処理中

しばらくお待ちください...

設定

設定

出願の表示

1. WO2021074959 - 布入りゴムパッキンの製造方法、革パッキンの製造方法、布入りゴムパッキン、及び革パッキン

Document

明 細 書

発明の名称 布入りゴムパッキンの製造方法、革パッキンの製造方法、布入りゴムパッキン、及び革パッキン

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016  

発明の効果

0017  

図面の簡単な説明

0018  

発明を実施するための形態

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125  

実施例

0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160  

産業上の利用可能性

0161  

符号の説明

0162  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2  *   3  *   4  *   5  *   6   7   8   9   10  *   11  *  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

明 細 書

発明の名称 : 布入りゴムパッキンの製造方法、革パッキンの製造方法、布入りゴムパッキン、及び革パッキン

技術分野

[0001]
 本発明は、布入りゴムパッキンの製造方法、革パッキンの製造方法、布入りゴムパッキン、及び革パッキンに関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1には、布入りゴムVパッキンが開示されている。特許文献1に開示の布入りゴムVパッキンは、布入りゴムシートを積層して形成される。詳しくは、特許文献1に開示の布入りゴムVパッキンは、第1工程から第5工程がこの順に実行されることによって得られる。第1工程では、基布にゴム糊を塗布し、第1基布を形成する。第2工程では、基布に潤滑油を含浸させて、第2基布を形成する。第3工程では、第1基布と、第2基布とを交互に積層して、積層体を得る。第4工程では、積層体の外周面にゴム糊を添着して、被成形物を得る。第5工程では、被成形物を断面V字形状に加硫成形する。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 実開平4-132266号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 しかしながら、特許文献1に開示の布入りゴムパッキンは、長期間使用されると、リップ面が剥離するとともに、第1基布と第2基布とが層間剥離するおそれがある。そのため、特許文献1に開示の布入りゴムVパッキンでは、耐久性が十分でないおそれがある。
[0005]
 本発明は、上記課題に鑑み、耐久性に優れる布入りゴムパッキンの製造方法、耐久性に優れる革パッキンの製造方法、耐久性に優れる布入りゴムパッキン、及び耐久性に優れる革パッキンを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の布入りゴムパッキンの製造方法は、第1工程と、第2工程とを含む。前記第1工程では、筒状物の少なくとも一方の外周端部を、前記筒状物の径方向の内側又は外側に巻き込んで、輪状物を形成する。前記筒状物は、布及びゴム組成物を含む。前記第2工程では、前記輪状物を圧縮成形する。
[0007]
 ある実施形態において、前記第1工程は、準備工程と、裁断工程と、連結工程とを含む。前記準備工程では、ゴムシートを準備する。前記ゴムシートは、前記布及び前記ゴム組成物を含む。前記裁断工程では、前記ゴムシートを前記布のバイアス方向に裁断して、バイアスシートを形成する。前記連結工程では、前記バイアスシートの両端部を連結して、前記筒状物を形成する。
[0008]
 ある実施形態において、前記ゴム組成物は、ニトリルゴム、ウレタンゴム、ふっ素ゴム、又は四ふっ化エチレン樹脂を含む。
[0009]
 ある実施形態において、前記ゴム組成物は、四ふっ化エチレン樹脂を含む。
[0010]
 ある実施形態において、前記第2工程では、前記輪状物をVリング状に圧縮成形する。
[0011]
 本発明の革パッキンの製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程とを含む。前記第1工程では、第1溶液に第1革シートを浸漬させて、第2革シートを形成する。前記第1溶液は、硫化系合成ゴムを含有する。前記第2工程では、前記第2革シートを輪状に裁断して、輪状物を形成する。前記第3工程では、前記輪状物を成形する。
[0012]
 ある実施形態において、前記第1工程では、減圧雰囲気下において、前記第1溶液に前記第1革シートを浸漬させる。前記減圧雰囲気は、大気圧よりも低い。
[0013]
 ある実施形態において、前記第1工程は、前処理工程を含む。前記前処理工程では、前処理溶液に革シートを浸漬させて、前記第1革シートを形成する。前記前処理溶液は、加硫促進剤を含有する。前記第1溶液は、有機過酸化物及び環状エーテル化合物を含有する。
[0014]
 ある実施形態において、前記第1工程において、前記第1溶液に前記第1革シートを浸漬させた後、第2溶液に前記第1革シートを浸漬させて、前記第2革シートを形成する。前記第2溶液は、潤滑剤を含有する。
[0015]
 本発明の布入りゴムパッキンは、JIS B 2403に規定される洩レ試験に準拠する試験において、漏れ量が4.0mL/1000回以下である。
[0016]
 本発明の革パッキンは、多硫化系合成ゴムを含有する。

発明の効果

[0017]
 本発明の布入りゴムパッキンの製造方法によれば、耐久性に優れる布入りゴムパッキンが得られる。本発明の革パッキンの製造方法によれば、耐久性に優れる革パッキンが得られる。本発明の布入りゴムパッキン及び革パッキンによれば、耐久性に優れる。

図面の簡単な説明

[0018]
[図1] (a)は、実施形態1に係る布入りゴムパッキンの斜視図である。(b)は、(a)に示す切断線IBで切断した布入りゴムパッキンの断面を示す図である。
[図2] 実施形態1に係る布入りゴムパッキンの使用状態を示す油圧シリンダーの断面図である。
[図3] 実施形態1に係る布入りゴムパッキンの製造工程を示すフローチャートである。
[図4] (a)は、ゴムシート10の正面図である。(b)は、(a)に示す切断線IVBで切断したゴムシートの断面を示す図である。
[図5] 実施形態1における浸漬工程を説明するための概略説明図である。
[図6] (a)は、実施形態1に係るゴムシートの正面図である。(b)は、実施形態1に係るバイアスシートの正面図である。
[図7] (a)は、実施形態1に係るバイアスシートの斜視図を示す。(b)は、実施形態1に係る筒状物の斜視図を示す。
[図8] (a)は、実施形態1に係る筒状物の斜視図である。(b)は、(a)に示す切断線VIIIBで切断した筒状物の断面を示す図である。
[図9] (a)は、実施形態1に係る輪状物の斜視図である。(b)は、(a)に示す切断線IXBで切断した輪状物の断面を示す図である。(c)は、カバーシートが装着された輪状物の斜視図である。
[図10] (a)は、実施形態2に係る革パッキンの斜視図である。(b)は、(a)を示す切断線IXBで切断した革パッキンの断面を示す図である。
[図11] 実施形態2に係る革パッキンの製造工程のフローチャートである。
[図12] 実施形態2におけるバキューム装置300を示すである。
[図13] (a)は、実施形態2に係る第2革シートの正面図である。(b)は、実施形態2に係る輪状物の斜視図である。

