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1. WO2020162458 - 偏光状態制御装置及びコンピュータが読取可能な記録媒体

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明 細 書

発明の名称 偏光状態制御装置及びコンピュータが読取可能な記録媒体

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018  

発明の効果

0019  

図面の簡単な説明

0020  

発明を実施するための形態

0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 偏光状態制御装置及びコンピュータが読取可能な記録媒体

技術分野

[0001]
 本開示は、偏光状態制御装置及び偏光状態制御方法を実行するためのプログラムを記録した記録媒体に係り、特に、リターダの位相遅れ量を制御する技術に関する。

背景技術

[0002]
 従来、第1層から第3層の偏光回折層から構成される多層偏光回折格子が提案されている(特許文献1参照)。この多層偏光回折格子は、第1の偏光回折格子層と第2の偏光回折格子層との間の界面に沿って、第1の偏光回折格子層の周期的分子構造に対してオフセットされている周期的分子構造を有している。また、第3の偏光回折格子層も、第2の偏光回折格子層と第3の偏光回折格子層との間の界面に沿って、第2の偏光回折格子層の周期的分子構造に対してオフセットされている周期的分子構造を有している。この多層偏光回折格子は、上記の構成により、回折効率の波長依存性を低減している。
[0003]
 また、第1の複屈折率分布の周期を有する偏光回折素子と、第2の複屈折率分布の周期を有する偏光回折素子とを、一列に並べて(インラインに)配置して構成したビーム偏向装置が提案されている(特許文献2参照)。
[0004]
 また、光学異方性を有する物質の複屈折を利用して、光の偏光状態を電気的に変える液晶リターダの駆動方法が提案されている(特許文献3参照)。この駆動方法は、液晶リターダへの印加電圧Vが閾値電圧Vthより大きい範囲において、印加電圧の逆数と液晶リターダの位相差との線形制御を可能にする。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 米国特許第8305523号
特許文献2 : 米国特許第8982313号
特許文献3 : 特許第3529699号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 リターダの個体差、経年劣化、使用時の温度変化等の影響により、リターダ個々において位相遅れ量が変化することにより、位相遅れ量が所望の値に設定されなくなる場合がある。この場合、所望の偏光状態の光をリターダから出射することができない、という問題がある。
[0007]
 本開示は、リターダの位相遅れ量を正確に制御することができる偏光状態の制御技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本開示の技術の第1の態様である偏光状態制御装置は、直線偏光子、リターダ、反射板、受光部、及び制御部を含んで構成されている。前記直線偏光子は、光源光を直線偏光に偏光する。前記リターダは、前記直線偏光子を通過した光源光が入射されると共に、印加される電圧に応じて、入射された光の偏光状態を変えて出射する。前記反射板は、前記直線偏光子を通過した光源光の一部を、前記リターダの出射面側において入射面側に反射させる。前記受光部は、前記反射板により反射されて、前記直線偏光子を通過した光を受光する。前記制御部は、前記受光部により受光された光の光量に基づいて、前記入射された光をλ/2又は0の位相遅れで偏光した光が前記リターダから出射されるように、前記リターダに印加する電圧を制御する。
[0009]
 上記第1の態様である偏光状態制御装置によれば、光源光を直線偏光に偏光する直線偏光子を通過した光源光がリターダに入射される。リターダは、印加される電圧に応じて、入射された光の偏光状態を変えて出射する。また、反射板が、直線偏光子を通過した光源光の一部を、リターダの出射面側において入射面側に反射させる。反射板により反射されて、直線偏光子を通過した光は受光部で受光される。
[0010]
 そして、上記第1の態様である偏光状態制御装置によれば、制御部が、受光部により受光された光の光量に基づいて、入射された光をλ/2又は0の位相遅れで偏光した光がリターダから出射されるように、リターダに印加する電圧を制御する。これにより、本開示の偏光状態制御装置は、リターダの位相遅れ量を正確に制御することができる。
[0011]
 また、本開示の技術の第2の態様である偏光状態制御装置は、光が前記反射板で反射されない光路上であって、前記直線偏光子と前記リターダとの間に配置される1/4波長板をさらに含んで構成することができる。これにより、本開示の偏光状態制御装置は、リターダに円偏光の光が入射され、リターダの位相遅れ量が正確に制御されることにより、リターダから、所望の回転方向に制御された円偏光の光を出射することができる。
[0012]
 また、本開示の技術の第3の態様である偏光状態制御装置は、光が前記反射板で反射される光路上であって、前記直線偏光子と前記リターダとの間に配置される1/4波長板をさらに含んで構成することができる。
[0013]
 また、本開示の技術の第4の態様である偏光状態制御装置は、前記リターダから出射された光が入射される偏光グレーティングをさらに含んで構成することができる。前記偏光状態制御装置において、前記反射板は、前記偏光グレーティングへ入射される前の光を反射することができる。これにより、本開示の偏光状態制御装置は、リターダから偏光グレーティングへ入射される光の位相遅れ量が正確に制御されているため、偏光グレーティングから出射される光の回折効率を最大にすることができる。
[0014]
 また、本開示の技術の第5の態様である偏光状態制御装置は、前記リターダと前記偏光グレーティングとの組み合わせを複数積層することができる。前記偏光状態制御装置において、前記反射板及び前記受光部は、前記組み合わせの各々に対応して設けられている。前記制御部は、前記受光部の各々により受光された光の光量に基づいて、前記受光部に対応する前記組み合わせを構成する前記リターダに印加する電圧を制御することができる。これにより、本開示の偏光状態制御装置は、リターダの位相遅れ量が個別に正確に制御されるため、複数の方向に正確に出射光を回折させることができる。
[0015]
 また、本開示の技術の第6の態様である偏光状態制御装置において、前記制御部は、前記受光部により受光された光の光量が最大となるように、前記リターダに印加する電圧を制御することができる。これにより、本開示の偏光状態制御装置は、反射板で反射して再度リターダ及び直線偏光子を通過した光の光度を用いているため、光量が最大となる電圧値を、λ/2又は0の位相遅れ量を設定するための電圧値とすることができる。
[0016]
 また、本開示の技術の第7の態様である偏光状態制御装置において、前記直線偏光子は、入射方向へP偏光の光を出射し、前記入射方向と直交する方向へS偏光の光を出射する偏光ビームスプリッタである。前記受光部は、前記偏光ビームスプリッタから出射されるS偏光の光を受光し、前記制御部は、前記受光部で受光されたS偏光の光の光量が最小となるように、前記リターダに印加する電圧を制御することができる。これにより、本開示の偏光状態制御装置は、反射板で反射して再度リターダ及び偏光ビームスプリッタを通過したS偏光の光の光度を用いているため、光量が最小となる電圧値を、λ/2又は0の位相遅れ量を設定するための電圧値とすることができる。
[0017]
 また、本開示の技術の第8の態様である偏光状態制御装置において、前記制御部は、予め設定された、前記リターダに印加する電圧に対する位相遅れ量の特性において、所定の電圧値より低い電圧値の第1数値範囲において、位相遅れ量がλ/2となる電圧値を探索し、前記所定の電圧値より高い電圧値の第2数値範囲において、位相遅れ量が0となる電圧値を探索することができる。また、本開示の技術の第9の態様である偏光状態制御装置において、前記制御部は、予め設定された、前記リターダに印加する電圧に対する位相遅れ量の特性において、λ/2又は0の位相遅れ量に対応する電圧値の近傍で、前記リターダに印加する電圧値を探索してもよい。これにより、本開示の偏光状態制御装置は、位相遅れ量のλ/2に対応する電圧値と、位相遅れ量の0に対応する電圧値と、を正確に探索することができる。
[0018]
 また、本開示の技術の他の態様である偏光状態制御方法は、上記偏光状態制御装置が提供する機能を実現するための方法である。また、本開示の技術の他の態様である偏光状態制御プログラムは、上記偏光状態制御方法を実行するためのプログラムであり、コンピュータを、上記偏光状態制御装置の制御部として機能させるためのプログラムである。また、本開示の技術の他の態様である記録媒体は、上記偏光状態制御プログラムを記録した記録媒体である。

