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1. WO2020166427 - 信号転送装置、信号転送方法、信号転送制御装置、信号転送制御方法および信号転送プログラム

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明 細 書

発明の名称 信号転送装置、信号転送方法、信号転送制御装置、信号転送制御方法および信号転送プログラム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008   0009   0010   0011  

先行技術文献

非特許文献

0012  

特許文献

0013  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0014   0015   0016   0017  

課題を解決するための手段

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024  

発明の効果

0025  

図面の簡単な説明

0026  

発明を実施するための形態

0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080  

符号の説明

0081  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 信号転送装置、信号転送方法、信号転送制御装置、信号転送制御方法および信号転送プログラム

技術分野

[0001]
 本発明は、TAS(Time Aware Shaper)を用いた信号転送技術に関する。

背景技術

[0002]
 近年、一般的なセルラーシステムでは、基地局の構成として、無線制御装置と無線装置とに分離して配置することが行われている。ここで、無線制御装置と無線装置との間は、光装置と光ファイバを有する光区間を介して結ばれ、光装置と光ファイバを有する光区間はモバイルフロントホール(Mobile Fronthaul:MFH)と呼ばれている。
[0003]
 従来、MFHでは、ポイント・ツー・ポイント(Point-to-Point)接続が用いられてきたが、MFHの低コスト化を図るために、ネットワーク化することが検討されている。ネットワーク化の例として、波長分割多重(Wavelength Division Multiplexed:WDM)、時分割多重を用いるTDM-PON(Time Division Multiplexing Passive Optical Network)、レイヤ2スイッチ(Layer-2 Switch:L2SW)を多段に接続した構成などが考えられている(例えば、非特許文献1参照)。特に、信号転送装置であるレイヤ2スイッチを多段に接続したネットワークシステム(以下、「L2NW」と称する)は、一組の無線装置及び無線制御装置間に複数経路を構築できるため、他のネットワークシステムと比較して冗長性が高いと考えられる。
[0004]
 一方、MFHでは低遅延が求められるため、遅延要件が厳しいトラヒックを収容することを目的として、TSN(Time Sensitive Network)の標準化が進められており、その適用が検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。TSNで検討されているTASは、優先度の高いトラヒックが周期性を持つ場合に特に有効な方式であり、優先度ごとのトラヒックに対してスケジューリングを行い、通信可否を切り替える。具体的には、優先度の高いトラヒックがSWに到着する期間には、優先度が高いトラヒックだけを転送して優先度の低いトラヒックを転送せず、優先度の高いトラヒックが来ない期間は、優先度の低いトラヒックを転送する、という動作が周期的に繰り返し行われる。これにより、優先度の高いトラヒックを他の優先度のトラヒックの転送により待たされること無く転送できるため、TAS方式は低遅延化に適している。
[0005]
 図7は、TASを搭載した一般的な信号転送装置の構成例を示す。図7では、入力トラヒックを低優先または高優先のフレームに振り分けるフレーム振分部901と、振り分けられた高優先フレームを溜める高優先バッファ902と、振り分けられた低優先フレームを溜める低優先バッファ903と、高優先バッファ902または低優先バッファ903の出力を転送先へ出力する出力部904と、現在の時刻情報に基づいて、低優先信号通信可能区間では高優先バッファ902に出力停止命令を出して低優先バッファ903に出力命令を出し、高優先信号通信可能区間では高優先バッファ902に出力命令を出して低優先バッファ903に出力停止命令を出すスケジューラ部905と、を有する。
[0006]
 図8は、高優先無線装置(A1,A2)と高優先無線制御装置(S1,S2)をL2NWで収容する例を示す。図8の例では、高優先無線装置A1から高優先無線制御装置S1への上り信号は、L2SW(1)->L2SW(2)->L2SW(3)->L2SW(4)という経路を通って転送され、高優先無線装置A2から高優先無線制御装置S2への上り信号は、L2SW(2)->L2SW(3)という経路を通って転送される。
[0007]
 図9は、L2NWにおけるトラヒックの流れの一例を示す。なお、図9は、図8に示すTAS方式のL2NWに対応し、各L2SWでは、優先度の高いトラヒックが伝送可能な区間(高優先信号通信可能区間)、優先度の低いトラヒックが伝送可能な区間(低優先信号通信可能区間)、が繰り返されている。例えばL2SW(2)では、無線装置A1のフレーム1または無線装置A2のフレーム2の二つのトラヒックが合流するため、各フレームが交互に出力される。ここで、L2SW(2)の出力において、無線装置A1または無線装置A2のどちらかのフレームだけに着目すると、フレーム1の間隔(またはフレーム2の間隔)が無線装置A1の出力(または無線装置A2の出力)に比べて長くなるので、フレーム間隔が延びたと言い換えることもできる。
[0008]
 特許文献2でも述べられている通り、MFHのトラヒックは、バースト的に到来することが想定されている。また、MFHのトラヒック量は、端末の通信環境に応じて、時々刻々と変動する。このため、図9に示したL2SW(1)の出力、L2SW(2)の出力およびL2SW(4)の出力のように、トラヒックが少ない場合には、高優先信号通信可能区間の後半(例えば図9のTS1,TS2およびTS3の区間)に何もトラヒックが流れていないことが分かる。そこで、このトラヒックが少ないときの高優先信号通信可能区間を有効利用するため、高優先トラフィックの終わりを認識した場合は、高優先信号通信可能区間を解放して、優先度の低いトラヒックを通信可能とすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
[0009]
 図10は、高優先信号通信可能区間を解放したときのトラヒックの流れの一例を示す。なお、図10は、図9と同様に図8に示すL2NWに対応する。図10において、L2SW(1)、L2SW(2)およびL2SW(4)の各信号転送装置は、高優先信号通信可能区間のトラヒックの終わりを検出後(例えば図10のTD1,TD2およびTD3)、高優先信号通信可能区間を解放して低優先信号通信可能区間を拡張し、低優先信号の通信に割り当てていることが分かる。
[0010]
 上述のような高優先トラフィックの終わりを検出する方法として、例えば次の2つの方法が考えられる。1つ目の方法は、トラヒックの終わりを示す識別信号を、高優先無線装置または高優先無線制御装置から通知してもらう方法である。しかし、この方法は、高優先無線装置または高優先無線制御装置に識別信号の送出機能を搭載する必要がある。また、無線装置または無線制御装置で送出する識別信号を、信号転送装置側でも正しく認識する機能を搭載することが必要であり、機種が異なる様々な信号転送装置間で仕様合わせを行って各装置に実装するための煩雑な作業が必要である。2つ目の方法は、信号転送装置自身が自律的に高優先トラフィックの終わりを検出する方法である。高優先トラフィックがバースト的に流れていることが前提であると考えた場合、最終フレームの受信後から予め決められた一定時間以上に亘ってフレームの受信がなければ、高優先トラフィックが終了したとみなすことができる。ここで、最終フレームの受信後から高優先トラフィックが終了したとみなすまでの時間をフレーム間隔閾値と称する。
[0011]
 図11は、自律的に高優先トラフィックの終わりを検出する従来の信号転送装置の構成例を示す。なお、図11において、図7と同符号のブロックは、図7のブロックと同様に動作する。図11では、高優先バッファ902に一番最近到着したフレームの到着時刻を取得するフレーム到着時刻情報取得部906が追加されている。図11において、スケジューラ部905は、高優先信号通信可能区間において、フレーム到着時刻情報取得部906で取得した一番最近到着したフレームの到着時刻からフレーム間隔閾値以上の時間が経過した場合に高優先バッファ902に出力停止命令を出して低優先バッファ903に出力命令を出す。これにより、高優先信号通信可能区間の空白時間を少なくして通信帯域を有効利用する。

