〔項9〕前記合金が、鋼鉄、ステンレス鋼及びアルミニウム合金からなる群より選択される、項8に記載のパネル構造。
〔項10〕建造物が建物又は橋梁である、項1に記載のパネル構造。
〔項11〕構造部材が柱又は桁である、項1に記載のパネル構造。
〔項12〕輸送機器が、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機及び宇宙機からなる群より選択される少なくとも1種である、項1に記載のパネル構造。
〔項13〕(I)長方形板を、長方形板の端部の2つの支持体を含む2以上の支持体で支持する工程、及び、
(II)1以上の突起を、2以上の支持体のうち向かい合う2の支持体により挟まれる領域において長方形板に備える工程、
(ここで、工程(I)及び(II)は如何なる順序でおこなわれてもよく、同時におこなわれてもよい)を包含する、項1に記載のパネル構造の製造方法。
〔項14〕長方形板の一部と突起を構成するT形の押し出し形材同士を接合する工程を含む、項1に記載のパネル構造の製造方法。
〔項15〕前記突起が、向かい合う2の支持体により挟まれる領域において、向かい合う2の支持体に平行で、且つ、等間隔で前記長方形板に備え付けられ、前記長方形板が圧縮又は曲げの面内荷重を突起に沿う方向に受けるとき、下記式(22)でηが1未満である、項1〜12のいずれかに記載の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造:
[0012]
[Math. 1]


[0013]
であり、さらに
E:長方形板のヤング率
:突起のヤング率
T:突起無し長方形板の板厚
b:突起無し長方形板、又は、突起付き長方形板の板幅
:突起によって区切られた板要素の幅
:突起の高さ
:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法
:長方形板の片面に突起がある場合b 、長方形板の両面に突起がある場合b
:圧縮を受けるとき1、曲げを受けるとき1.25
:突起付き長方形板が圧縮を受ける場合s、曲げを受ける場合
[0014]
[Math. 2]


