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1. WO2021054396 - ギヤポジション故障検知装置

Document

明 細 書

発明の名称 ギヤポジション故障検知装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007   0008   0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013  

発明の効果

0014   0015   0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

産業上の利用可能性

0059  

符号の説明

0060  

請求の範囲

1   2   3  

図面

1   2A   2B   3   4  

明 細 書

発明の名称 : ギヤポジション故障検知装置

技術分野

[0001]
 本発明は、ギヤポジション故障検知装置に関し、特に、自動車に搭載され手動多段式ギヤ比切り替え機構を備える駆動力伝達装置のギヤポジションを検出するギヤポジションセンサの故障を検知するギヤポジション故障検知装置に関する。

背景技術

[0002]
 近年、自動二輪車等の自動車に搭載される内燃機関であるエンジンの運転状態は、エンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサ、エンジンの温度を検出するエンジン温センサ、エンジンに設けられる吸気制御弁の弁開度を検出する弁開度センサ、及びエンジンに設けられる吸気管内の吸気圧力を検出する吸気圧センサ等の各種センサからの出力に基づいて電子制御されることが一般的になっているが、かかる各種センサの1つとして、エンジンと駆動輪との間に設けられる多段式ギヤ比切り替え機構を備えた駆動力伝達装置のギヤポジションを検出するギヤポジションセンサが用いられることも多くなっている。
[0003]
 かかるギヤポジションセンサが検出するギヤポジションは、例えば、それに応じてエンジンに供給される燃料量が制御されるものであるため、エンジンの運転状態を電子制御する上で重要なパラメータの1つであり、かかるギヤポジションセンサが正常に動作しているか否かを判断するために、その故障検知を正確に実行することもエンジンの運転状態の制御上で重要な事項となってきている。
[0004]
 かかる状況下で、特許文献1は、減速時にエンジン回転数と車速度とから求めたギヤ比によりギヤポジションを判定するギヤポジション判定方法に関し、ギヤ比の時間変化量の平均値を計測し、この値の絶対値が予め定めた所定のしきい値以上であるかどうかによりギヤポジションを判定する構成を開示する。
[0005]
 また、特許文献2は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、ギヤポジションセンサと、車速パルスセンサと、エンジン回転速度センサと、ギヤポジションセンサのデータよりギヤポジションを判定する第1のギヤポジション演算手段と、車速パルスセンサのデータとエンジン回転速度センサのデータに基づいてギヤポジションを判定する第2のギヤポジション演算手段と、第1のギヤポジション演算手段により判定されたギヤポジションと、第2のギヤポジション演算手段により判定されたギヤポジションとの論理積により、ギヤポジションを決定するギヤポジション選択手段と、を備えた構成を開示する。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 特開平04-171352号公報
特許文献2 : 特開2006-316665号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1が開示する構成では、エンジン回転数と車速度とから求めたギヤ比によりギヤポジションを判定するものであるが、手動多段式ギヤ比切り替え機構を備える駆動力伝達装置のギヤポジションを検出する際には、例えば、運転者がクラッチを切って坂を下っていくような場合に、エンジン回転数と車速度との相関関係がくずれてしまい、それらから求めたギヤ比では正確な判定ができない事態を招いてしまうことが考えられて改善の余地がある。
[0008]
 また、本発明者の検討によれば、特許文献2が開示する構成では、ギヤポジションセンサのデータよりギヤポジションを判定する第1のギヤポジション演算手段と、車速パルスセンサのデータとエンジン回転速度センサのデータに基づいてギヤポジションを判定する第2のギヤポジション演算手段と、を用いるものであって、ギヤポジションの決定のみならずギヤポジションセンサの故障検知にも適用し得るものではあるが、かかる構成に関しても、特許文献1で述べたような状況が発生してしまい、ギヤポジションの決定やギヤポジションセンサの故障検知において改善の余地がある。
[0009]
 また、本発明者の更なる検討によれば、運転者がクラッチを切って坂を下っていくような場合に、ギヤポジションの決定やギヤポジションセンサの故障検知に誤判定が生じるのであれば、クラッチの断続を検出可能なクラッチスイッチの出力を用いることも考えられるが、一般的なクラッチスイッチの出力は単純なオン・オフ信号であり、いわゆる半クラッチ状態の検出ができず、かかる場合にクラッチスイッチを用いることは、充分な対処とはいえないとも考えられる。
[0010]
 本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、自動車に搭載され手動多段式ギヤ比切り替え機構を備える駆動力伝達装置のギヤポジションを検出するギヤポジションセンサの故障を精度よく検知するギヤポジション故障検知装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0011]
 以上の目的を達成するべく、本発明は、自動車に搭載され手動多段式ギヤ比切り替え機構を有する駆動力伝達装置のギヤポジションを検出するギヤポジションセンサの故障を検知するギヤポジション故障検知装置であって、前記ギヤポジションセンサの出力からギヤポジションを算出する第1のギヤポジション算出部と、前記自動車の駆動輪の回転速度から車速を検出する車速センサの出力と前記駆動力伝達装置に接続されるエンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサの出力とに基づいて、推定ギヤポジションを算出する第2のギヤポジション算出部と、前記第1のギヤポジション算出部が算出した前記ギヤポジションと前記第2のギヤポジション算出部が算出した前記推定ギヤポジションとを比較して、前記ギヤポジションと前記推定ギヤポジションが一致しない場合には、前記ギヤポジションセンサが故障していると判定する故障判定部と、前記エンジンと前記駆動力伝達装置との間の駆動力の伝達を断続するクラッチ機構が接続されている状態にあるか否かを推定するクラッチ状態推定部と、を備え、前記クラッチ状態推定部は、前記エンジンの前記回転速度及び前記エンジンに設けられる吸気制御弁の弁開度で規定される領域であって、前記クラッチ機構が切り離されている状態又は半クラッチ状態にある可能性のある領域である解除領域の下限値以上で上限値以下の解除範囲における解除領域値を、前記エンジン回転速度センサの前記出力に基づいて算出する解除領域値算出部を有し、前記クラッチ状態推定部は、前記弁開度を検出する弁開度センサの出力に基づいて算出される前記弁開度が前記解除範囲から逸脱する場合には、前記クラッチ機構が接続されている状態にあると判断して、前記故障判定部が故障判定を実行することを許可することを第1の局面とする。
[0012]
 また、本発明は、第1の局面に加えて、前記解除領域値算出部は、前記エンジンの前記回転速度に対応して、かつ、前記クラッチ機構を介して前記エンジンから前記駆動伝達装置に駆動力が伝達しないと想定される前記弁開度である無伝達弁開度を含むように、前記解除範囲を算出するものであり、前記解除範囲は、前記エンジンの前記回転速度に対して第1推定閾値と第2推定閾値との間の範囲に設定され、前記第1推定閾値は、前記無伝達弁開度に正の所定値を加算した値に設定され、前記第2推定閾値は、前記無伝達弁開度に負の所定値を加算した値に設定されることを第2の局面とする。
[0013]
 また、本発明は、第2の局面に加えて、前記解除領域値算出部は、前記エンジンの前記回転速度に対応して、かつ、複数の基準大気圧に各々対応して予め設定された複数の大気圧補正基準開度に基づいて、前記解除範囲を算出するものであり、前記無伝達弁開度は、前記自動車に設けられた大気圧センサによって検出された大気圧に基づいて、前記複数の大気圧補正基準開度の間の値で補間演算される値であることを第3の局面とする。

