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1. (WO2008053773) 巻掛け部材の製造方法、製造装置、巻掛け部材の周長測定装置および予張力付与装置
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明 細書

巻掛け部材の製造方法、製造装置、巻掛け部材の周長測定装置および 予張力付与装置

技術分野

[0001] この発明は、動力伝達チェーンやベルトなど巻掛け部材の製造方法および製造装 置、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェ一 ンの製造方法および製造装置に関する。さらに、動力伝達チェーンやベルトなど巻 掛け部材の周長測定装置およびこのような周長測定装置を備えた予張力付与装置 に関する。

背景技術

[0002] 自動車用無段変速機として、図 11に示すように、固定シーブ(2a)および可動シー ブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および 可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡 された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧ァクチユエータによって可動シ ーブ(2b) (3a)を固定シーブ(2a) (3b)に対して接近 ·離隔させることにより、油圧で チェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2) (3)とチェーン(1)との間に 接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するもの(チェーン式無 段変速機)が知られている。

[0003] 無段変速機用の巻掛け部材の一種である動力伝達チェーンとしては、特許文献 1 に、ピンが揷通される前後揷通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前揷通部と他 のリンクの後揷通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向 に屈曲可能に連結する複数の第 1ピンおよび複数の第 2ピンとを備え、一のリンクの 前揷通部に固定されかつ他のリンクの後揷通部に移動可能に嵌め入れられた第 1ピ ンと一のリンクの前揷通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後揷通部に 固定された第 2ピンとが相対的に転力 Sり接触移動することにより、リンク同士の長さ方 向の屈曲が可能とされて!/、るものが提案されて!/、る。

[0004] そして、この種の動力伝達チェーンでは、耐久性を向上させるために、その製造ェ

程において、張力をチェーンに予め付与(予張)して、リンクに適当な残留圧縮応力 を付与することが行われてレ、る。

[0005] また、この種の無段変速機では、チェーン周長を精度よく知ることが必要であり、プ ーリの円錐形状を測定し、接触径 Dを推定し、軸間距離 Lを使用して、周長 = 7T D +

2Lによってそれを求めて!/、る。

[0006] 上記周長の計算で使用されている接触径 Dは、ピンとプーリとの接触楕円領域が径 方向に幅を持っているため、その中央値を使用した計算では、十分な測定精度を得 ること力 S難しいものとなっている。特許文献 2に示されたチェーン式無段変速機だけ でなぐベルト式無段変速機においても、同様の問題がある。

特許文献 1:特開 2006— 102784号公報

特許文献 2:特開 2005— 233275号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 従来の予張力付与装置では、使用される無段変速機 (実機)に合わせるという考え から、各予張力付与用プーリの相対向するシーブ面は、円錐面(断面形状は直線)と されている。予張力付与装置によってリンクに適当な残留圧縮応力を付与するには、 予張力を所定値以上にすることが好ましいが、ピン端面が凸状湾曲部とされているた め、大きい予張力を与えると、ピン端面損傷の原因となる可能性がある。

[0008] この発明の目的は、予張力を大きくしてより適切な残留圧縮応力をリンクに付与す るに際し、ピンの損傷を防止することができる巻掛け部材の製造方法および製造装 置を提供することにある。さらに、この発明の目的は、無段変速機で使用されるチェ ーンゃベルトなどの巻掛け部材の周長を簡単にかつ精度良く決定することを可能に する無段変速機用巻掛け部材の周長測定装置およびこれを備えた予張力付与装置 を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0009] この発明の一観点による巻掛け部材の製造方法は、複数のリンクおよびこれらを連 結する

複数のピンからなり 2つのプーリ間に巻き掛けられて使用される巻掛け部材の製造方 法であって、予張力付与用第 1プーリと予張力付与用第 2プーリとの間に無端状チェ ーンを巻き掛けてチェーンに予張力を付与する工程を備えており、各予張力付与用 プーリの相対向するシーブ面をピン端面の凸状湾曲部に対応する凹状とすることを 特徴とするものである。

