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1. WO2021065613 - ロータコアの製造方法およびロータコアの製造システム

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明 細 書

発明の名称 ロータコアの製造方法およびロータコアの製造システム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078  

符号の説明

0079  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7  

明 細 書

発明の名称 : ロータコアの製造方法およびロータコアの製造システム

技術分野

[0001]
 本発明は、ロータコアの製造方法およびロータコアの製造システムに関する。

背景技術

[0002]
 従来、ロータコアの製造方法が知られている。このようなロータコアの製造方法およびロータコアの製造システムは、たとえば、特許第6180569号公報に開示されている。
[0003]
 上記特許第6180569号公報には、複数枚の鉄心片が積層された回転子積層鉄心の複数の磁石挿入孔の各々に永久磁石を挿入し、各磁石挿入孔に永久磁石を樹脂封止する方法(ロータコアの製造方法)が開示されている。上記特許第6180569号公報では、樹脂を加熱して溶融させるとともに溶融された樹脂を回転子積層鉄心の磁石挿入孔に供給するよう構成されている。
[0004]
 具体的には、上記特許第6180569号公報では、永久磁石が磁石挿入孔に挿入された状態の回転子積層鉄心が、下型の上に搬送される。なお、回転子積層鉄心の上方には上型が配置されている。次に、上型に設けられたポットに熱硬化性樹脂の原料が供給されるとともに、加熱手段によって原料が加熱される。そして、原料が加熱されて粘度が低下する。その後、回転子積層鉄心が上型に押し付けられる。そして、粘度が低下した(流動化した)原料が、ポットと磁石挿入孔とを連結する上型に設けられた流路を介して、磁石挿入孔に充填される。そして、上型および下型に各々設けられた加熱手段により回転子積層鉄心(熱硬化性樹脂の原料)が加熱されることにより、熱硬化性樹脂が硬化される。これにより、永久磁石が磁石挿入孔に固定(樹脂封止)される。なお、上記特許第6180569号公報には明記されていないが、回転子積層鉄心が上型および下型に挟持された状態で、加熱手段により粘度が低下した原料が加熱されることにより、熱硬化性樹脂が硬化されていると考えられる。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特許第6180569号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上記特許第6180569号公報に記載の各磁石挿入穴に永久磁石を樹脂封止する方法では、回転子積層鉄心が上型および下型に挟持された状態で、上型および下型の各々に設けられた加熱手段により熱硬化性樹脂が加熱されることにより、熱硬化性樹脂が硬化されていると考えられる。このため、磁石挿入孔に充填された熱硬化性樹脂が硬化される際に、ポットと磁石挿入孔とを連結する流路に残留した熱硬化性樹脂も、加熱されるとともに硬化されると考えられる。したがって、次に、磁石挿入穴に熱硬化性樹脂を充填するために、流路に残留した硬化された熱硬化性樹脂を予め取り除く必要がある。すなわち、硬化し取り除かれた熱硬化性樹脂は、永久磁石を樹脂封止するために用いることができない。その結果、熱硬化性樹脂の原料(樹脂材)の歩留まり(供給される原料の量に対して、樹脂封止に用いられる原料の割合)が悪くなるという問題点がある。
[0007]
 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、樹脂材の歩留まりを向上させることが可能なロータコアの製造方法およびロータコアの製造システムを提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるロータコアの製造方法は、複数の電磁鋼板が積層され、電磁鋼板の積層方向に延びる磁石収容部を有する積層コアを準備する工程と、磁石収容部に永久磁石を配置する工程と、積層コアを積層方向に押圧する治具に、積層コアを配置する工程と、治具による積層コアの押圧が維持された状態で、かつ、磁石収容部に永久磁石が挿入された状態で、樹脂注入装置に含まれる樹脂注入部により、磁石収容部に、溶融した樹脂材を注入する工程と、磁石収容部に樹脂材を注入する工程の後、樹脂注入部内に収容された樹脂材の溶融状態を維持した状態で、樹脂注入装置の樹脂注入部を、治具によって押圧されている状態の積層コアに対して相対的に退避させる工程と、樹脂注入部を相対的に退避させる工程の後、磁石収容部に樹脂材が注入された状態で、かつ、治具により押圧されている状態の積層コアを加熱することによって、磁石収容部内の樹脂材を硬化させる工程と、を備える。
[0009]
 この発明の第1の局面によるロータコアの製造方法は、上記のように、磁石収容部に樹脂材を注入する工程の後、樹脂注入部に収容された樹脂材の溶融状態を維持した状態で、樹脂注入装置の樹脂注入部を、治具によって押圧されている状態の積層コアに対して相対的に退避させる工程と、樹脂注入部を相対的に退避させる工程の後、磁石収容部に樹脂材が注入された状態で、かつ、治具により押圧されている状態の積層コアを加熱することによって、磁石収容部内の樹脂材を硬化させる工程とを備える。これにより、樹脂材が硬化される際には、樹脂注入装置の樹脂注入部が積層コアに対して相対的に退避されているので、樹脂注入部内に収容された樹脂材が硬化することはない。その結果、樹脂注入部内の硬化された樹脂材を予め取り除く必要もないので、樹脂注入部に収容された樹脂材の全てを永久磁石の固定(樹脂封止)のために用いることができる。これにより、樹脂材の歩留まりを向上させることができる。また、治具による積層コアの押圧が維持された状態で、樹脂注入部により、溶融した樹脂材を注入する工程を備えることによって、積層された電磁鋼板の間の隙間が塞がれた状態で溶融した樹脂材が注入されるので、樹脂材が積層された電磁鋼板の間から漏れるのを抑制することができる。これにより、樹脂材の歩留まりをより向上させることができる。
[0010]
 この発明の第2の局面におけるロータコアの製造システムは、複数の電磁鋼板が積層され、電磁鋼板の積層方向に延びる磁石収容部を有する積層コアを備えるロータの製造システムであって、磁石収容部に永久磁石が配置された積層コアを積層方向に押圧する治具と、治具による積層コアの押圧が維持された状態で、かつ、磁石収容部に永久磁石が挿入された状態で、樹脂注入部により、磁石収容部に、溶融した樹脂材を注入する樹脂注入装置と、を備え、樹脂注入部は、磁石収容部に樹脂材が注入された後、樹脂注入部内に収容された樹脂材の溶融状態を維持した状態で、治具によって押圧されている状態の積層コアに対して相対的に退避されるように構成されており、磁石収容部に樹脂材が注入された状態で、かつ、治具により押圧されている状態の積層コアを加熱することによって、磁石収容部内の樹脂材を硬化させるように構成されている。
[0011]
 この発明の第2の局面によるロータの製造システムでは、上記のように、樹脂注入部は、磁石収容部に樹脂材が注入された後、樹脂注入装置内に収容された樹脂材の溶融状態を維持した状態で、治具によって押圧されている状態の積層コアに対して相対的に退避されるように構成されており、磁石収容部に樹脂材が注入された状態で、かつ、治具により押圧されている状態の積層コアを加熱することによって、磁石収容部内の樹脂材を硬化させるように構成されている。これにより、樹脂材が硬化される際には、樹脂注入装置の樹脂注入部が積層コアに対して相対的に退避されているので、樹脂注入部内に収容された樹脂材が硬化することはない。その結果、樹脂注入部内の硬化された樹脂材を予め取り除く必要もないので、樹脂注入部に収容された樹脂材の全てを永久磁石の固定(樹脂封止)のために用いることができる。これにより、樹脂材の歩留まりを向上させることが可能なロータの製造システムを提供することができる。また、治具による積層コアの押圧が維持された状態で、樹脂注入部により、溶融した樹脂材を注入する工程を備えることによって、積層された電磁鋼板の間の隙間が塞がれた状態で溶融した樹脂材が注入されるので、樹脂材が積層された電磁鋼板の間から漏れるのを抑制することができる。これにより、樹脂材の歩留まりをより向上させることが可能なロータの製造システムを提供することができる。

