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1. WO2016157848 - 口唇閉鎖力測定用プローブ

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明 細 書

発明の名称 口唇閉鎖力測定用プローブ

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021  

発明の効果

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028  

図面の簡単な説明

0029  

発明を実施するための形態

0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061  

産業上の利用可能性

0062  

符号の説明

0063  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

明 細 書

発明の名称 : 口唇閉鎖力測定用プローブ

技術分野

[0001]
 本発明は、口唇閉鎖力を測定する際に使用される口唇閉鎖力測定用プローブに関するものである。

背景技術

[0002]
 人間が食べ物を口に含み、噛み砕いて飲み込む一連の運動(摂食嚥下運動)には多くの器官が関連していることが知られている。特に、食べ物を噛み砕く咀嚼運動においては、歯、顎、頬、口唇、舌、頬などの器官が密接に関与している。例えば障害等によって各器官の機能が低下した場合、その低下した各器官の機能を検査、測定することによって摂食嚥下運動がうまくなされているか否か、あるいはその運動の程度を評価することが重要であり、また、摂食嚥下リハビリテーションを行った場合にその効果を検証することが重要である。
[0003]
 上記器官のうち、口唇の機能を検査する方法として、上唇と下唇を閉じる力、即ち口唇閉鎖力を測定する方法が知られている。口唇閉鎖力を測定する方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、細長い板状の器具の先端側に、圧力センサを有する圧力感知部を設け、器具の先端側を上唇と下唇との間に配置し、圧力感知部が設けられている部分を上唇と下唇で挟むことによって口唇閉鎖力を測定する方法がある。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2013-180189号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 ところで、特許文献1に開示されている板状の器具の場合、器具の先端側を上唇と下唇との間に配置しているだけなので、器具が不安定になることが考えられる。特に、機能障害によって口唇閉鎖力が小さい被測定者の場合にはそのことが顕著になる。このため、器具を手で持って安定させなければならない。しかしながら、器具を手で持つと、手の力によって圧力感知部が上唇や下唇に押し付けられる場合があり、そのことによって圧力感知部による測定結果に誤差が生じてしまう恐れがある。
[0006]
 本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、口唇閉鎖力を高精度に、かつ、安定して測定することができるようにすることにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成するために、本発明では、口唇閉鎖力を測定する際にバルーンを用い、バルーンには被測定者の歯や歯茎で挟んで固定する部位を設けるようにした。
[0008]
 具体的には、口唇閉鎖力を測定するための口唇閉鎖力測定用プローブにおいて、被測定者の上唇と下唇との間に配置され、口唇閉鎖力によって潰れ変形する中空状のバルーンと、上記バルーンの内部に連通し、該バルーンの内部の圧力を測定する圧力測定装置に接続される基部とを備え、上記バルーンには、被測定者の歯または歯茎で挟まれる被固定部が設けられていることを特徴とする。
[0009]
 この構成によれば、バルーンを被測定者の上唇と下唇との間に配置した状態で、バルーンの被固定部を被測定者の歯または歯茎で挟むと被固定部が固定されるので、バルーンの位置が定まる。この状態で被測定者が口唇を閉鎖する力を作用させると、バルーンが潰れて内部の圧力が上昇し、この圧力が圧力測定装置によって測定され、口唇閉鎖力の大きさが圧力に基づいて得られる。口唇閉鎖力を測定する際、バルーンの位置ずれが抑制されるので、口唇閉鎖力を受けたバルーンが上唇と下唇との間で滑ってしまうことはなく、バルーンの位置ずれが抑制されるとともに、高精度な測定が可能になる。
[0010]
 上記被固定部は、上記バルーンにおける口唇間への挿入方向奥側の部位から延びる板状に形成されていてもよい。
[0011]
 この構成によれば、バルーンを上唇と下唇との間に配置した状態で、被固定部が自然に口腔内に挿入されるので、歯や歯茎で容易に挟むことが可能になる。
[0012]
 上記被固定部は、被測定者の口腔において前歯に対応する部位まで延び、該前歯または歯茎で挟まれる部分であってもよい。
[0013]
 この構成によれば、例えば奥歯が無く、奥歯で物を挟むことのできない被測定者であっても前歯で被固定部を挟んでバルーンの位置ずれを抑制することが可能になる。また、総義歯装着者であって総義歯を装着していない時に、歯茎の前側で被固定部を挟んでバルーンの位置ずれを抑制することが可能になる。
[0014]
 上記被固定部には、上下方向に突出する突出部が設けられていてもよい。
[0015]
 この構成によれば、被固定部を歯または歯茎で挟んだ際に、突出部が歯や歯茎に引っ掛かるようになるので、被固定部が歯または歯茎の間から抜け難くなり、バルーンがより一層安定する。
[0016]
 上記被固定部は、被測定者の口腔において奥歯に対応する部位まで延び、該奥歯または歯茎で挟まれる部分であってもよい。
[0017]
 この構成によれば、前歯で物を挟むことのできない被測定者であっても奥歯で被固定部を挟んでバルーンの位置ずれを抑制することが可能になる。また、総義歯装着者であって総義歯を装着していない時に、歯茎の奥側で被固定部を挟んでバルーンの位置ずれを抑制することが可能になる。
[0018]
 上記被固定部は、被測定者の口腔の右側及び左側へそれぞれ延びる右側延出部及び左側延出部を有していてもよい。
[0019]
 この構成によれば、被測定者の口腔の左側及び右側に、それぞれ、被固定部の左側延出部及び右側延出部が配置されるので、左側延出部及び右側延出部を奥歯または歯茎で挟むことが可能になる。これにより、バルーンがより一層安定する。
[0020]
 上記被固定部は上記バルーンと一体成形されていてもよい。
[0021]
 この構成によれば、口唇閉鎖力測定用プローブの構成部品の数を少なくして低コストにすることが可能になる。