[0010] この発明による巻掛け部材の製造装置は、複数のリンクおよびこれらを連結する複 数のピンからなり 2つのプーリ間に巻き掛けられて使用される巻掛け部材の製造装置 であって、無端状チェーンを巻き掛ける予張力付与用第 1プーリおよび予張力付与 用第 2プーリを有する予張力付与装置を備えており、各予張力付与用プーリの相対 向するシーブ面がピン端面の凸状湾曲部に対応する凹状とされていることを特徴と するものである。

[0011] 予張力を付与する際に使用されるプーリは、従来、その相対向する円錐状シーブ 面の断面形状が直線または凸状の湾曲面とされていたのに対し、ピン端面が凸状湾 曲部とされていることを考慮して、凹状の湾曲面とされる。これにより、ピン端面の凸 状湾曲部とプーリの凹状湾曲部との接触面積が増加することで、ピンに作用する接 触面圧が小さくなり、大きい予張力を付与した場合でもピンの損傷を防止することが できる。ピン端面の凸状の湾曲部は、球面とされたり、クラウユング加工によって形成 されたり、種々の形状とされる。プーリの凹状湾曲部は、凹状であればよく(ピンの凸 状湾曲部との接触面積が断面が直線の円錐面に比べて大きければよく)、ピン端面 の凸状の湾曲部と同じにする必要はない。プーリの凹状湾曲部の曲率半径 Rは、ピ ン端面の凸状湾曲部の曲率半径を rとして、 0. 8r≤R≤5rとされていることが好まし い。 Rが 0. 8rよりも小さくなると、プーリに必要な接触面を確保することが難しくなり、 Rが 5rよりも大きくなると、接触面積の増加量が小さくなつてピンの損傷防止効果が/ J、 さいものとなる。プーリの凹状湾曲部の曲率半径 Rは、より好ましくは r≤R≤2rとされ

[0012] この発明による製造方法および製造装置で得られる巻掛け部材は、各プーリのシ ーブ間距離の変化に伴って巻き掛け径が無段階に変更されて無段階の変速が行わ れる無段変速機で使用されるのに適している。

[0013] 予張を行うための予張力付与装置は、シーブ面形状を除!/、て無段変速機(実機)

を模擬したものとすることができ、例えば、予張力付与装置は、円錐面状シーブ面を それぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第 1のプーリと、円錐面状シー ブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなる第 2のプーリとを備えて おり、可動シーブを固定シーブに対して接近 ·離隔させることにより、巻掛け部材をク ランプするものとされる。予張力付与装置は、実機を模擬したものにする必要はなぐ 例えば、上記の各プーリの可動シーブを固定とし、予張力付与装置は、円錐面状シ 一ブ面をそれぞれ有する 1対の固定シーブが第 1の間隔をおいて対向させられた第 1のプーリと、円錐面状シーブ面をそれぞれ有する 1対の固定シーブが第 2の間隔を おいて対向させられた第 2のプーリとを備えており、プーリを回転駆動しながら、第 1 のプーリと第 2のプーリとの軸間距離を接近 '離隔させることにより、巻掛け部材に張 力を与えるものとされてもょレ、。

[0014] 予張力付与時には、少なくとも一方のプーリの径が実際の最小径以下とされている ことが好ましい。無段変速機では、低速走行時に対応する変速比が最大のアンダー •ドライブ(以下、「U/D」と称す。)と、高速走行時に対応する変速比が最小のォー バー ·ドライブ(以下、「〇/D」と称す。)との間で変速比が変化する。ピンの動きにし たがってリンクに作用する応力振幅は、巻き掛け径が大きいプーリに沿って回るときよ りも巻き掛け径が小さいプーリに沿って回るときに大きなものとなる。そこで、予張力 付与時の巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むよ うにすることにより、リンクに広い範囲にわたって均等な応力を付与することが可能と なり、リンクを偏りなく伸ばすことができる。この場合、予張力付与時の巻き掛け径は、 無段階に変化させられてもよぐ一定でもよぐ予張力付与用第 1プーリおよび予張力 付与用第 2プーリのいずれか一方の巻き掛け径が、一時的にまたは常時、無段変速 機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさとされる。