発明を実施するための形態

[0019]
 以下、図面を参照して、本発明に係る布入りゴムパッキンの製造方法、革パッキンの製造方法、布入りゴムパッキン、及び革パッキンの実施形態について説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[0020]
[実施形態1]
 図1を参照して、実施形態1に係る布入りゴムパッキン1について説明する。図1(a)は、実施形態1に係る布入りゴムパッキン1の斜視図である。図1(b)は、図1(a)に示す切断線IBで切断した布入りゴムパッキン1の断面を示す図である。
[0021]
 実施形態1に係る布入りゴムパッキン1は、布入りゴムVパッキンである。図1(a)に示すように、布入りゴムパッキン1は、トーラス状物である。布入りゴムパッキン1は、凹部1Aを有する。凹部1Aは、布入りゴムパッキン1の全周にわたって形成されている。図1(b)に示すように、布入りゴムパッキン1の断面形状は、V字形である。布入りゴムパッキン1は、凹部1Aの底に溝部1Bを有する。溝部1Bは、布入りゴムパッキン1の全周にわたって形成されている。溝部1Bには、必要に応じて、フィラーリングが装着される。
[0022]
 布入りゴムパッキン1のサイズは、特に限定されない。例えば、布入りゴムパッキン1の形状及び寸法は、JIS B 2403:2009に規定される形状及び寸法であればよい。
[0023]
 布入りゴムパッキン1の漏れ量は、4.0mL/1000回以下であり、好ましくは、1.0mL/1000回以上2.0mL/1000回以下、より好ましくは1.0mL/1000回以上1.5mL/1000回以下である。布入りゴムパッキン1の漏れ量は、4.0mL/1000回以下であるので、布入りゴムパッキン1は、作動油の長期密閉性に優れる。布入りゴムパッキン1の漏れ量は、本明細書の実施例に記載の方法により測定される値であり、後述にて詳細に説明する。
[0024]
 布入りゴムパッキン1は、布基材11と、ゴム組成物の加硫物12Sとを含む。ゴム組成物の加硫物12Sは、布基材11全体を被覆している。ゴム組成物の加硫物12Sとは、加硫後のゴム組成物を示す。
[0025]
 布基材11は、布入りゴムパッキン1の補強材として機能する。布基材11は、一枚の布で構成される。実施形態1では、布基材11は、平織物である。布基材11の材質は、特に限定されず、例えば、有機繊維、無機繊維、又は金属繊維を含む。有機繊維は、例えば、木綿、レーヨン、アラミド繊維、ポリエステル繊維、又はナイロン繊維を含む。無機繊維は、例えば、カーボン繊維、セラミック繊維又はガラス繊維を含む。金属繊維は、例えば、ステンレス線、インコネル線、又はモネル線を含む。これら繊維は、単独で用いられてよいし、2種以上が併用されてもよい。
[0026]
 ゴム組成物は、ゴム成分を含有する。ゴム組成物は、必要に応じて、架橋助剤、活性剤、活性酸化亜鉛、加硫剤、加硫促進剤、安定剤、劣化防止剤、加工助剤、又は可塑剤を含有してもよい。
[0027]
 ゴム成分は、合成ゴムを含む。合成ゴムの種類は、例えば、布入りゴムパッキン1が装着される油圧シリンダー100の作動油の種類等に応じて適宜選択されればよい。合成ゴムは、ニトリルゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、フッ素ゴム(FKM)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、シリコーンゴム(Q)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)又はブチルゴム(IIR)を含む。中でも、ゴム組成物は、ニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、又は四フッ化エチレン樹脂を含むことが好ましく、四フッ化エチレン樹脂を含むことがより好ましい。ゴム成分がニトリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、又は四フッ化エチレン樹脂を含むと、布入りゴムパッキン1は、鉱油系作動油、W/Oエマルション系作動油、及びO/Wエマルション系作動油に対する耐性に優れる。ゴム成分が四フッ化エチレン樹脂を含むと、布入りゴムパッキン1は、鉱油系作動油、W/Oエマルション系作動油、O/Wエマルション系作動油、水-グライコール系作動油、リン酸エステル系作動油、及び脂肪酸エステル系作動油に対する耐性に優れる。
[0028]
 布入りゴムパッキン1は、例えば、油圧機器用パッキンとして好適に使用される。
[0029]
 次に、図2を参照して、布入りゴムパッキン1の使用形態について説明する。図2は、実施形態1に係る布入りゴムパッキン1の使用状態を示す油圧シリンダー100の断面図である。
[0030]
 図2に示すように、油圧シリンダー100は、シリンダー101と、ピストンロッド102と、雄アダプタ103と、雌アダプタ104とを有する。布入りゴムパッキン1は、シリンダー101とピストンロッド102との間に配置して使用される。詳しくは、実施形態1では、布入りゴムパッキン1は、3枚重ね合わせられ、雄アダプタ103と雌アダプタ104との間に挟み込まれて使用される。これにより、布入りゴムパッキン1は、油圧シリンダー100のピストンロッド102の作動油の漏れを長期にわたり抑制することができる。
[0031]
 次に、図3を参照して、布入りゴムパッキン1の製造方法について説明する。図3は、実施形態1に係る布入りゴムパッキン1の製造工程を示すフローチャートである。
[0032]
 図3に示すように、実施形態1に係る布入りゴムパッキン1の製造方法は、第1工程S100と、第2工程S200とを有する。第1工程S100及び第2工程S200は、この順で実行される。第1工程S100では、輪状物40を形成する。第2工程S200では、輪状物40を圧縮成形する。このようにして、布入りゴムパッキン1が得られる。
[0033]
 次に、図3を参照して、第1工程S100について更に説明する。図3に示すように、第1工程S100は、準備工程S110と、裁断工程S120と、連結工程S130と、巻込工程S140とを含む。準備工程S110、裁断工程S120、連結工程S130、及び巻込工程S140はこの順で実行される。
[0034]
 準備工程S110では、ゴムシート10を準備する。裁断工程S120では、ゴムシート10からバイアスシート20を形成する。連結工程S130では、バイアスシート20から筒状物30を形成する。巻込工程S140では、筒状物30から輪状物40を形成する。
[0035]
 次に、図4(a)、及び図4(b)を参照して、準備工程S110について更に説明する。図4(a)は、実施形態1に係るゴムシート10の正面図である。図4(b)は、図4(a)に示す切断線IVBで切断したゴムシート10の断面を示す図である。
[0036]
 準備工程S110では、ゴムシート10を準備する。図4(a)に示すように、ゴムシート10は、布入りゴムシートである。ゴムシート10は、布基材11と、ゴム組成物の未加硫物12Uとを含む。図4(b)に示すように、ゴム組成物の未加硫物12Uは、布基材11中を充填しており、かつ布11の表面を被覆している。ゴム組成物の未加硫物12Uとは、加硫前のゴム組成物を示す。
[0037]
 ゴムシート10は、シート状物である。ゴムシート10の寸法は、バイアスシート20の寸法等に応じて適宜調整すればよい。ゴムシート10の厚みは、折り曲げ可能な厚みであればよい。ゴムシート10の厚みは、例えば、1.00mm以上1.07mm以下である。
[0038]
 布基材11は、平織物である。図4(a)及び図4(b)に示すように、平織物は、緯糸111と経糸112とが交互に上下に交叉させて織られた織物である。緯糸111の糸密度と、経糸112の糸密度とは、略同一である。糸密度とは、単位長さ当りの糸の本数をいう。以下、布基材11の緯糸111が伸びる方向を「緯糸方向D1」と記載し、布基材11の経糸112が伸びる方向を「経糸方向D2」と記載する。
[0039]
 図3に示すように、実施形態1では、準備工程S110は、混練工程S111と、浸漬工程S112とを含む。混練工程S111及び浸漬工程S112は、この順で実行される。混練工程S111では、ゴム組成物の材料を混練して、ゴム組成物を得る。浸漬工程S112では、布基材11及びゴム溶液120を用いて、ゴムシート10を形成する。
[0040]
 次に、混練工程S111について更に説明する。混練工程S111では、ゴム組成物の材料を混練する。これにより、ゴム組成物が得られる。このように、ゴム組成物の材料を混練することにより、ゴム組成物が均一に分散されたゴム溶液120が得られやすくなる。混練工程S111は、混練機を用いて行うことができる。混練機は、ロール、バンバリー、又はニーダーを含む。ゴム組成物の材料の混合順序、ゴム組成物の混練時間、及び混練温度の各々は、ゴム組成物の材料及び混練機の種類等に応じて、適宜調整すればよい。
