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1. WO2020196130 - ADHÉSIF FORMANT FILM ET FEUILLE POUR TRAITEMENT DE SEMI-CONDUCTEURS

Document

明 細 書

発明の名称 フィルム状接着剤及び半導体加工用シート

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007   0008  

発明の効果

0009  

図面の簡単な説明

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100   0101   0102   0103   0104   0105   0106   0107   0108   0109   0110   0111   0112   0113   0114   0115   0116   0117   0118   0119   0120   0121   0122   0123   0124   0125   0126   0127   0128   0129   0130   0131   0132   0133   0134   0135   0136   0137   0138   0139   0140   0141   0142   0143   0144   0145   0146   0147   0148   0149   0150   0151   0152   0153   0154   0155   0156   0157   0158   0159   0160   0161   0162   0163   0164   0165   0166   0167   0168   0169   0170   0171   0172   0173   0174   0175   0176   0177   0178   0179   0180   0181   0182   0183   0184   0185   0186   0187   0188   0189   0190   0191   0192   0193   0194  

実施例

0195   0196   0197   0198   0199   0200   0201   0202   0203   0204   0205   0206   0207   0208   0209   0210   0211   0212   0213   0214   0215   0216   0217   0218   0219   0220   0221   0222   0223   0224   0225   0226   0227   0228   0229   0230   0231  

産業上の利用可能性

0232  

符号の説明

0233  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5  

明 細 書

発明の名称 : フィルム状接着剤及び半導体加工用シート

技術分野

[0001]
 本発明は、フィルム状接着剤及び半導体加工用シートに関する。
 本願は、2019年3月22日に、日本に出願された特願2019-54996号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

背景技術

[0002]
 半導体チップは、通常、その裏面に貼付されているフィルム状接着剤によって、基板の回路形成面にダイボンディングされる。そして、得られたものを用いて、半導体パッケージが作製され、この半導体パッケージを用いて、最終的に、目的とする半導体装置が製造される。
[0003]
 裏面にフィルム状接着剤を備えた半導体チップ(フィルム状接着剤付き半導体チップ)は、例えば、裏面にフィルム状接着剤を備えた半導体ウエハを用いて、半導体ウエハの半導体チップへの分割と、フィルム状接着剤の切断と、を同時に行うことによって作製される。このような方法としては、例えば、ダイシングブレードを用いて、半導体ウエハを分割するとともに、同時にフィルム状接着剤を切断する方法が知られている(特許文献1参照)。この場合、切断前のフィルム状接着剤は、ダイシング時に半導体ウエハを固定するために使用されるダイシングシートに対して積層されて一体化された、ダイシングダイボンディングシートとして利用されることもある。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2012-222002号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 上述の方法では、フィルム状接着剤の特性が不十分であると、例えば、半導体チップが切断後のフィルム状接着剤から飛散してしまう、いわゆるチップ飛びが発生してしまう。
 また、フィルム状接着剤付き半導体チップを用いて半導体パッケージを製造したとき、加熱を経た半導体パッケージ中で、半導体チップと基板との間、又は半導体チップ同士の間において、剥離が生じ、半導体パッケージの信頼性が低下してしまう。
[0006]
 本発明は、裏面にフィルム状接着剤を備えた半導体ウエハを用いて、ダイシングによって、半導体ウエハの半導体チップへの分割と、フィルム状接着剤の切断と、を同時に行ったときに、半導体チップのフィルム状接着剤からの飛散を抑制でき、信頼性が高い半導体パッケージを製造できるフィルム状接着剤、及び前記フィルム状接着剤を備えた半導体加工用シートを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 本発明は、熱硬化性のフィルム状接着剤であって、走査型プローブ顕微鏡を用いて、熱硬化前の前記フィルム状接着剤の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y と、を求めたとき、x /y が0以上0.3以下であり、走査型プローブ顕微鏡を用いて、前記フィルム状接着剤の熱硬化物の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y と、を求めたとき、x /y が0.3より大きく、5以下である、フィルム状接着剤を提供する。
 本発明のフィルム状接着剤においては、走査型プローブ顕微鏡を用いて、40℃で7日間保存後でありかつ熱硬化前の、前記フィルム状接着剤の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x 10と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y 10と、を求めたとき、x 10/y 10が0以上0.3以下であり、走査型プローブ顕微鏡を用いて、40℃で7日間保存後の前記フィルム状接着剤を熱硬化して得られた熱硬化物の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x 20と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y 20と、を求めたとき、x 20/y 20が0.3より大きく、5以下であることが好ましい。
[0008]
 本発明は、支持シートを備え、前記支持シートの一方の面上に、前記フィルム状接着剤を備えた、半導体加工用シートを提供する。
 本発明の半導体加工用シートにおいては、前記支持シートが、基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着剤層と、を備えており、前記粘着剤層が、前記基材と、前記フィルム状接着剤と、の間に配置されていてもよい。

発明の効果

[0009]
 本発明によれば、裏面にフィルム状接着剤を備えた半導体ウエハを用いて、ダイシングによって、半導体ウエハの半導体チップへの分割と、フィルム状接着剤の切断と、を同時に行ったときに、半導体チップのフィルム状接着剤からの飛散を抑制でき、信頼性が高い半導体パッケージを製造できるフィルム状接着剤、及び前記フィルム状接着剤を備えた半導体加工用シートが提供される。

図面の簡単な説明

[0010]
[図1] 本発明の一実施形態に係るフィルム状接着剤を模式的に示す断面図である。
[図2] 本発明の一実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
[図3] 本発明の他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
[図4] 本発明のさらに他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
[図5] 本発明のさらに他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。

