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1. (JP2006109772) カイコでの組換えタンパク質製造のためのポリヌクレオチド
Document

Description

Title of Invention カイコでの組換えタンパク質製造のためのポリヌクレオチド

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004  

Disclosure of Invention

Technical Problem

0005   0006   0007   0008   0009  

Technical Solution

0010   0011   0012   0013   0014  

Advantageous Effects

0015   0016   0017   0018   0019  

Best Mode for Carrying out the Invention

0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032  

Mode for the Invention 1

0033   0034   0035   0036  

Mode for the Invention 2

0037   0038   0039   0040  

Mode for the Invention 3

0041   0042   0043   0044   0045   0046  

Mode for the Invention 4

0047  

Industrial Applicability

0048  

Brief Description of Drawings

0049  

Claims

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18    

Drawings

1   2   3    

Description

カイコでの組換えタンパク質製造のためのポリヌクレオチド

Technical Field

[0001]
この発明は、カイコでの組換えタンパク質製造のためのポリヌクレオチドに関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、カイコによる有用組換えタンパク質の大量生産のために有用なポリヌクレオチド、そのポリヌクレオチドを含むベクター、および、そのベクターを用いて作製されたトランスジェニックカイコ、並びに、そのトランスジェニックカイコが作った繭から有用組換えタンパク質を抽出する組換えタンパク質の製造方法に関するものである。

Background Art

[0002]
カイコは蛹になる直前に繭を作る。この繭の主成分は絹タンパク質であり、一つの繭あたり0.3〜0.5gもの絹タンパク質が含まれている。絹タンパク質は、約70%がフィブロイン、残りの約30%がセリシンと呼ばれるタンパク質により構成されている。これら絹タンパク質は絹糸腺で合成される。絹糸腺は後部絹糸腺、中部絹糸腺および前部絹糸腺より構成され、後部絹糸腺ではフィブロインが、中部絹糸腺ではセリシンがそれぞれ特異的に合成・分泌される。後部絹糸腺から分泌されたフィブロインは、絹糸腺の蠕動運動によって徐々に中部絹糸腺へと送られ、そこで分泌されたセリシンによって周りが被覆され、さらに前部絹糸腺へと送られ絹糸として吐糸される。従って、吐糸された絹糸において、フィブロインは糸の中心に、セリシンは、フィブロインの周りを取り巻くように存在する。セリシンは、糊の役目をしているタンパク質であり、吐糸された絹糸どうしを接着させる機能をもっている。フィブロインが水に対して極めて不溶性であるのに対し、セリシンは比較的水に溶けやすい。繭から生糸を紡ぐ場合、繭を煮沸する等の作業により、可溶性のセリシンは取り除かれ、不溶性のフィブロイン繊維のみが生糸として精練される。
[0003]
この出願の発明者らは、カイコが有する絹タンパク質の合成能力に着目し、絹タンパク質と共に大量の組換えタンパク質を繭中に分泌する形質転換カイコの開発を行ってきた。外来遺伝子を導入した形質転換カイコの作出については、鱗翅目昆虫Trichoplusia niに由来するDNA型トランスポゾンであるpiggyBacを組み込んだプラスミドベクターをカイコ卵に微量注射する方法が確立されている(Nat. Biotechnol. 18, 81-84, 2000)。この遺伝子導入法を用い、絹タンパク質遺伝子プロモーターの下流に連結したヒト・コラーゲンcDNAをカイコに組み込み、組換えヒト・コラーゲンを繭または絹糸腺内のタンパク質の一部として産生する形質転換カイコを開発し(非特許文献1)、また特許出願している(特許文献1−3)。また、同様な方法により、絹糸腺または繭糸にサイトカインを生産する遺伝子組換えカイコを作製し、絹糸腺または繭糸からサイトカインを回収する組換え型サイトカインの製造方法に関する特許も出願されている(特許文献4)。
[0004]
さらに、この出願の発明者らは、繭中の組換えタンパク質含有量を向上させるために、高い転写活性を有するフィブロイン重鎖遺伝子に着目し、その上流域から遺伝子の転写活性を促進する最小領域としてのポリヌクレオチドを特定し、外来遺伝子の発現を促進するポリヌクレオチドを提案し(非特許文献2−3)、また特許出願している(特願2003-147497)。
patcit 1 : 特開2001-161214号公報
patcit 2 : 特開2002-315580号公報
patcit 3 : 特開2004-016144号公報
patcit 4 : 特開2003-325188号公報
nplcit 1 : Tomita, M. et al., Nature Biotechnology. 21, 52-56, 2003
nplcit 2 : 第25回 日本分子生物学会年回 プログラム・講演要旨集、2002年11月25日、2P-1588
nplcit 3 : 第26回日本分子生物学会 プログラム・講演要旨集、2003年11月25日、2PC-174

Disclosure of Invention

Technical Problem

[0005]
前記したように、繭を構成する絹タンパク質の約70%は後部絹糸腺で合成されるフィブロインである。従って、フィブロイン重鎖または軽鎖のプロモーターおよびエンハンサーを利用し、後部絹糸腺で組換えタンパク質遺伝子を発現させれば、多量のタンパク質を繭中に分泌させることができる。この場合、組換えタンパク質は、不溶性のフィブロイン繊維の中に埋入されるため、例えば、多量の組換えタンパク質と繭との混合物を得るためには有効な手段である。また、この混合物から組換えタンパク質を抽出して、組換えタンパク質のみを単離することもできる。
[0006]
ただし、不溶性のフィブロイン繊維を溶解させなければ、繭から組換えタンパク質を抽出することができないため、組換えタンパク質と繭との混合物からの組換えタンパク質の抽出および単離は、必ずしも容易ではない。一般に、フィブロイン繊維を溶解するためには、リチウムチオシアネート、グアニジンチオシアネート、臭化リチウム等のカオトロピック塩、または塩化カルシウムとエタノールの混合液などが用いられるが、これらの溶液を用いても、フィブロイン繊維を完全に溶解することは難しい。さらに、これらの溶液を用いて組換えタンパク質を抽出すると、多くの組換えタンパク質の立体構造は変性してしまう危険性がある。そのため、組換えタンパク質が、立体構造に依存した生理活性を有している場合には、変性した立体構造を再生させる処理を行わなければ、活性型の組換えタンパク質が得られない場合もある。
[0007]
また、後部絹糸腺で組換えタンパク質を発現させ、効率よく繭中に分泌させるためには、組換えタンパク質を、フィブロインまたはフィブロインの部分配列との融合タンパク質として合成させる必要があると考えられる。これは、後部絹糸腺細胞から分泌された内在性のフィブロイン分子が、絹糸を形成する過程で極めて緻密な結晶構造を形成することに起因している。組換えタンパク質をフィブロインとの融合タンパク質ではなく、単独の分子として発現させた場合は、組換えタンパク質が内在性のフィブロインの結晶間に入り込むことが難しい。一方、フィブロインとの融合タンパク質として合成させれば、融合タンパク質のフィブロイン部分が結晶構造への組み込みを助け、組換えタンパク質を結晶構造の中に埋入させることができ、その結果繭への分泌が可能となる。従って、例えばフィブロインと組換えタンパク質からなる有用な融合タンパク質(例えば、組換え生理活性タンパク質を融合させた絹繊維など)の製造には有効な手段であるが、繭への分泌のためにフィブロインとの融合化が必要であることは、繭から組換えタンパク質だけを取り出すことを考えた場合には好ましいことではない。組換えタンパク質だけを抽出するためには、例えば、あらかじめフィブロインをコードするポリヌクレオチドと組換えタンパク質をコードするポリヌクレオチドの間に、ファクターXやエンテロキナーゼなどのプロテアーゼの切断配列をコードするポリヌクレオチドを挿入しておき、繭に存在する融合タンパク質を、ファクターXやエンテロキナーゼで処理するといった、煩雑でコストのかかる行程が必要となるからである。
[0008]
以上のように、フィブロイン重鎖または軽鎖のプロモーターおよびエンハンサーを利用し、後部絹糸腺で組換えタンパク質遺伝子を発現させる方法は、多量のタンパク質を合成させることができるという利点があるが、組換えタンパク質の抽出の過程に幾つかの問題点が存在する。
[0009]
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、カイコ中部絹糸腺において産生させた組換えタンパク質を繭中に分泌させ、繭から容易に、しかもタンパク質の立体構造を変性させることなく組換えタンパク質を抽出することのできる新規な手段を提供することを課題としている。

