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1. WO2013118259 - 大気中微生物監視装置及びそのための方法

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明 細 書

発明の名称 大気中微生物監視装置及びそのための方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004  

先行技術文献

特許文献

0005  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0006   0007   0008  

課題を解決するための手段

0009   0010   0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018  

実施例 1

0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048  

実施例 2

0049   0050   0051  

実施例 3

0052   0053   0054  

符号の説明

0055  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

補正された請求の範囲(条約第19条)

1  *   2  *   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

条約第19条(1)に基づく説明書

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 大気中微生物監視装置及びそのための方法

技術分野

[0001]
 本発明は、大気中の微生物等を連続的に検出し、常時、大気中の微生物の有無を監視する大気中微生物監視装置及びそのための方法に関する。

背景技術

[0002]
 インフルエンザや口蹄疫などの感染症の感染拡大が大きな社会問題となっている。これらの感染症は、患者・患畜から病原体である菌やウイルスが大気中に放出され、放出され菌やウイルスを体内に吸引することで感染すると考えられている。そのため、これら感染症の感染拡大を防止する有力な手段として、大気中を浮遊している菌やウイルスなどの微生物の検出を目的とした検出装置(大気中微生物監視装置)が注目されている。大気中を浮遊している微生物の数は非常に少なく、直接検出することは難しい。そのため、これら微生物の検出をするには(1)大気中から微生物の捕集する工程(以下捕集工程)と、(2)捕集した微生物を検出する工程(検出工程)の二段階に行うことが多い。
[0003]
 捕集工程は粒子を含む空気をノズルから噴射させ、噴射した空気を捕集面に衝突させることにより粒子を捕集面に付着させる方法であるインパクションで行うことが多く、また検出工程は、菌を培地上で培養することで形成された菌塊を目視計測する培養法で行うことが一般的であるが、捕集した菌を迅速に検出するために菌の内部に存在するATP(アデノシン三リン酸)を検出するATP法で行う方法も報告されている。
[0004]
 例えば、下記の特許文献1に記載のポータブル型空中浮遊菌サンプラは、インパクションにより大気中の菌を培地上に捕集する装置であり、捕集終了後に培地を装置から取り出し、培養法で菌の計測を行う。また、下記の特許文献2に記載の菌捕集担体カートリッジ、担体処理装置および菌の計測方法は、大気中の菌をインパクションによりゼラチンなどの熱可塑性担体上に捕集し、温水で液状化した熱可塑性担体をフィルタろ過することで菌をフィルタ上に回収し、回収した菌をATP法により検出する方法および装置である。

