国際・国内特許データベース検索
このアプリケーションの一部のコンテンツは現在ご利用になれません。
この状況が続く場合は、次のお問い合わせ先までご連絡ください。フィードバック & お問い合わせ
1. (JP2006112348) 内燃機関の排気浄化システム。
Document

Description

Title of Invention 内燃機関の排気浄化システム。 20070905 F01N 3/08 − 3/36 B01D 53/86 − 53/94 特開2003−41929(JP,A) 特開2002−115532(JP,A) 特開2002−213286(JP,A) 2006112348 20060427 20051006 亀田 貴志

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005  

Disclosure of Invention

Technical Problem

0006  

Technical Solution

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036  

Advantageous Effects

0037  

Best Mode for Carrying out the Invention

0038  

Mode for the Invention 1

0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095  

Mode for the Invention 2

0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103  

Mode for the Invention 3

0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118  

Brief Description of Drawings

0119   0120  

Claims

1   2   3   4   5   6   7  

Drawings

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10    

Description

内燃機関の排気浄化システム。

20070905 F01N 3/08 − 3/36 B01D 53/86 − 53/94 patcit 1 : 特開2003−41929(JP,A)
patcit 2 : 特開2002−115532(JP,A)
patcit 3 : 特開2002−213286(JP,A)
2006112348 20060427 20051006 亀田 貴志

Technical Field

[0001]
本発明は内燃機関の排気浄化システムに関する。

Background Art

[0002]
内燃機関の排気ガス中には、通常有害なNOxなどが含まれている。このため、排気中
のNOxを浄化するために、内燃機関の排気系にNOx触媒を設けることが行われている。ここで、例えば吸蔵還元型NOx触媒の場合には、吸蔵されたNOxの量が増加すると浄化性能が悪化する。それに対し、吸蔵還元型NOx触媒に還元剤としての燃料を供給し、同
触媒に吸蔵されたNOxを還元放出するようにしている(以下、「NOx還元処理」という。)。さらに、吸蔵還元型NOx触媒に排気中のSOxが吸蔵されることにより、浄化性能が劣化するいわゆるSOx被毒が発生することが知られており、このSOx被毒を解消するために、吸蔵還元型NOx触媒に還元剤としての燃料を供給する場合もある(以下、「SOx被毒回復処理」という。)。
[0003]
ここで、上記した吸蔵還元型NOx触媒に還元剤としての燃料を供給する際に、吸蔵還
元型NOx触媒に導入される排気の排気流量が適当でない場合には、供給された燃料の一
部が充分に前記吸蔵還元型NOx触媒における酸化反応に用いられないことがある。そう
するとNOx還元処理やSOx被毒回復処理が充分に行われなかったり、燃費が悪化したりする場合がある。
[0004]
これに対し、NOx触媒内の蓄積NOx量を減少させるべきときには、NOx触媒内を流
通する排気ガスの量を減少させると共に、予め定められた経過時間だけ経過したときに還元剤を供給する技術が提案されている。さらに、還元剤が供給されたときにNOx触媒か
ら排出された排気ガス中の酸素濃度を酸素濃度センサにより検出し、酸素濃度に生じたピークの値が目標値に一致するように、前記経過時間を補正することで高い浄化率を得る技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
[0005]
しかし、上記の記述においても、添加燃料の分散性が悪く、添加燃料がNOx触媒のう
ちの一部分に偏ることが考えられる。この傾向は、NOx触媒自体の長さが長い場合や、
複数のNOx触媒を直列に配置した場合においては、より顕著となる。そして、このよう
な場合、NOx触媒の下流の排気ガスの状態量だけで添加時期を制御しても、添加燃料の
NOx触媒内での分散性を向上させるには限界があり、NOx触媒の全体に亘って充分にNOx還元処理を行うことに対しては、改良の余地を残していた。
patcit 1 : 特開2004-52603号公報
patcit 2 : 特開平10−121944号公報
patcit 3 : 特開2000−230420号公報
patcit 4 : 特開2003−214150号公報

Disclosure of Invention

Technical Problem

[0006]
本発明の目的とするところは、吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の量を低減させる
とともに前記NOx触媒に還元剤を供給することによって前記NOx触媒に吸蔵されたNOxを還元する内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記NOx触媒内における還元剤の分散の仕方を制御することにより、より確実にNOx還元処理を行うことができる技術を提
供することである。

