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1. WO2021049462 - 車両用灯具システムおよび車両用灯具

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明 細 書

発明の名称 車両用灯具システムおよび車両用灯具

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004  

課題を解決するための手段

0005   0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098  

産業上の利用可能性

0099  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8A   8B   9A   9B   10A   10B   11A   11B   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24A   24B  

明 細 書

発明の名称 : 車両用灯具システムおよび車両用灯具

技術分野

[0001]
 本発明は、自動車などの車両に用いられる車両用灯具システムおよび車両用灯具に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1などにより、自車両の前方に他車両が存在する場合に、その車両の部分だけ照明がカットされるように自車両の前照灯の配光を制御する方法(ADB制御)を実行する車両用灯具が知られている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 日本国特開2013-79044号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 ところで近年は、センシング方法の異なる複数種類のセンサが車両に搭載されるようになってきている。また車両用灯具にこのようなセンサを搭載することが求められている。
 本発明は、車載カメラとランプ搭載光学センサの検出精度がより高められた車両用灯具システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0005]
 本発明の一態様の車両用灯具システムは、
 車両用灯具と制御部とを有し、車載カメラを有する車両に搭載される車両用灯具システムであって、
 前記車両用灯具は、
  車載カメラで撮像するための可視光を出射する第一光源と、
  第二光源と、
  前記第一光源から出射される光および前記第二光源から出射される光を灯具前方へ走査して照射させる走査手段と、
  前記第二光源が出射する光の波長に高い感度を有する光学センサと、を有し、
 前記制御部は、
  前記車載カメラの出力する画像から推定した情報と前記光学センサの出力から推定した情報とを比較して減光領域および強調領域の少なくとも一つを設定する領域設定部と、
  前記領域設定部の出力に基づき前記第一光源と前記第二光源の少なくとも一方の点灯状態を制御するランプ制御部と、を有する。
[0006]
 本発明の一態様の車両用灯具は、
 ドライバーまたは車載カメラが視認するための光を出射する第一光源と、
 前記第一光源とは異なる波長の光を出射する第二光源と、
 前記第一光源から出射された光と前記第二光源から出射された光を走査して灯具前方へ出射する走査手段と、
 前記第二光源から出射される光の反射強度に応じた信号を出力する光学センサと、
 対向車へグレアを与えないように前記光学センサの出力に基づき前記第一光源の点灯状態を制御する制御部と、を有し、
 前記走査手段は、前記第二光源から出射された光が水平方向に延びる直線状領域を照射するように、前記第二光源から出射された光を走査し、
 前記走査手段は、前記第一光源の光を灯具前方に向けて反射する部位と前記第二光源の光を灯具前方に向けて反射する部位が同一の反射体を有する、または、前記第一光源の光を灯具前方に向けて反射する部位と前記第二光源の光を灯具前方に向けて反射する部位とが一体となった反射体を有する。

