処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2014123086 - 画像処理装置及び磁気共鳴イメージング装置

Document

明 細 書

発明の名称 画像処理装置及び磁気共鳴イメージング装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006  

図面の簡単な説明

0007  

発明を実施するための形態

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8-1   8-2   8-3   9   10-1   10-2   10-3   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 画像処理装置及び磁気共鳴イメージング装置

技術分野

[0001]
 本発明の実施形態は、画像処理装置及び磁気共鳴イメージング装置に関する。

背景技術

[0002]
 磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンを、そのラーモア(Larmor)周波数のRF(Radio Frequency)パルスで磁気的に励起し、この励起に伴って発生する磁気共鳴信号のデータから画像を生成する撮像法である。この磁気共鳴イメージングの分野において、造影剤を用いずに被検体内を流れる体液の画像を生成する手法として、例えば、非造影MRA(Magnetic Resonance Angiography)が知られている。
[0003]
 例えば、ASL(Arterial Spin Labeling)法やTime-SLIP(Spatial Labeling Inversion Pulse)法では、血液や脳脊髄液(以下、適宜「CSF(cerebrospinal fluid)」)等の体液を標識化パルスの印加によって磁気的に標識化することで、造影剤を用いずに体液を可視化する。なお、「標識化」は、「タギング」、「ラベリング」等と称され、「標識化パルス」は、「タギングパルス」、「タグパルス」等と称される場合がある。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第4594482号公報
特許文献2 : 特許第3895972号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本発明が解決しようとする課題は、体液の動態を認識し易くすることができる画像処理装置及び磁気共鳴イメージング装置を提供することである。

課題を解決するための手段

[0006]
 実施形態に係る画像処理装置は、検出部と、生成部と、表示制御部とを備える。検出部は、撮像領域内の標識化領域に対して標識化パルスを印加して撮像された、時系列の画像群に含まれる各画像から、被検体内を流れる体液の領域を検出する。生成部は、検出された体液の領域を、前記撮像領域内に設定された境界線との位置関係に基づく表示態様によって各画像上に表した表示画像を生成する。表示制御部は、複数の前記表示画像を含む時系列の表示画像群を表示部に表示する。

図面の簡単な説明

[0007]
[図1] 図1は、第1の実施形態に係るMRI装置の構成を示す機能ブロック図。
[図2] 図2は、第1の実施形態に適用されるTime-SLIP法を説明するための図。
[図3] 図3は、第1の実施形態に適用されるTime-SLIP法を説明するための図。
[図4] 図4は、第1の実施形態における制御部の構成を示す機能ブロック図。
[図5] 図5は、第1の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
[図6] 図6は、第1の実施形態におけるイメージングを説明するための図。
[図7] 図7は、第1の実施形態におけるCSF画像データを説明するための図。
[図8-1] 図8-1は、第1の実施形態における表示画像を説明するための図。
[図8-2] 図8-2は、第1の実施形態における表示画像を説明するための図。
[図8-3] 図8-3は、第1の実施形態における表示画像を説明するための図。
[図9] 図9は、第1の実施形態の変形例における表示画像を説明するための図。
[図10-1] 図10-1は、第2の実施形態における表示画像を説明するための図。
[図10-2] 図10-2は、第2の実施形態における表示画像を説明するための図。
[図10-3] 図10-3は、第2の実施形態における表示画像を説明するための図。
[図11] 図11は、第3の実施形態における構成を示す機能ブロック図。
[図12] 図12は、その他の実施形態における表示画像を説明するための図。

