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1. WO2005010370 - 冷凍装置

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技術分野

[0001] 本発明は、冷凍装置に関し、特に、冷媒蒸発温度ゃ冷媒凝縮温度が異なる運転が 可能な複数系統の冷媒循環経路を有する冷媒回路を備えた冷凍装置に関するもの である。

背景技術 明

[0002] 従来より、冷凍サイクルを行う冷凍装置田が知られている。この冷凍装置は、室内を冷 暖房する空調機や、食品等を貯蔵する冷蔵庫、冷凍庫、またはショーケース等の冷 却機として広く利用されている。この冷凍装置には、室内の冷房と庫内の冷却の両方 を行うものがある(例えば、特開 2002—349980号公報参照)。この種の冷凍装置は 、例えばコンビニエンスストア等に設置されている。

[0003] 図 11に示すように、上記冷凍装置の冷媒回路 (100)は、 2台の圧縮機 (101,102)の 吐出管が合流して 1本の高圧ガス管 (103)に接続され、この高圧ガス管 (103)が室外熱 交換器 (104)の一端に接続されている。室外熱交換器 (104)の他端は、室内を空調す る空調熱交換器 (105)の一端と、庫内を冷却する冷却熱交換器 (106)の一端とに、液 管 (107)を介して分岐接続されている。液管の分岐管 (108,109)には、それぞれ膨張 弁 (110, 111)が設けられている。そして、空調熱交換器 (105)の他端は第 1の低圧ガス 管 (112)を介して一方の圧縮機 (101)の吸込側に接続され、冷却熱交換器 (106)の他 端は第 2の低圧ガス管 (113)を介して他方の圧縮機 (102)の吸込側に接続されている。 以上の構成により、冷媒回路 (100)は、空調熱交換器 (105)と冷却熱交換器 (106)とに ぉレ、て冷媒が異温度蒸発するようになってレ、る。

[0004]

しかし、上記冷凍装置では、各冷媒循環経路に 1台ずつ圧縮機 (101,102)が必要と なるため、圧縮機 (101, 102)を設置するために大きなスペースが必要になる。また、圧 縮機 (101, 102)が 2台であるため、 1台の場合と比べてコストが高くなるという問題もあ つた。

[0005] 本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、冷媒蒸 発温度ゃ冷媒凝縮温度が異なる運転が可能な複数系統の冷媒循環経路を持った 冷媒回路の冷凍装置を 1台の圧縮機で駆動できるようにして、設置スペースの削減と コストの低減を可能にすることである。

発明の開示

[0006] 本発明は、 1つのケーシング (11)内に 2つの圧縮機構 (31,32)を備えた圧縮機を、複 数系統の冷媒循環経路を有する冷媒回路 (90)に用いるようにしたものである。

[0007] 具体的に、本発明は、冷媒蒸発温度及び冷媒凝縮温度の少なくとも一方が異なる 運転が可能な複数系統の冷媒循環経路を有する冷媒回路 (90)を備えた冷凍装置を 前提としている。

[0008] そして、第 1の発明は、冷媒回路 (90)の圧縮機 (10)が、第 1の冷媒循環経路に接続 される第 1圧縮機構 (31)と第 2の冷媒循環経路に接続される第 2圧縮機構 (32)とを一 つのケーシング (11)内に備えてレ、ることを特徴としてレ、る。

[0009] この第 1の発明では、第 1圧縮機構 (31)から吐出された冷媒は冷媒回路 (90)の第 1 の冷媒循環経路を循環し、第 2圧縮機構 (32)から吐出された冷媒は冷媒回路 (90)の 第 2の冷媒循環経路を循環する。

[0010] 第 2の発明は、第 1の発明の冷凍装置において、第 1圧縮機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)の圧縮比が相違することを特徴としてレ、る。

[0011] この第 2の発明では、第 1圧縮機構 (31)から吐出された冷媒は冷媒回路 (90)の第 1 の冷媒循環経路を循環し、第 2圧縮機構 (32)から吐出された冷媒は冷媒回路 (90)の 第 2の冷媒循環経路を循環する。そして、第 1圧縮機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)の圧 縮比が異なるため、各冷媒循環経路には、それぞれに適した圧力の冷媒を供給でき る。

[0012] 第 3の発明は、第 1の発明の冷凍装置において、第 1圧縮機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)の押しのけ容積が相違することを特徴としている。

[0013] この第 3の発明では、第 1圧縮機構 (31)から吐出された冷媒は冷媒回路 (90)の第 1 の冷媒循環経路を循環し、第 2圧縮機構 (32)から吐出された冷媒は冷媒回路 (90)の 第 2の冷媒循環経路を循環する。そして、第 1圧縮機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)の押 しのけ容積が異なるため、各冷媒循環経路には、それぞれに適した循環量の冷媒を 供給できる。

[0014] また、第 4の発明は、第 1から第 3のいずれか 1の発明の冷凍装置において、第 1圧 縮機構 (31)及び第 2圧縮機構 (32)がスクロール圧縮機構であり、第 1平板部 (51)、第 1 可動側ラップ (53)、第 2平板部 (52)、及び第 2可動側ラップ (54)が順に積層されて一体 化された可動スクロール (50)と、第 1可動側ラップ (53)に嚙合する第 1固定側ラップ (42)と第 2可動側ラップ (54)に嚙合する第 2固定側ラップ (47)とを有する固定スクロー ル (40)とを備え、第 1固定側ラップ (42)と第 1可動側ラップ (53)により第 1圧縮機構 (31) が構成され、第 2固定側ラップ (47)と第 2可動側ラップ (54)により第 2圧縮機構 (32)が構 成されてレ、ることを特徴としてレ、る。

