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1. WO2013125189 - ネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法

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明 細 書

発明の名称 ネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

符号の説明

0083  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12  

図面

1   2   3   4A   4B   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : ネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法

技術分野

[0001]
 本発明は,変電所の電力系統を監視制御するネットワークにおけるネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法に関する。

背景技術

[0002]
 電力系統において,変電所は電力の安全,確実,効率的運用に重用な役割を担っている。近年ディジタル技術の発展に伴い,変電所の監視,制御を実施する変電所監視制御システムもディジタル化が進み,それに伴いシステムを構成する各装置もネットワークで結合される構成が一般的となってきている。
[0003]
 特に,近年変電所監視制御システムに適用されてきている国際規格IEC61850は,変電所内の監視情報,制御情報,事故情報をネットワーク経由でデータ授受を行う規格であり,ネットワークの負荷(トラフィック)を監視し,伝送容量オーバーによる伝送遅延,データ喪失を防止する事は重要である。
[0004]
 ネットワークの構成要素を解析し,ネットワーク上に流れるデータの量(トラフィック)を監視する技術が公開されている(特許文献1,2参照)。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2010-50890号公報
特許文献2 : 特開2009-17393号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 しかし,これらの技術では,変電所特有の事象(系統事故発生時による一時的な伝送負荷上昇)も,伝送過負荷として判定してしまう為,誤検出の可能性がある。
[0007]
 変電所において,誤検出による警報発令は,通常の変電所運用業務に大きな支障となるため,極力誤検出を防止する必要がある。従って,変電所におけるネットワークの負荷監視においては,変電所特有の事象を加味した検出方法とすることが必要である。
 本発明は,誤検出の低減を図ったネットワーク監視装置およびネットワーク監視方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明の一態様に係るネットワーク監視装置は,変電所の電力系統を監視制御するネットワークで伝送されるデータをモニタするモニタ部と,前記電力系統での事故と,前記ネットワークで伝送されるデータの種別と,の対応関係を表す系統事故判別データベースと,前記モニタ部でモニタされたデータ量を算出する算出部と,前記データ量が閾値より大きいか否かを判別する第1の判別部と,前記モニタされた伝送量が閾値より大きい場合に,前記系統事故判別データベースおよび前記モニタされるデータの種別に基づいて,系統事故の発生の有無を判別する第2の判別部と,前記系統事故が発生していると前記第2の判別部が判別したときに,前記第1の判別部での判別を停止させる停止制御部と,を具備する。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば,誤検出の低減を図ったネットワーク監視装置を提供できる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 第1の実施形態に係わる変電所の電力系統および変電所監視制御システムを表す図である。
[図2] 図1の変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[図3] ネットワーク20の伝送状態が通常状態と系統事故状態によってどのように変化するかを説明する図である。
[図4A] ネットワークモニタ61におけるネットワーク負荷異常検出の閾値と系統事故発生,及び通信異常発生の関係の一例を表した図である。