発明の効果

[0022]
 被測定者の上唇と下唇との間に配置されるバルーンに、被測定者の歯または歯茎で挟まれる被固定部を設けたので、口唇閉鎖力の測定中にバルーンの位置ずれを抑制することができ、口唇閉鎖力を高精度に、かつ、安定して測定することができる。
[0023]
 また、被固定部がバルーンの挿入方向奥側から延びている場合には、被固定部を歯または歯茎で容易に挟むことができる。
[0024]
 また、被固定部を被測定者の前歯または歯茎の前側で挟むようにすれば、奥歯で物を挟むことのできない被測定者であっても口唇閉鎖力を高精度で、かつ、安定して測定することができる。
[0025]
 また、被固定部に上下方向に突出する突出部を設けた場合には、被固定部が歯または歯茎の間から抜け難くなり、バルーンをより一層安定させることができる。
[0026]
 また、被固定部を被測定者の奥歯または歯茎の奥側で挟むようにすれば、前歯で物を挟むことのできない被測定者であっても口唇閉鎖力を高精度で、かつ、安定して測定することができる。
[0027]
 また、被固定部の左側延出部及び右側延出部を奥歯または歯茎で挟むようにすれば、バルーンをより一層安定させることができる。
[0028]
 また、被固定部をバルーンと一体成形すれば、構成部品の数を少なくして低コスト化を図ることができる。

図面の簡単な説明

[0029]
[図1] 実施形態1に係る口唇閉鎖力測定用プローブのバルーンの平面図である。
[図2] 図1におけるII-II線断面図である。
[図3] バルーンの左側面図である。
[図4] 口唇閉鎖力測定用プローブのバルーンを被測定者の上唇と下唇の間に配置した状態を示す図である。
[図5] 口唇閉鎖力の測定中を示す図である。
[図6] 実施形態1の変形例に係る図1相当図である。
[図7] 実施形態1の変形例に係る図3相当図である。
[図8] 実施形態2に係る図1相当図である。
[図9] 実施形態2に係る図3相当図である。
[図10] 実施形態2に係る図4相当図である。
[図11] 実施形態2に係る図5相当図である。
[図12] 実施形態3に係る図8相当図である。

