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1. WO2018198854 - 下肢用マッサージ機

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明 細 書

発明の名称 下肢用マッサージ機

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011  

発明の効果

0012  

図面の簡単な説明

0013  

発明を実施するための形態

0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053  

符号の説明

0054  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 下肢用マッサージ機

技術分野

[0001]
本発明は、下肢のマッサージに好適な下肢用マッサージ機に関する。

背景技術

[0002]
 下肢(特に足部)などの施療部を挟み込むように配備された左右一対のマッサージ部材と、これら左右一対のマッサージ部材の相互間に配備された押圧部材と、を具備して成るマッサージ機として、特許文献1に開示されたものがある。
 特許文献1のマッサージ機において、左右一対のマッサージ部材は、互いに近接離反するように駆動され、足部を左右両側から対向して押圧したりこの押圧を緩めたりすることを繰り返すことで、揉みによるマッサージ動作を行うようになっている。
[0003]
 これに対し、特許文献1のマッサージ機が備える押圧部材は、左右のマッサージ部材で挟まれている足部を、これら左右のマッサージ部材とは異なる面(足裏など)を押圧したりこの押圧を緩めたりすることを繰り返すことで、指圧によるマッサージ動作を行うようになっている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特許第3377195号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1などに開示される従来のマッサージ機においては、左右一対のマッサージ部材によるマッサージ動作と押圧部材によるマッサージ動作とは、常に同じ動作パターンの組み合わせとして足部に施されるものであった。そのため、得られるマッサージ感が単一的になっていた。
また、左右のマッサージ部材が足部を左右両側から狭持・押圧した後に、この狭持状態を緩めようとするタイミングで、押圧部材が足部を押圧したとしても、足部が押圧部材から離れる方向へ逃げてしまい、押圧部材によるマッサージ動作が十分に足部に伝わらないということもあり、押圧部材による効果的なマッサージ動作がなされないこともあった。
[0006]
 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、左右一対のマッサージ部材によるマッサージ動作と押圧部材によるマッサージ動作とを行う下肢用マッサージ機において、押圧部材による効果的なマッサージ施術を可能とすることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
 本発明にかかる下肢用マッサージ機は、施療部を挟み込むように配備された左右一対のマッサージ部材と、前記左右一対のマッサージ部材の相互間に配備された押圧部材と、前記左右一対のマッサージ部材を互いに近接離反させる第1駆動機構と、前記押圧部材を施療部へ押しつけるように動作させる第2駆動機構とを有する下肢用マッサージ機であって、前記第1駆動機構と第2駆動機構とが同期して動作する同期状況と、前記第1駆動機構が停止し且つ第2駆動機構が動作する非同期状況とが切り替え自在に構成されていることを特徴とする。
[0008]
 好ましくは、前記非同期状況においては、前記左右一対のマッサージ部材が互いに近接した状態を維持した状態で、前記第2駆動機構が動作するとよい。
 好ましくは、前記第1駆動機構は、前記駆動モータの回転駆動力を伝達する前記回転軸と、前記回転軸の回転駆動力を左右一対のマッサージ部材の近接離反動作に変換する左右一対の変換部とを有しており、前記第2駆動機構は、前記第1駆動機構に備えられた回転軸により駆動される押圧部材を有していて、前記変換部は、回転軸が中心部を貫通し且つ外周縁が前記回転軸に対して傾斜状に設けられたカム溝を有する傾斜ボス部と、前記マッサージ部材の基端に設けられていて前記傾斜ボス部の外周縁に嵌り込む環状嵌合部と、前記傾斜ボス部と回転軸との間に配備されたワンウエイクラッチ機構とを有し、前記回転軸の回転駆動力が前記ワンウエイクラッチ機構を介して傾斜ボス部に伝達される構成とされているとよい。
[0009]
 好ましくは、前記回転軸が正転する際に、前記回転軸の回転駆動力がワンウエイクラッチ機構を介して傾斜ボス部に伝達されることにより、第1駆動機構と第2駆動機構とが同期して動作する同期状況となり、前記回転軸が逆転する際に、前記回転軸の回転駆動力がワンウエイクラッチ機構を介して傾斜ボス部に非伝達となって、第1駆動機構が停止し且つ第2駆動機構が動作している非同期状況となるように構成されているとよい。
[0010]
 好ましくは、前記ワンウエイクラッチ機構は、一方向動力伝達部を有しており、
 前記一方向動力伝達部は、回転軸が正転する際に前記回転軸の回転駆動力を傾斜ボス部に伝達し、回転軸が逆転する際に前記回転軸の回転駆動力を傾斜ボス部に非伝達とする構成とされているとよい。
 好ましくは、前記一方向動力伝達部は、前記回転軸が中心部を貫通すると共に当該回転軸に対して固定され同伴回転し、且つ前記傾斜ボス部の内部に遊嵌状態で嵌り込む蝸状ボス部を有しており、前記蝸状ボス部の外周縁には、前記マッサージ部材の位置を規制する位置規制部が形成されていて、前記位置規制部は、それぞれのマッサージ部材において、前記回転軸の周方向に対して所定の位置に形成されているとよい。
[0011]
 好ましくは、前記ワンウエイクラッチ機構は、ブレーキ部を有しており、前記ブレーキ部は、前記一方向動力伝達部が回転軸の回転駆動力を非伝達としている状況下において、前記マッサージ部材の動きを規制すべく傾斜ボス部の回転を規制する構成とされているとよい。

