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1. WO2013118766 - インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物

Document

明 細 書

発明の名称 インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013  

発明の効果

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192  

実施例

0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21  

明 細 書

発明の名称 : インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物

技術分野

[0001]
 本発明は、インクジェット記録用インク組成物、インクジェット記録方法、及び、印刷物に関する。

背景技術

[0002]
 画像データ信号に基づき、紙などの記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。
 インクジェット方式は、印刷装置が安価であり、かつ、印刷時に版を必要とせず、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出し記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率よく使用でき、特に小ロット生産の場合にランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れており、近年注目を浴びている。
 中でも、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)は、紫外線などの放射線の照射によりインク組成物の成分の大部分が硬化するため、溶剤系インク組成物と比べて乾燥性に優れ、また、画像がにじみにくいことから、種々の記録媒体に印字できる点で優れた方式である。
[0003]
 これまでに、種々の放射線硬化性インク組成物が提案されており、特許文献1には、重合性化合物と光酸発生剤とを含有するインクジェットインクであって、当該重合性化合物として少なくともビニルエーテルと(メタ)アクリロイル基含有化合物とを含有し、かつヒドロキシ基含有化合物を30~1,100mmol/Lの範囲内で含有していることを特徴とするインクジェットインクが記載されている。
[0004]
 また、特許文献2には、長期間安定で、クリア層に曇りや黄変が発生しないクリア層形成用インク組成物及びそれを用いた印刷物を提供することを目的として、重合性化合物と、重合禁止剤と、光重合開始剤と、表面張力調整剤とを含むクリア層形成用インク組成物であって、上記重合禁止剤は、ヒンダードアミン化合物、ニトロソアミン化合物及びキノン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含み、上記光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド化合物、α-アミノアルキルフェノン化合物、及びチオキサントン化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とするクリア層形成用インク組成物が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2011-126932号公報
特許文献2 : 特開2011-57744号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 本発明の目的は、光沢性及び保存安定性に優れたインクジェット記録用インク組成物、及び、上記インクジェット記録用インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに、上記インクジェット記録方法により記録された印刷物を提供することである。

課題を解決するための手段

[0007]
 上記目的は、下記<1>、<20>又は<21>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<2>~<19>と共に以下に示す。
 <1> (成分A)重合性化合物、(成分B-1)オキシルフリーラジカル系重合禁止剤、(成分B-2)フェノール系重合禁止剤、及び、(成分B-3)アミン系重合禁止剤を含有することを特徴とする、インクジェット記録用インク組成物、
 <2> 上記(成分A)重合性化合物が(成分A-1)ジビニルエーテル化合物を含有する、<1>に記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <3> (成分C)重合開始剤を更に含有し、(成分C)重合開始剤として(成分C-1)アシルホスフィン系重合開始剤を含有する、<1>又は<2>に記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <4> 上記(成分A)重合性化合物が、(メタ)アクリレートモノマーを含有する、<1>~<3>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <5> 上記(メタ)アクリレートモノマーが多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有する、<4>に記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <6> インクジェット記録用インク組成物が含有する重合禁止剤の総量を100質量%としたとき、重合禁止剤の総量に対する成分B-1、成分B-2及び成分B-3の含有量(質量%)、(B1)、(B2)及び(B3)が下記式(1)~式(3)を満たす、<1>~<5>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
   2≦(B1)≦95       式(1)
   3≦(B2)≦97       式(2)
   0.1≦(B3)≦75     式(3)
 <7> インクジェット記録用インク組成物が含有する重合禁止剤の総量を100質量%としたとき、重合禁止剤の総量に対する成分B-1、成分B-2及び成分B-3の含有量(質量%)、(B1)、(B2)及び(B3)が下記式(1’)~式(3’)を満たす、<1>~<6>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
   4≦(B1)≦90       式(1’)
   7≦(B2)≦93       式(2’)
   0.4≦(B3)≦60     式(3’)
 <8> クリア層形成用である、<1>~<7>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <9> (成分D)表面張力調整剤を更に含有する、<1>~<8>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <10> 上記成分Dがシリコーン化合物である、<9>に記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <11> 上記シリコーン化合物が、分子内にエチレン性不飽和二重結合を有するシリコーン化合物である、<10>に記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <12> 表面張力が30mN/m以下である、<1>~<11>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <13> 上記成分B-1が下記式(B-1-2)で表される、<1>~<12>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
[0008]
[化1]


(式(B-1-2)中、R 11~R 16は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表すか、或いは、R 11及びR 12、R 13及びR 14、R 15及びR 16はこれらが結合する炭素と共に1個のカルボニル基を形成してもよい。)
[0009]
 <14> 上記成分B-2が下記式(B-2-1)で表される、<1>~<13>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
[0010]
[化2]


(式(B-2-1)中、mは1~5の整数を表し、nは1~4の整数を表し、n個のR 21は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数1~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキニル基、炭素数1~20のアルコキシ基、又は、炭素数6~12のアリールオキシ基を表し、これらの基は式(B-2-1)に示すベンゼン環と連結基を介して結合していてもよく、2つ以上のR 21で表される基が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 21はmが2以上である場合にm価の連結基を表す。)
[0011]
 <15> 上記成分B-3が下記式(B-3-1)で表される、<1>~<14>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
[0012]
[化3]


(式(B-3-1)中、R 40は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又は、炭素数3~8のシクロアルキル基を表し、R 41は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基、3~8員環の複素環基、ヒドロキシ基、-O-CO-R 42基、-N(R 43)(R 44)基、又は、=N(R 43)を表し、上記R 42は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数6~18のアラルキル基、又は、炭素数6~12のアリール基を表し、R 43及びR 44は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、3~8員環の複素環基、炭素数2~8のアシル基、アシルオキシ基、又は、アミド基を表し、Q 30及びQ 31は、それぞれ独立に、水素原子又はオキソ基を表す。なお、R 41において、直接又は連結基を介して、少なくとも1つの他の式(B-3-1)で表される化合物と互いに結合してもよい。)
[0013]
 <16> 上記成分B-1のインク全量に対する含有量が、0.3質量%以下である、<1>~<15>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <17> 上記成分B-1、成分B-2及び成分B-3の含有量の総和が、インク全量に対して1質量%以上3質量%以下である、<1>~<16>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <18> 着色画像層の上層に適用するクリア層形成用である、<1>~<17>のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <19> 上記着色画像層が、溶解性パラメーターが19以上のモノマーを組成物全体の50質量%以上含む着色インク組成物の硬化膜である、<18>に記載のインクジェット記録用インク組成物、
 <20> (a)被記録媒体上に<1>~<19>のいずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、上記インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法、
 <21> <20>に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。

発明の効果

[0014]
 本発明によれば、光沢性及び保存安定性に優れたインクジェット記録用インク組成物、及び、上記インクジェット記録用インク組成物を用いたインクジェット記録方法、並びに、上記インクジェット記録方法により記録された印刷物を提供することができた。

発明を実施するための形態

[0015]
 本発明のインクジェット記録用インク組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、(成分A)重合性化合物、(成分B-1)オキシルフリーラジカル系重合禁止剤、(成分B-2)フェノール系重合禁止剤、及び、(成分B-3)アミン系重合禁止剤を含有することを特徴とする。
[0016]
 明細書中、数値範囲を表す「X~Y」の記載は、X<Yの場合は「X以上Y以下」と同義であり、X>Yの場合は「X以下Y以上」と同義である。また、上記「(成分A)重合性化合物」等を単に「成分A」等ともいう。また、「アクリレート」、「メタクリレート」の双方或いはいずれかを指す場合「(メタ)アクリレート」とも記載する。
 なお、本発明において特定の部分を「基」と称した場合は、特に断りのない限り、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。例えば「アルキル基」とは置換又は無置換のアルキル基を意味する。
 また、本発明において特定の部分を「環」と称した場合、或いは「基」に「環」が含まれる場合は、特に断りのない限り単環でも多環でもよく、置換されていても無置換でもよい。例えば「アリール基」はフェニル基でもナフチル基でもよく、置換フェニル基でもよい。
 また、化学式の一部において、炭化水素鎖を炭素(C)及び水素(H)の記号を省略した簡略構造式で記載する。
 更に、「質量%」は「重量%」と同義であり、「質量部」は「重量部」と同義である。
 本発明において、以下に説明する好ましい態様の組合せは、より好ましい態様である。
 以下、本発明について詳細に説明する。
[0017]
(インク組成物)
 成分A及び成分B-1~成分B-3を含む本発明のインク組成物について詳述する。本発明のインク組成物は、活性放射線により硬化可能な油性のインク組成物である。「活性放射線」とは、その照射によりインク組成物中に開始種を発生させるエネルギーを付与できる放射線であり、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
 また、本発明のインク組成物は、放射線硬化型のインク組成物であり、インク組成物を記録媒体上に適用後硬化させるため、高揮発性溶剤を含まず、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に高揮発性溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。インク組成物の総質量に対する水を含む溶剤の含有量は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、含有していないことが最も好ましい。
 以下、本発明のインク組成物が含有する成分について説明する。
[0018]
(成分A)重合性化合物
 本発明のインク組成物は、(成分A)重合性化合物を含有する。
 本発明に用いることができる重合性化合物は、付加重合性化合物であることが好ましく、ラジカル重合性化合物又はカチオン重合性化合物であることがより好ましい。
 また、本発明に用いることができる重合性化合物は、1種単独で用いても、2種以上を用いてもよく、また、例えば、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物とを併用してもよい。これらの中でも、ラジカル重合性化合物を使用することが好ましい。
[0019]
<ラジカル重合性化合物>
 本発明に用いることができるラジカル重合性化合物としては、本発明の趣旨を逸脱しない限り特に制限はなく、公知のラジカル重合性化合物を用いることができる。
 ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7-159983号、特公平7-31399号、特開平8-224982号、特開平10-863号、特開平9-80675号等の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料が知られている。
[0020]
 ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。ラジカル重合性化合物は目的とする特性を向上するために任意の比率で1種を含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
 本発明に用いることができるラジカル重合性化合物としては、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基及びN-ビニル基よりなる群から選択されたエチレン性不飽和二重結合基を有するラジカル重合性モノマーを好ましく例示できる。
[0021]
 本発明において、成分Aとして、(成分A-1)ジビニルエーテル化合物、(成分A-2)(メタ)アクリレートモノマーが好ましく例示できる。以下、それぞれについて詳述する。
[0022]
(成分A-1)ジビニルエーテル化合物
 本発明のインクジェット記録用インク組成物は、(成分A)重合性化合物として、(成分A-1)ジビニルエーテル化合物を含有することが好ましい。
 ジビニルエーテル化合物を含有することにより、光沢性のある画像が得られる。
[0023]
 ジビニルエーテル化合物としては、分子内にビニルエーテル基(CH 2=CH-O-)を2つ有する化合物であれば特に限定されないが、(ポリ)オキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物、アルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物、及び、シクロアルカン骨格を有するジビニルエーテル化合物が好ましい。
 (ポリ)オキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレンレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレンレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ポリブチレングリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
 アルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,9-ノナンジオールジビニルエーテル、1,10-デカンジオールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジビニルエーテル等が挙げられる。
 シクロアルカン骨格を有するジビニルエーテル類は特に限定されず、例えば、1,4-シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリシクロデカンジオールジビニルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカンジメタノールジビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカンジオールジビニルエーテル等が挙げられる。
[0024]
 これらの中でも、アルキレン骨格を有するジビニルエーテル及び(ポリ)オキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物が好ましく、(ポリ)オキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物がより好ましく、ポリオキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物が更に好ましい。
 オキシアルキレン基としては、炭素数2~6のオキシアルキレン基が好ましく、炭素数2~4のオキシアルキレン基がより好ましく、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基であることが好ましい。
 ポリオキシアルキレン骨格を有するジビニルエーテル化合物は、オキシアルキレン基の繰り返し数が1~10であることが好ましく、2~8であることが好ましく、2~6であることが更に好ましい。また、分子量は100~1,000であることが好ましく、150~800であることがより好ましく、180~600であることが更に好ましい。
[0025]
 成分A-1は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 成分A-1の含有量は、インク組成物全体の3~50質量%であることが好ましく、5~40質量%であることがより好ましく、10~30質量%であることが更に好ましい。
 また、成分A-1の(成分A)重合性化合物に対する含有量は、成分Aの全体を100質量%として、5~50質量%であることが好ましく、10~40質量%であることがより好ましく、15~35質量%であることが更に好ましい。
[0026]
(成分A-2)(メタ)アクリレートモノマー
 本発明のインク組成物は、硬化性の観点から(成分A-2)(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましい。
 (メタ)アクリレートモノマーは、分子量が1,000以下の低分子であることが好ましく、分子量200~750であることが好ましい。
 (メタ)アクリレートモノマーは、メタクリレートモノマー及び/又はアクリレートモノマーを意味し、アクリレートモノマーであることがより好ましい。
 成分A-2は、(成分A-2-1)多官能(メタ)アクリレートモノマー及び(成分A-2-2)単官能(メタ)アクリレートモノマーのいずれでもよく、特に限定されないが、少なくとも(成分A-2-1)多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましい。
[0027]
(成分A-2-1)多官能(メタ)アクリレートモノマー
 本発明のインク組成物は、(成分A)重合性化合物として、(成分A-2-1)多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましい。
 本発明に用いることができる多官能(メタ)アクリレートモノマーは、アクリルオキシ基及びメタクリルオキシ基よりなる群から選択される基を2つ以上有する多官能モノマーである。多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することで、硬化性に優れ、高い硬化膜強度を有するインク組成物が得られる。
 本発明において、インク組成物は、成分A-2-1として、多官能アクリレートモノマーを含有することが特に好ましい。
[0028]
 成分A-2-1の具体例としては、ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールエチレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物)、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキシド(PO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド(EO)付加物ジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
[0029]
 成分A-2-1としてアルキレンオキシド基を有するポリ(メタ)アクリレートを含有することも好ましい。ここで、「ポリ(メタ)アクリレート」とは、分子内に(メタ)アクリル酸エステル残基を2以上有することを意味し、2~4個の残基を有することが好ましく、2個の(メタ)アクリル酸エステル残基を有することがより好ましい。また、アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが好ましい。アルキレンオキシド基の付加モル数は、1~10であることが好ましく、1~6であることがより好ましい。この多官能モノマーは、グリコール類にアルキレンオキシドを付加して、(メタ)アクリル酸のポリエステルとすることにより得られる。
 アルキレンオキシド基を有する(メタ)アクリレートの具体例には、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが含まれる。
[0030]
 成分A-2-1は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
 成分A-2-1の含有量は、インク組成物がクリアインク組成物である場合、インク組成物全体の10~90質量%であることが好ましく、20~80質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることが更に好ましい。また、インク組成物が着色インク組成物である場合、インク組成物全体の1~40質量%であることが好ましく、3~30質量%であることがより好ましく、5~25質量%であることが更に好ましい。
 また、成分A-2-1の(成分A)重合性化合物に対する含有量は、インク組成物がクリアインク組成物である場合、成分Aの総量を100質量%として、10~90質量%であることが好ましく、25~80質量%であることがより好ましく、40~75質量%であることが更に好ましい。また、インク組成物が着色インク組成物である場合、成分Aの総量を100質量%として、0.5~40質量%であることが好ましく、1~30質量%であることがより好ましく、3~20質量%であることが更に好ましい。
[0031]
(成分A-2-2)単官能(メタ)アクリレートモノマー
 本発明のインク組成物は、(成分A-2-2)単官能(メタ)アクリレートモノマーを含有することが好ましい。例えば、成分A-2-2としては、特開2009-221414号公報に記載のラジカル重合性モノマー、特開2009-209289号公報に記載の重合性化合物、特開2009-191183号公報に記載のエチレン性不飽和化合物が挙げられる。
[0032]
 単官能(メタ)アクリレート化合物の例として、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、ジシクロデシル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N-フタルイミドエチル(メタ)アクリレート、ペンタメチルピペリジル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート、5-(メタ)アクリロイルオキシメチル-5-エチル-1,3-ジオキサシクロヘキサン、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
 中でも、イソボロニル(メタ)アクリレートが好ましく、イソボロニルアクリレートが特に好ましい。
[0033]
 単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、式(2)で表されるフェニル基を有する化合物も使用することができる。
[0034]
[化4]