Technical Solution

[0010]
この出願は、前記の課題を解決する発明として、以下の(1)〜(16)の発明を提供する。
(1) カイコ中部絹糸腺において組換えタンパク質を発現させるための発現カセットにおいて組換えタンパク質構造遺伝子と機能的に連結されるポリヌクレオチドであって、セリシン1またはセリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドと、バキュロウイルスhomologous regionsを構成するポリヌクレオチドが機能的に連結されたポリヌクレオチド。
(2) セリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドが、配列番号1のヌクレオチド配列またはその一部である前記発明(1)のポリヌクレオチド。
(3) カイコ中部絹糸腺において組換えタンパク質を発現させるための発現カセットであって、前記発明(1)または(2)のポリヌクレオチドと組換えタンパク質構造遺伝子とが連結された発現カセット。
(4) 前記発明(1)または(2)のポリヌクレオチドが有する転写活性を促進するポリヌクレオチドであって、セリシン1またはセリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドと、バキュロウイルスIE1タンパク質をコードするポリヌクレオチドが機能的に連結されたポリヌクレオチド。
(5) セリシン2遺伝子のプリモーター領域を構成するポリヌクレオチドが、配列番号1のヌクレオチド配列またはその一部である前記発明(4)のポリヌクレオチド。
(6) 前記発明(4)または(5)のポリヌクレオチドに、さらにバキュロウイルスhomologous regionsを構成するポリヌクレオチドを連結したポリヌクレオチド。
(7) 前記発明(3)の発現カセットを保有する発現ベクター。
(8) 発現カセットが、昆虫由来DNA型トランスポゾンの一対の逆向き反復配列に挟まれている前記発明(7)の発現ベクター。
(9) 前記発明(4)、(5)または(6)のポリヌクレオチドを保有するベクター。
(10) ポリヌクレオチドが昆虫由来DNA型トランスポゾンの一対の逆向き反復配列に挟まれている前記発明(9)のベクター。
(11) 前記発明(3)の発現カセットと、前記発明(4)、(5)または(6)のポリヌクレオチドを保有するベクター。
(12) 発現カセットとポリヌクレオチドが昆虫由来DNA型トランスポゾンの一対の逆向き反復配列に挟まれている前記発明(11)のベクター。
(13) 前記発明(3)の発現カセットをゲノム中に保有し、組換えタンパク質を中部絹糸腺にて発現するトランスジェニックカイコ。
(14) 前記発明(4)、(5)または(6)のポリヌクレオチドをゲノム中に保有し、バキュロウイルスIE1タンパク質を中部絹糸腺にて発現するトランスジェニックカイコ。
(15) 前記発明(3)の発現カセットと、前記発明(4)、(5)または(6)のポリヌクレオチドをゲノム中に保有し、組換えタンパク質を中部絹糸腺にて発現するトランスジェニックカイコ。
(16) 前記発明(13)のトランスジェニックカイコの繭から、組換えタンパク質を抽出することを特徴とする組換えタンパク質の製造方法。
(17) 前記発明(15)のトランスジェニックカイコの繭から、組換えタンパク質を抽出することを特徴とする組換えタンパク質の製造方法。
(18) セリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドであって、配列番号1のヌクレオチド配列またはその一部配列からなるポリヌクレオチド。
[0011]
なお、この発明において、「ポリヌクレオチド」とはプリンまたはピリミジンが糖にβ-N-グリコシド結合したヌクレオシドのリン酸エステル(ATP、GTP、CTP、UTP;またはdATP、dGTP、dCTP、dTTP)が2個以上結合した分子を意味する。ポリヌクレオチドと他のポリヌクレオチドが「機能的に連結されている」とは、各々のポリヌクレオチドが有する機能が損なわれることなく、しかも連結によって所望の機能が発揮しうる状態が確保されている状態を意味する。具体的には、一方のポリヌクレオチドの3'端ヌクレオチドと他方のポリヌクレオチドの5'端ヌクレオチドが直接、または他のリンカー配列を介して結合している状態をいう。
[0012]
さらにこの発明において「タンパク質」とは、アミド結合(ペプチド結合)によって互いに結合した複数個のアミノ酸残基から構成された分子を意味し、「組換えタンパク質」とは、遺伝子工学的に製造されるタンパク質を意味する。
[0013]
またさらに、この発明における「組換えタンパク質構造遺伝子」とは、組換えタンパク質をコードする領域(open reading flame: ORF)を含むポリヌクレオチドであり、例えば組換えタンパク質遺伝子のcDNAである。「遺伝子プロモーター領域」とは、タンパク質をコードする遺伝子領域の転写開始点から上流域に存在する転写を開始させるために必須な配列を含む領域であって、一般に「プロモーター領域」および「エンハンサー領域」と言われる領域を言う。
[0014]
この発明におけるその他の用語や概念は、発明の実施形態の説明や実施例において詳しく規定する。またこの発明を実施するために使用する様々な技術は、特にその出典を明示した技術を除いては、公知の文献等に基づいて当業者であれば容易かつ確実に実施可能である。例えば、遺伝子工学および分子生物学的技術はSambrook and Maniatis, in Molecular Cloning-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989; Ausubel, F. M. et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, N.Y, 1995等に記載されている。

