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1. JP2002237279 - 二次電池

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Description

Title of Invention 二次電池 20061004 H01M 2/02 特開2000−138040(JP,A) 特開2000−268807(JP,A) 2002237279 20020823 20040423 高木 正博  

Claims

1   2   3   4   5   6  

Drawings

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17    

Description

二次電池

20061004 H01M 2/02 patcit 1 : 特開2000−138040(JP,A)
patcit 2 : 特開2000−268807(JP,A)
2002237279 20020823 20040423 高木 正博
[]
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は二次電池に関し、詳しくは、過充電時の安全性が向上した二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年開発されてきている高エネルギー密度の二次電池は、そのエネルギー密度の高さ故に、電池の誤用や使用機器の故障等による発火、発煙等の危険性が相対的に高まっている。このような背景から、二次電池の安全性の確保は、より高エネルギー密度化された現在の電池設計において、必要不可欠な課題の一つとなっている。
【0003】
電池の安全性確保の中では、特に過充電に対する安全性確保が重要な課題の一つである。これは、二次電池を充電する際に何らかの原因で所定以上の電気が流れると電池が過充電状態となり、その結果内部短絡等が起こり、電池温度の上昇を伴って電池の発煙、発火等の事故に繋がる危険性がより高いためである。
例えば、リチウム二次電池を例にとって説明すると、一般に、リチウム二次電池は、過充電状態になると、先ず電解液等の分解によりガスの発生が起こる。ガス発生が生じると、電池の破裂、漏液等に繋がるばかりでなく、この状態が続くことによって最終的に電池温度が上昇し、発煙、発火等の事故に繋がることさえもある。そのような観点から、これまでに過充電に対する種々の防止方法が提案されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
過充電防止策の具体的方法としては、電池外部に付属させた電子回路による制御方法、過充電時の電解液等の分解によって発生するガスを利用した安全弁による機械的電流遮断方法等が一般的な方法として知られている。しかしながら、このような方法においては、電池に電子回路や安全弁を搭載する必要上、電池コストが上昇したり、また電池の設計上の制約が生じたりするといった問題点があった。
【0005】
近年においては、ガスバリア層の両面に樹脂層を設けてなるラミネートフィルムのような軽量の外装材を用いて平板状ケースを構成し、この中に正極及び負極を有する電池要素を密閉するタイプの電池が、例えばリチウム二次電池において開発されている。このような電池は、外観上、外装材の周縁部同士が接合され、電池要素を被包している被包部と、該外装材の周縁部同士が接合されてなる接合片部とを有するが、外装材として軽量のフィルムを用いることができるので、従来の金属からなるケースに比べていくつか有利な点がある。即ち、電池をより軽量・小型化できるだけでなく、例えばリチウム二次電池において一般的な電子回路や安全弁を含む金属缶からなるケースを用いた場合に比べてケースの構成がより単純なので、コスト的にも有利になることも期待される。一方、このような電池においては、前述の電子回路による制御方法や安全弁による機械的電流遮断方法は、電池ケースの構成上特に困難であるという問題がある。
【0006】
一方、過充電防止策の具体的方法としては、電池の温度上昇によるセパレータの融解を利用したシャットダウンによる方法や、満充電時の正極電位より貴な電位に酸化電位を有する過充電防止剤を電解液に添加することにより、過充電状態で正極電位が上昇した際に有機添加剤の酸化反応を引き起こして過充電時の電池内暴走反応を抑制する方法も知られている。しかしながら、前者のセパレータによるシャットダウン方法は、過充電時の暴走反応が急激であるため、過充電保護として十分に機能させるのが困難なことがある。また、後者の方法においては、電池の充放電に直接関与するわけではない過充電防止剤を電解液に添加するために電池性能に悪影響を与えたり、或いは過充電時の過充電防止剤の酸化反応の結果ガスが発生し、この発生ガスによる使用機器の腐食や有機ガス等の有毒ガスの漏洩等が懸念される。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、過充電時の電池内暴走反応のトリガーは初期の電池の膨れにあること、この初期の膨れを最小限に食い止めるような構造のケースを用いるとガス発生を抑制することができること、及び、その結果過充電時のより安全性が向上すること、を見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち、本発明の要旨は、下記に存する。
(1) 正極、負極及び電解質を有する電池要素が、外装材からなるケース内に密閉されてなり、
該ケースは、電池要素を被包してなる被包部と、前記外装材の少なくとも一部の周縁部同士が接合されてなる接合片部とを有してなる二次電池において、
少なくとも一部の前記接合片部が 前記被包部に沿って折曲されて 接着剤によって前記被包部に固着されており、且つ、
下記固着強度試験を行なった場合に、前記折曲された前記接合片部が、前記被包部に対して45度以下の角度を維持できる程度の強度で固着されてなることを特徴とする二次電池。
固着強度試験
電池電圧が3Vにある電池を、上限電圧を10Vとした範囲で、1.8Cの電流で200分間充電し続ける。ただし、1Cは、電池電圧2.7Vから4.2V定電圧で電流値が0になるまで充電して得られた容量を1時間で放電するための電流値である。
(2) ケースは、側壁部及び上下底部を有し、少なくとも一部の接合片部が前記被包部の側壁部に沿って折曲されてなる(1)に記載の二次電池。
(3) 電池要素が、リチウム二次電池を含む(1)又は(2)に記載の二次電池。
(4) 前記少なくとも一部の接合片部が、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ホットメルト系接着剤または合成ゴム系接着剤の群から選ばれる接着剤によって側壁部に接合されている(1)〜(3)のいずれか1つに記載の二次電池。
(5) 外装材が合成樹脂層とガスバリア層とが積層されたラミネートフィルムよりなる(1)〜(4)のいずれか1つに記載の二次電池。
(6) 電解質が、非流動性電解質を有する(1)〜(5)のいずれか1つに記載の二次電池。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、正極と負極と非流動性電解質層とを有する平板状の単位電池要素を厚さ方向に複数個積層してなる電池要素を、フィルム状の外装材によって密閉収納されたリチウム二次電池を例として、本発明の実施態様につきを詳細に説明する。
