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1. JP2012214633 - ポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法

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Description

Title of Invention ポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法 20150909 C08G 64/00−64/42 国際公開第2007/083721(WO,A1) 特開2006−062957(JP,A) 特開2006−137669(JP,A) 特開平06−319946(JP,A) 特開2009−196957(JP,A) 特表2002−528367(JP,A) 2012214633 20121108 20131119 岡▲崎▼ 忠

Technical Field

0001  

Background Art

0002   0003   0004  

Citation List

Patent Literature

0005  

Summary of Invention

Technical Problem

0006   0007  

Technical Solution

0008  

Advantageous Effects

0009  

Brief Description of Drawings

0010  

Description of Embodiments

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035  

Examples

0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

Industrial Applicability

0049  

Claims

1   2  

Drawings

1    

Description

ポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法

20150909 C08G 64/00−64/42 patcit 1 : 国際公開第2007/083721(WO,A1)
patcit 2 : 特開2006−062957(JP,A)
patcit 3 : 特開2006−137669(JP,A)
patcit 4 : 特開平06−319946(JP,A)
patcit 5 : 特開2009−196957(JP,A)
patcit 6 : 特表2002−528367(JP,A)
2012214633 20121108 20131119 岡▲崎▼ 忠

Technical Field

[0001]
本発明は、ポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法に関する。

Background Art

[0002]
一般に、ポリカーボネートの製造方法としては、二価フェノール類(ビスフェノール類)とホスゲンとを直接反応させる界面法、ビスフェノール類とジフェニルカーボネートとを無溶媒条件下で反応させるエステル交換法が知られているが、品質が良好なポリカーボネートが得られる点から、界面法が主流となっている(例えば特許文献1を参照)。
界面法では、ポリカーボネートの原料としては、ビスフェノール類、水酸化ナトリウム等のアルカリ化合物及びホスゲンが用いられ、必要に応じて末端停止剤(分子量調節剤)等が添加される。また、ポリカーボネートの工業的製造プラントでは、一般に、ビスフェノール類のアルカリ水溶液にホスゲンを吹き込んで反応性のクロロフォーメート基を有するポリカーボネートオリゴマーを生成させ、この生成と同時にあるいは逐次的に、さらにポリカーボネートオリゴマーとビスフェノール類のアルカリ水溶液とを反応させることにより、ポリカーボネートが製造されている。
[0003]
特許文献2には、ホスゲンを蒸留精製して得られる液化ホスゲンを貯蔵し、該液化ホスゲンを用いてポリカーボネートを製造する方法が開示されている。
しかしながら、ホスゲンは毒性が高いため、貯蔵しておくことは安全性の観点から望ましくなく、例えば液化ホスゲン貯槽が腐食等により破損した場合にはホスゲンが漏洩するというリスクが存在する。そのようなリスクは、ホスゲン除害設備を設置することで低減することができるが、ホスゲンの保有量が多いためにホスゲンを除害するのに時間がかかる一方、短時間で除害するためには大規模の設備が必要となりコストがかかる。
[0004]
特許文献3には、塩素及び一酸化炭素を反応させて得られるホスゲンガスを液化することなく、そのままポリカーボネートオリゴマーの製造に用いるポリカーボネートオリゴマーの連続製造方法が開示されている。この方法によれば、液化ホスゲンを用いる方法に比べて、系内のホスゲンの保有量が少なく済む。

Citation List

Patent Literature

[0005]
patcit 1 : 特開2004−331916号公報
patcit 2 : 特開2001−261321号公報
patcit 3 : 国際公開第2007/083721号パンフレット

