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1. JP2005502076 - 光学薄膜とその関連方法

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Title of Invention 光学薄膜とその関連方法 US 09/944,050 20010830 EP2002009688 20020830 WO2003021304 20030313 20040301  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21    

Drawings

2a   3   4a   4b   20031215 A16330 0007 3   A16333 全文 3

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16    

Description

光学薄膜とその関連方法

US 09/944,050 20010830 EP2002009688 20020830 WO2003021304 20030313 20040301
[]
【技術分野】
【0001】
この発明は、簡潔かつ一般的には、基板の光学薄膜、ならびに成膜した基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学薄膜は、典型的には一つ以上の材料層から構成されており、しばしば基板の性能を改良するために、基板に適用される。基板の美しさと外見、または基板の加温、冷却および内側の昼光バランスなどの性能は、基板の表面を光学薄膜で成膜することによって改良することができる。例えば、光学薄膜は、可視光の透過を低減すること(日光制御膜)、エネルギーの吸収を低下させること(低放射膜[low-emissivity coating])、または反射率を低減すること(反射防止膜)を目的として利用される。さらに、光学薄膜を成膜した基板は、その商業的価値を向上させるためには、平坦な基板を変形させることなどによって、さらに改良される必要がある。改良前または改良後のどちらにおいても、基板上に光学薄膜を適用することができる。改良前に光学薄膜を適用する場合には、この薄膜は、この改良の処理条件に耐えられるものである必要がある。
【0003】
基板の改良の多くは、基板を高温で処理する必要がある。そのような改良の一つには、基板の曲げがある。例えば、ガラスは、高温で加熱した後に曲げることによって成形することができる。成形されたガラスは、自動車のフロントガラス、側面と後部の窓、ヘッドライト、および建築用ガラスなどの製品において重要なものである。多くの建築用および自動車用ガラスに関して、このガラスは、典型的には曲げるために、約650°Cの曲げ温度以上に加熱される必要がある。基板の耐熱強化、焼き戻し、またはフリット化のような、その他の改良では、基板の温度は上昇する。例えば、曲げた後で、ガラスに空気を吹きかけることによって、ガラスは、約600°Cで耐熱強化されるか、または約730°Cの温度で焼き戻しされる。耐熱強化および焼き戻しは、基板が熱を吸収することによって起こる熱応力に耐えるのを助けるものである。焼き戻しは、応力場を生成して、この応力場によって、ガラスが割れたり、裁断された時に小さな断片に粉砕されて、人がナイフ状の断片で傷つかないようにするものである。熱処理の別の例としては、陰極線管(CRT)などの基板のフリットシール化であり、これは、成膜した基板を約400°Cに加熱することを伴う。
【0004】
現在では、光学薄膜は、基板の熱処理で使われる高い温度では分解してしまうので、光学薄膜は、典型的には基板の熱処理後に成膜される。熱処理後の成膜は、幾つかの欠点を持つ。例えば、曲がったガラスに成膜する場合、異なる大きさと形状の板ガラスに成膜するには、処理パラメータを調整する必要があるとともに、成膜時に曲がったガラスを保持するための新しい道具と取付台が必要である。そのような調整は、繰り返し時間を増加させ、そのために生産能力を低下させるとともにコストを上昇させてしまう。また、そのような調整は、薄膜の均一性に対して逆効果を持つ。
【0005】
熱処理後の成膜の欠点を回避するためには、基板の熱処理前に基板に成膜するのが望ましい。初めに成膜し、その後に加熱する工程は、薄膜の均一性および規模の経済による原価能率を改善するなどの多くの利点を有する。例えば、ガラスを初めに成膜して、その後に加熱する場合には、一片がより大きな平坦なガラスを成膜することができる。一片がより大きなガラスを成膜することは、規模の経済により製造コストを低減するとともに、ガラスの生産能力を向上するものである。別の利点は、顧客が、現場で成膜した平坦なガラスを適切な大きさに裁断して、成膜した平坦なガラスを熱処理することによって、最終製品を自分の好みに合うように修正することができることである。さらに別の利点は、好ましいように均一な薄膜を提供するように最適化された同じ工程を用いて、複数の平坦な基板を成膜することができることである。曲がった基板は、一般的には、成形または曲率のばらつきに適応するためには調整が必要なので、同じ工程を用いて成膜することはできない。
【0006】
初めに成膜し、その後に加熱することの利点にもかかわらず、この工程は、業界における標準となっていない。初めに成膜し、その後に加熱する工程の問題を報告する人もいる。非特許文献1では、透明な基板上に成膜される既存の多層薄膜は、この透明な基板の熱処理に耐えられないと述べている。この著者によると、この薄膜の銀層は、銀が塊状化し、薄膜の酸化物層に拡散して行って、250°Cで劣化するので、ガラス上の多層薄膜は、350°C以上の温度では破壊されてしまう。シチェスボウスキー(Szczyrbowski)氏他は、安定剤層を用いて、この銀層を保護している。