[図4B] ネットワークモニタ61におけるネットワーク負荷異常検出の閾値と系統事故発生,及び通信異常発生の関係の一例を表した図である。
[図5] 第1の実施形態に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例を示すフローチャートである。
[図6] 第1の実施形態の変形例に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である
[図7] 第1の実施形態の変形例に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例を示すフローチャートである。
[図8] 第2の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[図9] 第2の実施形態に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例を示すフローチャートである。
[図10] 第3の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[図11] 第4の実施形態の変形例に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[図12] 第5の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[図13] 第6の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[図14] 第7の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[図15] 伝送データ量のトレンドデータと閾値の関係を示す例である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下,図面を参照して,本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
 図1は,第1の実施形態に係わる変電所の電力系統および変電所監視制御システムを表す図である。図2は,図1の変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[0012]
 本実施の形態に係わる変電所の電力系統では,送電線(超高圧送電線)11を2つの変圧器15により,順次に低定電圧化し,送電線,配電線に供給する。この電力系統は,送電線11,母線12,遮断器13,断路器14,変圧器15,CT(Current Transformer)16,VT(Voltage transformer)17等で構成される。
[0013]
 送電線11は,発電所から変電所へと電力を供給する電線である。
 母線12は,遮断器13,断路器14を介して,送電線11からの電気を変圧器15等に供給する電線である。
 遮断器13は,正常動作時に母線12の負荷電流を開閉する電力機器である。
 断路器14は,無負荷時に母線12の電圧を開閉する電力機器である。
 変圧器15は,電圧を変換する電力機器である。
 CT16は,母線12の電流を低電流に変換して測定する電力機器である。
 VT17は,母線12の電圧を低電圧(例えば,110V)に変換して測定する電力機器である。
[0014]
 変電所監視制御システムは,変電所を監視するものであり,ネットワーク20,MU(31~35),IED(41~45),SC51,HMI52,ネットワークモニタ61,系統事故判別データベース62を有する。
[0015]
 ネットワーク20は,MU(31~35),IED(41~45),SC51,HMI52,ネットワークモニタ61を接続する情報伝送路であり,各種データを伝送する。
[0016]
 MU(マージングユニット:Merging Unit)(31~33)は,電力系統の構成要素(遮断器13,断路器14,CT16,VT17)に接続され,これら構成要素からデータを収集する機器である。例えば,「MU1(31):VT17,MU2(32):CT16,MU3(33):遮断器13」のように,MU1(31)~MUn(35)それぞれに,電力系統の構成要素が接続される。MU(31~35)が収集したデータは,IED(41~45)のいずれかに伝達される。
[0017]
 IED(Intelligent Electronic Device)(41~45)は,保護継電器であり,一般に,知能型電子装置(Intelligent Electronic Device;IED)とも呼ばれる。IED(41~45)は,MU(31~35)からの情報を受け取り,SC51に伝達する。