先行技術文献

特許文献

[0005]
特許文献1 : 特開2000-304663号公報
特許文献2 : 国際公開 WO 2009/157510号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006]
 インフルエンザや口蹄疫などの感染症の感染拡大を防止するためには、病原体である菌やウイルスなどの微生物を大気中から直接捕集し検出することが有効である。しかし、捕集から検出の工程に長時間を要すると、患者・患畜や新たな感染者は別の場所に移動してしまい、新たな感染源となる可能性が高まる。そのため、感染症の防止を目的とした大気中微生物検出装置は捕集から検出までの工程をできる限り短時間で行うことが求められる。また、感染源となる患者・患畜の出現は予測できないため、常時大気中の微生物の有無を監視する機能を備えていることが求められる。
[0007]
 しかし、上述した従来技術により知られるこれまでの方法及び装置では、菌やウイルスなどの微生物を検出する工程に時間(例えば、上記特許文献1の装置では数日、また、上記特許文献2の装置では数十分)を必要となるため、これらの要求を満たすことは難しかった。また、上記特許文献1、2の方法及び装置では、捕集面となる培地や熱可塑性担体は一回限りの使い捨てであることから、常時監視の機能を備えることは難しいという課題があった。
[0008]
 本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みて達成されたものであり、その目的は、インパクションを利用した大気中微生物検出装置において、微生物の捕集から検出までを短時間、かつ、連続的に行い、もって、常時監視する機能を備えた大気中微生物監視装置、及び、そのための方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0009]
 上記の目的を達成するため、本発明によれば、まず、一部に外部からの空気を流入するためのファンを備え、内部が仕切り板により複数の工程を行うための空間に仕切られた筺体と、前記筺体の一部に設けられ、前記筺体内の複数の空間の空気を所定の方向の流れにするノズルを複数の備えた多孔板と、前記多孔板の複数のノズルと対向する位置に複数の捕集面を備えた捕集板と、当該捕集板を前記多孔板に対して移動する捕集板制御部と、前記捕集板の捕集面上の前記微生物から発生する蛍光を検出するための光学検出部とを備えた大気中微生物監視装置において、前記筺体内に仕切られた複数の空間の一部には、微生物を含む空気が流入しており、前記捕集板の複数の捕集面には、それぞれ、ピラーを備えており、前記捕集板制御部は、前記捕集板の位置を制御し、もって、当該捕集板の複数の捕集面に、前記多孔板の複数のノズルを介して、前記筺体内で仕切られた複数の空間からの空気の流れが、順次、当たるようにし、前記光学検出部は、前記筺体内の複数の空間からの空気流のうち、前記筺体内に仕切られた複数の空間の一部からの微生物を含む空気の流れが当たった前記捕集板の捕集面からの蛍光を、順次、検出することにより微生物を検出して監視する大気中微生物監視装置が提供される。
[0010]
 また、本発明によれば、前記に記載した微生物監視装置において、更に、前記捕集板の複数の捕集面に備えたピラーには、前記空気中の微生物と特異的に結合する物質が結合されていることが好ましい。また、前記筺体内に仕切られた複数の空間のうち、微生物を含む空気が流入する空間を除いた一部には、液体をミスト状にして内部の空気に散布する散布部を備えていることが好ましく、又は、前記散布部は、特定の微生物に特異的に結合する蛍光標識を含む液体をミスト状にして散布する蛍光標識散布部と、純水又は緩衝液をミスト状にして散布する洗浄液散布部、低pHの液体をミスト状に散布する解離液散布部の少なくとも一つを含んでいることが好ましい。また、前記捕集板は円盤状、長方形の板、もしくは、ロール状のシートであることが好ましく、又は、前記多孔板は、厚さ0.01mm~2mm、直径5mm~200mmの円盤状の金属板で形成されており、かつ、前記複数のノズルを形成するための孔径50μm~200μmの断面円形の貫通孔が、複数、当該円盤の中心部から放射状に並べられて形成されていることが好ましい。また、前記ピラーの面積は、前記ノズルの面積の1倍~10倍であり、かつ、前記ピラーの高さは、前記ピラーと前記ノズルとの間隔の2倍、又は、それ以上であることが好ましく、又は、前記捕集板は、ガラス、石英、樹脂類(ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネイト、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチルエステルアクリル、ポリジメチルシロキサンを含む)、金属類(鉄、アルミニウム、銅、錫、金、銀の純金属、及び、これらの合金を含む)により形成することが好ましい。また、液体をミスト状にして散布する前記散布部から噴霧されるミストの直径は、0.3μm~10μmであり、かつ、数密度は10 ~10 12個/m であることが好ましく、又は、前記筺体の仕切り板の位置は、当該筺体内で可変であり、もって、微生物を含む空気を噴射させるための前記複数のノズルの数と、ミスト状の液体を含む空気を噴射させるための前記複数のノズルの数の比率を変更することができることが好ましい。
[0011]
 加えて、本発明によれば、やはり上記の目的を達成するため、大気中微生物を捕集して検出して空気中の微生物を監視する方法であって、捕集板上に複数形成された捕集面に空気を噴射し、当該捕集面に大気中微生物を付着させる工程と、前記捕集板の捕集面上に付着した大気中微生物に対して所定の処理を施す工程と、前記所定の処理を施した捕集面上に付着した大気中微生物を検出する工程とを含む大気中微生物監視おいて、前記捕集面においては、微生物と特異的に結合する物質により前記大気中微生物を付着し、そして、前記の工程を、同時かつ順次、実行することにより大気中の微生物を監視する大気中微生物監視方法が提供される。
[0012]
 更に、本発明では、前記に記載した微生物監視方法において、前記微生物を検出する工程では、前記微生物から発生する蛍光を光学的に検出することが好ましく、又は、前記の処理を施す工程では、特定の微生物に特異的に結合する蛍光標識を含む液体をミスト状にして散布することが好ましい。また、微生物監視方法は、更に、純水又は緩衝液をミスト状にして散布する洗浄液散布工程又は低pHの液体をミスト状に散布する解離液散布工程を含んでおり、当該工程も、前記の工程と同様、同時かつ順次、実行することにより大気中の微生物を監視することが好ましい。また、前記洗浄液散布工程又は前記解離液散布工程は、前記大気中微生物を付着させる工程の後に実行する。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、大気中微生物の捕集及び検出を迅速に行うことにより、常時、監視することが可能な大気中微生物監視装置及びそのための方法が提供されるという極めて優れた効果を発揮する。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 本発明の実施例1になる大気中微生物監視装置の全体概略構成を示すための一部透視を含む斜視図である。