[0015] 予張力の大きさは、無段変速機で使用された場合にかかる最大張力の 2倍以上(2 〜3倍)とすることが好ましい。無段変速機が自動車用の場合には、車の公称トルクが 力、かったときの張力の 2倍以上(2〜3倍)としてもよい。これにより、適切な残留圧縮 応力をリンクに付与することができる。

[0016] 巻掛け部材は、例えば、ピンが揷通される前後揷通部を有する複数のリンクと、一 のリンクの前揷通部と他のリンクの後揷通部とが対応するようにチェーン幅方向に並 ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第 1ピンおよび複数の第 2ピンとを備え、 第 1ピンと第 2ピンとが相対的に転力 Sり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向 の屈曲が可能とされており、第 1ピンおよび第 2ピンのうちの一方は、一のリンクの前 揷通部に固定されかつ他のリンクの後揷通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方 は、一のリンクの前揷通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後揷通部に 固定されてレ、る動力伝達チェーンとされる。

[0017] 上記の製造方法および製造装置は、巻掛け部材である種々の動力伝達チェーン を製造するのに適している力ピンが揷通される前後揷通部を有する複数のリンクと、 一のリンクの前揷通部と他のリンクの後揷通部とが対応するようにチェーン幅方向に 並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第 1ピンおよび複数の第 2ピンとを備え 、第 1ピンと第 2ピンとが相対的に転力 Sり接触移動することにより、リンク同士の長さ方 向の屈曲が可能とされており、第 1ピンおよび第 2ピンのうちの一方は、一のリンクの 前揷通部に固定されかつ他のリンクの後揷通部に移動可能に嵌め入れられ、同他 方は、一のリンクの前揷通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後揷通部 に固定されてレ、るものである動力伝達チェーンを製造するのにより適して!/、る。

[0018] この動力伝達チェーンでは、第 1ピンおよび第 2ピンの少なくとも一方がプーリと接 触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーン においては、第 1ピンおよび第 2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段 変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン (以下では、「第 1ピン」または「ピ ン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン (インターピースまたはストリ ップと称されており、以下では、「第 2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。

[0019] リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素 工具鋼に限られるものではなぐ軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前 後揷通部がそれぞれ独立の貫通孔 (柱有りリンク)とされていてもよぐ前後揷通部が 1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの 適宜な鋼が使用される。

[0020] ピンが前後揷通部に固定される場合の前後揷通部へのピンの固定は、例えば、機

械的圧入による揷通部内縁とピン外周面との嵌合固定とされる力 S、これに代えて、焼 き嵌めまたは冷やし嵌めによってもよい。 1つの揷通部には、第 1ピンと第 2ピンとがチ エーンの長さ方向に対向するように嵌め合わせられ、このうちのいずれか一方がリン クの揷通部の周面に嵌合固定される。嵌合固定は、揷通部の長さ方向に対して直交 する部分の縁(上下の縁)で行われるのが好ましい。この嵌合固定の後、上記の予張 力付与工程において予張力が付与されることにより、リンクのピン固定部(ピン圧入部 )に均等にかつ適正な残留圧縮応力が高精度に付与される。

[0021] この発明の別の観点による無段変速機用巻掛け部材の周長測定装置は、無段変 速機でプーリ間に巻掛けられて使用される巻掛け部材の周長を測定する装置であつ て、巻掛け部材の直線部に対向して所定距離 Lをおいて配置された 1対のセンサと、 巻掛け部材の所定箇所にセンサに対応するように設けられた被検知部と、 1対のセン サの出力から被検知部が L移動するのに必要な時間 Taを求める第 1演算手段と、 1 対のセンサの出力力、ら被検知部が 1周するのに必要な時間 Tbを求める第 2演算手 段とを備えており、 L X Tb/Taによってチェーン周長が求められることを特徴とする ものである。

[0022] センサは、変位センサであってもよぐ回転センサであってもよい。被検知部は、例 えば、巻掛け部材の所要位置に例えば突起状のマーカーを貼り付けることで得ること ができ、また、巻掛け部材にある微小凹凸部分を被検知部として利用することもでき

