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1. WO2018216741 - 加飾フィルム

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明 細 書

発明の名称 加飾フィルム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064  

実施例

0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084  

符号の説明

0085  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

図面

1   2  

明 細 書

発明の名称 : 加飾フィルム

技術分野

[0001]
 本発明は、3次元成形品を加飾するために使用される加飾フィルムに関する。

背景技術

[0002]
 自動車用内外装品等の分野で使用される3次元成形品の表面は、意匠性の付与や表面の保護を目的として、加飾フィルムによる加飾が施される場合がある。特許文献1には、ポリフッ化ビニリデンを含むクリヤー層を有する加飾フィルムが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2014-184726号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、特許文献1に記載されているようなポリフッ化ビニリデンを含むクリヤー層を有する加飾フィルムは、クリヤー層の3次元成形品に対する追従性が悪く、成形性に劣る場合があった。また、ポリフッ化ビニリデンを含むクリヤー層は、引張強度に劣る場合があった。
[0005]
 本発明は、上記課題に鑑みて、成形性および引張強度に優れた加飾フィルム、および加飾フィルム付き3次元成形品の製造方法の提供を課題とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、特定量のフルオロオレフィンに基づく単位と、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、および(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種である架橋性基を有しない単量体に基づく単位と、架橋性基を有する単位とを含む含フッ素重合体を用いてクリヤー層を形成すれば、所望の効果が得られることを見出し、本発明に至った。
 すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[0007]
 [1]3次元成形品を加飾するために使用される、基材フィルム層とクリヤー層とを少なくとも有する加飾フィルムであって、
 前記クリヤー層が、フルオロオレフィンに基づく単位と、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステルおよび(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種である架橋性基を有しない単量体に基づく単位と、架橋性基を有する単位とを含む含フッ素重合体を用いてなり、前記フルオロオレフィンに基づく単位の含有量が、前記含フッ素重合体が含む全単位に対して、20~70モル%であることを特徴とする加飾フィルム。
 [2]前記架橋性基を有する単位の含有量が、前記含フッ素重合体が含む全単位に対して、3~40モル%である、[1]の加飾フィルム。
 [3]前記架橋性基を有しない単量体に基づく単位が、式-C(Y 10で表される炭素数4~8のアルキル基(式中、Y 10は、それぞれ独立に炭素数1~5のアルキル基である。)または炭素数6~10のシクロアルキル基を有する、[1]または[2]の加飾フィルム。
 [4]前記含フッ素重合体のガラス転移温度が、30~120℃である、[1]~[3]のいずれかの加飾フィルム。
 [5]前記含フッ素重合体の水酸基価が、30~150mgKOH/gである、[1]~[4]のいずれかの加飾フィルム。
[0008]
 [6]前記クリヤー層が、可塑剤を含む、[1]~[5]のいずれかの加飾フィルム。
 [7]前記可塑剤が、重量平均分子量が1,000~20,000の(メタ)アクリル樹脂からなる可塑剤である、[6]の加飾フィルム。
 [8]前記可塑剤が、重量平均分子量が100~10,000のポリエーテルグリコールからなる可塑剤である、[6]の加飾フィルム。
 [9]前記クリヤー層が、イソシアネート基を1分子中に2以上有する化合物を含む、[1]~[8]のいずれかの加飾フィルム。
 [10]前記クリヤー層が、有機系紫外線吸収剤および有機系光安定剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]~[9]のいずれかの加飾フィルム。
[0009]
 [11]前記3次元成形品が、自動車外装部品または自動車内装部品である、[1]~[10]のいずれかの加飾フィルム。
 [12]前記加飾フィルムにおいて、さらに接合層を有し、前記接合層、前記クリヤー層、前記基材フィルム層の順に積層されており、前記クリヤー層と前記基材フィルム層とが接するように積層されている、[1]~[11]のいずれかの加飾フィルム。
 [13]前記加飾フィルムにおいて、さらに接合層を有し、前記接合層、前記基材フィルム層、前記クリヤー層の順に積層されている、[1]~[11]のいずれかの加飾フィルム。
 [14]前記[12]の加飾フィルムの接合層と3次元成形品の被加飾面とを、真空成形法により減圧雰囲気下で圧着し、次いで前記基材フィルム層を剥離して、前記クリヤー層を最表面に有する加飾フィルム付き3次元成形品を得る、加飾フィルム付き3次元成形品の製造方法。
 [15]前記[13]の加飾フィルムの接合層と3次元成形品の被加飾面とを、真空成形法により減圧雰囲気下で圧着して、前記クリヤー層を最表面に有する加飾フィルム付き3次元成形品を得る、加飾フィルム付き3次元成形品の製造方法。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、成形性および引張強度に優れた加飾フィルム、および加飾フィルム付き3次元成形品の製造方法を提供できる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 本発明の加飾フィルムの積層構造の一例を示す概略側面図である。
[図2] 本発明の加飾フィルムの積層構造の一例を示す概略側面図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 本発明における用語の意味は以下の通りである。
 「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および「メタクリレート」の総称であり、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および「メタクリル」の総称である。
 「単位」とは、単量体の重合により直接形成された、上記単量体1分子に由来する原子団と、上記原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。重合体が含む全単位に対する、それぞれの単位の含有量(モル%)は、重合体を核磁気共鳴スペクトル法により分析して求められ、また、重合体の製造におけるそれぞれの単量体の仕込量からも推定できる。
 「酸価」および「水酸基価」はそれぞれ、JIS K 0070-3(1992)の方法に準じて測定される値である。
 「ガラス転移温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定される、重合体の中間点ガラス転移温度である。「ガラス転移温度」は「Tg」ともいう。
 「軟化温度」は、JIS K 7196(1991)の方法に準じて測定される値である。
 「数平均分子量」および「重量平均分子量」は、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値である。「数平均分子量」は「Mn」ともいい、「重量平均分子量」は「Mw」ともいう。
 「全光線透過率」は、JIS K 7361-1:1997に準拠し、D光源にて測定される値である。「紫外線透過率」は、全光線透過率のうち、波長10~400nmにおける光線透過率の値である。
 本発明において、加飾フィルムとは、成形品等の物品に対し、意匠性の付与や表面の保護のために用いられるフィルムを意味する。
[0013]
 本発明の加飾フィルムは、3次元成形品を加飾するために使用される、基材フィルム層とクリヤー層とを少なくとも有する加飾フィルムであって、上記クリヤー層が、フルオロオレフィンに基づく単位(以下、「単位F」ともいう。)と、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、および(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種である架橋性基を有しない単量体(以下、「単量体1」ともいう。)に基づく単位(以下、「単位1」ともいう。)と、架橋性基を有する単位(以下、「単位2」ともいう。)と、を含む含フッ素重合体を用いてなり、上記フルオロオレフィンに基づく単位の含有量が、上記含フッ素重合体が含む全単位に対して、20~70モル%である。
[0014]
 本発明の加飾フィルムは、成形性と引張強度に優れる。本発明における含フッ素重合体は、単位1を含むため、本発明におけるクリヤー層が、含フッ素重合体としてポリフッ化ビニリデンを用いて形成されたクリヤー層と比較して、柔軟性に富む。そのため、本発明の加飾フィルムは、複雑な立体形状を有する場合がある3次元成形品に良好に追従するので、成形性に優れると考えられる。
 また、本発明における含フッ素重合体は単位2を含むため、クリヤー層が強固となり、引張強度に優れた加飾フィルムが得られたと考えられる。
 また、本発明におけるクリヤー層は上述した含フッ素重合体を含むため、本発明の加飾フィルムは防汚性および耐久耐候性にも優れる。
[0015]
 まず、本発明の加飾フィルムの構成について、図面を参照しながら説明する。
 図1は、本発明の一実施形態である加飾フィルム10の積層構造を示す概略側面図である。加飾フィルム10は、接合層12、クリヤー層14、基材フィルム層16を有し、各層がこの順に積層されている。