【0007】
積層された薄膜が熱処理に耐えられない別の理由は、この工程が基板の熱処理に使われる高温に達する前に、最上部の誘電体層などの層が結晶化してしまうことである。例えば、最上部の層としてアモルファス酸化チタン(a−TiO x )を有する多層積層体は、最上部の層が約300°Cで結晶化するので、650°Cの熱処理には耐えられない。この結晶化は、拡散を促進する粒界を形成するだけでなく、この膜の大きさを変化させるとともに、部分的に層剥離を発生させる。
【非特許文献1】
Szczyrbowski et al., "Bendable Silver-Based Low Emissivity Coating on Glass," Solar Energy 19 (1989) 43-53
【特許文献1】
米国特許第5,814,195号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,047,131号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この光学薄膜は、酸化チタンおよび一つ以上の添加剤を含むアモルファス材料で構成される。酸化チタンと酸化した状態の添加剤は、固溶体を形成しない。アモルファス層における化合物は、固溶体を形成しないので、このアモルファス層は、基板の熱処理で使われる高温では大きくは変化せず、大部分はアモルファスのままである。
【0009】
このアモルファス膜は、高い屈折率と高い結晶化温度を有する。この膜の添加剤の種類、この膜の屈折率、およびこのアモルファス膜の結晶化温度は、光学薄膜の特定の用途のニーズに合うように選択することができる。この発明のアモルファス膜は、高温でその大きさを大きくは変化せず、そのため基礎を成す層の酸化を低減または防止すること、あるいは不純物の移入を阻止することに役立つものである。このアモルファス膜は、高温で大部分はアモルファスのままであるので、この積層体の光学特性は、熱処理後で大きくは変化せず、この光学薄膜は、基板の熱処理で使われる高温で分解しない。
【0010】
この発明では、熱処理可能な光学薄膜用に高屈折率のアモルファス膜が用いられる。このアモルファス膜は、酸化チタンなどの誘電体、およびこの誘電体の結晶化温度を上昇させる少なくとも一つの添加剤で構成される。酸化チタンの屈折率が、可視領域で高い、すなわち550ナノメートルにおいて2.45なので、この誘電体は、好ましくは酸化チタンである。この添加剤は、これらの誘電体と添加剤が、活性状態において、それぞれの中に溶解せず、そのため固溶体を形成しないように選択する。このアモルファス膜の化合物は、固溶体を形成しないので、このアモルファス膜は、基板の熱処理で使われる高温では大きくは変化せず、大部分はアモルファスのままである。このXで表示される添加剤は、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、ガドリニウム、タンタル、亜鉛、およびこれらの添加剤と誘電体が活性状態にある時に誘電体に溶解しない、その他の添加物の中の一つ以上の元素である。
【0011】
このアモルファス膜は、熱処理可能な多層の薄膜のどの層においても有利である。このアモルファス膜は、高温において、その大きさ、または屈折率のような光学特性を大きくは変化させない。一つの層の大きさの変化は、層剥離のような応力に関係する障害を引き起こす可能性がある一方、一つの層の光学特性の変化が薄膜の所期の構造を変える可能性がある。このアモルファス膜は、金属層または非酸化物層の最上部にある場合、このアモルファス膜は、その下の層が雰囲気によって酸化するのを低減または防止することができる。このアモルファス膜が基板上に直に成膜される場合には、このアモルファス膜は、基板内のナトリウムなどの不純物が上にある層に移入するのを遅らせることによって、曇りを低減または防止することができる。このアモルファス膜は、あっても、ほとんど粒界を持たないので、拡散係数が小さい、すなわちこの膜を通る不純物の拡散は、非常に遅い。また、このアモルファス膜は、その周りの二つの層間の相互拡散を低減または防止することができる。
【0012】
このアモルファス膜には、相応の添加剤を選択することができる。相応の添加剤を選択するために、異なる方法が用いられる。一つの方法では、この添加剤は、酸化した状態の元素が所望の温度範囲に渡って酸化チタンに溶解しないかを判定することにって選択した。この判定には、相図を利用した。この相図の水平軸は、酸化チタンと酸化した状態の添加物を有する化合物における、0から100%までの原子量での酸化チタンの量を示すものであり、一方垂直軸は、温度を示すものである。この相図を、溶液の融解点を示す共融線を求めるために調べた。この共融線と低温を示す底辺の水平線との間に線がない場合、酸化チタンと酸化した添加物は、底辺の水平線と関連する温度と共融線に関連する温度との間では、固溶体を形成しないと判定した。このようにして、酸化チタンと酸化した添加物のアモルファス膜の組成は、底辺の水平線と関連する温度と共融線に関連する温度との間では、大きくは変化しない。垂直の線だけが存在する場合には、酸化チタンと酸化した添加物は、底辺の水平線と関連する温度と共融線に関連する温度との間では、ただ一つの組成の固溶体を形成すると判定した。このアモルファス膜の組成は、この温度範囲においては、この固溶体の組成に変化するとともに、添加物の百分率に依存して、酸化チタンの相または酸化した添加物の相のどちかに変化する。しかし、垂直の線以外に、他の線があった場合には、底辺の水平線と関連する温度と共融線に関連する温度との間の異なる温度において、固溶体の領域が存在すると判定した。このように、アモルファス膜の温度が上昇するにつれて、このアモルファス膜の組成は、異なる温度において異なる組成となるものである。