[0018]
 SC(Station Computer)51は,変電所全体の状態を監視制御するコンピュータである。
 HMI(Human Machine Interface)52は,SC51と操作員間のインターフェース(入出力装置)であり,表示装置,情報入力装置等を有する。
[0019]
 ネットワークモニタ61は,ネットワーク20に接続され,ネットワーク20の負荷状態を監視する。
 ネットワークモニタ61は,ネットワーク20に接続される機器(IED(41~45),MU(31~35),SC51,HMI52)間で伝送されるデータをモニタできる。即ち,ネットワークモニタ61は,変電所の電力系統を監視制御するネットワークで伝送されるデータをモニタするモニタ部として機能する。
[0020]
 ネットワーク20で伝達されるデータは,ヘッダ(送信側アドレス,受信側アドレス等),データ本体を含むパケットとして,送信側の機器から送信される。このため,ネットワーク20上の信号をモニタすることで,それぞれのパケットでの送信側の機器,受信側の機器,データの内容,データ量が判る。
[0021]
 ネットワークモニタ61は,モニタされたデータ量を算出する。即ち,ネットワークモニタ61は,モニタ部でモニタされたデータ量を算出する算出部として機能する。この算出は,例えば,1秒単位,100m秒単位等の所定間隔で行われる。
[0022]
 このとき,ネットワークモニタ61は,ネットワーク20で伝送されるデータの総量を算出できる。また,ネットワークモニタ61は,送信側の機器毎(あるいは受信側の機器毎)でのデータ量を算出しても良い。既述のように,パケットのヘッダ(アドレス)の情報から送受信する機器を判別できる。
[0023]
 ネットワークモニタ61は,算出されたデータ量が閾値より大きいか否かを判別する。即ち,ネットワークモニタ61は,データ量が閾値より大きいか否かを判別する第1の判別部として機能する。
[0024]
 ネットワークモニタ61は,モニタされた伝送量が閾値より大きい場合に,系統事故判別データベースおよび前記モニタされるデータの種別に基づいて,系統事故の発生の有無を判別する。即ち,ネットワークモニタ61は,モニタされた伝送量が閾値より大きい場合に,系統事故判別データベースおよび前記モニタされるデータの種別に基づいて,系統事故の発生の有無を判別する第2の判別部として機能する。なお,この詳細は後述する。
[0025]
 ネットワークモニタ61は,系統事故が発生していると前記第2の判別部が判別したときに,前記第1の判別部での判別を停止させることができる。即ち,ネットワークモニタ61は,系統事故が発生していると前記第2の判別部が判別したときに,前記第1の判別部での判別を停止させる停止制御部として機能する。
[0026]
 ここでは,説明を容易にするために,ネットワークモニタ61を他の機器(IED(41~45),MU(31~35),SC51,HMI52等)と独立して示している。ネットワークモニタ61の機能をIED(41~45)やMU(31~35),あるいはSC51やHMI52に実装しても良い。
[0027]
 系統事故判別データベース62は,ネットワークモニタ61におけるネットワーク負荷監視において,系統事故を判別する為のデータベースである。系統事故判別データベース62には,電力系統での事故と,ネットワーク20で伝送されるデータの種別と,の対応関係が表される。即ち,電力系統での事故と対応するデータの種別(例えば,電力系統での事故の発生を知らせるためのデータ,発生した事故の種別を表すデータ,発生した事故を検出した機器(IED(41~45),MU(31~35))を識別するためのデータ,事故への対処のための制御データ等)を表すデータのパターンが保持される。
[0028]
 本実施形態では,ネットワーク20での負荷異常を検出するにあたって,系統事故判別データベース62を用いて,系統事故の発生の有無を判別する。ネットワークモニタ61は,モニタされる伝送データが,系統事故判別データベース62に表されるデータのパターンと一致するか否かに基づいて,系統事故の発生の有無を判別できる。さらには,系統事故の種別,発生した事故を検出した機器を判別できる。
[0029]
 以下,ネットワーク20での負荷異常の検出にあたって,系統事故の発生の有無の判別が必要となる理由を説明する。
[0030]
 図3は,ネットワーク20の伝送状態が通常状態と系統事故状態によってどのように変化するかを説明する図である。(A),(B)はそれぞれ通常状態,系統事故発生状態を表す。
[0031]
(1)通常時でのネットワーク20内での通信状態(図3(A))
 通常時でのネットワーク20内の通信状態は以下の通りである。