Advantageous Effects

[0015]
この出願の発明によれば、トランスジェニックカイコの繭から、容易に、しかもタンパク質の立体構造を変性させることなく抽出することのできる状態で組換えタンパク質を発現させることのできるポリヌクレオチドが提供される。
[0016]
セリシンのプロモーターおよびエンハンサーを用いて中部絹糸腺で組換えタンパク質遺伝子を発現させることによって、フィブロインのプロモーター領域を用いて後部絹糸腺で組換えタンパク質を発現させた場合の問題点、すなわち繭からの組換えタンパク質の抽出過程における問題点を全て解消することができる。中部絹糸腺で組換えタンパク質遺伝子を発現させれば、合成された組換えタンパク質は、水に対して可溶性のセリシン層に分泌される。従って、組換えタンパク質を抽出するために、タンパク質を変性させてしまう溶液を用いる必要がなく、組換えタンパク質を変性させることなく容易に抽出できる。立体構造に依存した生理活性を有する組換えタンパク質を得る場合でも、変性した立体構造を再生させる処理は必要ない。さらに、中部絹糸腺で合成される内在性のセリシンは、フィブロインのような結晶構造を形成しないため、組換えタンパク質を繭中に分泌させるために、融合タンパク質として合成する必要もない。従って、プロテアーゼ処理によって、融合タンパク質から組換えタンパク質を切り出す処理も不要である。
[0017]
以上のように、中部絹糸腺で組換えタンパク質を発現させ、セリシン層に分泌させれば、繭からの組換えタンパク質の抽出に関する問題点は解決される。しかし、セリシンは絹タンパク質の30%を構成するタンパク質であり、フィブロインに比べると存在量が少ない。そのため、中部絹糸腺にて組換えタンパク質遺伝子を発現し、大量の組換えタンパク質を繭中に分泌させるためには、中部絹糸腺で極めて高い転写活性を有した遺伝子発現制御配列としてのポリヌクレオチドが必要となる。この出願の発明は、セリシン1またはセリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドに、これらのプロモーターが有する転写活性を高めるポリヌクレオチドとして、バキュロウイルスhomologous regionsを構成するポリヌクレオチドを連結したポリヌクレオチドを提供する。また、さらに、セリシン1またはセリシン2遺伝子のプロモーターとバキュロウイルスhomologous regionsを連結したポリヌクレオチドの転写活性を増強するポリヌクレオチドとして、セリシン1またはセリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドと、バキュロウイルスIE1タンパク質をコードするポリヌクレオチドが連結されたポリヌクレオチドを提供する。
[0018]
以上のとおりのポリヌクレオチドを使用することによって、カイコを用いて無変性の組換えタンパク質を容易かつ大量に生産することが可能となる。
[0019]
以下、各発明について、実施形態を詳しく説明する。