Summary of Invention

Technical Problem

[0006]
塩素及び一酸化炭素をホスゲン反応器内で反応させてホスゲンガスを生成させる際、反応器内部は発熱反応を起こすため、外部からの冷却によりホスゲン反応器内を一定の温度に保っておく必要がある。何らかのトラブルにより冷却が十分でなくなると、ホスゲン反応器内の反応温度が制御不能の状態となり、局所的にホスゲン反応器が高温となって、破損し、系外に漏洩する可能性もある。また、さらに反応器内の温度が高くなりすぎると、その結果として副生成物である四塩化炭素が多量に生成し、該四塩化炭素がポリカーボネート製品中に混入してくる。このことは、例えば光ディスク等の基板として使用する場合、記録膜に悪影響を及ぼすため望ましくない。
しかしながら、上記特許文献のいずれにも、これらの問題が生じた場合については想定されておらず、有害なホスゲンを系外に漏洩することなく除害しつつポリカーボネートを製造する方法については開示されていない。
[0007]
本発明の課題は、ポリカーボネートを製造する際のポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造する方法において、異常時においても、自動的に装置を停止し、かつ、有害なホスゲンを系外に漏洩することなく除害する方法を提供することにある。

Technical Solution

[0008]
本発明の課題は、下記のポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法によって解決される。
塩素及び一酸化炭素をホスゲン反応器に供給し未反応の一酸化炭素を含有するホスゲンガスを連続的に製造する工程(1)、並びに前記工程(1)で連続的に製造されたホスゲンガス、二価フェノールのアルカリ水溶液及び有機溶媒をオリゴマー反応器に連続的に供給して、ポリカーボネートオリゴマーを含有する反応混合物を連続的に製造する工程(2)を含むポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法であって、
下記の条件(i)及び/又は(ii)を満たす場合に、前記工程(1)における塩素及び一酸化炭素の供給を停止すると共に、オリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給を停止させ、かつ、ホスゲンガスを含む有毒ガスを除害手段に移送して無害化する、ポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法。
条件(i):ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)が定常時から25%以上低下した場合。
条件(ii):ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)が定常時から5℃以上上昇した場合。

Advantageous Effects

[0009]
本発明の方法によれば、界面法によるポリカーボネートオリゴマーの連続製造において、ホスゲン反応器の冷却トラブルにより、ホスゲン反応器内の異常反応が起きた場合であっても、ホスゲン反応器が破損する等の事故を起こすことなく、ホスゲン原料である塩素及び一酸化炭素の供給並びにオリゴマー反応器へのホスゲンの供給を自動停止すると共に、系内のホスゲンを除害手段に移送するように自動制御して、ホスゲンを系外に漏洩することなく安全にポリカーボネートオリゴマーを製造することができる。

Brief Description of Drawings

[0010]
[fig. 1] 本発明のポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法の好ましい一実施態様の概略を示す工程図である。