発明の効果

[0012]
 本発明によれば、樹脂材の歩留まりを向上させることができる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本実施形態によるロータ(回転電機)の構成を示す平面図である。
[図2] 本実施形態による積層コアを押圧する治具(上方プレート)の構成を示す平面図である。
[図3] 本実施形態による積層コアを押圧する治具、および、治具に配置された完成後のロータコアを示す断面図(図2の1000-1000線に沿った断面図)である。
[図4] 本実施形態による積層コアを押圧する治具の下方プレートの構成を示す平面図である。
[図5] 本実施形態によるロータコアの製造システムの構成を示す概略図である。
[図6] 本実施形態による樹脂注入部を説明するための断面図である。
[図7] 本実施形態によるロータコアの製造方法を示すフロー図である。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[0015]
 [本実施形態]
 図1~図7を参照して、本実施形態によるロータコア4の製造方法およびロータコア4の製造システム200について説明する。
[0016]
 本願明細書では、「軸方向」とは、ロータ1(ロータコア4)の回転軸線C1に沿った方向を意味し、図中のZ方向を意味する。また、「径方向」とは、ロータ1(ロータコア4)の径方向(R1方向またはR2方向)を意味し、「周方向」は、ロータ1(ロータコア4)の周方向(E1方向またはE2方向)を意味する。
[0017]
 (ロータの構造)
 まず、図1を参照して、本実施形態のロータ1の構造について説明する。
[0018]
 図1に示すように、ロータ1およびステータ2は、円環状に形成されている。そして、ロータ1は、ステータ2の径方向内側に対向して配置されている。すなわち、本実施形態では、回転電機100は、インナーロータ型の回転電機として構成されている。また、ロータ1の径方向内側には、シャフト3が配置されている。シャフト3は、ギア等の回転力伝達部材を介して、エンジンや車軸等に接続されている。たとえば、回転電機100は、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータとして構成されており、車両に搭載されるように構成されている。
[0019]
 また、ロータコア4は、複数の電磁鋼板4a(図3参照)が積層され、電磁鋼板4aの積層方向に延びる貫通孔部からなる磁石収容部10を有する積層コア4dを備える。また、ロータコア4は、積層コア4dの磁石収容部10に挿入される永久磁石5を備える。磁石収容部10は、ロータコア4に複数(本実施形態では32個)設けられている。すなわち、回転電機100は、埋込永久磁石型モータ(IPMモータ:Interior Permanent Magnet Motor)として構成されている。なお、互いに隣接する2つの磁石収容部10は、V字状に配置されている。なお、磁石収容部10の配置は、これに限られない。
[0020]
 また、ステータ2は、ステータコア2aと、ステータコア2aに配置されたコイル2bとを含む。ステータコア2aは、たとえば、複数の電磁鋼板(珪素鋼板)が軸方向に積層されており、磁束を通過可能に構成されている。コイル2bは、外部の電源部に接続されており、電力(たとえば、3相交流の電力)が供給されるように構成されている。そして、コイル2bは、電力が供給されることにより、磁界を発生させるように構成されている。また、ロータ1およびシャフト3は、コイル2bに電力が供給されない場合でも、エンジン等の駆動に伴って、ステータ2に対して回転するように構成されている。なお、図1では、コイル2bの一部のみを図示しているが、コイル2bは、ステータコア2aの全周に亘って配置されている。
[0021]
 永久磁石5は、ロータコア4の軸方向に直交する断面が長方形形状を有している。たとえば、永久磁石5は、磁化方向(着磁方向)が短手方向となるように構成されている。
[0022]
 また、図3に示すように、ロータコア4は、磁石収容部10に充填されている樹脂材6を備える。樹脂材6は、磁石収容部10に配置されている永久磁石5を固定するように設けられている。
[0023]
 (治具の構造)
 次に、図2~図4を参照して、本実施形態の治具20の構造について説明する。なお、以下の説明では、治具20に積層コア4dが配置された状態についての治具20の構造について説明する。
[0024]
 図3に示すように、治具20は、上方プレート21と、押圧ばね22と、押圧プレート23と、下方プレート24と、断熱部材25と、位置決めプレート26と、クランプ部材27と、を含む。なお、上方プレート21、押圧プレート23、下方プレート24、および、位置決めプレート26の各々は、SUS(ステンレス)製である。
[0025]
 図2に示すように、上方プレート21は、中心部に貫通孔21aを有し、円環状に形成されている。また、上方プレート21は、複数の樹脂注入孔21bを含む。樹脂注入孔21bは、後述する樹脂注入装置103の注入ノズル122が挿入可能に設けられている。なお、樹脂注入孔21bは、複数(本実施形態では32個)の磁石収容部10の各々とオーバラップするように設けられている。なお、樹脂注入孔21bは、請求の範囲の「孔部」の一例である。
[0026]
 図2および図3に示すように、押圧ばね22は、上方プレート21と、押圧プレート23とを連結するように設けられている。また、押圧ばね22は、回転軸線C1方向から見て、周方向に沿って、等角度間隔に複数設けられている。なお、本実施形態では、押圧ばね22は、4つ設けられている。複数の押圧ばね22の各々は、治具20に積層コア4dが配置された状態で、上方(Z1方向側)から見て、積層コア4dとオーバラップする位置に設けられている。
