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1. WO2020158316 - 感光性転写材料、樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、並びに、フィルム及びその製造方法

Document

明 細 書

発明の名称 感光性転写材料、樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、並びに、フィルム及びその製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158  

実施例

0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 感光性転写材料、樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、並びに、フィルム及びその製造方法

技術分野

[0001]
 本開示は、感光性転写材料、樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、タッチパネルの製造方法、並びに、フィルム及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 静電容量型入力装置などのタッチパネルを備えた表示装置(有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置及び液晶表示装置など)では、視認部のセンサーに相当する電極パターン、周辺配線部分及び取り出し配線部分の配線などの導電層パターンがタッチパネル内部に設けられている。
[0003]
 一般的にパターン化した層の形成には、必要とするパターン形状を得るための工程数が少ないといったことから、感光性転写材料を用いて任意の基板上に設けた感光性樹脂組成物の層に対して、所望のパターンを有するマスクを介して露光した後に現像する方法が広く使用されている。
[0004]
 また、従来の感光性転写材料としては、特開2017-78852号公報に記載されたものが知られている。
 特開2017-78852号公報には、仮支持体上にレジスト層を有するポジ型ドライフィルムレジストであり、上記仮支持体の全光線ヘイズが0.3%以下であるドライフィルムレジストが記載されている。
[0005]
 更に、従来のフォトレジスト用ポリエステルフィルムとしては、特開2000-221688号公報に記載されたものが知られている。
 特開2000-221688号公報には、平均粒径0.01μm~5.0μmの粒子の含有量が80ppm以下であり、平均粒径5.0μmを超える粒子を含有しない二軸配向ポリエステルフィルムの一方の面に、平均粒径0.01~5.0μmの粒子を含有する、厚さ0.1~1.0μmの樹脂層を積層したポリエステルフィルムであって、上記ポリエステルフィルムのヘーズ(JIS K7105に準拠して測定)が1.0%以下であることを特徴とする極細線用フォトレジスト用ポリエステルフィルムが記載されている。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 本開示に係る一実施形態は、搬送時のシワの発生の抑制と、露光後の経時安定性とを両立した感光性転写材料を提供することに関する。
 また、本開示に係る他の一実施形態は、上記感光性転写材料を用いた樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法を提供することに関する。
 本開示に係る更に他の一実施形態は、透明性、及び、搬送時のシワ発生抑制性に優れるフィルム及びその製造方法を提供することに関する。

課題を解決するための手段

[0007]
 本開示には、以下の態様が含まれる。
<1> 仮支持体と、上記仮支持体上に設けられた感光性樹脂層とを有し、上記仮支持体が、粒子を含有する粒子含有層を有し、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaが、0.02μm~0.20μmであり、上記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含有する重合体、及び、光酸発生剤を含有する感光性転写材料。
<2> 上記仮支持体のヘーズ値が、0.2%以下である<1>に記載の感光性転写材料。
<3> 上記粒子含有層の厚さが、10nm~100nmである<1>又は<2>に記載の感光性転写材料。
<4> 上記粒子含有層が、上記仮支持体の片面のみに設けられている<1>~<3>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<5> 上記粒子の算術平均粒径が、100nm未満である<1>~<4>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<6> 上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaが、0.05μm~0.10μmである<1>~<5>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<7> 上記仮支持体の厚さが、18μmを超え30μm以下である<1>~<6>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<8> 上記仮支持体が、ポリエステル樹脂を含む<1>~<7>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<9> 上記酸分解性基で保護された酸基が、アセタール型酸分解性基で保護されたカルボキシ基である<1>~<8>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<10> 上記重合体の酸価が、10mgKOH/g以下である<1>~<9>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<11> 上記光酸発生剤が、炭素数1~4のアルキルスルホン酸を発生する光酸発生剤を含む<1>~<10>のいずれか1つに記載の感光性転写材料。
<12> <1>~<11>のいずれか1つに記載の感光性転写材料における上記仮支持体に対して感光性樹脂層を有する側の最外層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、をこの順に含む樹脂パターンの製造方法。
<13> <1>~<11>のいずれか1つに記載の感光性転写材料における上記仮支持体に対して上記感光性樹脂層を有する側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、上記樹脂パターンが配置されていない領域における上記導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含む回路配線の製造方法。
<14> <1>~<11>のいずれか1つに記載の感光性転写材料における上記仮支持体に対して上記感光性樹脂層を有する側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、露光された上記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、上記樹脂パターンが配置されていない領域における上記導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含むタッチパネルの製造方法。
<15> 粒子を含有する粒子含有層を少なくとも片面に有し、ヘーズ値が、0.2%以下であり、上記粒子含有層を有する側の面の表面粗さRaが、0.02μm~0.20μmであるフィルム。
<16> 第一延伸方向に延伸された一軸延伸フィルム上に、粒子を含有する層を形成する工程、及び、上記一軸延伸フィルム及び上記一軸延伸フィルム上に形成された上記粒子を含有する層を、上記一軸延伸フィルムにおけるフィルム面に沿って上記第一延伸方向と直交する第二延伸方向に延伸する工程を含む<15>に記載のフィルムの製造方法。