発明を実施するための形態

[0008]
 以下、図面を参照しながら、実施形態に係る画像処理装置及び磁気共鳴イメージング装置(以下、適宜「MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置」)を説明する。なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、各実施形態において説明する内容は、原則として、他の実施形態においても同様に適用することができる。
[0009]
(第1の実施形態)
 図1は、第1の実施形態に係るMRI装置100の構成を示す機能ブロック図である。図1に示すように、MRI装置100は、静磁場磁石101と、静磁場電源102と、傾斜磁場コイル103と、傾斜磁場電源104と、寝台105と、寝台制御部106と、送信コイル107と、送信部108と、受信コイルアレイ109と、受信部110と、シーケンス制御部120と、計算機130とを備える。なお、MRI装置100に、被検体P(例えば、人体)は含まれない。また、図1に示す構成は一例に過ぎない。例えば、シーケンス制御部120及び計算機130内の各部は、適宜統合若しくは分離して構成されてもよい。
[0010]
 静磁場磁石101は、中空の円筒形状に形成された磁石であり、内部の空間に静磁場を発生する。静磁場磁石101は、例えば、超伝導磁石等であり、静磁場電源102から電流の供給を受けて励磁する。静磁場電源102は、静磁場磁石101に電流を供給する。なお、静磁場磁石101は、永久磁石でもよく、この場合、MRI装置100は、静磁場電源102を備えなくてもよい。また、静磁場電源102は、MRI装置100とは別に備えられてもよい。
[0011]
 傾斜磁場コイル103は、中空の円筒形状に形成されたコイルであり、静磁場磁石101の内側に配置される。傾斜磁場コイル103は、互いに直交するX、Y、及びZの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、傾斜磁場電源104から個別に電流の供給を受けて、X、Y、及びZの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する。傾斜磁場コイル103によって発生するX、Y、及びZの各軸の傾斜磁場は、例えば、スライス用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Ge、及び読み出し用傾斜磁場Grである。傾斜磁場電源104は、傾斜磁場コイル103に電流を供給する。
[0012]
 寝台105は、被検体Pが載置される天板105aを備え、寝台制御部106による制御の下、天板105aを、被検体Pが載置された状態で、傾斜磁場コイル103の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台105は、長手方向が静磁場磁石101の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御部106は、計算機130による制御の下、寝台105を駆動して天板105aを長手方向及び上下方向へ移動する。
[0013]
 送信コイル107は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、送信部108からRFパルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。送信部108は、対象とする原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア周波数に対応するRFパルスを送信コイル107に供給する。
[0014]
 受信コイル109は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、高周波磁場の影響によって被検体Pから発せられる磁気共鳴信号(以下、適宜「MR信号」)を受信する。受信コイル109は、MR信号を受信すると、受信したMR信号を受信部110へ出力する。
[0015]
 なお、上述した送信コイル107及び受信コイル109は一例に過ぎない。送信機能のみを備えたコイル、受信機能のみを備えたコイル、若しくは送受信機能を備えたコイルのうち、1つ若しくは複数を組み合わせることによって構成されればよい。
[0016]
 受信部110は、受信コイル109から出力されるMR信号を検出し、検出したMR信号に基づいてMRデータを生成する。具体的には、受信部110は、受信コイル109から出力されるMR信号をデジタル変換することによってMRデータを生成する。また、受信部110は、生成したMRデータをシーケンス制御部120へ送信する。なお、受信部110は、静磁場磁石101や傾斜磁場コイル103等を備える架台装置側に備えられてもよい。
[0017]
 シーケンス制御部120は、計算機130から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源104、送信部108及び受信部110を駆動することによって、被検体Pの撮像を行う。ここで、シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場電源104が傾斜磁場コイル103に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信部108が送信コイル107に供給するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信部110がMR信号を検出するタイミング等が定義される。例えば、シーケンス制御部120は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
[0018]
 なお、シーケンス制御部120は、傾斜磁場電源104、送信部108及び受信部110を駆動して被検体Pを撮像した結果、受信部110からMRデータを受信すると、受信したMRデータを計算機130へ転送する。
[0019]
 計算機130は、MRI装置100の全体制御や、画像の生成等を行う。計算機130は、インタフェース部131、記憶部132、制御部133、入力部134、表示部135、及び画像生成部136を備える。
[0020]
 インタフェース部131は、シーケンス情報をシーケンス制御部120へ送信し、シーケンス制御部120からMRデータを受信する。また、インタフェース部131は、MRデータを受信すると、受信したMRデータを記憶部132に格納する。記憶部132に格納されたMRデータは、制御部133によってk空間に配置される。この結果、記憶部132は、k空間データを記憶する。
[0021]
 記憶部132は、インタフェース部131によって受信されたMRデータや、制御部133によってk空間に配置されたk空間データ、画像生成部136によって生成された画像データ等を記憶する。例えば、記憶部132は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。
[0022]
 入力部134は、操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける。入力部134は、例えば、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスである。表示部135は、制御部133による制御の下、撮像条件の入力を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)や、画像生成部136によって生成された画像等を表示する。表示部135は、例えば、液晶表示器等の表示デバイスである。
[0023]
 制御部133は、MRI装置100の全体制御を行い、撮像や画像の生成、画像の表示等を制御する。なお、制御部133による処理の詳細は、後述する。
[0024]
 画像生成部136は、k空間データを記憶部132から読み出し、読み出したk空間データにフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、画像を生成する。
[0025]
 さて、第1の実施形態において、MRI装置100は、被検体の脳内に存在するCSFを可視化した画像を時系列に収集し、収集した各画像の表示画像を生成し、これらを表示部135に表示する。また、MRI装置100は、Time-SLIP法を用いて画像を収集する。なお、第1の実施形態においては、Time-SLIP法を用いて画像を収集する例を説明するが、実施形態はこれに限られるものではない。被検体内を流れる体液の画像を収集する手法であれば、撮像の目的や運用の形態等に応じて任意の手法を選択可能である。
[0026]
 図2及び3は、第1の実施形態に適用されるTime-SLIP法を説明するための図である。Time-SLIP法は、撮像領域とは独立に設定される標識化領域に対して標識化パルスを印加することで、標識化領域内の体液を標識化し、所定時間後に撮像領域内に流入若しくは流出する体液の信号値を相対的に高く若しくは低くすることで、体液を選択的に描出する手法である。例えば、図2は、脳の矢状断面像(サジタル(sagittal)像)である位置決め画像上に、撮像領域R1や標識化領域R2が設定された様子を示す。撮像領域R1は、例えば、側脳室、第三脳室、中脳水道、及び第四脳室を含むように設定される。また、標識化領域R2は、例えば、中脳水道の上端から第四脳室の下端までの範囲に設定される。なお、撮像領域や標識化領域の設定はこれに限られるものではない。撮像の目的等に応じて体液の動態が可視化されるように、任意に選択可能である。
[0027]
 このTime-SLIP法において、標識化パルスには、領域非選択パルスと領域選択パルスとがある。また、領域非選択パルスの印加は行われない場合もある。図3は、標識化パルスとしてIR(Inversion Recovery)パルスが印加された場合に、組織の縦磁化(Mz)が緩和する様子を示す。
[0028]