先行技術文献

非特許文献

[0012]
非特許文献1 : “Time-Sensitive Networking for Fronthaul”,IEEE Std 802.1CM-2018.

特許文献

[0013]
特許文献1 : 特開2018-129661号公報
特許文献2 : 特開2019-004329号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0014]
 ここで、高優先信号通信可能区間の空白時間を少なくして通信帯域を有効利用するためには、フレーム間隔閾値をできるだけ小さく設定する必要がある。ところが、例えば図9では、L2SW(1)の出力は無線装置A1のフレーム1のみであるが、L2SW(4)の出力は無線装置A1のフレーム1と無線装置A2のフレーム2とが合流しているため、各フレームの間隔が延びており、信号転送装置ごとにフレーム間隔が異なる可能性がある。仮にこの場合、全ての信号転送装置にL2SW(1)でのフレーム間隔をフレーム間隔閾値として設定したとすると、L2SW(4)ではフレーム間隔が長いため、高優先トラフィックが終わっていないにも拘らず、高優先信号通信可能区間を解放してしまう可能性がある。したがって、信号転送装置ごとに最適なフレーム間隔閾値を決める必要が生じる。
[0015]
 また、無線装置A2が存在せず、前述したフレームの合流が無い場合でも、無線装置から出力されるトラヒックのフレーム間隔は、無線装置の実装状態に応じて決まるため、信号転送装置側でフレーム間隔閾値を事前に設定しておくことは難しい。
[0016]
 さらに、一度フレーム間隔閾値を設定したとしても、無線装置の追加などでフローが増えたり、L2SWの接続構成が変わって各信号転送装置でのフレーム合流数等に変更が生じた場合には、再度、フレーム間隔閾値を設定し直す必要があり、ユーザ作業が煩雑となるという問題もある。
[0017]
 本発明では、信号転送装置ごとに算出するフレーム到着間隔に基づいて最適なフレーム間隔閾値を設定することにより、無線装置の追加や通信状況などによりフローに変動が生じた場合でも、信号転送装置ごとに最適なフレーム間隔閾値をユーザ操作なく自律的に決定することができる信号転送装置、信号転送方法、信号転送制御装置、信号転送制御方法および信号転送プログラムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0018]
 第1の発明の信号転送装置は、優先度の高いトラヒックのフレームと優先度の低いトラヒックのフレームを転送する信号転送装置であり、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間と優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間とを周期的に切り替え、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間において、優先度の高いトラヒックのフレームが予め設定されたフレーム間隔閾値の時間以上来ないことを検出した場合は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間を解放して、優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間に割り当てる制御部と、前記優先度の高いトラヒックのフレームの到着時刻を取得するフレーム到着時刻情報取得部と、前記フレーム到着時刻情報取得部が取得するフレームの到着時刻に基づいて、時系列順に入力される複数のフレームのフレーム間隔を算出するフレーム間隔算出部と、複数の前記フレーム間隔に基づいて、新たなフレーム間隔閾値を算出するフレーム間隔閾値算出部と、前記フレーム間隔閾値を前記新たなフレーム間隔閾値に変更するフレーム間隔閾値設定部と、を有することを特徴とする。
[0019]
 第2の発明は、第1の発明の信号転送装置において、前記フレーム間隔閾値算出部は、複数の前記フレーム間隔のうち、優先度の低いトラヒックが伝送可能な期間を含むフレーム間隔を除外した複数の前記フレーム間隔に基づいて前記新たなフレーム間隔閾値を算出する、ことを特徴とする。
[0020]
 第3の発明の信号転送方法は、優先度の高いトラヒックのフレームと優先度の低いトラヒックのフレームを転送する信号転送方法であり、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間と優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間とを周期的に切り替え、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間において、優先度の高いトラヒックのフレームが予め設定されたフレーム間隔閾値の時間以上来ないことを検出した場合は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間を解放して、優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間に割り当てる制御処理と、前記優先度の高いトラヒックのフレームの到着時刻を取得するフレーム到着時刻情報取得処理と、前記フレーム到着時刻情報取得処理で取得するフレームの到着時刻に基づいて、時系列順に入力される複数のフレームのフレーム間隔を算出するフレーム間隔算出処理と、複数の前記フレーム間隔に基づいて、新たなフレーム間隔閾値を算出するフレーム間隔閾値算出処理と、前記フレーム間隔閾値を前記新たなフレーム間隔閾値に変更するフレーム間隔閾値設定処理と、を実行することを特徴とする。
[0021]
 第4の発明は、第3の発明の信号転送方法において、前記フレーム間隔閾値算出処理では、複数の前記フレーム間隔のうち、優先度の低いトラヒックが伝送可能な期間を含むフレーム間隔を除外した複数の前記フレーム間隔に基づいて前記新たなフレーム間隔閾値を算出する、ことを特徴とする。
[0022]
 第5の発明の信号転送制御装置は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間と優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間とを周期的に切り替えて、優先度の高いトラヒックのフレームと優先度の低いトラヒックのフレームを転送する場合に、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間において、優先度の高いトラヒックのフレームが予め設定されたフレーム間隔閾値の時間以上来ないことを検出した場合は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間を解放して、優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間に割り当てる信号転送装置を制御する信号転送制御装置であり、複数の前記信号転送装置から優先度の高いトラヒックのフレームの到着時刻を取得し、時系列順に入力される複数のフレームのフレーム間隔を複数の前記信号転送装置ごとに算出するフレーム間隔算出部と、複数の前記フレーム間隔に基づいて、複数の前記信号転送装置ごとに新たなフレーム間隔閾値を算出するフレーム間隔閾値算出部と、前記フレーム間隔閾値を前記新たなフレーム間隔閾値に変更するように、複数の前記信号転送装置へ通知するフレーム間隔閾値設定部と、を有することを特徴とする。
[0023]
 第6の発明の信号転送制御方法は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間と優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間とを周期的に切り替えて、優先度の高いトラヒックのフレームと優先度の低いトラヒックのフレームを転送する場合に、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間において、優先度の高いトラヒックのフレームが予め設定されたフレーム間隔閾値の時間以上来ないことを検出した場合は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間を解放して、優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間に割り当てる信号転送装置を制御する信号転送制御方法であり、複数の前記信号転送装置から優先度の高いトラヒックのフレームの到着時刻を取得し、時系列順に入力される複数のフレームのフレーム間隔を複数の前記信号転送装置ごとに算出するフレーム間隔算出処理と、複数の前記フレーム間隔に基づいて、複数の前記信号転送装置ごとに新たなフレーム間隔閾値を算出するフレーム間隔閾値算出処理と、前記フレーム間隔閾値を前記新たなフレーム間隔閾値に変更するように、複数の前記信号転送装置へ通知するフレーム間隔閾値設定処理と、を実行することを特徴とする。
[0024]
 第7の発明は、第3の発明,第4の発明および第6の発明のいずれかの信号転送方法または信号転送制御方法で行う処理をコンピュータに実行させる信号転送プログラムであることを特徴とする。

