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1. WO2018211615 - 空気調和装置の制御装置および空気調和システム

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明 細 書

発明の名称 空気調和装置の制御装置および空気調和システム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

符号の説明

0049  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : 空気調和装置の制御装置および空気調和システム

技術分野

[0001]
 この発明は、空気調和装置の制御装置および空気調和システムに係るものである。たとえば、1つの空調対象空間に設置された複数の空気調和装置の制御を行う制御装置などに関するものである。

背景技術

[0002]
 1つの空調対象空間の空気調和を行う際、複数の空気調和装置が協調して行うことがある。このとき、1台の制御装置が集中制御を行い、各空気調和装置の運転効率から優先的に運転すべき空気調和装置を設定して、運転開始指示または出力増大指示を与えるものがある(たとえば、特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開平11-211187号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 1つの空調対象空間に対して、複数の空気調和装置を運転させて空気調和を行う場合、たとえば、それぞれの空気調和装置を、異なるセンサの検出による室温で制御すると、室温に対する影響力に違いが生じる。したがって、圧縮機の駆動周波数(空調能力)が極端に大きい空気調和装置と、極端に小さい空気調和装置とが発生し、圧縮機の負荷に差が生じる。このため、圧縮機などの寿命がアンバランスになるとともに、空調対象空間内で温度差が生じ、同じ空調対象空間内でも、どの空気調和装置の近くに居るかによって温冷感が異なるという問題があった。
[0005]
 ただ、たとえば、すべての空気調和装置を1つのセンサで制御し、圧縮機の駆動周波数を同じにしたり、特許文献1のように、運転効率を重視して圧縮機の駆動周波数を決定したりすると、特に空調負荷に偏りがある場合など、空調対象空間内の温度差を解消できないという問題があった。
[0006]
 この発明は、上記のような課題を解決するため、各空気調和装置における圧縮機の負荷を平準にし、また、空調対象空間内の温度差を小さくすることができる空気調和装置の制御装置および空気調和システムを提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段

[0007]
 この発明に係る空気調和装置の制御装置は、1または複数の圧縮機を有し、冷媒を循環させる冷媒回路を有する、同じ空間を空調対象空間とする複数の空気調和装置を制御する制御装置であって、制御装置は、空調対象空間において、各々の空気調和装置が設置された位置に対応する温度に基づいて、空調対象空間の代表温度を決定し、各々の空気調和装置における温度差を演算する温度演算部と、空調対象空間の代表温度に基づいて、空気調和装置の冷媒回路における基準となる基準熱搬送能力を決定する空間温度制御部と、基準熱搬送能力に基づいて、各々の冷媒回路における熱搬送能力を決定する能力演算部と、空気調和装置における温度差に基づいて、各々の冷媒回路における熱搬送能力の補正値を演算する温度差制御部と、補正値に基づいて、冷媒回路における熱搬送能力を補正する補正演算部とを備えるものである。