[0023] この発明の別の観点による予張力付与装置は、無段変速機でプーリ間に巻掛けら れて使用される巻掛け部材に予張力を付与する予張力付与装置であって、無端状 巻掛け部材を巻掛ける予張力付与用第 1プーリおよび予張力付与用第 2プーリと、い ずれか一方のプーリの回転軸を回転させる回転駆動手段と、第 1と第 2のプーリの軸 間距離を接近'離隔させる長さ方向駆動手段と、予張力付与後の巻掛け部材の周長 を測定する周長測定装置とを備えていることを特徴とするものである。

発明の効果

[0024] この発明の巻掛け部材の製造方法および製造装置によると、各予張力付与用ブー リの相対向するシーブ面について、従来は、実機に合わせて例えば円錐面とされて

いたのに対し、これをピン端面の凸状湾曲部に対応する凹状とすることにより、実機 で力、かるよりも大きな予張力を付与した場合であっても、ピン端面の損傷を防ぐことが でき、チェーンの耐久性を向上させることができる。

[0025] この発明の無段変速機用巻掛け部材の周長測定装置によると、無段変速機で使 用されるチェーンやベルトなどの巻掛け部材の周長を簡単にかつ精度良く決定する ことができ、これを予張力付与装置に付加することで、周長測定工程を別途行うこと なぐ巻掛け部材の周長を得ることができる。

図面の簡単な説明

[0026] [図 1]図 1は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法で製造される動力伝達チ エーンの 1実施形態の一部を示す平面図である。

[図 2]図 2は、同拡大斜視図である。

[図 3A]図 3Aは、リンクの拡大側面図である。

[図 3B]図 3Bは、リンクの変更例の拡大側面図である。

[図 4]図 4は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。

[図 5]図 5は、無段変速機の変速に伴って動力伝達チェーンが変化する様子を模式 的に示す側面図である。

[図 6]図 6は、予張力付与装置を模式的に示す図である。

[図 7]図 7は、図 6の要部の拡大図である。

[図 8]図 8は、第 2実施形態の予張力付与装置を模式的に示す図である。

[図 9]図 9は、第 2実施形態の周長測定装置を備えた予張力付与装置を模式的に示 す図である。

[図 10]図 10は、信号を示す図である。

[図 11]図 8は、無段変速機を示す斜視図である。

発明を実施するための最良の形態

[0027] 以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明にお いて、上下は、図 3A, 3Bの上下をいうものとする。また、各実施形態および変形例に おいて、同一又は対応する部材については共通の参照番号を付し、重複する記述 は省略する。

[0028] 図 1および図 2は、この発明による巻掛け部材の製造方法で製造される巻掛け部材 としての動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン 長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後揷通部(12) (13)を有する複数のリン ク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する 複数のピン (第 1ピン)(14)およびインターピース(第 2ピン)(15)とを備えている。

[0029] 図 3Aに示すように、前揷通部(12)は、ピン(14) (実線で示す)が固定されるピン 固定部(12a)およびインターピース(15) (二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め合わ せられるインターピース可動部(12b)からなり、後揷通部(13)は、ピン(14) (二点鎖 線で示す)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(13a)およびインターピース( 15) (実線で示す)が固定されるインターピース固定部(13b)からなる。そして、チェ ーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前揷通部(1 2)と他のリンク(11)の後揷通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ 、ピン(14)がーのリンク(11)の前揷通部(12)に固定されかつ他のリンク(11)の後 揷通部(13)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)がーのリンク(11) の前揷通部(12)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の後揷通部(13 )に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転力 Sり接触 移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。

[0030] ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、イン ボリユート曲線とされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面(14a)力、断面 において半径 Rb、中心 Mの基礎円を持つインポリュート形状を有し、インターピース (15)の接触面(15a)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク (11 )がチェーン(1)の直線部分から円弧部分へまたは円弧部分から直線部分へと 移行する際、前揷通部(12)においては、インターピース(15)がインターピース可動 部(12b)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面(15a)がピン(14)の接触面 (14a)に転力 Sり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動し、後揷通部(13)にお いては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面(14a)がィ ンターピース(15)の接触面(15a)に転力 Sり接触(若干のすべり接触を含む)しながら ピン可動部(13a)内を移動する。なお、図 3Aにおいて、符号 Aおよび Bで示す箇所 は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触してい る線(断面では点)であり、 AB間の距離がピッチである。

