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1. WO2020166240 - 陽極酸化処理方法および異方導電性部材の製造方法

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明 細 書

発明の名称 陽極酸化処理方法および異方導電性部材の製造方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008   0009  

発明の効果

0010  

図面の簡単な説明

0011  

発明を実施するための形態

0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185  

実施例

0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194   0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207  

符号の説明

0208  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19   20   21   22   23   24   25   26   27   28   29   30   31   32   33   34   35   36   37   38   39   40   41   42   43   44   45   46   47   48   49   50  

明 細 書

発明の名称 : 陽極酸化処理方法および異方導電性部材の製造方法

技術分野

[0001]
 本発明は、バルブ金属の陽極酸化処理方法、および、陽極酸化処理により得られた陽極酸化膜のマイクロポアに導電性材料が充填された異方導電性部材の製造方法に関し、特に、陽極酸化膜のマイクロポアの直管性が良好な陽極酸化処理方法および異方導電性部材の製造方法に関する。

背景技術

[0002]
 絶縁性基材に設けられた複数の貫通孔に金属等の導電性物質が充填されてなる構造体は、近年ナノテクノロジーでも注目されている分野のひとつであり、例えば、異方導電性部材としての用途が期待されている。
 異方導電性部材は、半導体素子等の電子部品と回路基板との間に挿入し、加圧するだけで電子部品と回路基板間の電気的接続が得られるため、半導体素子等の電子部品等の電気的接続部材、および機能検査を行う際の検査用コネクタ等として広く使用されている。
 特に、半導体素子等の電子部品は、ダウンサイジング化が顕著である。従来のワイヤーボンディングのような配線基板を直接接続する方式、フリップチップボンディング、およびサーモコンプレッションボンディング等では、電子部品の電気的な接続の安定性を十分に保証することができないため、電子接続部材として異方導電性部材が注目されている。
[0003]
 例えば、特許文献1には、1000万個/mm 2以上の密度でマイクロポア貫通孔を有する基材からなり、一部のマイクロポア貫通孔が、基材の材料以外の物質で充填されている、微細構造体の製造方法が記載されている。特許文献1の微細構造体の製造方法では、基材がアルミナであり、アルミニウム基板に、少なくとも、(A)陽極酸化処理によりマイクロポアを有する酸化皮膜を形成する処理、(B)上述の(A)処理で得られた酸化皮膜から、アルミニウムを除去する処理、(C)上述の(B)処理でアルミニウムが除去された酸化皮膜に存在するマイクロポアの一部を貫通させる処理、(D)上述の(C)処理で貫通させたマイクロポア内に、酸化皮膜以外の物質を充填させる処理、(E)上述の(D)処理後の酸化皮膜の表面および裏面を、化学機械研磨処理によって平滑化する表面平滑化処理、をこの順に施している。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2013-167023号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 上述の特許文献1の微細構造体の製造方法では、陽極酸化処理によりマイクロポアを有する酸化皮膜を形成することができる。
 しかしながら、陽極酸化処理の条件によっては、マイクロポアが分岐したり、斜めになったりする等、真っ直ぐなマイクロポアができにくくなる。マイクロポアが分岐したり、斜めになったりした場合、マイクロポア内に酸化皮膜以外の物質の充填を試みても、マイクロポア内に十分に充填ができず充填欠陥が生じる。これにより、例えば、金属等の導電性材料を充填する場合、充填欠陥により健全な導通路を得ることができない。
[0006]
 本発明の目的は、真っ直ぐなマイクロポアを形成することができる陽極酸化処理方法、および導電性材料の充填欠陥を抑制した異方導電性部材の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0007]
 上述の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、バルブ金属板の表面に複数回の陽極酸化処理を施し、バルブ金属板の厚み方向に存在するマイクロポアと、マイクロポアの底部に存在するバリア層とを有する陽極酸化膜を、バルブ金属板の表面に形成する陽極酸化処理方法であって、複数回の陽極酸化処理のうち、2回目以降の陽極酸化処理の工程は、電流増加期間と電流維持期間とが連続しており、電流増加期間は、電流増加量が毎秒0アンペア毎平方メートル超、毎秒0.2アンペア毎平方メートル以下であり、かつ10分以下の期間であり、電流維持期間は、電流が一定値に維持され、一定値は、電流増加期間における最大電流値以下である、陽極酸化処理方法を提供するものである。
[0008]
 電流増加期間では、バルブ金属板に印加する電圧を段階的に増加させることが好ましい。
 バルブ金属板に対向して、対向電極が配置されており、導電性の負荷部材がバルブ金属板に対して電気的に並列に接続されていることが好ましい。
 複数回の陽極酸化処理のうち、1回目の陽極酸化処理の工程は、一定の電圧で実施されることが好ましい。
 バルブ金属板は、アルミニウム基板であることが好ましい。
[0009]
 本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の陽極酸化処理方法により得られた、マイクロポアを有する陽極酸化膜に対して、陽極酸化膜のマイクロポア中に導電性材料を充填する工程を有する、異方導電性部材の製造方法を提供する。
 陽極酸化膜のマイクロポア中に導電性材料を充填する工程の前に、陽極酸化膜から、バルブ金属板を除去する工程と、バルブ金属板が除去された陽極酸化膜に存在するマイクロポアを貫通させる工程とを有することが好ましい。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、真っ直ぐなマイクロポアを有する陽極酸化膜を得ることができる。また、導電性材料の充填欠陥を抑制した異方導電性部材を得ることができる。

図面の簡単な説明

[0011]
[図1] 陽極酸化処理時の電流変化を示すグラフである。
[図2] 本発明の実施形態の陽極酸化処理時の電流変化を示すグラフである。
[図3] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第1態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図4] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第1態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図5] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第1態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図6] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第1態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図7] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第1態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図8] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第2態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図9] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第2態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図10] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第2態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図11] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第3態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図12] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第3態様の一工程を示す模式的断面図である。
[図13] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第3態様で製造される異方導電性部材の供給形態の一例を示す模式図である。
[図14] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第3態様で製造される異方導電性部材の供給形態の一例の要部を拡大して示す模式図である。
[図15] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程に用いられる陽極酸化処理装置の一例を示す模式図である。
[図16] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程の電流パターンの第1の例を示すグラフである。
[図17] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程の電流パターンの第2の例を示すグラフである。
[図18] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程の電圧パターンの一例を示すグラフである。
[図19] 本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程に用いられる陽極酸化処理装置の他の例を示す模式図である。
[図20] 本発明の実施形態の異方導電性部材の一例を示す平面図である。
[図21] 本発明の実施形態の異方導電性部材の一例を示す模式的断面図である。
[図22] 本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた異方導電材の構成の一例を示す模式的断面図である。
[図23] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの第1の例を示す模式図である。
[図24] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの第2の例を示す模式図である。
[図25] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの製造方法の一工程を示す模式的断面図である。
[図26] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの製造方法の一工程を示す模式的断面図である。
[図27] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの製造方法の一工程を拡大して示す模式的断面図である。
[図28] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの本接合条件の第1の例を示すグラフである。
[図29] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの本接合条件の第2の例を示すグラフである。
[図30] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの本接合条件の第3の例を示すグラフである。
[図31] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの本接合条件の第4の例を示すグラフである。
[図32] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの本接合条件の第5の例を示すグラフである。
[図33] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの本接合条件の第6の例を示すグラフである。
[図34] 本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの本接合条件の第7の例を示すグラフである。
[図35] 半導体パッケージの第1の例を示す模式的断面図である。
[図36] 半導体パッケージの第2の例を示す模式的断面図である。
[図37] 半導体パッケージの第3の例を示す模式的断面図である。
[図38] 半導体パッケージの第4の例を示す模式的断面図である。
[図39] 半導体パッケージの第5の例を示す模式的断面図である。
[図40] 半導体パッケージ基板を積層した構成を示す模式的断面図である。
[図41] 半導体パッケージの第6の例を示す模式的断面図である。
[図42] 半導体パッケージの第7の例を示す模式的断面図である。
[図43] 同軸構造を説明するための模式的断面図である。
[図44] 同軸構造を説明するための模式的平面図である。
[図45] 本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第1の例を示す模式図である。
[図46] 本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第2の例を示す模式図である。
[図47] 本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第3の例を示す模式図である。
[図48] 本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第4の例を示す模式図である。
[図49] 本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第5の例を示す模式図である。
[図50] 本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第6の例を示す模式図である。