発明の効果

[0007]
 本発明によれば、車載カメラとランプ搭載光学センサの検出精度がより高められた車両用灯具システムが提供される。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 本発明の実施形態に係る車両用灯具システムが組み込まれる車両システムのブロック図である。
[図2] 本発明の実施形態に係る車両用灯具システムに組み込まれる車両用灯具の断面図である。
[図3] ランプユニットの内部構成を示す模式図である。
[図4] 車両用灯具のシステムブロック図である。
[図5] 本実施形態の車両用灯具から出射される各々の光の照射範囲を示す模式図である。
[図6] 第一光源と第二光源の点灯タイミングおよび光学センサの露光タイミングを示すタイムチャートである。
[図7] 制御部が第一光源を制御することにより得られた配光パターンを示している。
[図8A] 時刻s1に車載カメラが取得した画像を示す。
[図8B] 時刻s1に光学センサの出力に基づき他車両を推定した模式図である。
[図9A] 時刻s2に車載カメラが取得した画像を示す。
[図9B] 時刻s2に光学センサの出力に基づき他車両を推定した模式図である。
[図10A] 時刻s3に車載カメラが取得した画像を示す。
[図10B] 時刻s3に光学センサの出力に基づき他車両を推定した模式図である。
[図11A] 時刻s4に車載カメラが取得した画像を示す。
[図11B] 時刻s4に光学センサの出力に基づき他車両を推定した模式図である。
[図12] 本発明の実施形態に係る車両用灯具が組み込まれる車両システムのブロック図である。
[図13] ランプユニットの内部構成を示す模式図である。
[図14] 車両用灯具のシステムブロック図である。
[図15] 本実施形態の車両用灯具から出射される各々の光の照射範囲を示す模式図である。
[図16] 第一光源と第二光源の点灯タイミングおよび光学センサの露光タイミングを示すタイムチャートである。
[図17] 制御部が第一光源を制御することにより得られた配光パターンを示している。
[図18] 第一光源の反射点の位置と第二光源の反射点の位置とが離間する場合の光の照射を説明する図である。
[図19] 基板上に設けられる第一光源と第二光源の一例を示す図である。
[図20] 第一変形例に係るランプユニットの内部構造を示す模式図である。
[図21] 第二変形例に係るランプユニットの内部構造を示す模式図である。
[図22] 第三変形例に係るランプユニットの内部構造を示す模式図である。
[図23] 第四変形例に係るランプユニットの内部構造を示す模式図である。
[図24A] 第五変形例に係るランプユニットの内部に設けられる回転リフレクタを示す正面図である。
[図24B] 第五変形例に係るランプユニットの内部に設けられる回転リフレクタを示す側面図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 以下、本発明を実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述される全ての特徴やその組合せは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
[0010]
<第一実施形態>
 図1は、本発明の第一実施形態に係る車両用灯具システム100が組み込まれる車両システム2のブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る車両システム2は、車両制御部3と、車両用灯具4と、センサ5と、カメラ6と、レーダ7と、HMI(Human Machine Interface)8と、GPS(Global Positioning System)9と、無線通信部10と、地図情報記憶部11とを備えている。さらに、車両システム2は、ステアリングアクチュエータ12と、ステアリング装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、ブレーキ装置15と、アクセルアクチュエータ16と、アクセル装置17とを備えている。
[0011]
 車両制御部3は、車両1の走行を制御するように構成されている。車両制御部3は、例えば、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成されている。電子制御ユニットは、プロセッサとメモリを含むマイクロコントローラと、その他電子回路(例えば、トランジスタ等)を含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)及び/又はGPU(Graphics Processing Unit)である。メモリは、各種車両制御プログラム(例えば、自動運転用の人工知能(AI)プログラム等)が記憶されたROM(Read Only Memory)と、各種車両制御データが一時的に記憶されるRAM(Random Access Memory)を含む。プロセッサは、ROMに記憶された各種車両制御プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されている。
[0012]
 センサ5は、加速度センサ、速度センサ、ジャイロセンサ等を備える。センサ5は、車両1の走行状態を検出して、走行状態情報を車両制御部3に出力するように構成されている。センサ5は、運転者が運転席に座っているかどうかを検出する着座センサ、運転者の顔の方向を検出する顔向きセンサ、外部天候状態を検出する外部天候センサ及び車内に人がいるかどうかを検出する人感センサ等をさらに備えてもよい。さらに、センサ5は、車両1の周辺環境の照度を検出する照度センサを備えてもよい。
[0013]
 カメラ(車載カメラ)6は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(相補型MOS)等の撮像素子を含むカメラである。カメラ6の撮像は、車両制御部3から送信される信号に基づいて制御される。カメラ6は受光した可視光に基づいて画像を生成可能である。
[0014]
 レーダ7は、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ又はレーザーレーダ等である。レーダ7は、LiDAR(Light Detection and RangingまたはLaser Imaging Detection and Ranging)を備えていてもよい。LiDARは、一般にその前方に非可視光を出射し、出射光と戻り光とに基づいて、物体までの距離、物体の形状、物体の材質などの情報を取得するセンサである。カメラ6とレーダ7(センサの一例)は、車両1の周辺環境(他車、歩行者、道路形状、交通標識、障害物等)を検出し、周辺環境情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
[0015]
 HMI8は、運転者からの入力操作を受付ける入力部と、走行情報等を運転者に向けて出力する出力部とから構成される。入力部は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、車両1の運転モードを切替える運転モード切替スイッチ等を含む。出力部は、各種走行情報を表示するディスプレイである。
[0016]
 GPS9は、車両1の現在位置情報を取得し、当該取得された現在位置情報を車両制御部3に出力するように構成されている。無線通信部10は、車両1の周囲にいる他車に関する情報(例えば、走行情報)を他車から受信すると共に、車両1に関する情報(例えば、走行情報)を他車に送信するように構成されている(車車間通信)。また、無線通信部10は、信号機や標識灯等のインフラ設備からインフラ情報を受信すると共に、車両1の走行情報をインフラ設備に送信するように構成されている(路車間通信)。地図情報記憶部11は、地図情報が記憶されたハードディスクドライブ等の外部記憶装置であって、地図情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
[0017]
 車両1が自動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、走行状態情報、周辺環境情報、現在位置情報、地図情報等に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号のうち少なくとも一つを自動的に生成する。ステアリングアクチュエータ12は、ステアリング制御信号を車両制御部3から受信して、受信したステアリング制御信号に基づいてステアリング装置13を制御するように構成されている。ブレーキアクチュエータ14は、ブレーキ制御信号を車両制御部3から受信して、受信したブレーキ制御信号に基づいてブレーキ装置15を制御するように構成されている。アクセルアクチュエータ16は、アクセル制御信号を車両制御部3から受信して、受信したアクセル制御信号に基づいてアクセル装置17を制御するように構成されている。このように、自動運転モードでは、車両1の走行は車両システム2により自動制御される。
[0018]
 一方、車両1が手動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、アクセルペダル、ブレーキペダル及びステアリングホイールに対する運転者の手動操作に従って、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成する。このように、手動運転モードでは、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号が運転者の手動操作によって生成されるので、車両1の走行は運転者により制御される。
[0019]
 次に、車両1の運転モードについて説明する。運転モードは、自動運転モードと手動運転モードとからなる。自動運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードとからなる。完全自動運転モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはない。高度運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはあるものの車両1を運転しない。運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御のうち一部の走行制御を自動的に行うと共に、車両システム2の運転支援の下で運転者が車両1を運転する。一方、手動運転モードでは、車両システム2が走行制御を自動的に行わないと共に、車両システム2の運転支援なしに運転者が車両1を運転する。