Description of Embodiments

[0011]
本発明のポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法は、界面法によるポリカーボネートオリゴマーの連続製造において、ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)及びホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)を常時監視し、後述する条件(i)及び/又は(ii)を満たす場合に、ホスゲン原料である塩素及び一酸化炭素の供給並びにオリゴマー反応器へのホスゲンの供給を自動停止すると共に、系内のホスゲンを除害手段に移送するように自動制御する方法である。
なお、ホスゲン反応器内において局所的な温度上昇がないか監視するという観点からは、ホスゲン反応器内に複数の温度計を設置して内部、特に触媒層の温度を直接測定することが理想的である。しかし、ホスゲン反応器内、特に触媒層に複数の温度計を設置する場合、コストアップやメンテナンスの負荷が増大する等の問題が生じるだけでなく、温度計が設置された箇所からホスゲンガスが漏洩する危険があるため、現実的ではない。そのため、本発明では、ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)及びホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)を常時監視し、定常時の条件から逸脱がないか確認することでホスゲン反応器内の異常な温度上昇がないか監視する。
[0012]
[ポリカーボネートの製造]
本発明のポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法は、二価フェノール類とホスゲンとを直接反応させる界面法に適用され、連続反応方式において適用される。
本発明におけるポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造する方法は、塩素及び一酸化炭素をホスゲン反応器に供給し未反応の一酸化炭素を含有するホスゲンガスを連続的に製造する工程(1)、並びに前記工程(1)で連続的に製造されたホスゲンガス、二価フェノールのアルカリ水溶液及び有機溶媒をオリゴマー反応器に連続的に供給して、ポリカーボネートオリゴマーを含有する反応混合物を連続的に製造する工程(2)を含む方法である。
[0013]
<工程(1)>
工程(1)は、塩素及び一酸化炭素をホスゲン反応器に供給し未反応の一酸化炭素を含有するホスゲンガスを連続的に製造する工程である。
ポリカーボネートオリゴマーの品質の観点から、一酸化炭素は、コークス、石油、天然ガス、アルコール等と酸素とを反応させて製造し、純度95容量%以上に精製したものが好ましい。特に、硫黄成分の含有量が50ppm以下のものが好ましい。また、塩素:一酸化炭素の比率(モル比)は、好ましくは1:1.01〜1:1.3、より好ましくは1:1.02〜1:1.2である。
なお、反応は、例えば特公昭55−14044号公報等に記載の公知の方法によって行うことができる。触媒として、活性炭を主成分とする触媒を用いることができる。
ホスゲン製造反応は発熱反応であるため、ホスゲン反応器を冷却する必要がある。反応器内部温度を350℃以下に保つことが好ましい。
[0014]
工程(1)におけるホスゲン製造条件は、装置の規模や生産量等によって適宜決定される。
例として、1時間当たり約4kgのホスゲンを製造する場合における好ましい条件を以下に記載するが、これに限定されるものではない。一酸化炭素の好ましい流量は1.1〜1.3kg/hであり、塩素の好ましい流量は2.7〜2.9kg/hである。冷却水の好ましい流量は78〜82kg/h、好ましい温度は89〜91℃、好ましい圧力は0.18〜0.22MPaGである。冷却水出口温度は、好ましくは92〜94℃である。ここで、冷却水は、ホスゲン化反応熱によって沸騰しないような条件で送液することを前提としている。
[0015]
工程(1)で得られるホスゲンガスは、通常、未反応の一酸化炭素を含有する。ホスゲンガス中の一酸化炭素の含有量は、コスト及びポリカーボネートオリゴマーの品質の観点から、好ましくは1〜30容量%、より好ましくは2〜20容量%である。すなわち、純度99〜70容量%のホスゲンガスが好ましい。
[0016]
<工程(2)>
工程(2)は、前記工程(1)で連続的に製造されたホスゲンガス、二価フェノールのアルカリ水溶液及び有機溶媒をオリゴマー反応器に連続的に供給して、ポリカーボネートオリゴマーを含有する反応混合物を連続的に製造する工程である。
[0017]
ポリカーボネートの製造における原料としては、ホスゲンガス、二価フェノール類(ビスフェノール類)、二価フェノール類を溶解するために使用するアルカリ化合物、有機溶媒が挙げられ、必要に応じて、分子量調節剤としての一価フェノールや、その他の添加剤を使用してもよい。
ホスゲンガスとしては、前記工程(1)で連続的に製造されたホスゲンガスが用いられる。
[0018]
二価フェノール類としては、ポリカーボネートの物性の点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA;BPA)が好ましい。ビスフェノールA以外の二価フェノール類としては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカン等のビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン等が挙げられる。これらの二価フェノール類は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