[図2] 上記微生物監視装置の一部である大気中微生物捕集部の構成を示す一部拡大図である。
[図3] 上記実施例1になる大気中微生物監視装置における工程の詳細(捕集工程、標識工程)を示す図である。
[図4] 上記実施例1になる大気中微生物監視装置における工程の詳細(洗浄工程、検出工程)を示す図である。
[図5] 上記実施例1になる大気中微生物監視装置における工程の詳細(解離工程)を示す図である。
[図6] 上記実施例1になる大気中微生物監視装置における全体工程の詳細を示す図である。
[図7] 本発明の実施例2になる大気中微生物監視装置の概略構成を示す一部透視を含む斜視図である。
[図8] 本発明の実施例3になる大気中微生物監視装置の概略構成を示す一部透視を含む斜視図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 さて、上記にも述べたが、近年、鳥インフルエンザ・ウイルスや口蹄疫ウイルスなどのウイルス(以下、ウイルスという)の感染拡大が社会問題となっており、早急に感染拡大を阻止する必要がある。そのためには大気中のウイルスを捕集・検出して感染拡大を防止することが急務となっている。しかし、上述した理由により、感染症の防止を目的とする大気中のウイルスの捕集・検出装置には、捕集から検出までの工程をできる限り短時間で行う機能や常時監視する機能が求められる。
[0016]
 そこで、本発明の発明者らは、捕集したウイルスを短時間で検出し、かつ、常時監視するための構造を種々検討し、その結果、以下のごとき実施例を得た。
[0017]
 以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施例について詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は一例であって、以下の各実施例同士の組み合わせ、又は、公知又は周知の技術との組み合わせや置換による他の態様も可能であることは言うまでもない。
[0018]
 なお、本明細書において、大気中微生物監視装置及び方法とは、ウイルス、細菌、酵母、原生動物、菌類、胞子、花粉を検出して監視するための方法及び装置を意味する。また、本明細書では、表記を簡単にするため、一般的に定義されている微生物(細菌、酵母、原生動物、菌類)の他、ウイルス、胞子、花粉を含め、単に「微生物」と表記す。
実施例 1
[0019]
 図1は、本発明の実施例1になる大気中微生物監視装置の概略構成を示す図であり、また、図2は、当該大気中微生物監視装置1の一部(内部筐体192を中心に構成される要素)を拡大して示した図である。
[0020]
 まず、大気中微生物監視装置1は、円筒形の外部筐体192と、当該外部筐体の上部に配置された円筒形の内部筐体191とを備えており、当該内部筐体の底部には、放射状に配列された複数のノズル101を備えた扇状の板である多孔板10と、当該多孔板下方に配置され、上記ノズル101を通過した微生物を上面に捕集するピラー111を複数備えた円盤状の捕集板11と、当該捕集板11の保持と動きの制御を行うための捕集板制御部12と、上記捕集板のピラー111上に捕捉された大気中微生物17を光学的に検出するための光学検出部13を備えている。また、外部筐体192の下部には、空気(微生物を含む)を取り込むためのファン14と排気口フィルタ164が設けられており、また、その上部には、試薬や洗浄のための液体をミスト状にして散布するための散布部151、152,153とが設けられている。また、上記外部筐体192及び内部筐体191の上面に開口して、上記空気を取り込む大気吸引口160、161、162、163が形成されている。また、図中の符号200は、上述した装置の構成部分の動作を以下に述べる工程に沿って適宜制御するための制御部であり、例えば、メモリ等の記憶装置を含むマイクロコンピュータ等により構成される。
[0021]
 なお、上記多孔板10に形成されたノズル101と、捕集板11に形成されたピラー111とは、上部から見て同じ位置に配置されており、それぞれ、中心から放射状に、円盤の直径方向に、等間隔で、かつ、回転方向にも等角度で配置されている。これら多孔板10と捕集板11とは、同心円の位置関係にあり、そして、捕集板制御部12は、上記ノズル101とピラー111とが必ず対向するように、捕集板11の回転方向の動きを制御する。
[0022]
 また、この多孔板10は、中心角θが優角(180゜<θ<360゜)となる扇形の形状を有し、上記内部筐体191の底面を構成するよう接合されている。内部筐体191と多孔板10で構成される空間は、その内部にある仕切り板1915、1916、1917、1918、1919によって区分され、もって、複数の空間1910、1911、1912、1913が構成される。それぞれの空間1910~1913は、そこを通過する微生物もしくはミストの種類に応じて、微生物空間1910、蛍光標識空間1911、洗浄液空間1912、解離液空間1913として機能し、そのため、上記の仕切り板1915~1919も、区分けする空間に応じ、微生物空間-蛍光標識空間仕切り板1915、蛍光標識空間-洗浄液空間仕切り板1916、洗浄液空間-検出部仕切り板1917、検出部-解離液空間仕切り板1918、解離液空間-微生物空間仕切り板1919となっている。
[0023]
 捕集板11のピラー111の上面には、大気中の微生物17と特異的に結合する物質(抗体など)が結合している(又は、修飾されている)。そのため、大気中の微生物17がピラー111の上面に衝突すると、当該大気中の微生物17はピラー111の上面に結合する。
[0024]
 一方、散布部151~153は、供給された試薬をミスト状にする機能を備えている。しかしながら、それぞれ、散布する試薬に応じ、以下のように区別される。即ち、蛍光標識散布部151は、大気中の微生物17と特異的に結合する蛍光標識を含んだ液をミスト状(蛍光標識ミスト1512)にする。洗浄液散布部152は、ピラー111上に非特異的に吸着した蛍光標識を洗浄するための洗浄液をミスト状(洗浄液ミスト1522)にする。解離液散布部153は、ピラー111から大気中微生物を引き剥がす効果がある解離液をミスト状(解離液ミスト1532)にする。また、大気吸引口160~163も、吸引した空気と混合する微生物もしくはミストの種類に応じ、微生物吸引口160、蛍光標識吸引口161、洗浄液吸引口162、解離液吸引口163となっている。また、蛍光標識吸引口161、洗浄液吸引口162、及び、解離液吸引口163は、それぞれ、空気中のごみを取り除くためのフィルタ1511、1521、1531を備える。また、図1、2には示されていないが、捕集板制御部12は、梁のような構造により外部筐体192に連結されている。