発明を実施するための形態

[0011]
◇フィルム状接着剤
 本発明の一実施形態に係るフィルム状接着剤は、熱硬化性のフィルム状接着剤であって、走査型プローブ顕微鏡(本明細書においては、「SPM」と略記することがある)を用いて、熱硬化前の前記フィルム状接着剤の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y と、を求めたとき、x /y が0以上0.3以下であり、走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いて、前記フィルム状接着剤の熱硬化物の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y と、を求めたとき、x /y が0.3より大きく、5以下である。
 本明細書において、「表面形状における凹凸のヒストグラム」とは、表面形状における凹凸の画像の色調について、横軸を色調の階級とし、縦軸を前記階級の度数として、階級毎の度数の分布を表した度数分布図を意味する。「色調バー」とは、前記色調の階級を表す横軸に相当し、「色調バー全体」とは、前記色調の階級の全階級(すなわち、色調の階級全体)を表す。したがって、「表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得」するとは、前記ヒストグラムの分布が、前記色調の全階級に対して、85%の階級に分布するように調整された画像を取得することを表す。
[0012]
 本実施形態のフィルム状接着剤において、x /y が0.3以下であることにより、裏面にこのフィルム状接着剤を備えた半導体ウエハを用いて、ダイシングによって、半導体ウエハの半導体チップへの分割と、フィルム状接着剤の切断と、を同時に行ったときに、半導体チップのフィルム状接着剤からの飛散(本明細書においては、「チップ飛び」と称することがある)を抑制できる。
[0013]
 前記チップ飛びの抑制効果がより高くなる点では、x /y は、0.29以下であることが好ましく、0.25以下であることがより好ましく、0.2以下であることがさらに好ましく、0.15以下であることが特に好ましい。
[0014]
 本実施形態のフィルム状接着剤において、x は0以上であり、y は0より大きく、x /y は0以上である。
[0015]
 本実施形態のフィルム状接着剤において、x /y は、上述の下限値と、いずれかの上限値と、を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、一実施形態において、x /y は、0以上0.29以下であることが好ましく、0以上0.25以下であることがより好ましく、0以上0.2以下であることがさらに好ましく、0以上0.15以下であることが特に好ましく、0であってもよい。
 ただし、これらは、x /y の一例である。
[0016]
 一方、本実施形態のフィルム状接着剤において、x /y が0.3より大きいことにより、このフィルム状接着剤を用いて作製された半導体パッケージの信頼性が高くなる。
[0017]
 フィルム状接着剤を用いて作製された半導体パッケージの信頼性がより高くなる点では、x /y は、0.4以上であることが好ましく、0.5以上であることがより好ましく、0.6以上であることがさらに好ましく、0.65以上であることが特に好ましい。
[0018]
 本実施形態のフィルム状接着剤において、x は0以上であり、y は0より大きく、x /y は5以下である。
 x /y は3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましく、1以下であることが特に好ましい。
[0019]
 本実施形態のフィルム状接着剤において、x /y は、上述の下限値と、いずれかの上限値と、を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、一実施形態において、x /y は、0.4以上5以下であることが好ましく、0.5以上3以下であることがより好ましく、0.6以上2以下であることがさらに好ましく、0.65以上1以下であることが特に好ましく、1であってもよい。
[0020]
 x を求めるための第1領域の選定方法は、選定対象物が熱硬化前のフィルム状接着剤ではなく、フィルム状接着剤の熱硬化物である点を除けば、x を求めるための第1領域の選定方法と同じである。
 換言すると、y を求めるための第2領域の選定方法は、選定対象物が熱硬化前のフィルム状接着剤ではなく、フィルム状接着剤の熱硬化物である点を除けば、y を求めるための第2領域の選定方法と同じである。
 第1領域及び第2領域のより詳細な選定方法については、後述の実施例で説明する。
[0021]
 本実施形態のフィルム状接着剤においては、SPMを用いて、40℃で7日間保存後でありかつ熱硬化前の、前記フィルム状接着剤の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x 10と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y 10と、を求めたとき、x 10/y 10が0以上0.3以下であってもよい。このように、経時後のフィルム状接着剤におけるx 10/y 10が、0以上0.3以下であるx /y と比較して、変化が無いか、又は変化が小さい場合、フィルム状接着剤の保存安定性が高く、保存中のフィルム状接着剤の特性の変化が抑制される。例えば、x 10/y 10が前記範囲内であるフィルム状接着剤を保存し、この保存後のフィルム状接着剤を用いた場合であっても、前記チップ飛びの抑制効果が高くなる。
[0022]
 x 10を求めるための第1領域の選定方法は、選定対象物のフィルム状接着剤が、40℃での7日間の保存を経ている点を除けば、x を求めるための第1領域の選定方法と同じである。
 換言すると、y 10を求めるための第2領域の選定方法は、選定対象物のフィルム状接着剤が、40℃での7日間の保存を経ている点を除けば、y を求めるための第2領域の選定方法と同じである。
[0023]
 本実施形態のフィルム状接着剤においては、x 10/y 10がx /y と同様の数値範囲であってもよい。
 すなわち、前記チップ飛びの抑制効果がより高くなる点では、x 10/y 10は、0.29以下、0.25以下、0.2以下、及び0.15以下のいずれかであってもよい。
 例えば、一実施形態において、x 10/y 10は、0以上0.29以下、0以上0.25以下、0以上0.2以下、0以上0.15以下、及び0、のいずれかであってもよい。
 ただし、これらは、x 10/y 10の一例である。
[0024]
 本実施形態のフィルム状接着剤においては、SPMを用いて、40℃で7日間保存後の前記フィルム状接着剤を熱硬化して得られた熱硬化物の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x 20と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y 20と、を求めたとき、x 20/y 20が0.3より大きく、5以下であってもよい。このように、経時後のフィルム状接着剤におけるx 20/y 20が、0.3より大きく、5以下であるx /y と比較して、変化が無いか、又は変化が小さい場合、フィルム状接着剤の保存安定性が高く、保存中のフィルム状接着剤の特性の変化が抑制される。例えば、x 20/y 20が前記範囲内であるフィルム状接着剤を保存し、この保存後のフィルム状接着剤を用いて半導体パッケージを作製した場合であっても、得られた半導体パッケージの信頼性が高くなる。
[0025]
 x 20を求めるための第1領域の選定方法は、選定対象物が熱硬化前のフィルム状接着剤ではなく、40℃での7日間の保存を経ているフィルム状接着剤の、熱硬化物である点を除けば、x を求めるための第1領域の選定方法と同じである。
 換言すると、y 20を求めるための第2領域の選定方法は、選定対象物が熱硬化前のフィルム状接着剤ではなく、40℃での7日間の保存を経ているフィルム状接着剤の、熱硬化物である点を除けば、y を求めるための第2領域の選定方法と同じである。
[0026]
 本実施形態のフィルム状接着剤においては、x 20/y 20がx /y と同様の数値範囲であってもよい。
 すなわち、半導体パッケージの信頼性がより高くなる点では、x 20/y 20は、0.25以上、0.3以上、0.4以上、0.5以上、0.6以上、及び0.65以上のいずれかであってもよい。
 例えば、一実施形態において、x 20/y 20は、3以下、2以下、及び1以下のいずれかであってもよい。
 例えば、一実施形態において、x 20/y 20は、0.25以上5以下、0.4以上5以下、0.5以上3以下、0.6以上2以下、0.65以上1以下、及び1、のいずれかであってもよい。
 ただし、これらは、x 20/y 20の一例である。
[0027]
 本実施形態のフィルム状接着剤は、上述のx 10/y 10及びx 20/y 20の条件をともに満たすことが好ましい。
 すなわち、本実施形態のフィルム状接着剤においては、SPMを用いて、40℃で7日間保存後でありかつ熱硬化前の、前記フィルム状接着剤の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x 10と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y 10と、を求めたとき、x 10/y 10が0以上0.3以下であり、SPMを用いて、40℃で7日間保存後の前記フィルム状接着剤を熱硬化して得られた熱硬化物の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x 20と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y 20と、を求めたとき、x 20/y 20が0.3より大きく、5以下であることが好ましい。
 ただし、これは、上述のx 10/y 10及びx 20/y 20の条件をともに満たす、好ましいフィルム状接着剤の一例である。
[0028]
 本実施形態において、x 及びy を求める対象となるフィルム状接着剤は、その製造直後から、25℃を超える温度条件下では保存されておらず、かつ、25℃以下の温度条下での保存時間が1年以内であるもの、が好ましい。
 さらに、このときの温度以外のフィルム状接着剤の保存条件は、以下のとおりである。
 すなわち、フィルム状接着剤は、空気雰囲気下で保存することが好ましく、静置保存することが好ましく、暗所で保存することが好ましい。そして、これら2以上の条件を満たすように保存することがより好ましく、すべての条件を満たすように保存することが特に好ましい。
[0029]
 本実施形態において、x 10及びy 10、並びにx 20及びy 20を求めるために、40℃での7日間の保存対象となるフィルム状接着剤は、上述のx 及びy を求める対象となるフィルム状接着剤と同様のものである。
[0030]
 本実施形態において、x 及びy 、並びにx 20及びy 20を求める対象となる、フィルム状接着剤の熱硬化物は、熱硬化前のフィルム状接着剤を160℃で1時間加熱することにより、熱硬化させて得られたものであることが好ましい。
 上記の加熱温度及び加熱時間の条件で加熱して得られたフィルム状接着剤の硬化物においては、熱硬化の程度のばらつきが抑制され、x 及びy 、並びにx 20及びy 20を高精度に求められる。
[0031]
 x 及びy 、x 及びy 、x 10及びy 10、並びにx 20及びy 20は、はいずれも、例えば、フィルム状接着剤の含有成分の種類及び量、フィルム状接着剤の厚さ等を調節することで、適宜調節できる。
[0032]
 大きさが2mm×2mm(本明細書においては、このような大きさを「2mm□」と記載することがある)であるシリコンチップと、前記シリコンチップの一方の面の全面に設けられ、大きさが2mm×2mm(すなわち2mm□)であり、厚さが20μmであるフィルム状接着剤と、を備えた試験用チップを用い、125℃に加熱した前記試験用チップ中のフィルム状接着剤のうち、前記シリコンチップ側とは反対側の面の全面を、厚さが0.5mmである銅板の表面に接触させ、前記試験用チップに対して、その前記銅板への接触面に対して直交する方向に、2.45N(250gf)の力を3秒加えることにより、前記試験用チップを前記銅板に圧着した後、前記フィルム状接着剤を、160℃で1時間加熱することにより熱硬化させて、試験片を作製し、前記試験片中のシリコンチップのうち、前記試験片中の銅板の、前記シリコンチップを搭載している側の表面から、7μmの高さの部位に対して、その剪断方向に200μm/secの速度で力を加えて、前記試験片中のフィルム状接着剤の熱硬化物と、銅板と、の間の接着状態が破壊されたときに加えていた力を、前記フィルム状接着剤の熱硬化物の接着力としたとき、前記接着力は、150N/2mm□以上であることが好ましく、200N/2mm□以上であることがより好ましく、240N/2mm□以上であることがさらに好ましい。前記接着力が前記下限値以上であることで、前記フィルム状接着剤を用いて得られた半導体パッケージの信頼性がより高くなる。
[0033]
 前記接着力の上限値は、特に限定されない。例えば、フィルム状接着剤をより容易に製造できる点では、前記接着力は400N/2mm□以下であってもよい。
[0034]
 前記接着力の測定に供する前記試験用チップは、フィルム状接着剤付きシリコンチップの公知の製造方法と同じ方法で製造できる。
 例えば、前記フィルム状接着剤を備えた、後述する半導体加工用シートを、そのフィルム状接着剤によって、シリコンウエハの裏面(研磨面)に、常温下で貼付し、ダイシングブレードを用いて、シリコンウエハを2mm×2mmの大きさに分割するとともに、フィルム状接着剤も2mm×2mmの大きさに切断することにより、目的とするを試験用チップを製造できる。
[0035]
 本明細書においては、半導体チップの回路が形成されている面を「回路形成面」と称し、この回路形成面とは反対側の面を「裏面」と称する。そして、半導体チップと、その裏面に設けられたフィルム状接着剤と、を備えた構造体を、「フィルム状接着剤付き半導体チップ」と称する。
 また、本明細書においては、基板の回路が形成されている面も「回路形成面」と称する。
 本実施形態のフィルム状接着剤を備えたフィルム状接着剤付き半導体チップは、そのフィルム状接着剤によって、基板の回路形成面へ良好な状態でダイボンディングできる。
[0036]
 前記フィルム状接着剤は1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよく、複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
[0037]
 なお、本明細書においては、フィルム状接着剤の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよいし、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
[0038]
 前記フィルム状接着剤の厚さは、特に限定されないが、1~50μmであることが好ましく、3~40μmであることがより好ましく、5~30μmであることが特に好ましい。フィルム状接着剤の厚さが前記下限値以上であることで、フィルム状接着剤の被着体(半導体ウエハ、半導体チップ)に対する接着力が、より高くなる。フィルム状接着剤の厚さが前記上限値以下であることで、後述する半導体チップの製造工程において、フィルム状接着剤をより容易に切断でき、また、フィルム状接着剤に由来する切断片の発生量をより低減でき、さらに、半導体装置を薄化するのに有利である。
 ここで、「フィルム状接着剤の厚さ」とは、フィルム状接着剤全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなるフィルム状接着剤の厚さとは、フィルム状接着剤を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
 本明細書において、「厚さ」とは、対象物の厚さ方向に無作為に切断した切断面において、無作為に選択した5か所の厚さを接触式厚み計で測定し、その平均で表される値である。
[0039]
 前記フィルム状接着剤は、その構成材料を含有する接着剤組成物を用いて形成できる。
 例えば、フィルム状接着剤の形成対象面に接着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位にフィルム状接着剤を形成できる。
 接着剤組成物中の、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、フィルム状接着剤の前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15~25℃の温度等が挙げられる。
[0040]
 接着剤組成物の塗工は、公知の方法で行えばよく、例えば、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーターを用いる方法が挙げられる。
[0041]
 接着剤組成物の乾燥条件は、特に限定されないが、接着剤組成物は、後述する溶媒を含有している場合、加熱乾燥させることが好ましい。溶媒を含有する接着剤組成物は、例えば、70~130℃で10秒間~5分間の条件で乾燥させることが好ましい。
 以下、フィルム状接着剤及び接着剤組成物の含有成分について、詳細に説明する。
[0042]
<<接着剤組成物>>
 好ましい接着剤組成物としては、熱硬化性の接着剤組成物が挙げられる。
 熱硬化性の接着剤組成物としては、例えば、重合体成分(a)及び熱硬化性成分(b)を含有するものが挙げられる。以下、各成分について説明する。
[0043]
<重合体成分(a)>
 重合体成分(a)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分であり、フィルム状接着剤に造膜性や可撓性等を付与すると共に、半導体チップ等の接着対象への接着性(貼付性)を向上させるための高分子成分である。また、重合体成分(a)は、エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)に該当しない成分でもある。
[0044]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する重合体成分(a)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0045]
 重合体成分(a)としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、飽和ポリエステル樹脂等が挙げられ、アクリル樹脂が好ましい。
[0046]
 重合体成分(a)における前記アクリル樹脂としては、公知のアクリル重合体が挙げられる。
 アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000~2000000であることが好ましく、100000~1500000であることがより好ましい。アクリル樹脂の重量平均分子量がこのような範囲内であることで、フィルム状接着剤と被着体との間の接着力を好ましい範囲に調節することが容易となる。
 一方、アクリル樹脂の重量平均分子量が前記下限値以上であることで、フィルム状接着剤の形状安定性(保管時の経時安定性)が向上する。また、アクリル樹脂の重量平均分子量が前記上限値以下であることで、被着体の凹凸面へフィルム状接着剤が追従し易くなり、被着体とフィルム状接着剤との間でボイド等の発生がより抑制される。
 なお、本明細書において、「重量平均分子量」とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
[0047]
 アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、-60~70℃であることが好ましく、-30~50℃であることがより好ましい。アクリル樹脂のTgが前記下限値以上であることで、フィルム状接着剤と被着体との間の接着力が抑制されて、ピックアップ時において、フィルム状接着剤付き半導体チップの、後述する支持シートからの引き離しがより容易となる。アクリル樹脂のTgが前記上限値以下であることで、フィルム状接着剤と半導体チップとの間の接着力が向上する。
 本明細書において「ガラス転移温度」とは、示差走査熱量計を用いて、試料のDSC曲線を測定し、得られたDSC曲線の変曲点の温度で表される。
[0048]
 アクリル樹脂を構成する前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリルともいう)、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル((メタ)アクリル酸ミリスチルともいう)、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル((メタ)アクリル酸パルミチルともいう)、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル((メタ)アクリル酸ステアリルともいう)等の、アルキルエステルを構成するアルキル基が、炭素数が1~18の鎖状構造である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;
 (メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;
 (メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アラルキルエステル;
 (メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルエステル;
 (メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルエステル等の(メタ)アクリル酸シクロアルケニルオキシアルキルエステル;
 (メタ)アクリル酸イミド;
 (メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル;
 (メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル;
 (メタ)アクリル酸N-メチルアミノエチル等の置換アミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。ここで、「置換アミノ基」とは、アミノ基の1個又は2個の水素原子が水素原子以外の基で置換された構造を有する基を意味する。
[0049]
 なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の両方を包含する概念とする。(メタ)アクリル酸と類似の用語についても同様である。
[0050]
 アクリル樹脂は、例えば、前記(メタ)アクリル酸エステル以外に、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン及びN-メチロールアクリルアミド等から選択される1種又は2種以上のモノマーが共重合して得られた樹脂であってもよい。
[0051]
 アクリル樹脂を構成するモノマーは、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0052]
 アクリル樹脂は、上述の水酸基以外に、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、カルボキシ基、イソシアネート基等の他の化合物と結合可能な官能基を有していてもよい。アクリル樹脂の水酸基をはじめとするこれら官能基は、後述する架橋剤(f)を介して他の化合物と結合してもよいし、架橋剤(f)を介さずに他の化合物と直接結合していてもよい。アクリル樹脂が前記官能基により他の化合物と結合することで、フィルム状接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性が向上する傾向がある。
[0053]
 アクリル樹脂において、これを構成する構成単位の全質量に対する、グリシジル基含有モノマーから誘導された構成単位の質量の割合(含有量)は、25質量%以下であることが好ましく、例えば、15質量%以下及び10質量%以下のいずれかであってもよい。前記割合(含有量)が前記上限値以下であることで、フィルム状接着剤の保存安定性がより高くなる。なお、前記グリシジル基含有モノマーとは、例えば、前記グリシジル基含有(メタ)アクリル酸エステル等の、グリシジル基を有するモノマーを意味する。
[0054]
 アクリル樹脂において、これを構成する構成単位の全質量に対する、グリシジル基含有モノマーから誘導された構成単位の質量の割合(含有量)の下限値は、特に限定されない。
 アクリル樹脂において、前記割合(含有量)は、0質量%以上であってもよいし、例えば、2質量%以上であれば、グリシジル基含有モノマーを用いたことによる効果が、より明らかに得られる。
[0055]
 アクリル樹脂において、これを構成する構成単位の全質量に対する、グリシジル基含有モノマーから誘導された構成単位の質量の割合(含有量)は、上述のいずれかの下限値と、上限値と、を任意に組み合わせて設定される範囲内に、適宜調節できる。例えば、一実施形態において、前記割合は、好ましくは0~25質量%であり、例えば、0~15質量%、及び0~10質量%のいずれかであってもよい。また、一実施形態において、前記割合は、好ましくは2~25質量%であり、例えば、2~15質量%、及び2~10質量%のいずれかであってもよい。ただし、これらは、前記割合の一例である。
[0056]
 本発明においては、重合体成分(a)として、アクリル樹脂以外の熱可塑性樹脂(以下、単に「熱可塑性樹脂」と略記することがある)を、アクリル樹脂を用いずに単独で用いてもよいし、アクリル樹脂と併用してもよい。前記熱可塑性樹脂を用いることで、ピックアップ時において、フィルム状接着剤付き半導体チップの、後述する支持シートからの引き離しがより容易となったり、被着体の凹凸面へフィルム状接着剤が追従し易くなり、被着体とフィルム状接着剤との間でボイド等の発生がより抑制されることがある。
[0057]
 前記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は1000~100000であることが好ましく、3000~80000であることがより好ましい。
[0058]
 前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、-30~150℃であることが好ましく、-20~120℃であることがより好ましい。
[0059]
 前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン等が挙げられる。
[0060]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する前記熱可塑性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0061]
 接着剤組成物において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する重合体成分(a)の含有量の割合(すなわち、フィルム状接着剤における、フィルム状接着剤の総質量に対する、重合体成分(a)の含有量の割合)は、重合体成分(a)の種類によらず、5~40質量%であることが好ましく、6~30質量%であることがより好ましく、例えば、7~20質量%等であってもよい。前記割合が前記下限値以上であることで、フィルム状接着剤の構造がより安定化する。前記割合が前記上限値以下であることで、x 及びy 、x 及びy 、x 10及びy 10、並びにx 20及びy 20をより容易に調節できる。
[0062]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤において、重合体成分(a)の総含有量に対する、アクリル樹脂の含有量の割合は、25~100質量%であることが好ましく、例えば、50~100質量%、70~100質量%、及び90~100質量%のいずれかであってもよい。前記含有量の割合が前記下限値以上であることで、フィルム状接着剤の保存安定性がより高くなる。
[0063]
<熱硬化性成分(b)>
 熱硬化性成分(b)は、エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)からなる。
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する熱硬化性成分(b)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
 熱硬化性成分(b)としては、例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
 これらの中でも、熱硬化性成分(b)は、エポキシ系熱硬化性樹脂であることが好ましい。
 [エポキシ系熱硬化性樹脂]
 エポキシ系熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)からなる。
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有するエポキシ系熱硬化性樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0064]
[エポキシ樹脂(b1)]
 エポキシ樹脂(b1)としては、公知のものが挙げられ、例えば、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
[0065]
 エポキシ樹脂(b1)としては、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いてもよい。不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂は、不飽和炭化水素基を有しないエポキシ樹脂よりも、後述するアクリル樹脂との相溶性が高い。そのため、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂を用いることで、フィルム状接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性が向上する。
[0066]
 不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、多官能系エポキシ樹脂のエポキシ基の一部が不飽和炭化水素基を有する基に変換された構造を有する化合物が挙げられる。このような化合物は、例えば、エポキシ基へ(メタ)アクリル酸又はその誘導体を付加反応させることにより得られる。なお、本明細書において「誘導体」とは、特に断りのない限り、元の化合物の1個以上の基がそれ以外の基(置換基)で置換された構造を有するものを意味する。ここで、「基」とは、複数個の原子が結合して構成された原子団だけでなく、1個の原子も包含するものとする。
[0067]
 また、不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を構成する芳香環等に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合した化合物等が挙げられる。
 不飽和炭化水素基は、重合性を有する不飽和基であり、その具体的な例としては、エテニル基(ビニル基ともいう)、2-プロペニル基(アリル基ともいう)、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基等が挙げられ、アクリロイル基が好ましい。
[0068]
 エポキシ樹脂(b1)の数平均分子量は、特に限定されないが、フィルム状接着剤の硬化性、並びにフィルム状接着剤の硬化物の強度及び耐熱性の点から、300~30000であることが好ましく、400~10000であることがより好ましく、500~3000であることが特に好ましい。
 本明細書において、「数平均分子量」は、特に断らない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される標準ポリスチレン換算の値で表される数平均分子量を意味する。
 エポキシ樹脂(b1)のエポキシ当量は、100~1000g/eqであることが好ましく、150~800g/eqであることがより好ましい。
 本明細書において、「エポキシ当量」とは1グラム当量のエポキシ基を含むエポキシ化合物のグラム数(g/eq)を意味し、JIS K 7236:2001の方法に従って測定することができる。
[0069]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有するエポキシ樹脂(b1)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0070]
 エポキシ樹脂(b1)の市販品としては、アクリル樹脂微粒子(微粒子状のアクリル樹脂)を含有するものがある。本実施形態においては、アクリル樹脂微粒子を含有しないエポキシ樹脂(b1)を用いることで、例えば、重合体成分(a)として、アクリル樹脂微粒子との相互作用によって、アクリル樹脂微粒子を凝集させ易いものを用いた場合であっても、このようなアクリル樹脂微粒子の凝集が抑制されることがあり、これにより、フィルム状接着剤の保存安定性がより高くなることがある。
 このような効果がより明確に得られる点では、例えば、接着剤組成物において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する、アクリル樹脂微粒子の含有量の割合(すなわち、フィルム状接着剤における、フィルム状接着剤の総質量に対する、アクリル樹脂微粒子の含有量の割合)は、アクリル樹脂微粒子の由来によらず、0~5質量%であることが好ましく、0~3質量%であることがより好ましい。
[0071]
[熱硬化剤(b2)]
 熱硬化剤(b2)は、エポキシ樹脂(b1)に対する硬化剤として機能する。
 熱硬化剤(b2)としては、例えば、下記一般式(1):
[0072]
[化1]


