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1. WO2014129535 - 未加硫ゴムの供給方法、供給システム及び未加硫ゴムの輸送方法

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明 細 書

発明の名称 未加硫ゴムの供給方法、供給システム及び未加硫ゴムの輸送方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044  

実施例

0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056  

符号の説明

0057  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : 未加硫ゴムの供給方法、供給システム及び未加硫ゴムの輸送方法

技術分野

[0001]
 本発明は、未加硫ゴムの供給方法、供給システム及び未加硫ゴムの輸送方法に関する。

背景技術

[0002]
 タイヤ等のゴム製品を製造するゴム工業において、原材料の原料ゴムは、天然ゴムと合成ゴムとがある。合成ゴムは化学工場で製造されるゴムである。化学工場で製造された合成ゴムは、ゴム製品を製造するゴム加工工場に輸送するに当たり、通常は質量35kg程度の直方体のベールと呼ばれる塊状に成形し、このベールを合成樹脂フィルムで包んだものを作成する。フィルムで包まれたベールは、1立方メートル程度の容量を有する直方体の容器であって、底面と側面がスチール製になるスチールボックス内に30~40個単位で積載し、需要先であるゴム加工工場に搬入していた。天然ゴムは、熱帯地方で栽培されるゴムの木の樹液を凝固、乾燥して製造されるゴムであり、技術的格付けゴム(TSR)とリブドスモークドシート(RSS)とがある。これらの天然ゴムはいずれも、熱帯地方の工場で製造される。この原料ゴム工場からゴム製品を製造するゴム加工工場に輸送する一つの方法は、現地の原料ゴム工場で質量110kg程度の塊状の大ベールゴムに加工し、この大ベールゴムの表面に密着防止剤を塗布してからバラ積みでゴム加工工場に輸送するものであり、もう一つの方法は、現地の原料ゴム工場で質量35kg程度のベールに成形し、合成樹脂フィルムで包み、合成ゴムと同様のスチールボックス内に積載されて、ゴム加工工場に輸送するものであった。
[0003]
 前述したゴム加工工場に輸送される形態のベール及び大ベールは、質量が35kg又は110kgといった所定の一定質量を有するように塊状に成形加工されているものである。このようなベール及び大ベールは、輸送されたゴム加工工場にて、バンバリーミキサーなどのゴム練り加工機械に投入され、このゴム練り加工機械でカーボンブラックなどの充填剤およびその他ゴム薬品と混合して練りゴムに加工される。このゴム練り加工の際に、原料ゴムとそれ以外の成分との配合によっては、投入すべき適量の原料ゴム質量がベール質量の整数倍になっていない場合がある。この場合、投入をする原料ゴムの質量を適量に合わせるためにベールの一部を裁断して分割し、この分割で加減した量で原料ゴムを投入することが行われていた。このために、裁断や投入質量調整のための工数が増加し、また、その裁断や秤量のための設備を設けることが必要になる。また、ベールの裁断は、作業効率を考えると分割数が2、3、4等に制約される。したがって、練りゴムの配合を設定する際に、ベールの分割数によって原料ゴム比率が制約されることから、配合調整の自由度は小さい。
[0004]
 更に、原料ゴムを、ベール形状のような大きな塊でゴム練り加工機械に投入すると、ゴム練り加工機械のローターに噛み込まれる際の負荷が大きく、つまり原料ゴムを粉砕するために大きなエネルギーを要する。
[0005]
 原料ゴムをシート形状に加工して用いることは、ゴム加工工場においては素練りゴムの製造の際に行われることがあり、例えばバラゴムを粉砕後、コンベアで移送しながら押圧して連続シート状に形成し、パレット上に折り畳んで保管するゴムシート製造方法がある(特許文献1)。しかしながら、合成ゴムや天然ゴムの原料ゴム工場で、ゴムシートに成形することは行われていなかった。その原因としては、一つにはゴムの密着の問題がある。ゴム加工工場において成形されたゴムシートには、折り畳んで保管する際の密着防止のために、ゴムシート間に離型剤(炭酸カルシウムなど)が塗布されるが、この離型剤の密着防止の有効期間が2週間程度であり、それ以上の期間放置するとシート間密着によりゴムシートどうしが引っ付いて離れなくなることがある。そのため、ゴム加工工場内での移送の間の保管には十分であっても、外国の原料ゴム工場から国内のゴム加工工場への輸送のように、長期間の保管が必要となる原料ゴムの密着防止には不十分であった。