[0025]
 なお、詳細については後述するが、大気中微生物監視装置1による大気中微生物17の検出は、次のように実行される。まず、ファン14が回転することにより空気の流れが生じ、これに伴い、微生物吸引口160、蛍光標識吸引口161、洗浄液吸引口162、解離液吸引口163に空気が流入する。流入した空気と空気に含まれる大気中微生物17は、微生物吸引口160、微生物空間1910を経由して、多孔板10のノズル101を通過した後、捕集板11のピラー111の上面にあたり、ピラー111の脇に流れる。このとき、空気の流れの力に対する大気中微生物17の慣性力が強いと、大気中微生物17は空気の流れに追従せずに、ピラー111の上面に衝突し、その結果、ピラー111の上面に結合している物質(大気中微生物17を特異的に結合する)により捕捉されることとなる。
[0026]
 一方、蛍光標識吸引口161を経由して流入した空気からは、フィルタ1513を通過した際、その内部に含まれる大気中微生物17が取り除かれる。このろ過された空気は、蛍光標識散布部151から発生する蛍光標識ミスト1512を巻き込み、蛍光標識空間1911を経由して多孔板10のノズル101を通過し、捕集板11のピラー111の上面にあたり、その後、ピラー111の脇に流れる。このとき、空気の流れの力に対する蛍光標識ミスト1512の慣性力が強いと、蛍光標識ミスト1512は、空気の流れには追従せず、ピラー111の上面に衝突する。そして、当該衝突後、蛍光標識ミスト1512に含まれている蛍光標識は、ピラー111の上面に捕捉されている大気中微生物17と特異的に結合する。同様にして、洗浄液ミスト1522と解離液ミスト1532も、また、ピラー111の上面に捕捉される。このように、各ピラーの上面には、当該ピラーの位置に応じて、大気中微生物17か、蛍光標識ミスト1512か、洗浄液ミスト1522か、又は、解離液ミスト1532が供給されることとなる。
[0027]
 一方、上述した捕集板制御部12により捕集板11を等角度(ピラーの回転方向のピッチ)にステップ状に回転させることによれば、ピラー111の上面では、(1)大気中微生物17の捕集、(2)蛍光標識ミスト1512の供給による大気中微生物17の蛍光標識、(3)洗浄液ミスト1522の供給による非特異吸着した蛍光標識の洗浄、(4)光学検出部13によるピラー111上の大気中微生物17の検出、(5)解離液ミスト1532の供給による大気中微生物17の解離と言う複数の工程を、順に行うことが可能になる。さらに、捕集板11が一周することにより、再び、上述した大気中微生物17の捕集の工程に戻る。即ち、上記複数の工程を繰り返して、再度、検査を行うことが可能になる。
[0028]
 続いて、上述した各構成要素の詳細について説明する。
 まず、多孔板10は、厚さ0.01mm~2mm、直径5mm~200mmの金属板である。多孔板10に形成されたノズル101の孔径は捕集粒子径によって決まる。いま、仮に、捕集粒子径300μmの微粒子を90%以上の割合で捕集しようとする場合には、孔径は200μm以下であることが必要であり、ノズルの加工性、ノズル101を通過する空気の乱流条件などを考慮すると、孔径は、例えば、50~100μmが好ましい。また、ノズルの形成は、エッチング、レーザー加工、放電加工、電子線ビーム加工、機械加工などの加工により行うことが出来る。
[0029]
 捕集板11は複数のピラー111を備えた円盤形状の板である。ノズル101とピラー111上面との間隔の最適値は、ノズル101の径によっても変わるが、ノズル径の1/3~15倍とすることが好ましく、さらに好ましくは、1/2~5倍(25~500μm)の範囲とする。即ち、ピラー111の直径は小さすぎると、大気中微生物17をピラー111上面に衝突させることが困難になる。他方、大きすぎると、必要な検出範囲が広くなるため、検出に必要な時間が長くなる。また、ピラー111の高さが低いほど、その加工は容易になるが、しかし、ノズル101からの気流の一部が隣接するピラー111の上面に流れこむため、大気中微生物17をピラー上面に衝突させることが困難になる。なお、発明者等による詳細な検討の結果によれば、ノズル101を通過した大気中微生物17をピラー111の上面に確実に衝突させ、かつ、ピラー111上面の大気中微生物17を効率的に検出するためには、当該ピラー111の直径は、ノズル101の直径の1~10倍であることが好ましく、また、当該ピラー高さは、ノズル101とピラー111上面との間隔の2倍、又は、それ以上とすることが好ましいことがわかった。
[0030]
 また、この捕集板11の材質は、シリコン、ガラス、石英、樹脂類(ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネイト、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチルエステル等アクリル、ポリジメチルシロキサンなど)、で形成されることが好ましい。ピラーの形成には、材料によって異なるが、例えば、シリコン、ガラス、石英に対しては、エッチングなどの手法、また、樹脂類ではホットエンボス、射出成型、転写などの手法を用いることが出来る。
[0031]
 捕集板制御部12は、上述したように、捕集板11をステップ状に回転させる機能があるが、本実施例では、捕集板11のピラー111と多孔板10のノズル101の位置のずれを小さくする目的のため、捕集板11の位置を検知するためのセンサを備える。
捕集板11をステップ状に回転させた後、当該センサからの情報に基づいて、捕集板11のピラー111と多孔板10のノズル101との位置調整を行う。また、このセンサは、ピラー111の上面の大気中微生物17を検出するための光学検出部13により代用してもよい。
[0032]
 光学検出部13は、蛍光標識を励起するための励起光の光源、蛍光標識から発せられる蛍光を検出するための光検出器、光源からの励起光や蛍光標識からの蛍光を集光するためのレンズ系、励起光や蛍光の波長選別を行うための光学フィルタ、そして、迷光を排除するための空間フィルタ(ピンホール)で構成される蛍光検出用光学系と共に、更に、蛍光検出用光学系の焦点をピラー111上面に合わせるための位置合わせ制御機構と、光学検出部13を捕集板11の半径方向に移動させるための半径方向移動機構とで構成される。これらの移動機構により、光学検出部13を捕集板11の半径方向に移動させながら、ピラー111上面に捕捉された大気中微生物17に結合した蛍光標識の蛍光を検出することにより、大気中微生物17の検出が行われる。