 また、図1の例では、クリヤー層14と基材フィルム層16とが接するように配置されている。ただし、クリヤー層14と基材フィルム層16との間に、後述する離形層を設ける場合には、クリヤー層14と基材フィルム層16とは接していなくてもよい。
 加飾フィルム10の接合層12と3次元成形品(後述)の被加飾面とを減圧雰囲気下で圧着(加圧熱融着、加圧熱架橋等)し、次いで基材フィルム層16を加飾フィルム10から剥離することで、クリヤー層14、接合層12、3次元成形品の順に配置された加飾フィルム付き3次元成形品が得られる。このように、クリヤー層14は、加飾フィルム付き3次元成形品の最表面に位置する。
 また、図では接合層を有する加飾フィルムの態様を示したが、本発明の加飾フィルムは、接合層を有さなくてもよい。本発明の加飾フィルムが接合層を有さない場合、クリヤー層以外の層(基材フィルム層や、意匠層を有する場合は意匠層等)が、後述する三次元成形品の被加飾面と熱圧着され、加飾フィルム付き3次元成形品が得られる。
 クリヤー層14は、後述する含フッ素重合体を含むため、基材フィルム14との離形性にも優れる。
[0016]
 図2は、本発明の他の実施形態である加飾フィルム100の積層構造を示す概略側面図である。加飾フィルム100は、接合層120、基材フィルム層160、クリヤー層140を有し、各層がこの順に積層されている。
 加飾フィルム100の接合層120と3次元成形品(後述)の被加飾面とを減圧雰囲気下で圧着(加圧熱融着、加圧熱架橋等)することで、クリヤー層140、基材フィルム層160、接合層120、3次元成形品の順に配置された加飾フィルム付き3次元成形品が得られる。このように、クリヤー層140は、加飾フィルム付き3次元成形品の最表面に位置する。
[0017]
 本発明の加飾フィルムは、基材フィルム層およびクリヤー層を少なくとも有すればよく、各層の間に任意の層を有してもよい。
 また、後述の三次元成形品との密着性のために、クリヤー層とは反対側の表面に接合層を有していてもよい。
 また、図1および図2では示していないが、加飾フィルムの意匠性等を向上させるために、加飾フィルムは意匠層を有してもよい。意匠層は、接合層とクリヤー層との間に配置されるのが好ましい。本発明の加飾フィルムが接合層を有する場合は、意匠層は、接合層と接するように配置されるのがより好ましい。
 具体的には、図1の加飾フィルム10が意匠層を有する場合、接合層12、意匠層、クリヤー層14、基材フィルム層16の順に積層されるのが好ましい。
 また、図2の加飾フィルム100が意匠層を有する場合、接合層120、意匠層、基材フィルム層160、クリヤー層140の順に積層されるのが好ましい。
 なお、接合層またはクリヤー層が意匠層を兼ねていてもよく、この場合には意匠層は設けなくてもよい。
[0018]
 本発明における接合層は、加飾フィルムの接合層面と3次元成形品の表面とを接合させる層である。接合層は、後述する意匠層の機能を兼ね備えていてもよい。この場合、接合層に着色剤等を含ませれば、意匠層としての機能を兼ね備えた接合層が得られる。
 接合層は、接合性樹脂からなるか、または接合性樹脂を含む組成物からなることが好ましい。接合性樹脂としては、接着性樹脂、融着性樹脂、粘着性樹脂等が好ましい。接合層は、例えば、接合性樹脂を含む接合層形成剤や、反応して接合性樹脂となる成分を含む接合層形成剤を用いて形成できる。また、接合性樹脂や接合性樹脂を含む組成物からなるフィルムを用いて形成することもできる。
 接合性樹脂としては、熱融着性樹脂や熱架橋性樹脂が好ましい。熱融着性樹脂の場合は、熱軟化した樹脂を3次元成形品表面に接した状態で冷却固化させて該表面に接合できる。熱架橋性樹脂の場合は、樹脂を3次元成形品表面に接した状態で熱架橋させて該表面に接合できる。
[0019]
 熱融着性樹脂としては、軟化温度の低い部分架橋熱融着性樹脂や熱可塑性樹脂が挙げられる。熱融着性樹脂を含む接合層は、熱融着性樹脂を含む接合層形成剤や、反応して熱融着性樹脂となる成分を含む接合層形成剤を用いて形成することができる。例えば、ポリオールとポリイソシアネートを含む接合層形成剤を用いて、熱融着性ポリウレタン樹脂を含む接合層を形成することができる。
 熱融着性樹脂の軟化温度は、加飾フィルムの耐ブロッキング性および成形性の観点から、20~100℃が好ましく、25~90℃がより好ましい。
 熱融着性樹脂のMwは、成膜性および接合性の観点から、5,000~150,000が好ましく、6,000~130,000が特に好ましい。
 熱融着性樹脂は、3次元成形品との接着性が優れる観点から、熱融着性ウレタン樹脂、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル樹脂およびブチラール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の熱融着性樹脂であることが好ましい。
[0020]
 接合性樹脂は、主剤の樹脂と硬化剤を含む熱架橋性樹脂であってもよい。例えば、固体ポリオールや固体状のヒドロキシ末端ポリウレタンプレポリマーと固体ポリイソシアネートや固体ブロック化ポリイソシアネートとを含む熱架橋性ウレタン樹脂、固体ポリエポキシドと固体エポキシ樹脂硬化剤とを含むエポキシ樹脂、等の熱架橋性樹脂が挙げられる。
 接合層形成剤は、上記熱架橋性樹脂を含んでもよく、熱架橋性樹脂となる反応成分を含むものであってもよい。
[0021]
 接合層および接合層形成剤は、上記以外の成分を含んでいてもよい。上記以外の成分の具体例としては、後述する有機系紫外線吸収剤、後述する有機系光安定剤、後述する硬化触媒、酸化防止剤、表面調整剤、レベリング剤、タレ止め剤、増粘剤、消泡剤、導電性充填剤が挙げられる。接合層形成剤は、水や有機溶媒を含んでいてもよい。水や有機溶媒は接合層形成時に除去される。
 接合層の層厚は、成膜性および接合性の観点から、0.004~0.1mmが好ましく、0.01~0.06mmがより好ましい。
[0022]
 本発明における基材フィルム層は、加飾フィルムを製造する際に、各層を支持するための支持フィルムとして機能する。
 基材フィルム層を構成する材料の具体例としては、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、(メタ)アクリル樹脂、ポリフッ化ビニリデン、エチレンーテトラフルオロエチレン系重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリエステルおよびポリオレフィンの少なくとも1種が好ましく、低温加工性等の観点から、ポリエステルがより好ましい。
 基材フィルム層の層厚は、0.01~0.5mmが好ましく、0.02~0.3mmがより好ましい。
[0023]
 基材フィルム層は、少なくとも片面に凹凸模様を有していてもよい。凹凸模様は、エンボス加工、ヘアーライン加工、ケミカルエッチング加工等の加工方法により形成できる。基材フィルムが凹凸模様を有すれば、基材フィルムの剥離後の加飾フィルムにも凹凸模様が付されるので、凹凸模様に起因する意匠性を加飾フィルム付き3次元成形品に付与できる。
[0024]
 本発明におけるクリヤー層は、含フッ素重合体を用いてなるため、防汚性、耐久耐候性および耐薬品性等に優れる。そのため、クリヤー層を有する加飾フィルム付き3次元成形品も同様の効果を有する。
 クリヤー層は、含フッ素重合体が用いられていればよく、クリヤー層に含まれる含フッ素重合体は、架橋していてもよいし、架橋していなくてもよい。クリヤー層の硬度の点からは、クリヤー層に含まれる含フッ素重合体は架橋しているのが好ましい。いずれにしても、クリヤー層は、加飾フィルム付き3次元成形品の製造に供する前に、既に一定の層を形成している。そのため、加飾フィルムと3次元成形品を減圧雰囲気下で圧着する際に、クリヤー層以外の層に含まれる成分の揮発を抑制できる。
 クリヤー層は、例えば、含フッ素重合体を含むクリヤー層形成剤によって形成できる。
[0025]
 本発明における含フッ素重合体が含む単位Fとなるフルオロオレフィンは、水素原子の1個以上がフッ素原子で置換されたオレフィンである。フルオロオレフィンは、フッ素原子で置換されていない水素原子の1個以上が塩素原子で置換されていてもよい。
 フルオロオレフィンの具体例としては、CF =CF 、CF =CFCl、CF =CHF、CH =CF 、CF =CFCF 、CF =CHCF 、CF CH=CHF、CF CF=CH が挙げられる。フルオロオレフィンとしては、共重合性および耐薬品性の観点から、CF =CF 、CF =CFCl、CF CH=CHFおよびCF CF=CH が好ましく、CF =CF およびCF =CFClがさらに好ましく、CF =CFClが特に好ましい。フルオロオレフィンは、2種以上を併用してもよい。
 単位Fの含有量は、含フッ素重合体が含む全単位に対して、加飾フィルムの離形性および耐候性の観点から、20~70モル%であり、40~60モル%が好ましい。
[0026]
 本発明における含フッ素重合体が含む単位1は、架橋性基を有しない単位であり、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、および(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種である単量体(単量体1)に基づく単位である。単位1は、フッ素原子を有さないことが好ましい。
 単位1は、式-C(Y 10で表される炭素数4~8のアルキル基または炭素数6~10のシクロアルキル基を有するのが好ましい。Y 10は、それぞれ独立に炭素数1~5のアルキル基である。この場合、含フッ素重合体のTgを高く調整できるため、薬品の浸漬を抑制でき、耐薬品性に優れたクリヤー層が得られる。
[0027]
 単位1は、式X -Y で表される単量体に基づく単位であることが好ましい。
 X は、CH =CHC(O)O-、CH =C(CH )C(O)O-、CH =CHOC(O)-、CH =CHCH OC(O)-、CH =CHO-またはCH =CHCH O-である。X としては、加飾フィルムの耐候性に優れる観点から、CH =CHOC(O)-、CH =CHCH OC(O)-、CH =CHO-およびCH =CHCH O-が好ましい。
[0028]
 Y は炭素数1~24の1価の炭化水素基である。1価の炭化水素基は、直鎖状であってもよく分岐鎖状であってもよい。また、1価の炭化水素基は、環構造からなっていてもよく、環構造を含んでいてもよい。また、1価の炭化水素基は、1価の飽和炭化水素基であってもよく1価の不飽和炭化水素基であってもよい。