Best Mode for Carrying out the Invention

[0020]
カイコの中部絹糸腺で合成されるセリシンには、少なくとも4〜6種類以上の分子種が存在することが知られているが、これらセリシンは、2種類のセリシン遺伝子、すなわちセリシン1遺伝子およびセリシン2遺伝子からの合成産物である。セリシン1およびセリシン2のそれぞれの遺伝子から、オルタネイティブスプライシング機構により、サイズの異なる様々なセリシンmRNAが合成され、これらのmRNAから様々な分子量のセリシンタンパク質群が翻訳される(Dev. Biol. 124, 431-440, 1987)。この出願の発明では、中部絹糸腺で組換えタンパク質遺伝子を発現させるために、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子のプロモーター領域を用いる。ここでいうプロモーター領域とは、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子の転写開始点から上流域に存在する転写を開始させるために必須な配列を含む領域を指す。実質的には、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子由来の塩基配列であって、その配列の下流に連結した組換えタンパク質遺伝子の中部絹糸腺細胞での転写を開始させることができる配列のことを指し、この条件に合う配列であれば、配列の長さなどは限定されない。また、プロモーター領域の転写活性を促進する、いわゆるエンハンサー配列を含んでいても良い。セリシン1遺伝子のプロモーター領域は、公知の塩基配列(GeneBank/AB007831)などを利用してプライマーを設計し、ゲノムPCRを行うなどの方法により取得することができる。セリシン2遺伝子のプロモーター配列は、この出願の発明者らが、非対称PCR法を用いてクローニングした配列番号1に記載したセリシン2遺伝子5'上流域の塩基配列(発明(18))や、公知の塩基配列(GeneBank/J01036)などを利用してプライマーを設計し、ゲノムPCRを行うなどの方法により取得することができる。
[0021]
前記したように、中部絹糸腺で組換えタンパク質遺伝子を発現することができ、かつ大量の組換えタンパク質を発現させることが、この出願の発明における課題である。そこで、以下に詳しく記載した発明によって、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子のプロモーターが有する中部絹糸腺細胞での転写活性を増強した。
[0022]
発明(1)(2)は、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子プロモーター領域を構成するポリヌクレオチドに、バキュロウイルスhomologous regionsを構成するポリヌクレオチド(以下「hrs」または単数を表す場合には「hr」と表記する場合もある。)を組み合わせることによってセリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子プロモーターが有する中部絹糸腺細胞での転写活性を増強したポリヌクレオチドである。「hrs」は、バキュロウイルス(BmNPV、AcNPV、CfNPV、LdNPV、OpNPVなど)のゲノム内に散在する一種の繰り返し配列であり、ウイルスDNAの複製起点として働くほか、バキュロウイルスゲノム内の様々な遺伝子の転写活性を促進するエンハンサーとしての機能も有している(J. Biol. Chem. 272, 30724-30728, 1997)。また、hrsは、バキュロウイルスの遺伝子以外の遺伝子の転写にもエンハンサーとして働くことが知られている。例えば、BmNPVのhrsの一つであるhr3は、カイコアクチンプロモーターに(J. Biol. Chem. 272, 30724-30728, 1997)、AcNPVのhrsの一つであるhr5はRous sarcomaウイルスのLTRに作用し(J. Virol. 61, 2091-2099, 1987)、これらの転写活性を増強することなどが報告されている。しかし、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子プロモーターが有する中部絹糸腺細胞での転写活性を、hrsが高めることをできるかどうかは知られていなかった。そこで、後記実施例1によってこの点に関して調べた。その結果、hrsがセリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子プロモーターのもつ中部絹糸腺細胞での転写活性を増強することを見出し発明(1)(2)を完成させた。この出願の発明で用いるhrは、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子プロモーターの活性を増強する効果をもつものであれば、どのバキュロウイルスに由来するものであっても良く、また、少なくとも9種類以上知られている、どの種類のhrであっても良い。さらに、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子プロモーターの活性を増強する効果をもつのであれば、hrsの部分配列であっても良い。これら、hrsまたはhrsの部分配列は公知の塩基配列(GeneBank/NC_001962、GeneBank/NC_001623など)を利用してプライマーを設計し、ウイルスゲノムをテンプレートに用いたPCRを行うなどの方法により取得することができる。
[0023]
発明(3)は、発明(1)のポリヌクレオチドと組換えタンパク質構造遺伝子とが連結された発現カセットである。カセット内の組換えタンパク質構造遺伝子は、任意のタンパク質をコードするcDNAなどを用いることができる。組換えタンパク質が、分泌タンパク質であれば、タンパク質をコードするcDNAをそのまま用いれば良いし、また、分泌タンパク質でない場合は、cDNAの5'末端側にシグナルペプチドをコードする配列を付加しても良い。シグナルペプチドをコードする配列は、セリシンなどの絹タンパク質に由来するものであっても良いし、その他任意の分泌タンパク質に由来するものであっても良い。発明(3)の発現カセットにおいて、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子プロモーター領域は、組換えタンパク質構造遺伝子の上流に連結する必要があるが、hrsに関しては、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子プロモーター領域と組換えタンパク質構造遺伝子からなるポリヌクレオチドの上流に位置しても良いし、下流に位置しても良い。また、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子プロモーター領域と組換えタンパク質構造遺伝子からなるポリヌクレオチドに隣接して連結されていても、効果がおよぶ範囲内であれば離れて連結されていても良い。
[0024]
この出願の発明(4)(5)は、発明(1)のポリヌクレオチドが有する転写活性を、さらに増強するためのポリヌクレオチドである。このポリヌクレオチドは、セリシン1またはセリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドと、その下流に連結されたバキュロウイルスIE1タンパク質をコードするポリヌクレオチドから構成されている。IE1は、バキュロウイルスが宿主細胞に感染した直後に合成される一群のタンパク質の一つであり、39kやp35などのウイルス遺伝子、さらにIE1タンパク質をコードするie1遺伝子自体の発現を活性化するトランスレギュレーターである(J. Virol. 57, 563-571, 1986、J. Virol. 66, 7429-7437, 1992)。IE1がこれらのウイルス遺伝子の発現を活性化する機構には、hrsを介してプロモーターの転写活性を高める機構と、hrsを介さずに直接プロモーターに作用する機構があることが知られている(J. Virol. 77, 5668-5677, 2003)。また、IE1は、アクチン遺伝子など、宿主細胞の遺伝子発現を活性化することも知られている(Virology 218, 103-113, 1996)。この出願の発明者らは、発明(1)(2)のポリヌクレオチドが有する中部絹糸腺細胞での転写活性を、IE1タンパク質が増強する可能性があると考え、後記実施例1によってその可能性を検証した。その結果、IE1タンパク質は、hrsを介してプロモーターの転写活性を高める機構と、hrsを介さずに直接プロモーターに作用する機構の両方の機構により、発明(1)(2)のポリヌクレオチドが有する中部絹糸腺細胞での転写活性を増強することが明らかとなった。そこで、次にIE1タンパク質が中部絹糸腺細胞で合成されるように、IE1タンパク質をコードするORFの上流に、セリシン1遺伝子またはセリシン2遺伝子のプロモーターを連結したポリヌクレオチドを作製し、発明(4)(5)を完成させた。さらに、発明(4)(5)のポリヌクレオチドに、バキュロウイルスhrsを連結し、中部絹糸腺細胞において、さらに多くのIE1タンパク質が合成されるポリヌクレオチドも開発した(発明(6))。この発明(6)においては、hrsは、発明(4)(5)のポリヌクレオチドの上流に連結されても、下流に連結されても良い。また、隣接されて連結されていても良いし、hrsの効果がおよぶ範囲であれば、離れて連結されていてもよい。これら、発明(4)(5)および発明(6)におけるIE1タンパク質をコードするORFは、公知の塩基配列(GeneBank/AY048770、GeneBank/M16820)などを利用してプライマーを設計し、ウイルスゲノムをテンプレートに用いたPCRを行うなどの方法により取得することができる。IE1タンパク質をコードするORFは、合成されたIE1がセリン遺伝子1または2のプロモーター領域や発明(1)(2)のポリヌクレオチドの転写活性を増強する効果があるものであれば、どのバキュロウイルスに由来するものでも良く、また、IE1の部分配列や、塩基配列の一部が改変されたものでも良い。