[0027]
 また、図3に示すように、押圧プレート23は、積層コア4dの上端面4bに配置されている。押圧プレート23は、押圧ばね22の付勢力により、積層コア4dの上端面4bを押圧するように設けられている。
[0028]
 また、押圧プレート23は、中心部に貫通孔23aを有し、円環状に形成されている。また、押圧プレート23は、複数の樹脂注入孔23bを含む。複数の樹脂注入孔23bは、上方(Z1方向側)から見て、上方プレート21の複数の樹脂注入孔21bとオーバラップする位置に設けられている。なお、樹脂注入孔23bは、請求の範囲の「孔部」の一例である。
[0029]
 また、積層コア4dは、下方プレート24に配置(載置)されている。すなわち、下方プレート24は、積層コア4dの下端面4cと接触している。下方プレート24は、中心部に貫通孔24aを有し、円環状に形成されている。また、下方プレート24は、複数(本実施形態では3つ)の切り欠き部24bを含む。複数の切り欠き部24bは、貫通孔24aの内周面において、回転軸線C1方向から見て、周方向に沿って、略等角度間隔(図4参照)で設けられている。
[0030]
 複数の切り欠き部24bには、L字状の位置決め部24cが設けられている。複数の位置決め部24cにより、下方プレート24に対する積層コア4dの径方向および周方向の位置が決められる。位置決め部24cは、締結ボルト24dにより、下方プレート24に固定(締結)されている。
[0031]
 また、断熱部材25は、下方プレート24と、位置決めプレート26との間に挟まれるように設けられている。断熱部材25は、中心部に貫通孔25aを有し、円環状に形成されている。また、断熱部材25は、樹脂製である。
[0032]
 また、位置決めプレート26は、下方プレート24の下方側(Z2方向側)に設けられている。
[0033]
 また、クランプ部材27は、U字形状を有しており、上方プレート21と下方プレート24とを挟み込むように設けられている。これにより、上方プレート21と下方プレート24とが、積層コア4dを、上下方向(Z方向)に挟み込むとともに押圧する。なお、上方プレート21は、押圧プレート23を介して間接的に積層コア4dを、下方プレート24とにより挟み込むとともに押圧している。その結果、治具20に積層コア4dが固定される。クランプ部材27は、複数(本実施形態では4つ)設けられている。複数のクランプ部材27は、回転軸線C1方向から見て、周方向に沿って、略等角度間隔(すなわち90度間隔)に設けられている。
[0034]
 (ロータコアの製造システム)
 次に、図5を参照して、ロータコア4の製造システム200について説明する。
[0035]
 図5に示すように、ロータコア4の製造システム200は、組立装置101と、予熱用加熱装置102と、樹脂注入装置103と、硬化用加熱装置104と、を備える。また、ロータコア4の製造システム200は、積層コア4dを搬送する搬送用コンベア108を備える。なお、組立装置101、予熱用加熱装置102、樹脂注入装置103、硬化用加熱装置104は、互いに別個の装置である。
[0036]
 組立装置101は、治具20に積層コア4dを配置する(組み付ける)ように構成されている。具体的には、組立装置101は、治具20に積層コア4dを配置するとともに、永久磁石5を磁石収容部10に配置するように構成されている。
[0037]
 予熱用加熱装置102は、積層コア4dを加熱することにより予熱するように構成されている。具体的には、予熱用加熱装置102は、治具20に配置された状態の積層コア4dを、第1温度T1(たとえば50℃)以上第2温度T2(たとえば120℃)未満で加熱することにより予熱するように構成されている。なお、第1温度T1とは、樹脂材6の溶融する温度(溶融が開始される温度)である。また、第2温度T2とは、樹脂材6が硬化(熱硬化)する温度(硬化(熱硬化)が開始される温度)であるとともに第1温度T1よりも大きい温度である。
[0038]
 樹脂注入装置103は、磁石収容部10に樹脂材6を注入するように構成されている。具体的には、樹脂注入装置103は、治具20に積層コア4dが配置された状態で、かつ、磁石収容部10に永久磁石5が挿入された状態で、磁石収容部10に、第1温度T1以上で溶融した樹脂材6を注入するように構成されている。なお、樹脂注入装置103の詳細な構成については、後述する。
[0039]
 硬化用加熱装置104は、積層コア4dを加熱することによって、磁石収容部10内の樹脂材6を硬化させるように構成されている。具体的には、硬化用加熱装置104は、治具20に配置された状態で、かつ、磁石収容部10に樹脂材6が注入された状態の積層コア4dを、樹脂材6が硬化する温度である第2温度T2以上で加熱することによって、磁石収容部10内の樹脂材6を硬化させるように構成されている。
[0040]
 [樹脂注入装置の具体的な構成]
 次に、図6を参照して、樹脂注入装置103の具体的な構成について説明する。
[0041]
 図6に示すように、樹脂注入装置103は、樹脂注入部103aを含む。
[0042]