発明の効果

[0025]
 本発明に係る信号転送装置、信号転送方法、信号転送制御装置、信号転送制御方法および信号転送プログラムは、無線装置の追加や通信状況などによりフローに変動が生じた場合でも、信号転送装置ごとに最適なフレーム間隔閾値をユーザ操作なく自律的に決定することができる。

図面の簡単な説明

[0026]
[図1] 高優先無線装置と高優先無線制御装置をL2NWで収容する例を示す図である。
[図2] 第1実施形態に係る信号転送装置の構成例を示す図である。
[図3] 新たに高優先無線装置がL2NWに追加される例を示す図である。
[図4] 第1実施形態に係る信号転送装置の処理例を示す図である。
[図5] 第1実施形態に係る信号転送装置の動作例を示す図である。
[図6] 第2実施形態に係る遠隔制御装置の構成例を示す図である。
[図7] TASを搭載した一般的な信号転送装置の構成例を示す図である。
[図8] 高優先無線装置と高優先無線制御装置をL2NWで収容する例を示す図である。
[図9] L2NWにおけるトラヒックの流れの一例を示す図である。
[図10] 高優先信号通信可能区間を解放したときのトラヒックの流れの一例を示す図である。
[図11] 自律的に高優先トラフィックの終わりを検出する従来の信号転送装置の構成例を示す図である。

