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1. WO2014119001 - X線装置用防護装置

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明 細 書

発明の名称 X線装置用防護装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

先行技術文献

特許文献

0009   0010   0011  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016   0017  

発明の効果

0018   0019   0020   0021   0022  

図面の簡単な説明

0023  

発明を実施するための最良の形態

0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037  

符号の説明

0038  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9  

明 細 書

発明の名称 : X線装置用防護装置

技術分野

[0001]
 本発明は、医用のX線CT装置等、X線装置におけるガントリ等の開口部から外部へ散乱する放射線を防護するための防護装置に関するものである。

背景技術

[0002]
 X線CT装置は、ベッドに寝た被検者の体軸を中心としてX線管とX線検出器を対向させて配置し、両者を円周方向に回転させながらX線管からX線を放射し、円周方向に配置した複数個のX線検出器で人体を透過したX線を検知して、コンピュータによる画像処理により所望の断面画像を得る装置である。この種のX線CT装置は、画像処理速度を高速化することにより、スキャンとほぼ同時にリアルタイムで画像を表示することができる。
[0003]
 従来、患部の断層画像を得るための手段として、超音波診断装置が多く使用されてきたが、骨や気泡がある場所では超音波がこれらの層によって反射されるため、組織を正確に観察することができないという欠点があった。これに対し、上記X線CT装置は、画像処理速度を高速化することにより、スキャンとほぼ同時にリアルタイムで画像を表示することができ、しかも気泡や骨のある場所でもそれに隠れた組織を正確に観察できるので、この装置を利用して、穿刺による生検や焼灼、ドレナージ等の術が採用されるようになった。
[0004]
 一方、上記X線CT装置として、放射線による被曝の危険性がある。特に穿刺等を行う術者は、頻繁にX線の散乱する位置に立ち入らねばならないので、防護に対する配慮がきわめて重要である。このため、従来からX線CT装置用防護手段が種々考案されている。例えば、放射線を遮断する機能を有する含鉛ガラス、含鉛樹脂、含鉛クロス等を用いた防護衝立や防護服、防護手袋等が実用されている。
[0005]
 X線CT透視による穿刺等を行う場合は、穿刺針を保持したホルダを人手で掴んで操作しなければならないので、術者はできるだけガントリの開口部に接近して術を施す必要がある。この場合、術者が手袋等で防護していても、ガントリ開口部から放射されるX線に被爆するおそれがある。
[0006]
 従来、このガントリ開口部からのX線の散乱による被爆を防ぐ手段として、図9に示すような防護板Pを3次元的に移動可能にアームAで支持したものが採用されている。防護板を支持するアームAは、ガントリが自走式の場合は天井に設けたレールに取り付けられ、ガントリの前後方向に移動可能となっている。テーブルスライド式の場合は、このようなアーム自体の前後方向の移動は不要である。また、この防護板Pは、一隅が湾状に切り欠かれていて、この部分がガントリ開口部に沿うように保持した状態で、術者が腕をガントリ開口内に挿入するようになっている。
[0007]
 しかしながら、上記防護板Pは、上記切り欠き部分を除いて全体が角型の平板であるから、ガントリの表面と干渉し、開口部の内側に近づけることができず、術者の身体と穿刺位置との距離を短くすることができなかったので、穿刺針の操作が困難となっていた。また、上記切り欠き部分以外の隙間からX線が漏出するという問題点もあった。
[0008]
 なお、X線CT装置としては、例えば下記特許文献1,2に記載のものがあり、穿刺針を保持するホルダについては、特許文献3に記載のものがある。

先行技術文献

特許文献

[0009]
特許文献1 : 特開2000−325336号公報
[0010]
特許文献2 : 特開平10−33525号公報
[0011]
特許文献3 : 特開平9−140716号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0012]
 本発明は、上記事情に鑑み、X線CT透視による穿刺等の術において、術者がよりガントリ内の穿刺部位に近づくことができ、しかも効果的に防護可能な防護装置を提供することを課題としている。