発明の効果

[0014]
 以上の本発明の第1の局面にかかるギヤポジション故障検知装置によれば、クラッチ状態推定部が、エンジンの回転速度及びエンジンに設けられる吸気制御弁の弁開度で規定される領域であって、クラッチ機構が切り離されている状態又は半クラッチ状態にある可能性のある領域である解除領域の下限値以上で上限値以下の解除範囲における解除領域値を、エンジン回転速度センサの出力に基づいて算出する解除領域値算出部を有し、クラッチ状態推定部が、弁開度を検出する弁開度センサの出力に基づいて算出される弁開度が解除範囲から逸脱する場合には、クラッチ機構が接続されている状態にあると判断して、故障判定部が故障判定を実行することを許可するものであるため、クラッチ機構が接続されている状態のときにのみ確実にギヤポジションセンサの故障検知の判定を行うことができる。これにより、手動多段式ギヤ比切り替え機構を備える駆動力伝達装置のギヤポジションを検出するギヤポジションセンサに関して誤判定が生じることを抑制することができる。
[0015]
 また、本発明の第2の局面にかかるギヤポジション故障検知装置によれば、解除領域値算出部が、エンジンの回転速度に対応して、かつ、クラッチ機構を介してエンジンから駆動伝達装置に駆動力が伝達しないと想定される弁開度である無伝達弁開度を含むように、解除範囲を算出するものであり、解除範囲が、エンジンの回転速度に対して第1推定閾値と第2推定閾値との間の範囲に設定され、第1推定閾値が、無伝達弁開度に正の所定値を加算した値に設定され、第2推定閾値が、無伝達弁開度に負の所定値を加算した値に設定されるため、演算負荷を増大させないようにクラッチ機構が接続されている状態にあると判断するための解除範囲を算出することができる。
[0016]
 また、本発明の第3の局面にかかるギヤポジション故障検知装置によれば、解除領域値算出部が、エンジンの回転速度に対応して、かつ、複数の基準大気圧に各々対応して予め設定された複数の大気圧補正基準開度に基づいて、解除範囲を算出するものであり、無伝達弁開度が、自動車に設けられた大気圧センサによって検出された大気圧に基づいて、複数の大気圧補正基準開度の間の値で補間演算される値であるため、クラッチ機構が接続されている状態にあると判断するための解除範囲を規定するための無伝達弁開度の算出精度を向上することができ、ギヤポジションセンサの故障を検知する故障検知の精度を向上することができる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 図1は、本発明の実施形態におけるギヤポジション故障検知装置の構成を示すブロック図である。
[図2A] 図2Aは、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置が適用される手動多段式ギヤ比切り替え機構を備える駆動力伝達装置を示す模式的な断面図である。
[図2B] 図2Bは、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置に適用されるクラッチ機構の解除領域をエンジン回転数とスロットル開度とで規定した模式図である。
[図3] 図3は、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置の動作を示すタイムチャートである。
[図4] 図4は、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置に適用されるクラッチ機構の解除領域の無伝達ラインを基準大気圧毎に示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態におけるギヤポジション故障検知装置につき、詳細に説明する。
[0019]
 〔構成〕
 まず、図1並びに図2A及び図2Bを参照して、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置の構成について説明する。
[0020]
 図1は、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置の構成を示すブロック図である。また、図2Aは、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置が適用される手動多段式ギヤ比切り替え機構を備える駆動力伝達装置を示す模式的な断面図であり、図2Bは、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置に適用されるクラッチ機構の解除領域をエンジン回転数とスロットル開度とで規定した模式図である。
[0021]
