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1. WO2020194818 - DISPOSITIF D'AMPLIFICATION POUR AFFICHAGE OLFACTIF

Document

明 細 書

発明の名称 香りディスプレイのブースタ装置

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007   0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010   0011   0012  

課題を解決するための手段

0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027  

図面の簡単な説明

0028  

発明を実施するための形態

0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098  

産業上の利用可能性

0099  

符号の説明

0100  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17  

明 細 書

発明の名称 : 香りディスプレイのブースタ装置

技術分野

[0001]
 この発明は香りディスプレイに関し、特に複数の香りカートリッジを装填し様々な香りを噴射可能な香りディスプレイの改良に関する。

背景技術

[0002]
 人間のコミュニケーションには、人間の持つ感覚に応じた様々なモードがある。これらの中で最もよく使用されているのは、視覚および聴覚を用いたコミュニケーションである。これに対し、嗅覚は人間の生活では比較的よく使用されているにもかかわらず、これをコミュニケーションに使用している例は極めて少ない。しかし、コミュニケーションで視覚および聴覚に加えて嗅覚まで利用できるようになれば、コミュニケーションはより効率的になり、様々な人がより深く体験を共有できるようになると考えられる。
[0003]
 こうした点に着目して、最近では、テレビジョン受像機(以下「TV」という)、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)、ゲーム機等、映像と音声とを再生できる装置とともに使用され、場面にあわせて香りを発生する装置が提案されている。この明細書では、そのように場面にあわせて香りを発生する装置を香りディスプレイという。
[0004]
 場面にあわせて香りを発生する場合、直前に発生した香りが残っていると十分な効果が期待できない。そこで、任意の時点で、ある限られた範囲に所望の香りを放散させ、任意の時点でその香りを消して次の香りに切替えることができるような香りディスプレイが望ましい。
[0005]
 こうした香りディスプレイでは、複数の香りを自由に切替える機能を持たなければ十分に香りを活かすことができない。そこで、それぞれ予め選択された香りの発生源(以下「香源」という)を封入した複数のカートリッジ(以下「香りカートリッジ」という)を準備し、これを香りディスプレイに装填し、所望のカートリッジから香りを発散させることが考えられる。
[0006]
 カートリッジには内部の香源からの香りを外部に噴出する香り通路を設け、所望のタイミングでカートリッジ内部に空気を送り込む機構を香りディスプレイ側に設けることで、香り通路を通して外部に香りが噴出される。これらカートリッジからの香り噴出の機構とは別に、香りディスプレイにカートリッジの香り通路の近くに噴出口を持つ香り成分を含まない空気の噴出機構を設ける。ある香りを噴出した後、次の香りに切替えるときには、この空気の噴出機構から空気を噴出して周囲の香りを含んだ空気を吹き払い、その後に次の香りを噴出する。こうすることで任意のタイミングで香りが混ざることなく香りを切替えることができる。
[0007]
 こうした技術が特開2014-92673号公報に開示されている。特開2014-92673号公報に開示された技術は概略上記したとおりである。香りディスプレイの筐体には外部への香り等の噴射のための開口が形成されており、各香りカートリッジの香り通路と、空気の噴出口とがいずれもこの開口につながっている。各香りカートリッジは香りディスプレイの筐体に着脱可能な形で装填される。各香りカートリッジの所定部には、空気を香りカートリッジ内部に吹き込むための給気口が形成されている。香りディスプレイに香りカートリッジが装填されたときに、香りディスプレイ側でこの給気口に相対する部分には、圧電素子を取り付けたダイアフラムを内蔵する風力源が各香りカートリッジに対応する形で内蔵されている。この圧電素子に交流電圧を印加すると、ダイアフラムが振動し、風力源に設けられたノズルと香りカートリッジの給気口を介して香りカートリッジ内部に空気を送り込む。空気が送り込まれた香りカートリッジからは、内部の香源に応じた香りを含む空気が香り通路を通じて外部に噴射される。
[0008]
 また、香りディスプレイの空気の噴射口の根本に相当する部分には、香りカートリッジに取り付けられた風力源と同様の機構で、香りを含まないより強くより多い空気を噴射する噴射口に送り込むことができる風力源が空気の噴射機構として設けられている。

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 上記したような構成を持つ香りディスプレイによれば、どの風力源を動作させるかによって香りを自由に切替えることができる。またその際に香りを含まない空気の噴射機構を適宜動作させれば香りが混ざることを防止できる。どの風力源をどのタイミングで動作させるかについては、外部から香りディスプレイにコマンドを送ることで制御できる。そのため、例えば映画、アニメーション等で所望のタイミングで所望の風力源を動作させることで、場面にあった香りを噴射できるという優れた効果がある。
[0010]
 しかし、この従来の香りディスプレイでは、圧電素子を用いた風力源を香りおよび空気の噴射機構に用いているため、以下のような問題がある。圧電素子を用いた風力源の場合、騒音は小さいが送出できる風量が少ないという問題がある。そのため、香りディスプレイをパソコン等に付属して用いる場合のように、香りディスプレイとユーザとの間の距離が短い場合には特に問題ないが、多人数でTVを見るようなより広い空間で用いる場合には、香りを遠くまで広げたり、噴射した香りをすばやく消散させたりすることが難しいという問題がある。
[0011]
 こうした問題を解決するために、空気の噴射機構の風力源をより強力なファンで実現することが考えられる。しかしそうすると、ファンの騒音が問題となるだけではなく、香りディスプレイが大型になるという問題がある。またファンが大型になるために、香りディスプレイにごく近い領域のみに制限して香りを噴射することが逆に難しくなるという問題がある。広い領域に香りを広げたり、噴射した香りを消散させるために多くの空気を噴射したりできるだけでなく、限定された範囲に制御した形で香りを噴射できるような香りディスプレイが望まれている。
[0012]
 それ故にこの発明の目的は、香りカートリッジから噴射される香りを搬送するための空気の流量を、大きくすることも小さくすることも可能にすることである。