課題を解決するための手段

[0013]
 上記課題を解決するため、本発明は次のような構成を採用した。すなわち、請求項1に記載の本発明に係るX線装置用防護装置は、X線CT装置のガントリ等、X線装置に設けられている開口部の上部に嵌り込む上に凸な円弧状の防護フレームと、該防護フレームをガントリ等の開口部にあてがって支持することのできる支持手段とを備え、前記円弧状の防護フレームの内側には、ガントリの開口部を覆う柔軟な防護シートが吊り下げられるとともに、該防護シートには、表側から裏側まで人の腕を挿入することのできる切り目が形成されていることを特徴としている。
[0014]
 また、請求項2に記載のX線装置用防護装置は、上記請求項1に記載の防護装置であって、前記防護フレームが、厚み方向の奥側が部分的にガントリ等の開口部に嵌り込み、手前側部分は当該開口部に嵌まり込まないように形成されているものである。さらに、請求項3に記載のX線装置用防護装置は、上記請求項1に記載の防護装置であって、前記防護フレームの円弧状の外周がガントリ等の開口部の内周にほぼ隙間なく(若干の隙間はあってもよい)嵌合するように形成されているものである。
[0015]
 つぎに、請求項4に記載のX線装置用防護装置は、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の防護装置であって、支持手段が、防護フレームを3軸方向に移動可能に支持する多関節(複数の関節を有するものをいう)アームであるものである。また、請求項5に記載のX線装置用防護装置は、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の防護装置であって、支持手段である多関節アームの基部が、ガントリ等の側部に設けられガントリ等と一体となって移動する支柱に取り付けられているものである。
[0016]
 さらに、請求項6に記載のX線装置用防護装置は、前記請求項1乃至5のいずれかに記載の防護装置であって、防護シートが、フレームの下端部よりも下側にまで垂下しているものである。
[0017]
 また、請求項7に記載のX線装置用防護装置は、前記請求項1乃至4のいずれかに記載の防護装置であって、防護シートの上下中間部に人の腕を挿入することのできる穴が切り目によって形成されているものである。

発明の効果

[0018]
 本発明に係るX線装置用防護装置は、X線CT装置のガントリ等に設けられている開口部の上部周縁に沿う上に凸な円弧状の防護フレームを備えており、この防護フレームの内側を防護シートで覆ったもので、これが支持手段により、ガントリ等の開口部にあてがった状態で支持されるので、ガントリ等の開口部からのX線の外部への散乱を効果的に抑制することができる。
[0019]
 また、防護フレームは、請求項2又は3に記載のように、ガントリ等の開口部に部分的又は全体的に嵌まり込むもので、この嵌まり込んだ状態で柔軟な防護シートによりガントリ等の開口部を覆うものであり、この防護シートには切れ目が設けられていて、ここから術者が腕を開口部内へ挿入することができるので、被爆の恐れなく身体を開口部内に近づけることができ、腕を開口部内により深く挿入することが可能となる。この結果、術者は、穿刺針等の器具の操作をより正確かつ楽に行えるようになる。なお、上記隙間から放射線が多少漏出するとしても、術者は隙間の側方にいるので、被爆の恐れは少ない。
[0020]
 請求項4に記載の防護装置によれば、フレームを3次元的に移動可能な多関節アームで支持するので、最適の位置にフレームを配置することができ、効果的な防護をおこなうことができる。また、請求項5に記載のように、この多関節アームを、ガントリ等と一体に移動する支柱に取り付けておくこととすれば、天井等に特別なレールを設けなくても防護フレームをガントリ等と一体に移動可能に支持することができ、構造的に簡単である。
[0021]
 さらに、請求項6に記載のように、防護シートを、防護フレームの下端部よりも下側にまで垂下させておくと、フレームとベッドの隙間から漏出する放射線を効果的に遮断できるので好ましい。
[0022]
 また、請求項7に記載のように、防護シートの中間部に腕を挿入できる穴を設けておけば、この穴から腕を挿入できるので、放射線の漏出が少なくてすむ。なお、この穴は、上部を固定した垂下式の蓋で覆蓋するようにしておくのが好ましい。

図面の簡単な説明

[0023]
[図1] 本発明の実施形態を表す正面図である。
[図2] その要部の断面図であり、(a)は外周部に凹状の丸みが付けられている例を、(b)は外周部が傾斜面となっている例を、(c)は防護フレーム全体がガントリに沿う形である例をそれぞれ表す。
[図3] その使用時の状態を表わす斜視図である。
[図4] その要部の断面図である。
[図5] 使用法を表す正面図である。
[図6] その断面図である。
[図7] 異なる実施形態を表す正面図(a)及び断面図(b)である。
[図8] X線CT装置の側面図(a)及び正面図(b)である。
[図9] 従来の防護装置の外観図である。