発明の効果

[0008]
 この発明によれば、空調対象空間内の温度差に基づいて、複数の空気調和装置における熱搬送能力を補正することで、複数の空気調和装置において、運転のばらつきを抑え、装置の長寿命化をはかることができる。また、空調対象空間内の温度差を抑えることができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] この発明の実施の形態1に係る空気調和システムの構成を示す図である。
[図2] この発明の実施の形態1に係る空気調和装置100の構成を示す図である。
[図3] この発明の実施の形態1に係る制御装置200の制御に係る構成と制御の流れを説明する図である。
[図4] この発明の実施の形態2に係る制御装置200の制御に係る構成と制御の流れを説明する図である。
[図5] この発明の実施の形態3に係る空気調和システムの構成を示す図である。
[図6] この発明の実施の形態3に係る制御装置200の制御に係る構成と制御の流れを説明する図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、発明の実施の形態に係る空気調和装置について、図面などを参照しながら説明する。図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。また、図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。また、明細書に記載された機器がすべて含まれていなくてもよい場合がある。特に構成要素の組み合わせは、各実施の形態における組み合わせのみに限定するものではなく、他の実施の形態に記載した構成要素を別の実施の形態に適用することができる。また、圧力および温度の高低については、特に絶対的な値との関係で高低が定まっているものではなく、装置などにおける状態、動作などにおいて相対的に定まるものとする。また、添字で区別などしている複数の同種の機器などについて、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、符号、添字などを省略して記載する場合がある。
[0011]
実施の形態1.
 図1は、この発明の実施の形態1に係る空気調和システムの構成を示す図である。ここでは、複数台の空気調和装置100が、空調対象空間300に設置されている。図1では、2台の空気調和装置100Aおよび空気調和装置100Bが、空調対象空間300に設置されている。空気調和装置100Aは、室外機10Aおよび室内機20Aを有している。また、空気調和装置100Bは、室外機10Bおよび室内機20Bを有している。ここで、空気調和装置100は、後述するように、構成した冷媒回路内において、熱搬送を行う冷媒を循環させて、空調対象空間300の空気を加熱または冷却を行って空気調和するヒートポンプ装置である。
[0012]
 また、各空気調和装置100の室内機20には、それぞれ、温度検出装置となる温度センサ201が設置されている。各温度センサ201は、空調対象空間300内において、それぞれ設置された位置における温度を検出し、計測する。そして、各温度センサ201は、計測した温度Tのデータを含む信号を制御装置200に送る。
[0013]
 また、制御装置200は、各温度センサ201からの信号に含まれるデータに基づいて、複数の空気調和装置100を制御対象として運転制御を行う。制御装置200は、空気調和装置100が備える圧縮機30の駆動制御を行って、各空気調和装置100における、空調対象空間300側に熱を搬送する熱搬送能力を制御する。ここでは、特に、圧縮機30に対して、指令に係る駆動周波数である指令周波数の信号を送り、圧縮機30による冷媒の吐出を制御する。ここで、図1において破線で示している、制御装置200と、温度センサ201並びに圧縮機30との間の通信を示す線は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。また、図1では、独立した制御装置200を記載しているが、いずれかの空気調和装置100が制御装置200を有するようにしてもよい。また、空気調和装置100が有するコントローラなどが、制御装置200として、処理などを行うようにしてもよい。
[0014]