また、原因のもう一つには、輸送性の問題がある。原料ゴム工場で仮にゴムシートを製造した場合、ゴムシートは輸送するためにスチールボックス等の梱包容器に折りたたんで充填することになるが、シートの厚さが均一でないことが主要因で充填率が低くなり、輸送コストが高くなることがある。そのため、ゴムシートを輸送するときの充填率が長距離、長期間輸送の障害となっている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開昭58-81148号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 本発明は、上記の問題を有利に解決するものであり、原料ゴム工場からゴム加工工場まで輸送される場合に生じるゴム密着や充填率低下を抑制することができ、ゴム加工工場のゴム練り加工機械で配合調整を容易にすることができる、未加硫ゴムの供給方法、供給システム及び未加硫ゴムの輸送方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の未加硫ゴムの供給方法は、未加硫ゴムをロールにより成形したゴムシートの両面に合成樹脂フィルムを付着させてなり、厚さが幅方向に均一化されたシート状ゴム材を、原料ゴム工場で作製し、作製されたシート状ゴム材を、梱包容器内に折り畳んで積載させ、シート状ゴム材が積載された梱包容器をゴム加工工場に輸送する、ことを特徴とする。
[0009]
 本発明の未加硫ゴムの供給方法においては、原料工場でのシート状ゴム材の作製過程で、ゴムシートの幅方向両端部を切除する工程を含むことが好ましい。また、ゴムシートの厚さが、5mm以上20mm以下であることが好ましく、両端部の切除は、ゴムシートの幅方向端部からそれぞれ30mm以上200mm以下の部分を切除することが好ましい。更に、合成樹脂性フィルムを付着させる前に、ゴムシートを冷却することができるし、未加硫ゴムをロールによりゴムシートにする前に、当該未加硫ゴムを加熱することができる。
[0010]
 本発明の未加硫ゴムの供給システムは、未加硫ゴムをロールにより成形したゴムシートの両面に合成樹脂フィルムを付着させてなり、厚さが幅方向に均一化されたシート状ゴム材を作製するシート状ゴム材の作製装置と、作製されたシート状ゴム材を梱包容器内に折り畳んで積載する積載装置と、を備え、前記シート状ゴム材作製装置及び前記積載装置は、原料ゴム工場に設けられ、原料ゴム工場からゴム加工工場に、シート状ゴム材が積載された梱包容器が輸送されることを特徴とする。
[0011]
 本発明の未加硫ゴムの輸送方法は、未加硫ゴムをロールにより成形したゴムシートの両面に合成樹脂フィルムを付着させてなり、厚さが幅方向に均一化されたシート状ゴム材を、原料ゴム工場で作製し、作製されたシート状ゴム材を梱包容器内に折り畳んで積載させ、シート状ゴム材が積載された梱包容器をゴム加工工場に輸送する、ことを特徴とする。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、原料ゴム工場において、ゴムシートの両面に合成樹脂フィルムを付着させてなり、厚さが幅方向に均一化されたシート状ゴム材を作製し、当該シート状ゴム材を折り畳んで梱包容器内に積載しているので、梱包容器で長期間の保管する間や、梱包容器をゴム加工工場に輸送する間にゴムシートが相互に密着することはない。また、梱包容器での輸送時に、充填率の低下を生じさせない。更に、原料ゴム工場で成形されたシート状ゴム材は、ゴム加工工場においては、ゴム練り加工機械で配合調整を容易にできる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 図1は、本発明の未加硫ゴムの供給方法及び装置の説明図である。
[図2] 図2は、シート状ゴム材の製造装置の一例の模式図である。
[図3] 図3は、シート状ゴム材の製造方法の一例のフロー図である。
[図4] 図4は、成形されたゴムシートの模式図である。
[図5] 図5は、シート状ゴム材を幅方向に切断した模式的な断面図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、図面を用いつつ本発明の未加硫ゴムの供給方法、供給システム及び未加硫ゴムの輸送方法の実施形態を、より具体的に説明する。
[0015]
 図1に示す模式図において、本発明の未加硫ゴムの供給方法及び供給システムの一実施形態は、まず、原料ゴム工場1にて、シート状ゴム材の製造装置10を用いて、未加硫ゴムをロールにより成形したゴムシートの両面に合成樹脂フィルムを付着させてなり、厚さが幅方向に均一化されたシート状ゴム材20を作製する。原料ゴム工場1は、天然ゴム工場でもよいし、合成ゴム工場でもよい。また、原料ゴム工場1は、天然ゴムや合成ゴムを原料とした素練りゴムやマスターバッチ等の中間ゴム製品を製造する工場を含む。