発明の効果

[0008]
 本開示に係る一実施形態によれば、搬送時のシワの発生の抑制と、露光後の経時安定性とを両立した感光性転写材料を提供することができる。
 また、本開示に係る他の一実施形態によれば、上記感光性転写材料を用いた樹脂パターンの製造方法、回路配線の製造方法、及び、タッチパネルの製造方法を提供することができる。
 本開示に係る更に他の一実施形態によれば、透明性、及び、搬送時のシワ発生抑制性に優れるフィルム及びその製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本開示に係る感光性転写材料の層構成の一例を示す概略図である。
[図2] パターンAを示す概略図である。
[図3] パターンBを示す概略図である。
[図4] 本開示に好適に用いられるラミネート装置の一例を示す模式断面図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、本開示の内容について説明する。なお、添付の図面を参照しながら説明するが、符号は省略する場合がある。
 また、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
 また、本明細書において、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表し、「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートの双方、又は、いずれかを表す。
 更に、本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する該当する複数の物質の合計量を意味する。
 本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
 本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
 本明細書において「露光」とは、特に断らない限り、光を用いた露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線を用いた描画も含む。また、露光に用いられる光としては、一般的に、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等の活性光線(活性エネルギー線)が挙げられる。
 また、本明細書における化学構造式は、水素原子を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
 本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
 また、本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
 また、本開示における重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、特に断りのない限り、TSKgel GMHxL、TSKgel G4000HxL、TSKgel G2000HxL(何れも東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析装置により、溶媒THF(テトラヒドロフラン)、示差屈折計により検出し、標準物質としてポリスチレンを用いて換算した分子量である。
[0011]
(感光性転写材料)
 本開示に係る感光性転写材料は、仮支持体と、上記仮支持体に支持された感光性樹脂層とを有し、上記仮支持体が、粒子を含有する粒子含有層を有し、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaが、0.02μm~0.20μmであり、上記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含有する重合体、及び、光酸発生剤を含有する。
 また、本開示に係る感光性転写材料は、上記のように、ポジ型感光性樹脂層を有するポジ型感光性転写材料である。また、上記感光性樹脂層は、化学増幅ポジ型感光性樹脂層であることが好ましい。
[0012]
 従来の感光性転写材料では、搬送時に掛かる応力により、シワが発生する場合があり、特にロールトゥロールにより搬送及び転写する場合にシワの発生が顕著に見られることを、本発明者らは見出した。
 また、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含有する重合体、及び、光酸発生剤を含有する、いわゆる化学増幅ポジ型感光性樹脂層は、露光して現像し、非露光部が残ることでパターンを形成するが、上記粒子に由来する露光時の光の拡散により、非露光部においても少量の酸が発生し、その酸が拡散されるため、露光後に時間が経過した後に現像した際に得られるパターンのサイズが変化してしまうという問題があることを、本発明者らは見出した。
 本開示において、露光後に時間が経過した後に現像しても、得られるパターンのサイズが変化しにくいという性質を、「露光後の経時安定性(PED:Post Exposure Delay stability))に優れる」ともいう。
 一方、特開2000-221688号公報等に記載されているネガ型感光性樹脂層の場合、露光部が硬化することによりパターンを形成するが、重合開始種の拡散距離は短く、かつ発生量も少ないため、露光後に時間が経過した後に現像した際に得られるパターンのサイズが変化してしまうという課題は発生しない。
 よって、露光後に時間が経過した後に現像した際に得られるパターンのサイズが変化してしまうという課題は、化学増幅ポジ型感光性樹脂層に特有の課題である。
[0013]
 本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、上記構成の感光性転写材料とすることにより、搬送時のシワの発生の抑制(「搬送時のシワ発生抑制性」ともいう。)と、露光後の経時安定性とを両立した感光性転写材料が得られることを見出した。
 詳細な上記効果の発現機構は不明であるが、上記仮支持体が、粒子を含有する粒子含有層を有し、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaが、0.02μm~0.20μmであることにより、仮支持体の表面及び内部の少なくとも一方に存在する上記粒子の形状の影響により形成された凹凸部分が、搬送時の仮支持体と搬送部材との接触面積を小さくし、搬送による不要な応力等が感光性転写材料に掛かることを抑制し、シワの発生が抑制され、搬送時のシワ発生抑制性に優れると推定される。
 また、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含有する重合体、及び、光酸発生剤を含有する感光性樹脂層を有する感光性転写材料において、上記仮支持体が、粒子を含有する粒子含有層を有し、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaが、0.02μm~0.20μmであることにより、上記粒子に由来する露光時の光の拡散が抑制され、得られるパターンの直線性に優れるとともに、非露光部における酸の発生及び拡散を抑制し、露光後の経時安定性に優れると推定される。
[0014]
 以下、本開示に係る感光性転写材料について、詳細に説明する。
[0015]
<仮支持体>
 本開示に係る感光性転写材料は、仮支持体を有し、上記仮支持体が、粒子を含有する粒子含有層を有し、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaが、0.02μm~0.20μmである。
[0016]
 上記仮支持体は、上記粒子含有層を1層のみ有していても、2層以上有していてもよい。上記粒子含有層は、搬送時のシワ発生抑制性、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、上記仮支持体の片面のみに設けられているか、又は、上記仮支持体の両面にそれぞれ設けられていることが好ましく、上記仮支持体の片面のみに設けられていることがより好ましく、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面のみに設けられていることが特に好ましい。
[0017]
 上記粒子含有層に含有される粒子としては、例えば、無機粒子、有機粒子等が挙げられる。
 無機粒子としては、例えば、酸化ケイ素(シリカ)粒子、酸化チタン(チタニア)粒子、酸化ジルコニウム(ジルコニア)粒子、酸化マグネシウム(マグネシア)粒子、酸化アルミニウム(アルミナ)粒子等が挙げられる。
 有機粒子としては、例えば、アクリル樹脂粒子、ポリエステル粒子、ポリウレタン粒子、ポリカーボネート粒子、ポリオレフィン粒子、ポリスチレン粒子等の有機樹脂粒子などが挙げられる。
 上記粒子含有層に含有される粒子は、上記の中でも、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、無機粒子であることが好ましく、シリカ粒子であることがより好ましい。
[0018]
 上記粒子含有層は、粒子を1種単独で含有していても、2種以上の粒子を含有していてもよい。
 上記粒子含有層における粒子の含有量は、上記表面粗さRaの範囲を満たすことができれば特に制限はないが、表面粗さの制御容易性、及び、搬送時のシワ発生抑制性の観点から、上記粒子含有層の全質量に対して0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.1質量%~10質量%であることがより好ましく、0.5質量%~5質量%であることが特に好ましい。
 また、上記粒子含有層における粒子は、上記粒子含有層の内部に存在しても、一部が上記粒子含有層の表面に露出していてもよい。
 例えば、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面に、上記粒子含有層を有する場合、仮支持体における上記反対側の面に粒子が露出していてもよい。
[0019]
 上記粒子含有層に含有される粒子以外の材質としては、特に制限はなく、例えば、後述する仮支持体の材質として例示される材質と同様のものを挙げることができる。
 上記粒子含有層は、表面粗さの制御容易性、及び、搬送時のシワ発生抑制性の観点から、樹脂を含むことが好ましく、バインダーポリマーとして、樹脂を含むことがより好ましく、アクリル樹脂を含むことが特に好ましい。
 また、上記粒子含有層は、表面粗さの制御容易性、及び、搬送時のシワ発生抑制性の観点から、上記粒子含有層以外の部分の仮支持体に含まれる樹脂と異なる樹脂を含むことが好ましく、上記粒子含有層はアクリル樹脂を含み、かつ上記粒子含有層以外の部分の仮支持体はポリエステル樹脂を含むことが特に好ましい。
[0020]
 上記粒子含有層は、樹脂を1種単独で含有していても、2種以上の樹脂を含有していてもよい。
 上記粒子含有層における樹脂の含有量としては、特に制限はないが、表面粗さの制御容易性、及び、搬送時のシワ発生抑制性の観点から、上記粒子含有層の全質量に対し、10質量%~99.9質量%であることが好ましく、20質量%~99.5質量%であることがより好ましく、50質量%~99質量%であることが更に好ましく、80質量%~98質量%であることが特に好ましい。
[0021]
 また、上記粒子含有層は、粒子及び樹脂以外のその他の化合物を含有してもよい。
 その他の化合物としては、界面活性剤、ワックス等が挙げられる。
[0022]
-界面活性剤-
 上記粒子含有層は、層厚均一性の観点から、界面活性剤を含有することが好ましい。
 界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系(非イオン系)、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はアニオン系界面活性剤である。
 アニオン系界面活性剤の例としては、ラピゾール(登録商標)A-90、A-80、BW-30、B-90、C-70(以上、日油(株)製)、NIKKOL(登録商標)OTP-100(以上、日光ケミカル(株)製)、コハクール(登録商標)ON、L-40、フォスファノール(登録商標)702(以上、東邦化学工業(株)製)、ビューライト(登録商標)A-5000、SSS(以上、三洋化成工業(株)製)等が挙げられる。
[0023]
 界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上の界面活性剤を併用してもよい。
 界面活性剤の含有量は、特に限定されないが、上記粒子含有層の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、0.001質量%~10質量%であることがより好ましく、0.01質量%~3質量%であることが更に好ましい。
[0024]
-ワックス-
 上記粒子含有層は、上記粒子含有層を塗布により形成する場合の塗布液の塗布性の観点から、ワックスを含有してもよい。
 ワックスの具体例としては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、パームワックス、ロジン変性ワックス、オウリキュリーワックス、サトウキビワックス、エスパルトワックス、バークワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ、イボタロウ、セラックワックス等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;フィッシャートロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス;が挙げられる。
[0025]
 ワックスは、1種単独で用いてもよいし、2種以上のワックスを併用してもよい。
 ワックスの含有量は、特に限定されないが、上記粒子含有層の全質量に対して、10質量%以下であることが好ましく、0.001質量%~10質量%であることがより好ましく、0.01質量%~3質量%であることが更に好ましい。
[0026]
 上記粒子の算術平均粒径は、表面粗さの制御容易性、搬送時のシワ発生抑制性、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、20nm~300nmであることが好ましく、30nm~200nmであることがより好ましく、40nm~120nmであることが更に好ましく、40nm~80nmであることが特に好ましい。
 また、上記粒子の算術平均粒径は、透明性、搬送時のシワ発生抑制性、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、100nm未満であることが好ましい。上記粒子の算術平均粒径が100nm未満であることにより、光散乱を高いレベルで抑制できるため、高い透明性を実現でき、露光後の経時安定性に優れるものと考えられる。また、上記粒子の算術平均粒径が100nm未満の場合であっても、フィルムの最表面に多数の粒子を配置させることで、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaを0.02μm~0.2μmとすることができ、搬送時のシワがより抑制されると考えられる。
 本開示における粒子の算術平均粒径は、(株)日立ハイテクノロジーズ製HT-7700型透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、加速電圧100kVで仮支持体を観察し、任意に抽出した粒子400個の直径の平均値(算術平均値)を求めることで得られる値である。なお、明らかに大きな凝集物(異物、ゴミ等)はカウントしない(上記の計算から除く;つまり、粒子として選択しない)ものとする。
[0027]
 上記粒子含有層の厚さは、表面粗さの制御容易性、及び、搬送時のシワ発生抑制性の観点から、5nm~300nmであることが好ましく、10nm~100nmであることがより好ましく、30nm~70nmであることが特に好ましい。なお、上記粒子含有層を2層以上有する場合は、上記粒子含有層の好ましい厚さは、上記粒子含有層1層毎の好ましい厚さである。
[0028]
 上記粒子含有層の厚さは、以下の方法により測定することができる。
 仮支持体の厚さ方向の断面観察像において、無作為に選択した10箇所で測定される上記粒子含有層の厚さの算術平均値を求め、得られる値を仮支持体の厚さとする。仮支持体の厚さ方向の断面観察像は、走査型電子顕微鏡(SEM)又はレーザー顕微鏡を用いて得ることができる。
[0029]
 上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面(「バック面」ともいう。)の表面粗さRaは、0.02μm~0.20μmであり、搬送時のシワ発生抑制性、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、0.02μm~0.15μmであることがより好ましく、0.03μm~0.12μmであることがより好ましく、0.05μm~0.10μmであることが特に好ましい。また、上記表面粗さRaが0.20μm以下であると、露光後の経時安定性が良好である。更に、標記表面粗さRaが0.02μm以上であると、ロールtoロールで搬送した際においても、シワの発生が抑制できる。
 また、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面の表面粗さRaは、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、上記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaよりも小さいことが好ましい。
[0030]
 上記仮支持体の上記表面粗さRaは、以下の方法によって測定することができる。
 仮支持体の測定面について、3次元光学プロファイラー(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にて、仮支持体の表面プロファイルを得る。なお、測定及び解析ソフトには、MetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いる。次に、上記解析ソフト(MetroPro ver8.3.2-Microscope Application)にてSurface Map画面を表示し、Surface Map画面中でヒストグラムデータを得る。得られたヒストグラムデータから、算術平均粗さを算出し、得られる値を表面粗さRaとする。
[0031]
-測定条件-
 対物レンズ:50倍
 Zoom:0.5倍
 測定領域:1.00mm×1.00mm
 (解析条件)
 Removed:plane
 Filter:off
 FilterType:average
 Remove spikes:on
 Spike Height(xRMS):7.5
[0032]
 上記仮支持体は、上記粒子含有層以外の材質として、基材を有することが好ましい。
 上記仮支持体としては、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、基材の一方の面のみに上記粒子含有層を有するものや、基材の両面にそれぞれ上記粒子含有層を有するものが好ましく挙げられ、基材の一方の面のみに上記粒子含有層を有するものがより好ましく挙げられる。
 上記基材としては、例えば、ガラス基材、樹脂フィルム等が挙げられる。上記の中でも、強度、可撓性等の観点から、樹脂フィルムが好ましい。また、仮支持体が複層構造を有する場合、上記したガラス基材、樹脂フィルム等を基材として用いてもよい。
 樹脂フィルムに含有される樹脂としては、例えば、シクロオレフィンポリマー、ポリエステル樹脂、トリ酢酸セルロース、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
[0033]
 中でも、上記仮支持体は、光学特性、耐溶剤性及び耐熱性の観点から、ポリエステル樹脂を含むことが好ましく、ポリエチレンテレフタレートを含むことがより好ましい。
 また、上記仮支持体は、上記基材として、光学特性、耐溶剤性及び耐熱性の観点から、ポリエステル樹脂基材を有することが好ましく、ポリエチレンテレフタレート基材を有することがより好ましい。
[0034]
 樹脂フィルムとしては、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエステル樹脂フィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム等が挙げられる。上記の中でも、樹脂フィルムは、光学特性、耐溶剤性、及び耐熱性の観点から、ポリエステル樹脂フィルムであることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることがより好ましい。
[0035]
 仮支持体の厚さは、特に制限はないが、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、5μm以上50μm以下であることが好ましく、18μmを超え30μm以下であることがより好ましく、19μm以上28μm以下であることが特に好ましい。
[0036]
 仮支持体の厚さは、以下の方法により測定することができる。
 仮支持体の厚さ方向の断面観察像において、無作為に選択した10箇所で測定される仮支持体の厚さの算術平均値を求め、得られる値を仮支持体の厚さとする。仮支持体の厚さ方向の断面観察像は、走査型電子顕微鏡(SEM)又はレーザー顕微鏡を用いて得ることができる。
[0037]
 上記粒子含有層を有する仮支持体の市販品としては、例えば、ルミラー(登録商標。以下同じ。)16KS40(東レ(株)製)、コスモシャイン(登録商標)A-1517(東洋紡(株)製)等が挙げられる。
[0038]
 上記仮支持体のヘーズ値は、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、0.8%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.3%以下であることが更に好ましく、0.2%以下であることが特に好ましい。特にヘーズ値が、0.2%以下であると、露光後の経時安定性により優れる。
 上記仮支持体のヘーズ値は、ヘーズメーターNDH400(日本電色工業(株)製)を用いて、仮支持体の面方向の10箇所においてヘーズ値を測定し、その平均値として得られる値である。
[0039]
 仮支持体の製造方法は、制限されず、公知の製造方法を適宜適用することができる。仮支持体が樹脂フィルムである場合、例えば、押出成形等の公知の製造方法によって樹脂フィルムを製造することができる。また、必要に応じて、延伸(例えば、2軸延伸)等によって仮支持体の厚さを調節してもよい。
 また、上記粒子含有層は、例えば、粒子含有層に含まれる成分を水等の公知の溶剤に分散又は溶解した組成物を、仮支持体の感光性樹脂層を設ける側とは反対側の面に塗布することにより形成される。
 仮支持体が延伸により製造される場合、上記組成物を塗布した後に延伸を行ってもよい。
 上記仮支持体は、基材として二軸延伸フィルムを含むことが好ましく、基材として直交する2つの延伸方向にそれぞれ延伸された二軸延伸フィルムを含むことがより好ましく、基材として直交する2つの延伸方向にそれぞれ延伸された二軸延伸フィルムを含み、かつ上記2つの延伸方向のうちの1つの延伸方向に延伸された粒子含有層を含む仮支持体であることが特に好ましい。
 また、仮支持体の製造方法は、第一延伸方向に延伸された一軸延伸フィルム上に、粒子を含有する層を形成する工程、並びに、上記一軸延伸フィルム及び上記一軸延伸フィルム上に形成された上記粒子を含有する層を、上記一軸延伸フィルムにおけるフィルム面に沿って上記第一延伸方向と直交する第二延伸方向に延伸する工程を含むことが好ましい。
[0040]
<感光性樹脂層>
 本開示に係る感光性転写材料は、感光性樹脂層を有し、上記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含有する重合体、及び、光酸発生剤を含有する。
 本開示における感光性樹脂層は、ポジ型感光性樹脂層であり、公知のポジ型感光性樹脂層を用いることができる。また、本開示において用いられる感光性樹脂層は、感度及び解像度の観点から、酸分解性樹脂、すなわち、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を有する重合体と、光酸発生剤とを含む化学増幅ポジ型感光性樹脂層であることが好ましい。
 後述するオニウム塩、オキシムスルホネート化合物等の光酸発生剤は、活性放射線(活性光線)に感応して生成される酸が、上記重合体中の保護された酸基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となる。このようないわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。
 一方、活性光線に感応する光酸発生剤としてキノンジアジド化合物を用いた場合、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下であり、化学増幅型には該当しない。
[0041]
〔酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位Aを有する重合体X〕
 上記感光性樹脂層は、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位(「酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位A」、又は、単に「構成単位A」ともいう。)を有する重合体(「酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を有する重合体X」、又は、単に「重合体X」ともいう。)を含む。
 また、上記感光性樹脂層は、構成単位Aを有する重合体Xに加え、他の重合体を含んでいてもよい。本開示においては、構成単位Aを有する重合体X及び他の重合体をあわせて、「重合体成分」ともいう。
 重合体Xは、露光により生じる触媒量の酸等の酸性物質の作用により、重合体X中の酸分解性基で保護された酸基が脱保護反応を受け酸基となる。この酸基により、感光性樹脂層の現像液への溶解が可能となる。
[0042]
 重合体Xは、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位を有する重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレン化合物に由来する構成単位、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
 以下に構成単位Aの好ましい態様について説明する。
[0043]
-構成単位A-
 上記重合体成分は、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位Aを有する重合体Xを含むことが好ましい。感光性樹脂層が構成単位Aを有する重合体Xを含むことにより、極めて高感度な化学増幅ポジ型の感光性樹脂層とすることができる。
 本開示における酸基及び酸分解性基は、公知のものを使用でき、特に限定されない。具体的な酸基としては、カルボキシ基、及び、フェノール性水酸基が好ましく挙げられる。また、酸分解性基としては、酸により比較的分解し易い基(例えば、1-アルコキシアルキル基、テトラヒドロピラニル基、又は、テトラヒドロフラニル基等のアセタール型保護基)又は酸により分解するものの酸分解容易性が比較的低い基(例えば、tert-ブチル基等の第三級アルキル基、tert-ブチルオキシカルボニル基等の第三級アルキルオキシカルボニル基(炭酸エステル型保護基))が挙げられる。
 これらの中でも、酸分解性基としては、感度、及び、解像度の観点から、アセタールの形で保護された構造を有する基(アセタール型酸分解性基)であることが好ましい。
 更に、上記酸分解性基で保護された酸基は、感度、及び、解像度の観点から、アセタール型酸分解性基で保護されたカルボキシ基であることがより好ましい。
 また、酸分解性基としては、導電パターンの形成に適用した場合における導電配線の線幅のバラツキが抑制される観点から、分子量が300以下(例えば30~300)の酸分解性基であることが好ましい。
 上記感光性樹脂層に含まれる重合体Xは、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
[0044]
 酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位Aは、感度及び解像度の観点から、下記式A1、式A2、又は式A3により表される構成単位であることが好ましい。
[0045]
[化1]