[0020]
 また、車両1の運転モードは、運転モード切替スイッチを操作することで切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、運転モード切替スイッチに対する運転者の操作に応じて、車両1の運転モードを4つの運転モード(完全自動運転モード、高度運転支援モード、運転支援モード、手動運転モード)の間で切り替える。また、車両1の運転モードは、自動運転車が走行可能である走行可能区間や自動運転車の走行が禁止されている走行禁止区間についての情報または外部天候状態についての情報に基づいて自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、これらの情報に基づいて車両1の運転モードを切り替える。さらに、車両1の運転モードは、着座センサや顔向きセンサ等を用いることで自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、着座センサや顔向きセンサからの出力信号に基づいて、車両1の運転モードを切り替える。
[0021]
 図2は、本発明の実施形態に係る車両用灯具システム100に組み込まれる車両用灯具4の断面図である。図2に示したように、車両用灯具4には、ロービームを照射可能なロービームユニット20と、赤外線を照射可能なランプユニット30とが搭載されている。これらロービームユニット20とランプユニット30は、アウタカバー41とハウジング42で形成された共通の灯室43内に設けられている。この車両用灯具4は車両1の前部に搭載される。これらロービームユニット20とランプユニット30は、制御部101によって制御される。
[0022]
 ロービームユニット20は、パラボラ型あるいはプロジェクタ型の灯具ユニットである。図示の例では、ロービームユニット20は、光源21とリフレクタ22とシェード23と投影レンズ24を備えている。ロービームユニット20の光源21には、ハロゲンランプ等のフィラメントを有する白熱灯や、メタルハライドランプ等のHID(High Intensity Discharge)ランプ、LED(Light Emitting Diode)等を用いることができる。
[0023]
 図3は、ランプユニット30の内部構成を示す模式図である。図3に示すようにランプユニット30は、ハウジング30aと、カメラ6で撮像するための可視光を出射する第一光源31と、第二光源32と、回転リフレクタ33(走査手段)と、光学センサ34と、レンズ部品35と、遮光壁36を有している。ハウジング30aの内部は遮光壁36によって第一灯室37と第二灯室38の2つの空間に仕切られている。第一光源31、第二光源32、回転リフレクタ33は第一灯室37に設けられている。光学センサ34は第二灯室38に設けられている。
[0024]
 第一光源31は、可視光を出射するLED(Light Emitting Diode)で構成されている。第一光源31は、LEDの他にLD(Laser Diode)で構成してもよい。第二光源32は、本実施形態においては、赤外線を出射するLDで構成されている。第一光源31および第二光源32は共通の基板39に搭載されている。本実施形態において、3つの第一光源31が、基板39上に鉛直方向に延びる仮想的な直線の上に並べて設けられている。同様に、3つの第二光源32が、基板39上に鉛直方向に延びる仮想的な直線の上に並べて設けられている。図3においては、第二光源32は第一光源31の紙面の奥側に配置されており、見えていない。図5で示したように第一光源31は第二光源32よりも広い範囲を照射することが求められるので、出射光の拡散度合いの大きいLEDを第一光源31に採用し、出射光の拡散度合いの小さいLDを第二光源32に用いることが好ましい。
[0025]
 回転リフレクタ33は、回転軸線R回りに回転する。回転リフレクタ33は、回転軸線R回りに延びる軸部33aと、軸部33aから径方向に延びる2枚のブレード33bを備えている。ブレード33bの表面が反射面とされている。この反射面は周方向に徐々に回転軸線Rに対する角度が変化する捩られた形状とされている。具体的には、第一光源31から出射された可視光が回転リフレクタ33の反射面で反射されるときに、反射されて出射される方向が、図5で詳述する左端から右端まで徐々に変化するような形状とされている。また第二光源32から出射された赤外線が回転リフレクタ33の反射面で反射されるときに、反射面から出射される方向が、図5で詳述する左端から右端まで徐々に変化するような形状とされている。これにより、ランプユニット30は、所定の範囲の領域に第一光源31および第二光源32からの光を走査して出射させることができる。
[0026]
 ハウジング30aの前方にはレンズ部品35が設けられている。レンズ部品35は第一レンズ要素35aと、第二レンズ要素35bを有している。第一レンズ要素35aは第一灯室37の前方に位置している。第一レンズ要素35aには、第一光源31および第二光源32から出射し回転リフレクタ33で反射した光が入射する。第二レンズ要素35bは第二灯室38の前方に位置している。第二レンズ要素35bは、灯具前方からの光を集めて光学センサ34に導く。
[0027]
 本実施形態において光学センサ34は、赤外線を検出するフォトダイオードである。フォトダイオードは受光した光の強さに応じた信号を出力する。光学センサ34は、第二光源32から出射される赤外線のピーク波長に最も高い感度を有する。光学センサ34は、第二光源32から灯具前方に出射された赤外線の反射光を検出するように構成されている。
[0028]
 図4は、車両用灯具システム100のシステムブロック図である。図4に示すように、車両用灯具システム100は、上述したロービームユニット20、ランプユニット30の他に、制御部101を備えている。制御部101は、ロービームユニット20とランプユニット30に通信可能に接続されている。制御部101は、第一光源31と第二光源32の点灯状態を制御するランプ制御部102と、後述する通常領域、減光領域、強調領域を設定する領域設定部103を備えている。
 車両制御部3は、所定の条件を満たした場合に車両用灯具4の点消灯を制御するための指示信号を生成して、当該指示信号を制御部101に送信する。制御部101は、受信した指示信号に基づいて、ロービームユニット20、第一光源31、第二光源32、回転リフレクタ33のモータ33cなどを制御する。
[0029]
 図5は、本実施形態の車両用灯具4から出射される各々の光の照射範囲を示す模式図である。図5は、例えば、車両用灯具4の25m前方に設置される鉛直スクリーンに現れる。
 範囲P1は、ロービームユニット20が照射するロービーム配光パターンである。このロービーム配光パターンはよく知られている配光パターンである。
[0030]
 範囲P2は、ランプユニット30の第一光源31が出射する可視光の照射範囲である。範囲P2は左右方向に延びる帯状の領域である。範囲P2は、範囲P21,P22,P23を含んでいる。範囲P21は、基板39上の最も上方に設けられた第一光源31から出射する可視光の照射範囲である。範囲P23は、基板39上の最も下方に設けられた第一光源31から出射する可視光の照射範囲である。範囲P22は、基板39上の中間位置に設けられた第一光源31から出射する可視光の照射範囲である。最も下に位置する範囲P23は、H線を含む領域とすることが好ましい。範囲P2は、公知のハイビーム配光パターンと同様の領域としてもよい。
[0031]
 範囲P3はランプユニット30の第二光源32が出射する赤外線の照射範囲である。範囲P3は左右方向に延びる線状の領域である。範囲P3は範囲P31,P32,P33を含む。範囲P31は、基板39上の最も上方に設けられた第二光源32から出射する赤外線の照射範囲である。範囲P33は、基板39上の最も下方に設けられた第二光源32から出射する赤外線の照射範囲である。範囲P32は、基板39上の中間位置に設けられた第二光源32から出射する赤外線の照射範囲である。範囲P31は範囲P21の中に設けられ、範囲P32は範囲P22の中に設けられ、範囲P33は範囲P23の中に設けられることが好ましい。
[0032]
 図6は第一光源31と第二光源32の点灯タイミングおよび光学センサ34の露光タイミングを示すタイムチャートである。図6に示すように、本実施形態において制御部101は範囲P3の全ての領域に赤外線が照射されるように、回転リフレクタ33を回転させながら、第一光源31を消灯させ、第二光源32を高速で点消灯させる。この第二光源32の点消灯に同期させて光学センサ34を露光させる。
 例えば時刻t1においては、図5に示した点R1に赤外線が照射され、他の領域には赤外線が照射されず、また第一光源31から可視光も照射されない。この状態で光学センサ34が露光すると、点R1で反射された赤外線の反射光のみを検出することができる。制御部101は、光学センサ34の出力が所定値以上の場合にこの点R1に物体があると判定し、光学センサ34の出力が所定値未満の場合にこの点R1に物体がないと判定する。
 次に時刻t2になると、回転リフレクタ33が回転しているので、第二光源32が点灯すると点R2に赤外線が照射される。同様に、他の領域には赤外線が照射されず、第一光源31からの可視光も照射されていないので、この状態では光学センサ34は点R2で反射された赤外線の反射光のみを検出する。光学センサ34の出力に基づいて、制御部101は点R2における物体の有無を判定する。
 同様に回転リフレクタ33を回転させながら第二光源32の点消灯を繰り返すと、範囲P3内の全ての点について制御部101は物体の有無を判定することができる。
[0033]
 回転リフレクタ33を回転させながら第二光源32の点消灯を繰り返して範囲P3内の全ての点に向けて第二光源32から赤外線を照射すると、制御部101は、光学センサ34の出力に基づく物体の有無と、車載カメラ6に基づく物体の有無とを勘案して、制御部101は第一光源31および第二光源32の点消灯の制御を開始する。図7は、制御部101が第一光源31を制御することにより得られた配光パターンを示している。本実施形態においては、図7に示すように他車両Aへグレアを与えず、かつ、より広い範囲を明るく照らす視認性の高い配光パターンを形成している。図8Aから図11Bを用いて、制御部101が実行する第一光源31および第二光源32の制御を説明する。
[0034]
 図8Aは、ある時刻s1に車載カメラ6が取得した画像を示している。制御部101は、このような画像に基づいて、他車両Aが占めている複数の点群を第一他車位置と特定する。あるいは制御部101は、このような画像に基づいて自車両の基準点から見た他車両Aが占めている領域のなす方位角を第一他車位置と特定する。