図1は実施の形態に係る電池の分解斜視図、図2はこの電池の要部の断面図、図3は電池要素の概略的な斜視図、図4及び図5は電池の斜視図、図6はケースの断面図((a)は全体断面図、(b)は(a)のB部分の拡大断面図)、図7は電池が膨れる様子を示す模式的断面図である。なお、説明の便宜上、図1に記載の電池を上下逆向きにして、図4及び図5に示す。
【0010】
この電池は、電池要素1を外装材3の凹部に収容した後、電池要素1の端子部(タブ4a,4b)付近にエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の絶縁材料5を注入し、その後外装材2を外装材3に被せ、真空封止により外装材2、3の周縁部2a、3aを接合したものである。
図1の通り、外装材2は平板状である。外装材3は方形箱状の凹部よりなる収容部3bと、この収容部3bの4周縁からフランジ状に外方に張り出す周縁部3aとを有した浅い無蓋箱状のものである。
【0011】
図3の通り、電池要素1は、複数の単位電池要素を厚さ方向に積層したものである。この単位電池要素からは、タブ4a又は4bが引き出されている。正極からの各タブ4a同士は束ねられて(即ち、相互に重ね合わされ)、正極リード21が接合されて正極端子部が形成されている。負極からのタブ4b同士も束ねられ、負極リード21が接合されて負極端子部が形成されている。
【0012】
外装材3の収容部3b内に電池要素1が収容され、絶縁材料5がタブ4a、4b近傍に注入され、正極端子部及び負極端子部近傍の電池要素側面が絶縁材料で被覆された後、外装材2が被せられる。電池要素1から延出した1対のリード21は、それぞれ外装材2、3の1辺部の周縁部2a、3a同士の合わせ面を通って外部に引き出される。その後、減圧(好ましくは真空)雰囲気下で外装材2、3の4周縁の周縁部2a、3a同士が熱圧着、超音波溶着などの手法によって気密に接合され、電池要素1が外装材2、3内に封入される。その後、絶縁材料5は加熱等によって硬化処理に供され、絶縁材料5が端子部近傍で完全に固着する。完全に固着する前に外装材は封止されているので、固着時に電池の形状が変化することはほとんどない。
【0013】
周縁部2a、3a同士が接合されることにより、外装材2,3からなるケースが構成される。図4に示すとおり、このケースは、側壁部4B 1、上底部4B 2及び下底部(図示せず)によって電池要素1を被包してなる略直方体状の被包部4Bと、前記外装材の周縁部2a、3a同士が接合されてなる接合片部4A、4F、4Gとを有している。
【0014】
図4に記載の状態においては、上記接合片部4A、4F、4Gは、電池要素1を被包している被包部4Bの側壁部4B 1から外方に張り出している。そこで、図5に示すように、これらの接合片部のうち、接合片部4A、4Gを被包部4Bの側壁部4B 1に沿うように折曲し、接着剤によって被包部4Bの側壁部4B 1に固着する(固定する)。即ち、例えば、図6に示すように、接合片部4Aを、被包部4Bの側壁部4B 1に沿って折曲すると共に、これらを相互に接着剤51によって接着する。接着剤51としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ホットメルト系接着剤、合成ゴム系接着剤等各種のものを使用することができる。無論、複数の接着剤を併用することもできる。接合片部と側壁部との固着強度を制御するために、接着剤の選定に当たっては、接合片部及び側壁部の表面の材質、固着作業時の環境(湿度、温度等)等を考慮する必要があるが、好ましくは、硬化時間が短く、且つ、非水系電池の製造の際に用いられる露点の低い環境下においても容易に硬化するホットメルト系接着剤を使用する。
【0015】
このように、接合片部の少なくとも一部(接合片部4A、4G)は、側壁部4B 1に固着されるが、この際、これら接合片部は所定の固着強度で固着される。即ち、下記固着強度試験を行なった場合に、前記接合片部が、前記被包部に対して45度以下、好ましくは30度以下、さらに好ましくは20度以下、最も好ましくは10度以下の角度を維持できる程度の強度で固着される。
固着強度試験
電池電圧が3Vにある電池を、上限電圧を10Vとした範囲で、1.8Cの電流で200分間充電し続ける。ただし、1Cは、電池電圧2.7Vから4.2V定電圧で電流値が0になるまで充電して得られた容量を1時間で放電するための電流値である。
【0016】
一般に、上記のような条件に晒すと電池は膨れようとする。図7に示すように、電池が方向Pに膨れようとすると、その結果接合片部4Aは方向Q、即ち接合片部4Aが被包部4Bの側壁部4B 1から離れる方向に力が働く。本発明においては、接合片部4Aが側壁部4B 1から離れるのを防ぐように、これらを相互に固着するものである。なお、上記固着強度試験は、過充電条件下での試験である。即ち、本発明における重要な知見は、過充電時のガス発生のトリガーが意外にも初期の電池の膨れにあり、接合片部を側壁部に固着することにより、この初期の膨れを防止することができることを見出した点である。その結果、相対的により激しい過充電状態においても、より安全な電池を提供することができる。これは、過充電時の初期に発生する膨れを有効に防止することとなり、それ以降の電池の暴走反応を抑制しているものと推定される。
【0017】
なお、固着された部分における接合片部と被包部との角度は、接合片部の接着面を含む平面と被包部の接着面を含む平面とのなす角度(図6においては、S1とS2とのなす角度。この場合平行故0度)のことである。
以上の例においては、接合片部4A、4Gは、側壁部4B 1に接着剤によって固着されているが、固着の方法は接着剤を使用することに限定されない。例えば、接着テープを用いて接合片部を被包部に固着させることができる。
【0018】
また、上記の例においては、接合片部4A、4Gは側壁部4B 1に沿って1回だけ折曲されているが、例えば、図8に示すように、接合片部4Aを途中でさらにもう一回折曲して、接合片部4Aの先端を接合片部4Aと側壁部4B 1との間に介在させるようにしてもよい。このように、接合片部を複数回折曲することによって、接合片部の側面から空気等が侵入するのを防止したり、側壁部での機械的強度をさらに向上させたりすることができる。
【0019】
図1では、外装材2、3が別体となっているが、本発明では、図9のように外装材2、3が一連一体となっていても良い。図9では、外装材3の一辺と外装材2の一辺とが連なり、外装材2が外装材3に対し屈曲可能に連なる蓋状となっている。この外装材2、3が連なる一辺から、収容部3bの凹部が形成されており、この一辺においては接合片部が形成されていない以外は接合片部と同一の構成のものとなる。この図9の場合でも、接合片部4A、4Gは側壁部4B 1に接着剤によって固着される。
【0020】
図1、9では、収容部3bを有した外装材3と平板状の外装材2とが示されているが、本発明では図10のように、それぞれ浅箱状の収容部6b、7bと、該収容部6b、7bの4周縁から張り出す周縁部6a、7aとを有した外装材6、7によって電池要素1を被包してもよい。図10では、外装材6、7が一連体となっているが、前記図1と同様にこれらは別体となっていてもよい。
【0021】
図1、9、10の構成においては、電池要素の収容部が予め形成されているため、電池要素をよりコンパクトに収容でき、また収容自体も容易である。
上記の説明においては、電池要素を収容部に収容した後、端子部近傍に絶縁材料が注入されているが、この場合、周縁部の合わせ面や電池要素と外装材との間に絶縁材料が付着・流入して周縁部の接合を阻害したり、設計通りの電池形状にならなかったりすることがある。そこで、電池要素の端子部近傍に絶縁材料を供給した後に電池要素を収容部に収容することによって、上記の問題点を回避することができる。特に、図10の場合は、電池要素を収容後に絶縁材料を供給しても電池要素の略上半分には絶縁材料は供給できないので、この製造方法は好ましい。一方、この方法においては、絶縁材料が供給された状態のハンドリングが容易でない電池要素を運搬し、外装材に配置する必要があるので製造時の取り扱いに注意を要する。この点においては前者の方法が好ましいと言える。