発明の効果

[0019]
 本開示の技術によれば、反射板により反射されて再度リターダ及び直線偏光子を通過した光の光量に基づいて、リターダの位相遅れ量がλ/2又は0になるように、リターダに印加する電圧を制御する。これにより、本開示の技術は、リターダの位相遅れ量を正確に制御することができる。

図面の簡単な説明

[0020]
 本開示についての上記目的及びその他の目的、特徴や利点は、添付の図面を参照しながら下記の詳細な記述により、より明確になる。
[図1] 第1実施形態に係る偏光状態制御装置の構成を示す概略図である。
[図2] 制御部の機能ブロック図である。
[図3] 電圧と光量との関係の一例を示す図である。
[図4] 光量と位相遅れ量との関係を説明するための図である。
[図5] 電圧-位相遅れ量特性の一例を示す図である。
[図6] 偏光状態制御処理の一例を示すフローチャートである。
[図7] 第2実施形態に係る偏光状態制御装置の構成を示す概略図である。
[図8] 第3実施形態に係る偏光状態制御装置の構成を示す概略図である。
[図9] 第4実施形態に係る偏光状態制御装置の構成を示す概略図である。
[図10] 第5実施形態に係る偏光状態制御装置の構成を示す概略図である。
[図11] 光量と位相遅れ量との関係を説明するための図である。
[図12] 第6実施形態に係る偏光状態制御装置の構成を示す概略図である。
[図13] 電圧-位相遅れ量特性の温度変化を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0021]
 以下、図面を参照して本開示の技術の実施形態を詳細に説明する。
[0022]
<第1実施形態>
 図1に示すように、第1実施形態に係る偏光状態制御装置10は、直線偏光子12と、リターダ14と、ミラー16と、受光部18と、制御部20と、制御用電源22と、第1及び第2電極24L,24Rと、を含んで構成される。
[0023]
 直線偏光子12は、レーザ光源26から出射された光(L1)を直線偏光の光(L2)に偏光して出射する。
[0024]
 リターダ14は、λ/2板であり、一部に制御用電源22と接続された第1及び第2電極24L,24Rが設けられている。なお、λ/2板は、直線偏光の偏光方向を回転させる1/2波長板である。リターダ14は、直線偏光子12から出射した光(L2)が入射されると共に、印加される電圧に応じて、入射された光の偏光状態を変えた光(L3)を出射する。
[0025]
 ミラー16は、本開示の技術における反射板の一例である。ミラー16は、リターダ14の出射面So側に設けられており、直線偏光子12から出射した光の一部(L4)を、リターダ14の出射面So側において入射面Si側に反射させる。直線偏光子12から出射した光の一部は、リターダ14の入射面Siから入射し、出射面So側に設けられたミラー16の反射面に到達する。その結果、ミラー16により反射された光(反射光)は、リターダ14の出射面So側から入射面Si側に進む。
[0026]
 受光部18は、ミラー16により反射されて、直線偏光子12を通過した光(L5)を受光し、受光した光の光量を示す光量データを出力する。受光部18は、例えば光量モニタである。
[0027]
 制御部20は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、を備えたコンピュータにより実現することができる。第1実施形態では、CPUが偏光状態制御プログラムを実行することにより、コンピュータが偏光状態制御装置10の制御部20として機能することになる。また、例えばROMには、後述する偏光状態制御処理を実行するための偏光状態制御プログラムが記憶されている。なお、本開示の技術では、ROMが、プログラムを記録した記録媒体の一例である。
[0028]
 図2に示すように、制御部20は、光量取得部42と、電圧値決定部44と、電圧制御部46と、DB(database)48と、を含んで構成される。
[0029]
 光量取得部42は、受光部18から出力された光量データを取得し、電圧値決定部44に受け渡す。
[0030]
 電圧値決定部44は、光量取得部42から受け渡された光量データに基づいて、リターダ14に入射された光がλ/2又は0の位相遅れで偏光されてリターダ14から出射されるように、リターダ14に印加する電圧値を決定する。
[0031]
 図3に、リターダ14に印加する電圧と、受光部18から取得される光量と、の関係の一例を概略的に示す。電圧値決定部44は、図3に示すように、位相遅れ量がλ/2又は0となる電圧値として、光量取得部42から受け渡された光量データが示す光量が最大となる電圧値を決定する。
[0032]
 ここで、第1実施形態において、リターダ14の位相遅れ量がλ/2又は0の場合に、直線偏光子12からの出射光の光量が最大になる原理について説明する。
[0033]
 まず、リターダ14の位相遅れ量がλ/2(1/2波長)の場合、図4に示すように、リターダ14がλ/2板として動作する。このため、直線偏光の偏波面とリターダ14の速軸とのなす角度がθの場合、リターダ14を一回通過した後、偏波面と速軸とのなす角度は2θになる。入射光の偏光方向がλ/2板の速軸に対してθの方位角で入射した場合、リターダ14は、入射光の偏光方向を2θ回転させて出射する。つまり、入射光の偏波面が速軸に対して折り返した位置に変わる。リターダ14からの出射光がミラー16によって反射されて再度リターダ14を通過した場合、同様の原理によって、リターダ14からの出射光の偏波面が速軸に対して折り返した位置に変わる。つまり、出射光の偏波面が元の位置に戻ることになる。したがって、第1実施形態の構成では、出射光の偏波面と直線偏光子12の通過軸とが一致する。そのため、直線偏光子12からの出射光の光量が最大になる。