[0035]
 次に制御部101は、光学センサ34の出力に基づき、他車両Aが存在していると判定された位置情報を取得する。以降の説明では、この光学センサ34の出力に基づき他車両Aが存在していると判定された位置を、第二他車位置と呼ぶ。
 図8Bは、図8Aと同時刻s1に光学センサ34の出力に基づき他車両Aを推定した模式図である。制御部101は、光学センサ34の出力が所定値以上となった点に他車両Aが存在していると判定し、この点の位置を第二他車位置として特定する。
[0036]
 このように同時刻s1に関する情報として、車載カメラ6の画像に基づく第一他車位置と光学センサ34の出力に基づく第二他車位置とを取得すると、制御部101は、第一他車位置と第二他車位置とを比較する。第一他車位置と第二他車位置が同様の位置で同様の広がりを持っている場合、両者が検出した物体は共通の物体であることを示している。この場合には、制御部101の領域設定部103は第二他車位置に減光領域を設定し、他の領域に通常領域を設定する。ランプ制御部102は、第一光源31に第一電流値の電流を供給して通常領域に向けて可視光を照射する。ランプ制御部102は、第一光源31に第一電流値より小さい第二電流値の電流を供給して減光領域に向けて可視光を照射する。
[0037]
 本実施形態においては、光学センサ34と第一光源31はランプユニット30に含まれており、光学センサ34と第一光源31の位置は極めて近い。一方で、車載カメラ6はランプユニット30から離れた位置で車両に搭載されており、車載カメラ6と第一光源31との距離は、光学センサ34と第一光源31との距離よりも大きい。このため、車載カメラ6から見た他車両Aの方向は、第一光源31から見た他車両Aの方向と異なっていることがある。このため、ある物体について、車載カメラ6に基づく他車両Aの位置情報(第一他車位置)と光学センサ34に基づく他車両Aの位置情報(第二他車位置)の二つがある場合には、光学センサ34に基づく他車両Aの位置情報に基づいて減光領域を設定する方が正確である。このため、本実施形態においては、より正確に他車両Aの位置に減光領域を設定できることから、例えば減光領域に設定するマージンを狭く設定することができ、より広い範囲を明るく照らすことができる。
[0038]
 図9Aは、別のある時刻s2に車載カメラ6が取得した画像を示している。図9Bは同時刻s2に光学センサ34の出力に基づき他車両Aを推定した模式図である。同時刻s2に関する情報として、制御部101はこのような第一他車位置と第二他車位置とを取得したものとする。
[0039]
 ここで、図9Bに示すように何らかの要因で光学センサ34では他車両Aの一部A1または全部を検出できず、一方で、図9Aに示すように車載カメラ6は他車両Aの全部を撮影できていることがある。この場合、領域設定部103は、車載カメラ6の画像に基づいて他車両Aが存在すると推定される領域内で、かつ、光学センサ34の出力では他車両Aが存在しないとされた領域A1を強調領域に設定し、他の領域を通常領域に設定する。ランプ制御部102は、第二光源32に第一電流値の電流を供給して通常領域に向けて赤外線を照射する。ランプ制御部102は、第二光源32に第一電流値より大きい第二電流値の電流を供給して強調領域に向けて赤外線を照射する。
[0040]
 これにより光学センサ34で検出できなかった領域A1に強い赤外線が照射されるため、光学センサ34によって他車両Aを検出しやすくなる。制御部101が再び第一他車位置と第二他車位置とを取得し、図8Aおよび図8Bに示すように両者が共通の物体をともに把握できるようになれば、上述したように制御部101は、第一光源31に第一電流値の電流を供給して通常領域に向けて可視光を照射し、第一光源31に第二電流値の電流を供給して減光領域に向けて可視光を照射する。
[0041]
 図10Aは、別のある時刻s3に車載カメラ6が取得した画像を示している。図10Bは、同時刻s3に光学センサ34の出力に基づき他車両Aを推定した模式図である。同時刻s3に関する情報として、制御部101は第一他車位置と第二他車位置とを取得したものとする。
[0042]
 ここで、図10Aに示すように何らかの要因で車載カメラ6では他車両Aの一部A2または全部を撮影できず、図10Bに示すように光学センサ34は他車両Aの全部を検出できていることがある。この場合、領域設定部103は、光学センサ34の出力に基づいて他車両Aが存在するとされた領域内で、かつ、車載カメラ6の画像では他車両Aが存在しないと推定される領域A2を強調領域に設定し、他の領域を通常領域に設定する。ランプ制御部102は、第一光源31に第一電流値の電流を供給して通常領域に向けて可視光を照射する。ランプ制御部102は、第一光源31に第一電流値より大きい第二電流値の電流を供給して強調領域に向けて可視光を照射する。
[0043]
 これにより車載カメラ6で撮影できなかった領域に強い可視光が照射されるため、車載カメラ6によって他車両Aを撮影しやすくなる。制御部101が再び再び第一他車位置と第二他車位置とを取得し、図8Aおよび図8Bに示すように両者が共通の物体をともに把握できるようになれば、上述したように制御部101は、第一光源31に第一電流値の電流を供給して通常領域に向けて可視光を照射し、第一光源31に第二電流値の電流を供給して減光領域に向けて可視光を照射する。
[0044]
 図11Aは、別のある時刻s4に車載カメラ6が取得した画像を示している。図11Bは、同時刻s4に光学センサ34の出力に基づき他車両Aを推定した模式図である。同時刻s3に関する情報として、制御部101は第一他車位置と第二他車位置とを取得したものとする。
[0045]
 ここで図11Aおよび図11Bに示すように、車載カメラ6の画像からも光学センサ34の出力からも他車両Aの存在が推定できない場合には、領域設定部103は、車両制御部3から車両の車速と操舵角に基づき減光領域を設定し、他の領域に通常領域を設定する。さらにランプ制御部102は第一光源31に第一電流値の電流を供給して通常領域に向けて可視光を照射する。ランプ制御部102は、第一光源31に第一電流値より大きい第二電流値の電流を供給して強調領域に向けて可視光を照射する。
[0046]
 本発明者は、いわゆるADB制御と、光学センサ用の光源(第二光源32)の制御とは親和性が高いことに気が付いた。両者ともに特定の領域について他の領域よりも明るく/暗く照射するように光源を制御する点で共通し、また、両者で共通の対象物・人に基づいて減光領域・強調領域が設定されるからである。本発明者は、このような気づきに基づき本発明を完成させた。
[0047]
 本発明によれば、車載カメラ6と光学センサ34の二つの手段により他車両Aの位置を精度よく取得できるので、他車両Aのみに光が照射されないように第一光源31を制御することで、他車両Aに隣接する自転車や歩行者などを車載カメラ6が把握しやすい。
 また、車載カメラ6と光学センサ34の二つの手段により、車載カメラ6と光学センサ34の少なくとも一方より他車両Aや歩行者などを把握できれば、把握できなかった他方の検出手段で把握しやすいように第一光源31や第二光源32を制御することにより、車両全体として他車両Aや歩行者をより把握しやすくなる。
 このように本発明によれば、車載カメラ6と光学センサ34により検出精度をより高めることができる。
 さらに本実施形態によれば、車載カメラ6は可視光による情報を取得し、光学センサ34は赤外線による情報を取得する。検出対象の異なる二つの情報源から他車両を推定することができ、より他車両の推定精度を高めることができる。
[0048]
 上述した実施形態においては、光学センサとして赤外線を検出するフォトダイオードを用いたが、光学センサとして赤外線カメラなどの他の赤外線センサを用いてもよい。
[0049]
<第二実施形態>
 図12から図24を用いて、本発明の第二実施形態として、精度よく減光領域を設定可能な車両用灯具4を説明する。
 図12は、本発明の第二実施形態に係る車両用灯具104が組み込まれる車両システム2のブロック図である。当該車両システム2が搭載される車両1は、自動運転モードで走行可能な車両(自動車)である。図12に示すように、車両システム2は、車両制御部3と、車両用灯具104と、センサ5と、カメラ6と、レーダ7と、HMI(Human Machine Interface)8と、GPS(Global Positioning System)9と、無線通信部10と、地図情報記憶部11とを備えている。本実施形態の車両システム2は、第一実施形態の車両システム2(図1参照)と同様なため、その詳細な説明は省略する。
[0050]
 本実施形態においても、車両用灯具システム100に組み込まれる車両用灯具104(例えばヘッドランプ等)は、図2で説明した第一実施形態の車両用灯具104と同様であり、その詳細な説明は省略する。
[0051]
 図13は、ランプユニット130の内部構成を示す模式図である。図13に示すように、ランプユニット130は、ハウジング130aと、第一光源131と、第二光源132と、回転リフレクタ133(走査手段)と、光学センサ134と、レンズ部品135と、遮光壁136と、フィルタ要素140を有している。
[0052]
 第一光源131は、ドライバーが車両の周囲を視認するための、またはカメラ6で撮像するための可視光を出射する。第一光源131はLED(Light Emitting Diode)で構成されている。第一光源131は、LEDの他にLD(Laser Diode)で構成してもよい。第二光源132は、第一光源131とは異なる波長の光を出射する。第二光源132は、本実施形態においては、可視光よりも波長が長い赤外線を出射する。第二光源132はLDで構成されている。第一光源131および第二光源132は、単一の共通基板139に搭載されている。
[0053]
 本実施形態において、3つの第一光源131が、共通基板139上に鉛直方向に延びる仮想的な直線の上に並べて設けられている。同様に、3つの第二光源132が、共通基板139上に鉛直方向に延びる仮想的な直線の上に並べて設けられている。図13においては、第二光源132は第一光源131の紙面の奥側に配置されており、見えていない。第一光源131は第二光源132よりも広い範囲を照射することが求められる(例えば後述する図15において、第二光源132の照射範囲が範囲P130であるのに対して、第一光源131の照射範囲は範囲P120である)。このため、出射光の拡散度合いの大きいLEDを第一光源131に採用し、出射光の拡散度合いの小さいLDを第二光源132に用いることが好ましい。