[0015]
:圧縮を受けるとき1、曲げを受けるとき(s−2)/s
31:突起の断面二次モーメントに関係する係数
32:突起の断面積に関係する係数
:突起無し長方形板の座屈係数であり、圧縮を受けるとき4,曲げを受けるとき23.9
n=E /E:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比
s:突起によって区切られた板要素の総数
t:突起付き長方形板の板厚
:突起の付根の厚さ
β:突起付き長方形板の幅厚比
β :突起無し長方形板の幅厚比
β :突起によって区切られた板要素の幅厚比
β :b に関する幅厚比
η:突起無し長方形板の断面積に対する、突起付き長方形板の、突起を含めた断面積の比
μ:長方形板のポアソン比
ξ:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比
σ:圧縮または曲げを受ける、突起無し長方形板または突起付き長方形板の座屈強度。
[0016]
以下、本発明をより詳細に説明する。なお、本書において、図面を用いて本発明を説明することがあるが、図面及びその説明は本発明を何ら限定するものではない。
[0017]
本発明の特徴は、図16、19、22、24、25、28、30などに示されるように、各s(突起によって区切られた板要素の総数)についてβ(幅厚比)とη(突起無し長方形板の断面積に対する、突起付き長方形板の、突起を含めた断面積の比)の関係式を作成可能としたことであり、このような図示が可能になったことにより、ηを最小にするsとβを容易に求めることができるようになった。具体的には、本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造は、次のように得ることができる。
[0018]
突起を備えていない長方形板の座屈強度σを満たす幅厚比β が、式(2)より決まる。
[0019]
β とsを式(26)に代入して、β の取り得る値の範囲が決まる。s、β およびβ の各値を式(17)に代入して、この式よりξとβ の関係を得る。さらに、s、β およびξを式(22)に代入して、ηとβ の関係を得る。式(14)を用いて、ηとβの関係を得る。βの取り得る値の範囲は式(27)で与えられる。得られた関係から、図16、19、22、24、25、28、30などのηとβの関係を示すグラフを作成し、ηが1未満となるs及びβを選択して、本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造を得ることができる。
[0020]
本発明では、実施例5の図27に示すように、前述の計算によって創出された突起の、長方形板の面外方向の移動を場合によっては数箇所(例えば、0,1,2または3箇所、長方形板の長さに比例して拘束する箇所は増加し得る)で拘束することにより、隣接する突起との間又は突起とそれに隣接する端部の支持体との間で同様の計算を行なって、新たな突起を形成し(実施例5の図26の点D)、さらに断面積の低減(さらなる薄肉化)を行なうことができる。
[0021]
従来、リブ(中間支持体)を長方形板に設けることで薄肉化を達成していたが、従来のパネル構造の設計では、特定のリブ(中間支持体)を設けた場合の薄肉化の程度が特定のポイントで明らかにされていただけであるので、それ以上の薄肉化を達成するための手段は知られていなかった。
[0022]
一方、本発明では、ηが最小となるsとβが明らかであるので、リブの設置のみでは達成することができない程度の、長方形板と突起(必要に応じてさらに中間支持体)の合計断面積の最小化を達成することができる。
[0023]
実際の設計では、ηを最小化する以外に、圧縮を受ける突起付き長方形板では、設計条件として与えられる圧縮力に耐えるために、ηに対して下限値の条件、すなわち式(35)(実施例6の図28の一点長鎖線の水平線)を考慮する必要がある。また、曲げを受ける突起付き長方形板では、せん断力に対して座屈しない条件、すなわち式(39)(実施例7の図30において右上がりの破線)、及びせん断降伏しない条件、すなわち式(42)(実施例7の図30には現れていない)を考慮する必要がある。
[0024]
これらの条件は、圧縮または曲げを受ける長方形板の設計では必須である。従来は、ηとβの関係が知られていなかったので、実施例6及び実施例7で示されるような長方形板の断面形状を見出すことができなかった。
[0025]
本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造(以下、本発明パネル構造と称することもある)は、基本的に、長方形板、2以上の支持体及び1以上の突起から構成される。2以上の支持体は、長方形板の対抗する辺(端部)に1対の支持体を備え、さらに中間支持体を1以上備え得るので、「2以上の支持体」としている。中間支持体の数は、長方形板のサイズと材質、及びパネル構造の製造条件などにより決まるが、例えば以下のような考え方で中間支持体の数を適切に設定することができる。
[0026]
圧縮を受ける長方形板の場合、中間支持体を長方形板に溶接で取り付ける場合、溶接の作業性より、隣接する中間支持体と中間支持体との間隔は、一般に300mm以上が必要である。また、曲げを受ける長方形板の場合、圧縮応力を受ける、長方形板の板幅の半分から上の領域に最大2つの中間支持体が設けられる。1つの中間支持体が設けられる場合、実施例2の図18(b)に示すように、長方形板の上端から板幅の0.2倍の位置に設けられる。2つの中間支持体が設けられる場合、実施例2の図18(c)に示すように、長方形板の上端から板幅の0.14倍及び0.36倍の位置に設けられる。
[0027]
本発明において、1以上の突起が備えられた長方形板は、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有する。パネル構造の設計の場合、得られた数値は、製造上切り上げが行なわれ得る。例えば必要な座屈強度を有する長方形板の厚さ及び突起の厚さがそれぞれ7.3mm、9.3mmと計算された場合、四捨五入してそれぞれ7mm、9mmとすると必要な座屈強度が得られなくなるため、それぞれ8mm、10mmの様に切り上げをして寸法を決定することがある。この場合、ηの値はやや大きくなる。「実質的に同じ座屈強度」は、このような設計上あるいは実用上の要請から、座屈強度がやや大きくなってもよいことを意味する。
[0028]
図3に、本発明パネル構造の概略図を示す。
[0029]
図3(a)は、長方形板がリブ(中間支持体)を備えている場合の本発明パネル構造の概略図である。従来、長方形板にリブを取り付け、リブの位置を移動させないようにすることにより、長方形板の座屈強度を上げていたが、リブを備える長方形板を、座屈強度を低減させることなく更に薄肉化する技術はなかった。本発明によれば、図3(a)に示すようにリブを備える長方形板に1以上の突起を備えることにより、該長方形板を、座屈強度を低減させることなく更に薄肉化することができる。
[0030]
曲げを受ける長方形板の場合、長方形板の板幅の半分から下の領域は引張応力を受ける。引張応力は座屈を起こさせないので、実施例2の図18(b)と図18(c)に示すように、リブは、長方形板の板幅の半分から下に設ける必要がない。したがって、突起を長方形板に備える場合に対しても、実施例2の図20(b)に示すように、長方形板の板幅の半分から下の突起は省略できる可能性が高い。なお、圧縮を受ける長方形板の場合、長方形板の板幅の全領域に圧縮応力が作用するので、等間隔にリブ又は突起を設けるのが好ましい。
[0031]
図3(b)は、長方形板がリブを備えていない場合の本発明パネル構造の概略図である。従来は、リブを備えていない長方形板を、座屈強度を低減させることなく薄肉化する技術はなかった。本発明では、図3(b)に示すように、リブを備えていない長方形板に1以上の突起を備えることにより、該長方形板を、座屈強度を低減させることなく薄肉化することができる。
[0032]
リブと本発明における突起とは異なり、リブは、断面寸法が大きいため、長方形板に数多く設けることができないか、或いは、長方形板に数多く設けることができたとしても大量の材料が必要となる。一方、本発明における突起は、断面寸法が比較的小さいため、長方形板に数多く設けることができ、数多く設けた場合でも材料が少なくてすむ。
[0033]
座屈変形のパターンにおいてもリブと本発明における突起とは異なる。リブが2の支持体の間において長方形板に備えられる場合、長方形板が所定以上の圧縮荷重を受けると、リブを節としてリブと各支持体との間で座屈が起きる。このとき、リブの位置は移動しない(図4(a))。このように、リブはそれ自体の位置を移動しないことにより長方形板の座屈強度を高め、支持体として機能する。一方、突起が2の支持体の間において長方形板に備えられる場合、長方形板が所定以上の大きな圧縮荷重を受けると、支持体と支持体との間で座屈が起きる。このとき、突起の位置は長方形板の座屈変形に合わせて移動する(図4(b))。複数の突起を長方形板に設けた場合も、同様に、支持体と支持体との間で座屈が起こり、突起の位置は長方形板の座屈変形に合わせて移動する。(図4(c))。2の支持体の間にリブと突起の両方が備えられる場合には、リブを節としてリブと各支持体との間で座屈が起こる。このとき、リブの位置は移動しないが、突起の位置は長方形板の座屈変形に合わせて移動する(図4(d))。これが、「(vi)前記突起は長方形板の座屈変形に合わせて変形方向に位置が移動し、前記支持体は座屈変形時に位置が移動しない」の意味である。
[0034]
長方形板は、特に限定されないが、金属、繊維強化金属、樹脂、繊維強化樹脂等の輸送機器又は建造物の分野において使用される材料から作られている。
[0035]
金属としては、輸送機器又は建造物の分野において使用される金属を広く使用でき、特に限定されないが、例えば、鉄、アルミニウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも一種、或いは、これをベースとする(例えば、50重量%以上含有する)合金が好適に使用される。合金としては、特に、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミニウム合金等を好適に用いることができるが、これらに限定されない。輸送機器用パネル構造における長方形板には、特に、リン添加鋼、BH(Bake−Hardening)鋼、超深絞り高強度鋼、アルミニウム合金等を好適に使用することができる。建造物用構造部材用パネル構造における長方形板には、特に、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミニウム合金等を好適に使用することができる。
[0036]
樹脂としては、可塑剤、充填材、着色剤等を適当に配合した、熱可塑性樹脂、エンジニアリングプラスチック、熱硬化性樹脂等の合成又は天然樹脂を用いることができる。合成又は天然樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂、AS(Acrylonitrile Styrene)樹脂、AES(Acrylonitrile Ethylene Styrene)樹脂、AAS(Acrylonitrile Acrylate Styrene)樹脂、アクリル(酸)樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、GF−PET樹脂、ポリフェニレンスルファイド、サルホン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、フッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種、或いは、これをベースとする(50重量%以上含有する)混合樹脂を用いることができ、特に、ポリプロピレン、アクリル(酸)樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂を好適に用いることができる。
[0037]
前記金属又は前記樹脂を繊維で強化した繊維強化金属又は繊維強化樹脂もまた、長方形板の材料として用いることができる。繊維強化金属又は繊維強化樹脂としては、金属又は樹脂に繊維を常法により分散させたものを用いることもできるし、繊維からなる不織布又は織布を常法により金属又は樹脂で固めたものを用いることもできる。繊維強化金属又は繊維強化樹脂に用いられる繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、チラノ繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、高強度ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、アモルファス金属繊維、鋼繊維、ステンレス鋼繊維等が挙げられ、特に、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維が好ましい。ここで、1種の繊維を単独で用いてもよいし、2種以上の繊維を組み合わせて用いてもよい。
[0038]
長方形板には、図5に示すように、長方形板の幅方向に、全体的又は部分的にわずかに湾曲した曲面長方形板も含まれる。曲面部分の曲率半径Rは、特に限定されないが、b /Tに対して、例えば0.05倍以上、好ましくは0.1倍以上、より好ましくは0.2倍以上である。ここで、bは曲面長方形板の幅、Tは曲面長方形板の厚さである。また、本発明における長方形板には、表面がわずかに波うっている或いは表面がわずかに粗い略板状長方形板も包含される。
[0039]
支持体は、特に限定されないが、金属、繊維強化金属、樹脂、繊維強化樹脂等の輸送機器又は建造物の分野において使用される材料から作られている。金属、繊維強化金属、樹脂、繊維強化樹脂等については、長方形板と同様のものを好適に使用することができる。支持体の形状は特に限定されない。
[0040]
突起は、特に限定されないが、金属、繊維強化金属、樹脂、繊維強化樹脂等の輸送機器又は建造物の分野において使用される材料からなる材片である。金属、繊維強化金属、樹脂、繊維強化樹脂等については、長方形板と同様のものを用いることができる。
[0041]
突起の材料は、長方形板の材料と異なってもよいが、突起と長方形板との一体性、突起を長方形板に備えるときの条件設定の容易さ等の観点から長方形板の材料と同じであることが望ましい。例えば長方形板が金属の場合、突起は金属または炭素繊維が好ましく例示され、長方形板と突起が同種の金属からなるのが好ましい。
[0042]
突起の形状は、例えば、矩形、台形、楕円形、山形、L形、T形等の断面を有する形状であるが、これらに限定されない。
[0043]
本発明パネル構造において、(i)長方形板は、長方形板の端部の2つの支持体を含む2以上の支持体により支持されている。
[0044]
ここで「支持」は、少なくとも一時的に支えることを意味する。また「支持」は、必ずしも固定することを意味しないが、当該分野では通常高い安全性が求められるため、通常、融接、圧接、ろう付け、ボルト接合、接着等による固定、ネジ、ボルト、フック、ヒンジ等の補助具を用いた固定、嵌合等の部材の形状を利用した固定等により行なわれることが望ましい。長方形板の素材がアルミニウム又はアルミニウム合金の場合には、摩擦攪拌接合(FSW)などの接合により突起を有する長方形板の製造、及び/又は突起を有する長方形板と支持体の結合を行なうことができる。また、圧延、押出成形等の成形技術により、長方形板が2以上の支持体と一体化された状態で存在する場合も、長方形板が2以上の支持体により「支持」されている場合に含まれる。例えば、図23(a)及び図23(b)に示されるように角柱を一体化した場合がこれに該当する。
[0045]
長方形板は、如何なる状態で2以上の支持体により支持されていてもよい。一例として、図6(a)に、1の長方形板が2の支持体により支持される場合(I型)、図6(b)に、2の長方形板が2の支持体により支持される場合(箱型)の断面概略図を示す。また、図7に、長方形板が、長方形板の端部に位置する2の支持体によって支持される幾つかのパターンを示す。図8に、長方形板が、長方形板の端部に位置する2以上の支持体とリブ(中間支持体)によって支持される幾つかのパターンを示す。ただし、図6、7及び8において、突起は省略されている。
[0046]
本発明パネル構造において、(ii)1以上の突起は、2以上の支持体のうち向かい合う2の支持体により挟まれる領域において長方形板に備えられる。
[0047]
ここで「向かい合う」とは、平行又はほぼ平行に対面していることを意味する。
[0048]
「向かい合う2つの支持体により挟まれる領域」とは、向かい合う2の支持体のうち一方の支持体と他方の支持体との間の長方形板上の領域を意味する。向かい合う2の支持体としては、例えば図8の上下の支持体の組み合わせ、上又は下の支持体と中間支持体の組み合わせ、および2つの中間支持体の組み合わせが例示される。向かい合う2つの支持体は、互いに平行ないし実質的に平行の位置関係にある。「向かい合う2の支持体により挟まれる領域」としては、例えば図8の長方形板1、長方形板2、長方形板3が挙げられる。輸送機器用パネル構造の場合、「向かい合う2の支持体により挟まれる領域」には、衝突時に向かい合って長方形板を支持することが想定される2の部材により挟まれる領域も含まれる。例えば、自動車のフードは、平常時には車体のフロント部分の部品(例えば、フロントフェンダー、フレーム等)に軽く接した状態であっても、衝突時に衝突荷重を受け、これらの部品間で強く挟まれて支持されることがある。このように、支持体によって少なくとも一時的に挟まれることが想定される長方形板上の領域も、「向かい合う2の支持体により挟まれる領域」に含まれる。
[0049]
本書では、長方形板の端部より内側の領域に備えられる支持体を「リブ(中間の支持体)」と呼ぶ。「リブ」は、長方形板を支持していることから、本発明における「支持体」に含まれる。よって、例えば、端部に支持体を有する長方形板にさらにリブが備えられている場合、「向かい合う2の支持体により挟まれる領域」は、端部の各支持体とリブにより挟まれる領域、及び/又は、リブとリブにより挟まれる領域を意味する。
[0050]
突起は、融接、圧接、ろう付け、ボルト接合、接着等の常法により長方形板に備えることができる。また、突起と長方形板との一体性の観点から、突起は、圧延、押出成形等の成形技術によって長方形板と一体化した状態で長方形板に備えられることが望ましい。突起は、図9に示すように、長方形板の片面に備えられてもよいし(図9(a))、両面に備えられてもよい(図9(b)及び図9(c))。
[0051]
突起は、向かい合う2の支持体に実質的に平行に備えられることが望ましい。このように平行に備えられることにより、突起には、突起に沿う方向だけに力が作用するために、突起が平行に備えられていない場合と比べて、長方形板の座屈強度が高くなる。
[0052]
突起は、2の支持体の間に実質的に等間隔に備えられることが望ましい。このように等間隔に備えられることにより、図10に示すように、長方形板がせん断荷重を受ける場合、せん断荷重に対する長方形板の座屈強度を最大にすることができる。
[0053]
図11に、1以上の突起が長方形板に備えられる幾つかのパターンを示す。
[0054]
本発明パネル構造において、(iii)長方形板の幅厚比は、突起を備えていない長方形板の幅厚比よりも大きい。
[0055]
設計者は、突起を備えていない長方形板の座屈強度を満たす幅厚比を、後述の式(2)で求めることできる。
[0056]
本発明パネル構造において、(iv)長方形板及び1以上の突起の合計断面積は、突起を備えていない長方形板の断面積よりも小さい。
[0057]
さらに、本発明のパネル構造において、(v)1以上の突起が備えられた長方形板は、突起を備えた長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有する。
[0058]
ここで突起を備えた長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度とは、設計者が任意に定めた座屈強度である。しかし、設計者は、座屈強度を、材料の降伏応力または0.2%耐力(明確な降伏点を持たない材料の場合)より大きく設定することができないので、一般には、座屈強度に材料の降伏応力または0.2%耐力(明確な降伏点を持たない材料の場合)が用いられる場合が多い。
[0059]
このように、本発明パネル構造では、長方形板の幅厚比が、突起を備えていない長方形板の幅厚比よりも大きく且つ長方形板及び1以上の突起の合計断面積が、突起を備えていない長方形板の断面積よりも小さいだけでなく、1以上の突起が備えられた長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有している。つまり、本発明パネル構造では、突起を有する長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有しつつ、長方形板の幅厚比が高められ(すなわち、長方形板がある一定の幅に対して薄肉化され)、且つ、突起を含む長方形板の断面積が低減されている。突起を含む長方形板の断面積が低減されることは、より少ない材料で突起を有する長方形板を製造できることを意味している。
[0060]
本発明の輸送機器用パネル構造は、特に限定されないが、自動車、自動二輪車、鉄道車両、船舶、飛行機、宇宙機等の輸送機器に適用され得る。自動車、鉄道車両、船舶、飛行機、宇宙機は、高速で移動可能な輸送機器であり、衝突により大きな圧縮荷重及び/又は曲げ荷重を面内方向に受ける可能性が高いため、高い座屈強度が求められることから、本発明は、特に、これらの高速で移動可能な輸送機器に適用され得る。
[0061]
本発明の建造物用構造部材用パネル構造は、特に限定されないが、建物、橋梁等の建造物に適用され得る。
[0062]
本発明は(I)長方形板を、長方形板の端部の2つの支持体を含む2以上の支持体で支持する工程、及び、(II)1以上の突起を、2以上の支持体のうち向かい合う2の支持体により挟まれる領域において長方形板に備える工程、を包含する、本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造の製造方法を提供する。ここで、工程(I)及び(II)は如何なる順序で行われてもよく、同時に行われてもよい。
[0063]
工程(I)では、例えば、融接、圧接、ろう付け、ボルト接合、接着等の当該分野において行われる溶接法又は接合法によって、或いは、ネジ、ボルト、フック、ヒンジ等の補助具を用いて、長方形板を、2以上の支持体に固定することができるが、これらに限定されない。また、圧延、押出成形等の当該分野において行われる成形によって長方形板と支持体を一体化することにより、長方形板を支持体で支持してもよい。長方形板及び支持体については、前述のとおりである。
[0064]
工程(II)では、例えば、融接、圧接、ろう付け、ボルト接合、接着等の当該分野において行われる溶接法又は接合法により、1以上の突起を、2以上の支持体のうち向かい合う2の支持体により挟まれる領域において長方形板に備えることができるが、これらに限定されない。また、圧延、押出成形等の当該分野において行われる成形によって長方形板と突起を一体化することにより、突起を長方形板に備えてもよい。突起については、前述のとおりである。
[0065]
あるいは、図21(c)に示されるように、突起と長方形板の一部を構成するT形の部材と、支持体(あるいは支持体と長方形板の一部を構成するT形の部材)を摩擦攪拌接合(FSW)などの適当な方法で連結することにより長方形板と突起を同時に形成することも可能である。この方法は、長方形板と突起ないし中間支持体の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金からなる場合に特に有用である。
[0066]
次に、本発明の1つの実施形態を示す。
[0067]
本発明の1つの実施形態において、下記式:
η=A /A
(ここで、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有する突起を備える長方形板の断面積をA 、及び、所定の座屈強度を有するが突起を備えていない従来の長方形板の断面積をA とする)
においてηが約0.95以下、好ましくは約0.9以下、より好ましくは約0.8以下、より好ましくは約0.7以下、より好ましくは約0.6以下、より好ましくは約0.5以下となるように1以上の突起が長方形板に備えられた輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造を提供する。
[0068]
実施例1では、突起を5備える長方形板によって、中間支持体を1備える長方形板より、さらに31%断面積を減少させ得ることが記載され、実施例2では、突起を3備える長方形板によって、中間支持体を2備える長方形板より、さらに16%断面積を減少させ得ることが記載されている。
[0069]
輸送機器又は建造物の分野で用いられる長方形板は、精密機械や家電などの分野で用いられる長方形板と比べて寸法が大きく、大量の材料を必要とする。当該分野において材料を低減できることは、製造コスト削減や省資源・省エネルギーの観点から非常に有意義なことである。
[0070]
また、使用される材料を少なくすることは、輸送機器を軽量化することができるので、燃料の削減、又は、積載量の増加につながる。さらに、使用される材料を少なくすることは、建造物を軽量化することができるので、地盤耐力が弱い場所での建造物の建設を可能にし、地震荷重の低減、及び工事作業性の向上につながる。
[0071]
図12に示す、圧縮または曲げを受ける4辺単純支持された突起無し長方形板の座屈強度は次式で与えられる。
[0072]
[Math. 3]