発明を実施するための形態

[0012]
 以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の陽極酸化処理方法および異方導電性部材の製造方法を詳細に説明する。
 なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
 なお、以下において数値範囲を示す「~」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α~数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
 「直交」等の角度は、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。また、温度について、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
[0013]
 図1は陽極酸化処理時の電流変化を示すグラフであり、図2は本発明の実施形態の陽極酸化処理時の電流変化を示すグラフである。
 陽極酸化処理を実施する際、電圧投入時に図1に示すように、電流が急激に立ち上り、定常電流値よりも高い電流値の領域Peが発生する。この電流の急激な立ち上りが原因となり、バルブ金属を陽極酸化処理することによりマイクロポアを形成する場合、真っ直ぐなマイクロポアができにくくなる。この現象に対して、図2に示すように、電圧投入時の電流の立ち上りを緩やかにすることにより、具体的には、電流増加量を毎秒0アンペア毎平方メートル(0A/(m ・秒))超、毎秒0.2アンペア毎平方メートル(0.2A/(m ・秒))以下にすることにより、真っ直ぐなマイクロポアを形成できる知見を得た。更に、真っ直ぐなマイクロポアを形成することにより、マイクロポアへの金属充填時の充填欠陥の抑制を図ることができる。
 以下、陽極酸化処理方法および異方導電性部材の製造方法について、具体的に説明する。
[0014]
 <第1態様>
 図3~図7は、本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第1態様を工程順に示す模式的断面図である。
 異方導電性部材は、バルブ金属板の表面に複数回の陽極酸化処理を施して得られるものである。異方導電性部材は、バルブ金属の陽極酸化膜からなる絶縁性基材を有するものである。バルブ金属はアルミニウム等であるが、アルミニウムに特に限定されるものではないが、絶縁性基材として、アルミニウムの陽極酸化膜を例に説明する。このため、以下の説明では、バルブ金属板としてアルミニウム基板を例にして説明する。
[0015]
 まず、図3に示すように、アルミニウム基板10を用意する。
 アルミニウム基板10は、最終的に得られる異方導電性部材20(図7参照)の陽極酸化膜14の厚み、すなわち、絶縁性基材の厚み、加工する装置等に応じて大きさおよび厚みが適宜決定されるものである。アルミニウム基板10は、例えば、矩形状の板材である。
[0016]
 次に、アルミニウム基板10の片側の表面10a(図3参照)に、複数回の陽極酸化処理を施す。すなわち、繰り返し陽極酸化処理を施す。これにより、アルミニウム基板10の片側の表面10a(図3参照)が陽極酸化されて、図4に示すように、アルミニウム基板10の厚み方向Dtに延在して存在する複数のマイクロポア12の底部に存在するバリア層13を有する陽極酸化膜14が、アルミニウム基板10の表面10aに形成される。上述の複数回の陽極酸化処理を施す工程を陽極酸化処理工程という。陽極酸化処理工程については、後に詳細に説明する。
 複数のマイクロポア12を有する陽極酸化膜14には、上述のようにマイクロポア12の底部にバリア層13が存在するが、図5に示すようにバリア層13を除去する。このバリア層13を除去する工程をバリア層除去工程という。
[0017]
 バリア層除去工程において、アルミニウムよりも水素過電圧の高い金属M1のイオンを含むアルカリ水溶液を用いることにより、陽極酸化膜14のバリア層13を除去すると同時に、マイクロポア12の底部に、例えば、導電性材料である金属(金属M1)からなる金属層15aを形成する。これにより、マイクロポア12の底のアルミニウム基板10は金属層15aで被覆される。
 図5に示す複数のマイクロポア12を有する陽極酸化膜14、すなわち、複数のマイクロポアを有する絶縁性基材のことを、構造体17という。
[0018]
 次に、図6に示すように、陽極酸化膜14のマイクロポア12の内部に、導電性材料として、例えば、金属15bを充填する。マイクロポア12の内部に金属15bを充填することにより、導電性を有する導通路16が形成される。この場合、金属(金属M1)からなる金属層15aを電解めっきの電極として用いることができる。
 マイクロポア12の内部に金属15bを充填することを金属充填工程という。金属充填工程には、電解めっきが用いられ、金属充填工程については後に詳細に説明する。なお、充填するものは、導電性材料であればよく、金属に限定されない。
 金属充填工程の後に、図7に示すようにアルミニウム基板10を除去する。これにより、異方導電性部材20が得られる。アルミニウム基板10を除去する工程を基板除去工程という。
[0019]
 金属充填工程の前のバリア層除去工程において、アルミニウムよりも水素過電圧の高い金属M1のイオンを含むアルカリ水溶液を用いてバリア層を除去することにより、バリア層13を除去するだけでなく、マイクロポア12の底部に露出したアルミニウム基板10にアルミニウムよりも水素ガスが発生しにくい金属M1の金属層15aが形成される。その結果、金属充填の面内均一性が良好となる。これは、めっき液による水素ガスの発生が抑制され、電解めっきによる金属充填が進行しやすくなったと考えられる。
 また、バリア層除去工程において、陽極酸化処理工程における電圧の30%未満の範囲から選択される電圧(保持電圧)の95%以上105%以下の電圧に通算5分以上保持する保持工程を設け、金属M1のイオンを含むアルカリ水溶液を適用することを組み合わせることにより、めっき処理時の金属充填の均一性が大きく良化することを見出している。
 詳しいメカニズムは不明だが、バリア層除去工程において、金属M1のイオンを含むアルカリ水溶液を用いることでバリア層下部に金属M1の層が形成され、これによりアルミニウム基板と陽極酸化膜との界面がダメージを受けることを抑制することができ、バリア層の溶解の均一性が向上したためと考えられる。
[0020]
 なお、バリア層除去工程において、マイクロポア12の底部に金属(金属M1)からなる金属層15aを形成したが、これに限定されるものではなく、バリア層13だけを除去し、マイクロポア12の底にアルミニウム基板10を露出させる。アルミニウム基板10を露出させた状態で、アルミニウム基板10を電解めっきの電極として用いてもよい。
[0021]
 <第2態様>
 図8~図10は、本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第2態様を工程順に示す模式的断面図である。
 なお、図8~図10において、図3~図7に示す構成と同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、図8は、上述の図6の後の状態を示す。
 第2態様は、上述の第1態様に比して、以下に示す工程が異なる。図8に示すように、金属充填工程の後に陽極酸化膜14のアルミニウム基板10が設けられていない側の表面を厚み方向に一部除去し、金属充填工程で充填した金属15を陽極酸化膜14の表面よりも突出させる。すなわち、導通路16を陽極酸化膜14の表面よりも突出させる。充填した金属15を陽極酸化膜14の表面よりも突出させることを、表面金属突出工程という。
 表面金属突出工程の後に、図9に示すようにアルミニウム基板10を除去する(基板除去工程)。
[0022]
 次に、図10に示すように、基板除去工程の後に陽極酸化膜14のアルミニウム基板10が設けられていた側の表面を厚み方向に一部除去し、金属充填工程で充填した金属15、すなわち、導通路16を陽極酸化膜14の表面よりも突出させる。これにより、図10に示す異方導電性部材20が得られる。
 上述の表面金属突出工程および裏面金属突出工程は、両方の工程を有する態様であってもよいが、表面金属突出工程および裏面金属突出工程のうち、一方の工程を有する態様であってもよい。表面金属突出工程および裏面金属突出工程をまとめて「金属突出工程」ともいう。
[0023]
 <第3態様>
 図11および図12は、本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法の第3態様を工程順に示す模式的断面図である。
 なお、図11および図12において、図3~図7に示す構成と同一構成物には、同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、図11は、上述の図6の後の状態を示す。
 第3態様は、上述の第1態様に比して、以下に示す工程が異なる。図11に示すように、金属充填工程の後に陽極酸化膜14のアルミニウム基板10が設けられていない側の表面に樹脂層19を設ける。樹脂層19を設けることを樹脂層形成工程という。
[0024]
 次に、図12に示すように、樹脂層形成工程の後にアルミニウム基板10を除去する(基板除去工程)。これにより、図7に示す異方導電性部材20が得られる。
 第3態様では、図13に示すように製造された異方導電性部材20が巻き芯21にロール状に巻き取られた状態で供給することを意図した態様である。異方導電性部材20の使用時に樹脂層19(図14参照)を剥離することにより、例えば、異方導電性部材として使用することができる。
[0025]
 <他の態様>
 製造方法としては、例えば、上述の陽極酸化処理工程、保持工程、バリア層除去工程、金属充填工程、表面金属突出工程、樹脂層形成工程、基板除去工程および裏面金属突出工程をこの順に実施してもよい。
 また、所望の形状のマスク層を用いてアルミニウム基板の表面の一部に陽極酸化処理を施してもよい。
[0026]
〔絶縁性基材〕
 絶縁性基材は、バルブ金属の陽極酸化膜で構成される。バルブ金属の陽極酸化膜は、所望の平均開口径を有するマイクロポアが貫通孔として形成され、導電性を有する導通路を形成しやすいため好ましい。
 バルブ金属は、具体的には、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。これらのうち、寸法安定性がよく、比較的安価であることからアルミニウムの陽極酸化膜(基材)であることが好ましい。このため、アルミニウム基板を用いて、絶縁性基材である陽極酸化膜を形成し、異方導電性部材を製造することが好ましい。
[0027]
〔アルミニウム基板〕
 アルミニウム基板は、特に限定されず、その具体例としては、純アルミニウム板;アルミニウムを主成分とし微量の異元素を含む合金板;低純度のアルミニウム(例えば、リサイクル材料)に高純度アルミニウムを蒸着させた基板;シリコンウエハ、石英、ガラス等の表面に蒸着、スパッタ等の方法により高純度アルミニウムを被覆させた基板;アルミニウムをラミネートした樹脂基板;等が挙げられる。
[0028]
 アルミニウム基板のうち、陽極酸化処理工程により陽極酸化膜を設ける表面は、アルミニウム純度が、99.5質量%以上であることが好ましく、99.9質量%以上であることがより好ましく、99.99質量%以上であることが更に好ましい。アルミニウム純度が上述の範囲であると、マイクロポア配列の規則性が十分となる。
[0029]
 また、本発明においては、アルミニウム基板のうち陽極酸化処理工程を施す片側の表面は、予め熱処理、脱脂処理および鏡面仕上げ処理が施されることが好ましい。
 ここで、熱処理、脱脂処理および鏡面仕上げ処理については、特開2008-270158号公報の[0044]~[0054]段落に記載された各処理と同様の処理を施すことができる。
[0030]
〔陽極酸化処理工程〕
 陽極酸化工程は、上述のバルブ金属板の表面に、複数回の陽極酸化処理を施すことにより、上述のバルブ金属板の表面に、バルブ金属板の厚み方向に存在するマイクロポアと、マイクロポアの底部に存在するバリア層とを有する陽極酸化膜を、バルブ金属板の表面に形成する工程である。具体的には、陽極酸化工程は、上述のように、バルブ金属板であるアルミニウム基板の表面に、複数回の陽極酸化処理を施すことにより、上述のアルミニウム基板の表面に、アルミニウム基板の厚み方向に存在するマイクロポアと、マイクロポアの底部に存在するバリア層とを有する陽極酸化膜を形成する工程である。
 陽極酸化工程では、複数回の陽極酸化処理を施すが、2回目以降の陽極酸化処理において、上述の図2に示すように電流の立ち上りを調整して、緩やかにしている。
[0031]
 ここで、図15は本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程に用いられる陽極酸化処理装置の一例を示す模式図である。
 図16は本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程の電流パターンの第1の例を示すグラフであり、図17は本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程の電流パターンの第2の例を示すグラフである。
 図18は本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程の電圧パターンの一例を示すグラフである。
 また、図19は本発明の実施形態の異方導電性部材の製造方法のうち、陽極酸化処理工程に用いられる陽極酸化処理装置の他の例を示す模式図である。
[0032]
 図15に示す陽極酸化処理装置30は、電解槽32と、対向電極34と、電源部36と、制御部38と、電流計39とを有する。電解槽32に、上述のアルミニウム基板10が、対向電極34に対向して配置される。また、電解槽32内には電解液AQが満たされており、かつアルミニウム基板10と対向電極34とが浸漬される。アルミニウム基板10は、上述のように陽極酸化処理される対象物である。
 電源部36は、アルミニウム基板10と対向電極34とに電気的に接続されており、アルミニウム基板10に電流または電圧を印加するものである。
[0033]
 制御部38は、電源部36に接続され、電源部36を制御するものである。制御部38により、電源部36が印加する電流の電流値、タイミングおよび期間が制御される。
 制御部38には、例えば、印加する電流の電流パターンが複数記憶されており、いずれかの電流パターンで電源部36からアルミニウム基板10に電流を印加する。
 なお、電源部36に制御部38の機能を持たせてもよく、この場合、制御部38は不要である。また、印加する電流の電流パターンのことを電流制御パターンともいう。
 また、制御部38には、例えば、印加する電圧の電圧パターンが複数記憶されており、いずれかの電圧パターンで電源部36からアルミニウム基板10に電圧を印加する構成でもよい。なお、電圧を印加する場合でも、上述のように電源部36に制御部38の機能を持たせてもよい。印加する電圧の電圧パターンのことを電圧制御パターンともいう。
 また、電源部36とアルミニウム基板10との間に電流計39が設けられており、電流計39により、アルミニウム基板10に流れる電流の電流値を得ることができる。電流計39からの電流値を制御部38に出力し、電流計39からの電流に基づき、制御部38にて、アルミニウム基板10に印加する電流または電圧を調整するフィードバック制御を実施することもできる。なお、電流計39に加えて、電圧計を設けてもよい。
[0034]
 陽極酸化処理工程では、図15に示す電解槽32内に、アルミニウム基板10と、対向電極34とを対向して配置する。そして、電解槽32内を電解液AQで満たす。
 次に、制御部38から出力された電流パターンに基づき、電源部36からアルミニウム基板10および対向電極34に電流を印加する。複数回の陽極酸化処理を施すが、2回目以降の陽極酸化処理において、上述の図1に示すように電流が急激に立ち上がることを避ける必要がある。2回目以降の陽極酸化処理において、上述の図2に示すように電圧投入時の電流の立ち上りを緩やかにする。すなわち、電流の立ち上り時に、電流増加量を毎秒0アンペア毎平方メートル超、毎秒0.2アンペア毎平方メートル以下にする。
[0035]
 図16および図17は、2回分の陽極酸化処理の工程を示しているが、陽極酸化処理は複数回であればよく、2回に限定されるものではない。なお、図16および図17に示す符号Tは陽極酸化処理時間である。
 1回目の陽極酸化処理B は、特に限定されるものではなく、例えば、一般的な陽極酸化処理と同じものである。この場合、例えば、40V等の一定の電圧で実施される。このため、図16に示すように一定の電流値となる。
[0036]
 2回目の陽極酸化処理B は、電流増加期間と電流維持期間とが連続しており、かつ電流増加期間は、10分以下の期間である。2回目の陽極酸化処理B では、電流値を連続的に高くして、陽極酸化処理を実施する。
 2回目の陽極酸化処理B において、立ち上り部Ruの立ち上り時間をTuとし、定常部Rsの定常時間をTsとするとき、陽極酸化処理時間Tは、T=Tu+Tsである。
 定常部Rsとは、予め定められた定常電気的に維持された領域を示す。
[0037]
 立ち上り部Ruは、電流がゼロの状態から電流が最大値Imになる迄の領域であり、上述の電流増加量で電流値が増加される領域である。
 立ち上り部Ruが電流増加期間であり、電流増加量が上述のように毎秒0アンペア毎平方メートル超、毎秒0.2アンペア毎平方メートル以下である。立ち上り部Ru、すなわち、電流増加期間において、電流増加量が毎秒0アンペア毎平方メートル超、毎秒0.2アンペア毎平方メートル以下であれば、上述の図1に示すような電流の急激な立ち上りが生じない。これにより、マイクロポアが分岐したり、マイクロポアが斜めに形成されたりする等のことがなく、真っ直ぐなマイクロポアが形成され、真っ直ぐなマイクロポアを有する陽極酸化膜を得ることができる。
 なお、真っ直ぐなマイクロポアとは、分岐がなく、マイクロポアが斜めに形成されていないことであり、マイクロポアの陽極酸化膜の表面側の直径と裏面側の直径との比が0.9~1.1であることをいう。
 電流増加期間が長い場合、陽極酸化処理される側のマイクロポアの径が大きくなることがあるため、更には、マイクロポアが分岐したり、マイクロポアが斜めに形成されたりする等のこともあるため、電流増加期間を10分以下とする。電流増加期間の下限値としては、特に限定されるものではなく、下限値は0分超である。電流増加期間が5分以上10分以下であれば、上述のマイクロポアの径が大きくなること、マイクロポアが分岐すること、およびマイクロポアが斜めなることがより一層抑制されるためより好ましい。
[0038]
 定常部Rsは、立ち上り部Ruにおいて増加された電流が維持される領域である。定常部Rs、すなわち、電流維持期間では、電流が一定値に維持される。一定値は、電流増加期間における最大電流値以下、すなわち、陽極酸化処理の電流値の最大値Imである。
 なお、一定値とは、増加または減少しないことであり、変動が絶対値で10%の範囲にあることをいう。
[0039]
 複数回の陽極酸化処理を実施する場合、陽極酸化処理を連続して実施するか、または陽極酸化処理間に電流を印加しない期間を設けてもよい。電流を印加しない期間については、陽極酸化処理工程の要する時間等を考慮して適宜決定されるものである。
 複数回の陽極酸化処理を実施する場合、例えば、図16に示す電流パターンで実施される。図16では連続して繰り返されているが、これに限定されるものではない。陽極酸化処理は、図17に示すように、電流を印加しない期間Tmを有する電流パターンで、複数回の陽極酸化処理を実施してもよい。
 なお、陽極酸化処理工程では、陽極酸化処理の設定回数が予め定められており、設定回数に達する迄、繰り返し陽極酸化処理を実施する。陽極酸化処理の回数は、複数回であれば、その回数は特に限定されるものではない。
[0040]
 陽極酸化処理における電流値の制御は、電流値を連続的に高くすることに限定されるものではなく、電流増加量が上述の範囲にあれば、多段的に電流値を高くしてもよい。
 また、陽極酸化処理を印加電圧で制御する場合、印加電圧を連続的に高くして、電流値を連続的に高くしてよい。また、図18に示すように印加電圧を段階的に高くして、電流値を段階的に高くして、立ち上りにおける電流増加量を上述の範囲にすることもできる。
 電圧で制御する場合、図18に示すように、電圧がゼロの状態から電圧が最大値Vmになる迄の領域が立ち上り部Ruであり、立ち上り部Ruの時間が立ち上り時間Tuである。立ち上り部Ruにおいて増加された電圧を、一定値として維持される領域が定常部Rsである。
 電流および電圧の増加のパターンは、電流増加期間、すなわち、立ち上り部Ruにおける電流増加量を上述の範囲にすることができれば、特に限定されるものではなく、図16および図18に示すものに限定されるものではない。例えば、電流または電圧を、増加の程度が異なる3つの段階で増加させてもよい。この場合、増加の程度は、3つの一次関数で表される。増加の程度は、複数であれば、3つの限定されるものではない。
 また、電流または電圧を時間が経過するにつれて、電流値または電圧値の増加の程度を大きくしてもよい。
[0041]
 なお、連続的に電流または電圧を高くするとは、電解時間の経過に伴い、電流値または電圧値を増加させることである。この場合、電流値または電圧値は、一次関数、および二次関数等の高次関数、複数の一次関数、または一次関数と高次関数との組合せにより表すことができる。なお、上述の関数は、いずれも増加関数であり、変曲点がないものとする。
 多段的に電流値または電圧値を高くするとは、電解時間の増加に伴い、階段状に電流値または電圧値を増加させることである。このため、多段的に電流値または電圧値を高くする場合、電解時間が経過しても電流値または電圧値が増加しない、電流値または電圧値が一定の値の期間がある。
 電流または電圧を連続的に高くする場合、立ち上り時間Tuと電流の最大値Imまたは電圧の最大値Vmとにより、電流増加量を求めることができる。
 電圧を段階的に高くする場合でも、立ち上り時間Tuと電流の最大値Imまたは電圧の最大値Vmとにより、電流増加量を求めることができる。なお、電流値は、上述の電流計39により得ることができる。例えば、電源部36が出力する電圧の値を、電圧値として利用することができる。
[0042]
 上述の図2に示すように電圧投入時の電流の立ち上りを緩やかにすることは、上述の電流制御および電圧制御に限定されるものではない。例えば、陽極酸化処理対象であるバルブ金属板に対して、電気的に並列に接続された導電性の負荷部材を用いて電流上昇速度を制御することができる。
 導電性の負荷部材を設ける場合、例えば、図19に示す陽極酸化処理装置30を用いることができる。図19に示す陽極酸化処理装置30は、図15に示す陽極酸化処理装置30に比して、導電性の負荷部材として、陽極酸化処理対象であるアルミニウム基板10に対して、電気的に並列に接続された金属基板35を有する点が異なり、それ以外の構成は図13に示す陽極酸化処理装置30と同じ構成であるため、その詳細な説明は省略する。
[0043]
 金属基板35は、陽極酸化処理対象であるアルミニウム基板10と一緒に、電解槽32内の電解液AQに浸漬される。
 金属基板35は、例えば、純チタン、チタン合金、ステンレス鋼等で構成される。
 金属基板35の形状および大きさは、特に限定されるものではなく、例えば、陽極酸化処理対象であるバルブ金属板、すなわち、アルミニウム基板10と同じである。
 金属基板35を設けた場合、印加する電流または電圧を調整する必要がなく、定められた電流値の電流、または電圧値の電圧を印加すればよい。この場合、金属基板35により、電流の立ち上りが急激になることが抑制され、電流の立ち上りが緩やかになり、電流増加量が上述の範囲になる。
[0044]
 なお、負荷部材は、導電性を有し、かつ極酸化処理対象に対して電気的に並列に接続されていれば、金属基板35に限定されるものではない。
 また、図15に示す陽極酸化処理装置30および図19に示す陽極酸化処理装置30は、いずれも平板状のアルミニウム基板10と、対向電極34とを設ける構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、陽極酸化処理対象であるアルミニウム基板10が巻き掛けられる給電ドラムと、給電ドラムに対向して設けられた対向電極とを有する構成でもよい。更には、給電ドラムを複数配置し、複数の給電ドラムを通過させて、陽極酸化処理を繰り返し、複数実施する構成でもよい。
[0045]
 複数回の陽極酸化処理を実施するが、上述のように1回目の陽極酸化処理には、従来公知の方法を用いることができる。この場合、陽極酸化処理としては、貫通孔配列の規則性を高くし、異方導電性部材の異方導電性を担保する観点から、自己規則化法または定電圧処理を用いることが好ましい。
 ここで、陽極酸化処理の自己規則化法および定電圧処理については、特開2008-270158号公報の[0056]~[0108]段落および[図3]に記載された各処理と同様の処理を施すことができる。
 <陽極酸化処理>
 陽極酸化処理における電解液の平均流速は、0.5~20.0m/minであることが好ましく、1.0~15.0m/minであることがより好ましく、2.0~10.0m/minであることが更に好ましい。
 また、電解液を上述の条件で流動させる方法は、特に限定されないが、例えば、スターラーのような一般的なかくはん装置を使用する方法が用いられる。特に、かくはん速度をデジタル表示でコントロールできるようなスターラーを用いると、平均流速が制御できるため好ましい。このような、かくはん装置としては、例えば、「マグネティックスターラーHS-50D(AS ONE製)」等が挙げられる。
[0046]
 陽極酸化処理は、例えば、酸濃度1~10質量%の溶液中で、アルミニウム基板を陽極として通電する方法を用いることができる。
