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1. JP2013169823 - 車体下部構造

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Description

Title of Invention 車体下部構造 20140521 B62D 25/08 B62D 25/04 B62D 25/20 特開2004−067082(JP,A) 特開2008−137419(JP,A) 特開2008−094134(JP,A) 特開2003−237636(JP,A) 特開2010−105538(JP,A) 特開平09−099865(JP,A) 実開平05−092063(JP,U) 2013169823 20130902 20121122 谷治 和文

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004   0005  

Citation List

Patent Literature

0006  

Summary of Invention

Technical Problem

0007   0008   0009   0010  

Technical Solution

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

Advantageous Effects

0021  

Brief Description of Drawings

0022  

Description of Embodiments

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061  

Reference Signs List

0062  

Claims

1   2   3   4   5   6   7  

Drawings

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11    

Description

車体下部構造

20140521 B62D 25/08 B62D 25/04 B62D 25/20 patcit 1 : 特開2004−067082(JP,A)
patcit 2 : 特開2008−137419(JP,A)
patcit 3 : 特開2008−094134(JP,A)
patcit 4 : 特開2003−237636(JP,A)
patcit 5 : 特開2010−105538(JP,A)
patcit 6 : 特開平09−099865(JP,A)
patcit 7 : 実開平05−092063(JP,U)
2013169823 20130902 20121122 谷治 和文

Technical Field

[0001]
本発明は、車体下部構造に関し、特に、対向車等の衝突物が、車両の前方端の右側又は左側にずれて、対向車等の衝突物のフロントサイドフレーム等の硬い構造物が車体のホイールハウス前方部分と衝突するような僅かにすれ違うような状態で衝突する、所謂、ナローオフセット衝突した際の衝突荷重の吸収性を向上させることが可能な車体下部構造に関する。

Background Art

[0002]
例えば、特許文献1には、車両が対向車等の衝突物と衝突した際、衝突荷重を分散させて車体の強度を高めることにより、車体が変形するのを抑制することができる、とする車体構造が開示されている。
[0003]
図10は、特許文献1に示す車両がナローオフセット衝突したときの衝突荷重が負荷される状態を示す車体の概略平面図、図11は、特許文献1に示す車両がナローオフセット衝突したときのドアの状態を示す車両の要部左側面図である。
[0004]
図10に示されるように、特許文献1に開示された車体構造では、車体の強度を向上させるために、サイドシル100の前端部から後方且つ車幅方向内方に傾斜したダイアゴナルメンバ500が設けられている。このダイアゴナルメンバ500は、サイドシル100とサイドメンバアウトサイド200との連結隅部と、フロアフレーム300(センタメンバ)とフロアクロスメンバ400との連結隅部との間を連結している。
[0005]
また、図示は省略するが、特許文献2には、ダッシュボードロアとフロントピラとが接合して成る角部に沿ってピラーブレースを設置するとともに、フロントピラとピラーブレースとの接合部においてフロントピラの内部に補強部材を設置した車体構造が開示されている。この構造によれば、前突荷重をピラーブレースでフロントピラに伝達し、補強部材でフロントピラの変形を抑制することができる、とされている。

Citation List

Patent Literature

[0006]
patcit 1 : 特開2003−237636号公報
patcit 2 : 特許第4254843号公報

Summary of Invention

Technical Problem

[0007]
しかしながら、図10に示される特許文献1の車体構造では、例えば、対向車C2等の衝突物がフロントサイドフレーム600よりも車幅方向の外側の位置でナローオフセット衝突したとき、サイドシル100の前端に衝突荷重Fが付与されるため、ダイアゴナルメンバ500でサイドシル100に負荷される荷重を減少させても、前突荷重の方向のサイドシル100に対して大きな荷重が付与される。このため、サイドシル100は、図10の二点鎖線で示されるサイドシル100Aのように略く字状に折れ曲がって、長さL100だけ圧縮された状態に変形する。
[0008]
この場合、図11に示されるように、サイドシル100の前端の上部に連結されているフロントピラ700も、サイドシル100の変形に伴って車体後方側へ移動している。このため、フロントピラ700に設けられているドア800の前側取付部710が後方に移動し、ドア800が開け難くなる場合がある。
[0009]
また、特許文献2に記載の車体構造では、ナローオフセット衝突した際に、ピラーブレースからフロントピラに荷重が伝達されるが、フロントピラの内部に補強部材が設置されているため、フロントピラ自体は潰れずに、フロントピラがその形状を保ったまま後退する。そのため、特許文献1の場合と同様に、フロントピラに設けられているドアの前側取付部が後方に移動し、ドアが開け難くなる場合がある。
[0010]
本発明は、これらの問題に鑑みて成されたものであり、ナローオフセット時の衝突荷重の吸収性能を向上させてフロントピラの後退を抑制可能な車体下部構造を提供することを課題とする。