【0022】
本発明では、図11のように1枚の平たいシート状の外装材8を中央辺8aに沿って2ツ折り状に折り返して第1片8Aと第2片8Bとの2片を形成し、これら第1片8Aと第2片8Bとの間に電池要素1を介在させ、図12の如く、第1片8Aと第2片8Bの周縁部8b同士を接合して電池要素1を封入してもよい。
この場合も、接合片部4A、4Gは、電池要素1を被包してなる被包部の側壁部4B 1に接着剤によって固着される。このように構成された電池にあっても、接合片部を被包部に沿わせて折曲し、さらに接着剤や接着テープで固定しているため、この場合も過充電の初期における電池要素のふくれを有効に防止でき、また電池の側面の強度、剛性が高い。もちろん、折曲された接合片部が被包部から離反することも防止される。また、電池の側面の強度、剛性が高いので、側面に衝撃を受けた場合でも、活物質に剥れが生じることが防止される。
【0023】
なお、以上の例においては、接合片部4A、4Gは、被包部4Bの側壁部4B 1に固着されているが、側壁部以外の部分に固着させることもできる。例えば、図17に示すように、1枚の外装材2を電池要素の周囲を巻回するようにリード21を引き出した状態で被包すると共に外装材の周縁を接合して、リードを引き出した部分に設けた接合片部4Fと、その対向辺に設けた接合片部4Gと、被包部の上面4Iに沿って設けた接合片部4Hを形成させた場合、この接合片部4Hと被包部上面4Iとを接着剤や接着テープで固着することもできる。
【0024】
以上の例においては、また、端子部(タブ4a、4b)近傍に絶縁材料5が充填されている。その結果、過充電の初期における電池要素のふくれを有効に防止でき、さらには短絡が防止される。
【0025】
絶縁材料5としては、合成樹脂が好適であり、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などが例示されるが、中でもエポキシ樹脂又はアクリル樹脂が硬化時間が短いので好適である。特に、アクリル樹脂は、電池性能に悪影響を及ぼす可能性が低いので最も好ましい。絶縁材料は、未硬化の流動性のある状態で端子部近傍に供給され、硬化によって完全に端子部近傍で固着する。また、図1においては、絶縁材料5は、正極端子部と負極端子部とのそれぞれ別個に供給されているが、過充電時の安全性をより高めるため、正極端子部から負極端子部に亘る電池要素の側面全体を被覆するのがより好ましい。
この端子部近傍の電池要素側面の被覆においては、特に、正極と負極との間にこれらよりも大きいスペーサを設け、このスペーサのはみ出し部同士を相互に固着するのがより好ましい。
【0026】
即ち、電池要素にあっては、例えば図16に示されるように、スペーサ13が正極11及び負極13から若干はみ出させてはみ出し部13aを形成し、正極11と負極13との短絡を防止している。このはみ出し部13a同士を絶縁材料で固着することにより、電池要素が積層方向に拘束されるため、過充電時であっても電池要素の膨れが防止され、電池の熱暴走が防止される。無論、絶縁材料は、電池要素の側面全体に亘って供給することができ、また好ましい。
【0027】
電池要素を収納する外装材は、形状可変性を有するものが好ましい。その結果、種々の形状の電池を作成しやすいばかりでなく、真空状態下で外装材を封止した場合に、電池要素の電極間の貼り合わせを強化する機能を付与することができ、その結果、サイクル特性などの電池特性を向上させることができる。外装材の厚さは、薄ければ薄いほど電池の体積エネルギー密度や重量エネルギー密度が大きくなるので好ましいばかりでなく、強度そのものが相対的に低いので本発明の効果が特に顕著となる。外装材の厚みは通常0.2mm以下、好ましくは0.15mm以下である。ただし、あまりに薄いのは強度不足が顕著になり、水分等も透過しやすくなるので、通常0.01mm以上、好ましくは0.02mm以上である。
【0028】
外装材の材料としては、アルミニウム、ニッケルメッキした鉄、銅等の金属、合成樹脂等を用いることができる。好ましくは、ガスバリア層と樹脂層とが設けられたラミネートフィルム、特に、ガスバリア層の両面に樹脂層が設けられたラミネートフィルムである。このようなラミネートフィルムは、高いガスバリア性を有すると共に、高い形状可変性と、薄さを有する。その結果、外装材の薄膜化・軽量化が可能となり、電池全体としての容量を向上させることができる。
【0029】
ラミネートフィルムに使用するガスバリア層の材料としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、チタン、モリブデン、金等の金属やステンレスやハステロイ等の合金、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の金属酸化物を使用することができる。好ましくは、軽量で加工性に優れるアルミニウムである。
樹脂層に使用する樹脂としては、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー類、熱硬化性樹脂、プラスチックアロイ等各種の合成樹脂を使うことができる。これらの樹脂にはフィラー等の充填材が混合されているものも含んでいる。
【0030】
具体的なラミネートフィルムの構成としては、図13(A)に示すように、ガスバリア層40と樹脂層41が積層されたものを使用することができる。また、さらに好ましいラミネートフィルムは、図13(B)に示すようにガスバリア層40の外側面に外側保護層として機能するための合成樹脂層41を設けると共に、内側面に電解質による腐蝕やガスバリア層と電池要素との接触を防止したりガスバリア層を保護するための内側保護層として機能する合成樹脂層42を積層した三層構造体としたものである。
【0031】
この場合、外側保護層に使用する樹脂は、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、アイオノマー、非晶性ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等耐薬品性や機械的強度に優れた樹脂が望ましい。
内側保護層としては、耐薬品性の合成樹脂が用いられ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を用いることができる。
【0032】
また、ラミネートフィルムは、図14に示すようにガスバリア層40と保護層形成用合成樹脂層41、耐蝕層形成用合成樹脂層42間にそれぞれ接着材層43を設けることもでき、また好ましい。さらにまた、外装材同士を接着するために、複合材の最内面に溶着可能なポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂からなる接着層を設けることもできる。これらの金属、合成樹脂あるいは複合材を用いてケースが形成される。ケースの成形はフィルム状体の周囲を融着して形成してもよく、シート状体を真空成形、圧空成形、プレス成形等によって絞り成形してもよい。また、合成樹脂を射出成形することによって成形することもできる。射出成形によるときは、ガスバリア層はスパッタリング等によって形成されるのが通常である。
【0033】
外装材に凹部よりなる収容部を予め設けるには絞り加工等によって行うことができる。
外装材は、加工が容易である点でフィルム状のものを使用するのが好ましい。