[0015] この第 4の発明では、第 1固定側ラップ (42)と第 1可動側ラップ (53)からなる第 1圧縮 機構 (31)と、第 2固定側ラップ (47)と第 2可動側ラップ (54)からなる第 2圧縮機構 (32)と を 2段にした 1台のスクロール圧縮機により、冷媒蒸発温度ゃ冷媒凝縮温度が異なる 運転が可能な 2系統の冷媒循環経路を有する冷媒回路 (90)を駆動することができる。

[0016] 第 5の発明は、第 1から第 3のいずれか 1の発明の冷凍装置において、第 1圧縮機 構 (31)及び第 2圧縮機構 (32)がスクロール圧縮機構であり、平板部 (55)の一方の面に 立設された第 1可動側ラップ (53)と該平板部 (55)の他方の面に立設された第 2可動側 ラップ (54)とを有する可動スクロール (50)と、第 1可動側ラップ (53)に嚙合する第 1固定 側ラップ (42)と第 2可動側ラップ (54)に嚙合する第 2固定側ラップ (47)とを有する固定 スクロール (40)とを備え、第 1固定側ラップ (42)と第 1可動側ラップ (53)により第 1圧縮 機構 (31)が構成され、第 2固定側ラップ (47)と第 2可動側ラップ (54)により第 2圧縮機 構 (31)が構成されてレ、ることを特徴としてレ、る。

[0017] この第 5の発明では、可動スクロール (50)の平板部 (55)を挟んで両側に配置された 第 1圧縮機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)とを有する 1台のスクロール圧縮機により、冷媒 蒸発温度ゃ冷媒凝縮温度が異なる運転が可能な 2系統の冷媒循環経路を有する冷 媒回路 (90)を駆動することができる。

[0018] 一効果一

上記第 1の発明によれば、冷媒回路 (90)の圧縮機 (10)が、第 1の冷媒循環経路に接

続される第 1圧縮機構 (31)と第 2の冷媒循環経路に接続される第 2圧縮機構 (32)とを 一つのケーシング (11)内に備えている。つまり、圧縮機 (10)を一台にしているため、設 置スペースが少なくて済むとともに、装置のコストも低減できる。

[0019] また、各冷媒循環経路に個別に圧縮機を設けると、溶接、ろう付けの箇所が増える ため、装置の経年劣化、振動などで冷媒が漏れ、効率が低下したり地球温暖化の要 因となりうるが、本発明では圧縮機 (10)がー台でよいのでそのような問題も防止できる

[0020] 上記第 2の発明によれば、第 1圧縮機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)の圧縮比が相違す るため、冷媒回路 (90)において、各冷媒循環経路の凝縮圧力と蒸発圧力の比 (圧力 比)で過圧縮や圧縮不足等のロスの少ない効率的な圧縮を行うことができる。

[0021] 上記第 3の発明によれば、第 1圧縮機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)の押しのけ容積が 相違するため、冷媒回路 (90)には、各冷媒循環経路に適した循環量の冷媒を供給で きる。

[0022] また、上記第 4の発明によれば、スクロール式の圧縮機構 (31,32)を 2段にした圧縮 機を用いているので、装置の大幅な小型化が可能となる。さらに、圧縮機構が一つの 従来のスクロール圧縮機の固定側ラップや可動側ラップを 2つずつ用いて第 1圧縮 機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)を構成できるので、従来のスクロール圧縮機と部品を共 用することもでき、コストダウンを実現できる。

[0023] 上記第 5の発明によれば、平板部 (55)の一方の面に立設された第 1可動側ラップ (53)と該平板部 (55)の他方の面に立設された第 2可動側ラップ (54)とを有する可動ス クロール (50)を用いているので、部品点数を少なくでき、コストダウンを図ることができ る。

図面の簡単な説明

[0024] [図 1]実施形態 1におけるスクロール圧縮機の構成を示す概略断面図である。

[図 2]図 1のスクロール圧縮機の要部を示す拡大断面図である。

[図 3]固定スクロールの第 1固定側部材を示す断面図である。

[図 4]可動スクロールを示す断面図である。

[図 5]第 1固定側部材及び可動スクロールを示す平面図である。

[図 6]図 1のスクロール圧縮機を用いた冷媒回路の構成図である。

[図 7]実施形態 2の冷媒回路の構成図である。

[図 8]実施形態 2の第 1の変形例に係る冷媒回路の構成図である。

[図 9]実施形態 2の第 2の変形例に係る冷媒回路の構成図である。

[図 10]実施形態 3のスクロール圧縮機の部分断面図である。

[図 11]従来の冷凍装置の冷媒回路図である。

発明を実施するための最良の形態

[0025] 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下に示す各実施 形態は、冷媒回路の圧縮機構がスクロール圧縮機により構成された冷凍装置に関す るものである。

[0026] 《発明の実施形態 1》

まず、実施形態 1につレ、てスクロール圧縮機から説明する。

[0027] 図 1に示すように、上記スクロール圧縮機 (10)は、縦長で円筒形の密閉容器状に形 成されたケーシング (11)を備えている。ケーシング (11)の内部には、上から下へ向か つて順に、本体機構 (30)と、電動機 (16)と、下部軸受 (19)とが配置されている。また、ケ 一シング (11)の内部には、上下に延びる駆動軸 (20)が回転軸として設けられている。

[0028] ケーシング (11)の内部は、本体機構 (30)のハウジング (33)によって上下に仕切られ ている。このケーシング (11)の内部は、ハウジング (33)の上方の空間が低圧室 (12)とな り、その下方の空間が高圧室 (13)となっている。

[0029] 高圧室 (13)には、電動機 (16)と下部軸受 (19)とが収納されている。電動機 (16)は、固 定子 (17)と回転子 (18)とを備えている。固定子 (17)は、ケーシング (11)の胴部に固定さ れている。一方、回転子 (18)は、駆動軸 (20)における上下方向の中央部に固定され ている。下部軸受 (19)は、ケーシング (11)の胴部に固定されている。この下部軸受 (19) は、駆動軸 (20)の下端部を回転自在に支持している。