 図1に示すように、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置1は、自動二輪車等の自動車に搭載され、ECU(Electronic Control Unit)等の電子制御装置によって構成されている。ギヤポジション故障検知装置1は、波形整形回路11、A/D(Analog to Digital)変換器12、波形整形回路13、A/D変換器14、A/D変換器15、メモリ16、及びCPU(Central Processing Unit)17を備えている。
[0022]
 波形整形回路11は、クランク角センサ21によって検出された電気信号であって、自動車のエンジン(内燃機関)のクランク角を示す電気信号の波形を整形し、このように整形した電気信号をCPU17に入力する。
[0023]
 A/D変換器12は、スロットル開度センサ22によって検出された電気信号であって、自動車のエンジンに設けられる吸気制御弁の弁開度(スロットル開度)を示す電気信号をA/D変換し、このようにA/D変換した電気信号をCPU17に入力する。
[0024]
 波形整形回路13は、駆動輪車速センサ23によって検出された電気信号であって、自動車の駆動輪の回転速度(駆動輪車速)を示す電気信号の波形を整形し、このように整形した電気信号をCPU17に入力する。
[0025]
 A/D変換器14は、ギヤポジションセンサ24によって検出された電気信号であって、手動多段式ギヤ比切り替え機構を備えて自動車のエンジンに接続されている駆動力伝達装置のギヤポジションを示す電気信号をA/D変換し、このようにA/D変換した電気信号をCPU17に入力する。
[0026]
 ここで、手動多段式ギヤ比切り替え機構を備える駆動力伝達装置とは、湿式で摩擦多板式等のクラッチ機構を伴う手動式の変速機のことを意味し、例えば、図2Aに示すようなドッグ式変速機を示すことができる。
[0027]
 図2Aに示すドッグ式変速機Tでは、シフト操作部材であるシフトペダル31の運転者によるシフト操作に応じて、シフトペダル31が回動されると共に車両側のその回動軸であるシフトシャフト32が回転する。運転者によるシフト操作に伴うシフトペダル31の回動は、シフトシャフト32に対してそれを回動軸として固設されたシフトアーム33に伝達される。
[0028]
 シフトアーム33の一端部には図示を省略するギヤ部が設けられているため、運転者によるシフト操作に伴うシフトペダル31の回動は、シフトアーム33のギヤ部を介して、シフトドラム41の回動軸であるドラムシャフト42に固設されたシフトギヤ34に伝達され、この際にドラムシャフト42、つまりシフトドラム41が回動する。ギヤポジションセンサ24は、ドッグ式変速機Tの変速段(ギヤポジション)に応じて、ドラムシャフト42の回転角を示す電気信号を出力する。なお、ギヤポジションセンサ24としては、その出力信号が線形な特性を有するセンサであれば好適に使用でき、ホールセンサの他にポテンションメータ等も用い得るものである。
[0029]
 また、このドッグ式変速機Tでは、インプットシャフト56に固定変速ギヤ51が装着され、ドライブシャフト57にフリー変速ギヤ52及びスライド変速ギヤ53が装着された構成を代表的に想定すると、シフトドラム41の回動は、それに形成されたカム溝43に配設されると共にカム溝43に倣って移動するシフトフォーク44に伝達され、対応してシフトフォーク44が移動することにより、スライド変速ギヤ53がドライブシャフト57に対して装着された状態で並進移動されることになる。そして、スライド変速ギヤ53がフリー変速ギヤ52に向かって移動されてこれらが互いに近接した位置にあるときには、これらのドッグ歯同士が噛合可能な状態をとることになる。
[0030]
 つまり、エンジンと駆動力伝達装置との間の駆動力の伝達を断続する摩擦多板式のクラッチ板を有するクラッチ機構であるメインクラッチ61がそのクラッチ板同士が当接した接続されている状態にあり、かつドッグ歯同士が当接してそれらの一方のドッグ歯がそれらの他方のドッグ歯を押す噛合状態にあるときには、クランクシャフト71の回転力(駆動力)は、メインクラッチ61、インプットシャフト56、固定変速ギヤ51、フリー変速ギヤ52、スライド変速ギヤ53、及びドライブシャフト57を順に介して、最終的には駆動輪に伝達していくことになる。また、メインクラッチ61が接続されている状態にあり、かつドッグ歯同士が当接してそれらの一方がそれらの他方を押した噛合状態にあるときには、シフトフォーク44でスライド変速ギヤ53をフリー変速ギヤ52から離れるように移動することが容易になるように、エンジンの運転状態を制御して、他のギヤポジションへの変速を容易なものとしてもよい。
[0031]
 ここで、ドッグ歯は、それらの両方が凸状歯である構成の他に、それらの一方が他方の凸状歯を収容する凹状歯である構成を有していてもよいし、ドッグ歯の代わりに、一般的なシンクロナイザ部材を用いてもよい。メインクラッチ61としては、湿式で摩擦多板式のクラッチ板を有する湿式摩擦多板クラッチが好適に用いられ得るが、必要に応じて乾式のものを用いてもよい。また、シフトペダル31からシフトフォーク44までの一連の構成要素が、手動多段式ギヤ比切り替え機構に相当するシフト機構Sを構成している。