[0016]
 原料ゴム工場1には、シート状ゴム材の製造装置10が設けられている。このシート状ゴム材の製造装置10は、天然ゴムや合成ゴム、更には素練りゴムやマスターバッチ等の未加硫ゴムをロールによりゴムシートに成形し、成形されたゴムシートの両面に合成樹脂フィルムを付着させてなるシート状ゴム材の幅に応じたフィルム幅でシート状ゴム材20を作製する。
[0017]
 作製されたシート状ゴム材20は、原料ゴム工場1内で梱包容器としてのスチールボックスb内に折り畳んで積載される。シート状ゴム材20を折り畳んで積載するための積載装置30が、原料ゴム工場1内のスチールボックスb近傍に設けられている。積載装置30は、例えば走行移動しているシート状ゴム材20をスチールボックスbの全幅や半幅に応じた振幅で揺動させる装置である。
[0018]
 原料ゴム工場1において、作製されたシート状ゴム材20は、両面に合成樹脂フィルムが付着されていることから、スチールボックスb内に折り畳んで積載しているときには、ゴム同士の密着を合成樹脂フィルムの介在によって回避できる。また、シート状ゴム材20は、厚さが幅方向に均一化されているので、スチールボックスb内に折り畳んで積載しているときにも、充填率の降下を抑制することができる。
[0019]
 シート状ゴム材20を積載したスチールボックスbは、輸送手段2によりゴム加工工場3に輸送される。輸送手段2は、船舶、トラック、飛行機といった公知のスチールボックスbの輸送手段を用いることができる。外国の原料ゴム工場1から国内のゴム加工工場3への輸送のような、輸送に長期間がかかる場合においてもスチールボックスbの充填率の降下を生じることなく、スチールボックスb内でのゴム密着の発生を防止することができる。
[0020]
 ゴム加工工場3では、スチールボックスb内のシート状ゴム材20が、ゴム加工工場3におけるゴム製品の製造スケジュールに合わせて必要に応じてそのまま保管される。また、シート状ゴム材20が、スチールボックスbからのパレット等に積み替えされてゴム加工工場3内で搬送され、ゴム混練装置等に供給される。ゴム加工工場3においては、ベールよりも加工が容易なシート状ゴム材20を用いることから、ゴム混練装置の負荷を軽減することができ、省エネルギー化を図ることができる。また、シート状ゴム材20を用いることにより、ゴム加工工場3のゴム練り加工機械で練りゴムに加工する際には、塊状のベールを用いる場合に必要とされていた加温や裁断工数や素練りエネルギーを削減することができる。
[0021]
 図1に示すシート状ゴム材の製造装置10の詳細を、図2を用いて説明する。シート状ゴム材の製造装置10は、混合機11と、圧延ロール機12と、カッター13と、冷却装置14と、フィルム貼付け装置15とを備えている。このシート状ゴム材の製造装置10は、シート状ゴム材20を製造するための装置である。このシート状ゴム材20は、原料ゴムから圧延ロール機12により成形されるゴムシート21と、このゴムシート21の両面にフィルム貼付け装置15により貼り付けられた合成樹脂フィルム22とを備えている。
[0022]
 混合機11は、天然ゴム又は合成ゴムよりなる未加硫の原料ゴムを加熱するための装置であり、原料ゴムに機械的な応力を加えて変形させることによりゴム温度を上昇させる。混合機11には、例えばオープンロールミル11aを用いることができ、また、密閉型二軸混合機を用いることができる。オープンロールミルや密閉型二軸混合機は、単数で用いてもよいし、また、複数を用いてもよい。なお、混合機11は、原料ゴムが、ゴムシート化のために必要となる温度を有している場合には、必ずしも設けることを要しない。
[0023]
 圧延ロール機12は、原料ゴムをゴムシート21に成形するための装置であり、成形に適した所定の温度になる原料ゴムを搬送するコンベアcに接続して設けられ、製造するゴムシート21の幅よりも長いロール胴長を有する一対のロール12a、12bを備えている。これらのロール12a、12bは、モータ12cから伝達された駆動力によって回転し、圧延ロール機12に供給された原料ゴムを圧延してゴムシート21に成形する。このゴムシート21の厚さは、間隙調整装置12dによって調整されたロール12a、12b間の間隙によって、所定の厚さに調整される。
[0024]