 ここで、本実施形態では、樹脂材6は、第1温度T1において溶融するとともに、第1温度T1よりも高い第2温度T2において硬化するように構成されている。たとえば、特開2000-239642号公報に記載されているような樹脂材6(合成樹脂材)が用いられる。すなわち、樹脂材6は、ウレトジオン環を100eq/T以上有する第1化合物を10%以上100%以下と、分子末端に活性水素基を有する第2化合物を0%以上90%以下と、グリシジル基を有する第3化合物を0%以上90%以下とを含有し、かつ、第1~第3化合物のいずれにも分子末端にイソシアネート基を含まないことを特徴とする反応性ホットメルト接着剤組成物を含む。特開2000-239642号公報に記載されている樹脂材6は、常温では固形状(フレーク状、ペレット状、または、粉状など)であり、加熱されて、樹脂材6の温度が第1温度T1に到達することにより融解(軟化)する。また、この樹脂材6は、第1温度T1に保持されている状態では、硬化することはない。そして、この樹脂材6は、第1温度T1よりも高い第2温度T2に到達することにより硬化する。
[0043]
 図6に示すように、樹脂注入部103aの内部には、樹脂材6が流動する流路121が設けられている。流路121は、積層コア4d側に向かって、複数の流路121aに分岐されている。そして、流路121の積層コア4d側の流路121bは、積層コア4dの磁石収容部10に対応する位置に設けられている。
[0044]
 また、樹脂注入部103aには、注入ノズル122が設けられている。注入ノズル122は、流路121の先端側(流路121b)に設けられている。そして、流路121内に収容された樹脂材6が、樹脂注入部103aの注入ノズル122から、積層コア4dの磁石収容部10に注入される。
[0045]
 また、図6に示すように、流路121bには、ストップバルブ123が設けられている。そして、注入ノズル122から樹脂材6が押し出される時には、ストップバルブ123は、開状態となる。一方、注入ノズル122から樹脂材6が押し出されない時には、ストップバルブ123は、閉状態となる。なお、ストップバルブ123は、請求の範囲の「遮断部」の一例である。
[0046]
 また、樹脂注入部103aの外側には、加熱装置124が設けられている。加熱装置124は、樹脂注入部103aの内部に収容された樹脂材6の温度が第1温度T1となるように樹脂注入部103aを加熱する。
[0047]
 (ロータコアの製造方法)
 次に、図7を参照して、ロータコア4の製造方法について説明する。
[0048]
 まず、図7に示すように、ステップS1において、積層コア4dを準備する工程が行われる。具体的には、複数の電磁鋼板4aが積層されることによって、積層コア4dが形成される。この際、プレス加工によって、電磁鋼板4aの積層方向に延びる磁石収容部10が積層コア4dに形成される。
[0049]
 次に、ステップS2において、組立装置101において、治具20に積層コア4dを配置する工程が行われる。この工程では、上方プレート21(押圧プレート23)と下方プレート24とによって、積層コア4dが上下方向(Z方向)に挟み込まれるとともに押圧されるように、積層コア4dが治具20に配置される。具体的には、まず、下方プレート24に積層コア4dを配置(載置)する工程が行われる。次に、下方プレート24に積層コア4dが配置された状態で、磁石収容部10に永久磁石5を配置する工程が行われる。そして、下方プレート24と上方プレート21とがクランプ部材27によりクランプ(連結)されるとともに、押圧プレート23により積層コア4dの上端面4bが押圧される。なお、治具20に積層コア4dを配置する工程(ステップS2の工程)は、断熱部材25が設けられた治具20に積層コア4dを配置する工程である。
[0050]
 次に、ステップS3において、積層コア4dを予熱する工程が行われる。具体的には、予熱用加熱装置102において、治具20に配置された状態の積層コア4dを、第1温度T1以上第2温度T2未満で加熱することにより予熱する工程が行われる。
[0051]
 次に、ステップS4において、磁石収容部10に樹脂材6が注入される工程が行われる。具体的には、本実施形態では、治具20による積層コア4dの押圧が維持された状態で、かつ、磁石収容部10に永久磁石5が挿入された状態で、樹脂注入装置103に含まれる樹脂注入部103aにより、磁石収容部10に、溶融した樹脂材6を注入する。詳細には、樹脂材6の温度が、第1温度T1以上でかつ第2温度T2未満の状態で、溶融した樹脂材6を注入する。なお、樹脂材6を注入する工程では、常温において固形状態の樹脂材6を第1温度T1において溶融させるとともに、溶融された樹脂材6を磁石収容部10に注入する。
[0052]
 具体的には、図6に示すように、樹脂注入部103aは、固定された状態である。そして、固定された状態の樹脂注入部103aに対して、治具20に押圧された状態の積層コア4dが上方に移動される。そして、永久磁石5が挿入された状態の磁石収容部10に、樹脂注入部103aの注入ノズル122が挿入される。そして、ストップバルブ123が開状態にされることにより、磁石収容部10に樹脂材6が充填される。磁石収容部10への樹脂材6の充填が終了した後、ストップバルブ123は、閉状態にされる。
[0053]
 また、本実施形態では、樹脂材6を注入する工程では、樹脂材6に圧力をかけながら、磁石収容部10に樹脂材6が注入される。そして、磁石収容部10に樹脂材6が充填されることにより、樹脂材6にかかる圧力が上昇して所定の閾値を超えるとともに、上昇した圧力を所定時間維持した後、樹脂材6の注入が停止される。たとえば、樹脂材6にかかる圧力が上昇して所定の閾値(8.5MPa程度)を超えた後、上昇した圧力が約5秒間維持される。なお、樹脂材6は、樹脂注入部103aに収容された樹脂材6のうち、必要量のみ、磁石収容部10に直接注入される。また、注入ノズル122の先端が、積層コア4dに当接される状態で、樹脂材6を磁石収容部10に注入してもよいし、注入ノズル122の先端が治具20に当接された状態(注入ノズル122が積層コア4dから離間した状態)で、樹脂材6を磁石収容部10に注入してもよい。