[0032]
 次に、図1に示すように、A/D変換器15は、大気圧センサ25によって検出された自動車の周囲の大気圧を示す電気信号をA/D変換し、このようにA/D変換した電気信号をCPU17に入力する。
[0033]
 メモリ16は、不揮発性の記憶装置により構成され、ギヤポジション故障検知装置1の動作を制御する各種制御プログラム及びマップデータ等の制御用データを格納している。
[0034]
 CPU17は、メモリ16内に記憶された制御プログラムを実行することにより、エンジン回転数算出部17a、スロットル開度算出部17b、車速算出部17c、ギヤポジション算出部17d、推定ギヤポジション算出部17e、クラッチスイッチ検出部17f、クラッチ状態推定部17g、及び故障判定部17hとして機能する。
[0035]
 エンジン回転数算出部17aは、波形整形回路11から入力された電気信号を用いて自動車のエンジン回転数(エンジンの回転速度)を算出し、このように算出したエンジン回転数は推定ギヤポジション算出部17e及びクラッチ状態推定部17gで用いられる。
[0036]
 スロットル開度算出部17bは、A/D変換器12から入力された電気信号を用いて自動車のスロットル開度を算出し、このように算出したスロットル開度はクラッチ状態推定部17gで用いられる。
[0037]
 車速算出部17cは、波形整形回路13から入力された電気信号を用いて自動車の車速を算出し、このように算出した車速(駆動輪車速)は推定ギヤポジション算出部17eで用いられる。
[0038]
 ギヤポジション算出部17dは、A/D変換器14から入力された電気信号を用いて自動車のギヤポジションを算出し、このように算出したギヤポジションは故障判定部17hで用いられる。
[0039]
 推定ギヤポジション算出部17eは、エンジン回転数算出部17aによって算出されたエンジン回転数と車速算出部17cによって算出された車速とに基づいて、典型的にはこれらの比をとってそれがどのギヤポジションに相当するのかをマップデータ等を参照して判断することにより、推定ギヤポジションを算出し、このように算出した推定ギヤポジションは故障判定部17hで用いられる。
[0040]
 クラッチスイッチ検出部17fは、図示を省略するクラッチ操作部材であるクラッチレバーにおける典型的にはフルグリップに相当する操作位置(クラッチレバーが完全に握られた操作位置)になったときのみオンされるクラッチスイッチ26から入力される電気信号を用いて、クラッチレバーの操作位置を検出する。このようにクラッチスイッチ検出部17fが検出したクラッチレバーの操作位置は、一般的には、クラッチ機構に相当するメインクラッチ61の切り離し及び接続、つまり断続(クラッチ板同士の離間・当接)を示すものであるため、クラッチスイッチ検出部17fは、クラッチスイッチ26から入力される電気信号を用いてメインクラッチ61の断続を検出することもできるが、本実施形態では、メインクラッチ61のクラッチ板同士が相対回転しながら当接する半クラッチ状態(半接続状態)をも反映するために、クラッチスイッチ検出部17fとは別に、クラッチ状態推定部17gを設けている。
[0041]
 クラッチ状態推定部17gは、エンジン回転数算出部17aによって算出されたエンジン回転数を用いて、メインクラッチ61が切り離されている状態又は半クラッチ状態にある可能性のある領域、つまり、メインクラッチ61のクラッチ板同士が完全に離間して当接していない状態又はメインクラッチ61のクラッチ板同士が相対回転しながら当接した半クラッチ状態に相当する可能性がある領域に対応するメインクラッチ61の解除領域を示す解除領域値を算出する解除領域値算出部17iを備えている。クラッチ状態推定部17gは、スロットル開度算出部17bによって算出されたスロットル開度が解除領域値の示す範囲(解除範囲)から逸脱している場合、メインクラッチ61が接続されている状態(クラッチ板同士が当接して相対回転しない状態)にあると判断し、故障判定部17hがギヤポジションセンサ24の故障判定を実行することを許可する。なお、解除領域値算出部17iは、クラッチ状態推定部17gとは別にその外部の機能ブロックとして設けられてもかまわない。
[0042]
