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1. WO2020170597 - 基板処理装置及び基板処理方法

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明 細 書

発明の名称 基板処理装置及び基板処理方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006  

発明の効果

0007  

図面の簡単な説明

0008  

発明を実施するための形態

0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114  

符号の説明

0115  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16  

明 細 書

発明の名称 : 基板処理装置及び基板処理方法

技術分野

[0001]
 本開示は、基板処理装置及び基板処理方法に関する。

背景技術

[0002]
 特許文献1には、エッジトリムを行う装置として、外周部に砥粒が設けられた円板状の研削工具を回転し、研削工具の少なくとも外周面を半導体ウェハに線状に当接させて半導体ウェハの周端部を略L字状に研削することが開示されている。半導体ウェハは、二枚のシリコンウェハを貼り合わせて作製されたものである。
[0003]
 また特許文献2には、被加工物の加工方法であって、外周部が切削ブレードにより除去された被加工物をサブストレートと貼着し、その後、貼着された被加工物の裏面を研削して所定の厚みにすることが開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開平9-216152号公報
特許文献2 : 特開2018-114581号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本開示にかかる技術は、レーザトリミング加工におけるアライメント精度を向上させる。

課題を解決するための手段

[0006]
 本開示の一態様は、基板を処理する基板処理装置であって、前記基板の表面には表面膜が形成され、前記基板処理装置は、改質層の形成予定領域である前記基板の外周部における前記表面膜を処理して、第1の処理領域を形成する第1の表面処理部を備え、前記第1の処理領域においては、少なくとも前記基板の表面が露出する深さまで、前記表面膜が除去される。

発明の効果

[0007]
 本開示によれば、レーザトリミング加工におけるアライメント精度を向上させることができる。

図面の簡単な説明

[0008]
[図1] 重合ウェハの構成例を示す側面図である。
[図2] 従来の半導体ウェハ製造工程における主な工程を示すフロー図である。
[図3] 従来の半導体ウェハ製造工程における主な工程を示す説明図である。
[図4] 処理ウェハに周縁改質層を形成する様子の一例を示す説明図である。
[図5] 処理ウェハに分割改質層を形成する様子の一例を示す説明図である。
[図6] 従来の半導体ウェハ製造工程における課題点を示す説明図である。
[図7] 本実施形態にかかるウェハ処理システムの構成例を模式的に示す説明図である。
[図8] 第1の実施形態にかかる表面処理部の構成例を模式的に示す断面図である。
[図9] 表面処理部における処理領域の形成例を模式的に示す説明図である。
[図10] 第1の実施形態にかかる表面処理方法の主な工程を示す説明図である。
[図11] 砥粒径の違いによる加工精度の違いについて模式的に示す説明図である。
[図12] 表面処理部における処理領域の他の形成例を模式的に示す説明図である。
[図13] 第2の実施形態にかかる表面処理部の構成例を模式的に示す断面図である。
[図14] 第3の実施形態にかかる表面処理部の構成例を模式的に示す断面図である。
[図15] ウェハ処理システムの他の構成例を模式的に示す説明図である。
[図16] 他の実施形態にかかるウェハ処理の主な工程の説明図である。