発明を実施するための形態

[0027]
 以下、図面を参照して本発明に係る信号転送装置、信号転送方法、信号転送制御装置、信号転送制御方法および信号転送プログラムの実施形態について説明する。なお、以降の実施形態で説明する信号転送装置は、L2SWなどの装置に対応し、信号転送制御装置は、L2SWなどの動作を制御する装置に対応する。
[0028]
 以降の実施形態で説明する信号転送装置は、例えばセルラーシステムの基地局が無線制御装置と無線装置とに分離して配置された装置間でフレームを転送するMFHとしてネットワーク(L2NW)を用いる場合に適している。ここで、無線制御装置と無線装置との間で通信されるフレームは低遅延が求められるため、各実施形態に係る信号転送装置は、TASを基本とする。TASは、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間(高優先信号通信可能区間)と優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間(低優先信号通信可能区間)とが周期的に繰り返されるので、無線制御装置と無線装置との間で送受信されるフレームが高優先信号通信可能区間に転送されるようにスケジューリングされる。
[0029]
 また、以降の実施形態で説明する信号転送装置は、例えば転送されるフレームが少ない場合、高優先信号通信可能区間の全てが使われずに、フレームを転送しない無駄な時間が生じないように、予め決められた所定時間(フレーム間隔閾値)に高優先フレームが来ない場合に残りの高優先信号通信可能区間を解放して低優先信号通信可能区間に割り当てる機能を搭載している。特に、以降の実施形態で説明する信号転送装置では、高優先フレームが来ないと判断するためのフレーム間隔閾値を、L2NWを構成する複数の信号転送装置の各々において算出するフレーム到着間隔に基づいて適宜変更することにより、無線装置の追加や通信状況などによりフローに変動が生じた場合でも、信号転送装置ごとに最適なフレーム間隔閾値を自律的に設定することができる。これにより、信号転送装置は、高優先トラフィックのフレーム間隔が広くなった場合でも高優先トラフィックのフレームの終了を正確に判断することができ、フレームの到着前に誤って高優先トラフィックのフレームが終了したと判断することがなくなる。
[0030]
 図1は、高優先無線装置(A1,A2)と高優先無線制御装置(S1,S2)をL2NWで収容する例を示す。なお、図1は、従来技術で説明した図8と同様の構成のネットワーク(L2NW)を示すが、L2SW(1)からL2SW(7)までのL2SWは、従来技術の図7または図11で説明した信号転送装置800または信号転送装置800Aではなく、以降の実施形態で説明する信号転送装置101が用いられる。図1において、各L2SWは、信号転送装置101に対応し、符号末尾に(番号)を付加して記載する。例えばL2SW(1)に対応する信号転送装置101は信号転送装置101(1)と記載する。
[0031]
 図1において、無線装置と無線制御装置との間のトラヒックがどのような経路を通るかをユーザ側で設定することができるが、全て最小ホップ数となる経路を選択しているものと仮定する。図1の例では、高優先無線装置A1から高優先無線制御装置S1への上り信号は、例えばL2SW(1)->L2SW(2)->L2SW(3)->L2SW(4)という経路を通って転送され、高優先無線装置A2から高優先無線制御装置S2への上り信号は、例えばL2SW(2)->L2SW(3)という経路を通って転送される。
[0032]
 [第1実施形態]
 図2は、第1実施形態に係る信号転送装置101の構成例を示す。図2において、信号転送装置101は、フレーム振分部201、高優先バッファ202、低優先バッファ203、出力部204、スケジューラ部205、フレーム到着時刻情報取得部206、フレーム間隔算出部207、フレーム間隔閾値算出部208およびフレーム間隔閾値設定部209を有する。
[0033]
 フレーム振分部201は、他の信号転送装置や無線装置および無線制御装置などから受信するフレーム(入力トラヒック)をフレームヘッダに格納された優先度に基づいて振り分け、高優先のフレームを高優先バッファ202に出力し、低優先のフレームを低優先バッファ203に出力する。例えば信号転送装置101が図1のL2SW(2)である場合、フレーム振分部201は、L2SW(1)から受け取るフレームおよび高優先無線装置A2から受け取るフレームを入力トラヒックとして高優先バッファ202または低優先バッファ203に振り分ける。なお、フレーム振分部201は、フレームの振り分けのために、VID(VLAN Identifier)、MAC(Media Access Control)アドレス、IP(Internet Protocol)アドレスなどを利用してもよい。
[0034]
 高優先バッファ202は、フレーム振分部201により振り分けられた高優先のフレームを溜めるバッファメモリで、スケジューラ部205の指令に応じてフレーム振分部201が出力する高優先のフレームを取り込み一時的に保持する。
[0035]
 低優先バッファ203は、フレーム振分部201により振り分けられた低優先のフレームを溜めるバッファメモリで、スケジューラ部205の指令に応じてフレーム振分部201が出力する低優先のフレームを取り込み一時的に保持する。
[0036]
 出力部204は、スケジューラ部205により高優先バッファ202または低優先バッファ203から読み出される高優先のフレームまたは低優先のフレームを転送先に出力する。例えば信号転送装置101が図1に示すL2SW(3)である場合、出力部204は、高優先無線装置A1のフレームをL2SW(4)に出力し、高優先無線装置A2のフレームを高優先無線制御装置S2に出力する。
[0037]
 スケジューラ部205は、現在の時刻情報を基に、低優先信号通信可能区間では高優先バッファ202に出力停止命令を出して低優先バッファ203に出力命令を出し、高優先信号通信可能区間では高優先バッファ202に出力命令を出して低優先バッファ203に出力停止命令を出す。ここで、スケジューラ部205は、信号転送装置101の制御処理を行う制御部として動作する。なお、スケジューラ部205の詳細な動作は後述する。
[0038]
 フレーム到着時刻情報取得部206は、信号転送装置101の外部の時計または内部の時計の現在の時刻情報を参照して、高優先バッファ202に一番最近到着したフレームの到着時刻を取得する(フレーム到着時刻情報取得処理に対応)。
[0039]