Technical Solution

[0011]
本発明に係る車体下部構造は、車室と動力搭載室とを仕切るとともに前記車室とホイールハウスとを仕切るダッシュボードロアと、前記ダッシュボードロアの車幅方向端部に立設されたフロントピラと、前記ダッシュボードロアと前記フロントピラとの間に架設されたガセットと、を備える車体下部構造であって、前記ガセットは、一端側が前記ダッシュボードロアに接合されるとともに、前記フロントピラに近づくにつれて前記ダッシュボードロアから離間し、他端側が前記フロントピラに接合され、前記ダッシュボードロアと前記フロントピラと前記ガセットとに囲まれた部分に、平面視で略三角形状の潰し空間が形成されていることを特徴とする。
[0012]
このような構成によれば、車体下部構造は、ダッシュボードロアとフロントピラとガセットとに囲まれた部分に、平面視で略三角形状の潰し空間を有しているので、ナローオフセット衝突した際に、ホイールハウス内のホイールによって潰し空間が潰され、衝突荷重が吸収される。そのため、フロントピラに伝達される衝突荷重が減少し、フロントピラの後退が抑制される。その結果、フロントピラに設けられているドアの前側取付部の後退量が抑制されるので、ドアの開閉が困難となる不都合を解消することができる。
[0013]
また、本発明において、前記動力搭載室には、車両の前後方向に延設されたフロントサイドフレームが配置されており、前記ガセットの一端側は、前記ダッシュボードロアのうち、前記フロントサイドフレームの後端部と前記ダッシュボードロアとの接合部に対応する位置に固定されており、前記ダッシュボードロアと前記ガセットとで形成された前記潰し空間の頂点部は、前記ホイールハウス内に設置されたホイールの内側後端エッジがナローオフセット衝突時に前記ダッシュボードロアに衝突する位置に配置されている構成とするのが好ましい。
[0014]
このような構成によれば、ナローオフセット衝突時に、ホイールハウス内に設置されたホイールの内側後端エッジが、ダッシュボードロアのうち、ダッシュボードロアとガセットとで形成された潰し空間の頂点部が配置された位置に衝突して支持される。そうすると、この頂点部に支持されたホイールの内側後端エッジが支点となってホイールが車幅方向外側に回動し、ホイールの外側後端エッジがダッシュボードロアとフロントピラとで形成された潰し空間の頂点部の方に案内される。その結果、略三角形状の潰し空間の一辺(ダッシュボードロア)がホイールの後端面によって押圧されるので、略三角形状の潰し空間を十分に潰しきることができる。
[0015]
また、本発明において、前記ガセットは、前記ダッシュボードロアから離間している部位よりも前記ダッシュボードロアに接合している部位の方が曲げ変形に対する剛性が大きい構成とするのが好ましい。
さらに、前記ガセットのうち、前記ダッシュボードロアに接合している部位は、前記ダッシュボードロアから離間している部位に比較して、平面視で前記ガセットの長手方向に直交する方向の幅寸法が大きい構成とするのが好ましい。
[0016]
このような構成によれば、ガセットのうち、ダッシュボードロアに接合している部位の剛性が強化されるので、ダッシュボードロアとガセットとで形成された潰し空間の頂点部の支持剛性が向上する。また、ガセットのうち、ダッシュボードロアから離間している部位は、比較的変形し易いので、略三角形状の潰し空間を良好に潰すことができる。
[0017]
また、本発明において、前記ダッシュボードロアの下端側には、車幅方向に延設されたダッシュボードクロスメンバが結合されており、前記ホイールハウス内に設置されたホイールの内側後端エッジは、ナローオフセット衝突時に前記ダッシュボードロアに衝突して、前記ガセットと前記ダッシュボードクロスメンバに支持される構成とするのが好ましい。
[0018]
このような構成によれば、ナローオフセット衝突時におけるホイール内側後端エッジの支持力(反力)が増加し、ダッシュボードロアの後退量が抑制されるので、ホイール内側後端エッジを支点としてホイールを一層良好に回動させることができる。
[0019]
また、本発明は、車両前後方向に延設され、前端部が前記ダッシュボードロアに接合されたフロアフレームと、前記フロアフレームの車幅方向外側で前後方向に延設され、前端部が前記フロントピラの下端部及び前記ダッシュボードロアの車幅方向端部に接合されたサイドシルと、前記フロアフレームと前記サイドシルとの間に架設され、前記サイドシルに近づくほど前側に位置するように傾斜して配置された補強フレームと、をさらに備え、前記サイドシルは、前記補強フレームとの結合部よりも前方部分に潰し領域を有する構成とするのが好ましい。
さらに、前記潰し領域は、前記サイドシルの前端から所定距離だけ後方位置に前記補強フレームを結合し、その結合部より前方の前記サイドシルの前端部の強度を、前記結合部より後方の前記サイドシルと前記補強フレームとを組み合わせた部位の強度よりも小さく設定してなるのが好ましい。
[0020]
このような構成によれば、サイドシルは、前記補強フレームとの結合部よりも前方部分に潰し領域を有するので、ナローオフセット衝突時における衝突荷重の吸収性能をより一層向上させることができる。