[0073]
ここに、
σ:圧縮または曲げを受ける、突起無し長方形板の座屈強度
:突起無し長方形板の座屈係数であり、圧縮を受けるとき4、曲げを受けるとき23.9
E:長方形板のヤング率
μ:長方形板のポアソン比
β =b/T:突起無し長方形板の幅厚比
b:突起無し長方形板の板幅
T:突起無し長方形板の板厚
式(1)より、突起無し長方形板の座屈強度σを満たす幅厚比β が次式で与えられる。
[0074]
[Math. 4]


[0075]
突起無し長方形板の座屈強度σに対して任意の値を設定することができる。しかし、突起無し長方形板の座屈強度σを、材料の降伏応力または0.2%耐力(明確な降伏点を持たない材料の場合)より大きく設定することはできない。したがって、一般には、突起無し長方形板の座屈強度σに材料の降伏応力または0.2%耐力(明確な降伏点を持たない材料の場合)が設定される場合が多い。
[0076]
図13に示すように、等間隔に突起が付けられた長方形板が4辺単純支持され、圧縮または曲げを受けるとき、その座屈強度は次式で与えられる。
[0077]
[Math. 5]


[0078]
ここに、
σ:圧縮または曲げを受ける、突起付き長方形板の座屈強度
k:突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数
E:長方形板のヤング率
μ:長方形板のポアソン比
β=b/t:突起付き長方形板の幅厚比
b:突起付き長方形板の板幅
t:突起付き長方形板の板厚
突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数kは次式で与えられる(大倉一郎:鋼構造設計学の基礎、東洋書店、pp.223−264、2004および大倉一郎、北村幸嗣、赤崎圭輔、卯瀧高久、ビッグ・ラズロ・ゲルゲリ、三河克己:新しいアルミニウム合金製補剛桁の提案、構造工学論文集、Vol.51A、pp.203−210、2005)。
[0079]
[Math. 6]


[0080]
ここに、
k:突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数
s:突起によって区切られた板要素の総数
r:長方形板の曲げ剛性に対する一つの突起の曲げ剛性の比
δ:長方形板の断面積に対する一つの突起の断面積の比
:圧縮を受けるとき2、曲げを受けるとき10.62
:圧縮を受けるとき1、曲げを受けるとき1.25
式(4)は、突起付き長方形板が圧縮を受けるとき、sが2以上(突起が1つ以上)で成立し、曲げを受けるとき、sが3以上(突起が2つ以上)で成立する。
[0081]
式(4)は、r=0、δ=0のとき、突起無し長方形板の座屈係数と等しくなるので次式が成立する。
[0082]
[Math. 7]


[0083]
rとδは、それぞれ次式で与えられる。
[0084]
[Math. 8]


[0085]
ここに、
E:長方形板のヤング率
:突起のヤング率
D=Et /{12(1—μ )}:長方形板の板曲げ剛性
I:一つの突起の断面二次モーメント
:一つの突起の断面積
b:突起付き長方形板の板幅
t:突起付き長方形板の板厚
μ:長方形板のポアソン比
式(6)と式(7)に示すように、長方形板のヤング率Eと突起のヤング率E を考慮することにより、長方形板の材料と突起の材料が異なる場合も扱える。長方形板の材料と突起の材料が同一のときは、E=E である。
IとA は、それぞれ次式で与えられる。
[0086]
[Math. 9]


[0087]
ここに、
:突起の付根の厚さ(表1参照)
:長方形板の片面に突起がある場合b 、長方形板の両面に突起がある場合b (表1参照)
:突起の高さ(表1参照)
:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法(表1参照)
31:突起の断面二次モーメントに関係する係数(表1参照)
32:突起の断面積に関係する係数(表1参照)
下記に表1を示す。
[0088]
[Table 1]