発明を実施するための形態

[0009]
 半導体デバイスを3次元に積層する3次元集積技術では、2枚の半導体ウェハ(以下、ウェハという)の接合が行われる。具体的には、例えばウェハ同士をファンデルワールス力及び水素結合(分子間力)によって接合する。
[0010]
 図1(a)は、上述のように2枚の半導体ウェハとしての処理ウェハWと第2の基板としての支持ウェハSとを接合して形成された重合ウェハTの構成の概略を示す側面図である。以下、処理ウェハWにおいて、支持ウェハSと接合される面を表面Waといい、表面Waとの反対側の面を裏面Wbという。同様に、支持ウェハSにおいて、処理ウェハWと接合される面をSaといい、表面Saと反対側の面をSbという。
[0011]
 処理ウェハWは、例えばシリコンウェハなどの半導体ウェハであって、表面Waに複数の電子回路等のデバイスを含む金属膜としてのデバイス層Dが形成されている。また、デバイス層Dにはさらに酸化膜Fw、例えばSiO 膜(TEOS膜)が形成されている。なお、以下の説明においては、デバイス層Dと酸化膜Fwとを合わせて、「表面膜Wf」という場合がある。
[0012]
 支持ウェハSは、処理ウェハWを支持するウェハである。支持ウェハSの表面Saには、酸化膜Fs、例えばSiO 膜(TEOS膜)が形成されている。また、支持ウェハSは、処理ウェハWの表面のデバイス層Dを保護する保護材として機能する。なお、支持ウェハSの表面Saに複数のデバイスが形成されている場合には、処理ウェハWと同様に表面Saにデバイス層(図示せず)が形成される。
[0013]
 半導体デバイスの製造工程では、接合された重合ウェハTのうち、表面Waにデバイス層Dが形成された処理ウェハWの裏面Wbを研削して、当該処理ウェハWを薄化することが行われている。通常、処理ウェハWの周縁部Weは面取り加工がされているが、このような処理ウェハWに研削処理を行うと、処理ウェハWの周縁部Weが鋭く尖った形状(いわゆるナイフエッジ形状)になる。そうすると、処理ウェハWの周縁部Weでチッピングが発生し、ウェハが損傷を被るおそれがある。そこで、研削処理前に予め処理ウェハWの周縁部Weを削る、いわゆるエッジトリムが行われている。
[0014]
 前記エッジトリムは、特許文献1、特許文献2に開示されるように、例えば研削工具(研削ブレード)を半導体ウェハに当接させることにより行われる。しかしながら、このように研削工具を当接させることによりエッジトリムを行う場合、砥石が摩耗し、定期的な交換が必要となる。また、大量の研削水を使用し、廃液処理も必要となる。このため、従来のエッジトリムにはランニングコストがかかる。また更に、特許文献2に開示されるように貼着された被加工物の裏面を研削する場合、研削部においてチッピング問題、具体的には、チップが研削装置のチャンバー内や排液ラインに溜まってしまったり、チップがウェハの研削面に付着することで研削に悪影響を及ぼしたりすることが考えられる。したがって、従来のエッジトリムには改善の余地がある。
[0015]
 そこで本開示者らは、図1(b)に示すように、エッジトリムによる除去対象としての周縁部Weと中心部Wcとの境界にレーザ光を集光することにより周縁改質層M1を形成し、かかる周縁改質層M1に沿って周縁部Weの剥離を行った(レーザトリミング加工)。また、周縁改質層M1の径方向外側において、処理ウェハWの径方向に延伸する分割改質層M2を形成し、かかる分割改質層M2に沿って周縁部Weを小片化することにより、より適切に周縁部Weを剥離することができることを見出した。
[0016]
 また、前記レーザトリミング加工により正常に処理ウェハWの周縁部Weの除去を行うため、処理ウェハWと支持ウェハSとの接合前に、レーザトリミング加工における除去対象としての周縁部Weにおける接合強度を低下させるための前処理が行われている。当該前処理は、例えば処理ウェハWに形成された表面膜Wfの外周部に対して粗面化や疎水化、または除去等を施すことにより行われる。そして、かかる前処理が行われた表面膜Wfの外周部においては、接合工程で処理ウェハWと支持ウェハSとが接合されず、重合ウェハTの接合界面においては、接合領域と未接合領域が形成される。
[0017]
 ところで、レーザトリミング加工においては、当該レーザトリミング加工前に、例えばトリミング加工位置、すなわちレーザ光の集光位置を決定するため、IRカメラ等を用いて表面膜Wfの外周部の位置、すなわち、接合領域と未接合領域との境界を特定すること(アライメント)が行われる。処理ウェハWの周縁部Weは所望の位置で除去される必要があるため、当該アライメントはレーザトリミング加工における重要な処理である。
[0018]
 ここで、かかる前処理が処理ウェハWの表面膜Wfの表層のみに行われた場合、すなわち、酸化膜Fwのみに行われた場合、処理ウェハWの表面Waにはデバイス層Dが残存する。そして、このように処理ウェハWの表面Waにデバイス層Dが残存している場合、前記IRカメラを用いたアライメントを適切に行うことができない場合がある。具体的には、IRカメラにより照射されたIR波長が、前記残存したデバイス層Dにより遮断され、トリミング加工位置を特定することができなくなってしまう。そして、このように適切にアライメントを行うことができない場合、前述のように所望の位置で適切に周縁部Weを除去することができない場合や、デバイス層Dに損傷を与えてしまう場合がある。また、例えば適切に周縁部Weを除去することができず、チッピングの発生の原因となる場合もある。
[0019]
 そこで本開示にかかる技術は、レーザトリミング加工におけるアライメント精度を向上させる。以下、本実施形態にかかる基板処理装置としてのウェハ処理システム、および基板処理方法としてのウェハ処理方法ついて、図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[0020]
 先ず、前述した従来の半導体デバイスの製造工程について、一連のウェハ処理の流れに沿って、図2、図3に基づいて説明する。図2は、ウェハ処理の主な工程を示すフロー図、図3は、ウェハ処理の主な工程における様子を示す説明図である。
[0021]
 はじめに、支持ウェハSとの接合対象としての処理ウェハWが準備される。処理ウェハWの表面Waには、前述のように表面膜Wfが形成されている。
[0022]
 準備された処理ウェハWには、先ず、図3(a)に示すように、後述のエッジトリムにおいて正常に周縁部Weを剥離するための前処理が行われ、表面膜Wfの外周部Wfeにおける酸化膜Fwに処理領域Fwsが形成される(図2のステップP1)。かかる前処理においては、例えば処理ウェハWに形成された表面膜Wfの外周部Wfeの粗面化や疎水化、または除去等が行われる。
[0023]
 なお、かかる前処理が行われている際に、処理ウェハWとの接合対象としての支持ウェハSが準備される。
[0024]
 処理ウェハWに前処理が行われると、続いて、図3(b)に示すように、処理ウェハWの酸化膜Fwと支持ウェハSの酸化膜Fsが接合され、重合ウェハTが形成される(図2のステップP2)。この際、ステップP1において前処理が行われた表面膜Wfの外周部Wfeでは、酸化膜Fw,Fsが接合されず、当該酸化膜Fw,Fsの界面には接合領域Acと未接合領域Aeが形成される。
[0025]
 重合ウェハTが形成されると、続いて、レーザトリミング加工におけるトリミング加工位置を決定するため、表面膜Wfの外周部Wfeの内周側端部、すなわち、接合領域Acと未接合領域Aeの境界Ad(以下、単に「境界Ad」という。)が、特定される(アライメント:図2のステップP3)。かかるアライメントは、図3(c)に示すように、例えばアライメント部としてのIRカメラ500を用いて行われる。IRカメラ500は、例えば同軸レンズを備え、赤外光(IR光)を照射し、さらに対象物からの反射光を受光する。