Advantageous Effects

[0021]
本発明によれば、ナローオフセット時の衝突荷重の吸収性能を向上させてフロントピラの後退を抑制可能な車体下部構造を提供することができる。

Brief Description of Drawings

[0022]
[fig. 1] 本実施形態に係る車体下部構造が適用された車体前部の斜視図である。
[fig. 2] 図1に示す車体下部構造の左側ガセットを含む部分拡大斜視図である。
[fig. 3] ガセットの斜視図である。
[fig. 4] 図1に示す車体下部構造の左側ガセットを含む部分拡大平面図である。
[fig. 5] 図4のV−V断面図である。
[fig. 6] サイドシルの前端部を車外側から見た部分拡大斜視図である。
[fig. 7] 本実施形態に係る車体下部構造が適用された車両が、電柱に対してナローオフセット衝突したときの初期状態を示す平面図である。
[fig. 8] 本実施形態に係る車体下部構造が適用された車両が、電柱に対してナローオフセット衝突したときの中期状態を示す平面図である。
[fig. 9] 本実施形態に係る車体下部構造が適用された車両が、電柱に対してナローオフセット衝突したときの後期状態を示す平面図である。
[fig. 10] 特許文献1に示す車両がナローオフセット衝突したときの衝突荷重が負荷される状態を示す車体の概略平面図である。
[fig. 11] 特許文献1に示す車両がナローオフセット衝突したときのドアの状態を示す車体の要部左側面図である。