 空調対象空間300は、住宅、オフィスなど、空気調和を必要とする空間であればどのような空間でもよい。特に、細長いなどアスペクト比が大きい空間、大きさに対する空調負荷が大きい空間などにおいては、空調負荷の分布に偏りが発生しやすい。たとえば、電車、バス内などの空間は、形が細長い上に、客の乗降、扉の開閉などがあって、空調負荷の変動および空間内の位置によって温度差が大きくなりやすい。このような空調対象空間300は、この発明による効果が大きい。ここでは、鉄道車両内の空間が空調対象空間300であるものとして説明する。
[0015]
 図2は、この発明の実施の形態1に係る空気調和装置100の構成を示す図である。ここで、2台の空気調和装置100Aと空気調和装置100Bとにおける機器構成および運転動作は、ほぼ同様である。
[0016]
 室外機10は、圧縮機30、流路切換弁40、絞り装置50および室外熱交換器60および室外ファン70を有している。圧縮機30は、冷媒を吸入し、高温および高圧にして吐出する。流路切換弁40は、圧縮機30から吐出された冷媒の循環方向を変更する弁である。絞り装置50は、高圧の液相の冷媒を膨張させて、気液混合相の低温および低圧の冷媒にして通過させる。ここで、絞り装置50は、冷媒回路において、室内熱交換器80と室外熱交換器60との間に設置されていればよいので、室外機10ではなく、室内機20が有していてもよい。室外熱交換器60は、室外の空気(外気)と冷媒との熱交換を行う熱源側熱交換器である。冷房運転時においては凝縮器として機能し、冷媒を凝縮して液化させる。また、暖房運転時においては蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させ、気化させる。室外ファン70は、室外熱交換器60に外気を通過させる送風機である。
[0017]
 一方、室内機20は、室内熱交換器80および室内ファン90を有している。室内熱交換器80は、たとえば、空調対象空間300の空気と冷媒との熱交換を行う負荷側熱交換器である。冷房運転時においては蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させ、気化させる。また、暖房運転時においては凝縮器として機能し、冷媒を凝縮して液化させる。室内ファン90は、空調対象空間300の空気を、室内熱交換器80に通過させ、室内熱交換器80を通過させた空気を空調対象空間300に供給する。
[0018]
 そして、空気調和装置100において、圧縮機30、流路切換弁40、室内熱交換器80、絞り装置50および室外熱交換器60が配管で接続され、冷媒を循環させる冷媒回路が構成される。ここで、たとえば、図1では、室外機10と室内機20とは、空調対象空間300を跨いで隣接しているように書かれている。しかし、図1の記載は一例である。室外機10内の機器と室内機20内の機器とを接続する配管を長くして、室外機10と室内機20とを離して配置するようにしてもよい。
[0019]
 冷媒回路においては、冷媒回路を循環する冷媒の凝縮と気化とを利用して、外気または空調対象空間300の空気のいずれか一方から吸熱し、他方の空気に放熱する動作が行われる。この動作により、圧縮機30の圧縮動作に要する動力に比して効率よく、外気と空調対象空間300の空気との間で、冷媒を介した熱の移動(熱搬送)を行うことができる。冷媒には、フロン系、炭化水素系、二酸化炭素など、使用温度圧力範囲内で気液二相化が可能な冷媒が用いられる。
[0020]
 ここで、インバータ装置などを用いることにより、圧縮機30の駆動周波数を細かく連続的に制御できる方が、この発明による効果が大きい。ここでは、インバータ装置が用いられ、圧縮機30は、後述するように制御装置200からの指令周波数に基づく駆動を行うことができるものとする。段階的な制御しかできない圧縮機30の場合は、指令周波数に最も近い駆動周波数で駆動させることで、この発明を適用することができる。また、アンロード運転(冷媒の一部をバイパスさせることにより、空調能力を低減する運転)、ファン風量制御などのように、圧縮機30の駆動周波数を変化させる以外の方法で空調能力を段階的に制御する空気調和装置100の場合は、各段階における空調能力の割合を数値化し、この発明における圧縮機30の駆動周波数に相当させることで、この発明を適用することができる。