(式(2)中、R 1は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は2価の連結基を表す。)
[0035]
 式(2)におけるR 1は、水素原子又はメチル基を表し、硬化速度の点で、水素原子が好ましい。
 式(2)におけるXとしては、アルキレン基、又は、1以上のアルキレン基とエーテル結合、エステル結合、ウレタン結合及びウレア結合よりなる群から選ばれた1以上の結合とを組み合わせた基が好ましく例示でき、アルキレン基、アルキレンオキシ基、又はポリアルキレンオキシ基がより好ましく例示できる。
 上記アルキレン基、アルキレンオキシ基、又はポリアルキレンオキシ基は、炭素数2~10であることが好ましく、炭素数2~4であることがより好ましく、炭素数2であることが特に好ましい。また、上記アルキレン基、アルキレンオキシ基、又はポリアルキレンオキシ基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基等が例示できる。
 これらの中でも、式(2)で表される化合物としては、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましく、フェノキシエチルアクリレートが特に好ましい。
[0036]
 単官能モノマーとしては、(2)で表される化合物以外の芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物を含んでもよい。芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物の芳香族基の環状構造には、O、N、S等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
 上記式(2)で表される化合物以外の芳香族基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物としては、1-ナフチル(メタ)アクリレート、2-ナフチル(メタ)アクリレート、2-α-ナフチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2-β-ナフチルオキシエチル(メタ)アクリレート、2-アントリル(メタ)アクリレート、9-アントリル(メタ)アクリレート、1-フェナントリル(メタ)アクリレート、2-フェナントリル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート(以下、「エチレンオキサイド」を「EO」ともいう。)、p-ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、p-ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-フリル(メタ)アクリレート、2-フルフリル(メタ)アクリレート、2-チエニル(メタ)アクリレート、2-テニル(メタ)アクリレート、1-ピロリル(メタ)アクリレート、2-ピリジル(メタ)アクリレート、2-キノリル(メタ)アクリレート等を例示できる。
[0037]
 また、単官能(メタ)アクリレートモノマーとしては、下記式(1)で表される化合物も好ましく使用される。
[0038]
[化5]


(式(1)中、R 1は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又は2価の連結基を表す。)
[0039]
 上記式(1)で表される化合物は、アクリレート化合物であっても、メタクリレート化合物であってもよいが、アクリレート化合物、すなわち、R 1が水素原子であることが好ましい。
 上記式(1)のXにおける2価の連結基としては、本発明の効果を大きく損なうものでない限り特に制限はないが、2価の炭化水素基、又は、少なくとも1つの炭化水素基と、エステル結合、ウレタン結合、ウレア結合、エーテル結合及びアミド結合よりなる群から選ばれた少なくとも1つの結合とを組み合わせた2価の連結基であることがより好ましい。
 Xは、2価の炭化水素基であることが好ましい。2価の炭化水素基としては、炭素数1~20の2価の炭化水素基がより好ましく、炭素数1~5の2価の炭化水素基が更に好ましく、炭化水素基の中でもアルキレン基が好ましく、炭素数1すなわちメチレン基が特に好ましい。
 また、Xが、少なくとも1つの炭化水素基と、エステル結合、ウレタン結合、ウレア結合、エーテル結合及びアミド結合よりなる群から選ばれた少なくとも1つの結合とを組み合わせた2価の連結基である場合、炭化水素基としては炭素数1~5のアルキレン基が好ましい。1つ以上のアルキレン基と、エステル結合(-COO-又は-OCO-)、ウレタン結合(-NRCOO-又は-OCONR-(Rは、水素原子又はアルキル基を表す。))、ウレア結合(-NRCONR’-(R、R’は、水素原子又はアルキル基を表す。))、エーテル結合(-O-)及びアミド結合(-NRCO-又は-CONR-(Rは、水素原子又はアルキル基を表す。))よりなる群から選ばれた少なくとも1つの結合とを組み合わせた2価の連結基が好ましい。これらの中でも、1つ以上のアルキレン基と1つ以上のエーテル結合とを組み合わせた2価の連結基がより好ましい。
 アルキレン基とエーテル結合とを組み合わせた2価の連結基としては、*-(アルキレン基)-O-**又は*-(アルキレン基)-O-(アルキレン基)-**が好ましい(*はXと(メタ)アクリルオキシ基の-O-との結合部、**はXと4級炭素原子との結合部を示す。)。
 上記のアルキレン基とエーテル結合とを組み合わせた2価の連結基としては、-(アルキレン基)-O-部分を複数個有する、ポリ(アルキレンオキシ)基、又は、ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であることが好ましく、この場合の連結基の総炭素数は、2~60であることが好ましく、4~20であることがより好ましい。
[0040]
 式(1)で表される化合物の具体例としては、以下に示す化合物(A-1-1)~(A-1-4)を好ましく例示できるが、これらに限定されるものではない。
[0041]
[化6]


[0042]
 これらの中でも、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート(Cyclic trimethylolpropane formal acrylate、(A-1-1)及びサイクリックトリメチロールプロパンフォーマルメタクリレート(A-1-2)がより好ましく、サイクリックトリメチロールプロパンフォーマルアクリレート(A-1-1)が特に好ましい。
 式(1)で表される化合物は、インク組成物が着色インク組成物である場合に好ましく使用される。
[0043]
 成分A-2-2は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
 成分A-2-2の含有量は、インク組成物がクリアインク組成物である場合、インク組成物全体の0.5~60質量%であることが好ましく、1~40質量%であることがより好ましく、3~20質量%であることが更に好ましい。また、インク組成物が着色インク組成物である場合、インク組成物全体の5~80質量%であることが好ましく、10~70質量%であることがより好ましく、20~60質量%であることが更に好ましい。
 また、成分A-2-2の(成分A)重合性化合物に対する含有量は、インク組成物がクリアインク組成物である場合、成分Aの総量を100質量%として、10~90質量%であることが好ましく、25~80質量%であることがより好ましく、40~75質量%であることが更に好ましい。また、インク組成物が着色インク組成物である場合、成分Aの総量を100質量%として、20~80質量%であることが好ましく、30~70質量%であることがより好ましく、40~60質量%であることが更に好ましい。
[0044]
(成分A-3)その他の重合性化合物
 本発明のインク組成物は、上記成分A-1及び成分A-2の他に、(成分A-3)その他の重合性化合物を含有してもよく、上記成分A-3として、(成分A-3-1)N-ビニルラクタム類、(成分A-3-2)ラジカル重合性オリゴマーが例示される。
[0045]
(成分A-3-1)N-ビニルラクタム類
 本発明のインク組成物は、(成分A)重合性化合物として、(成分A-3-1)N-ビニルラクタム類を含有してもよい。N-ビニルラクタム類としては、式(a)で表される化合物が好ましい。
[0046]
[化7]