 (一般式(1)中、nは1以上の整数である。)
で表される樹脂(本明細書においては、「樹脂(1)」と称することがある)と、それ以外の熱硬化剤と、が挙げられる。
[0073]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する熱硬化剤(b2)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。例えば、接着剤組成物及びフィルム状接着剤は、熱硬化剤(b2)として、樹脂(1)のみを含有していてもよいし、樹脂(1)以外の熱硬化剤のみを含有していてもよいし、樹脂(1)とそれ以外の熱硬化剤をともに含有していてもよい。
[0074]
・樹脂(1)
 樹脂(1)は、より具体的には、o-クレゾール型ノボラック樹脂である。
 一般式(1)中、nは1以上の整数であり、例えば、2以上、4以上、及び6以上のいずれかであってもよい。
 nの上限値は、本発明の効果を損なわない範囲で、特に限定されない。例えば、nが10以下である樹脂(1)は、その製造又は入手がより容易である。
[0075]
 一般式(1)中、o-クレゾール-ジイル基(-C (-OH)(-CH )-)同士を連結しているメチレン基(-CH -)の、これらo-クレゾール-ジイル基に対する結合位置は、特に限定されない。
[0076]
 さらに、樹脂(1)の軟化点は、60~130℃である。樹脂(1)の軟化点が60℃以上であることで、接着対象である被着体同士をフィルム状接着剤が接着する力、いわゆる接着力が高くなる。樹脂(1)の軟化点が130℃以下であることで、フィルム状接着剤のダイボンディング温度を低くでき、ダイボンディング後の基板の反りを高度に抑制できる。
 本明細書において、「軟化点」は、JIS K7234に準拠した方法によって測定することができる。
[0077]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する樹脂(1)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0078]
・樹脂(1)以外の熱硬化剤
 樹脂(1)以外の熱硬化剤は、樹脂(1)に該当しないものであれば、特に限定されない。
 樹脂(1)以外の熱硬化剤としては、例えば、1分子中にエポキシ基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。前記官能基としては、例えば、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシ基、酸基が無水物化された基等が挙げられる。
[0079]
 樹脂(1)以外の熱硬化剤のうち、フェノール性水酸基を有するフェノール系硬化剤としては、例えば、多官能フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等が挙げられる。
 樹脂(1)以外の熱硬化剤のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(DICY)等が挙げられる。
[0080]
 樹脂(1)以外の熱硬化剤は、不飽和炭化水素基を有していてもよい。
 不飽和炭化水素基を有する、樹脂(1)以外の熱硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂の水酸基の一部が、不飽和炭化水素基を有する基で置換された構造を有する化合物、フェノール樹脂の芳香環に、不飽和炭化水素基を有する基が直接結合した構造を有する化合物等が挙げられる。
 樹脂(1)以外の熱硬化剤における前記不飽和炭化水素基は、上述の不飽和炭化水素基を有するエポキシ樹脂における不飽和炭化水素基と同様である。
[0081]
 樹脂(1)以外の熱硬化剤としてフェノール系硬化剤を用いる場合には、フィルム状接着剤の接着力を調節することが容易となる点から、樹脂(1)以外の熱硬化剤は軟化点又はガラス転移温度が高いものが好ましい。
[0082]
 樹脂(1)以外の熱硬化剤のうち、例えば、多官能フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等の樹脂成分の数平均分子量は、300~30000であることが好ましく、400~10000であることがより好ましく、500~3000であることが特に好ましい。
 樹脂(1)以外の熱硬化剤のうち、例えば、ビフェノール、ジシアンジアミド等の非樹脂成分の分子量は、特に限定されないが、例えば、60~500であることが好ましい。
[0083]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する、樹脂(1)以外の熱硬化剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0084]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤において、熱硬化剤(b2)の含有量は、熱硬化剤(b2)の種類によらず、エポキシ樹脂(b1)の含有量100質量部に対して、0.1~500質量部であることが好ましく、1~200質量部であることがより好ましく、例えば、5~100質量部、及び10~75質量部のいずれかでってもよい。熱硬化剤(b2)の前記含有量が前記下限値以上であることで、フィルム状接着剤の硬化がより進行し易くなる。熱硬化剤(b2)の前記含有量が前記上限値以下であることで、フィルム状接着剤の吸湿率が低減されて、フィルム状接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。
[0085]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤において、熱硬化性成分(b)の含有量(エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)の総含有量)は、重合体成分(a)の含有量100質量部に対して、100~900質量部であることが好ましく、130~850質量部であることがより好ましく、160~800質量部であることがさらに好ましく、例えば、400~800質量部、500~800質量部、及び600~800質量部のいずれかであってもよい。熱硬化性成分(b)の前記含有量がこのような範囲であることで、フィルム状接着剤と、後述する支持シートと、の間の接着力を調節することがより容易となる。
[0086]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が樹脂(1)を含有する場合、[フィルム状接着剤中の樹脂(1)の量(質量部)]/[フィルム状接着剤中のエポキシ樹脂(b1)の量(質量部)]の値(本明細書においては、「(1)/(b1)値」と略記することがある)は、0より大きく、1以下であることが好ましい。(1)/(b1)値が1以下であることにより、フィルム状接着剤の熱硬化が高度に進行し、その結果、後述する半導体加工用シートの保存の有無に関わらず、フィルム状接着剤を用いて得られた半導体パッケージの信頼性が高くなる。一方、フィルム状接着剤中及び接着剤組成物中の樹脂(1)の量(質量部)と、フィルム状接着剤中及び接着剤組成物中のエポキシ樹脂(b1)の量(質量部)は、いずれも正の値であるため、(1)/(b1)値が0(ゼロ)になることはなく、負の値になることもない。
 なお、[フィルム状接着剤中の樹脂(1)の量(質量部)]/[フィルム状接着剤中のエポキシ樹脂(b1)の量(質量部)]の値は、[接着剤組成物中の樹脂(1)の量(質量部)]/[接着剤組成物中のエポキシ樹脂(b1)の量(質量部)]の値と同義である。
[0087]
 上述の効果がより高くなる点から、(1)/(b1)値は、例えば、0.1~1、0.2~1、0.3~1、及び0.4~1のいずれかであってもよいし、0より大きく、0.9以下、0より大きく、0.8以下、0より大きく、0.7以下、及び0より大きく、0.6以下、のいずれかであってもよいし、0.1~0.9、0.2~0.8、0.3~0.7、及び0.4~0.6のいずれかであってもよい。
[0088]
 なお、(1)/(b1)値は、例えば、[フィルム状接着剤における、フィルム状接着剤の総質量に対する、樹脂(1)の含有量の割合(質量%)]/[フィルム状接着剤における、フィルム状接着剤の総質量に対する、エポキシ樹脂(b1)の含有量の割合(質量%)]と同義であり、[接着剤組成物における、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する、樹脂(1)の含有量の割合(質量%)]/[接着剤組成物における、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する、エポキシ樹脂(b1)の含有量の割合(質量%)]と同義である。
[0089]
 熱硬化剤(b2)として、樹脂(1)を用いた場合には、樹脂(1)以外の熱硬化剤を用いた場合よりも、フィルム状接着剤及び接着剤組成物の保存安定性が高くなる傾向があり、これらを室温下で保存するのに有利である。
[0090]
 本実施形態のフィルム状接着剤は、熱硬化性を有しており、さらに感圧接着性を有することが好ましい。熱硬化性及び感圧接着性をともに有するフィルム状接着剤は、未硬化状態では各種被着体に軽く押圧することで貼付できる。また、フィルム状接着剤は、加熱して軟化させることで各種被着体に貼付できるものであってもよい。フィルム状接着剤は、硬化によって最終的には耐衝撃性が高い硬化物となり、この硬化物は、厳しい高温・高湿度条件下においても十分な接着特性を保持し得る。
[0091]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤は、その各種物性を改良するために、重合体成分(a)及び熱硬化性成分(b)以外に、さらに必要に応じて、これらに該当しない他の成分を含有していてもよい。
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する他の成分としては、例えば、硬化促進剤(c)、充填材(d)、カップリング剤(e)、架橋剤(f)、エネルギー線硬化性樹脂(g)、光重合開始剤(h)、汎用添加剤(i)等が挙げられる。これらの中でも、好ましい前記他の成分としては、硬化促進剤(c)、充填材(d)、カップリング剤(e)が挙げられる。
[0092]
 本明細書において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、その例として、紫外線、放射線、電子線等が挙げられる。
 紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンランプ、キセノンランプ、ブラックライト又はLEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
 本明細書において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味し、「非エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射しても硬化しない性質を意味する。
[0093]
<硬化促進剤(c)>
 硬化促進剤(c)は、接着剤組成物及びフィルム状接着剤の硬化速度を調節するための成分である。
 好ましい硬化促進剤(c)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩;前記イミダゾール類をゲスト化合物とする包接化合物等が挙げられる。
[0094]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する硬化促進剤(c)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0095]
 硬化促進剤(c)を用いる場合、接着剤組成物及びフィルム状接着剤において、硬化促進剤(c)の含有量は、熱硬化性成分(b)の含有量(すなわち、エポキシ樹脂(b1)及び熱硬化剤(b2)の総含有量)100質量部に対して、0.01~5質量部であることが好ましく、0.1~2質量部であることがより好ましい。硬化促進剤(c)の前記含有量が前記下限値以上であることで、硬化促進剤(c)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。硬化促進剤(c)の含有量が前記上限値以下であることで、例えば、高極性の硬化促進剤(c)が、高温・高湿度条件下でフィルム状接着剤中において被着体との接着界面側に移動して偏析することを抑制する効果が高くなり、フィルム状接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。
[0096]
<充填材(d)>
 フィルム状接着剤は、充填材(d)を含有することにより、その熱膨張係数の調整が容易となり、この熱膨張係数をフィルム状接着剤の貼付対象物に対して最適化することで、フィルム状接着剤を用いて得られたパッケージの信頼性がより向上する。また、フィルム状接着剤が充填材(d)を含有することにより、フィルム状接着剤の硬化物の吸湿率を低減したり、放熱性を向上させたりすることもできる。
[0097]
 充填材(d)は、有機充填材及び無機充填材のいずれであってもよいが、無機充填材であることが好ましい。
 好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これら無機充填材を球形化したビーズ;これら無機充填材の表面改質品;これら無機充填材の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
 これらの中でも、無機充填材は、シリカ、アルミナ又はこれらの表面改質品であることが好ましい。
[0098]
 充填材(d)の平均粒子径は、特に限定されないが、10nm~5μmであることが好ましく、例えば、10~800nm、10~600nm、20~300nm、及び30~150nmのいずれかであってもよい。充填材(d)の平均粒子径がこのような範囲であることで、充填材(d)を用いたことによる効果を十分に得られるとともに、フィルム状接着剤の保存安定性がより高くなる。
 なお、本明細書において「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、レーザー回折散乱法によって求められた粒度分布曲線における、積算値50%での粒子径(D 50)の値を意味する。
[0099]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する充填材(d)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0100]
 充填材(d)を用いる場合、接着剤組成物において、溶媒以外の全ての成分の総含有量に対する充填材(d)の含有量の割合(すなわち、フィルム状接着剤における、フィルム状接着剤の総質量に対する、充填材(d)の含有量の割合)は、5~30質量%であることが好ましく、7~25質量%であることがより好ましく、9~20質量%であることが特に好ましい。充填材(d)の含有量がこのような範囲であることで、上記の熱膨張係数の調整がより容易となる。
[0101]
<カップリング剤(e)>
 フィルム状接着剤は、カップリング剤(e)を含有することにより、被着体に対する接着性及び密着性が向上する。また、フィルム状接着剤がカップリング剤(e)を含有することにより、その硬化物は耐熱性を損なうことなく、耐水性が向上する。カップリング剤(e)は、無機化合物又は有機化合物と反応可能な官能基を有する。
[0102]
 カップリング剤(e)は、重合体成分(a)、熱硬化性成分(b)等が有する官能基と反応可能な官能基を有する化合物であることが好ましく、シランカップリング剤であることがより好ましい。
 好ましい前記シランカップリング剤としては、例えば、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3-アニリノプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシラン、オリゴマー型又はポリマー型オルガノシロキサン等が挙げられる。
[0103]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有するカップリング剤(e)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0104]
 カップリング剤(e)を用いる場合、接着剤組成物及びフィルム状接着剤において、カップリング剤(e)の含有量は、重合体成分(a)及び熱硬化性成分(b)の総含有量100質量部に対して、0.03~20質量部であることが好ましく、0.05~10質量部であることがより好ましく、0.1~5質量部であることが特に好ましい。
 カップリング剤(e)の前記含有量が前記下限値以上であることで、充填材(d)の樹脂への分散性の向上や、フィルム状接着剤の被着体との接着性の向上など、カップリング剤(e)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。カップリング剤(e)の前記含有量が前記上限値以下であることで、アウトガスの発生がより抑制される。
[0105]
<架橋剤(f)>
 重合体成分(a)として、上述のアクリル樹脂等の、他の化合物と結合可能なビニル基、(メタ)アクリロイル基、アミノ基、水酸基、カルボキシ基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いる場合、接着剤組成物及びフィルム状接着剤は、前記官能基を他の化合物と結合させて架橋するための架橋剤(f)を含有していてもよい。架橋剤(f)を用いて架橋することにより、フィルム状接着剤の初期接着力及び凝集力を調節できる。
[0106]
 架橋剤(f)としては、例えば、有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物、金属キレート系架橋剤(すなわち、金属キレート構造を有する架橋剤)、アジリジン系架橋剤(すなわち、アジリジニル基を有する架橋剤)等が挙げられる。
[0107]
 前記有機多価イソシアネート化合物としては、例えば、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物及び脂環族多価イソシアネート化合物(以下、これら化合物をまとめて「芳香族多価イソシアネート化合物等」と略記することがある);前記芳香族多価イソシアネート化合物等の三量体、イソシアヌレート体及びアダクト体;前記芳香族多価イソシアネート化合物等とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられる。前記「アダクト体」は、前記芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物又は脂環族多価イソシアネート化合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン又はヒマシ油等の低分子活性水素含有化合物との反応物を意味する。前記アダクト体の例としては、後述するようなトリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物等が挙げられる。また、「末端イソシアネートウレタンプレポリマー」とは、ウレタン結合を有するとともに、分子の末端部にイソシアネート基を有するプレポリマーを意味する。
[0108]
 前記有機多価イソシアネート化合物として、より具体的には、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート;2,6-トリレンジイソシアネート;1,3-キシリレンジイソシアネート;1,4-キシリレンジイソシアネート;ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート;ジフェニルメタン-2,4’-ジイソシアネート;3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート;ジシクロヘキシルメタン-2,4’-ジイソシアネート;トリメチロールプロパン等のポリオールのすべて又は一部の水酸基に、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネートのいずれか1種又は2種以上が付加した化合物;リジンジイソシアネート等が挙げられる。
[0109]
 前記有機多価イミン化合物としては、例えば、N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネート、N,N’-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。
[0110]
 架橋剤(f)として有機多価イソシアネート化合物を用いる場合、重合体成分(a)としては、水酸基含有重合体を用いることが好ましい。架橋剤(f)がイソシアネート基を有し、重合体成分(a)が水酸基を有する場合、架橋剤(f)と重合体成分(a)との反応によって、フィルム状接着剤に架橋構造を簡便に導入できる。
[0111]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する架橋剤(f)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0112]
 架橋剤(f)の含有量は、重合体成分(a)の含有量100質量部に対して、0~5質量部であることが好ましく、0~3質量部であることがより好ましく、0~1質量部であることがさらに好ましく、0質量部であること、すなわち、接着剤組成物及びフィルム状接着剤が架橋剤(f)を含有していないことが特に好ましい。架橋剤(f)の前記含有量が前記下限値以上であることで、架橋剤(f)を用いたことによる効果がより顕著に得られる。架橋剤(f)の前記含有量が前記上限値以下であることで、フィルム状接着剤の保存安定性がより高くなる。
[0113]
<エネルギー線硬化性樹脂(g)>