電池要素がケースに収納されてなるリチウム二次電池全体の厚さは、通常5mm以下、好ましくは4.5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。このような薄型のリチウム二次電池に対して本発明の効果は特に大きい。ただし、あまりに薄い電池は、容量が小さすぎたり、製造が困難だったりするので、通常0.5mm以上、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上である。
【0034】
正極、負極及び電解質を有する電池要素は、ケース内に収納される。電池要素は、正極、負極及び電解質層からなる積層体(単位電池要素)を巻回して巻回形状とし、これをケース内に収納することもでき、また、上記積層体(単位電池要素)をそのまま平板形状でケース内に収納することもできる。さらに、前記図2,3に記載のように、単位電池要素を厚さ方向に複数個積層して電池要素とすることもできる。以下に単位電池要素の好適な構成について説明する。
【0035】
図15は、このリチウム二次電池からなる単位電池要素の好適な一例を示すものである。この単位電池要素は、正極集電体22及び正極活物質層23からなる正極、スペーサ(電解質層)24、並びに、負極活物質層25及び負極集電体26からなる負極を積層したものである。リチウムデンドライトの析出を抑制するため、負極は正極よりも大きくされる。また、短絡を防止するため、スペーサ24は正極及び負極よりも大きくされる。スペーサを正負極よりも大きくすることによって、前述のように、単位電池要素のスペーサーのはみ出し部相互を固着することができる。
【0036】
この単位電池要素を複数個積層して電池要素とするのであるが、この積層に際しては、正極を上側とし負極を下側とした順姿勢(図15)の単位電池要素と、これとは逆に正極を下側とし負極を上側とした逆姿勢(図示略)の単位電池要素とを交互に積層する。即ち、積層方向に隣り合う単位電池要素は同極同士を(即ち、正極同士及び負極同士)が対面するように積層される。
【0037】
この単位電池要素の正極集電体22からは正極タブ4aが延設され、負極集電体26からは負極タブ4bが延設されている。
図15においては、正極集電体の片面、負極集電体の片面に、ぞれぞれ正極活物質層、負極活物質層が形成されているように記載しているが、無論、集電体の両面に活物質層を形成することができる。この場合、同じ集電体の互いに反対の面に形成された活物質層は、相互に、異なる単位電池要素の構成要素とすることができる。
【0038】
電極の平面形状は任意であり、四角形、円形、多角形等にすることができる。
図15の通り、集電体22、26には、通常、リード結合用のタブ4a、4bが連設される。電極が四角形であるときは、通常図3に示すように電極の一辺のサイド近傍に正極集電体より突出するタブ4aを形成し、また、負極集電体のタブ4bは他サイド近傍に形成する。
【0039】
複数の単位電池要素を積層するのは、電池の高容量化を図る上で有効であるが、この際、単位電池要素それぞれからのタブ4aとタブ4bの夫々は、通常、厚さ方向に結合されて正極と負極の端子部が形成される。その結果、大容量の電池要素1を得ることが可能となる。
タブ4a、4bには、図2に示すように、薄片状の金属からなるリード21が結合される。その結果、リード21と電池要素の正極及び負極とが電気的に結合される。タブ4a同士、4b同士の結合及びタブ4a、4bとリード21との結合はスポット溶接等の抵抗溶接、超音波溶着あるいはレーザ溶接によって行うことができる。
【0040】
本発明においては、上記正極リードと負極リードの少なくとも一方のリード21好ましくは両方のリードとして、焼鈍金属を使用するのが好ましい。その結果、強度のみならず折れ曲げ耐久性に優れた電池とすることができる。
リードに使用する金属の種類としては、一般的にアルミや銅、ニッケルやSUSなどを用いることができる。正極のリードとして好ましい材料はアルミニウムである。また、負極のリードとして好ましい材質は銅である。
【0041】
リード21の厚さは、通常1μm以上、好ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上、最も好ましくは40μm以上である。薄すぎると引張強度等リードの機械的強度が不十分になる傾向にある。また、リードの厚さは、通常1000μm以下、好ましくは500μm以下、さらに好ましくは100μm以下である。厚すぎると折り曲げ耐久性が悪化する傾向にあり、また、ケースによる電池要素の封止が困難になる傾向にある。リードに後述する焼鈍金属を使用することによる利点は、リードの厚さが厚いほど顕著である。
【0042】
リードの外部への露出長さは通常1mm以上50mm以下程度である。
前記のように、電池要素は、正極及び負極を電解質層を介して積層した積層体(単位電池要素)を巻回してなる巻回型電池であってもよいが、この場合も、正極と負極との間にはスペーサを介在させ、これを正負極よりも大きくするのが好ましい。いずれの場合においても、電池要素としては、リチウム二次電池を使用するのが好ましい。
【0043】
以下、リチウム二次電池に使用する材料について説明する。
電池要素は、通常正極と負極とそれらの間に存在する電解質層とを有する。正極及び負極は、通常、集電体とその上に設けられた活物質層とを含む。
正極集電体としては、アルミニウム、ニッケル、SUS等各種の金属を使用することができるが、好ましくはアルミニウムである。集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、また、通常30μm以下、好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。薄ければ薄いほど、体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の観点から好ましいが、あまりに薄いのは強度等の点でハンドリングが困難になりやすい。集電体は、通常の金属箔のような板状や、パンチングメタルのようなメッシュ状であってよい。集電体の表面は、必要に応じて粗面化処理しておくことができる。
【0044】
正極に用いことができる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物として無機化合物でも有機化合物でも使用できる。無機化合物としてはFe、Co、Ni、Mn、等の遷移金属の酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物等が挙げられる。具体的には、遷移金属酸化物としてMnO 2、V 25、V 613、TiO 2等を例示でき、リチウムと遷移金属との複合酸化物としてニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等を例示でき、遷移金属硫化物としてTiS 2、FeS等を例示できる。有機化合物としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が挙げられる。また、これらの任意の無機化合物、有機化合物を任意の量混合して正極活物質として用いる方法も好適に使用される。好ましくは、リチウムと遷移金属との複合酸化物、特に、マンガン、ニッケル及びコバルトからなる群から選ばれる少なくとも1種の遷移金属酸化物とリチウムとを含有する複合酸化物である。中でも、コバルトとリチウムとを含む複合酸化物やニッケルとリチウムとを含む複合酸化物が好ましい。正極活物質の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性の点で、通常1〜30μm、好ましくは1〜10μmである。