二価フェノール類を溶解するために使用するアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウムが好適である。
[0019]
有機溶媒としては、ポリカーボネートオリゴマーが溶解するものであればよく、例えば、塩化メチレン,ジクロロエタン,クロロホルム,クロロベンゼン,四塩化炭素等の塩素系溶媒、ジオキサン等の環状オキシ化合物等が挙げられる。本発明においては、塩素系溶媒が好ましく、ポリカーボネートオリゴマーの溶解性等の点から塩化メチレンが特に好ましく使用される。上記で挙げた有機溶媒以外にも、ポリカーボネートオリゴマーの溶解性を低下させない範囲であれば、貧溶媒と呼ばれるアルカン類等の溶媒を使用してもよい。
有機溶媒は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
[0020]
分子量調節剤として用いる一価フェノールとしては、例えばフェノール、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、ノニルフェノール等が挙げられる。中でも、コストや入手の容易性等の観点から、p−tert−ブチルフェノール及びフェノールが好ましい。
[0021]
ポリカーボネートオリゴマーの製造には、必要に応じて、三級アミン、四級アミンなどの重合触媒を使用することもできる。重合触媒としては、TEA(トリエチルアミン)が好ましい。
オリゴマー反応器としては、連続反応方式の反応器が用いられ、反応原料を混合する混合部を有する管型構造をした反応器が好ましく用いられる。
なお、オリゴマー反応器は建物内に設置されており、外部と隔離されている。建物内は常時空気の入れ替えを行っており、内部の換気空気はブロア等で除害手段へ送られる。
[0022]
工程(2)におけるオリゴマー反応器への原料の供給量や反応条件は、装置の規模や生産量等によって適宜決定される。
例として、1時間当たり約200kgのポリカーボネートオリゴマーを製造する場合における好ましい条件を以下に記載するが、これに限定されるものではない。工程(1)により得られるホスゲンガスの好ましい流量は3.7〜4.1kg/hである。ホスゲンガスの温度は、ホスゲンの沸点(7.8℃)〜90℃の範囲が好ましい。二価フェノールのアルカリ水溶液としては、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液が好ましく、予め所定濃度になるように調整され供給される。ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液において、好ましいビスフェノールA濃度は12.5〜14.0質量%であり、好ましい水酸化ナトリウム濃度は5.1〜6.1質量%である。ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液の好ましい流量は42〜46kg/hである。塩化メチレン等の有機溶媒の流量は、好ましくは20〜24kg/hである。
[0023]
工程(2)では、クロロフォーメート基を有するポリカーボネートオリゴマーを含有する反応混合物が得られる。上記ポリカーボネートオリゴマーの性状は特に制限されるものではなく、適宜最適な性状となるように反応条件を設定すればよいが、VPO(蒸気圧浸透圧計)で測定した分子量が約600〜5000程度であるものが好ましい。
[0024]
なお、ポリカーボネートオリゴマーを含有する反応混合物は、ポリカーボネートオリゴマーが前記有機溶媒に溶解した有機相と、アルカリ水溶液を含有する水相の混合物である。この反応混合物を縮合反応器に導入し、縮合反応させることでポリカーボネートを製造することができる。
また、縮合反応が終了した後、反応溶液を公知の方法で洗浄し、濃縮し、粉末化等を行うことにより粉末状のポリカーボネートを得ることができ、さらに押出機等で処理することによりペレット化することができる。
[0025]
[ポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法]
オリゴマー反応器には所定量のホスゲンガス、二価フェノールのアルカリ水溶液及び有機溶媒が連続的に供給される。ホスゲンガスの供給圧力(P1)及びオリゴマー反応器内の入口圧力(P2)は、ホスゲン反応器やオリゴマー反応器の大きさ、形状等によって適宜設定されるが、通常、ホスゲンガスの供給圧力(P1)が0.4〜0.5MPaG、オリゴマー反応器内の入口圧力(P2)が0.15〜0.35MPaG、両者の圧力差(P1−P2)の値が0.105MPa〜0.35MPaの差圧となるように連続運転される。
本発明のポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法では、ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)及びホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)について、下記の条件(i)及び/又は(ii)を満たしているかどうか常時監視し、該条件を満たした場合に、自動システムにより、ホスゲンの製造及び供給を停止すると共に、系内のホスゲンガスを含む有毒ガスを除害手段に移送して無害化する。
条件(i):ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)が定常時から25%以上低下した場合。
条件(ii):ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)が定常時から5℃以上上昇した場合。
[0026]
<条件(i)>
条件(i)は、ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)が定常時から25%以上低下した場合である。