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤は、エネルギー線硬化性樹脂(g)を含有していてもよい。フィルム状接着剤は、エネルギー線硬化性樹脂(g)を含有していることにより、エネルギー線の照射によって特性を変化させることができる。
[0114]
 エネルギー線硬化性樹脂(g)は、エネルギー線硬化性化合物を重合(硬化)して得られたものである。
 前記エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
[0115]
 前記アクリレート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の鎖状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等の環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;オリゴエステル(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー;エポキシ変性(メタ)アクリレート;前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート以外のポリエーテル(メタ)アクリレート;イタコン酸オリゴマー等が挙げられる。
[0116]
 エネルギー線硬化性樹脂(g)の重量平均分子量は、100~30000であることが好ましく、300~10000であることがより好ましい。
[0117]
 接着剤組成物が含有するエネルギー線硬化性樹脂(g)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0118]
 エネルギー線硬化性樹脂(g)を用いる場合、接着剤組成物において、接着剤組成物の総質量に対する、エネルギー線硬化性樹脂(g)の含有量の割合は、1~95質量%であることが好ましく、例えば、1~50質量%、1~25質量%、及び1~10質量%のいずれかであってもよい。
[0119]
<光重合開始剤(h)>
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤は、エネルギー線硬化性樹脂(g)を含有する場合、エネルギー線硬化性樹脂(g)の重合反応を効率よく進めるために、光重合開始剤(h)を含有していてもよい。
[0120]
 前記光重合開始剤(h)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等のアセトフェノン化合物;ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;ベンジルフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド化合物;1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα-ケトール化合物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;チタノセン等のチタノセン化合物;チオキサントン等のチオキサントン化合物;パーオキサイド化合物;ジアセチル等のジケトン化合物;ベンジル;ジベンジル;ベンゾフェノン;2,4-ジエチルチオキサントン;1,2-ジフェニルメタン;2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン;1-クロロアントラキノン、2-クロロアントラキノン等のキノン化合物等が挙げられる。
 また、光重合開始剤(h)としては、例えば、アミン等の光増感剤等も挙げられる。
[0121]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する光重合開始剤(h)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0122]
 光重合開始剤(h)を用いる場合、接着剤組成物において、光重合開始剤(h)の含有量は、エネルギー線硬化性樹脂(g)の含有量100質量部に対して、0.1~20質量部であることが好ましく、1~10質量部であることがより好ましく、2~5質量部であることが特に好ましい。
[0123]
<汎用添加剤(i)>
 汎用添加剤(i)は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。好ましい汎用添加剤(i)としては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(染料、顔料)、ゲッタリング剤等が挙げられる。
[0124]
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤が含有する汎用添加剤(i)は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
 接着剤組成物及びフィルム状接着剤の汎用添加剤(i)の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
[0125]
<溶媒>
 接着剤組成物は、さらに溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有する接着剤組成物は、取り扱い性が良好となる。
 前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2-プロパノール、イソブチルアルコール(2-メチルプロパン-1-オールともいう)、1-ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等のアミド(すなわち、アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
 接着剤組成物が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0126]
 接着剤組成物が含有する溶媒は、接着剤組成物中の含有成分をより均一に混合できる点から、メチルエチルケトン等であることが好ましい。
[0127]
 1つの側面として、本実施形態のフィルム状接着剤は、重合体成分(a)、エポキシ樹脂(b1)、熱硬化剤(b2)、硬化促進剤(c)、充填材(d)及びカップリング剤(e)を含有して構成されており、前述のx 1、、x 2、及びy について規定された値を示す特性を有する。
 本明細書において、「特性」とは、フィルム状接着剤の化学的又は物理化学的性質を意味する。
 別の側面として、本実施形態のフィルム状接着剤は、重合体成分(a)、エポキシ樹脂(b1)、熱硬化剤(b2)、硬化促進剤(c)、充填材(d)及びカップリング剤(e)を含有して構成されており、前述のx 1、、x 及びy について規定された値に加えて、前述のx 10、10、x 20及びy 20について規定された値を示す特性を有する。
 また別の側面として、本実施形態のフィルム状接着剤は、更にエネルギー線硬化性樹脂(g)及び光重合開始剤(h)を含有して構成されていてもよい。
[0128]
 本発明は、例えば、以下の側面を有する。
(1)接着剤組成物又はフィルム状接着剤が、重合体成分(a)として、アクリル酸n-ブチル由来の構成単位(アクリル樹脂の質量に対して、38~42質量%、より好ましくは40質量%)、アクリル酸エチル由来の構成単位(アクリル樹脂の質量に対して、23~27質量%、より好ましくは25質量%)、アクリロニトリル由来の構成単位(アクリル樹脂の質量に対して、28~32質量%、より好ましくは30質量%)、メタクリル酸グリシジル由来の構成単位(アクリル樹脂の質量に対して、3~7質量%、より好ましくは5質量%)からなるアクリル樹脂(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して7~13質量%、より好ましくは8~12質量%、特に好ましくは10質量%)を;
エポキシ樹脂(b1)として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して20~30質量%、より好ましくは23.5~28質量%、特に好ましくは25.8質量%)及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して18~28質量%、より好ましくは21~25質量%、特に好ましくは23質量%)を;
熱硬化剤(b2)として、o-クレゾール型ノボラック樹脂、より具体的には、一般式(1)中のnが6又は7であるo-クレゾール型ノボラック樹脂(軟化点:77~83℃、より好ましくは80℃)(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して20~30質量%、より好ましくは23~27質量%、特に好ましくは25質量%)を;
硬化促進剤(c)として、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して0.1~0.3質量%、より好ましくは0.2質量%)を;
充填材(d)として、シリカフィラー(表面修飾基:エポキシ基)(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して13~17質量%、より好ましくは15質量%)を;
カップリング剤(e)として、エポキシ基、メチル基及びメトキシ基を有するオリゴマー型シランカップリング剤(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して0.1~5質量%、より好ましくは0.8~1.2質量%、特に好ましくは1質量%)、を含む(ただし、各成分の含有量の和は、接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して100質量%を超えない)。
(2)接着剤組成物又はフィルム状接着剤が、重合体成分(a)として、アクリル酸n-ブチル由来の構成単位(アクリル樹脂の質量に対して、53~57質量%、より好ましくは55質量%)、アクリル酸メチル由来の構成単位(アクリル樹脂の質量に対して、8~12質量%、より好ましくは10質量%)、メタクリル酸グリシジル由来の構成単位(アクリル樹脂の質量に対して、18~22質量%、より好ましくは20質量%)、アクリル酸2-ヒドロキシエチル由来の構成単位(アクリル樹脂の質量に対して、13~17質量%、より好ましくは15質量%)からなるアクリル樹脂(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して7~13質量%、より好ましくは8~12質量%、特に好ましくは9.4質量%)、及びポリエステル樹脂(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して16~23質量%、より好ましくは18~20質量%、特に好ましくは18.8質量%)を;
エポキシ樹脂(b1)として、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びアクリルゴム微粒子の混合物(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して16~23質量%、より好ましくは18~20質量%、特に好ましくは18.8質量%)及び多官能芳香族型(特に、トリフェニレン型)エポキシ樹脂(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して16~23質量%、より好ましくは18~20質量%、特に好ましくは18.8質量%)を;
熱硬化剤(b2)として、ノボラック型フェノール樹脂(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して16~23質量%、より好ましくは18~20質量%、特に好ましくは18.8質量%)を;
硬化促進剤(c)として、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して0.1~0.4質量%、より好ましくは0.28質量%)を;
充填材(d)として、エポキシ系化合物で表面修飾されたシリカフィラー(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して7~13質量%、より好ましくは8~12質量%、特に好ましくは9.4質量%)を;
カップリング剤(e)として、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを付加させたシリケート化合物(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して0.2~1質量%、より好ましくは0.3~0.6質量%、特に好ましくは0.47質量%)及びトリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シラン(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して0.05~0.6質量%、より好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.28質量%)を;
エネルギー線硬化性樹脂(g)として、トリシクロデカンジメチロールジアクリレート(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して2~7質量%、より好ましくは3~6質量%、特に好ましくは4.7質量%)を;
光重合開始剤(h)として、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(含有量:接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して0.05~0.5質量%、より好ましくは0.1~0.2質量%、特に好ましくは0.14質量%)、を含む(ただし、各成分の含有量の和は、接着剤組成物又はフィルム状接着剤の固形分の総質量に対して100質量%を超えない)。
(3)(1)において、フィルム状接着剤のx /y が、0以上0.15以下、より好ましくは0以上0.015以下、特に好ましくは0.01であり、かつx /y が、0.65以上1以下、より好ましくは0.7以上0.9以下、特に好ましくは0.8である。
(4)(1)又は(3)において、フィルム状接着剤のx 10/y 10が、0以上0.15以下、より好ましくは0以上0.015以下、特に好ましくは0.01であり、かつx 20/y 20が、0.65以上1以下、より好ましくは0.7以上0.9以下、特に好ましくは0.8である。
(5)(2)において、フィルム状接着剤のx /y が、0以上0.25以下、より好ましくは0以上0.2以下、特に好ましくは0.1であり、かつx /y が、0.65以上1以下、より好ましくは0.65以上0.9以下、特に好ましくは0.7である。
(6)(2)又は(5)において、フィルム状接着剤のx 10/y 10が、0以上0.3以下、より好ましくは0.15以上0.3以下、特に好ましくは0.3であり、かつx 20/y 20が、0.25以上1以下、より好ましくは0.25以上0.5以下、特に好ましくは0.3である。
(7)(1)~(6)のいずれか1つにおいて、本明細書に記載の測定方法によって測定される、前記フィルム状接着剤の熱硬化物の接着力が、210~300N/2mm□、より好ましくは230~270N/2mm□、特に好ましくは245~255N/2mm□である。
[0129]
<接着剤組成物の製造方法>
 接着剤組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
 各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
 溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
[0130]
 配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
 各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15~30℃であることが好ましい。
[0131]
 図1は、本発明の一実施形態に係るフィルム状接着剤を模式的に示す断面図である。なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
[0132]
 ここに示すフィルム状接着剤13は、その一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)13a上に第1剥離フィルム151を備え、前記第1面13aとは反対側の他方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)13b上に第2剥離フィルム152を備えている。
 このようなフィルム状接着剤13は、例えば、ロール状として保存するのに好適である。
[0133]
 フィルム状接着剤13においては、第1面13a及び第2面13bを、いずれも、x 及びy 、並びにx 10及びy 10を求める対象とすることができる。そして、フィルム状接着剤13が熱硬化した後の、第1面13aに相当する面と、第2面13bに相当する面と、をいずれも、x 及びy 、並びにx 20及びy 20を求める対象とすることができる。
 フィルム状接着剤13は、上述の特性を有する。すなわち、フィルム状接着剤13の第1面13a及び第2面13bは、いずれも、上述のx /y 及びx /y の条件を満たす。さらに、フィルム状接着剤13の第1面13a及び第2面13bは、いずれも、上述のx 10/y 10の条件を満たしてもよく、上述のx 20/y 20の条件を満たしてもよい。
[0134]
 フィルム状接着剤13は、上述の接着剤組成物を用いて形成できる。
[0135]
 第1剥離フィルム151及び第2剥離フィルム152は、いずれも公知のものでよい。
 第1剥離フィルム151及び第2剥離フィルム152は、互いに同じものであってもよいし、例えば、フィルム状接着剤13から剥離させるときに必要な剥離力が互いに異なるなど、互いに異なるものであってもよい。
[0136]
 図1に示すフィルム状接着剤13は、第1剥離フィルム151及び第2剥離フィルム152のいずれか一方が取り除かれ、生じた露出面が、半導体ウエハ(図示略)の裏面の貼付面となる。そして、第1剥離フィルム151及び第2剥離フィルム152の残りの他方が取り除かれ、生じた露出面が、後述する支持シート又はダイシングシートの貼付面となる。
[0137]
◇半導体加工用シート
 本発明の一実施形態に係る半導体加工用シートは、支持シートを備え、前記支持シートの一方の面上に、前記フィルム状接着剤を備える。
 前記半導体加工用シートは、例えば、ダイシングダイボンディングシートとして好適である。
[0138]
 本実施形態の半導体加工用シートは、前記フィルム状接着剤を用いて構成されているため、ダイシングによって、半導体ウエハの半導体チップへの分割と、フィルム状接着剤の切断と、を同時に行ったときに、チップ飛びを抑制できる。また、前記半導体加工用シートを用いて、前記フィルム状接着剤を取り込んで形成された半導体パッケージは、信頼性が高い。
[0139]
<<支持シート>>
 前記支持シートは、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。支持シートが複数層からなる場合、これら複数層の構成材料及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
[0140]
 好ましい支持シートとしては、例えば、基材のみからなるもの;基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着剤層と、を備えたもの等が挙げられる。
 支持シートが前記基材及び粘着剤層を備えている場合、前記半導体加工用シートにおいては、前記粘着剤層が、前記基材と、前記フィルム状接着剤と、の間に配置される。
[0141]
 基材のみからなる前記支持シートは、キャリアシート又はダイシングシートとして好適である。このような基材のみからなる支持シートを備えた半導体加工用シートは、フィルム状接着剤の、支持シート(すなわち基材)を備えている側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)が、半導体ウエハの裏面に貼付されて、使用される。
[0142]
 一方、基材及び粘着剤層を備えた前記支持シートは、ダイシングシートとして好適である。このような支持シートを備えた半導体加工用シートも、フィルム状接着剤の、支持シートを備えている側とは反対側の面(第1面)が、半導体ウエハの裏面に貼付されて、使用される。
[0143]
 半導体加工用シートの使用方法は、後ほど詳しく説明する。
 以下、支持シートを構成する各層について、説明する。
[0144]
<基材>
 前記基材は、シート状又はフィルム状であり、その構成材料としては、例えば、各種樹脂が挙げられる。
 前記樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ノルボルネン樹脂等のポリエチレン以外のポリオレフィン;エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン-ノルボルネン共重合体等のエチレン系共重合体(モノマーとしてエチレンを用いて得られた共重合体);ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂(モノマーとして塩化ビニルを用いて得られた樹脂);ポリスチレン;ポリシクロオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート、すべての構成単位が芳香族環式基を有する全芳香族ポリエステル等のポリエステル樹脂;2種以上の前記ポリエステルの共重合体;ポリ(メタ)アクリル酸エステル;ポリウレタン樹脂;ポリウレタンアクリレート;ポリイミド;ポリアミド;ポリカーボネート;フッ素樹脂;ポリアセタール;変性ポリフェニレンオキシド;ポリフェニレンスルフィド;ポリスルホン;ポリエーテルケトン等が挙げられる。