発明を実施するための形態

[0030]
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
[0031]
 (実施形態1)
 図1は、図4に示す口唇閉鎖力測定用プローブ1のバルーン10部分を拡大して示す平面図である。口唇閉鎖力測定用プローブ1は、本発明の実施形態1に係るものであり、上唇と下唇を閉じる力、即ち口唇閉鎖力を測定する際に使用される。口唇閉鎖力測定用プローブ1は、図4に示すように被測定者の上唇50と下唇51との間に配置され、口唇閉鎖力によって潰れ変形する中空状のバルーン10と、バルーン10の内部に連通し、該バルーン10の内部の圧力を測定する圧力測定装置100に接続される基部20とを備えている。
[0032]
 尚、この実施形態の説明では、バルーン10を口唇間へ挿入する方向を基準として挿入方向奥側を単に「奥側」といい、挿入方向手前側を単に「手前側」という。また、バルーン10を口唇間へ挿入した状態で、被測定者の左に位置する側を単に「左側」といい、被測定者の右に位置する側を単に「右側」という。
[0033]
 まず、図4に基づいて圧力測定装置100について説明する。圧力測定装置100は、従来から周知の装置を使用することができ、例えば特開2001-275994号公報に開示されているような装置を挙げることができる。すなわち、圧力測定装置100は、チューブ101と、弁102と、加圧部103と、圧力センサ104と、データ処理部105と、表示部106とを備えている。チューブ101は細径の軟質チューブである。チューブ101の先端部は、基部20を介してバルーン10の内部に連通している。チューブ101の基端部は圧力センサ104に気密に接続されている。圧力センサ104は、周知の圧電素子等で構成することができる。弁102は、チューブ101の中途部に設けられている。加圧部103は、チューブ101において弁102から分岐して延びる部分に接続されている。加圧部103はバルーン10の内部に空気を圧送してバルーン10の内部の圧力を所定圧力となるまで加圧するポンプで構成されている。弁102は、チューブ101における弁102よりもバルーン10側を加圧部103に連通させる状態と、加圧部103に連通させない状態とに切り替えることができるように構成されている。
[0034]
 データ処理部105は、圧力センサ104から出力された電気信号を処理して圧力値に変換することができるように構成されている。表示部106は、例えば圧力値を視覚で認識できるように表示する表示パネル等で構成することができる。
[0035]
 バルーン10は、全体が例えば天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム等の弾性体からなり、図2に示す中空部Rを有する部材で構成されており、口腔閉鎖力が外力として作用した際に容易に潰れ変形し、外力が取り除かれると元の形状に復元する性質を有している。図1に示すように、バルーン10は、口唇への挿入方向の寸法が、左右方向の寸法よりも長い扁平な形状となっている。また、バルーン10の厚み寸法(上下方向の寸法)は、左右方向の寸法よりも短く設定されている。
[0036]
 バルーン10の奥側は左右方向の中央部が最も奥に位置するように湾曲した面で構成されている。また、バルーン10の手前側は左右方向の中央部が最も手前に位置するように湾曲した面で構成されている。従って、バルーン10の左右方向の寸法は、挿入方向の中央部が最も長くなり、そこから手前側へ行くほど、及び奥側へ行くほど短くなる。また、バルーン10の下面はその中央部が最も下に位置するように膨出する面で構成されている。バルーン10の上面はその中央部が最も上に位置するように膨出する面で構成されている。従って、バルーン10の厚みは、平面視で中央部が最も厚くなり、そこから手前側へ行くほど、及び奥側へ行くほど薄くなる。
[0037]
 バルーン10の手前側には、バルーン10の内部に連通する管部12が一体成形されている。管部12は、バルーン10の左右方向中央部から手前側へ向けて突出している。この管部12に、図4に示す基部20が接続される。基部20は例えば硬質樹脂材を成形してなる筒状部材で構成されている。基部20の硬さは、例えば基部20を被測定者が噛んでしまっても潰れ変形しない程度に設定されている。基部20におけるバルーン10と反対側は、チューブ101を介して圧力測定装置100に接続されている。従って、バルーン10の内部の圧力変化は、基部20及びチューブ101を介して圧力センサ104に伝わることになる。
[0038]
 バルーン10には、該バルーン10の奥側の部位に一体成形された被固定部13が設けられている。被固定部13をバルーン10に一体成形したことで構成部品の数を少なくすることができ、低コストなバルーン10とすることができる。図4に示すように、被固定部13の厚みは、バルーン10の壁厚と同程度に設定してもよいし、バルーン10の壁厚よりも厚く設定してもよい。被固定部13は、被測定者の口腔において上側の前歯52及び下側の前歯53に対応する部位まで延び、上側の前歯52及び下側の前歯53で上下に挟まれることによって固定される。尚、例えば総義歯装着者であって総義歯を装着していない時には、歯茎の前側で被固定部13を上下に挟むことができるようになっている。
[0039]