[0034]
 また、リターダ14の位相遅れ量が0の場合、リターダ14を通過した後においても直線偏光の偏波面は変わらない。さらに、リターダ14からの出射光がミラー16によって反射されて再度リターダ14を通過した後も、出射光の偏波面は変わらない。したがって、第1実施形態の構成では、出射光の偏波面と直線偏光子12の通過軸とが一致する。そのため、直線偏光子12からの出射光の光量が最大になる。
[0035]
 電圧値決定部44は、リターダ14に印加する電圧値を決定する。具体的には、電圧値決定部44は、リターダ14に印加する電圧を変化させながら、所定の探索範囲内(数値範囲内)を探索して、探索結果を基に光量が最大となる電圧値を決定する。電圧値決定部44は、DB48を参照して、所定の探索範囲を決定する。
[0036]
 DB48は、リターダ14に印加する電圧に対する位相遅れ量の特性(以下「電圧-位相遅れ量特性」という)が記憶されたデータベースである。例えば、リターダ14の使用開始時などに、印加する電圧を変えながら位相遅れ量を計測し、電圧値と計測値とに基づき、電圧-位相遅れ量特性を示すデータを記憶しておくことができる。図5に、DB48に記憶される電圧-位相遅れ量特性の一例を示す。
[0037]
 図5に示すように、電圧-位相遅れ量特性は、単調減少曲線を示す。そこで、電圧値決定部44は、DB48に記憶された電圧-位相遅れ量特性において、位相遅れ量がλ/2になる電圧値と0になる電圧値との間の任意の電圧値を閾値として設定する。そして、電圧値決定部44は、設定した閾値より低い電圧値の数値範囲(第1数値範囲)を探索範囲(第1探索範囲)として、位相遅れ量がλ/2となる電圧値を探索する。また、電圧値決定部44は、設定した閾値より高い電圧値の数値範囲(第2数値範囲)を探索範囲(第2探索範囲)として、位相遅れ量が0となる電圧値を探索する。なお、この場合、図5に示すような電圧-位相遅れ量特性に代えて、所定の閾値となる電圧値のみを記憶しておいてもよい。
[0038]
 また、電圧値決定部44は、電圧-位相遅れ量特性において、λ/2又は0の位相遅れ量に対応する電圧値の近傍、例えばその電圧値を含む前後の所定の電圧値の数値範囲を探索範囲として、位相遅れ量がλ/2又は0になる電圧値を探索してもよい。なお、この場合、図5に示すような電圧-位相遅れ量特性に代えて、λ/2及び0の位相遅れ量に対応する電圧値のみを記憶しておいてもよい。
[0039]
 電圧値決定部44は、上記のように電圧値の探索範囲を設定することで、図3に示すような電圧と光量との関係において、位相遅れ量がλ/2になる電圧値と、0になる電圧値と、を正確に探索することができる。
[0040]
 電圧値決定部44は、決定した電圧値を電圧制御部46へ受け渡す。
[0041]
 電圧制御部46は、電圧値決定部44から受け渡された電圧値を制御用電源22に設定する。
[0042]
 制御用電源22は、設定された電圧値の電圧を、第1及び第2電極24L,24Rを介してリターダ14に印加する。第1実施形態では、制御用電源22がリターダ14の位相遅れ量がλ/2又は0に設定されるように電圧を印加し、リターダ14から出射される光(L3)の直線偏光の偏波面が所望の方向に切り替えられる。このとき、第1実施形態では、電圧制御部46は、λ/2又は0の位相遅れで偏光した光がリターダ14から出射されるように、リターダ14に印加する電圧を制御する。
[0043]
 次に、第1実施形態に係る偏光状態制御装置10の作用について説明する。
[0044]
 レーザ光源26から出射されたレーザ光の一部(L1)は、直線偏光子12に入射され、直線偏光子12によって直線偏光される。直線偏光された光(L2)は、直線偏光子12から出射され、リターダ14に入射される。そして、リターダ14は、当該リターダ14に設定された位相遅れ量に応じて、入射された光の偏光状態を変化させ、偏光された光(L3)を出射する。
[0045]
 一方、レーザ光源26から出射されたレーザ光の一部(L20)は、直線偏光子12に入射され、直線偏光子12によって直線偏光される。直線偏光された光(L4)は、直線偏光子12から出射され、リターダ14に入射される。リターダ14の出射面Soまで到達した光は、ミラー16の反射面によって反射される。反射された光は、リターダ14及び直線偏光子12を再び通過して(L5)、受光部18で受光される。
[0046]
 受光部18は、受光した光の光量を示す光量データを出力する。そして、制御部20は、図6に示す偏光状態制御処理を実行する。これにより、リターダ14の位相遅れ量は、λ/2又は0に設定される。
[0047]
 図6に示すように、第1実施形態に係る偏光状態制御処理のステップS12において、電圧値決定部44は、DB48に記憶された電圧-位相遅れ量特性に関するデータを参照し、所定の閾値より低い電圧値の数値範囲を、位相遅れ量がλ/2となる電圧値を探索する探索範囲として設定する。また、電圧値決定部44は、所定の閾値より高い電圧値の数値範囲を、位相遅れ量が0となる電圧値を探索する探索範囲として設定する。
[0048]
 なお、電圧値決定部44は、電圧-位相遅れ量特性において、λ/2又は0の位相遅れ量に対応する電圧値の近傍、例えばその電圧値を含む前後の所定の電圧値の数値範囲を探索範囲として設定してもよい。
[0049]