発明を実施するための最良の形態

[0024]
 以下、本発明の好ましい実施形態について具体的に説明する。本発明は、X線を用いる装置、例えばX線CT装置の付属品として使用する防護装置であり、以下の実施形態では、X線CT装置に用いる例について説明するが、X線CT装置以外のX線装置用防護装置としても適したものである。図8は公知のX線CT装置の概要を表すもので、このX線CT装置は、ガントリ1とベッド2を備えている。ベッド2は高さ調節可能であり、上面に前後動可能な天板3が設けられており、この上に被検者を載せてガントリ1の開口部5に送り込むことができる。
[0025]
 ガントリ1には円筒状の開口部5が設けられ、その内部には、X線ビームを放射するX線管6と、X線検出素子を備えた検出器7が被検者Mの体軸を挟むように対向配置されている。これらX線管6と検出器は、図示を省略した回転枠に対向するように取り付けられていて、制御装置により所定の速度で回転しつつX線の放射と検出を行い、画像処理装置により、付属のディスプレイに画像を表示するようになっている。X線管6と検出器7を取り付けた回転枠は、図3の矢印Z方向(図8の場合は図中の矢印方向)にチルト可能である。
[0026]
 図1及び図2は、本発明に係る防護装置を表すもので、この防護装置10は、防護フレーム11と防護シート12と、支持手段13を備えている。
[0027]
 防護フレーム11は、放射線を遮断する機能を有する材料、例えば含鉛樹脂(アクリル)等の材質で作られたもので、ガントリ1の開口部5の周縁に沿うような上に凸な円弧状の湾曲形状であり、その幅Wと厚みtは、必要な強度が得られ、しかも作業上支障がない程度に開口の面積が維持できるような大きさとすればよい。例えばWが100~120mm、tが10~15mm程度とすればよい。なお、図1のDは例えば120~130mm程度とすればよい。
[0028]
 防護フレーム11の断面形状は、図2に示すように、裏側の径が表側の径よりも小さく、ガントリの開口部に部分的に嵌り込む形状となっている。ガントリ1の開口部周縁は、表側の径が大きく、奥側の径が次第に小さくなるように丸みをおびた断面形状となっているので、防護フレーム11の断面形状もこれに適合するように、奥側が次第に小さくなるような形状としておけばよい。図2(a)の図示例では、ガントリ1の丸みに適合するような丸みRをおびた凹状となっているが、図2(b)に示すような断面直線状の傾斜面Cとしておいてもよく、図2(c)に示すように、薄形の防護フレーム11全体の断面形状がガントリ1の開口部に沿うような形状としてもよい。
[0029]
 防護シート12は、放射線を遮断する機能を有する柔軟なシート材、例えば含鉛クロスで形成されている。この防護シート12は、上端部が前記防護フレーム11に固着された吊り下げ状態で保持されており、下端部は、ガントリ1の開口部5の下端部よりも若干上側位置まで垂下している。防護シート12には上下方向の切り目15が入れられており、図示例では4分割されている。場合によっては、左右中央の1本の切り目だけを設けた2分割としておいてもよい。
[0030]
 防護フレーム11の支持手段13としては、該防護フレーム11をガントリ1の開口部5の上縁に沿うようにあてがって支持できるものであればよい。図示例では、支持手段13が複数の関節14を有するアームとなっており、このアーム13は、基部が構造物に取り付けられ、防護フレーム11を防護シート12とともに所望の位置に配置できるようになっている。
[0031]
 図3は、この防護装置10を自走式のX線CT装置に取り付けた状態を表わすもので、図示例の自走式のX線CT装置は、ガントリ1が支持枠4に矢印Z方向にチルト可能に支持されており、その側部に支柱8が立設されていて、この支柱8と支持枠4が底板9で接続一体化されている。この底板9は、ガントリ1と支柱8を支持してレール9a上を矢印Y方向に移動可能である。
[0032]
 防護装置10の支持手段であるアーム13の基部は、ガントリ1の側部に立設された支柱8の棚板8aに取り付けられていて、複数の関節14により、防護装置10を所望の位置に支持できるようになっている。実際には、図4に示すように、防護フレーム11が部分的もしくは全体的にガントリ1の開口部5に嵌まり込んだ状態となるように支持される。この状態では、図3、図4に示すように、防護シート12の下端部が開口部5の下端部付近まで垂下した状態とする。なお、ヨード造影剤を血管内に注入するためのインジェクター等の器具を支持するための同様なアームを別途設け、上記アーム13と同様に棚板8aに取り付けておけば便利である。
[0033]
 このX線CT装置を用いて穿刺等の術を施す場合は、図5、図6に示すように、被検者Mをベッドの天板3に載せ、該被検者の患部(もしくは検査部位)がX線管と検出器との間に位置するようにガントリ内へ送り込む。この状態では、防護シート12の下部が被検者の上に部分的に被さる状態となる。しかる後、術者が穿刺針20等の必要な器具を保持したホルダ22を持った腕を防護装置10の防護シート12を切り目15で掻き分けて開口部5内へ挿入し、X線を患部に照射しながら必要な術を施す。このとき、付属のディスプレイ(図示を省略)にはリアルタイムで患部の画像が表示されるので、それを見ながら術を施せばよい。
[0034]
 X線照射中は、ガントリ開口部5から放射線が外部へ散乱するが、上記のように防護装置10を取り付けておけば、これによって大部分の散乱が防止される。なお、図示例では、防護シート12の切り目15を掻き分けて腕を挿入するようになっていて、腕を挿入した状態では該腕の下側と、防護シート12の下端部よりも下側に若干の隙間17ができるが、それでもガントリ1の側部付近に立つ術者の被爆は大幅に抑制される。
[0035]
 また、図示例では、防護シートが開口部5の下縁よりも上側位置(ほぼベッド天板3の上面位置)まで垂下しているので、ベッド上の被検者を開口部5に送り込むときにそれほど邪魔にならないが、場合によっては、防護フレーム11の下端部付近まであるだけでもよく、逆に、開口部5の下縁まで垂下するようにしていてもよい。
[0036]
 次に、図7は上記と異なる実施形態を表すもので、この実施形態では、防護シートに上下方向の切り目は設けられておらず、腕を挿入できる概略円形の穴18が切り目15によって形成されている。この穴18は、穿刺針20やこれを保持する器具(ホルダ又はカンシ)も挿入する必要があるので、これらの挿入に支障のない大きさとすればよい。なお、この穴18には、図7(b)に示すような跳上げ式の蓋18aを設けておくのが好ましいが、なくてもよい。
[0037]
 以上の説明から明らかなように、本発明に係る防護装置は、X線CT装置を用いる穿刺等の術に際し、X線の外部への散乱を効果的に防止できるものとなった。