[0021]
 流路切換弁40の切り換えにより、冷媒回路における冷媒の循環方向が変更される。空調対象空間300の空気を冷却する冷房運転などの運転においては、絞り装置50側から室内熱交換器80側へ気液二相化された低温および低圧の冷媒が流れる。一方、空調対象空間300の空気を加熱する通常暖房運転などの運転においては、圧縮機30側から室内熱交換器80側へ高温および高圧の気相の冷媒が流れる。たとえば、冷房運転のみしかできない冷房専用機および暖房運転のみしかできない暖房専用機では、冷媒の流路を切り替える必要がない。このため、流路切換弁40は不要である。流路切換弁40を有していない空気調和装置100においても、この発明による効果を奏することができる。
[0022]
 絞り装置50は、冷媒を膨張させることで冷媒が通過する際の流量および前後の圧力差を変更することができる装置である。絞り装置50として、キャピラリチューブなどのいわゆる毛細管、手動で調整する調節弁、電気的に駆動する電磁調節弁などを用いることができる。
[0023]
 ここで、図1では示していないが、たとえば、圧縮機30の吸入側に、余剰冷媒を溜める容器となるアキュムレータを設置してもよい。冷媒回路中の余剰冷媒をアキュムレータに溜めることで、より効率的に空調能力を制御することができる。また、圧縮機30に、液状の冷媒が吸入されにくくなるので、液バックを防ぎ、圧縮機30の故障を防止することができる。
[0024]
 図3は、この発明の実施の形態1に係る制御装置200の制御に係る構成と制御の流れを説明する図である。制御装置200は、温度演算部210、空間温度制御部220、温度差制御部230、能力演算部240および補正演算部250を有している。温度演算部210は、各温度センサ201からの信号に含まれる温度値のデータに基づく演算処理を行う。たとえば、空調対象空間300内の空気の温度分布における差となる各温度センサ201における温度差ΔTを演算処理する。また、空調対象空間300の代表温度T0を設定する処理を行う。
[0025]
 空間温度制御部220は、代表温度T0を被制御量として、代表温度T0が空調対象空間300の設定温度STに近づくように、基準熱搬送能力となる圧縮機30の基準周波数Fを決定する処理を行う。設定温度STは、たとえば、利用者がリモートコントローラなどから入力して設定される温度である。また、温度差制御部230は、空調対象空間300に発生する温度差ΔTを被制御量として、温度差ΔTが0に近づき、空調対象空間300の温度差が解消されるように、圧縮機30の駆動周波数の補正値αを決定する処理を行う。能力演算部240は、基準周波数Fに基づいて、各圧縮機30の仮周波数fを決定する処理を行う。そして、補正演算部250は、補正値αに基づいて仮周波数fを補正する処理を行い、各圧縮機30を制御する駆動周波数を出力する。
[0026]
 制御装置200については、たとえば、CPU(Central Processing Unit)などの制御演算処理装置を有するマイクロコンピュータなどで構成されている。また、記憶装置(図示せず)を有しており、制御などに係る処理手順をプログラムとしたデータを有している。そして、制御演算処理装置がプログラムのデータに基づいて各部の処理を実行して制御を実現する。また、制御装置200内の各部がそれぞれ異なる専用機器(ハードウェア)で構成されていてもよい。
[0027]
 次に、制御装置200が行う実施の形態1に係る2台の圧縮機30Aおよび圧縮機30Bの制御について説明する。温度演算部210は、温度センサ201Aおよび温度センサ201Bからのそれぞれの信号に含まれる温度値T1および温度値T2を加算平均する演算を行う。そして、演算したTave(T1,T2)を、空調対象空間300の代表温度T0とする。また、温度演算部210は、温度値T1および温度値T2の温度差ΔT(=T1-T2)を演算する。ここで、温度差ΔTは、正または負のいずれの値でもよい。
[0028]
 空間温度制御部220は、代表温度T0を被制御量とする。そして、空間温度制御部220は、代表温度T0が設定温度STに近づくように、すべての圧縮機30における駆動周波数の基準となる基準周波数Fを決定する。また、能力演算部240は、2台の空気調和装置100の空調能力の合計が、空調負荷をまかなうことができるように、基準周波数Fから、圧縮機30Aの仮周波数f1および圧縮機30Bの仮周波数f2を決定する。このとき、圧縮機30Aおよび圧縮機30Bのそれぞれの容量比率、性能などに基づいて仮周波数f1および仮周波数f2を決定する。