課題を解決するための手段

[0013]
 本発明の第1の局面に係る香りディスプレイのブースタ装置は、香りディスプレイの香り噴射能力を増強するブースタ装置であって、香りディスプレイは、第1の面および第2の面ならびに側面を有する柱状の形状を持ち、第1の面には香りを噴射する噴射口が設けられ、かつ香りディスプレイ内には、香りを香りディスプレイ外に噴射するための風力源が設けられており、ブースタ装置は、香りディスプレイを内部に収容する筐体と、筐体内に設けられたファンとを含み、筐体は、空気を取り入れるための給気口を持つ筒状の外部筐体と、当該筐体内に香りディスプレイを保持する保持部材とを含み、当該保持部材は、外部筐体と香りディスプレイとの間に、ファンからの空気を通過させる空気流通路が形成されるように香りディスプレイを保持する。
[0014]
 好ましくは、香りディスプレイおよび外部筐体の双方はいずれも中心軸を持ち、保持部材は、香りディスプレイおよび外部筐体の中心軸が平行になるように香りディスプレイを保持する。
[0015]
 より好ましくは、保持部材は、香りディスプレイの中心軸が外部筐体の中心軸と重なるように香りディスプレイを保持する。
[0016]
 さらに好ましくは、香りディスプレイのブースタ装置は、さらに、外部筐体の、香りディスプレイの第1の面側の端部に設けられた、ファンにより形成された空気の流れを絞る絞り部材を含む。
[0017]
 好ましくは、香りディスプレイのブースタ装置は、さらに、空気流通路内に設けられ、空気流通路内を通過する空気を加熱する加熱手段を含む。
[0018]
 より好ましくは、香りディスプレイのブースタ装置は、さらに、外部筐体内に設けられ、空気流通路を通過する空気と外部筐体外の空気との間で熱交換を行なう熱交換手段を含む。
[0019]
 さらに好ましくは、熱交換手段は、空気流通路を通過する空気の持つ熱を外部筐体外に排出して空気流通路を通過する空気を冷却するように設けられる。
[0020]
 好ましくは、熱交換手段は、外部筐体外の空気の持つ熱を外部筐体内に導入して空気流通路を通過する空気を加熱するように設けられる。
[0021]
 より好ましくは、外部筐体の側面には、開口部が形成され、熱交換手段は、それぞれ熱交換の対象物と接する第1の面および第2の面を持つペルチェモジュールを含み、当該ペルチェモジュールは、第1の面は空気流通路側を向き、第2の面は外部筐体の外部に向くように、開口部に取り付けられる。
[0022]
 さらに好ましくは、香りディスプレイのブースタ装置は、ペルチェモジュールの第2の面に形成されたヒートシンクをさらに含み、ペルチェモジュールは、開口部の上部の縁と同じ長さの上縁を持ち、当該上縁は開口部の上部の縁に接し、ペルチェモジュールの下端の辺は、当該ペルチェモジュールにより、ファンにより生成される空気の流れが空気流通路側とヒートシンク側とに分割されるような位置に配置されている。
[0023]
 好ましくは、香りディスプレイのブースタ装置は、さらに、空気流通路と香りディスプレイとの間に配置された断熱手段を含む。
[0024]
 より好ましくは、断熱手段は、空気流通路と、香りディスプレイの少なくとも香り成分が保持されている部分との間に配置されている。
[0025]
 香りディスプレイのブースタ装置は、複数個のファンを含み、それら複数個のファンは、筐体の内部の香りディスプレイの周囲に均等に配置されるようにしてよい。
[0026]
 ファンは、筐体内の、第2の面と筐体の底面との間に設けられてもよい。
[0027]
 この発明の目的、構成、および効果は、この明細書と添付の図面とにより明らかとなるだろう。

図面の簡単な説明

[0028]
[図1] 図1は、本発明の実施の形態に用いられる香りディスプレイを斜め上方から見た斜視図である。
[図2] 図2は、図1に示す香りディスプレイを斜め上方から見た分解斜視図である。
[図3] 図3は、図1に示す香りディスプレイの3-3方向の矢視断面図である。
[図4] 図4は、マイクロブロアの拡大断面図である。
[図5] 図5は、この発明の第1の実施の形態に係る香りディスプレイのブースタ装置の斜視図である。
[図6] 図6は、図5に示すブースタ装置の分解斜視図である。
[図7] 図7は、図5に示すブースタ装置の7-7方向の矢視断面図である。
[図8] 図8は、図7に示すブースタ装置の上部ケースの8-8方向の矢視図である。
[図9] 図9は、図5に示すブースタ装置における空気の流れを示す断面図である。
[図10] 図10は、この発明の第2の実施の形態に係る香りカートリッジのブースタ装置を斜め上方から見た斜視図である。
[図11] 図11は、図10に示すブースタ装置の分解斜視図である。
[図12] 図12は、図10に示すブースタ装置の12-12方向における矢視断面図である。
[図13] 図13は、図10に示すブースタ装置における空気の流れを示す断面図である。
[図14] 図14は、図13の一部の拡大断面図である。
[図15] 図15は、この発明の第3の実施の形態に係る香りカートリッジのブースタ装置を斜め上から見た斜視図である。
[図16] 図16は、図15に示すブースタ装置の分解斜視図である。
[図17] 図17は、図15に示すブースタ装置の17-17方向における矢視断面図である。