 次に、ステップS14において、電圧値決定部44は、ステップS12の処理によって設定された探索範囲内の初期値(最初の探索値)に相当する電圧値(例えば数値範囲内の最小の電圧値)を電圧制御部46に出力する。電圧制御部46は、電圧値決定部44から入力された電圧値を制御用電源22に設定する。
[0050]
 次に、ステップS16において、制御用電源22は、設定された電圧値の電圧を、第1及び第2電極24L,24Rを介してリターダ14に印加する。光量取得部42は、制御用電源22が電圧を印加した際に、受光部18から出力される光量データを取得する。
[0051]
 次に、ステップS18において、電圧値決定部44は、ステップS14の処理によって設定された電圧値と、ステップS16の処理によって取得された光量と、を一組のデータとして記憶する。
[0052]
 次に、ステップS20において、電圧値決定部44は、ステップS12の処理によって設定された探索範囲内の電圧値に対して、ステップS16及びS18の処理が終了したか否かを判定する(探索終了を判定する)。探索範囲内に未処理の電圧値が存在する場合(探索が終了していない場合)には、ステップS22へ移行する。ステップS22において、電圧値決定部44は、電圧値を所定値分ずらした値(電圧値を所定値分増減した値)に変更して設定し、ステップS16に戻る。一方、探索範囲内に未処理の電圧値が存在しない場合(探索が終了した場合)には、ステップS24へ移行する。
[0053]
 ステップS24において、電圧値決定部44は、ステップS18の処理によって記憶された電圧値と光量との組データのうち、光量が最大となる組データの電圧値を、λ/2又は0の位相遅れ量に対応する電圧値として決定する。電圧値決定部44は、決定した電圧値を電圧制御部46に出力する。そして、電圧制御部46は、電圧値決定部44から入力された電圧値を制御用電源22に設定し、偏光状態制御処理は終了する。
[0054]
 以上説明したように、第1実施形態に係る偏光状態制御装置10によれば、リターダ14の出射面So側で反射し、再び直線偏光子12を通過して出射された光の光量をモニタリングしている。そして、偏光状態制御装置10は、モニタリング結果である光量に基づいて、光の光量が最大になるように、リターダ14に印加する電圧を制御する。これにより、偏光状態制御装置10は、リターダ14の位相遅れ量をλ/2又は0に設定することができる。その結果、偏光状態制御装置10は、図1に示すように、リターダ14に直線偏光の光(L2)が入射した場合に、リターダ14からの出射光の直線偏光の偏波面を所望の状態(偏光状態)に切り替える。偏光状態制御装置10は、リターダ14によって偏光状態が変えられた光(L3)を出射することができる。以上のように、第1実施形態に係る偏光状態制御装置10は、リターダ14の位相遅れ量を正確に制御することができる。
[0055]
 第1実施形態の構成の使い方としては、例えば、リターダ14に入射する直線偏光の偏波面とリターダ14の速軸とのなす角度θを45度に設定して、2θが90度になるように設定する。この場合、入射光の偏波面が90度回転することになる。よって、第1実施形態の構成では、例えば、偏波面が水平の直線偏光の光を、偏波面が垂直の直線偏光の光に切り替えることができる。
[0056]
<第2実施形態>
 次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態に係る偏光状態制御装置において、第1実施形態に係る偏光状態制御装置10と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
[0057]
 図7に示すように、第2実施形態に係る偏光状態制御装置210は、第1実施形態に係る偏光状態制御装置10の構成に加え、レーザ光源26からの光がミラー16で反射されない光路上であって、直線偏光子12とリターダ14との間に、λ/4板28が配置される。なお、λ/4板28は、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板である。
[0058]
 λ/4板28は、直線偏光子12から出射される直線偏光の光(L2)が入射されると共に、直線偏光の光を円偏光の光に変えて出射する(L6)。λ/4板28から出射される円偏光の光の回転方向は、右回りであっても左回りであってもよい。
[0059]
 リターダ14は、円偏光の光(L6)が入射されると、設定されたλ/2又は0の位相遅れ量に応じて、回転方向を右回り又は左回りとする円偏光の光(L7)を出射する。
[0060]
 なお、リターダ14の位相遅れ量がλ/2又は0の場合に、直線偏光子12からの出射光の光量が最大になる原理、及び、制御部20における偏光状態制御処理は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
[0061]
 以上説明したように、第2実施形態に係る偏光状態制御装置210によれば、リターダ14の出射面So側で反射し、再び直線偏光子12を通過して出射された光の光量をモニタリングしている。そして、偏光状態制御装置210は、モニタリング結果である光量に基づいて、光の光量が最大になるように、リターダ14に印加する電圧を制御する。これにより、偏光状態制御装置210は、リターダ14の位相遅れ量をλ/2又は0に設定することができる。その結果、偏光状態制御装置210は、図7に示すように、リターダ14に円偏光の光(L6)が入射した場合に、位相遅れ量に応じた、右回り又は左回りの円偏光の光(L7)を出射することができる。
[0062]
<第3実施形態>