【0045】
負極集電体としては、銅、ニッケル、SUS等各種の金属を使用することができるが、好ましくは銅である。集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、また、通常30μm以下、好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。薄ければ薄いほど、体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の観点から好ましいが、あまりに薄いのは強度等の点でハンドリングが困難になりやすい。集電体は、通常の金属箔のような板状や、パンチングメタルのようなメッシュ状であってよい。集電体の表面は、必要に応じて粗面化処理しておくことができる。
【0046】
負極に使用できる活物質としては、リチウム金属の外、リチウムを吸蔵放出可能な各種の化合物を使用することができる。具体的には、リチウム金属;リチウム−アルミニウム合金、リチウム−ビスマス−カドミウム合金、リチウム−スズ−カドミウム合金等のリチウム合金;グラファイト、コークス等の炭素材料等を挙げることができる。また、珪素、スズ、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の酸化物や硫酸鉛を使用することもできる。リチウム金属やリチウム合金を用いると、充電の際にデンドライトが生成しやすく特に過充電時の安全性が低下する傾向にあるため、グラファイトやコークス等の炭素材料が好ましい。このような炭素材料は一般に疎水性が高いと考えられるので、負極活物質の粒径は、初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性の点で、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μmである。
【0047】
正極及び負極の活物質層は、通常上記活物質の外、バインダーを含有する。使用するバインダーとしては、電解液等に対して安定である必要があり、耐候性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等が望まれる。バインダーとしてはシリケート、ガラスのような無機化合物や、主として高分子からなる各種の樹脂が使用できる。樹脂としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリー1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用できる。また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これらの樹脂の分子量は、好ましくは10000−3000000、さらに好ましくは100000−1000000である。低すぎると活物質層の強度が低下し、高すぎると粘度が高くなり電極の形成が困難になる傾向にある。
【0048】
活物質100部に対するバインダーの配合量としては、好ましくは0.1−30部、さらに好ましくは1−20部である。バインダーの量が少なすぎると電極の強度が低下することがあり、多すぎるとイオン伝導度が低下する傾向にある。
活物質層中には必要に応じて導電材料、補強材など各種の機能を発現する粉体、充填材などを含有していても良い。導電材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のファイバー、箔などが挙げられる。炭素粉末導電性物質のDBP吸油量は120cc/100g以上が好ましく、特に150cc/100g以上が電解液を保持するという理由から好ましい。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0049】
電極は、活物質層を構成する材料を含有する塗料を集電体上に塗布・乾燥することによって製造することができる。また、その後、活物質層を圧密処理に供することもできる。塗料の組成や、乾燥条件、圧密条件等を制御することによって、活物質層中におけるバインダーの体積分率は、制御することができる。
必要に応じて、活物質層と集電体との間の接着性を向上させるため、これらの間にアンダーコートプライマ層を設けることができる。
【0050】
アンダーコートプライマー層を用いる場合、その組成としてはカーボンブラック、グラファイト、金属粉体などの導電性粒子を添加した樹脂や、導電性の有機共役系樹脂を例示できる。好ましくは導電性粒子に、活物質としても機能しうるカーボンブラック、グラファイトを使用するとよい。また樹脂としても、活物質として機能しうるポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物などを用いると、容量を減少させないため好ましい。導電性粒子を添加した樹脂を主成分とする組成の場合、導電性粒子に対する樹脂の割合は、1−300重量%とすることが好ましい。低すぎると塗膜強度が低下して、電池使用時、工程上での剥離などが生じることがある。高すぎると伝導度が低下して電池特性が低下する傾向にある。特に好ましくは、5−100重量%の範囲とすることが好ましい。アンダーコートプライマー層の膜厚は、通常0.05〜10μm、好ましくは0.1〜1μmである。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保しにくくなる。厚すぎると電池の体積容量を必要以上に損なう。
【0051】
電解質は、正極と負極との間の電解質層の構成成分として存在する。また、電解質は、通常イオン移動相として電極の活物質中にも存在する。
電解質としては、例えば電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質等各種の性状のものを用いることができる。一般に、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無機固体電解質等の非流動性電解質を使用すれば、電解質のケース外部への漏れをより有効に防止することが可能となる。特に、ケースとして形状可変性を有するものを使用した場合、電解質がケース外部に漏れやすい傾向にあるので、非流動性電解質を使用する効果が特に顕著である。
【0052】
一方、リチウム塩を非水系溶媒に溶解してなる電解液は、流動性が高く、一般に非流動性電解質に比べてイオン伝導性に優れる傾向にある。従って、電解液を含む電解質を使用するのは、イオン伝導性を向上させる点で好ましい。
電解質として使用する電解液は、通常支持電解質であるリチウム塩を非水系溶媒に溶解してなる。非水系溶媒としては、比較的高誘電率の溶媒が好適に用いられる。具体的にはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジフェニルエーテル等のエーテル類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル等のニトリル類等を挙げることができる。サイクル特性、レート特性、安全性等の電池特性上、好ましくは、環状カーボネート類及び/又はラクトン類である。
【0053】