[0041]
 次に、図5を参照して、浸漬工程S112について更に説明する。図5は、実施形態1における浸漬工程S112を説明するための概略説明図である。
[0042]
 浸漬工程S112は、調整ステップと、被覆ステップと、乾燥ステップとを含む。調整ステップ、被覆ステップ、及び乾燥ステップは、この順で実行される。調整ステップでは、ゴム溶液120を調整する。被覆ステップでは、布基材11及びゴム溶液120を用いて被覆シート10Uを形成する。乾燥ステップでは、被覆シート10Uからゴムシート10を形成する。
[0043]
 次に、調整ステップについて、更に説明する。調製ステップでは、混練したゴム組成物と、第1溶剤とを混合装置内に投入して混合する。これにより、ゴム組成物が分散されたゴム溶液120が得られる。得られたゴム溶液120は、図5を参照して後述する浸漬タンク200内に投入される。
[0044]
 第1溶剤は、例えば、メチルエチルケトン(MEK)、トルエン、アセトン、又はメチルイソブチルケトン(MIBK)を含む。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0045]
 ゴム組成物の配合量は、例えば、ゴム溶液120の100質量部に対して、20質量部以上30質量部以下である。
[0046]
 次に、図5を参照して、浸漬ステップについて更に説明する。図5に示すように、浸漬ステップでは、長尺状の布基材11を、複数のガイドロール210によって浸漬タンク200内に搬送する。長尺状の布基材11は、繰出ロール220に巻き取られている。これにより、布基材11をゴム溶液120中に浸漬させて、被覆シート10Uが得られる。この際、長尺状の布基材11の搬送方向D3と、布基材11の緯糸方向D1とは略平行である。
[0047]
 次に、図5を参照して、乾燥ステップについて更に説明する。乾燥ステップでは、被覆シート10Uを加熱炉230内に搬送する。加熱炉230は、被覆シート10Uから第1溶剤を揮発させる。これにより、ゴムシート10が得られる。乾燥条件は、ゴム組成物の材料等に応じて適宜調整すればよい。乾燥条件は、加熱炉230内の温度及び加熱炉230内の搬送時間を含む。加熱炉230内の温度は、例えば、98℃以上120℃以下である。加熱炉230内の搬送時間は、例えば、5分以上7分以内である。
[0048]
 加熱炉230外に搬送されたゴムシート10は、巻取ロール240に巻き取られる。このようにして、ゴムシート10が連続的に得られる。
[0049]
 次に、図6(a)及び図6(b)を参照して、裁断工程S120について説明する。図6(a)は、実施形態1に係るゴムシート10の正面図である。図6(b)は、実施形態1に係るバイアスシート20の正面図である。
[0050]
 図6(a)に示すように、裁断工程S120では、ゴムシート10を布基材11のバイアス方向Cに裁断する。これにより、図6(b)に示すバイアスシート20が得られる。
[0051]
 布基材11のバイアス方向Cは、緯糸方向D1に対して斜めの方向を示す。バイアス角度θは、ゴムシート10の幅と布入りゴムパッキン1のサイズとの関係等に応じて適宜調整することができる。バイアス角度θは、緯糸方向D1に対する角度を示す。バイアス角度θは、例えば、45℃である。
[0052]
 図6(b)に示すように、バイアスシート20の形状は、略平行四辺形状である。バイアスシート20は、第1非バイアス端部20A、第2非バイアス端部20B、第1バイアス端部20C、及び第2バイアス端部20Dを有する。第1バイアス端部20C、及び第2バイアス端部20Dは、ゴムシート10が布基材11のバイアス方向Cに裁断されることによって形成される。第1非バイアス端部20Aの長手方向D4と、第2非バイアス端部20Bの長手方向D5と、緯糸方向D1とは略平行である。第1バイアス端部20Cの長手方向D6と、第2バイアス端部20Dの長手方向D7とは略平行である。第1バイアス端部20Cの長手方向D6及び第2バイアス端部20Dの長手方向D7の各々と、緯糸方向D1とは、略平行ではない。バイアスシート20の寸法は、布入りゴムパッキン1の寸法等に応じて適宜調整される。
[0053]
 次に、図7(a)及び図7(b)を参照して、連結工程S130について説明する。図7(a)は、実施形態1に係るバイアスシート20の斜視図を示す。詳しくは、図7(a)は、両端部を突き合わせた状態のバイアスシート20を示す。図7(b)は、実施形態1に係る筒状物30の斜視図を示す。
[0054]
 連結工程S130では、バイアスシート20の両端部同士を連結する。詳しくは、図7(a)に示すように、バイアスシート20の第1非バイアス端部20Aと、第2非バイアス端部20Bとを突き合わせる。次いで、図7(b)に示すように、バイアスシート20の第1非バイアス端部20Aと、第2非バイアス端部20Bとを糸31で突き合わせ縫いをする。これにより、筒状物30が得られる。
[0055]
 なお、実施形態1では、バイアスシート20の両端部を突き合わせ縫いによって、連結するが、本発明はこれに限定されない。例えば、バイアスシート20の両端部を熱融着法、又は接着剤法によって連結してもよい。熱融着法では、バイアスシート20の両端部同士を熱融着させる。接着剤法では、バイアスシート20の両端部同士を接着剤で接着させる。また、本実施形態1では、バイアスシート20の第1非バイアス端部20Aと、第2非バイアス端部20Bとを連結するが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1バイアス端部20Cと、第2バイアス端部20Dとを連結してもよい。
[0056]
 図7(b)に示すように、筒状物30は、第1外周端部30A、第2外周端部30B、及び連結部30Cを有する。第1外周端部30Aは、バイアスシート20の第1バイアス端部20Cによって形成される。第2外周端部30Bは、バイアスシート20の第2バイアス端部20Dによって形成される。連結部30Cは、バイアスシート20の第1非バイアス端部20Aと、第2非バイアス端部20Bとによって形成される。
[0057]
 次に、図8及び図9を参照して、巻込工程S140について説明する。図8(a)は、実施形態1に係る筒状物30の斜視図である。図8(b)は、図8(a)に示す切断線VIIIBで切断した筒状物30の断面を示す図である。図9(a)は、実施形態1に係る輪状物40の斜視図である。図9(b)は、図9(a)に示す切断線IXBで切断した輪状物40の断面を示す図である。図9(c)は、カバーシート41が装着された輪状物40の斜視図である。
[0058]
 図8(a)及び図8(b)に示すように、巻込工程S140では、筒状物30の第1外周端部30A及び第2外周端部30Bを、筒状物30の中心軸Oに対する径方向の内側に巻き込む。具体的に、筒状物30の第1外周端部30A及び第2外周端部30Bを矢印D8に示す方向に巻き込む。これにより、図9(a)及び図9(b)に示す輪状物40を成形する。以下、「筒状物30の中心軸Oに対する径方向の内側に」を「筒状物30の内側に」と記載する。
[0059]
 実施形態1では、図7(b)を参照して説明したように、バイアスシート20の第1非バイアス端部20Aと、第2非バイアス端部20Bとを連結している。そのため、筒状物30の第1外周端部30A及び第2外周端部30Bを、筒状物30の内側に巻き込んだ際、筒状物30の折り目方向と、緯糸方向D1又は経糸方向D2とは、略平行にならない。筒状物30の折り目方向は、筒状物30の周方向Rと略平行である。筒状物30の周方向Rは、筒状物30の中心軸Oを中心とした円の周方向を示す。これにより、筒状物30の第1外周端部30A又は第2外周端部30Bが折り曲げられても、筒状物30は、緯糸方向D1又は経糸方向D2に沿って割れにくくなる。その結果、耐久性に優れる布入りゴムパッキン1が得られやすくなる。更に、作業者は、筒状物30から輪状物40を成形しやすくなる。
[0060]
 なお、実施形態1では、筒状物30の第1外周端部30A及び第2外周端部30Bを、筒状物30の内側に巻き込んだが、本発明はこれに限定されない。例えば、筒状物30の第1外周端部30A及び第2外周端部30Bの一方を、筒状物30の内側に、又は筒状物30の中心軸Oに対する径方向の外側に巻き込んでもよい。以下、「筒状物30の中心軸Oに対する径方向の外側に」を「筒状物30の外側に」と記載する。また、例えば、筒状物30の内側又は筒状物30の外側に2つに折り曲げた後、筒状物30の第1外周端部30A及び第2外周端部30Bを、筒状物30の内側に巻き込んでもよい。筒状物30の第1外周端部30A及び第2外周端部30Bの巻き込み回数は、特に限定されない。