[0047]
 式(a)中、nは2~6の整数を表し、インク組成物が硬化した後の柔軟性、記録媒体との密着性、及び、原材料の入手性の観点から、nは3~5の整数であることが好ましく、nが3又は5であることがより好ましく、nが5である、すなわちN-ビニルカプロラクタムであることが特に好ましい。N-ビニルカプロラクタムは安全性に優れ、汎用的で比較的安価に入手でき、特に良好なインク硬化性、及び硬化膜の記録媒体への良好な密着性が得られるので好ましい。
 また、上記N-ビニルラクタム類は、ラクタム環上の水素原子がアルキル基、アリール基等の置換基により置換されていてもよく、ラクタム環と飽和又は不飽和環構造とが連結していてもよい。
 式(a)で表される化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
[0048]
 N-ビニルラクタム類の含有量は、インク組成物全体の5~40質量%であることが好ましく、10~35質量%であることがより好ましい。
 N-ビニルラクタム類は、本発明のインク組成物が着色インク組成物である場合に好ましく使用される。
[0049]
(成分A-3-2)ラジカル重合性オリゴマー
 本発明のインク組成物は、(成分A)重合性化合物として、(成分A-3-2)ラジカル重合性オリゴマーを含有してもよく、また、含有することが好ましい。ここで、オリゴマーとは、分子量が1,000を超えるラジカル重合性化合物であり、エチレン性不飽和基を複数含有することが好ましく、2~4個含有する、多官能オリゴマーであることが好ましい。ラジカル重合性オリゴマーは、有限個(一般的には5~100個)の構成単位を有する付加重合体の分子末端又は分子側鎖にエチレン性不飽和基を有することが好ましく、重量平均分子量が1,000を超え10,000以下であることが好ましく、1,000を超え5,000以下であることがより好ましい。
 上記のラジカル重合性オリゴマーは、複数の(メタ)アクリロキシ基を有することが好ましい。
[0050]
 ラジカル重合性オリゴマーとしては、いかなる単量体をその構成単位とするものでもよく、例えば、オレフィン系(エチレンオリゴマー、プロピレンオリゴマーブテンオリゴマー等)、ビニル系(スチレンオリゴマー、ビニルアルコールオリゴマー、ビニルピロリドンオリゴマーアクリレートオリゴマー、メタクリレートオリゴマー等)、ジエン系(ブタジエンオリゴマー、クロロプレンゴム、ペンタジエンオリゴマー等)、開環重合系(ジ-,トリ-,テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチルイミン等)、重付加系(オリゴエステルアクリレート、ポリアミドオリゴマー、ポリイソシアネートオリゴマー)、付加縮合オリゴマー(フェノール樹脂、アミノ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等)等を挙げることができる。この中で、オリゴエステル(メタ)アクリレートが好ましく、その中では、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートがより好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートが更に好ましい。
[0051]
 ウレタン(メタ)アクリレートとしては、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートが好ましく挙げられるが、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましく挙げられる。
 また、ウレタン(メタ)アクリレートは、2~4官能のウレタン(メタ)アクリレートであることが好ましく、2官能のウレタン(メタ)アクリレートであることがより好ましい。
 ウレタン(メタ)アクリレートを含有することにより、被記録媒体への密着性に優れ、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
 ラジカル重合性オリゴマーの含有量は、インク組成物中、10質量%未満であることが好ましく、5質量%以下であることが好ましく、0~5質量%であることが特に好ましい。
 ラジカル重合性オリゴマーについて、オリゴマーハンドブック(吉川淳二監修、(株)化学工業日報社)も参照することができる。
[0052]
 また、市販のラジカル重合性オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートとして、例えば、第一工業製薬(株)製のR1204、R1211、R1213、R1217、R1218、R1301、R1302、R1303、R1304、R1306、R1308、R1901、R1150等や、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL230、270、4858、8402、8804、8807、8803、9260、1290、1290K、5129、4842、8210、210、4827、6700、4450、220)、新中村化学工業(株)製のNKオリゴU-4HA、U-6HA、U-15HA、U-108A、U200AX等、東亞合成(株)製のアロニックスM-1100、M-1200、M-1210、M-1310、M-1600、M-1960、サートマー・ジャパン(株)製のCN964、CN964A85等が挙げられる。
 ポリエステル(メタ)アクリレートとして、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL770、IRR467、81、84、83、80、675、800、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811等)、東亞合成(株)製のアロニックスM-6100、M-6200、M-6250、M-6500、M-7100、M-8030、M-8060、M-8100、M-8530、M-8560、M-9050等が挙げられる。
 また、エポキシ(メタ)アクリレートとして、例えば、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ(例えば、EBECRYL600、860、2958、3411、3600、3605、3700、3701、3703、3702、3708、RDX63182、6040等)等が挙げられる。
[0053]
(成分B)重合禁止剤
 本発明のインク組成物は、(成分B)重合禁止剤として、(成分B-1)オキシルフリーラジカル系重合禁止剤、(成分B-2)フェノール系重合禁止剤、及び(成分B-3)アミン系重合禁止剤を含有する。これらの3種の重合禁止剤を含有することにより、光沢性及び保存安定性に優れたインクジェット記録用インク組成物が提供される。
 また、本発明のインク組成物は、上記成分B-1~成分B-3以外の(成分B-4)その他の重合禁止剤を含有していてもよい。
 以下、成分B-1~成分B-4について説明する。
[0054]
(成分B-1)オキシルフリーラジカル系重合禁止剤
 本発明のインク組成物は、(成分B-1)オキシルフリーラジカル系重合禁止剤を含有する。オキシルフリーラジカル系重合禁止剤は、分子内にオキシルフリーラジカル(-O )を有し、重合禁止作用を有するものであれば特に限定されないが、オキシルフリーラジカルとしては、アゾオキシルフリーラジカル(>N-O )であることが好ましい。本発明において、成分B-1は、以下の式(B-1-1)で表される化合物であることが好ましい。
[0055]
[化8]


 式(B-1-1)中、Wは炭素数4又は5の環状アルキレン鎖を示し、上記環状アルキレン鎖は置換基を有してもよい。
[0056]
 式(B-1-1)で表される化合物は、式(B-1-2)で表される化合物であることが好ましい。
[0057]
[化9]


 式(B-1-2)中、R 11~R 16は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表すか、或いは、R 11及びR 12、R 13及びR 14、R 15及びR 16はこれらが結合する炭素と共に1個のカルボニル基を形成してもよい。
[0058]
 式(B-1-2)中、R 11~R 16が1価の有機基である場合、1価の有機基としては、ヒドロキシ基、-NR 12(R 1及びR 2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~12のアルキル基を表す。)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、-O(C=O)R 3、-NH(C=O)R 4(R 3及びR 4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基を表す。)、カルバモイル基、カルボキシ基、シアノ基、マレイミド基、又はホスホリル基が好ましい。
[0059]
 上記アルキル基は、炭素数1~16のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~10のアルキル基であることが更に好ましい。また、アルキル基は直鎖状でも分岐状でもよく、環状構造を有していてもよい。
 上記アリール基は、炭素数6~20のアリール基であることが好ましく、炭素数6~10のアリール基であることがより好ましい。
 上記アルコキシ基は、炭素数1~16のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1~10のアルコキシ基であることがより好ましい。
 上記アリールオキシ基は、炭素数6~20のアリールオキシ基であることが好ましく、炭素数6~10のアリールオキシ基であることがより好ましい。
[0060]
 また、R 11~R 16が1価の有機基である場合、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
 置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p-トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert-ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p-トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p-トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert-ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p-トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p-トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウム基、ジメチルスルホニウム基、トリフェニルフェナシルホスホニウム基等が挙げられる。
[0061]
 式(B-1-2)中、R 11、R 12、R 15及びR 16は、水素原子であることが好ましい。
 式(B-1-2)中、R 13及びR 14は、水素原子、ヒドロキシ基、-NR 12(R 1及びR 2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1~12のアルキル基を表す。)、アルキル基(炭素数1~10)、アリール基(炭素数6~10)、アルコキシ基(炭素数1~10)、アリールオキシ基、-O(C=O)R 3、-NH(C=O)R 4(R 3及びR 4はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1~12のアルキル基又は炭素数6~20のアリール基を表す。)、又は、R 13及びR 14がこれらが結合する炭素と共に1個のカルボニル基を形成していることが好ましい。
[0062]
 成分B-1として好ましい化合物を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[0063]
[化10]


 なお、Rは炭素数1~10の鎖状のアルキル基を表し、アルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。
[0064]
 上記式(b-1-1)~式(b-1-10)で表される化合物中、(b-1-1)、(b-1-2)、(b-1-4)、(b-1-5)で表される化合物であることが好ましく、(b-1-1)、(b-1-2)、(b-1-4)であることがより好ましく、(b-1-1)が特に好ましい。
[0065]
(成分B-2)フェノール系重合禁止剤
 本発明において、フェノール系重合禁止剤とはフェノール基を有する化合物を指し、この他に何ら限定されるものではない。フェノール系重合禁止剤としては公知のものを用いることができ限定されるものではないが、式(B-2-1)に示す化合物であることが好ましい。
[0066]
[化11]


[0067]
 式(B-2-1)において、mは1~5の整数を表し、nは1~4の整数を表し、n個のR 21は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数1~20の分岐を有していてもよいアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数1~5のアルケニル基、又は、炭素数1~5のアルキニル基を表し、これらの基は式(B-2-1)に示すベンゼン環と連結基を介して結合していてもよく、上記連結基としては、カルボニル基、カルボニルオキシ基(-COO-)、オキシカルボニル基(-OCO-)、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基(-NH-)、アミド基、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、ホスホン酸エステル基、リン酸エステル基、トリアジン及びジオキサン等の複素環から2個以上の水素原子を除いた3~8員環の多価の複素環基、アルキルアミノ基並びにこれらの連結基の組合せから選択される多価の連結基が挙げられる。更に、2つ以上のR 21で表される基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。
 R 21で表される基は導入可能な炭素原子に置換基を有していてもよい。導入することができる置換基としては、炭素数1~6のアルキル基、ヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシ基及び(メタ)アクリロイル基等が例示できる。
 X 21はmが2以上である場合にm価の連結基を表し、具体的には単結合、カルボニル基、カルボニルオキシ基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、ホスホン酸エステル基、炭素数1~6のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、アミノ基、水素原子をm個除いた炭素数1~6の脂肪族炭化水素基、水素原子をm個除いたm価の炭素数6~12の芳香族炭化水素基、トリアジン及びジオキサン等の複素環から水素原子をm個除いた6~12員環の複素環基、並びに、これらの連結基の組合せ等が挙げられ、導入可能な炭素原子にR 21と同じく上記置換基を有していてもよい。
[0068]
 式(B-2-1)においてmが1である場合、すなわち式(B-2-1)で表される構造を1つのみ有する化合物は、連結基X 21を有しないことはいうまでもない。この場合、X 21の代わりに1価の置換基を有してもよく、1価の置換基としては、R 21と同様の基が例示され、ベンゼン環に置換したR 21と結合して環構造を形成してもよく、ベンゼン環と連結基を介して結合してもよい。式(B-2-1)において、mが1である場合、式(B-2-2)又は(B-2-3)で表される化合物であることが好ましい。
[0069]
[化12]


[0070]
 式(B-2-2)及び式(B-2-3)においてnは4を表し、n個のR 23及びn個のR 25はそれぞれ独立に式(B-2-1)におけるR 21で表される基を表す。R 23及びR 25は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数3~8個のシクロアルキル基を表すか、或いは、2つのR 23又はR 25が結合して縮合環を形成することが好ましい。
 炭素数1~10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、tert-ブチル基、tert-ペンチル基が好ましく、炭素数3~8個のシクロアルキル基としてはシクロヘキシル基が好ましい。中でもR 23及びR 25で表される基としては、水素原子、tert-ブチル基、tert-ペンチル基、シクロヘキシル基であることが好ましく、水素原子、tert-ブチル基、tert-ペンチル基であることが更に好ましい。R 23及びR 25で表される基がこれらの嵩高い構造を有することにより、長期間の保存安定性に優れたインク組成物が得られるため好ましい。
 式(B-2-2)において、R 23が水素原子以外を表す場合、2位及び/又は5位が置換されていることが好ましく、2位及び5位が置換されていることが好ましい。
 また、式(B-2-3)において、R 25が水素原子以外を表す場合、4位及び/又は5位が置換されていることが好ましく、4位が置換されていることがより好ましい。
 またR 23及びR 25で表される基は導入可能な炭素原子に式(B-2-1)のR 21と同様に上記置換基を有していてもよい。
[0071]
 R 22は、水素原子、アルキル基、アリール基、水酸基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、水酸基、アルキル基又はアルコキシ基であることが好ましい。
 アルキル基としては、炭素数1~16の鎖状又は環状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましく、炭素数1~6であることが更に好ましい。アルキル基は、更に置換基を有していてもよく、置換基としては、アリール基が例示される。
 また、アリール基は、炭素数6~20であることが好ましく、炭素数6~15であることがより好ましく、炭素数6~10であることが更に好ましい。
 アルコキシ基のアルキル基の部分は、炭素数1~16の鎖状又は環状のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~10であることがより好ましく、炭素数1~6であることが更に好ましい。アルキル基は、更に置換基を有していてもよく、置換基としては、アリール基が例示される。
 アリールオキシ基のアリール基の部分は、炭素数6~20であることが好ましく、炭素数6~15であることがより好ましく、炭素数6~10であることが更に好ましい。
[0072]
 R 24は、水素原子、アルキル基、アリール基を表し、アルキル基及びアリール基の好ましい範囲は上記R 22で記載したものと同様である。これらの中でも、R 24は水素原子であることが好ましい。
[0073]
 式(B-2-1)においてmが2である場合、フェノール系重合禁止剤は式(B-2-4)又は(B-2-5)で表される化合物であることが好ましい。
[0074]
[化13]


[0075]
 式(B-2-4)においてR 26及びR 27で表される基は、式(B-2-1)におけるR 21で表される基と同義であるが、R 26はそれぞれ独立にメチル基、tert-ブチル基、シクロヘキシル基、又は、1-メチルシクロヘキシル基であることが好ましく、tert-ブチル基であることがより好ましい。R 27は、それぞれ独立にメチル基、エチル基であることがより好ましい。
 X 22は式(B-2-1)のX 21と同義であるが、炭素数1~3のアルキレン基であることが好ましく、中でもメチレン基であることがより好ましい。X 2は導入可能な炭素原子に上記置換基を有していてもよく、上記アルキレン基の炭素原子に置換基として炭素数1~3のアルキル基を有することが好ましい。
[0076]
 式(B-2-5)において、R 28~R 35で表される基は、式(B-2-1)におけるR 1で表される基と同義であるが、R 28~R 35は水素原子、メチル基、tert-ブチル基であることが好ましい。また、R 28、R 34、R 31、R 33が水素原子であり、R 29、R 35、R 30、R 32がメチル基又はtert-ブチル基であることがより好ましい。また、合成上の観点から、R 29とR 30とが同じ基であり、R 35とR 32とが同じ基であることが更に好ましい。
 X 23は2価の連結基を表し、式(B-2-1)におけるX 21と同義であるが、中でも炭素数1~6のアルキレン基、炭素数6~12のアリーレン基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミド基、オキシ基、チオ基、ホスホン酸エステル基、リン酸エステル基、ジオキサン等の複素環から水素原子を2個除いた基及びこれらの連結基の組合せが挙げられ、導入可能な炭素原子に式(B-2-1)におけるR 21と同様に置換基を有していてもよく、2つの置換基が結合して環を形成してもよい。これらの中でも、炭素数1~3のアルキレン基であることが好ましく、中でもメチレン基であることがより好ましい。X 23は導入可能な炭素原子に上記置換基を有していてもよく、上記アルキレン基の炭素原子に置換基として炭素数1~3のアルキル基を有することが好ましい。
[0077]
 式(B-2-1)においてmが3又は4の場合には、式(B-2-6)で表される化合物であることが好ましい。
[0078]
[化14]