発明を実施するための形態

[0029]
 以下の説明および図面では、同一の部品には同一の参照符号を付してある。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。また、以下に述べる実施の形態のすべての部分がこの発明に必須というわけではない。なくてもこの発明の目的を達成できる部品もあるし、他の形態のもので置換してもこの発明の目的を達成できる部品もある。
[0030]
 [第1の実施の形態]
 <構成>
 図1に、この発明の第1の実施の形態に係る香りディスプレイのブースタ装置に装填される香りディスプレイ50の外観図を示す。図1に示すように、香りディスプレイ50は、中心軸を持つ、ほぼ六角柱形状の筐体60を持つ。図2に香りディスプレイ50の分解斜視図を示し、図3に香りディスプレイ50の図1における3-3方向の矢視断面図を示す。
[0031]
 図1~図3を参照して、筐体60は、ベースパネル82と、ベースパネル82の上部に配置され、ベースパネル82にネジ止めされるベース筐体84と、ベース筐体84の上部からベース筐体84に組付けられる中間筐体86と、中間筐体86の上部に組付けられ、上部に開口し、内部に6個の香りカートリッジを収容するカートリッジ収容部を持つ上部筐体88と、上部筐体88の上部開口を覆うように上部筐体88に組付けられる上部パネル90とを含む。上部パネル90をはずすことで上部筐体88の開口が開放され、ユーザが香りカートリッジの収容部にアクセス可能になり、香りカートリッジを収容部内に装填したり、収容部から取り外したりできる。
[0032]
 この実施の形態では、上部筐体88の断面はやや丸みを帯びた正六角形状をしており、上部筐体88の内部には6つの香りカートリッジ130、132、…、134、136、138(香りカートリッジ138は図3を参照)等を収容可能なカートリッジ収容部110、112、114、116、118、および120が形成されている。その結果、図2に示すとおり、上部筐体88の内部に香りカートリッジ130、…が装填されることになる。例えば香りカートリッジ132の底面にはNFCタグ164(図3参照)が設けられており、その近傍の上部筐体88の内部にはこのNFCタグ164と無線通信可能な6個のNFCチップ182等が設けられている。以上の説明から分かるように、香りディスプレイ50は、上面と下面と側面とを有し、中心軸をもつほぼ六角柱状の柱状体である。
[0033]
 なお、ベース筐体84の側面には、図1~図3に示すように三脚が取り付け可能なネジ穴92が形成されている。ネジ穴92はカメラ用の三脚が係合可能なように、適切な規格にあわせて形成されている。
[0034]
 図2を参照して、ベース筐体84には、無線通信により外部と通信可能な通信装置と後述するマイクロブロアを駆動する制御回路とを搭載した制御基板、およびその電源となるバッテリーが内蔵されている。また中間筐体86と上部筐体88との間には、香りカートリッジ130、…の底部に設けられたNFCタグ164と通信するNFCチップ182等が搭載されたNFCチップステージ102が設けられている。さらに、ベースパネル82には、香りカートリッジ130、…から香りを含む空気を吹き出す動力を生成するための空気を取り入れる多数の小孔が形成されている。ベースパネル82とベース筐体84との間には、取り入れた空気から埃およびゴミ等を取り除くためのフィルタ94が配挿されている。
[0035]
 香りカートリッジ130、…のNFCタグ164には、その香りカートリッジ130、…に封入されている香りの識別符号が記憶されている。このNFCタグ164は、香りカートリッジ130、…が香りディスプレイ50内に装填されると、対応するNFCチップ182と通信して、香りカートリッジ130、…に封入されている香りの識別符号をNFCチップ182に送信する。NFCチップ182はこの識別符号を無線により外部のパソコン等に送信する。その結果、外部のパソコン等は香りディスプレイ50に装填されている香りカートリッジ130、…の各々の香りの識別符号を知ることができ、プログラムにしたがった香りを噴射するよう香りディスプレイ50を制御できる。
[0036]
 図1~図3を参照して、筐体60の上部パネル90の中央部には、開口領域64が配置されている。図1および図3を特に参照して、開口領域64の中央には、筐体60中に設けられた、香り成分を含まない空気を噴射する空気噴射機構からの空気が噴射される開口68が形成され、その周囲には、筐体60の内部に収容された6つの香りカートリッジ130、…から香りが噴射される、6つの開口70、…が形成されている。
[0037]
 前述したとおり、この香りディスプレイ50にはカメラの三脚が取付け可能である。デスク上におけるような小さな三脚を香りディスプレイ50に取付けると、香りディスプレイ50を例えばパソコンのすぐ近くにおき、開口領域64がパソコンのユーザの顔面の直ぐ近くでしかも顔面を向くように香りディスプレイ50を配置でき、ユーザに所望の香りを届ける上で効果的である。
[0038]
 筐体60の側面にはマイクロUSBのコネクタ66が設けられている。このコネクタ66は、本実施の形態ではUSBケーブルを通じて香りディスプレイ50に電力を供給するとともに、香りディスプレイ50内蔵のバッテリーに充電するためのものであり、USBケーブルを介して香りディスプレイ50の回路が外部と通信するわけではない。香りディスプレイ50の内部の回路は無線通信を通じて外部とデータ通信を行う。もちろん、このUSBケーブルを通じて香りディスプレイ50の内部回路が外部と有線データ通信を行うようにしてもよい。
[0039]
 特に図3を参照して、上部筐体88の下の面でNFCチップステージ102の上に当る部分には、香りを含まない空気の噴射機構を形成するマイクロブロア184が固定されている。このマイクロブロア184をはじめ、各香りカートリッジ130、…の内部に空気を送り込む機構については後述する。
[0040]
 図2を参照して、上部筐体88は、前述したとおりほぼ正六角形の断面形状を持つ。上部筐体88の内部の空間は、それぞれ正三角形の断面を持つ空間である6つの香りカートリッジ収容部110、112、114、116、118、および120に区分けされている。これら各カートリッジ収容部110、…に香りカートリッジ130、…がそれぞれ装填される。
[0041]
 図3を参照して、例えば香りカートリッジ132は、水平方向の断面形状がほぼ正三角形である三角柱状の筐体を持つ。この筐体の上面の中で、香りカートリッジが香りカートリッジ収容部に装填されたときに開口領域64に向く部分には、この香りカートリッジ132の筐体の内部空間に通じ、筐体内に封入された香源からの香りを含む空気が噴出される噴出口160が形成されている。側面の中で、上部筐体88の内面に接する部分には、香りカートリッジ132の内部に外部のマイクロブロア234から空気を送り込むための給気口158が形成されている。香りカートリッジ132の下面には、NFCチップ182と近距離無線通信を行うためのNFCタグ164がシールにより貼り付けられている。
[0042]
 各香りカートリッジ130、…がカートリッジ収容部110、…に装填されたとき、上部筐体88の内側面の、香りカートリッジ内部に空気を送り込むための給気口158が位置する部分には、給気口158に空気を送り込むマイクロブロア234が配置されている。このマイクロブロア234を駆動することで香りカートリッジ132の内部に空気が送り込まれ、中心側に位置する香りカートリッジ132の香りを噴出するための噴出口160から香りを含んだ空気が外部に噴出される。
[0043]