【0013】
二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ガドリニウム、酸化タンタル、および酸化亜鉛は、固体の酸化チタンには溶解しないことが分かっており、そのためこの発明に相応しいものと考えた。その他の相応の添加物は、上述した形で選択することができる。
【0014】
このアモルファス膜は、高い結晶化温度(すわわち、約300°C以上)と高い屈折率(すなわち、約2.1以上)を有する。この結晶化温度と屈折率は、異なる用途に対して、この膜の添加剤の種類と添加剤のドーピングレベルを変化させることによって、選定することができる。より高い結晶化温度を選定すると、より低い屈折率となる。逆に、より高い屈折率を選定すると、より低い結晶化温度となる。
【0015】
このアモルファス膜の結晶化温度は、約650°Cでのガラスの曲げ、約600°Cでの耐熱強化、約730°Cでの焼き戻し、および約400°Cでのフリット化などの熱処理温度、すなわち基板の熱処理で使われる温度以上に選定される。このため、このアモルファス膜は、基板の熱処理温度では、ほぼアモルファスのままである。
【0016】
ドーピングした誘電体層の屈折率を選定することができる。例えば、酸化アルミニウムは、約1.7の屈折率を有し、酸化亜鉛と酸化チタンは、約2.0の屈折率を有し、そして、酸化ビスマスは、約1.9の屈折率を有する一方、二酸化ケイ素は、約1.5の屈折率を有する。添加剤としてケイ素を有するアモルファス膜より高い屈折率を要求する用途もある。このため、より高い屈折率を要求するアモルファス膜に対しては、アモルファス膜の屈折率を上げるために、添加剤として、ケイ素の代わりに、アルミニウム、亜鉛、タンタル、またはビスマスを用いることができる。
【0017】
低放射膜と反射防止膜において、このアモルファス膜は、特に望ましい。低放射膜では、この薄膜は、可視領域での低い吸収と赤外領域での高い反射率のように、太陽スペクトルの指定領域において低い吸収と高い反射で可視光を透過させる。銀などの金属層は、赤外領域の光を反射するだけでなく、可視領域の光も反射する。銀などの厚い層の金属層は、赤外領域の光を反射するのに、より効果的であるが、可視光の反射においては、10%以上のような許容し難い増加を引き起こしてしまう。金属層の周りに、約2.1以上の屈折率のような、高屈折率の材料の層を成膜することによって、可視光の透過性を増大することができる。約2.1以上の屈折率を持つ材料のような、高屈折率の材料は、約2.1以下の屈折率を持つ材料のような低屈折率の材料よりも、より良好に、銀による可視光の反射を弱める。このため、高屈折率の材料を用いる場合、低放射膜では、より多くの銀を使用することができる。添加剤の無い材料などの、温度の上昇に対してもアモルファスのままである他の材料は、高屈折率を有しない。例えば、窒化ケイ素は、1000°Cで15分たってもアモルファスのままであるが、2.0の屈折率しか持たない。このように、窒化ケイ素は低い屈折率を持つので、窒化ケイ素を低反射膜に利用するのは、余り望ましくはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
この発明の上述した特徴およびその他の特徴は、図面と関連した、以下の詳細な記述を読むことにより、より明らかとなる。
【0019】
図面においては、同種または同類の部分には、同じ符号を使用している。
【0020】
アモルファス膜を持つ多層の積層体の実施形態が、図1aに示されている。この例では、ガラスの基板11には、多層の光学薄膜20が成膜されている。この発明は、CRTまたはガラスのような透明な基板などの、基板11に対する薄膜を構成するものである。この薄膜は、一般的にどのような基板の成膜にも利用できるが、特に熱処理に曝される基板に対して有用である。基板11上には、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛または窒化ケイ素などの誘電体の第一の反射防止層13が成膜されている。この第一の反射防止層13は、これに続く層と組み合わせて、可視光の反射を低減する。一つの実施形態において、この第一の反射防止層13は、当該のアモルファス膜で構成される。この第一の反射防止層13上には、銀などの第一の金属層17が成膜されている。この第一の金属層17は、赤外光を反射するとともに、放射率を低減するものである。この第一の金属層の上には、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛または窒化ケイ素などの誘電体の第二の反射防止層21が成膜されている。この第二の反射防止層21は、可視光の反射を低減する形で、金属層の反射を弱める。一つの実施形態においては、この第二の反射防止層21は、当該のアモルファス膜で構成される。第一の反射防止層13と第二の反射防止層21の中の少なくとも一つは、当該のアモルファス膜から構成される。多層の薄膜における、第二の反射防止膜21などの誘電体層は、一つ以上の添加剤を添加される一方、その他の誘電体層は、不純物を添加されない。その他の層は、前述した層の上、下、または間に成膜することができるものと理解されたい。
【0021】