 カッター13はゴムシート21の幅方向両端部を切断するために設けられる。図示した例では、圧延ロール機12により成形されたゴムシート21が引き出されるロール12bの近傍に設けられ、ゴムシート21の幅方向両端部近傍のそれぞれに少なくとも1個の刃を備えている。カッター13の刃は、ゴムシート21の幅方向端部からの切除幅を調整できるように、ゴムシート21の幅方向に移動可能となっている。カッター13が設けられる位置は、図2に示したようなロール12bの近傍に限定されない。ゴムシート21の幅方向端部を切除できる位置であれば冷却装置14の出側に設けてもよいし、フィルム貼付け装置15の出側に設けてもよい。もっとも、圧延ロール機12の近傍にカッター13を設けることにより、ゴムが比較的高温で軟化し容易に切断可能なときにゴムシート21の両端部を切除することができるので、好ましい。
[0025]
 冷却装置14は、幅方向両端部が切断されたゴムシート21の温度を、次工程の合成樹脂フィルム22の貼り付け工程に適した温度に低下させるための装置である。次工程でゴムシート21に貼り付けられる合成樹脂フィルム22は、融点が100℃以下のものが好ましい。したがって、貼り付け工程時に合成樹脂フィルム22が融けない温度まで、好ましくは100℃以下までゴムシート21を冷却するために、冷却装置14を設けている。冷却装置14は、ゴムシート21の表面に対して、ノズルから空気等のガス又は水等の液体を吹き付けたり、ゴムシート21を冷却ロールに巻き付けたりして強制的に冷却する装置であってもよいし、また、ある程度の距離を有するコンベア上でゴムシート21を連続的に走行させることにより、ゴムシート21を放冷させて自然に冷却する装置であってもよい。
[0026]
 フィルム貼付け装置15は、温度が低下したゴムシート21の両面に合成樹脂フィルム22を貼り付けるための装置であり、フィルムロール15a、15bと、付着ロール15c、15dとを備えている。フィルムロール15a、15bは、合成樹脂フィルム22がロール状に巻き取られてなり、ゴムシート21の表面に向けて合成樹脂フィルム22を巻き出し可能になっている。付着ロール15c、15dは、ゴムシート21の厚さ方向に当該ゴムシート21を挟んで設けられ、ゴムシート21の移動速度と同じ周速で回転する一対のロールよりなる。この付着ロール15c、15dにフィルムロール15a、15bから供給された合成樹脂フィルム22を巻きかけてゴムシート21の表面に貼り付けることで、シート状ゴム材20を得る。
[0027]
 シート状ゴム材20の走行経路におけるフィルム貼付け装置15の出側には、シート状ゴム材20を冷却する冷却手段16を設けることが好ましい。冷却手段は、当該シート状ゴム材20の表面に対して、ノズルから空気等のガス又は水等の液体を吹き付けたり、当該シート状ゴム材20を冷却ロールに巻き付けたりして強制的に冷却する装置であってもよい。図2に示した例では、シート状ゴム材20を複数個のガイドロールrで案内させることにより、当該シート状ゴム材20をある程度の距離で連続的に走行させ、その間で自然放冷させていて、これが冷却手段16となっている。
[0028]
 冷却手段16を経たシート状ゴム材20は、折り畳んで梱包容器としてのスチールボックスb内に収容される。当該シート状ゴム材20を折り畳むためのシート積載装置については、図2では図示を省略している。シート積載装置は、ゴム加工工場においてパレット上にゴムシートを積載するために用いられている装置を、本発明に従いスチールボックスb内にシート状ゴム材20を積載できるように適合させて用いることができる。
[0029]
 上述したシート状ゴム材の製造装置10を用いた、シート状ゴム材20の製造方法を、図3に示すフロー図を用いて説明する。
 まず、原料ゴム工場において原料ゴムを用意する(ステップS0)。原料ゴムは、合成ゴムであってもよいし、天然ゴムであってもよい。天然ゴムの場合は技術的格付けゴム(TSR)でも、リブドスモークドシート(RSS)でもよい。天然ゴムは、原料ゴム工場が熱帯のゴム生産地に設置されるため、ゴム加工工場3まで輸送するのに長期間を要することが多く、よって本発明の効果が大きい。原料ゴムは、ベールに成形することを要しない。もっとも、いったん成形したベールを用いることを除外するものではない。
[0030]
 原料ゴムの温度を、混合機11を用いて上昇させる(ステップS1)。原料ゴムの上昇目標温度は、次工程でゴムシート21を成形可能な温度として定めることができ、一例としては140℃程度とすることができる。なお、ステップS0で用意された原料ゴムが、次工程でゴムシート21を成形するのに適した温度を有している場合には、この混合機11を用いて温度上昇させる工程を省略することができる。
[0031]