 フレーム間隔算出部207は、フレーム到着時刻情報取得部206により取得された各フレームの到着時刻から同じ送信元のフレームごとに時系列順に高優先バッファ202に入力されるフレーム間隔を算出する(フレーム間隔算出処理に対応)。例えば信号転送装置101が図1のL2SW(3)である場合、フレーム間隔算出部207は、高優先無線装置A1のフレームのフレーム間隔と、高優先無線装置A2のフレームのフレーム間隔とを算出する。
[0040]
 フレーム間隔閾値算出部208は、フレーム間隔算出部207により算出された各フレーム間隔を基に、フレーム間隔閾値を算出する(フレーム間隔閾値算出処理に対応)。ここで、フレーム間隔閾値は、同じ送信元からバースト的に送信される一連のフレームの受信が終わったことをスケジューラ部205が検出するための閾値である。なお、フレーム間隔閾値算出部208の詳細な動作は後述する。
[0041]
 フレーム間隔閾値設定部209は、フレーム間隔閾値算出部208で算出したフレーム間隔閾値に基づいて、スケジューラ部205にフレーム間隔閾値の設定命令を出す(フレーム間隔閾値設定処理に対応)。
[0042]
 次に、スケジューラ部205の詳細な動作について説明する。スケジューラ部205は、フレーム到着時刻情報取得部206により取得された各フレームの到着時刻から予め設定されたフレーム間隔閾値以上経過しても当該フレームが来ない場合に高優先バッファ202に出力停止命令を出して低優先バッファ203に出力命令を出し、フレーム間隔閾値設定部209からの命令を基にフレーム間隔閾値を変更する。ここで、信号転送装置101の動作開始時やフレームの受信が開始される前はフレーム間隔閾値設定部209によるフレーム間隔閾値の設定が行われていないため、フレーム間隔閾値の初期値が予め設定されているものとする。なお、フレーム間隔閾値の初期値は、現実的なフレーム間隔よりも十分に大きな値、例えばメモリ上取りうる最大値(または無限大)に設定されているものとする。
[0043]
 また、フレーム到着時刻情報取得部206が取得するフレーム到着時刻として、フレームの先頭到着時刻とフレームの最後尾到着時刻とが考えられる。そして、フレームの先頭到着時刻とフレームの最後尾到着時刻の2つが取得できる場合には、フレーム間隔算出部207において、あるフレームの最後尾到着時刻と次フレームの先頭到着時刻との差分をフレーム間隔として算出することができる。この差分は、IFG(Inter Frame Gap)と等しい。一方、フレーム到着時刻情報取得部206がフレームの先頭到着時刻とフレームの最後尾到着時刻のどちらか一方しか取得できない場合には、フレーム間隔算出部207において、あるフレームの先頭到着時刻と次フレームの先頭到着時刻との差分またはあるフレームの最後尾到着時刻と次フレームの最後尾到着時刻との差分をフレーム間隔として算出することができる。これらの差分は、フレーム長とIFGを足し合わせた値と等しい。
[0044]
 次に、フレーム間隔閾値算出部208の詳細な動作について説明する。フレーム間隔閾値算出部208は、フレーム間隔閾値をフレーム間隔算出部207で算出された複数のフレーム間隔のうち、最大のものに設定してもよいし、平均値に設定してもよい。また、最大のものにマージンを積んだ値に設定してもよいし、平均値にマージンを積んだ値に設定してもよい。なお、上述の場合、ある高優先信号通信可能区間と次の高優先信号通信可能区間との間の低優先信号通信可能区間を跨いだフレーム間隔が算出対象となる可能性がある。例えば、ある高優先信号通信可能区間の最後のフレームと次の高優先信号通信可能区間の最初のフレームとの間がフレーム間隔として算出される可能性があるため、フレーム間隔閾値算出部208では、算出したフレーム間隔を対象外として除外するための閾値(観測閾値と称する)を設け、算出したフレーム間隔が観測閾値を超える場合は当該フレーム間隔の値を除外して、観測閾値を超えないフレーム間隔の値を対象として最大または平均値を求める処理を行うのが好ましい。
[0045]
 ここで、観測閾値は、低優先信号通信可能区間と同じ長さに設定してもよい。なお、本実施形態のように、低優先信号通信可能区間の長さが変動する場合は、低優先信号通信可能区間の長さの最小値または平均値等を標準的な低優先信号通信可能区間の長さとして採用してもよい。或いは、高優先信号通信可能区間から低優先信号通信可能区間に切り替わったときにフレーム間隔の算出を一旦中止してもよいし、低優先信号通信可能区間から高優先信号通信可能区間に切り替わった後の最初のフレームからフレーム間隔の算出を再開するようにしてもよい。また、1つの高優先信号通信可能区間内のフレーム間隔を対象として、最大または平均値を求めてもよい。なお、フレーム間隔閾値算出部208は、フレーム間隔閾値の算出周期を任意に設定できる。
[0046]
 また、フレーム間隔閾値設定部209は、フレーム間隔閾値算出部208より算出されたフレーム間隔閾値の情報を取得するたびに設定命令を出してもよいが、複数回情報を取得した後に設定命令を出してもよい。例えば、一時的にフレーム間隔算出部207またはフレーム間隔閾値算出部208が誤作動を起こして、一時的に他のフレーム間隔閾値よりも著しく離れた値が通知された場合でも、複数回フレーム間隔閾値情報を取得し、その中で著しく離れた値を除外する処理を行うことで、誤作動を防ぐことができる。
[0047]
 (無線装置が追加された場合)
 図3は、新たに高優先無線装置A3がL2NWに追加される例を示す。なお、図3において、図1と同符号のブロックは、図1と同一又は同様のブロックである。図3において、新たに高優先無線装置A3が追加され、フローが追加された場合には、そのフローが通る経路上のL2SWにおいてフレーム間隔が延びる可能性があるが、本実施形態に係る信号転送装置101であれば、ユーザによる何らかの操作を行うことなく、自律的に変更後のフレーム間隔を算出し、適切なフレーム間隔閾値を設定し直すことができる。例えば図3のL2NWでは、高優先無線制御装置S2に帰属する高優先無線装置A3が高優先無線装置A2と同じL2SW(2)の配下に新たに追加されている。この場合、L2SW(2)からL2SW(3)への方向には、高優先無線装置A1と高優先無線装置A2のフレームだけでなく、高優先無線装置A3のフレームも含めて交互に出力されるため、高優先無線装置A1のフレームに着目するとフレーム間隔が延びる。このとき、L2SW(4)において、フレーム間隔閾値を増大させる必要があるが、本実施形態に係る信号転送装置101であれば、定期的にフレーム間隔を算出して、フレーム間隔閾値が自律的に設定し直されるので、フレーム間隔が延びた場合でも誤動作なく処理を行うことができる。なお、無線装置が追加されてからフレーム間隔閾値が再設定されるまでの間は、無線装置が追加される前のフレーム間隔閾値で動作するため、高優先トラヒックが流れているにも関わらず高優先信号通信可能区間を解放する可能性があるが、フレーム間隔閾値を再設定する周期を短く設定しておけば、影響を軽減できる。または、新規のフローを検出した時点で、フレーム間隔閾値を再度、例えばメモリ上取りうる最大値(または無限大)に再設定するような処理を加えることで、高優先信号通信可能区間を解放可能な長さが一時的に短くなるものの、高優先トラヒックが流れているにも関わらず高優先信号通信可能区間を解放することは回避できる。新規のフローを検出した時点とは、例えばこれまでに転送したことの無いMACアドレスのフレームを検出した時点である。