本発明においては、電解液の溶媒として、好ましくは常圧における沸点が150℃以上の非水系溶媒(以下「高沸点溶媒」ということがある)を使用する。ここで、なお、「沸点がX℃以上」とは、圧力1atmのもとで室温からX℃まで加熱しても蒸気圧が1atmを越えないことを意味する。即ち、圧力1atmのもとで室温から150℃まで加熱した場合、常に蒸気圧が1atm以下である非水系溶媒を使用するのが好ましい。その結果、より高いサイクル特性を得ることができるたり電池の安全性を向上させることができる。例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン等の溶媒からなる低沸点溶媒を使用する場合、溶媒の気化により活物質と溶媒との間に気泡が発生して電解液の含浸状態の低下し、界面の不均一性が生じると共に、サイクル特性が低下しやすい傾向にある。また、高沸点溶媒を使用することによって、電池要素を形状可変性ケースに収納しても、高温下等での電池の形状変化(変形)、電解液の揮発、漏洩等を抑制することもできる。このような高沸点溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
【0054】
なお、非水系溶媒は、粘度が1mPa・s以上であることが好ましい。
電解質に使用する支持電解質であるリチウム塩としては、LiPF 6、LiAsF 6、LiSbF 6、LiBF 4、LiClO 4、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF 2、LiSCN、LiSO 3CF 2等を挙げることができる。これらのうちでは特にLiPF 6及びLiClO 4が好適である。これら支持電解質の電解液における含有量は、通常0.5〜2.5mol/lである。
【0055】
上記電解液とゲル形成用のポリマーとからゲル状電解質を構成することができる。ゲル状電解質は、通常、上記電解液をポリマーで保持してなる。ゲル状電解質は、電解液と同程度のイオン導電性を付与することできると共に、電解質を非流動化しているので、本発明においては、特に好ましい電解質である。
ゲル状電解質におけるポリマーの電解液に対する濃度は、使用するポリマーの分子量にもよるが、通常0.1〜30重量%である。濃度が低すぎるとゲルを形成しにくくなり、電解液の保持性が低下して流動、液漏れの問題が生じることがある。また濃度が高すぎると粘度が高くなりすぎて工程上困難を生じるとともに、電解液の割合が低下してイオン伝導度が低下しレート特性などの電池特性が低下する傾向にある。電解質を保持するポリマーとしては、ポリ(メタ)アクリレート系高分子や、アルキレンオキシドユニットを有するアルキレンオキシド系高分子、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等、電解液をゲル化できる機能を有する各種のポリマーを挙げることができる。
【0056】
ゲル状電解質を形成する方法としては、あらかじめポリマーを電解液に溶解させた電解質塗料を非流動化処理する方法や、電解液に重合性ゲル化剤を含有させた電解質塗料を架橋反応させて非流動性電解質とする方法など必要に応じた材料・製法を採用することができる。
ゲル状電解質の形成を、電解液に重合性ゲル化剤を含有させた塗料を架橋反応させる方法で行う場合には、紫外線硬化や熱硬化などの重合処理を施すことによって高分子を形成するモノマーとなる成分を重合性ゲル化剤として電解液に添加することにより塗料を調製する。
【0057】
重合性ゲル化剤としては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有するものが挙げられる。具体的には、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンアルコキシレートテトラアクリレートなどが例示できる、これらは複数種を併用することができる。これらの中で特に好ましくはエチレンオキシド基を複数含有するジアクリレート、トリアクリレートである。電解液中における重合性ゲル化剤の含有量は特に制限されないが、好ましくは1重量%以上である。含有量が低いと高分子の形成効率が低下し、電解液を非流動化しにくくなる。他方、あまりに多すぎると未反応モノマーの残留や電解質塗料としての操作性が悪くなるので、通常30重量%以下とする。
【0058】
ゲル状電解質を、あらかじめポリマーを含有した電解質塗料を非流動化する方法によって形成させる場合においては、ポリマーとして、高温で電解液に溶解し、常温でゲル状電解質を形成する高分子を使用するのが好ましい。即ち、高温で電解液に溶解したポリマーを常温にすることによってゲル状電解質とする。高温時の温度としては通常50〜200℃、好ましくは100〜160℃である。あまりにも低温で溶解するようであると、ゲル状電解質の安定性が低下する。溶解温度が高すぎると、電解液成分、ポリマー等の分解を引き起こすことがあり得る。非流動化の方法としては、電解液を室温で放置することが好ましいが、強制冷却することもできる。使用できるポリマーとしては、例えば、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー等が挙げられる。これらの中、好ましくはポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキシド、あるいはそれらの変性体を使用する。上記のポリマーの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体等を使用することもできる。
【0059】
これらのポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10,000〜5,000,000の範囲である。分子量が低いとゲルを形成しにくくなり、他方、あまり分子量が高いと粘度が高くなりすぎて取り扱いが難しくなる。
これらのゲル状電解質を形成する方法の中では、電解液に重合性ゲル化剤を含有させた電解質塗料を架橋反応させて非流動性電解質とする方法が、電極間の密着性が向上し、本発明の効果が特に顕著となるため好ましい。
【0060】
電解質中には、必要に応じて、電池の性能向上のために各種の添加剤を添加することができる。このような機能を発現させる添加剤としては、特に限定はされないが、トリフルオロプロピレンカーボネート、1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノナン−2,7−ジオン、12−クラウン−4−エーテル、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネート、無水コハク酸などが挙げられる。
【0061】
電解質層は、通常、多孔性シートからなるスペーサ中に電解質を含浸させてなる。スペーサは、正極と負極との間に設けられた多孔性の膜であり、これらを隔離すると共に、電解質層を支持する。スペーサの材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類や、これらの水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたポリオレフィン類、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド等の高分子を挙げることができる。好ましくは、ポリオレフィンやフッ素置換されたポリオレフィン類である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることができる。無論、上記ポリマーのモノマーユニットを含む共重合体や、ポリマーの混合物であってもよい。スペーサは、1軸延伸や2軸延伸によって形成された延伸フィルムであってもよく、また、不織布であってもよい。スペーサの膜厚は、通常100μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下、最も好ましくは20μm以下である。膜厚が大きすぎると電池のレート特性や体積エネルギー密度が低下する傾向にある。また、薄すぎる場合は、剛性不足によって切断が困難になる傾向にあり、また短絡が生じやすいので、通常5μm以上、好ましくは7μm以上、さらに好ましくは8μm以上である。スペーサの空隙率は、通常45−90%、好ましくは45−75%である。空隙率が大きすぎると機械的強度が不足し、小さすぎると電池のレート特性等が低下する傾向にある。