 MU35からIED45へ通信されるデータが大部分であり,それ以外の,例えば,次の機器間a)~e)で通信されるデータ量は少ない。
 a)IED(41~45)からMU(31~35)
 b)IED(41~45)からSC51
 c)SC51からIED(41~45)
 d)SC51からMU(31~35)
 e)SC51からHMI52
 また,データ量は多少の変動はあるものの大きくは変化しない(ほぼ一定)。
[0032]
(2)系統事故発生時でのネットワーク20内の通信状態(図3(B))
 系統事故が発生すると,MU35からIED45への通信以外に,機器間a)~e)で,次のような通信が行われる。
[0033]
 1)系統事故除去の指令がIED(41~45)からMU(31~35)に送信され,MU(31~35)から遮断器13へ切指令が出力される。これと共に,遮断器13が切状態となったデータがMU(31~35)からIED(41~45)に送信される。即ち,IED(41~45)とMU(31~35)間で送信されるデータ量が増加する。
[0034]
 2)あるいはIED(41~45)からの系統事故情報がSC51へ送信され,さらにその情報がSC51からHMI52へ送信され操作員に向けて情報を表示される。即ち,IED(41~45)からSC51,SC51からHMI52に送信されるデータ量が増加する。
[0035]
 したがってネットワークに流れるデータ量と時間のグラフ(図3(B))は通常状態のグラフ(図3(A))とは異なるトレンドとなり,系統事故発生時点から一時的にデータ量が増大する。
[0036]
 尚,発生する系統事象に応じてそれぞれのMU(31~35)やIED(41~45)からの伝送データ量は異なり,且つそれぞれの事象に応じてIED(41~45)やMU(31~35)の送信するデータ量も異なってくる。
[0037]
 図4A,図4Bはそれぞれ,ネットワークモニタ61におけるネットワーク負荷異常検出の閾値と系統事故発生,及び通信異常発生の関係の一例を表した図である。図4Aの(A),図4Bの(C)および図4Aの(B),図4Bの(D)はそれぞれ通常状態,系統事故発生状態を表す。(A),(B)では,通常状態から推定される閾値Th01,(C),(D)では,系統事故時を考慮し,閾値Th01より大きな閾値Th02を設定している。これらの閾値Th01,Th02を,ネットワーク20上で送受信されるデータ量と比較することで,通信異常を検出することを想定している。
[0038]
 図4Aの(A),(B)に示されるように,通常状態のデータ量に基づき設定された閾値Th01の場合,系統事故が発生した場合,データ伝送量が一時的に増加する為,通信異常を誤検出する可能性がある。
[0039]
 一方,図4Bの(C),(D)に示されるように,系統事故発生状態のデータ量を基に基づき設定された閾値Th02の場合,系統事故が発生した場合における通信異常の誤検出を低減できる。しかしながら,系統事故時と通信異常時とのデータ量に大きな相違が無い場合には,通信異常を検出できない可能性がある。
 以上のように,系統事故時と通信異常時とを明確に判別するには,系統事故の有無を判別することが望ましい。
[0040]
 図5は,本実施形態に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例を示すフローチャートである。
[0041]
(1)ネットワークモニタ61は,ネットワーク20に流れるデータを取得し(ステップS11),伝送データ量を算出する(ステップS12)。例えば,所定間隔毎のデータの総量が算出される。
[0042]
(2)あらかじめ設定された閾値Thと算出された伝送データ量とを比較する(ステップS13)。この閾値Thは,伝送データ量が過剰であるか否か(通信異常の有無)の一応の目安である。但し,既述のように,この閾値Thのみだと通信異常の誤検出の可能性があることから,後述のように,系統事故発生の有無の判定が併用される。
[0043]
(3)伝送データ量が閾値Thを超えていない場合には,正常判定(通信異常未検出)とする(ステップS14)。
[0044]
(4)伝送データ量が閾値Thを超えている場合,伝送されるデータを系統事故判別データベース62と照合し(ステップS15),系統事故発生の有無を判定する(ステップS16)。既述のように,モニタされる伝送データが,系統事故判別データベース62に表されるデータのパターンと一致するか否かに基づいて,系統事故の発生の有無を判別できる。
[0045]
(5)系統事故が発生していない場合には,伝送データ量が閾値Thを超えている為,伝送負荷異常(通信異常検出)と判断する(ステップS17)。