 例えば、図3の(A)に示すように、まず、撮像領域R1に領域非選択IRパルスが印加され、略同時に、撮像領域R1内の標識化領域R2に領域選択IRパルスが印加された場合を想定する。この場合、領域非選択IRパルスの印加によって、撮像領域R1内の組織の縦磁化は、図3の(A)に示すように、正値から負値に反転する。また、領域選択IRパルスの印加によって、標識化領域R2内の組織の縦磁化は、図3の(A)に示すように、負値から正値に再び反転する。この後、標識化領域R2を除く撮像領域R1内の組織の縦磁化は徐々に緩和(回復)し、やがて、背景組織の信号値がゼロとなるヌルポイント(Null Point)を迎える。例えば、標識化領域R2内で正値の縦磁化に反転した体液が撮像領域R1に流出(flow-out)し、例えば、このヌルポイント及びその前後を含む所定期間、若しくは、ヌルポイント以降のタイミングで画像データが収集されると、標識化領域R2内で標識化された体液の信号値は撮像領域R1内で相対的に高くなり、選択的に描出される。なお、これをflow-out法と呼ぶ場合がある。
[0029]
 また、例えば、図3の(B)に示すように、領域非選択IRパルスの印加が行われず、標識化領域R2にのみ領域選択IRパルスが印加された場合を想定する。また、標識化領域R2が、撮像領域R1外に設定された場合を想定する。この場合、図3の(B)に示すように、撮像領域R1内の組織の縦磁化はその縦磁化を維持するが、標識化領域R2内の組織の縦磁化は、正値から負値に反転する。この後、標識化領域R2内で領域選択IRパルスを印加された組織の縦磁化は徐々に緩和(回復)し、やがて、その信号値がゼロとなるヌルポイントを迎える。例えば、標識化領域R2内で負値の縦磁化に反転した体液が撮像領域R1に流入(flow-in)し、例えば、このヌルポイント及びその前後を含む所定期間、若しくは、ヌルポイント以降のタイミングで画像データが収集されると、標識化領域R2内で標識化された体液の信号値は撮像領域R1内で相対的に低くなり、選択的に描出される。なお、これをflow-in法と呼ぶ場合がある。
[0030]
 なお、図3に示した手法は一例に過ぎない。flow-out法やflow-in法の定義も上述に限られるものではなく、定義の仕方によっては、その逆の名称や他の名称で呼ばれてもよい。また、標識化領域を撮像領域内外のいずれに設定するのか、標識化領域を複数設定するのか否か、領域非選択パルスを印加するのか否か、標識化パルスを複数回印加するのか否か、どのようなタイミングで画像データを収集するのか等は、撮像の目的等に応じて任意に選択可能である。なお、標識化パルスの印加から画像データの収集までの時間を、TI(Time to Inversion)時間や、BBTI(Black Blood Time to Inversion)時間等と呼ぶ場合がある。後述するように、例えば、第1の実施形態においては、時系列の画像群が収集される。例えば、ECG(Electrocardiogram)信号のR波をトリガとして、非領域選択IRパルス及び領域選択IRパルスを印加した後、1TR(Repetition Time)内に、1スライスエンコード分のk空間データが複数時相分収集される。このため、TI時間やBBTI時間は、上述したヌルポイント及びその前後を含む所定期間、若しくは、ヌルポイント以降のタイミングに、複数設定されることが望ましい。
[0031]
 更に、標識化パルスは、IRパルスに限られるものではない。例えば、標識化パルスとして、SAT(saturation)パルス、SPAMM(Spatial Modulation Of Magnetization)パルス、ダンテ(DANTE)パルス等を適用可能である。SATパルスは、標識化領域の磁化ベクトルを90°倒して縦磁化を飽和させるパルスである。また、単一のみならず複数のSATパルスが印加されるように、撮像条件を設定可能である。複数のSATパルスを印加する場合、複数の標識化領域を、放射状若しくはストライプ状のパターンに設定可能である。SPAMMパルスは、領域非選択的に印加されるパルスであり、傾斜磁場の調整によって、ストライプパターン、グリッド(格子状)パターン、放射状のパターン等の所望のパターンで、飽和された領域を形成可能である。ダンテパルスも、ストライプパターン、グリッドパターン、放射状のパターン等の所望のパターンで、飽和された領域を形成可能である。SPAMMパルス及びダンテパルスは、同時刻に印加される複数のSATパルスと等価のパルスである。更に、標識化パルスとして、IRパルス、SATパルス、SPAMMパルス、及びダンテパルスの一部又は全部を適宜組合せてもよい。
[0032]
 図4は、第1の実施形態における制御部133の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、制御部133は、CSF画像収集部133aと、CSF領域検出部133bと、表示画像生成部133cと、表示制御部133dとを備える。
[0033]
 CSF画像収集部133aは、操作者によって入力部134から入力された撮像条件に従ってシーケンス情報を生成し、生成したシーケンス情報をシーケンス制御部120に送ることで、CSFを可視化した画像(以下、適宜「CSF画像」)のk空間データを収集する。また、後述するように、第1の実施形態において、CSF画像収集部133aは、時系列のCSF画像群のk空間データを収集する。CSF画像収集部133aによって収集されたk空間データは、画像生成部136によって再構成処理が施されることでCSF画像データとなり、記憶部132に格納される。この時系列のCSF画像群は、動画像として扱われる場合もある。なお、撮像条件のひとつには、位置決め画像上に設定された標識化領域の位置情報も含まれ、CSF画像収集部133aは、この位置情報を、表示画像生成部133cに送る。
[0034]
 CSF領域検出部133bは、CSF画像収集部133aによって収集され、画像生成部136によって再構成処理が施されたCSF画像データを記憶部132から読み出し、このCSF画像データから、標識化されたCSFの領域(以下、適宜「CSF領域」)を検出する。また、CSF領域検出部133bは、CSF領域の位置や信号値等を示すCSF情報を表示画像生成部133cに送る。
[0035]
 表示画像生成部133cは、CSF画像収集部133aからは、位置決め画像上に設定された標識化領域の位置情報を受け取り、CSF領域検出部133bからは、CSF情報を受け取る。また、表示画像生成部133cは、CSF画像収集部133aによって収集されたCSF画像データを記憶部132から読み出す。そして、表示画像生成部133cは、CSF領域を、標識化領域との位置関係に基づく表示態様によってCSF画像上に重畳した表示画像の画像データ(以下、適宜「表示画像データ」)を生成し、生成した表示画像データを表示制御部133dに送る。例えば、表示画像生成部133cは、CSF領域を標識化領域の内外で色分けしてCSF画像上に重畳した表示画像データを生成する。
[0036]
 なお、標識化領域の位置情報を取得する手法は、撮像条件から取得する手法に限られるものではない。例えば、表示画像生成部133cは、時系列のCSF画像データ群のうち、経過時間が少なく、撮像領域と標識化領域とのコントラストが明瞭なCSF画像データに対して、閾値処理やエッジ検出処理等の画像処理を行うことによって標識化領域を検出してもよい。あるいは、例えば、表示画像生成部133cは、CSF画像を表示部135に表示し、そのCSF画像上で、操作者から標識化領域の指定を受け付けてもよい。
[0037]
 表示制御部133dは、表示画像生成部133cから受け取った表示画像データを用いて、時系列のCSF画像データ群に対応する表示画像群を表示部135に表示する。
[0038]
 ここで、各種情報が重畳された表示画像データを生成する手法をより具体的に説明すると、同手法としては、複数のレイヤに分けて生成する手法や、重畳済みの画像を生成する手法等が考えられる。例えば、複数のレイヤに分けて生成する手法の場合、表示画像生成部133cは、記憶部132から読み出したCSF画像データに対して表示コントラスト設定等の画像処理を行い、ベースとなるCSF画像のレイヤを生成する。また、表示画像生成部133cは、CSF領域のレイヤや標識化領域のレイヤをそれぞれ生成する。この場合、表示制御部133dは、表示画像生成部133cによって生成された複数レイヤ分の表示画像データを重畳の上、表示部135に表示する。なお、レイヤの分け方は上述した例に限られるものではなく、例えば、CSF画像のレイヤと、CSF領域及び標識化領域のレイヤとに分けてもよい。一方、例えば、重畳済みの画像を生成する手法の場合、表示画像生成部133cは、CSF画像データ、CSF領域、及び標識化領域を重畳し、表示コントラスト設定等の画像処理を行った表示画像データを生成する。この場合、表示制御部133dは、表示画像生成部133cによって生成された表示画像データを、そのまま表示部135に表示すればよい。即ち、両手法の間には、表示画像の表示制御処理側で重畳するか、表示画像の生成処理側で重畳するかといった違いがある。
[0039]
 なお、表示画像生成部133cは、典型的には、表示制御部133dによる表示画像の表示中、表示のタイミングに合わせて随時、表示画像データを生成し、随時、生成した表示画像データを表示制御部133dに送る。表示画像の表示中に操作者から表示コントラスト設定の変更等を受け付ける場合もあると考えられるが、この場合、表示画像生成部133cは、受け付けた表示コントラスト設定を反映しながらリアルタイムに表示画像データを生成し、表示制御部133dに送る。もっとも、表示画像生成部133cによる表示画像データの生成は、上述した手法に限られるものではなく、運用の形態に応じて任意に変更することが可能である。例えば、表示画像生成部133cは、予め一連の時系列分の表示画像データを生成し、これらをまとめて表示制御部133dに送ってもよい。
[0040]
 図5は、第1の実施形態における処理手順を示すフローチャートである。なお、図5に示す処理手順は一例に過ぎず、撮像の目的や運用の形態等に応じて任意に変更可能である。