 混合機11により加熱された原料ゴムを、コンベアcで搬送して圧延ロール機12に供給し、ロール12a、12b間で圧延して所定の厚さのゴムシート21に成形する(ステップS2)。ゴムシート21の厚さは、5mm以上20mm以下であることが好ましい。ゴムシート21の厚さが5mmよりも薄いと、梱包容器内にゴムシート21を折りたたんで収容する際などに必要とされるシート加工性は良くなるが、密着防止用にシート両面に貼り付ける合成樹脂フィルム量が増加し、フィルムコストが高くなる。ゴムシート21の厚さが20mmを超えると、シート加工性が悪くなるため、梱包輸送のためにスチールボックスb内でシートを折りたたむことが容易にできなくなり、梱包性が悪化する。より好ましいゴムシート21の厚さは、10~15mmである。ゴムシート21の幅は、特に限定されないが、梱包容器のサイズ等に適合させた幅とすることができる。
[0032]
 成形されたゴムシート21の幅方向両端部をカッター13で切除する(ステップS3)。図4(a)に圧延ロール機12のロール12a、12bにより成形されたゴムシート21の模式的な斜視図を示し、同図(b)に当該ゴムシート21のB-B線視の幅方向断面図を示す。成形されたゴムシート21は、幅方向両端部の厚さが幅方向中央に比べて不均一であり、より具体的には、幅方向両端部の厚さが幅方向中央の厚さに比べて厚い。このようなゴムシート21の幅方向における厚さの不均一さは、ゴムシート21を折り畳んでスチールボックスbなどの梱包容器に収容したり、パレット上に積み上げたりするときに、積載効率の低下を招き、ひいては充填率、梱包性の低下や輸送性の低下を招く。そこで、ゴムシート21の幅方向両端部をカッター13で切除する。このことにより、切除後のゴムシート21は、幅方向で厚さが均一であり、折り畳んで梱包容器内やパレット上で積み上げたときにシート状ゴム材20の積載効率の低下を極力抑制することができ、よって充填率、梱包性や輸送性を向上させることができる。
[0033]
 ゴムシート21の幅方向両端部の切除範囲は、ゴムシート21の幅方向端部からそれぞれ30mm以上200mm以下の部分とするのが好ましい。30mmに満たないと、厚さが不均一な部分が切除後のゴムシート21に残り、切除する効果が低下する。200mmを超えると、厚さを均一にするための切除量として十分過ぎるし、ゴム加工工場3で使用するための、残りのゴムシートの量が減少する。
[0034]
 なお、ゴムシート21の幅方向両端部の切除は、圧延ロール機12で成形した直後に限られず、圧延ロール機12で成形した後に行われる冷却後やフィルム貼り付け後でもよい。もっとも、図3のフロー図に示したように、圧延ロール機12で成形した直後であることが、より好ましい。
[0035]
 切除後のゴムシート21を、冷却装置14によって冷却する(ステップS4)。冷却温度は、合成樹脂フィルム22が融けない温度、より具体的には100℃以下とする。ゴムシート21を連続的に搬送しているときの自然放冷により、ゴムシート21の温度を所望の温度まで低下させることができる場合は、冷却装置14によって冷却する工程を省略することができる。
[0036]
 フィルム貼付け装置15を用いて、合成樹脂フィルム22をフィルムロール15a、15bから付着ロール15c、15dに供給して巻きかけ、当該付着ロール15c、15dで合成樹脂フィルム22をゴムシート21の表面に押し付けることにより、ゴムシート21の両面に合成樹脂フィルム22を貼り付けて、シート状ゴム材20を得る(ステップS5)。合成樹脂フィルムは、ポリエチレンが好ましいが、ポリエチレンに限定されず、ポリブタジエンを用いることもできる。なかでも低密度ポリエチレン(LDPE)やポリブタジエンは、融点が100℃以下であることから、特に好ましい。融点が100℃以下であると、シート状ゴム材20をゴム加工工場3で素練りや混練をするときのゴム温度(120~130℃程度)で合成樹脂フィルム22が融けるので、合成樹脂フィルム22の融け残りのない均質なゴムを得ることができる。
[0037]
 合成樹脂フィルム22の厚さは、10~30μm程度が好ましい。合成樹脂フィルム22の厚さが薄すぎると、部分的に破損して、折り畳んだ原料ゴムの密着を防止することが難しくなる。合成樹脂フィルム22の厚さが厚過ぎると、原料ゴムの密着防止効果の更なる向上が乏しく、却ってコスト増加を招く。
[0038]
 合成樹脂フィルム22は、ゴム加工工場3においてゴムシート21と分離されることなく、素練り及び混練により原料ゴム中に分散する。ゴムシート21の厚さが5~20mmであるのに対して合成樹脂フィルム22の厚さは10~30μmと十分に薄く、混入量が微量であることから、素練り及び混練中に原料ゴム中に分散しても悪影響は生じない。
[0039]
 シート状ゴム材20を冷却する(ステップS6)。この冷却は、スチールボックスb内に当該シート状ゴム材20を折り畳んで収容する前に十分にゴム温度を低下させるための冷却である。この冷却は、シート状ゴム材20の温度が十分に低い場合には、省略することができる。
[0040]