 系統事故発生と判断された場合には,伝送データ量が閾値Thを超えていても,正常(通信異常未検出)と判断とする(ステップS18)。この場合,ネットワークモニタ61による通信異常の検出を停止しても良い。
[0046]
 このようにして,系統事故発生時に,ネットワークモニタ61よるネットワーク監視機能を一時的に停止することが可能となり,通信異常の誤検出を防止できる。
[0047]
(第1の実施形態の変形例)
 図6は,図2に対応し,第1の実施形態の変形例に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[0048]
 ここでは,MU(31~35),IED(41~45)それぞれに系統事故判別データベース(71~76)が接続されている。MU(31~35),IED(41~45)はそれぞれ,系統事故判別データベース(71~76)を用いて,系統事故が発生したか否かを判別し,ネットワーク20を介して,その結果をネットワークモニタ61に通知する。
 この結果,ネットワークモニタ61が系統事故判別データベース62を実装せずとも,系統事故を判別可能である。
[0049]
 尚,IED(41~45)やMU(31~35)での系統事故判断は,データベース(71~76)を実装する以外に,IED(41~45)やMU(31~35)自体の機能として実現しても良い。
[0050]
 図7は,本実施形態に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例を示すフローチャートである。
 ここでは,ネットワークモニタ61が,IED(41~45),MU(31~35)から送信されてくるデータを解析して(ステップS15a),系統事故か否かを判定する(ステップS16)。この点以外では,本変形例は,第1の実施形態と実質的な相違が無いので,詳細な説明を省略する。
[0051]
(第2の実施形態)
 図8は,図2に対応し,第2の実施形態の変形例に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[0052]
 ここでは,ネットワークモニタ61に2種類の閾値(正常時(通常運転時)の伝送負荷閾値Th1,異常時(系統事故発生時)の伝送負荷閾値Th2)を記憶する記憶部81が接続される。一般に,閾値Th2は,閾値Th1より大きい。
[0053]
 このように閾値を2種類実装し,それぞれの閾値を状態に応じて切り替えることで,系統事故による誤検出(図4A,図4B参照)を防止するとともに,事故後は閾値を正常時の閾値Th1に切り替えることで,系統事故発生時の負荷異常を検出することが可能となる。
[0054]
 図9は,本実施形態に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例を示すフローチャートである。
[0055]
(1)ネットワークモニタ61は,ネットワーク20に流れるデータを取得し(ステップS11),伝送データ量を算出する(ステップS12)。例えば,所定間隔毎のデータの総量が算出される。
[0056]
(2)正常時の伝送負荷閾値Th1と算出された伝送データ量とを比較する(ステップS13a)。この閾値Th1は,伝送データ量が過剰であるか否か(通信異常の有無)の一応の目安である。
[0057]
(3)伝送データ量が閾値Th1を超えていない場合には,正常判定(通信異常未検出)とする(ステップS14)。
[0058]
(4)伝送データ量が閾値Th1を超えている場合,伝送されるデータを系統事故判別データベース62と照合し(ステップS15),系統事故発生の有無を判定する(ステップS16)。既述のように,モニタされる伝送データが,系統事故判別データベース62に表されるデータのパターンと一致するか否かに基づいて,系統事故の発生の有無を判別できる。
[0059]
(5)系統事故が発生していない場合には,伝送データ量が閾値Th1を超えている為,伝送負荷異常(通信異常検出)と判断する(ステップS17)。
 系統事故発生と判断された場合には,伝送データ量が異常時の閾値Th2を超えているかを判定する(ステップS21)。異常時の閾値Th2を超えていないと判断されたら,正常と判定する(ステップS22)。異常時の閾値Th2を超えている場合,異常と判定する(ステップS23)。
[0060]
 本実施形態では,系統事故発生時に閾値を正常状態の閾値Th1から異常状態の閾値Th2に切り替えて判定することで,誤検出を防止できる。
[0061]
 尚,第1の実施形態の変形例のように,IED(41~45)やMU(31~35)に系統事故判別データベース(71~75)を実装しても良い。この場合,系統事故が発生したか否かを各IED(41~45)やMU(31~35)にて判別し,その結果をネットワークモニタ61に通知し,系統事故を判別しても良い。これは,第2の実施形態以外に,第3~第7の実施形態にも適用できる。