 1価の炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびアラルキル基が好ましく、炭素数2~12のアルキル基、炭素数6~10のシクロアルキル基、炭素数6~10のシクロアルキルアルキル基、炭素数6~10のアリール基および炭素数7~12のアラルキル基がより好ましい。
 アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基が挙げられる。
 シクロアルキル基の具体例としては、シクロヘキシル基が挙げられる。
 シクロアルキルアルキル基の具体例としては、シクロヘキシルメチル基が挙げられる。
 アラルキル基の具体例としては、ベンジル基が挙げられる。
 アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
 なお、シクロアルキル基およびシクロアルキルアルキル基のシクロアルキル部分、アリール基およびアラルキル基のアリール部分の水素原子は、アルキル基で置換されていてもよい。この場合、置換基としてのアルキル基の炭素数は、シクロアルキル基、アリール基の炭素数には含めない。
[0029]
 単量体1は、2種以上を併用してもよい。
 単量体1の具体例としては、エチルビニルエーテル、tert-ブチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、酢酸ビニル、ピバル酸ビニルエステル、ネオノナン酸ビニルエステル(HEXION社製、商品名「ベオバ9」)、ネオデカン酸ビニルエステル(HEXION社製、商品名「ベオバ10」)、安息香酸ビニルエステル、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
 単位1の含有量は、含フッ素重合体が含む全単位に対して、5~60モル%が好ましく、10~50モル%がより好ましい。
[0030]
 単位1が式X -Y で表される単量体に基づく単位である場合、本発明における含フッ素重合体は、単位1のうち、Y が式-C(Y 10で表される炭素数4~8のアルキル基または炭素数6~10のシクロアルキル基である式X -Y で表される単量体(以下、「単量体11」ともいう。)に基づく単位(以下、「単位11」ともいう。)を含むのが好ましい。Y 10は、それぞれ独立に炭素数1~5のアルキル基である。この場合、含フッ素重合体のTgを高く調整できるため、薬品の浸漬を抑制でき、耐薬品性に優れたクリヤー層が得られる。
 単量体11は、2種以上を併用してもよい。
 単位11の含有量は、上記効果がより発揮される観点から、含フッ素重合体が含む全単位に対して、5~60モル%が好ましく、10~50モル%がより好ましい。
[0031]
 本発明における含フッ素重合体が含む単位2は、架橋性基を有する単位である。単位2は、架橋性基を有する単量体(以下、「単量体2」ともいう。)に基づく単位であってもよく、単位2を含む含フッ素重合体の架橋性基を、異なる架橋性基に変換させて得られる単位であってもよい。このような単位としては、ヒドロキシ基を有する単位を含む含フッ素重合体に、ポリカルボン酸やその酸無水物等を反応させて、ヒドロキシ基の一部または全部をカルボキシ基に変換させて得られる単位が挙げられる。単位2は、フッ素原子を有さないことが好ましい。
[0032]
 単位2が有する架橋性基の具体例としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アルコキシシリル基が挙げられ、クリヤー層の引張強度がより向上する観点から、ヒドロキシ基およびカルボキシ基が好ましい。
[0033]
 単位2は、単量体2に基づく単位であることが好ましい。単量体2としては、ヒドロキシ基を有する単量体またはカルボキシ基を有する単量体からなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。
[0034]
 カルボキシ基を有する単量体2としては、不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸等が挙げられ、式X 21-Y 21で表される単量体(以下、「単量体21」ともいう。)が好ましい。
 X 21は、CH =CH-、CH(CH )=CH-またはCH =C(CH )-であり、CH =CH-またはCH(CH )=CH-であることが好ましい。
 Y 21は、カルボキシ基またはカルボキシ基を有する炭素数1~12の1価の飽和炭化水素基であり、カルボキシ基または炭素数1~10のカルボキシアルキル基であることが好ましい。
[0035]
 ヒドロキシ基を有する単量体2としては、ヒドロキシ基を有する、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステル、(メタ)アクリル酸エステル、アリルアルコール等が挙げられ、式X 22-Y 22で表される単量体(以下、「単量体22」ともいう。)またはアリルアルコールであることが好ましい。
 X 22は、CH =CHC(O)O-、CH =C(CH )C(O)O-、CH =CHOC(O)-、CH =CHCH OC(O)-、CH =CHO-またはCH =CHCH O-であり、CH =CHO-またはCH =CHCH O-であることが好ましい。
 Y 22は、ヒドロキシ基を有する炭素数2~12の1価の飽和炭化水素基である。1価の飽和炭化水素基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。また、1価の飽和炭化水素基は、環構造からなっていてもよく、環構造を含んでいてもよい。
 1価の飽和炭化水素基は、炭素数2~6のアルキル基または炭素数6~8のシクロアルキレン基を含むアルキル基であることが好ましい。
[0036]
 単量体21の具体例としては、CH =CHCOOH、CH(CH )=CHCOOH、CH =C(CH )COOH、式CH =CH(CH n2COOHで表される化合物(ただし、n2は1~10の整数を示す。)が挙げられる。
 単量体22の具体例としては、CH =CHO-CH -cycloC 10-CH OH、CH =CHCH O-CH -cycloC 10-CH OH、CH =CHOCH CH OH、CH =CHCH OCH CH OH、CH =CHOCH CH CH CH OH、CH =CHCH OCH CH CH CH OHが挙げられる。なお、上記-cycloC 10-は、シクロへキシレン基を表す。
 単量体2は、2種以上を併用してもよい。
[0037]
 クリヤー層形成剤が硬化剤を含む場合、単位2の架橋性基が架橋点となって、含フッ素重合体間の架橋反応が硬化剤を介して進行し、クリヤー層の硬度が向上するので、その耐候性、耐水性、耐薬品性、耐熱性等の塗膜物性が向上する。この場合、クリヤー層は、含フッ素重合体が含む単位2の架橋性基における、硬化剤を介した架橋構造を有する。
 単位2の含有量は、含フッ素重合体が密架橋する観点から、含フッ素重合体が含む全単位に対して、1~40モル%が好ましく、3~40モル%がより好ましく、3~25モル%が特に好ましく、5~25モル%がさらに好ましく、5~20モル%が最も好ましい。
[0038]
 含フッ素重合体は、含フッ素重合体が有する全単位に対して、単位Fと単位1と単位2とを、この順にそれぞれ20~70モル%、5~60モル%、1~25モル%含む含フッ素重合体であるか、単位Fと単位1と単位2とを、この順にそれぞれ20~70モル%、5~60モル%、3~40モル%含む含フッ素重合体であるのが特に好ましい。含フッ素重合体が上記割合の単位を含むため、本発明の加飾フィルムは、引張強度および成形性に優れるとともに、耐薬品性(特に耐酸性)および紫外線への耐久性に優れ、かつ全光線透過率が高く意匠性にも優れる。
 含フッ素重合体のTgは、加飾フィルムの耐薬品性が向上する観点から、25~120℃が好ましく、30~120℃がより好ましい。
 含フッ素重合体のMnは、クリヤー層の追従性の観点から、2,000~30,000が好ましく、5,000~20,000がより好ましく、7,000~18,000が特に好ましい。
 含フッ素重合体が単量体21に基づく単位を含む含フッ素重合体である場合、含フッ素重合体の酸価は、加飾フィルムの引張強度の観点から、1~150mgKOH/gが好ましく、3~100mgKOH/gがより好ましく、5~50mgKOH/gが特に好ましい。
 含フッ素重合体が単量体22に基づく単位を含む含フッ素重合体である場合、含フッ素重合体の水酸基価は、加飾フィルムの引張強度の観点から、1~150mgKOH/gが好ましく、5~150mgKOH/gがより好ましく、30~150mgKOH/gが特に好ましく、30~120mgKOH/gがさらに好ましく、80~120mgKOH/gが最も好ましい。
 含フッ素重合体は、酸価および水酸基価の両方を有していてもよく、この場合、酸価および水酸基価の合計が、1~150mgKOH/gであるのが好ましい。
 クリヤー層形成剤中の含フッ素重合体の含有量は、クリヤー層形成剤の全固形分に対して、10~70質量%が好ましい。
 クリヤー層中の含フッ素重合体(硬化剤との反応生成物である、架橋した含フッ素重合体も意味する)の含有量は、クリヤー層の全質量に対して、10~100質量%が好ましく、50~99質量%が特に好ましい。
[0039]
 クリヤー層の全光線透過率は、本発明の加飾フィルム付き3次元成形品の意匠性の観点から、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。
 クリヤー層の紫外線透過率(波長10~400nmにおける光線透過率)は、加飾フィルムの耐候性の観点から、10%以下が好ましく、5%以下が特に好ましい。
 なお、後述する紫外線吸収剤を用いる場合は、クリヤー層の全光線透過率および紫外線透過率が上記範囲に調節されるように添加するのが好ましい。
[0040]
 クリヤー層形成剤は、硬化剤を含むのが好ましい。
 硬化剤は、架橋性基と反応し得る基を1分子中に2以上有する化合物である。硬化剤と、含フッ素重合体が有する架橋性基とが反応することで、含フッ素重合体が架橋し、クリヤー層が硬化する。硬化剤は、架橋性基と反応し得る基を、通常2~30有する。
 含フッ素重合体が単量体21に基づく単位を有する単位を含む場合の硬化剤は、エポキシ基、カルボジイミド基、オキサゾリン基またはβ-ヒドロキシアルキルアミド基を、1分子中に2以上有する化合物が好ましい。
 含フッ素重合体が単量体22に基づく単位を含む場合の硬化剤は、イソシアネート基またはブロック化イソシアネート基を1分子中に2以上有する化合物が好ましい。