【0062】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更し実施することができる。なお組成中の部は、重量部を示す。
正極製造例1
コバルト酸リチウム90部、アセチレンブラック5部、ポリフッ化ビニリデン5部及びN−メチル−2−ピロリドン80部を混練機により2時間混練し正極塗料1とした。
【0063】
次に、正極塗料1を20μm厚のアルミニウム集電体基材上に、エクストルージョン型のダイコーティングによって塗布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体上に結着された多孔質膜からなる活物質層を形成させた。ついで、ロールプレス(カレンダー)を用いて圧密後、切断し、正極1とした。
負極製造例
グラファイト(粒径15μm)90部、ポリフッ化ビニリデン10部及びN−メチル−2−ピロリドン100部を、混練機により2時間混練し負極塗料1とした。
【0064】
次に、負極塗料1を20μm厚の銅集電体基材上にエクストルージョン型のダイコーティングによって塗布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体上に結着された多孔質膜からなる活物質層を形成させた。ついで、ロールプレス(カレンダー)を用いて圧密後、切断し、負極1とした。
電解質塗料作成例1
1M濃度のLiPF 6を含有する、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びフェニルエーテルの混合液(体積比率;エチレンカーボネート:プロピレンカーボネート:フェニルエーテル=7.3:7.3:1)925部、テトラエチレングルコールジアクリレート44部、ポリエチレンオキシドトリアクリレート22部、重合開始剤2部及び添加剤(無水コハク酸)9部を混合攪拌溶解し、電解質塗料1とした。
実施例1
正極1、負極1に電解質塗料1を塗布し、別に電解質塗料1に浸したポリエチレン製多孔質フィルムを間に挟んで積層した後、90℃で10分加熱することにより電解質を非流動化して、図9に示すような、正極、負極、及び非流動化性電解質を有する平板状の単位電池要素を作成した。
【0065】
得られた単位電池要素を積層後、正極同士ならびに負極同士の端子部を束ね、それぞれの端子部に電流を取り出すリードを接続した。その後、アルミニウム層の両面に樹脂層を有する厚さ約100μmのラミネートフィルムを対向成形した図9のような外装材に収容後、テトラエチレングルコールジアクリレート133部、ポリエチレンオキシドトリアクリレート67部、重合開始剤1部からなる絶縁材料を、正極端子部及び負極端子部付近に適量注入して、正極端子部から負極端子部に亘る電池要素側面全体を被覆した。ラミネートフィルムを真空シールで封入後、リードを取り出した辺を除く接合片部(図5において、接合片部4Aに相当)を被包部に沿うように折曲した。その後、電池を90℃で3分間加熱して、絶縁材料による端子部の固着を行った。折曲された接合片部は被包部の側壁部 市販のエポキシ系接着剤で充分に接着した。このように作成した平板状電池Aの電池容量は650mAhであった。
【0066】
平板状電池Aに対して固着強度試験を行なった。
即ち、0.65Aの定電流で、公称使用電圧間の充放電を3サイクル行った。放電状態の電池の厚みは3.9mm(電池要素の総厚みは3.7mm)であった。次に上限電圧を10Vに設定し、電池を3V状態から1.8C(1.17A)の定電流で200分間充電し続けた。その結果、被包部に固着した接合片部は、試験後においても全く剥離せず、側壁に対して0度を維持していた。また、試験後の電池の厚みは5.9mm(電池要素の総厚みは5.7mm)であった。さらに、試験時にガスの遺漏はなく、電池表面の最高温度は108℃であった。また、試験後の電池には、ガスによる電池の膨れは全く観測されなかった。試験後の電池を加圧しても外装材の破れによるガスの遺漏は観測されなかった。
【0067】
続いて、平板状電池Aを用いて、上限電圧を10Vに設定し、電池を放電状態から1.95Aの定電流で120分間或いは3Aの定電流で80分間充電し続けて過充電を行なった結果、電池表面の最高温度はそれぞれ、136℃、165℃となり、過充電状態での電池の発煙、発火は観測されず、上記の平板状電池Aは高電流下での過充電に耐えうる安全性の高い電池であることが判った。
比較例1
折曲された接合片部を被包部の側面に固着させなかったこと以外は実施例1と同様にして平板電池Bを作成し、固着強度試験を行った。平板状電池Bの公称容量は650mAhであった。
【0068】
固着強度試験の結果、接合片部は、側壁部に対して約90度に開いていた。試験時にはガスの漏洩は全く観測されなかったが、試験後の電池の厚みは9.2mm(電極の厚みは5.7mm)であり、大量のガスの発生が観測された。なお、過充電時の電池表面の最高温度は113℃であった。試験後に電池に圧力を加えると外装材の破れ、ガスの漏洩が観測された。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、過充電時の安全性にかかわる固有の問題を解明し、過充電時の電池の膨れを抑制することにより、過充電時の使用機器の損傷ならびに発生ガスによる使用機器の腐食や有機ガス等の有毒ガスの漏洩を防止すると共に電池の安全性を向上させた二次電池を提供することができる。従って、本質安全機能を有する二次電池が実現し、仮に他の過充電対策を施さなくても相対的により安全な二次電池とすることができる。また、他の過充電対策と併用することによってより安全なリチウム二次電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る電池の分解斜視図である。
【図2】実施の形態に係る電池の要部の断面図である。
【図3】実施の形態に係る電池の電池要素を示す斜視図である。
【図4】実施の形態に係る電池の斜視図(接合片部の固着前)である。
【図5】実施の形態に係る電池の斜視図(接合片部の固着後)である。
【図6】実施の形態に係るケースの断面図である。
【図7】電池が膨れる様子を示す模式的断面図である。
【図8】別の実施の形態に係るケースの断面図である。
【図9】別の実施の形態に係る電池の製造途中の斜視図である。
【図10】さらに別の実施の形態に係る電池の製造途中の斜視図である。
【図11】さらに異なる実施の形態に係る電池の製造途中の斜視図である。
【図12】図11の製造途中の平面図である。
【図13】(A),(B)図はそれぞれ外装材を構成する複合材の一例を示す縦断面図である。
【図14】外装材を構成する複合材の他の例を示す縦断面図である
【図15】単位電池要素の一例の模式的な断面図である。
【図16】電池要素のタブ部分の拡大断面図である。
【図17】別の実施形態に係る電池の斜視図である。
【符号の説明】
1 電池要素
2、3、6、7、8 外装材
4a、4b タブ
4A、4F、4G 接合片部
4B 被包部
5 絶縁材料
11 正極
11a 正極活物質
12 負極
12b 負極活物質
13 非流動性電解質層
15a 正極集電体
15b 負極集電体
21 リード
22 正極集電体
23 正極活物質
24 スペーサ(電解質層)
25 負極活物質
26 負極集電体
40 金属層
41、42 合成樹脂層
43 接着剤層