Description of Embodiments

[0023]
本発明の実施形態について、図1乃至図9を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の番号を付し、重複する説明は省略する。また、方向を説明する場合は、車両の運転者からみた前後左右上下に基づいて説明する。
[0024]
図1に示されるように車両C1は、車体前部1aに配置される動力搭載室MR及びフロントホイールハウスWHと、動力搭載室MR及びフロントホイールハウスWHと隔壁6を介して配置される車室Rとを有する自動車からなる。この自動車には、例えば、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)タイプ、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプ、四輪駆動タイプ等の自動車が含まれる。
[0025]
なお、本発明が適用される車両C1としては、車体1の左右外側に配置される左右一対のフロントピラ7と、このフロントピラ7の間に車両幅方向に設けられた隔壁6(より詳しくはダッシュボードロア62)とを有するものであればよい。以下、FRタイプの自動車に対し、本実施形態に係る車体下部構造が適用された場合を例に挙げて説明する。
[0026]
図1に示されるように、車体1は、車両C1の全体を形成するものであって、例えば、サイドシル10やフロアフレーム17やフロントサイドフレーム3等の種々の金属製車体フレームと、図示しないボンネット、フェンダパネル等の金属製車体パネルと、樹脂製又は金属製のバンパフェイス等を主として備えている。
[0027]
車体1の車体前部1a及び車体下部1bは、それぞれ後記するフロントバルクヘッド2、図示しないバンパビーム、フロントサイドフレーム3、ウィンドシールドロア4、フロントホイールハウスアッパメンバ5、隔壁6、フロントピラ7、サイドシル10、補強フレーム12、フロアフレーム17、フロアパネル18、アウトリガ20(図5、図6参照)、ダッシュボードクロスメンバ16、ガセット30等が左右一対に前後方向に延設されるか、又は、横設されて、略左右対称に配置されている。このように車体下部1bは、略左右対称に配置されるため、以下、車体1の左側の部分を主として説明し、車体1の右側の部分の説明を省略する。
[0028]
動力搭載室MRは、いわゆるエンジンルームであり、例えば、電動モータ、エンジン、トランスミッション等から構成されるパワーユニット(図示せず)が配置される収納空間であり、その周辺に配置されるフレームとパネル部材とによって形成されている。動力搭載室MRは、前側にフロントバルクヘッド2、図示しないバンパビーム等が配置され、後方側に隔壁6が配置される。また、動力搭載室MRの上方側の左右には、フロントホイールハウスアッパメンバ5、フロントピラ7等が配置されている。動力搭載室MRの下方側の左右には、車体1の前後方向に向けて延在する一対のフロントサイドフレーム3が配置されている。
[0029]
図1に示されるように、フロントバルクヘッド2は、動力搭載室MRの車体前側部位の図示しないラジエータを囲繞するように略矩形状の枠体からなるフレーム部材であり、全体が車幅方向に向けて配置されている。
[0030]
図1に示されるように、フロントサイドフレーム3は、車体前部1aに配置され、車体1の前後方向に延在する左右一対のフレーム部材であり、例えば、前端から後端にわたって剛性を有する断面矩形状(角筒状)のスチール製角パイプ材等によって構成される。フロントサイドフレーム3の先端には、図示しないバンパビームエクステンションを介してバンパビームが連結されている。フロントサイドフレーム3の後端部は、隔壁6のダッシュボードロア62に接合されている。
[0031]
フロントホイールハウスアッパメンバ5は、動力搭載室MRの車体側部上側に車体前後方向に向けて配置されたフレーム部材である。フロントホイールハウスアッパメンバ5は、前端がフロントバルクヘッド2のヘッドアッパサイドに連結され、後端がフロントピラ7に連結され、下側にフロントホイールハウスWHが形成されている。フロントホイールハウスWHは、図1に示されるように、前輪Tを収容する空間であり、動力搭載室MRの左右に設けられている。フロントホイールハウスWHは、前輪Tの車体側、前後及び上部を、空間を介して被覆している。
[0032]
フロントピラ7は、車体下部1bに配置されたサイドシル10の前端部10c(潰し領域A)からその上方の図示しないフロントガラスの左右側部まで延設される中空形状のフレーム部材である。後記するように、車内側に配置されたフロントピラインナ7a(図2参照)の下端には、ガセット30の車外側端部が接合される。
[0033]
隔壁6は、前側の動力搭載室MRと後側の車室Rとを仕切る仕切り部材であり、例えば、鋼板等からなるダッシュボードアッパ61と、左右端部がフロントピラ7の内側側壁(フロントピラインナ7a)に接合されたダッシュボードロア62と、フレーム部材からなるダッシュボードクロスメンバ16と、補強用の補強部材等によって構成される。