Technical Solution

[0007]
上記目的を達成するための本発明は、吸蔵還元型NOx触媒の上流と下流に空燃比検出
手段を配置し、前記NOx触媒に流入する排気の量を低減させるとともに前記排気中に還
元剤が添加された後の所定期間における、前記NOx触媒の上流に配置された空燃比検出
手段により検出された空燃比と下流に配置された空燃比検出手段により検出された空燃比との差が所定の目標値になるように、前記還元剤の添加時期を変更することを最大の特徴とする。
[0008]
より詳しくは、内燃機関の排気通路に配置され、排気中のNOxを浄化する吸蔵還元型
NOx触媒と、
前記排気通路における前記吸蔵還元型NOx触媒の上流側に配置され、排気中に還元剤
を添加する還元剤添加手段と、
前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の量を低減する排気量低減手段と、
を備え、
少なくとも前記排気量低減手段により前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気量を低
減している間に前記還元剤添加手段が排気中に還元剤を添加することにより前記吸蔵還元型NOx触媒におけるNOxの還元処理を行う内燃機関の排気浄化システムにおいて、
前記排気通路における前記吸蔵還元型NOx触媒の上流で且つ前記還元剤添加手段の下
流に配置され、排気の空燃比を検出する上流側空燃比検出手段と、
前記排気通路における前記吸蔵還元型NOx触媒の下流に配置され、排気の空燃比を検
出する下流側空燃比検出手段と、をさらに備え、
前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間における、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が所定の目標値となるように、前記還元剤添加手段による還元剤の添加時期を変更することを特徴とする。
[0009]
ここで、前述のように、吸蔵還元型NOx触媒の上流と下流に空燃比検出手段を配置し
、前記NOx触媒に流入する排気の量を排気量低減手段によって低減させるとともに該排
気に還元剤を添加して前記NOx触媒のNOx還元処理を実施する場合、前記NOx触媒に
流入する排気の量は、前記排気量低減手段の作動とともに低減する。そして、排気の量が低減している期間中、還元剤添加手段によって添加された還元剤は、前記NOx触媒中に
分散し、その分散位置近傍におけるNOxを還元する。
[0010]
そして、NOx触媒に流入する排気の量が低減している際に、前記還元剤添加手段から
添加された還元剤が、前記NOx触媒中の上流側の部分または下流側の部分に偏って分散
している場合には、NOx触媒に流入する排気の量が低減している間の、前記NOx触媒の上流と下流における空燃比の差が大きくなる。例えば、前記還元剤が前記NOx触媒中の
上流側の部分に偏って分散している場合には、前記NOx触媒の上流における空燃比が低
くなり、下流における空燃比は高くなる。逆に、前記還元剤が前記NOx触媒中の下流側
の部分に偏って分散している場合には、前記NOx触媒の下流における空燃比が低くなり
、上流における空燃比は高くなる。
[0011]
そこで、本発明においては、吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の量を低減させると
ともに、前記還元剤添加手段によって前記排気に還元剤を添加して前記NOx触媒のNOx還元処理を実施する場合に、前記NOx触媒の上流で且つ前記還元剤添加手段の下流に配
置された上流側空燃比検出手段と、前記排気通路における前記NOx触媒の下流に配置さ
れた下流側空燃比検出手段と、を備えるようにし、前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間における、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が所定の目標値となるように、前記還元剤添加手段による還元剤の添加時期を変更することとした。
[0012]
そうすれば、前記排気量低減手段によって前記NOx触媒に流入する排気の量が低減さ
れている期間中において、還元剤添加手段から添加された還元剤の分散の仕方を適宜変更することができる。その結果、前記NOx触媒におけるNOxをより効率よく還元できるように還元剤を分散させることができ、前記NOx触媒におけるNOx還元処理をより確実に行うことができる。
[0013]
例えば、上記における所定の目標値を零にすることにより、前記NOx触媒に流入する
排気の量が低減されている期間中において、還元剤を前記NOx触媒の中央部を中心に略
均一に分散させることができる。そうすれば、前記NOx触媒の全体においてNOx還元処理をより確実に行うことができる。
[0014]
また、本発明においては、前記排気に前記吸蔵還元型NOx触媒をバイパスさせるバイ
パス通路をさらに備え、
前記排気量低減手段は、前記バイパス通路を通過する排気の量を制御することによって前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の量を低減するバルブであり、
前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間は、前記バルブにより前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気量が略最小にされた流れ停止期間であるようにして
もよい。
[0015]
すなわち、前記排気に前記吸蔵還元型NOx触媒をバイパスさせるバイパス通路をさら
に備え、前記排気量低減手段を前記バイパス通路を通過する排気の量を制御することによって前記NOx触媒に流入する排気の量を低減するバルブとすれば、バルブの開閉という簡単な制御によって、前記NOx触媒に流入する排気の量を低減させることができる。そして、前記バルブによって、前記内燃機関の排気の略全部に、前記NOx触媒をバイパスさせて、前記バイパス通路を通過させることにより、前記NOx触媒に流入する排気の量を略零にすることができる。
[0016]
こうすれば、前記NOx触媒に流入する排気の量を低減した際に、前記還元剤添加手段
により添加された還元剤のNOx触媒における分布をより容易に制御することができる。
なお、ここで前記バルブによって、前記NOx触媒に流入する排気の量を低減する場合、
上述のように前記NOx触媒に流入する排気の量は略零にすることが望ましい。そうすれ
ば、前記NOx触媒に流入する排気の量を低減した際に、前記還元剤添加手段により添加
された還元剤をNOx触媒中において略静止させることができるからである。しかし、必
ずしも略零にする必要はなく、前記バルブの性能の範囲において、前記NOx触媒に流入
する排気の量を略最小にすればよい。以下においては、略最小とは略零と同義として説明を行う。
[0017]
また、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が所定の目標値となるように、前記還元剤添加手段による還元剤の添加時期を変更する制御において、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値を検出する前記所定期間を、前記バルブにより前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気量が略
最小にされた流れ停止期間とすることにより、前記上流側空燃比検出手段及び、前記下流側空燃比検出手段により空燃比を検出する際の、両検出手段近傍における空燃比の変動を抑制することができ、それぞれの空燃比検出手段における検出精度を向上させることができる。また、その期間中は、前記還元剤添加手段から添加された還元剤の移動速度が略最小になるので、NOx還元処理に最も影響を及ぼす期間における空燃比を検出でき、結果
として、NOx還元処理に最も影響を及ぼす期間における還元剤の分散を制御することが
できる。
[0018]
ここで、前記流れ停止期間は、具体的には前記バルブを全閉状態にすることにより、前記NOx触媒に流入する排気量が略最小(前記バルブからの漏れを除いて略零)になった
期間としてもよい。また、上記のバイパス通路は、単に前記排気通路における前記NOx
触媒を上流側と下流側とを連通させる排気管であってもよいし、その途中には、吸蔵還元型NOx触媒などの第2のNOx触媒を備えるようにしてもよい。後者の場合は、前記NOx触媒のNOx還元処理を行う場合にはバイパス通路を通過する排気の量を増加させて前記第2のNOx触媒によって排気中のNOxを浄化し、前記第2のNOx触媒のNOx還元処理を行う場合には、バイパス通路を通過する排気の量を減少させて前記NOx触媒によって
排気中のNOxを浄化するようにしてもよい。
[0019]
また、本発明においては、前記上流側空燃比検出手段により検出された前記排気の空燃比における変化が所定変化量以下であることをもって、前記流れ停止期間であると判断するようにしてもよい。
[0020]
ここで、前記バルブによって前記NOx触媒に流入する排気量の低減が開始された後、
前記還元剤添加手段から添加された還元剤は、前記上流側空燃比検出手段の近傍を通過する。そしてその後、前記還元剤がさらに下流側に移動し、前記NOx触媒近傍に到達した
時点で、前記NOx触媒に流入する排気の量が略零になり、還元剤がその位置において略