[0026]
 前記アライメントにより境界Adが特定されると、続いて、図3(d)に示すように、処理ウェハW(重合ウェハT)を回転させながら処理ウェハWの内部にレーザヘッド(図示せず)からレーザ光を照射することにより、周縁改質層M1が形成される(図2のステップP4)。周縁改質層M1は、例えば前記アライメント位置、すなわち境界Adから径方向内側の所望の位置に形成される。なお、かかる周縁改質層M1よりも径方向外側の環状領域が、後述のエッジトリムにより除去される周縁部Weとなる。なお、図示の例においては、周縁改質層M1は処理ウェハWの厚み方向に7箇所形成されているが、この周縁改質層M1の数は任意である。
[0027]
 また、処理ウェハWに周縁改質層M1が形成されると、レーザヘッドを移動させて、図1および図3(d)に示すように、周縁改質層M1の径方向外側に、処理ウェハWの径方向に延伸する分割改質層M2を形成する(図2のステップP4)。なお、図示の例においては、分割改質層M2は処理ウェハWの円周方向に8箇所、厚み方向に7箇所形成されているが、この分割改質層M2の数は任意である。
[0028]
 ここで、周縁改質層M1は境界Adと重なる位置に形成されることが理想であるが、例えば加工誤差などにより周縁改質層M1がずれて形成される場合がある。そして、これにより周縁改質層M1が境界Adから径方向外側に離れた位置、すなわち未接合領域Aeに形成されると、周縁部Weが除去された後に支持ウェハSに対して処理ウェハWが浮いた状態になってしまう場合がある。この点、図3(d)に示したように周縁改質層M1を境界Adよりも径方向内側に形成するように制御することにより、例えば加工誤差により形成位置がずれたとしても、境界Adと重なる位置、または境界Adよりも径方向内側であっても当該境界Adに近接した位置に周縁改質層M1を形成することができ、境界Adから径方向外側に離れた位置に周縁改質層M1が形成されるのを抑制できる。
[0029]
 周縁改質層M1および分割改質層M2が形成されると、続いて、図3(e)に示すように、前記ステップP4において形成された周縁改質層M1を基点に処理ウェハWの周縁部Weが除去される(図2のステップP5)。この際、周縁部Weは分割改質層M2を基点に小片化されるため、容易に周縁部Weの除去を行うことができる。なお、処理ウェハWの周縁部Weの除去は、例えばエアブローやウォータジェットを噴射し、当該周縁部Weを打圧して除去してもよい。
[0030]
 処理ウェハWの周縁部Weが除去されると、続いて、図3(f)に示すように、処理ウェハWの薄化が行われる(図2のステップP6)。処理ウェハWの薄化は、例えば研削装置(図示せず)により回転する研磨部材を裏面Wbに押圧することにより行われてもよいし、例えばレーザ光の照射により内部改質層を形成することにより行われてもよい。
[0031]
 こうして、処理ウェハWの厚みが所望の厚みまで減少されると(薄化されると)、一連のウェハ処理が終了する。
[0032]
 なお、前記周縁改質層M1および分割改質層M2を形成した前記レーザヘッドは、図示しない空間光変調器を有している。空間光変調器は、レーザ光を変調して出力する。具体的に空間光変調器は、レーザ光の焦点位置や位相を制御することができ、処理ウェハWに照射されるレーザ光の形状や数(分岐数)を調整することができる。なお、空間光変調器としては例えばLCOS(Liquid Crystal on Silicon)が選択される。
[0033]
 ここで、前記周縁改質層M1の形成にあたっては、前記空間光変調器によってレーザヘッドから照射されるレーザ光が切り替えられ、その形状と数が調整されることが望ましい。具体的には、先ず、図4(a)に示すように、処理ウェハWの厚み方向における表面Wa側に、レーザ光Lr1を照射して、周縁改質層M1(1)~(3)を形成する。レーザ光Lr1の集光点の数は、1つである(単焦点加工)。次に、図4(b)に示すように、周縁改質層M1(3)の上方側、すなわち、処理ウェハWの厚み方向における裏面Wb側に、周縁改質層M1(4)~(7)を形成する。レーザ光Lr2の集光点の数は、例えば2つであり、すなわち、周縁改質層M1(4),(5)または、周縁改質層M1(6),(7)は同時に形成される(多焦点加工)。
[0034]
 また、前記分割改質層M2の形成にあたっても、前記空間光変調器によってレーザヘッドから照射されるレーザ光が切り替えられ、その形状と数が調整される。具体的には、図5に示すように、処理ウェハWの内部にレーザ光Lr3を照射して、分割改質層M2を形成する。レーザ光Lr3の集光点の数は、例えば2つである(多焦点加工)。すなわち、分割改質層M2は、レーザヘッドから処理ウェハWの内部の厚み方向における異なる高さにおいて、同時に2つのレーザ光が照射されることにより形成される。
[0035]
 なお、レーザ光Lr1,Lr2,Lr3による周縁改質層M1および分割改質層M2の形成数、および、レーザ光Lr1,Lr2,Lr3の集光点の数は任意である。すなわち、例えばすべての周縁改質層M1を単焦点加工により形成してもよいし、多焦点加工で形成してもよい。また、すべての分割改質層M2を単焦点加工により形成してもよい。また更に、これら単焦点加工および多焦点加工を任意に組み合わせてもよい。
[0036]
 ただし、処理ウェハWのデバイス層D側に形成される周縁改質層M1(1)~(3)においては、デバイス層Dの方向へ進展する亀裂を制御、すなわち、デバイス層Dに損傷を与えることを抑制するため、前記単焦点加工により高精度に周縁改質層M1が形成されることが好ましい。一方、周縁改質層M1(4)~(7)および分割改質層M2は、後のエッジトリム、及び加工処理により除去される位置に形成され、また前述のようにデバイス層Dに損層を与える可能性が低いため、前記多焦点加工を行うことにより、すなわち同時に複数の改質層を形成することにより、改質層の形成におけるスループットを向上させることができる。
[0037]
 なお、上述したように、半導体デバイスの製造工程におけるウェハ処理の一連の流れによれば、ステップP4におけるトリミング加工位置は、ステップP3により特定されたアライメント位置、すなわち未接合領域Aeと接合領域Acとの境界Adを基準として径方向内側の所望の位置に決定される。すなわち、レーザトリミング加工を適切に行うためには、前述したように、アライメント位置を適切に特定することが重要となる。
[0038]
 ここで当該アライメントは、前述したように例えばIRカメラ500を用いて行われる。すなわち当該アライメントは、IRカメラ500から照射され、対象物から反射された反射光としてのIR光を受光することにより行われる。
[0039]
 しかしながら、図3(c)に示したように、アライメント対象としての境界Adにデバイス層Dが形成されている場合、図6に示すように、照射されたIR光がデバイス層Dにより遮断され、適切に境界Adを特定することができなくなる場合がある。そして、このように適切に境界Adを特定できない場合、適切に周縁改質層M1を形成することができなくなり、すなわち、エッジトリムを所望の位置で行うことができなくなる。
[0040]
 そこで次に、当該アライメントを適切に行うための前処理を行う表面処理部10、および、当該表面処理部10を備えるウェハ処理システム1について説明する。
[0041]
本実施形態にかかるウェハ処理システム1は、図7に示すように、表面処理部10と、接合部20と、内部改質部または外周除去部としての加工部30と、を有している。
[0042]