[0079]
 式(B-2-6)において、R 36は、それぞれ独立に式(B-2-1)におけるR 21と同義であるが、水素原子、メチル基、tert-ブチル基であることが好ましく、tert-ブチル基であることがより好ましい。
 R 37は、水素原子又はメチル基を表す。
 X 24は、2価の連結基を表し、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基及びこれらの組合せよりなる2価の連結基を表す。
[0080]
 X 25は式(B-2-1)におけるX 21と同義であるが、mが3又は4である場合には水素原子をm個除いた炭素数1~6の脂肪族炭化水素基、水素原子をm個除いたm価の炭素数6~12の芳香族炭化水素基、水素原子をm個を除いた6~12員環の複素環基が挙げられ、具体的には下記の連結基であることが好ましい。なお、下記の連結基において「R」はX 24を介してX 25と結合する式(B-2-6)における括弧内の基を表す。これらのRは1つの化合物内において同一でも異なっていてもよい。
[0081]
[化15]


[0082]
 本発明に好ましく用いることができるフェノール系重合禁止剤の具体例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。なお、本発明では、化学式において、炭化水素鎖を炭素(C)及び水素(H)の記号を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
[0083]
[化16]


 (b-2-4)中、Rは炭素数2~6のアルキル基を表す。
[0084]
[化17]


[0085]
[化18]


[0086]
 フェノール系重合禁止剤としては、上市されている製品を使用してもよく、例えば、キノパワーNMT(川崎化成工業(株)製)、アンテージW-300、アンテージW-400、アンテージW-500、アンテージクリスタル、アンテージBHT、アンテージDAH、アンテージDBH(以上、川口化学工業(株)製)、DIC-TBC(DIC(株)製)、IRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1098、IRGANOX1135、IRGANOX1330、IRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX3114(以上、BASFジャパン(株)製)が挙げられる。
[0087]
 本発明に用いることができるフェノール系重合禁止剤は、式(B-2-2)又は式(B-2-3)で表される化合物が好ましい。式(B-2-2)で表される化合物としては、(b-2-1)、(b-2-3)、(b-2-4)が好ましい。また、式(B-2-3)で表される化合物としては、(b-2-10)が好ましい。
[0088]
(成分B-3)アミン系重合禁止剤
 本発明のインク組成物は、(成分B)重合禁止剤として(成分B-3)アミン系重合禁止剤を含有する。成分B-3としては、分子内に1つ以上のアミン部位を有し、重合禁止作用を有する化合物であれば特に限定されず、芳香族アミン系重合禁止剤、ヒンダードアミン系重合禁止剤等が例示され、ヒンダードアミン系重合禁止剤が好ましい。
 芳香族アミン系重合禁止剤としては、p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン類;4,4’-ジクミル-ジフェニルアミン、4,4’-ジオクチル-ジフェニルアミン、p-メトキシフェニルメチルアミン、4,4’-ジノニルジフェニルアミン、ジフェニルアミン、フェニル-α-ナフチルアミン、フェニル-β-ナフチルアミン等の二級アミン類が挙げられる。
[0089]
 ヒンダードアミン系重合禁止剤はヒンダードアミン(Hindered Amine)構造(塩基性窒素原子に対し、立体障害となっている構造)を有する部位をその分子内に持つアミン化合物であればよく、特に限定されるものではなく、公知のヒンダードアミン系重合禁止剤を用いることができる。本発明においては脂肪族ヒンダードアミン系重合禁止剤が好ましく、中でも式(B-3-1)で表される化合物をより好ましく用いることができる。
[0090]
[化19]


(式(B-3-1)中、R 40は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又は、炭素数3~8のシクロアルキル基を表し、R 41は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基、3~8員環の複素環基、ヒドロキシ基、-O-CO-R 42基、-N(R 43)(R 44)基、又は、=N(R 43)を表し、上記R 42は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基、又は、炭素数6~15のアリール基を表し、R 43及びR 44は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、3~8員環の複素環基、炭素数2~8のアシル基、アシルオキシ基、又は、アミド基を表し、Q 30及びQ 31は、それぞれ独立に、水素原子又はオキソ基を表す。なお、R 41において、直接又は連結基を介して、少なくとも1つの他の式(B-3-1)で表される化合物と互いに結合してもよい。)
[0091]
 上記R 40が表す炭素数1~6のアルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
 上記R 41、R 42、R 43及びR 44が表す炭素数1~10のアルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基及びデシル基が挙げられる。
 上記R 40、R 41、R 42、R 43及びR 44が表す炭素数3~8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基及びノルボルニル基が挙げられる。
 上記R 41及びR 42が表す炭素数7~12のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基及びナフチルメチル基が挙げられる。
 上記R 41、R 43及びR 44が表す3~8員環の複素環基としては、ジオキソラニル基が挙げられる。
 上記R 42が表す炭素数6~15のアリール基としては、フェニル基、トリル基、メトキシフェニル基、ナフチル基及びアントリル基等が挙げられる。
 上記R 43及びR 44が表す炭素数2~8のアシル基としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基及びベンゾイル基等が挙げられる。
 上記R 43及びR 44が表すアシルオキシ基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基のような-CO-O-R 45で表される基である。なお、R 45は上記R 42と同義である。
 上記R 43及びR 44が表すアミド基としては、N-メチルアミド基、N-エチルアミド基、N-フェニルアミド基、N-トリルアミド基のような-CO-NH-R 46で表される基である。なお、R 46は上記R 42と同義である。
[0092]
 また、式(B-3-1)で表される化合物は、R 41において、直接又は連結基を介して、少なくとも1つの他の式(B-3-1)で表される化合物と互いに結合してもよい。上記連結基としては、水素原子を2個以上除いたトリアジン及びジオキシラン等の複素環基、水素原子を2個以上除いた直鎖又は分岐を有する炭素数1~10の炭化水素基並びにこれらを組み合わせた連結基が挙げられる。
[0093]
 上記した各基及び連結基は導入可能な炭素原子に置換基を有してもよい。
 導入可能な置換基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など)、直鎖、分岐、又は環状のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヒドロキシエトキシ基など)、上記アリール基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシ基、シアノ基、アシル基(例えば、アセチル基、プロパノイル基、ベンゾイル基など)、ニトロ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基(アルキル部分は上記アルキル基と同義)、アリールアミノ基(アリール部分は上記アリール基と同義)、-S-R 47基、-CO-O-R 47基を表し、R 47は、上記直鎖、分岐又は環状のアルキル基或いは上記アリール基を表す。
[0094]
 上記ヒンダードアミン系重合開始剤は、下記式(B-3-2)で表される化合物であることがより好ましい。
[0095]
[化20]


[0096]
 式(B-3-2)中、R 50は、上記式(B-3-1)中のR 40と同義である。これらの中でも、R 50は水素原子又は炭素数1~6のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であることが好ましい。
 nは2~5の整数であることが好ましく、2~4の整数であることがより好ましく、2又は4であることが更に好ましい。
 R 55はn価の有機基を表し、アルキル基から(n-1)個の水素原子を除いた基であることが更に好ましい。R 55の総炭素数は、1~20であることが好ましく、2~16であることが好ましく、2~10であることが更に好ましい。
[0097]
 本発明に好ましく用いることができるヒンダードアミン系重合禁止剤の具体例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。なお、本発明では化学式において炭素(C)及び水素(H)の記号を省略した簡略構造式で記載する場合もある。
[0098]
[化21]


 (b-3-1)及び(b-3-2)中、Rは水素原子又は炭素数1~3のアルキル基を表し、(b-3-1)中、nは1~10の整数を表す。
[0099]
[化22]


[0100]
[化23]


[0101]
 ヒンダードアミン系重合禁止剤としては、上記されている化合物を使用することもでき、例えば、CHIMASSORB 2020FDL、CHIMASSORB 944FDL、TINUVIN 144(以上、BASFジャパン(株)製)が例示される。
 本発明においては、ヒドロキシアミン系重合禁止剤として(b-3-1)又は(b-3-2)を好ましく用いことができる。
[0102]
(成分B-4)その他の重合禁止剤
 本発明において、(成分B)重合禁止剤として、(成分B-4)その他の重合禁止剤を含有してもよい。成分B-4としては、上記成分B-1~成分B-3以外の重合禁止剤であれば特に限定されず、例えば、ニトロソ系重合禁止剤、亜リン酸エステル系重合禁止剤等が例示される。
 ニトロソ系重合禁止剤としては、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、ニトロソベンゼン、FIRSTCURE ST-1(トリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシルアミン)アンモニウム塩、Alvemarle社製)等が挙げられる。
 亜リン酸エステル系重合禁止剤としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニルホスファイト)、トリエチルホスファイト、トリス(2-エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルモノ(2-エチルヘキシル)ホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、テトラ(トリデシル)-4,4’-イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。
[0103]
<(成分B)重合禁止剤の添加量>
 本発明において、成分B-1~成分B-3の総和は、インク組成物全体の1~9質量%であることが好ましい。成分B-1~成分B-3の総和が上記範囲内であると、保存安定性に優れると共に、硬化性に優れるインク組成物が得られる。
 成分B-1~成分B-3の総和は、インク組成物全体の1~6質量%であることがより好ましく、1~3質量%であることが更に好ましい。
[0104]
 また、(成分B-4)その他の重合禁止剤を含めた成分Bの総和は、インク組成物全体の1~10質量%であることが好ましく、1~8質量%であることがより好ましく、1~5質量%であることが更に好ましい。成分Bの総和が上記範囲内であると、保存安定性及び硬化性に優れる。
[0105]
 本発明において、インクジェット組成物が含有する重合禁止剤の総量を100質量%としたとき、重合禁止剤の総量に対する成分B-1の含有量を(B1)、成分B-2の含有量を(B2)、成分B-3の含有量を(B3)としたとき、(B1)~(B3)は下記式(1)~(3)を満たすことが好ましい。
   2≦(B1)≦95       式(1)
   3≦(B2)≦97       式(2)
   0.1≦(B3)≦75     式(3)
 なお、上記重合禁止剤の総量とは、インク組成物が(成分B-4)その他の重合禁止剤を含有する場合には、成分B-4を含めた重合禁止剤の総量を意味する。なお、(B1)~(B3)の合計は、重合禁止剤の総量の100質量%以下であり、50質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。上記範囲内であると、インク組成物の保存安定性及び硬化性が良好である。
[0106]
 (B1)が上記範囲内であると、光沢性に優れる。また、(B2)が上記範囲内であると、ブロッキング性に優れ、(B3)が上記範囲内であると、吐出性が良好である。
[0107]
 (B1)~(B3)は下記式(1’)~(3’)を満たすことがより好ましい。
   4≦(B1)≦90       式(1’)
   7≦(B2)≦93       式(2’)
   0.4≦(B3)≦60     式(3’)
[0108]
 成分B-1のインク組成物全体に対する含有量は、0.3質量%以下であることが好ましい。含有量がインク組成物の0.3質量%以下であると、光沢性に優れる。成分B-1の含有量は、0.001~0.5質量%であることがより好ましく、0.01~0.3質量%であることが更に好ましい。
 また、成分B-2のインク組成物全体に対する含有量は、0.01~5質量%であることが好ましく、0.05~3質量%であることがより好ましく、0.1~2質量%であることが更に好ましい。成分B-2の含有量が上記範囲内であると、ブロッキング性に優れる。
 成分B-3のインク組成物全体に対する含有量は、0.01~3質量%であることが好ましく、0.03~2質量%であることがより好ましく、0.05~1.5質量%であることが更に好ましい。成分B-3の含有量が上記範囲内であると、吐出性が良好である。
 また、成分B-4を含有する場合、成分B-4のインク組成物全体に対する割合は、0.01~5質量%であることが好ましく、0.03~3質量%であることがより好ましく、0.05~1.5質量%であることが更に好ましい。
[0109]
(成分C)重合開始剤
 本発明のインク組成物は、(成分C)重合開始剤を含有することが好ましく、成分Cとして(成分C-1)アシルホスフィン系重合開始剤(以下、「アシルホスフィン化合物」ともいう。)を含有することが好ましい。また、(成分C-2)その他の重合開始剤を含有してもよい。
[0110]
(成分C-1)アシルホスフィン系重合開始剤
 本発明のインク組成物は、重合開始剤として、(成分C-1)アシルホスフィン系重合開始剤(アシルホスフィン化合物)を含有することが好ましい。成分C-1を含有することにより硬化性に優れるので好ましい。
 (成分C-1)アシルホスフィン系重合開始剤としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、特開2009-96985号公報の段落0080~0098に記載のアシルホスフィンオキサイド化合物が好ましく挙げられ、中でも、化合物の構造中に式(c-1)又は式(c-2)で表される構造を有するものが好ましい。
[0111]
[化24]