[0061]
 実施形態1において、巻込工程S140では、輪状物40の連結部30Cに、カバーシート41を装着する。カバーシート41は、輪状物40の連結部30Cにおける糸31の縫い目を覆う。これにより、糸31が表面に露出しない布入りゴムパッキン1が得られる。つまり、意匠性に優れる布入りゴムパッキン1が得られる。カバーシート41は、ゴムシート10と同様の構成であればよい。カバーシート41は、例えば、ゴムシート10を裁断して得られたものである。
[0062]
 次に、図3を参照して、第2工程S200について更に説明する。図3に示すように、実施形態1では、第2工程S200は、圧縮成形工程S210と、バリ取り工程S220とを含む。圧縮成形工程S210及びバリ取り工程S220は、この順で実行される。
[0063]
 圧縮成形工程S210では、圧縮成形機を用いて、輪状物40から圧縮成形物を得る。圧縮成形物は、バリを有する場合がある。バリ取り工程S220では、圧縮成形物からバリを取り除く。
[0064]
 実施形態1では、圧縮成形工程S210において、輪状物40をV字リング状に圧縮成形する。詳しくは、輪状物40を第1金型のキャビティ内に直接置き、第1金型を閉じて、加圧しながら成形する。これにより、輪状物40のゴム組成物の未加硫物12Uから加硫物12Sが形成される。第1金型のキャビティは、Vリング状に形成されている。
[0065]
 圧縮成形条件は、ゴム組成物の材料等に応じて適宜調整すればよい。圧縮成形条件は、加硫温度及び加硫時間を含む。加硫温度は、例えば、100℃以上200℃以下である。加硫時間は、例えば、1分以上60分以内である。
[0066]
 図1~図9を参照して説明したように、布入りゴムパッキンの製造方法は、第1工程S100と、第2工程S200とを含む。第1工程S100では、筒状物30の第1外周端部30A及び第2外周端部30Bを、筒状物30の内側に巻き込んで、輪状物40を形成する。第2工程S200は、輪状物40を圧縮成形する。これにより、布入りゴムシートを積層し、圧縮成形して得られる布入りゴムパッキンよりも耐久性に優れる布入りゴムパッキン1が得られる。
[0067]
 図1~図9を参照して説明したように、布入りゴムパッキンの製造方法において、第1工程S100は、準備工程S110と、裁断工程S120と、連結工程S130とを含む。準備工程S110では、ゴムシート10を準備する。裁断工程S120では、ゴムシート10を布基材11のバイアス方向Cに裁断して、バイアスシート20を形成する。連結工程S130では、バイアスシート20の両端部を連結して、筒状物30を形成する。これにより、筒状物30が輪状物40に成形される際、筒状物30の第1外周端部30A又は第2外周端部30Bが折り曲げられても筒状物30は割れにくい。その結果、作動油の長期密閉性に優れる布入りゴムパッキン1が得られやすい。更に、作業者は、筒状物30を輪状物40に成形しやすい。
[0068]
 図1~図9を参照して説明したように、布入りゴムパッキンの製造方法において、ゴム組成物は、ニトリルゴム、ウレタンゴム、ふっ素ゴム、又は四ふっ化エチレン樹脂を含む。これにより、鉱油系作動油、W/Oエマルション系作動油、及びO/Wエマルション系作動油に対する耐性に優れる布入りゴムパッキン1が得られる。
[0069]
 図1~図9を参照して説明したように、布入りゴムパッキンの製造方法において、ゴム組成物は、四ふっ化エチレン樹脂を含む。これにより、鉱油系作動油、W/Oエマルション系作動油、O/Wエマルション系作動油、水-グライコール系作動油、リン酸エステル系作動油、及び脂肪酸エステル系作動油に対する耐性に優れる布入りゴムパッキン1が得られる。
[0070]
 図1~図9を参照して説明したように、布入りゴムパッキンの製造方法において、第2工程S200では、輪状物40をVリング状に圧縮成形する。これにより、JIS B 2403に規定される試験の条件を満たす布入りゴムパッキン1が得られる。つまり、作動油の長期密閉性に優れる布入りゴムパッキン1が得られる。
[0071]
[実施形態2]
 図10(a)及び図10(b)を参照して、実施形態2に係る革パッキン2について説明する。図10(a)は、実施形態2に係る革パッキン2の斜視図である。図10(b)は、図10(a)を示す切断線XBで切断した革パッキン2の断面を示す図である。
[0072]
 図10(a)及び図10(b)に示すように、実施形態2に係る革パッキン2は、革のVパッキンである。革パッキン2の形状及び寸法は、溝部1Bを有しない他は、布入りゴムパッキン1の形状及び寸法と同様であればよい。
[0073]
 革パッキン2は、革の圧縮成形物である。これにより、革パッキン2は、柔軟で弾性に富む。また、革パッキン2の摩耗係数は低い。つまり、革パッキン2は摺動性に優れる。そのため、革パッキン2が使用される際、熱を発生しにくい。その結果、革パッキン2は耐久性に優れる。更に、革パッキン2の摩耗係数は低いので、革パッキン2は、接触する金属の表面を傷つけにくい。
[0074]
 革は、皮に鞣しが行われることで形成される。革は、皮よりも腐敗しにくく、成形され易い。革は、通気性を有する。換言すると、革は、多数の微細孔を有する。皮の種類及び鞣しの種類は、革パッキン2の用途に応じて適宜選択すればよい。皮は、牛皮、豚皮、山羊皮、羊皮、又は馬皮を含む。鞣しは、植物タンニン鞣し、クロム鞣し、油鞣し、アルミニウム鞣し、又はコンビネーション鞣しを含む。コンビネーション鞣しは、2種又はそれ以上の鞣剤の併用を含む。例えば、コンビネーション鞣しは、皮にクロム鞣しを行った後、植物タンニン鞣しを更に行うことを含む。
[0075]
 革パッキン2は、多硫化系合成ゴムを含有する。これにより、革パッキン2は、布入りゴムシートを積層し、圧縮成形をして得られる布入りゴムパッキンよりも耐久性に優れる。更に、革パッキン2は、溶剤に曝されても、柔軟で弾性を保持する。つまり、革パッキン2は、耐溶剤性に優れる。溶剤はシンナー、MEK、又はトルエンを含む。
[0076]
 多硫化系合成ゴムは、主鎖が一般式-(RSx)n-を有する骨格を有する。Rは、炭化水素基である。Xは、好ましくは、1以上4以下の整数である。nは、好ましくは1以上30未満の整数である。
[0077]
 多硫化系合成ゴムとして、製品を用いることができる。多硫化系合成ゴムは、「Thiokol(登録商標) A」、「Thiokol(登録商標) AP」、「Thiokol(登録商標) B」、「Thiokol(登録商標) F」、「Thiokol(登録商標) FA」、「Thiokol(登録商標) ST」、「Thiokol LP(登録商標)」、「Thiokol(登録商標) LP-2」、「Thiokol(登録商標) LP-282」、「Thiokol(登録商標) LP3」、「Thiokol(登録商標) LP33」、「Thiokol(登録商標) N」、又は「Thiokol(登録商標) R」を含む。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、多硫化系合成ゴムとして、「Thiokol(登録商標) LP-2」を用いることが好ましい。これにより、革パッキン2は、耐久性及び耐溶剤により優れる。
[0078]
 実施形態2では、革パッキン2は、潤滑剤を更に含有する。これにより、革パッキン2は、潤滑剤を含有しない革パッキンよりもシール性及び摺動性に優れる。
[0079]
 潤滑剤は、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、白色ワセリン、シリコーンオイル、フッ素オイル、ポリアルキレングリコール、鉱物油、又は流動パラフィンを含む。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0080]
 革パッキン2のシール媒体は、空気、油、溶剤、アルコール、動物油、合成剤、非苛性水溶液、乳剤、含水流動体、魚油、真空、石油基材、水、ガソリン、又は植物油を含む。具体的に、革パッキン2は、例えば、空気圧機器用パッキン、水圧機器用パッキン又は油圧機器用パッキンとして好適に使用される。
[0081]
 次に、図11を参照して、革パッキン2の製造方法について説明する。図11は、実施形態2に係る革パッキンの製造工程のフローチャートである。
[0082]
 図11に示すように、実施形態2に係る革パッキンの製造方法は、第1工程S300と、第2工程S400と、第3工程S500とを有する。第1工程S300、第2工程S400、及び第3工程S500は、この順で実行される。第1工程S300では、革シート50から、多硫化系合成ゴムを含有する第2革シート52を形成する。第2工程S400では、第2革シート52から輪状物60を形成する。第3工程S500では、輪状物60を圧縮成形する。このようにして、革パッキン2が得られる。