この発明の別の実施形態が、図1bに示されている。多層の光学薄膜22は、第一の反射防止層13、第一の金属層17、および第二の反射防止層21を有する。一つ以上の選択自由な障壁層15と19が、それぞれこの第一の金属層17の上または下にある。チタン、ニッケル・クロム、アルミニウム、または亜鉛などの第一の障壁層15が、第一の反射防止層13の上で、かつ第一の金属層17の下に成膜される。この第一の障壁層15は、その上の層への不純物の拡散を低減または防止するものである。チタン、ニッケル・クロム、アルミニウム、または亜鉛などの第二の障壁層19が、第一の金属層17の上で、かつ第二の反射防止層21の下に成膜される。この第二の障壁層19は、雰囲気ガスの拡散を低減または防止し、その下の金属層の酸化を低減または防止するとともに、固着を助けるものである。これらの障壁層15,19は、第一の金属層17を酸化から保護するとともに、第一の金属層17と合金となったり、またはその特性を劣化させることがない材料であれば何でも良い。これらの障壁層15,19は、固着を促進するものである。
【0022】
この発明の別の実施形態が、図1cに示されている。多層の光学薄膜26は、多層の光学薄膜22を有する。この多層の光学薄膜26は、第二の反射防止層21の上に、銀などの第二の金属層35を、第二の金属層35の上に、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、または窒化ケイ素などの誘電体の第三の反射防止層39を有する。この誘電体の第三の反射防止層39は、当該のアモルファス膜で構成される。この多層の光学薄膜は、第二の反射防止膜21と第二の金属膜35の間に、チタン、ニッケル・ クロム、アルミニウムまたは亜鉛などの第三の障壁層33を、第二の金属層35と誘電体の第三の反射防止層39の間には、チタン、ニッケル・ クロム、アルミニウムまたは亜鉛などの第四の障壁層37を有する。これらの第一の反射防止層13、第二の反射防止層21および第三の反射防止層39の中の少なくとも一つは、当該のアモルファス膜で構成される。
【0023】
アモルファス膜を持つ多層の積層体の別の実施形態が、図1dに示されている。図1dは、従来の反射防止膜を表している。この例ではガラスの基板11が、多層の光学薄膜24で成膜されている。この発明は、CRTまたはガラスのような透明な基板などの基板11に対する薄膜を構成するものである。この薄膜は、熱処理に曝される基板に適用される場合に、特に有用である一方、一般的にどのような基板にも適用することができる。約2.1以上の屈折率を持つ第一の高屈折率層12が、基板11上に成膜されている。この第一の高屈折率層12は、当該のアモルファス膜で構成されている。この発明のアモルファス膜は、基板11からナトリウムなどの不純物が移入するのを遅らせることによって、上部の層への移入による曇りを低減または防止することができる。アモルファス膜は、粒界を持たないので、低い拡散係数を有する。この第一の高屈折率層12の上には、例えば二酸化ケイ素などの、約2.1以下の屈折率を持つ第一の低屈折率層14、または銀などの金属層が成膜されている。この第一の低屈折率層14の上には、約2.1以上の屈折率を持つ第二の高屈折率層16が成膜されている。この第二の高屈折率層16は、当該のアモルファス膜で構成されている。この第二の高屈折率層16の上には、例えば二酸化ケイ素などの、約2.1以下の屈折率を持つ第二の低屈折率層18が成膜されている。これらの第一の高屈折率層12と第二の高屈折率層16の中の少なくとも一つは、当該のアモルファス膜で構成される。この発明のアモルファス膜は、基礎を成す層などの層が約300°C以上のような、基板の熱処理温度で酸化するのを低減または防止するものである。このアモルファス膜は、高温ではほぼアモルファスのままなので、この積層体の光学特性は、熱処理後も大きくは変化しない。その他の層は、上述した層の上、下、または間に成膜することができるものと理解されたい。
【0024】
どの光学薄膜20,22,24または26の成膜も、スパッタ法で行われる。図2aは、従来のスパッタ法の模式図である。円筒形の回転するターゲット23は、基板31上に成膜される材料25から成る外部層を有する。プラズマ27は、ガスを真空システムに注入することによって形成される。典型的なガスには、酸素、窒素、希ガスおよびその他の従来技術のガスがある。プラズマ27内のエネルギーを付与されたイオン29が、ターゲット23に向かって加速される。これらのイオンが、材料25の原子にエネルギーを供給して、ターゲット23から分離させて、基板31上に成膜させるものである。このスパッタ法は、ターゲット、基板、またはプラズマのいずれかにおいて、反応性イオンがスパッタリング材料と結合する、従来の反応スパッタ法によって行われる。
【0025】
アモルファス膜の成膜は、従来のドーピングしたターゲットを用いて、または酸素雰囲気で従来の同時スパッタ法を用いて行われる。このドーピングしたターゲットは、添加剤を添加した金属材料で構成される。同時スパッタ法は、図2bに示されるとおり、二つのターゲットを使用するものであり、一方は金属材料35で被覆されており、他方は添加剤33で被覆されている。
【0026】
アモルファス材料の成膜は、この膜がa−TiXOと呼ばれるアモルファス(ガラス状)構造を持つという条件の下で行われる。XO X で表示される酸化した状態の添加剤は、大部分は酸化チタン内に溶解しない。このため、酸化したドーパントは、酸化チタンとは固溶体を形成しない。このアモルファス材料は、スパッタリング、蒸着、ゾルゲル化、吹付け、またはその他の相応の手段などの処理によって、小規模な用途用の薄膜として、そしてスパッタリング、またはその他の相応の手段などの高エネルギー処理によって、大規模な用途用の薄膜として成膜される。スパッタ法は、レーハン氏(Lehan )他の特許文献1とウォルフェ氏(Wolfe )他の特許文献2に記載されているとおり、回転する円筒形マグネトロンを用いた処理などの従来技術、またはその他の相応の手段で行うことができ、これらの両方の特許文献を、この発明の参照文献として、ここに完全な形で明確に組み入れる。