 陽極酸化処理に用いられる溶液としては、酸溶液であることが好ましく、硫酸、リン酸、クロム酸、シュウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸、アミドスルホン酸、グリコール酸、酒石酸、りんご酸、クエン酸等がより好ましく、中でも硫酸、リン酸、シュウ酸が特に好ましい。これらの酸は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
[0047]
 陽極酸化処理の条件は、使用される電解液によって種々変化するので一概に決定され得ないが、一般的には、電解液濃度0.1~20質量%、液温-10~30℃、電流密度0.01~20A/dm 2、電圧3~300V、電解時間0.5~30時間であることが好ましく、電解液濃度0.5~15質量%、液温-5~25℃、電流密度0.05~15A/dm 2、電圧5~250V、電解時間1~25時間であることがより好ましく、電解液濃度1~10質量%、液温0~20℃、電流密度0.1~10A/dm 2、電圧10~200V、電解時間2~20時間であることが更に好ましい。
[0048]
 上述の陽極酸化処理工程は、異方導電性部材20を図13に示すように所定径および所定幅の巻き芯21に巻き取られた形状で供給する観点から、陽極酸化処理により形成される陽極酸化膜の平均厚みが30μm以下であることが好ましく、5~20μmであることがより好ましい。なお、平均厚みは、陽極酸化膜を厚さ方向に対して集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)で切削加工し、その断面を電界放出形走査電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope:FE-SEM)により表面写真(倍率5万倍)を撮影し、10点測定した平均値として算出した。
[0049]
〔保持工程〕
 異方導電性部材の製造方法は保持工程を有してもよい。保持工程は、上述の陽極酸化処理工程の後に、1V以上かつ上述の陽極酸化処理工程における電圧の30%未満の範囲から選択される保持電圧の95%以上105%以下の電圧に通算5分以上保持する工程である。言い換えると、保持工程は、上述の陽極酸化処理工程の後に、1V以上かつ上述の陽極酸化処理工程における電圧の30%未満の範囲から選択される保持電圧の95%以上105%以下の電圧で通算5分以上電解処理を施す工程である。
 ここで、「陽極酸化処理における電圧」とは、アルミニウム基板と対向電極との間に印加する電圧であり、例えば、陽極酸化処理による電解時間が30分であれば、30分の間に保たれている電圧の平均値である。
[0050]
 陽極酸化膜の側壁厚み、すなわち、マイクロポアの深さに対してバリア層の厚みを適切な厚みに制御する観点から、保持工程における電圧が、陽極酸化処理における電圧の5%以上25%以下であることが好ましく、5%以上20%以下であることがより好ましい。
[0051]
 また、面内均一性がより向上する理由から、保持工程における保持時間の合計が、5分以上20分以下であることが好ましく、5分以上15分以下であることがより好ましく、5分以上10分以下であることが更に好ましい。
 また、保持工程における保持時間は、通算5分以上であればよいが、連続5分以上であることが好ましい。
[0052]
 更に、保持工程における電圧は、陽極酸化処理工程における電圧から保持工程における電圧まで連続的または段階的(ステップ状)に降下させて設定してもよいが、面内均一性が更に向上する理由から、陽極酸化処理工程の終了後、1秒以内に、上述の保持電圧の95%以上105%以下の電圧に設定することが好ましい。
[0053]
 上述の保持工程は、例えば、上述の陽極酸化処理工程の終了時に電解電位を降下させることにより、上述の陽極酸化処理工程と連続して行うこともできる。
 上述の保持工程は、電解電位以外の条件については、上述の従来公知の陽極酸化処理と同様の電解液および処理条件を採用することができる。
 特に、保持工程と陽極酸化処理工程とを連続して施す場合は、同様の電解液を用いて処理することが好ましい。
[0054]
〔バリア層除去工程〕
 バリア層除去工程は、例えば、アルミニウムよりも水素過電圧の高い金属M1のイオンを含むアルカリ水溶液を用いて、陽極酸化膜のバリア層を除去する工程である。
 上述のバリア層除去工程により、バリア層が除去され、かつ、図5にも示す通り、マイクロポア12の底部に、金属M1からなる金属層15aが形成されることになる。
 ここで、水素過電圧(hydrogen overvoltage)とは、水素が発生するのに必要な電圧をいい、例えば、アルミニウム(Al)の水素過電圧は-1.66Vである(日本化学学会誌,1982、(8),p1305-1313)。なお、アルミニウムの水素過電圧よりも高い金属M1の例およびその水素過電圧の値を以下に示す。
 <金属M1および水素(1N H 2SO 4)過電圧>
 ・白金(Pt):0.00V
 ・金(Au):0.02V
 ・銀(Ag):0.08V
 ・ニッケル(Ni):0.21V
 ・銅(Cu):0.23V
 ・錫(Sn):0.53V
 ・亜鉛(Zn):0.70V
[0055]
 本発明においては、後述する陽極酸化処理工程において充填する金属M2と置換反応を起こし、マイクロポアの内部に充填される金属の電気的な特性に与える影響が少なくなる理由から、上述のバリア層除去工程で用いる金属M1は、金属充填工程で用いる金属M2よりもイオン化傾向が高い金属であることが好ましい。
 具体的には、金属充填工程の金属M2として銅(Cu)を用いる場合には、上述のバリア層除去工程で用いる金属M1としては、例えば、Zn、Fe、Ni、Sn等が挙げられ、中でも、Zn、Niを用いることが好ましく、Znを用いるのがより好ましい。
 また、金属充填工程の金属M2としてNiを用いる場合には、上述のバリア層除去工程で用いる金属M1としては、例えば、Zn、Fe等が挙げられ、中でも、Znを用いることが好ましい。
[0056]
 このような金属M1のイオンを含むアルカリ水溶液を用いてバリア層を除去する方法は特に限定されず、例えば、従来公知の化学エッチング処理と同様の方法が挙げられる。
[0057]
 <化学エッチング処理>
 化学エッチング処理によるバリア層の除去は、例えば、陽極酸化処理工程後の構造物をアルカリ水溶液に浸漬させ、マイクロポアの内部にアルカリ水溶液を充填させた後に、陽極酸化膜のマイクロポアの開口部側の表面にpH(水素イオン指数)緩衝液に接触させる方法等により、バリア層のみを選択的に溶解させることができる。
[0058]
 ここで、上述の金属M1のイオンを含むアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。また、アルカリ水溶液の濃度は0.1~5質量%であることが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、10~60℃が好ましく、更に15~45℃が好ましく、更に20~35℃であることが好ましい。
 具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液等が好適に用いられる。
 なお、pH緩衝液としては、上述のアルカリ水溶液に対応した緩衝液を適宜使用することができる。
[0059]
 また、アルカリ水溶液への浸漬時間は、5~120分であることが好ましく、8~120分であることがより好ましく、8~90分であることが更に好ましく、10~90分であることが特に好ましい。なかでも、10~60分であることが好ましく、15~60分であることがより好ましい。
[0060]
〔バリア層除去工程の他の例〕
 バリア層除去工程は、上述以外に、陽極酸化膜のバリア層を除去し、マイクロポアの底にアルミニウム基板の一部が露出する工程でもよい。
 この場合、バリア層を除去する方法は特に限定されず、例えば、陽極酸化処理工程の陽極酸化処理における電位よりも低い電位でバリア層を電気化学的に溶解する方法(以下、「電解除去処理」ともいう。);エッチングによりバリア層を除去する方法(以下、「エッチング除去処理」ともいう。);これらを組み合わせた方法(特に、電解除去処理を施した後に、残存するバリア層をエッチング除去処理で除去する方法);等が挙げられる。
[0061]
 〈電解除去処理〉
 電解除去処理は、陽極酸化処理工程の陽極酸化処理における電位(電解電位)よりも低い電位で施す電解処理であれば特に限定されない。
 電解溶解処理は、例えば、陽極酸化処理工程の終了時に電解電位を降下させることにより、陽極酸化処理と連続して施すことができる。
[0062]
 電解除去処理は、電解電位以外の条件については、上述した従来公知の陽極酸化処理と同様の電解液および処理条件を採用することができる。
 特に、上述したように電解除去処理と陽極酸化処理とを連続して施す場合は、同様の電解液を用いて処理するのが好ましい。
[0063]
 (電解電位)
 電解除去処理における電解電位は、陽極酸化処理における電解電位よりも低い電位に、連続的または段階的(ステップ状)に降下させるのが好ましい。
 ここで、電解電位を段階的に降下させる際の下げ幅(ステップ幅)は、バリア層の耐電圧の観点から、10V以下であることが好ましく、5V以下であることがより好ましく、2V以下であることが更に好ましい。
 また、電解電位を連続的または段階的に降下させる際の電圧降下速度は、生産性等の観点から、いずれも1V/秒以下が好ましく、0.5V/秒以下がより好ましく、0.2V/秒以下が更に好ましい。
[0064]
〈エッチング除去処理〉
 エッチング除去処理は特に限定されないが、酸水溶液またはアルカリ水溶液を用いて溶解する化学エッチング処理であってもよく、ドライエッチング処理であってもよい。
[0065]
(化学エッチング処理)
 化学エッチング処理によるバリア層の除去は、例えば、陽極酸化処理工程後の構造物を酸水溶液またはアルカリ水溶液に浸漬させ、マイクロポアの内部に酸水溶液またはアルカリ水溶液を充填させた後に、陽極酸化膜のマイクロポアの開口部側の表面にpH(水素イオン指数)緩衝液に接触させる方法等であり、バリア層のみを選択的に溶解させることができる。
[0066]
 ここで、酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。また、酸水溶液の濃度は1質量%~10質量%であることが好ましい。酸水溶液の温度は、15℃~80℃が好ましく、更に20℃~60℃が好ましく、更に30℃~50℃が好ましい。
 一方、アルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。また、アルカリ水溶液の濃度は0.1質量%~5質量%であることが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、10℃~60℃が好ましく、更に15℃~45℃が好ましく、更に20℃~35℃であることが好ましい。なお、アルカリ水溶液には、亜鉛および他の金属を含有していてもよい。
 具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液等が好適に用いられる。
 なお、pH緩衝液としては、上述した酸水溶液またはアルカリ水溶液に対応した緩衝液を適宜使用することができる。
[0067]
 また、酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸せき時間は、8分~120分であることが好ましく、10分~90分であることがより好ましく、15分~60分であることが更に好ましい。
[0068]
(ドライエッチング処理)
 ドライエッチング処理は、例えば、Cl 2/Ar混合ガス等のガス種を用いることが好ましい。
[0069]
〔金属充填工程〕
 金属充填工程は、上述のバリア層除去工程の後に、電解めっきを用いて、陽極酸化膜のマイクロポアの内部に、例えば、導電性材料として金属M2を充填する工程である。金属充填工程により、導電性の導通路が形成される。
[0070]
 <金属M2>
 上述の金属M2は、電気抵抗率が10 3Ω・cm以下の材料であるのが好ましく、その具体例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)等が好適に例示される。
 中でも、電気伝導性の観点から、Cu、Au、Al、Niが好ましく、Cu、Auがより好ましく、Cuが更に好ましい。
 なお、金属充填工程では金属を充填しているが、導通路は金属に限定されるものではなく、導電性材料であれば酸化物導電体等でもよい。このため、金属にかえて、例えば、インジウムがドープされたスズ酸化物(ITO)等を充填してもよい。
 しかしながら、金属は酸化物導電体に比して延性等に優れ変形しやすく、接合際の圧縮でも変形しやすいため、導通路は金属で構成することが好ましい。金属の中でも、Cu、Auは、上述の電気伝導性以外にも、圧縮により変形しやすい性質を有する金属であることからより好ましく、コスト等を考慮すると、Cuが更に好ましい。
[0071]
 <金属充填方法>
 上述の金属M2をマイクロポアの内部に充填するめっき処理の方法としては、例えば、電解めっき法または無電解めっき法を用いることができる。
 ここで、着色等に用いられる従来公知の電解めっき法では、選択的に孔中に金属を高アスペクトで析出(成長)させることは困難である。これは、析出金属が孔内で消費され一定時間以上電解を行なってもめっきが成長しないためと考えられる。
[0072]
 そのため、本発明の製造方法においては、電解めっき法により金属を充填する場合は、パルス電解または定電位電解の際に休止時間をもうける必要がある。休止時間は、10秒以上必要で、30~60秒であるのが好ましい。
 また、電解液のかくはんを促進するため、超音波を加えることも望ましい。
 更に、電解電圧は、通常20V以下であって望ましくは10V以下であるが、使用する電解液における目的金属の析出電位を予め測定し、その電位+1V以内で定電位電解を行なうことが好ましい。なお、定電位電解を行なう際には、サイクリックボルタンメトリを併用できるものが望ましく、Solartron社、BAS社、北斗電工社、IVIUM社等のポテンショスタット装置を用いることができる。
[0073]
 めっき液は、従来公知のめっき液を用いることができる。
 具体的には、銅を析出させる場合には硫酸銅水溶液が一般的に用いられるが、硫酸銅の濃度は、1~300g/Lであるのが好ましく、100~200g/Lであるのがより好ましい。また、電解液中に塩酸を添加すると析出を促進することができる。この場合、塩酸濃度は10~20g/Lであるのが好ましい。
 また、金を析出させる場合、テトラクロロ金の硫酸溶液を用い、交流電解でめっきを行なうのが望ましい。
[0074]
 なお、無電解めっき法では、アスペクトの高いマイクロポアからなる孔中に金属を完全に充填には長時間を要するので、本発明の製造方法においては、電解めっき法により金属を充填するのが望ましい。
[0075]
 本発明においては、上述のバリア層除去工程によりバリア層を除去し、かつ、マイクロポアの底部に上述した金属M1からなる金属層が形成されているため、上述した通り、めっき液による水素ガスの発生が抑制され、めっき処理による金属充填が進行しやすくなったと考えられる。
[0076]
〔基板除去工程〕
 基板除去工程は、金属充填工程の後に、上述のバルブ金属板であるアルミニウム基板を除去する工程である。アルミニウム基板を除去する方法は特に限定されず、例えば、溶解により除去する方法等が好適に挙げられる。なお、バルブ金属板としてアルミニウム基板を例にして説明するが、除去される基板は、バルブ金属板であり、アルミニウム基板に限定されるものではない。
[0077]
 <アルミニウム基板の溶解>
 上述のアルミニウム基板の溶解は、陽極酸化膜を溶解しにくく、アルミニウムを溶解しやすい処理液を用いることが好ましい。
 このような処理液は、アルミニウムに対する溶解速度が、1μm/分以上であることが好ましく、3μm/分以上であることがより好ましく、5μm/分以上であることが更に好ましい。同様に、陽極酸化膜に対する溶解速度が、0.1nm/分以下となることが好ましく、0.05nm/分以下となるのがより好ましく、0.01nm/分以下となるのが更に好ましい。
 具体的には、アルミよりもイオン化傾向の低い金属化合物を少なくとも1種含み、かつ、pHが4以下または8以上となる処理液であることが好ましく、そのpHが3以下または9以上であることがより好ましく、2以下または10以上であることが更に好ましい。
[0078]
 アルミニウムを溶解する処理液としては、酸またはアルカリ水溶液をベースとし、例えば、マンガン、亜鉛、クロム、鉄、カドミウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、水銀、銀、パラジウム、白金、金の化合物(例えば、塩化白金酸)、これらのフッ化物、これらの塩化物等を配合したものであることが好ましい。
 中でも、酸水溶液ベースが好ましく、塩化物をブレンドすることが好ましい。
 特に、塩酸水溶液に塩化水銀をブレンドした処理液(塩酸/塩化水銀)、塩酸水溶液に塩化銅をブレンドした処理液(塩酸/塩化銅)が、処理ラチチュードの観点から好ましい。
 なお、アルミニウムを溶解する処理液の組成は、特に限定されるものではなく、例えば、臭素/メタノール混合物、臭素/エタノール混合物、および王水等を用いることができる。
[0079]
 また、アルミニウムを溶解する処理液の酸またはアルカリ濃度は、0.01~10mol/Lが好ましく、0.05~5mol/Lがより好ましい。
 更に、アルミニウムを溶解する処理液を用いた処理温度は、-10℃~80℃が好ましく、0℃~60℃が好ましい。
[0080]
 また、上述のアルミニウム基板の溶解は、上述の金属充填工程後のアルミニウム基板を上述の処理液に接触させることにより行う。接触させる方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸漬法が好ましい。このときの接触時間としては、10秒~5時間が好ましく、1分~3時間がより好ましい。
[0081]
〔突出工程〕
 突出部を設けるために、表面突出工程および裏面突出工程のうち、少なくとも1つの工程を有する。
 ここで、表面突出工程とは、上述の金属充填工程の後であって上述の基板除去工程の前に、上述の陽極酸化膜の上述のアルミニウム基板が設けられていない側の表面を厚み方向に一部除去し、上述の金属充填工程で充填した上述の金属M2を上述の陽極酸化膜の表面よりも突出させる工程である。
 また、裏面突出工程とは、上述の基板除去工程の後に、上述の陽極酸化膜の上述のアルミニウム基板が設けられていた側の表面を厚み方向に一部除去し、上述の金属充填工程で充填した上述の金属M2を上述の陽極酸化膜の表面よりも突出させる工程である。
[0082]
 突出工程における陽極酸化膜の一部除去は、例えば、上述の金属M1および金属M2(特に金属M2)を溶解せず、陽極酸化膜、すなわち、酸化アルミニウムを溶解する酸水溶液またはアルカリ水溶液に対して、金属が充填されたマイクロポアを有する陽極酸化膜を接触させることにより行うことができる。接触させる方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法が挙げられる。中でも、浸漬法が好ましい。
[0083]
 酸水溶液を用いる場合は、硫酸、リン酸、硝酸、塩酸等の無機酸またはこれらの混合物の水溶液を用いることが好ましい。中でも、クロム酸を含有しない水溶液が安全性に優れる点で好ましい。酸水溶液の濃度は1~10質量%であることが好ましい。酸水溶液の温度は、25~60℃であることが好ましい。
 また、アルカリ水溶液を用いる場合は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも一つのアルカリの水溶液を用いることが好ましい。アルカリ水溶液の濃度は0.1~5質量%であることが好ましい。アルカリ水溶液の温度は、20~35℃であることが好ましい。
 具体的には、例えば、50g/L、40℃のリン酸水溶液、0.5g/L、30℃の水酸化ナトリウム水溶液または0.5g/L、30℃の水酸化カリウム水溶液が好適に用いられる。
 酸水溶液またはアルカリ水溶液への浸漬時間は、8~120分であることが好ましく、10~90分であることがより好ましく、15~60分であることが更に好ましい。ここで、浸漬時間は、短時間の浸漬処理を繰り返した場合には、各浸漬時間の合計をいう。なお、各浸漬処理の間には、洗浄処理を施してもよい。
[0084]
〔樹脂層形成工程〕
 作製される異方導電性部材20の搬送性が向上する理由から、上述の樹脂層形成工程を有していることが好ましい。
 ここで、樹脂層形成工程とは、上述の金属充填工程の後(上述の表面突出工程を有している場合は表面突出工程の後)であって上述の基板除去工程の前に、上述の陽極酸化膜の上述のアルミニウム基板が設けられていない側の表面に、樹脂層を設ける工程である。
[0085]
 上述の樹脂層を構成する樹脂材料としては、具体的には、例えば、エチレン系共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、及びセルロース系樹脂等を挙げることができるが、搬送性の観点と、異方導電性部材として使用しやすくする観点から、上述の樹脂層は、剥離可能な粘着層付きフィルムであることが好ましく、加熱処理または紫外線露光処理により粘着性が弱くなり、剥離可能となる粘着層付きフィルムであることがより好ましい。
[0086]
 上述の粘着層付きフィルムは特に限定されず、熱剥離型の樹脂層、および紫外線(ultraviolet:UV)剥離型の樹脂層等が挙げられる。
 ここで、熱剥離型の樹脂層は、常温では粘着力があり、加熱するだけで容易に剥離可能なもので、主に発泡性のマイクロカプセル等を用いたものが多い。
 また、粘着層を構成する粘着剤としては、具体的には、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン-ジエンブロック共重合体系粘着剤等が挙げられる。
[0087]
 また、UV剥離型の樹脂層は、UV硬化型の接着層を有するもので硬化により粘着力が失われて剥離可能になるというものである。
 UV硬化型の接着層としては、ベースポリマーに、炭素-炭素二重結合をポリマー側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に導入したポリマー等が挙げられる。炭素-炭素二重結合を有するベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするもことが好ましい。
 更に、アクリル系ポリマーは、架橋させるため、多官能性モノマー等も、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。
 炭素-炭素二重結合を有するベースポリマーは単独で使用することができるが、UV硬化性のモノマーまたはオリゴマーを配合することもできる。
 UV硬化型の接着層は、UV照射により硬化させるために光重合開始剤を併用することが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル系化合物;ケタール系化合物;芳香族スルホニルクロリド系化合物;光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナート等が挙げられる。
[0088]
 熱剥離型の樹脂層の市販品としては、例えば、WS5130C02、WS5130C10等のインテリマー〔登録商標〕テープ(ニッタ株式会社製);ソマタック〔登録商標〕TEシリーズ(ソマール株式会製);No.3198、No.3198LS、No.3198M、No.3198MS、No.3198H、No.3195、No.3196、No.3195M、No.3195MS、No.3195H、No.3195HS、No.3195V、No.3195VS、No.319Y-4L、No.319Y-4LS、No.319Y-4M、No.319Y-4MS、No.319Y-4H、No.319Y-4HS、No.319Y-4LSC、No.31935MS、No.31935HS、No.3193M、No.3193MS等のリバアルファ〔登録商標〕シリーズ(日東電工株式会社製);等が挙げられる。
[0089]
 UV剥離型の樹脂層の市販品としては、例えば、ELP DU-300、ELP DU-2385KS、ELP DU-2187G、ELP NBD-3190K、ELP UE-2091J等のエレップホルダー〔登録商標〕(日東電工株式会社製);Adwill D-210、Adwill D-203、Adwill D-202、Adwill D-175、Adwill D-675(いずれもリンテック株式会社製);スミライト〔登録商標〕FLSのN8000シリーズ(住友ベークライト株式会社製);UC353EP-110(古河電気工業株式会社製);等のダイシングテープ、ELP RF-7232DB、ELP UB-5133D(いずれも日東電工株式会社製);SP-575B-150、SP-541B-205、SP-537T-160、SP-537T-230(いずれも古河電気工業株式会社製);等のバックグラインドテープを利用することができる。
[0090]
 また、上述の粘着層付きフィルムを貼り付ける方法は特に限定されず、従来公知の表面保護テープ貼付装置およびラミネーターを用いて貼り付けることができる。
[0091]
〔巻取工程〕
 作製される異方導電性部材20の搬送性が更に向上する理由から、上述の任意の樹脂層形成工程の後に上述の樹脂層を有する状態で異方導電性部材20をロール状に巻き取る巻取工程を有していることが好ましい。
 ここで、上述の巻取工程における巻き取り方法は特に限定されず、例えば、所定径および所定幅の巻き芯21(図13参照)に巻き取る方法が挙げられる。
[0092]