[0029]
 一方、温度差制御部230は、温度演算部210が演算した温度差ΔTに基づいて、空調対象空間300の温度差が小さくなるように、駆動周波数の補正値αを決定する。そして、補正演算部250は、補正値αに基づいて仮周波数f1を補正し、圧縮機30Aの指令周波数F1(=f1-α)を決定する。また、仮周波数f2を補正し、圧縮機30Bの指令周波数F2(=f2+α)を決定する。ここで、補正値αは、正または負のいずれの値でもよい。温度差ΔTと補正値αとの関係は、運転モードによって変わる。たとえば、冷房運転時においては、室温が周囲より高い方の圧縮機30の駆動周波数が高くなるように補正する。また、暖房運転時においては、周囲より温度が低い方の圧縮機30の駆動周波数が高くなるように補正する。
[0030]
 以上のように、実施の形態1における空気調和装置100の制御装置200では、空調対象空間300内の温度差に基づいて、空調対象空間300内を空気調和する複数の空気調和装置100における圧縮機30の駆動周波数を補正し、制御するようにしたので、空調対象空間300内の温度差を抑えることができる。たとえば、2台の圧縮機30を補正する方が、制御の幅を広くすることができ、空調対象空間300内の温度差をよりはやく解消し、均一にすることができる。また、圧縮機30の発停回数を少なくすることができるので、圧縮機30および空気調和装置100の長寿命化をはかることができる。
[0031]
実施の形態2.
 図4は、この発明の実施の形態2に係る制御装置200の制御に係る構成と制御の流れを説明する図である。図4に示す各部が行う基本的な機能は、実施の形態1において説明したことと同様である。
[0032]
 実施の形態2では、温度演算部210は、温度値T1を代表温度T0として決定する。たとえば、空間温度制御部220が決定する基準周波数Fおよび能力演算部240が決定する仮周波数f1には、温度値T1が反映されることとなるため、補正演算部250は、圧縮機30Aの仮周波数f1については補正を行わず、圧縮機30Aの指令周波数F1は、F1=f1とする。したがって、実施の形態2では、補正演算部250は、圧縮機30Bの仮周波数f2だけを補正して、圧縮機30Bの指令周波数F2を決定する。
[0033]
実施の形態3.
 図5は、この発明の実施の形態3に係る空気調和システムの構成を示す図である。図5では、3台の空気調和装置100C、空気調和装置100Dおよび空気調和装置100Eが、空調対象空間300に設置されている。空気調和装置100Cは、室外機10Cおよび室内機20Cを有している。また、空気調和装置100Dは、室外機10Dおよび室内機20Dを有している。そして、空気調和装置100Eは、室外機10Eおよび室内機20Eを有している。空気調和装置100C、空気調和装置100Dおよび空気調和装置100Eの機器構成などについては、実施の形態1において説明した空気調和装置100と同様である。
[0034]
 図6は、この発明の実施の形態3に係る制御装置200の制御に係る構成と制御の流れを説明する図である。図6に示す各部が行う基本的な機能は、実施の形態1および実施の形態2において説明したことと同様である。空調対象空間300内を空気調和する空気調和装置100の数が、実施の形態1よりも多いため、実施の形態3の制御装置200は、演算処理が異なる。
[0035]
 次に、制御装置200が行う実施の形態1に係る3台の圧縮機30C、圧縮機30Dおよび圧縮機30Eの制御について説明する。温度演算部210は、温度センサ201C、温度センサ201Dおよび温度センサ201Eからのそれぞれの信号に含まれる温度値T3、温度値T4および温度値T5を加算平均する演算を行う。そして、演算したTave(T3,T4,T5)を、空調対象空間300の代表温度T0とする。また、温度演算部210は、温度値T3および温度値T4の温度差ΔT1(=T3-T4)および温度値T3および温度値T5の温度差ΔT2(=T3-T5)を演算する。ここで、温度差ΔT1および温度差ΔT2は、正または負のいずれの値でもよい。
[0036]