[0083]
 次に、図11を参照して、第1工程S300について更に説明する。図11に示すように、第1工程S300は、前処理工程S310と、第1浸漬工程S320と、第2浸漬工程S330とを含む。前処理工程S310、第1浸漬工程S320、及び第2浸漬工程S330は、この順で実行される。
[0084]
 前処理工程S310では、革シート50に前処理溶液を浸漬させて、加硫促進剤を含有する第1革シート51を形成する。第1浸漬工程S320では、第1革シート51に第1溶液53を浸漬させて、多硫化系合成ゴムを含有する第2革シート52を形成する。第2浸漬工程S330では、第2革シート52に第2溶液を浸漬させて、第2革シート52に潤滑剤を取り込ませる。
[0085]
 次に、前処理工程S310について、更に説明する。前処理工程S310では、革シート50に前処理溶液を浸漬させる。次いで、革シート50を前処理溶液中から取り出して、風乾させる。前処理工程S310を実行することによって、第1革シート51が得られる。前処理工程S310を実行した結果、第1浸漬工程S320において、第1革シート51の内部に多硫化系合成ゴムが取り込まれやすくなる。
[0086]
 革シート50は、革のシート状物である。革シート50の形状及び寸法は、革パッキン2の形状及び寸法等に応じて適宜調整すればよい。
[0087]
 前処理溶液は、加硫促進剤及び第2溶剤を含む。
[0088]
 加硫促進剤は、例えば、グアニジン系化合物、スルフェンアミド系化合物、チアゾール系化合物、チウラム系化合物、チオウレア系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、イミダゾリン系化合物、又はキサンテート系化合物を含む。グアニジン系化合物は、1,3-ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、又はオルトトリルビグアニジンを含む。スルフェンアミド系化合物は、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、又はN-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを含む。チアゾール系化合物は、2-メルカプトベンゾチアゾール、又はジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィドを含む。チウラム系化合物は、テトラメチルチウラムジスルフィド、又はテトラベンジルチウラムジスルフィドを含む。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。加硫促進剤の含有量は、前処理溶液100質量部に対して、例えば、3質量部以上9質量部以下である。
[0089]
 第2溶剤は、例えば、MEK、トルエン、アセトン、又はMIBKを含む。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0090]
 革シート50の浸漬時間は、革シート50の寸法、及び加硫促進剤の含有量等に応じて適宜調整すればよい。革シート50の浸漬時間は、例えば、15分以上20分以内である。
[0091]
 次に、図12を参照して、第1浸漬工程S320について、更に説明する。図12は、実施形態2におけるバキューム装置300を示す図である。図12を参照して、第1浸漬工程S320を説明する。
[0092]
 第1浸漬工程S320では、減圧雰囲気下において、第1溶液53に第1革シート51を浸漬させる。次いで、第1革シート51を第1溶液53中から取り出して、風乾させる。これにより、第2革シート52を形成する。前処理工程S310を実行することによって、第1革シート51の内部に多硫化系合成ゴムを取り込ませる。
[0093]
 第1溶液53は、多硫化系合成ゴム及び第3溶剤を含有する。実施形態2では、第1溶液53は、有機過酸化物、及び環状エーテル化合物を更に含有する。これにより、第1革シート51の複数の微細孔内で多硫化系合成ゴムは架橋しやすくなる。第1革シート51の複数の微細孔内で多硫化系合成ゴムが架橋すると、多硫化系合成ゴムは、第1革シート51の内部に保持されやすくなる。その結果、多硫化系合成ゴムをより多く取り込んだ革パッキン2が得られる。
[0094]
 第3溶剤は、MEK、トルエン、アセトン、又はMIBKを含む。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0095]
 多硫化系合成ゴムの含有量は、例えば、第1溶液53の100質量部に対して、50質量部以上80質量部以下である。
[0096]
 有機過酸化物は、ハイドロパーオキサイド系化合物、ジアルキルパーオキサイド系化合物、ジアシルパーオキサイド系化合物、パーオキシエステル系化合物、ケトンパーオキサイド系化合物、パーオキシケタール系化合物、アルキルパーエステル系化合物、又はパーカーボネート系化合物を含む。ハイドロパーオキサイド系化合物は、クメンハイドロパーオキサイドを含む。ジアルキルパーオキサイド系化合物は、ジクミルパーオキサイドを含む。ジアシルパーオキサイド系化合物は、ベンゾイルパーオキサイドを含む。パーオキシエステル系化合物は、t-ブチルパーオキシベンゾエートを含む。ケトンパーオキサイド系は、メチルエチルケトンパーオキサイドを含む。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。有機過酸化物の含有量は、例えば、第1溶液53の100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下である。
[0097]
 環状エーテル化合物は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、又はテトラヒドロフランを含む。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。環状エーテル化合物の含有量は、第1溶液53の100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上10質量部以下である。
[0098]
 第1浸漬工程S320では、バキューム装置300を用いることができる。バキューム装置300を用いることで、多硫化系合成ゴムは、第1革シート51の内部に取り込まれやすくなる。以下、バキューム装置300を用いた第1浸漬工程S320について説明する。
[0099]
 図12に示すように、バキューム装置300は、バキュームタンク310と、バキュームポンプ320と、配管330と、バルブ340とを備える。バキュームタンク310と、バキュームポンプ320とは、配管330を介して接続されている。バルブ340は、配管330に取り付けられている。バキュームタンク310は、内部に収容空間Sを有する。バキュームタンク310は、開閉扉311と、本体部312とを有する。開閉扉311は、開閉可能に本体部312に取り付けられている。開閉扉311の開状態では、収容空間Sは大気に開放される。開閉扉311の閉状態では、収容空間Sは密閉される。バキュームポンプ320は、収容空間Sの空気を吸引する。バルブ340は、配管330の流路を開放又は閉鎖する。詳しくは、バルブ340の開状態では、配管330の流路は開放される。バルブ340の閉状態では、配管330の流路は閉鎖される。
[0100]
 まず、開閉扉311を開いて、バキュームタンク310内に第1溶液53及び第1革シート51を投入する。次いで、開閉扉311を閉じる。これにより、収容空間Sには、気体空間S1と、液体空間S2とが形成される。液体空間S2は、第1溶液53及び第1革シート51によって形成される。気体空間S1は、収容空間Sのうち液体空間S2を除いた空間を示す。第1革シート51は、第1溶液53中に浸っている。この際、バルブ340は、閉鎖状態である。
[0101]
 次いで、バルブ340を開状態する。これにより、気体空間S1は減圧状態となる。第1革シート51は、その表面及び内部に、多数の微細孔を有する。気体空間S1が減圧されると、微細孔内の空気が膨張しやすくなる。この膨張した空気は第1革シート51から脱離しやすくなる。その結果、第1革シート51に多硫化系合成ゴムが取り込まれやすくなる。
[0102]
 減圧状態の気体空間S1の圧力は、大気圧よりも低い。減圧状態の気体空間S1の圧力は、例えば、-0.09MPa以上-0.10MPa以下である。減圧状態の保持時間は、収容空間Sの容積等に応じて適宜調整すればよい。減圧状態の保持時間は、例えば、5分以上20分以内である。