 次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態に係る偏光状態制御装置において、第2実施形態に係る偏光状態制御装置210と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
[0063]
 図8に示すように、第3実施形態に係る偏光状態制御装置310は、第2実施形態に係る偏光状態制御装置210の構成に加え、リターダ14から出射された光が入射される偏光グレーティング(偏光回折格子)30をさらに含む。この構成において、ミラー16は、リターダ14の出射面So側であって、偏光グレーティング30に入射する前の光を反射可能な位置に配置される。
[0064]
 偏光グレーティング30は、回転方向が右回り又は左回りの円偏光の光(L6)が入射された場合、設定された回折角度に応じて、入射された光を回折させて出射する(L8)。
[0065]
 なお、リターダ14の位相遅れ量がλ/2又は0の場合に、直線偏光子12からの出射光の光量が最大になる原理、及び、制御部20における偏光状態制御処理は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
[0066]
 以上説明したように、第3実施形態に係る偏光状態制御装置310によれば、リターダ14の出射面So側で反射し、再び直線偏光子12を通過して出射された光の光量をモニタリングしている。そして、偏光状態制御装置310は、モニタリング結果である光量に基づいて、光の光量が最大になるように、リターダ14に印加する電圧を制御する。これにより、偏光状態制御装置310は、リターダ14の位相遅れ量をλ/2又は0に設定することができる。その結果、偏光状態制御装置310は、図8に示すように、リターダ14に円偏光の光(L6)が入射した場合に、回折角度に応じて回折された光(L8)をリターダ14から出射することができる。
[0067]
 偏光グレーティング30に入射する円偏光の光の回転方向が、正確に左回り又は右回りの円偏光であれば、偏光グレーティング30による回折効率が最大になる。しかし、偏光グレーティング30に入射する光が円偏光ではなく楕円偏光になると、回折効率が低下する。したがって、回折効率を最大にするために、リターダ14からの出射光を正確に円偏光にする必要がある。
[0068]
 第3実施形態の構成では、図8に示すように、位相遅れ量が正確にλ/2又は0に設定されたリターダ14から出射された円偏光の光が偏光グレーティング30に入射される。そのため、第3実施形態の構成では、回転方向が正確に左回り又は右回りの円偏光の光が入射される。これにより、第3実施形態の構成では、回折効率を最大にすることができる。
[0069]
<第4実施形態>
 次に、第4実施形態について説明する。なお、第4実施形態に係る偏光状態制御装置において、第3実施形態に係る偏光状態制御装置310と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
[0070]
 図9に示すように、第4実施形態に係る偏光状態制御装置410は、第3実施形態に係る偏光状態制御装置310の構成に加え、レーザ光源26からの光がミラー16で反射される光路上であって、直線偏光子12とリターダ14との間に、λ/4板428が配置される。図9の例では、λ/4板428は、レーザ光源26からの光がミラー16で反射されない光路上であって、直線偏光子12とリターダ14との間に配置されるλ/4板(第2及び第3実施形態におけるλ/4板28)と一体化された例を示している。
[0071]
 λ/4板428は、ミラー16で反射し、再びリターダ14を通過した円偏光の光(L9)が入射されると共に、円偏光の光を直線偏光の光に変えて出射する(L10)。
[0072]
 ここで、第4実施形態において、リターダ14の位相遅れ量がλ/2又は0の場合に、直線偏光子12からの出射光の光量が最大になる原理について説明する。
[0073]
 まず、リターダ14の位相遅れ量がλ/2の場合、リターダ14がλ/2板として動作する。このため、リターダ14からの出射光は、リターダ14への入射光の円偏光の回転方向と逆の回転方向の円偏光になる。リターダ14からの出射光がミラー16によって反射されて再度リターダ14を通過した場合、同様な原理によって、逆の回転方向の円偏光になる。つまり、ミラー16で反射してリターダ14から出射される光(L9)の円偏光の回転方向が、リターダ14に入射された光の円偏光の状態に戻ることになる。
[0074]
 さらに、ミラー16で反射してリターダ14から出射される光(L9)がλ/4板428に入射した場合、λ/4板428から出射される光(L10)の偏波面と直線偏光子12の通過軸とが一致する。そのため、直線偏光子12からの出射光(L5)の光量が最大になる。
[0075]
 また、リターダ14の位相遅れ量が0の場合、リターダ14を通過した後においても、円偏光の回転方向は変わらない。また、リターダ14からの出射光がミラー16によって反射されて再度リターダ14を通過した後も、円偏光の回転方向は変わらない。さらに、その円偏光がλ/4板428に入射した場合、λ/4板428からの出射光(L10)の偏波面と直線偏光子12の通過軸とが一致する。そのため、直線偏光子12からの出射光(L5)の光量が最大になる。
[0076]
 制御部20における偏光状態制御処理は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
[0077]
