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1. WO2021044575 - 冷却装置

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明 細 書

発明の名称 冷却装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

非特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007  

課題を解決するための手段

0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047  

符号の説明

0048  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8  

図面

1A   1B   1C   2A   2B   3   4A   4B   5A   5B   6  

明 細 書

発明の名称 : 冷却装置

技術分野

[0001]
 本発明は、光回折素子などを冷却する冷却装置に関する。

背景技術

[0002]
 フレネルレンズに代表される光回折素子は、光の波動としての性質を利用して、光強度のパターンを変換する光学部品であり、様々な産業領域で用いられている。例えば、フレネルレンズは、一定の波長を持つ光について、波長のピッチでの周期性があることを利用して光を集光する。フレネルレンズは、一般的には肉厚のレンズを薄型化したものとなる。光を集光する機能を有するフレネルレンズ以外にも、現在では、波動工学を活用して、光ビームの形をさまざまに変換する回折素子が多く開発され、用いられている。
[0003]
 非特許文献1記載されているように、この技術の応用先の一つは大出力レーザーであり、レーザー共振器用の光学系や、レーザービーム伝送用の光学系に利用されてきた。代表的な連続的な出力の高出力レーザーは、ガスダイナミックレーザーや化学レーザーであり、いずれも発振波長が赤外域で長波長が特徴である。このため熱線レーザーとして開発されており、ミラー材料は金属反射鏡である。赤外線領域では、誘電体多層膜のような高反射率ミラーはできないので、2%の吸収が存在する。例えば、レーザー装置の出力がメガワット級の場合、2%の吸収で20kの熱入力が定常的に存在することになり、熱的破壊も深刻になる。
[0004]
 光回折素子の熱変形をできるだけ避け、熱破壊を防止するためには、光学基板の材料のみならず、冷却機構で冷却することが必要となる。一例として、レーザー用ミラーの背面に水滴を含む空気を衝突させて、水滴の蒸発熱によって冷却する技術がある。

先行技術文献

非特許文献

[0005]
非特許文献1 : 植田 憲一、「高出力レーザー用補償光学系」、レーザー研究、27巻、2号、84-88頁、1999年。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 上述したように、高出力レーザーでの応用では、冷却機構を用いることが必要になる。しかし、効率のよい冷却を行うためには、例えば、熱源であるレーザー用ミラーを冷却する放熱ラジエーターを大型化しなければならず、冷却機構が大規模化し、使用形態に制限があった。
[0007]
 本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、ハイパワーレーザーに用いられる回折素子などを、より効率的に冷却する小型の冷却装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0008]
 本発明に係る冷却装置は、冷却対象の素子が固定される固定部を備える冷却ジャケットと、冷却ジャケットの中へ冷却用流体が流入する流入口と、冷却ジャケットの中より冷却用流体が流出する流出口と、固定部に固定される素子に接した状態で、冷却ジャケットの中の冷却用流体に接触可能に配置され、冷却ジャケットの中の冷却用流体と固定部との間で熱を伝導させる伝熱部材と、冷却ジャケットの中の冷却用流体と、伝熱部材を介した固定部との間の熱伝導を向上させる機構とを備える。

発明の効果

[0009]
 以上説明したように、本発明によれば、冷却ジャケットの中の冷却用流体と、伝熱部材を介した固定部との間の熱伝導を向上させる機構を設けたので、ハイパワーレーザーに用いられる回折素子などを、より効率的に冷却する小型の冷却装置を提供できる。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1A] 図1Aは、本発明の実施の形態1に係る冷却装置の構成を示す断面図である。
[図1B] 図1Bは、本発明の実施の形態1に係る冷却装置の構成を示す断面図である。
[図1C] 図1Cは、本発明の実施の形態1に係る冷却装置の一部構成を示す断面図である。
[図2A] 図2Aは、本発明の実施の形態2に係る冷却装置の構成を示す断面図である。
[図2B] 図2Bは、本発明の実施の形態2に係る冷却装置の構成を示す断面図である。
[図3] 図3は、本発明の実施の形態3に係る冷却装置の構成を示す断面図である。
[図4A] 図4Aは、本発明の実施の形態4に係る冷却装置の構成を示す断面図である。
[図4B] 図4Bは、本発明の実施の形態4に係る冷却装置の構成を示す断面図である。
[図5A] 図5Aは、本発明の実施の形態5に係る冷却装置の構成を示す断面図である。
[図5B] 図5Bは、本発明の実施の形態5に係る冷却装置の構成を示す断面図である。
[図6] 図6は、本発明の実施の形態6に係る冷却装置の構成を示す断面図である。