 解除領域値算出部17iは、メインクラッチ61がエンジンと駆動力伝達装置との間の駆動力の伝達がないように切り離された状態にあって、これを介してエンジンと駆動伝達装置との間で駆動力が伝達しないと想定されるスロットル開度である無伝達スロットル開度を含むように、メインクラッチ61が切り離されている状態又は半クラッチ状態にある可能性のある解除領域を示す解除領域値を、エンジン回転数に対応して算出する。詳しくは、解除領域値算出部17iは、図2Bに示すようなメインクラッチ61の解除領域R3を含むと共に、2軸直交座標系を成すエンジン回転数NEとスロットル開度THとで規定したマップデータから、例えば、任意のエンジン回転数をNE1とすると、エンジン回転数NE1に対応する解除領域値、具体的には、解除範囲(TH3≦スロットル開度TH≦TH2)の下限値TH3及び上限値TH2を算出する。かかる無伝達スロットル開度TH1に関しては、エンジンの駆動力がエンジンのその抵抗力(機械的な摩擦力や潤滑油の粘弾性力等)と釣り合って、エンジンと駆動輪との間で駆動力が伝達されないエンジンの運転状態に対応するノーロードスロットル開度が無伝達スロットル開度TH1に相当するとみなして、ノーロードスロットル開度を無伝達スロットル開度TH1に設定したものである。これは、運転者によるクラッチ操作を伴う変速操作が行われていれば、スロットル開度はノーロードスロットル開度及びその上下の近傍のスロットル開度の領域の値となる可能性が高いとの観点から、ノーロードスロットル開度を無伝達スロットル開度THに設定したためであり、換言すれば、ノーロードスロットル開度及びその上下の近傍のスロットル開度の領域を逸脱した領域では、運転者によるクラッチ操作を伴う変速操作が行われている可能性がないとみなしていることを意味している。
[0043]
 ここで、図2Bに示すマップデータにおいて、線L1は、エンジン回転数NEに対応して複数設けられた無伝達スロットル開度の値を結んだ線を表す無伝達ライン、線L2は、かかる無伝達スロットル開度に正の所定値ΔTH1を各々加算した複数の値を結んだ線を表す半クラッチ状態の上限ライン、及び線L3は、かかる無伝達スロットル開度に負の所定値ΔTH2を各々加算した複数の値を結んだ線を表す半クラッチ状態の下限ラインを示している。また、図2Bに示す領域R1は、領域R3に対してスロットル開度THの大きい値の側でこれに連なって配置され、エンジンが駆動輪を駆動するポジティブトルクゾーンを示し、領域R2は、領域R3に対してスロットル開度THの小さい値の側でこれに連なって配置され、エンジンが駆動輪に駆動されるネガティブトルクゾーンを示している。但し、領域R2は、エンジン回転数NEの中回転領域以下では現れてこないために設定されてはいない。メインクラッチ61がエンジンと駆動力伝達装置との間の駆動力の伝達がないように切り離されている状態又は半クラッチ状態にある可能性のある領域である解除領域R3は、無伝達ラインL1を含むと共に、半クラッチ状態の上限ラインL2と半クラッチ状態の下限ラインL3との間で挟まれた領域として設定されている。無伝達ラインL1は、エンジン回転数NEが増加すると共に増加する直線状の特性線を示すが、エンジン回転数NEの低中回転数でその傾きが増加するような変曲点を有するものとして設定されている。正の所定値ΔTH1及び負の所定値ΔTH2は、各々、無伝達スロットル開度の近傍のスロットル開度の範囲、つまり半クラッチ状態のスロットル開度の範囲に相当するとみなしたものであって、自動車の仕様等に応じて設定される値であるが、典型的には、所定の固定値であって、互いの大きさは等しく設定すれば足りる。かかるマップデータは、停止、加速走行、減速走行や惰性走行が組み合わさったような一般的な走行パターンに適合するものである。
[0044]
 故障判定部17hは、ギヤポジション算出部17dが算出したギヤポジションと推定ギヤポジション算出部17dが算出した推定ギヤポジションとを比較して、ギヤポジションと推定ギヤポジションが一致しない場合、ギヤポジションセンサ24が故障していると判定する。
[0045]
 〔動作〕
 次に、図3を参照して、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置1の動作について説明する。
[0046]
 図3は、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置の動作を示すタイムチャートである。
[0047]
 本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置1では、自動車のイグニッションスイッチがオン状態である間、所定の制御周期毎に、解除領域値算出部17iが、エンジン回転数NEに対応するメインクラッチ61の解除領域を示す解除領域値を算出する。そして、クラッチ状態推定部17gは、スロットル開度THが解除領域値の範囲(解除範囲)から逸脱している場合、メインクラッチ61が接続されている状態(クラッチ板同士が当接して相対回転しない状態)にあると判断し、かかる場合に、図3に示す時間t=t1以前の期間、時間t=t7以降時間t=t8以前の期間や時間t=t9以後の期間のように、故障判定部17hがギヤポジションセンサ24の故障判定を実行することを許可することになる。
[0048]