(式中、波線部分は他の構造との結合位置を表す。)
[0112]
 特に、アシルホスフィンオキサイド化合物としては、式(c-3)又は式(c-4)で表される化合物が特に好ましい。
[0113]
[化25]


(式(c-3)中、R 6、R 7及びR 8はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
[0114]
 式(c-3)で表されるモノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、R 6~R 8が、置換基としてメチル基を有していてもよいフェニル基であることが好ましく、R 7及びR 8がフェニル基であり、R 6が1~3個のメチル基を有するフェニル基であることがより好ましい。
 中でも、式(c-3)で表されるモノアシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(DAROCUR TPO:BASFジャパン(株)製、LUCIRIN TPO:BASF社製)が好ましい。
[0115]
[化26]


(式(c-4)中、R 9、R 10及びR 11はそれぞれ独立に、メチル基又はエチル基を置換基として有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
[0116]
 式(c-4)で表されるビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、R 9~R 11が、置換基としてメチル基を有していてもよいフェニル基であることが好ましく、R 11がフェニル基であり、R 9及びR 10が1~3個のメチル基を有するフェニル基であることがより好ましい。
 中でも、式(c-4)で表されるビスアシルホスフィンオキサイド化合物としては、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819、BASFジャパン製)が好ましい。
[0117]
 本発明のインク組成物中における(成分C-1)アシルホスフィン系重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、インク組成物の全質量に対し、1~15質量%であることが好ましく、5~15質量%がより好ましく、8~13質量%が更に好ましい。
[0118]
(成分C-2)その他の重合開始剤
 その他の重合開始剤としては、例えば、α-アミノアルキルフェノン化合物、芳香族ケトン類、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、及び、炭素ハロゲン結合を有する化合物等が挙げられる。
 上記他の重合開始剤としては、成分C-1以外の公知の重合開始剤、好ましくはラジカル重合開始剤を用いることができ、例えば、特開2009-185186号公報の段落0090~0116に記載されているものが挙げられる。
 また、その他の重合開始剤として、チオキサントン化合物やチオクロマノン化合物を使用してもよく、特開2010-126644号公報の段落0064~0068に記載されている化合物が例示できる。
[0119]
 なお、本発明における重合開始剤は、活性放射線等の外部エネルギーを吸収して重合開始種を生成する化合物だけでなく、特定の活性エネルギー線を吸収して重合開始剤の分解を促進させる化合物(いわゆる、増感剤)も含まれる。
 本発明のインク組成物は、成分C-1以外の他の重合開始剤として、公知の増感剤を用いることもできる。
 増感剤としては、例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン等)等が挙げられる。
 また、増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
[0120]
 本発明のインク組成物中における成分C-1を含む重合開始剤の含有量は、硬化性及び硬化膜の色相の観点から、インク組成物の全質量に対し、1.5~30質量%であることが好ましく、2~26質量%であることがより好ましく、5~22質量%であることが更に好ましく、10~18質量%であることが特に好ましい。
[0121]
(成分D)表面張力調整剤
 本発明のインク組成物は、(成分D)表面張力調整剤を含有することが好ましい。ここで、表面張力調整剤とは、インク組成物の表面張力を低下させる機能を有する化合物であれば特に限定されないが、(成分D)表面張力調整剤として、(成分D-1)分子内にエチレン性不飽和二重結合を有するシリコーン化合物を含有することが好ましい。
[0122]
(成分D-1)分子内にエチレン性不飽和二重結合を有するシリコーン化合物
 本発明のインク組成物は、成分Dとして(成分D-1)分子内にエチレン性不飽和二重結合を有するシリコーン化合物(以下、「重合性シリコーン化合物」ともいう。)を含有することが好ましい。なお、重合性シリコーン化合物は、エチレン性不飽和二重結合及びシリコーン鎖を有する化合物である。
 エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、ビニル基、N-ビニル基、アクリルアミド基、アリル基等が挙げられる。これらの中でも、アクリルオキシ基、メタクリルオキシ基、ビニル基、アリル基がより好ましく、メタクリルオキシ基、アリル基が更に好ましい。上記エチレン性不飽和二重結合を有する基を有する化合物を用いると、耐ブロッキング性、硬化膜の伸長性に優れるインク組成物が得られる。
 重合性シリコーン化合物が有するエチレン性不飽和二重結合は、1種のみ有していてもよく、異なる2種以上を組み合わせてもよい。
 また、エチレン性不飽和二重結合を、分子内に2以上有することが好ましく、4以上がより好ましく、6以上が更に好ましく、10以上が特に好ましい。官能基数が多いことにより、膜最表面の硬度が高くなり、良好な表面硬化性、耐ブロッキング性が得られる。
[0123]
 上記シリコーン鎖として、好ましくは下記式(1)に示す単位構造を少なくとも有するシリコーン鎖である。
[0124]
[化27]


[0125]
 式(1)中、R 1及びR 2はそれぞれ独立に、フェニル基、炭素数が1~18の分岐構造を有していてもよいアルキル基を表す。
 式(1)におけるR 1又はR 2の少なくとも一方がメチル基であることがより好ましく、R 1、R 2共にメチル基であることが更に好ましい。
[0126]
 本発明において好適に使用される重合性シリコーン化合物としては、下記式(2-1)又は式(2-2)で表される変性シリコーン化合物が挙げられる。より好ましくは、式(2-2)で表される変性シリコーン化合物である。
[0127]
[化28]


[0128]
[化29]


[0129]
 式(2-1)、(2-2)中、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、及び、R 11はそれぞれ独立に、フェニル基、炭素数が1~18の分岐構造を有していてもよいアルキル基を表す。X 1、X 2、及び、X 3はそれぞれ独立に、単結合又は2価の連結基(有機基)を表し、mは0以上の、nは1以上の整数を表す。F 1、F 3はそれぞれ独立に、エチレン性不飽和二重結合を有する基を表す。F 2はエチレン性不飽和二重結合を有する基、又は、置換基を有していてもよい炭素数1~18のアルキル基若しくはフェニル基を表す。
 式(2-1)又は式(2-2)で表される化合物中において、R 3、R 4、R 9、R 10、R 11、X 1、X 2、X 3、及び、F 3よりなる群から選ばれる基が複数存在する場合、それぞれ同じ基であっても、異なる基であってもよい。
 また、3つのR 8は、それぞれ同じであっても、異なっていてもよい。
[0130]
 式(2-2)中、シロキサンユニット[A][B]は、式[A]及び/又は式[B]で表されるユニットが任意に連結していることを表し、シロキサン鎖中に式[A]及び/又は式[B]で表されるユニットがそれぞれランダムに存在していてもよく、ブロック体であってもよい。また、式(2-2)で表される化合物中に、式[A]で表されるユニットが複数存在する場合、それぞれ同じ構造であっても、異なる構造であってもよい。式[B]で表されるユニットが複数存在する場合についても同様である。
[0131]
 式(2-1)、(2-2)中、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、又は、R 11はそれぞれ独立に、フェニル基、メチル基、又は、エチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
[0132]
 式(2-1)、(2-2)中、X 1、X 2、又は、X 3としてはそれぞれ独立に、単結合、ポリエチレングリコール鎖、ポリプロピレングリコール鎖、ポリテトラエチレングリコール鎖、ポリアクリレート鎖、ポリメタクリレート鎖、ポリカプロラクトン鎖、ポリカプロラクタム鎖、又は、上記鎖を2以上の組み合わせた鎖であることが好ましく、ポリエチレングリコール鎖を少なくとも含有することがより好ましい。ポリエチレングリコール鎖を用いると、シリコーン化合物の硬化膜表面への偏在率が高くなり、更に高い耐ブロッキング性向上効果が得られる。
[0133]
 重合性シリコーン化合物の分子量は、500~100,000が好ましく、1,000~50,000がより好ましく、10,000~30,000が特に好ましい。上記範囲において、良好な耐硬化性、ブロッキング性を発現し、インク組成物を低粘度に保つことができる。
[0134]
 本発明において好適に使用される式(2-1)で表される変性シリコーン化合物を以下に示す。
[0135]
[化30]


[0136]
 本発明において好適に使用される式(2-2)で表される変性シリコーン化合物を以下に示す。なお、Phはフェニル基を表す。
[0137]
[化31]


[0138]
 上記(2-2-A)~(2-2-F)中、n1~n6はそれぞれ独立に、0以上の整数を表す。k1~k6、j1~j2、m1~m6、L1~L6、o6、P6はそれぞれ独立に、1以上の整数を表す。
[0139]
 本発明における、重合性シリコーン化合物として好ましい形態として、下記式(3)で表される構造を有するポリマーが挙げられる。
[0140]
[化32]


[0141]
 式(3)中、Y 2は高分子鎖を表し、X 2は単結合又は2価の連結基を表し、pは1以上の整数を表し、R 12、R 13、R 14はそれぞれ独立に、水素原子、フェニル基、又は、炭素数が1~18の分岐構造を有していてもよいアルキル基を表す。
 式(3)で表される化合物中において、R 12及びR 14が複数存在する場合、複数のR 12、又は、複数のR 14は、それぞれ同じ基であっても、異なる基であってもよい。
 R 12、R 13、R 14で表される基が置換基として、ヒドロキシ基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基等の置換基を有していてもよい。
[0142]
 式(3)中、Y 2の高分子鎖としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、フェノール/ホルムアルデヒド縮合樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、無水マレイン酸/α-オレフィン樹脂、α-ヘテロ置換メタクリル樹脂等が挙げられる。中でも、高分子鎖としては、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチリル樹脂、ポリエステル樹脂、又は、ポリウレタン樹脂が好ましく、アクリル樹脂、又は、メタクリル樹脂がより好ましい。
[0143]
 Y 2の高分子鎖がアクリル樹脂、又は、メタクリル樹脂である重合性シリコーン化合物は、下記式(4)で表されるモノマーを他のラジカル重合性モノマーと共重合させることで得ることが好ましい。
[0144]
[化33]


[0145]
 式(4)中、R 15は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいメチル基、又は、置換基を有していてもよいエチル基を表す。R 16、R 17、R 18、R 19、及び、R 20はそれぞれ独立に、水素原子、フェニル基、又は、炭素数が1~18の分岐構造を有していてもよいアルキル基を表す。
 R 16、R 17、R 18、R 19、R 20で表される基が置換基として、ヒドロキシ基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基等の置換基を有していてもよい。
[0146]
 本発明において好適に使用される上記式(3)におけるY 2の高分子鎖がアクリル樹脂、又は、メタクリル樹脂である重合性シリコーン化合物を以下に示す。
[0147]
[化34]


[0148]
[化35]