発明の効果

[0012]
 本発明にかかる下肢用マッサージ機を用いることで、左右一対のマッサージ部材及び押圧部材による足部への効果的なマッサージ施術が可能となる。

図面の簡単な説明

[0013]
[図1] 本発明にかかる下肢用マッサージ機を示した外観の正面斜視図である。
[図2] 本発明にかかる下肢用マッサージ機に備えられた水平マッサージ機構の正面図である。
[図3] 本発明の水平マッサージ機構の正面図である(左右一対のマッサージ部材が開状態、第3マッサージ部材を省略して描いている)。
[図4] 本発明の水平マッサージ機構の正面図である(左右一対のマッサージ部材が閉状態、第3マッサージ部材を省略して描いている)。
[図5] 本発明の水平マッサージ機構の分解斜視図である。
[図6] ワンウエイクラッチ機構の分解斜視図である(左後方からの斜視図)。
[図7] 一方向動力伝達部を拡大して示した図である(左後方からの斜視図)。
[図8] ブレーキ部の分解斜視図である(右後方からの斜視図)。

発明を実施するための形態

[0014]
 以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
 図1~図5は、本発明にかかる下肢用マッサージ機1の実施形態を示している。
 本実施形態の下肢用マッサージ機1は、使用者の左右両方の下肢をマッサージの対象(施療部)として、下肢を構成する足部とふくらはぎとの両方に、揉みのマッサージや直線的に移動するような押圧マッサージ(指圧マッサージ)を同時に行えるように構成されている。
[0015]
 なお、本明細書において「ふくらはぎ」は、人間の下肢のうち、膝下であってくるぶしより上の部分を言うものとし、「足部」はくるぶしより下の部分を言うものとする。また、説明における方向は、図に適宜示しており、下肢用マッサージ機1を使用する使用者から見た前後方向、左右方向、上下方向と一致する。
 本実施形態の下肢用マッサージ機1は、正面視すると四角形であり側面視すると長靴型(L字型)であるケーシング2を有している。このケーシング2の前面には、前方及び上方へ向けて開放する左右一対の施療凹部9が、互いに左右に離れて並設されている。これら左右の施療凹部9内には、弾力性及び柔軟性があり且つ適度な通気性を備えた内張材が設けられている。
[0016]
 図2に示すように、ケーシング2内には、台フレーム部2aと、この台フレーム部2aの後端部で起立する背フレーム部を有する側面視L型の支持フレームが設けられている。台フレーム部2aには水平マッサージ機構3が設けられており、背フレーム部には垂直マッサージ機構4が設けられている。
 なお、水平マッサージ機構3や垂直マッサージ機構4の「水平」「垂直」の呼称は、本明細書中での便宜上のものに過ぎず、下肢用マッサージ機1としての使用状態を限定したものではない。
[0017]
 まず、水平マッサージ機構3(足部マッサージ機構)を説明する。
 図2~図5などに示すように、水平マッサージ機構3は、足部を嵌め入れる程度に左右方向に離れて並設された左右一対のマッサージ部材5,5と、これら左右一対のマッサージ部材5,5の相互間に配備された押圧部材6と、左右一対のマッサージ部材5,5を互いに近接離反させる第1駆動機構7と、押圧部材6を動作させる第2駆動機構8とを有している。
[0018]
 マッサージ部材5,5は左右一対を一組として、この組み合わせがケーシング2の左右の施療凹部9に対応するように合計二組、設けられている。マッサージ部材5は、厚み方向に弾性を有する素材によって起立した板状に形成され、マッサージ部材5が互いに対向する内面には、足部への接触感を和らげるクッション材やカバー材等が設けられている。
 水平マッサージ機構3の第1駆動機構7は、左右一対のマッサージ部材5,5を、それらの相互間に嵌め入れられる足部への挟持位置(図4参照)と、解放位置(図3参照)との間で往復動作させることにより、足部に対して揉みによるマッサージ動作を付与するものである。この第1駆動機構7は、二組のマッサージ部材5,5を同時に駆動させるようになっている。