 ここで、図3に示す例では、時間t=t1以前の期間では、図3(b)に示すスロットル開度算出部17bが算出したスロットル開度THが図3(a)に示す無伝達ラインL1上の値である無伝達スロットル開度に対して負の所定値ΔTH2の大きさより小さな値でもって小さくなっているので、エンジンと駆動輪との駆動関係は、図2Bに示すようなエンジンが駆動輪に駆動されるネガティブトルクゾーンR2内にあり、これに対応して、図3(f)に示すネガティブトルクゾーンフラグFNの値が1(これ以外はネガティブトルクゾーンフラグFNの値が0)になっている。また、時間t=t6以後の期間では、図3(b)に示すスロットル開度算出部17bが算出したスロットル開度THが図3(a)に示す無伝達ラインL1上の値である無伝達スロットル開度に対して正の所定値ΔTH1よりも大きな値でもって大きくなっているので、エンジンと駆動輪との駆動関係は、図2Bに示すようなエンジンが駆動輪を駆動するポジティブトルクゾーンR1内にあり、これに対応して、図3(e)に示すポジティブトルクゾーンフラグFPの値が1(これ以外はポジティブトルクゾーンフラグFPの値が0)になっている。一方で、時間t=t1から時間t=t6までの期間では、図3(b)に示すスロットル開度算出部17bが算出したスロットル開度THが図3(a)に示す無伝達ラインL1上の値である無伝達スロットル開度と一致するか、又は無伝達スロットル開度に所定の正の所定値ΔTH1を加えた上限値と無伝達スロットル開度に負の所定値ΔTH2を加えた下限値との間の範囲内にあるため、エンジンと駆動輪との駆動関係は、図2Bに示すようなエンジンと駆動輪との駆動力の伝達が切り離されている状態又は半クラッチ状態にある可能性のある領域である解除領域R3にある。ここで、エンジン回転数NEの経時変化は、図3(c)に示され、駆動輪車速VSPの経時変化は、図3(d)に示される。
[0049]
 また、時間t=t1以前の期間及び時間t=t4以後の期間では、図3(g)に示すクラッチスイッチ検出部17fが検出するクラッチスイッチ信号CSは、クラッチレバーが解放(リリース)されたことを示すオフ信号(例えば出力電圧がゼロ)となる一方で、時間t=t3から時間t=t5までの期間では、クラッチスイッチ検出部17fが検出するクラッチスイッチ信号CSは、クラッチレバーが実質的に完全に握られた(フルグリップされた)ことを示すオン信号(例えば出力電圧が正の所定値)となっている。ここで、時間t=t3から時間t=t5までの期間では、メインクラッチ61のクラッチ板同士が完全に離間された状態にあって、エンジンと前記駆動力伝達装置との間の駆動力の伝達がないことが分かるが、他の期間では、メインクラッチ61が半クラッチ状態にあるのか、又は接続されている状態(クラッチ板同士が当接して相対回転しない状態)にあるのか、が区別できない。ここで、図3(h)に示すギヤポジションセンサ24のギヤポジション信号GSは、時間t=t8で、ギヤポジションが切り替わっていることを示し、時間t=t8以前の期間で、ギヤポジション算出部17dが算出するギヤポジションは2速であることを示し、時間t=t8以降の期間で、ギヤポジション算出部17dが算出するギヤポジションは3速であることを示している。
[0050]
 また、推定ギヤポジション算出部17eが算出する推定ギヤポジション(瞬時推定ギヤポジション値)は、時間t=t2以前の期間及び時間t=t6から時間t=t8までの期間では、エンジン回転数算出部17aによって算出されたエンジン回転数と車速算出部17cによって算出された車速との比が図3(i)に示す2速ギヤの所定範囲(2速ギヤ正常範囲)内に入り、時間t=t3から時間t=t5までの期間、及び時間t=t8以後の期間では、エンジン回転数算出部17aによって算出されたエンジン回転数と車速算出部17cによって算出された車速との比が図3(i)に示す3速ギヤの所定範囲(3速ギヤ正常範囲)内に入る一方で、時間t=t2から時間t=t3までの期間、及び時間t=t5から時間t=t6までの期間では、エンジン回転数算出部17aによって算出されたエンジン回転数と車速算出部17cによって算出された車速との比が図3(i)に示す2速ギヤの所定範囲(2速ギヤ正常範囲)外、及び3速ギヤの所定範囲(3速ギヤ正常範囲)外にあって、これらから逸脱して、これらの一方から他方に遷移する途中である。これに対応して、時間t=t2以前の期間、時間t=t3から時間t=t5までの期間、及び時間t=t6以後の期間では、図3(k)に示すギヤ正常領域判定フラグFDの値が1(これ以外の期間ではギヤ正常領域判定フラグFDの値は0)になっている。
[0051]
 ここで、図3(l)に減算タイマとして示されるギヤポジション安定タイマTMは、エンジン回転数算出部17aによって算出されたエンジン回転数と車速算出部17cによって算出された車速との比が図3(i)に示す2速ギヤの所定範囲(2速ギヤ正常範囲)又は3速ギヤの所定範囲(3速ギヤ正常範囲)に入るか又はそれから出る際にカウントを開始しており(図中では減算タイマのカウントダウンの場合を例示)、時間t=t4、時間t=t7及び時間t=t9でタイムアップ(カウント残がゼロ)しており、また時間t=t2以前の期間でもギヤポジション安定タイマTMがタイムアップ(カウント残がゼロ)している。これに対応して、図3(m)に示す安定推定ギヤポジション値ESは、時間t=t4で2速から3速に切り替わり、時間t=t7で3速から2速に切り替わり、及び時間t=t9で2速から3速に切り替わっており、時間t=t2以前の期間、時間t=t4から時間t=t5までの期間、時間t=t7から時間t=t8までの期間、及び時間t=t9以後の期間では、図3(n)に示す推定ギヤポジション更新可否フラグFEの値が1(これ以外の期間では推定ギヤポジション更新可否フラグFEの値は0)になっている。