[0149]
 本発明において、重合性シリコーン化合物として、下記市販材料を用いることもできる。
 EVERCRYL 350、エバークリル4842(以上、ユー・シー・ビー・ケミカルズ社製)、PERENOL S-5(以上、コグニス社製)、RC149、RC300、RC450、RC709、RC710、RC711、RC720、RC802(以上、ゴールドシュミット・ケミカル・コーポレーション製)、FM0711、FM0721、FM0725、PS583(以上、チッソ(株)製)、KP-600、X-22-164、X-22-164AS、X-22-164A、X-22-164B、X-22-164C、X-22-164E(以上、信越化学工業(株)製)、BYK UV3500、BYK UV3570、BYK Silclean3700(以上、BYK Chemie社製)、Tegorad2100、Tegorad2200N、Tegorad2250N、Tegorad2300、Tegorad2500、Tegorad2600、Tegorad2700(以上、デグサ社製)、DMS-V00、DMS-V03、DMS-V05、DMS-V21、DMS-V22、DMS-V25、DMS-V25R、DMS-V31、DMS-V33、DMS-V35、DMS-V41、DMS-V42、DMS-V46、DMS-V52、DMS-V25R、DMS-V35R、PDV-0325、PDV0331、PDV0341、PDV0346、PDV0525、PDV0541、PDV1625、PDV1625、PDV1631、PDV1635、PDV1641、PDV2331、PDV2335、PMV-9925、PVV-3522、FMV-4031、EDV-2025、VDT-123、VDT-127、VDT-131、VDT-153、VDT-431、VDT-731、VDT-954、VDS-2513、VDV-0131、VGM-021、VGP-061、VGF-991、VQM-135、VQM-146、VQX-221、VMS-005、VMS-T11、VTT-106、MTV-124、VAT-4326、VBT-1323、VPT-1323、VMM-010、VEE-005、VPE-005(以上、Gelest社製)。
[0150]
 本発明において、重合性シリコーン化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
 本発明において、重合性シリコーン化合物がインク組成物中に占める割合は、インク組成物の全量に対し、0.01質量%以上10.0質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5.0質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下が更に好ましい。
 なお、重合性シリコーン化合物は、(成分A)重合性化合物にも該当する。従って、(成分A)の好ましい合計量等には、重合性シリコーン化合物が含まれる。
[0151]
(成分D-2)界面活性剤
 本発明のインク組成物は、長時間安定した吐出性を付与するため、(成分D)表面張力調整剤として、(成分D-2)界面活性剤を含有してもよい。
 界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤(但し、分子内にエチレン性不飽和二重結合を含有するシリコーン化合物を除く。)、フッ素系界面活性剤、その他の界面活性剤が例示される。
 なお、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤以外の界面活性剤としては、特開昭62-173463号、同62-183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
[0152]
(その他の成分)
 本発明のインク組成物には、必要に応じて、上記各成分以外に、共増感剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、褪色防止剤、導電性塩類、溶剤、高分子化合物、塩基性化合物、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類等を含んでいてもよい。これらその他の成分としては、公知のものを用いることができ、例えば、特開2009-221416号公報に記載されているものが挙げられる。
[0153]
 また、本発明のインク組成物を着色インク組成物として使用する場合には、以下の(成分E)着色剤を含有することが好ましい。
(成分E)着色剤
 本発明に用いることができる着色剤としては、特に制限はないが、耐候性に優れ、色再現性に富んだ顔料及び油溶性染料が好ましく、溶解性染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。本発明において好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
[0154]
(顔料)
 本発明に使用できる顔料としては、特に限定されるわけではないが、例えばカラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
 赤又はマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,149,166,168,169,170,177,178,179,184,185,208,216,226,257、Pigment Violet 3,19,23,29,30,37,50,88、Pigment Orange 13,16,20,36、
 青又はシアン顔料としては、Pigment Blue 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17-1,22,27,28,29,36,60、
 緑顔料としては、Pigment Green 7,26,36,50、
 黄顔料としては、Pigment Yellow 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,137,138,139,153,154,155,157,166,167,168,180,185,193、
 黒顔料としては、Pigment Black 7,28,26、
 白色顔料としては、PigmentWhite 6,18,21
などが目的に応じて使用できる。
[0155]
(油溶性染料)
 以下に、本発明で使用することのできる油溶性染料について説明する。
 本発明で使用することのできる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。従って、油溶性染料とは、所謂水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
[0156]
 本発明に使用可能な上記油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
[0157]
 本発明に使用可能な上記油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料;等を挙げることができる。
[0158]
 本発明に適用可能な上記油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料或いはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料;等を挙げることができる。
[0159]
 上記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、第四級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、更にはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
[0160]
 以下に限定されるものではないが、好ましい具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2;等が挙げられる。
 これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC-0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
 本発明においては、油溶性染料は1種単独で用いてもよく、また、数種類を混合して用いてもよい。
[0161]
 また、着色剤として油溶性染料を使用する際、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、他の水溶性染料、分散染料、顔料等の着色剤を併用することもできる。
 本発明においては、水非混和性有機溶剤に溶解する範囲で分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶剤に溶解する範囲で用いることが好ましい。分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9;等が挙げられる。
[0162]
 本発明に使用することができる着色剤は、インク組成物に添加された後、適度に当該インク組成物内で分散することが好ましい。着色剤の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。
[0163]
 着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分と共に直接添加により配合してもよいが、分散性向上のため、予め溶剤又は本発明に使用するラジカル重合性化合物のような分散媒体に添加し、均一分散或いは溶解させた後、配合することもできる。
 本発明において、溶剤が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、ラジカル重合性化合物のような分散媒体に予め添加して、配合することが好ましい。なお、分散適性の観点のみを考慮した場合、着色剤の添加に使用する重合性化合物は、粘度の低いモノマーを選択することが好ましい。
[0164]
 これらの着色剤はインク組成物の使用目的に応じて、1種又は2種以上を適宜選択して用いればよい。
[0165]
 なお、インク組成物中において固体のまま存在する顔料などの着色剤を使用する際には、着色剤粒子の平均粒径は、好ましくは0.005~0.5μm、より好ましくは0.01~0.45μm、更に好ましくは0.015~0.4μmとなるよう、着色剤、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができるので好ましい。
 本発明において、インク組成物中における着色剤の含有量は、色、及び使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.01~30質量%であることが好ましい。
[0166]
(成分F)分散剤
 本発明において、(成分F)分散剤を含有することが好ましい。特に、本発明のインク組成物を着色インク組成物として使用する場合には、着色剤の分散性を向上させる目的で、(成分F)分散剤を含有することが好ましい。
 分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、質量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
[0167]
 高分子分散剤としては、DISPERBYK-101、DISPERBYK-102、DISPERBYK-103、DISPERBYK-106、DISPERBYK-111、DISPERBYK-161、DISPERBYK-162、DISPERBYK-163、DISPERBYK-164、DISPERBYK-166、DISPERBYK-167、DISPERBYK-168、DISPERBYK-170、DISPERBYK-171、DISPERBYK-174、DISPERBYK-182(BYKケミー社製);EFKA4010、EFKA4046、EFKA4080、EFKA5010、EFKA5207、EFKA5244、EFKA6745、EFKA6750、EFKA7414、EFKA745、EFKA7462、EFKA7500、EFKA7570、EFKA7575、EFKA7580(エフカアディティブ社製);ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製);ソルスパース(SOLSPERSE)3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、22000、24000、26000、28000、32000、36000、39000、41000、71000などの各種ソルスパース分散剤(Noveon社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P-123((株)ADEKA製)、イオネットS-20(三洋化成工業(株)製);ディスパロン KS-860、873SN、874(高分子分散剤)、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル型)(楠本化成(株)製)が挙げられる。
 インク組成物中における分散剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の質量に対し、0.05~15質量%であることが好ましい。
[0168]
<インク物性>
 本発明のインク組成物は、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましく、5~40mPa・sであることがより好ましく、7~30mPa・sであることが更に好ましい。また、吐出温度(好ましくは25~80℃、より好ましくは25~50℃)における粘度が、3~15mPa・sであることが好ましく、3~13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温(25℃)での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となるので好ましい。更に、インク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
 本発明において、インクの粘度は、B型粘度計:Brookfield LVDV-I(Brookfield社製)を用い、25℃条件下、ローターの回転数20rpmで粘度測定を行うことが好ましい。
[0169]
 本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、濡れ性の観点から40mN/m以下であることが好ましく、35mN/m以下であることがより好ましく、30mN/m以下であることが更に好ましい。また、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上であることが好ましく、23mN/m以上であることがより好ましい。
 なお、インク組成物の25℃における表面張力の測定方法としては、公知の方法を用いることができるが、吊輪法、又は、ウィルヘルミー法で測定することが好ましい。本発明において、表面張力は、一般的に用いられる表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP-Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定を行う。
[0170]
<クリア層形成用インク組成物>
 本発明のインク組成物は、着色インク組成物でもよいが、クリア層形成用インク組成物として特に好適である。
 放射線硬化型のインクジェットインクは、溶剤を含有しないか、又は、溶剤含有量が極めて少ないため、記録媒体中に溶剤を浸透させる必要がなく、極めて短時間でインク組成物を硬化させることができることから、記録媒体の種類によらず滲みの少ない画像を得ることができる。その一方、画像表面に凹凸が生じやすく、画像がマット状となり、光沢が低下しやすいという問題がある。このような問題に対して、印刷物の表面の光沢性を向上や、耐擦傷性の向上などを目的として、画像形成後にクリア層を設けることが検討されており、本発明のインク組成物は、このようなクリア層形成用のインク組成物として特に好適である。
[0171]
 クリア層には、透明性及び光沢性が求められ、クリア層形成用として使用する場合には、インク組成物は(成分E)着色剤を含有しないか、又は含有する場合でも1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることが更に好ましく、含有しないことが特に好ましい。クリア層形成用インク組成物は、光の透過性が高いため、僅かな光でも硬化しやすく、保存安定性を維持することが困難であった。
 特に、上述したように、(成分A)重合性化合物として(成分A-1)ジビニルエーテル化合物を含有することにより、高い光沢性が得られるが、ジビニルエーテル化合物を含有すると、パック保存安定性に劣り、増粘が生じやすいことを見出した。
 また、放射線としてLEDを使用する場合、LED照射で高い硬化性を発揮させるためには、長波長の紫外線を吸収するように設計する必要があり、インクジェットヘッド等に残留したインク組成物が、日光や蛍光灯により硬化し、ヘッド詰まりを生じる等の問題があることを見出した。
[0172]
 本発明のインクジェットインク組成物は、成分A及び成分B-1~成分B-3を含有することにより、パック安定性に優れ、ヘッド詰まりが抑制されて吐出安定性に優れる。このような効果は、特にクリア層形成用インク組成物とした際に好適である。
[0173]
 本発明のインク組成物をクリア層形成用インク組成物とする場合、着色画像層(下層)の上層に適用するクリア層形成用インクであることが好ましい。また、着色画像層(下層)を形成するインク組成物は特に限定されないが、溶解性パラメーターが19以上のモノマーを、インク組成物全体の50質量%以上含有することが好ましい。
[0174]
〔着色インク組成物〕
 本発明のインク組成物をクリア層形成用インク組成物として使用する場合、下層の画像形成層を形成するための着色インクについて、以下に記載する。
 着色インク組成物は、溶解性パラメーター(SP値)が19以上のモノマーをインク組成物全体の50質量%以上含有することが好ましく、50~95質量%含有することがより好ましく、60~90質量%含有することが特に好ましい。
 SP値が19以上のモノマーを50質量%以上含有することにより、硬化性が良好であり、また、クリア層形成後の画像は光沢性に優れる。
[0175]
 本発明における溶解性パラメーター(SP値)は、分子凝集エネルギーの平方根で表される値である。SP値については、Polymer HandBook(Second Edition)第IV章 Solubility Parameter Valuesに記載があり、その値を本発明におけるSP値とする。また、単位は(MPa) 1/2であり、25℃における値を指す。
 なお、データの記載がないものについては、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147~154(1974)に記載の方法で計算した値を本発明におけるSP値とする。
[0176]
(インクジェット記録方法)
 本発明のインクジェット記録方法は、(a)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、上記インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。本発明のインクジェット記録方法は、(a)工程及び(b)工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物によって画像又はクリア層を形成する方法である。
 また、クリア層形成用として使用する場合には、(a1)被記録媒体上に、着色インク組成物を吐出する工程、(a2)被記録媒体上に、本発明のクリア層形成用インク組成物を吐出する工程、及び、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、上記インク組成物を硬化する工程、をこの順で含むことが好ましく、(a1)工程と(a2)工程との間に、(b1)吐出された着色インク組成物に活性放射線を照射して、着色インク組成物を硬化させる工程、を含むことが好ましい。なお、(b1)工程において、着色インク組成物を完全に硬化させてもよく、半硬化の状態でクリア層形成用インク組成物を吐出し、その後にクリア層形成用インク組成物と共に完全硬化させてもよい。
[0177]
<(a)工程:画像形成工程>
 まず、(a)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程について説明する。なお、上記(a1)工程についても同様である。
 本発明に使用される被記録媒体としては、特に限定されず、公知の被記録媒体を使用することができる。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、ポリ塩化ビニル、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。本発明における被記録媒体としては、非吸収性被記録媒体が好ましく、中でも、プラスチックフィルム又は紙がより好ましい。
[0178]
 画像形成工程に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a)工程における支持体へのインク組成物の吐出を実施することができる。
 本発明で用いることのできるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
 インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク組成物供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1~100pL、より好ましくは3~42pL、更に好ましくは8~30pLのマルチサイズドットを、好ましくは300×300~4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400~1,600×1,600dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
[0179]
 本発明において、吐出されるインク組成物を一定温度にすることが好ましいことから、インク組成物供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる画像形成装置が好ましく使用される。温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物の流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク組成物供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断又は断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、或いは、熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うと共に、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
[0180]
 本発明のインク組成物のような放射線硬化型インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物として使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。従って、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが好ましい。よって、インク組成物の温度の制御幅は、設定温度の±5℃であることが好ましく、設定温度の±2℃であることがより好ましく、設定温度の±1℃であることが更に好ましい。
[0181]
<(b)工程:硬化工程>
 次に、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、上記インク組成物を硬化する工程について説明する。
 活性放射線としては、紫外線が好ましい。これは、本発明のインク組成物に含まれる重合開始剤が紫外線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能により重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物中に重合開始剤と共に増感剤が存在すると、系中の増感剤が紫外線を吸収して励起状態となり、重合開始剤と接触することによって重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
[0182]
 活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インクの硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。更に、LED(UV-LED)、LD(UV-LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
[0183]
 本発明のインク組成物の硬化には、紫外線を照射するための線源として、紫外線発光ダイオード(UV-LED)を使用することが好ましく、発光ピーク波長が300~420nmの範囲である紫外線を発生する発光ダイオードを使用することがより好ましい。