[0089]
ここで、表1の突起の断面形状が台形の場合のθは、台形の斜辺の傾斜角を表す。表1で与えられた断面形状と異なる断面形状に対する係数c 31の値は、一般の構造力学の教科書に記載されている断面二次モーメントの公式を用いて容易に求めることができる。ただし注意することは、長方形板の片面に突起がある場合は、長方形板の表面の位置に関する断面二次モーメントであり、長方形板の両面に突起がある場合は、長方形板の板厚中央の位置に関する断面二次モーメントである。係数c 32は突起の断面積に関する係数であり、一般の数学の公式集を用いて容易に求めることができる。
[0090]
図14を参照して,突起付き長方形板の板幅bは、突起によって区切られた板要素の幅b および板要素の総数sと次の関係を持つ。
b=sb (10)
式(8)を式(6)に代入して、さらに式(10)を用いると、rは次式となる。
[0091]
[Math. 10]


[0092]
ここに、
n=E /E:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比
E:長方形板のヤング率
:突起のヤング率
β =b /t:突起によって区切られた板要素の幅厚比
β =b /t :b に関する幅厚比
ξ=t /t:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比
:突起によって区切られた板要素の幅
t:突起付き長方形板の板厚
:長方形板の片面に突起がある場合b 、長方形板の両面に突起がある場合b (表1参照)
:突起の高さ(表1参照)
:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法(表1参照)
:突起の付根の厚さ(表1参照)
31:突起の断面二次モーメントに関係する係数(表1参照)
s:突起によって区切られた板要素の総数
μ:長方形板のポアソン比
式(9)を式(7)に代入して,さらに式(10)を用いると、δは次式になる。
[0093]
[Math. 11]


[0094]
ここに、
n=E /E:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比
E:長方形板のヤング率
:突起のヤング率
β =b /t:突起によって区切られた板要素の幅厚比
β =b /t :b に関する幅厚比
ξ=t /t:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比
:突起によって区切られた板要素の幅
t:突起付き長方形板の板厚
:長方形板の片面に突起がある場合b 、長方形板の両面に突起がある場合b (表1参照)
:突起の高さ(表1参照)
:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法(表1参照)
:突起の付根の厚さ(表1参照)
32:突起の断面積に関係する係数(表1参照)
s:突起によって区切られた板要素の総数
式(11)と式(12)を式(4)に代入して次式を得る。
[0095]
[Math. 12]


[0096]
ここで、式(10)より、突起付き長方形板の幅厚比βと突起によって区切られた板要素の幅厚比β は次の関係を持つ。
β=sβ (14)
ここに、
β=b/t:突起付き長方形板の幅厚比
β =b /t:突起によって区切られた板要素の幅厚比
b:突起付き長方形板の板幅
t:突起付き長方形板の板厚
:突起によって区切られた板要素の幅
s:突起によって区切られた板要素の総数
突起無し長方形板の座屈強度と突起付き長方形板の座屈強度を等しく置く。すなわち式(1)と式(3)を等しく置いて次式を得る。
[0097]
[Math. 13]


[0098]
ここに、
k:突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数
:突起無し長方形板の座屈係数であり、圧縮を受けるとき4、曲げを受けるとき23.9
β=b/t:突起付き長方形板の幅厚比
β =b/T:突起無し長方形板の幅厚比
β =b /t:突起によって区切られた板要素の幅厚比
s:突起によって区切られた板要素の総数
T:突起無し長方形板の板厚
t:突起付き長方形板の板厚
b:突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅
:突起によって区切られた板要素の幅
式(13)を式(15)に代入して次式を得る。
[0099]
[Math. 14]


[0100]
式(5)を式(16)に代入し、ξについて解いて次式を得る。
[0101]
[Math. 15]


[0102]
ここに、
ξ=t /t:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比
[0103]
[Math. 16]


[0104]
n=E /E:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比
E:長方形板のヤング率
:突起のヤング率
β =b/T:突起無し長方形板の幅厚比
β =b /t:突起によって区切られた板要素の幅厚比
β =b /t :b に関する幅厚比
:突起の付根の厚さ(表1参照)
t:突起付き長方形板の板厚
μ:長方形板のポアソン比
31:突起の断面二次モーメントに関係する係数(表1参照)
32:突起の断面積に関係する係数(表1参照)
:圧縮を受けるとき1、曲げを受けるとき1.25
b:突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅
T:突起無し長方形板の板厚
:突起によって区切られた板要素の幅
:長方形板の片面に突起がある場合b 、長方形板の両面に突起がある場合b (表1参照)
:突起の高さ(表1参照)
:長方形板の両面に突起がある場合,両面の突起の先端間の寸法(表1参照)
s:突起によって区切られた板要素の総数
突起無し長方形板の断面積A および突起付き長方形板の突起を含めた断面積A がそれぞれ次式で与えられる。
[0105]
[Math. 17]


[0106]
[Math. 18]


[0107]
突起無し長方形板の断面積A に対する突起付き長方形板の、突起を含めた断面積A の比ηが次式で与えられる。
[0108]
[Math. 19]


[0109]
この式に式(15)を代入して次式を得る。
[0110]
[Math. 20]


[0111]
さらに、この式に式(13)を代入し、式(5)を用いて次式を得る。
[0112]
[Math. 21]


[0113]
であるから次式が成立する。
[0114]
[Math. 22]


[0115]
突起付き長方形板の座屈強度は、突起で区切られた板要素の座屈強度を超すことはできない。したがって突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数kは次の制限を受ける。
[0116]
[Math. 23]


[0117]
ここに、
:突起で区切られた板要素の、圧縮又は曲げに対する座屈係数を、突起付き長方形板全体の座屈係数として表したものであり、突起付き長方形板が圧縮を受ける場合4s 、曲げを受ける場合8.4s /(2.1s−2) (大倉一郎:鋼構造設計学の基礎、東洋書店、pp.223−264、2004及び大倉一郎、北村幸嗣、赤崎圭輔、卯瀧高久、ビッグ・ラズロ・ゲルゲリ、三河克己:新しいアルミニウム合金製補剛桁の提案、構造工学論文集、Vol.51A,pp.203−210,2005)。
[0118]
式(15)を式(24)に代入して次式を得る。
[0119]
[Math. 24]


[0120]
ここに、
:突起付き長方形板が圧縮を受ける場合s、曲げを受ける場合
[0121]
[Math. 25]


[0122]
式(23)と(25)からβ とβが取り得る値の範囲は次の通りである。
[0123]
[Math. 26]


[0124]
突起は、突起付き長方形板の座屈強度未満で、座屈を起こしてはいけない。したがって突起を、圧縮を受ける自由突出板と見なせば、突起は次式を満たさなければならない。
[0125]
[Math. 27]


[0126]
ここに、
:突起のヤング率
μ :突起のポアソン比
β =b /t 22:突起の幅厚比
:突起の高さ(表1参照)
22:突起の平均厚さ(表1参照)
σ :突起に生じる応力
式(28)の左辺は、圧縮を受ける自由突出板の座屈強度である(大倉一郎:鋼構造設計学の基礎,東洋書店,pp.223−264)。また、突起の平均厚さt 22は、突起の断面積(長方形板の両面に突起がある場合は、片側の突起の断面積)を突起の高さb で除したものである。
[0127]
突起に生じる応力σ は、長方形板に生じるひずみと突起に生じるひずみが等しいという条件から、次式で与えられる。
[0128]
[Math. 28]


[0129]
ここに、
σ :突起に生じる応力
σ:圧縮または曲げを受ける、突起付き長方形板の座屈強度
n=E /E:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比
E:長方形板のヤング率
:突起のヤング率
:圧縮を受けるとき1、曲げを受けるとき(s−2)/s
s:突起によって区切られた板要素の総数
突起に生じる応力σ は、突起の材料の降伏応力または0.2%耐力(明確な降伏点を持たない材料の場合)より大きくなれない。したがって、突起に生じる応力σ は次の制限を受ける。
[0130]
[Math. 29]


[0131]
ここに、
σ :突起に生じる応力
σ 11:突起の材料の降伏応力または0.2%耐力(明確な降伏点を持たない材料の場合)
長方形板の材料と突起の材料が同一のとき、式(30)は常に成立している。長方形板の材料と異なる材料を突起に用いる場合、材料によっては式(30)を満足しない材料があるので、突起に選択した材料が式(30)を満足することを確認しなければならない。
[0132]
式(29)を式(28)に代入して、長方形板の突起の幅厚比β は次式を満たさなければならない。
[0133]
[Math. 30]


[0134]
ここに、
β =b /t 22:突起の幅厚比
:突起の高さ(表1参照)
22:突起の平均厚さ(表1参照)
:圧縮を受けるとき1、曲げを受けるとき(s−2)/s
s:突起によって区切られた板要素の総数
E:長方形板のヤング率
μ :突起のポアソン比
σ:圧縮または曲げを受ける、突起付き長方形板の座屈強度
以上より、突起の断面寸法は、式(30)と式(31)を満たすようなものでなければならない。
[0135]
ここで、ヤング率及びポアソン比については、JISの規格等を参考にして求めることができる。代表例として、金属材料のヤング率Eとポアソン比μについては、JIS Z 2241 「金属材料引張試験方法」の規格に従って求めることができる。また、プラスチックのヤング率Eとポアソン比μについては、JIS K 7113 「プラスチックの引張試験方法」の規格に従って求めることができる。炭素繊維強化樹脂のヤング率Eとポアソン比μについては、JIS K 7073 「炭素繊維強化プラスチックの引張試験方法」の規格に従って求めることができる。
[0136]
長方形板及び突起の厚さ、幅、高さは、例えば、ノギス、マイクロメータ、レーザ変位センサ、マイクロスコープ等の計測器具を用いて、常法により測定される。また、長方形板及び突起として市販されている材料を用いる場合には、多くの場合、カタログや説明書にヤング率、ポアソン比、厚さ等が記載されているので、それらの値を用いることもできる。