[0041]
 まず、CSF画像収集部133aが、撮像条件の入力を受け付けるためのGUIを表示部135に表示して、操作者から撮像条件の入力を受け付け、入力された撮像条件を設定する(ステップS1)。例えば、CSF画像収集部133aは、位置決め画像を収集するための撮像条件やイメージングスキャンを実行するための撮像条件(例えば、TRやTE(Echo Time)、位置決め画像の撮像領域等)を設定する。
[0042]
 続いて、CSF画像収集部133aは、ステップS1で設定した撮像条件に従ってシーケンス情報を生成し、生成したシーケンス情報をシーケンス制御部120に送ることで、位置決め画像データを収集する(ステップS2)。例えば、CSF画像収集部133aは、被検体Pの頭部全体を撮像領域として位置決め画像データを収集し、図2に示すように、表示部135に位置決め画像を表示する。
[0043]
 次に、CSF画像収集部133aは、ステップS2で表示部135に表示した位置決め画像上で撮像領域R1及び標識化領域R2の入力を操作者から受け付け、入力された撮像領域R1及び標識化領域R2をイメージングスキャンの撮像条件として設定する(ステップS3)。
[0044]
 そして、CSF画像収集部133aは、ステップS3で設定した撮像領域R1及び標識化領域R2に従ってイメージングスキャンを実行し、時系列のCSF画像群のk空間データを収集する(ステップS4)。例えば、CSF画像収集部133aは、bSSFP(balanced Steady-State Free Precession)やFSE(Fast Spin Echo)、FASE(Fast Asymmetric Spin Echo)のパルスシーケンスを用いて、3次元スキャン若しくは2次元スキャンを実行する。
[0045]
 図6は、第1の実施形態におけるイメージングを説明するための図である。例えば、CSF画像収集部133aは、図6に示すように、ECG信号のR波をトリガとして、非領域選択IRパルスP1及び領域選択IRパルスP2を印加した後、1TR内に、1スライスエンコード分のk空間データを、複数時相分収集する。例えば、CSF画像収集部133aは、ある1TR内で、スライスエンコード1について、時相t1から時相t6までのk空間データを連続的に収集する。時相の間隔を小刻みに設定することで、時間分解能を高めることが可能である。
[0046]
 なお、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、1スライスエンコード分のk空間データを複数時相分収集する手法に限られず、所定のセグメント分のk空間データを複数時相分収集する手法でもよい。また、例えば、1TR内に複数時相分のk空間データを収集する手法に限られず、1TR内に1時相分のk空間データを収集し、各TRでTI時間を変更しながら複数時相分のk空間データを収集する手法でもよい。また、例えば、心電同期に限られず、呼吸同期や、PPG(Peripheral Pulse Gating)信号を用いた脈波同期、あるいはクロック信号を用いた同期等でもよい。なお、一般に、心電同期や呼吸同期、脈波同期等の場合には、ECG信号等を検出する外部装置が、MRI装置100に接続される。その他、イメージングに用いられるパルスシーケンスは、撮像の目的や運用の形態等に応じて任意に変更可能である。
[0047]
 図5に戻り、次に、画像生成部136が、CSF画像データを生成し、記憶部132に格納する(ステップS5)。例えば、画像生成部136は、図6に示すように、各TR内で収集された各スライスエンコードのk空間データを合わせて再構成処理を施し、1時相分のCSF画像データを生成する。こうして、画像生成部136は、時相t1に該当するCSF画像F1、時相t2に該当するCSF画像F2、時相t3に該当するCSF画像F3、時相t4に該当するCSF画像F4、時相t5に該当するCSF画像F5、及び、時相t6に該当するCSF画像F6それぞれのCSF画像データを生成する。
[0048]
 図7は、第1の実施形態におけるCSF画像データを説明するための図である。CSF画像では、被検体Pの脳内に存在するCSFが可視化され、例えば、標識化されたCSFが中脳水道から流出する様子や、標識化されていないCSFが中脳水道に流入する様子が可視化される。
[0049]
 ここで、図7に示すように、例えば、時相t1に該当するCSF画像F1においては、撮像領域R1の信号値が全体的に低く、標識化領域R2の信号値が全体的に高いため、両者のコントラストが明瞭に生じている。よって、CSF画像F1を観察する者は、標識化領域R2を認識することが可能である。しかしながら、時間経過とともに撮像領域R1内の組織の縦磁化が回復し、両者のコントラストは徐々に減少するので、例えば、時相t4に該当するCSF画像F4を観察する者は、図7に示すように、標識化領域R2を認識することが困難である。
[0050]
 続いて、CSF領域検出部133bが、CSF画像データを記憶部132から読み出し、このCSF画像データから、標識化されたCSF領域を検出する(ステップS6)。例えば、図3の(A)を用いて説明したように、撮像領域R1内の組織の信号値(縦磁化)と、標識化領域R2内の組織の信号値(縦磁化)との間には、コントラストが生じている。そこで、例えば、CSF領域検出部133bは、このコントラストを用いてk平均法や判別分析法による閾値処理を行うことで、CSF画像データから、標識化されたCSF領域を検出する。なお、図3の(A)に示すように、標識化されたCSF領域とそれ以外の領域とのコントラストは時間経過とともに減少傾向にあるため、経過時間に応じて適応的に自動検出のパラメータ(閾値等)を切り替えることが有用である。
[0051]
 なお、標識化されたCSF領域を検出する手法は、これに限られるものではない。例えば、CSF領域検出部133bは、ACM(Active Contour Model)や、ASM(Active Shape Model)、AAM(Active Appearance Model)等の動的輪郭モデルを用いたセグメンテーション手法を用いてCSF領域を検出してもよい。また、例えば、CSF領域検出部133bは、操作者から入力された閾値を用いたり、操作者から直接CSF領域の指定(例えば、色塗りの入力等)を受け付ける等して、CSF領域を検出してもよい。
[0052]
 そして、表示画像生成部133cが、標識化領域R2の位置情報とCSF情報とをCSF画像上に重畳した表示画像データを生成する(ステップS7)。例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域R2の位置情報をCSF画像収集部133aから受け取り、記憶部132から読み出したCSF画像データに、標識化領域R2全体を色付けしたデータを重畳する。また、表示画像生成部133cは、CSF情報をCSF領域検出部133bから受け取り、CSF画像データに、標識化領域R2との位置関係に基づいて色分けしたCSF領域のデータを重畳する。なお、上述したように、この重畳は、複数レイヤに分けて生成された表示画像データが、表示制御部133dによって重畳されることで実現されてもよいし、重畳された表示画像データとして生成されてもよい。その後、表示制御部133dが、このように生成された表示画像データを表示部135に表示する。なお、第1の実施形態においては、表示画像として、2次元の矢状断面像を表示する例を説明するが、これに限られるものではなく、、冠状断面像(コロナル(coronal)像)や体軸横断面像(アキシャル(axial)像)等の他の断面像や、3次元の画像でもよい。
[0053]
 図8-1~3は、第1の実施形態における表示画像を説明するための図である。図8-1に示すように、例えば、時相t1に該当する表示画像OF1から時相t4に該当する表示画像OF4までのいずれの表示画像においても、標識化領域R2が色付けされて明瞭に示されている。よって、縦磁化の回復に伴うコントラストの減少にかかわらず、表示画像を観察する者は、標識化領域R2を常に認識することが可能である。また、これに加えて、いずれの表示画像においても、CSF領域が標識化領域R2との位置関係に基づいて色分けされている。よって、表示画像を観察する者は、CSFの動態を容易に把握することが可能である。
[0054]
 この点を、図8-2及び8-3を用いて詳細に説明する。図8-2は、図8-1に示す表示画像OF3の拡大図に対応し、図8-3は、図8-1に示す表示画像OF4の拡大図に対応する。なお、説明の便宜上、図8-1~3においては、標識化領域R2全体の色付けを、標識化領域R2の上下の境界線を明示することで代替して示す。また、説明の便宜上、図8-1~3においては、CSF領域の色分け表示を、パターン分け表示で代替して示す。また、色とパターンとの対応関係は、図8-1等の凡例に示す。なお、実施形態にて示す色付けや色分けは、一例に過ぎない。他の実施形態においても同様である。
[0055]
 まず、表示画像生成部133cは、例えば、図8-2に示すように、CSF画像データに、境界線TRで挟まれる標識化領域R2全体を薄い黄色で色付けしたデータを重畳する。また、表示画像生成部133cは、例えば、図8-2に示すように、CSF画像データに、標識化領域R2の内外で色分けしたCSF領域のデータを重畳する。
[0056]
 例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域R2で標識化され、且つ、標識化領域R2から流出したCSF領域を、『緑色(G)』に色分けして重畳する。また、表示画像生成部133cは、標識化領域R2で標識化され、且つ、標識化領域R2内に依然として留まるCSF領域を、『赤色(R)』に色分けして重畳する。更に、表示画像生成部133cは、時系列のフレーム群のうち、過去時点のフレームにおいては、標識化領域R2で標識化されたCSFが存在し、且つ、対象フレームにおいては、標識化されたCSFが存在しないという条件を満たす領域を、『(濃い)黄色(Y)』で色分けして重畳する。すなわち、表示画像生成部133cは、CSF領域として検出された領域を時系列のフレーム群間で相互に比較し、フレーム間の差分の領域に対して所定の表示態様を割り当てる。