 冷却により、所定の温度以下になったシート状ゴム材20をスチールボックスb内で折り畳みながら積載する(ステップS7)。
[0041]
 図5に模式的な断面図で示すシート状ゴム材20は、ゴムシート21と、このゴムシート21両面に形成された合成樹脂フィルム22とを備えるものである。シート状ゴム材20の製造過程においてシート加工時に厚さが不均一なゴムシート21のシート幅方向両端部を切除してシートの厚さを均一していることから、ゴムシート21の両端部幅方向端部の厚さt1と幅方向中央部の厚さt0との差が小さくなっており、梱包容器へのシート積載時に懸念される充填率の低下を抑制することができる。好ましくは、t1とt0との差が1.5mm以下、より好ましくは1.0mm以下である。
[0042]
 シート状ゴム材20は、スチールボックスbに収容されてよりゴム加工工場3に輸送される。このゴム加工工場3でバンバリーミキサーなどのゴム練り加工機械に投入され、このゴム練り加工機械でカーボンブラックなどの充填剤およびその他ゴム薬品と混合して練りゴムに加工される。
[0043]
 以上説明した加硫ゴムの供給方法、供給システム及び未加硫ゴムの輸送方法によれば、ゴム加工工場3で原料ゴムをゴム配合剤と混練して練りゴムを製造する際に、原料ゴムにシート状ゴム材20を用いることにより、ベールを裁断する工数を必要としない。また、原料ゴムとゴム配合剤との配合の調整は、シート状ゴム材20を任意の長さで切断することによって調整することができるので、配合の自由度が制約されることはない。シート状ゴム材20を任意の長さで切断することに関して、タイヤ工場に代表されるゴム加工工場3のゴム混練装置には通常、シート供給装置と呼ばれる連続ゴムシートを取上げて自由な位置で裁断し、裁断したシートを搬送し混練装置に投入する設備が付属していることから、この装置を用いることで、自動裁断と自由な原料ゴムの重量設定が可能になる。また、塊状のベールではなくシート形状ゴム材20を用いることから、ゴム混練装置の負荷を軽減することができ、省エネルギー化を図ることができる。したがって、シート形状の原料ゴムを用いることにより、ゴム加工工場3のゴム練り加工機械で練りゴムに加工する際には、裁断工数や練りエネルギーを削減することができる。
[0044]
 また原料ゴム工場1から出荷されるシート状ゴム材20は、ゴムシート21の表面に合成樹脂フィルム22が付着、形成されてなることから、原料ゴム工場1からゴム加工工場3に輸送する間の長期保管をしても、シートが密着するのを抑制することができる。しかも、梱包容器へのシート状ゴム材20の積載時に懸念される充填率の低下については、ゴムシート21の加工時に厚さが不均一なシート幅方向両端部を切除することでゴムシート21の厚さを均一にしていることから、この充填率の低下を抑制できる。したがって、原料ゴムをベール形状と同等の積載効率により、密着などの作業性の問題を起こすことなく輸送することができる。
実施例
[0045]
(実施例1)
 原料ゴム工場において、天然ゴム(RSS#4)を密閉型混合機により回転速度60rpmで1分間、練って温度約140℃にゴム温度を上昇させた状態で直径22インチのゴム加工用の圧延ロール機に供給した。当該ロール機を回転速度15rpmで回転させ、ロール間隙を調整して厚さ10mm、幅850mmのゴムシートに成形した。ロールの排出側に切り上げカッターを設置し、ゴムシートの幅方向両端からそれぞれ10cm内側に切れ目を入れることにより、厚さ10mm、幅650mmのゴムシートを切り取った。切り取られたゴムシートをコンベアで次のフィルム貼付け装置に送った。フィルム貼付け装置では、幅700mm、厚さ30μmのLDPEフィルムをゴムシート両面にロールで圧着して貼り付けた。その後、ゴムシートを空冷装置に送り、ゴム温度50℃まで冷やしてから、首振り機構を備えたシート積込み装置を用いて、スチールボックス(商品名GoodPackMB5)に積み込んだ。
[0046]
 天然ゴムシートは、スチールボックスの壁面で折り返して2列に積み込むことにより、ゴムの積載重量が1ボックス当たり1.2tになり、現状の35kgゴムベールと同程度積載でき、輸送費のコスト上昇を抑制できた。
[0047]
 この天然ゴムシートを3ヶ月間倉庫で室温(15~30℃)放置後、取り出したところ、シート間密着の発生は皆無であった。
[0048]
 スチールボックスをゴム加工工場に輸送し、ゴム加工工場において、ゴム密閉型混合機の練りで、表1の配合Aを練った。この場合に、混合機の容量が270L、最適充填率が65%とすると、上記シートを用いることにより最適充填率の65%の容量で混練が実施できた。また、その場合、シート供給装置の自動裁断機能により、ベール裁断工数の増大が発生しなかった。
[0049]
[表1]