Advantageous Effects

[0137]
本発明によれば、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有しつつより少ない材料で製造可能な薄肉化された長方形板を提供することができる。
[0138]
具体的には、本発明に従って1以上の突起を長方形板に備えることにより、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を満たしつつ、長方形板の幅厚比を、突起を備えていない長方形板の幅厚比よりも大きく且つ突起を含む長方形板の断面積を、突起を備えていない長方形板の断面積よりも小さくすることが可能になった。
[0139]
本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造は、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を満たし、且つ、従来のものと比べてより少ない材料で製造することができる。
[0140]
さらに、本発明の輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造において特定の条件をみたすように突起を長方形板に備えることにより、長方形板及び突起の合計断面積を、従来の突起を有さない長方形板の断面積の約0.4〜約0.6倍にまで低減することが可能である。
[0141]
本発明は、リブよりも断面寸法が小さい突起を用いているため、断面寸法が大きいリブを備えることが設計上困難なパネル構造にも適用可能である。

Brief Description of Drawings

[0142]
[fig. 1] 図(a)は部材座屈、図(b)は板座屈を表す。
[fig. 2] 長方形板にリブと称する支持体が取り付けられた、従来の構造部材用パネル構造。
[fig. 3] 長方形板がリブを備えている場合又は長方形板がリブを備えていない場合の本発明の構造部材用パネル構造。図(a)は、リブを備える長方形板に1以上の突起を備える、本発明の構造部材用パネル構造であり、図(b)は、リブを備えていない長方形板に1以上の突起を備える、本発明の構造部材用パネル構造である。
[fig. 4] 図(a)は、リブを備える長方形板の座屈変形パターン、図(b)は、突起を備える長方形板の座屈変形パターン、図(c)は、複数の突起が設けられた長方形板の座屈変形パターン、図(d)は、リブと突起が備えられた長方形板の座屈変形パターンを表す。
[fig. 5] 長方形板の幅方向に、全体的又は部分的にわずかに湾曲した曲面長方形板。
[fig. 6] 図(a)は、1の長方形板が2の支持体により支持される場合(I型断面)の断面概略図、図(b)は、2の長方形板が2の支持体により支持される場合(箱型断面)の断面概略図を表す。
[fig. 7] 長方形板が、長方形板の端部に位置する2の支持体によって支持される幾つかのパターンを示す。
[fig. 8] 長方形板が、長方形板の端部に位置する2以上の支持体とリブ(中間支持体)よって支持される幾つかのパターンを示す。
[fig. 9] 図(a)は、長方形板の片面に突起が備えられ、図(b)は、長方形板の両面に、異なる位置に突起が備えられ、図(c)は、長方形板の両面に、同じ位置に突起が備えられている。
[fig. 10] 等間隔に突起が設けられた長方形板がせん断荷重を受けている。
[fig. 11] 1以上の突起が長方形板に備えられている幾つかのパターンを示す。
[fig. 12] 圧縮または曲げを受ける、4辺単純支持された長方形板。図(a)は、4辺単純支持された長方形板が圧縮を受ける場合を示し、図(b)は、4辺単純支持された長方形板が曲げを受ける場合を示す。
[fig. 13] 圧縮または曲げを受ける、等間隔に突起が付けられた長方形板。図(a)は、等間隔に突起が付けられた長方形板が圧縮を受ける場合を示し、図(b)は、等間隔に突起が付けられた長方形板が曲げを受ける場合を示す。
[fig. 14] 突起の位置。図(a)は、長方形板の片面に突起がある場合のbとb を示し、図(b)は、長方形板の両面に突起がある場合のbとb を示す。
[fig. 15] 「アルミニウム合金土木構造物設計・製作指針案」によるアルミニウム合金ウェブの断面形状。図(a)は、突起又はリブ(中間支持体)が備えられていないアルミニウム合金ウェブの断面形状を示し、図(b)は、1リブ(中間支持体)が備えられたアルミニウム合金ウェブの断面形状を示す。
[fig. 16] 曲げを受ける突起付きアルミニウム合金ウェブのηとβの関係。
[fig. 17] 本発明の適用によって得られた、5突起が備えられたアルミニウム合金ウェブの断面形状。
[fig. 18] 「道路橋示方書・同解説 I共通編 II鋼橋編」による鋼ウェブの断面形状。図(a)は、突起又はリブ(中間支持体)が備えられていない鋼ウェブの断面形状を示し、図(b)は、1リブ(中間支持体)が備えられた鋼ウェブの断面形状を示し、図(c)は、2リブ(中間支持体)が備えられた鋼ウェブの断面形状を示す。
[fig. 19] 曲げを受ける突起付き鋼ウェブのηとβの関係。
[fig. 20] 本発明の適用によって得られた鋼ウェブの断面形状。図(a)は、本発明の適用によって得られた6突起が備えられた鋼ウェブの断面形状を示し、図(b)は、図(a)において、ウェブの板幅の半分から下の突起を削除したウェブの断面形状を示す。
[fig. 21] アルミニウム桁の断面形状。図(a)は、突起無しアルミニウム桁の一般断面形状を示し、図(b)は、突起無しアルミニウム桁の最終断面形状を示し、図(c)は、突起付きアルミニウム桁の断面形状を示す。
[fig. 22] 曲げを受ける突起付きアルミニウム合金ウェブのηとβの関係。
[fig. 23] アルミニウム柱の断面形状。図(a)は、突起無しアルミニウム柱の断面形状を示し、図(b)は、突起付きアルミニウム柱の断面形状を示す。
[fig. 24] 圧縮を受ける突起付きアルミニウム合金板のηとβの関係
[fig. 25] 圧縮を受ける突起付きアルミニウム合金板のηとβの関係。
[fig. 26] 図25の点O、A、B、C、Dに対応するアルミニウム合金板の断面形状。
[fig. 27] 本発明の2回の適用によって得られたパネル構造。
[fig. 28] 圧縮を受ける突起付き鋼板のηとβの関係。
[fig. 29] 圧縮を受ける鋼板の断面形状。図(a)は、突起が備えられていない鋼板の断面形状を示し、図(b)は、突起が備えられた鋼板の断面形状を示す。
[fig. 30] 曲げを受ける鋼板のηとβの関係。
[fig. 31] 曲げを受ける鋼板の断面形状。図(a)は、突起が備えられていない鋼板の断面形状を示し、図(b)は、突起が備えられた鋼板の断面形状を示す。

符号の説明

[0143]
:突起無し長方形板の断面積
:突起付き長方形板の、突起を含めた断面積
:一つの突起の断面積
D:長方形板の曲げ剛性
E:長方形板のヤング率
:突起のヤング率
:変数
:変数
:変数
I:一つの突起の断面二次モーメント
P:長方形板に作用する圧縮力
Q:長方形板に作用するせん断力
R:曲面長方形板の局率半径
T:突起無し長方形板の板厚
a:長方形板の長さ
b:突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅
:突起によって区切られた板要素の幅
:突起の高さ
:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法
:長方形板の片面に突起がある場合b 、長方形板の両面に突起がある場合b
:係数
:係数
:係数
:係数
31:係数
32:係数
k:突起付き長方形板の、圧縮又は曲げに対する座屈係数
:突起無し長方形板の座屈係数
:突起で区切られた板要素の座屈係数を、突起付き長方形板全体の座屈係数として表したもの
:突起付き長方形板の、せん断に対する座屈係数
n:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比
r:長方形板の曲げ剛性に対する一つの突起の曲げ剛性の比
s:突起によって区切られた板要素の総数
:本発明の1回目の使用によって、突起によって区切られた板要素の総数
:本発明の1回目の使用によって得られた、長方形板の隣り合う突起との間を(本発明の1回目の使用において突起が1の場合は、長方形板の端部と突起との間を)、本発明の2回目の使用によって新たに創出された突起によって区切られた板要素の総数
t:突起付き長方形板の板厚
:突起の付根の厚さ
22:突起の平均厚さ
β:突起付き長方形板の幅厚比
β :突起無し長方形板の幅厚比
β :突起によって区切られた板要素の幅厚比
β :突起の幅厚比
β :b に関する幅厚比
δ:長方形板の断面積に対する一つの突起の断面積の比
η:突起無し長方形板の断面積に対する、突起付き長方形板の、突起を含めた断面積の比
μ:長方形板のポアソン比
μ :突起のポアソン比
ξ:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比
σ :長方形板の降伏応力
σ:圧縮または曲げを受ける、突起無し長方形板または突起付き長方形板の座屈強度
σ :突起に生じる応力
σ 11:突起の材料の降伏応力または0.2%耐力(明確な降伏点を持たない材料の場合)
τ :長方形板のせん断降伏応力
θ:突起の断面形状が台形の場合,台形の斜辺の傾斜角

