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1. WO2013125057 - 交流回転機の制御装置及びその方法、電動パワーステアリング装置

Document

明 細 書

発明の名称 交流回転機の制御装置及びその方法、電動パワーステアリング装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

産業上の利用の可能性

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117  

符号の説明

0118  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18  

明 細 書

発明の名称 : 交流回転機の制御装置及びその方法、電動パワーステアリング装置

技術分野

[0001]
 この発明は、交流回転機における短絡故障、開放故障が発生した場合に制御に関する。

背景技術

[0002]
 交流回転機の制御装置を、例えば電動パワーステアリングなどで用いる場合、特定箇所に故障が発生した場合でも、その故障を回避しながら、継続して交流回転機の駆動を行いたい。
[0003]
 例えば、下記特許文献1に記載の従来の交流回転機の制御装置では、トルク電流指令、電動機の各相に流れる電流に応じて各相電圧指令を決定する電流制御手段と、各相電圧指令に基づきインバータへスイッチング操作を指示するスイッチング素子駆動回路と、スイッチング操作信号を受けて電動機を駆動するインバータと、インバータの各相のスイッチング素子にそれぞれ直列に配置された電流検出器と、インバータのスイッチング素子をONする所定の組合せを示すテストパターンを記憶し、テストパターンと当該テストパターンの応答として電流検出器で検出される各相の電流検出値とに基づき短絡故障箇所を特定する短絡箇所特定手段とを備えることにより、迅速かつ正確に、短絡故障箇所を特定している。
[0004]
 また、交流回転機に巻線を2組備えることによって、故障を回避しながら、継続して交流回転機を駆動することも可能である。例えば、特許文献2に示された従来の交流回転機の制御装置では、交流回転機に巻線を2組備えて、それぞれに流れる電流を制御するインバータも2組備え、個別に電流を制御できる構成になっている。片方の巻線やインバータに故障が発生した場合に、故障系統の全スイッチング素子をOFFしてブレーキトルクを低減または打ち消すものである。また、故障系統の故障していない相を継続駆動して故障していない系統でブレーキトルクを低減または打ち消すことも示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 国際公開第WO2008/129658号パンフレット
特許文献2 : 特開2011-78230号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかしながら、例えば、前記特許文献1に記載の交流回転機の制御装置は、交流回転機の巻線が一組しかないため、短絡故障箇所を特定しても、短絡故障箇所の電流を所望の値に動作させることは容易ではないので、ブレーキトルクなどの発生により、スムーズな回転を保つことができないといった問題があった。
[0007]
 また前記特許文献2のような例では、短絡故障が発生した場合には、モータの回転を減速させる方向に働くトルクすなわちブレーキトルクが発生する。このブレーキトルクがモータの位相によって変化するため、出力トルクの変動につながりユーザに不快感を与える。特許文献2ではトルク変動を抑えるため、開放(OFF)故障時に全スイッチング素子をOFFしているが、短絡(ON)故障時には全スイッチング素子をOFFすることができない。また、故障していない相を継続駆動して故障していない系統にて故障した相から発生したブレーキトルクの影響を低減または打ち消すことを提案しているが、故障していない相を含めて制御するため制御が複雑になる。また、検出した回転角度により制御するため回転角度の精度が悪い場合にはかえってブレーキトルクが瞬間的に出てユーザの不快感につながる恐れがある。
[0008]
 この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、短絡故障、開放故障が発生した場合に、回転角度に関係なくブレーキトルクを一定とすることにより複雑な制御を行わずにトルク脈動を最小限に抑えるようにした交流回転機の制御装置等を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009]
 この発明は、複数組の巻線を備えた交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、前記巻線の各相に印加する電圧を制御するスイッチング素子を各相に有する複数のインバータと、前記各インバータに前記電圧に対応する電圧指令を与え、巻線に流す電流を制御する電流制御手段と、前記各スイッチング素子の短絡および開放の少なくとも一方の故障を検知する故障検知手段と、を備え、前記電流制御手段は、前記故障検知手段が検知した故障に応じて、故障側インバータの各相の同電位側を故障と同じ状態に設定するとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続する、ことを特徴とする交流回転機の制御装置等にある。