[0041]
 イソシアネート基を1分子中に2以上有する化合物としては、ポリイソシアネート単量体およびポリイソシアネート誘導体が好ましい。
 ポリイソシアネート単量体としては、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、および芳香族ポリイソシアネートが好ましい。ポリイソシアネート誘導体は、ポリイソシアネート単量体の多量体または変性体が好ましい。変性体としては、ポリオール変性体、イソシアネート末端ポリウレタンプレポリマー等が挙げられる。
[0042]
 脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、およびリジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、ならびに、リジントリイソシアネート、4-イソシアナトメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)2-イソシアナトグルタレートが挙げられる。
 脂環族ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)-シクロヘキサン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートが挙げられる。
 芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
[0043]
 ブロック化イソシアネート基を1分子中に2以上有する化合物としては、上述したポリイソシアネート単量体またはポリイソシアネート誘導体が有する2以上のイソシアネート基が、ブロック化剤によってブロックされている化合物が好ましい。
 ブロック化剤は、活性水素を有する化合物であり、具体例としては、アルコール、フェノール、活性メチレン、アミン、イミン、酸アミド、ラクタム、オキシム、ピラゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピリミジン、グアニジンが挙げられる。
[0044]
 エポキシ基を1分子中に2以上有する化合物の具体例としては、ビスフェノール型エポキシ化合物(A型、F型、S型等)、ジフェニルエーテル型エポキシ化合物、ハイドロキノン型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、水添ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールA含核ポリオール型エポキシ化合物、ポリプロピレングリコール型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合物、グリオキザール型エポキシ化合物、脂環型エポキシ化合物、脂環式多官能エポキシ化合物、複素環型エポキシ化合物(トリグリシジルイソシアヌレート等)が挙げられる。
[0045]
 カルボジイミド基を1分子中に2以上有する化合物の具体例としては、脂環族カルボジイミド、脂肪族カルボジイミド、芳香族カルボジイミド、これらの多量体および変性体が挙げられる。
[0046]
 オキサゾリン基を1分子中に2以上有する化合物の具体例としては、2-オキサゾリン基を有する付加重合性オキサゾリン、該付加重合性オキサゾリンの重合体が挙げられる。 
[0047]
 β-ヒドロキシアルキルアミド基を1分子中に2以上有する化合物の具体例としては、N,N,N’,N’-テトラキス-(2-ヒドロキシエチル)-アジパミド(PrimidXL-552、EMS社製)、N,N,N’,N’-テトラキス-(2-ヒドロキシプロピル)-アジパミド(Primid QM 1260PrimidXL-552、EMS社製)が挙げられる。
[0048]
 クリヤー層形成剤が硬化剤を含む場合、硬化剤の含有量は、クリヤー層形成剤中の含フッ素重合体100質量部に対して、10~200質量部が好ましく、50~150質量部がより好ましい。
 クリヤー層が未反応の硬化剤を含む場合は、硬化剤の含有量は、クリヤー層中の含フッ素重合体100質量部に対して、1~200質量部が好ましい。
[0049]
 クリヤー層形成剤およびクリヤー層は、硬化触媒を含んでもよい。硬化触媒は、硬化剤を用いた際の硬化反応を促進する化合物であり、硬化剤の種類に応じて、公知の硬化触媒から選択できる。
[0050]
 クリヤー層形成剤およびクリヤー層は、本発明の加飾フィルムの耐候性の点から、有機系紫外線吸収剤および有機系光安定剤からなる群より選択される少なくとも1種を含むのが好ましい。すなわち、クリヤー層形成剤およびクリヤー層は、有機系紫外線吸収剤と有機系光安定剤との両方を含んでもよいし、いずれか一方のみを含んでもよい。
[0051]
 有機系紫外線吸収剤は、紫外線から加飾フィルムを保護する化合物である。
 有機系紫外線吸収剤としては、サリチル酸エステル系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、シアノアクリレート系、トリアジン系化合物等が好ましい。
 有機系紫外線吸収剤の具体例としては、BASF製の「Tinuvin 326」(分子量:315.8、融点:139℃)、「Tinuvin 405」(分子量:583.8、融点:74~77℃)、「Tinuvin 460」(分子量:629.8、融点:93~102℃)、「Tinuvin 900」(分子量:447.6、融点:137~141℃)、「Tinuvin 928」(分子量:441.6、融点:109~113℃)、Clariant製の「Sanduvor VSU powder」(分子量:312.0、融点:123~127℃)、Clariant製の「Hastavin PR-25 Gran」(分子量:250.0、融点:55~59℃)が挙げられる。
 有機系紫外線吸収剤は、2種以上を併用してもよい。
 クリヤー層形成剤が有機系紫外線吸収剤を含む場合、クリヤー層の全光線透過率および紫外線透過率の観点から、有機系紫外線吸収剤の含有量は、クリヤー層形成剤の全固形分に対して、0.001~1質量%が好ましく、0.005~0.1質量%がより好ましい。
 クリヤー層が有機系紫外線吸収剤を含む場合、有機系紫外線吸収剤の含有量は、クリヤー層の全質量に対して、0.001~1質量%が好ましく、0.005~0.1質量%がより好ましく、0.010~0.050質量%が特に好ましい。
[0052]
 有機系光安定剤は、加飾フィルムの耐光性を向上させる化合物である。
 有機系光安定剤としては、ヒンダードアミン化合物が好ましい。ヒンダードアミン化合物の具体例としては、BASF製の「Tinuvin 111FDL」(分子量:2,000~4,000、融点:63℃)、「Tinuvin 144」(分子量:685、融点:146~150℃)、「Tinuvin 152」(分子量:756.6、融点:83~90℃)、Clariant製の「Sanduvor 3051 powder」(分子量:364.0、融点:225℃)、Clariant製の「Sanduvor 3070 powder」(分子量:1,500、融点:148℃)、Clariant製の「VP Sanduvor PR-31」(分子量:529、融点:120~125℃)が挙げられる。
 有機系光安定剤は、2種以上を併用してもよい。
 クリヤー層形成剤が有機系光安定剤を含む場合、有機系光安定剤の含有量は、クリヤー層形成剤の全固形分に対して、0.001~20質量%が好ましく、0.01~15質量%がより好ましく、0.1~3質量%が特に好ましい。
 クリヤー層が有機系光安定剤を含む場合、有機系光安定剤の含有量は、クリヤー層の全質量に対して、0.001~10質量%が好ましく、0.1~3質量%がより好ましい。
[0053]
 クリヤー層形成剤およびクリヤー層は、可塑剤を含むのが好ましい。可塑剤は、クリヤー層の柔軟性をより向上させるので、加飾フィルムの成形性がより向上する。可塑剤がヒドロキシ基を有する可塑剤の場合、該可塑剤はクリヤー層形成時に硬化剤と反応してもよい。
 可塑剤の具体例としては、(メタ)アクリル樹脂からなる可塑剤、ポリエーテルグリコールからなる可塑剤、ポリカーボネートポリオールからなる可塑剤、ポリエステルポリオールからなる可塑剤、ポリロタキサンからなる可塑剤等が挙げられ、(メタ)アクリル樹脂からなる可塑剤またはポリエーテルグリコールからなる可塑剤が好ましい。
[0054]
 (メタ)アクリル樹脂からなる可塑剤の具体例としては、東亜合成社製の商品名「ARUFON UP-1000」(Mw:3,000、Tg:-77℃)、「ARUFON UP-1010」(Mw:1,700、Tg:-31℃)、「ARUFON UP-1020」(Mw:2,000、Tg:-80℃)、「ARUFON UP-1021」(Mw:1,600、Tg:-71℃)、「ARUFON UP-1110」(Mw:2,500、Tg:-64℃)、「ARUFON UH-2032」(Mw:2,000、Tg:-60℃)、「ARUFON UH-2041」(Mw:2,500、Tg:-50℃)、「ARUFON UC-3510」(Mw:2,000、Tg:-50℃)、「ARUFON UG-4000」(Mw:3,000、Tg:-61℃)、「ARUFON UG-4010」(Mw:2,900、Tg:-57℃)、「ARUFON US-6110」(Mw:2,500、Tg:-57℃)が挙げられる。
 (メタ)アクリル樹脂からなる可塑剤のMwは、加飾フィルムの柔軟性と引張強度とを具備する観点から、1,000~20,000が好ましく、1,000~10,000がより好ましく、1,500~5,000が特に好ましい。
 可塑剤が高分子系の可塑剤(特に、(メタ)アクリル樹脂からなる可塑剤)である場合、可塑剤のTgは、加飾フィルムの柔軟性と耐薬品性とを具備する観点から、-80~0℃が好ましく、-80℃~-30℃が特に好ましい。
[0055]
 ポリエーテルグリコールからなる可塑剤の具体例としては、INVISTA社製の商品名「TERATHANE PTMEG 250」(Mw:230~270)、「TERATHANE PTMEG 650」(Mw:625~675)、「TERATHANE PTMEG 1000」(Mw:950~1,050)、「TERATHANE PTMEG 1400」(Mw:1350~1,450)、「TERATHANE PTMEG 1800」(Mw:1700~1900)、「TERATHANE PTMEG 2000」(Mw:1,900~2,100)、「TERATHANE PTMEG 2900」(Mw:2,825~2,976)が挙げられる。