[0033]
 蛍光標識散布部151、洗浄液散布部152、解離液散布部153は、上述したように、試薬をミスト状にするネブライザとしての機能を備える。これらの散布部によりミスト状になった試薬は、吸引された空気と混合し、即ち、気流の流れを利用して捕集板11のピラー111の上面に供給される。
[0034]
 なお、散布するミストの粒径の範囲は、例えば、0.3μm~10μmであり、また、ミストの数密度としては、10 ~10 12個/m が好ましい。
[0035]
 フィルタ1511、1521、1531と排気口フィルタ164には、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)が使用される。これらのフィルタ1511、1521、1531は、吸引した空気に大気中微生物17やその他の粒子が混入することを防ぎ、これにより、検査の結果が異常となることを防ぐ。また、排気口フィルタ164は、捕集板11上に捕捉しきれなかったウイルス凝集体や、各試薬のミストを除去するためのものである。
[0036]
 次に、図3(a)~(b)、図4(a)~(b)及び図5を用いて、検査工程の詳細について説明する。
[0037]
捕集工程(図3(a)参照):
 ファン14(図1)により吸引された空気と共に、当該空気に含まれる大気中微生物17は、多孔板10のノズル101を通過する。吸引された空気は、捕集板11のピラー111の上面にあたった後、ピラー111の脇に流れるが、しかし、上述したように、大気中微生物17はその慣性力により、ピラー111の上面に衝突する。ピラー111の上面には大気中微生物17の表面に存在する抗原と特異的に結合する抗体181が修飾されているため、ピラー111上面に衝突した大気中微生物17は、抗原抗体反応により、ピラー111上面に特異的に結合する。ピラー111の上面への抗体181の結合方法は一般的に知られる方法であり、例えば、非特異吸着を利用した結合方法、シランカップリングを利用した結合方法、特定のリンカーを利用した結合方法などである。
[0038]
標識工程(図3(b)参照):
 蛍光標識散布部151(図1)により発生した蛍光標識ミスト1512は、ファン14(図1)により吸引された空気と混合し、多孔板10のノズル101を通過する。その際、吸引された空気は捕集板11のピラー111の上面にあたった後、ピラー111の脇に流れるが、一方、蛍光標識ミスト1512は、その慣性力によりピラー111の上面に衝突する。蛍光標識ミスト1512は、その内部に大気中微生物17と特異的に結合する蛍光標識1513(蛍光色素が標識された抗体)を含んでいるため、上述した捕集工程においてピラー111の上面の抗体181と結合した大気中微生物17と、蛍光標識1513とは、抗原抗体反応により特異的に結合する。
[0039]
 なお、上述のように、微小な蛍光標識ミスト151(φ0.3μm~10μm)により抗原抗体反応を行うことのメリットは、次の二点である。
[0040]
(メリット1):拡散距離の微小化による拡散時間の短縮:大気中微生物17と蛍光標識1513が結合するには、二つの物質は十分な距離まで近づく必要がある。理論上は、物質が一定の距離を移動する時間は距離の二乗に比例する。一般的な反応容器内での抗原抗体反応(液半径1mm、液深さ1mmと仮定)と、微小ミスト中での抗原抗体反応とを比較すると、一例として、マイクロタイタープレートでの反応では、大気中微生物17と蛍光標識1513は最大で約1mm離れているが、一方、微小ミスト中での反応では、大気中微生物17と蛍光標識1513は最大10μm(ミスト直径相当)しか離れていない。そのため、衝突までの時間はマイクロタイタープレートでの反応に比べると1/10000倍になる。
[0041]
(メリット2):ウイルスの濃度の高濃度化による反応時間の短縮:物質Aと物質Bが結合してABになる反応では、結合の反応時間は、二つの物質の濃度に比例する。先ほどと同様に、一般的な反応容器内での抗原抗体反応(液半径1mm、液深さ1mmの液の中に大気中微生物が1個あると仮定)と、微小ミスト内での抗原抗体反応(φ10μmの中に大気中微生物が1個あると仮定)とを比較すると、微小ミスト内での大気中微生物17の濃度は、一般的な反応容器内での大気中微生物17の濃度に比べ、約1×10 倍も濃くなる。そのため、反応速度も1×10 倍速くなる。
[0042]
洗浄工程(図4(a)参照):
 洗浄液散布部152(図1)により発生した洗浄液ミスト1522は、ファン14(図1)により吸引された空気と混合し、多孔板10のノズル101を通過する。吸引された空気は、捕集板11のピラー111の上面にあたった後、ピラー111の脇に流れるが、洗浄液ミスト1522は、その慣性力によりピラー111の上面に衝突する。衝突した洗浄液ミスト1522は、ピラー111の上面に非特異的に吸着した蛍光標識1514を取り込む。そして、この洗浄液ミスト1522の衝突が連続的に行われると、その一部はピラー111の上面から溢れ出ることから、取り込んだ蛍光標識1514をピラー111の上面から除去することができる。一方、抗原抗体反応により特異的にピラー111上面の抗体と結合している大気中微生物17と、そして、大気中微生物17に特異的に結合している蛍光標識1513とは、互いに強く結合しているため、ピラー111の上面に残る。なお、洗浄液としては、例えば、濃度の薄い緩衝液や純水が適している。
[0043]
検出工程(図4(b)参照):
 光学検出部13を捕集板11(図1)の半径方向に移動させながら、同時に、ピラー111上面の蛍光強度を計測する。即ち、蛍光標識1513が結合した大気中微生物17がピラー111の上面に存在すれば、光学検出部13は、当該ピラー111が移動する際に、強い蛍光1515を計測する。もって、計測した蛍光強度によって、捕集した大気中微生物17の数を計測することができる。
[0044]
解離工程(図5参照):
 解離液散布部153(図1)により発生した解離液ミスト1532は、ファン14(図1)により吸引された空気と混合し、多孔板10のノズル101を通過する。吸引された空気は、捕集板11のピラー111の上面にあたった後、ピラー111の脇に流れるが、解離液ミスト1532はその慣性力によりピラー111の上面に衝突し、そして、衝突した解離液ミスト1532は、ピラー111の上面の抗体181に結合した大気中微生物17を取り込む。なお、この解離液は、低pHの液体で抗原抗体反応により結合している物質を解離させる働きがある。この解離液ミスト1532の衝突が連続的に行われると、その一部は、ピラー111の上面から溢れ出し、これにより、取り込んだ大気中微生物17をピラー111の上面から除去することができる。
[0045]