【0027】
一つの実施形態において、これらの誘電体と添加剤は、十分に混合したアモルファス状態で高エネルギーによって成膜される。成膜速度と基板温度(「T」)は、この膜がアモルファス状態で成膜されるかどうかを決める。図3は、成膜速度対温度の逆数のグラフを示しており、垂直軸43は、オングストローム/秒での絶対成膜速度を表し、水平軸41は、1/°Cでの1/Tを表している。この膜が、領域45の条件の下で成膜された場合、この膜は、エピタキシャル型となる。この膜が、領域47の条件の下で成膜された場合、この膜は、多結晶型となる。この膜が、領域49の条件の下で成膜された場合、この膜は、アモルファス型となる。このように、アモルファス膜を得るには、絶対成膜速度が速く、および/または基板温度が非常に低くなければならない。例えば、酸化チタンの反応性成膜(reactive deposition )において、約20°Cから約40°Cまでの範囲の基板温度で、約5オングストローム/秒以上の成膜速度では、アモルファスの酸化チタン膜が製造された。基板温度が高くなるほど、より速い成膜速度が必要となる。絶対成膜速度、基板温度、およびこれらの絶対成膜速度または基板温度に影響を与える要因は、基板における条件が機器により変化するとともに、原子の面移動度(surface mobility)に影響を与えるので、成膜機器などの機械の種類に依存して変わる。例えば、ある成膜機器においては、成膜速度は、膜の材料、パワー、ガスの混合物、例えば、アルゴンと酸素の比率、および圧力によって影響を受ける。
【0028】
光学薄膜が、ガラスまたはCRTのような透明な基板などの基板上に一旦成膜された後に、成膜された基板は、基板の熱処理温度以上の温度に加熱される。例えば、成膜されたガラスは、曲げるために、約650°C以上の曲げ温度に加熱される、あるいは成膜されたCRTは、フリットシールを作るために、約430°Cに加熱される。それから、このガラスは、フロントガラス、自動車の後と横の窓、ヘッドライト、建築用ガラス、または同等のものへのその後の使用のために、相応に成形または曲げられる。
【0029】
以下の例にもとづき、この発明をより詳細に記述する。以下の例は、単にこの発明をより良く説明すること、および明らかにすることを目的として紹介するものであり、この発明を制限するものとして解釈してはならない。
例1
a−TiXO化合物の一つの例は、Ti−Si−Oである。チタンとケイ素は、酸化した状態では、互いの中に溶解せず、固溶体を形成しない。Ti−Si−O化合物は、同時スパッタ法を用いてガラス上に成膜した。一方のターゲットは、チタンで被覆し、他方のターゲットは、ケイ素で被覆した。圧力は、3.27ミリトルであった。プロセスプラズマ(process plasma)は、40sccmの酸素と35sccmのアルゴンから構成した。チタンのターゲットに対して5.0kWのパワーを用い、6.2インチ/分のパス速度(pass rate )で基板をスパッタリング装置に三回通過させて、原子百分率0%の二酸化ケイ素と原子百分率100%の酸化チタンを有する643オングストロームの膜を成膜した。チタンのターゲットに対して5.0kW、ケイ素のターゲットに対して0.3kWのパワーを用いて、6.2インチ/分のパス速度で基板をスパッタリング装置に三回通過させて、原子百分率13%の二酸化ケイ素と原子百分率87%の酸化チタンを有する742オングストロームの膜を成膜した。チタンのターゲットに対して5.0kW、ケイ素のターゲットに対して1.0kWのパワーを用いて、6.2インチ/分のパス速度で基板をスパッタリング装置に三回通過させて、原子百分率27%の二酸化ケイ素と原子百分率73%の酸化チタンを有する906オングストロームの膜を成膜した。チタンのターゲットに対して5.0kW、ケイ素のターゲットに対して1.0kWのパワーを用いて、7.4インチ/分のパス速度で基板をスパッタリング装置に一回通過させて、原子百分率27%の二酸化ケイ素と原子百分率73%の酸化チタンを有する250オングストロームの膜を成膜した。原子百分率13%と27%の二酸化ケイ素を有する膜に関しては、チタンとケイ素は、プラズマ内で酸素と反応して、ガラス上にTi−Si−Oの薄膜を形成した。
【0030】
これらのアモルファス膜を試験して、各アモルファス膜の結晶化温度を測定した。アモルファス膜は、粒界を持たないが、結晶化した膜は粒界を持つ。このアモルファス膜の結晶化は、X線回折、電子回折、画像処理、またはその他の相応の手段によって測定することができる。X線回折では、アモルファス膜は、スペクトル上では、単調で、非常に平坦な山を持ち、それは格子間隔に対応しない。膜がより結晶化するにつれて、より多くの山が現れて、それらの山は強度を強める。電子回折においては、膜がより結晶化するにつれて、輪がはっきりしてくる。画像処理では、膜がより結晶化するにつれて、粒子が成長する。物質の結晶化温度を測定するための、これらの異なる方法は、従来の良く知られた技術である。
【0031】
これらの試料を、加熱台を持つ透過電子顕微鏡(TEM)内に配置した。原子百分率0%の二酸化ケイ素を持つ膜は、約300°Cの温度で核生成し始め、完全に結晶化するまで続いた。核生成は、非常に小さい粒度によって証明され、それは、膜が結晶化したことを示すものであった。700°Cまでは、粒子の成長は無いが、非常に多くの核生成個所が存在した。
【0032】