 マイクロブロア234は、上記特開2014-92673号公報に開示されたものと同様の構成を持つ。図4を参照して、具体的には、マイクロブロア234は、内部空間であるブロア室252を持つケース250と、ブロア室252を塞ぐようにケース250の上面を覆って取り付けられ、上面に形成されたノズル270を持つカバー部材254とを含む。ノズル270内部には空気の流通孔256が形成されており、流通孔256はブロア室252の上部に開口している。
[0044]
 ブロア室252内部にはブロア室252を上下の2つの部分に仕切る仕切板258が設けられている。仕切板258の、流通孔256の開口直下には、流通孔256と位置合わせされた開口260が形成されている。
[0045]
 仕切板258により仕切られたブロア室252の下部空間には、バネ弾性を持つ金属薄板で形成されたダイアフラム262と、ダイアフラム262の下面に接着された圧電素子264とを含む。圧電素子264に交番電圧を印加することでダイアフラム262が上下に振動して開口260を通して空気をブロア室252内に吐出し、さらに流通孔256を通じて外部に吹き出す。ノズル270が香りカートリッジ背面の開口の位置に来るようにマイクロブロア234を上部筐体88の内部に設けることで、香りカートリッジ132等内に任意のタイミングで任意の時間の間空気を送り込むことができ、香りカートリッジ132等から香りを含んだ空気を噴出させることができる。なお、ケース250には空気の取入れ口266が設けられており、取入れ口266の空気が流通路268を介してブロア室252内に供給される。
[0046]
 香りカートリッジ132以外についても、背面の給気口から内部に空気を送り込むマイクロブロア234がそれぞれ配置されている。これらを独立に動作させることにより、任意の香りカートリッジから任意のタイミングで、任意の時間だけ香気を外部に噴出できる。図3に示す、香りを含まない空気を噴射する空気噴射機構のマイクロブロア184もこのマイクロブロアと同様の構造を持ち、任意のタイミングで任意の間、空気を図1~図3示す開口68から噴射させることができる。なお、マイクロブロア184は他のマイクロブロア234よりも大きく、そのため開口68から噴射される空気の量もマイクロブロア234と比較してはるかに多く、例えば開口領域64の近傍に存在する香気を消散させたり、遠くまで運んだりできる。
[0047]
 しかし、マイクロブロア184は図4に示したとおり、圧電素子の振動により空気を送り出すものである。音の静かさとレスポンスの良さという利点はあるものの、基本的にマイクロブロア184から送出できる空気の量には構造的な限界がある。そのため、香りカートリッジからの香気を広い範囲に拡散させたり、より遠くまで運ばせたりするためには、マイクロブロア184による空気だけでは足りないという問題がある。この問題を解決するために、マイクロブロア184をより大きなファンに交換することも考えられるが、ファンを使用する場合には、マイクロブロア184のように静かに、ある程度の流量で空気の流れを生成することが逆に難しくなる。
[0048]
 そこでこの本発明の第1の実施の形態では、ファンを持ち、香りディスプレイ50を囲むようにして、香りディスプレイ50からの香気を遠くまで広げたり、香気をすばやく消散させたりするためのブースタを用いる。
[0049]
 図5に、この発明の第1の実施の形態に係るブースタ300の外観を示し、図6にその分解斜視図を示す。図7はこのブースタ300の図5における7-7方向における矢視断面図である。図8は、図7に示すブースタ300の上部ケースの8-8方向の矢視図である。
[0050]
 図5~図8を参照して、ブースタ300は、内部に香りディスプレイ50を収容する、所定の中心軸を持つ断面が円形の筒状の筐体310を持つ。筐体310は、ファン326を内部に備え、香りディスプレイ50の下部を収容する収容部336を持つ下部ケース320と、下部ケース320の上部に組付けられ、香りディスプレイ50の上部を収容する収容部338を持つ上部ケース322と、上部ケース322の上部に取り付けられ、断面形状が円形であり、その円の直径が上部ケース322から離れるにしたがって小さくなるような、円錐台の形状を持つキャップ324とを含む。キャップ324の上面および下面は開口となっている。キャップ324のこの形状は、後述するようにファン326により生成される空気流を上部ケース322の上部で絞り、空気の流れを早める機能を実現するためのものである。
[0051]
 下部ケース320の内部には、収容部336を規定し、香りディスプレイ50の側面を保持するための、断面が六角形状の仕切部材332が設けられている。仕切部材332は、その六角形状の角部の下半分と下部ケース320の内面とを連結する部材340により下部ケース320の内部に固定されている。図8により明らかなように、香りディスプレイ50と筐体310とはいずれも中心軸を持ち、仕切部材332は、香りディスプレイ50の中心軸が筐体310の中心軸と平行で重なるように香りディスプレイ50を保持する。
[0052]
 下部ケース320の外周の一部には制御基板330を収容する基板収容部328が形成されている。図7に示すように、仕切部材332は、香りディスプレイ50がちょうど収容され固定されるような形状および大きさの上下に開口した筒状部350と、筒状部350の下部の開口から下方に向かって伸びるように設けられ、上下が開口した円錐台状を持ち、ファン326からの空気の流れを筒状部350の内部と外部とに区分けするための区画部材352とを含む。区画部材352は外側面530および内側面532を持ち、下部に開口354を持つ。仕切部材332の断面形状は、香りディスプレイ50が仕切部材332の内部にちょうど収まるような大きさおよび形状になっている。区画部材352の内径は下に行くにしたがって小さくなっているため、香りディスプレイ50は筒状部350の下端と区画部材352の上端との境界で区画部材352により支えられて筐体310の内部で固定される。このとき、香りディスプレイ50の中心軸と筐体310の中心軸とは重なっている。
[0053]
 上部ケース322も、収容部338を規定する仕切部材334を持つ。図7および図8を参照して、仕切部材334は、断面が香りディスプレイ50の筐体が収まるような六角形状を持つ。上部ケース322の高さは、図7に示すように、香りディスプレイ50が筐体310内に収容された際に、香りディスプレイ50の頂部の位置が仕切部材332の上端とほぼ同じ高さとなるように選ばれている。仕切部材334の六角形の各頂点に相当する辺の上端付近は、部材340により上部ケース322の内面と接続されている。特に図8により示されるように、仕切部材334の外面と上部ケース322の内面との間には後述する空気の流通路384が形成される。
[0054]
 下部ケース320は、空気を取り入れるための複数の給気口358、…、360を持つ底板356を持つ。底板356の上には、ファン326が取り付けられている。ファン326は、底板356に形成された給気口358、…、360から空気を取入れ、筐体310内で香りディスプレイ50の方向に向けて空気流を生成するようにされている。この実施の形態ではファン326は開口354の内径よりも大きなファン径を持っている。区画部材352の下端とファン326の上端との間には多少の空間が形成されている。ファン326はこの実施の形態では直流電流により駆動されるモータで動作し、その最大風量は、香りディスプレイ50の空気噴射機構を構成しているマイクロブロア184の最大風量と比較して大きい。ファン326を採用する目的は、香りディスプレイ50が噴射した香りを遠くまで運んだり、ブースタ300の周囲のかなり広い範囲に残っている香りをすばやく消散させたりすることである。したがってファン326の最大風量はマイクロブロア184よりはるかに大きいことが望ましい。例えばファン326の最大風量はマイクロブロア184の最大風量の5倍以上、より好ましくは10倍以上、さらに好ましくは50倍以上あれば好ましい。もちろんファン326の風量自体は制御できることが望ましい。ファン326があまりに大型になるとブースタ300を携帯することが難しくなるので、ファン326の大きさには自ら制限がある。なお、ファン326はブースタ300の内部に設けられるので、その動作音を小さくおさえることができる。