 ポリエーテルグリコールからなる可塑剤のMwは、加飾フィルムの柔軟性と引張強度とを具備する観点から、100~10,000が好ましく、100~5,000がより好ましく、200~3,000が特に好ましい。
[0056]
 可塑剤は、2種以上を併用してもよい。
 クリヤー層形成剤が可塑剤を含む場合、可塑剤の含有量は、クリヤー層形成剤の全固形分に対して、0.1~10質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
 クリヤー層が可塑剤を含む場合、可塑剤の含有量は、クリヤー層の全質量に対して、0.1~10質量%が好ましく、0.1~4質量%が特に好ましい。
[0057]
 クリヤー層形成剤およびクリヤー層は、必要に応じて上記以外の成分、例えば、各種媒体(水、有機溶媒等)、フィラー(シリカ等の無機フィラー、樹脂ビーズ等の有機フィラー等)、無機系紫外線吸収剤、つや消し剤、レベリング剤、表面調整剤、脱ガス剤、充填剤、熱安定剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、防錆剤、シランカップリング剤、防汚剤、低汚染化処理剤を含んでもよい。
 クリヤー層の層厚は、1~200μmが好ましく、5~100μmがより好ましい。本発明の加飾フィルムであれば、クリヤー層の成形性および引張強度に優れるため、加飾フィルムの厚みに関わらず成形性に優れる。
[0058]
 本発明の加飾フィルムは、意匠層を有していてもよい。意匠層は、3次元成形品に意匠性を付与するための層である。
 意匠層としては、例えば、意匠層形成剤を用いて形成された層、印刷法によって形成された層、金属蒸着法によって形成された層が挙げられる。
 意匠層形成剤を用いて形成された層は、意匠層形成剤を塗布して形成される。意匠層形成剤に含まれる成分としては、バインダー樹脂(ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂等)、着色剤(染料、有機顔料、無機顔料、金属またはマイカ等を用いた光輝顔料等)、溶媒(水、有機溶媒等)等が挙げられる。
 印刷法によって形成された層は、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷およびフレキソ印刷等の各印刷方法に適したインク(例えば、バインダー樹脂、着色剤、溶媒を含む)を用いて形成される。
 金属蒸着法によって形成された層は、例えば、アルミニウム、インジウム、スズ等の金属を用いて形成される。
 意匠層は、必要に応じて上記以外の成分を含有していてもよく、具体的には、接合層形成剤で挙げた成分、クリヤー層形成剤で挙げた成分が挙げられる。
 意匠層の層厚は特に限定されず、用途に応じて適宜設定すればよい。
[0059]
 本発明の加飾フィルムは、上記以外の層を有していてもよく、例えば、離形層、保護層が挙げられる。
 離形層は、図1の加飾フィルム10のように、基材フィルム層16を最終的に剥離する場合に設けられ得る層である。図1の態様では、離形層は、基材フィルム層16に接するように、基材フィルム層16とクリヤー層14との間に設けられるのが好ましい。離形層は、例えば、シリコーン系離型剤を用いて形成できる。
 保護層は、意匠層の保護を目的として設けられ得る層であり、意匠層と接するように設けられるのが好ましい。保護層は、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)樹脂等の樹脂を用いて形成できる。
[0060]
 本発明の加飾フィルムを構成する基材フィルム層以外の各層は、例えば、各層を構成する成分を溶媒(水、有機溶媒等)に溶解させた各形成剤を基材フィルム上に塗布し、乾燥させて形成される。
 各形成剤の塗布方法の具体例としては、スプレー、アプリケーター、ダイコーター、バーコーター、ロールコーター、コンマコーター、ローラブラシ、はけ、へらを用いた方法が挙げられる。
 各形成剤を塗布した後、形成剤中の溶媒を除去するために、加温乾燥してもよい。また、各形成剤が硬化剤を含む場合、加熱等によって架橋させてもよい。
 ここで、意匠層は、上述したように、塗布以外の方法(印刷法、蒸着法)によっても形成できる。
 また、接合層は、予めフィルム状に形成しておき、これを任意の層にラミネートして積層させてもよい。
[0061]
 本発明の加飾フィルム付き3次元成形品(以下、「本成形体」ともいう。)は、上述した加飾フィルムのクリヤー層以外の層(基材フィルム層等)と、3次元成形品の被加飾面とを圧着して得られる。本成形体は、加飾フィルムが接合層を有する場合には、接合層と3次元成形品の被加飾面とを減圧雰囲気下で圧着して得ることが好ましい。圧着時には、同時に加熱するのが好ましい。
 本成形体の製造方法における減圧雰囲気下での圧着方法は、真空成形法とも称され、例えば両面真空成形装置を用いて実施できる。
 減圧雰囲気下とは、標準大気圧より圧力が低い状態を意味する。減圧雰囲気下の圧力は、具体的には70kPa以下が好ましい。
 クリヤー層が含フッ素重合体と硬化剤とを含む場合、本成形体の製造方法において、加飾フィルムの接合層と3次元成形品の被加飾面とを減圧雰囲気下で圧着させた後、含フッ素重合体と硬化剤を反応させてもよく、減圧雰囲気下で圧着しながら含フッ素重合体と硬化剤を反応させてもよく、あらかじめ含フッ素重合体と硬化剤を反応させてなるクリヤー層を有する加飾フィルムを用いてもよい。
 接合層の熱融着性樹脂の軟化、熱架橋性樹脂の熱架橋、クリヤー層の含フッ素重合体と硬化剤を反応等のための加熱温度としては、50~150℃が好ましい。
[0062]
 本発明の加飾フィルム付き3次元成形品は、適宜真空成形法以外の成形方法によって得てもよい。このような成形方法の具体例としては、インモールド成形、インモールド転写成形、インモールド貼合成形、オーバーレイ転写成形、オーバーレイ貼合成形、水圧転写等が挙げられる。また、成形前の3次元成形品に加飾フィルムを圧着したのち、加工して加飾フィルム付き3次元成形品を得てもよい。
[0063]
 図1に示すような加飾フィルム10を用いる場合には、減圧雰囲気下での圧着後、基材フィルム層を剥離すれば、本成形体が得られる。この場合、上述したクリヤー層の含フッ素重合体の架橋反応は、基材フィルム層の剥離前後のいずれのタイミングで実施してもよい。
[0064]
 3次元成形品を構成する材料の具体例としては、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリカーボネートが挙げられる。
 3次元成形品の具体例としては、ドアミラー、フロントアンダースポイラー、リヤーアンダースポイラー、サイドアンダースカート、バンパー、サイドガーニッシュ等の自動車外装部品、センターコンソール、インパネ、ドアスイッチパネル等の自動車内装部品、ディスプレイの液晶面等が挙げられる。
 本発明の加飾フィルムは、成形性および引張強度に優れるため、大面積での使用および高度な外観を求められる自動車外装部品および自動車内装部品に特に好適に用いられる。また、本発明の加飾フィルムは、耐薬品性および紫外線への耐久性にも優れるため、雨風(特に酸性雨)や太陽光等に曝される自動車外装部品に特に好適に用いられる。
実施例
[0065]
 以下、例を挙げて本発明を詳細に説明する。ただし本発明はこれらの例に限定されない。なお、後述する表中における各成分の配合量は、質量基準を示す。例1~11および例13~16は実施例であり、例12および例17は比較例である。
[0066]
<使用した成分>
(含フッ素重合体)
 単量体F:CF =CFCl(CTFE)、CF CH=CHF(HFO-1234ze)、CF CF=CH (HFO-1234yf)
 単量体1:ネオノナン酸ビニルエステル(V9。単量体11にも該当。)(HEXION社製、商品名「ベオバ9」)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE。単量体11にも該当。)、エチルビニルエーテル(EVE)
 単量体2:4-ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、10-ウンデシレン酸(UDA)
[0067]
(添加剤)
 硬化触媒:ジブチルスズジラウレートの酢酸ブチル溶液(10,000倍希釈品)
 可塑剤1:ARUFON UC-3510(商品名、東亜合成社製、アクリル樹脂、Mw:2,000、Tg:-50℃)
 可塑剤2:TERATHANE PTMEG 1000(商品名、INVISTA社製、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、Mw:1,000)
 可塑剤3:NeoCryl B-723(商品名、DSM Coating Resins社製、(メタ)アクリル樹脂、Mw:200,000、Tg:54℃)
 硬化剤:デュラネート E405-70B(商品名、旭化成社製、イソシアネート基を1分子中に2以上有する化合物)
 有機系紫外線吸収剤:Tinuvin 326(商品名、BASF社製)
 有機系光安定剤:Tinuvin 111FDL(商品名、BASF社製)
[0068]
<含フッ素重合体の製造例1>
 オートクレーブ内に、キシレン(503g)、エタノール(142g)、CTFE(387g)、CHVE(326g)、HBVE(84.9g)、炭酸カリウム(12.3g)、およびtert-ブチルペルオキシピバレートの50質量%キシレン溶液(20mL)を導入して昇温し、65℃で11時間重合した。続いて、オートクレーブ内溶液をろ過し、含フッ素重合体1を含む溶液を得た。
 含フッ素重合体1を含む溶液を、65℃にて24時間真空乾燥して溶媒を除去し、さらに130℃にて20分間真空乾燥したのち、酢酸ブチルに溶解して、含フッ素重合体1の酢酸ブチル溶液(含フッ素重合体濃度50質量%)を得た。
 含フッ素重合体1は、CTFEに基づく単位、CHVEに基づく単位、HBVEに基づく単位をこの順に50モル%、39モル%、11モル%含む重合体であった。含フッ素重合体1の水酸基価は50mgKOH/gであり、Tgは52℃であり、Mnは10,000であった。
[0069]
<含フッ素重合体の製造例2~6>
 表1に示すとおり、使用する単量体の種類と量を変更する以外は含フッ素重合体の製造例1と同様にして、含フッ素重合体2~6を含む酢酸ブチル溶液(含フッ素重合体濃度50質量%)を得た。
 含フッ素重合体1~6の詳細を表1に示す。
[0070]
[表1]