 表面処理部10は、前記アライメントを適切に行うための前処理(図2におけるステップP1)を行う。具体的には、表面処理部10においては、前述したように、接合(図2におけるステップP2)前の処理ウェハWに形成された表面膜Wfの外周部Wfeにおける接合強度を低下させ、接合時に適切に未接合領域Aeを形成するための処理を行う。なお、表面処理部10の詳細な説明については後述する。
[0043]
 接合部20は、表面処理部10において前処理された処理ウェハWの酸化膜Fwと、支持ウェハSの酸化膜Fsを接合する(図2におけるステップP2)。接合部20においては、接合に先だって、酸化膜Fwと酸化膜Fsがそれぞれ活性化され親水化される。そして、親水化された酸化膜Fwと酸化膜Fsは、処理ウェハWの中心部と支持ウェハSの中心部が当接されることにより水素結合による接合が開始し、いわゆるボンディングウェーブが発生する。そして、ボンディングウェーブが酸化膜Fw,Fsの中心部から拡散を開始し、周縁部まで到達すると、酸化膜Fw,Fsの全面が水素結合によって接合される。またさらに、接合された重合ウェハTにアニール処理を行い、酸化膜Fwと酸化膜Fsから水を除去して接合強度を確保する。なお、表面処理部10において前処理が施された表面膜Wf(酸化膜Fw)の外周部Wfeにおいては接合が行われず、未接合領域Aeが形成される。
[0044]
 加工部30においては、重合ウェハTを形成する処理ウェハWのエッジトリム(図2におけるステップP5)および薄化(図2におけるステップP6)が行われる。加工部30においては、エッジトリムに先だって、処理ウェハWの内部に周縁改質層M1および分割改質層M2が形成される。
[0045]
 以上のウェハ処理システム1には、制御部40が設けられている。制御部40は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、ウェハ処理システム1における処理ウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。なお、上記プログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、当該記憶媒体から制御部40にインストールされたものであってもよい。
[0046]
 続いて、表面処理部10について説明する。図8は、第1の実施形態にかかる表面処理部10の構成の概略を模式的に示す断面図である。また、図9は本実施の形態にかかる表面処理部10において、表面膜Wfの外周部Wfeに形成される処理領域を模式的に示す(a)断面図、(b)平面図である。
[0047]
 図8に示すように、表面処理部10は、接合前の処理ウェハWを上面で保持するチャック11を有している。チャック11は、表面膜Wfが形成された表面Waが上側であって裏面Wbが下側に配置された状態で、当該処理ウェハWの裏面Wbを吸着保持する。またチャック11は、回転機構12によって鉛直軸回りに回転可能に構成されている。
[0048]
 チャック11の上方には、表面膜Wfの外周部Wfeの表面処理を行う、第1の表面処理部としての第1の研磨部材13、および、第2の表面処理部としての第2の研磨部材14が設けられている。第1の研磨部材13,第2の研磨部材14は、それぞれ移動機構(図示せず)により水平方向および鉛直方向に移動可能に構成されており、チャック11に吸着保持された処理ウェハWに形成された表面膜Wfの外周部Wfeに押圧されることにより、表面膜Wfの表面を粗面化する。
[0049]
 第1の研磨部材13は、回転機構12により回転する処理ウェハWに押圧されることにより、図9に示すように、表面膜Wfの外周部Wfeの全周に亘って環状の第1の処理領域としての第1の研磨領域13aを形成する。
[0050]
 また、後述する研磨部材の砥粒径によるアライメント精度の悪化を抑制するため、第1の研磨部材13としては、砥粒径が小さなものが選定されることが好ましい。
[0051]
 第1の研磨領域13aは、図9に示すように、表面膜Wfにおける外周部Wfeにおいて、当該外周部Wfeの内周側端部に沿って全周に亘って形成される。第1の研磨領域13aの内周側端部が、接合後における境界Adを形成する。また、第1の研磨領域13aは、図9(a)に示すように、当該第1の研磨領域13aの下底が、少なくとも処理ウェハWの表面Waに到達する深さで、換言すれば、少なくとも処理ウェハW上に形成されたデバイス層Dが除去される深さで形成される。
[0052]
 第2の研磨部材14は、回転機構12により回転する処理ウェハWに押圧させることにより、図9に示すように、表面膜Wfの外周部Wfeの全周に亘って環状の第2の処理領域としての第2の研磨領域14aを形成する。
[0053]
 また後述するエッジボイドの発生を抑制するため、第2の研磨部材14としては、少なくとも第1の研磨部材13が有する砥粒径よりも大きな砥粒径を有するものが選択され、より好ましくはできるだけ大きな砥粒径を有する研磨部材が選択される。
[0054]
 第2の研磨領域14aは、図9に示すように、表面膜Wfにおける外周部Wfeにおいて、第1の研磨領域13aよりも径方向外側に形成される。すなわち第2の研磨領域14aは、第2の研磨領域14aの内周側端部の位置が、第1の研磨領域13aの内周側端部から径方向外側に距離Lだけ離隔されるように形成される。
[0055]
 また、前述したように、第2の研磨部材14は、少なくとも第1の研磨部材13と比べて大きな砥粒径を有する研磨部材により構成される。すなわち、第2の研磨領域14aにおける表面膜Wfの表面粗さは、第1の研磨領域13aにおける表面膜Wfの表面(第1の研磨領域13aを形成する壁面)粗さ、及び、処理ウェハWの表面粗さに比べて大きくなっている。
[0056]
 そして、このように表面膜Wfの粗面化、ないしは、表面膜Wfの除去が行われた第1,第2の研磨領域13a,14aにおいては、後の接合工程において酸化膜Fw,酸化膜Fsが接合されることなく、未接合領域Aeが形成される。すなわち、未接合領域Aeとは、換言すれば、表面処理部10において第1,第2の研磨領域13a,14aが形成された領域である。
[0057]
 なお、本構成によれば、第1の研磨部材13および第2の研磨部材14を、それぞれ個別にチャック11の上方に設けたが、第1の研磨部材13および第2の研磨部材14は一体に構成されていてもよい。すなわち、第1の研磨部材13および第2の研磨部材14は、それぞれ共通の移動機構により移動可能に構成されていてもよい。
[0058]
 続いて、以上のように構成された表面処理部10を用いて行われる表面処理方法について説明する。図10は、本実施形態にかかる表面処理方法の一連の流れを模式的に示す説明図である。
[0059]
 先ず、前処理が行われる接合前の処理ウェハWが、図示しない搬送機構により表面処理部10に搬入され、チャック11(図10においては図示せず)に保持される。
[0060]
 表面処理部10に処理ウェハWが搬入されると、図10(a)に示すように、第1の研磨部材13が移動機構(図示せず)により表面膜Wfの所望の位置に押圧される。そして、図10(b)に示すように、回転機構12(図10においては図示せず)により処理ウェハWを回転させつつ、第1の研磨部材13を下方、すなわち、表面膜Wfの厚み方向に押し進めていく。これにより、図10(c)に示すように、表面膜Wfの外周部Wfeの内周側端部には、第1の研磨領域13aが形成される。なお、第1の研磨部材13が押圧される所望の位置とは、前述したように、第1の研磨部材13の径方向内側端部が、外周部Wfeの内周側端部と一致する位置である。
[0061]