 なお、ピラー111上の抗体181に結合した大気中微生物17を除去すれば、上述したように。ピラー111の上面は捕集工程前の状態に戻ることから、捕集工程から始めることで、再び、大気中微生物17の捕集・検出を繰り返すことが可能になる。なお、以上の工程における各部の動作は、上述したマイクロコンピュータ200のメモリ等に格納されたプログラムに従って実行される。
[0046]
 次に、大気中微生物監視装置1での常時監視の方法の仕組みについて、上述した図6(a)及び(b)を用いて説明する。図6(a)は、ある時点における捕集板11の位置を示す。また、図中の丸数字は、捕集板11の或る半径上に存在するピラーの集まりを示す。なお、以下の説明では、図中で使用した丸数字は使わず、これに代え、ピラーの集まり1、2…と表記する。なお、本発明の大気中微生物監視装置1では、仕切り板1915~1919(図2)によって、実行する複数の工程を区分するため、この時点においては、ピラーの集まり1、23~32は、捕集工程にあり、ピラーの集まり20~22は、標識工程にあり、ピラーの集まり16~19は、洗浄工程にあり、ピラーの集まり12~15は、検出工程にあり、そして、ピラーの集まり2~11は、解離工程にあり、上述したそれぞれの工程を行っている。そのうち、検出工程では、ピラーの集まり13のみが、光学検出部13により実施される蛍光測定の対象となっている。なお、この蛍光測定時に光学検出部13が、捕集板11の半径方向に移動する際、大気中微生物監視装置1のその他の構成部分に接触することを防止するため、ピラーの集まり13の前後には、所定の間隔が設けられている。
[0047]
 なお、この時点から一定時間経過後には、捕集板制御部12の機能により、捕集板11は1ステップ分だけ回転移動する。即ち、ピラーの集まり2は、ピラーの集まり1の位置に、ピラーの集まり3は、ピラーの集まり2の位置に、それぞれ、移動する。これによれば、図6(b)に示すように、ピラーの集まり毎に少しずつシフトさせながら各工程が実施されるため、即ち、微生物の検出に必要な工程を、同時に、かつ、並列して、順次、連続的に実行することにより、常時、その監視が可能になっている。
[0048]
 また、各工程の処理時間は、検出対象の微生物の種類や使用する試薬に応じて異なるが、しかしながら、大気中微生物監視装置1は、仕切り板1915~1919の位置の設定によって各工程の処理時間が決まるため、仕切り板の位置を変えることで、各工程の時間を適宜、調整することが可能になる。
実施例 2
[0049]
 次に、図7は本発明の他の形態(実施例2)に係る大気中微生物監視装置2の概略構成を示しており、この図に示す実施例は、特に、大気中微生物の簡易検査を行うことをその主目的としたものである。即ち、上記実施例1の大気中微生物監視装置1との最大の違いは、捕集板11の形状と捕集板制御部12の捕集板の動きの制御方法にある。なお、図中において、上記の実施例の構成要素に対応するものには同様の符号を付しており、そのため、ここでは。その詳細な説明は省略する。
[0050]
 より具体的に述べれば、捕集板11は、複数のピラー111を備えた長方形の板からなり、そして、捕集板制御部12は、当該捕集板11を、図中の矢印Aの方向に、直線的に、ステップ状に移動する。なお、大気中微生物監視装置2は、上記実施例1の大気中微生物監視装置1と同様に、捕集部、標識部、洗浄部を備える。
[0051]
 また、その動作について説明すると、大気中微生物17は、ファン(図示せず)より吸引された空気と共に、大気吸引口160を経由し多孔板10のノズルを通過する。ノズルを通過した大気中微生物17は、上記「実施例1と同様に、捕集板11のピラー111の上面に衝突する。捕集板10は、捕集板制御部12により、図の矢印Aの方向に、ステップ状に、ピラー111の間隔だけ移動する。そして、大気中微生物17が衝突したピラー111には、蛍光標識散布部151により作られた蛍光標識ミスト1512と共に、洗浄液散布部152により作られた洗浄液ミスト1522が、やはり実施例1と同様に、衝突する。更に、光学検出部13により、ピラー111上面の大気中微生物17に特異的に結合した蛍光標識1513の蛍光を検出することで、大気中微生物17の有無を簡便に判定することができる。但し、本実施例では、解離工程を行わないため、検査を継続するためには、1回の検出工程の終了後に、捕集板11を、新たな捕集板11に交換する必要がある。
実施例 3
[0052]
 図8は、本発明の更に他の形態(実施例3)に係る微生物捕集装置の概略構成を示す図である。本実施例になる大気中微生物監視装置3によれば、上記実施例2の大気中微生物監視装置2よりも長い期間に亘り、大気中微生物17の監視を行うことが可能となる。なお、実施例2との違いは、捕集板11がロールシート状になっていること、そして、捕集板制御部12がロールシート状の捕集板11を巻き取るように回転することであり、そのため、捕集板11は図中の矢印Aの方向に移動する。即ち、捕集板11がロールシート状になっていることから、上記実施例1と同様、大気中微生物17の捕集・検出を繰り返すことが可能であり、そのため、実施例2の捕集板11よりも長い期間使用することが可能となる共に、ここでは図示しないが、解離液散布部(図1の153を参照)が設けられている。
なお、ここでも、図中における上記の実施例の構成要素に対応するものには同様の符号を付しており、そのため、その詳細な説明は省略している。
[0053]
 なお、以上に述べた実施例1~3では、蛍光標識を大気中微生物と特異的に結合させることにより、当該大気中微生物の検出を実施している。このように、蛍光標識を用いることによれば、大気中微生物の特定を容易にし、また、検出感度を大きく向上することが可能となるが、しかしながら、蛍光標識を含む液をその残量に応じ、適宜、補完する必要がある、場合によっては、その検出動作を、一時的に停止せざるを得ない場合が考えられる。
[0054]
 そこで、以下には、蛍光標識を用いずに大気中微生物を検出するための方法とそのための構造について説明する。一般に、細胞を持つ大気中微生物は、NADH(還元型ニコチンアミドヌクレオチド)、NADPH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)やフラビン蛋白質などの蛍光物質を細胞内に保有している。そのため、上述した光学検出部13に、これら蛍光物質を励起する励起光(NADHやNADPHならば紫外光、フラビン蛋白質ならば青色)を照射する機能(手段)と共に、これら蛍光物質が発する蛍光(NADHやNADPHならば青色、フラビン蛋白質ならば緑色)を検出する機能(手段)を設けることによれば、蛍光標識の補完を行うことなく、即ち、上述したメンテナンスのための一時的に停止を必要とすることなく、連続的に、大気中微生物の検出することが可能になる。