[0019]
第1駆動機構7は、マッサージ部材5,5間を貫通する方向(左右方向)に設けられた1本の回転軸10と、この回転軸10を回転駆動する駆動モータ11(電動モータ)と、回転軸10の回転駆動力をマッサージ部材5によるマッサージ動作に変換するための変換部とを有している。
 駆動モータ11は、正転駆動と逆転駆動とに切換可能なもので、ウォームギアとこのウォームギアに噛合するウォームホイルとが内蔵された減速部を介して、回転軸10に回転駆動力を伝達する。
[0020]
 変換部は、回転軸10がマッサージ部材5を貫通する部分に配備されており、回転軸10が中心部を貫通し、外周縁に回転軸10に対して傾斜状に設けられたカム溝を有する傾斜ボス部13を有している。
 本実施形態の場合、傾斜ボス部13と回転軸10との間には、ワンウエイクラッチ機構14が配備されるものとなっている。それ故、駆動モータ11が正転駆動し、回転軸10が正転する場合には、回転軸10の回転駆動力が傾斜ボス部13に伝えられ、回転軸10と傾斜ボス部13とは同方向に一体に回転する。一方、駆動モータ11が逆転駆動し、回転軸10が逆転する場合には、傾斜ボス部13は回転軸10に対して空転状態となり、回転軸10の回転駆動力は傾斜ボス部13には伝わらないことになる。
[0021]
 なお、ワンウエイクラッチ機構14の詳細は、後述する。
 傾斜ボス部13の外周縁には、マッサージ部材5の基端に設けられた環状嵌合部15がベアリングを介して嵌り込んでおり、マッサージ部材5は回転軸10と相対回転自在な状態を保持するようになっている。
 また、変換部は、マッサージ部材5から下向きに突出する規制突起16を、支持フレームの台フレーム部2a等に設けられた左右方向に長い横長孔17に係合させる構造を有している。この規制突起16と横長孔17とが係合し、規制突起16が横長孔17内を摺動することにより、マッサージ部材5は、傾斜ボス部13と供回り(従動回転)しないようになっている。すなわち、回転軸10が回転する際には、傾斜ボス部13が回転軸10のまわりに傾斜成分に応じた左右方向の揺動を起こすようになって、このときの揺動成分だけがマッサージ部材5に伝達されるようになっている。
[0022]
 回転軸10に対して傾斜ボス部13が傾く傾斜方向は、マッサージ部材5,5間において相対逆向きとなるように設定されている。そのため、左右一対のマッサージ部材5,5が互いに近接した後、離反するといった揺動動作を行う。左右一対のマッサージ部材5,5が互いに近接した際には、マッサージ部材5,5間に配備された足部を挟持し、左右から押圧マッサージするといった動作が行われることになる。
[0023]
 左右一対のマッサージ部材5,5が互いに離反した際には、マッサージ部材5,5間に配備された足部が開放されることとなる。回転軸10を連続回転させることで、マッサージ部材5,5は前述した挟持動作と解放動作とを交互に繰り返しながら、所定角度範囲に規制された状況下でうねり状の揺動をする。
 上記した動作は、回転軸10を正転した際に発生する動きである。すなわち、回転軸10を正転した際には、ワンウエイクラッチ機構14により、回転軸10の回転駆動力が傾斜ボス部13に伝えられ、回転軸10と傾斜ボス部13とは同方向に一体に回転し、マッサージ部材5が揺動駆動されることになる。
[0024]
 一方、回転軸10が逆転した際には、ワンウエイクラッチ機構14により、傾斜ボス部13は回転軸10に対して空転状態となり、回転軸10の回転駆動力は傾斜ボス部13には伝わらない。そのため、マッサージ部材5は、足部の挟持状態、又は足部の解放状態を維持したまま停止するが、後述する押圧部材6は駆動されることになる。
 一方、図2や図5に示す如く、足裏への押圧マッサージを行う押圧部材6は、第1駆動機構7に備えられた回転軸10に対して一体回転可能に設けられた回転ロータ20と、この回転ロータ20の外周面で、互いに周方向及び軸方向に所定間隔をおいて分散配置された複数の突起を有している。
[0025]