[0057]
 このように、表示画像生成部133cは、CSF情報をCSF領域検出部133bから受け取ると、標識化領域R2の外側に位置するCSF領域については『緑色(G)』を割り当てる。また、表示画像生成部133cは、標識化領域R2の内側に位置するCSF領域については『赤色(R)』を割り当てる。また、表示画像生成部133cは、過去時点のフレームにおいて『赤色(R)』を割り当てた領域であって、対象フレームにおいてCSF領域が検出されていない領域については『(濃い)黄色(Y)』を割り当てる。なお、この『(濃い)黄色(Y)』の領域には、他の体液(例えば、標識化されていないCSF等)が流入しているとも考えられる。
[0058]
 このように表示画像が生成され、表示されることで、例えば、図8-2と図8-3とを対比すると分かるように、表示画像を観察する者は、標識化されたCSFの流動の様子を容易に把握することが可能である。例えば、第三脳室から中脳水道にCSFが流れているのか否か、その逆の方向に流れているのか否か、あるいは流れていないのか、又は、第三脳室と中脳水道との間を行き来しているのか、といったCSFの流動の様子を、視覚的に容易に把握することが可能である。
[0059]
 なお、表示制御部133dは、一連の時系列の表示画像群を時系列順に次々とシネ表示してもよいし、最後の時相の表示画像と最初の時相の表示画像とをつなげてシネ表示を繰り返し行うことでループ表示してもよい。また、例えば、表示制御部133dは、表示部135に一部又は全ての複数時相分の表示画像群を並べてタイル表示してもよい。時系列順にシネ表示若しくはループ表示する場合、表示制御部133dは、各フレームに付帯された撮像時刻情報や撮像タイミング情報、フレーム番号等に応じて並べればよい。あるいは、表示制御部133dは、時系列の表示画像群のうち、時相が異なる画像を適宜抽出し、これをシネ表示若しくはループ表示したり、タイル表示してもよい。
[0060]
 上述してきたように、第1の実施形態によれば、CSFの動態を認識し易くすることができる。すなわち、例えば、CSFのように、標識化領域の内外を行き来するような体液の場合、CSF画像を観察する者は、標識化されたCSFが標識化領域から流出しているのか、標識化されていないCSFが標識化領域に流入しているのか、等を把握することが困難である。この点、第1の実施形態によれば、標識化されたCSF領域を検出し、且つこれを標識化領域との位置関係に基づいて色分けした上でCSF画像上に重畳する。この結果、標識化領域からの流出と標識化領域への流入とを区別して表示することが可能であり、CSFの動態を認識し易くすることが可能である。
[0061]
 また、第1の実施形態によれば、色付けした標識化領域をCSF画像上に重畳するので、縦磁化の回復に伴い撮像領域と標識化領域とのコントラストが減少した場合にも、標識化領域の位置を明確に識別することが可能である。
[0062]
(第1の実施形態の変形例1)
 第1の実施形態においては、表示画像群に含まれる全ての表示画像上に、色付けされた標識化領域を重畳する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、表示画像生成部133cは、各表示画像上における撮像領域と標識化領域とのコントラストに応じて、標識化領域の重畳/非重畳を切り替えてもよい。
[0063]
 図9は、第1の実施形態の変形例における表示画像を説明するための図である。例えば、表示画像生成部133cは、撮像領域R1と標識化領域R2とのコントラストが比較的高いCSF画像においては、色付けされた標識化領域R2を重畳せず、CSF領域のみを重畳した表示画像データを生成する。また、表示画像生成部133cは、撮像領域R1と標識化領域R2とのコントラストが比較的低いCSF画像においては、色付けされた標識化領域R2及びCSF領域の両方を重畳した表示画像データを生成する。なお、表示画像生成部133cは、この区別を、コントラストに関して設定した閾値によって判定してもよいし、あるいは、各表示画像の時系列の順序(例えば、「全6フレーム中、最初から2フレームまでは非重畳」等のルールや操作者からの指示)に応じて判定してもよい。
[0064]
 なお、表示画像生成部133cは、標識化領域の重畳/非重畳を切り替える手法に替えて、例えば、コントラストに応じて、標識化領域の濃度を変化させる手法でもよい。この場合も、表示画像生成部133cは、濃度の変化を、コントラストに関して設定した閾値によって判定してもよいし、あるいは、各表示画像の時系列の順序に応じて判定してもよい。
[0065]
 また、例えば、表示制御部133dが、シネ表示若しくはループ表示による表示画像群の連続再生中、操作者から任意のタイミングで入力される指示に応じて、標識化領域の重畳/非重畳を切り替えてもよい。上述した複数レイヤに分けて生成する手法の場合、例えば、表示画像生成部133cは、色付けされた標識化領域が重畳されていない、ベースとなる表示画像(CSF画像及びCSF領域)のレイヤと、このベースとなる表示画像に重畳される、色付けされた標識化領域のレイヤとを生成する。また、例えば、表示制御部133dは、標識化領域の重畳/非重畳を切り替えるためのボタン(ON/OFFボタン)を表示部135に表示する。そして、表示制御部133dは、表示画像群の連続再生中、操作者から、標識化領域を重畳する旨の指示が入力されると(ONボタンが押下されると)、ベースとなる表示画像に、色付けされた標識化領域を更に重畳して表示する。例えば、表示制御部133dは、ONボタンが押下されたタイミングでリアルタイムに2つのレイヤの表示画像を生成し、表示制御部133dが、これらを重畳の上、表示する。反対に、色付けされた標識化領域を重畳しない旨の指示が入力されると(OFFボタンが押下されると)、表示制御部133dは、色付けされた標識化領域の重畳を停止して、ベースとなる表示画像を表示する。例えば、表示制御部133dは、OFFボタンが押下されたタイミングでリアルタイムにベースとなるレイヤの表示画像のみを生成し、表示制御部133dが、これを表示する。なお、レイヤの分け方は上述した例に限られるものではない。
[0066]
 なお、表示画像生成部133cは、予め一連の時系列分の表示画像データ(2レイヤ分の表示画像)を生成し、これらをまとめて表示制御部133dに送ってもよい。この場合、表示制御部133dは、操作者からの指示に応じて、標識化領域のレイヤを重畳するか否かを切り替える。
[0067]
 また、上述した重畳済みの画像を生成する手法の場合、例えば、表示画像生成部133cは、色付けされた標識化領域が重畳されていない表示画像(OFF用の表示画像)と、色付けされた標識化領域が重畳された表示画像(ON用の表示画像)とを生成する。例えば、表示画像生成部133cは、表示画像群の連続再生中、操作者から、標識化領域を重畳する旨の指示が入力されると(ONボタンが押下されると)、ON用の表示画像をリアルタイムに生成する。そして、表示制御部133dがこれを表示する。反対に、標識化領域を重畳しない旨の指示が入力されると(OFFボタンが押下されると)、表示画像生成部133cは、OFF用の表示画像をリアルタイムに生成する。そして、表示制御部133dがこれを表示する。例えば、操作者がON/OFFボタンで標識化領域の重畳/非重畳を切り替えながら、更に表示コントラスト設定を変更した場合に、この変更を反映しながらの連続再生を実現することができる。
[0068]
 なお、表示画像生成部133cは、予め一連の時系列分の表示画像データ(OFF用の表示画像及びON用の表示画像)を生成し、これらをまとめて表示制御部133dに送ってもよい。この場合、表示制御部133dは、操作者からの指示に応じて、OFF用の表示画像及びON用の表示画像のうち、指示に対応するいずれかの表示画像を表示部135に表示する。
[0069]
(第1の実施形態の変形例2)
 また、第1の実施形態においては、CSF領域を標識化領域の内外で色分けしてCSF画像に重畳する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域との位置関係に基づく色分けに、信号値に応じた色分けを更に組み合わせてもよい。例えば、表示画像生成部133cは、信号値とカラーテーブルとの対応関係を定義した対応色テーブルを、標識化領域の内外それぞれで準備する。そして、この対応色テーブルに従って、例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域R2の外側に位置するCSF領域については、信号値に応じて『青色』から『緑色』へと滑らかに変化する色で色付けして重畳する。また、表示画像生成部133cは、標識化領域R2の内側に位置するCSF領域については、信号値に応じて『黄色』から『赤紫色』へと滑らかに変化する色で色付けして重畳する。
[0070]
 また、例えば、表示画像生成部133cは、時系列の時相に応じて異なるレンジを有する対応色テーブルによって、色分けを割り当ててもよい。すなわち、表示画像生成部133cは、上述した対応色テーブルのレンジを、時間経過に応じて変更してもよい。上述したように、標識化されたCSF領域とそれ以外の領域とのコントラストは時間経過とともに減少傾向にある。このため、例えば、コントラストが高い時点において信号値「0」から「100」に『青色』から『赤色』を割り当てたとすると、コントラストが低い時点においては縦磁化の緩和が進み、全て『赤色』になってしまう。そこで、例えば、コントラストが低い時点においては、信号値「50」から「100」に『青色』から『赤色』を割り当てるというように、表示画像生成部133cは、対応色テーブルのレンジを変更してもよい。
[0071]