[0103]
 この際、交互操作を行うことが好ましい。交互操作とは、収容空間Sの開放操作と、収容空間Sの閉鎖操作とを所定の時間間隔で交互に繰り返す操作を示す。開放操作は、バルブ340を閉状態にし、開閉扉311を開状態にする操作を示す。開放操作が行われると、収容空間S内の圧力は大気圧と略同一となる。閉鎖操作は、開閉扉311を閉状態にし、バルブ340を開状態にする操作を示す。閉鎖操作が行われると、収容空間S内の圧力は減圧される。このような交互操作を行うことで、第1革シート51の表面及び内部から空気がより脱離しやすくなる。その結果、多硫化系合成ゴムは、第1革シート51により取り込まれやすくなる。
[0104]
 交互操作を行う際の操作間隔及び繰返回数は、収容空間Sの容積等に応じて適宜調整すればよい。例えば、バキュームタンク310が小サイズ(収容空間Sの容積:約20L)である場合、好ましくは、操作間隔は2分間で、繰返回数は5回である。また、バキュームタンク310が大サイズ(収容空間Sの容積:約35L)である場合、好ましくは、操作間隔は3分間で、繰返回数は5回である。
[0105]
 次いで、バルブ340を閉状態にし、開閉扉311を開状態にして、第1革シート51をバキュームタンク310内から取り出す。次いで、第1革シート51を風乾する。このようにして、第2革シート52が得られる。
[0106]
 なお、実施形態2では、バキューム装置300を用いたが本発明はこれに限定さない。本発明は、例えば、大気圧下で、第1溶液53に第1革シート51を浸漬させてもよい。
[0107]
 次に、図11を参照して、第2浸漬工程S330について、更に説明する。第2浸漬工程S330では、第2革シート52を第2溶液に浸漬する。次いで、第2溶液中から第2革シート52を取り出す。このようにして、第2革シート52に潤滑剤を取り込ませる。
[0108]
 第2溶液は、潤滑剤を含む。実施形態2では、第2溶液は、潤滑剤の融解溶液である。第2溶液の温度は、潤滑剤の種類に応じて、適宜調整すればよい。第2溶液の温度は、例えば、35℃以上100℃未満である。
[0109]
 潤滑剤は、白色ワセリンを含むことが好ましい。白色ワセリンは、常温では固形状である。そのため、シール媒体の浸透をより抑制する革パッキン2が得られる。
[0110]
 第2革シート52の浸漬時間は、第2革シート52の寸法等に応じて適宜調整すればよい。第2革シート52の浸漬時間は、例えば、1分以上10分以内である。
[0111]
 第2溶液中から取り出した第2革シート52は、風乾してもよい。潤滑剤が白色ワセリンを含む場合、第2溶液中から第2革シート52が取り出されると、常温において、白色ワセリンは固化する。
[0112]
 次に、図11及び図13(a)及び図13(b)を参照して、第2工程S400について更に説明する。図13(a)は、実施形態2に係る第2革シート52の正面図である。図13(b)は、実施形態2に係る輪状物60の斜視図である。
[0113]
 図11に示すように、第2工程S400は、裁断工程S410を含む。図13(a)に示すように、裁断工程S410では、第2革シート52を輪状に裁断する。詳しくは、輪状の裁断線CLに沿って、第2革シート52を裁断する。これにより、図13(b)に示す輪状物60が得られる。輪状物60の寸法は、革パッキン2の寸法に応じて適宜調整すればよい。
[0114]
 次に、図11を参照して、第3工程S500について更に説明する。実施形態2では、図11に示すように、第3工程S500は、予備成形工程S510と、本成形工程S520とを含む。予備成形工程S510、及び本成形工程S520は、この順で実行される。第3工程S500は、予備成形工程S510及び本成形工程S520を含むので、輪状物60を所望の寸法に成形しやすくなる。
[0115]
 予備成形工程S510では、圧縮成形機を用いて、輪状物60を予備成形物に成形する。
[0116]
 本成形工程S520では、圧縮成形機を用いて、予備成形物を革パッキン2に成形する。予備成形工程S510では、輪状物60を第2金型のキャビティ内に直接置き、第2金型を閉じて、加圧しながら成形する。これにより、予備成形物が得られる。第2金型のキャビティは、略Vリング状に形成されている。
[0117]
 第2金型の温度は、例えば、100℃以上150℃以下である。成形時間は、輪状物60のサイズ等に応じて適宜調整されればよい。成形時間は、例えば、2分以上4分以内である。圧力は、例えば、18.6MPa以上19.6MPa以下である。
[0118]
 本成形工程S520では、予備成形物を第3金型のキャビティ内に直接置き、第3金型を閉じて、加圧しながら成形する。第3金型のキャビティは、Vリング状に形成されている。
[0119]
 第3金型の温度は、例えば、100℃以上150℃以下である。成形時間は、輪状物60のサイズ等に応じて適宜調整されればよい。成形時間は、例えば、4分以上10分以内である。圧力は、例えば、18.6MPa以上19.6MPa以下である。
[0120]
 本成形工程S520では、圧縮成形を終了する際、圧縮成形物を第3金型内に入れたまま、第3金型を冷却してもよい。第3金型は、内部に冷却流路を有する。第3金型の冷却流路に冷却水を循環させることで、第3金型の温度は低下する。これにより、第3金型の温度を常温まで冷却することができる。
[0121]
 なお、実施形態2では、第3工程S500は、予備成形工程S510と、本成形工程S520とを含むが、本発明はこれに限定されない。第3工程S500は、予備成形工程S510を含まなくてもよい。
[0122]
 図10~図13を参照して説明したように、革パッキンの製造方法は、第1工程S300と、第2工程S400と、第3工程S500とを含む。第1工程S300では、第1溶液53に第1革シート51を浸漬させて、第2革シート52を形成する。第2工程S400では、第2革シート52を輪状に裁断して、輪状物60を形成する。第3工程S500では、輪状物60を成形する。これにより、耐久性及び耐溶剤性に優れる革パッキンが得られる。
[0123]
 図10~図13を参照して説明したように、第1工程S300において、大気圧よりも低い減圧雰囲気下において、第1溶液53に第1革シート51を浸漬させる。第1革シート51は、多数の微細孔を有する。減圧雰囲気下において、第1革シート51の多数の微細孔中から空気が抜けて、硫化系合成ゴムは、第1革シート51に取り込まれやすくなる。これにより、多硫化系合成ゴムをより多く取り込んだ革パッキン2が得られる。つまり、耐溶剤性により優れる革パッキン2が得られる。
[0124]
 図10~図13を参照して説明したように、第1工程S300において、前処理溶液に革シート50を浸漬させて、第1革シート51を形成する。第1溶液53は、有機過酸化物及び環状エーテル化合物を含有する。これにより、多硫化系合成ゴムを更に多く取り込んだ革パッキン2が得られる。つまり、耐溶剤性が更に優れる革パッキン2が得られる。
[0125]
 図10~図13を参照して説明したように、第1工程S300において、第1溶液53に第1革シート51を浸漬させた後、第2溶液に第1革シート51を浸漬させて、第2革シート52を形成する。第1革シート51は、多数の微細孔を有する。多数の微細孔内に潤滑剤が取り込まれやすい。その結果、シール性及び摺動性がより優れる革パッキン2が得られる。
実施例
[0126]
 以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されるものではない。
[0127]
[実施例1:布入りゴムパッキン1]
 布入りゴムパッキン1の材料として、以下のものを用いた。
[0128]
 <ゴム成分>
・品名「Nipol(登録商標)1042」(NBR、日本ゼオン株式会社製)
<加硫剤>
・品名「SULFAX(登録商標)200SS」(硫黄、鶴見化学工業株式会社製)
<加硫促進剤>
・品名「ノクセラー CZ-G」(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業株式会社製)
・品名「ノクセラー TT-P」(テトラメチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業株式会社製)
<布基材>
・品名「22C 115巾」(シンコー織布社製、厚み:0.9mm、織り方:平織り)
[0129]
(準備工程S110:混練工程S111)
 ゴム成分と、加硫剤と、加硫促進剤とを、表1に示す割合でロール機に投入して、混練した。これにより、ゴム組成物を得た。混練温度は、約90℃であった。
[0130]
[表1]