[0030] ケーシング (11)には、管状の吐出ポート(第 1吐出ポート) (74)が設けられている。こ の第 1吐出ポート (74)は、その一端が高圧室 (13)における電動機 (16)よりも上方の空 間に開口している。

[0031] 本体機構 (30)のハウジング (33)には、これを上下に貫通する主軸受 (34)が形成され ている。駆動軸 (20)は、この主軸受 (34)に揷通され、主軸受 (34)によって回転自在に 支持されている。駆動軸 (20)において、ハウジング (33)の上部に突出する上端部分は 、偏心部 (21)を構成している。偏心部 (21)は、駆動軸 (20)の中心軸に対して偏心して いる。

[0032] 駆動軸 (20)には、ハウジング (33)と固定子 (17)の間にバランスウェイト (25)が取り付け られている。また、駆動軸 (20)には、図示しないが、給油通路が形成されている。ハウ ジング (33)の底部に溜まった冷凍機油は、駆動軸の下端に設けられた給油ポンプ (26)の作用によって駆動軸 (20)の下端から吸い上げられ、給油通路を通って各部へ 供給される。更に、駆動軸 (20)には、吐出通路 (22)が形成されている。この吐出通路 (22)については後述する。

[0033] 図 2にも示すように、低圧室 (12)には、本体機構 (30)の固定スクロール (40)及び可動 スクロール (50)が収納されている。この本体機構 (30)では、第 1圧縮機構 (31)と第 2圧 縮機構 (32)とが形成されている。また、低圧室 (12)には、ォノレダムリング (39)が収納さ れている。

[0034] 固定スクロール (40)は、第 1固定側部材 (41)と第 2固定側部材 (46)とによって構成さ れている。固定スクロール (40)を構成する第 1固定側部材 (41)及び第 2固定側部材

(46)は、ハウジング (33)に固定されている。

[0035] 図 3にも示すように、第 1固定側部材 (41)は、第 1固定側ラップ (42)と第 1外周部 (43) とを備えている。尚、図 3は、図 2の A-A断面における第 1固定側部材 (41)だけを図 示したものである。

[0036] 第 1固定側ラップ (42)は、高さが一定の渦巻き壁状に形成されている。一方、第 1外 周部 (43)は、第 1固定側ラップ (42)の周りを囲む厚肉のリング状に形成されると共に、 第 1固定側ラップ (42)と一体に形成されている。つまり、第 1固定側部材 (41)では、第 1 外周部 (43)の内周面から第 1固定側ラップ (42)が突き出ている。また、第 1外周部 (43) には、揷通孔 (44)とボルト孔 (45)とが 3つずつ形成されている。第 1固定側部材 (41)は 、このボルト孔 (45)に通されたボルトによってハウジング (33)に締結固定される。

[0037] 第 1固定側部材 (41)には、管状の吸入ポート(第 1吸入ポート) (73)の一端が揷入さ れている(図 2参照)。この第 1吸入ポート (73)は、ケーシング (11)の上端部を貫通して 設けられている。第 1固定側部材 (41)における第 1吸入ポート (73)の下部には、吸入 逆止弁 (35)が設けられている。この吸入逆止弁 (35)は、弁体 (36)とコイルばね (37)とに よって構成されている。弁体 (36)は、キャップ状に形成されており、第 1吸入ポート (73) の下端を塞ぐように設置されている。また、この弁体 (36)は、コイルばね (37)によって 第 1吸入ポート (73)の下端に押し付けられている。

[0038] 図 2に示すように、第 2固定側部材 (46)は、第 2固定側ラップ (47)と、第 2外周部 (48) と、第 3平板部 (49)とを備えている。第 2固定側部材 (46)の全体の形状は、第 1固定側 部材 (41)よりも肉厚が薄くて小径の円板状となっている。第 3平板部 (49)は、円板状に 形成されており、第 2固定側部材 (46)における上部に配置されている。第 2外周部 (48)は、第 3平板部 (49)と一体に形成され、該第 3平板部 (49)から下方へ延びている。 第 2外周部 (48)の形状は、第 3平板部 (49)と外径の等しい肉厚のリング状となっている

[0039] 第 2固定側部材 (46)において、第 2固定側ラップ (47)は、第 2外周部 (48)の内側に配 置され、第 3平板部 (49)と一体に形成されている。この第 2固定側ラップ (47)は、第 1固 定側ラップ (42)よりも低い渦巻き壁状に形成され、第 3平板部 (49)の下面から下方へ 延びている。また、第 2固定側ラップ (47)は、その渦巻き方向が第 1固定側ラップ (42) の渦巻き方向と同方向になっている。つまり、第 1固定側ラップ (42)と第 2固定側ラッ プ (47)は、レ、ずれも右卷の渦巻き壁状に形成されてレ、る (図 3参照)。

[0040] 第 2固定側部材 (46)には、管状の吸入ポート(第 2吸入ポート) (76)の一端が揷入さ れている。この第 2吸入ポート (76)は、ケーシング (11)の上端部を貫通して設けられて いる。また、第 2固定側部材 (46)の第 3平板部 (49)には、その中央部に吐出口(第 2吐 出口) (66)が形成されている。この第 2吐出口 (66)は、第 3平板部 (49)を貫通するように 形成されている。第 2吐出口 (66)には、管状の吐出ポート(第 2吐出ポート) (75)の一 端が挿入されている。この第 2吐出ポート (75)は、ケーシング (11)の上端部を貫通して 設けられている。

[0041] 可動スクロール (50)は、第 1平板部 (51)と、第 1可動側ラップ (53)と、第 2平板部 (52)と 、第 2可動側ラップ (54)と、これらを順に積層して一体化するための支柱部材 (61)とを 備えている。第 1可動側ラップ (53)は、第 1平板部 (51)と一体に形成されている。一方