発明を実施するための形態

[0011]
 以下、本発明の実施の形態に係る冷却装置について説明する。
[0012]
[実施の形態1]
 はじめに、本発明の実施の形態1に係る冷却装置について、図1A、図1Bを参照して説明する。なお、図1Bは、図1Aのaa’線の断面を示している。また、図1Aは、図1Bのbb’線の断面を示している。
[0013]
 この冷却装置は、冷却用流体を収容する冷却ジャケット101を備える。冷却ジャケット101は、冷却対象の素子107が固定される固定部102を備える。素子107は、例えば、回折素子である。
[0014]
 冷却ジャケット101は、素子107を固定する固定部102を備える治具であり、形状、材質、冷却装置の設置角度、大きさ、長さ、重さは、限定されるものではない。また、固定部102における固定方法なども限定されるものではない。例として、冷却ジャケット101は、直方体の形状で、ある面(固定部102)に素子107を挟むようにして固定する機構を備える。冷却ジャケット101の内部に、冷却用流体を循環させるための経路を備え、固定部102に固定する素子107を、冷却可能としている。冷却ジャケット101は、素子107のサイズに適合させた大きさとすればよく、小型化が可能である。
[0015]
 また、この冷却装置は、冷却ジャケット101の中へ冷却用流体が流入する流入口103と、冷却ジャケット101の中より冷却用流体が流出する流出口104とを備える。流入口103は、冷却ジャケット101の固定部102の面に垂直な第1面に設けられ、流出口104は、第1面とは異なる冷却ジャケット101の固定部102の面に垂直な第2面に設けられている。なお、本実施の形態では、流入口103には、流入継手管108が接続し、流出口104には、流出継手管109が接続している。
[0016]
 流入継手管108および流出継手管109は、形状、材質、角度、大きさなどは限定されるものではない。例えば、流入継手管108,流出継手管109に、内径rのホースを接続して用いる場合、流入継手管108および流出継手管109の形状は、ホースを固定する留め具を装着できるような長さを持ち、外径がrとなる円柱状の形状とすることができる。
[0017]
 また、流入口103および流出口104は、開口の形状、大きさなどを各々異なるものとすることができる。例えば、流入口103と流出口104とは、各々の内径を異なる大きさとすることができる。例えば、流出口104の方が流入口103より大きな内径とすることで、流出口104での管路抵抗を低減することができる。冷却用流体が液体の場合でも、流入量を増加させずに流出量の減少を防ぐことができる。つまり、より冷却用流体が循環しやすくなる。
[0018]
 また、流入継手管108および流出継手管109についても、形状、材質、角度、大きさなどを、各々異なるものとすることができる。例えば、流入口103の内径を流入継手管108の内径より大きくすることで、流入における管路抵抗を低減し、流入量を増加させることができる。また、流入継手管108の管径は、流入口103の径とは異なる寸法とすることができる。同様に、流出継手管109の管径は、流出口104の径とは異なる寸法とすることができる。
[0019]
 また、流出量を増やすために、流出口104の入り口の形状は曲面104aとすることができる(図1C)。広い領域から流出継手管109に流入する場合、流出継手管109の入り口である流出口104において損失が発生する。この損失を低減するには、流出継手管109の入り口となる流出口104の断面形状を直角にするのではなく、断面の形状が曲面を描くように、管径が徐々に広がる形状とすることが望ましい。
[0020]
 一方、流入口103では、逆流を防ぐため損失が大きくなる形状の方が望ましい。損失を大きくするために、流入継手管108の出口がとなる流入口103において、境界面よりも内に入る部分103aを備えるような構造とすることができる。
[0021]
 冷却用流体は、図示しないチラーなどの外部機器により供給される冷媒であり、液体、気体もしくは個体のいずれか一つもしくは複数で構成される。冷却用流体は、外部機器から循環経路を通し、流入継手管108を介して流入口103から冷却ジャケット101に流入し、流出口104から流出し、流出継手管109を介して循環経路を通し、外部機器へと循環する。
[0022]
 また、この冷却装置は、固定部102に固定される素子107に接した状態で、冷却ジャケット101の中の冷却用流体に接触可能に配置され、冷却ジャケット101の中の冷却用流体と固定部102との間で熱を伝導させる伝熱部材105を備える。
[0023]