 また、上述の巻取工程における巻き取りやすさの観点から、樹脂層19(図14参照)を除く異方導電性部材20の平均厚みが30μm以下であることが好ましく、5~20μmであることがより好ましい。なお、平均厚みは、樹脂層を除く異方導電性部材20を厚さ方向に対してFIB(Focused Ion Beam)で切削加工し、その断面をFE-SEM(電界放出形走査電子顕微鏡)により表面写真(倍率50000倍)を撮影し、10点測定した平均値とする等の方法で算出できる。
[0093]
〔その他の処理工程〕
 本発明の製造方法は、上述の各工程以外に、国際公開第2015/029881号の[0049]~[0057]段落に記載された研磨工程、表面平滑化工程、保護膜形成処理、水洗処理を有していてもよい。
 また、製造上のハンドリング性、および異方導電性部材20を異方導電性部材として用いる観点から、以下に示すような、種々のプロセスおよび形式を適用することができる。
[0094]
 <仮接着剤を使用したプロセス例>
 本発明においては、上述の基板除去工程によって異方導電性部材20を得た後に、異方導電性部材20を仮接着剤(Temporary Bonding Materials)を用いてシリコンウエハ上に固定し、研磨により薄層化する工程を有していてもよい。
 次いで、薄層化の工程の後、表面を十分に洗浄した後に、上述の表面突出工程を行うことができる。
 次いで、金属を突出させた表面に、先の仮接着剤よりも接着力の強い仮接着剤を塗布してシリコンウエハ上に固定した後、先の仮接着剤で接着していたシリコンウエハを剥離し、剥離した異方導電性部材20側の表面に対して、上述の裏面突出工程を行うことができる。
[0095]
 <ワックスを使用したプロセス例>
 本発明においては、上述の基板除去工程によって異方導電性部材20を得た後に、異方導電性部材20をワックスを用いてシリコンウエハ上に固定し、研磨により薄層化する工程を有していてもよい。
 次いで、薄層化の工程の後、表面を十分に洗浄した後に、上述の表面突出工程を行うことができる。
 次いで、金属を突出させた表面に、仮接着剤を塗布してシリコンウエハ上に固定した後、加熱により先のワックスを溶解させてシリコンウエハを剥離し、剥離した異方導電性部材20側の表面に対して、上述の裏面突出工程を行うことができる。
 なお、固形ワックスを使っても構わないが、スカイコート(日化精工社製)等の液体ワックスを使うと塗布厚均一性の向上を図ることができる。
[0096]
 <基板除去処理を後から行うプロセス例>
 本発明においては、上述の金属充填工程の後であって上述の基板除去工程の前に、アルミニウム基板を仮接着剤、ワックスまたは機能性吸着フィルムを用いて剛性基板(例えば、シリコンウエハ、ガラス基板等)に固定した後に、上述の陽極酸化膜の上述のアルミニウム基板が設けられていない側の表面を研磨により薄層化する工程を有していてもよい。
 次いで、薄層化の工程の後、表面を十分に洗浄した後に、上述の表面突出工程を行うことができる。
 次いで、金属を突出させた表面に、絶縁性材料である樹脂材料(例えば.エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等)を塗布したのち、その表面に上述と同様の手法で剛性基板を貼り付けることができる。樹脂材料による貼り付けは、接着力が仮接着剤等による接着力よりも大きくなるようなものを選択し、樹脂材料による貼り付けの後に、最初に貼り付けた剛性基板を剥離し、上述の基板除去工程、研磨工程および裏面突出処理工程を順に行うことにより行なうことができる。
 なお、機能性吸着フィルムとしては、Q-chuck(登録商標)(丸石産業株式会社製)等を使用することができる。
[0097]
 本発明においては、異方導電性部材20が剥離可能な層によって剛体基板(例えば、シリコンウエハ、ガラス基板等)に貼り付けられた状態で製品として供されることが好ましい。
 このような供給形態においては、異方導電性部材20を接合部材として利用する場合には、異方導電性部材20の表面をデバイス表面に仮接着し、剛体基板を剥離した後に接続対象となるデバイスを適切な場所に設置し、加熱圧着することで上下のデバイスを異方導電性部材20によって接合することができる。
 また、剥離可能な層には、熱剥離層を用いても構わないし、ガラス基板との組合せで光剥離層を用いても構わない。
[0098]
 また、上述の各工程は、各工程を枚葉で行うことも可能であるし、アルミニウムのコイルを原反としてウェブで連続処理することもできる。
 また、連続処理する場合には各工程間に適切な洗浄工程、乾燥工程を設置することが好ましい。
[0099]
 上述の各処理工程を有する製造方法により、アルミニウム基板の陽極酸化膜からなる絶縁性基材に設けられたマイクロポア由来のマイクロポアの内部に金属が充填されてなる異方導電性部材20が得られる。
 具体的には、上述の製造方法により、例えば、特開2008-270158号公報に記載された異方導電性部材、すなわち、絶縁性基材(マイクロポアを有するアルミニウム基板の陽極酸化膜)中に、導電性部材(金属)からなる複数の導通路が、互いに絶縁された状態で上述の絶縁性基材を厚み方向に貫通し、かつ、上述の各導通路の一端が上述の絶縁性基材の一方の面において露出し、上述の各導通路の他端が上述の絶縁性基材の他方の面において露出した状態で設けられる異方導電性部材を得ることができる。
 更には、上述のように、真っ直ぐなマイクロポアを有する陽極酸化膜が得られることから、導電性材料をマイクロポアに充填した場合、充填欠陥が抑制された異方導電性部材20を得ることができる。これにより、例えば、金属等の導電性材料を充填する場合、充填欠陥が抑制された健全な導通路を有する異方導電性部材を得ることができる。
[0100]
 以下、異方導電性部材20について説明する。
 まず、上述の製造方法で製造された異方導電性部材20の一例について説明する。図20は本発明の実施形態の異方導電性部材の一例を示す平面図であり、図21は本発明の実施形態の異方導電性部材の一例を示す模式的断面図である。図21は図20の切断面線IB-IB断面図である。また、図22は本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた異方導電材の構成の一例を示す模式的断面図である。
[0101]
 上述のようにして製造された異方導電性部材20は、図20および図21に示すように、例えば、アルミニウムの陽極酸化膜からなる絶縁性基材40と、絶縁性基材40の厚み方向Dt(図21参照)に貫通し、互いに電気的に絶縁された状態で設けられた、複数の導通路16とを備える部材である。異方導電性部材20は、更に、絶縁性基材40の表面40aおよび裏面40bに設けられた樹脂層44を具備する。
 ここで、「互いに電気的に絶縁された状態」とは、絶縁性基材の内部に存在している各導通路が絶縁性基材の内部において互いに各導通路間の導通性が十分に低い状態であることを意味する。
 異方導電性部材20は、導電性を有する導通路16が互いに電気的に絶縁されており、絶縁性基材40の厚み方向Dt(図21参照)と直交する方向xには導電性が十分に低く、厚み方向Dt(図21参照)に導電性を有する。このように異方導電性部材20は異方導電性を示す部材である。例えば、異方導電性部材20は厚み方向Dt(図21参照)を、積層デバイス60(図23参照)の積層方向Ds(図23参照)に一致させて配置される。
[0102]
 導通路16は、導電性材料で構成されており、導電性を有する。また、導通路16は、図20および図21に示すように、互いに電気的に絶縁された状態で絶縁性基材40を厚み方向Dtに貫通して設けられている。
 更に、導通路16は、図21に示すように、絶縁性基材40の表面40aおよび裏面40bから突出した突出部分16aおよび突出部分16bを有してもよい。異方導電性部材20は、更に、絶縁性基材40の表面40aおよび裏面40bに設けられた樹脂層44を具備してもよい。樹脂層44は、粘着性を備え、接合性を付与するものでもある。突出部分16aおよび突出部分16bの長さは、6nm以上であることが好ましく、より好ましくは30nm~500nmである。
[0103]
 また、図22および図21においては、絶縁性基材40の表面40aおよび裏面40bに樹脂層44を有するものを示しているが、これに限定されるものではなく、絶縁性基材40の少なくとも一方の表面に、樹脂層44を有する構成でもよい。
 同様に、図22および図21の導通路16は両端に突出部分16aおよび突出部分16bがあるが、これに限定されるものではなく、絶縁性基材40の少なくとも樹脂層44を有する側の表面に突出部分を有する構成でもよい。
[0104]
 図21に示す異方導電性部材20の厚みhは、例えば、30μm以下である。また、異方導電性部材20は、TTV(Total Thickness Variation)が10μm以下であることが好ましい。
 ここで、異方導電性部材20の厚みhは、異方導電性部材20を、電界放出形走査電子顕微鏡により20万倍の倍率で観察し、異方導電性部材20の輪郭形状を取得し、厚みhに相当する領域について10点測定した平均値のことである。
 また、異方導電性部材20のTTV(Total Thickness Variation)は、異方導電性部材20を切断し、異方導電性部材20の断面形状を観察して求めた値である。
[0105]
 異方導電性部材20は、移送、搬送および運搬ならびに保管等のために図22に示すように支持体46の上に設けられる。支持体46と異方導電性部材20の間に剥離層47が設けられている。支持体46と異方導電性部材20は剥離層47により、分離可能に接着されている。上述のように異方導電性部材20が支持体46の上に剥離層47を介して設けられたものを異方導電材28という。
 支持体46は、異方導電性部材20を支持するものであり、例えば、シリコン基板で構成されている。支持体46としては、シリコン基板以外に、例えば、SiC、SiN、GaNおよびアルミナ(Al )等のセラミックス基板、ガラス基板、繊維強化プラスチック基板、ならびに金属基板を用いることができる。繊維強化プラスチック基板には、プリント配線基板であるFR-4(Flame Retardant Type 4)基板等も含まれる。
[0106]
 また、支持体46としては、可撓性を有し、かつ透明であるものを用いることができる。可撓性を有し、かつ透明な支持体46としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびTAC(トリアセチルセルロース)等のプラスチックフィルムが挙げられる。
 ここで、透明とは、位置合せに使用する波長の光で透過率が80%以上であることをいう。このため、波長400~800nmの可視光全域で透過率が低くてもよいが、波長400~800nmの可視光全域で透過率が80%以上であることが好ましい。透過率は、分光光度計により測定される。
[0107]
 剥離層47は、支持層48と剥離剤49が積層されたものであることが好ましい。剥離剤49が異方導電性部材20に接しており、剥離層47を起点にして、支持体46と異方導電性部材20が分離する。異方導電材28では、例えば、予め定められた温度に加熱することで、剥離剤49の接着力が弱まり、異方導電性部材20から支持体46が取り除かれる。
 剥離剤49には、例えば、日東電工社製リバアルファ(登録商標)、およびソマール株式会社製ソマタック(登録商標)等を用いることができる。
[0108]
 また、樹脂層44に保護層(図示せず)を設けてもよい。保護層は、構造体表面を傷等から保護するために用いるものであるため、易剥離テープが好ましい。保護層として、例えば、粘着層付きフィルムを用いてもよい。
 粘着層付きフィルムとして、例えば、ポリエチレン樹脂フィルム表面に粘着剤層が形成されているサニテクト(SUNYTECT)〔登録商標〕(株式会社サンエー化研製)、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム表面に粘着剤層が形成されているE-MASK〔登録商標〕(日東電工株式会社製)、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム表面に粘着剤層が形成されているマスタック〔登録商標〕(藤森工業株式会社製)等のシリーズ名で販売されている市販品を用いることができる。
 また、粘着層付きフィルムを貼り付ける方法は特に限定されず、従来公知の表面保護テープ貼付装置およびラミネーターを用いて貼り付けることができる。
[0109]
 以下、異方導電性部材20の構成を、より具体的に説明する。
〔絶縁性基材〕
 絶縁性基材の物性、および組成は上述のとおりである。
 絶縁性基材40の厚みhtは、1~1000μmの範囲内であるのが好ましく、5~500μmの範囲内であるのがより好ましく、10~300μmの範囲内であるのが更に好ましい。絶縁性基材の厚みがこの範囲であると、絶縁性基材の取り扱い性が良好となる。
 絶縁性基材40の厚みhtは、絶縁性基材40を、厚み方向Dtに対して集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)で切削加工し、その断面を電界放出形走査電子顕微鏡により20万倍の倍率で観察し、絶縁性基材40の輪郭形状を取得し、厚みhtに相当する領域について10点測定した平均値のことである。
[0110]
 絶縁性基材における各マイクロポアの間隔は、5nm~800nmであることが好ましく、10nm~200nmであることがより好ましく、50nm~140nmであることが更に好ましい。絶縁性基材における各マイクロポアの間隔がこの範囲であると、絶縁性基材が絶縁性の隔壁として十分に機能する。マイクロポアの間隔は、導通路の間隔と同じである。
 ここで、マイクロポアの間隔、すなわち、導通路の間隔とは、隣接する導通路間の幅w(図21参照)をいい、異方導電性部材の断面を電界放出形走査電子顕微鏡により20万倍の倍率で観察し、隣接する導通路間の幅を10点で測定した平均値をいう。
[0111]
 〔導通路〕
 導通路は、マイクロポアに充填される導電性材料により構成される。導電性材料は、電気抵抗率が10 3Ωcm以下の材料であれば特に限定されず、金属等が用いられる。金属の具体例としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、およびニッケル(Ni)等が好適に例示される。金属以外に、インジウムがドープされたスズ酸化物(ITO)等が好適に例示される。なお、電気伝導性の観点から、銅、金、アルミニウム、およびニッケルが好ましく、銅および金がより好ましい。
[0112]
 <突出部分>
 異方導電性部材と電極とを圧着等の手法により電気的接続、または物理的に接合する際に、突出部分が潰れた場合の面方向の絶縁性を十分に確保できる理由から、導通路の突出部分のアスペクト比(突出部分の高さ/突出部分の直径)が0.5以上50未満であることが好ましく、0.8~20であることがより好ましく、1~10であることが更に好ましい。
[0113]
 また、接続対象の半導体部材の表面形状に追従する観点から、導通路の突出部分の高さは、上述のように20nm以上であることが好ましく、より好ましくは100nm~500nmである。
 導通路の突出部分の高さは、異方導電性部材の断面を電界放出形走査電子顕微鏡により2万倍の倍率で観察し、導通路の突出部分の高さを10点で測定した平均値をいう。
 導通路の突出部分の直径は、異方導電性部材の断面を電界放出形走査電子顕微鏡により観察し、導通路の突出部分の直径を10点で測定した平均値をいう。
[0114]
 上述のように導通路16は絶縁性基材40によって互いに電気的に絶縁された状態で存在するものであるが、その密度は、2万個/mm 2以上であることが好ましく、200万個/mm 2以上であることがより好ましく、1000万個/mm 2以上であることが更に好ましく、5000万個/mm 2以上であることが特に好ましく、1億個/mm 2以上であることが最も好ましい。
 更に、隣接する各導通路16の中心間距離p(図20参照)は、20nm~500nmであることが好ましく、40nm~200nmであることがより好ましく、50nm~140nmであることが更に好ましい。
[0115]
 〔樹脂層〕
 上述のように、樹脂層は、絶縁性基材の表面と裏面に設けられ、上述のように導通路の突出部を埋設するものである。すなわち、樹脂層は絶縁性基材から突出した導通路の端部を被覆し、突出部を保護する。
 樹脂層は、上述の樹脂層形成工程により形成されるものである。樹脂層は、例えば、50℃~200℃の温度範囲で流動性を示し、200℃以上で硬化するものであることが好ましい。
 樹脂層は、上述の樹脂層形成工程により形成されるものであるが、以下に示す、樹脂剤の組成を用いることもできる。以下、樹脂層の組成について説明する。樹脂層は、高分子材料を含有するものである。樹脂層は酸化防止材料を含有してもよい。
[0116]
 <高分子材料>
 樹脂層に含まれる高分子材料としては特に限定されないが、半導体チップまたは半導体ウエハと異方導電性部材との隙間を効率よく埋めることができ、半導体チップまたは半導体ウエハとの密着性がより高くなる理由から、熱硬化性樹脂であることが好ましい。
 熱硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート系樹脂等が挙げられる。
 なかでも、絶縁信頼性がより向上し、耐薬品性に優れる理由から、ポリイミド樹脂および/またはエポキシ樹脂を用いるのが好ましい。
[0117]
 <酸化防止材料>
 樹脂層に含まれる酸化防止材料としては、具体的には、例えば、1,2,3,4-テトラゾール、5-アミノ-1,2,3,4-テトラゾール、5-メチル-1,2,3,4-テトラゾール、1H-テトラゾール-5-酢酸、1H-テトラゾール-5-コハク酸、1,2,3-トリアゾール、4-アミノ-1,2,3-トリアゾール、4,5-ジアミノ-1,2,3-トリアゾール、4-カルボキシ-1H-1,2,3-トリアゾール、4,5-ジカルボキシ-1H-1,2,3-トリアゾール、1H-1,2,3-トリアゾール-4-酢酸、4-カルボキシ-5-カルボキシメチル-1H-1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、3-カルボキシ-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジカルボキシ-1,2,4-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール-3-酢酸、1H-ベンゾトリアゾール、1H-ベンゾトリアゾール-5-カルボン酸、ベンゾフロキサン、2,1,3-ベンゾチアゾール、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、カテコール、o-アミノフェノール、2-メルカプトベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、メラミン、およびこれらの誘導体が挙げられる。
 これらのうち、ベンゾトリアゾールおよびその誘導体が好ましい。
 ベンゾトリアゾール誘導体としては、ベンゾトリアゾールのベンゼン環に、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アミノ基、ニトロ基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)等を有する置換ベンゾトリアゾールが挙げられる。また、ナフタレントリアゾール、ナフタレンビストリアゾール、と同様に置換された置換ナフタレントリアゾール、置換ナフタレンビストリアゾール等も挙げることができる。
[0118]
 また、樹脂層に含まれる酸化防止材料の他の例としては、一般的な酸化防止剤である、高級脂肪酸、高級脂肪酸銅、フェノール化合物、アルカノールアミン、ハイドロキノン類、銅キレート剤、有機アミン、有機アンモニウム塩等が挙げられる。
[0119]
 樹脂層に含まれる酸化防止材料の含有量は特に限定されないが、防食効果の観点から、樹脂層の全質量に対して0.0001質量%以上が好ましく、0.001質量%以上がより好ましい。また、本接合プロセスにおいて適切な電気抵抗を得る理由から、5.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以下がより好ましい。
[0120]
 <マイグレーション防止材料>
 樹脂層は、樹脂層に含有し得る金属イオン、ハロゲンイオン、ならびに半導体チップおよび半導体ウエハに由来する金属イオンをトラップすることによって絶縁信頼性がより向上する理由から、マイグレーション防止材料を含有しているのが好ましい。
[0121]
 マイグレーション防止材料としては、例えば、イオン交換体、具体的には、陽イオン交換体と陰イオン交換体との混合物、または、陽イオン交換体のみを使用することができる。
 ここで、陽イオン交換体および陰イオン交換体は、それぞれ、例えば、後述する無機イオン交換体および有機イオン交換体の中から適宜選択することができる。
[0122]
 (無機イオン交換体)
 無機イオン交換体としては、例えば、含水酸化ジルコニウムに代表される金属の含水酸化物が挙げられる。
 金属の種類としては、例えば、ジルコニウムのほか、鉄、アルミニウム、錫、チタン、アンチモン、マグネシウム、ベリリウム、インジウム、クロム、ビスマス等が知られている。
 これらの中でジルコニウム系のものは、陽イオンのCu 2+、Al 3+について交換能を有している。また、鉄系のものについても、Ag +、Cu 2+について交換能を有している。同様に、錫系、チタン系、アンチモン系のものは、陽イオン交換体である。
 一方、ビスマス系のものは、陰イオンのCl -について交換能を有している。
 また、ジルコニウム系のものは条件に製造条件によっては陰イオンの交換能を示す。アルミニウム系、錫系のものも同様である。
 これら以外の無機イオン交換体としては、リン酸ジルコニウムに代表される多価金属の酸性塩、モリブドリン酸アンモニウムに代表されるヘテロポリ酸塩、不溶性フェロシアン化物等の合成物が知られている。
 これらの無機イオン交換体の一部は既に市販されており、例えば、東亜合成株式会社の商品名イグゼ「IXE」における各種のグレードが知られている。
 なお、合成品のほか、天然物のゼオライト、またはモンモリロン石のような無機イオン交換体の粉末も使用可能である。
[0123]
 (有機イオン交換体)
 有機イオン交換体には、陽イオン交換体としてスルホン酸基を有する架橋ポリスチレンが挙げられ、そのほかカルボン酸基、ホスホン酸基またはホスフィン酸基を有するものも挙げられる。
 また、陰イオン交換体として四級アンモニウム基、四級ホスホニウム基または三級スルホニウム基を有する架橋ポリスチレンが挙げられる。
[0124]
 これらの無機イオン交換体および有機イオン交換体は、捕捉したい陽イオン、陰イオンの種類、そのイオンについての交換容量を考慮して適宜選択すればよい。勿論、無機イオン交換体と有機イオン交換体とを混合して使用してもよいことはいうまでもない。
 電子素子の製造工程では加熱するプロセスを含むため、無機イオン交換体が好ましい。
[0125]
 また、マイグレーション防止材料と上述の高分子材料との混合比は、例えば、機械的強度の観点から、マイグレーション防止材料を10質量%以下とすることが好ましく、マイグレーション防止材料を5質量%以下とすることがより好ましく、更にマイグレーション防止材料を2.5質量%以下とすることが更に好ましい。また、半導体チップまたは半導体ウエハと異方導電性部材とを接合した際のマイグレーションを抑制する観点から、マイグレーション防止材料を0.01質量%以上とすることが好ましい。
[0126]
 <無機充填剤>
 樹脂層は、無機充填剤を含有しているのが好ましい。
 無機充填剤としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カオリン、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉状酸化ケイ素、気相法シリカ、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカ、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
[0127]
 導通路間に無機充填剤が入ることを防ぎ、導通信頼性がより向上する理由から、無機充填剤の平均粒子径が、各導通路の間隔よりも大きいことが好ましい。
 無機充填剤の平均粒子径は、30nm~10μmであることが好ましく、80nm~1μmであることがより好ましい。
 ここで、平均粒子径は、レーザー回折散乱式粒子径測定装置(日機装(株)製マイクロトラックMT3300)で測定される、一次粒子径を平均粒子径とする。
[0128]
 <硬化剤>
 樹脂層は、硬化剤を含有していてもよい。
 硬化剤を含有する場合、接続対象の半導体チップまたは半導体ウエハの表面形状との接合不良を抑制する観点から、常温で固体の硬化剤を用いず、常温で液体の硬化剤を含有しているのがより好ましい。
 ここで、「常温で固体」とは、25℃で固体であることをいい、例えば、融点が25℃より高い温度である物質をいう。
[0129]
 硬化剤としては、具体的には、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、4-メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物等のカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラック樹脂、ポリメルカプタン等が挙げられ、これらの硬化剤から、25℃で液体のものを適宜選択して用いることができる。なお、硬化剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[0130]