 図1に示すように、被固定部13は、左右方向に延びている。被固定部13の奥側の縁部13aは、左右方向中央部が最も奥に位置するように湾曲している。被固定部13の左右両縁部13b、13bは、バルーン10の左右両側面から奥側へ直線状に延びて、被固定部13の奥側の縁部13aに連なっている。被固定部13の左右両縁部13b、13bは略平行である。被固定部13の左右方向の寸法は、バルーン10の左右方向の最大寸法と略同じに設定されている。
[0040]
 図2及び図3に示すように、被固定部13の上面には、上方へ突出して左右方向に延びる上側突出部14が形成されている。上側突出部14は、被固定部13の奥側の縁部13aよりも手前側で、かつ、バルーン10の奥側の端部から奥側へ離れて配置されており、上側突出部14と、バルーン10の奥側の端部との間に被測定者の上側の前歯52が位置するようになっている。つまり、図2に示すように、上側突出部14と、バルーン10の奥側の端部との離間寸法Aは、上側の前歯52を入れることができるように設定されている。図1に示すように、上側突出部14の左右方向の寸法は、被固定部13の左右方向の寸法よりも短く設定されている。また、上側突出部14の断面形状は略矩形状である。
[0041]
 また、被固定部13の下面には、下方へ突出して左右方向に延びる下側突出部15が形成されている。下側突出部15は、上側突出部14と同様に配置されており、図2に示すように、下側突出部15と、バルーン10の奥側の端部との離間距離Bは、下側の前歯53を入れることができるように設定されている。上側突出部14と下側突出部15は両方を省略してもよいし、一方を省略してもよい。
[0042]
 尚、この実施形態では、上側突出部14と下側突出部15を平面視で上下に重なる位置に配置しているが、これに限らず、上側突出部14を下側突出部15よりも手前側に配置してもよい。また、この実施形態では、上側突出部14と下側突出部15が左右方向に直線状に延びる形状としているが、これに限らず、左右方向中央部が最も手前側に位置するように湾曲させて前歯52、53の並びに沿うような形状としてもよい。
[0043]
 次に、上記のように構成された口唇閉鎖力測定用プローブ1を使用する場合について説明する。まず、口唇閉鎖力測定用プローブ1の基部20をチューブ101に接続する。その後、弁102を動作させ、チューブ101における弁102よりもバルーン10側を加圧部103に連通させる。そして、加圧部103を作動させてバルーン10の内部が所定圧力となるまで空気を送る。所定圧力となったか否かは圧力センサ104によって判定することができる。バルーン10の内部が所定圧力になると、加圧部103を停止させるとともに、弁102を動作させ、チューブ101における弁102よりもバルーン10側を加圧部103に連通させない状態に切り替える。
[0044]
 次いで、口唇閉鎖力測定用プローブ1のバルーン10を被測定者の上唇50と下唇51の間に挿入する。バルーン10は、該バルーン10の最も厚い部位が上唇50と下唇51に接触するように配置する。バルーン10には奥側へ延びる被固定部13が設けられているので、被固定部13は口腔において前歯52、53に対応する部位よりも奥に達する。バルーン10を上唇50と下唇51の間に挿入した後、前歯52、53で被固定部13を上下に挟むと、被固定部13が固定される。このときに、上側の前歯52は、上側突出部14とバルーン10との間に配置し、下側の前歯53は、下側突出部15とバルーン10との間に配置する。これにより、上側の前歯52が上側突出部14に引っ掛かり、下側の前歯53が下側突出部15に引っ掛かるので、被固定部13が手前側へ移動することはない。
[0045]
 しかる後、被測定者が上唇50と下唇51とでバルーン10を上下に挟むように力を加える。この力が口唇閉鎖力であり、口唇閉鎖力が作用したバルーン10は潰れ変形し、このことでバルーン10の内部の圧力が上昇する。バルーン10の内部の圧力は、圧力測定装置100の圧力センサ104によって検出されてデータ処理部105で処理された後、表示部106に表示される。表示部106には数値で表示してもよいし、例えば濃色及び淡色を利用して相対表示で表示してもよい。
[0046]
 バルーン10に口唇閉鎖力を作用させる際、バルーン10を口腔外へ押し出す方向の力が作用することがある。このとき、被測定者が前歯52、53で被固定部13を挟んでいるのでバルーン10の位置ずれが抑制され、バルーン10が上唇50と下唇51との間で滑ってしまうことはなく、バルーン10に口唇閉鎖力を確実に作用させ、高精度な測定が可能になる。
[0047]
 口唇閉鎖力を高精度に測定することができるので、その測定結果に基づいて口唇の機能を検査することができる。特に、摂食嚥下リハビリテーションを行った場合にその効果を高精度に検証することができるようになる。
[0048]
 尚、被測定者が歯茎の前側で被固定部13を挟む場合も同様にバルーン10の位置ずれが抑制されるので、高精度な測定が可能になる。また、歯茎の前側で被固定部13を挟む場合には、被固定部13が弾性材からなるものであるため、歯茎に痛みを感じることは殆どなく、被固定部13をしっかりと挟むことができる。
[0049]
 以上説明したように、この実施形態1に係る口唇閉鎖力測定用プローブ1によれば、被測定者の上唇50と下唇51との間に配置されるバルーン10に、被測定者の前歯52、53または歯茎で挟まれる被固定部13を設けたので、口唇閉鎖力の測定中にバルーン10の位置ずれを抑制することができ、口唇閉鎖力を高精度に、かつ、安定して測定することができる。