、第 2可動側ラップ (54)は、第 2平板部 (52)と一体に形成されている。可動スクロール (50)では、第 1可動側ラップ (53)と一体の第 1平板部 (51)の上面に 3つの支柱部材 (61) が立設され、第 2可動側ラップ (54)と一体の第 2平板部 (52)が支柱部材 (61)の上に載 置されている。そして、可動スクロール (50)では、積み重ねられた第 1平板部 (51)と支 柱部材 (61)と第 2平板部 (52)とがボルト (62)によって締結されている。

[0042] 第 1平板部 (51)及び第 1可動側ラップ (53)について、図 2,図 4,図 5を参照しながら 説明する。尚、図 4は、図 2の A— A断面における可動スクロール (50)だけを図示した ものである。また、図 5は、図 2の A— A断面における第 1固定側部材 (41)及び可動スク ロール (50)を図示したものである。

[0043] 図 4に示すように、第 1平板部 (51)は、概ね円形の平板状に形成されている。この第 1平板部 (51)は、その前面(図 2における上面)が第 1固定側ラップ (42)の下端面と摺 接する。第 1平板部 (51)には、半径方向へ膨出した部分が 3つ形成されており、その 部分のそれぞれに支柱部材 (61)が 1つずっ立設されている。支柱部材 (61)は、やや 厚肉で管状の部材であって、第 1平板部 (51)とは別体に形成されている。

[0044] 第 1可動側ラップ (53)は、高さが一定の渦巻き壁状に形成され、第 1平面部の前面 側(図 2における上面側)に立設されている。この第 1可動側ラップ (53)は、第 1固定側 部材 (41)の第 1固定側ラップ (42)と互いに嚙み合わされる(図 5参照)。そして、第 1可 動側ラップ (53)は、その側面が第 1固定側ラップ (42)の側面と摺接する。

[0045] 図 2に示すように、第 2平板部 (52)は、第 1平板部 (51)と概ね同形状の平板状に形成 されている。この第 2平板部 (52)は、その背面(図 2における下面)が第 1固定側ラップ (42)の上端面と摺接し、その前面(図 2における上面)が第 2固定側ラップ (47)の下端 面と摺接する。

[0046] 第 2平板部 (52)の前面側(図 2における上面側)には、第 2可動側ラップ (54)が立設 されている。この第 2可動側ラップ (54)は、その渦巻き方向が第 1可動側ラップ (53)の 渦巻き方向と同方向になっている。つまり、第 1可動側ラップ (53)と第 2可動側ラップ (54)は、レ、ずれも右卷の渦巻き壁状に形成されてレ、る(図 4参照)。

[0047] 本体機構 (30)では、第 1固定側ラップ (42)と第 1可動側ラップ (53)と第 1平板部 (51)と 第 2平板部 (52)とによって、第 1圧縮室 (71)が形成されている。そして、可動スクロール (50)の第 1平板部 (51)、第 2平板部 (52)、及び第 1可動側ラップ (53)と、第 1固定側ラッ プ (42)を備える固定スクロール (40)の第 1固定側部材 (41)とが、第 1圧縮機構 (31)を形 成している。

[0048] また、本体機構 (30)では、第 2固定側ラップ (47)と第 2可動側ラップ (54)と第 2平板部 (52)と第 3平板部 (49)とによって、第 2圧縮室 (72)が形成されている。そして、可動スク ロール (50)の第 2平板部 (52)及び第 2可動側ラップ (54)と、第 3平板部 (49)及び第 2固 定側ラップ (47)を備える固定スクロール (40)の第 2固定側部材 (46)とが、第 2圧縮機構 (32)を形成している。

[0049] また、上記本体機構 (30)では、第 2圧縮機構 (32)における圧縮比が第 1圧縮機構 (31)における圧縮比よりも大きくなつている。つまり、第 2圧縮室 (72)における最小容 積に対する最大容積の比は、第 1圧縮室 (71)における最小容積に対する最大容積の 比よりも大きな値に設定されている。尚、ここでは、第 2圧縮機構 (32)における圧縮比 を第 1圧縮機構 (31)における圧縮比よりも大きく設定しているが、スクロール圧縮機 (10)の使用条件によっては、第 2圧縮機構 (32)における圧縮比が第 1圧縮機構 (31)に おける圧縮比よりも小さく設定される場合もあり得るし、両圧縮機構 (31,32)の圧縮比 が同じ場合もあり得る。

[0050] さらに、上記本体機構 (30)では、第 2圧縮機構 (32)における押しのけ容積が第 1圧 縮機構 (31)における押しのけ容積よりも少なくなつている。ただし、スクロール圧縮機 (10)の使用条件によっては、第 2圧縮機構 (32)における押しのけ容積が第 1圧縮機構 (31)における押しのけ容積よりも多く設定される場合もあり得るし、両圧縮機構 (31,32) の押しのけ容積が同じ場合もあり得る。

[0051] 可動スクロール (50)の第 1平板部 (51)には、その中央部に吐出口(第 1吐出口) (63) が形成されている。この第 1吐出口 (63)は、第 1平板部 (51)を貫通している。また、この 第 1平板部 (51)には、軸受部 (64)が形成されている。この軸受部 (64)は、略円筒状に 形成され、第 1平板部 (51)の背面側(図 2における下面側)に突設されている。更に、 軸受部 (64)の下端部には、鍔状の鍔部 (65)が形成されている。

[0052] 軸受部 (64)の鍔部 (65)の下面とハウジング (33)の間には、シールリング (38)が設けら れている。このシールリング (38)の内側には、駆動軸 (20)の給油通路を通じて高圧の

冷凍機油が供給されている。シールリング (38)の内側へ高圧の冷凍機油を送り込むと 、鍔部 (65)の底面に油圧が作用して可動スクロール (50)が上方へ押し上げられる。