ホスゲン反応器には所定量の一酸化炭素及び塩素が連続的に供給されるが、ホスゲン生成反応は発熱反応であるため、ホスゲン反応器を冷却する必要がある。生産量、反応条件、冷却水温度等が定常時から変わってないにもかかわらず冷却水供給ポンプ等のトラブルにより冷却水流量が不足すると、除熱量が低下してホスゲン反応器内温度が上昇し、それにより副生成物である四塩化炭素が多量に生成し、該四塩化炭素がポリカーボネート製品中に混入するため望ましくない。また、ホスゲン反応器内で反応温度が制御不能の状態となると、局所的にホスゲン反応器が高温となり、ホスゲン反応器が破損して、系外にホスゲンが漏洩する危険がある。
そのため、本発明では、安全上の観点から、ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)が定常時から25%以上低下した場合に自動システムを起動させる。ただし、一過性のトラブル等により頻繁に自動システムが起動してしまうと、効率よく操業することが難しくなってしまうため、安全性を確保した上で効率よく操業するという観点からは、自動システムが起動する条件は、ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)が、定常時から49%以上低下した場合に設定してもよく、更に定常時から54%以上低下した場合に設定してもよい。
[0027]
<条件(ii)>
条件(ii)は、ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)が定常時から5℃以上上昇した場合である。
ホスゲン反応器には所定量の一酸化炭素及び塩素が連続的に供給されるが、ホスゲン生成反応は発熱反応であるため、ホスゲン反応器を冷却する必要がある。生産量、反応条件、冷却水温度等が定常時から変わってないにもかかわらずホスゲン化反応の異常により冷却水出口温度が上昇すると、ホスゲン反応器内温度が上昇し、それにより副生成物である四塩化炭素が多量に生成し、該四塩化炭素がポリカーボネート製品中に混入するため望ましくない。また、ホスゲン反応器内で反応温度が制御不能の状態となると、局所的にホスゲン反応器が高温となり、ホスゲン反応器が破損して、系外にホスゲンが漏洩する危険がある。
そのため、本発明では、安全上の観点から、ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)が定常時から5℃以上上昇した場合に自動システムを起動させる。ただし、一過性のトラブル等により頻繁に自動システムが起動してしまうと、効率よく操業することが難しくなってしまうため、安全性を確保した上で効率よく操業するという観点からは、自動システムが起動する条件は、ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)が、定常時から10℃以上上昇した場合に設定してもよく、更に定常時から25℃以上上昇した場合に設定してもよい。
[0028]
本発明のポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法では、上記の条件(i)及び/又は(ii)を満たす場合に、下記(a)、(b)及び(c)の操作が自動的に行われ、有毒なホスゲンの漏洩を防止すると共に無害化する。
(a)ホスゲンガスを連続的に製造する工程(1)における塩素及び一酸化炭素の供給を停止する。これは、系内におけるホスゲンガスの量を増加させないことを目的として、ホスゲンガスの製造を中止する操作である。
(b)オリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給を停止する。これは、一部のホスゲンがオリゴマー反応器内で消費されずに未反応のまま下流の工程に流れるおそれがあるため、ホスゲンの漏洩を防止するための操作である。
(c)系内のホスゲンガスを含む有毒ガスを除害手段に移送して無害化する。これは、上記(a)及び(b)の操作によりホスゲンの増加及び漏洩を防止して系内に封じ込めることに加えて、より高い安全性の観点から系内のホスゲンガスを無害化する操作である。
[0029]
<除害手段>
除害手段は、ホスゲンガスを含む有毒ガスを除害剤により無害化するための設備であり、公知のものを用いることができる。具体例としては、除害剤の散布設備、有毒ガスと除害剤とを接触させる吸収塔等が挙げられる。また、特開平6−319946号公報や特開2005−305414号公報等に記載された塔型の除害設備を用いることもできる。
[0030]
ホスゲンや塩素等の酸性ガスに対しては、除害剤としてアルカリ性物質が用いられる。除害剤として用いられるアルカリ性物質は、特に限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが一般的に用いられる。また、通常これらは水溶液として用いられる。
[0031]
除害手段が除害塔の場合、除害塔の構造は特に限定されないが、代表的な例として、除害剤を塔の上部からスプレー等でシャワー状に噴射し、下部から供給された有害ガスと接触させて除害するものが挙げられる。除害剤とガスとの接触効率を高めるために、除害剤の噴射口とガスの流入口との間にラシヒリング等の充填剤を充填してもよい。また、除害塔の本数は特に限定されず、除害処理ガス中の有毒ガス濃度が、環境基準等で規定された所定濃度以下となるように、好ましくは検出されないレベルにまで低減されるように設計される。
[0032]
除害手段は、有毒ガスの漏洩がなくても不測の事態に備え常時運転する。なお、オリゴマー反応器が設置された建物内の換気空気は、ブロア等で除害手段に送られて無害化した上で外部に放出される。
[0033]