[0048]
 (無線装置が撤去された場合)
 無線装置が撤去され、フローが削除された場合には、そのフローが通る経路上のL2SWでフレーム間隔が短くなる可能性があるが、本実施形態に係る信号転送装置101であれば、ユーザによる何らかの操作を行うことなく、自律的に変更後のフレーム間隔を算出し、適切なフレーム間隔閾値を設定し直すことができる。例えば図1のL2NWにおいて、高優先無線制御装置S2に帰属する高優先無線装置A2が撤去されたケースを想定する。この場合、L2SW(2)からL2SW(3)への方向には、高優先無線装置A1のフレームだけが出力されるため、高優先無線装置A1のフレームに着目するとフレーム間隔が短くなる。このとき、L2SW(4)において、フレーム間隔閾値を低減させる必要があるが、本実施形態に係る信号転送装置101であれば、定期的にフレーム間隔を算出して、フレーム間隔閾値が自律的に設定し直されるので、フレーム間隔が短くなった場合でも適切に処理を行うことができる。
[0049]
 図4は、第1実施形態に係る信号転送装置101の処理例を示す。なお、図4に示す処理は、図2で説明した信号転送装置101の各部により実行される。
[0050]
 図5は、第1本実施形態に係る信号転送装置101の動作例を示す。図5(a)は、フレーム間隔の一例を示し、図5(b)は、高優先信号通信可能区間を解放する動作の一例を示す。
[0051]
 以下、図5を参照しつつ図4に示した本実施形態に係る信号転送装置101の処理について詳しく説明する。
[0052]
 ステップS101において、信号転送装置101は転送を開始する。
[0053]
 ステップS102において、スケジューラ部205は、フレーム間隔閾値を十分に大きな値、例えばメモリ上取りうる最大値(または無限大)に設定する。
[0054]
 ステップS103において、スケジューラ部205は、高優先信号通信可能区間の処理を開始する。なお、高優先信号通信可能区間および低優先信号通信可能区間は、予め決められた長さで交互に繰り返し割り当てられ、各区間の長さは、予めスケジューラ部205に設定されているものとする。
[0055]
 ステップS104において、フレーム到着時刻情報取得部206は、高優先バッファ202に到着したフレームの到着時刻を取得し、フレーム間隔算出部207は、1つ前のフレームに対するフレーム間隔を算出する。
[0056]
 ステップS105において、フレーム間隔算出部207は、フレーム間隔を算出してから、算出したフレーム間隔数が所定量を超えたか、または算出した時間が所定量を超えたか、のどちらか一つ以上を判別し、所定量を超えていない場合は、ステップS104の処理を繰り返し、所定量を超えた場合は、ステップS106の処理に進む。
[0057]
 ステップS106において、ステップS104で算出したフレーム間隔が観測閾値を超えているか否かを判別し、観測閾値以下のフレーム間隔の値だけを抽出し、観測閾値を超えるフレーム間隔の値は除外する。例えば図5(a)において、観測閾値を低優先信号通信可能区間の長さに設定している場合、フレーム間隔Δt1、Δt2、Δt3およびΔt4のうち、Δt3のみが観測閾値を超えているため、フレーム間隔閾値算出部208は、フレーム間隔Δt3を除外する。
[0058]
 ステップS107において、フレーム間隔閾値算出部208は、観測閾値以下のフレーム間隔の中で、最大フレーム間隔を抽出する。例えば図5(a)では、フレーム間隔Δt1、Δt2およびΔt4のうち、最大のフレーム間隔を抽出する。ここで、各フレーム間隔がΔt1>Δt2>Δt4の関係にある場合、Δt1が最大フレーム間隔として抽出される。
[0059]
 ステップS108において、フレーム間隔閾値設定部209は、フレーム間隔閾値を変更し、スケジューラ部205に設定する。例えば図5(b)では、フレーム間隔閾値がΔt1に変更され、スケジューラ部205は、フレーム間隔閾値がΔt1に基づいて高優先信号通信可能区間を解放する処理を行う。なお、ステップS104からステップS108までの処理は、フレーム転送処理に並行して行われ、ステップS108の処理で変更されたフレーム間隔閾値は、ステップS109の処理で参照される。
[0060]
 ステップS109において、スケジューラ部205は、フレーム最終到着時点からフレーム間隔閾値以上の時間が経過した後に次のフレームが来ないかを判別する。そして、フレーム間隔閾値以上次のフレームが来ない場合はステップS110の処理に進み、次のフレームが来る場合はステップS111の処理に進む。例えば図5(b)では、スケジューラ部205は、3番目のフレーム1のフレーム最終到着時点からΔt1以上経過後に次のフレームが来るか否かを判別し、次のフレームが来ないので、ステップS110の処理に進む。
[0061]
 ステップS110において、スケジューラ部205は、高優先信号通信可能区間を解放する。例えば図5(b)では、スケジューラ部205は、高優先信号通信可能区間の残りの区間D(時刻T1から時刻T2の区間)を解放する。
[0062]
 ステップS111において、スケジューラ部205は、高優先信号通信可能区間が終了したか否かを判別する。そして、高優先信号通信可能区間が終了した場合はステップS112の処理に進み、高優先信号通信可能区間が終了していない場合はステップS109の処理に戻って同様の処理が繰り返し行われる。
[0063]
 ステップS112において、スケジューラ部205は、低優先信号通信可能区間を開始する。ここで、ステップS109で高優先信号通信可能区間が解放された場合と、ステップS111で予め決められた高優先信号通信可能区間が終了した場合とにおいて、低優先信号通信可能区間が開始される。例えば図5(b)において、ステップS110で高優先信号通信可能区間が解放された場合は、時刻T1から低優先信号通信可能区間が開始され、ステップS111で予め決められた高優先信号通信可能区間が終了した場合は、時刻T2から低優先信号通信可能区間が開始される。