 この押圧部材6を駆動する第2駆動機構8は、回転ロータ20を回転軸10と一体回転させることにより、左右一対のマッサージ部材5,5の相互間に嵌め入れられる足部に対して、その足裏(つま先裏、土踏まず、踵裏)を上方へ押圧するようにマッサージ動作を付与するものである。
回転軸10の回転により回転ロータ20を回転させるとき、回転軸10の回転方向に応じて、複数の突起が足部の足裏を押圧しながら後側から前側へ移動するか、反対に前側から後側へと移行するかを選択できるものとなっている。
[0026]
 本実施形態の場合、足裏への押圧マッサージを行う押圧部材6は、更に複雑な構成を有するものとなっている。
 本実施形態の押圧部材6は、使用者の足裏中央部をマッサージする第1マッサージ部材20を有すると共に、使用者の足裏後部をマッサージする第2マッサージ部材21と、使用者の足裏前部をマッサージする第3マッサージ部材22とを有し、これら第1マッサージ部材20~第3マッサージ部材22を連動して駆動させることで、足裏に対するマッサージ動作を発生させるものとされている。
[0027]
 第1マッサージ部材20は、足裏中央部に押圧マッサージを付与する、前述した回転ロータ20である。
 この第1マッサージ部材20(回転ロータ)から後方に延びるように形成されたアーム状の第1連結片23が配備されていて、第1連結片23は、基端部が回転軸10に対して偏心状態で回動自在に取り付けられ、先端部に第2マッサージ部材21が設けられていて、回転軸10が回転運動することで、第1連結片23に連結されている第2マッサージ部材21が揺動運動する構成とされている。
[0028]
 加えて、第1マッサージ部材20(回転ローラ)から前方に延びるように形成されたアーム状の第2連結片24が配備されていて、第2連結片24は、基端部が回転軸10に対して偏心状態で回動自在に取り付けられ、先端部に第3マッサージ部材22が設けられていて、回転軸10が回転運動することで、第2連結片24に連結されている第3マッサージ部材22が前後方向にスライド揺動する構成とされている。
[0029]
 第2マッサージ部材21と第3マッサージ部材22には、上方突出状に複数の突起25が形成されており、この突起により足裏へのマッサージが効果的なものとなる。
 上記した第1連結片23と第2連結片24は、それぞれの連結片の基端部が同じ位置となるように、一体に形成されている。
 前述した如く、本実施形態の下肢用マッサージ機1の場合、傾斜ボス部13と回転軸10との間には、ワンウエイクラッチ機構14が配備されるものとなっている。
[0030]
 このワンウエイクラッチ機構14は、一方向動力伝達部40と、ブレーキ部50とから構成されている。
 図6、図7に示す如く、一方向動力伝達部40は、傾斜ボス部13の幅方向内側に設けられており、図6、図8に示す如く、ブレーキ部50は、傾斜ボス部13の幅方向外側に設けられている。
[0031]
 図6、図7に示すように、一方向動力伝達部40は、傾斜ボス部13の内部に遊嵌状態で嵌り込む蝸状ボス部42を有している。蝸状ボス部42は、回転軸10が中心部を貫通しており、回転軸10に対して固定され同伴回転するようになっている。
 蝸状ボス部42の外周縁には、側方視で螺旋状のカム溝43が形成されている。詳しくは、このカム溝43は、角度0度の位置で半径が最大であり、反時計方向に廻るにしたがって、半径が短くなるようなカム溝43となっている。そのため、丁度一周回った位置(角度360度)の直前では、半径が最短となっている。このため、角度360度(言い換えれば、角度0度)の位置には、切り立った崖部44(位置規制部)が形成されていることになる。このカム溝43は、側面視で、蝸牛の殻状に似た形態を呈している。この崖部44は、それぞれのマッサージ部材5において、回転軸10の周方向に対して所定の位置に形成されるものとなっている。
[0032]