[0054]
 回転リフレクタ133は、第一光源131および第二光源132から出射された光を走査して灯具前方へ出射するように構成されている。回転リフレクタ133は、回転軸線R回りに回転する。回転リフレクタ133は、回転軸線R回りに延びる軸部133aと、軸部133aから径方向に延びる2枚のブレード133bを備えている。ブレード133bの表面が反射面とされている。この反射面は周方向に徐々に回転軸線Rに対する角度が変化する捩られた形状とされている。
[0055]
 具体的には、第一光源131から出射された可視光が回転リフレクタ133の反射面で反射されるときに、反射されて出射される方向が、図15で詳述する左端から右端まで徐々に変化するような形状とされている。また、第二光源132から出射された赤外線が回転リフレクタ133の反射面で反射されるときに、反射面から出射される方向が、図15で詳述する左端から右端まで徐々に変化するような形状とされている。回転リフレクタ133は、第一光源131から出射された光を灯具前方に向けて反射する部位と第二光源132の光を灯具前方に向けて反射する部位とが同一の反射体(ブレード133b)、または、一体となった反射体(ブレード133b)とされている。これにより、ランプユニット130は、所定の範囲の領域に第一光源131および第二光源132からの光を走査して出射させることができる。
[0056]
 本実施形態において光学センサ134は、赤外線を検出するフォトダイオードである。光学センサ134は、受光した光の強さに応じた信号を出力する。光学センサ134は、第二光源132から出射される赤外線のピーク波長に最も高い受光感度を有する。光学センサ134は、第二光源132から灯具前方に出射された赤外線の反射光を受光するとともに反射光のピーク波長を検出するように構成されている。
[0057]
 ハウジング130aの前方には、レンズ部品135が設けられている。レンズ部品135は、第一レンズ要素135aと、第二レンズ要素135bを有している。第一レンズ要素135aには、第一光源131および第二光源132から出射し回転リフレクタ133で反射された光が入射する。第一レンズ要素135aは、当該入射した第一光源131の光および第二光源132の光を灯具前方へ出射させる。回転リフレクタ133の反射点は、第一レンズ要素135aの焦点近傍に配置されている。第二レンズ要素135bは、灯具前方からの光、例えば、対向車等の対象物で反射された反射光を集めて、集めた光を光学センサ134に導く。光学センサ134の受光面は、第二レンズ要素135bの焦点近傍に配置されている。第一レンズ要素135aの後方焦点F1の距離は、第二レンズ要素135bの後方焦点F2の距離よりも短い。第一レンズ要素135aと第二レンズ要素135bは、単一のレンズ部品として一体的に形成されている。
[0058]
 ハウジング130aの内部は、遮光壁136によって第一灯室137と第二灯室138の2つの空間に仕切られている。第一光源131、第二光源132、回転リフレクタ133は第一灯室137に設けられている。光学センサ134は第二灯室138に設けられている。第一レンズ要素135aは、第一灯室137の前方に配置されている。第二レンズ要素135bは、第二灯室138の前方に配置されている。遮光壁136は、第一レンズ要素135aの光軸と第二レンズ要素135bの光軸との間に設けられている。例えば、遮光壁136は、第一光源131から出射され第一レンズ要素135aに入射せずに光学センサ134に入射しようとする光を遮る位置に設けられている。また、遮光壁136は、第二光源132から出射され第一レンズ要素135aに入射せずに光学センサ134に入射しようとする光を遮る位置に設けられている。
[0059]
 光学センサ134と第二レンズ要素135bとの間には、フィルタ要素140が設けられている。本実施形態においてフィルタ要素140は、第二レンズ要素135bの裏面(光学センサ134と向かい合う面)に貼り付けられている。フィルタ要素140は、第一光源131から出射された光のピーク波長を低減させることが可能なフィルタである。フィルタ要素140は、第一光源131の光のピーク波長を低減させる。これにより、第一光源131から出射され灯具前方で反射されてきた光が光学センサ134に入射することが抑制される。
[0060]
 図14は、車両用灯具104のシステムブロック図である。図14に示すように、車両用灯具104は、上述したロービームユニット20、ランプユニット130の他に、制御部201を備えている。制御部201は、ロービームユニット20とランプユニット130に通信可能に接続されている。制御部201は、第一光源131と第二光源132の点灯状態を制御するランプ制御部202と、第一光源131から出射される光によって他の領域よりも低い照度で照射される減光領域を設定する領域設定部203を備えている。
[0061]
 制御部201は、車両制御部3に接続されている(図1参照)。車両制御部3は、所定の条件を満たした場合に車両用灯具104の点消灯を制御するための指示信号を生成して、当該指示信号を制御部201に送信する。制御部201は、受信した指示信号に基づいて、ロービームユニット20、第一光源131、第二光源132、回転リフレクタ133のモータ133cなどを制御する。
[0062]
 図15は、本実施形態の車両用灯具104から出射される各々の光の照射範囲を示す模式図である。図15は、例えば、車両用灯具104の25m前方に設置された鉛直スクリーンに現れる。
 範囲P110は、ロービームユニット20が照射するロービーム配光パターンである。このロービーム配光パターンはよく知られている配光パターンである。
[0063]
 範囲P120は、ランプユニット130の第一光源131が出射する可視光の照射範囲である。範囲P120は左右方向に延びる帯状の領域である。範囲P120は、範囲P121,P122,P123を含む。範囲P121は、共通基板139上の最も上方に設けられた第一光源131から出射される可視光の照射範囲である。範囲P123は、共通基板139上の最も下方に設けられた第一光源131から出射される可視光の照射範囲である。範囲P122は、共通基板139上の中間位置に設けられた第一光源131から出射される可視光の照射範囲である。最も下に位置する範囲P123は、H線を含む領域とすることが好ましい。範囲P120は、公知のハイビーム配光パターンと同様の領域としてもよい。
[0064]
 範囲P130は、ランプユニット130の第二光源132が出射する赤外線の照射範囲である。範囲P130は左右方向に延びる直線状の領域である。範囲P130は範囲P131,P132,P133を含む。範囲P131は、共通基板139上の最も上方に設けられた第二光源132から出射される赤外線の照射範囲である。範囲P133は、共通基板139上の最も下方に設けられた第二光源132から出射される赤外線の照射範囲である。範囲P132は、共通基板139上の中間位置に設けられた第二光源132から出射される赤外線の照射範囲である。範囲P131は範囲P121の中に設けられ、範囲P132は範囲P122の中に設けられ、範囲P133は範囲P123の中に設けられることが好ましい。範囲P130の直線状領域は、鉛直方向に0.4度以上の上下幅を有していることが好ましい。範囲P133の直線状領域は、車両1に搭載された車両用灯具104の搭載高さから見た水平線と重なっている。
[0065]
 第二光源132の光が仮想鉛直スクリーンに照射する照度、すなわち範囲P130の照度は、第一光源131の光が仮想鉛直スクリーンに照射する照度、すなわち範囲P120の照度よりも大きいことが好ましい。
 例えば、発光面の大きさが等しい複数の光源がある場合、放射強度(単位立体角あたりの光束[W/sr])の大きい光源を第二光源として使用することが好ましい。あるいは、発光面および放射強度の大きさが同じ複数の光源がある場合、第一レンズ要素135aの焦点に近い側に第二光源を配置してもよい(投影像が小さい方が第二光源となるようにしてもよい)。さらには、放射強度の大きさが同じ複数の光源がある場合、発光面の大きい光源を第二光源として使用してもよい。
[0066]
 図16は、第一光源131と第二光源132の点灯タイミング、および光学センサ134の露光タイミングを示すタイムチャートである。図16に示すように、本実施形態において制御部201は、範囲P130に順次、赤外線が照射されるように、回転リフレクタ133を回転させながら、第二光源132を高速で点消灯させる。また、この第二光源132の点消灯に同期させて光学センサ134を露光させる。なお、第二光源132の点灯時には第一光源131を消灯させておく。
[0067]
 例えば、タイムチャートの時刻t1においては、点R11(図15参照)に赤外線が照射され、他の領域には赤外線が照射されず、また第一光源131から可視光も照射されない。この状態で光学センサ134が露光すると、点R11で反射された赤外線の反射光のみを検出することができる。制御部201は、光学センサ134で検出された赤外線の反射光の値が所定値以上の場合に、この点R11に物体があると判定し、光学センサ134で検出された赤外線の反射光の値が所定値未満の場合に、この点R11に物体がないと判定する。
 次に、時刻t2になると、回転リフレクタ133が回転しているので、第二光源132が点灯すると点R12に赤外線が照射される。上記点R11の場合と同様に、他の領域には赤外線が照射されず、第一光源131からの可視光も照射されていないので、この状態では光学センサ134は点R12で反射された赤外線の反射光のみを検出する。制御部201は、光学センサ134で検出された赤外線の反射光の出力に基づいて、点R12における物体の有無を判定する。
 同様に回転リフレクタ133を回転させながら第二光源132の点消灯を繰り返すと、制御部201は、範囲P130内の全ての点について物体の有無を判定することができる。
[0068]
 回転リフレクタ133を回転させながら第二光源132の点消灯を繰り返し範囲P130内の全ての点に向けて第二光源132から赤外線を照射すると、制御部201は、光学センサ134の出力に基づく物体の有無と、車載カメラ6で撮像された画像に基づく物体の有無とを勘案して、第一光源131および第二光源132の点消灯の制御を開始する。
[0069]