静止する。換言すると、基本的には、前記還元剤添加手段から添加された還元剤が前記NOx触媒中に到達した時点で前記NOx触媒に流入する排気の量が略零になるように、バルブの動作速度と、前記還元剤添加手段からの還元剤の添加時期との関係が予め設定されている。
[0021]
このような動作中においては、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比は、前記還元剤が前記上流側空燃比検出手段の近傍を通過する際には、一旦急激に低くなり、前記還元剤が前記NOx触媒に到達した際には、再度高くなる。そしてその後、前記NOx触媒に流入する排気の量が略零になることにより安定する。すなわち、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比における変化と、前記NOx触媒に流入する排気の量と
の間には高い相関がある。
[0022]
従って、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比における変化が、所定変化量以下となったことをもって、前記NOx触媒に流入する排気還元剤の量が略零になる時
期、すなわち流れ停止時期と判断してもよい。そうすれば、前記NOx触媒に流入する排
気の量を直接検出する手段を備える必要がなく、平易な方法によって流れ停止時期の始期の検出を行うことができる。
[0023]
また、この際、前記上流側空燃比検出手段により検出された前記排気の空燃比における変化の値が所定変化量以下となり、且つ前記上流側空燃比検出手段により検出された前記排気の空燃比の値が所定空燃比以下となったことをもって、前記流れ停止期間であると判断するようにしてもよい。すなわち、前記上流側空燃比検出手段により検出された前記排気の空燃比における変化の値が所定変化量以下となる場合のみをもって、流れ停止時期と判断した場合、前記還元剤添加手段から添加された還元剤が前記上流側空燃比検出手段の近傍を通過する前の時期をもって、流れ停止時期と判断してしまう危険性がある。それに対し、前記還元剤添加手段から還元剤が添加された前後においては、前記上流側空燃比検出手段によって検出される空燃比の値は全く異なることが分かっている。
[0024]
従って、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比における変化とともに、空燃比の絶対値も考慮したうえで、流れ停止期間を判断することにより、さらに正確に流れ停止期間を判断することができる。
[0025]
なお、最も簡単には、前記排気量低減手段の作動か開始してから、前記NOx触媒に流
入する排気の量が略零になるまでの時間を予め実験的に求めておき、前記排気量低減手段の作動か開始してから、前記実験的に求められた時間が経過したことをもって流れ停止期間を判断してもよい。
[0026]
また、本発明においては、前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間において、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が略前記目標値となった際の、前記上流側空燃比検出手段によって検出された空燃比の値及び前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値が、所定の目標空燃比となるように、前記還元剤添加手段による還元剤の添加量を変更するようにしてもよい。
[0027]
ここで、上述したように、前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間における、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が所定の目標値となるように、前記還元剤添加手段による還元剤添加時期を変更することにより、前記NOx触媒における前記還元剤
の分散の仕方を制御することができる。例えば、前記目標値を零と設定することにより、前記NOx触媒における前記還元剤を中央に偏りなく分散させることができる。しかし、
この場合でも、前記上流側空燃比検出手段によって検出された空燃比の値及び前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値が、NOx還元処理において目標とされる空
燃比の値から外れている場合がある。
[0028]
このような場合には、前記NOx触媒におけるNOxを充分に還元することが困難となる危険性がある。そして、このようなことが起こる原因としては、前記還元剤添加手段から添加された還元剤の量が設定値から外れている場合が考えられる。あるいは設定値自体が適当でない場合も考えられる。
[0029]
そこで、本発明においては、前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間において、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が略前記所定の目標値となった際の、前記上流側空燃比検出手段によって検出された空燃比の値及び前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値が、所定の目標空燃比となるように、前記還元剤添加手段による還元剤の添加量を変更するようにした。
[0030]
こうすれば、前記NOx触媒に流入する排気の量が低減された期間において、NOx触媒中に分散する還元剤の分布の偏りを適宜制御できるとともに、該還元剤の量を、NOx還
元処理に最適な値に、より確実に制御することができる。従って、より確実に前記NOx
触媒のNOx還元処理を行うことができる。
[0031]
また上述のように、前記上流側空燃比検出手段によって検出された空燃比の値及び前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値が、NOx還元処理において目標とさ
れる空燃比の値から外れてしまう他の原因として、前記還元剤添加手段から添加された還元剤の量は適当であるものの、前記還元剤添加手段から添加された還元剤が、前記NOx
触媒の中央部に過度に集中して分散している場合が考えられる。このような場合には、前記還元剤添加手段から添加される還元剤の量そのものは増加させずに、前記還元剤添加手段から添加される還元剤の添加回数を増加させ、あるいは前記還元剤添加手段から添加される還元剤の添加率を減少させて還元剤を添加するようにしてもよい。こうすれば、より少量の還元剤を長い時間をかけて添加することにより、必要量の還元剤を添加することができるので、前記NOx触媒全体において還元剤をより均一に分散させることができ、前
記NOx触媒の全体において、NOx還元処理を良好に行うことができる。
[0032]
また、本発明においては、前記吸蔵還元型NOx触媒は、前記排気通路において直列に
複数個配置され、
前記上流側空燃比検出手段は前記複数の吸蔵還元型NOx触媒の上流に配置され、
前記下流側空燃比検出手段は前記複数の吸蔵還元型NOx触媒の下流に配置され、
NOx還元処理の際に、前記複数の吸蔵還元型NOx触媒のうちの各触媒において要求される還元剤量に応じて前記所定の目標値を設定するようにしてもよい。
[0033]
ここで、前述のように、前記還元剤が前記NOx触媒中の上流側の部分に偏って分散し
ている場合には、前記NOx触媒の上流における空燃比が低くなり、下流における空燃比
は高くなる。逆に、前記還元剤が前記NOx触媒中の下流側の部分に偏って分散している
場合には、前記NOx触媒の下流における空燃比が低くなり、上流における空燃比は高く
なる。逆に言うと、前記NOx触媒に流入する排気の量を低減している期間中において、
前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が所望の値となるように、前記還元剤添加手段から添加される還元剤の添加時期を変更することにより、前記NOx触媒における前記還元剤の分
散の仕方を変化させることができる。
[0034]
この原理を利用して、本発明においては、排気通路に複数個配置された吸蔵還元型NOx触媒に対してNOx還元処理を行う場合に、前記複数の吸蔵還元型NOx触媒のうちの各
触媒において要求される還元剤量に応じて前記所定の目標値を変更するようにした。例えば、上流側の前記NOx触媒において要求される還元剤量が下流側の前記NOx触媒において要求される還元剤量よりも多い場合には、流れ停止期間における前記還元剤の分散の中心が上流側になるように所定の目標値を変更する。逆に、下流側の前記NOx触媒におい
て要求される還元剤量が上流側の前記NOx触媒において要求される還元剤量よりも多い
場合には、流れ停止期間における前記還元剤の分散の中心が下流側になるように所定の目標値を変更する。
[0035]
こうすれば、排気通路に複数のNOx触媒を備えた場合において、各NOx触媒がNOx
還元処理において要求する還元剤量が異なる場合にも、複数のNOx触媒の全体について
良好にNOx還元処理を行うことができる。また、同様の制御を行うことにより、排気通
路に1個の長いNOx触媒を備えた場合に、NOx還元処理において、該NOx触媒の各部
分が要求する還元剤量が異なる場合にも、NOx触媒全体に対して良好にNOx還元処理を行うことができる。
[0036]
なお、本発明における課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することができる。