[0025]
発明(7)は、発明(3)の発現カセットを保有する発現ベクターである。また、発明(9)は、発明(4)(5)または(6)のポリヌクレオチドを保有するベクターである。これらのベクターは、カイコの形質転換のために使用することのできる昆虫用のベクターであれば特段の制限なく使用することができる。例えば、AcNPVベクターや、昆虫由来DNA型トランスポゾンを組み込んだプラスミドベクターなどであるが、特に後者が好ましい(発明(8)および発明(10))。昆虫由来DNA型トランスポゾンとしては、piggyBac、mariner(Insect Mol. Biol. 9, 145-155, 2000)、およびMinos(Insect Mol. Biol. 9, 277-281, 2000)等が知られている。これらのトランスポゾンは、カイコ細胞内で転移活性を示すことから、これらのDNA型トランスポゾンをもとに作製したベクターによりカイコを形質転換させることが可能である。特にpiggyBacをもとに作製したプラスミドベクターは、カイコ卵に微量注入することにより、実際にカイコを形質転換させることに成功している(Nat. Biotechnol. 18, 81-84, 2000)。
[0026]
発明(11)は、発明(3)の発現カセット、すなわち組換えタンパク質を発現させるためのポリヌクレオチドと、発明(4)(5)または発明(6)のポリヌクレオチド、すなわちIE1を発現するポリヌクレオチドの両方を有するベクターである。また、発明(12)は、発明(10)の一実施形態であった、ベクターがDNA型トランスポゾンをもとに作製したベクターである。これらのベクターにおいては、組換えタンパク質を発現する発現カセットと、IE1を合成するヌクレオチドが、完全に独立に一つのベクター内に保有されていても良いし、或いは、プロモーターやhrsを共有していても良い。例えば、組換えタンパク質遺伝子-プロモーター-hrs-プロモーター-IE1ORFの順にベクターに組み込めば、hrsを共有させることができる。また、カイコ絹糸腺細胞で機能するIRES(Internal Ribosome Entry Site)を用い、例えば、hrs-プロモーター-組換えタンパク質遺伝子-IRES-IE1ORFの順番でベクターに組み込めば、hrsとプロモーターを共有させることができる。
[0027]
発明(7)または発明(8)のベクターを使って、組換えタンパク質を発現するための発現カセットをゲノム中に保有するトランスジェニックカイコ(発明(13))を、また、発明(9)または発明(10)のベクターを使って、IE1を発現するポリヌクレオチドをゲノム中に保有するトランスジェニックカイコ(発明(14))を作出することができる。また、発明(11)または発明(12)のベクターを使えば、組換えタンパク質を発現するための発現カセットとIE1を発現するポリヌクレオチドの両方をゲノム中に保有するトランスジェニックカイコ(発明(15))を作出することができる。
[0028]
トランスジェニックカイコの作出については、例えばpiggyBacをもとに作製したベクターを利用する場合は、田村らの方法(Nat. Biotechnol. 18, 81-84, 2000)と同様な方法によって行うことができる。すなわち、piggyBacの一対の逆向き反復配列を適当なプラスミドベクターに組み込み、挿入するポリヌクレオチドを一対の逆向き反復配列で夾むように挿入する。そしてこのプラスミドベクターを、piggyBacのトランスポゼース発現ベクター(ヘルパープラスミド)と共にカイコ卵へ微量注入する。このヘルパープラスミドは、piggyBacの逆向き反復配列の片方または両方を欠いた、実質的にはpiggyBacのトランスポゼース遺伝子領域のみが組み込まれている組換えプラスミドベクターである。このヘルパープラスミドにおいて、トランスポゼースを発現させるためのプロモーターは、内在性のトランスポゼースプロモーターをそのまま利用しても良いし、あるいは、カイコ・アクチンプロモーターやショウジョウバエHSP70プロモーター等を利用してもよい。次世代カイコのスクリーニングを容易にするために、挿入するポリヌクレオチドを組み込んだベクター内に同時にマーカー遺伝子を組み込んでおくこともできる。この場合、マーカー遺伝子の上流に例えばカイコ・アクチンプロモーターやショウジョウバエHSP70プロモーター等のプロモーター配列を組み込み、その作用によりマーカー遺伝子を発現させるようにする。マーカー遺伝子を発現させるプロモーターが、ベクター内に存在するhrsの影響を受けないように、マーカー遺伝子を発現させるプロモーターとhrsの間にインシュレーターを組み込んでおくこともできる。用いるインシュレーターとしては、例えばショウジョウバエgypsyトランスポゾンのインシュレーターなどを挙げることができる。
[0029]
ベクターを微量注入したカイコ卵から孵化した幼虫(F0世代)を飼育する。得られた全F0世代のカイコを野生型カイコと、あるいはF0カイコ同士で交配し、次世代(F1世代)のカイコからトランスジェニックカイコを選抜する。トランスジェニックカイコの選抜は、例えばPCR法やサザンブロット法を用いて行う。また、マーカー遺伝子を組み込んだ場合には、その表現形質を利用して選抜することも可能である。例えばマーカー遺伝子としてGFP等の蛍光タンパク質遺伝子を利用した場合には、F1世代のカイコ卵や幼虫に励起光を照射し、蛍光タンパク質の発する蛍光を検出することにより行うことができる。以上のような方法によりトランスジェニックカイコを作出することができる。
[0030]
発明(13)および発明(15)のトランスジェニックカイコは、中部絹糸腺にて組換えタンパク質を発現し、絹糸のセリシン層に組換えタンパク質を分泌する。発明(15)のトランスジェニックカイコには、組換えタンパク質を発現する発現カセットに加え、IE1を発現するポリヌクレオチドが組み込まれているため、発明(13)の組換えタンパク質を発現する発現カセットのみが組み込まれているトランスジェニックカイコよりも、多くの組換えタンパク質を発現する。発明(15)のトランスジェニックカイコは、前記したように、発明(11)または発明(12)のベクターを使って作出することもできるし、或いは、発明(13)の組換えタンパク質を発現する発現カセットが組み込まれているトランスジェニックカイコに、発明(9)または発明(10)のベクターを使ってIE1を発現するポリヌクレオチドを組み込むか、または、発明(14)のIE1を発現するポリヌクレオチドが組み込まれているトランスジェニックカイコに、発明(7)または発明(8)のベクターを使って、組換えタンパク質を発現する発現カセットを組み込むことによっても作出することが可能である。また、発明(13)のトランスジェニックカイコと、発明(14)のトランスジェニックカイコを交配し、次の世代のカイコから、組換えタンパク質を発現する発現カセットとIE1を発現するポリヌクレオチドの両方を保有するカイコを選抜することによっても作出することもできる。
[0031]
発明(16)および発明(17)は、それぞれ発明(13)および発明(15)のトランスジェニックカイコの繭から、組換えタンパク質を抽出する組換えタンパク質の製造方法である。発明(13)および発明(15)のトランスジェニックカイコが合成した組換えタンパク質は、繭を構成する絹糸のセリシン層に分泌されている。前記したように、セリシン層は、水に対して可溶性のセリシンより構成されており、この層に局在する組換えタンパク質は、タンパク質を変性させてしまう溶液を用いることなく抽出することができる。セリシン層から組換えタンパク質を抽出するための抽出液は、組換えタンパク質の抽出が可能であるものならば特段の制限はない。例えば、中性の塩類溶液であっても良いし、界面活性剤や、その他、抽出を効率的に行うための試薬などが含まれる溶液であっても良い。これらの抽出液を使って繭から組換えタンパク質を抽出するには、例えば、断片化した繭を抽出液に浸し攪拌するなどの方法を用いることができる。また、抽出の前に、繭を微粉末化する処理を行っても良いし、抽出の際に超音波処理を行うなどの機械的処理を併用しても良い。
[0032]
以下、実施例によりこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例によって限定されるものではない。