[0064]
 ステップS113において、スケジューラ部205は、低優先信号通信可能区間が終了したか否かを判別する。そして、低優先信号通信可能区間が終了していない場合はステップS113の処理を繰り返し、低優先信号通信可能区間が終了した場合はステップS103の処理に戻って同様の処理が繰り返し行われる。
[0065]
 このようにして、本実施形態に係る信号転送装置101は、高優先トラフィックの最終フレーム到着時刻からフレーム間隔閾値が経過した後で、高優先信号通信可能区間を解放して、低優先信号通信可能区間を延ばすことができる。特に、本実施形態に係る信号転送装置101は、フレーム間隔を算出してフレーム間隔閾値を変更するので、フレーム間隔が長くなった場合はフレーム間隔閾値も長くなり、フレーム間隔が短くなった場合はフレーム間隔閾値も短くなるので、無線装置の追加や撤去など状況の変化に応じて最適なフレーム間隔閾値を用いることができる。
[0066]
 ここで、従来技術で説明した方式のように、フレーム間隔閾値を事前に設定する方法は、L2SWや高優先無線装置から出力されるトラヒックがバースト的であり、フレーム間隔がほぼ一定で、その値が事前に分かる場合にのみ適用可能であった。つまり、L2SWや高優先無線装置から出力されるトラヒックのフレーム間隔が事前に決まっておらず、かつフレーム間隔がフレームごとに異なる場合には、フレーム間隔閾値を決めることができないという問題があった。これに対して、本実施形態に係る信号転送装置101は、L2SWや高優先無線装置から出力されるトラヒックのフレーム間隔が事前に決まっておらず、かつフレーム間隔がフレームごとに異なる場合でも、L2SWや高優先無線装置から出力されるトラヒックのフレーム間隔に基づいて自律的にフレーム間隔閾値を変更することができる。
[0067]
 これにより、本実施形態に係る信号転送装置101は、高優先トラフィックのフレームが終了していないのに誤って高優先信号通信可能区間が解放されたり、高優先トラフィックのフレームが終了しているのに高優先信号通信可能区間の状態が無駄に保持されることを防止することができる。
[0068]
 ここで、本実施形態に係る信号転送装置101は、図2に示した各ブロックを有する装置として説明したが、各ブロックが行う処理に対応する信号転送方法のプログラムを実行するコンピュータでも実現できる。なお、プログラムは、記録媒体に記録して提供されてもよいし、ネットワークを通して提供されてもよい。
[0069]
 [第2実施形態]
 第1実施形態に係る信号転送装置101では、フレーム間隔閾値の算出や高優先信号通信可能区間を解放するか否かの判断を信号転送装置自身で行う例について説明したが、第2実施形態では、信号転送装置自身ではなく、信号転送装置に遠隔で接続される信号転送制御装置によりフレーム間隔閾値の算出や高優先信号通信可能区間を解放するか否かの判断を行い、各信号転送装置を制御する。
[0070]
 図6は、第2実施形態に係る遠隔制御装置300の構成例を示す。なお、遠隔制御装置300は、TASを搭載する信号転送装置を制御する信号転送制御装置に対応する。
[0071]
 図6において、遠隔制御装置300は、フレーム到着時刻情報取得部401、フレーム間隔算出部402、フレーム間隔閾値算出部403およびフレーム間隔閾値設定部404を有する。なお、遠隔制御装置300は、L2NW内の複数の信号転送装置101の設置場所から離れた遠隔地から複数の信号転送装置101をそれぞれ制御する信号転送制御装置に対応する。
[0072]
 フレーム到着時刻情報取得部401は、各信号転送装置からフレーム到着時刻情報を取得する。
[0073]
 フレーム間隔算出部402は、フレーム到着時刻情報取得部401により取得された各フレームの到着時刻から同じ送信元のフレームごとにフレーム間隔を算出する。例えば遠隔制御装置300が図1のL2SW(3)を制御する場合、フレーム間隔算出部402は、高優先無線装置A1のフレームのフレーム間隔と、高優先無線装置A2のフレームのフレーム間隔とを算出する。
[0074]
 フレーム間隔閾値算出部403は、フレーム間隔算出部402により算出された各フレーム間隔を基に、フレーム間隔閾値を算出する。なお、フレーム間隔閾値算出部403は、図2で説明したフレーム間隔閾値算出部208と同様の動作を行う。
[0075]
 フレーム間隔閾値設定部404は、フレーム間隔閾値算出部403で算出したフレーム間隔閾値に基づいて、各信号転送装置にフレーム間隔閾値の設定命令を出す。
[0076]
 なお、第2実施形態で用いる信号転送装置は、フレーム到着時刻情報を遠隔制御装置300へ通知する機能を有するものとする。例えば図2の信号転送装置101の構成からフレーム間隔算出部207、フレーム間隔閾値算出部208およびフレーム間隔閾値設定部209の3つのブロックを削除し、フレーム到着時刻情報取得部206のみを搭載し、スケジューラ部205は、フレーム到着時刻情報取得部206が取得したフレーム到着時刻情報を遠隔制御装置300へ通知する。なお、遠隔制御装置300は、各信号転送装置と専用の回線やネットワークで接続してもよいし、例えば図1で説明したL2NWで接続するようにしてもよい。
[0077]
 また、第2実施形態で用いる信号転送装置のスケジューラ部は、第1実施形態の信号転送装置101のスケジューラ部205と同様に、遠隔制御装置300のフレーム間隔閾値設定部404からの指令に基づいてフレーム間隔閾値を変更する機能を有するものとする。
[0078]
 ここで、本実施形態に係る遠隔制御装置300は、図6に示した各ブロックを有する装置として説明したが、各ブロックが行う処理に対応する信号転送制御方法のプログラムを実行するコンピュータでも実現できる。なお、プログラムは、記録媒体に記録して提供されてもよいし、ネットワークを通して提供されてもよい。
[0079]
 なお、上述の第1実施形態および第2実施形態では、リング型のネットワーク構成を例に説明したが、本発明はこの構成に限らず、ハニカム型、メッシュ型等、他のネットワーク構成にも適用できる。
[0080]
 以上、各実施形態で説明したように、本発明に係る信号転送装置、信号転送方法、信号転送制御装置、信号転送制御方法および信号転送プログラムは、信号転送装置ごとに算出するフレーム到着間隔に基づいて最適なフレーム間隔閾値を設定することにより、無線装置の追加や通信状況などによりフローに変動が生じた場合でも、信号転送装置ごとに最適なフレーム間隔閾値をユーザ操作なく自律的に決定することができる。