[0031] チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前 後方向)に 3つ並べて 1つのリンクユニットとし、この 3列のリンク列からなるリンクュニッ トを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が 9枚 のリンク列とリンク枚数が 8枚のリンク列 2つとが 1つのリンクユニットとされている。

[0032] この動力伝達チェーン(1)は、図 4に示した V型プーリ式 CVTで使用される力この 際、例えば、インターピース(第 2ピン)(15)がピン (第 1ピン)(14)よりも短くされ、ィ ンターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の 各円錐状シーブ面(2c) (2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ軸(2e) を有するプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c) (2d)に接触し、この接触による摩擦力に より動力が伝達される。プーリ(2)の円錐状シーブ面(2c) (2d)に接触するピン(14) の端面形状は、凸の湾曲状に形成されている。ピン(14)とインターピース(15)とは、 上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c) (2d)に対してピ ン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確 保される。

[0033] 図 4において、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固 定シーブ(2a)に対して接近 ·離隔させると、チェーン(1)の巻き掛け径は、同図に鎖 線で示すように、接近時には大きぐ離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、 図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向き に移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛 け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3) の巻き掛け径が大きくなる。この結果、図 5に示すように、変速比が 1 : 1である状態( 初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3) の巻き掛け径が最大である U/D状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け 径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小の O/D状態が得られる。

[0034] また、図 3Bに動力伝達チェーン(1)の変形例を示す。図 3Bに示すように、図 3Aの ものと同様、変形例の動力伝達チェーン(1)においては、リンク(11)の前揷通部(12

)と後揷通部(13)との間に、柱部(21)が介在させられており、前揷通部(12)は、ピ ン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15) が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後揷通部(13)は、ピン(14)が固 定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられる インターピース可動部(19)力もなる。

[0035] 図 3Bの変形例において、各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向 の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にの びる突出縁部(15a) (15b)が設けられている。

[0036] 図 3Bにおいて、符号 Aおよび Bで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分において ピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、 AB間の距 離がピッチである。

[0037] チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前揷 通部(12)と他のリンク(11)の後揷通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重 ねられ、ピン(14)がーのリンク(11)の後揷通部(13)に固定されかつ他のリンク(11) の前揷通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)がーのリンク( 11)の後揷通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前揷通部 (12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり 接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされ

[0038] リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、イン ターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a) (19b)にそれぞれ連なりピ ン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a) (18b)が設けられて!/、る。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)と の境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a) (16b)にそれぞ れ連なりインターピース固定部(17)に固定されて!/、るインターピース(15)を保持す る上下の凸円弧状保持部(17a) (17b)が設けられて!/、る。

[0039] 図 3Aと同様、ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置 の軌跡は、インポリュート曲線とされており、この変形例では、ピン(14)の転がり接触 面力 断面において半径 Rb、中心 Mの基礎円を持つインポリュート形状を有し、イン ターピース(15)の転がり接触面が平坦面(断面形状が直線)とされて!/、る。これによ り、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直 線部分へと移行する際、前揷通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインタ 一ピース(15)に対してその転力 Sり接触面がインターピース(15)の転がり接触面に転 力り接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後揷通部 (13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態 のピン(14)に対してその転がり接触面がピン(14)の転力 Sり接触面に転力 Sり接触(若 干のすべり接触を含む)しながら移動する。

[0040] この変形例における動力伝達チェーン(1)は、図 4に示した V型プーリ式 CVTで使 用されるが、この際、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動 シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c) (2d)にインターピース(15)の端面が接触し ない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c) (2d)に接触し、こ の接触による摩擦力により動力が伝達される。