発明の効果

[0010]
 この発明では、短絡故障、開放故障が発生した場合に、回転角度に関係なくブレーキトルクを一定とすることにより複雑な制御を行わずにトルク脈動を最小限に抑えることができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] この発明による交流回転機の制御装置の各実施の形態共通の全体構成の一例を示す概略ブロック図である。
[図2] 第1巻線駆動系のW1相の高電位側が短絡故障した場合の時間経過とトルク及び各相の電流の関係を示す図である。
[図3] この発明の短絡故障時の電流制御手段の制御の動作フローチャートである。
[図4] この発明の実施の形態1等による制御を適用した場合の時間経過とトルク及び各相の電流の関係を示す図である。
[図5] この発明の実施の形態1等による制御を適用した場合の交流回転機回転速度に対する電流の特性を示した図である。
[図6] この発明の実施の形態1等による制御を適用した場合の交流回転機回転速度に対するトルクの特性を示した図である。
[図7] 第1巻線駆動系のW1相の低電位側が短絡故障した場合の時間経過とトルク及び各相の電流の関係を示す図である。
[図8] この発明の開放故障時の電流制御手段の制御の動作フローチャートである。
[図9] この発明の実施の形態5等による交流回転機の制御装置の電流制御手段の内部構成の一例を示す図である。
[図10] この発明の実施の形態5による図9の目標電流算出器の内部構成の一例を示す図である。
[図11] この発明の実施の形態5等による制御を適用した場合の交流回転機回転速度に対する電流(トルク)の特性の一例を示した図である。
[図12] この発明の実施の形態5等による制御を適用した場合の交流回転機回転速度に対する電流(トルク)の特性の別の例を示した図である。
[図13] この発明の実施の形態6による図9の目標電流算出器の内部構成の一例を示す図である。
[図14] この発明の実施の形態7による図9の目標電流算出器の内部構成の一例を示す図である。
[図15] この発明の実施の形態7による図9の目標電流算出器の内部構成の変形例を示す図である。
[図16] この発明の実施の形態8による図9の目標電流算出器の内部構成の一例を示す図である。
[図17] この発明の実施の形態9による図9の目標電流算出器の内部構成の一例を示す図である。
[図18] この発明の実施の形態10による電動パワーステアリング装置の全体構成を示す模式図である。
[0012]
 以下、この発明による交流回転機の制御装置、交流回転機の制御装置を備えた電動パワーステアリング装置を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
[0013]
 実施の形態1.
 図1は、この発明による交流回転機の制御装置の各実施の形態共通の全体構成の一例を示す概略ブロック図である。また、交流回転機の制御装置10以外に、電源4と交流回転機5と交流回転機5の回転角度を検出する交流回転機回転角度センサ6も記載している。
[0014]
 交流回転機5は、U1、V1、W1相の3相からなる第1巻線組15と、U2、V2、W2相の3相からなる第2巻線組16を備えており、各巻線組はそれぞれスター結線で相を結合している。これら複数の巻線組により図示しないステータが構成され、交流回転機5は、このステータと、図示しないロータと、ロータに固定された回転軸により構成されている。なお、以下の説明ではこの発明を、各巻線組が3相で、ロータに永久磁石を配置した永久磁石型同期交流回転機に適用した場合を例に説明するが、この発明は、3相以上の多相交流により回転駆動する交流回転機に対して使用することができるものであり、誘導機や界磁巻線型同期機であってもよい。なお、本例では巻線をスター結線としたが、デルタ結線にして構成しても同様の効果が得られる。
[0015]
 交流回転機の制御装置10は、電流制御手段23により第1インバータ21および第2インバータ22への電圧指令を指示する。電流制御手段23は、第1巻線組15に印加する電圧TUP1、TUN1、TVP1、TVN1、TWP1、TWN1を指令することにより第1巻線組15のU1、V1、W1相の各相の電流を制御し、第2巻線組16に印加する電圧TUP2、TUN2、TVP2、TVN2、TWP2、TWN2を指令することにより第2巻線組16のU2、V2、W2相の各相の電流を制御する。
[0016]
 電圧指令は各相に対して実施するため、TUP1はUP1に対する指示、TUN1はUN1に対する指示、TVP1はVP1に対する指示、TVN1はVN1に対する指示、TWP1はWP1に対する指示、TWN1はWN1に対する指示を表す。また、TUP2はUP2に対する指示、TUN2はUN2に対する指示、TVP2はVP2に対する指示、TVN2はVN2に対する指示、TWP2はWP2に対する指示、TWN2はWN2に対する指示を表す。UP1、UN1、VP1、VN1、WP1、WN1、UP2、UN2、VP2、VN2、WP2、WN2はスイッチング素子である。
[0017]
 電圧指令TUP1、TUN1、TVP1、TVN1、TWP1、TWN1を受けた第1スイッチング素子駆動回路24は、指令に応じて第1インバータ21のU1相のUP1、UN1、V1相のVP1、VN1、W1相のWP1、WN1を駆動する。電圧指令TUP2、TUN2、TVP2、TVN2、TWP2、TWN2を受けた第2スイッチング素子駆動回路25は、指令に応じて第2インバータ22のU2相のUP2、UN2、V2相のVP2、VN2、W2相のWP2、WN2を駆動する。例えば、UP1をON、UN1をOFF、VP1をOFF、VN1をONすると、電源4から供給された電流はUP1→第1巻線組15→VN1の順に流れる。
[0018]
 交流回転機の制御装置10では、交流回転機回転角度センサ6からの信号を受け、交流回転機回転角度検出手段26により交流回転機回転角度信号θを算出する。交流回転機回転速度検出手段27は、回転角度信号θを時間微分することにより交流回転機回転速度信号ωを算出する。なお、交流回転機回転角度センサ6と交流回転機回転角度検出手段26を設けたが、公知の手法によって推定した交流回転機回転角度によって交流回転機回転角度信号θおよび交流回転機回転速度信号ωを得てもよい。
[0019]
 交流回転機の制御装置10は、故障箇所を検出する故障検知手段28を備える。故障検知手段28は例えば、上記特許文献1と同様の方法で、第1インバータ21、第2インバータ22毎にスイッチング素子をONする所定の組み合わせを示すテストパターンをメモリ(図示省略)に記憶し、このテストパターンと当該テストパターンの応答として後述する電流検出回路で検出される各相の電流値とに基づいて短絡故障箇所および後述する開放故障箇所を特定する。上記特許文献1に記載の交流回転機の制御装置は、交流回転機の巻線が一組しかないため、短絡故障箇所を特定しても、短絡故障箇所の電流を所望の値に動作させることは容易ではないので、ブレーキトルクなどの発生により、スムーズな回転を保つことができないといった問題があった。この実施の形態では複数の巻線を備えるため、一つの巻線系統で故障が発生した場合には、故障側で発生するブレーキトルクの変動を抑えて、正常側の巻線系統を制御して交流回転機をスムーズに回転させることができる。
[0020]
 交流回転機の制御装置10では、電流検出回路CT11、CT21、CT31、CT12、CT22、CT32により、交流回転機の各相に流れる相電流を検出し、相電流検出値I1dtcおよびI2dtcを得る。ここで、I1dtcは、U1、V1、W1成分を持つ電流ベクトル、I2dtcは、U2、V2、W2成分を持つ電流ベクトルを表す。なお、この実施の形態では、各相の電流を検出するために各相に電流検出回路を合計6個備えたが、電源と各インバータの間に各1つの電流検出回路を合計2個備える構成でもよい。電源と各インバータの間に各2つの電流検出回路を合計4個備える構成でもよい。この構成であっても、スイッチング素子をONまたはOFF駆動するタイミングに応じた検出を行えば、各相の電流を検出することが可能である。
[0021]
 以下では、第1の巻線駆動系のW1相の高電位側が短絡故障した場合を例として、この実施の形態の動作を説明する。ここでは、第1インバータ21および第2インバータ22がともに正常時に、第1巻線組15と第2巻線組16は同じ出力トルクを発生するものとする。
[0022]