 伝熱部材105は素子107からの熱を、冷却ジャケット101内部の冷却用流体に伝えるため、素子107および冷却用流体と接している。伝熱部材105と素子107とが、一体となっていても、分かれていてもよい。伝熱部材105の形状、材質、角度、大きさ、重さなどは限定されるものではないが、融点および熱伝導率が高い材質から構成されていることが望ましい。また、素子107および冷却用流体と接している部分の面積が大きい方が望ましい。例えば、素子107の裏面に融点および熱伝導率が高い材質(例えばSiC)をコーティングすることで、伝熱部材105とすることができ、素子107からの熱を効率的に冷却用流体へと伝達することができる。
[0024]
 加えて、実施の形態1に係る冷却装置は、冷却ジャケット101の中の冷却用流体と、伝熱部材105を介した固定部102との間の熱伝導を向上させる機構として、棒状(円柱状)の部材106を備える。部材106は、冷却ジャケット101の内部における冷却用流体の流れる方向に垂直な方向に延在し、固定部102の面に平行とされている。ここで、実施の形態1では、流入口103が設けられている第1面は、面131であり、流出口104が設けられている第2面は、面132であり、互いに向かい合って配置されている。また、部材106は、面133と面134との間に架設されている。面133、面134は、固定部102の面に垂直な面であり、互いに向かい合っている。また、面133、面134は、面131、面132に隣接している。
[0025]
 部材106は、冷却用流体の流れに対して障害となる流体障害部(乱流発生機構)であり、乱流を発生させている部分である。部材106の形状、材質、角度、大きさ、重さ、配置などは、限定されるものではない。上述したように、円柱状の部材106を、冷却ジャケット101の内部で伝熱部材105近傍に配置する。冷却ジャケット101の内部では、伝熱部材105に沿うように、伝熱部材105の面からこれに向かい合う面、もしくは向かい合う面から伝熱部材105の面へと冷却用流体が流れている。部材106は、この流れを遮る形で配置されているため、部材106を通過した冷却用流体は乱流を発生させる。この乱流により熱伝達率が高まるため、部材106の近傍にある伝熱部材105は冷却され、素子107を、より効率的に冷却することができる。
[0026]
 固体中で熱エネルギーが移動する現象である熱伝導と異なり、冷却用流体による熱伝達は、熱エネルギーを持った物体が移動することによってエネルギーを輸送する現象である。冷却用流体による熱伝達によるエネルギーの移動量をQ(W)とし、壁(伝熱部材105)の温度をT w(K)、冷却用流体の温度をT f(K)、伝熱面積をA(m 2)、経過時間を、熱伝達率をh(W/m 2*K)とすると「Q=h(T w-T f)AΔt」と表せられる。
[0027]
 熱伝達率hは、冷却用流体の物性値だけでなく、流れの強さ、様式などの影響を受ける。流れが乱流の場合、流れの中に微細な渦ができている。このため、この渦によって隣り合う流体塊が激しく撹拌あるいは混合されるため、冷却用流体による熱伝達が良くなる。乱流の大きさ(ここでは乱流による流れの乱れの大きさ)は、レイノルズ数の大きさで表現される。大局的な流れとは異なった流れが生じる、つまり流体に速度差があると流れが乱れ、乱れが大きくなると、乱流が発生する。
[0028]
[実施の形態2]
 次に、本発明の実施の形態2に係る冷却装置について、図2A、図2Bを参照して説明する。なお、図2Bは、図2Aのaa’線の断面を示している。また、図2Aは、図2Bのbb’線の断面を示している。この冷却装置は、冷却ジャケット101、流入口103、流出口104、伝熱部材105を備える。これらの構成は、前述した実施の形態1と同様であり、冷却ジャケット101は、冷却対象の素子107が固定される固定部102を備える。また、流入口103には、流入継手管108が接続し、流出口104には、流出継手管109が接続している。
[0029]
 加えて、実施の形態2に係る冷却装置は、冷却ジャケット101の中の冷却用流体と、伝熱部材105を介した固定部102との間の熱伝導を向上させる機構として、回転翼(撹拌子)116を備える。回転翼116は、例えば、流入口103の近傍に配置されている。回転翼116は、可動可能とされた流体障害部である。回転翼116により、流入口103より冷却ジャケット101に流入した冷却用流体に回転運動を起こすことができる。回転翼116の回転運動により冷却用流体が撹拌され、伝熱部材105での熱伝達効率が上昇する。また、回転翼116の回転方向を、自動制御により短時間で変えることで、より強く撹拌され、熱伝達効率が上昇する。
[0030]
[実施の形態3]