 また、前記樹脂としては、例えば、前記ポリエステル樹脂とそれ以外の樹脂との混合物等のポリマーアロイも挙げられる。前記ポリエステル樹脂とそれ以外の樹脂とのポリマーアロイは、ポリエステル樹脂以外の樹脂の量が比較的少量であるものが好ましい。
 また、前記樹脂としては、例えば、ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上が架橋した架橋樹脂;ここまでに例示した前記樹脂の1種又は2種以上を用いたアイオノマー等の変性樹脂も挙げられる。
[0145]
 基材を構成する樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
[0146]
 基材は1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよく、複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
[0147]
 基材の厚さは、50~300μmであることが好ましく、60~150μmであることがより好ましい。基材の厚さがこのような範囲であることで、半導体加工用シートの可撓性と、半導体ウエハ又は半導体チップへの貼付性がより向上する。
 ここで、「基材の厚さ」とは、基材全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる基材の厚さとは、基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
[0148]
 基材は、厚さの精度が高いもの、すなわち、部位によらず厚さのばらつきが抑制されたものが好ましい。上述の構成材料のうち、このような厚さの精度が高い基材を構成するのに使用可能な材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレン以外のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン-酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
[0149]
 基材は、前記樹脂等の主たる構成材料以外に、充填材、着色剤、帯電防止剤、酸化防止剤、有機滑剤、触媒、軟化剤(可塑剤)等の公知の各種添加剤を含有していてもよい。
[0150]
 基材は、透明であってもよいし、不透明であってもよく、目的に応じて着色されていてもよいし、他の層が蒸着されていてもよい。
[0151]
 基材は、その上に設けられる粘着剤層等の他の層との密着性を向上させるために、サンドブラスト処理、溶剤処理等による凹凸化処理や、コロナ放電処理、電子線照射処理、プラズマ処理、オゾン・紫外線照射処理、火炎処理、クロム酸処理、熱風処理等の酸化処理等が表面に施されたものであってもよい。
 また、基材は、表面がプライマー処理を施されたものであってもよい。
 また、基材は、帯電防止コート層;半導体加工用シートを重ね合わせて保存する際に、基材が他のシートに接着することや、基材が吸着テーブルに接着することを防止する層等を有するものであってもよい。
[0152]
 基材は、公知の方法で製造できる。例えば、樹脂を含有する基材は、前記樹脂を含有する樹脂組成物を成形することで製造できる。
[0153]
<粘着剤層>
 前記粘着剤層は、シート状又はフィルム状であり、粘着剤を含有する。
 前記粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート、エステル系樹脂等の粘着性樹脂が挙げられ、アクリル樹脂を含有するものが好ましい。
[0154]
 本明細書において、「粘着性樹脂」には、粘着性を有する樹脂と、接着性を有する樹脂と、の両方が包含される。例えば、前記粘着性樹脂には、樹脂自体が粘着性を有するものだけでなく、添加剤等の他の成分との併用により粘着性を示す樹脂や、熱又は水等のトリガーの存在によって接着性を示す樹脂等も含まれる。
[0155]
 粘着剤層は1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよく、複数層からなる場合、これら複数層は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは特に限定されない。
[0156]
 粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、1~100μmであることが好ましく、1~60μmであることがより好ましく、1~30μmであることが特に好ましい。
 ここで、「粘着剤層の厚さ」とは、粘着剤層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる粘着剤層の厚さとは、粘着剤層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
[0157]
 粘着剤層は、エネルギー線硬化性粘着剤を用いて形成されたものであってもよいし、非エネルギー線硬化性粘着剤を用いて形成されたものであってもよい。すなわち、粘着剤層は、エネルギー線硬化性及び非エネルギー線硬化性のいずれであってもよい。エネルギー線硬化性の粘着剤層は、その硬化前及び硬化後での物性を容易に調節できる。
[0158]
 粘着剤層は、粘着剤を含有する粘着剤組成物を用いて形成できる。例えば、粘着剤層の形成対象面に粘着剤組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させることで、目的とする部位に粘着剤層を形成できる。粘着剤組成物における、常温で気化しない成分同士の含有量の比率は、通常、粘着剤層における前記成分同士の含有量の比率と同じとなる。
[0159]
 粘着剤組成物は、上述の接着剤組成物の場合と同じ方法で、塗工できる。
[0160]
 粘着剤層がエネルギー線硬化性である場合、エネルギー線硬化性の粘着剤組成物としては、例えば、非エネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I-1a)(以下、「粘着性樹脂(I-1a)」と略記することがある)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する粘着剤組成物(I-1);前記粘着性樹脂(I-1a)の側鎖に不飽和基が導入されたエネルギー線硬化性の粘着性樹脂(I-2a)(以下、「粘着性樹脂(I-2a)」と略記することがある)を含有する粘着剤組成物(I-2);前記粘着性樹脂(I-2a)と、エネルギー線硬化性化合物と、を含有する粘着剤組成物(I-3)等が挙げられる。
[0161]
 粘着剤層が非エネルギー線硬化性である場合、非エネルギー線硬化性の粘着剤組成物としては、例えば、前記粘着性樹脂(I-1a)を含有する粘着剤組成物(I-4)等が挙げられる。
[0162]
 粘着剤組成物(I-1)~(I-4)等の粘着剤組成物は、配合成分が異なる点以外は、上述の接着剤組成物の場合と同じ方法で、製造できる。
[0163]
 次に、本実施形態の半導体加工用シートの例を、支持シートの種類ごとに、以下、図面を参照しながら説明する。
[0164]
 図2は、本発明の一実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
 なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
[0165]
 ここに示す半導体加工用シート101は、支持シート10を備え、支持シート10上にフィルム状接着剤13を備えている。支持シート10は、基材11のみからなり、半導体加工用シート101は、換言すると、基材11の一方の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)11a上にフィルム状接着剤13が積層された構成を有する。
 また、半導体加工用シート101は、さらにフィルム状接着剤13上に剥離フィルム15を備えている。
[0166]
 半導体加工用シート101においては、基材11の第1面11aにフィルム状接着剤13が積層され、フィルム状接着剤13の、基材11を備えている側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)13aの一部、すなわち、周縁部近傍の領域に治具用接着剤層16が積層され、フィルム状接着剤13の第1面13aのうち、治具用接着剤層16が積層されていない面と、治具用接着剤層16のうち、フィルム状接着剤13と接触していない面16a(上面及び側面)に、剥離フィルム15が積層されている。
 ここで、基材11の第1面11aは、支持シート10の第1面10aとも称する。
[0167]
 剥離フィルム15は、図1に示す第1剥離フィルム151又は第2剥離フィルム152と同様のものである。
[0168]
 治具用接着剤層16は、例えば、接着剤成分を含有する単層構造であってもよいし、芯材となるシートの両面に接着剤成分を含有する層が積層された複数層構造であってもよい。
[0169]
 半導体加工用シート101中のフィルム状接着剤13は、剥離フィルム15を取り除いた後、その第1面13aを、x 及びy 、並びにx 10及びy 10を求める対象とすることができる。
[0170]
 半導体加工用シート101は、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、フィルム状接着剤13の第1面13aに、半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、治具用接着剤層16の面16aのうち上面が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
[0171]
 図3は、本発明の他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
 ここに示す半導体加工用シート102は、治具用接着剤層16を備えていない点以外は、図2に示す半導体加工用シート101と同じである。すなわち、半導体加工用シート102においては、基材11の第1面11a(支持シート10の第1面10a)にフィルム状接着剤13が積層され、フィルム状接着剤13の第1面13aの全面に、剥離フィルム15が積層されている。
 換言すると、半導体加工用シート102は、基材11、フィルム状接着剤13及び剥離フィルム15がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
[0172]
 図3に示す半導体加工用シート102は、図2に示す半導体加工用シート101の場合と同様に、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、フィルム状接着剤13の第1面13aのうち、中央側の一部の領域に、半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、フィルム状接着剤13の周縁部近傍の領域が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
[0173]
 図4は、本発明のさらに他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
 ここに示す半導体加工用シート103は、基材11と、フィルム状接着剤13と、の間に、さらに、粘着剤層12を備えている点以外は、図2に示す半導体加工用シート101と同じである。支持シート10は、基材11及び粘着剤層12の積層体であり、半導体加工用シート103も、支持シート10の第1面10a上にフィルム状接着剤13が積層された構成を有する。
[0174]
 半導体加工用シート103においては、基材11の第1面11aに粘着剤層12が積層され、粘着剤層12の、基材11側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)12aの全面に、フィルム状接着剤13が積層され、フィルム状接着剤13の第1面13aの一部、すなわち、周縁部近傍の領域に、治具用接着剤層16が積層され、フィルム状接着剤13の第1面13aのうち、治具用接着剤層16が積層されていない面と、治具用接着剤層16のうち、フィルム状接着剤13と接触していない面16a(上面及び側面)に、剥離フィルム15が積層されている。
[0175]
 図4に示す半導体加工用シート103は、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、フィルム状接着剤13の第1面13aに、半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、治具用接着剤層16の面16aのうち上面が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
[0176]
 図5は、本発明のさらに他の実施形態に係る半導体加工用シートを模式的に示す断面図である。
 ここに示す半導体加工用シート104は、治具用接着剤層16を備えておらず、かつフィルム状接着剤の形状が異なる点以外は、図4に示す半導体加工用シート103と同じである。すなわち、半導体加工用シート104は、基材11を備え、基材11上に粘着剤層12を備え、粘着剤層12上にフィルム状接着剤23を備えている。支持シート10は、基材11及び粘着剤層12の積層体であり、半導体加工用シート104も、支持シート10の第1面10a上にフィルム状接着剤23が積層された構成を有する。
[0177]
 半導体加工用シート104においては、基材11の第1面11aに粘着剤層12が積層され、粘着剤層12の第1面12aの一部、すなわち、中央側の領域に、フィルム状接着剤23が積層されている。そして、粘着剤層12の第1面12aのうち、フィルム状接着剤23が積層されていない領域と、フィルム状接着剤23のうち、粘着剤層12側とは反対側の面(本明細書においては、「第1面」と称することがある)23a上に、剥離フィルム15が積層されている。図5中、符号23bは、フィルム状接着剤23の、前記第1面23aとは反対側の他方の面(本明細書においては、「第2面」と称することがある)を示している。
[0178]
 半導体加工用シート104を、その剥離フィルム15側の上方から見下ろして平面視したときに、フィルム状接着剤23は粘着剤層12よりも表面積が小さく、例えば、円形状等の形状を有する。
[0179]
 半導体加工用シート104中のフィルム状接着剤23は、剥離フィルム15を取り除いた後、その第1面23aを、x 及びy 、並びにx 10及びy 10を求める対象とすることができる。
[0180]
 図5に示す半導体加工用シート104は、剥離フィルム15が取り除かれた状態で、フィルム状接着剤23の第1面23aに、半導体ウエハ(図示略)の裏面が貼付され、さらに、粘着剤層12の第1面12aのうち、フィルム状接着剤23が積層されていない領域が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
[0181]
 なお、図5に示す半導体加工用シート104においては、粘着剤層12の第1面12aのうち、フィルム状接着剤23が積層されていない領域に、図2及び図4に示すものと同様に治具用接着剤層が積層されていてもよい(図示略)。このような治具用接着剤層を備えた半導体加工用シート104は、図2及び図4に示す半導体加工用シートの場合と同様に、治具用接着剤層の面のうち上面が、リングフレーム等の治具に貼付されて、使用される。
[0182]
 このように、半導体加工用シートは、支持シート及びフィルム状接着剤がどのような形態であっても、治具用接着剤層を備えたものであってもよい。ただし、通常は、図2及び図4に示すように、治具用接着剤層を備えた半導体加工用シートとしては、フィルム状接着剤上に治具用接着剤層を備えたものが好ましい。
[0183]
 本実施形態の半導体加工用シートは、図2~図5に示すものに限定されず、本発明の効果を損なわない範囲内において、図2~図5に示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
[0184]
 例えば、図2~図5に示す半導体加工用シートは、基材、粘着剤層、フィルム状接着剤及び剥離フィルム以外の層が、任意の箇所に設けられていてもよい。
 また、半導体加工用シートにおいては、剥離フィルムと、この剥離フィルムと直接接触している層との間に、一部隙間が生じていてもよい。
 また、半導体加工用シートにおいては、各層の大きさや形状は、目的に応じて任意に調節できる。
[0185]
◇フィルム状接着剤及び半導体加工用シートの使用方法
 本実施形態のフィルム状接着剤及び半導体加工用シートは、フィルム状接着剤付き半導体チップの製造を経て、半導体パッケージ及び半導体装置を製造するために、使用できる。
[0186]
 支持シートを備えていないフィルム状接着剤は、半導体ウエハの裏面に貼付された後、例えば、必要に応じて剥離フィルムが取り除かれ、その露出面(換言すると、半導体ウエハに貼付されている側と反対側の面。本明細書においては、「第2面」と称することがある。)に、ダイシングシートが貼付される。このようにして得られた、ダイシングシート、フィルム状接着剤及び半導体ウエハがこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層構造体は、この後、公知のダイシング工程に供される。なお、ダイシングシート及びフィルム状接着剤の積層構造は、ダイシングダイボンディングシートと見做すことができる。
[0187]
 本明細書においては、このように、ダイシングダイボンディングシート又は前記半導体加工用シートと、半導体ウエハと、が積層されて構成された積層構造体を、「第1積層構造体」と称することがある。
[0188]
 ダイシング工程を行うことによって、半導体ウエハは複数個の半導体チップへと分割されるとともに、フィルム状接着剤も半導体チップの外周に沿って切断され、この切断後のフィルム状接着剤を裏面に備えた複数個の半導体チップ(すなわち、フィルム状接着剤付き半導体チップ)が得られる。これら複数個のフィルム状接着剤付き半導体チップは、ダイシングシート上で、整列した状態で固定されている。
[0189]
 本明細書においては、このように、複数個のフィルム状接着剤付き半導体チップが、ダイシングシート又は前記支持シート上で、整列した状態で固定されている積層構造体を、「第2積層構造体」と称することがある。
[0190]
 一方、前記半導体加工用シートは、すでにダイシングダイボンディングシートとしての構造を有している。したがって、半導体加工用シートが半導体ウエハの裏面に貼付された段階で、半導体加工用シート(ダイシングシート、フィルム状接着剤)及び半導体ウエハがこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された積層構造体(すなわち、前記第1積層構造体)が得られる。以降は、上述のように、支持シートを備えていないフィルム状接着剤を用いた場合と同様の方法で、ダイシング工程を行うことによって、複数個のフィルム状接着剤付き半導体チップを含む第2積層構造体が得られる。
[0191]
 半導体ウエハのダイシングの方法としては、例えば、ブレードを用いる方法(すなわち、ブレードダイシング)が挙げられるが、これに限定されず、半導体ウエハを個片化する公知の方法全般を適用できる。
[0192]
 フィルム状接着剤及び半導体加工用シートのいずれを用いた場合であっても、ダイシング工程においては、半導体ウエハの裏面に本実施形態のフィルム状接着剤が設けられているため、チップ飛びが抑制される。
[0193]
 フィルム状接着剤及び半導体加工用シートのいずれを用いた場合であっても、得られたフィルム状接着剤付き半導体チップは、この後、ダイシングシート又は支持シートから引き離されてピックアップされ、フィルム状接着剤によって、基板の回路形成面にダイボンディングされる。そして、ダイボンディング後は、従来法と同様の方法で、半導体パッケージ及び半導体装置が製造される。例えば、必要に応じて、このダイボンディングされた半導体チップに、さらに半導体チップを1個以上積層した後、ワイヤボンディングを行う。次いで、フィルム状接着剤を熱硬化させ、さらに得られたもの全体を樹脂により封止する。これらの工程を経ることにより、半導体パッケージが作製される。そして、この半導体パッケージを用いて、目的とする半導体装置が作製される。
[0194]
 このようにして得られた半導体パッケージは、本実施形態のフィルム状接着剤を用いていることによって、信頼性が高いものとなる。例えば、実装前後の半導体パッケージにおいては、基板と半導体チップとの接合部、並びに、半導体チップ同士の接合部等、フィルム状接着剤が関わる接合部において、剥離が抑制される。
実施例
[0195]
 以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[0196]
<モノマー>
 本実施例及び比較例において、略記しているモノマーの正式名称を、以下に示す。
 BA:アクリル酸n-ブチル
 MA:アクリル酸メチル
 EA:アクリル酸エチル
 HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル
 AN:アクリロニトリル
 GMA:メタクリル酸グリシジル
[0197]
<接着剤組成物の製造原料>
 本実施例及び比較例において、接着剤組成物の製造に用いた原料を以下に示す。
[0198]
[重合体成分(a)]
 (a)-1:BA(40質量部)、EA(25質量部)、AN(30質量部)及びGMA(5質量部)を共重合して得られたアクリル樹脂(重量平均分子量700000、ガラス転移温度14℃)。
 (a)-2:BA(55質量部)、MA(10質量部)、GMA(20質量部)及びHEA(15質量部)を共重合して得られたアクリル樹脂(重量平均分子量800000、ガラス転移温度-28℃)。
 (a)-3:BA(10質量部)、MA(70質量部)、GMA(5質量部)及びHEA(15質量部)を共重合して得られたアクリル樹脂(重量平均分子量400000、ガラス転移温度-1℃)。