 以上説明したように、第4実施形態に係る偏光状態制御装置410によれば、リターダ14の出射面So側で反射し、再び直線偏光子12を通過して出射された光の光量をモニタリングしている。そして、偏光状態制御装置410は、モニタリング結果である光量に基づいて、光の光量が最大になるように、リターダ14に印加する電圧を制御する。これにより、偏光状態制御装置410は、リターダ14の位相遅れ量をλ/2又は0に設定することができる。その結果、偏光状態制御装置410は、図9に示すように、回転方向が正確に左回り又は右回りの円偏光の光(L6)を、偏光グレーティング30に入射することができる。偏光状態制御装置410は、偏光グレーティング30からの出射光(L8)の回折効率を最大にすることができる。
[0078]
<第5実施形態>
 次に、第5実施形態について説明する。なお、第5実施形態に係る偏光状態制御装置において、第3実施形態に係る偏光状態制御装置310と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
[0079]
 図10に示すように、第5実施形態に係る偏光状態制御装置510は、第3実施形態に係る偏光状態制御装置310の直線偏光子12及び制御部20に代えて、偏光ビームスプリッタ512及び制御部520を備える。
[0080]
 偏光ビームスプリッタ512は、偏光ビームスプリッタ512へ入射される光(L1,L20)の入射方向へP偏光の光(L11,L13)を出射する。偏光ビームスプリッタ512は、偏光ビームスプリッタ512への入射される光の入射方向と直交する方向へS偏光の光(L12,L14)を出射する。
[0081]
 受光部18は、ミラー16で反射された反射光(L15)が偏光ビームスプリッタ512に入射され、S偏光として出射された光(L17)を受光し、受光した光の光量を示す光量データを出力する。
[0082]
 図2に示す制御部20の構成と同様に、制御部520は、光量取得部42と、電圧値決定部544と、電圧制御部46と、電圧-位相遅れ量特性を記憶するDB48と、を含んで構成される。
[0083]
 電圧値決定部544は、図11に示すように、位相遅れ量がλ/2又は0となる電圧値として、光量取得部42から受け渡された光量データが示す光量が最小となる電圧値を決定する。
[0084]
 ここで、第5実施形態において、リターダ14の位相遅れ量がλ/2又は0の場合に、偏光ビームスプリッタ512からの出射光(S偏光)の光量が最小になる原理について説明する。
[0085]
 まず、リターダ14の位相遅れ量がλ/2の場合、図4に示すように、リターダ14がλ/2板として動作する。このため、直線偏光の偏波面とリターダ14の速軸とのなす角度がθの場合、リターダ14を一回通過した後、偏波面と速軸とのなす角度は2θになる。つまり、入射光の偏波面が速軸に対して折り返した位置に変わる。リターダ14からの出射光がミラー16によって反射されて再度リターダ14を通過した場合、同様の原理によって、リターダ14からの出射光の偏波面が速軸に対して折り返した位置に変わる。つまり、出射光の偏波面が元の位置に戻ることになる。したがって、第5実施形態の構成では、リターダ14からの出射光はP偏光となる。そのため、偏光ビームスプリッタ512へ入射した場合、S偏光成分の光量は最小になる。
[0086]
 また、リターダ14の位相遅れ量が0の場合、リターダ14を通過した後においてもP偏光は変わらない。さらに、リターダ14からの出射光がミラー16によって反射されて再度リターダ14を通過した後も、出射光のP偏光は変わらない。したがって、第5実施形態の構成では、リターダ14からの出射光はP偏光となる。そのため、偏光ビームスプリッタ512へ入射した場合、S偏光成分の光量は最小になる。
[0087]
 次に、第5実施形態に係る偏光状態制御装置510の作用について説明する。
[0088]
 レーザ光源26から出射されたレーザ光の一部(L1)は、偏光ビームスプリッタ512に入射され、偏光ビームスプリッタ512によって偏光される。P偏光の出射光(L11)は入射方向へ出射され、S偏光の出射光(L12)は入射方向に直交する方向に出射される。P偏光の出射光(L11)は、λ/4板28を介して円偏光に変換され、円偏光の光(L6)がリターダ14に入射される。リターダ14は、当該リターダ14に設定された位相遅れ量に応じて、偏光された光を出射する。リターダ14から出射された光は、偏光グレーティング30に入射される。偏光グレーティング30は、当該偏光グレーティング30に設定された回折角度で回折された光(L8)を出射する。
[0089]
 一方、レーザ光源26から出射されたレーザ光の一部(L20)は、偏光ビームスプリッタ512に入射され、偏光ビームスプリッタ512によって偏光される。P偏光の出射光(L13)は入射方向へ出射され、S偏光の出射光(L14)は入射方向に直交する方向に出射される。P偏光の出射光(L13)はリターダ14に入射される。リターダ14の出射面Soまで到達した光は、ミラー16の反射面によって反射される。反射された光は、再びリターダ14を通過して、偏光ビームスプリッタ512へ入射される(L15)。偏光ビームスプリッタ512は、P偏光の出射光(L16)を入射方向に出射し、S偏光の出射光(L17)を入射方向に直交する方向に出射する。
[0090]
 そして、受光部18が、偏光ビームスプリッタ512からのS偏光の出射光(L17)を受光し、受光した光の光量を示す光量データを出力する。そして、制御部520は、図6に示す偏光状態制御処理を実行する。これにより、リターダ14の位相遅れ量は、λ/2又は0に設定される。
[0091]
 第1実施形態に係る偏光状態制御処理は、光量が最大となる電圧値を探索する処理を行うのに対して、第5実施形態に係る偏光状態制御処理は、光量が最小となる電圧値を探索する処理を行う。第5実施形態の処理は、この点が第1実施形態の処理と異なるだけであるため、説明を省略する。