[0055]
 特に図7を参照して、以上のような構成を持つブースタ300では、筐体310の内部が、仕切部材332および仕切部材334により、香りディスプレイ50を保持する内部の空間380とその外部で香りディスプレイ50の周囲に形成された環状の空間である空気の流通路382および384とに区分され、キャップ324の部分で合流している。香りディスプレイ50の底部にも複数の開口が設けられており、香りディスプレイ50のマイクロブロア184等は空間380から空気を取り入れ、香りカートリッジからの香りの噴出に使用する。空気の流通路382は区画部材352の外側面と下部ケース320の内側面とにより形成される。空気の流通路384は空気の流通路382のさらに下流側の流通路であり、図7と図8とにより示されるように、仕切部材334の外側面と上部ケース322の内側面とにより形成される。空気の流通路382および空気の流通路384の断面積は、香りディスプレイ50の周囲で小さくなっており、この部分で空気の流れが加速される。
[0056]
 なお、キャップ324は上部ケース322に対して着脱自在である。キャップ324を上部ケース322から取り外せば香りディスプレイ50をブースタ300から取り外すことができる。香りディスプレイ50をブースタ300に取り付ける場合にはその逆の手順を踏めばよい。さらに上部ケース322を下部ケース320から取り外せるようにすれば、香りディスプレイ50の着脱がさらに容易になる。
[0057]
 制御基板330は、図示しないケーブルにより香りディスプレイ50のコネクタ66およびファン326と接続されており、電源を香りディスプレイ50およびブースタ300内の各電子部品に供給する。制御基板330はさらに、外部からの制御信号にしたがってファン326を駆動する。この実施の形態では、香りディスプレイ50が無線通信機能を持ち、この無線通信機能を用いて香りディスプレイ50が外部の制御装置と直接通信する。ただし、この発明はそのような実施の形態には限定されない。制御基板330がコネクタ66を介して香りディスプレイ50の内部に制御信号を送信したり、香りディスプレイ50の出力信号を外部の制御装置に中継したりしてもよい。
[0058]
 <動作>
 上記した香りディスプレイ50およびブースタ300は以下のように動作する。
[0059]
 最初に、ユーザは、香りディスプレイ50に必要な香りカートリッジを装填する。ユーザは、ブースタ300からキャップ324を取り外し、筐体310の内部に香りディスプレイ50を装填する。このときのブースタ300の断面図が図7である。
[0060]
 例えばパソコンで映画を再生しているときに、その映画と同期して、特定の場面で特定の識別子の香りを特定の時間だけ噴射するためのシナリオがあれば、パソコンは、そのシナリオを読込み、そのシナリオを、映画の再生に同期するよう再生する。すなわち、パソコンは、シナリオにより指定されたタイミングで、指定された識別子の香りカートリッジから香りを噴出させるよう、香りディスプレイ50の無線通信装置にコマンドを送信する。このコマンドを受信した無線通信装置は、指定された香りが装填されたカートリッジ収容部のマイクロブロア234に、指定されたタイミングで指定された長さだけ交番電圧を加える。その結果、香りディスプレイ50からは、シナリオにより指定されたタイミングで、指定された香りが指定された時間だけ噴射される。
[0061]
 このとき、この香りの噴射と同時に香りディスプレイ50の内部のマイクロブロア184を動作させるか、筐体310の内部にあるファン326を動作させるかを指定できる。マイクロブロア184を動作させるときには、香りを含まない空気が図1、図3に示す開口68から香りディスプレイ50の外部に噴射される。香りカートリッジからの香りがこの空気の流れとともにブースタ300のキャップ324から外部に流れ出る。その結果、ユーザはその香りを感ずることができる。ただしこの場合、マイクロブロア184により発生される空気の流れは弱く、それほど遠くまで届かない。したがって、ブースタ300のすぐ近くのみでこの香りを感ずることができる。
[0062]
 一方、マイクロブロア184ではなくファン326を動作させた場合のブースタ300内の空気の流れを図9に示す。図9において、ファン326により生成された空気の流れを白抜きの矢印で示し、香りディスプレイ50の噴射する香りを含んだ空気の流れを斜線が付された矢印で示す。図9を参照して、ファン326の吸気により、底板356に形成された給気口358、…、360を通じて筐体310内部に空気が導入される。区画部材352の内部は香りディスプレイ50により塞がれているため、ファン326が発生する空気の流れは、環状の空気の流通路382に向かう。この空気の流れは香りディスプレイ50の周囲の部分を空気の流通路382、384を通って加速され、キャップ324内に送り込まれる。香りディスプレイ50の先端から噴射される香りは、この流通路382、384を経由してくる空気の流れにより、マイクロブロア184によるときと比較して遥かに大きな速度で筐体310から噴射され、遠くまで届くことになる。
[0063]
 筐体310から噴射された香りを消散させるときには、香りディスプレイ50から香りを噴射させない点を除き、上記した香りを噴射するときの各部の動きと同様である。ファン326を用いて香りを含まない空気をブースタ300の外部に噴射することで、ブースタ300の近傍にある香りだけでなく、かなり遠くに存在している香りも瞬く間に消散し、香りが残ることはない。このように香りを強力の消散させることができるので、次の香りを発生させる際に、香りが混ざってしまう危険性を低くできる。
[0064]
 なお、マイクロブロア184を用いた場合には、空気の流れが小さいので、ブースタ300のごく近傍においてのみ香りを消散させることができる。
[0065]
 以上のようにこの実施の形態によれば、ファン326を用いると、香りディスプレイ50が発生した香りを遠くまで届けたり広げたりできる。また、広い範囲にわたり、高速で香りを消散させることができる。さらに、香りを含まない空気のみを遠くまで届けることもできる。その結果、広い領域にわたり香りを噴射させることができ、さらに香りの切替時にも香りが混ざることを防止できる。
[0066]
 一方、デスクトップでパソコンとともに個人的に香りディスプレイ50およびブースタ300を使用するときには、ファン326を使用する必要はない。マイクロブロア184を用いることで十分に個人的に香りを伴うプログラムを楽しむことができる。
[0067]
 また、この実施の形態では香りディスプレイ50をブースタ300に装填したり外したりすることが自由に行える。そのため、例えば異なる香りカートリッジを装填した複数の香りディスプレイ50を入れ替えて使用することが簡単に行える。さらに、香りディスプレイ50をブースタ300から取り出して香りディスプレイ50のみで使用することも可能である。
[0068]
 [第2の実施の形態]
 <構成>
 上記した第1の実施の形態に係る香りディスプレイ50により、従来の香りディスプレイと比較してより広い範囲に香りを噴射したり、香りを消散させたりすることが可能になる。その結果、香りディスプレイ50の用途を個人的なものから多人数向けのより一般的なものに広げることができる。しかし、ユーザに香りを実感させるためにはさらに改良の余地がある。
[0069]