 UV-LEDとして、例えば、日亜化学工業(株)が、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。
 本発明のインク組成物の硬化に使用される紫外線の発光ピーク波長は、硬化性の観点から、増感剤の吸収特性にもよるが、300~420nmであることが好ましく、350~420nmがより好ましく、380~420nmが更に好ましい。
[0184]
 本発明のインク組成物は十分な感度を有するため、低出力の活性放射線であっても十分に硬化する。具体的には、被記録媒体表面における最高照度は、画質及び生産性の観点から、10~2,000mW/cm 2であることが好ましく、650~1,800mW/cm 2がより好ましく、700~1,600mW/cm 2が更に好ましい。
[0185]
 本発明のインク組成物は、このような紫外線に、好ましくは0.01~2秒、より好ましくは0.1~1.5秒、更に好ましくは0.3~1秒照射されることが適当である。
 活性放射線の照射条件及び基本的な照射方法は、特開昭60-132767号公報に開示されているものが例示できる。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われることが好ましい。
 このように、稼働部に設けられる活性放射線源として小型かつ軽量のUV-LEDを用いることにより、インクジェット記録装置の小型化及び省エネルギー化を図ることができ、高い生産性で画像を形成することができる。また、UV-LEDは、露光条件の可変性に優れているため、インク組成物に応じて好適な露光条件を設定することができ、高い生産性で画像を形成することができる。
[0186]
 活性放射線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01~0.5秒、より好ましくは0.01~0.3秒、更に好ましくは0.01~0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止することが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができる。
 更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
[0187]
 硬化工程において、上記発光ダイオードにより付与するエネルギー、すなわち紫外線の照射により被記録媒体上のインク組成物に付与するエネルギー(積算光量)は、100~1,000mJ/cm 2が好ましく、150~800mJ/cm 2がより好ましく、200~700mJ/cm 2が更に好ましい。上記範囲であると、生産性と硬化性を両立できる。
[0188]
 本発明のインクジェット記録方法においては、光沢性に優れた画像が得られることから、印刷物における画像の少なくとも一部を、上記(a)画像形成工程及び上記(b)硬化工程を2回以上繰り返して形成することも好ましい。
 上記印刷物における画像の少なくとも一部を、上記(a)画像形成工程及び上記(b)硬化工程を2回以上繰り返して形成する態様の例としては、1色につき上記(a)及び(b)工程を1回ずつ行ってカラー画像を形成する態様や、単色の画像について上記(a)及び(b)工程を2回以上繰り返して単色の画像を形成する態様、カラー画像における1色について上記(a)及び(b)工程を2回以上繰り返して単色の画像を形成し、更にカラー画像の他の色についても同様に上記(a)及び(b)工程を2回以上繰り返すことにより、カラー画像を形成する態様が挙げられる。
[0189]
 上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な支持体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の高い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の高いインク組成物から順に重ねることにより、下部のインク組成物まで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
[0190]
 本発明のインクジェット記録方法には、本発明のインク組成物を1つ以上含むインクセットを好適に使用することができる。吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の高い着色インク組成物から被記録媒体に付与することが好ましい。本発明のインク組成物をホワイトインク組成物として使用し、更にイエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックのインク組成物を使用する場合には、ホワイト→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。更に、本発明はこれに限定されず、ライトシアン、及び、ライトマゼンタの淡色インク組成物と、ホワイト、イエロー、シアン、マゼンタ、及び、ブラックの濃色インク組成物の計7色が少なくとも含まれるインクセットとしても使用することができ、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。このようにして、本発明のインク組成物は、紫外線の照射により高感度で硬化することで、支持体表面に画像を形成することができる。
[0191]
 本発明のインク組成物を複数色そろえ、インクセットとして用いる場合、本発明のインク組成物を少なくとも1つ含み、本発明のインク組成物以外のインク組成物と組み合わせた2種以上のインク組成物を有するインクセットであれば、特に制限はないが、本発明のインク組成物と、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトマゼンタ、及び、ライトシアンよりなる群から選択される少なくとも1つの色のインク組成物とを含むことが好ましい。
 また、本発明のインクセットは、本発明のインクジェット記録方法に好適に用いることができる。本発明のインク組成物を使用してフルカラー画像を得るためには、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、及び、ホワイトよりなる5色の濃色インク組成物を組み合わせたインクセットであることが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック、及び、ホワイトよりなる5色の濃色インク組成物と、ライトシアン、及び、ライトマゼンタよりなる2色のインク組成物とを組み合わせたインクセットであることがより好ましい。
 なお、本発明における「濃色インク組成物」とは、着色剤の含有量がインク組成物全体の1質量%を超えているインク組成物を意味する。上記着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤を用いることができ、顔料や分散染料が例示できる。
 本発明のインクセットが、少なくとも1つの濃色インク組成物、及び、少なくとも1つの淡色インク組成物を含んでおり、濃色インク組成物と淡色インク組成物とが同系色の着色剤を用いている場合、濃色インク組成物と淡色インク組成物との着色剤濃度の比が、濃色インク組成物:淡色インク組成物=15:1~4:1であることが好ましく、12:1~4:1であることがより好ましく、10:1~4.5:1であることが更に好ましい。上記範囲であると、粒状感の少ない、鮮やかなフルカラー画像が得られる。
[0192]
 なお、上述したように、本発明のインク組成物は、クリア層形成用インク組成物として好適であり、インクセットとして用いる場合には、着色インク組成物と、クリアインクとを有するインクセットとすることが好ましく、クリアインクとして本発明のインク組成物を使用することが好ましい。
実施例
[0193]
 以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
 なお、以下の記載における「部」とは、特に断りのない限り「質量部」を示すものとする。
[0194]
 本発明で使用した素材は下記に示す通りである。
<重合性化合物>
・DVE-3:トリエチレングリコールジビニルエーテル(Rapi-Cure DVE-3、ISA社製)
・SR508:ジプロピレングリコールジアクリレート(SR508、Sartomer社製)
・SR9003:プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート(SR9003、Sartomer社製)
・SR833:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(SR833、Sartomer社製)
・SR506:イソボルニルアクリレート(SR506、Sartomer社製)
・CN964A85:脂肪族ポリエステル系ウレタンジアクリレートオリゴマー(トリプロピレングリコールジアクリレートを15%含有、Sartomer社製)
・NVC:N-ビニルカプロラクタム(V-CAP、ISP社製)
・SR531:サイクリックトリメチロールプロパンフォルマルアクリレート 95wt%、トリメチロールプロパントリアクリレート 5wt%(Sartomer社製)
・SR399:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(Sartomer社製)
・SR351S:トリメチロールプロパントリアクリレート(Sartomer社製)
[0195]
<重合開始剤>
・TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocur TPO、BASFジャパン(株)製)
・ITX:イソプロピルチオキサントン(SPEEDCURE ITX、LAMBSON社製)
[0196]
<表面張力調整剤>
・BYK307:界面活性剤(ビックケミー社製)
・Tegorad2100:アクリルオキシ基含有シリコーン(Evoik Tego Chemie社製)
・Tegorad2300:アクリレート基含有シリコーン(シリコーンポリエーテルアクリレート、Evoik Tego Chemie社製)
・Tegorad2500:アクリルオキシ基含有シリコーン(Evoik Tego Chemie社製)
[0197]
<重合禁止剤>
(成分B-1)
・4-Methoxy TEMPO:4-メトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(東京化成工業(株)製)
・4-ACETAMIDO-TEMPO:4-アセトキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(東京化成工業(株)製)
・TEMPO:2,2,6,6,-テトラメチルピペリジン-1-オキシル(東京化成工業(株)製)
(成分B-2)
・アンテージBHT:2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(川口化学工業(株)製)
・アンテージ500:2,2'-Methylene bis(4-ethyl-6-tert-butylphenol)(アンテージW-500、川口化学工業(株)製)
・キノパワーMNT:4-メトキシ-1-ナフトール(川崎化成工業(株)製)
・MEHQ:Hydroquinone monomethylether(和光純薬工業(株)製)
(成分B-3)
・ADK STAB LA-57:tetrakis(2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl)1,2,3,4 -butanetetracarboxylate(ADEKA社製)
・Tinuvin765:Bis(1,2,2,6,6-pentamethyl-4-piperidyl) sebacate(BASFジャパン(株)製)
・Tinuvin770DF:セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)(BASFジャパン(株)製)
(成分B-4:その他)
・UV-12:トリス(トリス(N-ニトロソ-N-フェニルヒドロキシアミン)アルミニウム塩(10質量%)とフェノキシエチルアクリレート(90質量%)との混合物、ALBEMARLE社製)
[0198]
(イエローミルベースの調製)
・イエロー顔料:NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製):30質量部
・SR9003:29質量部
・BYK168(分散剤、BYK Chemie社製):40質量部
・FIRSTCURE ST-1(重合禁止剤、Chem First社製):1質量部
 上記の成分を撹拌混合し、イエローミルベースを得た。なお、イエローミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
[0199]
(マゼンタミルベースの調製)
・マゼンタ顔料:CINQUASIA MAGENTA RT-355D(BASFジャパン(株)製):30質量部
・SR9003(プロポキシ化(2)ネオペンチルグリコールジアクリレート(ネオペンチルグリコールプロピレンオキサイド2モル付加物をジアクリレート化した化合物、SARTOMER社製):49質量部
・SOLSPERSE32000(分散剤、Noveon社製):20質量部
・FIRSTCURE ST-1(重合禁止剤、Chem First社製):1質量部
 上記の成分を撹拌混合し、マゼンタミルベースを得た。なお、マゼンタミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
[0200]
(シアンミルベースの調製)
・シアン顔料:IRGALITE BLUE GLVO(BASFジャパン(株)製):30質量部
・SR9003:49質量部
・SOLSPERSE32000:20質量部
・FIRSTCURE ST-1:1質量部
 上記の成分を撹拌混合し、シアンミルベースを得た。なお、シアンミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
[0201]
(ブラックミルベースの調製)
・ブラック顔料:SPECIAL BLACK 250(BASFジャパン(株)製):30質量部
・SR9003:49質量部
・SOLSPERSE32000:20質量部
・FIRSTCURE ST-1:1質量部
 上記の成分を撹拌混合し、ブラックミルベースを得た。なお、ブラックミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで4時間分散を行った。
[0202]
(実施例、及び、比較例)
<インク組成物の作製方法>
 表1及び表2に記載の各素材を表1及び表2に記載の量で混合、撹拌することで、各インク組成物C1~C17(クリア、実施例)、C18~C20(クリア、比較例)及びC21~C27(着色、実施例)をそれぞれ得た。なお、表中、「-」は、該当する成分を含有しないことを意味する。また、CLはクリアインクであることを意味し、Y、M、C、K、Lm、Lc及びLbkはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ライトマゼンタ、ライトシアン、ライトブラックの各色インクであることを意味する。
 得られた各インク組成物を用い、下記に記載の各種評価を行った。評価結果を後述の表1及び表2に示す。
[0203]
 また、画像層(下層)用のインク組成物として、表3に記載の素材を表3に記載の量で混合、撹拌することで着色インク組成物1~5をそれぞれ得た。なお、表中、「-」は、該当する成分を含有しないことを意味する。
[0204]
<表面張力>
 得られたインク組成物の表面張力を測定した。協和界面科学(株)製、表面張力計CBVP-Z等)を用いて、ウィルヘルミー法で液温25℃にて測定を行った。
[0205]
<インクジェット記録方法>
 クリアのインク組成物に関しては、インクジェットヘッドとして、ピエゾ型インクジェットヘッドQ-class Sapphire QS-256/30(FUJIFILM DIMATIX社製、ノズル数256個、最小液滴量30pL、33kHz)を用いた。
 硬化光源としては、発光ダイオード(UV-LED、日亜化学工業(株)製NC4U134、ピーク波長385nm)を10個配置した光源を左右に1つずつ(計2個)具備し、光源1つあたりの照度が1,500mW/cm 2の光源を使用した。
 インク供給系は、インクパック、供給配管、脱気フィルターSEPAREL EF-G2(DIC(株)製)、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、脱気フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、脱気フィルター部分では0.5気圧まで減圧した。上記構成からなる装置を用い、複数パスにより45℃の吐出温度で膜厚25μmとなるようにクリア層を形成した。
 また、着色インク組成物に関しては、インクジェットヘッドとして、ピエゾ型インクジェットヘッドQ-class Sapphire QS-256/10(FUJIFILM DIMATIX社製、ノズル数256個、最小液滴量10pL、50kHz)を用いた。硬化光源としては、発光ダイオード(UV-LED、日亜化学工業(株)製NC4U134、ピーク波長385nm)を10個配置した光源を左右に1つずつ(計2個)具備し、光源1つあたりの照度が1,500mW/cm 2の光源を使用した。インク供給系は、インクパック、供給配管、脱気フィルターSEPAREL EF-G2(DIC(株)製)、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、脱気フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、脱気フィルター部分では0.5気圧まで減圧した。上記構成からなる装置を用い、複数パスにより45℃の吐出温度で膜厚12μmとなるように着色インク層を形成した。
[0206]
〔インク組成物の評価〕
<光沢性評価>
 上記印刷方法で三菱製紙(株)製の特菱アート紙(坪量104g/m 2)に、クリアインク層25μm膜厚の100%ベタ画像を印刷した。このときの基材表面での最高照度は1,500W/cm 2であり、露光量は400mJ/cm 2であった。得られた画像について、JIS Z8741に基づき、Sheen Instruments社製光沢度計を用い、測定角60°で光沢度の測定を行った。
 評価基準は以下の通りである。3以上が許容範囲である。
  4:光沢度90以上
  3:光沢度80以上
  2:光沢度60以上
  1:光沢度60未満
[0207]
 またカラーインクの評価は上記クリアインクと同様の印刷方法で行った。具体的には、三菱製紙(株)製の特菱アート紙(坪量104g/m 2)に、カラーインク層12μm膜厚の100%ベタ画像を各色印刷した。このときの基材表面での最高照度は1,500W/cm 2であり、露光量は400mJ/cm 2であった。得られた画像について、JIS Z8741に基づき、Sheen Instruments社製光沢度計を用い、測定角60°で光沢度の測定を行った。
 評価基準は以下の通りである。3以上が許容範囲である。
  4:光沢度30以上
  3:光沢度20以上
  2:光沢度15以上
  1:光沢度10未満
[0208]
<硬化性評価>
 上記印刷方法で記録媒体として、三菱製紙(株)製の特菱アート紙(坪量104g/m 2)、を用いた。クリアインクに関しては、クリアインク層25μm膜厚の100%ベタ画像を印刷した。また、カラーインクに関しては、カラーインク層12μm膜厚のベタ画像を印刷した。
 印刷後の表面の色移りとベトツキによって硬化性を定義した。印刷後の表面のベトツキの有無は触診で、色移りは印刷直後に普通紙(富士ゼロックス(株)製コピー用紙C2)を押し付け、押しつけた普通紙に転写された面積(%)を目視で判断した。なお、クリア層の色移りは、蛍光灯に対してクリアインクの色移り試験後の転写した紙面(普通紙)を傾け、クリア層の光沢のある箇所の面積を目視で測定して、色移りを測定した。
 色移り、ベトツキがないほど感度が高いと評価し、以下の基準で評価した。評価基準は以下の通りである。3以上が許容範囲である。
  4:色移りなし、ベトツキなし
  3:色移りなし、ややベトツキあり
  2:10%未満の色移りあり、ややベトツキあり
  1:10%以上の色移りあり、ベトツキあり
[0209]
<ブロッキング性評価>
 上記印刷方法で記録媒体として、三菱製紙(株)製の特菱アート紙(坪量104g/m 2)、を用いた。印刷後、印刷面に300枚の特菱アート紙(坪量104g/m 2)を積み重ね、40℃24時間後のクリア層の転写状態で評価した。なお、クリアインクに関しては、クリアインク層25μm膜厚の100%ベタ画像を印刷した。また、カラーインクに関しては、カラーインク層12μm膜厚のベタ画像を印刷した。
 転写の程度は、目視での観察で、色移りのある箇所の面積(面積%)を測定した。なお、クリアインクの色移りは、蛍光灯に対してブロッキング試験後の転写した紙面を傾け、クリア層の光沢のある箇所の面積を目視で測定して色移りを測定した。
 転写が少ないほどブロッキング性が良好であると評価し、以下の基準で評価した。3以上が許容範囲である。
  4:転写なし
  3:5%未満の割合で転写した
  2:5%以上25%未満の割合で転写した
  1:25%以上50%未満の割合で転写した
[0210]
<ボトル保存安定性評価>
 インク組成物50mLを50mLのガラス瓶に入れ蓋をし、恒温槽(60℃)条件下で28日間放置後の粒子径変動、インク組成物の粘度変動を評価した。なお、クリアインク組成物に関しては、粘度変動のみで評価を行った。
-粘度測定方法-
 本実施例におけるインク組成物の粘度測定は、B型粘度計:Brookfield LVDV-I(Brookfield社製)を用い、25℃条件下、ローターの回転数20rpmで粘度測定を行った。
-粒子径測定方法-
 本実施例におけるインク組成物中の粒子径測定は、FPAR-1000(大塚電子(株)製)を用いた。測定の際、濃度調整のための希釈溶剤として、2-ブタノンを用いた。
 評価基準は以下の通りである。3以上が許容範囲である。
 なお、上昇率とは、放置前の値を100%とし、28日放置後の値をX%とした時、X-100(%)を表す。
  4:一ヵ月後の粘度・粒径上昇率が、15%未満
  3:一ヵ月後の粘度・粒径上昇率が、15%以上30%未満
  2:一ヵ月後の粘度・粒径上昇率が、30%以上45%未満
  1:一ヵ月後の粘度・粒径上昇率が、45%以上
 なお、粘度上昇率と粒径上昇率の評価が異なる場合には、より低い評価結果とした。例えば、粘度上昇率の評価結果が4、粒径上昇率の評価結果が3の場合、ボトル保存安定性の評価結果は3である。
[0211]
<パック保存安定性評価>
 インク組成物50ccを最内層がポリオレフィンであるアルミ蒸着多層構造容器(パック)に、気体が封入されないように充填し、恒温槽(60℃)条件下で28日間放置後の粒子径変動、インク組成物の粘度変動を評価した。なお、クリアインク組成物に関しては、粘度変動のみで評価を行った。
-粘度測定方法-
 本実施例におけるインク組成物の粘度測定は、B型粘度計:Brookfield LVDV-I(Brookfield社製)を用い、25℃条件下、ローターの回転数20rpmで粘度測定を行った。
-粒子径測定方法-
 本実施例におけるインク組成物中の粒子径測定は、FPAR-1000(大塚電子(株)製)を用いた。測定の際、濃度調整のための希釈溶剤として、2-ブタノンを用いた。
 評価基準は以下の通りである。3以上が許容範囲である。
 なお、上昇率とは、放置前の値を100%とし、28日放置後の値をX%とした時、X-100(%)を表す。
  4:一ヵ月後の粘度・粒径上昇率が、15%未満
  3:一ヵ月後の粘度・粒径上昇率が、15%以上30%未満
  2:一ヵ月後の粘度・粒径上昇率が、30%以上45%未満
  1:一ヵ月後の粘度・粒径上昇率が、45%以上
 なお、粘度上昇率と粒径上昇率の評価が異なる場合には、より低い評価結果とした。例えば、粘度上昇率の評価結果が4、粒径上昇率の評価結果が3の場合、パック保存安定性の評価結果は3である。
[0212]
<蛍光灯安定性評価>
 インク組成物50mLをカップにとり、900lx((株)東芝製、メロウライン3波長形昼白色FHF32EX-N)下に放置し固形分が生じた時間を測定した。なお、インク組成物50mLを20μmのフィルター(ナイロン508、東京スクリーン(株)製)に通し、その後に5mLのイソプロピルアルコールを流した後、目視でフィルター上の固形分の有無を判断した。
 評価基準は以下の通りである。3以上が許容範囲である。
  4:60時間以上固形分なし
  3:25時間以上60時間未満で固形分発生
  2:5時間以上25時間未満で固形分発生
  1:5時間未満で固形分発生
[0213]
<吐出安定性評価>
 インク組成物を室温(25℃)で二週間保存後、上記インクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行い、常温(25℃)で1時間連続印字したときの、ドット抜け及びインクの飛び散りの有無を目視にて観察し、下記基準により評価した。
 評価基準は以下の通りである。3以上が許容範囲である。
  4:ドット抜け又はインクの飛び散りが発生しない
  3:ドット抜け又はインクの飛び散りが1~2回発生
  2:ドット抜け又はインクの飛び散りが3~8回発生
  1:ドット抜け又はインクの飛び散りが9回以上発生
[0214]
[表1]