 例えば、右足を挟み込む押圧部材5に対応する崖部44の位置と、左足を挟み込む押圧部材5に対応する崖部44の位置とを、回転軸10の周方向に対して同じ位置とすることで、右足を挟持押圧する際に同じように左足も挟持押圧することができるようになる。すなわち、右足に対応する押圧部材5と、左足に対応する押圧部材5とが同位相で揺動させることができる。一方で、右足を挟み込む押圧部材5に対応する崖部44の位置と、左足を挟み込む押圧部材5に対応する崖部44の位置とを、回転軸10の周方向に対して90度乃至は180度ずらすことにより、例えば、右足(左足)押圧する際に、左足(右足)を緩めた状態乃至は解放状態とすることができるようになる。すなわち、右足に対応する押圧部材5と、左足に対応する押圧部材5とを異なった位相で揺動させることが可能となる。
[0033]
 この蝸状ボス部42のカム溝43上を、位置決め片45の下端底部が摺動することになる。この位置決め片45は、角柱状の形状を呈しており、長手方向が蝸状ボス部42の半径方向を向くものとされている。一方で、位置決め片45の上端部は、傾斜ボス部13の幅方向内側(蝸状ボス部42に面する側)であって、径外側に設けられた径方向を向く溝部46に嵌り込んでいて、当該溝部46内を径方向に摺動自在となっている。
[0034]
 図7に示す分解状態の部材を組み付けた場合、傾斜ボス部13の径方向内側に形成された円筒状の凹部47に、蝸状ボス部42が遊嵌状態に嵌り込むこととなり、蝸状ボス部42のカム溝43上を位置決め片45が摺動すると共に、傾斜ボス部13の溝部46に位置決め片45の上端部が嵌り込んだ構成となっている。
 この構成であれば、回転軸10が正転方向(図7の方向から蝸状ボス部42を見て、蝸状ボス部42が時計回りに廻る方向)に回転すると、蝸状ボス部42に形成された崖部44が、位置決め片45の下端部の側面に当接し、蝸状ボス部42と位置決め片45が同伴回転することとなる。言い換えれば、回転軸10の正転回転と同伴して、位置決め片45も正転方向に回転する。
[0035]
 この際、位置決め片45の上端部は、傾斜ボス部13の溝部46に嵌り込んだ構成となっているため、回転軸10が正転するに伴い、傾斜ボス部13も正転方向に回転し、ひいては、その回転駆動力により、マッサージ部材5が揺動駆動されることになる。
 一方、回転軸10が逆転方向(図7の方向から蝸状ボス部42を見て、蝸状ボス部42が反時計回りに廻る方向)に回転すると、位置決め片45は、蝸状ボス部42に形成された崖部44と係合することはなく、蝸状ボス部42のカム溝43上をスライドするようになる。位置決め片45が崖部44に達した際、すなわち、蝸状ボス部42における角度0度から角度360度に到る際には、位置決め片45が崖部44を落下するように動くことになる。
[0036]
 このことから明らかなように、回転軸10が逆転方向に回転する際には、崖部44が位置決め片45の下端部の側面に当接することはなく、位置決め片45は、蝸状ボス部42のカム溝43上を滑るだけとなり、蝸状ボス部42と位置決め片45が同伴回転しないこととなる。そのため、回転軸10が逆転回転する際には、その回転駆動力は、位置決め片45に伝達することはなく、傾斜ボス部13は非回転状態となる。そのため、マッサージ部材5は揺動運動せず、停止した状態となる。
[0037]
 上記した一方向動力伝達部40により、マッサージ部材5の揺動状態と停止状態が切り替えられることになる。
 ところで、マッサージ部材5が停止状態の場合、言い換えれば、回転軸10が逆転していて、位置決め片45の下端部が蝸状ボス部42のカム溝43上を滑っている状態の場合、マッサージ部材5に負荷を加えると、傾斜ボス部13を介して、位置決め片45の下端部が蝸状ボス部42のカム溝43上を反時計回りに勝手に動き得る状況となって、マッサージ部材5が意図せず動くようになる。
[0038]
 例えば、マッサージ部材5,5を近接させた状態(足部を挟み込んだ状態)で、回転軸10を正転から逆転に切り替え、マッサージ部材5を停止させたとしても、挟み込んだ足部からの反力により、マッサージ部材5に負荷が加わり、マッサージ部材5が離反する方向に動くこととなる。