[0034]
図2に示されるように、ダッシュボードロア62は、車室Rと動力搭載室MRとを仕切るボード本体部62aと、車室RとフロントホイールハウスWHとを仕切るホイールハウス部62bと、を有している。ホイールハウス部62bは、車室R側に膨出するドーム状(球面状)に形成されている。ダッシュボードロア62の下端部には、車両幅方向に沿ってダッシュボードクロスメンバ16が溶接固定されている。ダッシュボードロア62とフロントピラ7との間には、ガセット30が架設されている。
[0035]
図2、図3、図4に示されるように、ガセット30は、車内側端部(一端側)がボード本体部62a及びホイールハウス部62bに接合されるとともに、フロントピラ7に近づくに連れてホイールハウス部62bから離間し、車外側端部(他端側)がフロントピラ7の内側側壁(フロントピラインナ7a)に接合された、断面略ハット状のフレーム部材である。ガセット30は、ダッシュボード62に接合されている部分であるダッシュボード接合部30aと、ダッシュボード62から離間している部分であるダッシュボード離間部30bと、を有している。ダッシュボード離間部30bは、フロントピラ7に近づくほどホイールハウス部62bから離れるように傾斜して配置されている。これにより、ダッシュボード離間部30bとホイールハウス部62bとフロントピラ7との間に平面視で略三角形状の潰し空間S(図2、図4のハッチング部分を参照)が形成される。
[0036]
図3に示されるように、ガセット30は、断面略コ字状のガセット本体31と、ガセット本体31の端縁部から外向きに延出するフランジ部32と、を有している。ガセット30は、ダッシュボード接合部30aの方が、ダッシュボード離間部30bよりも、水平方向の曲げ変形に対する剛性が大きい。換言すれば、ガセット本体31のうち、ダッシュボード接合部30aに対応する部位31aは、ダッシュボード離間部30bに対応する部位31bに比較して、平面視でガセット30の長手方向に直交する方向の幅寸法が大きい(L1>L2)。ちなみに、ガセット本体31のうち、ダッシュボード接合部30aに対応する部位31aは、平面視で略三角形状に形成されている。ガセット本体31は、図3に示されるように、フロントピラ7に近づくほど高さ寸法が大きくなっている。
[0037]
また、図3、図4(主に図3)に示されるように、フランジ部32は、ボード本体部62aにスポット溶接で接合される第1部位32aと、ホイールハウス部62bにスポット溶接で接合される第2部位32bと、フロントピラ7にスポット溶接で接合される第3部位32cと、第2部位32bと第3部位32cの間の第4部位32dと、を有している。なお、図2では、スポット溶接による溶接点を「×」印で模式的に示している。
[0038]
図4に示されるように、フランジ部32の第1部位32aは、ダッシュボードロア62とフロントサイドフレーム3との接合部に対応する位置(車室R側)に溶接固定されている。第2部位32bは、ホイールハウス部62bの表面形状に合わせて球面状に湾曲している。第2部位32bと第4部位32dの境界部分が、潰し空間Sの第1の頂点部P1(より詳しくは、ダッシュボードロア62とガセット30とで形成される頂点部P1)となる。また、第3部位32cと第4部位32dの境界部分が、潰し空間Sの第2の頂点部P2(より詳しくは、フロントピラインナ7aとガセット30とで形成される頂点部P2)となる。さらに、ホイールハウス部62bとフロントピラインナ7aとの境界部分が、潰し空間Sの第3の頂点部P3(より詳しくは、ホイールハウス部62bとフロントピラインナ7aとで形成される頂点部P3)となる。
[0039]
潰し空間Sの第1の頂点部P1は、ホイールハウスWH内に設置されたホイールWの内側後端エッジW1がナローオフセット衝突時にダッシュボードロア62(より詳しくはダッシュボード部62b)に衝突する位置に配置されている。換言すれば、ナローオフセット衝突時におけるホイールWの回動中心(例えば、ロアアームとフロントサイドフレーム3との接合点)から内側後端エッジW1までの距離と、当該回動中心から第1の頂点部P1までの距離とが略等しく形成されている。潰し空間Sの頂点部P1において、ガセット30のダッシュボード接合部30aは、衝突したホイールWの内側後端エッジW1を支持する。また、潰し空間Sの頂点部P1の下方において、ダッシュボードクロスメンバ16は、衝突したホイールWの内側後端エッジW1を支持する。
[0040]
図2、図4、図5に示されるように、ダッシュボードクロスメンバ16は、ダッシュボードロア62の下端に接合される。このダッシュボードクロスメンバ16は、左右両側のサイドシル10、10間に車幅方向に沿って横架された横架部材であり、下側が開口し、断面が略ハット形状の剛性を有する鋼板等の金属製厚板材によって形成される。