[0215]
[表2]


[0216]
<複層形成の評価>
 上述した光沢性の評価と同様の印刷方法で、以下の表3に記載のカラーインクを印刷し、着色層を形成した。その後、表1に記載のクリアインク8を、光沢性の評価と同様の印刷方法にて上記カラーインクを印刷した画像上に印刷し、着色画像の上層にクリアインクを適用した画像を形成した。着色画増の上層にクリア層を適用した画像に対して、光沢性、硬化性及びブロッキング性の評価を行った結果を表3に示す。
[0217]
[表3]


請求の範囲

[請求項1]
(成分A)重合性化合物、
(成分B-1)オキシルフリーラジカル系重合禁止剤、
(成分B-2)フェノール系重合禁止剤、及び、
(成分B-3)アミン系重合禁止剤を含有することを特徴とする、
 インクジェット記録用インク組成物。
[請求項2]
 前記(成分A)重合性化合物が(成分A-1)ジビニルエーテル化合物を含有する、請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項3]
 (成分C)重合開始剤を更に含有し、(成分C)重合開始剤として(成分C-1)アシルホスフィン系重合開始剤を含有する、請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項4]
 前記(成分A)重合性化合物が、(メタ)アクリレートモノマーを含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項5]
 前記(メタ)アクリレートモノマーが多官能(メタ)アクリレートモノマーを含有する、請求項4に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項6]
 インクジェット記録用インク組成物が含有する重合禁止剤の総量を100質量%としたとき、重合禁止剤の総量に対する成分B-1、成分B-2及び成分B-3の含有量(質量%)、(B1)、(B2)及び(B3)が下記式(1)~式(3)を満たす、請求項1~5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
   2≦(B1)≦95       式(1)
   3≦(B2)≦97       式(2)
   0.1≦(B3)≦75     式(3)
[請求項7]
 インクジェット記録用インク組成物が含有する重合禁止剤の総量を100質量%としたとき、重合禁止剤の総量に対する成分B-1、成分B-2及び成分B-3の含有量(質量%)、(B1)、(B2)及び(B3)が下記式(1’)~式(3’)を満たす、請求項1~6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
   4≦(B1)≦90       式(1’)
   7≦(B2)≦93       式(2’)
   0.4≦(B3)≦60     式(3’)
[請求項8]
 クリア層形成用である、請求項1~7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項9]
 (成分D)表面張力調整剤を更に含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項10]
 前記成分Dがシリコーン化合物である、請求項9に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項11]
 前記シリコーン化合物が、分子内にエチレン性不飽和二重結合を有するシリコーン化合物である、請求項10に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項12]
 表面張力が30mN/m以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項13]
 前記成分B-1が下記式(B-1-2)で表される、請求項1~12のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[化1]


(式(B-1-2)中、R 11~R 16は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表すか、或いは、R 11及びR 12、R 13及びR 14、R 15及びR 16はこれらが結合する炭素と共に1個のカルボニル基を形成してもよい。)
[請求項14]
 前記成分B-2が下記式(B-2-1)で表される、請求項1~13のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[化2]


(式(B-2-1)中、mは1~5の整数を表し、nは1~4の整数を表し、n個のR 21は互いに独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数1~20のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数1~5のアルケニル基、炭素数1~5のアルキニル基、炭素数1~20のアルコキシ基、又は、炭素数6~12のアリールオキシ基を表し、これらの基は式(B-2-1)に示すベンゼン環と連結基を介して結合していてもよく、2つ以上のR 21で表される基が互いに結合して環構造を形成していてもよく、X 21はmが2以上である場合にm価の連結基を表す。)
[請求項15]
 前記成分B-3が下記式(B-3-1)で表される、請求項1~14のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[化3]


(式(B-3-1)中、R 40は、水素原子、炭素数1~6のアルキル基、又は、炭素数3~8のシクロアルキル基を表し、R 41は、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数7~12のアラルキル基、3~8員環の複素環基、ヒドロキシ基、-O-CO-R 42基、-N(R 43)(R 44)基、又は、=N(R 43)を表し、前記R 42は、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数6~18のアラルキル基、又は、炭素数6~12のアリール基を表し、R 43及びR 44は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、炭素数3~8のシクロアルキル基、3~8員環の複素環基、炭素数2~8のアシル基、アシルオキシ基、又は、アミド基を表し、Q 30及びQ 31は、それぞれ独立に、水素原子又はオキソ基を表す。なお、R 41において、直接又は連結基を介して、少なくとも1つの他の式(B-3-1)で表される化合物と互いに結合してもよい。)
[請求項16]
 前記成分B-1のインク全量に対する含有量が、0.3質量%以下である、請求項1~15のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項17]
 前記成分B-1、成分B-2及び成分B-3の含有量の総和が、インク全量に対して1質量%以上3質量%以下である、請求項1~16のいずれか1項に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項18]
 着色画像層の上層に適用するクリア層形成用である、請求項1~17のいずれか1つに記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項19]
 前記着色画像層が、溶解性パラメーターが19以上のモノマーを組成物全体の50質量%以上含む着色インク組成物の硬化膜である、請求項18に記載のインクジェット記録用インク組成物。
[請求項20]
 (a)被記録媒体上に請求項1~19のいずれか1項に記載のインク組成物を吐出する工程、及び、(b)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むインクジェット記録方法。
[請求項21]
 請求項20に記載のインクジェット記録方法によって記録された印刷物。