符号の説明

[0038]
1      ガントリ
2      ベッド
3      天板
4      支持枠
5      開口部
6      X線管
7      検出器
8      支柱
8a     棚
9      底板
9a     レール
10     防護装置
11     防護フレーム
12     防護シート
13     支持手段(アーム)
14     関節
15     切り目

請求の範囲

[請求項1]
 X線CT装置等、X線装置に設けられているガントリ等の開口部の上部に嵌り込む上に凸な円弧状の防護フレームと、該防護フレームを開口部にあてがって支持することのできる支持手段とを備え、前記円弧状の防護フレームの内側には、開口部を覆う柔軟な防護シートが吊り下げられるとともに、該防護シートには、表側から裏側まで人の腕を挿入することのできる切り目が形成されていることを特徴とするX線装置用防護装置。
[請求項2]
 前記防護フレームは、厚み方向の奥側が部分的にガントリ等の開口部に嵌り込み、手前側部分は当該開口部に嵌まり込まない請求項1に記載のX線装置用防護装置。
[請求項3]
 前記防護フレームは、円弧状の外周が開口部の内周にほぼ隙間なく嵌合するように形成されている請求項1に記載のX線装置用防護装置。
[請求項4]
 支持手段が、防護フレームを3軸方向に移動可能に支持する多関節アームである請求項1乃至3のいずれかに記載のX線装置用防護装置。
[請求項5]
 支持手段である多関節アームの基部が、ガントリ等の側部に設けられ該ガントリ等と一体となって移動する支柱に取り付けられている請求項4に記載のX線装置用防護装置。
[請求項6]
 防護シートが、フレームの下端部よりも下側にまで垂下している請求項1乃至5のいずれかに記載のX線装置用防護装置。
[請求項7]
 防護シートの上下中間部に人の腕を挿入することのできる穴が切り目によって形成されている請求項1乃至4のいずれかに記載のX線装置用防護装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]