 また、例えば、表示画像生成部133cは、CSF領域を標識化領域の内外で色分けするのではなく、標識化領域の内外で区分けされた各CSF領域の面積や表面積等の特徴量に応じて色分けしてもよい。例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域R2から流出したCSF領域の面積が比較的大きい場合には『赤色』を割り当て、比較的小さい場合には『緑色』を割り当てる。また、このとき、表示画像生成部133cは、例えば、操作者から、色分け対象の領域の指定を受け付けてもよい。例えば、操作者は、標識化領域R2から流出したCSF領域や、標識化領域R2内に依然として留まるCSF領域、あるいは標識化領域に流入した他の体液(例えば、標識化されていないCSF等)の領域を選択する。すると、表示画像生成部133cは、操作者から指定を受け付けた領域について、予め設定した特徴量の閾値と比較しながら、色を割り当てる。この場合、観察者がより注目して観察したい箇所に限定して色分けをすることができ、有用である。
[0072]
 また、第1の実施形態においては、標識化領域全体を色付けすることで、標識化領域を明瞭に示す例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域を色付けするのではなく、標識化領域の外側を色付けしてもよい。また、例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域を色付けするのではなく、標識化領域を囲む境界線を明示的に示すのみでもよい。
[0073]
(第2の実施形態)
 続いて、第2の実施形態を説明する。上述した第1の実施形態においては、標識化領域の内外で色分けする等、標識化領域との位置関係に基づく表示態様によってCSF領域を重畳する例を説明した。しかしながら、実施形態はこれに限られるものではない。第2の実施形態において、表示画像生成部133cは、CSF画像に、標識化領域ではない任意の境界線を重畳するとともに、この任意の境界線との位置関係に基づく表示態様によってCSF領域を重畳する。なお、表示画像生成部133cによる表示画像データの生成手法や、表示制御部133dによる表示手法は、上述した実施形態と同様であるので、適宜、割愛する。
[0074]
 図10-1~3は、第2の実施形態における表示画像を説明するための図である。図10-1に示すように、表示画像生成部133cは、いずれの表示画像においても、境界線TRを重畳する。また、表示画像生成部133cは、いずれの表示画像においても、この境界線TRの上下でCSF領域を色分けして重畳する。なお、表示画像生成部133cは、この境界線TRを、操作者から入力を受け付けて設定してもよいし、あるいは、標識化領域R2との位置関係から自動的に設定してもよい。例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域R2の中心点を通る境界線を自動的に求めて設定してもよい。操作者から入力を受け付けて境界線を設定する場合、操作者は、CSFの動態を観察したいと考える任意の位置に、境界線を適宜設定することができる。
[0075]
 図10-2及び10-3を用いて詳細に説明する。図10-2は、図10-1に示す表示画像のうち時相t3の表示画像(上から3番目)の拡大図に対応し、図10-3は、図10-1に示す表示画像のうち時相t4の表示画像(上から4番目)の拡大図に対応する。
[0076]
 まず、表示画像生成部133cは、例えば、図10-2に示すように、太線の境界線TRをCSF画像データに重畳する。また、表示画像生成部133cは、例えば、図10-2に示すように、境界線TRの上下で、CSF領域を色分けして重畳する。
[0077]
 例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域R2で標識化され、且つ、境界線TRの下側に位置するCSF領域を、『緑色(G)』に色分けして重畳する。また、表示画像生成部133cは、標識化領域R2で標識化され、且つ、境界線TRの上側に位置するCSF領域を、『赤色(R)』に色分けして重畳する。更に、表示画像生成部133cは、時系列のフレーム群のうち、過去時点のフレームにおいては、標識化領域R2で標識化されたCSFが存在し、且つ、対象フレームにおいては、標識化されたCSFが存在しないという条件を満たす領域を、『黄色(Y)』で色分けして重畳する。
[0078]
 なお、表示制御部133dは、一連の時系列の表示画像群を時系列順に次々とシネ表示してもよいし、あるいは表示部135に一部又は全ての複数時相分の表示画像群を並べてタイル表示してもよい。あるいは、表示制御部133dは、時系列の表示画像群のうち、時相が異なる画像を適宜抽出し、これをシネ表示したり、タイル表示してもよい。
[0079]
 また、第2の実施形態においては、表示画像に1本の境界線を重畳する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、複数本の境界線を重畳してもよい。例えば、表示画像生成部133cは、図10-1に例示した境界線と平行に複数の境界線をCSF画像に重畳し、その境界線で区切られる区域毎の色分けでCSF領域を重畳してもよい。例えば、表示画像生成部133cは、1本目の境界線と2本目の境界線との間のCSF領域に『赤色』を割り当て、2本目の境界線と3本目の境界線との間のCSF領域に『黄色』を割り当て、3本目の境界線と4本目の境界線との間のCSF領域に『緑色』を割り当てる。すると、例えば、標識化領域R2から流出したCSF領域について、その流出距離に応じて色分けがなされることになる。
[0080]
 また、第2の実施形態において説明した表示画像についても、第1の実施形態と同様、この標識化領域ではない境界線について、重畳/非重畳を切り替えたり、濃度を変化させてもよい。また、第1の実施形態と同様、シネ表示若しくはループ表示による表示画像群の連続再生中、操作者から任意のタイミングで入力される指示に応じて、境界線の重畳/非重畳を切り替えてもよい。また、第1の実施形態と同様、信号値に応じた色分けを更に組み合わせてもよいし、対応色テーブルのレンジを時間経過に応じて変更してもよいし、境界線の上下で区分けされた各CSF領域の面積や表面積等の特徴量に応じて色分けしてもよい。また、境界線を明示するのではなく、例えば、境界線で区切られた一方の領域を色付けして重畳する等、他の手法によって境界線の存在を明示する手法でもよい。
[0081]
(第3の実施形態)
 次に、第3の実施形態を説明する。第1の実施形態においては、MRI装置100が、表示画像の生成や表示制御を行う例を説明した。しかしながら、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、標識化領域の位置情報等、後段の処理に必要な情報がCSF画像データに付帯されれば、MRI装置100以外の画像処理装置においても、表示画像の生成や表示制御を行うことが可能である。画像処理装置とは、例えば、ワークステーション、PACS(Picture Archiving and Communication System)の画像保管装置(画像サーバ)やビューワ、電子カルテシステムの各種装置等である。
[0082]
 図11は、第3の実施形態における構成を示す機能ブロック図である。第3の実施形態において、MRI装置100は、CSF画像収集部133aを備え、時系列のCSF画像群のk空間データを収集する。また、MRI装置100は、画像生成部136を備え、CSF画像収集部133aによって収集されたk空間データは、この画像生成部136によって再構成処理が施されることでCSF画像データとなる。
[0083]
 MRI装置100によって収集され、生成されたCSF画像データは、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に則ったデータ構造で、画像保管装置150に格納されたり、ワークステーション200やビューワ、その他の画像処理装置に送られる。このとき、DICOM規格の付帯情報(例えば、プライベートタグ)に各種情報を格納することで、CSF画像データに各種情報を付帯させ、後段の処理に役立たせることができる。例えば、一連のCSF画像データ群が、時系列に沿って収集されたCSF画像データ群であること(動画像として取扱い可能なCSF画像データ群であること)を示す情報を付帯させてもよい。また、標識化領域の位置情報も、この付帯情報として、CSF画像データに付帯させることが可能である。
[0084]
 画像処理装置の一例として、ワークステーション200の例を説明する。第3の実施形態において、ワークステーション200は、記憶部232と、制御部233と、表示部235とを備える。また、制御部233は、CSF領域検出部233bと、表示画像生成部233cと、表示制御部233dとを備える。なお、これらの各部は、上述した実施形態において説明した、CSF領域検出部133b、表示画像生成部133c、及び表示制御部133dと、それぞれ同様の機能を有する。
[0085]
 ワークステーション200は、MRI装置100から直接、若しくは画像保管装置150を介して、標識化領域の位置情報が付帯されたCSF画像データを受け取り、記憶部232に格納する。その後、ワークステーション200は、第1の実施形態における計算機130と同様、記憶部232からCSF画像データ及び標識化領域の位置情報を読み出して、CSF領域を検出したり、表示画像を生成したり、生成した表示画像を表示したりする。
[0086]
 なお、図11に示す構成は一例に過ぎない。例えば、ワークステーション200が受け取るデータは、CSF画像データではなく、再構成処理が施される前のk空間データであってもよい。また、データ構造も、DICOM規格に則ったデータ構造に限られず、プライベートのデータ構造であってもよい。
[0087]
(その他の実施形態)
 なお、実施形態は、上述した実施形態に限られるものではない。
[0088]