本発明の好ましい一実施態様について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明のポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法の好ましい一実施態様の概略を示す工程図である。
通常運転時は、ホスゲン製造原料の塩素及び一酸化炭素は調節弁を通してホスゲン反応器に供給され、ホスゲン反応器においてホスゲンガスが製造される。反応は発熱反応であるため、ホスゲン反応器は冷却水によって冷却される。
未反応の一酸化炭素を含有するホスゲンガス(反応生成物)は、調節弁を通してオリゴマー反応器に導入される。オリゴマー反応器には、ホスゲンガスに加えて、二価フェノールのアルカリ水溶液(具体的には、例えばビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液)及び有機溶媒(具体的には、例えば塩化メチレン)も導入され、これらの反応により、ポリカーボネートオリゴマーを含有するエマルション溶液が製造される。
なお、塩素及び一酸化炭素の供給路に設けられた調節弁は、これらの流量を自動制御しており、ホスゲンガスのオリゴマー反応器への供給路に設けられた調節弁は、オリゴマー反応器に供給するホスゲンガスの供給圧力を制御している。
[0034]
ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)は、流量計を用いて常時監視され、ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)は、温度計を用いて常時監視されており、その値は自動制御装置に送られている(図中の点線の矢印)。
異常事態が発生した場合、すなわち、ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)及びホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)について、上記の条件(i)及び/又は(ii)を満たす場合には、自動制御装置から、塩素及び一酸化炭素の供給路に設けられた調節弁、ホスゲンガスのオリゴマー反応器への供給路に設けられた調節弁、並びに除害装置への流路に設けられた調節弁に一斉に信号が送られる(図中の太い実線の矢印)。
自動制御装置からの信号により、塩素及び一酸化炭素の供給路に設けられた調節弁が閉じられ、塩素及び一酸化炭素の供給が停止される。また、ホスゲンガスのオリゴマー反応器への供給路に設けられた調節弁が閉じられ、オリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給が停止される。
除害装置への流路に設けられた調節弁は、通常運転時には閉じられているが、自動制御装置からの信号により開けられ、系内のホスゲンガスを含む有毒ガスは除害装置に移送される。除害装置において、ホスゲンガスを含む有毒ガスは無害化される。
[0035]
以上、本発明の好ましい一実施態様について図面を参照しながら説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図1には示されていないが、調節弁の他に各流体供給停止用の遮断弁を設けてもよい。
Examples
[0036]
以下に、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
[0037]
実施例1−1
(自動制御装置)
図1に示すように、ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)が定常時から25%以上低下した場合(条件(i))又はホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)が定常時から5℃以上上昇した場合(条件(ii))に、塩素及び一酸化炭素の供給路に設けられた調節弁並びにホスゲンガスのオリゴマー反応器への供給路に設けられた調節弁を閉止し、かつ、除害装置への流路に設けられた調節弁を開放するように制御を行う自動制御装置を設計した。
[0038]
(除害装置)
除害装置として、カスケード・ミニ・リング(CMR)(商品名、マツイマシン(株)製)を充填した塔径600mm、充填層高さ10mの除害塔を使用した。除害塔には、除害剤として濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を2m 3/hで循環させた。水酸化ナトリウム水溶液は塔の上部から、有毒なガスは下部から供給した。
[0039]
(ホスゲンの製造)
ホスゲン反応器として、チューブ内に市販の粒状活性炭(直径1.2〜1.4mmに粉砕した椰子殻活性炭)を充填したシェルアンドチューブ型反応器を使用した。
ホスゲン反応器に一酸化炭素1.2kg/h、塩素2.8kg/hを供給し、ホスゲンガス3.9kg/hを製造した。ホスゲン反応器のシェル部には、90℃の水を80kg/hで通水して反応熱を除去した。このときの水の反応器出口温度は93℃であり、圧力は0.2MPaGであった。
[0040]
(ポリカーボネートオリゴマーの製造)
オリゴマー反応器として、内径6mm、長さ30mの管型反応器を使用した。オリゴマー反応器は20℃の冷却槽に浸した。ホスゲンガスは、上流のホスゲン製造工程から連続的にオリゴマー反応器に供給し、オリゴマー反応器に供給するホスゲンガスの供給圧力は0.45MPaGに設定した。
オリゴマー反応器に、ホスゲンガス3.9kg/h、濃度6質量%水酸化ナトリウム水溶液にビスフェノールA(BPA)を溶解して得られた濃度13.5質量%のBPA水酸化ナトリウム水溶液44kg/h、塩化メチレン22kg/h、分子量調節用の濃度25質量%のp−tert−ブチルフェノールの塩化メチレン溶液0.46kg/hを供給し、ポリカーボネートオリゴマー溶液を製造した。このとき、オリゴマー反応器内の入口圧力は0.20MPaGであった。