 このとき、第1インバータ21にあるスイッチング素子WP1が常時ON状態となる。WP1以外のスイッチング素子、すなわちUP1、UN1、VP1、VN1、WN1がOFFの場合に交流回転機5が回転すると、第1巻線組15に誘起電圧が生じ、その結果、第1巻線組15に図2の(b)のような電流が流れる。図2の(a)(b)は、第1の巻線駆動系のW1相の高電位側が短絡故障した場合の時間経過とトルク及び電流の関係を示す図であって、図2の(b)に示すu相電流はU1相に流れる電流、v相電流はV1相に流れる電流、w相電流はW1相に流れる電流を示す。正常時と比べて偏った電流の流れ方になるため、(a)に示すようにブレーキトルクが発生する回転角度領域が発生する。時刻0.45秒から1.45秒までの1周期の間で、ブレーキトルクが発生する回転角度領域(時刻0.45秒から1.1秒)とトルク0の回転角度領域(時刻1.1秒から1.45秒)があるため、トルク脈動となり、ユーザに不快感を与える。上記特許文献2にあるような回転角度に応じてブレーキトルクを低減・打ち消す制御では、回転角度の誤差が無ければきれいにトルク脈動を消すことができるが、回転角度の精度が悪い場合にブレーキトルクが瞬間的に出ることになりユーザの不快感につながる。
[0023]
 図3は、電流制御手段23の制御の動作フローチャートを示したものであり、電流制御手段23は、図3に示す制御フローに基づく制御を実施する。図1ではスイッチング素子UP1,UN1,VP1,VN1,WP1,WN1,UP2,UN2,VP2,VN2,WP2,WN2としてFETを使用しているが、パワートランジスタやIGBTなど、他のスイッチング素子でも同じように処理可能である。条件分岐S1では、スイッチング素子がON故障(短絡故障)しているかどうかを判断する。条件分岐S2では、故障したスイッチング素子が高電位側であるかどうかを判断する。処理S3では、高電位側スイッチング素子を全てON、低電位側素子を全てOFFにする。処理S4では、高電位側スイッチング素子を全てOFF、低電位側素子を全てONにする。ここでの事例では、WP1がON故障しているため、条件分岐S1で真(Y)、条件分岐S2で真(Y)と判定して、処理S3を実施する。
[0024]
 このように、第1インバータ21の短絡故障が発生した高電位側のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てON設定、それ以外のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てOFF設定することにより、ブレーキトルクの変動が抑制できる。図4は、第1インバータ21の短絡故障が発生した高電位側のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てON設定、それ以外のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てOFF設定した状態で交流回転機5が回転したときの、時間経過に対する発生するトルク(a)および電流(b)をプロットしたものである。時間経過すなわち回転角度に関係なくブレーキトルクが一定となっており、ブレーキトルクによるトルク脈動は発生しない。
[0025]
 特許文献1記載の交流回転機の制御装置では、交流回転機の巻線が一組しかないため、短絡故障箇所を特定しても、短絡故障箇所の電流を所望の値に動作させることは容易ではなく、ブレーキトルクなどの発生により、スムーズな回転を保つことができないといった問題があったが、この実施の形態に記載の交流回転機の制御装置は、交流回転機の巻線を二組具備し、電流制御手段23は、故障検知手段28が検知した故障に応じて、故障側インバータの各相の同電位側をON設定するとともに、故障した側を除く正常側のインバータ(ここでは第1インバータ21が短絡故障しているので第2インバータ22)の制御を継続することで、図4のように時間経過すなわち回転角度に関係のない一定のブレーキトルクとすることでスムーズな回転を保つことができるといった効果を得る。
[0026]
 交流回転機5のロータに永久磁石が付いているため、回転角度によって永久磁石の発生する磁界方向が異なる。そのため、交流回転機5を、磁束方向と一致した軸を持つdq座標系で扱う手法がよく知られている。ここで、d軸はロータが発生する磁界方向、q軸は交流回転機5が発生したトルク方向となる。交流回転機5が発生するトルクは、q軸電流にほぼ比例する。
[0027]
 dq座標系において電流と電圧の関係式は下式で表すことができる。
[0028]
  V d=Ri d-ωLi q
  V q=Ri q+ω(Li d+φ)
[0029]
 V dはd軸電圧、V qはq軸電圧、i dはd軸電流、i qはq軸電流、Rは抵抗値、Lはインダクタンス、φは磁束密度、ωは回転速度である。故障側インバータの各相の同電位側をON設定する場合には、V dおよびV qはともに0であるから、i dおよびi qは下式で表される。
[0030]
  i d=-(φω 2L)/(R 2+ω 22)
  i q=-(φωR)/(R 2+ω 22)
[0031]
 図5は、故障側インバータの各相の同電位側をON設定して三相短絡している交流回転機回転速度信号ωに対する電流の特性を示したものであり、実線で示すI sは、点線で示すd軸電流と点線より目の粗い破線で示すq軸電流の2乗和の平方根である。第1巻線組15の発生トルクの増減は第1インバータ21のq軸電流で考えることができる。q軸電流が負値となっており、ブレーキトルクが発生していることがわかる。図5によると、ブレーキトルクはある回転速度までは増加し、その後減少している。
[0032]
 図6は、交流回転機回転速度信号ωに対するトルクについて示したものである。前述のように、第1巻線組15および第1インバータ21により発生できるトルクは、交流回転機回転速度信号ωに応じて決まるブレーキトルクである(図6の点線)。一方、第2インバータ22は正常であるから、第2巻線組16の発生するトルクは正常時と変わらない。発生トルクはq軸電流により決定するため、q軸電流が減少しない領域では最大トルクを発生でき、q軸電流低下とともに発生トルクは低下する(図6の破線)。交流回転機5が出力するトルクは、第1巻線組15および第2巻線組16によるものの合計値である。図6の実線のようになる。
[0033]
 特許文献2記載の従来の交流回転機の制御装置では、故障していない相を継続駆動して故障していない系統にて故障した相から発生したブレーキトルクの影響を低減または打ち消すために、故障していない相を含めて制御するため制御が複雑であり、検出した回転角度により制御するため回転角度の精度が悪い場合にはかえってブレーキトルクが瞬間的に出てる問題があったが、この実施の形態に記載の交流回転機の制御装置では、複雑な制御を実施せずに回転角度に関係なく、リプルのない出力トルクを得ることができる。
[0034]
 なお、この実施の形態では、正常時の第1巻線組15と第2巻線組16の出力トルク比を1としたが、トルク比が異なる場合についても同様の効果を得ることができる。
[0035]
 実施の形態2.
 この発明の実施の形態2による交流回転機の制御装置の全体構成は図1のものと同様である。第1の巻線駆動系のW1相の低電位側が短絡故障した場合を例として、この実施の形態の動作を説明する。ここでは、第1インバータ21および第2インバータ22がともに正常時に、第1巻線組15と第2巻線組16は同じ出力トルクを発生するものとする。
[0036]
 このとき、第1インバータ21にあるスイッチング素子WN1が常時ON状態となる。WN1以外のスイッチング素子、すなわちUP1、UN1、VP1、VN1、WP1がOFFの場合には、第1巻線組15に誘起電圧が生じ、その結果、第1巻線組15に図7の(b)のような電流が流れる。図7の(a)(b)は、第1の巻線駆動系のW1相の低電位側が短絡故障した場合の時間経過とトルク及び電流の関係を示す図であって、図7の(b)に示すu相電流はU1相に流れる電流、v相電流はV1相に流れる電流、w相電流はW1相に流れる電流を示す。正常時と比べて偏った電流の流れ方になるため、(a)に示すようにブレーキトルクが発生する回転角度領域が発生する。ブレーキトルクが発生する回転角度領域とトルク0の回転角度領域があるため、トルク脈動となり、ユーザに不快感を与える。
[0037]
 そこで電流制御手段23は、図3に示す制御フローに基づく制御を実施する。条件分岐S1で真(Y)、条件分岐S2で偽(N)と判定して処理S4を実施する。
[0038]
 このように、第1インバータ21の短絡故障が発生した低電位側のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てON設定、それ以外のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てOFF設定することにより、ブレーキトルクの変動が抑制できる。このとき発生するトルクおよび電流は図4のようになる。回転角度に関係なくブレーキトルクが一定となっており、ブレーキトルクによるトルク脈動は発生しない。
[0039]
 以下、実施の形態1と同様に、電流制御手段23が、故障検知手段28が短絡故障を検知した場合に、故障側インバータの故障した相の故障した電位側と同じ電位側を各相でON設定、反対の電位側を各相ともOFF設定とするとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続することにより、複雑な制御を実施せずに図4、図6のように時間経過すなわち回転角度に関係なく、リプルのない出力トルクを得ることができる。