[0054]
 また、本実施形態では、樹脂材6を注入する工程では、樹脂注入部103aによって、積層コア4dを押圧する治具20に設けられた樹脂注入孔21bおよび樹脂注入孔23bを介して、磁石収容部10に樹脂材6を注入する。具体的には、樹脂注入部103aの注入ノズル122が、樹脂注入孔21bおよび樹脂注入孔23bに挿入される。そして、樹脂注入孔21bおよび樹脂注入孔23bに挿入された注入ノズル122から、磁石収容部10に樹脂材6が注入される。すなわち、本実施形態では、樹脂材6を注入する工程では、上方から、磁石収容部10に樹脂材6が注入される。
[0055]
 また、本実施形態では、樹脂材6を注入する工程では、断熱部材25が設けられた治具20に積層コア4dが配置された状態で、磁石収容部10に溶融した樹脂材6が注入される。すなわち、樹脂材6の熱が、治具20の位置決めプレート26に伝熱するのが、断熱部材25により抑制されている。
[0056]
 ここで、本実施形態では、ステップS5(図7参照)において、磁石収容部10に樹脂材6を注入する工程の後、樹脂注入部103a内に収容された樹脂材6の溶融状態を維持した状態で、樹脂注入装置103の樹脂注入部103aを、治具20によって押圧されている状態の積層コア4dに対して相対的に退避させる。つまり、樹脂注入部103a内に収容された樹脂材6の温度が第1温度T1となるように加熱された状態のまま、樹脂注入部103aを積層コア4dに対して相対的に退避させる。
[0057]
 また、本実施形態では、樹脂注入部103aを相対的に退避させる工程では、樹脂注入部103aによって、磁石収容部10に樹脂材6を注入した後、樹脂注入部103aからの樹脂材6の射出が樹脂注入部103aに設けられたストップバルブ123により遮断された状態(すなわち、ストップバルブ123が閉状態)で、樹脂注入部103aが相対的に退避される。また、樹脂注入部103aを相対的に退避させる工程では、樹脂材6にかける圧力を、樹脂材6を注入する工程において樹脂材6にかける圧力よりも低下させた状態で、樹脂注入部103aが相対的に退避される。
[0058]
 また、本実施形態では、樹脂注入部103aを相対的に退避させる工程では、樹脂注入部103aに対して、積層コア4dを離間させることにより、樹脂注入部103aを相対的に退避させる。つまり、樹脂注入部103aを移動させずに、樹脂注入部103aに対して、積層コア4dを下方に離間させることにより、樹脂注入部103aを積層コア4dに対して相対的に離間させる。
[0059]
 次に、図7に示すように、ステップS6において、樹脂注入部103aを相対的に退避させる工程の後、磁石収容部10に樹脂材6が注入された状態で、かつ、治具20により押圧されている状態の積層コア4dを加熱することによって、磁石収容部10内の樹脂材6が硬化される。具体的には、磁石収容部10に樹脂材6が注入された状態で、かつ、治具20により押圧されている状態の積層コア4dを、樹脂材6が硬化する第2温度T2以上で加熱することによって、磁石収容部10内の樹脂材6を硬化される。本実施形態では、磁石収容部10内の樹脂材6を硬化させる工程では、樹脂注入装置103とは別個に設けられた硬化用加熱装置104において、磁石収容部10内の樹脂材6が硬化される。
[0060]
 [本実施形態の効果]
 本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
[0061]
 本実施形態では、上記のように、磁石収容部(10)に樹脂材(6)を注入する工程の後、樹脂注入部(103a)内に収容された樹脂材(6)の溶融状態を維持した状態で、樹脂注入装置(103)の樹脂注入部(103a)を、治具(20)によって押圧されている状態の積層コア(4d)に対して相対的に退避させる工程と、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる工程の後、磁石収容部(10)に樹脂材(6)が注入された状態で、かつ、治具(20)により押圧されている状態の積層コア(4d)を加熱することによって、磁石収容部(10)内の樹脂材(6)を硬化させる工程とを備える。これにより、樹脂材(6)が硬化される際には、樹脂注入装置(103)の樹脂注入部(103a)が積層コア(4d)に対して相対的に退避されているので、樹脂注入部(103a)内に収容された樹脂材(6)が硬化することはない。その結果、樹脂注入部(103a)内の硬化された樹脂材(6)を予め取り除く必要もないので、樹脂注入部(103a)に収容された樹脂材(6)の全てを永久磁石(5)の固定(樹脂封止)のために用いることができる。これにより、樹脂材(6)の歩留まりを向上させることができる。また、治具(20)による積層コア(4d)の押圧が維持された状態で、樹脂注入部(103a)により、溶融した樹脂材(6)を注入する工程を備えることによって、積層された電磁鋼板(4a)の間の隙間が塞がれた状態で溶融した樹脂材(6)が注入されるので、樹脂材(6)が積層された電磁鋼板(4a)の間から漏れるのを抑制することができる。これにより、樹脂材(6)の歩留まりをより向上させることができる。
[0062]