Mode for the Invention 1

[0033]
hr3およびIE1によるセリシン1遺伝子のプロモーター活性促進効果の検証
以下の3種類のベクターを作製し、BmNPV のhrsの一つであるhr3とBmNPVのIE1によるカイコセリシン1プロモーターの転写活性促進効果を、 遺伝子銃を用いた一過性遺伝子発現系を利用して調べた。
[1]セリシン1プロモーターの下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子を有するベクター
カイコセリシン1遺伝子の転写開始点を+1とした場合の-304〜+20の領域に対応するDNA断片を、カイコ成体腹部より抽出したゲノムDNAをテンプレートとしたPCRによって取得した。用いたプライマーは、5'-GCTAGCAGTCGAATTTCGACTACTGCG-3'(配列番号2)と5'-GCTAGCCCCGATGATAAGACGACTATG-3'(配列番号3)であり、それぞれの5'末端にNheIサイトが付加されている。得られたPCR産物をNheIで切断した後、ホタルルシフェラーゼレポーターベクターpGL3-basic(Promega)のNheIサイトに挿入した。
[2]hr3とセリシン1プロモーターの下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子を有するベクター
BmNPVのhr3(塩基番号64321〜66017 : GeneBankデータベース登録番号NC_001962)を含むDNA断片を、pXINSECT-DEST38(Invitrogen)をテンプレートにしたPCRによって取得した。用いたプライマーは、5'-CGGAATCTATGTTACGGACTTC-3'(配列番号4)と5'-GAGCTCGATATCGAATTCCTGCAGCC-3'(配列番号5:5'末端にSacIサイトが付加されている)である。得られたPCR産物をSacIで切断した後、上記1)のセリシン1プロモーターを有するpGL3のセリシンプロモーターの上流にあるSacIサイトに挿入した。挿入したDNA断片の向きは、hr3の5'末端(塩基番号64321)側が、セリシン1プロモーター側になるようにした。
[3]hr3とセリシン1プロモーターの下流にIE1のORFを有するベクター
BmNPVのIE1のORF(塩基番号116981〜119482 : GeneBankデータベース登録番号NC_001962)を、pXINSECT-DEST38をテンプレートにしたPCRによって取得した。用いたプライマーは、5'-GGATCCCAACCAAACGACTATGACGC-3'(1配列番号6:5'末端にBamHIサイトが付加されている)と5'-CAGGAGTGGGCATACTCTTG-3'(配列番号7)である。得られたPCR産物を、pCR4Blunt-TOPOベクター(Invitrogen)に挿入した。次に、セリシン1プロモーターを、PCRによって、[1]のセリシン1プロモーターを有するpGL3ベクターから増幅した。用いたプライマーは、5'-GGATCCGAGCTCAGTCGAATTTCGACTACTGCG-3'(配列番号8:5'末端にBamHIサイトとSacIサイトが付加されている)と、5'-GGATCCGCTAGCCCCGATGATAAGACGACTATG-3'(配列番号9:5'末端にBamHIサイトが付加されている)である。PCR産物をBamHIで消化し、上記のIE1ORFを有したpCR4Blunt-TOPOベクターの、IE1ORFの5'末端側に存在するBamHIサイトに挿入した。最後に、[2]のhr3とセリシン1プロモーターの下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子を有するベクターをSacIで消化することにより、このベクターからhr3を切り出し、上記のセリシン1プロモーターとIE1ORFを有するベクターの、セリシン1プロモーターの5'末端側に存在するSacIサイトに挿入した。挿入した向きは、hr3の3'末端(塩基番号66017 : GeneBankデータベース登録番号NC_001962)側が、セリシン1プロモーター側になるようにした。
[0034]
上記[1]のベクターとインサートDNAを含まないpCR4Blunt-TOPOベクターを1:1の割合で混合したDNA溶液(以下、Pserと表記する)、上記[2]のベクターとインサートDNAを含まないpCR4Blunt-TOPOベクターを1:1の割合で混合したDNA溶液(以下、Pser+hr3と表記する)、上記[1]のベクターと上記[3]のベクターを1:1の割合で混合したDNA溶液(以下、Pser+IE1と表記する)、および上記[2]のベクターと上記[3]のベクターを1:1の割合で混合したDNA溶液(以下、Pser+hr3+IE1と表記する)を用意し、以下に記載した方法によって、これら4種類のDNA混合液をカイコ絹糸腺に導入し、ルシフェラーゼ活性を測定した。
1) 金粒子の調製:金粒子1 mgあたり188 ngのDNA混合液を付着させた。
2) 絹糸腺採取:5令1日の幼虫から絹糸腺を取出し、Grace培地で洗浄した。
3) 遺伝子銃によるDNAの絹糸腺への導入:遺伝子銃(Helios Gene Gun; BioRad)を用いて絹糸腺にDNAの付着した金粒子を打ち込んだ。絹糸腺あたり0.02 mgの金粒子(3.8 ng DNA)を打ち込んでいる。
4) 絹糸腺の移植:絹糸腺をGrace培地で洗浄後、絹糸腺を取出した個体と同じ日令の幼虫の背側後方体腔内に移植した。絹糸腺を移植した幼虫を3日間飼育した。
5) 絹糸腺の採取:移植した絹糸腺を宿主から取出し、Grace培地で洗浄後、絹糸腺を中部絹糸腺と後部絹糸腺に分割した。
6) ルシフェラーゼ活性の測定:中部絹糸腺および後部絹糸腺をpassive lysis buffer(Promega)中でホモジナイズした後遠心し、上清中のルシフェラーゼ活性を、ルシフェラーゼ定量システム(Promega)を用いて測定した。
[0035]
1種類のDNA混合液について9〜12本の絹糸腺への導入を行いルシフェラーゼ活性を測定し、それぞれの平均値と標準偏差(SEM)を算出した。図1にその結果を示した。値はPserを導入した絹糸腺における中部絹糸腺でのルシフェラーゼ活性の平均値を1とした場合の相対値として示した。
[0036]
Pser、Pser+hr3、Pser+IE1、およびPser+hr3+IE1を導入した中部絹糸腺でのルシフェラーゼ相対活性は、それぞれ、1、5.2、3.7、31.4であった。このように、hr3およびIE1は、それぞれ単独でもセリシン1プロモーターの転写活性を増強するが、hr3およびIE1の両方が存在したときに、転写活性の増強効果は極めて高くなることが明らかになった。

Mode for the Invention 2

[0037]
トランスジェニックカイコ作製用ベクターの作製
5'末端がリン酸化されたオリゴヌクレオチド5'-AATTCCTTAAGCTCGAGTCGCGA-3'(配列番号10)と5'-AATTTCGCGACTCGAGCTTAAGG-3'(配列番号11)をアニーリングさせた2本鎖オリゴヌクレオチドを作製した。この2本鎖オリゴヌクレオチドは、AflII、XhoI、NruIの制限酵素認識配列を有し、両末端はEcoRIサイトに連結可能な構造をしている。マーカー遺伝子として眼や神経系で発現する赤色蛍光タンパク質(DsRed)遺伝子を有するpiggyBacベクターであるpBac[3xP3-DsRed/pA](Nat. Biotechnol. 21, 52-56 (2003))のEcoRIサイトに、この2本鎖オリゴヌクレオチドを挿入し、pBac[3xP3-DsRed/pA]ベクターにAflII、XhoI、NruIの制限酵素認識配列を挿入した。
[0038]
実施例1のベクター[3](hr3とセリシン1プロモーターの下流にIE1のORFを有するベクター)をテンプレートとしたPCRによって、セリシン1プロモーターおよびIE1ORFからなるDNA断片を増幅した。PCRに用いたプライマーは、5'-GAATTCAGTCGAATTTCGACTACTGCG-3'(配列番号12)および5'-GAATTCCAGGAGTGGGCATACTCTTG-3'(配列番号13)であり、それぞれの5'末端にEcoRIサイトが付加されている。従って、得られたDNA断片の両末端にはEcoRIサイトが付加されている。このDNA断片をEcoRIで消化し、前記したAflII、XhoI、NruIを有するpiggyBacベクターのEcoRIサイトに挿入した。
[0039]
同様にして、実施例1のベクター[2](hr3とセリシン1プロモーターの下流にホタルルシフェラーゼ遺伝子を有するベクター)をテンプレートとしたPCRによって、hr3とセリシン1プロモーターからなり、かつ両末端にXhoIサイトを有したDNA断片を増幅した。用いたプライマーは、5'-CTCGAGGATATCGAATTCCTGCAGCC-3'(配列番号14)および5'-CTCGAGCCCGATGATAAGACGACTATG-3'(配列番号15)である。増幅したDNA断片をXhoIで消化した後、前記のセリシン1プロモーターおよびIE1ORFを挿入したpiggyBacベクターのXhoIサイトに挿入した。
[0040]
最後に、Gatewayベクターコンバージョンシステム(Invitrogen)を用いて、上記のベクターのNruIサイトに、ラムダファージ由来の部位特異的組換えサイトであるattR1およびattR2を含むDNA断片(Gatewayカセット)を挿入した(pMSG2:図2)。このDNA断片を挿入することにより、Gatewayシステム(Invitrogen)を利用して、発現させたい任意の遺伝子を、hr3を付加したセリシン1プロモーターの下流に組み込むことが可能となる。組み込まれた任意の遺伝子は、hr3を付加したセリシン1プロモーターによって、中部絹糸腺にて高発現する。さらに、同ベクター内に組み込まれているIE1ORFから合成されたIE1タンパク質によって、その発現は増強される。ベクターに組み込まれたIE1ORFの上流には、hr3とセリシン1プロモーターがあるため、IE1タンパク質は中部絹糸腺で高発現する。従って、中部絹糸腺における任意の遺伝子の発現は、非常に高いレベルに達する。