 (a)-4:熱可塑性樹脂、ポリエステル樹脂(東洋紡社製「バイロン220」、数平均分子量3000、ガラス転移温度53℃)
[エポキシ樹脂(b1)]
 (b1)-1:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「JER828」、エポキシ当量184~194g/eq)
 (b1)-2:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製「EOCN-103S、エポキシ当量209~219g/eq)
 (b1)-3:液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びアクリルゴム微粒子の混合物(日本触媒社製「BPA328」、エポキシ当量235g/eq)
 (b1)-4:多官能芳香族型(トリフェニレン型)エポキシ樹脂(日本化薬社製「EPPN-502H」、エポキシ当量167g/eq、軟化点54℃、重量平均分子量1200)
[熱硬化剤(b2)]
 (b2)-1:o-クレゾール型ノボラック樹脂(DIC社製「フェノライトKA-1160」、水酸基当量117g/eq、軟化点80℃、一般式(1)で表され、nが6~7である樹脂)
 (b2)-2:ノボラック型フェノール樹脂(昭和電工社製「BRG556」)[硬化促進剤(c)]
 (c)-1:2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製「キュアゾール2PHZ-PW」
[充填材(d)]
 (d)-1:エポキシ基で修飾された球状シリカ(アドマテックス社製「アドマナノ YA050C-MKK」、平均粒子径50nm)
 (d)-2:シリカフィラー(アドマテックス社製「SC2050MA」、エポキシ系化合物で表面修飾されたシリカフィラー、平均粒子径500nm)
[カップリング剤(e)]
 (e)-1:エポキシ基、メチル基及びメトキシ基を有するオリゴマー型シランカップリング剤(信越シリコーン社製「X-41-1056」、エポキシ当量280g/eq)
 (e)-2:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを付加させたシリケート化合物(三菱化学社製「MKCシリケートMSEP2」)
 (e)-3:トリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シラン(東レ・ダウ社製「SZ6083」、シランカップリング剤)
 (e)-4:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製「KBM-403」、シランカップリング剤、メトキシ当量12.7mmol/g、分子量236.3)
 (e)-5:3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越シリコーン社製「KBE-403」、シランカップリング剤、メトキシ当量8.1mmol/g、分子量278.4)
[エネルギー線硬化性樹脂(g)]
 (g)-1:トリシクロデカンジメチロールジアクリレート(日本化薬社製「KAYARAD R-684」、紫外線硬化性樹脂、分子量304)
[光重合開始剤(h)]
 (h)-1:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「IRGACURE(登録商標)184」)
[0199]
[実施例1]
<<フィルム状接着剤の製造>>
<接着剤組成物の製造>
 重合体成分(a)-1(10質量部)、エポキシ樹脂(b1)-1(25.8質量部)、エポキシ樹脂(b1)-2(23質量部)、熱硬化剤(b2)-1(25質量部)、硬化促進剤(c)-1(0.2質量部)、充填材(d)-1(15質量部)、及びカップリング剤(e)-1(1質量部)をメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することにより、上述のすべての成分の合計濃度が50質量%である接着剤組成物を得た。なお、ここに示すメチルエチルケトン以外の成分の配合量はすべて、溶媒成分を含まない目的物の量である。
[0200]
<フィルム状接着剤の製造>
 ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理されている剥離フィルム(リンテック社製「SP-PET381031」、厚さ38μm)を用い、その前記剥離処理面に、上記で得られた接着剤組成物を塗工し、100℃で1分間加熱乾燥させることにより、厚さ20μmのフィルム状接着剤を形成した。
[0201]
<<半導体加工用シートの製造>>
 上記で得られたフィルム状接着剤の、剥離フィルムを備えている側とは反対側の表面(換言すると露出面)に、基材としてポリエチレン製フィルム(グンゼ社製、厚さ80μm)を貼り合せることにより、基材、フィルム状接着剤及び剥離フィルムがこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された、半導体加工用シートを得た。
[0202]
<<フィルム状接着剤の評価>>
<x /y 及びx /y の算出>
[フィルム状接着剤の表面形状の測定]
 上記と同じ方法で得られた、剥離フィルム付きの製造直後のフィルム状接着剤(厚さ20μm)を、シリコンウエハに貼付した。
 次いで、室温下で直ちに、この熱硬化前のフィルム状接着剤から剥離フィルムを取り除き、これにより露出した、シリコンウエハへの貼付面とは反対側の面について、SPM(島津製作所製「SPM-9700」)を用いて、表面形状を測定した。前記表面形状の測定は、SPMを位相観察モードとして行った。また、カンチレバーとしては、OLYMPUS社製「Micro cantilever OMCL-AC240TS-C3」を使用した。そして、そのZコントロールパラメータのうち、Pゲインを0.001とし、Iゲインを1000として、下記条件で前記表面形状を測定した。
(画像取得条件)
 走査範囲:2μm×2μm
 走査速度:1.0Hz
 画素数:256×256
[0203]
[フィルム状接着剤の表面形状の画像の二値化、及びx /y の算出]
 さらに、前記表面形状において、凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得した。
 次いで、画像解析ソフトウエア(日本ローパー社製「ImagePro」)を用いて、上記で取得した画像を、下記方法により二値化処理した。すなわち、前記画像について、256ピクセルヒストグラムにおいて前記ソフトウエア上で自動計算を行い、ヒストグラムの中間値で処理を実施して形状画像を取得し、そのうち凸部分を黒色として第1領域に分類し、残りの部分を白色として第2領域に分類して、前記画像を修正した。得られた修正画像において、擬似カラープロファイルを割り当てて、相対面積及び比率を算出した。
 以上により、二値化後の画像を取得し、第1領域の面積値x と、第2領域の面積値y と、を求め、x /y を算出した。結果を表1に示す。
[0204]
[フィルム状接着剤の熱硬化物の表面形状の測定、前記表面形状の画像の二値化、及びx /y の算出]
 上記のx /y を算出後のフィルム状接着剤を、160℃で1時間加熱することにより、熱硬化させた。この熱硬化後のフィルム状接着剤の、シリコンウエハへの貼付面とは反対側の面について、上記と同じ方法で表面形状を測定し、取得した画像を二値化処理して、第1領域の面積値x と、第2領域の面積値y と、を求め、x /y を算出した。結果を表1に示す。
[0205]
<x 10/y 10及びx 20/y 20の算出>
[フィルム状接着剤の表面形状の測定、フィルム状接着剤の表面形状の画像の二値化、及びx 10/y 10の算出]
 上記と同じ方法で得られた、剥離フィルム付きの製造直後のフィルム状接着剤(厚さ20μm)を、40℃の空気雰囲気下で、7日間静置保存した。
 次いで、上述の製造直後のフィルム状接着剤に代えて、この静置保存後、すなわち経時後のフィルム状接着剤を用いた点以外は、上述のx 及びy を算出した場合と同じ方法で、このフィルム状接着剤の表面形状を測定し、取得した画像を二値化処理して、第1領域の面積値x 10と、第2領域の面積値y 10と、を求め、x 10/y 10を算出した。
結果を表1に示す。
[0206]
[フィルム状接着剤の熱硬化物の表面形状の測定、前記表面形状の画像の二値化、及びx 20/y 20の算出]
 上記のx 10/y 10を算出後のフィルム状接着剤を、160℃で1時間加熱することにより、熱硬化させた。この熱硬化後のフィルム状接着剤の、シリコンウエハへの貼付面とは反対側の面について、上記と同じ方法で表面形状を測定し、取得した画像を二値化処理して、第1領域の面積値x 20と、第2領域の面積値y 20と、を求め、x 20/y 20を算出した。結果を表1に示す。
[0207]
<半導体パッケージの信頼性の評価>
[フィルム状接着剤付き半導体チップの製造]
 上記で得られた製造直後の半導体加工用シートにおいて、剥離フィルムを取り除いた。
 裏面をドライポリッシュ仕上げで研磨したシリコンウエハ(直径200mm、厚さ75μm)を用い、その裏面(研磨面)に、常温下で直ちに、テープ貼合装置 (リンテック社製「Adwill RAD2500」)を用いて、上記の半導体加工用シートを、そのフィルム状接着剤によって貼付した。以上により、経時履歴のない半導体加工用シートを用いて、基材、フィルム状接着剤及びシリコンウエハがこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された第1積層構造体(本明細書においては、「第1積層構造体(1)」と称することがある)を得た。
[0208]
 次いで、この第1積層構造体(1)中のフィルム状接着剤のうち、シリコンウエハに貼付されていない周縁部近傍の露出面を、ウエハダイシング用リングフレームに固定した。
 次いで、ダイシング装置(ディスコ社製「DFD6361」)を用いてダイシングすることにより、シリコンウエハを分割するとともに、フィルム状接着剤も切断し、大きさが8mm×8mmのシリコンチップを得た。このときのダイシングは、ダイシングブレードの移動速度を30mm/sec、ダイシングブレードの回転数を30000rpmとし、半導体加工用シートに対して、そのフィルム状接着剤のシリコンウエハの貼付面から40μmの深さの領域まで(すなわち、フィルム状接着剤の厚さ方向の全領域と、基材のフィルム状接着剤側の面から20μmの深さの領域まで)ダイシングブレードで切り込むことにより行った。ダイシングブレードとしては、ディスコ社製「Z05-SD2000-D1-90 CC」を用いた。
 以上により、経時履歴のない半導体加工用シートを用いて、裏面に切断後のフィルム状接着剤を備えた複数個のシリコンチップ(換言すると、複数個のフィルム状接着剤付きシリコンチップ)が、フィルム状接着剤によって、基材上に整列した状態で固定されている、第2積層構造体(本明細書においては、「第2積層構造体(1)」と称することがある)を得た。
[0209]
[フィルム状接着剤付き半導体チップの基板へのダイボンディング]
 基板として、銅箔張り積層板(三菱ガス化学社製「CCL-HL830」)の銅箔(厚さ15μm)に回路パターンが形成され、この回路パターン上にソルダーレジスト(太陽インキ社製「PSR-4000 AUS308」)の層が形成されている基板(シーマ電子社製「SM15-031-10A」、サイズ:157.0mm×70.0mm×0.2mm)を用意した。
[0210]
 ピックアップ・ダイボンディング装置(キャノンマシナリー社製「BESTEM D-02」)を用い、上記で得られた第2積層構造体(1)中のフィルム状接着剤付きシリコンチップを、基材からピックアップした。次いで、このピックアップしたフィルム状接着剤付きシリコンチップを、その中のフィルム状接着剤を前記基板上に圧着することにより、フィルム状接着剤付きシリコンチップを前記基板上にダイボンディングした。このときのダイボンディングは、120℃に加熱したフィルム状接着剤付きシリコンチップに対して、その前記基板への接触面に対して直交する方向に、2.45N(250gf)の力を0.5秒加えることで行った。
 以上により、フィルム状接着剤付き半導体チップがダイボンディングされた基板を得た。
[0211]
[半導体パッケージ(1)の製造]
 上記で得られた、ダイボンディング後の基板を、160℃で1時間加熱することにより、この基板上のフィルム状接着剤を熱硬化させた。
 次いで、封止装置(アピックヤマダ社製「MPC-06M TriAl Press」)を用いて、このダイボンディング後及び熱硬化後の基板上に封止樹脂(京セラケミカル社製「KE-1100AS3」)を載せ、この封止樹脂を175℃に加熱し、さらにこの状態の封止樹脂に7MPaの圧力を2分間加えることにより、厚さ400μmの封止樹脂からなる層(封止層)を形成した。次いで、この封止層を形成している封止樹脂を、175℃で5時間加熱することにより、熱硬化させ、封止基板を得た。
[0212]
 次いで、この封止基板にダイシングテープ(リンテック社製「Adwill D-510T」)を貼付し、ダイシング装置(ディスコ社製「DFD6361」)を用いて、この封止基板をダイシングすることにより、大きさが15mm×15mmの半導体パッケージを得た。このときのダイシングは、ダイシングブレードの移動速度を50mm/sec、ダイシングブレードの回転数を30000rpmとし、ダイシングテープに対して、その封止基板の貼付面から40μmの深さの領域までダイシングブレードで切り込むことにより行った。ダイシングブレードとしては、ディスコ社製「ZHDG-SD400-D1-60 56×0.17A3×40-L-S3」を用いた。
 以上により、経時履歴のない半導体加工用シートを用いて、目的とする半導体パッケージ(本明細書においては、「半導体パッケージ(1)」と称することがある)を得た。
 ここでは、上記の方法で、25個の半導体パッケージ(1)を得た。
[0213]
[半導体パッケージ(2)の製造]
 上記で得られた製造直後の半導体加工用シートを、40℃の空気雰囲気下で、7日間静置保存した。
 次いで、上述の製造直後の半導体加工用シートに代えて、この静置保存後、すなわち経時後の半導体加工用シートを用いた点以外は、上述の半導体パッケージ(1)の場合と同じ方法で、半導体パッケージを得た。
 以上により、経時履歴のある半導体加工用シートを用いて、目的とする半導体パッケージ(本明細書においては、「半導体パッケージ(2)」と称することがある)を得た。
 ここでは、上記の方法で、25個の半導体パッケージ(2)を得た。
[0214]
[半導体パッケージの信頼性の評価]
 上記で得られた25個の半導体パッケージ(1)を、温度85℃、相対湿度60%の環境下で168時間静置保存することにより吸湿させた。
 次いで、直ちに、この吸湿後の半導体パッケージ(1)に対して、温度160℃で予備加熱を行った後、最高温度を260℃として1分間加熱するIRリフローを3回行った。このときのIRリフローは、卓上リフロー炉(千住金属工業社製「STR-2010N2M」)を用いて行った。
[0215]
 次いで、走査型超音波探傷装置(Sonoscan社製「D-9600」)を用いて、このIRリフロー後の半導体パッケージを解析した。また、断面研磨機(リファインテック社製「リファイン・ポリッシャーHV」)を用いて、このIRリフロー後の半導体パッケージを切断することにより断面を形成し、デジタル顕微鏡(キーエンス社製「VHX-1000」)を用いて、この断面を観察した。そして、基板とシリコンチップとの接合部と、シリコンチップ同士の接合部と、の少なくとも一方において、幅が0.5mm以上の剥離が認められた場合を「剥離あり」と判定し、認められなかった場合を「剥離なし」と判定した。さらにこの判定結果に基づいて、下記基準により、半導体パッケージ(1)の信頼性を評価した。
(評価基準)
 A:「剥離あり」と判定された半導体パッケージの個数が3個以下である。
 B:「剥離あり」と判定された半導体パッケージの個数が4個以上である。
[0216]
 さらに、上述の半導体パッケージ(1)の場合と同じ方法で、半導体パッケージ(2)の信頼性を評価した。
 これら半導体パッケージ(1)及び(2)の評価結果を、「剥離あり」と判定された半導体パッケージの個数(表1の該当欄中、括弧内に示している)とともに、表1に示す。
[0217]
<チップ飛びの抑制性の評価>
[フィルム状接着剤付き半導体チップの製造]
 裏面をドライポリッシュ仕上げで研磨したシリコンウエハとして、直径200mm、厚さ75μmのものに代えて、直径200mm、厚さ350μmのものを用いた点以外は、上述の「半導体パッケージの信頼性の評価」時と同じ方法で、基材、フィルム状接着剤及びシリコンウエハがこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された第1積層構造体(1)を得た。
[0218]
 次いで、この第1積層構造体(1)を用いた点と、大きさが2mm×2mmのシリコンチップが得られるようにダイシングブレードの切り込みの位置を変更した点、以外は、上述の「半導体パッケージの信頼性の評価」時と同じ方法でダイシングを行い、大きさが2mm×2mmのシリコンチップを得た。
 以上により、経時履歴のない半導体加工用シートを用いて、裏面に切断後のフィルム状接着剤を備えた複数個のシリコンチップ(換言すると、複数個のフィルム状接着剤付きシリコンチップ)が、フィルム状接着剤によって、基材上に整列した状態で固定されている、第2積層構造体(1)を得た。
[0219]
 さらに、製造直後の半導体加工用シートに代えて、40℃の空気雰囲気下で、7日間静置保存した後、すなわち経時後の半導体加工用シートを用いた点以外は、上記と同じ方法で、ダイシングを行い、大きさが2mm×2mmのシリコンチップを得た。
 以上により、経時履歴のある半導体加工用シートを用いて、裏面に切断後のフィルム状接着剤を備えた複数個のシリコンチップ(換言すると、複数個のフィルム状接着剤付きシリコンチップ)が、フィルム状接着剤によって、基材上に整列した状態で固定されている、第2積層構造体(2)を得た。
[0220]
[チップ飛びの抑制性の評価]
 上記で得られた第2積層構造体(1)を観察し、ダイシング時に、切断後のフィルム状接着剤から飛散したシリコンチップの数を確認した。そして、シリコンチップの飛散数が0個である(すなわち、ダイシング時に、切断後のフィルム状接着剤からシリコンチップが全く飛散しなかった)場合には「A」と判定し、前記飛散数が1個以上である場合には「B」と判定した。
 さらに、上述の第2積層構造体(1)の場合と同じ方法で、第2積層構造体(2)を評価した。
 結果を表1に示す。
[0221]
<フィルム状接着剤の熱硬化物の接着力の測定>
[フィルム状接着剤付き半導体チップの製造]
 裏面をドライポリッシュ仕上げで研磨したシリコンウエハ(直径200mm、厚さ75μm)に代えて、裏面が#2000研磨面となっているシリコンウエハ(直径200mm、厚さ75μm)を用いた点以外は、上述の「半導体パッケージの信頼性の評価」時と同じ方法で、基材、フィルム状接着剤及びシリコンウエハがこの順に、これらの厚さ方向において積層されて構成された第1積層構造体(1)を得た。
[0222]
 次いで、この第1積層構造体(1)を用いた点と、大きさが2mm×2mmのシリコンチップが得られるようにダイシングブレードの切り込みの位置を変更した点、以外は、上述の「半導体パッケージの信頼性の評価」時と同じ方法でダイシングを行い、大きさが2mm×2mmのシリコンチップを得た。
 以上により、経時履歴のない半導体加工用シートを用いて、裏面に切断後のフィルム状接着剤を備えた複数個のシリコンチップ(換言すると、複数個のフィルム状接着剤付きシリコンチップ)が、フィルム状接着剤によって、基材上に整列した状態で固定されている、第2積層構造体(1)を得た。
[0223]
[フィルム状接着剤付き半導体チップの基板へのダイボンディング]
 上記で得られた第2積層構造体(1)中のフィルム状接着剤付きシリコンチップを、基材からピックアップし、マニュアルダイボンダー(CAMMAX Precima社製「EDB65」)を用いて、このフィルム状接着剤付きシリコンチップを銅板(厚さ0.5mm)の表面に圧着することにより、フィルム状接着剤付きシリコンチップを前記銅板上にダイボンディングした。このときのダイボンディングは、125℃に加熱したフィルム状接着剤付きシリコンチップに対して、その前記銅板への接触面に対して直交する方向に、2.45N(250gf)の力を3秒加えることで行った。また、フィルム状接着剤付きシリコンチップ中のフィルム状接着剤のうち、シリコンチップ側とは反対側の面の全面を、前記銅板の表面に接触させた。
[0224]
[フィルム状接着剤の熱硬化物の接着力の測定]
 次いで、ダイボンディング後の銅板を、160℃で1時間加熱することにより、この銅板上のフィルム状接着剤を熱硬化させた。
 次いで、この熱硬化後のものを試験片とし、ボンドテスター(Dage社製「Series 4000」)を用いて、そのステージ上にこの試験片を載置した。そして、試験片中のシリコンチップに対して、その剪断方向に200μm/secの速度で力を加えた。
 このとき、力を加えるためのテスターのヘッドの位置を、試験片中の銅板の、シリコンチップを搭載している側の表面から7μmの高さとなるように調節した。この条件でシリコンチップに力を加え、フィルム状接着剤の熱硬化物と、銅板と、の間の接着状態が破壊されたときに加えていた力(N)を、フィルム状接着剤の熱硬化物の接着力(N/2mm□)として採用した。結果を表1に示す。
[0225]
<<フィルム状接着剤の製造及び評価>>
[実施例2、比較例1]
 接着剤組成物の含有成分の種類及び含有量が、表1に示すとおりとなるように、接着剤組成物の製造時における、配合成分の種類及び配合量のいずれか一方又は両方を変更した点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、フィルム状接着剤及び半導体加工用シートを製造し、フィルム状接着剤を評価した。結果を表1に示す。
[0226]
 なお、表1中の含有成分の欄の「-」との記載は、接着剤組成物がその成分を含有していないことを意味する。
[0227]
[表1]