 実際の生活の場面での香りの感じ方は、単に嗅覚によるものだけではない。多くの場合、香りは温度とともに感じられる。例えばコーヒーを味わう場合、コーヒーの香りは暖かさを伴う。逆に、朝の草原または森の空気の場合には、草木の香りとともに冷たさが感じられる。
[0070]
 この第2の実施の形態は、単に香りを噴射するだけではなく、香りを提示する場面にあわせて香りを含む空気を加熱または冷却する機能を持つ。
[0071]
 図10にこの第2の実施の形態に係る香りディスプレイのブースタ400の外観を示す。図11はブースタ400の分解斜視図である。図12は図10の12-12方向の矢視断面図である。図10~図12を参照して、このブースタ400は、第1の実施の形態の筐体310の外観と異なる筐体410を含む。筐体410は、ファン326を内部に備え、香りディスプレイ50の下部を収容する収容部を持ち、周囲に基板収容部328に加えて3ヶ所の熱変換部420、422および424(図10では熱変換部424は図示せず)を持つ下部ケース430と、下部ケース430の上部に組付けられた上部ケース322と、上部ケース322の上部に取り付けられたキャップ324とを含む。
[0072]
 3ヶ所の熱変換部420、422および424はいずれも同じ構造を持つ。図12を参照して、例えば熱変換部422は、下部ケース320の側面に形成された開口部510に、区画部材352の外側の空気の流通路382に吸熱(放熱)側の面が面するように設けられた、ペルチェ素子を含む板状のペルチェモジュール491と、ペルチェモジュール491の放熱(吸熱)側の面に取り付けられたヒートシンク492と、開口部510の上部に形成され、ヒートシンク492の上面を覆うひさし状に張り出した張出部490とを含む。熱変換部420も同様に張出部480、ペルチェモジュール481およびヒートシンク482を含む。熱変換部424も張出部500、ペルチェモジュール501およびヒートシンク502を含む。
[0073]
 周知のように、ペルチェモジュール491は板状の半導体素子であって、所定の方向の直流電流を通すと、吸熱側の面ではその面に接する物体を冷却し、放熱側の面に熱を放出する。電流の方向を逆転させると吸熱面と放熱面とが交代する。すなわちペルチェモジュール491は、熱交換を行なう機能を持つ。ペルチェモジュール491の横幅は開口部510の横幅とほぼ等しく、ペルチェモジュール491の上縁は開口部510の上部の縁に、空気がもれないように接している。ペルチェモジュール491は、その下縁が下部ケース320の側面より内側に位置するように下部ケース320に取り付けられる。したがって、ファン326により生成された空気の流れは、ペルチェモジュール491によりその両側に分岐される。
[0074]
 上部ケース322の内部には、空気の流通路384を通過する空気を加熱するための加熱部460が設けられる。加熱部460は、上部ケース322の内面に接するように設けられる筒状の外側断熱材472と、筒状部350の外側面に接するように設けられた筒状の内側断熱材474と、外側断熱材472および内側断熱材474の間に、内側断熱材474を複数回巻回するように設けられたニクロム線470とを含む。周知のように、ニクロム線470は、電流を通すことにより発熱する。なお、内側断熱材474は流通路384内の加熱又は冷却された空気の熱から香りディスプレイ50内の香源を保護するためのものである。香源の発香特性は、加熱又は冷却されると変化してしまう。そのためこのように内側断熱材474を設ける。なお、この内側断熱材474は、少なくとも香りディスプレイの香源がある部分を加熱・冷却から保護するような位置及び範囲に設ければよい。
[0075]
 基板収容部328の内部には、第1の実施の形態の制御基板330に替えて、制御基板330の機能に加えてペルチェモジュール491およびニクロム線470の制御も行う機能を持つ制御基板462が設けられている。
[0076]
 その他の点ではこのブースタ400は第1の実施の形態のブースタ300と同様の構造を持つ。なお、ペルチェモジュール491は、電流の通電方向を逆転させると、放熱面と冷却面とが入れ替わる。したがって、ニクロム線を用いて空気を加熱する代わりに、ペルチェモジュールへの通電方向を変更することによって、空気を加熱するようにブースタ400を構成することもできる。この場合にはニクロム線470はなくてもよい。さらに、ペルチェモジュール491とニクロム線470との双方を利用し、ペルチェモジュール491で空気を予熱してニクロム線470で追加加熱することもできる。こうした動きは、ブースタ400に外部から与える信号または電流を制御することで実現できる。
[0077]
 <動作>
 ブースタ400の動作は、基本的に第1の実施の形態に係るブースタ300と同様である。ブースタ400がブースタ300と異なるのは、外部からの制御信号に応答して、ファン326により生成され空気の流通路382および空気の流通路384を通る空気を、加熱または冷却する能力を持つ点である。
[0078]
 図13に、ブースタ400を動作させたときの空気の流れを示す。図13において、ファン326により生成された空気の流れを白抜きの矢印で示し、香りディスプレイ50の噴射する香りを含んだ空気の流れを斜線の矢印で示す。図14には、図13の参照符号14で示す部分を拡大して示す。基本的にブースタ400における空気の流れは第1の実施の形態に係るブースタ300の場合と同様である。異なるのは、空気の流通路382および空気の流通路384を通る空気を冷却または加熱できることである。
[0079]
 特に図14を参照して、ファン326の発生した空気の流れの一部は区画部材352とペルチェモジュール491の吸熱面562の間の空気の流通路382内を流れる空気流550となる。空気流550は吸熱面562により熱が奪われ、冷却される。またファン326の発生した空気の流れの他の一部は、ペルチェモジュール491により空気流550と分岐したペルチェモジュール491の放熱面560側に導かれて空気流552となり、放熱面560から熱を奪いながらヒートシンク492を通過してヒートシンク492の開口部から外部に放出される。
[0080]
 例えばファン326を駆動しながらペルチェモジュール491に直流電流を通すことで、空気の流通路382および空気の流通路384を通る空気を冷却し、香りディスプレイ50から噴射される香りを冷たい空気で搬送し、周囲に放散させることができる。パソコン画面に朝の山の清々しい場面を表示するときに、清々しさを表す香りとともに冷たい空気を放散させることで、朝の山の雰囲気をユーザに臨場感をもって実感させることができる。このとき、ファン326からの空気流の一部はペルチェモジュール491によりヒートシンク492側に導かれ、ヒートシンク492を介して放熱面560から熱を奪って周囲に放出し、ペルチェモジュール491を効率的に動作させる。
[0081]
 また、ペルチェモジュール491に電流を通さず、ニクロム線470に電流を通すことで、空気の流通路382および空気の流通路384を通る空気を熱することができる。例えば、前述のようにパソコンでコーヒーを入れる場面を表示する場合、ニクロム線470に電流を通して空気を加熱し、香りディスプレイ50から噴射されるコーヒーの香りを加熱した空気で周囲に放散させる。この結果、コーヒーの香りが暖かな空気とともに周囲に広がり、コーヒーを味わう雰囲気をユーザにより臨場感をもって実感させることができる。
[0082]
 以上のようにこの実施の形態に係るブースタ400によれば、単に香りを周囲に放散したり、任意のときに香りを消散させたり、香りを切替えたりできるだけではなく、香りを搬送する空気の温度を香りにあわせて調整できる。その結果、香りを用いたコミュニケーションの効果をより大きくできる。なお、ニクロム線470だけでは十分な加熱が難しいときには、ペルチェモジュール491に印加する電流を逆転させて流通路384を通る空気を予熱することでより加熱効果を高めることができる。また、ペルチェモジュール491が十分な加熱および冷却能力を備えている場合には、ニクロム線470を省略することも可能である。