Advantageous Effects

[0037]
本発明にあっては、吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の量を低減させるとともにN
Ox触媒に還元剤を供給することによって前記NOx触媒に吸蔵されたNOxを還元する内
燃機関の排気浄化システムにおいて、前記NOx触媒内における還元剤の分散の仕方を制
御することができ、より確実にNOx還元処理を行うことができる。

Best Mode for Carrying out the Invention

[0038]
以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。

Mode for the Invention 1

[0039]
図1は、本実施例に係る内燃機関と、その排気系及び制御系の概略構成を示す図である
。なお、図1においては、内燃機関1の内部及びその吸気系は省略されている。
[0040]
図1において、内燃機関1には、内燃機関1からの排気が流通する排気管5が接続され、この排気管5は下流にて図示しないマフラーに接続されている。また、排気管5は、途中で第1分岐通路10a、第2分岐通路10bに分岐されており、この第1分岐通路10a及び第2分岐通路10bは下流において合流している。そして、第1分岐通路10aには、排気中のNOxを吸蔵還元する第1NOx触媒11aが設けられており、第2分岐通路10bには、同じく第2NOx触媒11bが設けられている。
[0041]
また、第1分岐通路10aにおける、第1NOx触媒11aの上流には、第1分岐通路
10aを通過する排気の量を制御する第1弁12aが備えられている。同様に、第2分岐通路10bにおける、第2NOx触媒11bの上流には、第2弁12bが備えられている
。なお、上記の第1弁12a及び第2弁12bは、本実施例における排気量低減手段に相当する。
[0042]
また、図1中、第1分岐通路10aにおける第1弁12aと第1NOx触媒11aの間
には、第1NOx触媒11aのNOx還元処理の際に、還元剤としての燃料を排気に添加する第1燃料添加弁13a及び、第1NOx触媒11aの上流における排気の空燃比を検出
する第1上流側空燃比センサ14aが上流側から並べて備えられている。同様に、第2分岐通路10bにおける第2弁12bと第2NOx触媒11bの間には、第2燃料添加弁1
3b及び第2上流側空燃比センサ14aが上流側から並べて備えられている。
[0043]
さらに、第1分岐通路10aにおける第1NOx触媒11aの下流には、第1NOx触媒11aの下流における排気の空燃比を検出する第1下流側空燃比センサ15aが備えられている。同様に、第2分岐通路10bにおける第2NOx触媒11bの下流には、第2N
Ox触媒11bの下流における排気の空燃比を検出する第2下流側空燃比センサ15bが
備えられている。なお、上記の第1上流側空燃比センサ14a及び第2上流側空燃比センサ14bは、それぞれ本実施例における上流側空燃比検出手段を構成する。また、第1下流側空燃比センサ15a及び第2下流側空燃比センサ15bは、それぞれ本実施例における下流側空燃比検出手段を構成する。また、第1還元剤添加弁13a及び第2還元剤添加弁13bは、本実施例における還元剤添加手段を構成する。
[0044]
以上述べたように構成された内燃機関1及びその排気系には、該内燃機関1及び排気系を制御するための電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)35が併設さ
れている。このECU35は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態等を制御する他、内燃機関1の第1NOx触媒11a及び、第2NOx触媒11bに対するNOx還元処理などに係る制御を行うユニットである。
[0045]
ECU35には、図示しないクランクポジションセンサや、アクセルポジションセンサなどの内燃機関1の運転状態の制御に係るセンサ類の他、第1上流側空燃比センサ14a、第2上流側空燃比センサ14b、第1下流側空燃比センサ15a、第1下流側空燃比センサ15bが電気配線を介して接続され、それらの出力信号がECU35に入力されるようになっている。一方、ECU35には、内燃機関1内の図示しない燃料噴射弁等が電気配線を介して接続される他、本実施例における第1弁12a、第2弁12b及び、第1還元剤添加弁13a、第2還元剤添加弁13bが電気配線を介して接続されており、ECU35によって制御されるようになっている。
[0046]
また、ECU35には、CPU、ROM、RAM等が備えられており、ROMには、内燃機関1の種々の制御を行うためのプログラムや、データを格納したマップが記憶されている。第1NOx触媒11a、第2NOx触媒11bに吸蔵されたNOxを還元放出させる
ためのNOx還元処理ルーチンの他、SOx被毒回復処理ルーチン(説明は省略)なども、ECU35のROMに記憶されているプログラムの一つである。
[0047]
次に、このような内燃機関1の排気系において、NOx還元処理が行われる場合の例と
して、特に第1NOx触媒11aのNOx還元処理の際についての、第1弁12a、第1還元剤添加弁13aの動作及び、第1NOx触媒11aに流入する排気の量の変化について
図2を用いて説明する。図2は、第1弁12aの開閉、第1還元剤添加弁13aのON−OFF、第1NOx触媒11aに流入する排気の量について示したタイムチャートであり
、横軸は時間である。
[0048]
第1NOx触媒11aのNOx還元処理が行われる際には、まず、ECU35によって第1弁12aに全閉動作指令が出され、第2弁12bには全開動作指令が出される。そうすると、排気管5を通過中の排気のうちの略全量が、第2分岐通路10bを通過するようになる。従って、図2に示すように、第1弁が全閉された後、第1NOx触媒11aに流入
する排気の量は減少し、第1弁12aからの漏れを除いて略零になる。
[0049]
一方、第1弁12aに全閉動作指令がなされてから所定のディレイ時間ΔTが経過した時点で、第1燃料添加弁13aから還元剤としての燃料が排気中に添加される。ここで、第1NOx触媒11aに流入する排気の量が減少する過程において、第1燃料添加弁13
aから排気中に添加された燃料は、前記排気とともに下流側に移動し、第1NOx触媒1
1aに到達した時点で、排気の量が略零になり、還元剤としての燃料が第1NOx触媒1
1a内に分散するようにディレイ時間ΔTが設定されている。
[0050]
そして、前記還元剤が第1NOx触媒11a内に分散している期間中に、第1NOx触媒11a中のNOxが還元される。さらに所定時間経過後、ECU35により第1弁12a
に全開動作指令が出され、第2弁12bには全閉動作指令が出される。そうすると、第1NOx触媒11aに流入する排気の量が増加し始め、NOx還元処理が行われる前と同等の値になる。
[0051]
ここで、第1弁12aが全閉状態となり、第1NOx触媒11aに流入する排気の量が
略零になってから、第1弁12aの全開動作が開始し、第1NOx触媒11aに流入する
排気の量が増加し始めるまでの期間を、「流れ停止期間」と呼ぶ。
[0052]
上記のNOx還元処理において、内燃機関1の運転状態や第1弁12aの閉弁速度、デ
ィレイ時間ΔTがばらついた場合などにおいては、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11aに流入する排気の量が略零になった際に、第1NOx触媒11a内に均一に分散されずに、第1NOx触媒11a内における上流側の部分または下
流側の部分に偏った状態で分散する場合があった。例えばディレイ時間ΔTが短すぎる場合には、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料の、流れ停止期間前の移動距離が長くなるので、燃料は、流れ停止期間となった時点で、第1NOx触媒11a内における下
流側の部分に偏って分散することとなる。逆に、ディレイ時間ΔTが長すぎる場合には、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料の流れ停止期間前の移動距離が短くなるので、燃料は、第1NOx触媒11a内における上流側の部分に偏って分散することとなる。そうすると、第1NOx触媒11aの全体に亘って吸蔵されているNOxを充分に還元することができない場合があった。
[0053]
ここで上記のように、流れ停止期間において、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内における上流側の部分に偏って分散している場合には、
第1NOx触媒11aの上流の空燃比が下流の空燃比よりも低くなることが分かっている
。また、同様に、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a
内における下流側の部分に偏って分散している場合には、第1NOx触媒11aの下流の
空燃比が上流の空燃比よりも低くなることが分かっている。
[0054]
このことについて図3を用いて説明する。図3(a)は、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内における上流側の部分に偏って分散する場合
の、第1NOx触媒11aの上流における空燃比の変化を示したグラフである。図3(b
)は、同様の場合における、第1NOx触媒11aの下流における空燃比の変化を示した
グラフである。
[0055]
図3(a)、(b)のグラフにおいて縦軸は空燃比、横軸は概略NOx還元処理が開始
してから終了するまでの時間を示している。またNOx還元処理において要求される空燃
比の値を目標空燃比として破線で示している。図3(a)から分かるように、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内における上流側の部分に偏
って分散する場合は、第1NOx触媒11aの上流における空燃比は流れ停止期間の略全
体において、目標空燃比より低くなっている。これは、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11aに流入する排気の量が略零になった時点で、第1N