 空間温度制御部220は、代表温度T0を被制御量とする。そして、空間温度制御部220は、実施の形態1などと同様に、代表温度T0が設定温度STに近づくように、すべての圧縮機30における駆動周波数の基準となる基準周波数Fを決定する。また、能力演算部240は、3台の空気調和装置100の空調能力の合計が、空調負荷をまかなうことができるように、基準周波数Fから、圧縮機30Cの仮周波数f3、圧縮機30Dの仮周波数f4および圧縮機30Eの仮周波数f5を決定する。このとき、圧縮機30C、圧縮機30Dおよび圧縮機30Eのそれぞれの容量比率、性能などに基づいて仮周波数f3、仮周波数f4および仮周波数f5を決定する。
[0037]
 一方、温度差制御部230は、温度演算部210が演算した温度差ΔT1および温度差ΔT2に基づいて、空調対象空間300の温度差が小さくなるように、駆動周波数の補正値αを決定する。そして、補正演算部250は、補正値αに基づいて仮周波数f4を補正し、圧縮機30Dの指令周波数F4(=f4+α1)を決定する。また、仮周波数f5を補正し、圧縮機30Eの指令周波数F5(=f5+α2)を決定する。ここで、仮周波数f3は、そのまま圧縮機30Cの指令周波数F3となる。実施の形態3の空気調和装置100においても、たとえば、冷房運転時においては、室温が周囲より高い方の圧縮機30の駆動周波数が高くなるように補正する。また、暖房運転時においては、周囲より温度が低い方の圧縮機30の駆動周波数が高くなるように補正する。
[0038]
 ここで、上述した例では、温度演算部210は、温度値T3および温度値T4の温度差ΔT1および温度値T3および温度値T5の温度差ΔT2を演算したが、これに限定するものではない。たとえば、3つの温度値のうち、中央値Tmedian(T3,T4,T5)と最大値Tmax(T3,T4,T5)との温度差および中央値Tmedian(T3,T4,T5)と最小値Tmin(T3,T4,T5)との温度差を演算してもよい。このとき、補正演算部250は、最大値Tmax(T3,T4,T5)および最小値Tmin(T3,T4,T5)の検出に係る温度センサ201に対応する空気調和装置100の圧縮機30を、それぞれ補正する。空調対象空間300内において、温度差が大きい位置に対応する空気調和装置100の圧縮機30に対して駆動周波数について補正を行うことで、空調対象空間300内の温度差をはやく抑え、均一にすることができる。また、温度差が最大となる最大値Tmax(T3,T4,T5)と最小値Tmin(T3,T4,T5)との温度差を演算してもよい。
[0039]
実施の形態4.
 前述した実施の形態1~実施の形態3において、温度演算部210は、各温度センサ201の検出に係る温度の平均値を、代表温度T0と決定するようにしたが、これに限定するものではない。たとえば、実施の形態1および実施の形態2においては、2つの温度センサ201の検出に係る温度のいずれか一方を、代表温度T0としてもよい。また、実施の形態3においては、3つの温度センサ201の検出に係る温度のうち、最大値Tmax(T3,T4,T5)、最小値Tmin(T3,T4,T5)または中央値Tmedian(T3,T4,T5)のいずれか1つの温度値を、代表温度T0としてもよい。
[0040]
 また、温度演算部210は、各温度センサ201の検出に係る温度により温度差を算出するようにしたが、これに限定するものではない。たとえば、実施の形態1および実施の形態2においては、温度差ΔTを、ΔT=Tave(T1,T2)-T1またはΔT=Tave(T1,T2)-T2とし、平均温度との検出した温度との温度差を温度差ΔTとしてもよい。
[0041]
 また、実施の形態3においては、ΔT3=Tave(T3,T4,T5)-T3、ΔT4=Tave(T3,T4,T5)-T4、ΔT5=Tave(T3,T4,T5)-T5とし、平均温度値との温度差を演算してもよい。そして、温度差制御部230が、駆動周波数の補正値α3、補正値α4および補正値α5を決定し、補正演算部250が、仮周波数f3、仮周波数f4および仮周波数f5をそれぞれ補正するようにしてもよい。温度差ΔTについては、標準偏差を演算して、温度差などの演算に用いるようにしてもよい。
[0042]
実施の形態5.