[0041]
このダッシュボードクロスメンバ16には、前後下端部及び左右端部に、接合用及び補強用のフランジ部16a,16bが形成されている。具体的には、左右両端部に形成された接合用フランジ部16aがサイドシル10の内側の側面に接合され、下面の接合用フランジ部16bがダッシュボードロア62に接合されて、車幅方向に沿って延設されている。
[0042]
図5に示されるように、ダッシュボードクロスメンバ16は、第1の頂点部P1の略真下に配置されている。換言すれば、略三角形状の潰し空間Sの第1の頂点部P1を通る垂直断面図におけるダッシュボードクロスメンバ16の車両前後方向の位置は、第1の頂点部P1の車両前後方向の位置に略等しい。そのため、ナローオフセット衝突時に、ホイールWの内側後端エッジW1は、ダッシュボードロア62のホイールハウス部62bに衝突して、第1の頂点部P1に配置されたガセット30と、その真下のダッシュボードクロスメンバ16との2部材に支持されることになる。これにより、ナローオフセット衝突時における前輪Tの車室内側への進入量を減少させることができる。
[0043]
図1、図2に戻って、サイドシル10は、フロントピラ7の下端部から車体1のフロアパネル18の車幅方向外側の端部に沿って車体前後方向に延設され、断面視して略矩形からなる鋼板等の金属板で形成された中空フレーム部材である。サイドシル10は、車体内側に配置され断面視して略コ字状の高強度鋼板製のサイドシルインナ10aと、車体外側に配置され断面視して略コ字状のサイドシルアウタ10bとの間で閉断面を形成するように接合されている。
[0044]
さらに、サイドシルインナ10aには、前後方向に沿って延在する変形抑制部材22が設けられる。変形抑制部材22の前後方向の前端は、延長されて潰し領域Aの略中央部まで延在し、変形抑制部材22の後端は、サイドシルインナ10aの後端まで延在するように設けられる。この変形抑制部材22を設けることで、後記する変形部材24の車室内側への曲げ変形を抑制することができる。
[0045]
図1、図6に示されるように、サイドシル10の前端部10cの最も前方の位置には、潰し領域Aが設けられ、この潰し領域Aには、ジャッキアップ補強プレート13と変形部材24とが一体的に結合されて設けられる。潰し領域Aの後方には、バルクヘッド26、及び、サイドシル補強ブラケット28が内設されている。
[0046]
サイドシル10の前端部10cの前側は、フロントピラ7の下端部に連結され、フロントピラ7の下端部には、略直交する車幅方向に沿ってアウトリガ20が連結されている(図5、図6参照)。また、サイドシル10の前端部10c内には、後記する潰し領域Aの後方に、サイドシル10内を前後方向に仕切るようにしてバルクヘッド26が設けられている。サイドシル10の車室側の側面は、それぞれ車幅方向に向けて配置されたダッシュボードクロスメンバ16、アウトリガ20、及び、補強フレーム12が接合されて、フロアパネル18の左右端部を保持している。
[0047]
図1、図6(主に図6)に示されるように、潰し領域Aは、例えば、対向車等の衝突物が前方から車両C1に衝突したとき、衝突荷重を受けて潰れることで衝突荷重を吸収するように形成された部位である。潰し領域Aは、サイドシル10の前端から所定距離だけ後方位置に補強フレーム12を結合し、その結合部より前方の前端部10cの強度を、結合部より後方のサイドシル10と補強フレーム12とを組み合わせた強度よりも小さく設定されている。
[0048]
潰し領域Aは、前後方向の範囲がサイドシル10に設置されたバルクヘッド26の設置位置(結合部)からサイドシル10の前端までで、上下方向の範囲がサイドシル10の下端から上端までの範囲で構成される。潰し領域Aでは、車体1を上昇させる際に用いられる図示しないジャッキをセットする箇所を補強するジャッキアップ補強プレート13が設けられている。ジャッキアップ補強プレート13の車外側の側面には、断面ハット形状(図6参照)からなる変形部材24が一体的に接合される。
[0049]
図1及び図2に示されるように、補強フレーム12は、衝突物が車両C1にナローオフセット衝突した際、サイドシル10が変形して内倒れしないように、サイドシル10の車室内側の側面を保持して衝突荷重を受け止めるための補強用のフレーム部材である。この補強フレーム12は、断面視して略ハット形状にプレス等で折曲形成された鋼板からなる。補強フレーム12の一端側は、バルクヘッド26が内設されたサイドシル10の車室内側の外面に接合され、その接合部位から車幅方向の内側且つ後方に傾斜して設けられる。補強フレーム12の他端側は、フロアフレーム17に接合される。
[0050]
図1に示されるように、フロアクロスメンバ19は、左右のサイドシル10、10とトンネル部1cとの間にそれぞれ架設された断面が略ハット形状の鋼板からなるフレーム部材である。各フロアクロスメンバ19の車幅方向の略中央部下面には、それぞれフロアフレーム17が直交するように配置されている。