 このような不都合を防ぐために、ワンウエイクラッチ機構14には、傾斜ボス部13を逆転方向に回転させないためのブレーキ部50が設けられている。
[0039]
 図8に示す如く、ブレーキ部50は、傾斜ボス部13の幅方向外側に、取り付けリング55を用いて取り付けられたブレーキインナー部51と、このブレーキインナー部51の外周部を取り囲むように取り付けられ、且つケーシング(固定側)に固定されるブレーキアウター部52を有する。ブレーキアウター部52は、環状(円筒状)の部材であり、このブレーキアウター部52の内側空間にブレーキインナー部51が遊嵌状に嵌り込む。
[0040]
 ブレーキインナー部51は環状の部材であり、外周面には、側面視で直角三角形の形状を呈した三角凸部53が、ブレーキインナー部51の外周方向に沿って複数個(本実施形態の場合、8個)形成されている。三角凸部53の頂点近傍では、ブレーキアウター部52の内周面との距離(隙間)が非常に狭くなるが、三角凸部53の谷部近傍では、ブレーキアウター部52の内周面との距離(隙間)が広くなるようになっている。
[0041]
 加えて、ブレーキインナー部51とブレーキアウター部52との間、言い換えれば、三角凸部53の谷部には、当該谷部内を移動可能とされた隙間部材54が配設されている。この隙間部材54は、球状、乃至は円柱状を呈する部材であり、その大きさ(直径)は、三角凸部53の頂点とブレーキアウター部52の内周面との隙間よりは大きなものとされている。
[0042]
 以上述べた構成を有するブレーキ部50によれば、回転軸10が正転方向(図8の方向からブレーキインナー部51を見て、ブレーキインナー部51が反時計回りに廻る方向)に回転すると、隙間部材54は、三角凸部53間に形成された谷部に位置することとなり、ブレーキインナー部51とブレーキアウター部52との間を連結するものが全くない状態となる。そのため、ブレーキインナー部51とブレーキアウター部52とは非連結状態となり、ブレーキ部50としての作用を発現しないものとなる。そのため、傾斜ボス部13の回転を阻害することが無く、マッサージ部材5は確実に揺動駆動されることになる。
[0043]
 逆に、回転軸10が逆転方向(図8の方向からブレーキインナー部51を見て、ブレーキインナー部51が時計回りに廻る方向)に回転すると、隙間部材54は三角凸部53の斜面を登り、三角凸部53の頂点近傍に達することになる。三角凸部53の頂点近傍に達した隙間部材54は、三角凸部53(言い換えれば、ブレーキインナー部51)とブレーキアウター部52との隙間に噛み込み、ブレーキインナー部51とブレーキアウター部52とが一体回転するように働きかける。
[0044]
 この状態になると、ブレーキインナー部51は、固定側(例えばケーシング)につながるブレーキアウター部52と連結状態になるため、ブレーキインナー部51が非回転状態となる。そのため、ブレーキインナー部51に連結された傾斜ボス部13の回転が阻害され、マッサージ部材5は、その位置において動きが抑制されることとなる。
 このようなブレーキ部50の作用により、マッサージ部材5,5を近接させた状態(足部を挟み込んだ状態)で、回転軸10を正転から逆転に切り替え、マッサージ部材5を停止させたとしても、挟み込んだ足部からの反力により、マッサージ部材5が離反する方向に動くことを確実に抑制することが可能となる。
[0045]
 加えて、下肢用マッサージ機1は、垂直マッサージ機構4(ふくらはぎマッサージ機構)を備えている。
 この垂直マッサージ機構4としては、様々なものが採用可能であるが、本実施形態の場合、図1に示すように、垂直マッサージ機構4は、ふくらはぎの前面の斜め外方及び内側方を押すマッサージ部材30と、ふくらはぎを裏側からマッサージする押圧部材31と、これらマッサージ部材30と押圧部材31とを一体に上下動させる昇降駆動部32とを有するものとなっている。
[0046]
 マッサージ部材30と押圧部材31とを一組として、この組み合わせがケーシング2の左右の施療凹部9に対応するように合計二組、設けられている。マッサージ部材30と押圧部材31とが一体となって上下動することで、ふくらはぎは、その前後が効果的に押圧マッサージされることになる。