 次に、本発明の実施の形態3に係る冷却装置について、図3を参照して説明する。この冷却装置は、冷却ジャケット101、流入口113、流出口104、伝熱部材105を備える。前述した実施の形態1と同様であり、冷却ジャケット101は、冷却対象の素子107が固定される固定部102を備える。また、流入口113には、流入継手管118が接続し、流出口104には、流出継手管109が接続している。
[0031]
 ここで、実施の形態3に係る冷却装置は、冷却ジャケット101の中の冷却用流体と、伝熱部材105を介した固定部102との間の熱伝導を向上させる機構として、流入継手管118を備える。流入継手管118は、管軸の方向が伝熱部材105の方向とされている。
[0032]
 実施の形態3によれば、流入継手管118が、管軸の方向が伝熱部材105の方向とされているので、流入口113から流入する冷却用流体の流れが、伝熱部材105の表面へ、直接ぶつかるような状態となる。これにより、例えば、冷却されている冷却用流体が、温度の低下を抑制した状態で、伝熱部材105へ接する状態とすることができる。この結果、冷却用流体と伝熱部材105との間の温度差を、より大きくすることができ、熱流量も大きくなる。
[0033]
 また、実施の形態3によれば、流入口113より、面131の法線方向に対して斜めに冷却用流体が流入するので、冷却ジャケット101の内部に乱流を発生させることができる。乱流を発生させるためには、流れに速度差を生じさせることが重要である。冷却ジャケット101の内部の冷却用流体の流れは、壁面に近いほど、摩擦抵抗によって流速が遅くなり、壁から遠いほど流速は早くなる。この状態において、壁面に近い箇所に、流入口113から常に流速の大きい冷却用流体を流入することで速度差が生じ、乱流が発生する。
[0034]
 実施の形態3によれば、流入継手管118の管軸の方向を、流入口113が設けられている面131に隣接する面の伝熱部材105の方向としている。この構成とすることで、冷却ジャケット101内において、冷却用流体の流れに、複数方向への速度ベクトルを生じさせ、それぞれの方向に対して速度差を発生させることができる。この結果、冷却ジャケット101内の冷却用流体に、より大きな乱流を発生させることができる。
[0035]
[実施の形態4]
 次に、本発明の実施の形態4に係る冷却装置について、図4A、図4Bを参照して説明する。なお、図4Bは、図4Aのaa’線の断面を示している。また、図4Aは、図4Bのbb’線の断面を示している。この冷却装置は、冷却ジャケット101、流入口103、流出口104、伝熱部材105を備える。これらの構成は、前述した実施の形態1と同様であり、冷却ジャケット101は、冷却対象の素子107が固定される固定部102を備える。
[0036]
 実施の形態4では、流入口123a、流入口123bと、2つの流入口を備える。一方の流入口123aは、冷却ジャケット101の流出口104が設けられている面132に垂直な面(第1面)133に設けられ、他方の流入口123bは、面133に向かい合う面(第3面)134に設けられている。
[0037]
 また、流入口123aに接続する流入継手管128aは、管軸の方向が伝熱部材105に向かい合う冷却ジャケット101の面の方向とされ、流入口123bに接続する流入継手管128bは、管軸の方向が伝熱部材105の配置されている方向とされている。このように、複数の流入箇所を設けることで、乱流の発生源を増やすことで、発生する乱流をより大きくすることができる。また、実施の形態4によれば、流入口123aからの流入方向と、流入口123bからの流入方向とを、冷却ジャケット101内の略中心部を中心とした円上としたので、冷却ジャケット101内の冷却用流体に回転運動を生じさせることができる。
[0038]
 例えば、伝熱部材105の平面に平行な面の断面積に対し、面132に平行な面の断面積が小さい場合、角運動量保存則により、面132に平行な面における回転運動を生じさせた方が、回転運動による冷却用流体の流速は早くなる。冷却用流体の流速が高いほど、熱伝達率は高くなるため、実施の形態4によれば、冷却用流体と伝熱部材105との間の熱流量をより大きくすることができる。
[0039]
[実施の形態5]
 次に、本発明の実施の形態5に係る冷却装置について、図5A、図5Bを参照して説明する。なお、図5Bは、図5Aのaa’線の断面を示している。また、図5Aは、図5Bのbb’線の断面を示している。この冷却装置は、冷却ジャケット111、流入口103、流出口104、伝熱部材105を備える。冷却ジャケット111は、冷却対象の素子107が固定される固定部102を備える。また、流入口103には、流入継手管108が接続し、流出口104には、流出継手管109が接続している。冷却ジャケット111以外は、前述した実施の形態1と同様である。