[0092]
 以上説明したように、第5実施形態に係る偏光状態制御装置510によれば、リターダ14の出射面So側で反射し、再び偏光ビームスプリッタ512を通過して出射されたS偏光(L17)の光量をモニタリングしている。偏光状態制御装置510は、モニタリング結果である光量に基づいて、光の光量が最小になるように、リターダ14に印加する電圧を制御する。これにより、偏光状態制御装置510は、リターダ14の位相遅れ量をλ/2又は0に設定することができる。その結果、偏光状態制御装置510は、図10に示すように、回転方向が正確に左回り又は右回りの円偏光の光(L6)を、偏光グレーティング30に入射することができる。偏光状態制御装置510は、偏光グレーティング30からの出射光(L8)の回折効率を最大にすることができる。
[0093]
<第6実施形態>
 次に、第6実施形態について説明する。なお、第6実施形態に係る偏光状態制御装置において、第3実施形態に係る偏光状態制御装置310と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
[0094]
 図12に示すように、第6実施形態に係る偏光状態制御装置610は、第3実施形態に係る偏光状態制御装置310のリターダ14と偏光グレーティング30との主面が対向するように組み合わせられた層が、少なくとも2つ以上設けられている(複数積層されている)。図12の例では、リターダ(第1リターダ)14Aと偏光グレーティング(第1偏光グレーティング)30Aとの組み合わせの第1層、リターダ(第2リターダ)14Bと偏光グレーティング(第2偏光グレーティング)30Bとの組み合わせの第2層、及びリターダ(第3リターダ)14Cと偏光グレーティング(第3偏光グレーティング)30Cとの組み合わせの第3層で構成される場合を例示している。また、各層におけるリターダ14と偏光グレーティング30とは交互に配置されるように構成されている。
[0095]
 リターダ14Aは第1及び第2電極24AL,24ARが設けられ、リターダ14Bは第1及び第2電極24BL,24BRが設けられ、リターダ14Cは第1及び第2電極24CL,24CRが設けられている。リターダ14の各々には、個別に設定された電圧値で電圧が印加される。
[0096]
 また、組み合わせの第1層、第2層、第3層の各々に対応して、ミラー16A,16B,16Cと、受光部18A,18B,18Cと、が設けられている。以下では、各層及び各層に対応する構成の各々を区別なく説明する場合には、符号のA,B,Cを省略して表記する。
[0097]
 ミラー16の各々は、対応する層の組み合わせを構成するリターダ14の出射面So側であって、かつ、対応する層の組み合わせを構成する偏光グレーティング30へ入射される前の光を反射する位置に配置される。
[0098]
 また、第6実施形態に係る偏光状態制御装置610は、第3実施形態に係る偏光状態制御装置310の制御部20に代えて、制御部620を備える。
[0099]
 図2に示す制御部20の構成と同様に、制御部620は、光量取得部42と、電圧値決定部644と、電圧制御部646と、電圧-位相遅れ量特性を記憶するDB48と、を含んで構成される。
[0100]
 電圧値決定部644は、受光部18の各々から取得された光量データに基づいて、各受光部18に対応する層の組み合わせを構成するリターダ14に印加する電圧値を決定する。電圧値の決定方法は、上記第1~第4実施形態に示す方法と同様である。
[0101]
 電圧制御部646は、電圧値決定部644により決定された各層に対応する電圧値が、第1及び第2電極24L,24Rを介して、対応する層の組み合わせを構成するリターダ14に印加されるように、制御用電源22に設定する。
[0102]
 以上説明したように、第6実施形態に係る偏光状態制御装置610によれば、リターダ14と偏光グレーティング30とが組み合わせられた層が、2つ以上設けられている。偏光状態制御装置610は、各層のリターダ14の位相遅れ量を、それぞれ独立してλ/2又は0に設定する。これにより、偏光状態制御装置610は、複数の偏光グレーティング30により、単一光源を用いて複数の方向へ出射光を回折させることができる。
[0103]
 なお、上記各実施形態において参照する電圧-位相遅れ量特性は、図13に示すように、温度変化によって関数曲線が変化する。そこで、上記各実施形態に係る偏光状態制御装置は、異なる複数の温度毎に、電圧-位相遅れ量特性を予め記憶しておき、周囲温度をモニタリングし、周囲温度に対応する電圧-位相遅れ量特性を選択して、上記各実施形態のように電圧値を決定してもよい。これにより、上記各実施形態に係る偏光状態制御装置は、リターダ14の個体差や経年劣化等に起因する位相遅れ量のずれだけでなく、使用時の温度変化に起因する位相遅れ量のずれも解消して、常時位相遅れ量を最適化することができる。
[0104]
 また、上記各実施形態をそれぞれ組み合わせて実施することもできる。例えば、第4実施形態及び第5実施形態の構成において、リターダ14と偏光グレーティング30との組合せを多層にする構成としてもよい。
[0105]
 また、上記各実施形態に係る偏光状態制御処理を実行するための偏光状態制御プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し提供してもよい。
[0106]
 上記各実施形態のように、所望の偏光状態の出射光を得られる構成は、レーザレーダ等の光ビームスキャナ、レーザ加工機などに用いることができる。