[0050]
 また、図6及び図7に示す実施形態1の変形例のように、被固定部13の奥側の縁部13aを左右方向に延びる直線状にしてもよい。この変形例では、被固定部13の奥側の縁部13aと、上側突出部14と、下側突出部15とが平面視で重なるように配置されている。これにより、被固定部13が口腔の奥の方に達するのを回避することができ、使用感を向上させることができる。
[0051]
 (実施形態2)
 図8及び図9は、本発明の実施形態2に係る口唇閉鎖力測定用プローブ1のバルーン10を示すものである。この実施形態2の被固定部16は、被測定者が奥歯54、55(図10及び図11に示す)または歯茎の奥で上下に挟むことができるようになっている点で実施形態1のものとは異なっている。以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
[0052]
 被固定部16は、バルーン10の奥側の部位から被測定者の口腔において奥歯54、55に対応する部位まで延び、該奥歯54、55または歯茎で挟まれる板状に形成されている。被固定部16は、被測定者の口腔の右側及び左側へそれぞれ延びる右側延出部16a及び左側延出部16bを有している。右側延出部16aは、手前側から奥側へ向かって奥側へ行くほど右に位置するように平面視で湾曲している。また、左側延出部16bは、手前側から奥側へ向かって奥側へ行くほど左に位置するように平面視で湾曲している。右側延出部16a及び左側延出部16bの奥側は略真っ直ぐに延びている。つまり、右側延出部16a及び左側延出部16bは、被測定者の歯の並びに沿うように延びている。
[0053]
 実施形態2のバルーン10を使用する場合には、図10に示すように被固定部16が奥歯54、55に達するまで口腔内に深く挿入されることになる。したがって、被固定部16を奥歯54、55で上下に挟んで固定することができるので、バルーン10の位置ずれが抑制される。よって、実施形態1と同様に、口唇閉鎖力を高精度に、かつ、安定して測定することができる。
[0054]
 また、実施形態2では、前歯で物を挟むことのできない被測定者であっても奥歯54、55で被固定部16を挟んでバルーン10の位置ずれを抑制することが可能になる。また、総義歯装着者であって総義歯を装着していない時に、歯茎の奥側で被固定部16を挟んでバルーン10の位置ずれを抑制することが可能になる。
[0055]
 尚、実施形態2のバルーン10の被固定部16を前歯で上下に挟むようにしてもよいし、前歯及び奥歯54、55で上下に挟むようにしてもよい。
[0056]
 (実施形態3)
 図12は、本発明の実施形態3に係る口唇閉鎖力測定用プローブ1のバルーン10を示すものである。この実施形態3の被固定部16には、破断予定部19が設けられている点で、実施形態2のものとは異なっている。以下、実施形態2と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、異なる部分について詳細に説明する。
[0057]
 すなわち、破断予定部19は、例えばミシン目等で構成することができる。破断予定部19の形状は、図1に示す実施形態1の被固定部13の外形状に沿うような形状である。また、被固定部16には、実施形態1の上側突出部14と下側突条部(図示せず)とが設けられているが、これらは省略することも可能である。
[0058]
 実施形態3のバルーン10を使用する場合には、実施形態2のように破断予定部19を破断させない状態で使用することができる他、破断予定部19を破断させて右側延出部16a及び左側延出部16bを取り除くことによって被固定部16の形状を実施形態1に示すような形状とし、被固定部16を前歯で挟んで使用することができる。破断予定部19の形状は図示した形状に限られるものではなく、被固定部16を前歯で挟んで使用可能な形状にすることができればよい。
破断予定部19は、例えば被固定部16に形成した溝、孔部、薄肉部等であってもよい。また、破断予定部19としては、他の部位よりも弱い弱化部であってもよい。破断予定部19は、例えば指で引張力を加えた際に破断する程度に弱くしておくのが好ましい。
[0059]
 また、上記実施形態1~3では、口唇閉鎖力測定用プローブ1をチューブ101によって圧力測定装置100に接続するようにしているが、これに限らず、口唇閉鎖力測定用プローブ1を圧力測定装置100に直結するようにしてもよい。
[0060]
 また、上記実施形態1~3では、口唇閉鎖力測定用プローブ1を口唇閉鎖力の測定のみに使用する場合について説明しているが、口唇閉鎖力測定用プローブ1は、例えば舌圧を測定する場合に使用することができる。舌圧を測定する際には、実施形態1のものでは被固定部13が比較的短いのでバルーン10を舌の上に位置するまで挿入し、その後、舌を上に押し上げる動作によってバルーン10を押し潰す。これにより、舌圧の測定が可能になる。実施形態2のものでは、被固定部16が長いので被固定部16の全部または一部を切除し、舌の上に位置するまで挿入する。また、同様にして、舌下筋圧、口唇圧、頬圧力などの他の口腔関連圧力を測定することも可能である。舌圧を測定する場合には、バルーン10の管部12を覆う硬質部材を設けるのが好ましい。硬質部材を歯で噛むことでバルーン10の位置ずれを抑制することができる。
[0061]
 上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。