[0050]
(比較例1)
 実施例と同様に、密閉型混合機で天然ゴムを練り、加工用圧延ロール機に供給後、ゴムシートの幅方向両端部を切除することなく幅650mm、厚さ10mmのシートに成形し、両面に実施例と同様のフィルムを貼り付け、空冷装置で50℃まで冷却し、積込み装置でスチールボックス(商品名GoodPack MB5)に積み込んだ。この場合、ゴムシートの両端の厚さが20~30mmと膨らんでおり、整った積み姿で積載ができず、その結果、積載重量が1ボックス当たり約1tとなり、ベールを積載した場合の80%程度の積載効率に止まった。
[0051]
(比較例2)
 実施例と同様に加工用圧延ロール機でゴムシートを成形し、切り上げカッターでゴムシートの幅方向両端を切除して幅650mm、厚さ10mmのシートを切り出した後、離型液として炭酸カルシウムの3%水溶液中にゴムシートを通して離型剤の炭酸カルシウムをゴムシート表面に付着させた後、空冷装置で当該ゴムシートを冷却乾燥してから、積込み装置でスチールボックス(商品名GoodPack MB5)に積み込んだ。スチールボックスに1ボックス当たり積載重量1.2tの当該シートを積載した状態で1ヶ月間室温にて放置した後、ゴムシート間の密着状態を確認したところ、スチールボックス底部に近い箇所のゴムシートが完全に密着していて、シートとして取り出せない状態になった。
[0052]
(比較例3)
 ゴムシートの替わりに、質量35kgのベールである天然ゴムベールを用いて、密閉型混合機で上記表1の配合Aの練りを行った。このとき、天然ゴムの重量を配合に合わせるのに1バッチ当たり、二分の一ベールのゴムが必要であり、2バッチあたり、1ベール分の裁断工数が発生した。また、その場合の充填率は62.3%になり、最適充填率から外れるため生産性が低かった。
[0053]
(実施例2~8)
 実施例1と同じ原料ゴム工場において、ゴム加工用の圧延ロール機のロール間隙を種々に変更してゴムシートを成形し、次いでカッターによりゴムシートの幅方向両端からそれぞれ種々の長さで切除した。それ以外は実施例1と同様にして実施例2~8のシート状ゴム材を得た。得られた実施例2~8のシート状ゴム材について、生産性、フィルムコスト及び積載効率について調べた結果を、実施例1のシート状ゴム材を100とした場合の指数表示で表2に示す。
[0054]
[表2]