 図17は、制御部201が第一光源131を制御することにより得られた配光パターンを示している。本実施形態においては、図17に示すように他車両(対向車)Aへグレアを与えず、かつ、より広い範囲を明るく照らす視認性の高い配光パターンが形成されている。このような配光パターンを形成するために制御部201は、以下のように制御する。制御部201は、光学センサ134の出力と車載カメラ6の画像とに基づいて物体の有無を判別すると、領域設定部203により、判別された物体(対向車A)を含む位置に減光領域P140を設定する。制御部201は、ランプ制御部202により、第一光源131に第一電流値の電流を供給し、第一光源131の照射範囲である範囲P120における減光領域P140を除いた範囲に向けて通常の照度で可視光を照射する。そして、制御部201は、ランプ制御部202により、第一光源131に第一電流値より小さい第二電流値の電流を供給し、減光領域P140に向けて上記通常の照度よりも低い照度で可視光を照射する。
[0070]
 ところで、自車両1から観察した場合、前走車(対向車も含む)は、上下方向よりも左右方向に長い物体として観察される。制御部201の領域設定部203は、対象物として前走車が検出された場合、前走車の左右の端部の間の領域を減光領域に設定する。このため、光学センサ134は、左右方向に長い検出範囲を有することが求められる。これに対して、前走車の鉛直方向に関する情報は、前走車の左右の端部の情報に比べて重要性が低い。このため、第二光源132の光は、灯具前方の全面に照射される必要がなく、水平方向に延びる直線状領域に照射されれば十分である。
 一方で、対象物が精度良く検出された場合、例えば、その検出された対象物が対向車であるときは、この対向車には可視光を照射せず、他の領域には可視光を照射してドライバーや車載カメラ6の視認性を高めたい。この場合、対象物を検出するのに用いられた第二光源132の光が出射される第二位置と、第一光源131の光が出射される第一位置とは近いことが好ましい。この第二位置とは第二光源132から出射された光を灯具前方に反射させる回転リフレクタ133の反射点の位置であり、第一位置とは第一光源131から出射された光を灯具前方に反射させる回転リフレクタ133の反射点の位置である。
[0071]
 例えば、図18に示すように、車両1から真っすぐ前方に延びる基準方向Vに対して、角度θ2だけ左方にずれた領域に向けて第二光源132の光が照射され、光学センサ134によって強い反射光が検出された場合、該領域に対向車が存在すると推定できる。このとき、図18の構成は、本実施形態の構成とは異なり、第一位置(反射点S11の位置)と第二位置(反射点S12の位置)とが離れているので、第二光源132の光が照射される領域に第一光源131の光を出射させようとするためには、第一光源131の光が照射される方向は、基準方向Vに対してなす角度θ1が上記角度θ2とは異なる。このため、第一光源131の光(可視光)を対向車に照射しない制御をするためには、上記角度θ2を補正することにより、第一光源131の光が照射される方向、すなわち基準方向Vに対してなす角度θ1を算出することが必要になる。さらに、第一光源131の光および第二光源132の光は、回転リフレクタ133によって走査され灯具前方に出射されているので、これらの光が出射される方向は回転リフレクタ133の回転位相によって定まる。このとき、図18に示すように各々異なる回転リフレクタ133A,133Bによって第一光源131の光および第二光源132の光が出射される場合には、どの回転位相のときに第一光源131の光が対象物に向けて出射されるかを算出することが必要になる。そして、第一光源131の光を反射する回転リフレクタ133Aが算出された回転位相まで回転したタイミングtmで、第一光源131を消灯させるという煩雑な制御が必要になる。なお図18において、軸線R110は回転リフレクタ133Aの回転軸線であり、軸線R120は回転リフレクタ133Bの回転軸線を示している。
[0072]
 これに対して、本実施形態に係る車両用灯具104は、第一光源131からの光を出射する部位と第二光源132からの光を出射する部位とが、同一のブレード133bまたは一体となったブレード133bで構成されている。つまり、第一光源131から出射された光を灯具前方に反射させる回転リフレクタ133の反射点の位置と第二光源132から出射された光を灯具前方に反射させる回転リフレクタ133の反射点の位置とは、略同一の位置となる。このため、上述した図18の例で言えば、角度θ1と角度θ2とが等しいので、第二光源132の光によって対向車の存在が推定される領域において、あるいは推定される対向車に対して第二光源132の光が照射されたタイミングにおいて、第一光源131を消灯させればよい。つまり、角度θ1やタイミングtmを算出する必要がない。このように車両用灯具104によれば、第一光源131の点灯状態を制御するに際して、煩雑な計算が必要となる角度やタイミングを算出することが不要となり、安価に精度よく減光領域を設定することができる。
[0073]
 また、車両用灯具104によれば、第一レンズ要素135aの焦点近傍に回転リフレクタ133が配置され、第二レンズ要素135bの焦点近傍に光学センサ134が配置されている。このため、精度よく第一光源131および第二光源132の光を任意の方向に出射することが可能であり、光学センサ134の検出精度をさらに高めることができる。また、第一レンズ要素135aと第二レンズ要素135bとが単一のレンズ部品として一体に形成されているので、位置合わせを正確に行うことができるとともに、部品点数を削減することができる。
[0074]
 また、車両用灯具104によれば、第一レンズ要素135aの後方焦点距離が第二レンズ要素135bの後方焦点距離よりも短くなるように構成されている。第一光源131の光(可視光)は、ドライバーや車載カメラ6の視認性を高めために広い範囲に照射したい。光学センサ134は、特定の狭い領域からの反射光を検出したい。したがって、第一レンズ要素135aの後方焦点距離を短くすることで第一光源131の光を広い範囲に照射することができ、第二レンズ要素135bの後方焦点距離を長くすることで狭い範囲から入射する光を光学センサ134に導くことができる。
[0075]
 また、車両用灯具104によれば、ハウジング130aの内部が遮光壁136によって第一灯室137と第二灯室138とに仕切られ、第一灯室137内に配置される第一光源131および第二光源132の光がハウジング130a外に出射されないまま第二灯室138内に配置される光学センサ134に直接入射しないように構成されている。このため、光学センサ134の光検出時において、第一光源131の光が光学センサ134に入射するのを抑制することができ、光学センサ134の検出精度を高めることができる。
[0076]
 また、車両用灯具104によれば、光学センサ134と第二レンズ要素135bとの間に、第一光源131から出射された光のピーク波長を低減するフィルタ要素140が設けられている。このため、光学センサ134の光検出時において、第一光源131の光が光学センサ134に入射するのをフィルタ要素140によっても抑制することができ、光学センサ134の検出精度をさらに高めることができる。
[0077]
 また、車両用灯具104によれば、ハウジング130a内に設けられる第一光源131および第二光源132は、共通基板139上に設けられているので、部品点数を削減できるとともに、第一光源131および第二光源132の搭載位置精度を高めることができる。
[0078]
 また、車両用灯具104によれば、第二光源132から出射された光が水平方向に延びる直線状領域P131,P132,P133は、鉛直方向に0.4度以上の上下幅を有している。このように、直線状領域P131,P132,P133を上下方向に幅を有する形状とすることで、光学センサ134による他車両(前走車、対向車等)の検出精度を高めやすい。
[0079]
 また、車両用灯具104によれば、第二光源132の光が灯具前方の所定位置に設けられた仮想鉛直スクリーンに照射する照度は、第一光源131の光が上記仮想鉛直スクリーンに照射する照度よりも大きい。このため、第二光源132から出射された光が対象物に照射されたとき、対象物からの強い反射光を得ることができる。したがって、当該反射光を検出する光学センサ134の検出精度を高めやすい。
[0080]
 また、第一光源131から出射されて回転リフレクタ133で反射された光と、第二光源132から出射されて回転リフレクタ133で反射された光とは、共通の第一レンズ要素135aを介して灯具前方に出射される。このような構成とすることにより、例えば、レンズ要素などの部品点数を削減することができる。
[0081]
 また、車両用灯具104によれば、第一光源131は可視光を出射し、第二光源132は赤外線を出射するように構成されている。このように、第二光源132から赤外線が出射されるので、他車両(前走車、対向車など)に対して眩しさを与えずに他車両の位置を特定することができる。また、特定された他車両の位置情報に基づいて、可視光を出射する第一光源131を制御して減光領域P14を設定することにより、他車両への眩しさを低減することができる。
[0082]
 なお、上記実施形態においては、共通基板139上に3つの第一光源131と3つの第二光源132とが隣り合わせに直線状に並べて設けられている構成を説明したが、これに限られない。例えば、図19に示すように、直線状に並べて設けられている3つの第二光源132の両側部に、直線状に並べられている3つの第一光源131がそれぞれ隣り合わせに設けられていてもよい。第一光源131の個数は、第二光源132の個数よりも多く設けられていてもよい。この構成によれば、簡便な構成によって、第一光源131の光が照射する領域を広くすることが可能であるとともに、明るくすることも可能である。
[0083]
 第一光源131は赤外線を出射し、第二光源132は第一光源131が出射する光と異なる波長にピークを有する赤外線を出射し、光学センサ134は第二光源132が出射する赤外線のピークに高い受光感度を有するようにしてもよい。このように第一光源131として赤外線の光源を用いても、第一光源131を制御して対向車を含む領域に減光領域P14を設定することにより、対向車に搭載されている赤外線カメラにハレーションが生じることを抑制できる。
[0084]
 走査手段(回転リフレクタ133)は、第二光源132から出射された光が、それぞれ鉛直方向に離れた、水平方向に延びる複数の直線状領域P130(P131,P132,P133)を照射するように、第二光源132から出射される光を走査してもよい。この構成によれば、光学センサ134による他車両(前走車、対向車など)の検出精度を高めることができる。
[0085]