[0041] 上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動 が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転 力 Sり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触 位置の軌跡力 Sインポリュート曲線とされていることにより、ピンおよびインターピースの 転力 Sり接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、 騒音を低減することができる。そして、 CVTで使用された場合に、ピン(14)とインタ 一ピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面( 2c) (2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高 Vヽ動力伝達率が確保される。

[0042] これら図 3A,図 3Bに示される動力伝達チェーン(1)は、必要な数のピン(14)およ びインターピース(15)を台上に垂直状に保持した後、リンク(11)を 1つずつあるい は数枚まとめて圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびイン ターピース(15)の上下縁部とピン固定部(12a) (図 3Bにお!/、ては(18) )およびイン ターピース固定部(13b) (図 3Bにおいては(17) )の上下縁部との間において行わ れており、その圧入代は 0· 005mm〜0. 1mmとされている。こうして、糸且み立てられ たチェーン(1 )には予張力が付与される。

[0043] 図 6に、この発明による製造方法および製造装置において使用される予張力付与 装置を示す。

[0044] 予張力付与装置(31 )は、巻き掛け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径の 大きさとされた小径プーリ(32) (単に第 1のプーリとも言う)と、巻き掛け径が無段変速 機で得られる最大巻き掛け径の大きさとされた大径プーリ(33) (単に第 2のプーリとも 言う)と、プーリ(32) (33)同士を接近 ·離隔させてチェーン(1 )に作用する張力を調 整するプーリ軸移動装置(34)と、プーリ(32) (33)を回転させる回転駆動装置(35) と備えている。

[0045] この予張力付与装置(31 )の各予張力付与用プーリ(32) (33)の相対向するシー ブ面(32a) (33a)は、従来、実機に合わせて例えば円錐面とされていたのに対し、 図 7に拡大して示すように、ピン(14)端面の凸状湾曲部(14a)に対応する凹状湾曲 面とされている。プーリ(32) (33)のシーブ面(凹状湾曲部) (32a) (33a)の曲率半 径 Rは、ピン(14)端面の凸状湾曲部(14a)の曲率半径を rとして、 0. 8r≤R≤5rとさ れる。

[0046] 予張力付与装置(31 )の小径プーリ(32)と大径プーリ(33)との径の組合せは、 U /D状態と同じ(O/D状態とも同じ)であり、ピン(14)およびインターピース(15)の 動きが大きぐチェーン(1 )にとつて厳しい条件となっており、予張力付与時の巻き掛 け径が無段変速機で得られる最小巻き掛け径以下の大きさを含むようになされてい ることで、リンク(1 1 )に均等に残留圧縮応力が付与され、チェーン(1 )の耐久性が向 上する。

[0047] 予張力の大きさは、リンク(1 1 )内部(特にピン固定部(12a)およびインターピース 固定部(13b)における圧入部)に発生する最大主応力値がリンク(1 1 )の弾性限界 以上でかつ塑性限界以下となるように設定され、これにより、リンク(1 1 )内部に適正 な残留圧縮応力が付与される。適正な残留圧縮応力を得るには、実機でかかるより も大きな予張力を付与することが必要であり、この場合、ピン(14)の端面が損傷する 可能性がある力予張付与時のプーリ(32) (33)の形状を上記のようにすることにより 、この損傷を防ぐことができる。

[0048] なお、第 1実施形態の予張力付与装置(31)は、第 2実施形態において後述する周 長測定装置 (41)を供えている。すなわち、図 9を用いて後述されるように、周長測定 装置 (41)を取り付けた状態で、予張力を付与することで、同時にチェーン(1)の周 長を測定することが可能である。

[0049] 無論、第 1実施形態の予張力付与装置(31)は、図 6に示されるように周長測定装 置 (41)を取り付けない状態で、単独でチェーン(1)に予張力を付与することができる ことは言うまでもない。

[0050] (第 2実施形態)