[0046]
 式A1中、R 11及びR 12はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R 11及びR 12の少なくとも一方がアルキル基又はアリール基であり、R 13はアルキル基又はアリール基を表し、R 11又はR 12と、R 13とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R 14は水素原子又はメチル基を表し、X は単結合又は二価の連結基を表し、R 15は置換基を表し、nは0~4の整数を表す。
 式A2中、R 21及びR 22はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R 21及びR 22の少なくとも一方がアルキル基又はアリール基であり、R 23はアルキル基又はアリール基を表し、R 21又はR 22と、R 23とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R 24はそれぞれ独立に、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基又はシクロアルキル基を表し、mは0~3の整数を表す。
 式A3中、R 31及びR 32はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R 31及びR 32の少なくとも一方がアルキル基又はアリール基であり、R 33はアルキル基又はアリール基を表し、R 31又はR 32と、R 33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R 34は水素原子又はメチル基を表し、X は単結合又は二価の連結基を表す。
[0047]
 式A3中、R 31又はR 32がアルキル基の場合、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましい。R 31又はR 32がアリール基の場合、フェニル基であることが好ましい。R 31及びR 32は、それぞれ、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基であることが好ましい。
 式A3中、R 33は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1~10のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~6のアルキル基であることがより好ましい。
 また、R 31~R 33におけるアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
 式A3中、R 31又はR 32と、R 33とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R 31又はR 32と、R 33とが連結して環状エーテルを形成することが好ましい。環状エーテルの環員数は特に制限はないが、5又は6であることが好ましく、5であることがより好ましい。
 式A3中、X は単結合又はアリーレン基を表し、単結合であることが好ましい。アリーレン基は、置換基を有していてもよい。
 上記式A3で表される構成単位Aは、アセタール型酸分解性基で保護されたカルボキシ基を有する構成単位である。重合体Xが式A3で表される構成単位Aを含むことで、パターン形成時の感度に優れ、また、解像度がより優れる。
[0048]
 式A3中、R 34は水素原子又はメチル基を表し、重合体Xのガラス転移温度(Tg)をより低くし得るという観点から、水素原子であることが好ましい。
 より具体的には、重合体Xに含まれる構成単位Aの全量に対し、式A3におけるR 34が水素原子である構成単位は20質量%以上であることが好ましい。
 なお、構成単位A中の、式A3におけるR 34が水素原子である構成単位の含有量(含有割合:質量比)は、 13C-核磁気共鳴スペクトル(NMR)測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
[0049]
 また、式A1~式A3の好ましい態様としては、国際公開第2018/179640号の段落0044~段落0058を参照することができる。
[0050]
 式A1~式A3において、酸分解性基は、感度の観点から、環状構造を有する基であることが好ましく、テトラヒドロフラン環又はテトラヒドロピラン環構造を有する基であるがより好ましく、テトラヒドロフラン環構造を有する基であることが更に好ましく、テトラヒドロフラニル基であることが特に好ましい。
[0051]
 重合体Xに含まれる構成単位Aは、1種であっても、2種以上であってもよい。
 重合体Xにおける構成単位Aの含有量は、重合体成分の全質量に対して、10質量%~70質量%であることが好ましく、15質量%~50質量%であることがより好ましく、20質量%~40質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、解像度がより向上する。
 重合体Xが2種以上の構成単位Aを含む場合、上記構成単位Aの含有量は、2種以上の構成単位Aの総含有量を表すものとする。
 重合体成分における構成単位Aの含有量(含有割合:質量比)は、 13C-NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
[0052]
-酸基を有する構成単位B-
 重合体Xは、酸基を有する構成単位B(単に「構成単位B」ともいう。)を含んでいてもよい。
 構成単位Bは、酸分解性基で保護されていない酸基、すなわち、保護基を有さない酸基を有する構成単位である。重合体Xが構成単位Bを含むことで、パターン形成時の感度が良好となり、パターン露光後の現像工程においてアルカリ性の現像液に溶けやすくなり、現像時間の短縮化を図ることができる。
 本明細書における酸基とは、pKaが12以下のプロトン解離性基を意味する。
 酸基のpKaは、感度向上の観点から、10以下が好ましく、6以下がより好ましい。また、酸基のpKaは、-5以上であることが好ましい。
 上記酸基としては、カルボキシ基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホ基、フェノール性水酸基、及び、スルホニルイミド基等が例示される。中でも、カルボキシ基又はフェノール性水酸基が好ましく、カルボキシ基がより好ましい。
[0053]
 重合体Xに含まれる構成単位Bは、1種のみであっても、2種以上であってもよい。
 重合体Xにおける構成単位Bの含有量は、重合体成分の全質量に対して、0.01質量%~20質量%であることが好ましく、0.01質量%~10質量%であることがより好ましく、0.1質量%~5質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、解像性がより良好となる。
 重合体Xが2種以上の構成単位Bを含む場合、上記構成単位Bの含有量は、2種以上の構成単位Bの総含有量を表すものとする。
 重合体Xにおける構成単位Bの含有量(含有割合:質量比)は、 13C-NMR測定から常法により算出されるピーク強度の強度比により確認することができる。
[0054]
-その他の構成単位C-
 重合体Xは、既述の構成単位A及び構成単位B以外の、その他の構成単位C(単に「構成単位C」ともいう。)を、本開示に係る感光性転写材料の効果を損なわない範囲で含むことが好ましい。
 構成単位Cを形成するモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物、マレイミド化合物、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、脂肪族環式骨格を有する基、その他の不飽和化合物を挙げることができる。
 構成単位Cを用い、その種類及び含有量の少なくともいずれかを調整することで、重合体Xの諸特性を調整することができる。特に、構成単位Cを含むことで、重合体XのTg、酸価及び親疎水性を容易に調整することができる。
 重合体Xは、構成単位Cを1種のみ含んでもよく、2種以上含んでいてもよい。
[0055]
 構成単位Cは、具体的には、スチレン、α-メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、又は、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどを重合して形成される構成単位を挙げることができる。その他、特開2004-264623号公報の段落0021~段落0024に記載の化合物を挙げることができる。
[0056]
 構成単位Cは、解像性の観点から、塩基性基を有する構成単位を含むことが好ましい。
 上記塩基性基としては、具体的には、脂肪族アミノ基、芳香族アミノ基、又は、含窒素複素芳香環基などの窒素原子を有する基が挙げられ、脂肪族アミノ基が好ましい。
 脂肪族アミノ基は、第一級アミノ基、第二級アミノ基、又は、第三級アミノ基のいずれであってもよいが、解像性の観点から、第二級アミノ基、又は、第三級アミノ基であることが好ましい。
[0057]
 塩基性基を有する構成単位を形成するモノマーとしては、具体的には、メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル、メタクリル酸2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル、アクリル酸2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル、メタクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル、アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸2-(ジエチルアミノ)エチル、メタクリル酸N-(3-ジメチルアミノ)プロピル、アクリル酸N-(3-ジメチルアミノ)プロピル、メタクリル酸N-(3-ジエチルアミノ)プロピル、アクリル酸N-(3-ジエチルアミノ)プロピル、メタクリル酸2-(ジイソプロピルアミノ)エチル、メタクリル酸2-モルホリノエチル、アクリル酸2-モルホリノエチル、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、4-アミノスチレン、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリジン、3-ビニルピリジン、1-ビニルイミダゾール、2-メチル-1-ビニルイミダゾール、1-アリルイミダゾール、1-ビニル-1,2,4-トリアゾール等が挙げられる。中でもメタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジルが好ましい。
[0058]
 また、構成単位Cとしては、芳香環を有する構成単位、又は、脂肪族環式骨格を有する構成単位が、得られる転写材料の電気特性を向上させる観点で好ましい。これら構成単位を形成するモノマーとして、具体的には、スチレン、α-メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及び、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
[0059]
 また、構成単位Cを形成するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、密着性の観点で好ましい。中でも、炭素数4~12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが密着性の観点でより好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、及び、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルが挙げられる。
[0060]
 構成単位Cの含有量は、重合体成分の全質量に対し、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下が更に好ましい。下限値としては、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。上記範囲であると、解像度及び密着性がより向上する。
 重合体成分が2種以上の構成単位Cを含む場合、上記構成単位Cの含有量は、2種以上の構成単位Cの総含有量を表すものとする。
[0061]
 以下、本開示における重合体Xの好ましい例を挙げるが、本開示は以下の例示に限定されない。なお、下記例示化合物における構成単位の比率、重量平均分子量は、好ましい物性を得るために適宜選択される。
[0062]
[化2]



[化3]


[0063]
-重合体Xのガラス転移温度:Tg-
 本開示における重合体Xのガラス転移温度(Tg)は、転写性の観点から、90℃以下であることが好ましく、20℃以上60℃以下であることがより好ましく、30℃以上50℃以下であることが更に好ましい。
[0064]
 本開示における重合体のTgを、既述の好ましい範囲に調整する方法としては、例えば、目的とする重合体の各構成単位の単独重合体のTgと各構成単位の質量比より、FOX式を指針にして、目的とする重合体のTgを制御することが可能である。
 FOX式について、以下に説明する。
 重合体に含まれる第1の構成単位の単独重合体のTgをTg1、第1の構成単位の共重合体における質量分率をW1とし、第2の構成単位の単独重合体のTgをTg2とし、第2の構成単位の共重合体における質量分率をW2としたときに、第1の構成単位と第2の構成単位とを含む共重合体のTg0(K)は、以下の式にしたがって推定することが可能である。
 FOX式:1/Tg0=(W1/Tg1)+(W2/Tg2)
 既述のFOX式を用いて、共重合体に含まれる各構成単位の種類と質量分率を調整して、所望のTgを有する共重合体を得ることができる。
 また、重合体の重量平均分子量を調整することにより、重合体のTgを調整することも可能である。
[0065]
-重合体Xの酸価-
 重合体Xの酸価は、解像性の観点から、0mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが好ましく、0mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることがより好ましく、0mgKOH/g以上10mgKOH/g以下であることが更に好ましい。
 また、重合体Xの酸価は、露光後の経時安定性、及び、得られるパターンの直線性の観点から、10mgKOH/g以下であることが好ましい。
[0066]
 本開示における重合体の酸価は、重合体1gあたりの酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムの質量を表したものである。具体的には、測定サンプルをテトラヒドロフラン/水=9/1(体積比)混合溶媒に溶解し、電位差滴定装置(商品名:AT-510、京都電子工業(株)製)を用いて、得られた溶液を25℃において、0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定する。滴定pH曲線の変曲点を滴定終点として、次式により酸価を算出する。
   A=56.11×Vs×0.1×f/w
 A:酸価(mgKOH/g)
 Vs:滴定に要した0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の使用量(mL)
 f:0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液の力価
 w:測定サンプルの質量(g)(固形分換算)
[0067]
-重合体Xの分子量:Mw-
 重合体Xの分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、60,000以下であることが好ましい。重合体Xの重量平均分子量が60,000以下であると、転写材料を転写する際において低温(例えば130℃以下)での転写を実現することができる。
 また、重合体Xの重量平均分子量は、現像残渣抑制の観点から、2,000~60,000であることが好ましく、3,000~50,000であることがより好ましく、10,000~20,000であることが特に好ましい。
 重合体Xの数平均分子量と重量平均分子量との比(分散度)は、1.0~5.0が好ましく、1.05~3.5がより好ましい。
[0068]
 なお、本開示における重合体の重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定することができ、測定装置としては、様々な市販の装置を用いることができ、装置の内容、及び、測定技術は、公知のものを用いることができる。
 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量の測定は、測定装置として、HLC(登録商標)-8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgel(登録商標)Super HZM-M(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ4000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ3000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)、Super HZ2000(4.6mmID×15cm、東ソー(株)製)をそれぞれ1本、直列に連結したものを用い、溶離液として、THF(テトラヒドロフラン)を用いることができる。
 また、測定条件としては、試料濃度を0.2質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μL、及び測定温度を40℃とし、示差屈折率(RI)検出器を用いて行うことができる。
 検量線は、東ソー(株)製の「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F-40」、「F-20」、「F-4」、「F-1」、「A-5000」、「A-2500」及び「A-1000」の7サンプルのいずれかを用いて作製できる。
[0069]
-重合体Xの製造方法-
 重合体Xの製造方法(合成法)は特に限定されないが、一例を挙げると、構成単位Aを形成するためのモノマー、更に必要に応じて、構成単位Bを形成するためのモノマー及び構成単位Cを形成するためのモノマーを含む有機溶剤中、重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
[0070]
-重合体成分又は重合体Xの含有量-
 本開示における上記感光性樹脂層は、密着性の観点から、上記感光性樹脂層の全質量に対し、上記重合体成分を50質量%~99.9質量%の割合で含むことが好ましく、70質量%~98質量%の割合で含むことがより好ましい。
 また、上記感光性樹脂層は、密着性の観点から、上記感光性樹脂層の全質量に対し、重合体Xを50質量%~99.9質量%の割合で含むことが好ましく、70質量%~98質量%の割合で含むことがより好ましい。
[0071]
〔他の重合体〕
 上記感光性樹脂層は、重合体成分として、重合体Xに加え、本開示に係る感光性転写材料の効果を損なわない範囲において、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含まない重合体(「他の重合体」ともいう。)を更に含んでいてもよい。
 本開示における重合体成分は、特に述べない限り、重合体Xに加え、必要に応じて添加される他の重合体を含めたものを意味するものとする。なお、後述する架橋剤、分散剤及び界面活性剤に該当する化合物は、高分子化合物であっても、重合体成分に含まないものとする。
 上記感光性樹脂層が他の重合体を含む場合、他の重合体の含有量は、全重合体成分中、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
[0072]
 上記感光性樹脂層は、重合体Xに加え、他の重合体を1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
 他の重合体として、例えばポリヒドロキシスチレンを用いることができ、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、及び、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC-3000、ARUFON UC-3510、ARUFON UC-3900、ARUFON UC-3910、ARUFON UC-3920、及び、ARUFON UC-3080(以上、東亞合成(株)製)、並びに、Joncryl 690、Joncryl 678、Joncryl 67、及び、Joncryl 586(以上、BASF社製)等を用いることもできる。
[0073]
〔光酸発生剤〕
 上記感光性樹脂層は、光酸発生剤を含む。
 本開示で使用される光酸発生剤は、紫外線、遠紫外線、X線、電子線等の活性光線を照射することにより酸を発生することができる化合物である。
 本開示で使用される光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300nm~450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造は制限されない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
 本開示で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が特に好ましい。pKaの下限値は特に定めないが、例えば、-10.0以上であることが好ましい。
 また、光酸発生剤は、露光後の経時安定性、得られるパターンの直線性、及び、現像残渣抑制の観点から、炭素数1~4のアルキルスルホン酸を発生する光酸発生剤を含むことが好ましく、炭素数1~4のアルキルスルホン酸を発生する光酸発生剤とアリールスルホン酸を発生する光酸発生剤とを含むことがより好ましい。
 上記アルキルスルホン酸を発生する光酸発生剤は、露光後の経時安定性、得られるパターンの直線性、及び、現像残渣抑制の観点から、メタンスルホン酸(メシル酸)を発生する光酸発生剤であることが好ましい。
 また、上記アリールスルホン酸を発生する光酸発生剤は、露光後の経時安定性、得られるパターンの直線性、及び、現像残渣抑制の観点から、p-トルエンスルホン酸(トシル酸)を発生する光酸発生剤であることが好ましい。
 pKaが4.0以下の酸を発生する光酸発生剤、pKaが3.0以下の酸を発生する光酸発生剤、pKaが2.0以下の酸を発生する光酸発生剤等を用いた場合には、比較的強い酸が発生することになる。
[0074]
 光酸発生剤としては、イオン性光酸発生剤及び非イオン性光酸発生剤を挙げることができる。
 イオン性光酸発生剤の例として、ジアリールヨードニウム塩類及びトリアリールスルホニウム塩類等のオニウム塩化合物、第四級アンモニウム塩類等を挙げることができる。これらのうち、オニウム塩化合物が好ましく、トリアリールスルホニウム塩類及びジアリールヨードニウム塩類が特に好ましい。
 イオン性光酸発生剤としては、特開2014-85643号公報の段落0114~段落0133に記載のイオン性光酸発生剤も好ましく用いることができる。
 非イオン性光酸発生剤の例としては、トリクロロメチル-s-トリアジン類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、感度、解像度、及び、密着性の観点から、光酸発生剤がオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。トリクロロメチル-s-トリアジン類、ジアゾメタン化合物及びイミドスルホネート化合物の具体例としては、特開2011-221494号公報の段落0083~段落0088に記載の化合物が例示できる。
[0075]
 オキシムスルホネート化合物としては、国際公開第2018/179640号の段落0084~段落0088に記載されたものを好適に用いることができる。
[0076]
 光酸発生剤としては、感度及び解像度の観点から、オニウム塩化合物、及び、オキシムスルホネート化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことが好ましく、オキシムスルホネート化合物を含むことがより好ましい。
 また、好ましい光酸発生剤として、例えば、以下の構造の光酸発生剤が挙げられる。
[0077]
[化4]