[0053] 第 1平板部 (51)の軸受部 (64)には、駆動軸 (20)の偏心部 (21)が揷入されている。偏 心部 (21)の上端面には、吐出通路 (22)の入口端が開口している。この吐出通路 (22) は、その入口端付近がやや大径に形成され、その内部に筒状シール (23)とコイルば ね (24)とが設置されている。筒状シール (23)は、その内径が第 1吐出口 (63)の直径より も僅かに大きい管状に形成され、コイルばね (24)によって第 1平板部 (51)の背面に押 し付けられている。また、吐出通路 (22)の出口端は、駆動軸 (20)の側面における固定 子 (17)と下部軸受 (19)の間に開口している(図 1参照)。

[0054] 第 1平板部 (51)とハウジング (33)の間には、ォノレダムリング (39)が介設されている。こ のォノレダムリング (39)は、図示しないが、第 1平板部 (51)と係合する一対のキーと、ノ、 ウジング (33)と係合する一対のキーとを備えている。そして、ォノレダムリング (39)は、可 動スクロール (50)の自転防止機構を構成してレ、る。

[0055] 図 6に示すように、本実施形態のスクロール圧縮機 (10)は、冷凍装置の冷媒回路

(90)に設けられる。この冷媒回路 (90)では、冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクル が行われる。

[0056] 上記冷媒回路 (90)には、凝縮器 (91,94)と膨張弁 (92,95)とが 2つずつ設けられてい る。この冷媒回路 (90)において、第 2凝縮器 (94)での冷媒凝縮温度は、第 1凝縮器

(91)での冷媒凝縮温度よりも高く設定されている。

[0057] 冷媒回路 (90)において、第 1凝縮器 (91)は、その一端力スクロール圧縮機 (10)の第 1 吐出ポート (74)に接続され、その他端が第 1膨張弁 (92)の一端に接続されている。一 方、第 2凝縮器 (94)は、その一端力スクロール圧縮機 (10)の第 2吐出ポート (75)に接続 され、その他端が第 2膨張弁 (95)の一端に接続されている。第 1膨張弁 (92)及び第 2 膨張弁 (95)の他端は、合流して蒸発器 (93)の一端に接続されている。蒸発器 (93)の 他端は、分岐してスクロール圧縮機 (10)の第 1吸入ポート (73)及び第 2吸入ポート (76) に接続されている。

[0058] 一運転動作一

スクロール圧縮機 (10)において、電動機 (16)で発生した回転動力は、駆動軸 (20)に

よって可動スクロール (50)に伝達される。駆動軸 (20)の偏心部 (21)と係合する可動スク ロール (50)は、オルダムリング (39)によって案内され、自転することなく公転運動だけ を行う。

[0059] 可動スクロール (50)の公転運動に伴レ、、蒸発器 (93)で蒸発した低圧冷媒が第 1吸入 ポート (73)と第 2吸入ポート (76)へ吸入される。この低圧冷媒は、第 1圧縮室 (71)及び 第 2圧縮室 (72)へ流入する。そして、可動スクロール (50)の第 1可動側ラップ (53)が移 動するにつれて第 1圧縮室 (71)の容積が小さくなり、第 1圧縮室 (71)内の冷媒が圧縮 されるとともに、第 2可動側ラップ (54)が移動するに連れて第 2圧縮室 (72)の容積が小 さくなり、第 2圧縮室 (72)の冷媒が圧縮される。

[0060] 第 1圧縮室 (71)で圧縮された冷媒は、吐出口 (63)を通って吐出通路 (22)へ流入する 。その後、高圧冷媒は、吐出通路 (22)から高圧室 (13)へ流入し、第 1吐出ポート (74)を 通ってケーシング (11)から送り出される。また、第 2圧縮室 (72)で圧縮された冷媒は、 第 2吐出ポート (75)を通ってケーシング (11)から送り出される。

[0061] このように、スクロール圧縮機 (10)では、第 1圧縮機構 (31)で圧縮された冷媒が第 1 吐出ポート (74)から吐出され、第 2圧縮機構 (32)で圧縮された冷媒が第 2吐出ポート (75)から吐出される。第 2吐出ポート (75)から吐出された冷媒の圧力は、第 1吐出ポー ト (74)から吐出された冷媒の圧力よりも高くなつている。第 1吐出ポート (74)から吐出さ れた冷媒は、第 1凝縮器 (91)で凝縮した後に第 1膨張弁 (92)で減圧される。一方、第 2吐出ポート (75)から吐出された冷媒は、第 2凝縮器 (94)で凝縮した後に第 2膨張弁 (95)で減圧される。

[0062] 第 1膨張弁 (92)で減圧された冷媒と第 2膨張弁 (95)で減圧された冷媒とは、合流し た後に蒸発器 (93)へ導入されて蒸発し、その後に二手に分流される。分流された一 方の冷媒は、第 1吸入ポート (73)を通じて第 1圧縮機構 (31)の第 1圧縮室 (71)へ吸入 される。一方、分流された残りの冷媒は、第 2吸入ポート (76)を通じて第 2圧縮機構 (32)の第 2圧縮室 (72)へ吸入される。

[0063] このように、本実施形態によれば、冷媒凝縮温度の相違する 2つの凝縮器 (91,94)が 設けられた冷媒回路 (90)において、 1台のスクロール圧縮機 (10)だけで冷媒の圧縮を 行うことができ、冷凍装置の構成を簡素化できる。

[0064] —実施形態 1の効果一

この実施形態 1では、冷媒凝縮温度が異なる 2系統 (複数系統)の冷媒循環経路を 有する冷媒回路 (90)を備えた冷凍装置において、 2つの圧縮機構 (31,32)を有する 1 台のスクロール圧縮機 (10)で冷媒回路 (90)を駆動できる。そして、第 1圧縮機構 (31)と 第 2圧縮機構 (32)の圧縮比と押しのけ容積が異なるため、各冷媒循環経路には、そ れぞれに適した圧力比と循環量の冷媒を供給でき、ロスの少なレ、効率的な運転を行 うことができる。また、圧縮機 (10)を一台にしているため、設置スペースが少なくて済 むとともに、装置のコストも低減できる。