図 8および図 9に、この発明の第 2実施形態による周長測定装置およびこれを備え た予張力付与装置を示す。

[0051] 第 2の実施形態における予張力付与装置(31)は、第 1プーリ(32)と、第 2プーリ(3

3)と、第 1プーリの回転軸を回転させる回転駆動装置(37)と、長さ方向駆動装置(3

6)に駆動されることにより、第 2プーリ(33)をチェーン長さ方向に移動させてプーリ(

32) (33)の軸間距離を接近 ·離隔させチェーン(1)に作用する張力を調整する長さ 方向移動テーブル (38)と、チェーン (巻掛け部材)(1)の周長を測定する周長測定 装置 (41)とを備えている。

[0052] 第 1プーリ (32)および第 2プーリ (33)の巻掛け径は、変速比が 1: 1となる大きさとさ れている。すなわち、 2つのプーリ(32) , (33)の間に巻掛け径の大小の区別はない

[0053] 張力の大きさは、リンク(11)内部に発生する最大主応力値がリンク(11)の弾性限 界以上でかつ塑性限界以下となるように設定され、これにより、リンク(11)内部に適 正な残留圧縮応力が付与され、リンク( 11 )の寿命が向上する。

[0054] 周長測定装置 (41)は、図 9に示すように、チェーン(1)の直線部に所定距離 Lをお いて配置され 1対のセンサ(42) (43)と、チェーン(1)の所定箇所にセンサ(42) (43 )に対応するように設けられた被検知部としての突起(44)と、センサ(42) (43)の出 力を処理する処理手段(45)とを備えて!/、る。

[0055] 各センサ(42) (43)は、被検知部(44)が通過するごとに信号を出力し、図 10に示

すように、第 1のセンサ(42)は、時刻 T1と時刻 T3とに被検知部(44)を検知し、第 2 のセンサ(43)は、これより少し遅れた時亥 IJT2と時亥 IJT4とに被検知部(44)を検知す る。(T2—T1 )または (T4—T3)は、チェーン(1 )が距離 L進むのに要する時間に相 当し、(T3— T1 )または (T4— T2)は、チェーン(1 )が 1周するのに要する時間に相 当している。

[0056] 処理手段(45)は、被検知部(44)が距離 L移動するのに必要な時間 Taを求める第

1演算手段と、被検知部 (44)が 1周するのに必要な時間 Tbを求める第 2演算手段と 、チェーン周長 Cを C = L X Tb/Taによって求める第 3演算手段とを有している。

[0057] Taは、 Ta =T2—Tlによって求められ、 Tbは、 Tb =T3—Tlによって求められる。

[0058] 周長の測定は、チェーン(1 )に予張力を付与した後に行われ、これによりチェーン(

1 )の周長が簡単にかつ精度良く実測される。

なお、チェーン(1 )は、第 2実施形態においては、図 3Bに示すチェーンを用いて周 長を測定した例を示している力周長測定装置 (41 )は、図 3Aに示されるチェーンや ベルトなど他の形態の巻掛け部材についても同様に、簡単かつ精度良く周長を実測 すること力 Sでさる。

[0059] なお、周長測定装置 (41 )で使用されている被検知部としての突起(44)は、例えば 、測定ごとにチェーン(1 )に貼り付けることで得ることができる力チェーン進行方向 に並ぶリンク枚数が既知であるので、各センサ(42) (43)によってリンク(1 1 )またはリ ンク間隙間を検出することにより、突起またはこれ以外の被検知部(44)を別途設置 せずに、上記 Taおよび Tbを求めるようにすることもできる。

産業上の利用性

[0060] この発明によれば、各予張力付与用プーリの相対向するシーブ面をピン端面の凸 状湾曲部に対応する凹状とすることにより、実機で力、かるよりも大きな予張力を付与し た場合であっても、ピン端面の損傷を防ぐことができる巻掛け部材の製造方法および 製造装置を提供することができる。これにより、製造されたチェーンの耐久性を向上さ せること力 Sでさる。

[0061] この発明によれば、無段変速機で使用されるチェーンやベルトなどの巻掛け部材 の周長を簡単にかつ精度良く決定することができる無段変速機用巻掛け部材の周長

測定装置を提供することができる。これの周長測定装置を予張力付与装置に付加す ることで、周長測定工程を別途行うことなぐ巻掛け部材の周長を得ることができる。