Best Mode for Carrying out the Invention

[0144]
以下、本発明の実施例を示すが、この実施例は本発明をより容易に理解するための説明であって、本発明を何ら限定するものではない。

Mode for the Invention 1

[0145]
「アルミニウム合金土木構造物設計・製作指針案」(平成10年12月、(社)日本アルミニウム協会(旧(社)軽金属協会)、p.91)において、アルミニウム合金桁のウェブ(曲げを受ける長方形板)に1リブ(中間支持体)を設ける場合に対して規定がある。アルミニウム合金の種類がA6061−T6の場合、リブが備えられていないウェブの幅厚比は65以下、リブが1つ備えられているウェブの幅厚比は90以下に制限されている。したがって、リブが備えられていないウェブの幅厚比β を65とする。
[0146]
「アルミニウム合金土木構造物設計・製作指針案」では、リブの断面寸法は、同指針のp.101の式(6.6.7)で決定される。ここで、式(6.6.7)において、a/b(aは長方形板の長さ、bは長方形板の幅である)の値を1.5とする。ウェブの幅厚比が90であり、幅厚比10の矩形断面のリブをウェブの片面に備える場合に対するウェブの断面形状を図15(b)に示す。他方、リブが備えられていないウェブの断面形状を図15(a)に示す。図15はウェブの幅bが1300mmに対する結果である。図15(a)の断面形状の面積に対する、図15(b)の断面形状の面積の比は0.820である。すなわち、「アルミニウム合金土木構造物設計・製作指針案」では、1リブをウェブに備えることによって、18%断面積を減らすことができる。
[0147]
次に、幅厚比β 0が65の突起無しウェブに対して本発明を適用する。突起は幅厚比10の矩形断面とし、アルミニウム合金板の片面に備えるのでβ =10である。
[0148]
式(27)より、突起が備えられたウェブの幅厚比βは次の範囲で存在する。
[0149]
[Math. 31]


[0150]
ηとβの関係を図16に示す。s=6、β=173.8のとき、ηは最小値0.565をとる。このときのウェブの断面形状を図17に示す。本発明(突起を5備えることによってウェブの断面積を減らす)によって、「アルミニウム合金土木構造物設計・製作指針案」(リブ(中間支持体)を1備えることによってウェブの断面積を減らす)より、さらに31%ウェブの断面積を減らすことができる。

Mode for the Invention 2

[0151]
「道路橋示方書・同解説 I共通編 II鋼橋編」(平成14年3月、(社)日本道路協会、p.293)において、鋼桁のウェブ(曲げを受ける長方形板)に1リブ(中間支持体)及び2リブを設ける場合に対して規定がある。鋼の種類がSM490Yの場合、リブが備えられていないウェブの幅厚比は123以下、リブが1つ備えられているウェブの幅厚比は209以下、リブが2つ備えられているウェブは294以下に制限されている。したがって、リブが備えられていないウェブの幅厚比β を123とする。
[0152]
「道路橋示方書・同解説 I共通編 II鋼橋編」では、リブの断面寸法は、同示方書のp.304の式(10.4.8)で決定される。ここで、式(10.4.8)において、a/b(aは長方形板の長さ、bは長方形板の幅である)の値を1.5とする。ウェブの幅厚比が209であり、幅厚比14の矩形断面のリブを1つウェブの片面に備える場合に対するウェブの断面形状を図18(b)、ウェブの幅厚比が294であり、幅厚比14の矩形断面のリブを2つウェブの片面に備える場合に対するウェブの断面形状を図18(c)に示す。他方、リブが備えられていないウェブの断面形状を図18(a)に示す。図18はウェブの幅bが2829mmに対する結果である。図18(a)の断面形状の面積に対する、図18(b)の断面形状の面積の比は0.627であり、図18(a)の断面形状の面積に対する、図18(c)の断面形状の面積の比は0.464である。すなわち、「道路橋示方書・同解説 I共通編 II鋼橋編」では、1リブをウェブに備えることによって、37%断面積を減らすことができ、2リブをウェブに備えることによって、54%断面積を減らすことできる。
[0153]
次に、幅厚比β 0が123の突起無しウェブに対して本発明を適用する。突起は幅厚比14の矩形断面とし、アルミニウム合金板の片面に備えるのでβ =14である。
[0154]
式(27)より、突起が備えられたウェブの幅厚比βは次の範囲で存在する。
[0155]
[Math. 32]


[0156]
ηとβの関係を図19に示す。s=7、β=378.6のとき、ηは最小値0.452をとる。このときのウェブの断面形状を図20(a)に示す。
[0157]
ウェブは曲げを受ける長方形板であるため、長方形板の板幅の半分から下の領域は引張応力を受ける。引張応力は座屈を起こさせないので、図18(b)と図18(c)に示すように、「道路橋示方書・同解説 I共通編 II鋼橋編」では、ウェブの板幅の半分から下にリブが設けられていない。突起をウェブに備える場合に対しても、ウェブの板幅の半分から下の突起は削除しても問題が無いと予想される。図20(a)において、ウェブの板幅の半分から下の突起を削除したウェブの断面形状を図20(b)に示す。図18(a)の断面形状の面積に対する、図20(b)の断面形状の面積は0.389である。
[0158]
本発明(突起を3備えることによってウェブの断面積を減らす)によって、「道路橋示方書・同解説 I共通編 II鋼橋編」(リブ(中間支持体)を2備えることによってウェブの断面積を減らす)より、さらに16%(=100×{0.464−0.389}/0.464)ウェブの断面積を減らすことができる。

Mode for the Invention 3

[0159]
支間20mの道路橋に、H形断面のアルミニウム桁を適用する。桁の幅と高さは、それぞれ400mm、1400mmである。桁のウェブに、本発明に記載された突起を設けることによる軽量化の効果を以下に示す。
[0160]
桁に要求される断面二次モーメントは1.3×10 10mm である。桁の断面形状は図21(a)であるから、断面二次モーメントは次式で表わされる。
[0161]
[Math. 33]


[0162]
アルミニウム合金の種類はA6061−T6である。このアルミニウム合金の0.2%耐力は245MPaであり、ヤング率は7.0×10 MPa、ポアソン比は0.3である。突起のないウェブの幅厚比β は,式(2)より、
[0163]
[Math. 34]


[0164]
したがって、ウェブの板厚Tは、
[0165]
[Math. 35]


[0166]
最初の式とこの式より、最初の式において等号が成立するとき、b=1350mm、T=17.2mmを得る。そして、桁のフランジの厚さは、(1400−1350)/2=25mmになる。これらより、突起無し桁の断面形状は図21(b)になる。
[0167]
矩形断面の突起をウェブの片面に付ける。式(31)より、
[0168]
[Math. 36]


[0169]
式(31)において、ウェブが曲げを受ける場合、係数c は、突起によって区切られた板要素の総数sによって異なるが、c を1とすることにより、β の上限値を低く抑えている。したがって、β =10とすれば、矩形断面の突起であるからβ =10である。
[0170]
式(27)より、突起が備えられたウェブの幅厚比βは次の範囲で存在する。
[0171]
[Math. 37]


[0172]
ηとβの関係を図22に示す。s=6、β=210.1、ξ=1.359のとき、ηは最小値0.538となる。したがって、
t=b/β=1350/210.1=6.4mm → 8mm
=b/s=1350/6=225mm
=ξt=1.359×8=11mm
=β =β ξt=10×1.359×8=109mm
以上より、突起付き桁の断面形状は図21(c)になる。
[0173]
図21(c)の断面形状の断面二次モーメントは、1.334×10 10mm であり,要求される断面二次モーメント1.3×10 10mm より大きい。
[0174]
図21(b)の断面積は43220mm であり、図21(c)の断面積は36795mm である。突起無し桁の断面積に対する、突起付き桁の断面積の比は0.85である。したがって,突起を付けることによって15%の軽量化になる。
[0175]
図21(c)の断面は大きいため、押出しはできない。しかし、T形の押出形材を摩擦撹拌接合(FSW)することにより、図21(c)の断面形状を有する桁を得ることができる。

Mode for the Invention 4

[0176]
支間4mの柱に、箱形断面のアルミニウム形材を適用する。箱形断面の内寸は280mm×280mmである。本発明に記載された突起を設けることによる軽量化の効果を以下に示す。
[0177]
アルミニウム合金の種類はA6061−T6である。このアルミニウム合金の0.2%耐力は245MPaであり、ヤング率は7.0×10 MPa、ポアソン比は0.3である。突起のないウェブの幅厚比β は、式(2)より、
[0178]
[Math. 38]


[0179]
したがって、長方形板の板厚T(T=b/β )は、280/32.1=8.7mmになるので、突起無しの柱の断面形状は図23(a)になる。
[0180]
矩形断面の突起をアルミニウム板の片面に付ける。式(31)より、
[0181]
[Math. 39]


[0182]
したがって、β 2=10とすれば、矩形断面の突起であるからβ =10である。
式(27)より、突起が備えられたウェブの幅厚比βは次の範囲で存在する。
[0183]
[Math. 40]


[0184]
ηとβの関係を図24に示す。s=3、β=87.8、ξ=1.514のとき、ηは最小値0.558となる。したがって、
t=b/β=280/87.8=3.2mm
=b/s=280/3=93.3mm
=ξt=1.514×3.2=4.8mm → 5.0mm
=β =β ξt=10×1.514×3.2=48.5mm
以上より、突起付きの柱の断面形状は図23(b)になる。
[0185]
図23(a)の断面積は10047mm 、図23(b)の断面積は5565mm である。突起無し柱の断面積に対する、突起付き柱の断面積の比は0.55である。したがって、突起を付けることによって45%の軽量化になる。
[0186]
柱の細長比(=柱の長さ/柱の断面の回転半径)は建築基準法で140以下と規定されている。図23(b)に示す断面の回転半径は107mmである。柱の長さは4000mmであるので、細長比=4000/107=37となり、軽量化しても規定を満たしている。