Ox触媒11a内における上流側の部分に偏って分散するため、第1NOx触媒11aの上流における空燃比が極端に低い状態が継続することによる。
[0056]
同様に、図3(b)から分かるように、同様の場合、第1NOx触媒11aの下流にお
ける空燃比は流れ停止期間の略全体において、目標空燃比より高くなっている。そして、流れ停止期間が終了した後、第1NOx触媒11aの下流における空燃比は一旦急激に低
くなり、すぐに回復している。これは、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、流れ停止期間の全体において、第1NOx触媒11a内における上流側の部分に偏って分
散し、第1NOx触媒11aの下流には、燃料が殆ど分散しないため、第1NOx触媒11aの下流における空燃比が目標値より高い状態が継続し、流れ停止期間が終了した後、第1NOx触媒11a内における上流側の部分に分散していた燃料が第1NOx触媒11aの下流を通過することによる。
[0057]
次に図4について説明する。図4(a)は、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内における下流側の部分に偏って分散している場合の、第1
NOx触媒11aの上流における空燃比の変化を示したグラフである。図3(b)は、同
様の場合における、第1NOx触媒11aの下流における空燃比の変化を示したグラフで
ある。
[0058]
図4(a)から分かるように、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内における下流側の部分に偏って分散している場合は、第1NOx触媒11aの上流における空燃比は流れ停止期間の前に一旦極端に低くなり、その後、流れ停止期間の略全体に亘って、目標空燃比より高い状態を継続する。これは、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、流れ停止期間の前に、第1NOx触媒11aの上流を通過し、
第1NOx触媒11a内における下流側の部分にまで移動し、流れ停止期間においては、
第1NOx触媒11a内における下流側の部分に偏って分散しているため、第1NOx触媒11aの上流には燃料があまり分散していないことによる。
[0059]
同様に、図4(b)から分かるように、同様の場合、第1NOx触媒11aの下流にお
ける空燃比は流れ停止期間の全体に亘って、目標空燃比より低くなっている。これは、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、流れ停止期間の全体に亘って、第1NOx
触媒11a内における下流側の部分に偏って分散していることによる。
[0060]
本発明においては、上述のような、第1NOx触媒11aの上流側と下流側の空燃比の
特性を利用し、上流側空燃比センサ14a及び下流側空燃比センサ15aによって第1NOx触媒11aの上流と下流の空燃比を検出し、流れ停止期間における双方の検出値の差
を零にするようにディレイ時間ΔTを変更することにより、流れ停止期間において、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内に均一に分散するよ
うにした。
[0061]
図5は、本実施例におけるNOx還元処理ルーチンである。本ルーチンはECU35の
ROMに記憶されたプログラムであり、NOx還元処理開始条件が満たされたときに実行
される。このNOx還元処理開始条件は、内燃機関1の稼働時間あるいは車両の走行距離
が閾値を越えることによって満たされるように規定してもよいし、第1NOx触媒11a
の下流で検出されるNOx濃度が閾値を超えることによって満たされると規定してもよい
[0062]
本ルーチンが実行されると、まずS101において、ECU35によって第1弁12aに全閉動作指令が出され、第2弁12bに全開動作指令が出される。この時点で、第1弁12aの閉弁動作と第2弁12bの開弁動作が開始する。これにより、第1NOx触媒1
1aに流入する排気の量が減少し始める。S101の処理が終了するとS102の処理に進む。
[0063]
S102においては、第1還元剤添加弁13aから、第1分岐通路10aを通過する排気中に還元剤としての燃料が添加される。具体的には、第1弁12aに全閉動作指令が出され、第2弁12bに全開動作指令が出された後、ディレイ時間ΔTが経過してから燃料添加が開始される。そして、このディレイ時間ΔTとしては、予め実験的に求められた基準ディレイ時間ΔTSに対して、前回の本ルーチンの実行時に後述の処理において導出された補正値ΔT´が加算された値が用いられる。また、この際に添加される燃料の量Fについても同様、予め実験的に用いられた基準添加燃料量FSに対して、前回の本ルーチンの実行時に後述の処理において導出された補正値F´が加算された値が用いられる。S102の処理が終了するとS103に進む。
[0064]
S103においては、第1NOx触媒11aの上流と下流における空燃比を検出する。
具体的には、第1上流側空燃比センサ14aの出力値AFU及び、第1下流側空燃比センサ15aの出力値AFLをECU35に取り込むことにより検出する。
[0065]
次に、S104に進み、S103において検出されたAFUと、AFLとの差分の絶対値が所定の空燃比差分値AFS以下かどうかが判定される。ここで空燃比差分値AFSは、予め実験的に求められた値であり、NOx触媒の上流と下流における空燃比の差分の絶対値がこの値以下であれば、還元剤添加弁から添加された燃料が流れ停止期間において、NOx触媒の中央部を中心に分散されていると判断できる閾値としての差分値である。
[0066]
ここで、AFUと、AFLとの差分の絶対値がAFSより大きいと判定された場合には、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内における中央部に分散されておらず、上流側の部分か下流側の部分かに偏って分散していると判断できるので、ディレイ時間ΔTを補正すべく、S105に進む。一方、AFUと、AFLとの差分の絶対値がAFS以下であると判定された場合には、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内における中央部に分散されていると判断できるので、ディレイ時間ΔTの補正をせずに、そのままS106に進む。
[0067]
ここで、S104において算出されたAFUとAFLとの差分が正の値である場合、すなわちAFUがAFLに対して大きい値であった場合には、燃料は第1NOx触媒11a
内における下流側の部分に偏って分散していると判断され、AFUがAFLに対して小さ
い値であった場合には、燃料は第1NOx触媒11a内における上流側の部分に偏って分
散していると判断される。
[0068]
そして、その場合、ディレイ時間ΔTを変更して燃料を第1NOx触媒11a内におけ
る中央部に分散させるようにする必要があるので、S105においては、ディレイ時間ΔTを変更するための補正値ΔT´を導出する。具体的には、ディレイ時間ΔTは、基準ディレイ時間ΔTSに補正値ΔT´を加えることにより算出されるように設定し、AFUとAFLの差分値と、その差分値に対して、AFUとAFLとの差分を零とするためのディレイ時間の補正値ΔT´との関係を予めマップにしておく。そして、S104において算出されたAFUとAFLとの差分値に対応する補正値ΔT´の値を前述のマップから読み出すことによって導出する。S105の処理が終了した場合及び、S104においてAFUと、AFLとの差分の絶対値がAFS以下であると判定された場合には、S106に進む。
[0069]
S106においては、S103において検出されたAFUとAFLとの平均値と、第1NOx触媒11aのNOx還元処理における目標空燃比AFTとの偏差の絶対値が所定の目標空燃比偏差AFD以下かどうかが判定される。ここで目標空燃比偏差AFDは、予め実験的に求められた値であり、NOx触媒の上流と下流における空燃比の平均値と目標空燃
比との偏差の絶対値がこの値以下であれば、NOx還元処理が良好に行われると判断でき
る閾値としての偏差の値である。
[0070]
ここで、AFUとAFLの平均値と目標空燃比AFTとの偏差の絶対値がAFDより大きいと判定された場合には、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料の量が少なすぎ、または多すぎて、第1NOx触媒中11aにおけるNOx還元処理が良好に行われないと判断できるので、燃料添加量Fを補正すべく、S107に進む。一方、AFUとAFLの平均値と目標空燃比AFTとの偏差の絶対値がAFD以下であると判定された場合には、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料の量が適当であると判断できるので、燃料添加量Fの補正をせずに、そのままS108に進む。
[0071]
S107においては、上述のように、燃料添加量Fを補正するための補正値F´が導出される。具体的には、燃料添加量Fは、基準燃料添加量FSに補正値F´を加えることにより算出されるように設定し、AFU及びAFLの平均値と目標空燃比AFTとの偏差と、その偏差に対して、AFU及びAFLの平均値を目標空燃比AFTとするための補正値F´との関係を予めマップにしておく。そして、S106において算出されたAFU及びAFLの平均値と目標空燃比AFTとの偏差に対応する補正値F´の値を前述のマップから読み出すことによって導出する。S107の処理が終了した場合及び、S106においてAFU及びAFLの平均値と目標空燃比AFTとの偏差の絶対値がAFD以下であると判定された場合には、S108に進む。
[0072]
S108においては、基準ディレイ時間ΔTSにS105で導出された補正値ΔT´を加えることにより、新たなディレイ時間ΔTを算出する。同様に、基準燃料添加量FSにS107で導出された補正値F´を加えることにより、新たな燃料添加量Fを算出する。S108の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
[0073]