[0041]
ここで、ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)を意図的に25%低下させて60kg/hとした。
その結果、自動制御装置により、ホスゲン反応器への塩素及び一酸化炭素の供給が停止されるとともにオリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給が停止され、また、ホスゲン反応器で生成したホスゲンガスは除害装置へ移送された。除害塔の出口から排出されたガスについて成分測定を行ったところ、ホスゲンは検出されず無害化されていた。また、ホスゲン反応器の異常な温度上昇もなかった。
[0042]
実施例1−2
ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)を意図的に50%低下させて40kg/hとしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてポリカーボネートオリゴマーの製造を行った。
その結果、実施例1−1と同様に、自動制御装置により、ホスゲン反応器への塩素及び一酸化炭素の供給が停止されるとともにオリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給が停止され、また、ホスゲン反応器で生成したホスゲンガスは除害装置へ移送された。除害塔の出口から排出されたガスについて成分測定を行ったところ、ホスゲンは検出されず無害化されていた。また、ホスゲン反応器の異常な温度上昇もなかった。
[0043]
実施例1−3
ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)を意図的に55%低下させて36kg/hとしたこと以外は、実施例1−1と同様にしてポリカーボネートオリゴマーの製造を行った。
その結果、実施例1−1と同様に、自動制御装置により、ホスゲン反応器への塩素及び一酸化炭素の供給が停止されるとともにオリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給が停止され、また、ホスゲン反応器で生成したホスゲンガスは除害装置へ移送された。除害塔の出口から排出されたガスについて成分測定を行ったところ、ホスゲンは検出されず無害化されていた。また、ホスゲン反応器の異常な温度上昇もなかった。
[0044]
比較例1−1
自動制御装置を使用しなかったこと以外は、実施例1−1と同様にしてポリカーボネートオリゴマーの製造を行おうとした。
しかし、自動制御しなかった場合、ホスゲン反応器内で局所的な温度上昇が予想され、操作を続けると、ホスゲン反応器内温度が局所的に設計温度以上となり、ホスゲン反応器が破損してホスゲンが系外に漏洩することが想定されたため、この操作を中止した。
[0045]
実施例2−1
ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)を意図的に5℃上昇させたこと以外は、実施例1−1と同様にしてポリカーボネートオリゴマーの製造を行った。
その結果、実施例1−1と同様に、自動制御装置により、ホスゲン反応器への塩素及び一酸化炭素の供給が停止されるとともにオリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給が停止され、また、ホスゲン反応器で生成したホスゲンガスは除害装置へ移送された。除害塔の出口から排出されたガスについて成分測定を行ったところ、ホスゲンは検出されず無害化されていた。また、ホスゲン反応器の異常な温度上昇もなかった。
[0046]
実施例2−2
ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)を意図的に10℃上昇させたこと以外は、実施例2−1と同様にしてポリカーボネートオリゴマーの製造を行った。
その結果、実施例2−1と同様に、自動制御装置により、ホスゲン反応器への塩素及び一酸化炭素の供給が停止されるとともにオリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給が停止され、また、ホスゲン反応器で生成したホスゲンガスは除害装置へ移送された。除害塔の出口から排出されたガスについて成分測定を行ったところ、ホスゲンは検出されず無害化されていた。また、ホスゲン反応器の異常な温度上昇もなかった。
[0047]
実施例2−3
ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)を意図的に25℃上昇させたこと以外は、実施例2−1と同様にしてポリカーボネートオリゴマーの製造を行った。
その結果、実施例2−1と同様に、自動制御装置により、ホスゲン反応器への塩素及び一酸化炭素の供給が停止されるとともにオリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給が停止され、また、ホスゲン反応器で生成したホスゲンガスは除害装置へ移送された。除害塔の出口から排出されたガスについて成分測定を行ったところ、ホスゲンは検出されず無害化されていた。また、ホスゲン反応器の異常な温度上昇もなかった。
[0048]
比較例2−1
自動制御装置を使用しなかったこと以外は、実施例2−1と同様にしてポリカーボネートオリゴマーの製造を行おうとした。
しかし、自動制御しなかった場合、ホスゲン反応器内で局所的な温度上昇が予想され、操作を続けると、ホスゲン反応器内温度が局所的に設計温度以上となり、ホスゲン反応器が破損してホスゲンが系外に漏洩することが想定されたため、この操作を中止した。