 樹脂層には、その特性を損なわない範囲内で、広く一般に半導体パッケージの樹脂絶縁膜に添加されている分散剤、緩衝剤、粘度調整剤等の種々の添加剤を含有させてもよい。
[0131]
 <形状>
 導通路を保護する理由から、樹脂層の厚みは、導通路の突出部の高さより大きく、1μm~5μmであることが好ましい。
[0132]
 以下、異方導電性部材20の適用例について説明する。
[積層デバイス]
 次に、積層デバイスについて説明する。積層デバイスは、導電性を有する導電部を有する導電部材と、異方導電性部材とを有するものであり、導電部と異方導電性部材の突出部とを接触させて接合されたものである。積層デバイスとは、例えば、単体で特定の機能を発揮するものである。なお、複数のものが集まって特定の機能を発揮するものも積層デバイスに含まれる。
 図23は本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの第1の例を示す模式図であり、図24は本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの第2の例を示す模式図である。
[0133]
 図23に示す積層デバイス60は、例えば、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とがこの順で積層方向Dsに積層されて接合され、かつ電気的に接続されたものである。図示はしないが、半導体素子62の導電を担う電極または端子等の導電部と異方導電性部材20の突出部とを接触させて接合されている。
 積層デバイス60は、1つの半導体素子62に対して1つの半導体素子64を接合する形態であるが、これ限定されるものではない。図24に示す積層デバイス60のように、異方導電性部材20を介して、3つの半導体素子62、64、66を積層方向Dsに積層して接合する形態でもよい。この場合でも、図示はしないが、半導体素子62、64、66の導電を担う電極または端子等と異方導電性部材20の突出部とを接触させて接合されている。
 上述の図23および図24に示す積層デバイス60は、いずれも半導体デバイス、または電子デバイス等と呼ばれるものである。
 上述の半導体素子62、64、66が、導電性を有する導電部を有する導電部材である。導電性を有する導電部を有する導電部材は、半導体素子に限定されるものではなく、電極を有する基板であってもよい。電極を有する基板は、例えば、配線基板、およびインターポーザー等である。
[0134]
[積層デバイスの製造方法]
 次に、図23に示す異方導電性部材20を有する積層デバイス60の製造方法について説明する。
 図25および図26は本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの製造方法を工程順に示す模式図である。図27は本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの製造方法の一工程を拡大して示す模式的断面図である。図25~図27において、図20~図22に示す異方導電性部材20、および図23に示す積層デバイス60と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
 なお、図25および図26に示す積層デバイス60の製造方法の例は、チップオンチップに関するものである。
[0135]
 図23に示す積層デバイス60の製造に際して、まず、図25に示す半導体素子62、半導体素子64および異方導電性部材20を用意する。半導体素子62は、例えば、半導体素子部70に、外部との信号のやり取り、または電圧もしくは電流の授受を行うための電極72が複数設けられたものである。各電極72は絶縁層74により電気的に絶縁されている。電極72の表面72aは、例えば、絶縁層74の表面74aよりも突出している。
[0136]
 半導体素子64は、半導体素子62と同様の構成である。半導体素子64は、例えば、インターポーザー基板71に、外部との信号のやり取り、または電圧もしくは電流の授受を行うための電極73が複数設けられたものである。各電極73は絶縁層75により電気的に絶縁されている。電極73の表面73aは、例えば、絶縁層75の表面75aよりも突出している。インターポーザー基板71は、例えば、引出配線層を有しており、また、電極73により、積層デバイス60は、外部と電気的に接続される。
[0137]
 異方導電性部材20は、上述の図21に示す構成であり、導電性を有する導通路16(図21および図22参照)を複数備える。例えば、異方導電性部材20には、樹脂層44(図21参照)等の接着する機能を有する構成を示しているが、樹脂層44(図21参照)がない構成であってもよい。
[0138]
 図25に示すように、異方導電性部材20を挟んで、半導体素子62と半導体素子64とを電極73と電極72と電極73とを対向して配置する。
 このとき、半導体素子62、64と異方導電性部材20とに、それぞれ設けられたアライメントマーク(図示せず)を用いて位置合せされている。
 なお、アライメントマークを用いた位置合せは、例えば、アライメントマークの画像または反射像を取得し、アライメントマークの位置情報を求めることができれば、特に限定されるものではなく、公知の位置合せの手法を適宜利用可能である。
[0139]
 次に、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とを近づけ、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とを積層し、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とを位置合せした状態で、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とを接合する。これにより、図26に示すように、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とが接合され、積層デバイス60を得ることができる。
 なお、上述の半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とを接合する工程が接合工程である。接合工程では、例えば、仮接合した状態で、予め定めた条件にて接合してもよいが、仮接合を省略してもよい。なお、仮接合する工程を仮接合工程といい、接合工程の仮接合以外の接合のことを本接合ともいう。
[0140]
 上述の接合工程で製造された積層デバイス60は、図27に示すように電極72の表面72aに異方導電性部材20の導通路16の突出部分16aが接触しており、接触状態が良好であり、かつ十分な導通面積が確保されている。なお、図27では示していないが、異方導電性部材20の導通路16の突出部分16bが電極73の表面73aに接触しており、接触状態が良好であり、かつ十分な導通面積が確保されている。
 上述の接合工程では、電極72等の導電部と異方導電性部材20の突出部分16aとを接触させ、電極73等の導電部と異方導電性部材20の突出部分16bとを接触させて接合する。
[0141]
 以下、積層デバイスの製造方法についてより具体的に説明する。
〔仮接合工程〕
 仮接合工程の仮接合とは、接合する対象物に対して位置合せした状態で、接合する対象物上に固定することをいう。仮接合は、位置合せした状態が保たれているが、永久に固定された状態ではない。異方導電性部材と接合対象の半導体素子とでは、仮固定されている場合、半導体素子に異方導電性部材が位置合せした状態で固定されている状態にある。
 仮接合工程では、少なくとも2つの部材を近づけて接触させることにより実施する。この場合、加圧条件は、特に限定されるものではないが、10MPa以下であることが好ましく、5MPa以下であることがより好ましく、1MPa以下であることが特に好ましい。
 同様に、仮接合工程における温度条件は、特に限定されるものではないが、0℃~300℃であることが好ましく、10℃~200℃であることがより好ましく、常温(23℃)~100℃であることが特に好ましい。
 仮接合工程には、東レエンジニアリング、渋谷工業株式会社、株式会社新川、およびヤマハ発動機株式会社等の各社の装置を用いることができる。
[0142]
〔接合工程〕
 上述のように接合工程の接合を本接合ともいう。本接合に際して、本接合時の雰囲気、加熱温度、加圧力(荷重)、および処理時間が制御因子として挙げられるが用いる半導体素子等のデバイスに適合した条件を選ぶことができる。
 本接合における温度条件は、特に限定されるものではないが、仮接合の温度よりも高い温度であることが好ましく、具体的には、150℃~350℃であることがより好ましく、200℃~300℃であることが特に好ましい。
 また、本接合における加圧条件は、特に限定されるものではないが、30MPa以下であることが好ましく、0.1MPa~20MPaであることがより好ましい。加圧条件の最大荷重は1MN以下であることが好ましい。より好ましくは、0.1MN以下である。
 また、本接合の時間は特に限定されるものではないが、1秒~60分であることが好ましく、5秒~10分であることがより好ましい。
[0143]
 また、上述の本接合に用いる装置としては、例えば、三菱重工工作機械、ボンドテック、株式会社PMT、アユミ工業、東京エレクトロン(TEL)、EVG、ズースマイクロテック株式会社(SUSS)、ムサシノエンジニアリング等各社のウエハ接合装置を用いることができる。
 本接合時の雰囲気としては、大気下を始め、窒素雰囲気等の不活性雰囲気、および真空雰囲気を含む減圧雰囲気から選ぶことができる。
 加熱温度は、上述のものに特に限定されるものではなく、温度100℃~400℃まで種々選択可能であり、かつ昇温速度に関しても10℃/分~10℃/秒まで加熱ステージの性能、または加熱方式に従って選択することができる。冷却に関しても同様である。またステップ状に加熱することも可能であり、数段に分け、順次加熱温度を上げて接合することも可能である。
 圧力(荷重)に関しても、上述のものに特に限定されるものではなく、接合対象の強度等の物理特性等に応じて急速に加圧したり、ステップ状に加圧したりすることを選択できる。
[0144]
 本接合時の雰囲気、加熱および加圧それぞれの保持時間、および変更時間は適宜設定することができる。また、その順序についても適宜変更することができる。例えば、真空状態になったのち第1段の加圧を行い、その後加熱して昇温したところで第2段の加圧を行って一定時間保持し、除荷すると同時に冷却を行い一定温度以下になった段階で大気下に戻すといった手順を組むことができる。
 このような手順は、様々に組み替えることができ、大気下で加圧後、真空状態にして加熱してもよいし、真空化、加圧、加熱を一気に行ってもよい。これらの組合せの例を図28~図34に示す。
 また、面内の加圧分布、加熱分布を接合時に個別に制御する機構を利用すれば接合の歩留まり向上につなげられる。
 仮接合に関しても同じように変更可能で、例えば、不活性雰囲気で行うことにより、半導体素子の電極表面の酸化を抑制できる。更に超音波を付加しながら接合を行うことも可能である。
[0145]
 図28~図34は本発明の実施形態の異方導電性部材を有する積層デバイスの本接合条件の第1の例~第7の例を示すグラフである。図28~図34は、接合時の雰囲気、加熱温度、加圧力(荷重)、および処理時間を示しており、符号Vは真空度を示し。符号Lは荷重を示し、符号Tは温度を示す。図28~図34において真空度が高いとは、圧力が低くなることを示す。
 接合時の雰囲気、加熱温度、および荷重については、例えば、図28~図30に示すように、圧力を減圧した状態で荷重をかけた後に、温度を上昇させてもよい。また、図31、図33および図34に示すように、荷重を加えるタイミングと温度を上げるタイミングとを合わせてもよい。図32に示すように温度を上昇させた後、荷重を加えるようにしてもよい。また、図31および図32に示すように、圧力の減圧のタイミングと温度を上げるタイミングとを合わせてもよい。
 温度の上昇も、図28、図29および図33に示すように、ステップ状に上昇させてもよいし、図34に示すように2段階で加熱してもよい。荷重も図30および図33に示すようにステップ状に加えてもよい。
 また、圧力を減圧するタイミングは、図28、図30、図32、図33および図34に示すように減圧してから荷重を加えてもよく、図29および図31に示すように減圧のタイミングと荷重を加えるタイミングとを合わせてもよい。この場合、減圧と接合を同時並行する。
[0146]
〔他の接合工程〕
 接合方法としては、上述のものに限定されるものではない。例えば、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とを、加熱溶融材として、少なくとも錫を含む電極材料を介して積層する。この場合、図25に示す突出部分16b上に電極材料が配置され、電極73の表面73a上に電極材料が配置される。
 次に、錫を含む加熱溶融材を、圧力1×10 Pa以上、かつ、蟻酸蒸気等のカルボン酸蒸気を含む雰囲気中で、加熱溶融材料の融点以上に加熱処理して溶融させる。これにより、突出部分16b上および電極73の表面73a上に電極材料を電極に成形する。次に、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とを近づけ、加熱溶融材が固化した後に、カルボン酸蒸気を排気して1×10 Pa以上の圧力状態から1×10 Pa以下の圧力状態に減圧する。電極材料の温度が100℃以上で融点未満のときにカルボン酸蒸気を排気する。減圧後にカルボン酸を含まない不活性ガス雰囲気に置換する。これにより、図26に示すように、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とが接合され、積層デバイス60を得ることができる。なお、カルボン酸が還元剤として作用し、より低い温度で接合が可能となる。また、錫を含む電極材料とは、例えば、錫を含む半田材料である。
[0147]
 また、例えば、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とを組成物層を介して積層する。この場合、図25に示す突出部分16b上に組成物層が配置され、電極73の表面73a上に組成物層が配置される。そして、不活性ガス、還元性ガスまたはこれらの混合ガスのいずれかのガス雰囲気下で、温度120~250℃で加熱し、荷重をかける。これにより、図26に示すように、半導体素子62と異方導電性部材20と半導体素子64とが接合され、積層デバイス60を得ることができる。
 なお、ガス雰囲気は、水素ガスまたはギ酸ガスを含むガス雰囲気である。
 導体形成用組成物は、銅含有粒子と、有機酸と、分散媒とを含有する。銅含有粒子は銅を含むコア粒子と、コア粒子の表面の少なくとも一部を被覆する有機物とを有する。有機物は炭素数が7以下である炭化水素基を有するアルキルアミンを含む。
 銅含有粒子は、例えば、特開2016-037627の銅含有粒子である。なお、銅含有粒子は、少なくとも銅を含むが、銅以外の物質として、金、銀、白金、錫、ニッケル等の金属またはこれらの金属元素を含む化合物、還元性化合物または有機物等を含んでいてもよい。
 有機酸は、例えば、はんだ付けのフラックス成分に用いられる有機カルボン酸等である。分散媒は、導電インク、導電ペースト等の製造に一般に用いられる有機溶剤である。
[0148]
 接合雰囲気に関しては、真空雰囲気だけではなく窒素、アルゴン等の不活性ガス、もしくは水素、カルボン酸等の還元性ガス、またはこれらの不活性ガスと還元性ガスとの混合ガスのいずれかのガス雰囲気を導入する等、公知の方法を用いても良い。特に還元性ガスを含むガスを用いることが好ましい。これらのガスを使用する技術については半田の溶融接合に関する技術あるいは微細金属粒子を用いた接合技術を適用可能であり、ギ酸をはじめとするカルボン酸を含有する還元性雰囲気ガスまたは水素を含有する還元性雰囲気ガスをチャンバー内に導入し加熱加圧接合を行うことができる。雰囲気ガス中のカルボン酸の濃度は爆発限界以下かつ0.002%以上であることが望ましい。水素を含むガスの場合にも爆発限界以下かつ1%以上が望ましい。還元性雰囲気下での接合により、本発明で製造される異方導電部材の表面に突出する銅ピラー表面の有機物の脱離、酸化膜の除去が容易になり、この銅ピラーと接合対象となる銅電極との接合が促進される。
 具体的には接合対象をチャンバー内に導入後、チャンバー内を一旦真空排気し、上述の還元性の雰囲気ガスをチャンバー内に導入して一定の圧力に維持する。この時、チャンバー内へ導入するガスはカルボン酸蒸気とキャリアガス(窒素等)の混合ガスで、ガスの導入によりチャンバー内圧力は1×10 Pa以上となる。チャンバー内圧力が一定になった状態で加熱された接合対象同士の接合を行う。接合対象は真空排気の際に加熱してもよいし、還元性ガスを導入した後加熱しても良い。加熱工程におけるチャンバー内の圧力は、特に制限されず、減圧条件とすることによって、低温での導体化がより促進される傾向にあり、ガスの導入と排気を並行して行う「フロー」の状態でもよい。「フロー」の状態にすることで脱離ガス等の排気が同時に進み、チャンバーの汚染が減少する。
[0149]
 以下、異方導電性部材20(図20および図21参照)を用いた半導体パッケージについて説明する。
(半導体パッケージ)
〔半導体パッケージの製造方法1〕
 例えば、上述の〔金属充填工程〕の後に、絶縁性基材の表面に半導体素子を搭載して、上述の金属M2と半導体素子の電極を接合する半導体素子実装工程と、樹脂でモールドするモールド工程と、上述の〔基板除去工程〕をこの順に有する製造方法により、図35に示す半導体パッケージ80を作製することができる。
 図35は半導体パッケージの第1の例を示す模式的断面図である。なお、以下に示す図35~図44において、上述の図20~図22に示す異方導電性部材20と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
 図35に示す半導体パッケージ80は、異方導電性部材20の表面20aに半導体素子82が載置され、異方導電性部材20と半田ボール85により電気的に接続されている。異方導電性部材20の表面20aは半導体素子82を含めてモールド樹脂84で覆われている。
[0150]
[半導体素子実装工程]
 本発明の異方導電性部材に半導体素子を実装する場合、加熱による実装を伴うが、半田リフローを含めての熱圧着による実装、およびフリップチップによる実装では、均一かつ確実な実装を施す観点から、最高到達温度は220~350℃が好ましく、240~320℃がより好ましく、260~300℃が特に好ましい。
 これらの最高到達温度を維持する時間としては、同観点から2秒~10分が好ましく、5秒~5分がより好ましく、10秒~3分が特に好ましい。
 また、アルミニウム基板と陽極酸化膜との熱膨張率差に起因して陽極酸化膜内に発生するクラックを抑制する観点から、上述の最高到達温度に到達する前に、所望の一定温度で5秒~10分、より好ましくは10秒~5分、特に好ましくは20秒~3分の熱処理を施す方法をとることもできる。所望の一定温度としては、80~200℃であることが好ましく、100~180℃がより好ましく、120~160℃が特に好ましい。
 また、ワイヤーボンディングでの実装時の温度としては、確実な実装を施す観点から、80~300℃が好ましく、90~250℃がより好ましく、100~200℃が特に好ましい。加熱時間としては、2秒~10分が好ましく、5秒~5分がより好ましく、10秒~3分が特に好ましい。
[0151]
〔半導体パッケージの製造方法2〕
 上述の〔金属充填工程〕の後に、上述の絶縁性基材の表面に半田もしくは銀ペースト、またはフィラーが充填された樹脂ペーストによって半導体素子を搭載する素子搭載工程と、樹脂でモールドするモールド工程と、上述のモールド樹脂に穴を開けて素子電極と上述の金属M2を露出する穴あけ工程と、上述の金属M2と半導体素子の電極を電気的に導通させる配線形成工程と、上述の配線を覆う絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上述の〔基板除去工程〕をこの順に有する製造方法により、図36に示す半導体パッケージ80を作製することができる。
 図36は半導体パッケージの第2の例を示す模式的断面図である。
 図36に示す半導体パッケージ80は、異方導電性部材20の表面20aに半導体素子82が載置されて電気的に接続されている。異方導電性部材20の表面20aは半導体素子82を含めてモールド樹脂84で覆われている。モールド樹脂84には、半導体素子82の電極と、異方導電性部材20の導通路16とを電気的に導通させる配線を形成するための穴86が形成されている。穴86を通る配線87が設けられている。配線87により半導体素子82の電極と、異方導電性部材20の金属M2とが電気的に導通される。また、モールド樹脂84の上面に、配線87を覆う絶縁層88が設けられている。
[0152]
<配線形成工程>
 上述の配線形成工程は、上述の異方導電性部材の少なくとも一面に配線を形成する工程である。
 ここで、上述の配線を形成する方法は、例えば、電解めっき処理、無電解めっき処理、置換めっき処理等の種々めっき処理;スパッタリング処理;蒸着処理;等を施す方法が挙げられる。これらのうち、耐熱性が高い観点から、金属のみの層形成であることが好ましく、厚膜、均一形成化および高密着性の観点から、めっき処理による層形成が特に好ましい。上述のめっき処理は、非導電性物質(複合材料)に対するめっき処理になるため、シード層と呼ばれる還元金属層を設けた後、その金属層を利用して厚い金属層を形成する手法を用いるのが好ましい。
 上述のシード層は、スパッタリング処理により形成するのが好ましい。また、上述のシード層の形成には、無電解めっきを用いてもよく、めっき液としては、例えば、金属塩、還元剤等の主成分と、例えば、pH調整剤、緩衝剤、錯化剤、促進剤、安定剤および改良剤等の補助成分とから構成される溶液を用いるのが好ましい。
 なお、めっき液としては、SE-650・666・680、SEK-670・797、SFK-63(いずれも日本カニゼン社製)、メルプレートNI-4128、エンプレートNI-433、エンプレートNI-411(いずれもメルテックス社製)等の市販品を適宜用いることができる。
 また、上述の配線の材料として銅を用いる場合、硫酸、硫酸銅、塩酸、ポリエチレングリコールおよび界面活性剤を主成分とし、その他各種添加剤を加えた種々の電解液を用いることができる。
[0153]
 このようにして形成される配線は、半導体素子等の実装の設計に応じ、公知の方法でパターン形成される。また、実際に半導体素子等が実装される箇所には、再度、半田も含む金属を設け、熱圧着、フリップチップ、またはワイヤーボンディング等で接続しやすい様に適宜加工することができる。
 好適な金属としては、半田、または金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、ニッケル(Ni)等の金属素材が好ましく、加熱による半導体素子等の実装の観点では、半田、またはNiを介してAu、またはAgを設ける方法が接続信頼性の観点から好ましい。
 具体的には、パターンが形成された銅(Cu)配線上に、ニッケル(Ni)を介して金(Au)を形成する方法としては、Niストライクめっきを施し、その後にAuめっきを施す方法が挙げられる。
 ここで、Niストライクめっきは、Cu配線の表面酸化層の除去とAu層密着性確保を目的に施される。
 また、Niストライクめっきには、一般的なNi/塩酸混合液を用いてもよく、NIPS-100(日立化成工業社製)等の市販品を用いてもよい。
 一方、Auめっきは、Niストライクめっきを施した後に、ワイヤーボンディングまたは半田の濡れ性を向上させる目的で施される。また、Auめっきは無電解めっきで生成させるのが好ましく、HGS-5400(日立化成工業社製)、ミクロファブAuシリーズ、ガルバノマイスターGBシリーズ、プレシャスハブIGシリーズ(いずれも田中貴金属社製)等の市販の処理液を用いることができる。
[0154]
 この他、上述の配線を用いて本発明の異方導電性部材と半導体素子等とを接続する態様としては、例えば、C4(Controlled Collapse Chip Connection)バンプ、はんだボール、およびCuピラー等によるフリップチップ接続、ならびに導電粒子配列型の異方導電膜(ACF)を用いた接続等も挙げられるが、本発明の態様がこれらに限定されるものではない。
[0155]
[同軸構造]
 この他、上述の配線を、例えば、図43および図44に示すように、信号電流が流れる複数の線状導体120の周囲に、所定の間隔を空けてグランド配線123に接続された複数の線状導体120を配置することもできる。この構造は、同軸線路と同等の構造であるため、シールド(遮蔽)効果を奏することができる。また、隣接して配置され、異なる信号電流が流れる複数の線状導体120間には、グランド配線123に接続された複数の線状導体120が配置されることになる。このため、隣接して配置され、異なる信号電流が流れる複数の線状導体120間に生じる電気的結合(容量結合)を低減することができ、信号電流が流れる複数の線状導体120自体がノイズ源となることを抑制することができる。図43では、信号電流が流れる複数の線状導体120は、絶縁性基材121に形成され互いに電気的に絶縁されており、かつ信号配線122に電気的に接続されている。信号配線122およびグランド配線123には、それぞれ絶縁層124により電気的に絶縁された配線層125に、電気的に接続されている。
[0156]
<絶縁層形成工程>
 上述の絶縁層形成工程は、上述の絶縁層を形成する工程である。
 上述の絶縁層を形成する方法としては特に限定されないが、上述の絶縁層として後述の樹脂を用いる場合、例えば、ラミネーター装置を用いて上述の異方導電性部材の上に積層させる方法、スピンコータ装置を用いて上述の異方導電性部材の上に塗布する方法、フリップチップボンディング装置を用いて上述の異方導電性部材と上述の半導体素子の接合と同時に絶縁層を形成する方法等が挙げられる。