 次に、本実施形態に係る下肢用マッサージ機1(特に、水平マッサージ機構3)の作動態様を説明する。
[0047]
 まず、下肢用マッサージ機1は、運転操作スイッチ33がオフの状態にあるとき、水平マッサージ機構3における左右一対のマッサージ部材5は解放状態となっている。また、垂直マッサージ機構4のマッサージ部材5及び押圧部材6は、最も下方位置で停止している。
 そこでまず、使用者は、左右のふくらはぎを垂直マッサージ機構4におけるマッサージ部材5と押圧部材6との間に嵌め入れると共に、左右の足部を、水平マッサージ機構3における左右一対のマッサージ部材5の間に嵌め入れる。
[0048]
 この状態で運転操作スイッチ33をオン操作すると、駆動モータ11が作動し、垂直マッサージ機構4では、マッサージ部材30がふくらはぎの側面を押圧すると共に、押圧部材31がふくらはぎの後面を押圧して、これら前後の押圧位置が同時に上方乃至は下方へ移動するような押圧マッサージが施される。
 また、水平マッサージ機構3では、駆動モータ11の作動で回転軸10が正転回転を始める。回転軸10の正転の場合、ワンウエイクラッチ機構14が動力伝達状態となり、回転軸10の回転駆動力が傾斜ボス部13に伝えられ、回転軸10と傾斜ボス部13とは同方向に一体に回転する。
[0049]
 これにより、第1駆動機構7では変換部を介して左右一対のマッサージ部材5,5が左右に揺動し、解放状態と挟持状態とを繰り返すようになって、足部に対して左右両側から揉みマッサージを施すようになる。また同時に、第2駆動機構8により、押圧部材6(第1マッサージ部材20~第3マッサージ部材22)が駆動され、足部の足裏に対して押圧マッサージが施される。
[0050]
 このような状況下で、自動運転モードのプログラム又は手動により、回転軸10を逆転するようにする。特に、マッサージ部材5が近接した状態をセンサ(回転センサや近接センサ、リミットスイッチ)などで検出し、足部の挟持状態のタイミングで、回転軸10を正転駆動から逆転駆動するようにする。
 すると、ワンウエイクラッチ機構14(特に、一方向動力伝達部40)が動力非伝達状態となり、回転軸10の回転駆動力が傾斜ボス部13に伝えられず、左右一対のマッサージ部材5,5が足部の狭持状態を維持したまま停止することになる。しかしながら、第2駆動機構8により、押圧部材6(第1マッサージ部材20~第3マッサージ部材22)が駆動され、足部の足裏に対して押圧マッサージはそのまま継続されることになる。
[0051]
 このとき、ワンウエイクラッチ機構14に備えられたブレーキ部50の作用により、マッサージ部材5,5を近接させた状態(足部を挟み込んだ状態)で維持することができ、挟み込んだ足部からの反力により、マッサージ部材5が離反する方向に動くことを確実に抑制できる。
このようにして、回転軸10を逆転させ、ワンウエイクラッチ機構14の動作(動力非伝達動作)を利用することで、左右一対のマッサージ部材5,5は挟持状態を保持することができる。この狭持状態を維持しつつ、押圧部材6、すなわち第1マッサージ部材20~第3マッサージ部材22を連動して駆動させることで、左右一対のマッサージ部材5,5の間に嵌め込まれた足部は、押圧部材6による押圧で上方に逃げるようなことがなく、押圧部材6による押圧を確実且つ十分に受けることができるようになる。
[0052]
 すなわち、下肢用マッサージ機1を用いることで、左右一対のマッサージ部材5,5及び押圧部材6による足部への効果的なマッサージ施術が可能となる。
 ところで、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[0053]
 例えば、垂直マッサージ機構4と水平マッサージ機構3とは、常に同期して動作するようにしてもよいし、いずれか一方だけを独立して動作するようにしてもよい。これらは、使用者の所望するところに応じて、適宜選択できるようにしておくとよい。