請求の範囲

[請求項1]
 光源光を直線偏光に偏光する直線偏光子と、
 前記直線偏光子を通過した光源光が入射されると共に、印加される電圧に応じて、入射された光の偏光状態を変えて出射するリターダと、
 前記直線偏光子を通過した光源光の一部を、前記リターダの出射面側において入射面側に反射させる反射板と、
 前記反射板により反射されて、前記直線偏光子を通過した光を受光する受光部と、
 前記受光部により受光された光の光量に基づいて、前記入射された光をλ/2又は0の位相遅れで偏光した光が前記リターダから出射されるように、前記リターダに印加する電圧を制御する制御部と、
 を含む、偏光状態制御装置。
[請求項2]
 光が前記反射板で反射されない光路上であって、前記直線偏光子と前記リターダとの間に配置される1/4波長板をさらに含む、
 請求項1に記載の偏光状態制御装置。
[請求項3]
 光が前記反射板で反射される光路上であって、前記直線偏光子と前記リターダとの間に配置される1/4波長板をさらに含む、
 請求項1又は請求項2に記載の偏光状態制御装置。
[請求項4]
 前記リターダから出射された光が入射される偏光グレーティングをさらに含み、
 前記反射板は、前記偏光グレーティングへ入射される前の光を反射する、
 請求項2又は請求項3に記載の偏光状態制御装置。
[請求項5]
 前記リターダと前記偏光グレーティングとの組み合わせが複数積層され、
 前記反射板及び前記受光部は、前記組み合わせの各々に対応して設けられ、
 前記制御部は、前記受光部の各々により受光された光の光量に基づいて、前記受光部に対応する前記組み合わせを構成する前記リターダに印加する電圧を制御する、
 請求項4に記載の偏光状態制御装置。
[請求項6]
 前記制御部は、前記受光部により受光された光の光量が最大となるように、前記リターダに印加する電圧を制御する、
 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の偏光状態制御装置。
[請求項7]
 前記直線偏光子は、入射方向へP偏光の光を出射し、前記入射方向と直交する方向へS偏光の光を出射する偏光ビームスプリッタであり、
 前記受光部は、前記偏光ビームスプリッタから出射されるS偏光の光を受光し、
 前記制御部は、前記受光部で受光されたS偏光の光の光量が最小となるように、前記リターダに印加する電圧を制御する、
 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の偏光状態制御装置。
[請求項8]
 前記制御部は、予め設定された、前記リターダに印加する電圧に対する位相遅れ量の特性において、所定の電圧値より低い電圧値の第1数値範囲において、位相遅れ量がλ/2となる電圧値を探索し、前記所定の電圧値より高い電圧値の第2数値範囲において、位相遅れ量が0となる電圧値を探索する、
 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の偏光状態制御装置。
[請求項9]
 前記制御部は、予め設定された、前記リターダに印加する電圧に対する位相遅れ量の特性において、λ/2又は0の位相遅れ量に対応する電圧値の近傍で、前記リターダに印加する電圧値を探索する、
 請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の偏光状態制御装置。
[請求項10]
 コンピュータを、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の偏光状態制御装置として機能させるための偏光状態制御プログラムが記録された記録媒体。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]