原子百分率13%の二酸化ケイ素を持つ膜は、室温ではアモルファス状態であった。120°Cまでの温度では、核生成または粒子への偏析の兆候は無かった。200°Cで、微粒子が出現し始めたが、非常に成長速度が遅く、その結果膜のほんの数パーセントしか結晶状態にならなかった。550°Cでは、成長速度が急激に増加して、大部分の膜が結晶状態となった。
【0033】
原子百分率27%の二酸化ケイ素を持つ膜は、室温ではアモルファス状態であった。この原子百分率27%の二酸化ケイ素の膜の結晶化活動を、150°Cから800°Cまで、50°C間隔で検査した。約700°Cから約800°Cまでは、結晶化活動は観測されなかった。750°Cで、低密度の核生成個所が明視野TEMによって検出され、それは、膜の結晶化を示すものであった。800°Cになってやっと、膜は、十分に結晶化し、多結晶の電子回折パターンを示した。
【0034】
原子百分率0%の二酸化ケイ素を持つ膜は、大抵の基板の熱処理温度以下である約350°Cの結晶化温度であった。このため、この膜は、熱処理に曝される大抵の基板に対して、多分に不適当である。原子百分率13%の二酸化ケイ素を持つ膜は、約550°Cの結晶化温度を、原子百分率27%の二酸化ケイ素を持つ膜は、約700°Cから約800°Cまでの結晶化温度であった。この原子百分率13%の二酸化ケイ素を持つ膜は、約400°Cの熱処理温度を持つフリット化のような、約550°Cの結晶化温度以下での熱処理を有する用途に利用することができる。この原子百分率27%の二酸化ケイ素を持つ膜は、約700°Cから約800°Cまでの結晶化温度以下での熱処理を有する用途に利用することができる。例えば、フリット化は約400°Cで、耐熱強化は約600°Cで、曲げは約650°Cで、ならびに焼き戻しは約730°Cで行われる。
【0035】
二酸化ケイ素の原子百分率は、膜の屈折率から概算した。屈折率は、従来技術により光学的に測定した。原子百分率0%の二酸化ケイ素を持つ膜の結晶化温度は、約350°Cであると測定され、その屈折率は、約2.45であることが分かった。原子百分率13%の二酸化ケイ素を持つ膜の結晶化温度は、約550°Cであると測定され、その屈折率は、約2.35であることが分かった。原子百分率27%の二酸化ケイ素を持つ膜の結晶化温度は、約700°Cから800°Cまでであると測定され、その屈折率は、約2.2であることが分かった。図4aは、結晶化温度がTi−Si−Oの屈折率が低下するに従い増加することを示している。図4bは、結晶化温度がTi−Si−Oにおけるケイ素の含有量が増加するに従い増加することを示している。
【0036】
上記の例のとおり準備した、原子百分率13%と27%の二酸化ケイ素を持つアモルファス膜は、光学薄膜、特に熱処理可能な光学薄膜に使用することができる。このアモルファス膜の添加剤およびその原子百分率は、特定の用途に関する結晶化温度および屈折率の要求条件に合致するように選択される。例えば、酸化チタンと原子百分率27%の二酸化ケイ素を持つアモルファス膜は、このアモルファス膜を成膜した基板を約650°C以上の曲げ温度にまで熱処理することに耐えた。これに代わって、添加剤、結晶化温度または屈折率は、特定の用途に対して選択することができる。
【0037】
この発明の利点は、ガラスなどの基板の熱処理に耐える、高屈折率のアモルファス材料の能力である。このため、基板は、熱処理可能なアモルファス材料で成膜し、その後で膜を破壊することなく加熱することができる。さらに、このアモルファス材料は、金属層などの下の層が高温で酸化するのを低減するものであり、そうしない場合には、この高温により熱処理後に積層体の光学特性が変化しまうことになる。また、このアモルファス材料は、層間における不純物の拡散を低減または防止する。このため、このアモルファス材料は、有利には、反射防止膜または低放射膜などの光学薄膜に使用され、それは、アモルファス材料の結晶化温度以下の様々な温度における熱処理に耐える。
【0038】
この発明は、特定の実施形態に関連して上述したが、これらの記述および例は、この発明の範囲を説明することを意図したものであって、それを制限することを意図するものではないことを理解されたい。この発明は、請求項の文言上ならびに有効な範囲内に適合するすべてものを包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1a】基礎を成す基板上にある、アモルファス膜を含む多層の積層体の断面図
【図1b】基礎を成す基板上にある、アモルファス膜を含む多層の積層体の断面図
【図1c】基礎を成す基板上にある、アモルファス膜を含む多層の積層体の断面図
【図1d】基礎を成す基板上にある、アモルファス膜を含む多層の積層体の断面図
【図2a】基板上にアモルファス膜を成膜するために用いるスパッタ法の模式図
【図2b】基板上にアモルファス膜を成膜するために用いるスパッタ法の模式図
【図3】アモルファス膜の成膜速度と基板の温度間の相関を示すグラフ
【図4a】550ナノメートルでのアモルファス膜の屈折率と結晶化温度間の相関を示すグラフ
【図4b】添加剤の概算の原子百分率とアモルファス膜の結晶化温度間の相関を示すグラフ
【符号の説明】
【0040】
11 基板
12 第一の高屈折率層
13 第一の反射防止層
14 第一の低屈折率層
15 障壁層
16 第二の高屈折率層
17 第一の金属層
18 第二の低屈折率層
19 障壁層
20 光学薄膜
21 第二の反射防止層
22 光学薄膜
23 ターゲット
24 光学薄膜
25 材料
26 光学薄膜
27 プラズマ
29 イオン
31 基板
33 添加剤
35 金属材料
37 障壁層
39 第三の反射防止層
41 水平軸
43 垂直軸
45,47,49 領域