Mode for the Invention 3

[0041]
緑色蛍光タンパク質をセリシン層に分泌するトランスジェニックカイコの作出
ヒトカルレティキュリンのシグナルペプチドをコードする配列を含むプライマー(5'-CACCATGGTGCTATCCGTGCCGTTGCTGCTCGGCCTCCTCGGCCTGGCCGTCGCCGTGAGCAAGGGCGAGGAG-3':配列番号16)およびEGFPの終止コドンを含むプライマー(5'-TTTACTTGTACAGCTCGTCCATGC-3':配列番号17)を用い、pEGFP(Clontech)をテンプレートにしたPCRによって、ヒトカルレティキュリンのシグナルペプチドをコードする配列を5'末端に付加したEGFPのcDNAを作製した。得られたcDNA断片をpENTRベクター(Invitrogen)に組み込み、さらにGatewayシステムを利用してpMSG2に挿入し、分泌型EGFPを発現するベクター(pSEM2)を構築した。
[0042]
pSEM2を塩化セシウム超遠心法で精製した後、pSEM2とヘルパープラスミドであるpHA3PIG(Nat. Biotechnol. 18, 81-84 (2000))とをプラスミド量が1:1になるように混合し、さらにエタノール沈殿を行った後、pSEMとpHA3PIGのそれぞれの濃度が200μg/mlなるようにインジェクションバッファー(0.5 mMリン酸バッファー pH 7.0, 5 mM KCl)に溶解した。このDNA溶液を、産卵後2〜8時間の前胚盤葉期のカイコ卵(カイコ胚)に、一つの卵あたり約15〜20 nlの液量で微量注入した。合計3466個の卵に微量注入を行った。
[0043]
ベクターDNAを微量注入した卵を25℃でインキュベートしたところ553個の卵が孵化した。孵化したカイコの飼育を続け、得られた生殖可能な成虫を交配し、143グループのF1卵塊を得た。産卵日から5〜6日目のF1卵塊を蛍光実体顕微鏡で観察することにより、眼や神経系から赤色蛍光を発するトランスジェニックカイコの卵をスクリーニングした。その結果、トランスジェニックカイコの卵を含む卵塊を7グループ得ることができた。得られた卵塊を孵化させ飼育したところ、6グループの卵塊に由来するトランスジェニックカイコは、吐糸期に達する前に死滅したが、1グループの卵塊に由来するトランスジェニックカイコは、正常に繭を作り蛹となり、さらに羽化して生殖能力を有した成虫になった。そこで、野生型のカイコと交配して、トランスジェニック系統を樹立した。
[0044]
pSEM2によって作出されたトランスジェニックカイコは、5齢期になると、その中部絹糸腺から強い緑色蛍光を発した。さらに、吐糸期になると、緑色蛍光を発する繭糸を吐き出し繭を作った。このように、トランスジェニックカイコは、中部絹糸腺でEGFPを合成し、繭糸のセリシン層にEGFPを分泌していることが示唆された。そこで次に、繭糸をタンパク質変性剤を含まない中性緩衝液に浸しEGFPの抽出を試みた。繭糸をハサミで断片化した後、1% triton-Xを含むPBSに懸濁し、4℃において48時間インキュベートした。同様にして、野生型カイコの繭糸、およびpMOSRA-7ベクター(Nat. Biotechnol. 21, 52-56 (2003))によって作出されたトランスジェニックカイコの繭糸(不溶性のフィブロイン層にフィブロインL鎖、ミニコラーゲンの三重らせん領域およびEGFPの融合タンパク質を含んでいる)の断片も、1% Triton-Xを含むPBS中でインキュベートした。遠心して繭糸断片を取り除き、それぞれの抽出液を蛍光実体顕微鏡にて観察した。その結果、pSEM2によって作出されたトランスジェニックカイコの繭の抽出液のみから緑色蛍光が検出された。抽出液中から緑色蛍光が検出されたことは、セリシン層中に分泌されたEGFPが、立体構造の変性を伴わずに、中性緩衝液中に抽出されたことを示している。
[0045]
さらに抽出液に含まれるタンパク質を電気泳動してウエスタンブロット解析を行った。抽出液を等量のSDSサンプルバッファーと混合し、5分間95℃で加熱した。この試料をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(Nature 227, 680-685, 1970)に供し、Matsudairaらの方法(J. Biol. Chem. 262, 10035-10038, 1987)に準じて、泳動されたタンパク質をニトロセルロース膜BA85(S&S)に転写した。このニトロセルロース膜をブロッキング液(5 % Skim milk/ 50 mMトリス塩酸緩衝液 pH 7.5、150 mM NaCl)で室温において1時間処理した後に、ブロッキング液で1000倍に希釈した抗EGFPポリクローナル抗体(Clontech)と室温で1時間反応させた。次に、Tween20を含むTBS(50 mMトリス塩酸緩衝液 pH 7.5、150 mM NaCl)で3000倍に希釈したペルオキシダーゼ標識抗ウサギIgG抗体(Cell Signaling Technology)と室温で約1時間反応させた。最後に、抗体が反応したタンパク質をECL Western Blotting Detection Reagents(Amersham Biosciences)を用いて検出した。その結果、野生型カイコの繭およびpMOSRA-7ベクターによって作出されたトランスジェニックカイコの繭の抽出液からは、EGFP抗体と反応するバンドは検出されなかったが、pSEM2ベクターを用いて作出されたトランスジェニックカイコの繭抽出液からは、EGFPの分子量と一致する27 kDaの位置に、明瞭なバンドを検出することができた(図3)。
[0046]
以上の結果から、pSEM2ベクター によって作出されたトランスジェニックカイコの繭には、タンパク質変性剤を含まない中性緩衝液で抽出することができる組換えEGFPが含まれていることが確認できた。このように、pMSG2ベクターに挿入した組換えタンパク質遺伝子は、フィブロインなどの絹タンパク質との融合タンパク質ではなく、組換えタンパク質単独で発現および分泌させることができ、さらにタンパク質の高次構造を変性させることなく、中性緩衝液にて繭から抽出できることが明らかとなった。