[0157]
(絶縁層)
 絶縁層の材料としては、絶縁性が高い素材であれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、空気、ガラス、アルミナ等の無機絶縁体、樹脂等の有機絶縁体等が挙げられ、これらを1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。これらのうち、安価であり熱伝導率が高い理由から樹脂を用いるのが好ましい。
[0158]
 上述の樹脂の材質は、熱硬化性樹脂が好ましい。上述の熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、および、ポリイミド樹脂からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂がより好ましい。
 また、上述の樹脂としては、耐熱性、耐候性、耐光性に優れた樹脂を用いることが好ましい。
 また、上述の樹脂には、所定の機能を持たせるため、フィラー、拡散剤、顔料、蛍光物質、反射性物質、紫外線吸収剤、および、酸化防止剤からなる群から選択される少なくとも1種を混合することもできる。
 また、上述の樹脂として接着性組成物を用いることもでき、例えば、通称:アンダーフィル材(液体)、NCP(Non Conductive Paste)(ペースト状)、NCF(Non Conductive Film)(フィルム状)と呼称される半導体用の接着剤が挙げられ、ドライフィルムレジスト等も使用できる。
 更に、上述の絶縁層としては、上述の配線としても記載した導電粒子配列型の異方導電膜(ACF)を使用してもよい。
 もっとも、本発明において、上述の絶縁層の態様としては上述のものに限定されない。
[0159]
<穴あけ工程>
 穴あけ工程は、レーザー加工、ドリル加工、ドライエッチング等物理的な方法、およびウエットエッチングによる化学的な方法が考えられるが、これらの方法に限定されない。
[0160]
〔半導体パッケージの製造方法3〕
 上述の半導体パッケージの製造方法1、および半導体パッケージの製造方法2に記載の、上述の金属充填工程と上述の半導体素子実装工程、または半導体素子搭載工程の間に、異方導電性部材の表面にマスク層を形成するマスク層形成工程と、上述の陽極酸化膜に充填した上述の金属M2、金属M1を除去する充填金属除去工程と、上述のマスク層を除去するマスク層除去工程とをこの順に有する製造方法により、図37に示す半導体パッケージ80を作製することができる。
 図37は半導体パッケージの第3の例を示す模式的断面図である。
 図37に示す半導体パッケージ80は、図35に示す半導体パッケージ80に比して異方導電性部材20の構成が異なる点以外は同じ構成である。異方導電性部材20は、充填金属除去工程により金属M2、金属M1が除去された部分に樹脂83が充填されている。異方導電性部材20と半導体素子82とは除去されていない導通路16に設けられた半田ボール85により電気的に接続されている。
[0161]
〔半導体パッケージの製造方法4〕
 上述の半導体パッケージの製造方法1、および半導体パッケージ2に記載の上述の金属充填工程と上述の半導体素子実装工程、または半導体素子搭載工程の間に、上述の異方導電性部材の表面にマスク層を形成するマスク層形成工程と、上述の異方導電性部材の一部を除去する異方導電性部材除去工程と、上述の異方導電性部材の一部を除去した部分に樹脂を充填する樹脂充填工程と、上述のマスク層を除去するマスク層除去工程とをこの順に有する製造方法により、図38に示す半導体パッケージ80を作製することができる。
 図38は半導体パッケージの第4の例を示す模式的断面図である。
 図38に示す半導体パッケージ80は、図35に示す半導体パッケージ80に比して異方導電性部材20の構成が異なる点以外は同じ構成である。異方導電性部材20は、異方導電性部材除去工程により除去された部分に、樹脂充填工程により樹脂99が充填されている。異方導電性部材20と半導体素子82とは除去されていない導通路16に設けられた半田ボール85により電気的に接続されている。
[0162]
<マスク層形成工程>
 上述のマスク層形成工程は、上述の〔金属充填工程〕の後に、絶縁性基材の表面に、所定の開口パターン(開口部)を有するマスク層を形成する工程である。
 上述のマスク層は、例えば、上述の絶縁性基材の表面に画像記録層を形成した後に、上述の画像記録層に対して露光または加熱によりエネルギーを付与して所定の開口パターンに現像する方法等により形成することができる。ここで、上述の画像記録層を形成する材料は特に限定されず、従来公知の感光層(フォトレジスト層)または感熱層を形成する材料を用いることができ、必要に応じて、赤外線吸収剤等の添加剤も含有していてもよい。
[0163]
<マスク層除去工程>
 上述のマスク層除去工程は、上述のマスク層を除去する工程である。
 ここで、上述のマスク層を除去する方法は特に限定されず、例えば、上述のマスク層を溶解し、かつ、上述のアルミニウム基板および上述の陽極酸化膜を溶解しない液体を用いて、上述のマスク層溶解し、除去する方法が挙げられる。このような液体としては、例えば、上述のマスク層に感光層および感熱層を用いる場合は、公知の現像液が挙げられる。
[0164]
<充填金属除去工程>
 上述の充填金属除去工程は、上述のマスク層の開口部の下部に存在する異方導電性部材中の導通路16を構成する金属M2、金属M1を除去する工程である。ここで、上述の金属M2、金属M1を除去する方法は特に限定されず、例えば、過酸化水素水もしくは酸性水溶液、またはそれらの混合液を用いて金属M2、金属M1を溶解させる方法等が挙げられる。
[0165]
<異方導電性部材除去工程>
 上述の異方導電性部材除去工程は、上述のマスク層の開口部の下部に存在する異方導電性部材を除去する工程である。
 ここで、上述の異方導電性部材を除去する方法は特に限定されず、例えば、アルカリエッチング水溶液または酸性水溶液を用いて異方導電性部材の陽極酸化膜を溶解させる方法等が挙げられる。
[0166]
<水洗処理>
 上述の各処理の工程終了後には水洗を行うのが好ましい。水洗には、純水、井水、および水道水等を用いることができる。処理液の次工程への持ち込みを防ぐためにニップ装置を用いてもよい。
[0167]
〔半導体パッケージの製造方法5〕
 上述の〔基板除去工程〕の後に、露出した異方導電性部材の表面に少なくとも1層以上の配線層を形成する配線層形成工程を有する製造方法により、図39に示す半導体パッケージ80を作製することができる。
 図39は半導体パッケージの第5の例を示す模式的断面図である。
 図39に示す半導体パッケージ80は、図35に示す半導体パッケージ80に比して異方導電性部材20の裏面20bに配線基板90が設けられている点が異なる以外は同じ構成である。
 配線基板90は、電気絶縁性を有する絶縁性基材92に配線層94が設けられている。配線層94は、一方が異方導電性部材20の導通路16と電気的に接続され、他方が半田ボール95に電気的に接続されている。これにより、半導体素子82から信号等を半導体パッケージ80の外部に取り出すことができる。また、半導体パッケージ80の外部から半導体素子82に信号、電圧、または電流等を供給することができる。
[0168]
〔半導体パッケージの製造方法6〕
 上述の〔半導体パッケージの製造方法5〕の配線層形成工程の後に、上述の半導体パッケージと半導体素子が搭載されたパッケージ基板の接合を少なくとも1回以上行う工程を有する製造方法により、図40に示すように半導体パッケージ基板を積層したPoP(Package on Package)基板61を作製することができる。
[0169]
 図40は半導体パッケージ基板を積層した構成を示す模式的断面図である。
 図40に示すPoP基板61は、半導体パッケージ基板80aと半導体パッケージ基板80bとが積層され、半田ボール108により電気的に接続されている。半導体パッケージ基板80aは、異方導電性部材20の表面20aに配線98が設けられている。絶縁層97に、例えば、2つの配線98が設けられている。各配線98は、半田ボール85により1つの半導体素子82と電気的に接続されている。配線98および1つの半導体素子82はモールド樹脂84で覆われている。
 また、異方導電性部材20の裏面20bに配線層100が設けられている。配線層100は絶縁性基材101に、2つの配線102が設けられている。各配線102は、それぞれ異方導電性部材20の導通路16を介して半田ボール108と電気的に接続されている。
 半導体パッケージ基板80bは、例えば、基板104の両側に電極105が設けられ、中央部に2つの電極106が設けられている。中央部の各電極106は、それぞれ半田ボール85を介して半導体素子82と電気的に接続されている。基板104の両側の電極105は、それぞれ半田ボール108を介して半導体パッケージ基板80aの配線102と電気的に接続されている。
[0170]
〔半導体パッケージの製造方法7〕
 上述の〔半導体パッケージの製造方法2〕に記載の絶縁層形成工程の後に、上述の絶縁層の下にある上述の配線を露出するために絶縁層に穴をあける工程を有する製造方法により、図41に示す半導体パッケージ80を作製することができる。こうして、部品内蔵基板を作製することができる。
 図41は半導体パッケージの第6の例を示す模式的断面図である。
 図41に示す半導体パッケージ80は、図36に示す半導体パッケージ80に比して絶縁層88に配線87を露出する穴89が設けられている点以外は同じ構成である。
[0171]
 なお、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、実装形態としては、例えば、SoC(System on a chip)、SiP(System in Package)、PoP(Package on Package)、PiP(Polysilicon Insulater Polysilicon)、CSP(Chip Scale Package)、TSV(Through Silicon Via)等が挙げられる。
[0172]
 より詳細には、例えば、本発明の異方導電性部材は、半導体素子単体のデータ信号、および電源の接続に加えて、グランド部および熱伝導部としても使用できる。
[0173]
 また、本発明の異方導電性部材は、2個以上の半導体素子間のデータ信号または電源の接続に加えて、グランド部および熱伝導部としても使用できる。このような態様としては、例えば、以下の例におけるインターポーザーとして本発明の異方導電性部材を使用したものが挙げられる。
 ・3次元SoCのロジックデバイス(例えば、ホモジニアス基板(インターポーザー上にFPGA(Field Programmable Gate Array)を複数層積層したもの)、ヘテロジニアス基板(インターポーザー上にデジタルデバイスと、アナログデバイスと、RFデバイスと、MEMSと、メモリとを積層したもの)等)
 ・ロジックとメモリとを組み合わせた3次元SiP(Wide I/O)(例えば、インターポーザーの上または上下にCPUとDRAMとを積層したもの、インターポーザーの上または上下にGPUとDRAMとを積層したもの、インターポーザーの上または上下にASIC/FPGAとWideI/Oメモリとを積層したもの、インターポーザーの上または上下にAPEとWideI/Oメモリとを積層したもの等)
 ・SoCとDRAMとを組み合わせた2.5次元ヘテロジニアス基板
[0174]
 また、本発明の異方導電性部材は、図42に示すように半導体パッケージ80とプリント配線基板110との電気的な接続にも使用できる。プリント配線基板110は、半導体パッケージ80の異方導電性部材20の裏面20bに設けられる。プリント配線基板110は、例えば、樹脂で構成された絶縁性基材112に配線層114が設けられている。配線層114は異方導電性部材20の裏面20bの導通路16と電気的に接続されている。
[0175]
 また、本発明の異方導電性部材は、2個以上の半導体パッケージ同士の接続(PoP;Package on Package)にも使用でき、この場合における態様としては、例えば、本発明の異方導電性部材が、その上下面側に配置された2個の半導体パッケージと、所定の配線を介して接続された態様が挙げられる。
 また、本発明の異方導電性部材は、2個以上の半導体素子を基板上に積み重ねる態様または平置きにする態様によってパッケージングしたマルチチップパッケージにも使用でき、この場合における態様としては、例えば、本発明の異方導電性部材上に、2個の半導体素子を積層し、所定の配線を介して接続された態様が挙げられる。
[0176]
(電子デバイス)
 以下、異方導電性部材を用いた電子デバイスについて説明する。電子デバイスは、積層デバイスの一種である。
 図45は本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第1の例を示す模式図であり、図46は本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第2の例を示す模式図である。
 図45に示す電子デバイス130のように、インターポーザー137と異方導電性部材20を用いて、半導体素子134と半導体素子136と半導体素子138を積層方向Dsに積層して接合し、かつ電気的に接続した構成としてもよい。
[0177]
 また、図46に示す電子デバイス130のように光学センサーとして機能するものでもよい。図46に示す電子デバイス130は、半導体素子140とセンサチップ142とが異方導電性部材20を介して積層方向Dsに積層されている。また、センサチップ142にはレンズ144が設けられている。
 半導体素子140は、ロジック回路が形成されたものであり、センサチップ142で得られる信号を処理することができれば、その構成は特に限定されるものではない。
 センサチップ142は、光を検出する光センサーを有するものである。光センサーは、光を検出することができれば、特に限定されるものではなく、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサーまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーが用いられる。
 レンズ144は、センサチップ142に光を集光することができれば、その構成は特に限定されるものではなく、例えば、マイクロレンズと呼ばれるものが用いられる。
[0178]
 なお、上述の半導体素子134、半導体素子136および半導体素子138は、素子領域(図示せず)を有する。
 素子領域とは、電子素子として機能するための、コンデンサ、抵抗およびコイル等の各種の素子構成回路等が形成された領域である。素子領域には、例えば、フラッシュメモリ等のようなメモリ回路、マイクロプロセッサおよびFPGA(field-programmable gate array)等のような論理回路が形成された領域、無線タグ等の通信モジュールならびに配線が形成された領域がある。素子領域には、これ以外に、発信回路、またはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が形成されてもよい。MEMSとは、例えば、センサー、アクチュエーターおよびアンテナ等である。センサーには、例えば、加速度、音および光等の各種のセンサーが含まれる。
[0179]
 上述のように、素子領域は素子構成回路等が形成されており、半導体素子には、例えば、再配線層(図示せず)が設けられている。
 積層デバイスでは、例えば、論理回路を有する半導体素子と、メモリ回路を有する半導体素子の組合せとすることができる。また、半導体素子を全てメモリ回路を有するものとしてもよく、また、全て論理回路を有するものとしてもよい。また、電子デバイス130における半導体素子の組合せとしては、センサー、アクチュエーターおよびアンテナ等と、メモリ回路と論理回路との組み合わせでもよく、電子デバイス130の用途等に応じて適宜決定されるものである。
[0180]
〔半導体素子〕
 半導体素子は、上述の半導体パッケージおよび電子デバイスに用いられるものである。半導体素子としては、特に限定されず、上述のもの以外に、例えば、ロジックLSI(Large Scale Integration)(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASSP(Application Specific Standard Product)等)、マイクロプロセッサ(例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等)、メモリ(例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、HMC(Hybrid Memory Cube)、MRAM(MagneticRAM:磁気メモリ)とPCM(Phase-Change Memory:相変化メモリ)、ReRAM(Resistive RAM:抵抗変化型メモリ)、FeRAM(Ferroelectric RAM:強誘電体メモリ)、フラッシュメモリ(NAND(Not AND)フラッシュ)等)、LED(Light Emitting Diode)、(例えば、携帯端末のマイクロフラッシュ、車載用、プロジェクタ光源、LCDバックライト、一般照明等)、パワー・デバイス、アナログIC(Integrated Circuit)、(例えば、DC(Direct Current)-DC(Direct Current)コンバータ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、(例えば、加速度センサー、圧力センサー、振動子、ジャイロセンサ等)、ワイヤレス(例えば、GPS(Global Positioning System)、FM(Frequency Modulation)、NFC(Nearfieldcommunication)、RFEM(RF Expansion Module)、MMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)、WLAN(WirelessLocalAreaNetwork)等)、ディスクリート素子、BSI(Back Side Illumination)、CIS(Contact Image Sensor)、カメラモジュール、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、Passiveデバイス、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ、RF(Radio Frequency)フィルタ、RFIPD(Radio Frequency Integrated Passive Devices)、BB(Broadband)等が挙げられる。
 半導体素子は、例えば、1つで完結したものであり、半導体素子単体で、回路またはセンサー等の特定の機能を発揮するものである。
[0181]
 電子デバイスとしては、1つの半導体素子に複数の半導体素子を接合する形態である1対複数の形態に限定されるものではなく、複数の半導体素子と複数の半導体素子とを接合する形態である複数対複数の形態でもよい。
 図47は本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第3の例を示す模式図であり、図48は本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第4の例を示す模式図であり、図49は本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第5の例を示す模式図であり、図50は本発明の実施形態の異方導電性部材を用いた電子デバイスの第6の例を示す模式図である。
[0182]
 複数対複数の形態としては、例えば、図47に示すように、1つの半導体素子134に対して、異方導電性部材20を用いて半導体素子136と半導体素子138とが接合され、かつ電気的に接続された形態の電子デバイス130aが例示される。半導体素子134は、インターポーザー機能を有するものであってもよい。
 また、例えば、インターポーザー機能を有するデバイス上に、論理回路を有する論理チップ、およびメモリーチップ等の複数のデバイスを積層することも可能である。また、この場合、それぞれのデバイスごとに電極サイズが異なっていても接合することができる。
 図48に示す電子デバイス130bでは、電極148の大きさは同じではなく、大きさが異なるものが混在しているが、1つの半導体素子134に対して、異方導電性部材20を用いて半導体素子136と半導体素子138とが接合され、かつ電気的に接続されている。更に半導体素子136に半導体素子146が異方導電性部材20を用いて接合され、かつ電気的に接続されている。半導体素子136と半導体素子138とに跨って半導体素子147が異方導電性部材20を用いて接合され、かつ電気的に接続されている。
[0183]
 また、図49に示す電子デバイス130cのように、1つの半導体素子134に対して、異方導電性部材20を用いて半導体素子136と半導体素子138とが接合され、かつ電気的に接続されている。更に半導体素子136に半導体素子146と半導体素子147とが異方導電性部材20を用いて接合され、半導体素子138に半導体素子151が異方導電性部材20を用いて接合され、かつ電気的に接続されている構成とすることもできる。
[0184]
 上述のような構成の場合に、光導波路を含むようなデバイス表面にVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser)のような発光素子、およびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーのような受光素子を積層することで高周波を想定したシリコンフォトニクスへの対応も可能となる。
 例えば、図50に示す電子デバイス130dのように、1つの半導体素子134に対して、異方導電性部材20を用いて半導体素子136と半導体素子138とが接合され、かつ電気的に接続されている。更に半導体素子136に半導体素子146と半導体素子147とが異方導電性部材20を用いて接合され、半導体素子138に半導体素子151が異方導電性部材20を用いて接合され、かつ電気的に接続されている。半導体素子134には光導波路153が設けられている。半導体素子138には発光素子155が設けられ、半導体素子136には受光素子156が設けられている。半導体素子138の発光素子155から出力された光Loは、半導体素子134の光導波路153を通過し、半導体素子136の受光素子156に出射光Ldとして出射される。これにより、上述のシリコンフォトニクスに対応することができる。
 なお、異方導電性部材20には、光Loおよび出射光Ldの光路に相当する箇所に穴152が形成されている。
[0185]
 本発明は、基本的に以上のように構成されるものである。以上、本発明の陽極酸化処理方法および異方導電性部材の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
実施例
[0186]
 以下に実施例を挙げて本発明の特徴を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、および、操作等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
 本実施例では、実施例1~実施例5の異方導電性部材および比較例1~比較例4の異方導電性部材を作製した。実施例1~実施例5の異方導電性部材および比較例1~比較例4の異方導電性部材について、異常部頻度、上下ポア径、欠陥頻度、および接合を評価した。異常部頻度、上下ポア径、欠陥頻度、および接合の評価結果を下記表2に示す。
 以下、異常部頻度、上下ポア径、欠陥頻度、および接合の各評価項目について説明する。
[0187]
 異常部頻度の評価について説明する。
<異常部頻度の評価>
 陽極酸化処理により得られた陽極酸化膜の表面に、光を当て、光学顕微鏡を用いて観察し、反射点を見つけることを試みた。そして、反射点を数え、単位面積当りの反射点を求めた。反射点の単位面積当りの数を、異常部頻度として評価した。
[0188]
 上下ポア径の評価について説明する。
<上下ポア径の評価>
 製造した異方導電性部材について、10断面を切り出し、各断面のFE-SEM(Field Emission Scanning Electron Microscope)画像を得た。10断面のFE-SEM画像から、それぞれマイクロポアの表面および底部の径を測定し、マイクロポアの表面および底部の径の平均値を求めた。この平均値を、マイクロポアの表面および底部の径とした。
 なお、断面は、集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)を用いて切削加工して得た。
[0189]
 欠陥頻度の評価について説明する。
<欠陥頻度の評価>
 製造した異方導電性部材の片面を研磨した後、研磨面を光学顕微鏡にて観察して、欠陥を見つけることを試みた。そして、欠陥数を数え、単位面積当りの欠陥数を求め、下記表1に示す評価基準にて、欠陥頻度を評価した。評価では、直径20~50μmの評価基準と、直径50μm超の評価基準との両方を満たす必要がある。例えば、評価AAは、直径20~50μmが0.001~0.1を満たし、かつ直径50μm超のものが未検出であるものとした。
 なお、上述の片面研磨は以下のように実施した。まず、4インチウエハに製造した異方導電性部材をQ-chuck(登録商標)(丸石産業株式会社製)にて貼付け、MAT社製研磨装置を用いて異方導電性部材を算術平均粗さ(JIS(日本工業規格) B0601:2001)が0.02μmになるまで研磨した。研磨には、アルミナを含む砥粒を用いた。
[0190]
[表1]