[0062]
(第3の実施形態)
 図10は,図2に対応し,第3の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[0063]
 ここでは,ネットワークモニタ61に系統の事象の種類毎の閾値を記憶する記憶部82が接続される。既述のように,発生する系統事象に応じてデータ量は異なる(図3参照)。発生する系統事象に応じた閾値を実装し,系統事故判別データベース62を用いた判定結果に応じて,閾値を切り替える。この結果,系統事故による誤検出を防止するとともに,事故後は閾値を正常時の閾値Th1に切り替えることで,通信異常発生時の負荷異常を検出可能となる。
[0064]
 本実施形態に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例は図9のフローチャートで表すことができる。
 本実施形態では,系統事故発生と判断された場合,系統事故判別データベース62から発生した事象を照合する。そして,閾値を正常時の閾値Th1から発生した事象に応じた閾値Th2に切り替え,その閾値Th2を超えているかを判断する(ステップS21)。その他の点では,第2の実施形態と大きく異なるところが無いので詳細な説明を省略する。
[0065]
 本実施形態では,系統事故発生時に閾値を正常状態の閾値から発生した事象に応じた閾値に切り替えて判定することが可能となり,誤検出の防止,及び装置異常による伝送異常をより精度高く判別できる。
[0066]
(第4の実施形態)
 図11は,図2に対応し,第4の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[0067]
 本実施形態では,ネットワークモニタ61に系統事故を検出した装置個別の閾値を記憶する記憶部83が接続される。既述のように,発生する系統事象に応じて各装置から送信されるデータ量は異なる(図3参照)。系統事故を検出した装置個別に閾値を実装し,系統事故判別データベース62を用いた判定結果に応じて,それぞれの閾値を切り替える。この結果,系統事故による誤検出を防止するとともに,事故後は閾値を正常時の閾値に切り替えることで,通信異常発生時の負荷異常を検出可能となる。
[0068]
 本実施形態に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例は図9のフローチャートで表すことができる。
 本実施形態では,系統事故発生と判断された場合,系統事故判別データベース62から系統事故発生を検出している装置を確認する。そして,閾値を正常時の閾値Th1から装置個別の閾値Th2に切り替える。また,系統事故発生を検出している装置からの伝送データ量を算出し,この伝送データ量が装置個別のその閾値Th2を超えているかを判断する(ステップS21)。その他の点では,第2の実施形態と大きく異なるところが無いので詳細な説明を省略する。
[0069]
 本実施形態では,系統事故発生時に閾値を正常状態の閾値から発生を検出している装置個別の閾値に切り替えて判定することが可能となり,誤検出の防止,及び装置異常による伝送異常をより精度高く実施することができる。
[0070]
(第5の実施形態)
 図12は,図2に対応し,第5の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[0071]
 本実施形態では,ネットワークモニタ61に発生した系統の事象の種類および装置個別の閾値を記憶する記憶部84が接続される。既述のように,発生する系統事象に応じて,且つそれら事象毎に各装置から送信されるデータ量は異なる(図3参照)。系統事象毎,さらにそれら事象に応じて系統事故を検出した装置個別に閾値を実装し,系統事故判別データベース62を用いた判定結果に応じて,それぞれの閾値を切り替える。この結果,系統事故による誤検出を防止するとともに,事故後は閾値を正常時の閾値に切り替えることで,通信異常発生時の負荷異常をより精度良く検出可能となる。
[0072]
 本実施形態に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例は図9のフローチャートで表すことができる。