[0040]
 実施の形態3.
 この発明の実施の形態3による交流回転機の制御装置の全体構成は図1のものと同様である。第1の巻線駆動系のW1相の高電位側が開放故障した場合を例として、この実施の形態の動作を説明する。ここでは、第1インバータ21および第2インバータ22がともに正常時に、第1巻線組15と第2巻線組16は同じ出力トルクを発生するものとする。
[0041]
 このとき、第1インバータ21にあるスイッチング素子WP1が常時OFF状態となる。WP1以外のスイッチング素子、すなわちUP1、UN1、VP1、VN1、WN1がOFFの場合には、第1巻線組15には電流が流れずブレーキトルクは発生しない。
[0042]
 図8は、電流制御手段23の制御の動作フローチャートを示したものであり、電流制御手段23は、図8に示す制御フローに基づく制御を実施して、一定のブレーキトルクを発生し、ユーザに積極的に故障を認知させる。条件分岐S11では、スイッチング素子が開放(OFF)故障しているかどうかを判断する。条件分岐S12では、故障したスイッチング素子が高電位側であるかどうかを判断する。処理S13では、高電位側スイッチング素子を全てOFF、低電位側素子を全てONにする。処理S14では、高電位側スイッチング素子を全てON、低電位側素子を全てOFFにする。ここでの事例では、WP1がOFF故障しているため、条件分岐S1で真(Y)、条件分岐S2で真(Y)と判定して、処理S13を実施する。
[0043]
 このように、第1インバータ21の短絡故障が発生した高電位側のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てOFF設定、それ以外のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てON設定することにより、一定のブレーキトルクを発生することができる。
[0044]
 この実施の形態3に記載の交流回転機の制御装置では、電流制御手段23が、故障検知手段28が開放故障を検知した場合に、故障側インバータの故障した相の故障した電位側と同じ電位側を各相でOFF設定、反対の電位側を各相ともON設定とするとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続するようにしたことにより、複雑な制御を実施せずに実施の形態1記載の短絡故障の場合と同様に、図4、図6のように時間経過すなわち回転角度に関係なく、リプルのない出力トルクを得ることができる。
[0045]
 実施の形態4.
 この発明の実施の形態4による交流回転機の制御装置の全体構成は図1のものと同様である。上記の実施の形態3では高電位側で開放故障が発生した場合について述べたが、低電位側にて開放故障が発生した場合にも一定のブレーキトルクを発生させる。図8の制御フローに基づいて処理S4を実施する、スイッチング素子のON/OFF設定が実施の形態3と反対になる。つまり、第1インバータ21の短絡故障が発生した低電位側のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てOFF設定、それ以外のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てON設定することにより、一定のブレーキトルクを発生することができる。
[0046]
 この実施の形態4に記載の交流回転機の制御装置では、電流制御手段23が、故障検知手段28が開放故障を検知した場合に、故障側インバータの故障した相の故障した電位側と同じ電位側を各相でOFF設定、反対の電位側を各相ともON設定とするとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続するようにしたことにより、複雑な制御を実施せずに図4、図6のように時間経過すなわち回転角度に関係なく、リプルのない出力トルクを得ることができる。
[0047]
 実施の形態5.
 上記の実施の形態1~4では正常側インバータは正常時と同じになるように電流制御手段23は制御をしていたが、故障発生時に正常側インバータの電流を補正して制御するように電流制御手段23aに置き換えてもよい。
[0048]
 この発明の実施の形態5による交流回転機の制御装置の全体構成は図1のものと同様である。図9は図1の電流制御手段23として設けられた実施の形態5における電流制御手段23aの内部構成の一例を示す図である。目標電流算出器31では、故障検知手段28から得た故障状態と交流回転機回転速度検出手段27から得た交流回転機回転速度ωに基づき、正常側インバータの目標電流を算出する。電圧指令演算器32では、故障検知手段28から得られた故障状態と、目標電流算出器31にて算出された目標電流と、電流検出回路CT11~CT31からの相電流検出値I1dtcまたは電流検出回路CT12~CT32からの相電流検出値I2dtcおよび交流回転機回転角度検出手段26から得た交流回転機回転角度θに基づいて、電圧指令を演算する。交流回転機5を、磁束方向と一致した軸を持つdq座標系で扱う手法がよく知られており、例えば目標電流と実電流の差によるPI制御がある。
[0049]
 電圧指令出力器33では、故障検知手段28から得られた故障状態と、電圧指令演算器32で得られた電圧指令に基づき、各スイッチング素子に与える電圧指令TUP1、TUN1、TVP1、TVN1、TWP1、TWN1、TUP2、TUN2、TVP2、TVN2、TWP2、TWN2を出力する。故障側インバータの場合には、目標電流算出器31および電圧指令演算器32で計算した内容に関わらず、故障検知手段28から得られた故障状態によって、短絡故障なら同電位側をON設定、反対の電位側をOFF設定とし、開放故障なら同電位側をOFF設定、反対の電位側をON設定とすることで電圧指令を確定する。目標電流算出器31および電圧指令演算器32の計算は、故障側でないインバータのみについて算出すればよい。
[0050]
 以下では、第1の巻線駆動系のW1相の高電位側が短絡故障した場合を例として、この実施の形態の動作を説明する。前記実施の形態1と同様に、図3に示す制御の動作フローチャートに従い、第1インバータ21の短絡故障が発生した高電位側のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てON設定、それ以外のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てOFF設定することにより、回転角度によるブレーキトルクの変動を抑制する。電圧指令出力器33により、電圧指令TUP1、TUN1、TVP1、TVN1、TWP1、TWN1を、第1スイッチング素子駆動回路24に対して出力する。
[0051]
 このとき、第1巻線組15および第1インバータ21では、図11の点線(細かい破線)で示すような交流回転機回転速度に応じたブレーキトルクが発生する。図11は、交流回転機回転速度信号ωに対する電流(トルク)について示したものである。正常側インバータで故障有無に関係なく同じ制御を実施すると、これに応じて変化するブレーキトルクの影響で、前記実施の形態1のように正常側と故障側から得られる合計トルクが交流回転機回転速度に応じて変化する(図6の実線)。そこで、図11の破線(粗い破線)で示すような出力トルクを正常側で出力することにより、図11の実線で示すような合計トルクを出力することができる。前述の通りトルクはq軸電流に比例するため、図11の実線はq軸電流の目標値とみなすことができる。
[0052]
 図10はこの実施の形態5における図9に示す目標電流算出器31の内部構成の一例である。目標電流算出器31において、通常目標電流演算部99は、通常時の目標q軸電流を出力する。交流回転機回転速度検出手段27により算出された交流回転機回転速度信号ωから、変換テーブル101により目標q軸補正電流を算出する。変換テーブル101として、例えば図11の破線(粗い破線)のような特性で与えても良い。なお変換テーブル101は、例えばメモリ(図示省略)等に予め格納された変換テーブルに従って交流回転機回転速度を目標q軸補正電流値に変換する変換部、又は予め設置された変換式に従って演算により求める変換部からなる。そして加算器102により、通常時の目標q軸電流に目標q軸補正電流を加算して、故障時の目標q軸電流を算出する。
[0053]
 目標電流選択演算部98は、故障時の目標q軸電流または通常時の目標q軸電流を故障検知手段28からの故障状態に応じて出力する。この実施の形態5では、第1の巻線駆動系が故障のため、目標電流選択演算部98は第1インバータ21の目標q軸電流として故障時の目標q軸電流を選択する。第2の巻線駆動系は正常なため、目標電流選択演算部98は第2インバータ22の目標q軸電流として通常目標電流演算部99からの通常時の目標q軸電流を選択する。