[0065] さらに、この実施形態 1では、圧縮機構 (31,32)を 2段に重ねたスクロール圧縮機 (10) を用いており、圧縮機構が第 1圧縮機構 (31)だけのもの(第 2平板部 (52)に第 2可動 側ラップ (54)がなぐ第 2固定部材 (46)も第 2吸入ポート (76)·第 2吐出ポート (75)もない もの)に、第 2可動側ラップ (54)が付いた第 2平板部 (52)と第 2固定部材 (46)と第 2吸入 ポート (76) ·第 2吐出ポート (75)だけを付加すればこの圧縮機になるので、従来のスク ロール圧縮機と部品を共用することもでき、その点でもコストダウンを実現できる。

[0066] また、どちらか一方の系統の圧縮比が大きぐ吐出ガス温度が高くなる条件であつ ても、上下の圧縮室 (71, 72)で発生する熱が中間にある平板部 (52)を介して移動する ため、温度上昇が緩和される。したがって、装置の信頼性を高められる。

[0067] 《発明の実施形態 2》

本発明の実施形態 2について説明する。この実施形態 2は、図 7に示すように、冷 媒回路 (90)の構成が実施形態 1と異なるものである。スクロール圧縮機 (10)の構成は 実施形態 1と同じである。そこで、冷媒回路 (90)の構成についてのみ説明する。

[0068] この冷媒回路 (90)には、膨張弁 (92,95)と蒸発器 (93,96)とが 2つずつ設けられてレ、る 。この冷媒回路 (90)において、第 2蒸発器 (96)での冷媒蒸発温度は、第 1蒸発器 (93) での冷媒蒸発温度よりも低く設定されている。

[0069] 冷媒回路 (90)において、スクロール圧縮機 (10)の第 1吐出ポート (74)及び第 2吐出ポ ート (75)は、合流して凝縮器 (91)の一端に接続されている。凝縮器 (91)の他端は、分 岐して第 1膨張弁 (92)と第 2膨張弁 (95)とに接続されている。第 1蒸発器 (93)は、その 一端が第 1膨張弁 (92)に接続され、その他端力 Sスクロール圧縮機 (10)の第 1吸入ポー ト (73)に接続されている。第 2蒸発器 (96)は、その一端が第 2膨張弁 (95)に接続され、 その他端力 Sスクロール圧縮機 (10)の第 2吸入ポート (76)に接続されている。

[0070] スクロール圧縮機 (10)では、第 1圧縮機構 (31)で圧縮された冷媒が第 1吐出ポート (74)から吐出され、第 2圧縮機構 (32)で圧縮された冷媒が第 2吐出ポート (75)から吐出 される。第 1吐出ポート (74)及び第 2吐出ポート (75)からは、同じ圧力の冷媒が吐出さ れる。第 1吐出ポート (74)及び第 2吐出ポート (75)から吐出された冷媒は、凝縮器 (91) で凝縮し、その後に凝縮器 (91)から流出して二手に分流される。

[0071] 分流された一方の冷媒は、第 1膨張弁 (92)で減圧された後に第 1蒸発器 (93)で蒸発 し、第 1吸入ポート (73)を通じて第 1圧縮機構 (31)の第 1圧縮室 (71)へ吸入される。一 方、分流された残りの冷媒は、第 2膨張弁 (95)で減圧された後に第 2蒸発器 (96)で蒸 発し、第 2吸入ポート (76)を通じて第 2圧縮機構 (32)の第 2圧縮室 (72)へ吸入される。 その際、冷媒回路 (90)では、第 2膨張弁 (95)の開度が第 1膨張弁 (92)の開度よりも小さ く設定され、第 2蒸発器 (96)での冷媒蒸発圧力が第 1蒸発器 (93)での冷媒蒸発圧力 よりも低く設定される。

[0072] この実施形態 2では、冷媒蒸発温度が異なる 2系統 (複数系統)の冷媒循環経路を 有する冷媒回路 (90)を備えた冷凍装置において、 2つの圧縮機構 (31,32)を有する 1 台のスクロール圧縮機 (10)で冷媒回路 (90)を駆動できる。そして、第 1圧縮機構 (31)と 第 2圧縮機構 (32)の圧縮比と押しのけ容積が異なるため、各冷媒循環経路には、そ れぞれに適した圧力比の冷媒をそれぞれに適した循環量で供給でき、ロスの少なレ、 効率的な運転を行うことができる。また、圧縮機 (10)を一台にしているため、設置スぺ ースが少なくて済むとともに、装置のコストも低減できる。

[0073] 一実施形態 2の変形例一

実施形態 2におレ、て、冷媒回路 (90)は図 8に示すように構成してもよレ、。

[0074] この冷媒回路 (90)にも、膨張弁 (92,95)と蒸発器 (93,96)とが 2つずつ設けられている 。また、第 2蒸発器 (96)での冷媒蒸発温度が、第 1蒸発器 (93)での冷媒蒸発温度より も低く設定されている点も、図 7の例と同じである。

[0075] この例では、スクロール圧縮機 (10)の第 1吐出ポート (74)は、凝縮器 (91)の一端に接 続されている。凝縮器 (91)の他端は、分岐して第 1膨張弁 (92)と第 2膨張弁 (95)とに接 続されている。第 1蒸発器 (93)は、その一端が第 1膨張弁 (92)に接続され、その他端 力 Sスクロール圧縮機 (10)の第 i吸入ポート (73)に接続されている。第 2蒸発器 (96)は、 その一端が第 2膨張弁 (95)に接続され、その他端力 Sスクロール圧縮機 (10)の第 2吸入 ポート (76)に接続されている。また、スクロール圧縮機 (10)の第 2吐出ポート (75)は、第 1蒸発器 (93)と第 1吸入ポート (73)の間の吸入配管に接続されている。