 本実施形態では,系統事故発生と判断された場合,系統事故判別データベース62から発生している系統の事象種別を判別し,且つ系統事故発生を検出している装置を確認する。そして,閾値を正常時の閾値Th1から事象種別および装置個別の閾値Th2に切り替える。また,系統事故発生を検出している装置からの伝送データ量を算出し,この伝送データ量が事象種別および装置個別のその閾値Th2を超えているかを判断する(ステップS21)。その他の点では,第2の実施形態と大きく異なるところが無いので詳細な説明を省略する。
[0073]
 本実施形態では,系統事故発生時に閾値を正常状態の閾値から系統事象種別毎,且つ発生を検出している装置個別の閾値に切り替えて判定することが可能となり,誤検出の防止,及び装置異常による伝送異常をより精度高く実施することができる。
[0074]
(第6の実施形態)
 図13は,図2に対応し,第6の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
[0075]
 ネットワーク20が,VLAN1(21),VLAN2(22),VLANn(25)と各装置を仮想のネットワークに区分される。ネットワークモニタ61に,発生した系統の事象の種類,および仮想ネットワークVLAN1(21)~VLANn(25),それぞれ仮想ネットワークを構成する装置(例:VLAN1(21)ならばIED1(41)とMU1(31))に応じた閾値を記憶する記憶部85が接続される。
[0076]
 既述のように,発生する系統事象に応じて,且つそれら事象毎に各装置から送信されるデータ量は異なる。関連する装置を仮想ネットワーク(21~25)で分類し,系統事象毎,さらにそれら事象に応じて系統事故を検出した装置個別に閾値を実装し,系統事故判別データベース62を用いた判定結果に応じて,閾値を切り替える。この結果,系統事故による誤検出を防止するとともに,事故後は閾値を正常時の閾値に切り替えることで,通信異常発生時の負荷異常をより精度良く検出可能となる。
[0077]
 本実施形態に係るネットワークモニタ61におけるネットワークの負荷判定処理の一例は図9のフローチャートで表すことができる。
 本実施形態では,系統事故発生と判断された場合,系統事故判別データベース62から発生している系統の事象種別を判別し,且つ系統事故発生を検出している装置を確認する。そして,閾値を正常時の閾値Th1から仮想ネットワーク別,事象種別,および装置個別の閾値Th2に切り替える。また,系統事故発生を検出している装置からの伝送データ量を算出し,この伝送データ量が事象種別および装置個別のその閾値Th2を超えているかを判断する(ステップS21)。その他の点では,第2の実施形態と大きく異なるところが無いので詳細な説明を省略する。
[0078]
 本実施形態では,仮想ネットワークグループで分類することで,閾値の設定を関連する装置毎に設定できるため,系統事象とそれに応動する装置を関連して管理することができるようになる。
[0079]
(第7の実施形態)
 図14は,図2に対応し,第7の実施形態に係る変電所監視制御システムのネットワークの概略を表すブロック図である。
 本実施形態では,ネットワークモニタ61に,システムを構成する各装置(IED1(41)~IEDn(45),MU1(31)~MUn(35))の伝送データ量のトレンドデータを記憶する記憶部85が接続され,トレンドデータを用いて装置個別に閾値が設定される。
[0080]
 既述のように,発生する系統事象に応じて,且つそれら事象毎に各装置から送信されるデータ量は異なる。閾値の設定を事前に算出した理論値を用いるのではなく,事前に過去の事象のトレンドデータから算出した装置個別の閾値を用意し,系統事故判別データベース62を用いた判定結果に応じて,それぞれの閾値を切り替える。この結果,系統事故による誤検出を防止するとともに,通信異常発生時の負荷異常をより精度良く検出可能となる。
[0081]
 図15は伝送データ量のトレンドデータと閾値の関係を示す例である。システムを構成する各装置(IED1(41)~IEDn(45),MU1(31)~MUn(35))個別に本例のようなデータ量のトレンドデータを保管し,そのデータを基に,正常時の閾値と異常時の閾値を決定可能である。事前に算出した理論値を用いるのではなく,実際のデータを用いて閾値を算出することで,より精度の高い閾値設定が実現でき,伝送負荷誤検出の防止,高精度の検出が実現できる。
 尚この閾値は第5の実施形態に示すように系統事象毎に算出することも可能であり,その場合にはさらに細かな判定が実現できる。
[0082]
(その他の実施形態)
 本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張,変更可能であり,拡張,変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。

符号の説明

[0083]
11 送電線