[0051]
図1に示されるように、フロアフレーム17は、車体フロアのフロアパネル18を保持する断面が略ハット形状のフレーム部材であり、フロアパネル18のフロア面の上下両面の同じ位置にそれぞれ接合されている。フロアフレーム17は、前端がフロントサイドフレーム3の後部に連結され、車体中央側が補強フレーム12の車内側接合部及ぶフロアクロスメンバ19の下面に連結され、後端は外側に折れ曲がり車体外側が左右のサイドシル10の車室側の側面に接合されている。
[0052]
図1に示されるように、フロアパネル18は、車室Rとフロア面を形成する金属製板部材であり、サイドシル10とトンネル部1cとの間に架設されている。
[0053]
本実施形態に係る車体下部構造が適用された車両C1は、基本的に以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について図7乃至図9(適宜図1乃至図6)を参照して説明する。
[0054]
図7は、本実施形態に係る車体下部構造が適用された車両が、電柱に対してナローオフセット衝突したときの初期状態を示す平面図である。図8は、本実施形態に係る車体下部構造が適用された車両が、電柱に対してナローオフセット衝突したときの中期状態を示す平面図である。図9は、本実施形態に係る車体下部構造が適用された車両が、電柱に対してナローオフセット衝突したときの後期状態を示す平面図である。
[0055]
図7に示されるように、本実施形態に係る車両C1が、例えば、衝突物である電柱Pとナローオフセット衝突した場合、車両C1は、衝突荷重が車体前部左側のフロントバルクヘッド2の左端部とフロントサイドフレーム3の外側を通り、フロントホイールハウスアッパメンバ5、前輪T、フロントピラ7、サイドシル10の前端部10c及びジャッキアップ補強プレート13が、当接した電柱Pによって車両後方に押圧されて圧潰される。特に、電柱Pは、サイドシル10の前方にある前輪TのホイールWを押圧し、続いて、そのホイールWがダッシュボードロア62を後方側に向かって押圧する。
[0056]
本実施形態では、前輪TのホイールWが電柱Pに押されて後方に移動すると(図7の矢印Y1参照)、ホイールWの内側後端エッジW1が、ホイールハウス部62bとガセット30とで形成された潰し空間Sの第1の頂点部P1に当接する。このとき、第1の頂点部P1において、ガセット30はホイールハウス部62bに溶接固定されていると共に、ガセット30のダッシュボード接合部30aは、水平方向の曲げ変形に対する剛性がダッシュボード離間部30bよりも大きいので、車両後方側への移動が抑制される。そのため、ホイールWの内側後端エッジW1が頂点部P1に支持されることになる。
[0057]
さらに、第1の頂点部P1の略真下(車両前後方向の同位置)には、ダッシュボードロア62に溶接固定されたダッシュボードクロスメンバ16が存在するので(図5参照)、ホイールWの内側後端エッジW1は、ダッシュボードクロスメンバ16にも支持されることになる。これにより、ホイールWの後退を一層抑制することができる。
[0058]
図8に示されるように、ホイールWが電柱Pによって更に押されると、ホイールWは、第1の頂点部P1を支点として車両外側に向かって回動する(図8の矢印Y2参照)。これにより、ホイールWの外側後端エッジW2がフロントピラ7の前面及びサイドシル10の前端部10c(潰し領域A)に案内され、ホイールWの内側後端エッジW1と外側後端エッジW2の間に潰し空間Sが配置されることになる。
[0059]
図9に示されるように、ホイールWが電柱Pによって更に押されると、ホイールWの後端面によって潰し空間Sが潰される。そのため、ホイールWによって潰し空間Sを十分に潰しきることができるので、衝突荷重の吸収性能を向上することができる。また、ホイールWの外側後端エッジW2によって、フロントピラ7及び潰し領域Aが潰されるので、衝突荷重を一層吸収することができる。
[0060]
さらに、フロントピラ7及び潰し領域Aが潰れることで、フロントピラ7自体の後退が抑制されるので、フロントピラ7に設けられているドア(図示せず)の前側取付部の後退量が抑制され、ドアの開閉が困難となる不都合を解消することができる。
[0061]
以上のように、本実施形態に係る車体下部構造b1によれば、ダッシュボードロア62のホイールハウス部62bと、ガセット30のダッシュボード離間部30bと、フロントピラ7のフロントピラインナ7aとに囲まれた部分に、平面視で略三角形状の潰し空間Sを有しているので、ナローオフセット衝突した際に、ホイールハウスWH内のホイールHによって潰し空間Sが潰され、衝突荷重が吸収される。そのため、フロントピラ7に伝達される衝突荷重が減少し、フロントピラ7の後退が抑制される。その結果、フロントピラ7に設けられている不図示のドアの前側取付部の後退量が抑制されるので、ドアの開閉が困難となる不都合を解消することができる。