 第1の研磨領域13aが形成されると、第1の研磨部材13が移動機構により外周部Wfeの上方から退避し、続けて図10(d)に示すように、第2の研磨部材14が移動機構(図示せず)により表面膜Wfの所望の位置に押圧される。そして、回転機構12により処理ウェハWを回転させつつ、図10(e)に示すように、第2の研磨部材14を水平方向、すなわち、表面膜Wfの表面に沿って径方向外側へ移動させる。これにより、図10(f)に示すように、表面膜Wfの外周部Wfeには、第2の研磨領域14aが形成される。なお、第2の研磨部材14が押圧される所望の位置とは、前述したように、外周部Wfeにおける第1の研磨領域13aの径方向外側であって、少なくとも第2の研磨部材14の径方向内側の端部が、第1の研磨領域13aの内周側端部から径方向外側へ距離L離隔された位置である。
[0062]
 処理ウェハWに第2の研磨領域14aが形成されると、表面処理部10における一連の前処理としての表面処理が終了する。そして、一連の表面処理が終了した処理ウェハWは搬送機構(図示せず)により表面処理部10から搬出され、順次、接合処理,アライメント処理,改質層の形成,エッジトリム処理,薄化処理(図2のステップP2~ステップP6)が行われる。
[0063]
 なお、かかる改質層の形成においては、上述したように、前記LCOSによってレーザヘッドから照射されるレーザ光が切り替えられ、その形状と数が調整される。
[0064]
 本実施形態によれば、第1の研磨領域13aは、少なくとも表面膜Wfのデバイス層Dを除去し、処理ウェハWの表面Waが露出する深さで形成される。これにより、本実施形態にかかる表面処理が行われた処理ウェハWにおいては、アライメント処理(図2におけるステップP3)において、IR光がデバイス層Dによって遮断されることがない。すなわち、適切にアライメント位置としての接合領域Acと未接合領域Aeとの境界Adを特定することができる。
[0065]
 なお、本実施形態において説明したように、未接合領域Aeを形成するための表面処理を、研磨部材を用いた表面膜Wfの粗面化により行う場合、当該研磨部材の砥粒径によってアライメントを適切に行うことができなくなる場合がある。具体的には、砥粒径の大きな研磨部材を用いて表面処理を行った場合、図11(a)、図11(b)に示すように、アライメント位置としての境界Ad、すなわち第1の研磨領域13aの内周側端部のキワ(第1の研磨領域13aを形成する壁面)が、粗くなる。そして、このように第1の研磨領域13aを形成する壁面があれている場合、アライメント位置を適切に特定することができない場合がある。
[0066]
 そこで本実施形態によれば、第1の研磨領域13aを形成するための第1の研磨部材13としては、できるだけ小さな砥粒径を有する研磨部材が選定される。これにより、図10(c)および図11(c)に示すように、第1の研磨領域13aを形成する壁面の加工精度が向上し、適切にアライメント位置を特定することができる。
[0067]
 なお、上記実施形態においては、第1の研磨領域13aを形成した後に第2の研磨領域14aを形成したが、第2の研磨領域14aを外周部Wfeの全面に形成した後に、外周部Wfeの内周側端部に沿って第1の研磨領域13aを形成するようにしてもよい。
[0068]
 また、本実施形態によれば第1の研磨部材13により表面膜Wfのデバイス層Dを除去したが、デバイス層Dの除去を除去する部材は、第1の研磨部材13は限られない。例えば第2の研磨部材14によってデバイス層Dの除去を行ってもよし、例えば第1の研磨部材13および第2の研磨部材14に加え、デバイス層Dを除去するためのデバイス層除去部材(図示せず)が更に設けられていてもよい。
[0069]
 ここで、例えば第2の研磨部材14によりデバイス層Dの除去を行うことにより、デバイス層Dの除去までにかかる時間を短縮することができ、表面処理部10におけるスループットを向上させることができる。ただし、前述のように、第2の研磨部材14を用いて研磨を行った場合、境界Adにおける加工精度が悪化し、アライメント位置を適切に特定することができない場合がある。よって、デバイス層Dの除去領域(上記実施形態における第1の研磨領域)の内周側端部、すなわち、アライメント位置としての境界Adにおいては、加工精度を向上させるため、第1の研磨部材13による仕上研磨を行い、加工精度を向上させることが望ましい。
[0070]
 ところで、半導体デバイスの製造工程における前記接合工程は、前述したように、ボンディングウェーブが酸化膜Fw,Fsの中心部から周縁部にかけて拡散することにより進行する。かかるボンディングウェーブの端部においては、処理ウェハW、支持ウェハS間の空間は空気が圧縮されることにより高圧になる。そして、かかる高圧雰囲気は、周縁部Weにおいて大気圧まで急激に減圧されることなるが、かかる際、周縁部Weにおいてはジュールトムソン効果が発生して温度が低下し、結露が発生する。この結露は、処理ウェハW、支持ウェハSが接合されると、酸化膜Fw、酸化膜Fsの界面に閉じ込められる。そして、かかる状態で重合ウェハTにアニール処理を行った場合、界面に存在する結露水が蒸発して膨張してボイドとなり、重合ウェハTの周縁部Weに環状のエッジボイドが発生する。エッジボイドは、例えば当該エッジボイドを基点とするピーリングやクラックの発生、処理ウェハWと支持ウェハSとの接続不良の原因となる場合があるため、発生を抑制する必要がある。
[0071]
 ここで、本実施形態によれば、処理ウェハWに形成された表面膜Wfの外周部Wfeにおいては、第1の研磨領域13aおよび第2の研磨領域14aが形成され、これにより、前記接合工程においては当該研磨領域において未接合領域Aeが形成される。また更に、第2の研磨領域14aは、少なくとも第1の研磨部材13よりも大きな砥粒径を有する第2の研磨部材14により粗面化されることにより形成されている。
[0072]
 このように、本実施形態によれば外周部Wfeには表面膜Wfの粗面化により未接合領域Aeが形成されるので、前記ボンディングウェーブの端部の高圧な雰囲気は、処理ウェハWの周縁部Weにかけて徐々に大気圧まで減圧されていく。このように急激な減圧を抑えることにより、前記エッジボイドの発生を抑制することができる。しかも第2の研磨領域14aは、表面膜Wfの表面の突出が周方向に不連続になるように、すなわち、表面粗さが大きくなるように形成されるため、ボンディングウェーブの端部の高圧な雰囲気を重合ウェハTの外部に逃がすことができる。そうすると、周縁部Weで結露が発生したとしても、水蒸気を重合ウェハTの外部に逃がすことができ、エッジボイドの発生を更に適切に抑制することができる。
[0073]
 なお、エッジボイドの発生を抑制するため、上記実施形態における説明においては、第2の研磨領域14aの表面粗さを大きくするように制御を行ったが、例えば第2の研磨領域14aにおける表面膜Wfを除去(薄化)することによっても、同様の効果を得ることができる。すなわち、例えば図12に示すように、第2の研磨領域14aにおける表面膜Wfの高さ方向の位置H1を、中心部Wcにおける表面膜Wfの高さ方向の位置H2に比べて低くすることにより、接合工程において酸化膜Fw,酸化膜Fsが接合されることを抑制することができる。
[0074]
 また、このように表面膜Wfの除去により未接合領域Aeを形成する場合、高さH1及び高さH2との差が大きいと、第2の研磨領域14aにおいて前述のように急激な減圧が発生し、エッジボイドが発生してしまうおそれがある。よって、このようなエッジボイドの発生を抑制するため、高さH1及び高さH2との差は、400nm以内であることが好ましい。これにより、第2の研磨領域14aにおける急激な減圧を抑制し、エッジボイドの発生を抑制することができる。
[0075]