[0052]
 そして、図3(n)に示す推定ギヤポジション更新可否フラグFEの値に加えて、ギヤポジション信号GSの安定性(出力電圧の一定性等)の程度を考慮すると、図3(o)に示すギヤポジション最終判断許可フラグFAの値は、時間t=t1以前の期間、時間t=t7から時間t=t8までの期間、及び時間t=t9以後の期間で1(これ以外の期間ではギヤポジション最終判断許可フラグFAの値は0)になっている。つまり、時間t=t1以前の期間、時間t=t7から時間t=t8までの期間、及び時間t=t9以後の期間では、故障判定部17hがギヤポジションセンサ24の故障判定をすることが許可されており、かかる期間で、故障判定部17hは、ギヤポジション算出部17dが算出したギヤポジションと推定ギヤポジション算出部17dが算出した推定ギヤポジションとを比較して、ギヤポジションと推定ギヤポジションが一致しない場合、ギヤポジションセンサ24が故障していると判定することになる。
[0053]
 以上の説明から明らかなように、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置1では、クラッチ状態推定部17gが、エンジンの回転速度及びエンジンに設けられる吸気制御弁の弁開度で規定される領域であって、メインクラッチ61が切り離されている状態又は半クラッチ状態にある可能性のある領域である解除領域の下限値以上で上限値以下の解除範囲における解除領域値を、クランク角センサ21の出力に基づいて算出する解除領域値算出部17iを備え、クラッチ状態推定部17gが、スロットル開度センサ22の出力に基づいて算出するスロットル開度が解除範囲から逸脱する場合には、メインクラッチ61が接続されている状態にあると判断して、故障判定部17hが故障判定を実行することを許可するので、メインクラッチ61が接続されている状態のときにのみ確実にギヤポジションセンサ24の故障検知の判定を行うことができる。これにより、ギヤポジションセンサ24に関して誤判定が生じることを抑制することができる。
[0054]
 また、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置1では、解除領域値算出部17iが、エンジン回転数に対応して、かつ、無伝達スロットル開度を含むように、解除範囲を算出するものであり、解除範囲が、任意のエンジン回転数NE1に対して上限値TH2と下限値TH3との間の範囲に設定されると共に、上限値TH2は、無伝達スロットル開度TH1に正の所定値ΔTH1を加算した値に設定され、下限値TH3は、無伝達スロットル開度TH1に負の所定値TH2を加算した値に設定されるので、演算負荷を増大させないようにメインクラッチ61が接続されている状態にあると判断するための解除範囲を算出することができる。
[0055]
 〔変形例〕
 図4は、本実施形態におけるギヤポジション故障検知装置に適用されるメインクラッチ61の解除領域の無伝達ラインを基準大気圧毎に示す模式図である。図4において、線L4は、高地の大気圧に相当する基準大気圧Aにおける無伝達ラインを示し、線L5は、基準大気圧Aよりも気圧の高い低地の大気圧に相当する基準大気圧Bにおける無伝達ラインを示す。
[0056]
 本変形例では、解除領域値算出部17iは、エンジン回転数に対応し、かつ、複数の基準大気圧に各々対応して予め設定された複数の大気圧補正基準開度(図4に示す例では、スロットル開度TH=THH及びTHL)に基づいて、解除領域値の範囲を算出するものである。この場合、無伝達スロットル開度は、大気圧センサ25によって検出された大気圧に基づいて、図4に示す複数の大気圧補正基準開度の間の値として補間演算される値とする。具体的には、図4に示す例では、エンジン回転数がNE1であり、大気圧センサ25によって検出された大気圧が大気圧Cである場合、大気圧Cにおける無伝達スロットル開度の値は、(THH-THL)×(B-C)/(B-A)+THLという計算式の計算値として得られることになる。
[0057]
 以上の説明から明らかなように、本変形例におけるギヤポジション故障検知装置1では、メインクラッチ61が接続されている状態にあると判断するための解除範囲を規定するための無伝達スロットル開度の算出精度を向上することができ、ギヤポジションセンサ24の故障を検知する故障検知の精度を向上することができる。
[0058]
 なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。