Mode for the Invention 4

[0047]
カイコセリシン2遺伝子5'上流領域配列のクローニング
カイコセリシン2遺伝子の5'上流域配列については、転写開始点を+1とした場合の塩基番号-80〜+60までの配列のみが報告されており(Gene 86, 177-184, 1990)、この配列のさらに上流域の配列は未だ知られていない。そこで、セリシン2遺伝子の配列が決定されていない5'上流領域を、非対称PCRによってカイコゲノムDNAより増幅し、配列決定を行った。非対称PCR法とは、既知の配列に対してはその配列に特異的なプライマーをアニーリングさせ、未知の配列に対してはdegenerate randomプライマーをアニーリングさせてPCRを行なうことにより、既知配列に隣接する未知配列を取得する手法である。目的としない配列の増幅を防ぐために、既知配列特異的プライマーをnestedプライマーにして、複数回PCRを行い、増幅産物を純化する。セリシン2遺伝子の既知の配列は、Michailleらの論文(Gene 86, 177-184, 1990)に記載されている、転写開始点の塩基を+1とした時の、塩基番号-80から塩基番号+60までの塩基配列を参考にして、配列特異的なnestedプライマーとして、GSP-A(5'-TGGGATCTTCATGATGACTCGTGTGGCTC-3':配列番号18)、GSP-B(5'-GACAGACCACCTTTATATAGCCGGTGCCAC-3':配列番号19)、GSP-C(5'-GACAGTGCACGTCGGTCAAACTGTGTCAAC-3':配列番号20)の3つのプライマーを設計した。テンプレートは、カイコ成虫の腹部から抽出したゲノムDNA 100 ngを用いた。非対称PCRの反応は、APAgene Locator Kit(Bio S&T Inc.)を使用して行なった。degenerate randomプライマー、酵素、基質等はkitに付属のものを使用し、また、反応条件は全てkit付属のプロトコルに従った。その結果、約1.5 kbのDNA断片を増幅することができた。この増幅産物を、pCR4Blunt-TOPOベクター(Invitrogen)にサブクローニングし、ジデオキシ法によって塩基配列を決定した。塩基配列を配列番号1に示す。

Industrial Applicability

[0048]
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、中部絹糸腺で組換えタンパク質遺伝子を発現することができ、かつ高い転写活性を有した遺伝子発現制御配列からなるポリヌクレオチドが提供される。さらに、このポリヌクレオチドを含むベクター、およびこのベクターを用いて作製されたトランスジェニックカイコ、並びに、このトランスジェニックカイコが作った繭から組換えタンパク質を抽出する組換えタンパク質の製造方法が提供される。この発明を利用すれば、様々な組換えタンパク質を、絹タンパク質との融合タンパク質ではなく単独のタンパク質として、カイコの繭中に分泌させることができ、さらに、組換えタンパク質を変性させることなく、容易に繭から抽出することができる。従って、医療、食品、化粧品、繊維などの様々な産業分野で利用可能な組換えタンパク質を、大量にかつ容易に生産することが可能となる。

Brief Description of Drawings

[0049]
[fig. 1] hr3およびIE1によるセリシン1遺伝子プロモーター活性の促進。遺伝子銃を用いた絹糸腺での一過性の遺伝子発現系を用いて、hr3およびIE1によるセリシン1遺伝子プロモーターの活性促進効果を調べた。プロモーター活性は、中部絹糸腺におけるセリシン1遺伝子プロモーターの活性を1とした場合の相対値として示した。PSGおよびMSGは、それぞれ後部絹糸腺および中部絹糸腺でのプロモーター活性を表す。
[fig. 2] pMSG2ベクターの構造。トランスジェニックカイコ作製用ベクターであるpMSG2の構造を示した。piggyBacR:piggyBac 3'末端側配列、3xP3-TATA:眼や神経系で発現を引き起こすプロモーター、DsRed:赤色蛍光タンパク質遺伝子、SV40 polyA:SV40由来ポリA付加シグナル、IE1:BmNPV IE1のORF、Pser1:カイコセリシン1遺伝子プロモーター、HR3:BmNP hr3、attR1-Cm-ccdB-attR2:Gatewayカセット、FibL polyA;カイコフィブロインL鎖ポリA付加シグナル、piggyBacL:piggyBac 5'末端側配列。
[fig. 3] 繭抽出液のウエスタンブロット解析。野生型カイコの繭、pMOSRA-7ベクターにより作製されたトランスジェニックカイコの繭、およびpSEM2ベクターにより作製されたトランスジェニックカイコの繭を、それぞれ1% triton-Xを含むPBSに浸しタンパク質を抽出した。抽出されたタンパク質を電気泳動した後、抗EGFP抗体を用いてウエスタンブロットを行った。

Claims

[1]
カイコ中部絹糸腺において組換えタンパク質を発現させるための発現カセットにおいて組換えタンパク質構造遺伝子と機能的に連結されるポリヌクレオチドであって、セリシン1またはセリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドと、バキュロウイルスhomologous regionsを構成するポリヌクレオチドが機能的に連結されたポリヌクレオチド。
[2]
セリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドが、配列番号1のヌクレオチド配列またはその一部である請求項1のポリヌクレオチド。
[3]
カイコ中部絹糸腺において組換えタンパク質を発現させるための発現カセットであって、請求項1または2のポリヌクレオチドと組換えタンパク質構造遺伝子とが連結された発現カセット。
[4]
請求項1または2のポリヌクレオチドが有する転写活性を促進するポリヌクレオチドであって、セリシン1またはセリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドと、バキュロウイルスIE1タンパク質をコードするポリヌクレオチドが機能的に連結されたポリヌクレオチド。
[5]
セリシン2遺伝子のプリモーター領域を構成するポリヌクレオチドが、配列番号1のヌクレオチド配列またはその一部である請求項4のポリヌクレオチド。
[6]
請求項4または5のポリヌクレオチドに、さらにバキュロウイルスhomologous regionsを構成するポリヌクレオチドを連結したポリヌクレオチド。
[7]
請求項3の発現カセットを保有する発現ベクター。
[8]
発現カセットが、昆虫由来DNA型トランスポゾンの一対の逆向き反復配列に挟まれている請求項7の発現ベクター。
[9]
請求項4または5のポリヌクレオチドもしくは請求項6のポリヌクレオチドを保有するベクター。
[10]
ポリヌクレオチドが昆虫由来DNA型トランスポゾンの一対の逆向き反復配列に挟まれている請求項9のベクター。
[11]
請求項3の発現カセットと、請求項4、5または6のポリヌクレオチドを保有するベクター。
[12]
発現カセットとポリヌクレオチドが昆虫由来DNA型トランスポゾンの一対の逆向き反復配列に挟まれている請求項11のベクター。
[13]
請求項3の発現カセットをゲノム中に保有し、組換えタンパク質を中部絹糸腺にて発現するトランスジェニックカイコ。
[14]
請求項4、5または6のポリヌクレオチドをゲノム中に保有し、バキュロウイルスIE1タンパク質を中部絹糸腺にて発現するトランスジェニックカイコ。
[15]
請求項3の発現カセットと、請求項4、5または6のポリヌクレオチドをゲノム中に保有し、組換えタンパク質を中部絹糸腺にて発現するトランスジェニックカイコ。
[16]
請求項13のトランスジェニックカイコの繭から、組換えタンパク質を抽出することを特徴とする組換えタンパク質の製造方法。
[17]
請求項15のトランスジェニックカイコの繭から、組換えタンパク質を抽出することを特徴とする組換えタンパク質の製造方法。
[18]
セリシン2遺伝子のプロモーター領域を構成するポリヌクレオチドであって、配列番号1のヌクレオチド配列またはその一部配列からなるポリヌクレオチド。


Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

配列表