 上述した実施形態においては、CSF領域及び標識化領域の両方をそれぞれ色付けしてCSF画像上に重畳表示する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、表示画像生成部133cは、CSF領域を重畳せず、標識化領域のみを重畳した表示画像を生成してもよい。縦磁化の回復に伴い撮像領域と標識化領域とのコントラストが減少した場合にも、標識化領域の位置を明確に識別することが可能である。また、この場合に、表示画像生成部133cは、標識化領域を、表示画像群に含まれる全ての表示画像上に重畳するのではなく、一部の表示画像上に選択的に重畳してもよい。例えば、表示画像生成部133cは、撮像領域と標識化領域とのコントラスト、若しくは、時系列の順序に応じて、標識化領域の重畳/非重畳を切り替えてもよい。なお、表示画像生成部133cによる表示画像データの生成手法や、表示制御部133dによる表示手法は、上述した各実施形態と同様である。
[0089]
 図12は、その他の実施形態における表示画像を説明するための図である。例えば、表示画像生成部133cは、撮像領域R1と標識化領域R2とのコントラストが比較的高いCSF画像においては、標識化領域R2を重畳しない表示画像データ(CSF画像データそのものでもよい)を生成する。また、表示画像生成部133cは、撮像領域R1と標識化領域R2とのコントラストが比較的低いCSF画像においては、標識化領域R2を重畳した表示画像データを生成する。なお、表示画像生成部133cは、この区別を、コントラストに関して設定した閾値によって判定してもよいし、あるいは、各表示画像の時系列の順序(例えば、「全6フレーム中、最初から2フレームまでは非重畳」等のルールや操作者からの指示)に応じて判定してもよい。
[0090]
 なお、表示制御部133dは、第1の実施形態と同様、シネ表示若しくはループ表示による表示画像群の連続再生中、操作者から任意のタイミングで入力される指示に応じて、標識化領域の重畳/非重畳を切り替えてもよい。
[0091]
 また、上述した実施形態においては、標識化領域やCSF領域を色付けしてCSF画像上に「重畳(overlay)」する手法を説明した。この「重畳」の場合、透過度の設定によっては、色付けされた標識化領域やCSF領域の奥側に原画像が透けて見えることになる。しかしながら、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、表示画像生成部133cは、原画像であるCSF画像に対して画像処理を行うことで、標識化領域やCSF領域を明示的に表示してもよい。例えば、表示画像生成部133cは、縦磁化の回復に伴って信号値が徐々に高くなっていく撮像領域内の画素に対して画像処理を行い、その信号値を下げることで、コントラストを維持する調整をしてもよい。
[0092]
 また、上述した実施形態においては、観察対象の部位として、脳の第三脳室や中脳水道等を例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、脊髄や心臓、腎臓等の他の部位を観察対象としてもよい。また、上述した実施形態においては、体液の一例としてCSFを例に挙げて説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、血液、リンパ液、膵液等、他の体液にも同様に適用することができる。
[0093]
 また、上述した第1の実施形態においては、撮像領域内に1つの標識化領域が設定される例を挙げて説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、複数の標識化領域が設定されてもよい。複数の標識化領域が設定される場合の一例として、例えば、2つの標識化領域がクロスされて設定される場合がある。この場合、例えば、2つの標識化領域に略同時にIRパルスが印加されれば、クロスした重複領域内の組織の縦磁化のみが2度反転し、初期状態に戻る。例えば、この場合に、表示画像生成部133cは、2つの標識化領域それぞれと、重複領域とを区別し、これらの領域それぞれとの位置関係に基づいて、体液の領域の表示態様を決定する。例えば、表示画像生成部133cは、各標識化領域、及び重複領域毎に色分けすればよい。また、他の一例として、例えば、複数の標識化領域がパラレルに設定される場合がある。例えば、この場合も、表示画像生成部133cは、標識化領域それぞれとの位置関係に基づいて、体液の領域の表示態様を決定する。例えば、表示画像生成部133cは、標識化領域毎に色分けすればよい。
[0094]
 また、上述した各実施形態においては、時系列のCSF画像群を想定の上、表示制御部133dが、時系列のCSF画像データ群に対応する表示画像群を表示する例を説明した。具体的には、時系列順に次々と表示するシネ表示や、シネ表示を繰り返すループ表示、複数時相分の表示画像群を並べるタイル表示を例に挙げて説明した。また、時相が異なる画像を適宜抽出し、これをシネ表示、ループ表示、タイル表示してもよい旨、説明した。しかしながら、実施形態はこれに限られるものではなく、対象とするCSF画像群や表示画像群は、時系列の画像群に限られない。
[0095]
 例えば、CSFは、一般に、側脳室から第三脳室、第四脳室へと流れる方向や、第三脳室から側脳室に逆流する方向等、正常な脳においてもその流れの方向は一定でなく、動態は複雑である。このため、仮に、CSF画像群が時系列に収集された場合であっても、表示制御部133dは、必ずしも時系列に表示画像群を表示する必要はない。例えば、表示制御部133dは、CSF画像から解析される特徴量に応じて表示画像群を並べ替え、その順で、順次表示したり、ループ表示したり、タイル表示してもよい。具体的に例を挙げると、例えば、表示制御部133dは、標識化領域と、この標識化領域から流れ出たCSF領域の先端の位置との間の距離を求め、この距離に応じて表示画像群を並べ替えて、その順で、順次表示したり、ループ表示したり、タイル表示してもよい。また、例えば、表示制御部133dは、CSF領域の面積を求め、この面積に応じて表示画像群を並べ替えて、その順で、順次表示したり、ループ表示したり、タイル表示してもよい。
[0096]
 また、実施形態は、時系列にCSF画像群が収集される場合に限られるものでもない。何等かの手法で複数のCSF画像群が収集された場合に、例えば、表示制御部133dは、CSF画像から解析される特徴量に応じて表示画像群を並べ替え、その順で、順次表示したり、ループ表示したり、タイル表示してもよい。
[0097]
(具体的な数値、処理の順序)
 また、上述した実施形態において例示した具体的な数値や処理の順序は、原則として、一例に過ぎない。例えば、色分けのパターンや時相の数は、任意に変更することができる。また、処理の順序についても、例えば、その他の準備スキャンを実施する処理手順等、任意に変更することができる。また、具体的なパルスシーケンスについても、任意に変更することができる。
[0098]
(プログラム)
 また、上述した実施形態の中で示した処理手順に示された指示は、ソフトウェアであるプログラムに基づいて実行されることが可能である。汎用コンピュータが、このプログラムを予め記憶しておき、このプログラムを読み込むことにより、上述した実施形態のMRI装置100による効果と同様の効果を得ることも可能である。上述した実施形態で記述された指示は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-ROM、DVD±R、DVD±RWなど)、半導体メモリ、又はこれに類する記録媒体に記録される。コンピュータ又は組み込みシステムが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。コンピュータは、この記録媒体からプログラムを読み込み、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させれば、上述した実施形態のMRI装置100と同様の動作を実現することができる。また、コンピュータがプログラムを取得する場合又は読み込む場合は、ネットワークを通じて取得又は読み込んでもよい。
[0099]
 また、記憶媒体からコンピュータや組み込みシステムにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(Operating System)や、データベース管理ソフト、ネットワーク等のMW(Middleware)等が、上述した実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。更に、記憶媒体は、コンピュータあるいは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LAN(Local Area Network)やインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。また、記憶媒体は1つに限られず、複数の媒体から、上述した実施形態における処理が実行される場合も、実施形態における記憶媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。
[0100]
 なお、実施形態におけるコンピュータ又は組み込みシステムは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、上述した実施形態における各処理を実行するためのものであって、パソコン、マイコン等の1つからなる装置、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。また、実施形態におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって実施形態における機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
[0101]
 以上述べた少なくとも一つの実施形態の画像処理装置及び磁気共鳴イメージング装置によれば、体液の動態を認識し易くすることができる。
[0102]
 本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。