[0228]
 上記結果から明らかなように、実施例1~2においては、半導体パッケージ(1)の信頼性が高く、第2積層構造体(1)においては、シリコンチップの飛散が認められず、チップ飛びが抑制されていた。また、フィルム状接着剤の熱硬化物の接着力が、250N/2mm□以上(250~258N/2mm□)であって、十分に高かった。
[0229]
 さらに、実施例1においては、半導体パッケージ(2)の信頼性も高く、第2積層構造体(2)においても、フィルム状接着剤付きシリコンチップの飛散が認められず、チップ飛びが抑制されていた。このように、40℃での保存後において、実施例1のフィルム状接着剤は、実施例2のフィルム状接着剤よりも、特性が良好であり、保存安定性が顕著に高かった。実施例2においては、飛散したシリコンチップの総面積が、当初のシリコンウエハの面積の1割以上に相当し、シリコンチップの飛散数は700個以上であると考えられた。ただし、実施例2のフィルム状接着剤は、通常の条件で保存すれば、十分な特性を有するものであった。
[0230]
 実施例1~2においては、x /y が0.01以上0.1以下であり、x /y が0.7以上0.8以下であった。そして、x 10/y 10が0.01以上0.3以下であり、x 20/y 20が0.3以上0.8以下であった。実施例2の場合、実施例1の場合よりも、x 20/y 20が小さかった。
[0231]
 これに対して、比較例1においては、半導体パッケージ(1)の信頼性が低く、当然に、半導体パッケージ(2)の信頼性も低かった。比較例1においては、x /y 及びx 20/y 20が、いずれも0.2であり、小さかった。