Claims

[1]
正極、負極及び電解質を有する電池要素が、外装材からなるケース内に密閉されてなり、
該ケースは、電池要素を被包してなる被包部と、前記外装材の少なくとも一部の周縁部同士が接合されてなる接合片部とを有してなる二次電池において、
少なくとも一部の前記接合片部が 前記被包部に沿って折曲されて 接着剤によって前記被包部に固着されており、且つ、
下記固着強度試験を行なった場合に、前記折曲された前記接合片部が、前記被包部に対して45度以下の角度を維持できる程度の強度で固着されてなることを特徴とする二次電池。
固着強度試験
電池電圧が3Vにある電池を、上限電圧を10Vとした範囲で、1.8Cの電流で200分間充電し続ける。ただし、1Cは、電池電圧2.7Vから4.2V定電圧で電流値が0になるまで充電して得られた容量を1時間で放電するための電流値である。
[2]
ケースは、側壁部及び上下底部を有し、少なくとも一部の接合片部が前記被包部の側壁部に沿って折曲されてなる請求項1に記載の二次電池。
[3]
電池要素が、リチウム二次電池を含む請求項1又は2に記載の二次電池。
[4]
前記少なくとも一部の接合片部が、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ホットメルト系接着剤または合成ゴム系接着剤の群から選ばれる接着剤によって側壁部に接合されている請求項1乃至3のいずれか1つに記載の二次電池。
[5]
外装材が合成樹脂層とガスバリア層とが積層されたラミネートフィルムよりなる請求項1乃至4のいずれか1つに記載の二次電池。
[6]
電解質が、非流動性電解質を有する請求項1乃至5のいずれか1つに記載の二次電池。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5]

[ Fig. 6]

[ Fig. 7]

[ Fig. 8]

[ Fig. 9]

[ Fig. 10]

[ Fig. 11]

[ Fig. 12]

[ Fig. 13]

[ Fig. 14]

[ Fig. 15]

[ Fig. 16]

[ Fig. 17]