 本実施形態では、上記のように、樹脂材(6)を注入する工程は、樹脂注入部(103a)により、磁石収容部(10)に、第1温度(T1)において溶融するとともに第1温度(T1)よりも高い第2温度(T2)において硬化する樹脂材(6)の温度が、第1温度(T1)以上でかつ第2温度(T2)未満の状態で、溶融した樹脂材(6)を注入する工程である。また、樹脂材(6)を硬化させる工程は、磁石収容部(10)に樹脂材(6)が注入された状態で、かつ、治具(20)により押圧されている状態の積層コア(4d)を、樹脂材(6)が硬化する第2温度(T2)以上で加熱することによって、磁石収容部(10)内の樹脂材(6)を硬化させる工程である。これにより、樹脂材(6)が第1温度(T1)において溶融するとともに第1温度(T1)よりも高い第2温度(T2)において硬化することによって、第1温度(T1)以上でかつ第2温度(T2)未満の状態の樹脂材(6)が、樹脂材(6)を注入する工程中に硬化するのを防止することができる。また、樹脂材(6)が注入された状態の積層コア(4d)を第2温度(T2)以上で加熱することによって、溶融した樹脂材(6)を確実に硬化させることができる。
[0063]
 また、本実施形態では、上記のように、磁石収容部(10)内の樹脂材(6)を硬化させる工程は、樹脂注入装置(103)とは別個に設けられた硬化用加熱装置(104)において、積層コア(4d)を第2温度(T2)以上で加熱することによって、磁石収容部(10)内の樹脂材(6)を硬化させる工程である。このように構成すれば、磁石収容部(10)内の樹脂材(6)が樹脂注入装置(103)とは別個に設けられた硬化用加熱装置(104)において硬化されるので、樹脂注入部(103a)内に収容された樹脂材(6)が硬化するのを確実に防止することができる。また、樹脂材(6)の硬化を樹脂注入装置(103)で行うと、樹脂材(6)の硬化を行っている間も樹脂注入装置(103)が占有されてしまう。そこで、上記のように構成することによって、樹脂材(6)の硬化を行っている間には、樹脂注入装置(103)が占有されなくなるので、効率よくロータ(1)を製造することができる。
[0064]
 また、本実施形態では、上記のように、樹脂材(6)を注入する工程は、常温において固形状態の樹脂材(6)を第1温度(T1)において溶融させるとともに、溶融された樹脂材(6)を磁石収容部(10)に注入する工程である。このように構成すれば、他の装置で溶融された樹脂材(6)を樹脂注入装置(103)に搬送することなく、固形状態の樹脂材(6)を溶融することと、溶融された樹脂材(6)を磁石収容部(10)に注入することとを樹脂注入装置(103)において連続的に行うことができるので、ロータ(1)の製造に要する時間を短縮することができる。
[0065]
 また、本実施形態では、上記のように、樹脂材(6)を注入する工程は、樹脂材(6)に圧力をかけながら、磁石収容部(10)に樹脂材(6)を注入するとともに、磁石収容部(10)に樹脂材(6)が充填されることにより、樹脂材(6)にかかる圧力が上昇して所定の閾値を超えるとともに、上昇した圧力を所定時間維持した後、樹脂材(6)の注入を停止させる工程である。ここで、樹脂材(6)の中には気泡が含まれている場合がある。この場合、樹脂材(6)にかかる圧力が上昇して所定の閾値を超えた時点で樹脂材(6)の注入を停止すると、樹脂材(6)の中には気泡が残存したままになり、硬化後の樹脂材(6)の強度(永久磁石(5)の封止強度)が低下する。そこで、上記のように、樹脂材(6)にかかる圧力が上昇して所定の閾値を超えるとともに、上昇した圧力を所定時間維持した後、樹脂材(6)の注入を停止させることによって、樹脂材(6)の中に残存する気泡の量を低減することができる。これにより、硬化後の樹脂材(6)の強度(永久磁石(5)の封止強度)を向上させることができる。
[0066]
 また、本実施形態では、上記のように、樹脂材(6)を注入する工程は、樹脂注入部(103a)によって、積層コア(4d)を押圧する治具(20)に設けられた孔部(21b、23b)を介して、磁石収容部(10)に樹脂材(6)を注入する工程である。このように構成すれば、治具(20)によって積層コア(4d)を押圧している状態を維持しながら、容易に、治具(20)に設けられた孔部(21b、23b)を介して磁石収容部(10)に樹脂材(6)を注入することができる。
[0067]
 また、本実施形態では、上記のように、治具(20)に積層コア(4d)を配置する工程は、断熱部材(25)が設けられた治具(20)に積層コア(4d)を配置する工程であり、樹脂材(6)を注入する工程は、断熱部材(25)が設けられた治具(20)に積層コア(4d)が配置された状態で、磁石収容部(10)に溶融した樹脂材(6)を注入する工程である。このように構成すれば、溶融された樹脂材(6)の温度(第1温度(T1))が、治具(20)に伝熱するのを断熱部材(25)によって防止することができる。
[0068]
 また、本実施形態では、上記のように、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる工程は、樹脂注入部(103a)によって、磁石収容部(10)に樹脂材(6)を注入した後、樹脂注入部(103a)からの樹脂材(6)の射出が樹脂注入部(103a)に設けられた遮断部(123)により遮断された状態で、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる工程である。このように構成すれば、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる際に、樹脂注入部(103a)から樹脂材(6)が漏れるのを遮断部(123)により防止することができる。その結果、樹脂材(6)の歩留まりをさらに向上させることができる。
[0069]