[0191]
 接合の評価について説明する。
<接合の評価>
 デイジーチェインを評価できるTEGチップ(Test Element Group chip)を用意した。TEGチップはデイジーチェインを1000有するものとした。
 異方導電性部材を2つのTEGチップで積層し、ウェハボンダーのチャンバー内に設置した。チャンバー内を一旦、10 -3Paの真空とした後、5%水素を含有する窒素ガスをチャンバー内に導入し、チャンバー内の圧力を5KPaで安定化させた。その後、圧力20MPa、温度200℃の条件で加圧加熱し、30分間保持して接合した。
 接合は、以下に示す評価基準にて評価した。
 評価基準
 A:接合品のデイジーチェインの1000のうち、全て繋がる。
 B:接合品のデイジーチェインの1000のうち、75%以上100%未満繋がる。
 C:接合品のデイジーチェインの1000のうち、50%以上75%未満繋がる。
 D:接合品のデイジーチェインの1000のうち、25%以上50%未満繋がる。
[0192]
 以下、実施例1~実施例5および比較例1~比較例4について説明する。
[0193]
(実施例1)
 実施例1の異方導電性部材について説明する。
[異方導電性部材]
<アルミニウム基板>
 純度99.999質量%のアルミニウム基板を用いた。
<電解研磨処理>
 上述のアルミニウム基板に対して、以下組成の電解研磨液を用いて、電圧25V、液温度65℃、液流速3.0m/分の条件で、電解研磨処理を施した。なお、電解処理の処理面積は0.12m とした。
 陰極はカーボン電極とし、電源は、GP0110-30R(株式会社高砂製作所社製)を用いた。また、電解液の流速は渦式フローモニターFLM22-10PCW(アズワン株式会社製)を用いて計測した。
 (電解研磨液組成)
 ・85質量%リン酸(和光純薬社製試薬)  660mL
 ・純水  160mL
 ・硫酸  150mL
 ・エチレングリコール  30mL
[0194]
<陽極酸化処理工程>
 次いで、電解研磨処理後のアルミニウム基板に、以下に示す陽極酸化処理条件にて陽極酸化処理を施した。
 (電解液)
 シュウ酸10%水溶液、液温度15℃。電解液は液撹拌を実施した。
 (陽極酸化処理条件)
 2回の陽極酸化処理を施した。
 1回目の初段陽極酸化処理では、電圧40Vの一定電圧となるように定電圧制御した状態にて60分間、陽極酸化処理を施した。
 2回目の陽極酸化処理では、プログラマブル直流電源を用い、以下に示す電圧制御を行い陽極酸化処理を施した。電流増加期間を6分とした。電流維持期間を400分とした。電流維持期間が400分の場合、電流密度は72A/m である。
 電圧制御は、電圧20Vで4分、電圧30Vで1.5分、電圧35Vで0.5分とし、最終的に電圧40Vと段階的に増加させた。
[0195]
<バリア層除去工程>
 次いで、上述の陽極酸化処理と同様の処理液および処理条件で、電圧を40Vから0Vまで連続的に電圧降下速度0.2V/secで降下させながら電解処理(電解除去処理)を施した。
 その後、5質量%リン酸に30℃、30分間浸漬させるエッチング処理(エッチング除去処理)を施し、陽極酸化膜のマイクロポアの底部にあるバリア層を除去し、マイクロポアを介してアルミニウム基板を露出させた。
[0196]
 陽極酸化膜に存在するマイクロポアの密度は、約1億個/mm 2であった。なお、マイクロポアの密度は、特開2008-270158号公報の[0168]および[0169]段落に記載された方法で測定し、算出した。
 また、陽極酸化膜に存在するマイクロポアの規則化度は、92%であった。なお、規則化度は、FE-SEMにより表面写真(倍率20000倍)を撮影し、特開2008-270158号公報の[0024]~[0027]段落に記載された方法で測定し、算出した。
[0197]
<金属充填工程>
 次いで、アルミニウム基板を陰極にし、白金を正極にして電解めっき処理を施した。
 具体的には、以下に示す組成の銅めっき液を使用し、定電流電解を施すことにより、マイクロポアの内部に銅が充填された異方導電性部材を作製した。
 ここで、定電流電解は、株式会社山本鍍金試験器社製のめっき装置を用い、北斗電工株式会社製の電源(HZ-3000)を用い、めっき液中でサイクリックボルタンメトリを行って析出電位を確認した後に、以下に示す条件で処理を施した。
 (銅めっき液組成および条件)
 ・硫酸銅 100g/L
 ・硫酸 50g/L
 ・塩酸 15g/L
 ・温度 25℃
 ・電流密度 10A/dm 2
[0198]
<基板除去工程>
 次いで、20質量%塩化水銀水溶液(昇汞)に20℃、3時間浸漬させることによりアルミニウム基板を溶解して除去することにより、異方導電性部材を作製した。
[0199]
<突出工程>
 基板除去工程後の異方導電性部材を、水酸化ナトリウム水溶液(濃度:5質量%、液温度:20℃)に浸漬させ、突出部分の高さが300nmとなるように浸漬時間を調整してアルミニウムの陽極酸化膜の表面を選択的に溶解し、次いで、水洗し、乾燥して、導通路である銅の円柱を突出させた。
 同様に、アルミニウムの陽極酸化膜の裏面についても、突出部分の高さが300nmとなるように、導通路である銅の円柱を突出させた。
[0200]
(実施例2)
 実施例2は、実施例1に比して、2回目の陽極酸化処理が異なり、それ以外は、実施例2は実施例1と同じとした。
 実施例2は、2回目の陽極酸化処理の際に、電流制御した。2回目の陽極酸化処理では、プログラマブル直流電源を用い、電流を設定した増加速度で上昇させた。増加処理期間経過後、電流維持期間では増加処理期間の最大電流値を維持した。
 実施例2では、2回目の陽極酸化処理における電流増加量を0.2(A/(m ・秒))とし、電流増加期間を8分とし、電流維持時間を300分とした。電流維持時間が300分の場合、電流密度は96A/m である。
[0201]
(実施例3)
 実施例3は、実施例2に比して、2回目の陽極酸化処理における電流増加量が0.15(A/(m ・秒))である点、電流維持時間が400分である点が異なる以外は、実施例2と同じとした。電流維持時間が400分の場合、電流密度は72A/m である。
[0202]
(実施例4)
 実施例4は、実施例1に比して、電流増加量の制御方法にステンレス鋼板を用いた点、2回目の陽極酸化処理における電流増加期間を7分とした点、電流維持時間が350分である点が異なる以外は、実施例1と同じとした。電流維持時間が350分の場合、電流密度は84A/m である。
 実施例4では、2回目の陽極酸化処理の際に、実施例1の電圧制御ではなく、陽極酸化処理対象であるアルミニウム基板と、電気的に並列に接続されたステンレス鋼板を用いた。ステンレス鋼板は、アルミニウム基板の処理面積と同じ面積を有しており、厚みを0.2mmとした。実施例4では、電圧40Vの一定電圧となるように定電圧制御した。
 なお、表2では、ステンレス鋼板をSUS(Steel Use Stainless)板と標記した。
[0203]
(実施例5)
 実施例5は、実施例4に比して、ステンレス鋼板に代えて、Ti板を用いた点が異なる以外は、実施例4と同じとした。Ti板は、アルミニウム基板の処理面積と同じ面積を有しており、厚みを0.2mmとした。
[0204]
(比較例1)
 比較例1は、実施例1に比して、陽極酸化処理の際に電圧40Vの一定電圧となるように定電圧制御しているが、電流増加期間において電圧制御を行っていない点と、電流維持時間が300分であり、電流密度は96A/m である点とが異なる以外は、実施例1と同じとした。
 比較例1では、電流増加期間の欄において「無」と標記した。比較例1では、電流増加期間はないが、電圧が40Vに達するに要する時間が1秒である。
(比較例2)
 比較例2は、実施例2に比して、2回目の陽極酸化処理における電流増加量が1.0(A/(m ・秒))であり、電流増加期間が1.6分である点が異なる以外は、実施例2と同じとした。
[0205]
(比較例3)
 比較例3は、実施例2に比して、2回目の陽極酸化処理における電流増加量が0.15(A/(m ・秒))であり、電流増加期間が12分である点が異なる以外は、実施例2と同じとした。
(比較例4)
 比較例4は、実施例1に比して、電流増加期間が12分である点が異なる以外は、実施例1と同じとした。
[0206]
[表2]