請求の範囲

[請求項1]
 撮像領域内の標識化領域に対して標識化パルスを印加して撮像された、時系列の画像群に含まれる各画像から、被検体内を流れる体液の領域を検出する検出部と、
 検出された体液の領域を、前記撮像領域内に設定された境界線との位置関係に基づく表示態様によって各画像上に表した表示画像を生成する生成部と、
 複数の前記表示画像を含む時系列の表示画像群を表示部に表示する表示制御部と
 を備える、画像処理装置。
[請求項2]
 前記生成部は、前記体液の領域を、前記標識化領域の内外の別に応じた表示態様によって各画像上に表した表示画像を生成する、請求項1に記載の画像処理装置。
[請求項3]
 前記生成部は、体液の領域として検出された領域を時系列の画像群間で相互に比較し、画像間の差分の領域に対して、所定の表示態様を割り当てる、請求項1又は2に記載の画像処理装置。
[請求項4]
 前記生成部は、過去時点の画像において体液の領域として検出された領域であって対象画像において体液の領域として検出されない領域を判定し、判定した当該領域に、所定の表示態様を割り当てる、請求項3に記載の画像処理装置。
[請求項5]
 前記生成部は、撮像条件から、前記標識化領域の位置情報を取得する、請求項2に記載の画像処理装置。
[請求項6]
 前記生成部は、前記体液の領域を、前記標識化領域の内外の別に応じて色分けして各画像上に重畳した表示画像を生成する、請求項2に記載の画像処理装置。
[請求項7]
 前記生成部は、前記体液の領域を、前記標識化領域の内外の別に加え、更に前記体液の領域の信号値に応じて色分けして各画像上に重畳した表示画像を生成する、請求項6に記載の画像処理装置。
[請求項8]
 前記生成部は、信号値と色との対応関係を定義した対応色テーブルであって、時系列の時相に応じて異なるレンジを有する対応色テーブルによって、前記色分けを割り当てる、請求項7に記載の画像処理装置。
[請求項9]
 前記生成部は、前記各画像に、更に、前記標識化領域の情報を重畳した表示画像を生成する、請求項1~8のいずれかひとつに記載の画像処理装置。
[請求項10]
 前記生成部は、前記標識化領域を各画像上に重畳する際の色の濃度を、時系列の時相に応じて変化させる、請求項9に記載の画像処理装置。
[請求項11]
 前記体液は、脳脊髄液である、請求項1~10のいずれか1つに記載の画像処理装置。
[請求項12]
 撮像領域内の標識化領域に対して標識化パルスを印加して撮像された、時系列の画像群を収集する収集部と、
 前記時系列の画像群に含まれる各画像から、被検体内を流れる体液の領域を検出する検出部と、
 検出された体液の領域を、前記撮像領域内に設定された境界線との位置関係に基づく表示態様によって各画像上に表した表示画像を生成する生成部と、
 複数の前記表示画像を含む時系列の表示画像群を表示部に表示する表示制御部と
 を備える、磁気共鳴イメージング装置。
[請求項13]
 撮像領域内の標識化領域に対して標識化パルスを印加して撮像された、複数の標識化画像の画像群に含まれる各画像から、被検体内を流れる体液が描出された表示画像を生成する生成部と、
 複数の前記表示画像を含む表示画像群を表示部に表示する表示制御部とを備え、
 前記生成部は、前記画像群のうちの一部の画像について、前記標識化領域の情報を重畳した表示画像を生成する、画像処理装置。
[請求項14]
 撮像領域内の標識化領域に対して標識化パルスを印加して撮像された、複数の標識化画像の画像群に含まれる各画像から、被検体内を流れる体液が描出された表示画像を生成する生成部と、
 複数の前記表示画像を含む表示画像群を表示部に表示する表示制御部とを備え、
 前記表示制御部は、前記表示画像群の連続再生中、操作者から任意のタイミングで入力される指示に応じて、前記標識化領域の情報を、前記表示画像に重畳するか否かを切り替える、画像処理装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8-1]

[ 図 8-2]

[ 図 8-3]

[ 図 9]

[ 図 10-1]

[ 図 10-2]

[ 図 10-3]

[ 図 11]

[ 図 12]