[0040]
 実施の形態5では、冷却ジャケット111の中の冷却用流体と、伝熱部材105を介した固定部102との間の熱伝導を向上させる機構として、冷却ジャケット111の内部の隅111aが、丸められている。言い換えると、冷却ジャケット111の内部の断面形状が、略楕円形とされている。このように、冷却ジャケット111の内部の隅111aを丸めることで、流入口103から流出口104へかけての、冷却用流体が流れる管断面が緩やかに変化し、流入口103および流出口104での冷却用流体の流れの変化も緩やかになる。これにより、冷却用流体のエネルギー損失が減少し、冷却ジャケット111の冷却用流体の流速が上がり、冷却用流体が混ざりやすくなる。この結果、冷却ジャケット111の内部では、冷却用流体の移動が増えて熱流量も大きくなる。
[0041]
[実施の形態6]
 次に、本発明の実施の形態6に係る冷却装置について、図6を参照して説明する。この冷却装置は、冷却ジャケット101、流入口103、流出口104、伝熱部材105を備える。これらの構成は、前述した実施の形態1と同様であり、冷却ジャケット101は、冷却対象の素子107が固定される固定部102を備える。また、流入口103には、流入継手管108が接続し、流出口104には、流出継手管109が接続している。
[0042]
 加えて、実施の形態6に係る冷却装置は、冷却ジャケット101の中の冷却用流体と、伝熱部材105を介した固定部102との間の熱伝導を向上させる機構として、伝熱部材105の冷却ジャケット101の内側を向く面に、複数のフィン126を設けている。フィン126は、例えば、柱状の構造体である。フィン126は、例えば、伝熱部材105と同一の材料から構成することができる。複数のフィン126を設けることで、伝熱部材105と冷却用流体とが接する面積が増え、より大きな放熱効果が得られる。
[0043]
 例えば、伝熱部材105の材質をSiC、伝熱部材105の厚さを1mm、冷却用流体を水、伝熱部材105および冷却用流体と伝熱部材105と間の伝熱面積を100cm 2とする。SiCの熱伝導率は200(W/mK)であり、流れる水による熱伝達率は、約300~10000(W/m 2K)である。物体1と物体2間の熱流量Q’(W)は物体1の温度をT 1(K)、物体2の温度をT 2(K)、熱抵抗の合計をR(K/W)とするとQ’=T 1-T 2/Rと表される。また、熱抵抗は固体内では、厚さをL(m)、熱伝導率をk(W/m *K)とするとR=L/kAと表せられる。個体と流体との間では、R=1/kAと表せられる。このため、実施の形態に係る冷却装置の冷却性能は、伝熱部材105の熱抵抗よりも、冷却用流体と伝熱部材105と間の熱抵抗の方が支配的である。
[0044]
 従って、冷却用流体と伝熱部材105と間の熱抵抗を減らす、つまり、これらの間の接触する面積を増やすことで、冷却用流体と伝熱部材105と間の伝達効率を上げられる。流れる水による熱伝達率を2000(W/m 2*K)とすると、伝熱部材105の熱抵抗は0.05(K/W)、冷却用流体(水)と伝熱部材105との間の熱抵抗は5(K/W)となる。熱流量(W)は温度差/熱抵抗で表されるため、温度差を100(K)とすると、熱流量は約20Wとなる。
[0045]
 一方、複数のフィン126を設けることで、冷却用流体と伝熱部材105との間の面積を40倍に増加させれば、冷却用流体と伝熱部材105との間の熱抵抗は1/40になり、熱流量は約570Wとなり、より大きくすることができる。
[0046]
 以上に説明したように、本発明によれば、冷却ジャケットの内部における冷却用流体の流れる方向に垂直な方向に延在し、固定部の面に平行とされた棒状の部材、流入口に接続し、管軸の方向が伝熱部材の方向とされた継手管、2つの流入口、内部の隅が丸められている冷却ジャケット、冷却ジャケットの内部に設けられた撹拌子、伝熱部材の冷却ジャケットの内側を向く面に設けられたフィンなどの、冷却ジャケットの中の冷却用流体と、伝熱部材を介した固定部との間の熱伝導を向上させる機構を設けたので、ハイパワーレーザーに用いられる回折素子などを、より効率的に冷却する小型の冷却装置を提供できる。
[0047]
 なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。棒状の部材、管軸の方向が伝熱部材の方向とされた継手管、2つの流入口、内部の隅が丸められている冷却ジャケット、冷却ジャケットの内部に設けられた撹拌子、伝熱部材の冷却ジャケットの内側を向く面に設けられたフィンのいずれかを組み合わせることも可能である。