 複数の第二光源132から出射された光がそれぞれ、互いに異なる直線状領域P130(P131,P132,P133)を照射するようにしてもよい。この構成によれば、他車両(前走車、対向車など)の位置の推定方法が簡単になる。例えば、第二光源としてA,Bの二つが設けられている場合、第二光源Aの点灯時に光学センサ134が他車両を非検出で、第二光源Bの点灯時に光学センサ134が他車両を検出した場合は、第二光源Bが照射する直線状領域の高さ位置に他車両が存在していると推定することができる。第二光源A,Bがともに同じ直線状領域を照射する場合は、このような方法で他車両を推定することはできない。
[0086]
 第二光源132の瞬間放射強度(瞬間投入電流)が第一光源131の瞬間放射強度より大きくなるように構成されてもよい。この構成によれば、第二光源132から出射された光が対象物に照射されたとき、対象物からの強い反射光を得ることができる。これにより、当該反射光を検出する光学センサ134の検出精度を高めやすい。
[0087]
 第二光源132の点灯デューティーが第一光源131の点灯デューティーより小さくなるように構成されてもよい。この構成によれば、第二光源132の強い反射光を得ることができ、光学センサ134の検出精度を高めやすい。
[0088]
 第一光源131として発光ダイオード(LED)を用い、第二光源132としてレーザダイオード(LD)を用いてもよい。この構成によれば、レーザダイオードの方がLEDよりも拡散しにくい光を出射できるので、光学センサ134の検出精度を高めることができる。
[0089]
 第一光源131が赤外線を出射する発光ダイオード(LED)であり、第二光源132が第一光源131が出射する赤外線のピーク波長と異なる波長の赤外線を出射するレーザダイオード(LD)であってもよい。この構成によれば、発光ダイオードは広い範囲に光を照射できるので、赤外線カメラの撮像に適している。また、レーザダイオードは拡散しにくい光を出射できるので特定の点にのみ光を照射することができ、光学センサ134による物体の位置の推定精度を高めることができる。
[0090]
(第一変形例)
 図20は、本発明の第二実施形態の第一変形例に係るランプユニット230の内部構造を示す模式図である。
 図20に示すように、ランプユニット230は、ハウジング130a内に灯室237を有している。灯室237には、第一光源131、第二光源132、回転リフレクタ133、および光学センサ134が設けられている。第一光源131と第二光源132と光学センサ134とは、共通基板139に設けられている。共通基板139上の第一光源131、第二光源132、および光学センサ134は、レンズ要素235(レンズ部品の一例)の焦点位置近傍に集めて設けられている。この構成によれば、ランプユニット230を単一の灯室237で構成することができるので、図13に示すランプユニット130に比べて部品点数を削減できる。また、ハウジング130a内において第一光源131、第二光源132、および光学センサ134が、共通基板139上に設けられているので、各部材の搭載位置精度を高めやすい。なお、第一光源131、第二光源132、回転リフレクタ133、および光学センサ134、共通基板139は上述した第二実施形態と同様である。
[0091]
(第二変形例)
 図21は、本発明の第二実施形態の第二変形例に係るランプユニット330の内部構造を示す模式図である。本変形例においても、第一光源131、第二光源132、回転リフレクタ133、および光学センサ134、レンズ部品135、共通基板139は上述した第二実施形態と同様である。
 図21に示すように、ランプユニット330において、第一光源131の発光部131aの共通基板139からの高さは、第二光源132の発光部132aの共通基板139からの高さと異なる高さになるように構成されている。本例では、第一光源131としてLEDが用いられ、第二光源132としてLD(レーザダイオード)が用いられている。レーザダイオードは筒形の筐体を有している。一方でLEDはそのような筐体を有していない。このため、第二光源132の発光部132aの位置の方が第一光源131の発光部131aの位置よりも高くなるように構成されている。第二光源132の発光部132aは、第一光源131の発光部131aよりも第一レンズ要素135aの仮想後方焦点に近い位置に設けられている。なお、仮想後方焦点は、走査手段(回転リフレクタ133)のブレード133bで反射されて延びる第一レンズ要素135aの仮想光軸上に位置している。
 この構成によれば、第二光源132の発光部132aが仮想後方焦点に近い位置に設けられているので、精度よく第二光源132の光を所望の方向に出射させることができる。このため、光学センサ134によって正確に他車両等の対象物を検出することができ、領域設定部203による減光領域P140の特定の精度を高めることができる。
[0092]
 また、ランプユニット330の共通の灯室内に、第一光源131、第二光源132、回転リフレクタ133(ブレード133b)、および光学センサ134が設けられている。第一光源131および第二光源132から出射された光は、第一レンズ要素135aを通過して灯具前方へ照射される。第二光源132の光は、対象物で反射して反射光となる。光学センサ134は、対象物で反射した反射光が第一レンズ要素135aを通過せずに直接光学センサ134に入射する位置に設けられている。この構成によれば、反射光が直接光学センサ134に入射するので、光学センサ134の誤検出を抑制することができる。
[0093]
(第三変形例)
 図22は、本発明の第二実施形態の第三変形例に係るランプユニット430の内部構造を示す模式図である。本変形例においても、第一光源131、第二光源132、回転リフレクタ133、および光学センサ134、レンズ部品135、共通基板139は上述した第二実施形態と同様である。
 図22に示すように、ランプユニット430において、第一光源131にはプライマリ光学部品131bが設けられている。第一光源131から出射される光は、プライマリ光学部品131bを介して出射される。プライマリ光学部品131bが設けられることにより、第一光源131のプライマリ光学部品131bにおける光出射部分131cの共通基板139からの高さは、第二光源132の発光部132aの共通基板139からの高さと同じ高さになるように構成される。プライマリ光学部品131bの光出射部分131cと第二光源132の発光部132aとは、走査手段(回転リフレクタ133)のブレード133bで反射されて延びる第一レンズ要素135aの仮想光軸上に位置している。光出射部分131cと発光部132aとは、仮想光軸上における第一レンズ要素135aの仮想後方焦点に近い位置に設けられている。なお、図22では模式的に示されているため、隣り合う第一光源131と第二光源132とは離れて表されているが、実際には近接して配置されている。この構成によれば、第一光源131の光と第二光源132の光をともに精度よく特定の方向へ出射することができる。
[0094]
(第四変形例)
 図23は、本発明の第二実施形態の第四変形例に係るランプユニット530の内部構造を示す模式図である。本変形例においても、第一光源131、第二光源132、回転リフレクタ133、および光学センサ134、レンズ部品135、共通基板139は上述した第二実施形態と同様である。
 図23に示すように、ランプユニット530において、第二光源132には、第二光源132から出射される光を平行光にして出射させる第三レンズ要素132bが設けられている。第一光源131には、第一光源131の高さ方向の位置を調整するための位置調整部材131dが設けられている。第一光源131の発光部131aは、第三レンズ要素132bの光出射部132cよりも、第一レンズ要素135aの仮想後方焦点に近い位置に設けられている。仮想後方焦点は、走査手段(回転リフレクタ133)のブレード133bで反射されて延びる第一レンズ要素135aの仮想光軸上に位置している。この構成によれば、第二光源132から出射される光は、第三レンズ要素132bによって十分な精度のコヒーレント光となるので、第三レンズ要素132bの光出射部132cの位置が仮想後方焦点から少し離れているにも拘らず、灯具前方に拡散されて照射されにくい。一方で、第一光源131から出射される光は、第一光源131の発光部131aが第一レンズ要素135aの仮想後方焦点に近い位置に設けられているので、灯具前方に拡散されて照射されにくいとともに、狙った場所に照射しやすい。
[0095]
(第五変形例)
 図24Aおよび図24Bは、第五変形例に係るランプユニットの内部に設けられる回転リフレクタ633を示す。図24Aは回転リフレクタ633の正面図であり、図24Bは回転リフレクタ633の側面図である。
 図24Aおよび図24Bに示すように、走査手段(回転リフレクタ633)は、複数(本例では6枚)の反射面(ブレード633b)を有している。ブレード633bは、周方向へ徐々に回転軸線Rに対する角度が変化する捩られた形状とされている。また、6枚のブレード633bはそれぞれ、回転軸線Rに対する全体角度が少しずつ相違している。第二光源132から出射され各々のブレード633bで反射された光はそれぞれ、互いに異なる直線状領域を照射する。この構成によれば、どのブレード633bで反射された光がどの方向に出射されるかを事前に把握することができ、他車両(前走車、対向車等)の位置の推定が容易になる。例えば、下側の直線状領域を照射するブレード633bで他車両が検知されるときは当該他車両の位置は近い。中央部の直線状領域を照射するブレード633bで他車両が検知されるときは当該他車両の位置はやや近く、上側の直線状領域を照射するブレード633bで他車両が検知されるときは当該他車両の位置は遠い。
[0096]
 なお、第一光源は、車両に搭載された赤外線カメラの撮像に適した赤外線を出射するように構成してもよい。第二光源は可視光を出射する光源としてもよい。この場合光学センサは、第二光源が出射した可視光の反射強度に応じた信号を出力するセンサを用いてもよい。
[0097]
 なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、適宜、変形、改良等が自在である。
その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置場所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
[0098]
 本出願は、2019年9月11日出願の日本特許出願(特願2019-165512)および2019年9月11日出願の日本特許出願(特願2019-165513)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