符号の説明

[0055]
1、2、3…微生物検出装置、10…多孔板、11…捕集板、12…捕集板制御部、13…光学検出部、14…ファン、101…ノズル、111…ピラー、151~153…散布部、105…フィルタ、106…ホルダ、107…内周部排気口、108…外周部排気口、109…ウイルス凝集体、112…凹凸捕集基板、123…柱。

請求の範囲

[請求項1]
 一部に外部からの空気を流入するためのファンを備え、内部が仕切り板により複数の工程を行うための空間に仕切られた筺体と、
 前記筺体の一部に設けられ、前記筺体内の複数の空間の空気を所定の方向の流れにするノズルを複数の備えた多孔板と、
 前記多孔板の複数のノズルと対向する位置に複数の捕集面を備えた捕集板と、
 当該捕集板を前記多孔板に対して移動する捕集板制御部と、
 前記捕集板の捕集面上の前記微生物から発生する蛍光を検出するための光学検出部とを備えた大気中微生物監視装置において、
 前記筺体内に仕切られた複数の空間の一部には、微生物を含む空気が流入しており、
 前記捕集板の複数の捕集面には、それぞれ、ピラーを備えており、


 前記捕集板制御部は、前記捕集板の位置を制御し、もって、当該捕集板の複数の捕集面に、前記多孔板の複数のノズルを介して、前記筺体内で仕切られた複数の空間からの空気の流れが、順次、当たるようにし、
 前記光学検出部は、前記筺体内の複数の空間からの空気流のうち、前記筺体内に仕切られた複数の空間の一部からの微生物を含む空気の流れが当たった前記捕集板の捕集面からの蛍光を、順次、検出することにより微生物を検出して監視することを特徴とする大気中微生物監視装置。
[請求項2]
 前記請求項1に記載した微生物監視装置において、更に、前記捕集板の複数の捕集面に備えたピラーには、前記空気中の微生物と特異的に結合する物質が結合されていることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[請求項3]
 前記請求項2に記載した微生物監視装置において、更に、前記筺体内に仕切られた複数の空間のうち、微生物を含む空気が流入する空間を除いた一部には、液体をミスト状にして内部の空気に散布する散布部を備えていることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[請求項4]
 前記請求項3に記載した微生物監視装置において、前記散布部は、特定の微生物に特異的に結合する蛍光標識を含む液体をミスト状にして散布する蛍光標識散布部と、純水又は緩衝液をミスト状にして散布する洗浄液散布部、低pHの液体をミスト状に散布する解離液散布部の少なくとも一つを含んでいることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[請求項5]
 前記請求項4に記載した微生物監視装置において、前記捕集板は、円盤状、長方形の板、もしくは、ロール状のシートであることを特徴とする微生物監視装置。
[請求項6]
 前記請求項5に記載した微生物監視装置において、前記多孔板は、厚さ0.01mm~2mm、直径5mm~200mmの円盤状の金属板で形成されており、かつ、前記複数のノズルを形成するための孔径50μm~200μmの断面円形の貫通孔が、複数、当該円盤の中心部から放射状に並べられて形成されていることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[請求項7]
 前記請求項6に記載した微生物監視装置において、前記ピラーの面積は、前記ノズルの面積の1倍~10倍であり、かつ、前記ピラーの高さは、前記ピラーと前記ノズルとの間隔の2倍、又は、それ以上であることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[請求項8]
 前記請求項7に記載した微生物監視装置において、前記捕集板は、ガラス、石英、樹脂類(ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネイト、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチルエステルアクリル、ポリジメチルシロキサンを含む)、金属類(鉄、アルミニウム、銅、錫、金、銀の純金属、及び、これらの合金を含む)により形成することを特徴とする大気中微生物監視装置。
[請求項9]
 前記請求項8に記載した微生物監視装置において、液体をミスト状にして散布する前記散布部から噴霧されるミストの直径は、0.3μm~10μmであり、かつ、数密度は10 ~10 12個/m であることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[請求項10]
 前記請求項9に記載した微生物監視装置において、前記筺体の仕切り板の位置は、当該筺体内で可変であり、もって、微生物を含む空気を噴射させるための前記複数のノズルの数と、ミスト状の液体を含む空気を噴射させるための前記複数のノズルの数の比率を変更することができることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[請求項11]
 大気中微生物を捕集して検出して空気中の微生物を監視する方法であって、
 捕集板上に複数形成された捕集面に空気を噴射し、当該捕集面に大気中微生物を付着させる工程と、
 前記捕集板の捕集面上に付着した大気中微生物に対して所定の処理を施す工程と、
 前記所定の処理を施した捕集面上に付着した大気中微生物を検出する工程とを含む大気中微生物監視おいて、
 前記捕集面においては、微生物と特異的に結合する物質により前記大気中微生物を付着し、そして、
 前記の工程を、同時かつ順次、実行することにより大気中の微生物を監視することを特徴とする大気中微生物監視方法。
[請求項12]
 前記請求項11に記載した微生物監視方法において、前記微生物を検出する工程では、前記微生物から発生する蛍光を光学的に検出することを特徴とする大気中微生物監視方法。
[請求項13]
 前記請求項12に記載した微生物監視方法において、前記の処理を施す工程では、特定の微生物に特異的に結合する蛍光標識を含む液体をミスト状にして散布することを特徴とする大気中微生物監視方法。
[請求項14]
 前記請求項13に記載した微生物監視方法は、更に、
 純水又は緩衝液をミスト状にして散布する洗浄液散布工程又は低pHの液体をミスト状に散布する解離液散布工程を含んでおり、
 当該工程も、前記の工程と同様、同時かつ順次、実行することにより大気中の微生物を監視することを特徴とする大気中微生物監視方法。
[請求項15]
 前記請求項14に記載した微生物監視方法において、前記洗浄液散布工程又は前記解離液散布工程は、前記大気中微生物を付着させる工程の後に実行することを特徴とする大気中微生物監視方法。

補正された請求の範囲(条約第19条)
[ 2012年6月25日 ( 25.06.2012 )  国際事務局受理 ]