[0131]
(準備工程S110:浸漬工程S112)
 混練したゴム組成物と、第1溶剤とを混合装置内に投入して混合した。これにより、ゴム溶液120を得た。得られたゴム溶液120を浸漬タンク200内に投入した。ゴム組成物の含有量は、ゴム溶液120の100質量部に対して、26.4質量部であった。第1溶剤として、トルエン及びMEKの混合溶媒を用いた。トルエン及びMEKの質量比(トルエンの質量/MEKの質量)は、1.5(60/40)であった。
[0132]
 長尺状の布基材11を、複数のガイドロール210によって浸漬タンク200内に搬送した。これにより、被覆シート10Uが得た。長尺状の布基材11の搬送方向D3と、布基材11の緯糸方向D1とは略平行であった。
[0133]
 次いで、被覆シート10Uを加熱炉230内に搬送した。加熱炉230内の温度は、例えば、約98℃であった。加熱炉230内の搬送時間は、約7分であった。
[0134]
 このようにして、ゴムシート10を連続的に得た。
[0135]
(裁断工程S120)
 図6(a)に示すように、ゴムシート10を布基材11のバイアス方向Cに裁断した。これにより、図6(b)に示すバイアスシート20が得た。
[0136]
(連結工程S130)
 図7(a)に示すように、1枚のバイアスシート20の第1非バイアス端部20Aと、第2非バイアス端部20Bとを突き合わせた。次いで、図7(b)に示すように、バイアスシート20の第1非バイアス端部20Aと、第2非バイアス端部20Bとを糸31で突き合わせ縫いをした。これにより、筒状物30が得た。
[0137]
(巻込工程S140)
 図8(a)及び図8(b)に示すように、筒状物30の第1外周端部30A及び第2外周端部30Bを、筒状物30の内側に巻き込んだ。これにより、図9(a)及び図9(b)に示す輪状物40を成形した。次いで、図9(c)に示すように、輪状物40の連結部30Cにカバーシート41を装着した。カバーシート41は、ゴムシート10を裁断して得られた。
[0138]
(圧縮成形工程S210)
 輪状物40をV字リング状に圧縮成形した。これにより、圧縮成形物を得た。加硫温度は、160℃であった。加硫時間は、10分であった。
[0139]
(バリ取り工程S220)
 圧縮成形物のバリを取り除いた。これにより、布入りゴムパッキン1が得られた。
[0140]
[漏れ試験]
 JIS B 2403に規定される洩レ試験に準拠する方法で、布入りゴムパッキン1の漏れ量を測定した。その結果、布入りゴムパッキン1の漏れ量は、1.5mL/1000回以下であった。これにより、布入りゴムパッキン1は、作動油の長期密閉性に優れることが確認できた。
[0141]
[実施例2:革パッキン2]
 革パッキン2の材料として、以下のものを用意した。
[0142]
<第1革シート51>
・品名「コンビ革」(SPIRE Leather社製、皮:牛皮、鞣し:コンビネーション鞣し)
<加硫促進剤>
・品名「ノクセラーD-P」(1,3-ジフェニルグアニジン、大内新興化学工業株式会社製)
<第2溶剤>
・品名「MEK」(メチルエチルケトン、大伸化学株式会社製)
<多硫化系合成ゴム>
・品名「Thiokol(登録商標) LP-2」(東レ・ファインケミカル株式会社製)
<有機過酸化物>
・品名「パークミル(登録商標)H-80」(クメンハイドロパーオキサイド、日油株式会社製)
<環状エーテル化合物>
・品名「特級プロピレンオキシド」(1,2-エポキシプロパン、キシダ化学株式会社製)
<第3溶剤>
・品名「トルエン」(トルエン、中央化成品株式会社製)
・品名「MEK」(メチルエチルケトン、大伸化学株式会社製)
<ワックス>
・品名「Microcrystalline Wax」(マイクロクリスタリンワックス)
<ワセリン>
・品名「白ペト」(白色ワセリン、株式会社石井清商店製)
[0143]
(前処理工程S310)
 加硫促進剤と、第2溶剤とを混合し、前処理溶液を得た。加硫促進剤の含有量は、前処理溶液100質量部に対して、例えば、6質量部であった。
[0144]
 次いで、革シート50を前処理溶液に浸漬させた。革シート50の浸漬時間は、15分であった。前処理溶液中から革シート50を取り出し、常温で約1週間乾燥した。これにより、第1革シート51を得た。
[0145]
(第1浸漬工程S320)
 多硫化系合成ゴムと、第3溶剤とを混合して、第1溶液53を得た。次いで、得られた第1溶液53に、有機過酸化物及び環状エーテル化合物を添加し、混合して、第1溶液53を調製した。多硫化系合成ゴムの含有量は、第1溶液53の100質量部に対して、66質量部であった。有機過酸化物の含有量は、第1溶液53の100質量部に対して、2.0質量部であった。環状エーテル化合物の含有量は、1.7質量部であった。第1溶剤として、トルエン及びMEKの混合溶媒を用いた。トルエン及びMEKの質量比(トルエンの質量/MEK質量)は、1.0(50/50)であった。
[0146]
 開閉扉311を開いて、バキュームタンク310(収容空間Sの容積:約35L)内に、第1溶液53及び第1革シート51を投入した。次いで、開閉扉311を閉じ、交互操作を行った。交互操作の操作間隔は3分間で、交互操作の繰返回数は5回であった。この際、収容空間S内の減圧状態の累積時間は、15分であった。減圧状態の気体空間S1の圧力は、-0.10MPaであった。
[0147]
 次いで、バルブ340を閉状態にし、開閉扉311を開状態にして、第1革シート51をバキュームタンク310内から取り出した。次いで、第1革シート51を常温で約1週間乾燥した。
[0148]
(第2浸漬工程S330)
 ワックス及びワセリンを90℃に加熱して、第2溶液を得た。ワックスの含有量は、第2溶液100質量部に対して、13質量部であった。
[0149]
 次いで、第2溶液に第1革シート51を浸漬した。第1革シート51の浸漬時間は、3分であった。第2溶液中から第1革シート51を取り出し、第2革シート52を得た。
[0150]
(裁断工程S410)
 図13(a)に示すように、第2革シート52を輪状に裁断した。これにより、輪状物60を得た。
[0151]
(予備成形工程S510)
 輪状物60を第2金型のキャビティ内に直接置き、第2金型を閉じて、加圧しながら成形した。これにより、予備成形物を得た。第2金型の温度は、125℃であった。成形時間は、3分であった。成形圧力は、19.6MPaであった。
[0152]
(本成形工程S520)
 予備成形物を第3金型キャビティ内に直接置き、第2金型を閉じて、加圧しながら成形した。第3金型の温度は、125℃であった。成形時間は6分であった。成形圧力は、19.6MPaであった。
[0153]
 次いで、予備成形物の圧縮成形を開始した時点から6分後に、圧縮成形物を第3金型内に入れたまま、第3金型の冷却流路に冷却水を循環させて、第3金型を常温まで冷却した。これにより、革パッキン2が得られた。
[0154]
 以上、図面(図1~図13)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(11))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
[0155]
 (1)図1~図9を参照して説明したように、実施形態1に係る布入りゴムパッキン1の形状は、Vリングであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、布入りゴムパッキン1の形状は、Jパッキン、Lパッキン、Uパッキン、Wパッキン、Yパッキン、Dリング、Oリング、Tリング、Xリング、又は角リングであってもよい。Jパッキン、Lパッキン、Uパッキン、Wパッキン、Yパッキン、Dリング、Oリング、Tリング、Xリング、及び角リングの各々は、JIS B 0116:2015に規定されている。
[0156]
 (2)図1~図9を参照して説明したように、実施形態1に係る布基材11は平織物であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、布基材11は、綾織物、編物、又は不織布であってもよい。
[0157]
 (3)図1~図9を参照して説明したように、実施形態1に係る布入りゴムパッキンの製造方法では、第1工程S100は、準備工程S110、裁断工程S120、連結工程S130、及び巻込工程S140を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1工程S100は、準備工程S110、裁断工程S120、及び連結工程S130を含まなくてもよい。
[0158]
 (4)図1~図9を参照して説明したように、実施形態1に係る布入りゴムパッキンの製造方法では、準備工程S110は、混練工程S111及び浸漬工程S112を含むが、本発明はこれに限定されない。準備工程S110は、混練工程S111及び浸漬工程S112を含まなくてもよい。この場合、ゴムシート10は、他社の製品を用いてもよい。
[0159]
 (5)図10~図13を参照して説明したように、実施形態2に係る革パッキン2の形状は、Vリングであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の革パッキンの形状は、リング型、椀型、帽子型、又は溝型であってもよい。
[0160]
 (6)図10~図13を参照して説明したように、実施形態2に係る革パッキンの製造方法において、第1工程S300は、前処理工程S310、第1浸漬工程S320、及び第2浸漬工程S330を含むが、本発明はこれに限定されない。例えば、例えば、第1工程S300は、前処理工程S310、及び第2浸漬工程S330を含まなくてもよい。