以上、説明したように、本実施例におけるNOx還元処理ルーチンにおいては、第1上
流側空燃比センサ14aの出力値AFUと、第1下流側空燃比センサ15aの出力値AFLとの差分の絶対値が空燃比差分値AFSより大きい場合には、第1上流側空燃比センサ14aの出力値AFUと、第1下流側空燃比センサ15aの出力値AFLとの差分を零にすべく、ディレイ時間ΔTを変更している。従って、次回に第1還元剤添加弁13aから燃料を添加する際のディレイ時間ΔTが変更され、次回の流れ停止期間において、燃料を
第1NOx触媒11a内における中央部に分散させることができる。
[0074]
また、第1上流側空燃比センサ14aの出力値AFU及び第1下流側空燃比センサ15aの出力値AFLの平均値と、目標空燃比AFTとの偏差の絶対値が目標空燃比偏差AFDより大きい場合には、第1上流側空燃比センサ14aの出力値AFU及び第1下流側空燃比センサ15aの出力値AFLの平均値と、目標空燃比AFTとの偏差を零にすべく、燃料添加量Fを変更している。従って、次回に還元剤添加弁13aから燃料を添加する際の燃料添加量Fが変更され、第1NOx触媒11aにおけるNOx還元処理を行うに適当な量の燃料が添加される。その結果、第1NOx触媒11aにおけるNOx還元処理をより確実に行うことができる。
[0075]
なお、本実施例においては、NOx還元処理を行う際に第1弁12aに全閉動作指令が
出され、第2弁12bに全開動作指令が出された後、第1NOx触媒11aに対してNOx還元処理を行う例について説明したが、第1弁12aに全開動作指令が出され、第2弁12bに全閉動作指令が出された後、第2NOx触媒11bに対してNOx還元処理を行う場合についても同様の制御を行うことにより、第2NOx触媒11bにおけるNOx還元処理をより確実に行うことができる。以下の説明においても、第1NOx触媒11aに対してNOx還元処理を行う例についてのみ説明するが、同様の制御を、第2NOx触媒11bに対してNOx還元処理を行う際に適用することが可能である。
[0076]
また、上記のNOx還元処理ルーチンにおいては、第1上流側空燃比センサ14aの出
力値AFU及び第1下流側空燃比センサ15aの出力値AFLの平均値と、目標空燃比AFTとの偏差を零とするような制御を行っているが、第1上流側空燃比センサ14aの出力値AFUと、第1下流側空燃比センサ15aの出力値AFLそれぞれに対し別個の目標空燃比(例えばAFT1とAFT2)を設定し、AFUとAFT1の偏差と、AFLとAFT2の偏差とをそれぞれ零とするような制御を行ってもよい。
[0077]
また、本実施例において、流れ停止期間は、第1NOx触媒11aに流入する排気の量
が略零になっている期間としているが、この流れ停止期間の始期は、ECU35により第1弁12aに全閉動作指令が出され、第2弁12bに全開動作指令が出されてから、予め実験的に求められた一定の値である排気量低減期間TDが経過した時点としてもよい。
[0078]
あるいは、第1還元剤添加弁13aから燃料が添加された後、第1上流側空燃比センサ14aの出力信号が一旦急激に低くなった後、回復して安定したことをもって、流れ停止期間の始期と判断するようにしてもよい。これは、前述のように、第1上流側空燃比センサ14aの出力は、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料を含んだ排気が第1分岐通路10a内を移動している間は安定せず、変化を続けているが、第1NOx触媒11a
に流入する排気の量、換言すると、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料を含んだ排気の流量が略零となった時点で安定すると考えられるからである。
[0079]
具体的には、第1上流側空燃比センサ14aの出力信号が一旦急激に低くなった後、回復して安定するまでの時間を計測し、その計測結果によって上記の排気量低減期間TDを補正するようにしてもよい。
[0080]
図6には、本実施例における排気量低減期間補正ルーチンを示す。本ルーチンは、例えば図5に示す第1NOx触媒11aのNOx還元処理ルーチンが実行されると同時に実行されるルーチンである。
[0081]
本ルーチンが実行されるとまず、S201において第1弁12aの全閉動作が開始したかどうかが判定される。具体的には、ECU35から、第1弁12aの全閉動作指令が出
されたどうかを判定する。ここで、第1弁12aの全閉動作が開始していないと判定された場合には、本ルーチンをそのまま終了する。一方、第1弁12aの全閉動作が開始したと判定された場合には、S202に進む。
[0082]
S202においては、排気量低減期間TDを変更するための排気量低減期間補正値TD´の値がインクリメントされる。S202の処理が終了するとS203に進む。
[0083]
S203においては、第1上流側空燃比センサ14aの出力信号AFUの変化の値dAFU/dTの絶対値が基準変化量以下かどうかが判定される。ここで、AFUの値は、本ルーチンの処理において第1上流側空燃比センサ14aの出力信号を改めてECU35に読み込むことによって取得してもよいし、図5におけるS103において直近に検出された検出値を用いても良い。そして、dAFU/dTの値を求める際には、今回得られたAFUの値と、前回の本ルーチンの実施時において得られたAFUの値との差を、本ルーチンの実行間隔時間で除することによって取得してもよい。またここで、基準変化量は、dAFU/dTの絶対値がこれ以下となった場合には、第1上流側空燃比センサ14aの出力信号が安定した、換言すると第1NOx触媒11aへ流入する排気の量が略零になった
と判断できる閾値としてのAFUの変化の値である。
[0084]
そして、S203においてdAFU/dTの絶対値が基準変化量より大きいと判定された場合には、第1上流側空燃比センサ14aの出力信号が安定していないと判断できるので、S202の前にもどり、再度排気量低減期間補正値TD´をインクリメントする。そして、S203において、dAFU/dTの絶対値が基準変化量以下と判定されるまでS202及びS203の処理を繰り返し実行する。
[0085]
S203において、dAFU/dTの絶対値が基準変化量以下と判定された場合には、第1上流側空燃比センサ13aの出力が安定したと判断できるので、S204に進む。
[0086]
S204においては、AFUの値が基準空燃比値以下かどうかが判定される。この処理は、第1上流側空燃比センサ14aの出力が、第1還元剤添加弁13aにより添加された燃料が通過する前の状態で安定している場合に、そのことをもって流れ停止期間の始期と判断してしまうことを避けるために設けられた処理である。そして、基準空燃比値とは、AFUがこれより大きい値を示す場合には、第1還元剤添加弁13aにより添加された燃料が第1上流側空燃比センサ14a近傍を通過する前の状態であると判断できる閾値としての空燃比の値である。
[0087]
S204において、AFUの値が基準空燃比値より大きいと判定された場合には、第1還元剤添加手段13aにより添加された燃料が通過する前の状態であると判断できるので、例えdAFU/dTの絶対値が基準変化量以下であっても、まだ第1上流側空燃比センサ13aの出力が安定していないと判断し、S202の前に戻る。
[0088]
一方、S204において、AFUの値が基準空燃比値以下であると判定された場合には、第1還元剤添加手段13aにより添加された燃料が通過した後に、dAFU/dTの絶対値が基準変化量以下となった状態と判断できるので、S205に進む。
[0089]
S205においては、この時点における排気量低減期間補正値TD´の値を、排気量低減期間TDとして保管する。S205の処理が終了するとS206に進む。
[0090]
S206においては、排気量低減期間補正値TD´の値をリセットしたうえで、本ルーチンを終了する。
[0091]
このように、本実施例においては、流れ停止期間の始期を、第1弁12aの全閉動作開始から排気量低減期間TDが経過した時点と定義し、さらに、排気量低減期間TDの値が、第1還元剤添加弁13aから燃料が添加された後、第1上流側空燃比センサ14aの出力が安定するまでの期間と一致するように常に補正している。その結果、流れ停止期間の始期を、第1NOx触媒11aに流入する排気の量が略零になった期間として、より正確に判断することができる。
[0092]
なお、上記の実施例においては、第1分岐通路10aには第1NOx触媒11aが備え
られ、第2分岐通路10bには、第2NOx触媒11bが備えられる構成について説明し
たが、例えば、第1NOx触媒11aと第1上流側空燃比センサ14aとの間に第1酸化
触媒が、第2NOx触媒11bと第2上流側空燃比センサ14bとの間に第2酸化触媒が
備えられるような構成にしてもよい。
[0093]
また、上記の実施例においては、流れ停止期間における、第1上流側空燃比センサ14aの出力値AFUと第1下流側空燃比センサ15aの出力値AFLの差分を検出することにより、第1NOx触媒11aにおける燃料の分散の偏りを推測しているが、これを、図
3及び図4に示した、第1上流側空燃比センサ14aの出力と第1下流側空燃比センサ15aの出力のグラフの波形の差から推測してもよい。
[0094]
例えば、第1NOx触媒11aの上流における空燃比が目標空燃比以下である時間が、
第1NOx触媒11aの下流における空燃比が目標空燃比以下である時間より長い場合に
は、添加燃料が第1NOx触媒11a内における上流側の部分に偏って分散していると推
測され、逆に、第1NOx触媒11aの上流における空燃比が目標空燃比以下である時間
が、第1NOx触媒11aの下流における空燃比が目標空燃比以下である時間より短い場
合には、添加燃料が第1NOx触媒11a内における下流側の部分に偏って分散している
と推測される。
[0095]
また、例えば、第1NOx触媒11aの下流における空燃比のグラフに急峻な下向きの
ピークが現れる場合には、添加燃料が第1NOx触媒11a内における上流側の部分に偏
って分散していると推測され、逆に、第1NOx触媒11aの上流における空燃比のグラ
フに急峻な下向きのピークが現れる場合には、添加燃料が第1NOx触媒11a内におけ
る下流側の部分に偏って分散していると推測される。