産業上の利用可能性

[0232]
 本発明は、半導体装置の製造に利用可能である。

符号の説明

[0233]
101,102,103,104・・・半導体加工用シート、
10・・・支持シート、
10a・・・支持シートの第1面、
11・・・基材、
11a・・・基材の第1面、
12・・・粘着剤層、
13,23・・・フィルム状接着剤、
13a,23a・・・フィルム状接着剤の第1面、
13b,23b・・・フィルム状接着剤の第2面

請求の範囲

[請求項1]
 熱硬化性のフィルム状接着剤であって、
 走査型プローブ顕微鏡を用いて、熱硬化前の前記フィルム状接着剤の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y と、を求めたとき、x /y が0以上0.3以下であり、
 走査型プローブ顕微鏡を用いて、前記フィルム状接着剤の熱硬化物の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y と、を求めたとき、x /y が0.3より大きく、5以下である、フィルム状接着剤。
[請求項2]
 走査型プローブ顕微鏡を用いて、40℃で7日間保存後でありかつ熱硬化前の、前記フィルム状接着剤の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x 10と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y 10と、を求めたとき、x 10/y 10が0以上0.3以下であり、
 走査型プローブ顕微鏡を用いて、40℃で7日間保存後の前記フィルム状接着剤を熱硬化して得られた熱硬化物の表面形状を測定し、前記表面形状における凹凸のヒストグラムの全分布を、色調バー全体の85%とした画像を取得し、前記画像を二値化処理して、得られた処理画像中の凸部に相当する第1領域の面積値x 20と、前記第1領域以外の第2領域の面積値y 20と、を求めたとき、x 20/y 20が0.3より大きく、5以下である、請求項1に記載のフィルム状接着剤。
[請求項3]
 支持シートを備え、前記支持シートの一方の面上に、請求項1又は2に記載のフィルム状接着剤を備えた、半導体加工用シート。
[請求項4]
 前記支持シートが、基材と、前記基材の一方の面上に設けられた粘着剤層と、を備えており、
 前記粘着剤層が、前記基材と、前記フィルム状接着剤と、の間に配置されている、請求項3に記載の半導体加工用シート。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]