 また、本実施形態では、上記のように、樹脂材(6)を注入する工程は、樹脂材(6)に圧力をかけながら、磁石収容部(10)に、樹脂材(6)を注入する工程であり、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる工程は、樹脂材(6)にかける圧力を、樹脂材(6)を注入する工程において樹脂材(6)にかける圧力よりも低下させた状態で、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる工程である。このように構成すれば、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる際に樹脂材(6)にかかる圧力が低下されているので、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる際に、樹脂注入部(103a)から樹脂材(6)が漏れるのをさらに防止することができる。その結果、樹脂材(6)の歩留まりを一層向上させることができる。
[0070]
 また、本実施形態では、上記のように、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる工程は、樹脂注入部(103a)に対して、積層コア(4d)を離間させることにより、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる工程である。ここで、樹脂注入部(103a)(第2部分(120))は、樹脂材(6)を溶融した状態に維持するために、温度が管理されている。そして、樹脂注入部(103a)を移動させる場合、樹脂注入部(103a)の温度管理が困難になる(温度が変動する場合がある)。そこで、上記のように構成することによって、樹脂注入部(103a)(第2部分(120))は、移動されないので、樹脂注入部(103a)の温度管理を容易に行うことができる。
[0071]
 また、本実施形態では、上記のように、樹脂材(6)を注入する工程は、上方から、磁石収容部(10)に、樹脂材(6)を注入する工程であり、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる工程は、樹脂注入部(103a)に対して、積層コア(4d)を下方に離間させることにより、樹脂注入部(103a)を相対的に退避させる工程である。ここで、下方から磁石収容部(10)に樹脂材(6)を注入する場合、樹脂注入部(103a)を磁石収容部(10)から退避させると、樹脂材(6)を注入した後の磁石収容部(10)から樹脂材(6)が漏れてしまう。そこで、磁石収容部(10)から樹脂材(6)が漏れないように蓋をする必要がある。一方、上記のように、上方から磁石収容部(10)に樹脂材(6)を注入することによって、樹脂材(6)を注入した後の磁石収容部(10)からは樹脂材(6)が漏れないので、容易に、樹脂注入部(103a)を磁石収容部(10)から相対的に退避させることができる。
[0072]
 また、本実施形態では、上記のように、治具(20)に積層コア(4d)を配置する工程は、治具(20)に含まれる上方プレート(21)と治具(20)に含まれる下方プレート(24)とによって、積層コア(4d)が上下方向に挟み込まれるとともに押圧されるように、積層コア(4d)を治具(20)に配置する工程である。これにより、積層コア(4d)が上方プレート(21)と下方プレート(24)とによって挟み込まれるとともに押圧されることによって、積層コア(4d)を治具(20)に安定して固定することができる。
[0073]
 [変形例]
 なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
[0074]
 たとえば、上記実施形態では、樹脂注入装置103とは別個に設けられた硬化用加熱装置104において、磁石収容部10内の樹脂材6が硬化される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、樹脂注入装置103において(樹脂注入装置103から積層コア4dを移動させることなく)、積層コア4dを加熱することによって、磁石収容部10内の樹脂材6を硬化させてもよい。
[0075]
 また、上記実施形態では、組立装置101において、積層コア4dが治具20に配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、樹脂注入装置103において(樹脂注入装置103が配置される位置において)、積層コア4dを治具20に配置してもよい。
[0076]
 また、上記実施形態では、樹脂材6を注入する工程において、樹脂材6にかかる圧力が上昇して所定の閾値を超えるとともに、上昇した圧力を約5秒間維持した後、樹脂材6の注入を停止させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、上昇した圧力を維持する時間は、約5秒よりも短くてもよい。たとえば、約1秒以上約2秒以下などでもよい。
[0077]
 また、上記実施形態では、上方から、磁石収容部10に樹脂材6を注入する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、下方から、磁石収容部10に樹脂材6を注入してもよい。
[0078]
 また、上記実施形態では、樹脂注入部103aに対して、積層コア4dを下方に離間させることにより、樹脂注入部103aを相対的に退避させる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、積層コア4dに対して、樹脂注入部103aを上方に離間させることにより、樹脂注入部103aを相対的に退避させてもよい。