 なお、第1の研磨領域13aを径方向に対して大きく形成している場合、すなわち、前記距離Lが大きく設定され、第1の研磨部材13による表面膜Wfの除去体積が大きい場合、当該第1の研磨領域13aにおいて前記高圧になった雰囲気が開放され、エッジボイドの原因となる場合がある。そこで、本実施形態においては、図12に示したように、第1の研磨部材13により除去する表面膜Wfの体積を小さくすることが望ましい。換言すれば、前記第1の研磨領域13aの内周側端部と前記第2の研磨領域14aの内周側端部との間の距離Lを小さくすることが望ましい。具体的には、距離Lは、第1の研磨領域13aの内周側端部、すなわち、前記アライメント処理において必要となる境界Adに対応する部分(第1の研磨領域13aを形成する壁面)の加工精度を確保できれば足るものである。すなわち、距離Lは、少なくとも第2の研磨部材14の砥粒径よりも大きくなるように設定されていればよい。これにより、適切に前記アライメント処理により境界Adを特定することができるとともに、適切にエッジボイドの発生を抑制することができる。
[0076]
 なお、以上の第1の実施形態における表面処理部10によれば、研磨部材を用いて表面膜Wfの粗面化を行うことにより処理ウェハWの前処理を行ったが、処理ウェハWの前処理方法はこれに限定されるものではない。例えば、表面処理部10は、研磨部材に代えて研削部材や切削部材を有し、表面膜Wfの外周部Wfeを研削、または、切削により除去してもよい。
[0077]
 図13は、第2の実施形態にかかる表面処理部110の構成の概略を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態において、表面処理部10と実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[0078]
 図13に示すように、第2の実施形態にかかる表面処理部110は、処理ウェハWを吸着保持するチャック11と、回転機構12と、を有している。
[0079]
 また、本実施形態にかかる表面処理部110においては、チャック11の上方には、第1の表面処理部、及び第2の表面処理部としてのレーザヘッド113が設けられている。レーザヘッド113は、レンズ114を有している。レンズ114は、レーザヘッド113の下面に設けられた筒状の部材であり、チャック11に保持された処理ウェハWに形成された表面膜Wfの外周部Wfeにレーザ光Lrを照射する。また、レーザヘッド113は、移動機構(図示せず)により水平方向および鉛直方向に移動可能に構成されている。
[0080]
 レーザヘッド113は、レーザ光発振器(図示せず)から発振された高周波のパルス状のレーザ光Lrであって、表面膜Wfに対して透過性を有する波長のレーザ光Lrを、表面膜Wfの表面の所望の位置に集光して照射する。これによって、処理ウェハWの表面膜Wfにおいてレーザ光Lrが集光した部分が除去,粗面化される。そして、このように表面膜Wfの表面の粗面化、ないしは、表面膜Wfの除去を行うことにより、表面膜Wfが除去,粗面化された外周部Wfeにおいては後の接合工程において接合されることがなく、未接合領域Aeが形成される。
[0081]
 ここで、レーザヘッド113は、第1の実施形態にかかる表面処理部10と同様に、図13(b)に示すように、第1の処理領域としての第1の照射領域113aと、第2の処理領域としての第2の照射領域113bを形成する。
[0082]
 第1の照射領域113aは、表面膜Wfにおける外周部Wfeにおいて、当該外周部Wfeの内周側端部の全周に亘って形成される。また、第1の照射領域113aは、当該第1の照射領域113aの下底が、少なくとも処理ウェハWの表面Waに到達する深さで、換言すれば、少なくとも処理ウェハW上に形成されたデバイス層Dが除去される深さで形成される。
[0083]
 また、第1の照射領域113aは、前述のエッジボイドの発生を抑制するため、距離Lが小さくなるように、すなわち、前記アライメント処理において必要となる境界Adに対応する第1の照射領域113aの内周側端部を残す程度の大きさで形成されることが望ましい。
[0084]
 第2の照射領域113bは、処理ウェハWの全周に亘って、第1の照射領域113aの径方向外側に形成される。また、前述のエッジボイドの発生を抑制するため、第2の照射領域113bは粗されていることが望ましく、例えば少なくとも第1の照射領域113aの表面よりも大きな表面粗さを有するように形成される。
[0085]
 なお、第2の照射領域113bにおける表面膜Wfの表面高さH1は、中心部Wcにおける表面膜Wfの表面高さH2に比べて低くなるように形成されていてもよい。かかる場合、高さH1及び高さH2の差は、400nm以内であることが望ましい。
[0086]
 なお、本実施形態によればチャック11の上方にはレーザヘッド113を1つ設け、第1の照射領域113aおよび第2の照射領域113bを、レーザヘッド113を兼用して形成したが、当然に、レーザヘッドを複数設けてもよい。すなわち、第1の表面処理部としてのレーザヘッドおよび第2の表面処理部としてのレーザヘッドがそれぞれ独立して設けられていてもよい。
[0087]
 なお、本実施形態における表面処理部110においても、前記アライメントを更に適切に行うため、第1の照射領域113aにおける内周側端部の壁面に、加工精度を向上させるための仕上処理を行ってもよい。
[0088]
 なお、処理ウェハWの前処理は、外周部Wfeに対してエッチング液Eを塗布することによるウェットエッチングにより行われてもよい。
[0089]
 図14は、第3の実施形態にかかる表面処理部210の構成の概略を模式的に示す断面図である。なお、本実施形態において、表面処理部10と実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[0090]
 図14に示すように、第2の実施形態にかかる表面処理部210は、処理ウェハWを吸着保持するチャック11と、回転機構12と、を有している。
[0091]
 また、本実施形態にかかる表面処理部210においては、チャック11の上方には、第1の表面処理部、及び第2の表面処理部としてのノズル213が設けられている。ノズル213は、エッチング液Eを貯留して供給するエッチング液供給源(図示せず)に連通している。また、ノズル213は、移動機構(図示せず)によって水平方向および鉛直方向に移動可能に構成されている。
[0092]
 ノズル213は、処理ウェハWに形成された表面膜Wfの外周部Wfeにエッチング液Eを塗布する。これによって、処理ウェハWの表面膜Wfにおいてエッチング液Eが塗布された部分が除去される。そして、このように表面膜Wfの除去を行うことにより、表面膜Wfが除去された外周部Wfeにおいては後の接合工程において接合されることがなく、未接合領域Aeが形成される。
[0093]
 ここで、ノズル213は、第1の実施形態にかかる表面処理部10と同様に、図14(b)に示すように、第1の処理領域としての第1のエッチング領域213aと、第2の処理領域としての第2のエッチング領域213bを形成する。
[0094]
 第1のエッチング領域213aは、表面膜Wfの外周部Wfeにおいて、当該外周部Wfeの内周側端部の全周に亘って形成される。また、第1のエッチング領域213aは、当該第1のエッチング領域213aの下底が、少なくとも処理ウェハWの表面Waに到達する深さで、換言すれば、少なくとも処理ウェハW上に形成されたデバイス層Dが除去される深さで形成される。
[0095]
 また、第1のエッチング領域213aは、前述のエッジボイドの発生を抑制するため、距離Lが小さくなるように、すなわち、前記アライメント処理において必要となる境界Adに対応する第1のエッチング領域213aの内周側端部を残す程度の大きさで形成されることが望ましい。
[0096]