[0054]
 目標電流算出器31により算出された目標q軸電流i q*と相電流検出値I2dtcを入力として与えることにより、電圧指令演算器32にて電圧指令を算出する。算出した電圧指令に基づき、電圧指令TUP2、TUN2、TVP2、TVN2、TWP2、TWN2を、電圧指令出力器33により、第2スイッチング素子駆動回路25に対して出力する。
[0055]
 このようにして、故障検知手段28が故障を検知した場合に、図10に示す構成の目標電流算出器31により、交流回転機回転速度検出手段27により得られた交流回転機回転速度信号ωに応じて故障した側を除く正常側のインバータの電流を補正して制御することができる。
[0056]
 なお、図11では合計トルクが1となるように制御した例を示したが、図12に記載したように、正常側インバータおよび巻線組で出力できる範囲のトルクであれば他の目標値でも構わない。
[0057]
 この実施の形態5では短絡故障の場合について説明したが、開放故障の場合についても故障検知手段28が検知した故障に応じて、電流制御手段23が故障側インバータの各相の同電位側をOFF設定、反対の電位側をON設定とするとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続することで、一定ブレーキトルクとすることができることは実施の形態3または実施の形態4で述べた通りであり、同様の制御の実施により、複雑な制御を実施せずに回転角度に関係なく、リプルのない出力トルクにすることができるとった効果を得ることができる。
[0058]
 実施の形態6.
 上記の実施の形態1~5では故障側インバータのブレーキトルクに逆らって正常側のインバータが交流回転機5を回転させることになるため、回転の変化に伴い発熱量も変化する。交流回転機回転速度信号ωに応じて交流回転機5の出力トルクを下げることにより回転上昇を抑えて発熱量による温度上昇を低減することができる。
[0059]
 この発明の実施の形態6による交流回転機の制御装置の全体構成は図1のものと同様であり、電流制御手段の構成は図9のものと同様である。以下では、第1の巻線駆動系のW1相の高電位側が短絡故障した場合を例として、この実施の形態6の動作を説明する。
[0060]
 上述の実施の形態1のように、図3に示す制御の動作フローチャートに従い、第1インバータ21の短絡故障が発生した高電位側のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てON設定、それ以外のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てOFF設定することにより、回転角度によるブレーキトルクの変動を抑制する。図9の電圧指令出力器33により、電圧指令TUP1、TUN1、TVP1、TVN1、TWP1、TWN1を、第1スイッチング素子駆動回路24に対して出力する。
[0061]
 このとき、第1巻線組15および第1インバータ21では、図11の点線(細かい破線)で示すような交流回転機回転速度に応じたブレーキトルクが発生する。正常側インバータで故障有無に関係なく同じ制御を実施すると、交流回転機回転速度に応じて変化するブレーキトルクの影響で、上述の実施の形態1のように正常側と故障側から得られる合計トルクが交流回転機回転速度に応じて変化する(図6の実線)。そこで、図11の破線(粗い破線)で示すような出力トルクを正常側で出力することにより、図11の実線で示すような合計トルクを出力することができる。上述の通りトルクはq軸電流に比例するため、図11の実線はq軸電流の目標値とみなすことができる。
[0062]
 図13はこの実施の形態6における目標電流算出器31aの内部構成の一例である。目標電流算出器31aにおいて、通常目標電流演算部99は、通常時の目標q軸電流を出力する。変換テーブル111により、交流回転機回転速度検出手段27により算出された交流回転機回転速度信号ωから目標q軸補正電流を算出する。変換テーブル111として、例えば図11の破線(粗い破線)のような特性で与えてもよい。加算器112により、通常時の目標q軸電流に目標q軸補正電流を加算して、制限前目標q軸電流を算出する。
[0063]
 一方、変換テーブル113により、交流回転機回転速度検出手段27により算出された交流回転機回転速度信号ωからq軸電流制限値を算出する。摩擦による損失パワーは摩擦トルクと交流回転機回転速度の積で表され、摩擦による損失パワーが熱に変わると考えることができる。交流回転機回転速度ごとに許容できる発熱量=損失パワーは異なる。許容損失パワーを交流回転機回転速度で割ることで許容摩擦トルクが決定する。この許容摩擦トルクに従って目標電流制限値を定めたものを変換テーブル113として準備すればよい。なお、変換テーブル(変換部)111,113等の具体的な構成方法は、例えば図10のテーブル101で説明したものと同様である(以下の各変換テーブルの具体的な構成方法も同様)。
[0064]
 加算器112により算出した制限前目標q軸電流と、変換テーブル113により算出したq軸電流制限値から、最小値選択部(MIN)114により故障時の目標q軸電流を算出する。目標電流選択演算部98は、故障時の目標q軸電流または通常時の目標q軸電流を故障状態に応じて出力する。この実施の形態6では、第1の巻線駆動系が故障のため、目標電流選択演算部98は第1インバータ21の目標q軸電流として故障時の目標q軸電流を選択する。第2の巻線駆動系は正常なため、目標電流選択演算部98は第2インバータ22の目標q軸電流として通常時の目標q軸電流を選択する。
[0065]
 図9の電流制御手段23aにおいて、目標電流算出器31aにより算出された目標q軸電流i q*と相電流検出値I2dtcを入力として与えることにより、電圧指令演算器32にて電圧指令を算出する。算出した電圧指令に基づき、電圧指令TUP2、TUN2、TVP2、TVN2、TWP2、TWN2を、電圧指令出力器33により、第2スイッチング素子駆動回路25に対して出力する。
[0066]
 このようにして、故障検知手段28が故障を検知した場合に、図13に示す構成の目標電流算出器31aを設けることにより、交流回転機回転速度検出手段27により得られた交流回転機回転速度信号ωに応じて故障した側を除く正常側のインバータの電流を減少させて制御することができる。
[0067]
 この実施の形態6では、変換テーブル111と変換テーブル113の2つを使用したが、同じ入力信号に基づく変換テーブルであるから、1つにまとめてもよい。また、交流回転機回転速度信号ωそのものを入力として変換テーブル113を用いたが、交流回転機回転速度信号ωから摩擦トルクや損失パワーを算出し、それに応じて電流制限値を決定してもよい。
[0068]
 実施の形態7.
 上述の実施の形態6では、交流回転機回転速度信号ωにより電流制限値を算出したが、継続時間も考慮して、所定の時間内の交流回転機回転速度積算値により電流制限値を算出してもよい。
[0069]
 この発明の実施の形態7による交流回転機の制御装置の全体構成は図1のものと同様であり、電流制御手段の構成は図9のものと同様である。以下では、実施の形態6と同様に第1の巻線駆動系のW1相の高電位側が短絡故障した場合を例として、この実施の形態7の動作を説明する。
[0070]
 上述の実施の形態1のように、図3に示す制御の動作フローチャートに従い、第1インバータ21の短絡故障が発生した高電位側のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てON設定、それ以外のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てOFF設定することにより、回転角度によるブレーキトルクの変動を抑制する。図9の電圧指令出力器33により、電圧指令TUP1、TUN1、TVP1、TVN1、TWP1、TWN1を、第1スイッチング素子駆動回路24に対して出力する。
[0071]
 図14はこの実施の形態7における目標電流算出器31bの内部構成の一例である。目標電流算出器31bにおいて、通常目標電流演算部99は、通常時の目標q軸電流を出力する。変換テーブル121により、交流回転機回転速度検出手段27により算出された交流回転機回転速度信号ωから目標q軸補正電流を算出する。変換テーブル121として、例えば図11の破線(粗い破線)のような特性で与えてもよい。加算器122により、通常時の目標q軸電流に目標q軸補正電流を加算して、制限前目標q軸電流を算出する。
[0072]
 一方、q軸電流制限値は以下のように算出する。まず、所定の時間内の交流回転機回転速度積算値を積算処理部123により算出する。例えば、積算処理部123の伝達関数は
[0073]
[数1]