符号の説明

[0079]
 4 ロータコア
 4a 電磁鋼板
 4d 積層コア
 5 永久磁石
 6 樹脂材
 10 磁石収容部
 20 治具
 21 上方プレート
 21b、23b 樹脂注入孔(孔部)
 24 下方プレート
 103 樹脂注入装置
 103a 樹脂注入部
 104 硬化用加熱装置
 123 ストップバルブ(遮断部)
 200 製造システム
 T1 第1温度
 T2 第2温度

請求の範囲

[請求項1]
 複数の電磁鋼板が積層され、前記電磁鋼板の積層方向に延びる磁石収容部を有する積層コアを準備する工程と、
 前記磁石収容部に永久磁石を配置する工程と、
 前記積層コアを前記積層方向に押圧する治具に、前記積層コアを配置する工程と、
 前記治具による前記積層コアの押圧が維持された状態で、かつ、前記磁石収容部に前記永久磁石が挿入された状態で、樹脂注入装置に含まれる樹脂注入部により、前記磁石収容部に、溶融した樹脂材を注入する工程と、
 前記磁石収容部に前記樹脂材を注入する工程の後、前記樹脂注入部内に収容された前記樹脂材の溶融状態を維持した状態で、前記樹脂注入装置の前記樹脂注入部を、前記治具によって押圧されている状態の前記積層コアに対して相対的に退避させる工程と、
 前記樹脂注入部を相対的に退避させる工程の後、前記磁石収容部に前記樹脂材が注入された状態で、かつ、前記治具により押圧されている状態の前記積層コアを加熱することによって、前記磁石収容部内の前記樹脂材を硬化させる工程と、を備える、ロータコアの製造方法。
[請求項2]
 前記樹脂材を注入する工程は、前記樹脂注入部により、前記磁石収容部に、第1温度において溶融するとともに前記第1温度よりも高い第2温度において硬化する前記樹脂材の温度が、前記第1温度以上でかつ前記第2温度未満の状態で、溶融した前記樹脂材を注入する工程であり、
 前記樹脂材を硬化させる工程は、前記磁石収容部に前記樹脂材が注入された状態で、かつ、前記治具により押圧されている状態の前記積層コアを、前記樹脂材が硬化する前記第2温度以上で加熱することによって、前記磁石収容部内の前記樹脂材を硬化させる工程である、請求項1に記載のロータコアの製造方法。
[請求項3]
 前記磁石収容部内の前記樹脂材を硬化させる工程は、前記樹脂注入装置とは別個に設けられた硬化用加熱装置において、前記積層コアを前記第2温度以上で加熱することによって、前記磁石収容部内の前記樹脂材を硬化させる工程である、請求項2に記載のロータコアの製造方法。
[請求項4]
 前記樹脂材を注入する工程は、常温において固形状態の前記樹脂材を前記第1温度において溶融させるとともに、溶融された前記樹脂材を前記磁石収容部に注入する工程である、請求項2または請求項3のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法。
[請求項5]
 前記樹脂材を注入する工程は、前記樹脂材に圧力をかけながら、前記磁石収容部に前記樹脂材を注入するとともに、前記磁石収容部に前記樹脂材が充填されることにより、前記樹脂材にかかる圧力が上昇して所定の閾値を超えるとともに、上昇した圧力を所定時間維持した後、前記樹脂材の注入を停止させる工程である、請求項1~4のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法。
[請求項6]
 前記樹脂材を注入する工程は、前記樹脂注入部によって、前記積層コアを押圧する前記治具に設けられた孔部を介して、前記磁石収容部に前記樹脂材を注入する工程である、請求項1~5のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法。
[請求項7]
 前記治具に前記積層コアを配置する工程は、断熱部材が設けられた前記治具に前記積層コアを配置する工程であり、
 前記樹脂材を注入する工程は、前記断熱部材が設けられた前記治具に前記積層コアが配置された状態で、前記磁石収容部に溶融した前記樹脂材を注入する工程である、請求項1~6のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法。
[請求項8]
 前記樹脂注入部を相対的に退避させる工程は、前記樹脂注入部によって、前記磁石収容部に前記樹脂材を注入した後、前記樹脂注入部からの前記樹脂材の射出が前記樹脂注入部に設けられた遮断部により遮断された状態で、前記樹脂注入部を相対的に退避させる工程である、請求項1~7のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法。
[請求項9]
 前記樹脂材を注入する工程は、前記樹脂材に圧力をかけながら、前記磁石収容部に、前記樹脂材を注入する工程であり、
 前記樹脂注入部を相対的に退避させる工程は、前記樹脂材にかける圧力を、前記樹脂材を注入する工程において前記樹脂材にかける圧力よりも低下させた状態で、前記樹脂注入部を相対的に退避させる工程である、請求項1~8のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法。
[請求項10]
 前記樹脂注入部を相対的に退避させる工程は、前記樹脂注入部に対して、前記積層コアを離間させることにより、前記樹脂注入部を相対的に退避させる工程である、請求項1~9のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法。
[請求項11]
 前記樹脂材を注入する工程は、上方から、前記磁石収容部に、前記樹脂材を注入する工程であり、
 前記樹脂注入部を相対的に退避させる工程は、前記樹脂注入部に対して、前記積層コアを下方に離間させることにより、前記樹脂注入部を相対的に退避させる工程である、請求項10に記載のロータコアの製造方法。
[請求項12]
 前記治具に前記積層コアを配置する工程は、前記治具に含まれる上方プレートと前記治具に含まれる下方プレートとによって、前記積層コアが上下方向に挟み込まれるとともに押圧されるように、前記積層コアを前記治具に配置する工程である、請求項1~11のいずれか1項に記載のロータコアの製造方法。
[請求項13]
 複数の電磁鋼板が積層され、前記電磁鋼板の積層方向に延びる磁石収容部を有する積層コアを備えるロータコアの製造システムであって、
 前記磁石収容部に永久磁石が配置された前記積層コアを前記積層方向に押圧する治具と、
 前記治具による前記積層コアの押圧が維持された状態で、かつ、前記磁石収容部に前記永久磁石が挿入された状態で、樹脂注入部により、前記磁石収容部に、溶融した樹脂材を注入する樹脂注入装置と、を備え、
 前記樹脂注入部は、前記磁石収容部に前記樹脂材が注入された後、前記樹脂注入部内に収容された前記樹脂材の溶融状態を維持した状態で、前記治具によって押圧されている状態の前記積層コアに対して相対的に退避されるように構成されており、
 前記磁石収容部に前記樹脂材が注入された状態で、かつ、前記治具により押圧されている状態の前記積層コアを加熱することによって、前記磁石収容部内の前記樹脂材を硬化させるように構成されている、ロータコアの製造システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]