産業上の利用可能性

[0099]
 本発明によれば、車載カメラとランプ搭載光学センサの検出精度がより高められた車両用灯具システムが提供される。

請求の範囲

[請求項1]
 車両用灯具と制御部とを有し、車載カメラを有する車両に搭載される車両用灯具システムであって、
 前記車両用灯具は、
  車載カメラで撮像するための可視光を出射する第一光源と、
  第二光源と、
  前記第一光源から出射される光および前記第二光源から出射される光を灯具前方へ走査して照射させる走査手段と、
  前記第二光源が出射する光の波長に高い感度を有する光学センサと、を有し、
 前記制御部は、
  前記車載カメラの出力する画像から推定した情報と前記光学センサの出力から推定した情報とを比較して減光領域および強調領域の少なくとも一つを設定する領域設定部と、
  前記領域設定部の出力に基づき前記第一光源と前記第二光源の少なくとも一方の点灯状態を制御するランプ制御部と、を有する、車両用灯具システム。
[請求項2]
 前記領域設定部は、前記車載カメラの出力する画像から推定した他車両の位置情報である第一他車位置と、前記光学センサの出力から推定した他車両の位置情報である第二他車位置に基づき減光領域または強調領域を設定し、
 前記ランプ制御部は、前記第一光源から出射される光によって他の領域よりも低い照度で前記減光領域が照射されるように前記第一光源を制御し、
 前記ランプ制御部は、前記第二光源から出射される光によって他の領域よりも高い照度で前記強調領域が照射されるように前記第二光源を制御する、請求項1に記載の車両用灯具システム。
[請求項3]
 前記第一光源が可視光を出射し、
 前記第二光源が赤外線を出射し、前記光学センサが赤外線センサである、請求項1に記載の車両用灯具システム。
[請求項4]
 前記第一光源が可視光を出射し、
 前記第二光源が赤外線を出射し、前記光学センサが赤外線センサであり、
 前記領域設定部は、前記車載カメラと前記光学センサの少なくとも一つの出力から推定した他車両の位置に前記減光領域を設定し、
 前記ランプ制御部は、前記第一光源から出射される光によって他の領域よりも低い照度で前記減光領域が照射されるように前記第一光源を制御する、請求項1に記載の車両用灯具システム。
[請求項5]
 前記領域設定部は、前記車載カメラの出力する画像から推定した他車両の位置情報である第一他車位置と、前記光学センサの出力から推定したその前記他車両の位置情報である第二他車位置の両方を取得したときに、前記第二他車位置に基づき減光領域を設定し、
 前記ランプ制御部は、前記第一光源から出射される光によって他の領域よりも低い照度で前記減光領域が照射されるように前記第一光源を制御する、請求項1に記載の車両用灯具システム。
[請求項6]
 前記領域設定部は、前記車載カメラの出力する画像から推定した他車両の位置情報である第一他車位置を取得したものの、前記第一他車位置について前記光学センサの出力から前記他車両を推定しなかったときに、前記第一他車位置内でかつ前記光学センサの出力から前記他車両を推定しなかった領域に強調領域を設定し、
 前記ランプ制御部は、前記第二光源から出射される光によって他の領域よりも高い照度で前記強調領域が照射されるように前記第二光源を制御する、請求項1に記載の車両用灯具システム。
[請求項7]
 前記領域設定部は、前記光学センサの出力から推定した他車両の位置情報である第二他車位置を取得したものの、前記第二他車位置について前記車載カメラの画像から前記他車両を推定しなかったときに、前記第二他車位置内でかつ前記車載カメラの画像から前記他車両を推定しなかった領域に強調領域に設定し、
 前記ランプ制御部は、前記第一光源から出射される光によって他の領域よりも高い照度で前記強調領域が照射されるように前記第一光源を制御する、請求項1に記載の車両用灯具システム。
[請求項8]
 前記第一光源、前記第二光源、前記走査手段、前記光学センサは、ハウジングとアウタカバーで形成される共通の灯室内に設けられている、請求項1に記載の車両用灯具システム。
[請求項9]
 前記光学センサは、前記第二光源から出射される光の反射光の強度に応じた信号を出力するフォトダイオードであり、
 前記領域設定部は、前記フォトダイオードから出力される信号が所定値を超えた領域に、他車両が位置していると推定して他車両の位置情報である第二他車位置を設定する、請求項1に記載の車両用灯具システム。
[請求項10]
 ドライバーまたは車載カメラが視認するための光を出射する第一光源と、
 前記第一光源とは異なる波長の光を出射する第二光源と、
 前記第一光源から出射された光と前記第二光源から出射された光を走査して灯具前方へ出射する走査手段と、
 前記第二光源から出射される光の反射強度に応じた信号を出力する光学センサと、
 対向車へグレアを与えないように前記光学センサの出力に基づき前記第一光源の点灯状態を制御する制御部と、を有し、
 前記走査手段は、前記第二光源から出射された光が水平方向に延びる直線状領域を照射するように、前記第二光源から出射された光を走査し、
 前記走査手段は、前記第一光源の光を灯具前方に向けて反射する部位と前記第二光源の光を灯具前方に向けて反射する部位が同一の反射体を有する、または、前記第一光源の光を灯具前方に向けて反射する部位と前記第二光源の光を灯具前方に向けて反射する部位とが一体となった反射体を有する、車両用灯具。
[請求項11]
 前記走査手段で反射された前記第一光源から出射された光および前記第二光源から出射された光を灯具前方に出射させる第一レンズ要素と、前記第二光源から出射された光の反射光を前記光学センサへ導く第二レンズ要素と、が単一のレンズ部品として一体に形成されており、
 前記第一レンズ要素の焦点近傍に前記走査手段が位置し、
 前記第二レンズ要素の焦点近傍に前記光学センサが位置している、請求項10に記載の車両用灯具。
[請求項12]
 前記第一レンズ要素の後方焦点距離が前記第二レンズ要素の後方焦点距離より短い、請求項11に記載の車両用灯具。
[請求項13]
 前記第一レンズ要素の光軸と前記第二レンズ要素の光軸との間に、前記第一光源から出射され前記第一レンズ要素に入射せずに前記光学センサに入射しようとする光、および、前記第二光源から出射され前記第一レンズ要素に入射せずに前記光学センサに入射しようとする光を遮る位置に、遮光壁が設けられている、請求項11に記載の車両用灯具。
[請求項14]
 前記光学センサと前記第二レンズ要素との間に、前記第一光源から出射された光のピーク波長を低減するフィルタ要素が設けられている、請求項11に記載の車両用灯具。
[請求項15]
 前記第一光源および前記第二光源が共通基板に設けられている、請求項11に記載の車両用灯具。
[請求項16]
 前記第一光源の個数が前記第二光源の個数よりも多い、請求項15に記載の車両用灯具。
[請求項17]
 前記光学センサも前記共通基板に設けられている、請求項15に記載の車両用灯具。
[請求項18]
 前記第一光源の発光部の前記共通基板からの高さが、前記第二光源の発光部の前記共通基板からの高さと異なり、
 前記第二光源の発光部は前記第一光源の発光部よりも、前記走査手段で反射されて延びる前記第一レンズ要素の仮想光軸上に位置する前記第一レンズ要素の仮想後方焦点に近い位置に設けられている、請求項15に記載の車両用灯具。
[請求項19]
 前記第一光源にプライマリ光学部品が設けられ、前記第一光源から出射される光は前記プライマリ光学部品を介して出射され、
 前記走査手段で反射されて延びる前記第一レンズ要素の仮想光軸上に、前記プライマリ光学部品の光出射部分と前記第二光源の発光部とが位置している、請求項15に記載の車両用灯具。
[請求項20]
 前記第二光源に、前記第二光源から出射される光を平行光にして出射させる第三レンズ要素が設けられ、
 前記第一光源の発光部が前記第三レンズ要素の光出射部よりも、前記走査手段で反射されて延びる前記第一レンズ要素の仮想光軸上に位置する前記第一レンズ要素の仮想後方焦点に近い位置に設けられている、請求項15に記載の車両用灯具。
[請求項21]
 前記直線状領域は鉛直方向に0.4度以上の上下幅を有し、
 前記直線状領域は、前記車両用灯具の車両への搭載高さから見た水平線と重なっている、請求項10に記載の車両用灯具。
[請求項22]
 前記第二光源の光が灯具前方の所定位置に設けられた仮想鉛直スクリーンに照射する照度が、前記第一光源の光が前記仮想鉛直スクリーンに照射する照度よりも大きい、請求項10に記載の車両用灯具。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8A]

[ 図 8B]

[ 図 9A]

[ 図 9B]

[ 図 10A]

[ 図 10B]

[ 図 11A]

[ 図 11B]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24A]

[ 図 24B]