12 母線
13 遮断器
14 断路器
15 変圧器
16 CT
17 VT
20 ネットワーク
31~35 MU
41~45 IED
51 SC
61 ネットワークモニタ
62 系統事故判別データベース

請求の範囲

[請求項1]
 変電所の電力系統を監視制御するネットワークで伝送されるデータをモニタするモニタ部と,
 前記電力系統での事故と,前記ネットワークで伝送されるデータの種別と,の対応関係を表す系統事故判別データベースと,
 前記モニタ部でモニタされたデータ量を算出する算出部と,
 前記データ量が閾値より大きいか否かを判別する第1の判別部と,
 前記モニタされた伝送量が閾値より大きい場合に,前記系統事故判別データベースおよび前記モニタされるデータの種別に基づいて,系統事故の発生の有無を判別する第2の判別部と,
 前記系統事故が発生していると前記第2の判別部が判別したときに,前記第1の判別部での判別を停止させる停止制御部と,
 を具備するネットワーク監視装置。
[請求項2]
 前記系統事故が発生していると前記第2の判別部が判別したときに,前記モニタされた伝送量が前記閾値より大きい第2の閾値より大きいか否かに基づいて,系統事故の発生の有無を判別する第3の判別部,
 をさらに具備する請求項1記載のネットワーク監視装置。
[請求項3]
 前記系統事故判別データベースが,前記電力系統での事故の種別と,前記ネットワークで伝送されるデータの種別と,の対応関係を表し,
 前記モニタされた伝送量が前記閾値より大きい場合に,前記第2の判別部が,前記モニタされるデータの種別および前記系統事故判別データベースに基づいて,系統事故の発生の有無および事故の種別を判別し,
 前記第2の閾値が,前記判別された事故の種別に対応する
 請求項2記載のネットワーク監視装置。
[請求項4]
 前記ネットワークが,複数の種類の機器の間の通信を伝送し,
 前記第2の閾値が,前記機器の種類に対応する
 請求項2に記載のネットワーク監視装置。
[請求項5]
 前記ネットワークが複数のネットワークに区分され,
 前記第2の閾値が,前記複数のネットワークに対応する
 請求項2記載のネットワーク監視装置。
[請求項6]
 前記ネットワークで伝送されるデータをトレンドデータとして蓄積するトレンドデータ蓄積部と,
 前記蓄積されたトレンドデータに基づいて,前記閾値および前記第2の閾値を決定する決定部と,
 をさらに具備する請求項2記載のネットワーク監視装置。
[請求項7]
 変電所の電力系統を監視制御するネットワークで伝送されるデータをモニタするステップと,
 前記モニタされたデータ量を算出するステップと,
 前記データ量が閾値より大きいか否かを判別するステップと,
 前記モニタされた伝送量が閾値より大きい場合に,前記電力系統での事故と,前記ネットワークで伝送されるデータの種別と,の対応関係を表す系統事故判別データベース,および前記モニタされるデータの種別に基づいて,系統事故の発生の有無を判別するステップと,
 前記系統事故が発生していると判別されたときに,前記データ量が閾値より大きいか否かを判別するステップを停止させるステップと,
 を具備するネットワーク監視方法。
[請求項8]
 前記系統事故が発生していると判別されたときに,前記モニタされた伝送量が前記閾値より大きい第2の閾値より大きいか否かに基づいて,系統事故の発生の有無を判別するステップ,
 をさらに具備する請求項7記載のネットワーク監視方法。
[請求項9]
 前記系統事故判別データベースが,前記電力系統での事故の種別と,前記ネットワークで伝送されるデータの種別と,の対応関係を表し,
 前記モニタされた伝送量が前記閾値より大きい場合に,前記モニタされるデータの種別および前記系統事故判別データベースに基づいて,系統事故の発生の有無および事故の種別が判別され,
 前記第2の閾値が,前記判別された事故の種別に対応する
 請求項8記載のネットワーク監視方法。
[請求項10]
 前記ネットワークが,複数の種類の機器の間の通信を伝送し,
 前記第2の閾値が,前記機器の種類に対応する
 請求項8に記載のネットワーク監視方法。
[請求項11]
 前記ネットワークが複数のネットワークに区分され,
 前記第2の閾値が,前記複数のネットワークに対応する
 請求項8記載のネットワーク監視方法。
[請求項12]
 前記ネットワークで伝送されるデータをトレンドデータとして蓄積するステップと,
 前記蓄積されたトレンドデータに基づいて,前記閾値および前記第2の閾値を決定するステップと,
 をさらに具備する請求項8記載のネットワーク監視方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]