産業上の利用可能性

[0059]
 以上のように、本発明は、自動車に搭載され手動多段式ギヤ比切り替え機構を備える駆動力伝達装置のギヤポジションを検出するギヤポジションセンサの故障を精度よく検知するギヤポジション故障検知装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動車に広く適用され得るものと期待される。

符号の説明

[0060]
 1…ギヤポジション故障検知装置
 11…波形整形回路
 12…A/D(Analog to Digital)変換器
 13…波形整形回路
 14…A/D変換器
 15…A/D変換器
 16…メモリ
 17…CPU(Central Processing Unit)
 17a…エンジン回転数算出部
 17b…スロットル開度算出部
 17c…車速算出部
 17d…ギヤポジション算出部
 17e…推定ギヤポジション算出部
 17f…クラッチスイッチ検出部
 17g…クラッチ状態推定部
 17h…故障判定部
 17i…解除領域値算出部
 21…クランク角センサ
 22…スロットル開度センサ
 23…駆動輪車速センサ
 24…ギヤポジションセンサ
 25…大気圧センサ
 26…クラッチセンサ
 31…シフトペダル
 32…シフトシャフト
 33…シフトアーム
 34…シフトギヤ
 41…シフトドラム
 42…ドラムシャフト
 43…カム溝
 44…シフトフォーク
 51…固定変速ギヤ
 52…フリー変速ギヤ
 53…スライド変速ギヤ
 56…インプットシャフト
 57…ドライブシャフト
 61…メインクラッチ
 71…クランクシャフト
 S…シフト機構
 T…ドッグ式変速機

請求の範囲

[請求項1]
 自動車に搭載され手動多段式ギヤ比切り替え機構を有する駆動力伝達装置のギヤポジションを検出するギヤポジションセンサの故障を検知するギヤポジション故障検知装置であって、
 前記ギヤポジションセンサの出力からギヤポジションを算出する第1のギヤポジション算出部と、
 前記自動車の駆動輪の回転速度から車速を検出する車速センサの出力と前記駆動力伝達装置に接続されるエンジンの回転速度を検出するエンジン回転速度センサの出力とに基づいて、推定ギヤポジションを算出する第2のギヤポジション算出部と、
 前記第1のギヤポジション算出部が算出した前記ギヤポジションと前記第2のギヤポジション算出部が算出した前記推定ギヤポジションとを比較して、前記ギヤポジションと前記推定ギヤポジションが一致しない場合には、前記ギヤポジションセンサが故障していると判定する故障判定部と、
 前記エンジンと前記駆動力伝達装置との間の駆動力の伝達を断続するクラッチ機構が接続されている状態にあるか否かを推定するクラッチ状態推定部と、
を備え、
 前記クラッチ状態推定部は、前記エンジンの前記回転速度及び前記エンジンに設けられる吸気制御弁の弁開度で規定される領域であって、前記クラッチ機構が切り離されている状態又は半クラッチ状態にある可能性のある領域である解除領域の下限値以上で上限値以下の解除範囲における解除領域値を、前記エンジン回転速度センサの前記出力に基づいて算出する解除領域値算出部を有し、
 前記クラッチ状態推定部は、前記弁開度を検出する弁開度センサの出力に基づいて算出される前記弁開度が前記解除範囲から逸脱する場合には、前記クラッチ機構が接続されている状態にあると判断して、前記故障判定部が故障判定を実行することを許可することを特徴とするギヤポジション故障検知装置。
[請求項2]
 前記解除領域値算出部は、前記エンジンの前記回転速度に対応して、かつ、前記クラッチ機構を介して前記エンジンから前記駆動伝達装置に駆動力が伝達しないと想定される前記弁開度である無伝達弁開度を含むように、前記解除範囲を算出するものであり、
 前記解除範囲は、前記エンジンの前記回転速度に対して第1推定閾値と第2推定閾値との間の範囲に設定され、
 前記第1推定閾値は、前記無伝達弁開度に正の所定値を加算した値に設定され、
 前記第2推定閾値は、前記無伝達弁開度に負の所定値を加算した値に設定されることを特徴とする請求項1に記載のギヤポジション故障検知装置。
[請求項3]
 前記解除領域値算出部は、前記エンジンの前記回転速度に対応して、かつ、複数の基準大気圧に各々対応して予め設定された複数の大気圧補正基準開度に基づいて、前記解除範囲を算出するものであり、
 前記無伝達弁開度は、前記自動車に設けられた大気圧センサによって検出された大気圧に基づいて、前記複数の大気圧補正基準開度の間の値で補間演算される値であることを特徴とする請求項2に記載のギヤポジション故障検知装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 3]

[ 図 4]