[0083]
 以上、この発明を実施の形態に基づいて説明したが、この発明は上記した実施の形態には限定されない。例えば、上記した実施の形態では、香りディスプレイ50の断面形状はほぼ正六角形であり、内部に収容可能な香りカートリッジの数は6個である。しかし香りディスプレイ50の断面形状が正六角形に限定されないことはもちろんである。香りディスプレイ50の断面形状は内部に収容される香りカートリッジの数とは独立に決めることができるし、収容される香りカートリッジの数と一致する角部を持つ形状でもよい。
[0084]
 さらに、上記実施の形態では、香りディスプレイ50はブースタ300またはブースタ400に対して着脱可能である。このような仕組みを採用したことにより、香りディスプレイ50をブースタ300またはブースタ400から取り外して単独で使用することもできる。単独で香りディスプレイ50を使用したときには、従来と同様、デスクトップにおいてパーソナルな使い方ができる。しかしこの発明はそのような実施の形態には限定されない。商業的には、香りディスプレイ50とブースタ300またはブースタ400を別々に販売することもできるし、香りディスプレイ50とブースタ300またはブースタ400とをセットにして販売することもできる。セットで販売する場合でも、香りディスプレイ50とブースタ300またはブースタ400を別々にしてパッケージすることもできるし、香りディスプレイ50をブースタ300またはブースタ400の内部にセットした形でパッケージすることもできる。
[0085]
 さらに、第2の実施の形態では、加熱部と熱変換部との双方を採用している。しかしこの発明はそのような実施の形態には限定されない。加熱部のみ、または熱変換部のみをブースタに設けるようにしてもよい。加熱部および熱変換部の位置およびその個数も上記した第2の実施の形態のブースタ400には限定されない。両者の位置が入れ替わってもよい。
[0086]
 [第3の実施の形態]
 <構成>
 上記した第2の実施の形態に係る香りディスプレイのブースタ600により、従来の香りディスプレイと比較してより広い範囲に香りを噴射したり、香りを消散させたりすることが可能になるだけでなく、香りによりさらに生活の場面に実感をもたせることができ、香りを用いたコミュニケーションの効果がより大きくなる。しかし、このような効果を実現するための構成は、第2の実施の形態に示した構成には限定されない。以下に説明する第3の実施の形態は、第2の実施の形態のブースタ600と同様の効果を異なる構成で実現するものである。
[0087]
 図15にこの第3の実施の形態に係る香りディスプレイのブースタ600の外観を示す。図16はブースタ600の分解斜視図である。図17は図15の17-17方向の矢視断面図である。図15~図17を参照して、このブースタ600は、第1の実施の形態のブースタ300の筐体310とは異なる外観の筐体610を含む。筐体610は、第2の実施の形態において使用された大きなファン326ではなく、小型ファン640、642、644、646、…、648(図16を参照)を内部に備え、香りディスプレイ50の下部を収容する下部ケース620と、下部ケース620の上部に組付けられた上部ケース322と、上部ケース322の上部に取り付けられたキャップ324とを含む。
[0088]
 この実施の形態では、小型ファン640等の6個の小型ファンが、下部ケース620の内周に沿って仕切部材652及び仕切部材650によって形成された6個の空間にそれぞれ配置される。下部ケース620の、これら小型ファン640、…、648に対応する部分には、小型ファン640に対応する部分を除き、下方に開口する空気を取り入れるための給気口622、624、626、…が形成されている。
[0089]
 図16を参照して、この実施の形態では小型ファン640、642、…、648は各香りカートリッジに対応する形で設けられている。しかし、小型ファン640等の数は任意であり、香りカートリッジの数と一致させる必要はない。小型ファン640等は、下部ケース620の内周に沿って等間隔で設けられることが望ましいが、そうでなくともよい。
[0090]
 図17を参照して、上部ケース322の内部には、第2の実施の形態における仕切部材334(図7参照)と同様の仕切部材632が設けられ、上部ケース322の内部を香りディスプレイ50が収容される部分と空気の流通路684とに区画している。
[0091]
 下部ケース620の内部も、第2の実施の形態における仕切部材652と同様の仕切部材690により、香りディスプレイ50が収容される部分及びその下部の空間680と、空気の流通路682とに区画している。仕切部材690は、図7に示す仕切部材332と同様、筒状部692と香りディスプレイ50の下部空間を空気の流通路682及び香りディスプレイ50の下部の空間680とに区画する区画部材694とからなる。仕切部材632と筒状部692とは同径であり、空気の流通路682と空気の流通路684とは連続して一つの空気の流通路を形成している。この空気の流通路682の上部はキャップ324の内部空間につながっている。
[0092]
 上部ケース322の内部には、第2の実施の形態と同様、空気の流通路684を通過する空気を加熱するための加熱部634が設けられる。加熱部634は、上部ケース322の内面に接するように設けられる筒状の外側断熱材636と、仕切部材632の外側面に接するように設けられた筒状の内側断熱材638と、外側断熱材636および内側断熱材638の間に、内側断熱材638を複数回巻回するように設けられたニクロム線470とを含む。
[0093]
 基板収容部328の内部には、第2の実施の形態の制御基板462に替えて、第1の実施の形態に係る制御基板330の機能に加えて小型ファン640、642、…、648及びニクロム線470の制御も行う機能を持つ制御基板630が設けられている。制御基板630には、外部接続用のUSBコネクタ670が設けられている。
[0094]
 その他の点ではこのブースタ600は第1の実施の形態のブースタ300と同様の構造を持つ。
[0095]
 <動作>
 ブースタ600の動作は、基本的に第1の実施の形態に係るブースタ300と同様である。ブースタ600がブースタ300と異なるのは、外部からの制御信号に応答して、小型ファン640、642、644、…等が給気口622、624、626、…から外気を取り入れ、空気の流れを生成して空気の流通路684に送り込む点である。
[0096]
 ブースタ600を動作させたときの空気の流れは、概略で図9に示すものと同様であり、小型ファン640、642、644、…等が給気口622、624、626、…から外気を取り入れて空気の流れを起こす点だけが異なる。またこの実施の形態では、第2の実施の形態と同様、空気の流通路684を通る空気を加熱できることも図9に示すものとの相違である。
[0097]
 以上のようにこの実施の形態に係るブースタ600によれば、単に香りを周囲に放散したり、任意のときに香りを消散させたり、香りを切替えたりできるだけではなく、香りを搬送する空気の温度を香りにあわせ加熱できる。その結果、香りを用いたコミュニケーションの効果をより大きくできる。
[0098]
 今回開示された実施の形態は単に例示であって、この発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。この発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。