[1]
[補正後] 
 一部に外部からの空気を流入するためのファンを備え、内部が仕切り板により複数の工程を行うための空間に仕切られた筐体と、
 前記筐体の一部に設けられ、前記筐体内の複数の空間の空気を所定の方向の流れにするノズルを複数の備えた多孔板と、
 前記多孔板の複数のノズルと対向する位置に複数の捕集面を備えた捕集板と、
 当該捕集板を前記多孔板に対してステップ状に移動する捕集板制御部と、
 前記捕集板の捕集面上の前記微生物から発生する蛍光を検出するための光学検出部とを備えた大気中微生物監視装置において、
 前記筐体内に仕切られた複数の空間の一部には、微生物を含む空気が流入しており、
 前記捕集板制御部は、前記捕集板の位置を制御し、もって、当該捕集板の複数の捕集面に、前記多孔板の複数のノズルを介して、前記筐体内で仕切られた複数の空間からの空気の流れが、順次、当たるようにし、
 前記光学検出部は、前記筐体内の複数の空間からの空気流のうち、前記筐体内に仕切られた複数の空間の一部からの微生物を含む空気の流れが当たった前記捕集板の捕集面からの蛍光を、順次、検出することにより微生物を検出して監視することを特徴とする大気中微生物監視装置。
[2]
[補正後] 
 前記請求項1に記載した微生物監視装置において、更に、前記捕集板の複数の捕集面には、それぞれ、ピラーを備えており、前記捕集板の複数の捕集面に備えたピラーには、前記空気中の微生物と特異的に結合する物質が結合されていることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[3]
 前記請求項2に記載した微生物監視装置において、更に、前記筺体内に仕切られた複数の空間のうち、微生物を含む空気が流入する空間を除いた一部には、液体をミスト状にして内部の空気に散布する散布部を備えていることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[4]
 前記請求項3に記載した微生物監視装置において、前記散布部は、特定の微生物に特異的に結合する蛍光標識を含む液体をミスト状にして散布する蛍光標識散布部と、純水又は緩衝液をミスト状にして散布する洗浄液散布部、低pHの液体をミスト状に散布する解離液散布部の少なくとも一つを含んでいることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[5]
 前記請求項4に記載した微生物監視装置において、前記捕集板は、円盤状、長方形の板、もしくは、ロール状のシートであることを特徴とする微生物監視装置。
[6]
 前記請求項5に記載した微生物監視装置において、前記多孔板は、厚さ0.01mm~2mm、直径5mm~200mmの円盤状の金属板で形成されており、かつ、前記複数のノズルを形成するための孔径50μm~200μmの断面円形の貫通孔が、複数、当該円盤の中心部から放射状に並べられて形成されていることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[7]
 前記請求項6に記載した微生物監視装置において、前記ピラーの面積は、前記ノズルの面積の1倍~10倍であり、かつ、前記ピラーの高さは、前記ピラーと前記ノズルとの間隔の2倍、又は、それ以上であることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[8]
 前記請求項7に記載した微生物監視装置において、前記捕集板は、ガラス、石英、樹脂類(ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート、ポリカーボネイト、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリメタクリル酸メチルエステルアクリル、ポリジメチルシロキサンを含む)、金属類(鉄、アルミニウム、銅、錫、金、銀の純金属、及び、これらの合金を含む)により形成することを特徴とする大気中微生物監視装置。
[9]
 前記請求項8に記載した微生物監視装置において、液体をミスト状にして散布する前記散布部から噴霧されるミストの直径は、0.3μm~10μmであり、かつ、数密度は10 ~10 12個/m であることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[10]
 前記請求項9に記載した微生物監視装置において、前記筺体の仕切り板の位置は、当該筺体内で可変であり、もって、微生物を含む空気を噴射させるための前記複数のノズルの数と、ミスト状の液体を含む空気を噴射させるための前記複数のノズルの数の比率を変更することができることを特徴とする大気中微生物監視装置。
[11]
 大気中微生物を捕集して検出して空気中の微生物を監視する方法であって、
 捕集板上に複数形成された捕集面に空気を噴射し、当該捕集面に大気中微生物を付着させる工程と、
 前記捕集板の捕集面上に付着した大気中微生物に対して所定の処理を施す工程と、
 前記所定の処理を施した捕集面上に付着した大気中微生物を検出する工程とを含む大気中微生物監視おいて、
 前記捕集面においては、微生物と特異的に結合する物質により前記大気中微生物を付着し、そして、
 前記の工程を、同時かつ順次、実行することにより大気中の微生物を監視することを特徴とする大気中微生物監視方法。
[12]
 前記請求項11に記載した微生物監視方法において、前記微生物を検出する工程では、前記微生物から発生する蛍光を光学的に検出することを特徴とする大気中微生物監視方法。
[13]
 前記請求項12に記載した微生物監視方法において、前記の処理を施す工程では、特定の微生物に特異的に結合する蛍光標識を含む液体をミスト状にして散布することを特徴とする大気中微生物監視方法。
[14]
 前記請求項13に記載した微生物監視方法は、更に、
 純水又は緩衝液をミスト状にして散布する洗浄液散布工程又は低pHの液体をミスト状に散布する解離液散布工程を含んでおり、
 当該工程も、前記の工程と同様、同時かつ順次、実行することにより大気中の微生物を監視することを特徴とする大気中微生物監視方法。
[15]
 前記請求項14に記載した微生物監視方法において、前記洗浄液散布工程又は前記解離液散布工程は、前記大気中微生物を付着させる工程の後に実行することを特徴とする大気中微生物監視方法。

条約第19条(1)に基づく説明書
 請求の範囲第1項における第1の補正は、第7行目における「移動する」を「ステップ状に移動する」と修正し、そして、第2の補正は、第12行目における「前記捕集板の複数の捕集面には、それぞれ、ピラーを備えており、」との要件を削除するものである。かかる捕正は、明細書の段落[0027]における記載に基づくと共に、発明に必要不可欠な要件を整理し、もって、本発明を明瞭にするものである。
 また、請求の範囲第2項における第1の補正は、第1行目における「更に、」に続いて、上記で削除した「前記捕集板の複数の捕集面には、それぞれ、ピラーを備えており、」との要件を付加するものであり、また、第2の捕正は、第2行目~第3行目における「捕集板の複数の捕集面に備えた」との表現を削除するものである。
かかる補正は、上記請求の範囲第1項における補正に伴って、発明に必要な要件を整理し直すものである。
 即ち、何れの変更も、出願時における明細書の記載内容、及び、図面に対して新規な事項(影響)を加えるものではありません。

以上

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]