産業上の利用可能性

[0161]
 本発明は、例えば、布入りゴムパッキンの製造方法、革パッキンの製造方法、布入りゴムパッキン、及び革パッキンの分野に有用である。

符号の説明

[0162]
 1    布入りゴムパッキン
 1A   凹部
 1B   溝部
 10   ゴムシート
 10U  被覆シート
 11   布基材
 111  緯糸
 112  経糸
 12S  ゴム組成物の加硫物
 12U  ゴム組成物の未加硫物
 20   バイアスシート
 20A  第1非バイアス端部
 20B  第2非バイアス端部
 20C  第1バイアス端部
 20D  第2バイアス端部
 30   筒状物
 30A  第1外周端部
 30B  第2外周端部
 30C  連結部
 31   糸
 40   輪状物
 41   カバーシート
 52   第2革シート
 53   第1溶液
 60   輪状物

請求の範囲

[請求項1]
 布及びゴム組成物を含む筒状物の少なくとも一方の外周端部を、前記筒状物の径方向の内側又は外側に巻き込んで、輪状物を形成する第1工程と、
 前記輪状物を圧縮成形する第2工程と
 を含む、布入りゴムパッキンの製造方法。
[請求項2]
 前記第1工程は、
 前記布及び前記ゴム組成物を含むゴムシートを準備する準備工程と、
 前記ゴムシートを前記布のバイアス方向に裁断して、バイアスシートを形成する裁断工程と、
 前記バイアスシートの両端部を連結して、前記筒状物を形成する連結工程と
 を含む、請求項1に記載の布入りゴムパッキンの製造方法。
[請求項3]
 前記ゴム組成物は、ニトリルゴム、ウレタンゴム、ふっ素ゴム、又は四ふっ化エチレン樹脂を含む、請求項1又は請求項2に記載の布入りゴムパッキンの製造方法。
[請求項4]
 前記ゴム組成物は、四ふっ化エチレン樹脂を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の布入りゴムパッキンの製造方法。
[請求項5]
 前記第2工程において、前記輪状物をVリング状に圧縮成形する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の布入りゴムパッキンの製造方法。
[請求項6]
 硫化系合成ゴムを含有する第1溶液に第1革シートを浸漬させて、第2革シートを形成する第1工程と、
 前記第2革シートを輪状に裁断して、輪状物を形成する第2工程と、
 前記輪状物を成形する第3工程と、
 を含む、革パッキンの製造方法。
[請求項7]
 前記第1工程において、大気圧よりも低い減圧雰囲気下において、前記第1溶液に前記第1革シートを浸漬させる、請求項6に記載の革パッキンの製造方法。
[請求項8]
 前記第1工程において、加硫促進剤を含有する前処理溶液に革シートを浸漬させて、前記第1革シートを形成する前処理工程を含み、
 前記第1溶液は、有機過酸化物及び環状エーテル化合物を含有する、請求項6又は請求項7に記載の革パッキンの製造方法。
[請求項9]
 前記第1工程において、前記第1溶液に前記第1革シートを浸漬させた後、潤滑剤を含有する第2溶液に前記第1革シートを浸漬させて、前記第2革シートを形成する、請求項7又は請求項8に記載の革パッキンの製造方法。
[請求項10]
 JIS B 2403に規定される洩レ試験に準拠する試験において、漏れ量が4.0mL/1000回以下である、布入りゴムパッキン。
[請求項11]
 多硫化系合成ゴムを含有する革パッキン。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2020年1月17日 ( 17.01.2020 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] 布及びゴム組成物を含む筒状物の少なくとも一方の外周端部を、
 前記筒状物の径方向の内側又は外側に巻き込んで、輪状物を形成する第1工程と、
 前記輪状物を圧縮成形する第2工程と
を含み、
 前記第1工程は、
 前記布及び前記ゴム組成物を含むゴムシートを準備する準備工程と、
 前記ゴムシートを前記布のバイアス方向に裁断して、バイアスシートを形成する裁断工程と、
 前記バイアスシートの両端部を連結して、前記筒状物を形成する連結工程と
を含む、布入りゴムパッキンの製造方法。
[2]
[削除]
[3]
[補正後] 前記ゴム組成物は、ニトリルゴム、ウレタンゴム、ふっ素ゴム、又は四ふっ化エチレン樹脂を含む、請求項1に記載の布入りゴムパッキンの製造方法。
[4]
[補正後] 前記ゴム組成物は、四ふっ化エチレン樹脂を含む、請求項1又は請求項3に記載の布入りゴムパッキンの製造方法。
[5]
[補正後] 前記第2工程において、前記輪状物をVリング状に圧縮成形する、請求項1、請求項3及び請求項4のいずれか1項に記載の布入りゴムパッキンの製造方法。
[6]
 硫化系合成ゴムを含有する第1溶液に第1革シートを浸漬させて、第2革シートを形成する第1工程と、
 前記第2革シートを輪状に裁断して、輪状物を形成する第2工程と、
 前記輪状物を成形する第3工程と、
 を含む、革パッキンの製造方法。
[7]
 前記第1工程において、大気圧よりも低い減圧雰囲気下において、前記第1溶液に前記第1革シートを浸漬させる、請求項6に記載の革パッキンの製造方法。
[8]
 前記第1工程において、加硫促進剤を含有する前処理溶液に革シートを浸漬させて、前記第1革シートを形成する前処理工程を含み、
 前記第1溶液は、有機過酸化物及び環状エーテル化合物を含有する、請求項6又は請求項7に記載の革パッキンの製造方法。
[9]
 前記第1工程において、前記第1溶液に前記第1革シートを浸漬させた後、潤滑剤を含有する第2溶液に前記第1革シートを浸漬させて、前記第2革シートを形成する、請求項7又は請求項8に記載の革パッキンの製造方法。
[10]
[削除]
[11]
[削除]

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]