[0078]
 上記感光性樹脂層は、光酸発生剤を、1種単独で含んでいてもよいし、2種以上の光酸発生剤を含んでいてもよい。
 上記感光性樹脂層における光酸発生剤の含有量は、感度及び解像度の観点から、上記感光性樹脂層の全質量に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましい。
[0079]
〔その他の添加剤〕
 本開示における上記感光性樹脂層は、重合体X、光酸発生剤及び溶剤に加え、必要に応じて、その他の添加剤を含むことができる。
 その他の添加剤としては、公知のものを用いることができ、例えば、可塑剤、増感剤、ヘテロ環状化合物、アルコキシシラン化合物、塩基性化合物、防錆剤、界面活性剤等が挙げられる。
 可塑剤、増感剤、ヘテロ環状化合物及びアルコキシシラン化合物としては、国際公開第2018/179640号の段落0097~段落0119に記載されたものが挙げられる。
 更に、本開示に係る感光性転写材料における感光性樹脂層は、溶剤を含んでいてもよい。溶剤を含む感光性樹脂組成物により感光性樹脂層を形成した場合、溶剤が残留することもある。
 感光性樹脂層における溶剤の含有量は、感光性樹脂層の全質量に対し、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましい。
[0080]
-塩基性化合物-
 上記感光性樹脂層は、塩基性化合物を更に含むことが好ましい。
 塩基性化合物は、化学増幅レジストで用いられる塩基性化合物の中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、及び、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011-221494号公報の段落0204~段落0207に記載の化合物が挙げられ、これらの内容は本明細書に組み込まれる。
 また、塩基性化合物としては、N-シクロヘキシル-N’-[2-(4-モルホリニル)エチル]チオ尿素(CMTU)を好適に用いることができる。また、CMTUの市販品としては、東洋化成工業(株)製のものが挙げられる。
[0081]
 塩基性化合物としては、露光後の経時安定性、得られるパターンの直線性、及び、現像残渣抑制の観点から、ベンゾトリアゾール化合物が好ましい。
 ベンゾトリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物であれば制限されず、公知のベンゾトリアゾール化合物を用いることができる。
 ベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、1,2,3-ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(2-エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、5-カルボキシベンゾトリアゾール、1-(ヒドロキシメチル)-1H-ベンゾトリアゾール、1-アセチル-1H-ベンゾトリアゾール、1-アミノベンゾトリアゾール、9-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イルメチル)-9H-カルバゾール、1-クロロ-1H-ベンゾトリアゾール、1-(2-ピリジニル)ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-メチルベンゾトリアゾール、1-エチルベンゾトリアゾール、1-(1’-ヒドロキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-(2’-ヒドロキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-プロピルベンゾトリアゾール、1-(1’-ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-(2’-ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1-(3’-ヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、4-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール-5-カルボキシレート、エチルベンゾトリアゾール-5-カルボキシレート、t-ブチル-ベンゾトリアゾール-5-カルボキシレート、シクロペンチルエチル-ベンゾトリアゾール-5-カルボキシレート、1H-ベンゾトリアゾール-1-アセトニトリル、1H-ベンゾトリアゾール-1-カルボキシアルデヒド、2-メチル-2H-ベンゾトリアゾール、2-エチル-2H-ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
[0082]
 上記感光性樹脂層は、塩基性化合物を、1種単独で含んでいてもよいし、2種以上の塩基性化合物を含んでいてもよい。
 塩基性化合物の含有量は、上記感光性樹脂層の全質量に対して、0.001質量%~5質量%であることが好ましく、0.005質量%~3質量%であることがより好ましい。
[0083]
-界面活性剤-
 上記感光性樹脂層は、厚さ均一性の観点から界面活性剤を含有することが好ましい。
 界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性(非イオン性)界面活性剤、及び、両性界面活性剤が挙げられる。好ましい界面活性剤はノニオン性界面活性剤である。
 ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。
[0084]
 界面活性剤としては、例えば、国際公開第2018/179640号の段落0120~段落0125に記載の界面活性剤を用いることができる。
 また、界面活性剤の市販品としては、例えば、メガファックF-552又はF-554(以上、DIC(株)製)を用いることができる。
 その他、特許第4502784号公報の段落0017、特開2009-237362号公報の段落0060~段落0071に記載の界面活性剤も用いることができる。
[0085]
 上記感光性樹脂層は、界面活性剤を、1種単独で含んでいてもよいし、2種以上の界面活性剤を含んでいてもよい。
 界面活性剤の含有量は、上記感光性樹脂層の全質量に対して、0.001質量%~10質量%であることが好ましく、0.01質量%~3質量%であることがより好ましい。
[0086]
 また、本開示における上記感光性樹脂層には、その他の添加剤として、金属酸化物粒子、酸化防止剤、分散剤、酸増殖剤、現像促進剤、導電性繊維、着色剤、熱ラジカル重合開始剤、熱酸発生剤、紫外線吸収剤、増粘剤、架橋剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を更に加えることができる。
 これらの成分の好ましい態様については特開2014-85643号公報の段落0165~段落0184にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
[0087]
<<感光性樹脂層の平均厚さ>>
 感光性樹脂層の平均厚さは、0.5μm~20μmであることが好ましい。感光性樹脂層の厚みが20μm以下であるとパターンの解像度がより優れ、0.5μm以上であるとパターン直線性の観点から好ましい。
 また、感光性樹脂層の平均厚さは、0.8μm~15μmであることがより好ましく、1.0μm~10μmであることが特に好ましい。
 本開示における各層の平均厚さの測定方法は、転写材料の面方向に対し垂直な方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、層の厚さを10点以上測定し、その平均値を平均厚さとすることを含む。
[0088]
<<感光性樹脂層の形成方法>>
 本開示における感光性樹脂層は、感光性樹脂層の形成に用いる成分と、溶剤とを含有する感光性樹脂組成物を調製し、塗布及び乾燥して形成することができる。各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、得られた溶液を所定の割合で混合して組成物を調製することもできる。以上の如くして調製した組成物は、例えば、孔径0.2μm~30μmのフィルター等を用いてろ過を行ってもよい。
 感光性樹脂組成物を仮支持体又はカバーフィルム上に塗布し、乾燥させることで、本開示における感光性樹脂層を形成することができる。
 塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
 また、仮支持体又はカバーフィルム上に後述の中間層又はその他の層を形成した上に、感光性樹脂層を形成することもできる。
[0089]
〔感光性樹脂組成物〕
 感光性樹脂組成物は、感光性樹脂層の形成に用いる成分と、溶剤とを含むことが好ましい。各成分に溶剤を含有させて粘度を調節し、塗布及び乾燥することで、感光性樹脂層を好適に形成することができる。
[0090]
-溶剤-
 溶剤としては、公知の溶媒を使用でき、例えば、国際公開第2018/179640号の段落0092~段落0094に記載された溶剤を用いることができる。
[0091]
 また、特開2018-177889公報の段落0014に記載された20℃における蒸気圧が1kPa以上16kPa以下の溶剤を好ましく用いることができる。
 本開示に用いることができる溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種を併用してもよい。
[0092]
 感光性樹脂組成物を塗布する際における溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対し、50質量部~1,900質量部であることが好ましく、100質量部~900質量部であることがより好ましい。
[0093]
<中間層>
 本開示に係る感光性転写材料は、中間層を有することが好ましい。
 中間層は、後述する重合体を含むことが好ましい。
[0094]
〔重合体〕
 中間層は、重合体を含むことができる。
 中間層に用いられる重合体としては、水溶性樹脂又はアルカリ可溶性樹脂が好ましい。本開示において、「水溶性」とは、22℃においてpH7.0の水100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味し、「アルカリ可溶性」とは、22℃において炭酸ナトリウムの1質量%水溶液100gへの溶解度が0.1g以上であることを意味する。
 また、上記「水溶性又はアルカリ可溶性」とは、水溶性か、アルカリ可溶性のいずれかであっても、水溶性かつアルカリ可溶性であってもよい。
 また、重合体は、22℃におけるpH7.0の水100gへの溶解度が、1g以上であることが好ましく、5g以上であることがより好ましい。
 水溶性樹脂としては、例えばセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、アクリルアミド樹脂、(メタ)アクリレート樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ゼラチン、ビニルエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、及びこれらの共重合体などの樹脂が挙げられる。中でも、露光後の経時安定性の観点から、セルロース樹脂であることが好ましく、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースよりなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂であることがより好ましい。
 アルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ可溶性アクリル樹脂が好ましく、塩を形成してもよい酸基を有するアクリル樹脂がより好ましい。
[0095]
 中間層は、重合体を、1種単独で含んでいてもよいし、2種以上の重合体を含んでいてもよい。
 重合体の含有量は、密着性の観点から、中間層の全質量に対して、20質量%~100質量%であることが好ましく、50質量%~100質量%であることがより好ましい。
[0096]
〔pH感受性色素〕
 上記中間層は、露光パターンの確認容易性の観点から、発色時における波長範囲400nm~780nmの極大吸収波長が450nm以上であり、pHにより極大吸収波長が変化するpH感受性色素を含むことが好ましい。
「極大吸収波長が変化する」とは、発色状態にある色素が消色する態様、消色状態にある色素が発色する態様、及び、発色状態にある色素が他の色相の発色状態に変化する態様のいずれの態様を指すものであってもよい。
 pH感受性色素は、視認性の観点から、光酸発生剤から発生する酸により消色する潜在性色素であることがより好ましい。
[0097]
 pH感受性色素であることの確認は、以下の方法により行うことができる。
 色素0.1gを、エタノール及び水の混合溶液(エタノール/水=1/2[質量比])100mLに溶かし、0.1mol/L(1N)の塩酸水溶液を加えてpH=1に調整する。0.01mol/L(0.01N)の水酸化ナトリウム水溶液で滴定し、発色変化と発色変化が現れた際のpHとを確認する。なお、pHは、pHメーター(型番:HM-31、東亜ディーケーケー(株)製)を用いて25℃で測定される値である。
[0098]
 本開示における極大吸収波長の測定方法は、大気の雰囲気下で、25℃にて分光光度計:UV3100((株)島津製作所製)を用いて、400nm~780nmの範囲で透過スペクトルを測定し、光の強度が極小となる波長(極大吸収波長)を測定するものとする。
[0099]
 露光により消色する色素としては、例えば、ロイコ化合物、ジフェニルメタン系色素、オキザジン系色素、キサンテン系色素、イミノナフトキノン系色素、アゾメチン系色素、アントラキノン系色素等が挙げられる。
 中でも、色素としては、視認性の観点から、ロイコ化合物が好ましい。
 ロイコ化合物としては、トリアリールメタン系(例えばトリフェニルメタン系)、スピロピラン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系、ローダミンラクタム系、インドリルフタリド系、ロイコオーラミン系等のロイコ化合物が挙げられる。中でも、トリアリールメタン骨格を有するロイコ化合物(トリアリールメタン系色素)が好ましく、トリフェニルメタン系色素がより好ましい。
 また、ロイコ化合物としては、視認性の観点から、ラクトン環、スルチン環、又はスルトン環を有し、ラクトン環、スルチン環、又は、スルトン環が開環又は閉環するものが好ましく、スルトン環を有し、スルトン環が閉環して消色するロイコ化合物であることがより好ましい。
[0100]
 色素は、色素の析出による欠陥を防止する観点からは、水溶性の化合物であることが好ましい。
 また、色素は、22℃におけるpH7.0の水100gへの溶解度が、1g以上であることが好ましく、5g以上であることがより好ましい。
[0101]
 中間層は、色素を、1種単独で含んでいてもよいし、2種以上の色素を含んでいてもよい。
 上記中間層における色素の含有量は、視認性の観点から、中間層の全質量に対し、0.01質量%~10質量%であることが好ましく、0.5質量%~5質量%であることがより好ましく、1.0質量%~3.0質量%であることが更に好ましい。
[0102]
〔界面活性剤〕
 中間層は、厚さ均一性の観点から界面活性剤を含有することが好ましい。界面活性剤としては、フッ素原子を有する界面活性剤、ケイ素原子を有する界面活性剤、フッ素原子もケイ素原子も有さない界面活性剤のいずれも使用することができる。中でも、界面活性剤としては、感光性樹脂層及び中間層におけるスジの発生抑制、及び、密着性の観点から、フッ素原子を有する界面活性剤であることが好ましく、パーフルオロアルキル基とポリアルキレンオキシ基とを有する界面活性剤であることがより好ましい。
 また、界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、ノニオン性(非イオン性)、又は、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン性界面活性剤である。
 界面活性剤は、界面活性剤の析出抑制の観点から、25℃の水100gに対する溶解度が1g以上であるものが好ましい。
[0103]
 中間層は、界面活性剤を、1種単独で含んでいてもよいし、2種以上の界面活性剤を含んでいてもよい。
 上記中間層における界面活性剤の含有量は、感光性樹脂層及び中間層におけるスジの発生抑制、及び、密着性の観点から、中間層の全質量に対して、0.05質量%~2.0質量%であることが好ましく、0.1質量%~1.0質量%であることがより好ましく、0.2質量%~0.5質量%であることが特に好ましい。
[0104]
〔無機フィラー〕
 中間層は無機フィラーを含んでいてもよい。本開示における無機フィラーは特に制限はない。シリカ粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ジルコニウム粒子等が挙げられ、シリカ粒子がより好ましい。透明性の観点から粒径の小さい粒子が好ましく、100nm以下の平均粒径のものが更に好ましい。例えば市販品であればスノーテックス(登録商標)が好適に用いられる。
[0105]
 上記中間層における上記粒子の体積分率(中間層における粒子が占める体積割合)は、中間層と感光層との密着性の観点から、中間層の全体積に対し、5%~90%であることが好ましく、10%~80%であることがより好ましく、20%~60%であることが更に好ましい。
[0106]
〔pH調整剤〕
 中間層はpH調整剤を含んでいてもよい。pH調整剤を含むことで、中間層中の色素の発色状態又は消色状態をより安定的に維持することができ、感光性樹脂層と中間層との密着性がより向上する。
 本開示におけるpH調整剤は特に制限はない。例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、有機アミン、有機アンモニウム塩等が挙げられる。水溶性の観点から水酸化ナトリウムが好ましい。感光性樹脂層と中間層との密着性の観点からは、有機アンモニウム塩が好ましい。
[0107]
<<中間層の平均厚さ>>
 中間層の平均厚さは、感光性樹脂層と中間層との密着性、及び、パターン形成性の観点から、0.3μm~10μmであることが好ましく、0.3μm~5μmであることがより好ましく、0.3μm~2μmであることが特に好ましい。
 また、中間層の平均厚さは、感光性樹脂層の平均厚さよりも薄いことが好ましい。
[0108]
 中間層は、2層以上の層を有することができる。
 中間層が2層以上の層を有する場合、各層の平均厚さは上記範囲内であれば特に限定されないが、中間層における2層以上の層のうち、感光性樹脂層に最も近い層の平均厚さは、中間層と感光性樹脂層との密着性、及び、パターン形成性の観点から、0.3μm~10μmが好ましく、0.3μm~5μmがより好ましく、0.3μm~2μmが特に好ましい。
[0109]
<<中間層の形成方法>>
 本開示における中間層は、中間層の形成に用いる成分と、水溶性溶剤とを含有する中間層形成用組成物を調製し、塗布及び乾燥して形成することができる。各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、得られた溶液をあらかじめ定めた割合で混合して組成物を調製することもできる。以上の如くして調製した組成物は、孔径3.0μmのフィルター等を用いてろ過を行ってもよい。
 中間層形成用組成物を仮支持体に塗布し、乾燥させることで、仮支持体上に中間層を形成することができる。塗布方法は特に限定されず、スリット塗布、スピン塗布、カーテン塗布、インクジェット塗布などの公知の方法で塗布することができる。
[0110]
〔中間層形成組成物〕
 中間層形成組成物は、中間層の形成に用いる成分と、水溶性溶剤とを含むことが好ましい。各成分に水溶性溶剤を含有させて粘度を調節し、塗布及び乾燥することで、中間層を好適に形成することができる。
[0111]
-水溶性溶剤-
 水溶性溶剤としては、公知の水溶性溶剤を用いることができ、例えば、水、炭素数1~6のアルコール等が挙げられ、水を含むことが好ましい。炭素数1~6のアルコールとしては、具体的には、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、n-ペンタノール、及び、n-ヘキサノールが挙げられる。中でも、メタノール、エタノール、n-プロパノール、及び、イソプロパノールよりなる群から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。
[0112]
<カバーフィルム>
 本開示に係る感光性転写材料は、感光性転写材料における仮支持体が設けられた側の面とは反対側の面に、カバーフィルムを有することが好ましい。
 カバーフィルムとしては、樹脂フィルム、紙等が挙げられ、強度及び可撓性等の観点から、樹脂フィルムが特に好ましい。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、トリ酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等が挙げられる。中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
[0113]
 カバーフィルムの平均厚さは特に限定されず、例えば、1μm~2mmのものが好ましく挙げられる。
[0114]
<その他の層>
 本開示に係る感光性転写材料は、上述した以外の層(以下、「その他の層」ともいう。)を有していてもよい。その他の層としては、コントラストエンハンスメント層、熱可塑性樹脂層等を挙げることができる。