 前述した実施の形態1~実施の形態4では特に示さなかったが、たとえば、補正などにより、圧縮機30の指令周波数が、圧縮機30が、設定されている運転可能な最低周波数以下になることがある。たとえば、最低周波数以下の指令周波数となった圧縮機30を停止させてもよいが、たとえば、空調対象空間300が広く、空調負荷が小さい場合でも、運転している空気調和装置100と運転していない空気調和装置100があると、空調対象空間300内の温度差が大きくなる。したがって、空気調和装置100の運転を停止せず、最低周波数で圧縮機30の駆動を継続する方がよい。
[0043]
 そして、すべての圧縮機30に対する駆動周波数が、それぞれの最低周波数以下になったとき、はじめて駆動周波数が最も小さい圧縮機30を停止させるようにし、全部の圧縮機30が駆動している時間をできるだけ長くする。また、たとえば、室内ファン90および室外ファン70の少なくとも一方が、風量を変化させることができる場合には、圧縮機30は、最低周波数以下での駆動を継続し、冷媒圧力などの運転状態が許容される範囲内で、風量を調整して、空調能力を調整するようにしてもよい。このようにして、圧縮機30を停止する回数および停止する台数を減らすことができる。
[0044]
 停止させた圧縮機30を再駆動させるタイミングについて、補正後の指令周波数が駆動可能な最低周波数以上になったときでもよいが、たとえば、最低周波数よりも5%程度大きい駆動周波数以上の指令周波数となったときにするとよい。再駆動させる駆動周波数を最低周波数よりも高く設定することにより、圧縮機30の駆動周波数が最低周波数以下になることを減らすことができる。このため、制御中の圧縮機30の発停回数を減らすことができ、安定した室温制御が実現できるとともに、圧縮機30などを長寿命化させることができる。
[0045]
 また、前述した実施の形態1~実施の形態4においては、特に示さなかったが、能力演算部240が演算する圧縮機30の駆動周波数の補正値に上限および下限の少なくとも一方を設定してもよい。実施の形態1の制御装置200においては、補正値αが、正負の値をとるため、上限の設定が下限を設定することになる。そこで、補正値αの上限について説明する。たとえば、圧縮機30の駆動周波数の最大周波数の10%を上限に設定する。最大周波数の10%を上限に設定にすることで、圧縮機30への負荷が偏るのを防ぐことができる。それだけでなく、たとえば、温度センサ201の検出にノイズが入るなど、一時的な異常が起きた場合に、制御が発散することを防ぐことができ、制御の安定性を向上させることができる。ここで、たとえば、駆動周波数の補正値の上限は、最大周波数の10%でなくてもよい。補正値の上限を大きくとると、複数の圧縮機30の駆動周波数の差が大きくなって制御をはやくすることができ、補正値の上限を小さくとると、安定性を増すことができる。
[0046]
 また、実施の形態1~実施の形態4では、圧縮機30の駆動周波数を変化させることによって熱搬送能力を変更する空気調和装置100の例を示した。たとえば、運転時における駆動周波数が固定である圧縮機30の場合、制御装置200による駆動周波数の指示が、圧縮機30の駆動周波数ではなく熱搬送能力を指すものであって、たとえば、所定時間における圧縮機30の駆動時間の比率(割合)を指すものと考えることができる。空気調和装置100が、圧縮機30の駆動時間比率を変えることによって、熱搬送能力を変更するようにしたものであってもよい。
[0047]
 また、実施の形態1~実施の形態4においては、1台の室外機10に1台の圧縮機30を搭載しているものとして説明したが、搭載台数はで任意の台数でよい。たとえば、1つの冷媒回路に複数台の圧縮機30を有していてもよい。また、1台の室外機10と1台の室内機20の中に複数の冷媒回路を構成し、複数台の圧縮機30を有していてもよい。
[0048]
 また、1台の室外機10と複数台の室内機20を備える空気調和装置100としてもよい。また、複数台の室外機10と1台の室内機20を備える空気調和装置100であってもよい。たとえば、一見すると複数の室内機20を備えた1台の空気調和装置100でも、内部にそれぞれ圧縮機30を備えた独立した冷媒回路が複数あり、室内機20の吹出し口、温度センサ201の位置が、空調対象空間300内の温度差が生じるのに十分な程度に離れていれば、この発明を適用することができる。