[0074]
 で与えられる。ここでz -1は前回値を表し、nは何回分の交流回転機回転速度信号ωを積算するかを表す。nにより積算時間を定義する。
[0075]
 積算処理部123により算出した交流回転機回転速度積算値から変換テーブル124によりq軸電流制限値を算出する。ここでは、交流回転機回転速度に対する摩擦トルクの変化を微小なものとし、摩擦による損失エネルギーが交流回転機回転速度に比例すると考え、交流回転機回転速度積算値を用いた変換テーブル124で用いたが、交流回転機回転速度信号ωから摩擦トルクを算出して摩擦トルクの積算値による変換テーブルとしてもよい。摩擦トルクと交流回転機回転速度信号ωから得られる摩擦による損失パワーの積算値による変換テーブルとしてもよい。
[0076]
 加算器122により算出した制限前目標q軸電流と、変換テーブル124により算出したq軸電流制限値から、最小値選択部(MIN)125により故障時の目標q軸電流を算出する。目標電流選択演算部98は、故障時の目標q軸電流または通常時の目標q軸電流を故障状態に応じて出力する。この実施の形態7では、第1の巻線駆動系が故障のため、目標電流選択演算部98は第1インバータ21の目標q軸電流として故障時の目標q軸電流を選択する。第2の巻線駆動系は正常なため、目標電流選択演算部98は第2インバータ22の目標q軸電流として通常時の目標q軸電流を選択する。
[0077]
 図9の電流制御手段23aにおいて、目標電流算出器31bにより算出された目標q軸電流i q*と相電流検出値I2dtcを入力として与えることにより、電圧指令演算器32にて電圧指令を算出する。算出した電圧指令に基づき、電圧指令TUP2、TUN2、TVP2、TVN2、TWP2、TWN2を、電圧指令出力器33により、第2スイッチング素子駆動回路25に対して出力する。
[0078]
 このようにして、故障検知手段28が故障を検知した場合に、図14に示す構成の目標電流算出器31bを設けることにより、交流回転機回転速度検出手段27により得られた交流回転機回転速度信号ωが発生している時間に応じて故障した側を除く正常側のインバータの電流を減少させて制御することができる。
[0079]
 また、ここで使用した積算処理部123および変換テーブル124の代わりに、図15で示すような重み付けしたデータを用いて電流制限値を算出してもよい。この場合に、交流回転機回転速度に対する摩擦トルクの特性を考慮して、交流回転機回転速度ωに対する重み付けした変換テーブル(変換部)131を設け、交流回転機回転速度ωを変換テーブル131により重み値に変換する。そして所定の時間内の重みデータを積算処理部132にて積算する。重み積算値により変換テーブル133からq軸電流制限値を算出する。なお、この実施の形態7では、変換テーブルを使用して目標q軸電流またはq軸電流制限値を算出したが、同様の効果の得られる方法であれば変換テーブルを使用しなくてもよい。
[0080]
 実施の形態8.
 故障側で発生するブレーキトルクは、故障側インバータの電流に応じて決定するため、故障側インバータの電流に応じて回転上昇を抑えれば発熱量を低減することができる。
[0081]
 この発明の実施の形態8による交流回転機の制御装置の全体構成は図1のものと同様であり、電流制御手段の構成は図9のものと同様である。以下では、第1の巻線駆動系のW1相の高電位側が短絡故障した場合を例として、この実施の形態8の動作を説明する。
[0082]
 上述の実施の形態1のように、図3に示す制御の動作フローチャートに従い、第1インバータ21の短絡故障が発生した高電位側のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てON設定、それ以外のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てOFF設定することにより、回転角度によるブレーキトルクの変動を抑制する。図9の電圧指令出力器33により、電圧指令TUP1、TUN1、TVP1、TVN1、TWP1、TWN1を、第1スイッチング素子駆動回路24に対して出力する。
[0083]
 図16はこの実施の形態8における目標電流算出器31cの内部構成の一例である。目標電流算出器31cにおいて、通常目標電流演算部99は、通常時の目標q軸電流を出力する。変換テーブル141により、交流回転機回転速度検出手段27により算出された交流回転機回転速度信号ωから目標q軸補正電流を算出する。変換テーブル141として、例えば図11の破線(粗い破線)のような特性で与えてもよい。加算器142により、通常時の目標q軸電流に目標q軸補正電流を加算して、制限前目標q軸電流を算出する。
[0084]
 一方、q軸電流制限値は以下のように算出する。故障側電流は、図11のように交流回転機回転速度信号ωに応じて変化するため、交流回転機回転速度ωから変換テーブル143により故障側電流を算出する。変換テーブル143により得られた故障側電流から変換テーブル144によりq軸電流制限値を算出する。そして加算器142により算出した制限前目標q軸電流と、変換テーブル144により算出したq軸電流制限値から、最小値選択部(MIN)145により故障時の目標q軸電流が算出する。
[0085]
 目標電流選択演算部98は、故障時の目標q軸電流または通常時の目標q軸電流を故障状態に応じて出力する。この実施の形態8では、第1の巻線駆動系が故障のため、目標電流選択演算部98は第1インバータ21の目標q軸電流として故障時の目標q軸電流を選択する。第2の巻線駆動系は正常なため、目標電流選択演算部98は第2インバータ22の目標q軸電流として通常時の目標q軸電流を選択する。
[0086]
 図9の電流制御手段23aにおいて、目標電流算出器31cにより算出された目標q軸電流i q*と相電流検出値I2dtcを入力として与えることにより、電圧指令演算器32にて電圧指令を算出する。算出した電圧指令に基づき、電圧指令TUP2、TUN2、TVP2、TVN2、TWP2、TWN2を、電圧指令出力器33により、第2スイッチング素子駆動回路25に対して出力する。
[0087]
 このようにして、故障検知手段28が故障を検知した場合に、図16に示す構成の目標電流算出器31cを設けることにより、故障側インバータの電流に応じて故障した側を除く正常側のインバータの電流を減少させて制御することができる。
[0088]
 またこの実施の形態8では、故障側電流を変換テーブル143により算出したが、相電流検出値I1dtcをdq変換して故障側電流を算出してもよい。
[0089]
 またこの実施の形態8では、q軸電流制限値を変換テーブル144で故障側インバータの電流の大きさに応じて算出したが、故障側インバータの電流の変化量、故障側インバータの電流の振幅、所定の時間内の故障側インバータの電流最小値などの変換テーブルを用いて算出してもよい。
[0090]
 またこの実施の形態8では、変換テーブルを使用して目標q軸電流、q軸電流制限値を算出したが、同様の効果の得られる方法であれば変換テーブルを使用しなくてもよい。
[0091]
 実施の形態9.
 上述の実施の形態8では、故障側インバータの電流により電流制限値を算出したが、継続時間も考慮して、所定の時間内の故障側インバータの電流積算値により電流制限値を算出してもよい。
[0092]
 この発明の実施の形態9による交流回転機の制御装置の全体構成は図1のものと同様であり、電流制御手段の構成は図9のものと同様である。以下では、実施の形態8と同様に第1の巻線駆動系のW1相の高電位側が短絡故障した場合を例として、この実施の形態9の動作を説明する。
[0093]
 上述の実施の形態1のように、図3に示す制御の動作フローチャートに従い、第1インバータ21の短絡故障が発生した高電位側のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てON設定、それ以外のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てOFF設定することにより、回転角度によるブレーキトルクの変動を抑制する。図9の電圧指令出力器33により、電圧指令TUP1、TUN1、TVP1、TVN1、TWP1、TWN1を、第1スイッチング素子駆動回路24に対して出力する。
[0094]
 図17はこの実施の形態9における目標電流算出器31dの内部構成の一例である。目標電流算出器31dでは、変換テーブル151により、交流回転機回転速度検出手段27により算出された交流回転機回転速度信号ωから目標q軸補正電流を算出する。変換テーブル151として、例えば図11の破線(粗い破線)のような特性で与えてもよい。加算器152により、通常時の目標q軸電流に目標q軸補正電流を加算して、制限前目標q軸電流を算出する。
[0095]
 一方、q軸電流制限値は以下のように算出する。故障側電流は、図11のように交流回転機回転速度信号ωに応じて変化するため、交流回転機回転速度ωから変換テーブル153により故障側電流を算出する。そしてに所定の時間内の交流回転機回転速度積算値である故障側電流積算値を積算処理部154により算出する。例えば、積算処理部154の伝達関数は
[0096]
[数2]