 第2のエッチング領域213bは、処理ウェハWの全周に亘って、第1のエッチング領域213aの径方向外側に形成される。また、前述の未接合領域Aeを形成するため、第2のエッチング領域213bにおける表面膜Wfの表面高さH1は、中心部Wcにおける表面膜Wfの表面高さH2に比べて低くなるように形成される。かかる場合、高さH1及び高さH2の差は、400nm以内であることが望ましい。
[0097]
 なお、本実施形態によればチャック11の上方にはノズル213を1つ設け、第1のエッチング領域213aおよび第2のエッチング領域213bを、ノズル213を兼用して形成したが、当然に、ノズルを複数設けてもよい。すなわち、第1の表面処理部としてのノズルおよび第2の表面処理部としてのノズルがそれぞれ独立して設けられていてもよい。
[0098]
 なお、本実施形態における表面処理部210においても、前記アライメントを更に適切に行うため、第1のエッチング領域213aにおける内周側端部の壁面に、加工精度を向上させるための仕上処理を行ってもよい。
[0099]
 以上の第1~第3の実施形態においては、処理ウェハWにおける表面膜Wfの粗面化、除去を行うことにより第2の処理領域を形成したが、接合工程において適切に未接合領域Aeを形成できるものであれば、第2の処理領域の形成方法はこれらに限られない。例えば、第2の処理領域を、表面膜Wfの疎水化,撥水化により形成することにより、未接合領域Aeを形成することができる。
[0100]
 そこで、第4の実施形態にかかる表面処理部310においては、チャック11の上方に設けられたノズル313から、処理ウェハWに形成された表面膜Wfの外周部Wfeに疎水化剤Gを塗布する。なお、本実施形態にかかる表面処理部310は、実質的に第3実施形態にかかる表面処理部210と同一の構成を有しているため、図14を参照して、重複説明を省略する。
[0101]
 半導体デバイスの製造工程における前記接合は、前述したように、処理ウェハWおよび支持ウェハSに形成された酸化膜Fw,Fsの表面に形成されたダングリングボンドへのOH基の付与、すなわち親水化の後に、水素結合させることによりおこなわれる。
[0102]
 そこで、本実施形態にかかる表面処理部310においては、ノズル313から表面膜Wfの外周部Wfeに疎水化剤Gが塗布される。疎水化剤Gとしては、例えばダングリングボンドにシリル基を付与するためのシリル化剤、メチル基を付与するためのメチル化剤、または、離型剤、等が選択される。
[0103]
 このように、表面膜Wfの外周部Wfeに疎水化材、例えば、シリル化剤が塗布されることにより、前記ダングリングボンドには、シリル基(Si-R)を付与される。これにより、シリル基が付与された外周部Wfeにおいては酸化膜Fwの表面が疎水化、撥水化され、ダングリングボンドに対するOH基の付与が阻害される。すなわち、外周部Wfeにおいては酸化膜Fwと酸化膜Fsとが接合されず、適切に未接合領域Aeを形成することができる。
[0104]
 なお、以上の第1~第4の実施形態に示した表面処理部の構成は、任意に組み合わせて構成することができる。例えば表面処理部は、表面膜Wfの研磨により第1の処理領域を形成した後、エッチング液Eの塗布により第2の処理領域を形成するように構成されていてもよい。また例えば、レーザの照射により第1の処理領域を形成した後、疎水化剤の塗布により第2の処理領域を形成するように構成されていてもよい。また、例えば第1処理領域の形成手段、または第2の処理領域の形成手段が、それぞれ複数設けられていてもよい。このように、表面処理部は任意の構成をとることができる。
[0105]
 また、第1の処理領域および第2の処理領域の形成順序も特に限定されるものではなく、例えば研磨により第2の処理領域を形成した後、レーザの照射により第1の処理領域を形成してもよい。
[0106]
 また例えば、初めに第1の処理領域を酸化膜Fwの表面のみを処理するように形成した後、第2の処理領域を形成し、その後さらに、第1の処理領域においてデバイス層Dの除去を行うようにしてもよい。すなわち、第1の処理領域の形成を、デバイス層Dの除去と、第1の処理領域における内周側端部の壁面の加工精度の向上と、の2つの工程に分けて行ってもよい。
[0107]
 なお、本実施形態においては、第1の研磨領域13aは処理ウェハWの表面Waが露出する深さで形成し、第2の研磨領域14aは外周部Wfeの表層を粗面化することにより形成したが、第1の研磨領域13a及び第2の研磨領域14aの形成方法はこれに限定されない。例えば、第2の研磨領域14aを、第1の研磨領域13aと同様に処理ウェハWの表面Waが露出する深さで形成してもよい。換言すれば、表面膜Wfの外周部Wfeには第1の研磨領域13aのみが形成されてもよい。かかる場合であっても、第1の研磨領域13aの内周側端部においては、適切にアライメント位置を検知することができる。ただし、上述のように処理ウェハWの周縁部Weにおいて前述のエッジボイドの発生を抑制するという観点からは、第1の研磨領域13aと第2の研磨領域14aの両方が形成されることが望ましい。
[0108]
 なお、本開示にかかるウェハ処理システム1の構成は、図7において示した上記実施例に限られるものではない。例えばウェハ処理システム1は、本開示にかかる表面処理部10,接合部20,加工部30から任意に選択される1以上の処理部を備えた構成とすることができる。すなわち、例えばウェハ処理システム1は、図15(a)に示すように本開示にかかる表面処理部10のみを単独で備えていてもよいし、図15(b)に示すように表面処理部10および接合部20を備え、加工部30はウェハ処理システム1外部の他のウェハ処理システム設けられていてもよい。なおかかる場合、ウェハ処理システムを制御する制御部40は、それぞれのウェハ処理システムに対して独立して設けられる。
[0109]
 また、上記実施例において示した加工部30においては、改質層の形成,エッジトリム,薄化が行われた。しかし、加工部30においてはこれらウェハ処理のうちから任意に選択される1以上の処理を行うように構成されてもよい。すなわち、例えば加工部30に代え、前記改質層の形成を行う内部改質部、前記エッジトリムを行う周縁除去部、前記薄化を行う加工部、をそれぞれ分離して設けるようにしてもよい。
[0110]
 また、以上の実施形態では、図3に示したように処理ウェハWの周縁部Weを除去した後に、当該処理ウェハWの薄化を行ったが、処理ウェハWのエッジトリム及び薄化方法はこれに限らず、周縁部Weの除去と処理ウェハWの薄化は同時に行われてもよい。
[0111]
 例えば図16(a)に示すように、処理ウェハWの内部に環状の周縁改質層M1を形成すると共に、処理ウェハWの面方向に沿って内部面改質層M3を形成する。この際、周縁改質層M1の上端を、内部面改質層M3が形成される高さと略一致させる。なお、内部面改質層M3は周縁改質層M1と同様に、処理ウェハWの内部にレーザ光を照射して形成され、周縁改質層M1と内部面改質層M3の形成順序は任意である。
[0112]
 その後、図16(b)に示すように、周縁改質層M1と内部面改質層M3を基点に、処理ウェハWの裏面Wb側を分離する。このように、内部面改質層M3を基点として裏面Wb側を分離することにより、処理ウェハWを薄化することができる。またこの際、周縁部Weは裏面Wb側のウェハと一体となって除去される。
[0113]
 かかる場合、周縁部Weの除去と処理ウェハWの薄化を同時に行うので、ウェハ処理のスループットをより向上させることができる。また、内部面改質層M3を基点とする分離によって処理ウェハWの薄化を行うことにより、処理ウェハWを研削のみで薄化する場合に比べて、研削屑の発生量がすることが少なくなると共に、消耗品である研削工具の数を減少することができるため、装置構成を簡易化することができる。
[0114]
 今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。