[0207]
 表2に示すように、実施例1~実施例5は、比較例1~比較例4に比して、異常部頻度、欠陥頻度、および接合について良好な結果が得られた。
 比較例1は、電流増加量について制御していないため、異常部頻度が多く、かつ欠陥頻度も悪く、更には接合も悪い。
 比較例2は、電流増加量が毎秒0.2アンペア毎平方メートルを超えており、異常部頻度が多く、かつ欠陥頻度も悪く、更には接合も悪い。
 比較例3および比較例4は、電流増加期間が長いため、異常部頻度が多く、かつ欠陥頻度も悪く、接合も悪い。また、表面側のマイクロポアの径が大きくなった。
 実施例2と実施例3とから、電流増加量が毎秒0.2アンペア毎平方メートルに近い方が、異常部頻度および欠陥頻度について良好な結果が得られた。
 実施例4と実施例5とから、導電性の負荷部材を設ける場合、ステンレス鋼板よりもTi板の方が異常部頻度、欠陥頻度および接合について良好な結果が得られた。

符号の説明

[0208]
 10 アルミニウム基板
 10a 表面
 12 マイクロポア
 13 バリア層
 14 陽極酸化膜
 15 金属
 15a 金属層
 15b 金属
 16 導通路
 16a 突出部分
 16b 突出部分
 17 構造体
 19 樹脂層
 20 異方導電性部材
 20a 表面
 20b 裏面
 21 巻き芯
 28 異方導電材
 30 陽極酸化処理装置
 32 電解槽
 34 対向電極
 35 金属基板
 36 電源部
 38 制御部
 40 絶縁性基材
 40a 表面
 40b 裏面
 44 樹脂層
 46 支持体
 47 剥離層
 48 支持層
 49 剥離剤
 60 積層デバイス
 61 PoP基板
 62、64、66、82 半導体素子
 70 半導体素子部
 71 インターポーザー基板
 72、73 電極
 72a、74a、75a 表面
 74、75、88、97 絶縁層
 80 半導体パッケージ
 80a、80b 半導体パッケージ基板
 83、99 樹脂
 84 モールド樹脂
 85、95、108 半田ボール
 86、89 穴
 87 配線
 90 配線基板
 92、101、112、121 絶縁性基材
 94、100 配線層
 98、102 配線
 110 プリント配線基板
 114、125 配線層
 120 線状導体
 122 信号配線
 123 グランド配線
 124 絶縁層
 130、130a、130b、130c、130d 電子デバイス
 134、136、138、140、146、147、151 半導体素子
 137 インターポーザー
 142 センサチップ
 144 レンズ
 148 電極
 152 穴
 153 光導波路
 155 発光素子
 156 受光素子
 AQ 電解液
 B  1回目の陽極酸化処理
 B  2回目の陽極酸化処理
 Ds 積層方向
 Dt 厚み方向
 Im 最大値
 Ld 出射光
 Lo 光
 Pe 領域
 Rs 定常部
 Ru 立ち上り部
 T 陽極酸化処理時間
 Tm 期間
 Ts 定常時間
 Tu 立ち上り時間を
 Vm 最大値
 h 厚み
 ht 厚み
 p 中心間距離
 x 方向

請求の範囲

[請求項1]
 バルブ金属板の表面に複数回の陽極酸化処理を施し、前記バルブ金属板の厚み方向に存在するマイクロポアと、前記マイクロポアの底部に存在するバリア層とを有する陽極酸化膜を、前記バルブ金属板の前記表面に形成する陽極酸化処理方法であって、
 前記複数回の陽極酸化処理のうち、2回目以降の陽極酸化処理の工程は、電流増加期間と電流維持期間とが連続しており、
 電流増加期間は、電流増加量が毎秒0アンペア毎平方メートル超、毎秒0.2アンペア毎平方メートル以下であり、かつ10分以下の期間であり、
 前記電流維持期間は、電流が一定値に維持され、前記一定値は、前記電流増加期間における最大電流値以下である、陽極酸化処理方法。
[請求項2]
 前記電流増加期間では、前記バルブ金属板に印加する電圧を段階的に増加させる、請求項1に記載の陽極酸化処理方法。
[請求項3]
 前記バルブ金属板に対向して、対向電極が配置されており、導電性の負荷部材が前記バルブ金属板に対して電気的に並列に接続されている、請求項1に記載の陽極酸化処理方法。
[請求項4]
 前記複数回の陽極酸化処理のうち、1回目の陽極酸化処理の工程は、一定の電圧で実施される、請求項1~3のいずれか1項に記載の陽極酸化処理方法。
[請求項5]
 前記バルブ金属板は、アルミニウム基板である、請求項1~4のいずれか1項に記載の陽極酸化処理方法。
[請求項6]
 請求項1~5のいずれか1項に記載の陽極酸化処理方法により得られた、マイクロポアを有する陽極酸化膜に対して、前記陽極酸化膜の前記マイクロポア中に導電性材料を充填する工程を有する、異方導電性部材の製造方法。
[請求項7]
 前記陽極酸化膜の前記マイクロポア中に導電性材料を充填する工程の前に、前記陽極酸化膜から、バルブ金属板を除去する工程と、
 前記バルブ金属板が除去された陽極酸化膜に存在するマイクロポアを貫通させる工程とを有する、請求項6に記載の異方導電性部材の製造方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]

[ 図 18]

[ 図 19]

[ 図 20]

[ 図 21]

[ 図 22]

[ 図 23]

[ 図 24]

[ 図 25]

[ 図 26]

[ 図 27]

[ 図 28]

[ 図 29]

[ 図 30]

[ 図 31]

[ 図 32]

[ 図 33]

[ 図 34]

[ 図 35]

[ 図 36]

[ 図 37]

[ 図 38]

[ 図 39]

[ 図 40]

[ 図 41]

[ 図 42]

[ 図 43]

[ 図 44]

[ 図 45]

[ 図 46]

[ 図 47]

[ 図 48]

[ 図 49]

[ 図 50]