Mode for the Invention 5

[0187]
圧縮を受けるアルミニウム合金の長方形板に、本発明を2回適用した例を次に示す。
[0188]
アルミニウム合金の種類はA6061−T6である。このアルミニウム合金の0.2%耐力は245MPaであり、ヤング率は7.0×10 MPa、ポアソン比は0.3である。長方形板の座屈強度にアルミニウムの0.2%耐力を採用する。矩形断面の突起を長方形板の片面に付ける。
[0189]
式(31)より、
[0190]
[Math. 41]


[0191]
したがって、β 2=10とすれば,矩形断面の突起であるからβ =10である。
圧縮を受ける場合、突起無し長方形板の幅厚比β 0は、式(2)より、
[0192]
[Math. 42]


[0193]
式(27)より、突起が備えられた長方形板の幅厚比βは次の範囲で存在する。
[0194]
[Math. 43]


[0195]
ここで、s は、本発明の1回目の使用によって、突起によって区切られた板要素の総数である。
[0196]
ηとβの関係を図25に実線で示す。図25の点O、A、B、Cの各点に対応する断面形状を図26に示す。図26は板幅bが1285.6mmに対する結果である。点Oは、突起無し長方形板の最大幅厚比β =32.1に対する断面形状である。点Aと点Bは突起の総数は違うが、ηの値は同じ0.566である。点Cは、本発明の1回目の使用によってηが最小になる断面形状である。
[0197]
図26の点Aの断面図において、突起と長方形板の端部の間に、再度、本発明を適用した結果を、図25に破線で示す。この場合、本発明の1回目の使用によって創出された突起は、場合によっては、図27に示すように、T形断面(黒く塗られた部分)の柱として座屈する可能性がある。突起がT形断面の柱として座屈する可能性がある場合には、これを防ぐために、突起の、長方形板の面外方向の移動を数箇所(図27の黒点)で拘束する必要が生じる。
[0198]
幅厚比βに対して、図25の破線が存在する範囲は次のとおりである。
[0199]
[Math. 44]


[0200]
ここで、s は、本発明の1回目の使用によって得られた、長方形板の隣り合う突起との間を(本発明の1回目の使用において突起が1の場合は、長方形板の端部と突起との間を)、本発明の2回目の使用によって新たに創出された突起によって区切られた板要素の総数である。
[0201]
本発明が2回使用された場合、1回目と2回目の本発明の使用によって創出された全ての突起によって区切られた板要素の総数sは次式で与えられる。
[0202]
[Math. 45]


[0203]
図25において、ηの値が最小になる点Dに対する断面形状を図26に示す。点Dの断面積は点Cの断面積の0.62倍である。このように、本発明を繰返し使用することにより、長方形板の断面積をさらに減らすことができる。

Mode for the Invention 6

[0204]
SM490Yの鋼製の長方形板が圧縮を受ける場合に対する実施例を示す。SM490Yの鋼の降伏応力は355MPaであり、ヤング率は2.0×10 MPa、ポアソン比は0.3である。長方形板の座屈強度に鋼の降伏応力を採用する。矩形断面の突起を鋼板の片面に付ける。
[0205]
式(31)より、
[0206]
[Math. 46]


[0207]
したがって、β =14とすれば,矩形断面の突起であるからβ =14である。
[0208]
圧縮を受ける場合、突起無し長方形板の幅厚比β は、式(2)より、
[0209]
[Math. 47]


[0210]
式(27)より、突起が備えられた長方形板の幅厚比βは次の範囲で存在する。
[0211]
[Math. 48]


[0212]
ηとβの関係を図28に示す。
[0213]
次に、板幅bが1128mmの長方形板にP=5000kNの圧縮力が作用しているとき、長方形板の断面積が最小となる形状を、図28を用いて求める。
[0214]
長方形板が座屈を起こさない条件は次のとおりである。
[0215]
[Math. 49]


[0216]
ここに、
P:長方形板に作用する圧縮力
:突起付き長方形板の、突起を含めた断面積
σ:圧縮を受ける、突起無し長方形板または突起付き長方形板の座屈強度
式(20)より、A =ηA (ここで、A は突起無し長方形板の断面積)であるから、これを式(33)に代入して次式を得る。
[0217]
[Math. 50]


[0218]
=bT=b /β であるから、これを式(34)に代入して次式を得る。
[0219]
[Math. 51]


[0220]
式(35)に、P=5000kN、σ=355MPa、b=1128mm、β =45.1を代入して、次式を得ることができる。
[0221]
[Math. 52]


[0222]
η=0.50の水平線(一点長鎖線)を図28に示す。この水平線より上の領域のηとβの関係が座屈を起こさない。そして、この水平線がηとβの関係に交わる点A(η=0.50、β=112.1)で突起付き長方形板の断面積が最小になる。点Aに対する断面形状を図29(b)に示す。突起が備えられていない長方形板の断面形状を図29(a)に示す。図29(a)の断面積に対する、図29(b)の断面積の比は0.50である。したがって、突起を備えることにより50%断面積を減らすことができる。

Mode for the Invention 7

[0223]
SM490Yの鋼製の長方形板が曲げ荷重の他にせん断荷重(図10に示すような荷重)を受ける場合に対する実施例を示す。SM490Yの鋼の降伏応力は355MPaであり、ヤング率は2.0×10 MPa、ポアソン比は0.3である。長方形板の座屈強度に鋼の降伏応力を採用する。矩形断面の突起を鋼板の片面に付ける。
[0224]
式(31)より、
[0225]
[Math. 53]


[0226]
式(31)において、係数c は、突起によって区切られた板要素の総数sによって異なるが、c を1とすることにより、β の上限値を低く抑えている。したがって、β =14とすれば,矩形断面の突起であるからβ =14である。
[0227]
曲げを受ける場合、突起無し長方形板の幅厚比β は、式(2)より、
[0228]
[Math. 54]


[0229]
式(27)より、突起が備えられた長方形板の幅厚比βは次の範囲で存在する。
[0230]
[Math. 55]


[0231]
ηとβの関係を実線で図30に示す。
[0232]
次に、板幅bが2537mmの長方形板にQ=1000kNのせん断力が作用するとき、長方形板の断面積が最小となる形状を、図30を用いて求める。
[0233]
せん断力Qに対して、突起付き長方形板が座屈を起こさない条件は次式で与えられる。
[0234]
[Math. 56]


[0235]
ここに、
Q:長方形板に作用するせん断力
b:突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅
t:突起付き長方形板の板厚
:突起付き長方形板の、せん断に対する座屈係数
E:長方形板のヤング率
μ:長方形板のポアソン比
β=b/t:突起付き長方形板の幅厚比
式(19)より、btは次式で与えられる。
[0236]
[Math. 57]


[0237]
ここに、
b:突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅
t:突起付き長方形板の板厚
:突起付き長方形板の、突起を含めた断面積
s:突起によって区切られた板要素の総数
32:突起の断面積に関係する係数(表1参照)
:長方形板の片面に突起がある場合b 、長方形板の両面に突起がある場合b (表1参照)
:突起の高さ(表1参照)
:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法(表1参照)
:突起の付根の厚さ(表1参照)
η=A /A :突起無し長方形板の断面積に対する、突起付き長方形板の、突起を含めた断面積の比
:突起無し長方形板の断面積
β :突起無し長方形板の幅厚比
β =b /t :b に関する幅厚比
ξ=t /t:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比
突起付き長方形板の、せん断に対する座屈係数k は次式で与えられる(大倉一郎、北村幸嗣、赤崎圭輔、卯瀧高久、ビッグ・ラズロ・ゲルゲリ、三河克己:新しいアルミニウム合金製補剛桁の提案、構造工学論文集、Vol.51A,pp.203−210,2005)。
[0238]
[Math. 58]


[0239]
ここに、rは、長方形板の曲げ剛性に対する一つの突起の曲げ剛性の比であり、式(11)で与えられる。
[0240]
式(37)を式(36)に代入して、ηについて解いて次式を得る。
[0241]
[Math. 59]


[0242]
他方、せん断力Qに対して、突起付き長方形板は、せん断降伏しない次の条件も満たさなければならない。
[0243]
[Math. 60]


[0244]
ここに、
Q:長方形板に作用するせん断力
b:突起無し長方形板の板幅、又は、突起付き長方形板の板幅
t:突起付き長方形板の板厚
τ :長方形板のせん断降伏応力
せん断降伏応力τ は次式で与えられる。
[0245]
[Math. 61]


[0246]
ここに、
τ :長方形板のせん断降伏応力
σ :長方形板の降伏応力
式(37)と式(41)を式(40)に代入して、ηについて解いて次式を得る。
[0247]
[Math. 62]


[0248]
式(38)、式(39)及び式(42)に、β =110.3、E=2.0×10 MPa、μ=0.3、σ =355MPa、Q=1000kN、b=2537mm、β =14、n=1、c 31=3、c 32=1を代入して、ηとβの関係を得る。式(39)が与えるηとβの関係を破線で図30に示す。式(42)が与えるηとβの関係は、式(39)が与えるηとβの関係より下に位置するので図30に描いてない。
[0249]
図30において、破線より上の領域で、突起付き長方形板が、せん断力に対して座屈を起こさない。s=5の実線とs=5の破線が交わる点A(η=0.543、β=231.2)で突起付き長方形板の断面積が最小になる。点Aに対する突起付き長方形板の断面形状を図31(b)に示す。突起が備えられていない長方形板の断面形状を図31(a)に示す。図31(a)の断面積に対する図31(b)の断面積の比は0.54である。したがって、突起を備えることにより46%断面積を減らすことができる。