Industrial Applicability

[0049]
本発明の方法によれば、安全にポリカーボネートオリゴマーを連続的に製造することができる。特に、ホスゲン反応器破損につながる反応器の冷却トラブル等の事故が起きた場合でも、自動制御により、ホスゲンの製造及び供給を緊急停止すると共に、系内のホスゲンガスを含む有毒ガスを無害化し、有毒ガスが系外に漏洩することがない。

Claims

[1]
塩素及び一酸化炭素をホスゲン反応器に供給し未反応の一酸化炭素を含有するホスゲンガスを連続的に製造する工程(1)、並びに前記工程(1)で連続的に製造されたホスゲンガス、二価フェノールのアルカリ水溶液及び有機溶媒をオリゴマー反応器に連続的に供給して、ポリカーボネートオリゴマーを含有する反応混合物を連続的に製造する工程(2)を含むポリカーボネートオリゴマー連続製造 (ただし、上記工程(2)において得られる反応混合物を、循環ポンプを用いて外部熱交換器を経由し冷却して、その一部を再びオリゴマー反応器に戻す工程を含むポリカーボネートオリゴマーの連続製造を除く)の制御方法であって、
下記の条件(i)及び/又は(ii)を満たす場合に、前記工程(1)における塩素及び一酸化炭素の供給を停止すると共に、オリゴマー反応器へのホスゲンガスの供給を停止させ、かつ、ホスゲンガスを含む有毒ガスを除害手段に移送して無害化する、ポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法。
条件(i):ホスゲン反応器の冷却水流量(F1)が定常時から25%以上低下した場合。
条件(ii):ホスゲン反応器冷却水出口温度(T1)が定常時から5℃以上上昇した場合。
[2]
前記除害手段が、ホスゲンガスを含む有毒ガスをアルカリ水溶液と接触させて無害化する手段である、請求項1に記載のポリカーボネートオリゴマー連続製造の制御方法。

Drawings

[ Fig. 1]