 コントラストエンハンスメント層の好ましい態様については国際公開第2018/179640号の段落0134、熱可塑性樹脂層の好ましい態様については特開2014-85643号公報の段落0189~段落0193、及び、更に他の層の好ましい態様については特開2014-85643号公報の段落0194~段落0196にそれぞれ記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
[0115]
 ここで図1を参照して、本開示に係る感光性転写材料の層構成の一例を概略的に示す。
 図1に示す感光性転写材料100は、仮支持体12と、感光性樹脂層14-1及び中間層14-2を積層してなる転写層14と、カバーフィルム16とがこの順に積層されている。以下、本開示において「転写層」と記載した場合は、積層された感光性樹脂層及び中間層の両方を表すものとする。
[0116]
(感光性転写材料の製造方法)
 本開示に係る感光性転写材料の製造方法は、特に制限はなく、公知の製造方法、例えば、公知の各層の形成方法等を用いることができる。
 中でも、本開示に係る感光性転写材料の製造方法としては、中間層形成用組成物を仮支持体上に塗布及び乾燥し中間層を形成する工程、並びに、感光性樹脂組成物を中間層上に塗布及び乾燥し感光性樹脂層を形成する工程を含む方法が好ましく挙げられる。
 また、本開示に係る感光性転写材料の製造方法は、上記感光性樹脂層を形成する工程の後に、上記感光性樹脂層上にカバーフィルムを設ける工程を更に含むことが好ましい。
[0117]
(樹脂パターンの製造方法、及び、回路配線の製造方法)
 本開示に係る樹脂パターンの製造方法は、本開示に係る感光性転写材料を用いた樹脂パターンの製造方法であれば、特に制限はないが、本開示に係る感光性転写材料における上記仮支持体に対して感光性樹脂層を有する側の最外層を基板に接触させて貼り合わせる工程(以下、「貼り合わせ工程」ということがある。)と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程(以下、「露光工程」ということがある。)と、露光された上記感光性樹脂層を現像してパターンを形成する工程(以下、「現像工程」ということがある。)と、をこの順に含むことが好ましい。
 また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法における上記基板は、導電層を有する基板であることが好ましく、表面に導電層を有する基板であることがより好ましい。
 本開示に係る回路配線の製造方法は、本開示に係る感光性転写材料を用いる方法であればよいが、本開示に係る感光性転写材料の、上記仮支持体に対して感光性樹脂層を有する側の最外層を、導電層を有する基板に貼り合わせる工程(以下、「貼り合わせ工程」ということがある。)と、貼り合わせた上記感光性転写材料における上記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、パターン露光された上記感光性樹脂層を少なくとも現像して樹脂パターンを形成する工程と、上記樹脂パターンが配置されていない領域における上記基板をエッチング処理する工程(以下、「エッチング工程」ということがある。)と、をこの順に含むことが好ましい。
 本開示に係る回路配線の製造方法における上記基板は、表面に上記導電層を有する基板であることが好ましい。
[0118]
 また、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記貼り合わせ工程、上記露光工程、上記現像工程、及び、上記エッチング工程の4工程を1セットとして、複数回繰り返す態様も好ましく挙げられる。
 更に、後述するように基板を再利用(リワーク)できるため、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記貼り合わせ工程、上記露光工程、上記現像工程、及び、上記エッチング工程の4工程を行った後、上記樹脂パターンに対して上記露光工程を行い、上記現像工程、及び、上記エッチング工程を更に行う態様も好ましく挙げられる。
[0119]
 以下、リワークについて説明する。
 上記感光性樹脂層は、活性光線を照射していない部分を像として残すポジ型である。上記感光性樹脂層では、活性光線を照射することにより、例えば活性光線を照射されて酸を発生する感光剤などを用いて露光部の溶解性を高めるため、パターン露光時点では露光部及び未露光部がいずれも硬化せず、得られたパターン形状が不良であった場合には全面露光などによって基板を再利用(リワーク)できる。
 上記回路配線の製造方法の実施形態としては、国際公開第2006/190405号を参考にすることができ、この内容は本明細書に組み込まれる。
[0120]
<貼り合わせ工程>
 本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、本開示に係る感光性転写材料における上記仮支持体に対して感光性樹脂層を有する側の最外層を、基板、好ましくは導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程(貼り合わせ工程)を含むことが好ましい。
 上記貼り合わせ工程においては、上記導電層と、本開示に係る感光性転写材料における上記仮支持体に対して感光性樹脂層を有する側の最外層と、が接触するように圧着させることが好ましい。上記態様であると、露光及び現像後のパターン形成された感光性樹脂層を、導電層をエッチングする際のエッチングレジストとして好適に用いることができる。
 上記基板と上記感光性転写材料とを圧着する方法としては、特に制限はなく、公知の転写方法、及び、ラミネート方法を用いることができる。
 感光性転写材料の基板への貼り合わせは、感光性転写材料の、感光性樹脂層を有する側の最外層を基板上に重ね、ロール等による加圧及び加熱することに行われることが好ましい。貼り合わせには、ラミネーター、真空ラミネーター、及び、より生産性を高めることができるオートカットラミネーター等の公知のラミネーターを使用することができる。本開示に係る回路配線の製造方法は、ロールツーロール方式により行われることが好ましい。そのため、基板を構成する基材は、樹脂フィルムであることが好ましい。
 以下、ロールツーロール方式について説明する。
 ロールツーロール方式とは、基板として、巻き取り及び巻き出しが可能な基板を用い、回路配線の製造方法に含まれるいずれかの工程の前に、基板又は基板を含む構造体を巻き出す工程(「巻き出し工程」ともいう。)と、いずれかの工程の後に、基材又は基板を含む構造体を巻き取る工程(「巻き取り工程」ともいう。)と、を含み、少なくともいずれかの工程(好ましくは、全ての工程、又は加熱工程以外の全ての工程)を、基材又は基板を含む構造体を搬送しながら行う方式をいう。
 巻き出し工程における巻き出し方法、及び巻き取り工程における巻取り方法としては、特に制限されず、ロールツーロール方式を適用する製造方法において、公知の方法を用いればよい。
[0121]
 本開示に用いられる基板は、導電層を有する基板であることが好ましく、基材の表面に導電層を有する基板であることがより好ましい。
 導電層を有する基板は、例えば、ガラス、シリコン、フィルムなどの基材上に、導電層を有し、必要により任意の層が形成されてもよい。
 基材は透明であることが好ましい。
 基材の屈折率は、1.50~1.52であることが好ましい。
 基材は、ガラス基材等の透光性基材で構成されていてもよく、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、上述の透明基材としては、特開2010-86684号公報、特開2010-152809号公報及び特開2010-257492号公報に用いられている材料を好ましく用いることができる。
 基材として樹脂フィルム基材を用いる場合は、光学的に歪みが小さい基材、及び、透明度が高い基材を用いることがより好ましい。具体的な素材としては、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマーを挙げることができる。
[0122]
 基材上に導電層を有する基板は、ロールツーロール方式で製造する観点から、フィルム基材であることが好ましい。本開示に係る回路配線の製造方法においては、回路配線がタッチパネル用の回路配線である場合、基材はシート状樹脂組成物であることが特に好ましい。
[0123]
 基材上に形成されている導電層としては、一般的な回路配線又はタッチパネル配線に用いられる任意の導電層を挙げることができる。
 導電層としては、導電性及び細線形成性の観点から、金属層、導電性金属酸化物層、グラフェン層、カーボンナノチューブ層、及び、導電ポリマー層よりなる群から選ばれた少なくとも1種の層が好ましく挙げられる。導電層は金属層であることがより好ましく、銅層、又は、銀層であることが特に好ましい。
 また、基材上に導電層を1層有していても、2層以上有していてもよい。2層以上の場合は、異なる材質の導電層を有することが好ましい。
 導電層の材料としては、金属及び導電性金属酸化物などを挙げることができる。
 金属としては、Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo、Ag、Au等を挙げることができる。
 導電性金属酸化物としては、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、SiO 等を挙げることができる。なお、本開示における「導電性」とは、体積抵抗率が1×10 Ωcm未満であることをいう。体積抵抗率は1×10 Ωcm未満であることが好ましい。
[0124]
 本開示に係る回路配線の製造方法において、基材上に複数の導電層を有する基板を用いる場合、複数の導電層のうち少なくとも一つの導電層は導電性金属酸化物を含むことが好ましい。
 導電層は、静電容量型タッチパネルに用いられる視認部のセンサーに相当する電極パターン又は周辺取り出し部の配線であることが好ましい。
[0125]
<露光工程>
 本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記貼り合わせる工程後、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程(露光工程)を含むことが好ましい。
[0126]
 本開示においてパターンの詳細な配置及び具体的サイズは特に制限されない。本開示に係る回路配線の製造方法により製造される回路配線を有する入力装置を備えた表示装置(例えばタッチパネル)の表示品質を高め、また、取り出し配線の占める面積をできるだけ小さくしたいことから、パターンの少なくとも一部(特にタッチパネルの電極パターン及び取り出し配線の部分)は100μm以下の細線であることが好ましく、70μm以下の細線であることが更に好ましい。
[0127]
 露光に使用する光源としては、感光性樹脂層を露光可能な波長域の光(例えば、365nm、405nm等)を照射するものであれば、適宜選定して用いることができる。具体的には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LED(Light Emitting Diode)等が挙げられる。
[0128]
 露光量としては、5mJ/cm ~200mJ/cm であることが好ましく、10mJ/cm ~100mJ/cm であることがより好ましい。
[0129]
 露光工程においては、感光性樹脂層から仮支持体を剥離した後にパターン露光してもよく、仮支持体を剥離する前に、仮支持体を介してパターン露光し、その後、仮支持体を剥離してもよい。感光性樹脂層とマスクとの接触によるマスク汚染の防止、及びマスクに付着した異物による露光への影響を避けるためには、仮支持体を剥離せずにパターン露光することが好ましい。なお、パターン露光は、マスクを介した露光でもよいし、レーザー等を用いたダイレクト露光でもよい。
[0130]
<現像工程>
 本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、上記露光する工程後、露光された上記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程(現像工程)を含むことが好ましい。
 また、上記感光性転写材料が中間層を有する場合、現像工程においては、露光された部分の中間層も、露光された感光性樹脂層とともに除去される。更に、現像工程においては、未露光部の中間層も現像液に溶解あるいは分散する形で除去されてもよい。
[0131]
 上記現像工程における露光された上記感光性樹脂層の現像は、現像液を用いて行うことができる。
 現像液としては、感光性樹脂層の非画像部を除去することができれば特に制限はなく、例えば、特開平5-72724号公報に記載の現像液など、公知の現像液を使用することができる。なお、現像液は感光性樹脂層の露光部(ポジ型)が溶解型の現像挙動をする現像液が好ましい。例えば、pKa=7~13の化合物を0.05mol/L(リットル)~5mol/Lの濃度で含むアルカリ水溶液系の現像液が好ましい。現像液は、更に、水溶性の有機溶剤、界面活性剤等を含有してもよい。本開示において好適に用いられる現像液としては、例えば、国際公開第2015/093271号の段落0194に記載の現像液が挙げられる。
[0132]
 現像方式としては、特に制限はなくパドル現像、シャワー現像、シャワー及びスピン現像、ディップ現像等のいずれでもよい。ここで、シャワー現像について説明すると、露光後の感光性樹脂層に現像液をシャワーにより吹き付けることにより、露光部分を除去することができる。また、現像の後に、洗浄剤などをシャワーにより吹き付け、ブラシなどで擦りながら、現像残渣を除去することが好ましい。現像液の液温度は20℃~40℃であることが好ましい。
[0133]
 本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、更に、現像して得られた感光性樹脂層を含むパターンを加熱処理するポストベーク工程を有していてもよい。
 ポストベークの加熱は8.1kPa~121.6kPaの環境下で行うことが好ましく、50.66kPa以上の環境下で行うことがより好ましい。一方、111.46kPa以下の環境下で行うことがより好ましく、101.3kPa以下の環境下で行うことが特に好ましい。
 ポストベークの温度は、80℃~250℃であることが好ましく、110℃~170℃であることがより好ましく、130℃~150℃であることが特に好ましい。
 ポストベークの時間は、1分~30分であることが好ましく、2分~10分であることがより好ましく、2分~4分であることが特に好ましい。
 ポストベークは、空気環境下で行っても、窒素置換環境下で行ってもよい。
[0134]
 また、本開示に係る樹脂パターンの製造方法は、さらに、ポスト露光工程等、その他の工程を有していてもよい。本開示に係る回路配線の製造方法は、後述のエッチング工程の前に、ポスト露光工程等、その他の工程を有していてもよい。
[0135]
<エッチング工程>
 本開示に係る回路配線の製造方法は、上記樹脂パターンが配置されていない領域における基板をエッチング処理する工程(エッチング工程)を含むことが好ましい。
[0136]
 上記エッチング工程では、上記現像工程により上記感光性樹脂層から形成されたパターンを、エッチングレジストとして使用し、上記導電層のエッチング処理を行う。
 エッチング処理の方法としては、特開2010-152155号公報の段落0048~段落0054等に記載の方法、公知のプラズマエッチング等のドライエッチングによる方法など、公知の方法を適用することができる。
[0137]
 例えば、エッチング処理の方法としては、一般的に行われている、エッチングの対象をエッチング液に浸漬するウェットエッチング法が挙げられる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液は、エッチングの対象に合わせて酸性タイプ又はアルカリ性タイプのエッチング液を適宜選択すればよい。
 酸性タイプのエッチング液としては、塩酸、硫酸、フッ酸、リン酸等の酸性成分単独の水溶液、酸性成分と塩化第二鉄、フッ化アンモニウム、過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。酸性成分は、複数の酸性成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
 アルカリ性タイプのエッチング液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、有機アミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドのような有機アミンの塩等のアルカリ成分単独の水溶液、アルカリ成分と過マンガン酸カリウム等の塩の混合水溶液等が例示される。アルカリ成分は、複数のアルカリ成分を組み合わせた成分を使用してもよい。
[0138]
 エッチング液の温度は特に制限されないが、45℃以下であることが好ましい。本開示においてエッチングマスク(エッチングパターン)として使用される樹脂パターンは、45℃以下の温度域における酸性及びアルカリ性のエッチング液に対して特に優れた耐性を発揮することが好ましい。樹脂パターンがこのような耐性を有すると、エッチング工程中に感光性樹脂層が剥離することが防止され、感光性樹脂層の存在しない部分が選択的にエッチングされることになる。
 エッチング工程後、工程ラインの汚染を防ぐために、必要に応じて、エッチング処理された基板を洗浄する洗浄工程、及び、洗浄された基板を乾燥する乾燥工程を行ってもよい。
[0139]
<除去工程>
 本開示に係る回路配線の製造方法は、樹脂パターンを除去する工程(除去工程)を行うことが好ましい。
 除去工程は、特に制限はなく、必要に応じて行うことができるが、エッチング工程の後に行うことが好ましい。
 残存する感光性樹脂層を除去する方法としては特に制限はないが、薬品処理により除去する方法を挙げることができ、除去液を用いることが特に好ましく挙げることができる。
 感光性樹脂層の除去方法としては、好ましくは30℃~80℃、より好ましくは50℃~80℃にて撹拌中の除去液に感光性樹脂層などを有する基板を1分~30分間浸漬する方法が挙げられる。
[0140]
 除去液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ成分、又は、第1級アミン化合物、第2級アミン化合物、第3級アミン化合物、第4級アンモニウム塩化合物等の有機アルカリ成分を水、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン又はこれらの混合溶液に溶解させた除去液が挙げられる。
 また、除去液を使用し、スプレー法、シャワー法、パドル法等により除去してもよい。
[0141]
<<感光性樹脂層の全面露光>>
 本開示に係る回路配線の製造方法は、上記除去工程の前に、上記感光性樹脂層を全面露光する工程(「全面露光工程」ともいう。)を含むことが好ましい。更に必要に応じて、全面露光した上記感光性樹脂層を加熱する工程(「加熱工程」ともいう)を含んでもよい。全面露光工程及び加熱工程は、エッチング工程後かつ除去工程前に行われることが好ましい。
 エッチング工程の後に、エッチングマスクとして使用した上記感光性樹脂層を全面露光することにより、除去液への溶解性及び除去液の浸透性が向上し、除去液を長時間使用した場合(つまり、除去液が多少疲労した場合)においても除去性に優れる。また、更に、加熱工程を含む場合、加熱工程により、光酸発生剤の反応速度、及び、発生した酸とポジ型感光性樹脂との反応速度をより向上することができ、その結果、除去性能が向上する。
[0142]
 全面露光工程における露光に使用する光源としては、特に制限はなく、公知の露光光源を用いることができる。除去性の観点から、上記露光工程と同じ波長の光を発する光源を用いることが好ましい。
[0143]
 全面露光工程における露光量は、除去性の観点から、5mJ/cm ~1,000mJ/cm であることが好ましく、10mJ/cm ~800mJ/cm であることがより好ましく、100mJ/cm ~500mJ/cm であることが特に好ましい。
[0144]
 全面露光工程における露光量は、除去性の観点から、上記露光工程における露光量以上であることが好ましく、上記露光工程における露光量よりも多いことがより好ましい。
[0145]
<その他の工程>
 本開示に係る回路配線の製造方法は、上述した以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。例えば、以下のような工程が挙げられるが、これらの工程に制限されない。
 また、本開示における露光工程、現像工程、及びその他の工程の例としては、特開2006-23696号公報の段落0035~段落0051に記載の方法を本開示においても好適に用いることができる。
[0146]
<<カバーフィルム剥離工程>>
 本開示に係る樹脂パターンの製造方法、又は、本開示に係る回路配線の製造方法は、本開示に係る感光性転写材料がカバーフィルムを有する場合、上記感光性転写材料のカバーフィルムを剥離する工程(「カバーフィルム剥離工程」ということがある。)を含むことが好ましい。カバーフィルムを剥離する方法は、制限されず、公知の方法を適用することができる。
[0147]
<<可視光線反射率を低下させる工程>>
 本開示に係る回路配線の製造方法は、基材上の複数の導電層の一部又は全ての可視光線反射率を低下させる処理をする工程を含むことが可能である。
 可視光線反射率を低下させる処理としては、酸化処理などを挙げることができる。例えば、銅を酸化処理して酸化銅とすることで、黒化することにより、可視光線反射率を低下させることができる。
 可視光線反射率を低下させる処理の好ましい態様については、特開2014-150118号公報の段落0017~段落0025、並びに、特開2013-206315号公報の段落0041、段落0042、段落0048及び段落0058に記載があり、この公報の内容は本明細書に組み込まれる。