Reference Signs List

[0062]
1 車体
1b 車体下部
3 フロントサイドフレーム
6 隔壁
62 ダッシュボードロア
7 フロントピラ
10 サイドシル
12 補強フレーム
16 ダッシュボードクロスメンバ
30 ガセット
C1 車両
A 潰し領域
S 潰し空間
W ホイール

Claims

[1]
車室と動力搭載室とを仕切るとともに前記車室とホイールハウスとを仕切るダッシュボードロアと、
前記ダッシュボードロアの車幅方向端部に立設されたフロントピラと、
前記ダッシュボードロアと前記フロントピラとの間に架設されたガセットと、を備える車体下部構造であって、
前記ガセットは、一端側が前記ダッシュボードロアに接合されるとともに、前記フロントピラに近づくにつれて前記ダッシュボードロアから離間し、他端側が前記フロントピラに接合され、
前記ダッシュボードロアと前記フロントピラと前記ガセットとに囲まれた部分に、平面視で略三角形状の潰し空間が形成されていることを特徴とする車体下部構造。
[2]
前記動力搭載室には、車両の前後方向に延設されたフロントサイドフレームが配置されており、
前記ガセットの一端側は、前記ダッシュボードロアのうち、前記フロントサイドフレームの後端部と前記ダッシュボードロアとの接合部に対応する位置に固定されており、
前記ダッシュボードロアと前記ガセットとで形成された前記潰し空間の頂点部は、前記ホイールハウス内に設置されたホイールの内側後端エッジがナローオフセット衝突時に前記ダッシュボードロアに衝突する位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車体下部構造。
[3]
前記ガセットは、前記ダッシュボードロアから離間している部位よりも前記ダッシュボードロアに接合している部位の方が曲げ変形に対する剛性が大きいことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車体下部構造。
[4]
前記ガセットのうち、前記ダッシュボードロアに接合している部位は、前記ダッシュボードロアから離間している部位に比較して、平面視で前記ガセットの長手方向に直交する方向の幅寸法が大きいことを特徴とする請求項3に記載の車体下部構造。
[5]
前記ダッシュボードロアの下端側には、車幅方向に延設されたダッシュボードクロスメンバが結合されており、
前記ホイールハウス内に設置されたホイールの内側後端エッジは、ナローオフセット衝突時に前記ダッシュボードロアに衝突して、前記ガセットと前記ダッシュボードクロスメンバに支持されることを特徴とする請求項1から請求項 のいずれか1項に記載の車体下部構造。
[6]
車両前後方向に延設され、前端部が前記ダッシュボードロアに接合されたフロアフレームと、
前記フロアフレームの車幅方向外側で前後方向に延設され、前端部が前記フロントピラの下端部及び前記ダッシュボードロアの車幅方向端部に接合されたサイドシルと、
前記フロアフレームと前記サイドシルとの間に架設され、前記サイドシルに近づくほど前側に位置するように傾斜して配置された補強フレームと、をさらに備え、
前記サイドシルは、前記補強フレームとの結合部よりも前方部分に潰し領域を有することを特徴とする請求項1から請求項 のいずれか1項に記載の車体下部構造。
[7]
前記潰し領域は、前記サイドシルの前端から所定距離だけ後方位置に前記補強フレームを結合し、その結合部より前方の前記サイドシルの前端部の強度を、前記結合部より後方の前記サイドシルと前記補強フレームとを組み合わせた部位の強度よりも小さく設定してなることを特徴とする請求項6に記載の車体下部構造。

Drawings

[ Fig. 1]

[ Fig. 2]

[ Fig. 3]

[ Fig. 4]

[ Fig. 5]

[ Fig. 6]

[ Fig. 7]

[ Fig. 8]

[ Fig. 9]

[ Fig. 10]

[ Fig. 11]