符号の説明

[0081]
101,800,800A・・・信号転送装置;201,901・・・フレーム振分部;202,902・・・高優先バッファ;203,903・・・低優先バッファ;204,904・・・出力部;205,905・・・スケジューラ部;206,401,906・・・フレーム到着時刻情報取得部;207,402・・・フレーム間隔算出部;208,403・・・フレーム間隔閾値算出部;209,404・・・フレーム間隔閾値設定部;300・・・遠隔制御装置;A1,A2,A3・・・高優先無線装置;S1,S2・・・高優先無線制御装置

請求の範囲

[請求項1]
 優先度の高いトラヒックのフレームと優先度の低いトラヒックのフレームを転送する信号転送装置において、
 優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間と優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間とを周期的に切り替え、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間において、優先度の高いトラヒックのフレームが予め設定されたフレーム間隔閾値の時間以上来ないことを検出した場合は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間を解放して、優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間に割り当てる制御部と、
 前記優先度の高いトラヒックのフレームの到着時刻を取得するフレーム到着時刻情報取得部と、
 前記フレーム到着時刻情報取得部が取得するフレームの到着時刻に基づいて、時系列順に入力される複数のフレームのフレーム間隔を算出するフレーム間隔算出部と、
 複数の前記フレーム間隔に基づいて、新たなフレーム間隔閾値を算出するフレーム間隔閾値算出部と、
 前記フレーム間隔閾値を前記新たなフレーム間隔閾値に変更するフレーム間隔閾値設定部と、
 を有することを特徴とする信号転送装置。
[請求項2]
 前記フレーム間隔閾値算出部は、複数の前記フレーム間隔のうち、優先度の低いトラヒックが伝送可能な期間を含むフレーム間隔を除外した複数の前記フレーム間隔に基づいて前記新たなフレーム間隔閾値を算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の信号転送装置。
[請求項3]
 優先度の高いトラヒックのフレームと優先度の低いトラヒックのフレームを転送する信号転送方法であって、
 優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間と優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間とを周期的に切り替え、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間において、優先度の高いトラヒックのフレームが予め設定されたフレーム間隔閾値の時間以上来ないことを検出した場合は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間を解放して、優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間に割り当てる制御処理と、
 前記優先度の高いトラヒックのフレームの到着時刻を取得するフレーム到着時刻情報取得処理と、
 前記フレーム到着時刻情報取得処理で取得するフレームの到着時刻に基づいて、時系列順に入力される複数のフレームのフレーム間隔を算出するフレーム間隔算出処理と、
 複数の前記フレーム間隔に基づいて、新たなフレーム間隔閾値を算出するフレーム間隔閾値算出処理と、
 前記フレーム間隔閾値を前記新たなフレーム間隔閾値に変更するフレーム間隔閾値設定処理と、
 を実行することを特徴とする信号転送方法。
[請求項4]
 前記フレーム間隔閾値算出処理では、複数の前記フレーム間隔のうち、優先度の低いトラヒックが伝送可能な期間を含むフレーム間隔を除外した複数の前記フレーム間隔に基づいて前記新たなフレーム間隔閾値を算出する、ことを特徴とする請求項3に記載の信号転送方法。
[請求項5]
 優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間と優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間とを周期的に切り替えて、優先度の高いトラヒックのフレームと優先度の低いトラヒックのフレームを転送する場合に、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間において、優先度の高いトラヒックのフレームが予め設定されたフレーム間隔閾値の時間以上来ないことを検出した場合は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間を解放して、優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間に割り当てる信号転送装置を制御する信号転送制御装置において、
 複数の前記信号転送装置から優先度の高いトラヒックのフレームの到着時刻を取得し、時系列順に入力される複数のフレームのフレーム間隔を複数の前記信号転送装置ごとに算出するフレーム間隔算出部と、
 複数の前記フレーム間隔に基づいて、複数の前記信号転送装置ごとに新たなフレーム間隔閾値を算出するフレーム間隔閾値算出部と、
 前記フレーム間隔閾値を前記新たなフレーム間隔閾値に変更するように、複数の前記信号転送装置へ通知するフレーム間隔閾値設定部と、
 を有することを特徴とする信号転送制御装置。
[請求項6]
 優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間と優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間とを周期的に切り替えて、優先度の高いトラヒックのフレームと優先度の低いトラヒックのフレームを転送する場合に、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間において、優先度の高いトラヒックのフレームが予め設定されたフレーム間隔閾値の時間以上来ないことを検出した場合は、優先度の高いトラヒックのフレームが伝送可能な期間を解放して、優先度の低いトラヒックのフレームが伝送可能な期間に割り当てる信号転送装置を制御する信号転送制御方法であって、
 複数の前記信号転送装置から優先度の高いトラヒックのフレームの到着時刻を取得し、時系列順に入力される複数のフレームのフレーム間隔を複数の前記信号転送装置ごとに算出するフレーム間隔算出処理と、
 複数の前記フレーム間隔に基づいて、複数の前記信号転送装置ごとに新たなフレーム間隔閾値を算出するフレーム間隔閾値算出処理と、
 前記フレーム間隔閾値を前記新たなフレーム間隔閾値に変更するように、複数の前記信号転送装置へ通知するフレーム間隔閾値設定処理と、
 を実行することを特徴とする信号転送制御方法。
[請求項7]
 請求項3,請求項4および請求項6のいずれか一項に記載の信号転送方法または信号転送制御方法で行う処理をコンピュータに実行させることを特徴とする信号転送プログラム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]