[0148]
<<絶縁膜を形成する工程、絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程>>
 本開示に係る回路配線の製造方法は、形成した回路配線上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程と、を含むことも好ましい。
 このような構成により、上述の第二の電極パターンを、第一の電極パターンと絶縁しつつ、形成することができる。
 絶縁膜を形成する工程については、特に制限はなく、公知の永久膜を形成する方法を挙げることができる。また、絶縁性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの絶縁膜を形成してもよい。
 絶縁膜上に新たな導電層を形成する工程については、特に制限はない。導電性を有する感光性材料を用いて、フォトリソグラフィにより所望のパターンの新たな導電層を形成してもよい。
[0149]
 本開示に係る回路配線の製造方法は、基材の両方の表面にそれぞれ複数の導電層を有する基板を用い、基材の両方の表面に形成された導電層に対して逐次又は同時に回路形成することも好ましい。このような構成により、基材の一方の表面に第一の導電パターン、もう一方の表面に第二の導電パターンを形成したタッチパネル用回路配線を形成することができる。また、このような構成のタッチパネル用回路配線を、ロールツーロールで基材の両面から形成することも好ましい。
[0150]
 本開示に係る回路配線の製造方法により製造される回路配線は、種々の装置に適用することができる。本開示に係る回路配線の製造方法により製造される回路配線を備えた装置としては、例えば入力装置等であり、タッチパネルであることが好ましく、静電容量型タッチパネルであることがより好ましい。また、上記入力装置は、有機EL表示装置、液晶表示装置等の表示装置に適用することができる。
[0151]
(タッチパネルの製造方法)
 本開示に係るタッチパネルの製造方法は、本開示に係る感光性転写材料を用いる方法であればよいが、本開示に係る感光性転写材料における上記仮支持体に対して感光性樹脂層を有する側の最外層を導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程(貼り合わせ工程)と、上記感光性樹脂層をパターン露光する工程(露光工程)と、露光された上記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程(現像工程)と、上記樹脂パターンが配置されていない領域における上記基板をエッチング処理する工程(エッチング工程)と、をこの順に含むことが好ましい。
[0152]
 本開示に係るタッチパネルの製造方法における、各工程の具体的な態様、及び、各工程を行う順序等の実施態様については、上述の「回路配線の製造方法」の項において説明した通りであり、好ましい態様も同様である。
 本開示に係るタッチパネルの製造方法は、上述した以外は、公知のタッチパネルの製造方法を参照することができる。
 また、本開示に係るタッチパネルの製造方法は、上述した以外の任意の工程(その他の工程)を含んでもよい。
[0153]
 本開示に係るタッチパネルの製造方法において用いられるマスクのパターンの一例を、図2及び図3に示す。
 図2に示されるパターン(以下、パターンAとも称する)、及び、図3に示されるパターン(以下、パターンBとも称する)において、SL及びGは非画像部(遮光部)であり、DLはアライメント合わせの枠を仮想的に示したものである。本開示に係るタッチパネルの製造方法において、例えば、図2に示されるパターンAを有するマスクを介して感光性樹脂層を露光することで、SL及びGに対応するパターンAを有する回路配線が形成されたタッチパネルを製造できる。具体的には、国際公開第2016/0190405号の図1に記載の方法で作製できる。製造されたタッチパネルの一例においては、Gは透明電極(タッチパネル用電極)が形成される部分であり、SLは周辺取出し部の配線が形成される部分である。
[0154]
 本開示に係るタッチパネルは、本開示に係る回路配線の製造方法により製造された回路配線を少なくとも有するタッチパネルである。また、本開示に係るタッチパネルは、透明基板と、電極と、絶縁層又は保護層とを少なくとも有することが好ましい。
 本開示に係るタッチパネルにおける検出方法としては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式、及び、光学方式など公知の方式のいずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
 タッチパネル型としては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012-517051号公報の図5、図6、図7、図8に記載のもの)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2013-168125号公報の図19に記載のもの、特開2012-89102号公報の図1や図5に記載のもの)、OGS(One Glass Solution)型、TOL(Touch-on-Lens)型(例えば、特開2013-54727号公報の図2に記載のもの)、その他の構成(例えば、特開2013-164871号公報の図6に記載のもの)、各種アウトセル型(いわゆる、GG、G1・G2、GFF、GF2、GF1、G1Fなど)等を挙げることができる。
 本開示に係るタッチパネルとしては、例えば、特開2017-120345号公報の段落0229に記載のものが挙げられる。
[0155]
(フィルム及びその製造方法)
 本開示に係るフィルムは、粒子を含有する粒子含有層を少なくとも片面に有し、ヘーズ値が、0.2%以下であり、上記粒子含有層を有する側の面の表面粗さRaが、0.02μm~0.20μmである。
 本開示に係るフィルムの用途としては、特に制限はない。本開示に係るフィルムは、保護フィルム、剥離フィルム、又は、感光性転写材料の仮支持体として好適に用いることができ、感光性転写材料の仮支持体として特に好適に用いることができる。
[0156]
 本開示に係るフィルムは、新規なフィルムであり、ヘーズ値が小さく、透明性に優れるとともに、上記本開示に係る感光性転写材料における仮支持体にて述べたように、搬送時のシワ発生抑制性を備える。
 従来のフィルムとしては、特開2017-78852号公報又は特開2000-221688号公報に記載されたものが知られているが、特開2017-78852号公報に記載されたフィルムでは、搬送時のシワの発生を十分に抑制できなかった。また、特開2000-221688号公報に記載されたフィルムでは、透明性が十分でなく、また、透明性と搬送時のシワ発生抑制性とを両立できなかった。また、特開2000-221688号公報には、ポジ型の感光性転写材料について何ら記載されていない。
[0157]
 本開示に係るフィルムの好ましい態様等の構成の詳細は、後述する態様以外、上記本開示に係る感光性転写材料における仮支持体の好ましい態様等の構成の詳細と同様である。
 本開示に係るフィルムは、光学特性、耐溶剤性及び耐熱性の観点から、ポリエステル樹脂を含むことが好ましく、ポリエチレンテレフタレートを含むことがより好ましい。
 また、本開示に係るフィルムは、光学特性、耐溶剤性及び耐熱性の観点から、ポリエステル樹脂フィルムであることが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムであることがより好ましい。
 更に、本開示に係るフィルムは、透明性、及び、搬送時のシワ発生抑制性の効果をより発揮する観点から、延伸フィルムであることが好ましく、二軸延伸フィルムであることがより好ましい。
[0158]
 本開示に係るフィルムの製造方法としては、特に制限はないが、第一延伸方向に延伸された一軸延伸フィルム上に、粒子を含有する層を形成する工程、及び、上記一軸延伸フィルム及び上記一軸延伸フィルム上に形成された上記粒子を含有する層を、上記一軸延伸フィルムにおけるフィルム面に沿って上記第一延伸方向と直交する第二延伸方向に延伸する工程を含む製造方法であることが好ましく、第一延伸方向に延伸された一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、粒子を含有する層を形成する工程、及び、上記一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム及び上記一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に形成された上記粒子を含有する層を、上記一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにおけるフィルム面に沿って上記第一延伸方向と直交する第二延伸方向に延伸する工程を含む製造方法であることがより好ましい。
 上記延伸時の延伸倍率、及び、延伸温度等については、特に制限はなく、所望に応じ、公知の延伸方法を参照して行うことができる。
 また、本開示に係るフィルムの製造方法は、上記粒子を含有する層を形成する工程の前に、未延伸フィルムを一軸延伸し一軸延伸フィルムを作製する工程を更に含んでいてもよい。
 また、本開示に係るフィルムの製造方法は、上述した以外の他の工程を更に含んでいてもよい。
実施例
[0159]
 以下に実施例を挙げて本開示に係る実施形態を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、及び、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。したがって、本開示に係る実施形態の範囲は以下に示す具体例に限定されない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
[0160]
<製造例1>
 以下の方法で基材として用いるポリエステルフィルムの一方の面に塗布液1を塗布し、下記条件により延伸することによって仮支持体を作製した。
[0161]
〔粒子含有層形成用の塗布液の調製〕
 下記に示す配合量で、各成分を混合し、塗布液1を得た。塗布液1の調製後塗布までに、塗布液1に対して孔径6μmフィルター(F20、(株)マーレフィルターシステムズ製)でのろ過、及び、膜脱気(2×6ラジアルフロースーパーフォビック、ポリポア(株)製)を実施した。
[0162]
-塗布液1-
・アクリルポリマー(AS-563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分27.5質量%):167部
・ノニオン系界面活性剤(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分100質量%):0.7部
・アニオン系界面活性剤(ラピゾールA-90、日油(株)製、固形分1質量%水希釈):114.4部
・カルナバワックス分散物(セロゾール524、中京油脂(株)製、固形分30質量%)7部
・カルボジイミド化合物(カルボジライトV-02-L2、日清紡(株)製、固形分10質量%水希釈):20.9部
・シリカ粒子(スノーテックスXL、日産化学(株)製、固形分40質量%、算術平均粒径50nm):2.8部
・水:690.2部
[0163]
〔押出成形〕
 特許第5575671号公報の実施例1に記載のクエン酸キレート有機チタン錯体を重合触媒としたポリエチレンテレフタレートのペレットを、含水率50ppm以下に乾燥させた後、直径30mmの1軸混練押出し機のホッパーに投入し、280℃で溶融して押出した。この溶融体(メルト)を、濾過器(孔径3μm)に通した後、ダイから25℃の冷却ロールに押出し、未延伸フィルムを得た。なお、押出されたメルトは、静電印加法を用い冷却ロールに密着させた。
[0164]
〔延伸、及び、塗布〕
 上記方法で冷却ロール上に押出し、固化した未延伸フィルムに対し、以下の方法で逐次2軸延伸を施し、厚み25μmの基材(ポリエステルフィルム)と厚み40nmの粒子含有層とを有する仮支持体を得た。
[0165]
(a)縦延伸
 未延伸フィルムを周速の異なる2対のニップロールの間に通し、縦方向(搬送方向)に延伸した。なお、予熱温度を75℃、延伸温度を90℃、延伸倍率を3.4倍、延伸速度を1,300%/秒として実施した。
[0166]
(b)塗布
 縦延伸したフィルムの片面に、上記塗布液1を、製膜後40nmの厚みとなるように、バーコーターで塗布した。
[0167]
(c)横延伸
 上記縦延伸と塗布を行ったフィルムに対し、テンターを用いて下記条件にて横延伸した。
<<条件>>
 予熱温度:110℃
 延伸温度:120℃
 延伸倍率:4.2倍
 延伸速度:50%/秒
[0168]
〔熱固定、及び、熱緩和〕
 続いて、縦延伸及び横延伸を終えた後の延伸フィルムを下記条件で熱固定した。更に、熱固定した後、テンター幅を縮め下記条件で熱緩和した。
-熱固定条件-
 熱固定温度:227℃
 熱固定時間:6秒
-熱緩和条件-
 熱緩和温度:190℃
 熱緩和率:4%
[0169]
〔巻き取り〕
 熱固定及び熱緩和の後、両端をトリミングし、端部に幅10mmで押出し加工(ナーリング)を行った後、張力40kg/mで巻き取った。なお、幅は1.5m、巻長は6300mであった。得られたフィルムロールを、製造例1の仮支持体とした。
 得られた仮支持体の基材は、ヘーズ値:0.2、150℃、30分加熱による熱収縮率は、MD(搬送方向、Machine Direction):1.0%、TD(フィルムの面上において搬送方向と直交する方向、Transverse Direction):0.2%であった。塗布層の膜厚は断面TEM写真から測定し、40nmであった。ヘーズ値はヘーズメーター(日本電色工業(株)製、NDH2000)を用いて全光ヘーズの値として測定した。
[0170]
〔粒子の算術平均粒径の測定方法〕
 (株)日立ハイテクノロジーズ製HT-7700型透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、加速電圧100kVで観察し、任意に抽出した粒子400個の直径の平均値(算術平均粒径)を求めた。なお、実施例で使用した仮支持体において、明らかに大きい凝集物(異物、ゴミ等)はカウントしなかった。
[0171]
〔粒子含有層の片面又は両面における存在位置の判定〕
 仮支持体を断面切削し、断面を上記TEMにて観察して、粒子含有層が存在するか否かを、仮支持体の両面それぞれにおいて判定した。
[0172]
〔ヘーズ値の測定〕
 ヘーズメーターNDH400(日本電色工業(株)製)を用いて、仮支持体の面方向の10箇所においてヘーズ値を測定し、その平均値を求めた。
[0173]
〔Raの測定方法〕
 仮支持体の測定面について、3次元光学プロファイラー(New View7300、Zygo社製)を用いて、以下の条件にて、仮支持体の表面プロファイルを得た。なお、測定及び解析ソフトには、MetroPro ver8.3.2のMicroscope Applicationを用いた。次に、上記解析ソフト(MetroPro ver8.3.2-Microscope Application)にてSurface Map画面を表示し、Surface Map画面中でヒストグラムデータを得た。得られたヒストグラムデータから、算術平均粗さを算出し、得られる値を表面粗さRaとする。
[0174]
-測定条件-
 対物レンズ:50倍
 Zoom:0.5倍
 測定領域:1.00mm×1.00mm
 (解析条件)
 Removed:plane
 Filter:off
 FilterType:average
 Remove spikes:on
 Spike Height(xRMS):7.5
[0175]
<製造例2>
 塗布液1を塗布する際のバーを調整して製膜後膜厚を60nmに変えた以外は、製造例1と同様にして、製造例2の仮支持体を得た。
[0176]
<製造例3>
 塗布液1のシリカ粒子をスノーテックスZL(シリカ粒子、日産化学(株)製、固形分40質量%、算術平均粒径85nm)に変更し、塗布液を塗布する際のバーを調整して製膜後膜厚を50nmに変えた以外は、製造例1と同様にして、製造例3の仮支持体を得た。
[0177]
<製造例4>
 塗布液1のシリカ粒子の量を増やし、塗布液を塗布する面を両面にし、塗布する際のバーを調整して製膜後膜厚を50nmに変えた以外は、製造例1と同様にして、製造例4の仮支持体を得た。
[0178]
<製造例5>
 ダイから押出した未延伸フィルムの厚みを4/5倍に変更した以外は、製造例1と同様にして、製造例5の仮支持体を得た。
[0179]
<製造例6>
 実施例13に用いた仮支持体は、以下の方法で、基材として用いるポリエステルフィルムを準備し、このポリエステルフィルムの片面に、粒子含有層形成用の塗布液2を塗布して、延伸することによって得た。
[0180]
〔押出成形〕
 特許第5575671号公報に記載のチタン化合物を重合触媒としたポリエチレンテレフタレートのペレットを、含水率50ppm以下に乾燥させた後、直径30mmの1軸混練押出し機のホッパーに投入し、280℃で溶融して押出した。この溶融体(メルト)を、濾過器(孔径3μm)を通した後、ダイから25℃の冷却ロールに押出し、未延伸フィルムを得た。なお、押出されたメルトは、静電印加法を用い冷却ロールに密着させた。
[0181]
〔延伸及び塗布〕
 上記方法で冷却ロール上に押出し、固化した未延伸フィルムに対し、以下の方法で逐次2軸延伸を施し、厚み30μmの基材(ポリエステルフィルム)と厚み50nmの粒子含有層を有する仮支持体を得た。
[0182]
(a)縦延伸
 未延伸フィルムを周速の異なる2対のニップロールの間に通し、縦方向(搬送方向)に延伸した。なお、予熱温度を75℃、延伸温度を90℃、延伸倍率を3.4倍、延伸速度を1300%/秒として実施した。
[0183]
(b)塗布
 縦延伸したフィルムの上に、下記の粒子含有層形成用の塗布液2を、5.6g/m となるように、バーコーターで塗布した。
[0184]
(c)横延伸
 縦延伸と塗布を行ったフィルムに対し、テンターを用いて下記条件にて横延伸した。
-条件-
 予熱温度:110℃
 延伸温度:120℃
 延伸倍率:4.2倍
 延伸速度:50%/秒
[0185]
〔熱固定及び熱緩和〕
 続いて、縦延伸及び横延伸を終えた後の延伸フィルムを下記条件で熱固定した。更に、熱固定した後、テンター幅を縮め下記条件で熱緩和した。
-熱工程条件-
 熱固定温度:227℃
 熱固定時間:6秒
-熱緩和条件-
 熱緩和温度:190℃
 熱緩和率:4%
[0186]
〔巻き取り〕
 熱固定及び熱緩和の後、両端をトリミングし、端部に幅10mmで押出し加工(ナーリング)を行った後、張力40kg/mで巻き取った。なお、幅は1.5m、巻長は6300mであった。得られたフィルムロールを、実施例13の仮支持体とした。
[0187]
<粒子含有層形成用の塗布液2>
 下記に示す配合で、各成分を混合し、粒子含有層形成用の塗布液2を得た。その塗布液2を調製後塗布までに6μmフィルター(F20、マーレフィルターシステムズ(株)製)でのろ過及び膜脱気(2x6ラジアルフロースーパーフォビック、ポリポア(株)製)を実施した。
・アクリルポリマー(AS-563A、ダイセルファインケム(株)製、固形分27.5質量%):167部
・ノニオン系界面活性剤(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分100質量%):0.7部
・アニオン系界面活性剤(ラピゾールA-90、日油(株)製、固形分1質量%水希釈):55.7部
・カルナバワックス分散物(セロゾール524、中京油脂(株)製、固形分30質量%):7部
・カルボジイミド化合物(カルボジライトV-02-L2、日清紡(株)製、固形分10質量%水希釈):20.9部
・マット剤(シリカ粒子:スノーテックスXL、日産化学(株)製、固形分40質量%):2.8部
・マット剤(アエロジルOX50、日本アエロジル(株)製、固形分10質量%、水分散、メジアン径0.2μm):2.95部
・水:743部
[0188]
<製造例7>
 塗布液1の調製において、シリカ粒子を使用しなかった以外は製造例1と同様にして製造例7の仮支持体を得た。
[0189]
<製造例8>
 塗布液1のシリカ粒子をスノーテックスMP-2040(シリカ粒子、日産化学(株)製、固形分40質量%、算術平均粒径200nm)に変更し、塗布液を塗布する面を両面にし、塗布する際のバーを調整して製膜後膜厚を100nmに変えた以外は、製造例1と同様にして、製造例8の仮支持体を得た。
[0190]
<<ATHFの合成>>
 国際公開第2018/155193号の段落0178に従って合成した。
[0191]
<<重合体A-1の合成例>>
3つ口フラスコに酢酸イソプロピル(75.0部)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。ATHF(アクリル酸テトラヒドロ-2H-フラン-2-イル、30.0部)、MMA(メタクリル酸メチル、40.0部)、EA(アクリル酸エチル、30.0部)、V-601(Dimethyl 2,2'-azobis(2-methylpropionate)、富士フイルム和光純薬(株)製、4.0部)、酢酸イソプロピル(75.0部)を加えた溶液を、90℃±2℃に維持した3つ口フラスコ溶液中に2時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃±2℃にて2時間撹拌することで、重合体A-1(固形分濃度40.0%)を得た。
[0192]
<<重合体A-2~A-4の合成例>>
 モノマーの種類等を下記表1に示す通りに変更し、その他の条件については、重合体A-1と同様の方法で合成した。重合体A-2~A-4の固形分濃度はそれぞれ、40質量%とした。
 なお、表1のモノマーの量の単位は、質量%である。
[0193]
[表1]