[0097]
 で与えられる。ここでZ -nは前回値を表し、nは何回分の交流回転機回転速度信号ωを積算するかを表す。nにより積算時間を定義する。
[0098]
 積算処理部154により得られた故障側電流積算値から変換テーブル155によりq軸電流制限値を算出する。そして加算器152により算出した制限前目標q軸電流と、変換テーブル155により算出したq軸電流制限値から最小値選択部(MIN)156により故障時の目標q軸電流が算出する。
[0099]
 目標電流選択演算部98は、故障時の目標q軸電流または通常時の目標q軸電流を故障状態に応じて出力する。この実施の形態9では、第1の巻線駆動系が故障のため、目標電流選択演算部98は第1インバータ21の目標q軸電流として故障時の目標q軸電流を選択する。第2の巻線駆動系は正常なため、目標電流選択演算部98は第2インバータ22の目標q軸電流として通常時の目標q軸電流を選択する。
[0100]
 図9の電流制御手段23aにおいて、目標電流算出器31dにより算出された目標q軸電流i q*と相電流検出値I2dtcを入力として与えることにより、電圧指令演算器32にて電圧指令を算出する。算出した電圧指令に基づき、電圧指令TUP2、TUN2、TVP2、TVN2、TWP2、TWN2を、電圧指令出力器33により、第2スイッチング素子駆動回路25に対して出力する。
[0101]
 このようにして、故障検知手段28が故障を検知した場合に、図17に示す構成の目標電流算出器31dを設けることにより、故障側インバータに電流が発生する時間に応じて、故障した側を除く正常側のインバータの電流を減少させて制御することができる。
[0102]
 またこの実施の形態9では、故障側電流を変換テーブル153により算出したが、相電流検出値I1dtcをdq変換して故障側電流を算出してもよい。
[0103]
 またこの実施の形態9では、変換テーブルを使用して目標q軸電流、q軸電流制限値を算出したが、同様の効果の得られる方法であれば変換テーブルを使用しなくてもよい。
[0104]
 実施の形態10.
 以上の各実施の形態では交流回転機の制御装置について説明したが、該交流回転機の制御装置によって操舵トルクを補助するトルクを発生させるようにして電動パワーステアリングの制御装置を構成するようにしてもよい。
[0105]
 この発明の実施の形態10における電動パワーステアリング装置の全体構成の一例を図18に示す。図18はコラム式電動パワーステアリング装置の一例である。運転者は、ハンドル40を左右に回転させて前輪41の操舵を行う。トルク検出手段42はステアリング系の操舵トルクを検出してトルク検出値を交流回転機の制御装置10に出力する。ステアリング系の操舵トルクを補助するトルクを交流回転機5が発生するように、交流回転機の制御装置10の電流制御手段23(図1、図9等参照)により交流回転機5への出力を決定する。交流回転機5により発生したトルクはギヤ44を介してインターミーディエイトシャフト43に伝達し、運転者がハンドル40を操舵することで入力された操舵トルクに加算される。この合計トルクはピニオンギア45を介してラック46に伝達し、さらにラック46と接続したタイロッド47を経由して前輪41まで伝達する。
[0106]
 前輪41を操舵するためには、前輪分担荷重に対して生じる路面とタイヤの摩擦力と同等の力が必要となる。例えば、車両総重量が1200[kg]で前後輪の荷重配分が6:4の車両で、路面摩擦係数が0.7、ハンドル40の直径が360[mm]、ピニオンギア45のピッチ円半径が6[mm]の場合について考える。タイロッド47に伝達された力から前輪41を操舵する力に変換する場合には、キングピン軸周りのトルクを考える必要があるがここでは簡略化のため1:1で変換されるものとする。前輪41を操舵するために必要な力は、1200[kg]×0.6×9.8[m/s/s]×0.7=4939.2[N]となる。ピニオンギア45での必要トルクは4939.2[N]×6[mm]=29.6[Nm]となる。従って、電動パワーステアリングによる補助が無い場合には、運転者がハンドル40を操舵するのに必要な力は、29.6[Nm]/360[mm]×2/9.8=16.8[kg]となる。
[0107]
 交流回転機5の出力トルクが2[Nm]、ギヤ44の伝達比が10とした場合には、運転者がハンドル40を操舵するのに必要な力は、(29.6[Nm]-2[Nm]×10)/360[mm]×2/9.8=5.4[kg]となる。従って、この場合には運転者がハンドル40を操舵するのに必要なトルクが、電動パワーステアリングの補助によって約1/3になっており、老若男女様々な運転者が操舵可能な車両には電動パワーステアリングによる操舵トルクの補助が有効である。一方で車両運転中に操舵トルクの補助が全く無くなると、自由に操舵できない運転者もいるため大変危険である。
[0108]
 以下では、実施の形態5と同様に、図9に示す目標電流算出器31が図10で示す目標電流算出器31であるときに第1の巻線駆動系のW1相の高電位側が短絡故障した場合を例として、この実施の形態の動作を説明する。
[0109]
 前記実施の形態1のように、図3に示す制御の動作フローチャートに従い、第1インバータ21の短絡故障が発生した高電位側のスイッチング素子UP1、VP1、WP1を全てON設定、それ以外のスイッチング素子UN1、VN1、WN1を全てOFF設定することにより、回転角度によるブレーキトルクの変動を抑制する。電圧指令出力器33により、電圧指令TUP1、TUN1、TVP1、TVN1、TWP1、TWN1を、第1スイッチング素子駆動回路24に対して出力する。
[0110]
 交流回転機回転速度検出手段27により算出された交流回転機回転速度信号ωから変換テーブル101により目標q軸補正電流を算出する。変換テーブル101の一例としては、図11の破線(粗い破線)のような特性が考えられる。
[0111]
 目標電流算出器31により算出された目標q軸電流i q*と相電流検出値I2dtcを入力として与えることにより、電圧指令演算器32にて電圧指令を算出する。算出した電圧指令に基づき、電圧指令TUP2、TUN2、TVP2、TVN2、TWP2、TWN2を、電圧指令出力器33により、第2スイッチング素子駆動回路25に対して出力する。
[0112]
 このようにして、故障検知手段28が故障を検知した場合に、図9に示す構成の電流制御手段23aを設けることにより、交流回転機回転速度検出手段27により得られた交流回転機回転速度信号ωに応じて故障した側を除く正常側のインバータの電流を補正して制御することができる。
[0113]
 複数のインバータを持つことにより、一方が故障した場合にも他の正常なインバータにより操舵補助トルクを発生することができるため、操舵補助トルクが全く無くなるという危険な状態を回避することができる。
[0114]
 この実施の形態10では、実施の形態5で使用した図10の目標電流検出器を使用して説明したが、他の実施の形態で使用した目標電流検出器31a、31b、31c、31dを用いても同様の効果が得られる。
[0115]
 なお、この実施の形態10ではコラム式電動パワーステアリングについて説明したが、ラック式またはピニオン式などの電動パワーステアリングでも同様の効果が得られる。
[0116]
 なお、この発明は上記各実施の形態にそれぞれ限定されるものではなく、各実施の形態の可能の組み合わせを全て含むことは云うまでもない。