符号の説明

[0049]
 10,10A,10B,10C,10D,10E 室外機、20,20A,20B,20C,20D,20E 室内機、30,30A,30B,30C,30D,30E 圧縮機、40 流路切換弁、50 絞り装置、60 室外熱交換器、70 室外ファン、80 室内熱交換器、90 室内ファン、100,100A,100B,100C,100D,100E 空気調和装置、200 制御装置、201,201A,201B,201C,201D,201E 温度センサ、210 温度演算部、220 空間温度制御部、230 温度差制御部、240 能力演算部、250 補正演算部、300 空調対象空間。

請求の範囲

[請求項1]
 1または複数の圧縮機を有し、冷媒を循環させる冷媒回路を有する、同じ空間を空調対象空間とする複数の空気調和装置を制御する制御装置であって、
 前記制御装置は、
 前記空調対象空間において、各々の前記空気調和装置が設置された位置に対応する温度に基づいて、前記空調対象空間の代表温度を決定し、各々の前記空気調和装置における温度差を演算する温度演算部と、
 前記空調対象空間の代表温度に基づいて、前記空気調和装置の前記冷媒回路における基準となる基準熱搬送能力を決定する空間温度制御部と、
 前記基準熱搬送能力に基づいて、各々の前記冷媒回路における熱搬送能力を決定する能力演算部と、
 前記空気調和装置における温度差に基づいて、各々の前記冷媒回路における熱搬送能力の補正値を演算する温度差制御部と、
 前記補正値に基づいて、前記冷媒回路における熱搬送能力を補正する補正演算部と
を備える空気調和装置の制御装置。
[請求項2]
 前記制御装置は、前記冷媒回路における熱搬送能力の制御を、前記圧縮機の駆動周波数を制御して行う請求項1に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項3]
 前記制御装置は、前記冷媒回路における熱搬送能力の制御を、所定時間における前記圧縮機の駆動時間の比率を制御して行う請求項1に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項4]
 前記補正演算部が演算した前記補正値に対して、上限または下限の少なくとも一方を設定する請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項5]
 前記温度演算部は、前記空調対象空間内の複数の位置における温度の平均値、最大値、最小値または中央値のいずれか1つを、前記空調対象空間の前記代表温度に決定する請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項6]
 前記温度演算部は、各々の前記空気調和装置に対応して前記空調対象空間内に設置され、設置された位置における温度を検出する複数の温度検出装置の検出に係る温度から、前記空調対象空間の前記代表温度を決定する請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項7]
 前記温度演算部は、前記空調対象空間内の複数の位置における平均温度値と前記複数の位置における温度との温度差、前記複数の位置における最大温度差または標準偏差のいずれか1つを、前記空気調和装置における温度差として演算する請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項8]
 前記温度演算部は、前記空調対象空間の代表温度と前記複数の位置における温度との温度差、前記複数の位置における最大温度差または標準偏差のいずれか1つを、前記空気調和装置における温度差として演算する請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項9]
 制御対象となる複数の前記空気調和装置におけるすべての前記圧縮機が、それぞれ設定された最低周波数以下になるまで、すべての前記圧縮機の駆動を継続する請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項10]
 停止している前記圧縮機を再駆動する際、前記圧縮機に設定された最低周波数よりも大きい駆動周波数での駆動を前記圧縮機に指令する請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項11]
 鉄道車両内の空間を空気調和する空気調和装置を制御対象とする請求項1~請求項10のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
[請求項12]
 1または複数の圧縮機を有し、冷媒を循環させる冷媒回路を構成する、同じ空間を空調対象空間とする複数の空気調和装置と、
 各々の前記空気調和装置に対応して前記空調対象空間内に設置され、設置された位置における温度を検出する複数の温度検出装置と、
 請求項1~請求項11のいずれか一項に記載の制御装置と
を備える空気調和システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]