産業上の利用可能性

[0062]
 以上説明したように、本発明に係る口唇閉鎖力測定用プローブは、口唇閉鎖力を測定する場合に使用することができる。

符号の説明

[0063]
1         口唇閉鎖力測定用プローブ
10        バルーン
13        被固定部
16        被固定部
16a       右側延出部
16b       左側延出部
14        上側突出部
15        下側突出部
100       圧力測定装置

請求の範囲

[請求項1]
 口唇閉鎖力を測定するための口唇閉鎖力測定用プローブにおいて、
 被測定者の上唇と下唇との間に配置され、口唇閉鎖力によって潰れ変形する中空状のバルーンと、
 上記バルーンの内部に連通し、該バルーンの内部の圧力を測定する圧力測定装置に接続される基部とを備え、
 上記バルーンには、被測定者の歯または歯茎で挟まれる被固定部が設けられていることを特徴とする口唇閉鎖力測定用プローブ。
[請求項2]
 請求項1に記載の口唇閉鎖力測定用プローブにおいて、
 上記被固定部は、上記バルーンにおける口唇間への挿入方向奥側の部位から延びる板状に形成されていることを特徴とする口唇閉鎖力測定用プローブ。
[請求項3]
 請求項1に記載の口唇閉鎖力測定用プローブにおいて、
 上記被固定部は、被測定者の口腔において前歯に対応する部位まで延び、該前歯または歯茎で挟まれることを特徴とする口唇閉鎖力測定用プローブ。
[請求項4]
 請求項3に記載の口唇閉鎖力測定用プローブにおいて、
 上記被固定部には、上下方向に突出する突出部が設けられていることを特徴とする口唇閉鎖力測定用プローブ。
[請求項5]
 請求項1に記載の口唇閉鎖力測定用プローブにおいて、
 上記被固定部は、被測定者の口腔において奥歯に対応する部位まで延び、該奥歯または歯茎で挟まれることを特徴とする口唇閉鎖力測定用プローブ。
[請求項6]
 請求項5に記載の口唇閉鎖力測定用プローブにおいて、
 上記被固定部は、被測定者の口腔の右側及び左側へそれぞれ延びる右側延出部及び左側延出部を有していることを特徴とする口唇閉鎖力測定用プローブ。
[請求項7]
 請求項1に記載の口唇閉鎖力測定用プローブにおいて、
 上記被固定部は上記バルーンと一体成形されていることを特徴とする口唇閉鎖力測定用プローブ。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]