Mode for the Invention 2

[0096]
次に、本発明における実施例2について説明する。実施例2においては、第1燃料添加弁13aから添加される燃料添加量Fの値は予め定められた一定の値とすることを前提した場合であって、実施例1において説明したNOx還元処理において、第1上流側空燃比
センサ14aの出力AFU及び、第1下流側空燃比センサ15aの出力AFLの平均値と、目標空燃比AFTとの偏差の絶対値が目標空燃比偏差AFDより大きい場合には、第1燃料添加弁13aからの燃料添加量Fが最適値からずれているのではなく、第1燃料添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内における中央部に過度に集中して分散し、第1NOx触媒11a内における上流側の部分及び下流側の部分には分散していない状態であると判断する制御について説明する。
[0097]
図7には、本実施例におけるNOx還元処理ルーチンを示す。本ルーチンと、図5に示
すNOx還元処理ルーチンとの相違は、S301、S302及びS303の処理のみであ
るので、これらの処理についてのみ説明する。
[0098]
S301においては、実施例1と同様、S101で第1弁12aに全閉動作指令がなされ、第2弁12bに全開動作指令が出された後、ディレイ時間ΔTが経過してから第1還
元剤添加弁13aによって燃料添加が開始される。本実施例では、この際に添加される燃料の量Fについては補正を行わず、予め定められた一定量の燃料が添加される。その代わり、本実施例においては、燃料添加をN回に分けて行うようにし、Nの値については本ルーチンの後の処理において決定された値が用いられる。
[0099]
S302においては、S106でAFUとAFLの平均値と目標空燃比AFTとの偏差の絶対値が目標空燃比偏差AFDより大きいと判定された場合に、実施例1のように、燃料添加量Fを補正するための補正値F´が導出されるのではなく、S301における燃料添加回数Nの補正値N´が導出される。具体的には、AFU及びAFLの平均値と目標空燃比AFTとの偏差と、その偏差に対して、AFU及びAFLの平均値を目標空燃比AFTとするために必要な補正値N´との関係を予めマップにしておく。そして、S106において算出されたAFU及びAFLの平均値と目標空燃比AFTとの偏差に対応する補正値N´の値を前述のマップから読み出すことによって導出する。
[0100]
S303においては、基準ディレイ時間ΔTSにS105で導出された補正値ΔT´を加えることにより、新たなディレイ時間ΔTを算出する。また、S301の処理で使用する燃料添加回数Nに、S302で導出された燃料添加回数補正値N´を代入することにより、新たな燃料添加回数Nを決定する。S301の処理で使用する燃料添加回数Nに、S302で導出された燃料添加回数補正値N´を代入することにより、新たな燃料添加回数Nを決定する。S303の処理が終了すると本ルーチンを一旦終了する。
[0101]
以上、説明したように、本実施例においては、S106において、AFUとAFLの平均値と目標空燃比AFTとの偏差の絶対値が目標空燃比偏差AFDより大きいと判定された場合には、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料が、第1NOx触媒11a内に
おける中央部に過度に集中して分散し、第1NOx触媒11a内における上流側の部分及
び下流側の部分にまで分散していないと判断し、同量の燃料を最適の回数に分けて添加することにより、第1NOx触媒11a全域に均一に分散させるようにする。これにより、
第1NOx触媒11aの全体に亘って、より確実にNOx還元処理を行うことができる。
[0102]
図8は、第1弁12aの開閉、第1還元剤添加弁13aのON−OFF、第1NOx触
媒11aに流入する排気の量についてのタイムチャートの、図2に示したものとは異なる例を示す。図8(a)は上述した本実施例についてのタイムチャートである。第1弁12aの全閉動作の開始からディレイ時間ΔT経過後に、第1還元剤添加弁13aから複数回に分けて予め定められた燃料添加量Fに相当する燃料を添加している。
[0103]
なお、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料を、第1NOx触媒11a全体に均
一に分散させるためには、上記の本実施例で行ったように第1還元剤添加弁13aによる燃料添加回数を増加させるのではなく、図8(b)に示すように、第1還元剤添加弁13aから燃料を添加する際の燃料添加率及び燃料噴射時間を変更してもよい。ここで燃料添加率は、単位時間あたりに添加する燃料の量を意味する。この場合は、同量の燃料を、小さい燃料添加率で、長い時間をかけて燃料添加することにより、第1NOx触媒11aに
おいて燃料をより均一に分散させることができる。

Mode for the Invention 3

[0104]
次に、本発明における実施例3について説明する。実施例3においては、第1分岐通路10a及び、第2分岐通路10bにおいてNOx触媒が複数個直列に設けられた例であっ
て、例えば第1分岐通路10aに設けられたNOx触媒のNOx還元処理を行う際には、各NOx触媒において要求される還元剤の量に応じて、第1上流側空燃比センサ14aと第
1下流側空燃比センサ15aの出力信号の差分の目標値を設定する例について説明する。
[0105]
図9には、本実施例における内燃機関1と、その排気系及び制御系の概略構成を示す。図9における図1との相違点は、第1分岐通路10aにおける第1NOx触媒11aと第
1下流側空燃比センサ15aとの間に、補助用の吸蔵還元型NOx触媒である第1下流側
NOx触媒16aを備え、同様に、第2分岐通路10bにおける第2NOx触媒11bと第2下流側空燃比センサ15bとの間に、第2下流側NOx触媒16bを備えた点である。
[0106]
ここで、第1燃料添加弁13aから添加された燃料が、流れ停止期間において、第1上流側空燃比センサ14aと第1下流側空燃比センサ15aの間の領域における上流側に分散するほど、第1上流側空燃比センサ14aの出力AFUは低くなり、第1下流側空燃比センサ15aの出力AFLは高くなることが分かっている。逆に下流側に分散するほど、第1上流側空燃比センサ14aの出力AFUは高くなり、第1下流側空燃比センサ15aの出力AFLは低くなることが分かっている。逆に言うと、流れ停止期間中において、AFUの値とAFLの値との差分が所望の値となるように、ディレイ時間ΔTを変更することにより、流れ停止期間における各NOx触媒における燃料の分散量を制御することがで
きる。
[0107]
そこで、本実施例においては、NOx還元処理の際に、各NOx触媒において要求される還元剤量に応じてAFUの値とAFLの値との差分が制御されるべき目標値を設定することとした。
[0108]
例えば、第1NOx触媒11aのNOx還元処理に必要な還元剤量が、第1下流側NOx
触媒16aのNOx還元処理に必要な還元剤量より多いような場合は、流れ停止期間にお
ける燃料の分散の中心が、第1NOx触媒11a側に位置するように、AFUの値とAF
Lの値との差分の目標値を設定する。そうすることにより、第1NOx触媒11aと第1
下流側NOx触媒16aとの両方を最適にNOx還元することができる。
[0109]
図10には本実施例におけるNOx還元処理ルーチンを示す。本実施例におけるNOx還元処理ルーチンと、図5に示したものとの相違点はS401及びS402の処理のみであるので、この処理についてのみ説明する。
[0110]
図5に示したNOx還元処理ルーチンにおいては、S104でAFUとAFLの差分の
絶対値が空燃比差分値AFS以下かどうかが判定された。それに対し、本実施例におけるS401においては、AFUとAFLの差分と目標空燃比差分AFDTとの偏差の絶対値が空燃比差分値AFS以下かどうかが判定される。すなわち、本実施例においては、AFUとAFLとの差分の目標値が零ではなく、目標空燃比差分AFDTとなる。ここで目標空燃比差分AFDTは、AFUとAFLとの差分をこの値にすれば、NOx還元処理時に
、第1NOx触媒11aと第1下流側NOx触媒16aとの両方において必要な還元剤量を供給できるように燃料が分散される差分値であり、予め実験的に求められた値である。
[0111]
S401においてAFUとAFLとの差分と目標空燃比差分AFDTとの偏差の絶対値が空燃比差分値AFSより大きいと判定された場合には、流れ停止期間における燃料の分散の仕方が、予め実験的に求められた、第1NOx触媒11aと第1下流側NOx触媒16aとの両方を最適にNOx還元することができる燃料分布から外れていると判断できるの
で、S402に進む。
[0112]
S402においては、実施例1と同様、ディレイ時間ΔTを補正するための補正値が算出される。その場合、ディレイ時間ΔTを変更して燃料を第1NOx触媒11aと第1下
流側NOx触媒16aとの両方を最適にNOx還元できる燃料分布にする必要があるので、ディレイ時間ΔTを変更するための補正値ΔT´を導出する。具体的には、ディレイ時間ΔTは、基準ディレイ時間ΔTSに補正値ΔT´を加えることにより算出されるようにし
、AFUとAFLとの差分の目標空燃比差分AFDTに対する偏差と、その偏差に対して、AFUとAFLとの差分を目標空燃比差分AFDTとするための補正値ΔT´との関係を予めマップにしておく。そして、S401において算出されたAFUとAFLとの差分の目標空燃比差分AFDTに対する偏差に対応する補正値ΔT´の値を前述のマップから読み出すことによってΔT´を導出する。
[0113]
以上、説明したとおり、本実施例においては、第1分岐通路10aに第1NOx触媒1
1aと、第1下流側NOx触媒16aの複数のNOx触媒を備え、全てのNOx触媒を良好
にNOx還元処理するための目標空燃比差分AFDTが設定されている。そして、AFU
とAFLの差分が目標空燃比差分AFDTとなるようにディレイ時間ΔTを変更している。従って、常に第1NOx触媒11aと、第1下流側NOx触媒16aの両方に対して良好にNOx還元処理を行うことができる。
[0114]
なお、本実施例においては、例えば、第1還元剤添加弁13aから添加された燃料を第1NOx触媒11aにのみ分散させるために最適な、AFUとAFLとの差分の目標値で
ある第1目標空燃比差分AFDT1と、第1下流側NOx触媒16aにのみ分散させるた
めに最適な、AFUとAFLとの差分の目標値である第2目標空燃比差分AFDT2とを、予め実験的に求めておき、第1NOx触媒11aのみについてNOx還元処理を行いたい場合には、AFUの値とAFLの値との差分の目標値を第1目標空燃比差分AFDT1とし、第1下流側NOx触媒16aのみについてNOx還元処理を行いたい場合には、AFUの値とAFLの値との差分の目標値を第2目標空燃比差分AFDT2としてもよい。
[0115]
そうすれば、AFUとAFLとの差分の目標値を変更することで、第1NOx触媒11
aと第1下流側NOx触媒16aのうちどちらかを選択的にNOx還元処理を行うことも可能である。
[0116]
また、本実施例においては、第1分岐通路10aに第1NOx触媒11aと第1下流側
NOx触媒16aの2個のNOx触媒が配置された場合について説明したが、第1分岐通路10aに配置されるNOx触媒の数は2個に限らない。3個以上配置されたNOx触媒において本実施例と同様の制御をしても同様の効果を得ることができる。
[0117]
さらに、第1分岐通路10aに配置されるNOx触媒の数は1個であって、NOx触媒の長さが長い場合に、本実施例と同様の制御を行うことにより、NOx触媒の中においてN
Ox還元処理を行うべき領域を制御することができる。
[0118]
なお、上記の実施例において説明した制御は吸蔵還元型NOx触媒の所謂SOx被毒回復処理や、排気中の微粒子物質を捕集するフィルタにおけるPM再生処理に適用することも可能である。