[0194]
 上述した以外の表1に記載の略語の詳細を、以下に示す。
 AA:アクリル酸
 CHA:アクリル酸シクロヘキシル
 PMPMA:メタクリル酸1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル
[0195]
<感光性樹脂組成物1~7の調製>
 下記表2に示す固形分比(なお、表2における各成分の数値の単位は、質量部である。)となるように、重合体、光酸発生剤、塩基性化合物、添加剤、及び、界面活性剤をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に固形分濃度10質量%になるように溶解混合し、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターで濾過して、感光性樹脂組成物1~7をそれぞれ得た。
[0196]
[表2]



[0197]
 上述した以外の表2に記載の略語の詳細を、以下に示す。
 B-1:下記化合物
 B-2:下記化合物
 C-1:1,2,3-ベンゾトリアゾール(東京化成工業(株)製)
 C-2:N-シクロヘキシル-N’-[2-(4-モルホリニル)エチル]チオ尿素(CMTU、東洋化成工業(株)製)
 E-1:F-554、パーフルオロアルキル基含有ノニオン系界面活性剤(DIC(株)製)
 F-1:9,10-ジブトキシアントラセン
[0198]
[化5]



[0199]
(実施例1)
 製造例1で作製した仮支持体の粒子含有層を有する面とは反対側に、感光性樹脂組成物1を、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が3.0μmとなるように塗布した。その後、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させ、最後に保護フィルムとしてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM-N)を圧着して実施例1の感光性転写材料(ドライフィルムレジスト)を作製した。
[0200]
(実施例2)
<中間層用組成物1の作製>
 下記組成となるように各成分を混合して中間層用組成物1を作製した。
[0201]
-組成-
・蒸留水:37.2部
・メタノール:55.8部
・ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:HPC-SSL、日本曹達(株)製):7.0部
[0202]
 製造例1で作製した仮支持体の上に、中間層用組成物1を乾燥膜厚2.4μmとなるようにスリットコートし、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させた。次に感光性樹脂組成物1を、この中間層上に、スリット状ノズルを用いて乾燥膜厚が3.0μmとなるように塗布した。その後、100℃のコンベクションオーブンで2分間乾燥させ、最後に保護フィルムとしてポリエチレンフィルム(トレデガー社製、OSM-N)を圧着して実施例2の感光性転写材料を作製した。
[0203]
(実施例3~6、及び、13)
 製造例1で作製した仮支持体の代わりに、製造例2~6で作製した仮支持体を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例3~6、及び、実施例13の感光性転写材料をそれぞれ作製した。
[0204]
(実施例7)
 製造例1で作製した仮支持体の代わりに、厚さ16μmのポリエステルフィルム16KS40(東レ(株)製)を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例7の感光性転写材料を作製した。
 なお、ポリエステルフィルム16KS40は、フィルムの両面に粒子含有層を有するものであり、上記中間層等が形成される面における粒子含有層に含まれる粒子の算術平均粒径は50nmであり、他方の面における粒子含有層に含まれる粒子の算術平均粒径は400nmの粒子であった。
[0205]
(実施例8~12)
 感光性樹脂組成物1の代わりに、上記感光性樹脂組成物2~6を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、実施例8~12の感光性転写材料をそれぞれ作製した。
[0206]
(実施例14)
 製造例1で作製した仮支持体の代わりに、厚さ16μmのポリエステルフィルム コスモシャインA-1517(東洋紡(株)製)を用いた以外は、実施例2と同様にして、実施例14の感光性転写材料を作製した。
 なお、ポリエステルフィルム コスモシャインA-1517は、フィルムの片面に粒子含有層を有するものである。
[0207]
(比較例1)
 製造例1で作製した仮支持体の代わりに、粒子含有層のない製造例7で作製した仮支持体を用いた以外は、実施例2と同様にして、比較例1の感光性転写材料を得た。
[0208]
(比較例2)
 製造例1で作製した仮支持体の代わりに、製造例8で作製した仮支持体を用いた以外は、実施例2と同様にして、比較例2の感光性転写材料を得た。
[0209]
<エッジラフネス評価>
〔樹脂パターン及び回路配線の製造〕
 各実施例又は比較例の感光性転写材料から保護フィルムを剥離し、銅層を片面上に有する回路形成基板上に上記保護フィルムを剥離した感光性転写材料を感光性樹脂層と銅層が接触するように100℃、4m/minの速度、線圧0.6MPaの条件でラミネートし、銅層上に感光性樹脂層、(中間層を有する場合は中間層)、及び、仮支持体、が積層した積層体を作製した。
 この積層体に対し、仮支持体を剥離せずに、線幅6μmのラインアンドスペース配線パターン(開口部:遮光部の幅比は1:1)を設けたフォトマスクを用いてコンタクトパターン露光を行った。露光にはi線(365nm)を露光主波長とする高圧水銀灯を用いた。
 露光後の積層体から仮支持体を剥離後、25℃の1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用い、シャワー現像で40秒間現像し、水洗を行って、樹脂パターンを得た。
 次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu-02)を用いて銅層をエッチングし、銅配線基板を得た。得られた回路配線を、各実施例又は比較例の回路配線とした。
[0210]
〔パターン直線性(LWR)〕
 得られた各実施例又は比較例の回路配線を有する回路配線基板のラインアンドスペースパターン、及び、感光性樹脂層から形成された樹脂パターンについて、アトランダムに選んだ箇所のパターン幅を20箇所測定した。得られた線幅データから標準偏差σを算出し、標準偏差σを3倍した値をLWR(Line Width Roughness)と定義し、パターン直線性の指標とした。
 LWRは定義上、小さいほど線幅変動が小さいこととなり好ましい。6μm線幅のパターンに対しては、LWRの値によって以下のように評価される。LWRの値が小さいほどパターン直線性に優れるといえる。また、パターン直線性に優れるほど、線幅のぎざつき(エッジラフネス)に優れるともいえる。評価A~Cであることが好ましく、評価A又はBであることがより好ましく、評価Aであることが特に好ましい。
-評価基準-
  A:LWR<300nm:回路配線基板として非常に好ましい。
  B:300nm≦LWR<500nm:回路配線基板として好ましい。
  C:500nm≦LWR<700nm:回路配線基板として使用可能。
  D:700nm≦LWR:線幅変動が大きく回路不良に繋がり、好ましくない。
[0211]
<ロールツーロール適性(搬送時のシワ発生抑制性)>
 作製した感光性転写材料から保護フィルムを剥離したものを、下記の条件に従って、図4のように感光性転写材料のラミネート方向とは逆方向に引張力(感光性転写材料テンション)、銅層付基材にはラミネート方向(搬送方向)とは逆方向に引張力(銅層付基材テンション)をかけ、100℃、4m/min、線圧0.6MPaの条件で銅層付基材の両面にラミネートした。
  銅層付基材テンション:125N/m
  感光性転写材料テンション:75N/m
 図4は、実施例において使用したラミネート装置の模式断面図である。
 図4に記載のラミネート装置20においては、銅層付基材22の両面にそれぞれ、保護フィルムを剥離した感光性転写材料24a及び24bを一対のラミネートロール26によりラミネートし、積層体28が作製され、巻き取りロール30により巻き取る。また、保護フィルムを剥離した感光性転写材料24a及び24bにはそれぞれ、ラミネート方向とは逆方向T1及びT2に感光性転写材料テンションがかかっており、銅層付基材22にはラミネート方向と逆方向T3に銅層付基材テンションがかかっている。感光性転写材料24a及び24bは、それぞれ搬送ロール32a及び32bにより搬送され、ラミネート後の積層体は搬送ロール32c及び搬送ロール32dによって搬送される。
 得られた積層体を平面に置き、平面からの浮き(周囲よりも盛り上がった部分)の高さをシワの高さとして測定した。
  A:シワの高さが2mm未満
  B:シワの高さが2mm以上4mm未満
  C:シワの高さが4mm以上6mm未満
  D:シワの高さが6mm以上
 評価A又はBであることが好ましく、評価Aであることが特に好ましい。
[0212]
<露光後の経時安定性(PED)>
 露光後の経時安定性(Post Exposure Delay stability:PED)を以下のように評価した。
 樹脂パターンの製造において、パターン露光したロール状積層体を、温度23℃、湿度55%の環境下で3時間、又は、24時間経時させた。以下、「PED」の後に記載した時間は、露光後、現像開始までの経時時間を意味する。その後、上記樹脂パターンの製造に従って現像を行い、樹脂パターンを形成した。得られた樹脂パターンの解像度パターンを光学顕微鏡にて観察評価した。6μmラインアンドスペースの解像度パターンの線幅を測定した。
 PED3時間で形成した樹脂パターンの線幅に対するPED24時間で形成した樹脂パターンの線幅の変化量を評価した。評価A~Cであることが好ましく、評価A又はBであることがより好ましく、評価Aであることが特に好ましい。
  A:線幅の変動値が1.0μm未満
  B:線幅の変動値が1.0μm以上1.5μm未満
  C:線幅の変動値が1.5μm以上2.0μm未満
  D:線幅の変動値が2.0μm以上3.0μm未満
  E:線幅の変動値が3.0μm以上
[0213]
 評価結果をまとめて表3に示す。
[0214]
[表3]