産業上の利用可能性

[0099]
 この香りディスプレイのブースタは、香りを用いた広告、香水などの香りに関する商品のプロモーション、映画館、映画の再生装置、テレビジョンなどの放送の受信装置、プラネタリウム会場、及び学校などにおける香りを用いたプレゼンテーション、嗅覚障害の治療などの医療分野、アロマテラピスト又は調香師に対する香り教材の提供、幼児又は香りに疎い人への香り認知力の向上等の教育分野、並びに心地よい睡眠へのいざない及び快適な目覚めを得るための睡眠環境ツール等、広い分野の産業に利用できる。

符号の説明

[0100]
50 香りディスプレイ
60、310、410、610 筐体
64 開口領域
66 コネクタ
68、158、184,260、354 開口
82 ベースパネル
84 ベース筐体
86 中間筐体
88 上部筐体
90 上部パネル
92 ネジ穴
94 フィルタ
102 NFCチップステージ
110、112、114、116、118、120 カートリッジ収容部
130、132、134、136、138、140 香りカートリッジ
164 NFCタグ
182 NFCチップ
184 マイクロブロア
250 ケース
252 ブロア室
256 流通孔
258 仕切板
262 ダイアフラム
264 圧電素子
266 取入れ口
270 ノズル
300、400、600 ブースタ
320、430、620 下部ケース
322 上部ケース
324 キャップ
326 ファン
328 基板収容部
330、462、630 制御基板
332、334、632,690 仕切部材
336、338 収容部
350、692 筒状部
352、694 区画部材
356 底板
358、360、622、624、626 給気口
380、680 空間
382、384、682、684 空気の流通路
420、422、424 熱変換部
460、634 加熱部
470 ニクロム線
472、636 外側断熱材
474、638 内側断熱材
480、490、500 張出部
481、491、501 ペルチェモジュール
482、492、502 ヒートシンク
510 開口部
530 外側面
532 内側面
550 空気流
560 放熱面
562 吸熱面
640 小型ファン
670 USBコネクタ

請求の範囲

[請求項1]
香りディスプレイの香り噴射能力を増強するブースタ装置であって、前記香りディスプレイは、第1の面および第2の面ならびに側面を有する柱状の形状を持ち、前記第1の面には香りを噴射する噴射口が設けられ、かつ前記香りディスプレイ内には、前記香りを前記香りディスプレイ外に噴射するための、発生する最大風量が一定値以下の風力源が設けられており、
 前記ブースタ装置は、
 前記香りディスプレイを着脱可能に内部に収容する筐体と、
 前記筐体内に設けられた、発生する最大風量が前記一定値より大きなファンとを含み、
 前記筐体は、空気を取り入れるための給気口を持つ底面と、開口を持つキャップとを持つ筒状の外部筐体と、前記香りディスプレイの前記噴射口が前記開口に向くように当該筐体内に前記香りディスプレイを保持する保持部材とを含み、
 当該保持部材は、前記外部筐体と前記香りディスプレイとの間に、空気流通路が形成されるように前記香りディスプレイを保持し、
 前記ファンは、前記空気流通路に向けて空気を吐き出すよう前記筐体内に配置され、
 前記キャップは、前記外部筐体の、前記香りディスプレイの前記第1の面側の端部に設けられた、前記ファンにより形成された空気の流れを絞る絞り部材を含む、香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項2]
前記香りディスプレイおよび前記外部筐体の双方はいずれも中心軸を持ち、前記保持部材は、前記香りディスプレイおよび前記外部筐体の中心軸が平行になるように前記香りディスプレイを保持する、請求項1に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項3]
前記保持部材は、前記香りディスプレイの前記中心軸が前記外部筐体の前記中心軸と重なるように前記香りディスプレイを保持する、請求項2に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項4]
さらに、前記空気流通路内に設けられ、前記空気流通路内を通過する空気を加熱する加熱手段を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項5]
さらに、前記外部筐体に設けられ、前記空気流通路を通過する空気と前記外部筐体外の空気との間で熱交換を行なう熱交換手段を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項6]
前記熱交換手段は、前記空気流通路を通過する空気の持つ熱を前記外部筐体外に排出して前記空気流通路を通過する空気を冷却するように設けられる、請求項5に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項7]
前記熱交換手段は、前記外部筐体外の空気の持つ熱を前記外部筐体内に導入して前記空気流通路を通過する空気を加熱するように設けられる、請求項5に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項8]
前記外部筐体の側面には、開口部が形成され、
 前記熱交換手段は、
 それぞれ熱交換の対象物と接する第1の面および第2の面を持つペルチェモジュールを含み、
 当該ペルチェモジュールは、前記第1の面は前記空気流通路側を向き、前記第2の面は前記外部筐体の外部に向くように、前記開口部に取り付けられる、請求項5に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項9]
前記ペルチェモジュールの前記第2の面に形成されたヒートシンクをさらに含み、
 前記ペルチェモジュールは、前記開口部の上部の縁と同じ長さの上縁を持ち、当該上縁は前記開口部の前記上部の前記縁に接し、
 前記ペルチェモジュールの下端の辺は、当該ペルチェモジュールにより、前記ファンにより生成される空気の流れが前記空気流通路側と前記ヒートシンク側とに分割されるような位置に配置されている、請求項8に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項10]
さらに、前記空気流通路と前記香りディスプレイとの間に配置された断熱手段を含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項11]
前記断熱手段は、前記空気流通路と、前記香りディスプレイの少なくとも香り成分が保持されている部分との間に配置されている、請求項10に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項12]
複数個の前記ファンを含み、当該複数個の前記ファンは、前記筐体のうち、前記香りディスプレイを囲む部分の内周に均等に配置される、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の香りディスプレイのブースタ装置。
[請求項13]
前記ファンは、前記筐体内の、前記筐体に収容された前記香りディスプレイの前記第2の面と前記筐体の前記底面との間に設けられている、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の香りディスプレイのブースタ装置。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]

[ 図 16]

[ 図 17]