[0055]
 表2において、生産性と積載効率の指数は、高いほうが良く、フィルムコストは低いほうが良い。表2から、シート厚さが4mmである実施例7に比べて、シート厚さが5mm~20mmである実施例2~4は、フィルムコストが良好である。また、シート厚さが25mmである実施例8に比べて、シート厚さが5mm~20mmである実施例2~4は、生産性及び積載効率が良好であった。更に、シート端部からの切除量が25mmである実施例5に比べて、切除量が30~200mmである実施例2~4は、積載効率が良好であった。また更に、シート端部からの切除量が210mmである実施例5に比べて、切除量が30~200mmである実施例2~4は、生産性が良好であった。
[0056]
 以上、本発明の未加硫ゴムの供給方法、供給システム及び未加硫ゴムの輸送方法の実施形態を、実施例及び図面を用いて説明したが、本発明の未加硫ゴムの供給方法、供給システム及び未加硫ゴムの輸送方法の実施形態を、上記実施例及び図面の規定に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、幾多の変形が可能である。

符号の説明

[0057]
1:原料ゴム工場
2:輸送手段
3:ゴム加工工場
10:シート状ゴム材の製造装置
11:混合機
12:圧延ロール機
13:カッター
14:冷却装置
15:フィルム貼付け装置
16:冷却手段
20:シート状ゴム材

請求の範囲

[請求項1]
 未加硫ゴムをロールにより成形したゴムシートの両面に合成樹脂フィルムを付着させてなり、厚さが幅方向に均一化されたシート状ゴム材を、原料ゴム工場で作製し、
 作製されたシート状ゴム材を、梱包容器内に折り畳んで積載させ、
 シート状ゴム材が積載された梱包容器をゴム加工工場に輸送する、
ことを特徴とする未加硫ゴムの供給方法。
[請求項2]
 前記原料工場でのシート状ゴム材の作製過程で、ゴムシートの幅方向両端部を切除する工程を含む請求項1記載の未加硫ゴムの供給方法。
[請求項3]
 前記ゴムシートの厚さが、5mm以上20mm以下である請求項1又は2に記載の未加硫ゴムの供給方法。
[請求項4]
 前記両端部の切除は、ゴムシートの幅方向端部からそれぞれ30mm以上200mm以下の部分を切除する請求項2に記載の未加硫ゴムの供給方法。
[請求項5]
 前記合成樹脂性フィルムを付着させる前に、ゴムシートを冷却することを特徴とする請求項1に記載の未加硫ゴムの供給方法。
[請求項6]
 未加硫ゴムをロールによりゴムシートにする前に、当該未加硫ゴムを加熱することを特徴とする請求項1に記載の未加硫ゴムの供給方法。
[請求項7]
 未加硫ゴムをロールにより成形したゴムシートの両面に合成樹脂フィルムを付着させてなり、厚さが幅方向に均一化されたシート状ゴム材を作製するシート状ゴム材の作製装置と、
 作製されたシート状ゴム材を梱包容器内に折り畳んで積載する積載装置と、
を備え、
 前記シート状ゴム材作製装置及び前記積載装置は、原料ゴム工場に設けられ、原料ゴム工場からゴム加工工場に、シート状ゴム材が積載された梱包容器が輸送されることを特徴とする未加硫ゴムの供給システム。
[請求項8]
 未加硫ゴムをロールにより成形したゴムシートの両面に合成樹脂フィルムを付着させてなり、厚さが幅方向に均一化されたシート状ゴム材を、原料ゴム工場で作製し、
 作製されたシート状ゴム材を梱包容器内に折り畳んで積載させ、
 シート状ゴム材が積載された梱包容器をゴム加工工場に輸送する、
ことを特徴とする未加硫ゴムの輸送方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]