符号の説明

[0115]
 1    ウェハ処理システム
 13   第1の研磨部材
 13a  第1の研磨領域
 D    デバイス層
 W    処理ウェハ
 Wa   表面
 Wf   表面膜
 Wfe  外周部

請求の範囲

[請求項1]
基板を処理する基板処理装置であって、
前記基板の表面には表面膜が形成され、
前記基板処理装置は、
改質層の形成予定領域である前記基板の外周部における前記表面膜を処理して、第1の処理領域を形成する第1の表面処理部を備え、
前記第1の処理領域は、少なくとも前記基板の表面が露出する深さまで、前記表面膜が除去されることにより形成される、基板処理装置。
[請求項2]
前記第1の処理領域よりも径方向外側において前記表面膜を処理して、第2の処理領域を形成する第2の表面処理部を備える、請求項1に記載の基板処理装置。
[請求項3]
前記第2の表面処理部は、前記表面膜の表面を粗面化することにより、前記第2の処理領域を形成する、請求項2に記載の基板処理装置。
[請求項4]
前記基板処理装置の動作を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記第1の処理領域における前記表面膜の表面粗さが、前記第2の処理領域における前記表面膜の表面粗さに比べて小さくなるように、前記基板処理装置の動作を制御する、請求項3に記載の基板処理装置。
[請求項5]
前記第2の表面処理部は、前記表面膜の表面を除去することにより、前記第2の処理領域を形成する、請求項2に記載の基板処理装置。
[請求項6]
前記第2の処理領域は、前記表面膜の表面から厚み方向に400nm以内に形成される、請求項5に記載の基板処理装置。
[請求項7]
前記第1の処理領域および前記第2の処理領域が形成された一の基板と、他の基板とを接合する接合部を備える、請求項2~6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
[請求項8]
前記第1の処理領域の内周側端部をアライメント位置として検知するアライメント部と、
前記接合部により接合された前記一の基板の内部にレーザ光を集光させて、前記アライメント位置に基づいて前記改質層を形成する内部改質部と、を備え、
前記基板の厚み方向の異なる高さに同時に集光させる集光点の数は、
前記一の基板の厚み方向における前記表面膜が形成された表面側においては前記基板の裏面側と比較して少ない、請求項7に記載の基板処理装置。
[請求項9]
前記改質層を基点として前記基板の除去対象としての周縁部を除去する外周除去部を備える、請求項8に記載の基板処理装置。
[請求項10]
基板を処理する基板処理方法であって、
前記基板の表面には表面膜が形成され、
前記基板処理方法は、
改質層の形成予定領域である前記基板の外周部における前記表面膜を処理して、第1の処理領域を形成することを含み、
前記第1の処理領域においては、少なくとも前記基板の表面が露出する深さまで、前記表面膜が除去される、基板処理方法。
[請求項11]
前記第1の処理領域よりも径方向外側において前記表面膜を処理して第2の処理領域を形成することを含む、請求項10に記載の基板処理方法。
[請求項12]
前記第2の処理領域は、前記表面膜の表面を粗面化することにより形成される、請求項11に記載の基板処理方法。
[請求項13]
前記第1の処理領域は、前記第2の処理領域と比べて、前記表面膜の表面粗さが小さくなるように形成される、請求項12に記載の基板処理方法。
[請求項14]
前記第2の処理領域は、前記表面膜の表面を除去することにより形成される、請求項11に記載の基板処理方法。
[請求項15]
前記第2の処理領域は、前記表面膜の表面から厚み方向に400nm以内を除去することにより形成される、請求項14に記載の基板処理方法。
[請求項16]
前記第1の処理領域の内周側端部をアライメント位置として検知することと、
他の基板と重合された一の前記基板の内部にレーザ光を集光させて、前記アライメント位置に基づいて前記改質層を形成することと、を含み、
一の前記基板の厚み方向の異なる高さに同時に集光させる集光点の数は、
一の前記基板の厚み方向における前記表面膜が形成された表面側においては、一の前記基板の裏面側と比較して少ない、請求項10~15のいずれか一項に記載の基板処理方法。
[請求項17]
前記改質層を基点として一の前記基板の除去対象としての周縁部を除去することと、
一の前記基板を薄化することと、を含む、請求項16に記載の基板処理方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]