[0071]
<クリヤー層形成剤の製造例1~12>
 表2に記載の各成分を混合して、クリヤー層形成剤1~11を得た。各成分の添加量の詳細を表2に示す。ただし、表2中の括弧内は、含フッ素重合体の酢酸ブチル溶液における、含フッ素重合体の質量(g)である。
[0072]
[表2]


[0073]
<加飾フィルムおよび成形体の製造とその評価>
〔例1〕
 基材フィルム(ポリエチレンテレフタラート。以下同様。)の一方の面上に、クリヤー層形成剤1をアプリケーターを用いて塗布し、25℃で乾燥後、80℃にて30分間加熱して硬化させ、クリヤー層(層厚50μm)を形成した。
 次いで、上記クリヤー層上に意匠層形成剤(ウレタン樹脂および光輝顔料を含むメチルイソブチルケトン溶液(固形分濃度40質量%)。以下同様。)を塗布し、25℃で乾燥後、80℃にて15分間加熱して意匠層(層厚20μm)を形成した。
 次いで、上記意匠層上に、接合層形成剤(熱架橋性ウレタン樹脂を含む溶液。以下同様。)を塗布し、25℃で乾燥後、80℃にて15分間加熱して接合層(層厚20μm)を形成した。
 上記方法により、基材フィルム層、クリヤー層、意匠層、および接合層が、この順に積層している加飾フィルム1を得た。
 さらに、両面真空成形装置を用いて、真空成形法により、加飾フィルム1と基材(3次元成形品、ABSパネル)とを減圧雰囲気下で圧着しながら140℃で1分間加熱した。圧着においては、加飾フィルム1の接合層と基材が接するように配置した。その後、基材フィルムを剥がし取り、加飾フィルム付き3次元成形品である成形体1を得た。
 得られた加飾フィルム1および成形体1を、後述の評価に供した。
[0074]
〔例2~12〕
 クリヤー層形成剤1を、表3に示すように、クリヤー層形成剤2~11およびポリフッ化ビニリデン(フッ化ビニリデンの単独重合体)を含む溶液(ポリフッ化ビニリデン濃度30質量%、以下「クリヤー層形成剤12」ともいう。)にそれぞれ変更する以外は例1と同様にして、加飾フィルム2~12および成形体2~12を得て、後述の評価に供した。
[0075]
(クリヤー層の離型性)
 各例で得られた成形体における、クリヤー層の表面状態を目視で確認した。
 S:クリヤー層の外観に異変がない。
 A:クリヤー層面積の10%以下に、クリヤー層の剥がれや、基材フィルムの付着が見られる。
 B:クリヤー層面積の10%超に、クリヤー層の剥がれや、基材フィルムの付着が見られる。
[0076]
(加飾フィルムの成形性)
 各例で得られた成形体における、加飾フィルムの成形状態を目視で確認した。
 S:成形体に加飾フィルムが密着している。
 A:成形体上の加飾フィルム面積の10%以下に、加飾フィルムのヨレや剥がれが見られる。
 B:成形体上の加飾フィルム面積の10%超に、加飾フィルムのヨレや剥がれが見られる。
[0077]
(加飾フィルムの引張強度)
 オートグラフAGS10KNG(島津製作所製)、TERMOSTATIC CHAMBER Model:TCRI-200SP(島津製作所製)を用いて、各例で得られた加飾フィルムに対し、加飾フィルムサイズ短辺10mm×長辺100mm、チャック間50mm、引っ張り速度50mm/min、引張恒温槽の温度23℃の条件にて長辺方向に引張試験した場合、クラックが発生するまでの加飾フィルムの伸び率(引張試験によってクラックが発生する直前の加飾フィルムのチャック間長さ/引張試験前のチャック間長さ×100)を測定した。
 S:加飾フィルムの伸び率が130%以上である。
 A:加飾フィルムの伸び率が125%以上130%未満である。
 B:加飾フィルムの伸び率が120%以上125%未満である。
 C:加飾フィルムの伸び率が120%未満である。
[0078]
(クリヤー層の紫外線透過率)
 ポリプロピレン樹脂フィルム上に、クリヤー層形成剤1~12を、それぞれアプリケーターを用いて塗布し、25℃で乾燥後、80℃にて30分間加熱して硬化させ、層厚50μmのクリヤー層を形成した。次いで、ポリプロピレン樹脂フィルムからクリヤー層を剥がし取り、単層のクリヤー層1~12を得た。得られた各クリヤー層について、BYK Gardner製 haze-gard plusを用い、JIS K 7361-1:1997に従って各クリヤー層の全光線透過率を測定し、波長10~400nmにおける光線透過率を紫外線透過率として評価した。紫外線透過率が低いほど、クリヤー層を有する加飾フィルムにおいて、クリヤー層より紫外線に対して下層に存在する層における、紫外線による劣化が抑制される。また、加飾フィルムを有する3次元成形品において、紫外線による3次元成形品の劣化が抑制される。
[0079]
(加飾フィルムの耐塩酸性)
 各例で得られた成形体における加飾フィルム上(クリヤー層上)に、内径40mm、高さ15mmの円筒形のポリリングを固定した。また、イオン交換水および試薬特級の塩酸により10質量%塩酸水溶液を作製した。
 次いで、上記塩酸水溶液を、成形体における加飾フィルム上の、上記ポリリングの内側に5mL滴下し、蓋をして4時間保持した。次いで、上記ポリリングの内側を水洗し、上記ポリリングの内側における加飾フィルムの状態を目視で確認した。
 S:加飾フィルムの外観に異変がない。
 A:加飾フィルム面積の10%以下に、白化やフクレが見られる。
 B:加飾フィルム面積の10%超に、白化やフクレが見られる。
[0080]
[表3]