符号の説明

[0048]
 101…冷却ジャケット、102…固定部、103…流入口、103a…部分、104…流出口、104a…曲面、105…伝熱部材、106…部材、107…素子、108…流入継手管、109…流出継手管、111…冷却ジャケット、113…流入口、116…回転翼(撹拌子)、118…流入継手管、123a…流入口、123b…流入口、126…フィン、128a…流入継手管、128b…流入継手管、131…面、132…面、133…面、134…面。

請求の範囲

[請求項1]
 冷却対象の素子が固定される固定部を備える冷却ジャケットと、
 前記冷却ジャケットの中へ冷却用流体が流入する流入口と、
 前記冷却ジャケットの中より冷却用流体が流出する流出口と、
 前記固定部に固定される素子に接した状態で、前記冷却ジャケットの中の冷却用流体に接触可能に配置され、前記冷却ジャケットの中の冷却用流体と前記固定部との間で熱を伝導させる伝熱部材と、
 前記冷却ジャケットの中の冷却用流体と、前記伝熱部材を介した前記固定部との間の熱伝導を向上させる機構と
 を備える冷却装置。
[請求項2]
 請求項1記載の冷却装置において、
 前記流入口は、前記冷却ジャケットの前記固定部の面に垂直な第1面に設けられ、
 前記流出口は、第1面とは異なる前記冷却ジャケットの前記固定部の面に垂直な第2面に設けられ、
 前記機構は、前記冷却ジャケットの内部における冷却用流体の流れる方向に垂直な方向に延在し、前記固定部の面に平行とされた棒状の部材から構成されている
 ことを特徴とする冷却装置。
[請求項3]
 請求項1または2記載の冷却装置において、
 前記機構は、前記流入口に接続し、管軸の方向が前記伝熱部材の方向とされた継手管から構成されていることを特徴とする冷却装置。
[請求項4]
 請求項3記載の冷却装置において、
 前記流入口は、前記冷却ジャケットの前記流出口が設けられている面に垂直な第1面に設けられていることを特徴とする冷却装置。
[請求項5]
 請求項4記載の冷却装置において、
 2つの前記流入口を備え、
 一方の前記流入口は、前記冷却ジャケットの前記流出口が設けられている面に垂直な第1面に設けられ、
 他方の前記流入口は、第1面に向かい合う第3面に設けられ、
 一方の前記流入口に接続する継手管は、管軸の方向が前記伝熱部材に向かい合う前記冷却ジャケットの面の方向とされ、
 他方の前記流入口に接続する継手管は、管軸の方向が前記伝熱部材の配置されている方向とされている
 ことを特徴とする冷却装置。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれか1項に記載の冷却装置において、
 前記機構は、内部の隅が丸められている前記冷却ジャケットから構成されていることを特徴とする冷却装置。
[請求項7]
 請求項1~6のいずれか1項に記載の冷却装置において、
 前記機構は、前記冷却ジャケットの内部に設けられた撹拌子から構成されていることを特徴とする冷却装置。
[請求項8]
 請求項1~7のいずれか1項に記載の冷却装置において、
 前記機構は、前記伝熱部材の前記冷却ジャケットの内側を向く面に設けられたフィンから構成されていることを特徴とする冷却装置。

図面

[ 図 1A]

[ 図 1B]

[ 図 1C]

[ 図 2A]

[ 図 2B]

[ 図 3]

[ 図 4A]

[ 図 4B]

[ 図 5A]

[ 図 5B]

[ 図 6]