[0215]
 上記表3より、実施例1~14の感光性転写材料は、搬送時のシワ発生抑制性及びPEDのいずれの評価項目においてもC以上の評価であり、比較例1又は2の感光性転写材料と比べ、搬送時のシワ発生抑制性、及び、露光後の経時安定性を両立していることがわかる。
 また、上記表3より、実施例1~14の感光性転写材料は、得られるパターンの直線性、及び、作製した回路配線パターンの直線性にも優れることがわかる。
[0216]
(実施例101)
 100μm厚PET基材上に、第2層の導電層としてITOをスパッタリングで150nm厚にて成膜し、その上に第1層の導電層として銅を真空蒸着法で200nm厚にて成膜して、回路形成用基板とした。
 銅層上に実施例1で得られた感光性転写材料を、保護フィルムを剥離して、基板に貼り合わせて(ラミネートロール温度100℃、線圧0.8MPa、線速度3.0m/min.)、積層体とした。得られた積層体を、仮支持体を剥離せずに一方向に導電層パッドが連結された構成を持つ図2に示すパターンAを設けたフォトマスクを用いてコンタクトパターン露光した。露光にはi線(365nm)を露光主波長とする高圧水銀灯を用いた。
 その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンAを得た。次いで銅エッチング液(関東化学(株)製Cu-02)を用いて銅層をエッチングした後、ITOエッチング液(関東化学(株)製ITO-02)を用いてITO層をエッチングすることで、銅とITOが共にパターンAで描画された基板を得た。
 次いで、残存しているレジスト上に保護層として実施例1と同様の仮支持体をラミネートした。この状態で、アライメントを合わせ、パターンBの開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、仮支持体を剥離した後、現像、水洗を行った。その後、Cu-02を用いて銅配線をエッチングし、残った感光性樹脂層を剥離液(関東化学(株)製KP-301)を用いて剥離し、回路配線基板を得た。
 得られた回路配線基板を、顕微鏡で観察したところ、剥がれや欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
[0217]
(実施例102)
 実施例101と同様にして、パターンAで描画された基板を得た後に、残存しているレジスト上に、実施例1で得られた感光性転写材料を、保護フィルムを剥離して、実施例101と同様の条件で再度貼り合わせた。アライメントを合わせた状態で、仮支持体を剥離せずにパターンBの開口部を設けたフォトマスクを用いてパターン露光し、その後仮支持体を剥離し、現像、水洗を行ってパターンBを得た。次いで、実施例101と同様の条件で銅配線をエッチング、残った感光性樹脂層を剥離し、導電パターンを有する回路配線基板を得た。
 得られた回路配線基板を、顕微鏡で観察したところ、剥がれ、欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
[0218]
(実施例103)
 感光性樹脂組成物1の代わりに感光性樹脂組成物7を用い、露光時の高圧水銀灯の代わりにレーザー光線(露光主波長:405nm)を用いたこと以外は、実施例101と同様にして回路配線基板を得た。
 得られた回路配線基板を、顕微鏡で観察したところ、剥がれ、欠けなどは無く、きれいなパターンであった。
[0219]
 2019年1月29日に出願された日本国特許出願2019-12982号の開示及び2019年6月25日に出願された日本国特許出願2019-116952号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
 本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

請求の範囲

[請求項1]
 仮支持体と、
 前記仮支持体上に設けられた感光性樹脂層とを有し、
 前記仮支持体が、粒子を含有する粒子含有層を有し、
 前記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaが、0.02μm~0.20μmであり、
 前記感光性樹脂層が、酸分解性基で保護された酸基を有する構成単位を含有する重合体、及び、光酸発生剤を含有する
 感光性転写材料。
[請求項2]
 前記仮支持体のヘーズ値が、0.2%以下である請求項1に記載の感光性転写材料。
[請求項3]
 前記粒子含有層の厚さが、10nm~100nmである請求項1又は請求項2に記載の感光性転写材料。
[請求項4]
 前記粒子含有層が、前記仮支持体の片面のみに設けられている請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
[請求項5]
 前記粒子の算術平均粒径が、100nm未満である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
[請求項6]
 前記仮支持体の感光性樹脂層を有する側の面とは反対側の面の表面粗さRaが、0.05μm~0.10μmである請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
[請求項7]
 前記仮支持体の厚さが、18μmを超え30μm以下である請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
[請求項8]
 前記仮支持体が、ポリエステル樹脂を含む請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
[請求項9]
 前記酸分解性基で保護された酸基が、アセタール型酸分解性基で保護されたカルボキシ基である請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
[請求項10]
 前記重合体の酸価が、10mgKOH/g以下である請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
[請求項11]
 前記光酸発生剤が、炭素数1~4のアルキルスルホン酸を発生する光酸発生剤を含む請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の感光性転写材料。
[請求項12]
 請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の感光性転写材料における前記仮支持体に対して感光性樹脂層を有する側の最外層を基板に接触させて貼り合わせる工程と、
 前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
 露光された前記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、をこの順に含む
 樹脂パターンの製造方法。
[請求項13]
 請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の感光性転写材料における前記仮支持体に対して前記感光性樹脂層を有する側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、
 前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
 露光された前記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、
 前記樹脂パターンが配置されていない領域における前記導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含む
 回路配線の製造方法。
[請求項14]
 請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の感光性転写材料における前記仮支持体に対して前記感光性樹脂層を有する側の最外層を、導電層を有する基板に接触させて貼り合わせる工程と、
 前記感光性樹脂層をパターン露光する工程と、
 露光された前記感光性樹脂層を現像して樹脂パターンを形成する工程と、
 前記樹脂パターンが配置されていない領域における前記導電層をエッチング処理する工程と、をこの順に含む
 タッチパネルの製造方法。
[請求項15]
 粒子を含有する粒子含有層を少なくとも片面に有し、
 ヘーズ値が、0.2%以下であり、
 前記粒子含有層を有する側の面の表面粗さRaが、0.02μm~0.20μmである
 フィルム。
[請求項16]
 第一延伸方向に延伸された一軸延伸フィルム上に、粒子を含有する層を形成する工程、及び、
 前記一軸延伸フィルム及び前記一軸延伸フィルム上に形成された前記粒子を含有する層を、前記一軸延伸フィルムにおけるフィルム面に沿って前記第一延伸方向と直交する第二延伸方向に延伸する工程を含む請求項15に記載のフィルムの製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]