Claims

[1]
誘電体の第一の反射防止層と、
この第一の反射防止層の上にある第一の金属層と、
この第一の金属層の上にある誘電体の第二の反射防止層とを有する、基板に対する光学薄膜であって、
その際、これらの第一の反射防止層と第二の反射防止層の中の少なくとも一つは、アモルファス材料で構成され、このアモルファス材料は、酸化チタンと添加剤とを有し、その際酸化した状態での、この添加剤は、この酸化チタンと固溶体を形成しない光学薄膜。
[2]
当該の添加剤が、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、ガドリニウム、タンタル、亜鉛、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる請求項1に記載の光学薄膜。
[3]
当該の第一の金属層が、銀で構成される請求項1に記載の光学薄膜。
[4]
当該の第一の反射防止層と第一の金属層の間に、さらに障壁層を有する請求項1に記載の光学薄膜。
[5]
当該の第一の金属層と第二の反射防止層の間に、さらに障壁層を有する請求項1に記載の光学薄膜。
[6]
当該の障壁層が、チタン、ニッケル・クロム、アルミニウム、および亜鉛から成る群から選ばれた材料で構成される請求項4または5に記載の光学薄膜。
[7]
誘電体の第一の反射防止層と、
この第一の反射防止層の上にある第一の金属層と、
この第一の金属層の上にある誘電体の第二の反射防止層と、
この第二の反射防止層の上にある第二の金属層と、
この第二の金属層の上にある誘電体の第三の反射防止層とを有する、基板に対する光学薄膜であって、
その際、これらの第一の反射防止層、第二の反射防止層および第三の反射防止層の中の少なくとも一つは、アモルファス材料で構成され、このアモルファス材料は、酸化チタンと添加剤とを有し、その際酸化した状態での、この添加剤は、この酸化チタンと固溶体を形成しない光学薄膜。
[8]
当該の添加剤が、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、ガドリニウム、タンタル、亜鉛、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる請求項7に記載の光学薄膜。
[9]
当該の第二の金属層が、銀で構成される請求項7に記載の光学薄膜。
[10]
当該の第二の反射防止層と第二の金属層の間に、さらに障壁層を有する請求項7に記載の光学薄膜。
[11]
当該の第二の金属層と第三の反射防止層の間に、さらに障壁層を有する請求項7に記載の光学薄膜。
[12]
当該の障壁層が、チタン、ニッケル・クロム、アルミニウム、および亜鉛から成る群から選ばれた材料で構成される請求項10または11に記載の光学薄膜。
[13]
第一の高屈折率の層と、
この第一の高屈折率の層の上にある第一の低屈折率の層と、
この第一の低屈折率の層の上にある第二の高屈折率の層と、
この第二の高屈折率の層の上にある第二の低屈折率の層とを有する、基板に対する光学薄膜であって、
その際、これらの第一の高屈折率の層と第二の高屈折率の層の中の少なくとも一つは、アモルファス材料で構成され、このアモルファス材料は、酸化チタンと添加剤とを有し、その際酸化した状態での、この添加剤は、この酸化チタンと固溶体を形成しない光学薄膜。
[14]
当該の添加剤が、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、ガドリニウム、タンタル、亜鉛、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる請求項13に記載の光学薄膜。
[15]
当該の第一の低屈折率の層と第二の低屈折率の層の中の少なくとも一つが、二酸化ケイ素と銀から成る群から選ばれた材料で構成される請求項14に記載の光学薄膜。
[16]
基板の上に誘電体の第一の反射防止層を成膜する措置と、
この第一の反射防止層の上に金属層を成膜する措置と、
この金属層の上に誘電体の第二の反射防止層を成膜する措置とを有する、基板に成膜する方法であって、
その際、これらの第一の反射防止層と第二の反射防止層の中の少なくとも一つは、アモルファス材料で構成され、このアモルファス材料は、酸化チタンと添加剤とを有し、その際酸化した状態での、この添加剤は、この酸化チタンと固溶体を形成しない方法。
[17]
当該の第一の反射防止層、金属層および第二の反射防止層を成膜する措置の後に、さらに当該の成膜した基板を、この基板の熱処理温度より高い温度に加熱する措置を有する請求項16に記載の方法。
[18]
当該の第一の反射防止層を成膜する措置、金属層を成膜する措置および第二の反射防止層を成膜する措置の中の少なくとも一つが、スパッタ法で行われる請求項16に記載の方法。
[19]
当該の第一の反射防止層を成膜する措置と第二の反射防止層を成膜する措置の中の少なくとも一つが、酸素雰囲気でのスパッタ法で行われ、そのターゲットがチタンと添加剤を有する請求項18に記載の方法。
[20]
当該の第一の反射防止層を成膜する措置と第二の反射防止層を成膜する措置の中の少なくとも一つが、酸素雰囲気でのスパッタ法で行われ、その第一のターゲットがチタンを有し、その第二のターゲットが添加剤を有する請求項18に記載の方法。
[21]
当該の添加剤が、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、ガドリニウム、タンタル、亜鉛、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる請求項16に記載の方法。

Drawings

[ Fig. 2a]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4a]

[ Fig. 4b]

















