Brief Description of Drawings

[0119]
[fig. 1] 本発明の実施例1における内燃機関と、その排気系及び制御系の概略構成を示す図である。
[fig. 2] 本発明の実施例1における第1弁の開閉、第1還元剤添加弁のON−OFF、第1NOx触媒に流入する排気の量について示したタイムチャートである。
[fig. 3] 図3(a)は、第1還元剤添加弁から添加された燃料が、第1NOx触媒内における上流側の部分に偏って分散している場合の、第1NOx触媒の上流における空燃比の変化を示したグラフである。図3(b)は、同様の場合における、第1NOx触媒の下流における空燃比の変化を示したグラフである。
[fig. 4] 図4(a)は、第1還元剤添加弁から添加された燃料が、第1NOx触媒内における下流側の部分に偏って分散している場合の、第1NOx触媒の上流における空燃比の変化を示したグラフである。図4(b)は、同様の場合における、第1NOx触媒の下流における空燃比の変化を示したグラフである。
[fig. 5] 本発明の実施例1におけるNOx還元処理ルーチンを示すフローチャートである。
[fig. 6] 本発明の実施例1における排気量低減期間補正ルーチンを示すフローチャートである。
[fig. 7] 本発明の実施例2におけるNOx還元処理ルーチンを示すフローチャートである。
[fig. 8] 本発明の実施例2における第1弁の開閉、第1還元剤添加弁のON−OFF、第1NOx触媒に流入する排気の量についてのタイムチャートである。
[fig. 9] 本発明の実施例3における内燃機関と、その排気系及び制御系の概略構成を示す図である。
[fig. 10] 本発明の実施例3におけるNOx還元処理ルーチンを示すフローチャートである。

符号の説明

[0120]
1・・・内燃機関
5・・・排気管
10a・・・第1分岐通路
10b・・・第2分岐通路
11a・・・第1NOx触媒
11b・・・第2NOx触媒
12a・・・第1弁
12b・・・第2弁
13a・・・第1還元剤添加弁
13b・・・第2還元剤添加弁
14a・・・第1上流側空燃比センサ
14b・・・第2上流側空燃比センサ
15a・・・第1下流側空燃比センサ
15b・・・第2下流側空燃比センサ
16a・・・第1下流側NOx触媒
16b・・・第2下流側NOx触媒
35・・・ECU

Claims

[1]
内燃機関の排気通路に配置され、排気中のNOxを浄化する吸蔵還元型NOx触媒と、
前記排気通路における前記吸蔵還元型NOx触媒の上流側に配置され、排気中に還元剤
を添加する還元剤添加手段と、
前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の量を低減する排気量低減手段と、
を備え、
少なくとも前記排気量低減手段により前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気量を低
減している間に前記還元剤添加手段が排気中に還元剤を添加することにより前記吸蔵還元型NOx触媒におけるNOxの還元処理を行う内燃機関の排気浄化システムにおいて、
前記排気通路における前記吸蔵還元型NOx触媒の上流で且つ前記還元剤添加手段の下
流に配置され、排気の空燃比を検出する上流側空燃比検出手段と、
前記排気通路における前記吸蔵還元型NOx触媒の下流に配置され、排気の空燃比を検
出する下流側空燃比検出手段と、をさらに備え、
前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間における、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が所定の目標値となるように、前記還元剤添加手段による還元剤の添加時期を変更することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
[2]
前記排気に前記吸蔵還元型NOx触媒をバイパスさせるバイパス通路をさらに備え、
前記排気量低減手段は、前記バイパス通路を通過する排気の量を制御することによって前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気の量を低減するバルブであり、
前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間は、前記バルブにより前記吸蔵還元型NOx触媒に流入する排気量が略最小にされた流れ停止期間であることを特徴
とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
[3]
前記上流側空燃比検出手段により検出された前記排気の空燃比における変化が所定変化量以下であることをもって、前記流れ停止期間であると判断することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
[4]
前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間において、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が略前記目標値となった際の、前記上流側空燃比検出手段によって検出された空燃比の値及び前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値が、所定の目標空燃比となるように、前記還元剤添加手段による還元剤の添加量を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
[5]
前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間において、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が略前記目標値となった際の、前記上流側空燃比検出手段によって検出された空燃比の値及び前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値が、所定の目標空燃比となるように、前記還元剤添加手段による還元剤の添加回数を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
[6]
前記還元剤添加手段によって還元剤を添加した後の所定期間において、前記上流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値と、前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値との差が略前記目標値となった際の、前記上流側空燃比検出手段によって検出された空燃比の値及び前記下流側空燃比検出手段により検出された空燃比の値が、所定の目標空燃比となるように、前記還元剤添加手段による還元剤の添加率を変更することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
[7]
前記吸蔵還元型NOx触媒は、前記排気通路において直列に複数個配置され、
前記上流側空燃比検出手段は前記複数の吸蔵還元型NOx触媒の上流に配置され、
前記下流側空燃比検出手段は前記複数の吸蔵還元型NOx触媒の下流に配置され、
NOx還元処理の際に、前記複数の吸蔵還元型NOx触媒のうちの各触媒において要求される還元剤量に応じて前記所定の目標値を設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5]

[ Fig. 6]

[ Fig. 7]

[ Fig. 8]

[ Fig. 9]

[ Fig. 10]