[0076] この例では、冷媒回路 (90)における冷媒の総循環量のうち、例えば 90%が第 1蒸 発器 (93)を流れ、残りの 10%が第 2蒸発器 (96)を流れる。

[0077] スクロール圧縮機 (10)では、第 1圧縮機構 (31)で圧縮された冷媒が第 1吐出ポート (74)から吐出され、第 2圧縮機構 (32)で圧縮された冷媒が第 2吐出ポート (75)から吐出 される。第 1吐出ポート (74)からは、第 2吐出ポート (75)からよりも高い圧力の冷媒が吐 出される。第 1吐出ポート (74)から吐出された冷媒は、凝縮器 (91)で凝縮し、その後に 凝縮器 (91)から流出して二手に分流される。

[0078] 分流された一方の冷媒は、第 1膨張弁 (92)で減圧された後に第 1蒸発器 (93)で蒸発 し、第 2吐出ポート (75)から吐出された冷媒と合流した後、第 1吸入ポート (73)を通じて 第 1圧縮機構 (31)の第 1圧縮室 (71)へ吸入される。一方、凝縮器 (91)の下流で分流さ れた残りの冷媒は、第 2膨張弁 (95)で減圧された後に第 2蒸発器 (96)で蒸発し、第 2 吸入ポート (76)を通じて第 2圧縮機構 (32)の第 2圧縮室 (72)へ吸入される。その際、冷 媒回路 (90)では、第 2膨張弁 (95)の開度が第 1膨張弁 (92)の開度よりも小さく設定され 、第 2蒸発器 (96)での冷媒蒸発圧力が第 1蒸発器 (93)での冷媒蒸発圧力よりも低く設 定される。また、第 2吐出ポート (75)から吐出された冷媒は、第 1吸入ポート (73)から第 1圧縮機構 (31)に吸入され、 2段圧縮される。

[0079] この実施形態 2では、冷媒蒸発温度が異なる 2系統 (複数系統)の冷媒循環経路を 有する冷媒回路 (90)を備えた冷凍装置において、 2つの圧縮機構 (31,32)を有する 1 台のスクロール圧縮機 (10)で冷媒回路 (90)を駆動できる。そして、第 1圧縮機構 (31)と 第 2圧縮機構 (32)の圧縮比と押しのけ容積が異なるため、各冷媒循環経路には、そ れぞれに適した圧力比の冷媒をそれぞれに適した循環量で供給でき、ロスの少なレ、 効率的な運転を行うことができる。また、圧縮機 (10)を一台にしているため、設置スぺ ースが少なくて済むとともに、装置のコストも低減できる。

[0080] また、図 7の例において、第 1の蒸発温度と第 2の蒸発温度の温度差が大きい場合 (この冷媒回路 (90)を冷蔵と冷凍、または空調と冷凍など適用する場合)には、第 2圧 縮機構 (32)の必要圧縮比が大きくなり、冷媒の漏れ量が増えたり、吐出温度が高くな りすぎたりするおそれがあるが、この図 8の変形例では 2段圧縮を採用したことによつ て第 2圧縮機構 (32)を過度に大きな圧縮比で運転しなくてもよいため、冷媒の漏れ量 を抑えることができるうえ、第 2圧縮機構 (32)からの吐出ガスを第 1圧縮機構 (31)への 吸入ガスと混合することにより過度の温度上昇も抑えられる。また、第 2圧縮機構 (32) の吐出温度が上昇しすぎると冷媒ガスや潤滑油の劣化の原因にもなるが、そのような 問題も防止できる。

[0081] 一方、第 1の蒸発温度と第 2の蒸発温度の温度差が小さい場合は、第 2圧縮機構 (32)の必要圧縮比もそれほど大きくならないため、図 8のように 2段で圧縮すると吐出 ロスが問題になるおそれがあり、その場合は図 7の構成を採用するとよい。

[0082] そこで、冷媒回路 (90)を、図 9に示すように、図 7の回路と図 8の回路に切り換えるこ とができるように構成するとよい。この例では、図 8の冷媒回路 (90)において、第 2吐 出ポート (75)に接続された吐出配管が、第 1蒸発器 (93)と第 1吸入ポート (73)の間の吸 入配管に合流する手前に三方切換弁 (97)を設け、この三方切換弁 (97)を第 1吐出ポ ート (74)に接続された吐出配管に接続している。

[0083] このようにすると、図 7の冷媒回路 (90)と図 8の冷媒回路 (90)を適宜切り換えて運転 できるため、冷媒回路の運転条件等にあわせた運転が可能になる。

[0084] 《発明の実施形態 3》

本発明の実施形態 3について説明する。この実施形態 3のスクロール圧縮機 (10)は 、本体機構 (30)の構造が実施形態 1 , 2とは異なる例である。

[0085] この本体機構 (30)は、可動スクロール (50)をいわゆる両歯型に構成したものである。

この可動スクロール (50)は、図 10に示すように、一枚の平板部 (55)と、この平板部 (55) の下面に形成された第 1可動側ラップ (53)と、平板部 (55)の上面に形成された第 2可 動側ラップ (54)とを備えている。上記可動スクロール (50)の平板部 (55)の下面には軸 受部 (64)が形成され、該軸受部 (64)には駆動軸 (20)の偏心部 (21)が揷入されている。

[0086] 固定スクロール (40)は、上記可動スクロール (50)の下方の位置でケーシング (11)に 固定された第 1固定側部材 (41)と、第 1固定側部材 (41)の上面に固定された第 2固定 側部材 (46)とを備えている。第 1固定側部材 (41)には、上記第 1可動側ラップ (53)が嚙 合する第 1固定側ラップ (42)が形成され、第 2固定側部材 (46)には、上記第 2可動側 ラップ (54)が嚙合する第 2固定側ラップ (47)が形成されている。そして、第 1固定側部 材 (41)と可動スクロール (50)とによって第 1圧縮機構 (31)の第 1圧縮室 (71)が形成され 、第 2固定側部材 (46)と可動スクロール (50)とによって第 2圧縮機構 (32)の第 2圧縮室 (72)が形成されている。第 1圧縮機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)は、実施形態 1, 2と同 様に、圧縮比と押しのけ容積が相違している。