[0081]
〔例13〕
 基材フィルムの一方の面上に、クリヤー層形成剤1をアプリケーターを用いて塗布し、25℃で乾燥後、80℃にて30分間加熱して硬化させ、クリヤー層(層厚50μm)を形成した。
 次いで、上記基材フィルムにおける、クリヤー層が形成されていない面上に、意匠層形成剤を塗布し、25℃で乾燥後、80℃にて15分間加熱して接合層(層厚20μm)を形成した。
 次いで、上記意匠層上に、接合層形成剤を塗布し、25℃で乾燥後、80℃にて15分間加熱して接合層(層厚20μm)を形成した。
 上記方法により、クリヤー層、基材フィルム層、意匠層、および接合層が、この順に積層している加飾フィルム13を得た。
 さらに、両面真空成形装置を用いて、真空成形法により、加飾フィルム13と基材(3次元成形品、ABSパネル)とを減圧化で圧着しながら140℃で1分間加熱して、クリヤー層を有する加飾フィルム付き3次元成形品である成形体13を得た。圧着においては、加飾フィルム13の接合層と基材が接するように配置した。得られた加飾フィルム13および成形体13を、上述の評価に供した。評価結果を表4に示す。
[0082]
〔例14~17〕
 クリヤー塗膜形成剤1を、表4に示すように、クリヤー塗膜形成剤4、7、8および12にそれぞれ変更する以外は例13と同様にして、加飾フィルム14~17および成形体14~17を得て、上述および後述の評価に供した。評価結果を表4に示す。
[0083]
[表4]