Claims

[1]
長方形板、2以上の支持体、及び1以上の突起を備える輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造であって、
(i)長方形板は、長方形板の端部の2つの支持体を含む2以上の支持体により支持され
(ii)1以上の突起は、2以上の支持体のうち向かい合う2つの支持体により挟まれる領域において長方形板に備えられ、
(iii)長方形板の幅厚比が、突起を備えていない長方形板の幅厚比よりも大きく、
(iv)長方形板及び1以上の突起の合計断面積が、突起を備えていない長方形板の断面積よりも小さく、且つ、
(v)1以上の突起が備えられた長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有し、
(vi)前記突起は長方形板の座屈変形に合わせて変形方向に位置が移動し、前記支持体は座屈変形時に位置が移動しない、
輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造。
[2]
長方形板の端部の支持体と中間の支持体の間、中間の支持体を2以上有する場合にはさらに中間の支持体と中間の支持体の間に各々1以上の突起が備えられる、請求項1に記載のパネル構造。
[3]
1以上の突起が、向かい合う2の支持体に平行に備えられている、請求項1に記載のパネル構造。
[4]
前記突起が、支持体と支持体の間に等間隔で備えられる請求項1に記載のパネル構造。
[5]
前記長方形板が、金属、樹脂、及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなり、且つ、前記突起が、金属、樹脂、及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなる、請求項1に記載のパネル構造。
[6]
前記長方形板が、金属からなり、且つ、前記突起が、金属及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなる、請求項5に記載のパネル構造。
[7]
前記長方形板及び前記突起が同種の材料からなる、請求項1に記載のパネル構造。
[8]
前記金属が、鉄、アルミニウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種、或いは、これをベースとする合金である、請求項5に記載のパネル構造。
[9]
前記合金が、鋼鉄、ステンレス鋼及びアルミニウム合金からなる群より選択される、請求項8に記載のパネル構造。
[10]
建造物が建物又は橋梁である、請求項1に記載のパネル構造。
[11]
構造部材が柱又は桁である、請求項1に記載のパネル構造。
[12]
輸送機器が、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機及び宇宙機からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のパネル構造。
[13]
(I)長方形板を、長方形板の端部の2つの支持体を含む2以上の支持体で支持する工程、及び、
(II)1以上の突起を、2以上の支持体のうち向かい合う2の支持体により挟まれる領域において長方形板に備える工程、
(ここで、工程(I)及び(II)は如何なる順序でおこなわれてもよく、同時におこなわれてもよい)を包含する、請求項1に記載のパネル構造の製造方法。
[14]
長方形板の一部と突起を構成するT形の押し出し形材同士を接合する工程を含む、請求項1に記載のパネル構造の製造方法。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5]

[ Fig. 6]

[ Fig. 7]

[ Fig. 8]

[ Fig. 9]

[ Fig. 10]

[ Fig. 11]

[ Fig. 12]

[ Fig. 13]

[ Fig. 14]

[ Fig. 15]

[ Fig. 16]

[ Fig. 17]

[ Fig. 18]

[ Fig. 19]

[ Fig. 20]

[ Fig. 21]

[ Fig. 22]

[ Fig. 23]

[ Fig. 24]

[ Fig. 25]

[ Fig. 26]

[ Fig. 27]

[ Fig. 28]

[ Fig. 29]

[ Fig. 30]

[ Fig. 31]

20080206A16333全文3

Claims

[1]
長方形板、2以上の支持体、及び1以上の突起を備え、下記(i)〜(vi)の要件を満たす輸送機器用パネル構造又は建造物用構造部材用パネル構造の製造方法であって、
(i)長方形板は、長方形板の端部の2つの支持体を含む2以上の支持体により支持され
(ii)1以上の突起は、2以上の支持体のうち向かい合う2つの支持体により挟まれる領域において長方形板に備えられ、
(iii)長方形板の幅厚比が、突起を備えていない長方形板の幅厚比よりも大きく、
(iv)長方形板及び1以上の突起の合計断面積が、突起を備えていない長方形板の断面積よりも小さく、且つ、
(v)1以上の突起が備えられた長方形板が、突起を備えていない長方形板と実質的に同じ座屈強度を有し、
(vi)前記突起は長方形板の座屈変形に合わせて変形方向に位置が移動し、前記支持体は座屈変形時に位置が移動せず、
下記工程(I)〜(III)を包含する、パネル構造の製造方法:
(I)ηとβの関係を示すグラフを作成し、ηが1未満となるs及びβを選択する工程、
[ここで、ηは、突起無し長方形板の断面積に対する、当該突起無し長方形板と同一の座屈強度を有する突起付き長方形板の、突起を含めた断面積の比を示す。
βは、突起付き長方形板の幅厚比を示す。
sは突起によって区切られた板要素の総数を示す。]
(II)幅厚比が上記で選択したβである長方形板を、長方形板の端部の2つの支持体を含む2以上の支持体で支持する工程、及び、
(III)s−1個の突起を、2以上の支持体のうち向かい合う2の支持体により挟まれる領域において長方形板に備える工程、
(ここで、工程(II)及び(III)は如何なる順序でおこなわれてもよく、同時におこなわれてもよい)。
[2]
長方形板の端部の支持体と中間の支持体の間、中間の支持体を2以上有する場合にはさらに中間の支持体と中間の支持体の間に各々1以上の突起が備えられる、請求項1に記載のパネル構造の製造方法。
[3]
1以上の突起が、向かい合う2の支持体に平行に備えられている、請求項1に記載のパネル構造の製造方法。
[4]
前記突起が、支持体と支持体の間に等間隔で備えられる請求項1に記載のパネル構造の製造方法。
[5]
前記長方形板が、金属、樹脂、及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなり、且つ、前記突起が、金属、樹脂、及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなる、請求項1に記載のパネル構造の製造方法。
[6]
前記長方形板が、金属からなり、且つ、前記突起が、金属及び繊維強化樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の材料からなる、請求項5に記載のパネル構造の製造方法。
[7]
前記長方形板及び前記突起が同種の材料からなる、請求項1に記載のパネル構造の製造方法。
[8]
前記金属が、鉄、アルミニウム、及びマグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種、或いは、これをベースとする合金である、請求項5に記載のパネル構造の製造方法。
[9]
前記合金が、鋼鉄、ステンレス鋼及びアルミニウム合金からなる群より選択される、請求項8に記載のパネル構造の製造方法。
[10]
建造物が建物又は橋梁である、請求項1に記載のパネル構造の製造方法。
[11]
構造部材が柱又は桁である、請求項1に記載のパネル構造の製造方法。
[12]
輸送機器が、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機及び宇宙機からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のパネル構造の製造方法。
[13]
(削除)
[14]
(削除)
[15]
前記突起が、向かい合う2の支持体により挟まれる領域において、向かい合う2の支持体に平行で、且つ、等間隔で前記長方形板に備え付けられ、前記長方形板が圧縮又は曲げの面内荷重を突起に沿う方向に受けるとき、下記式(22)でηが1未満である、請求項1〜12のいずれかに記載のパネル構造の製造方法:
[Math. 1]


[式(22)中、各符号の定義は以下の通り:


E:長方形板のヤング率
:突起のヤング率
T:突起無し長方形板の板厚
b:突起無し長方形板、又は、突起付き長方形板の板幅
:突起によって区切られた板要素の幅
:突起の高さ
:長方形板の両面に突起がある場合、両面の突起の先端間の寸法
:長方形板の片面に突起がある場合b 、長方形板の両面に突起がある場合b
:圧縮を受けるとき1、曲げを受けるとき1.25
:突起付き長方形板が圧縮を受ける場合s、曲げを受ける場合
[Math. 2]


:圧縮を受けるとき1、曲げを受けるとき(s−2)/s
31:突起の断面二次モーメントに関係する係数
(c 31は、突起の断面形状が矩形であり長方形板の片面に突起がある場合、3であり、
突起の断面形状が矩形であり長方形板の両面に突起がある場合、12であり、
突起の断面形状が台形であり長方形板の片面に突起がある場合、
[Math. 3]


であり、
突起の断面形状が台形であり長方形板の両面に突起がある場合、
[Math. 4]


であり、
突起の断面形状が楕円であり長方形板の片面に突起がある場合、16/πであり、
突起の断面形状が楕円であり長方形板の両面に突起がある場合、64/πである。)
:突起の付根の厚さ
θ:突起の断面形状が台形の場合、台形の斜辺の傾斜角
32:突起の断面積に関係する係数
(c 32は、突起の断面形状が矩形であり長方形板の片面に突起がある場合、1であり、
突起の断面形状が矩形であり長方形板の両面に突起がある場合、1であり、
突起の断面形状が台形であり長方形板の片面に突起がある場合、
[Math. 5]


であり、
突起の断面形状が台形であり長方形板の両面に突起がある場合、
[Math. 6]


であり、
突起の断面形状が楕円であり長方形板の片面に突起がある場合、π/4であり、
突起の断面形状が楕円であり長方形板の両面に突起がある場合、π/4である。)
:突起無し長方形板の座屈係数であり、圧縮を受けるとき4,曲げを受けるとき23.9n=E /E:長方形板のヤング率に対する突起のヤング率の比
s:突起によって区切られた板要素の総数
t:突起付き長方形板の板厚
β:突起付き長方形板の幅厚比
β :突起無し長方形板の幅厚比
β :突起によって区切られた板要素の幅厚比
β :b に関する幅厚比
η:突起無し長方形板の断面積に対する、突起付き長方形板の、突起を含めた断面積の比
μ:長方形板のポアソン比
ξ:突起付き長方形板の板厚に対する突起の付根の厚さの比
σ:圧縮または曲げを受ける、突起無し長方形板または突起付き長方形板の座屈強度。]。