[0087] 第 2固定部材 (46)と可動スクロール (50)との間には、可動スクロール (50)の自転を防 止するォノレダムリング (39)が装着されている。また、第 1固定側部材 (41)は主軸受 (34) を有し、該主軸受 (34)によって駆動軸 (20)が回転自在に支持されている。

[0088] ケーシング (11)内には、本体機構 (30)のすぐ上方に仕切板 (85)が固定されている。

この仕切板 (85)には第 2固定側部材 (46)の上端部 (86)が挿入されるとともに〇リング (87)が装着され、該〇リング (87)により仕切板 (85)の上下の空間をシールしている。ま た、第 2固定側部材 (46)の外周面にも Oリング (88)が装着され、該 Oリング (88)により、 その上下の空間をシールしている。

[0089] 上記ケーシング (11)には、第 1固定側部材 (41)を通って第 1圧縮室 (71)に連通する 第 1吸入ポート (73)と、第 2固定側部材 (46)を通って第 2圧縮室 (72)に連通する第 2吸 入ポート (76)が設けられている。また、ケーシング (11)には、第 1圧縮室 (71)から第 1吐 出口 (63)を通って第 1固定側部材 (41)の下方の空間に流出した冷媒を吐出する第 1 吐出ポート (74)と、第 2圧縮室 (72)から第 2吐出口 (66)を通って仕切板 (85)の上方の空 間に流出した冷媒を吐出する第 2吐出ポート (75)とが設けられている。

[0090] その他の構成については上記各実施形態とほぼ同様であるため、ここでは説明を 省略する。なお、実施形態 1, 2と同一の符号は、実施形態 1 , 2のものと同じ構成要 素であることを示している。

[0091] このスクロール圧縮機 (10)を用いた冷媒回路については図示を省略している力実 施形態 1において図 6に示したように 2台の凝縮器 (91,94)の冷媒凝縮温度が異なる 冷媒回路 (90)や、実施形態 2において図 7—図 9に示したように 2台の蒸発器 (93,96) の冷媒蒸発温度が異なる冷媒回路 (90)に適用することが可能である。

[0092] そして、この実施形態 3においても、冷媒凝縮温度ゃ冷媒蒸発温度が異なる 2系統

(複数系統)の冷媒循環経路を有する冷媒回路 (90)を備えた冷凍装置において、 2つ の圧縮機構 (31,32)を有する 1台のスクロール圧縮機 (10)で冷媒回路 (90)を駆動できる 。そして、第 1圧縮機構 (31)と第 2圧縮機構 (32)の圧縮比と押しのけ容積が異なるため 、各冷媒循環経路には、それぞれに適した圧力比の冷媒をそれぞれに適した循環 量で供給でき、ロスの少ない効率的な運転を行うことができる。また、圧縮機 (10)を一 台にしているため、設置スペースが少なくて済むとともに、装置のコストも低減できる。

[0093] さらに、この実施形態 3によれば、平板部 (55)の一方の面に立設された第 1可動側 ラップ (53)と該平板部 (55)の他方の面に立設された第 2可動側ラップ (54)とを有する可 動スクロール (50)を用いているので、部品点数を少なくでき、コストダウンを図ることが できる。また、可動スクロール (50)の平板部 (55)の上下でスラスト荷重が作用するが、 その作用方向が逆のため、通常の片側だけに可動側ラップがあるスクロール圧縮機 よりスラスト軸受けロスが少なく高効率である。

[0094] さらに、どちらか一方の系統の圧縮比が大きぐ吐出ガス温度が高くなる条件であつ ても、上下の圧縮室 (71, 72)で発生する熱が中間にある平板部 (55)を介して移動する ため、温度上昇が緩和される。したがって、装置の信頼性を高められる。

[0095] 《その他の実施形態》

本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。

[0096] 例えば、上記各実施形態では、 1つのケーシング内に 2つの圧縮機構 (31, 32)を備 えたスクロール圧縮機について説明した力本発明は、スクロール圧縮機以外の容 積型の圧縮機であっても適用可能である。

[0097] また、 1つのケーシング (11)内に 2つのスクロール式の圧縮機構 (31, 32)を設ける構 造についても、上記実施形態は単なる例示に過ぎず、適宜変更することが可能であ る。

[0098] さらに、本発明は、 3系統以上の冷媒凝縮温度と冷媒蒸発温度がある冷媒回路で、 そのうちの 2系統を駆動する場合にも適用可能である。また、上記実施形態では、 2 系統の冷媒循環経路における冷媒凝縮温度または冷媒蒸発温度が同一の冷媒回

路に本発明を適用した例を説明したが、本発明は、 2系統の冷媒循環経路における 冷媒凝縮温度及び冷媒蒸発温度がすべて異なる冷媒回路 (第 1圧縮機構 (31)の入 口側と出口側、第 2圧縮機構 (32)の入口側と出口側がすべて異なる圧力(温度)にな る冷媒回路)にも適用可能である。

[0099] また、 1つのケーシング (11)内に設けられる 2つの圧縮機構 (31, 32)は、必ずしも圧縮 比や押しのけ容積が異なるものでなくてもよぐ膨張弁などの制御によって異なる蒸 発温度に対応するようにしてもょレ、。

産業上の利用可能性

[0100] 以上説明したように、本発明は、冷媒回路が冷媒蒸発温度ゃ冷媒凝縮温度の異な る運転が可能な複数系統の冷媒循環経路を有する冷凍装置について有用である。