[0084]
 表3および表4に示すように、含フッ素重合体1~6を用いてなるクリヤー層は、加飾フィルムのクリヤー層として好適に使用できる。
 なお、2017年05月26日に出願された日本特許出願2017-104752号および2018年04月05日に出願された日本特許出願2018-072895号の明細書、特許請求の範囲、要約書および図面の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

符号の説明

[0085]
 1、100 加飾フィルム
 12、120 接合層
 14、140 クリヤー層
 16、160 基材フィルム層

請求の範囲

[請求項1]
 3次元成形品を加飾するために使用される、基材フィルム層とクリヤー層とを少なくとも有する加飾フィルムであって、
 前記クリヤー層が、フルオロオレフィンに基づく単位と、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルエーテル、アリルエステルおよび(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一種である架橋性基を有しない単量体に基づく単位と、架橋性基を有する単位とを含む含フッ素重合体を用いてなり、
 前記フルオロオレフィンに基づく単位の含有量が、前記含フッ素重合体が含む全単位に対して、20~70モル%であることを特徴とする加飾フィルム。
[請求項2]
 前記架橋性基を有する単位の含有量が、前記含フッ素重合体が含む全単位に対して、3~40モル%である、請求項1に記載の加飾フィルム。
[請求項3]
 前記架橋性基を有しない単量体に基づく単位が、式-C(Y 10で表される炭素数4~8のアルキル基(式中、Y 10は、それぞれ独立に炭素数1~5のアルキル基である。)または炭素数6~10のシクロアルキル基を有する、請求項1または2に記載の加飾フィルム。
[請求項4]
 前記含フッ素重合体のガラス転移温度が、30~120℃である、請求項1~3のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
[請求項5]
 前記含フッ素重合体の水酸基価が、30~150mgKOH/gである、請求項1~4のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
[請求項6]
 前記クリヤー層が、可塑剤を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
[請求項7]
 前記可塑剤が、重量平均分子量が1,000~20,000の(メタ)アクリル樹脂からなる可塑剤である、請求項6に記載の加飾フィルム。
[請求項8]
 前記可塑剤が、重量平均分子量が100~10,000のポリエーテルグリコールからなる可塑剤である、請求項6に記載の加飾フィルム。
[請求項9]
 前記クリヤー層が、イソシアネート基を1分子中に2以上有する化合物を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
[請求項10]
 前記クリヤー層が、有機系紫外線吸収剤および有機系光安定剤からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
[請求項11]
 前記3次元成形品が、自動車外装部品または自動車内装部品である、請求項1~10のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
[請求項12]
 前記加飾フィルムにおいて、さらに接合層を有し、前記接合層、前記クリヤー層、前記基材フィルム層の順に積層されており、前記クリヤー層と前記基材フィルム層とが接するように積層されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
[請求項13]
 前記加飾フィルムにおいて、さらに接合層を有し、前記接合層、前記基材フィルム層、前記クリヤー層の順に積層されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
[請求項14]
 請求項12に記載の加飾フィルムの接合層と3次元成形品の被加飾面とを、真空成形法により減圧雰囲気下で圧着し、次いで前記基材フィルム層を剥離して、前記クリヤー層を最表面に有する加飾フィルム付き3次元成形品を得る、加飾フィルム付き3次元成形品の製造方法。
[請求項15]
 請求項13に記載の加飾フィルムの接合層と3次元成形品の被加飾面とを、真空成形法により減圧雰囲気下で圧着して、前記クリヤー層を最表面に有する加飾フィルム付き3次元成形品を得る、加飾フィルム付き3次元成形品の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]