符号の説明

[0054]
 1  下肢用マッサージ機
 2  ケーシング
 2a 台フレーム部
 3  水平マッサージ機構
 4  垂直マッサージ機構
 5  マッサージ部材
 6  押圧部材
 7  第1駆動機構
 8  第2駆動機構
 9  施療凹部
 10 回転軸
 11 駆動モータ
 13 傾斜ボス部
 14 ワンウエイクラッチ機構
 15 環状嵌合部
 16 規制突起
 17 横長孔
 20 第1マッサージ部材(回転ロータ)
 21 第2マッサージ部材
 22 第3マッサージ部材
 23 第1連結片
 24 第2連結片
 25 突起
 30 マッサージ部材(垂直マッサージ機構)
 31 押圧部材(垂直マッサージ機構)
 32 昇降駆動部
 33 運転操作スイッチ
 40 一方向動力伝達部
 42 蝸状ボス部
 43 カム溝
 44 崖部
 45 位置決め片
 46 溝部(傾斜ボス部)
 50 ブレーキ部
 51 ブレーキインナー部
 52 ブレーキアウター部
 53 三角凸部
 54 隙間部材
 55 取り付けリング

請求の範囲

[請求項1]
 施療部を挟み込むように配備された左右一対のマッサージ部材と、前記左右一対のマッサージ部材の相互間に配備された押圧部材と、前記左右一対のマッサージ部材を互いに近接離反させる第1駆動機構と、前記押圧部材を施療部へ押しつけるように動作させる第2駆動機構とを有する下肢用マッサージ機であって、
 前記第1駆動機構と第2駆動機構とが同期して動作する同期状況と、前記第1駆動機構が停止し且つ第2駆動機構が動作する非同期状況とが切り替え自在に構成されている
 ことを特徴とする下肢用マッサージ機。
[請求項2]
 前記非同期状況においては、前記左右一対のマッサージ部材が互いに近接した状態を維持した状態で、前記第2駆動機構が動作することを特徴とする請求項1に記載の下肢用マッサージ機。
[請求項3]
 前記第1駆動機構は、前記駆動モータの回転駆動力を伝達する前記回転軸と、前記回転軸の回転駆動力を左右一対のマッサージ部材の近接離反動作に変換する左右一対の変換部とを有しており、
前記第2駆動機構は、前記第1駆動機構に備えられた回転軸により駆動される押圧部材を有していて、
 前記変換部は、回転軸が中心部を貫通し且つ外周縁が前記回転軸に対して傾斜状に設けられたカム溝を有する傾斜ボス部と、前記マッサージ部材の基端に設けられていて前記傾斜ボス部の外周縁に嵌り込む環状嵌合部と、前記傾斜ボス部と回転軸との間に配備されたワンウエイクラッチ機構とを有し、
 前記回転軸の回転駆動力が前記ワンウエイクラッチ機構を介して傾斜ボス部に伝達される構成とされている
 ことを特徴とする請求項2に記載の下肢用マッサージ機。
[請求項4]
 前記回転軸が正転する際に、前記回転軸の回転駆動力がワンウエイクラッチ機構を介して傾斜ボス部に伝達されることにより、第1駆動機構と第2駆動機構とが同期して動作する同期状況となり、
 前記回転軸が逆転する際に、前記回転軸の回転駆動力がワンウエイクラッチ機構を介して傾斜ボス部に非伝達となって、第1駆動機構が停止し且つ第2駆動機構が動作している非同期状況となる
 ことを特徴とする請求項3に記載の下肢用マッサージ機。
[請求項5]
 前記ワンウエイクラッチ機構は、一方向動力伝達部を有しており、
 前記一方向動力伝達部は、回転軸が正転する際に前記回転軸の回転駆動力を傾斜ボス部に伝達し、回転軸が逆転する際に前記回転軸の回転駆動力を傾斜ボス部に非伝達とする構成とされている
 ことを特徴とする請求項4に記載の下肢用マッサージ機。
[請求項6]
 前記一方向動力伝達部は、前記回転軸が中心部を貫通すると共に当該回転軸に対して固定され同伴回転し、且つ前記傾斜ボス部の内部に遊嵌状態で嵌り込む蝸状ボス部を有しており、
 前記蝸状ボス部の外周縁には、前記マッサージ部材の位置を規制する位置規制部が形成されていて、
 前記位置規制部は、それぞれのマッサージ部材において、前記回転軸の周方向に対して所定の位置に形成されていることを特徴とする
 ことを特徴とする請求項5に記載の下肢用マッサージ機。
[請求項7]
 前記ワンウエイクラッチ機構は、ブレーキ部を有しており、
 前記ブレーキ部は、前記一方向動力伝達部が回転軸の回転駆動力を非伝達としている状況下において、前記マッサージ部材の動きを規制すべく傾斜ボス部の回転を規制する構成とされている
 ことを特徴とする請求項5又は6に記載の下肢用マッサージ機。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]