産業上の利用の可能性

[0117]
 この発明による交流回転機の制御装置及びその方法、電動パワーステアリング装置は種々の分野の交流回転機、種々の車両の電動パワーステアリング装置に適用可能であり、同様の効果を奏する。

符号の説明

[0118]
 4 電源、5 交流回転機、6 交流回転機回転角度センサ、10 交流回転機の制御装置、15 第1巻線組、16 第2巻線組、21 第1インバータ、22 第2インバータ、23,23a 電流制御手段、24 第1スイッチング素子駆動回路、25 第2スイッチング素子駆動回路、26 交流回転機回転角度検出手段、27 交流回転機回転速度検出手段、28 故障検知手段、31-31d 目標電流算出器、32 電圧指令演算器、33 電圧指令出力器、40 ハンドル、41 前輪、42 トルク検出手段、43 インターミーディエイトシャフト、44 ギヤ、45 ピニオンギア、46 ラック、47 タイロッド、98 目標電流選択演算部、99 通常目標電流演算部、101,111,113,121,124,131,133,141,143,144,151,153,155 変換テーブル(変換部)、102,112,122,142,152 加算器、123,132,154 積算処理部、CT11-CT32 電流検出回路、UP1,UN1,VP1,VN1,WP1,WN1,UP2,UN2,VP2,VN2,WP2,WN2 スイッチング素子。

請求の範囲

[請求項1]
 複数組の巻線を備えた交流回転機を制御する交流回転機の制御装置であって、
 前記巻線の各相に印加する電圧を制御するスイッチング素子を各相に有する複数のインバータと、
 前記各インバータに前記電圧に対応する電圧指令を与え、巻線に流す電流を制御する電流制御手段と、
 前記各スイッチング素子の短絡および開放の少なくとも一方の故障を検知する故障検知手段と、
 を備え、
 前記電流制御手段は、前記故障検知手段が検知した故障に応じて、故障側インバータの各相の同電位側を故障と同じ状態に設定するとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続する、
 ことを特徴とする交流回転機の制御装置。
[請求項2]
 前記電流制御手段は、前記故障検知手段が短絡故障を検知した場合に、故障側インバータの故障した相の故障した電位側と同じ電位側を各相でON設定、反対の電位側を各相ともOFF設定とするとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続することを特徴とする請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
[請求項3]
 前記電流制御手段は、前記故障検知手段が開放故障を検知した場合に、故障側インバータの故障した相の故障した電位側と同じ電位側を各相でOFF設定、反対の電位側を各相ともON設定とするとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続することを特徴とする請求項1または2に記載の交流回転機の制御装置。
[請求項4]
 前記交流回転機の回転速度を検出する回転速度検出手段を備え、
 前記故障検知手段が故障を検知した場合、前記電流制御手段は、前記交流回転機の検出された回転速度に応じて故障した側を除く正常側のインバータの電流を補正して制御することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
[請求項5]
 前記電流制御手段は、前記交流回転機の回転速度の大きさに応じて故障した側を除く正常側のインバータの電流を減少させることを特徴とする請求項4に記載の交流回転機の制御装置。
[請求項6]
 前記電流制御手段は、前記交流回転機の回転速度が発生している時間に応じて、故障した側を除く正常側のインバータの電流を減少させることを特徴とする請求項4または5に記載の交流回転機の制御装置。
[請求項7]
 前記電流制御手段は、前記各インバータの電流を検出し、故障側インバータの電流に応じて、故障した側を除く正常側のインバータの電流を減少させることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
[請求項8]
 前記電流制御手段は、前記各インバータの電流を検出し、故障側インバータの電流の大きさに応じて、故障した側を除く正常側のインバータの電流を減少させることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
[請求項9]
 前記電流制御手段は、前記各インバータの電流を検出し、故障側インバータに電流が発生する時間に応じて、故障した側を除く正常側のインバータの電流を減少させることを特徴とする請求項7または8に記載の交流回転機の制御装置。
[請求項10]
 請求項1から9までのいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置で制御される交流回転機を備え、前記交流回転機で操舵補助トルクを発生する電動パワーステアリング装置。
[請求項11]
 複数組の巻線と、前記巻線の各相に印加する電圧を制御するスイッチング素子を各相に有する複数のインバータと、前記各インバータに前記電圧に対応する電圧指令を与え、巻線に流す電流を制御する電流制御手段と、を備えた交流回転機において、
 前記各スイッチング素子の短絡および開放の少なくとも一方の故障を検知し、検知した故障に応じて、故障側インバータの各相の同電位側を故障と同じ状態に設定するとともに、故障した側を除く正常側のインバータの制御を継続することを特徴とする交流回転機の制御方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]