20031215 A16330 0007 3
[]
【0007】
積層された薄膜が熱処理に耐えられない別の理由は、この工程が基板の熱処理に使われる高温に達する前に、最上部の誘電体層などの層が結晶化してしまうことである。例えば、最上部の層としてアモルファス酸化チタン(a−TiO x )を有する多層積層体は、最上部の層が約300°Cで結晶化するので、650°Cの熱処理には耐えられない。この結晶化は、拡散を促進する粒界を形成するだけでなく、この膜の大きさを変化させるとともに、部分的に層剥離を発生させる。
特許文献3には、磨耗抵抗と化学安定性を持つアモルファス層を含む積層体が記載されている。このアモルファス層は、基本的に少なくともZr、Ti、Sn、TaとIn、ならびにBまたはSiを含む酸化物から構成されている。この層は、良好な機械的および化学的な耐性を持つが、例えば300°C以上のような高温では安定していない。
特許文献4では、良好な物理的、化学的および機械的特性を持つ多機能成膜剤が記載されているが、上述したTiO層の欠点を持つ。
【非特許文献1】
Szczyrbowski et al., "Bendable Silver-Based Low Emissivity Coating on Glass," Solar Energy 19 (1989) 43-53
【特許文献1】
米国特許第5,814,195号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,047,131号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,514,485号明細書
【特許文献4】
欧州特許公開第0897957号明細書
A16333 全文 3

Claims

[1]
誘電体の第一の反射防止層と、
この第一の反射防止層の上にある第一の金属層と、
この第一の金属層の上にある誘電体の第二の反射防止層とを有する、基板に対する光学薄膜であって、
その際、これらの第一の反射防止層と第二の反射防止層の中の少なくとも一つは、アモルファス材料で構成され、このアモルファス材料は、酸化チタンと添加剤とを有し、その際酸化した状態での、この添加剤は、この酸化チタンと固溶体を形成しない光学薄膜。
[2]
当該の第二の反射防止層の上にある第二の金属層と、
この第二の金属層の上にある誘電体の第三の反射防止層とを有し、
その際、この第三の反射防止層は、アモルファス材料で構成され、このアモルファス材料は、酸化チタンと添加剤とを有し、その際酸化した状態での、この添加剤は、この酸化チタンと固溶体を形成しない請求項2に記載の光学薄膜。
[3]
当該の添加剤が、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、ガドリニウム、タンタル、亜鉛、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる請求項1または2に記載の光学薄膜。
[4]
当該の第一または第二の金属層が、銀で構成される請求項1に記載の光学薄膜。
[5]
当該の第一の反射防止層と第一の金属層の間または当該の第二の反射防止層と第二の金属層の間に、さらに障壁層を有する請求項1または2に記載の光学薄膜。
[6]
当該の第一の金属層と第二の反射防止層の間または当該の第二の金属層と第三の反射防止層の間に、さらに障壁層を有する請求項1または2に記載の光学薄膜。
[7]
当該の障壁層が、チタン、ニッケル・クロム、アルミニウム、および亜鉛から成る群から選ばれた材料で構成される請求項5または6に記載の光学薄膜。
[8]
第一の高屈折率の層と、
この第一の高屈折率の層の上にある第一の低屈折率の層と、
この第一の金属層の上にある誘電体の第二の反射防止層と、
この第一の低屈折率の層の上にある第二の高屈折率の層と、
この第二の高屈折率の層の上にある第二の低屈折率の層とを有する、基板に対する光学薄膜であって、
その際、これらの第一の高屈折率の層と第二の高屈折率の層の中の少なくとも一つは、アモルファス材料で構成され、このアモルファス材料は、酸化チタンと添加剤とを有し、その際酸化した状態での、この添加剤は、この酸化チタンと固溶体を形成しない光学薄膜。
[9]
当該の添加剤が、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、ガドリニウム、タンタル、亜鉛、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる請求項8に記載の光学薄膜。
[10]
当該の第一の低屈折率の層と第二の低屈折率の層の中の少なくとも一つが、二酸化ケイ素と銀から成る群から選ばれた材料で構成される請求項9に記載の光学薄膜。
[11]
基板の上に誘電体の第一の反射防止層を被膜する措置と、
この第一の反射防止層の上に金属層を被膜する措置と、
この金属層の上に誘電体の第二の反射防止層を被膜する措置とを有する、基板に被膜する方法であって、
その際、これらの第一の反射防止層と第二の反射防止層の中の少なくとも一つは、アモルファス材料で構成され、このアモルファス材料は、酸化チタンと添加剤とを有し、その際酸化した状態での、この添加剤は、この酸化チタンと固溶体を形成しない方法。
[12]
当該の第一の反射防止層、金属層および第二の反射防止層を成膜する措置の後に、さらに当該の成膜した基板を、この基板の熱処理温度より高い温度に加熱する措置を有する請求項11に記載の方法。
[13]
当該の第一の反射防止層を成膜する措置、金属層を成膜する措置および第二の反射防止層を成膜する措置の中の少なくとも一つが、スパッタ法で行われる請求項12に記載の方法。
[14]
当該の第一の反射防止層を成膜する措置と第二の反射防止層を成膜する措置の中の少なくとも一つが、酸素雰囲気でのスパッタ法で行われ、そのターゲットがチタンと添加剤を有する請求項13に記載の方法。
[15]
当該の第一の反射防止層を成膜する措置と第二の反射防止層を成膜する措置の中の少なくとも一つが、酸素雰囲気でのスパッタ法で行われ、その第一のターゲットがチタンを有し、その第二のターゲットが添加剤を有する請求項13に記載の方法。
[16]
当該の添加剤が、ケイ素、アルミニウム、ビスマス、ガドリニウム、タンタル、亜鉛、およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる請求項11に記載の方法。