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1. WO2020184288 - PROCÉDÉ ET SYSTÈME DE PRÉDICTION DE MORPHOLOGIE FACIALE DANS UNE EXPRESSION FACIALE APRÈS TRAITEMENT

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明 細 書

発明の名称 治療後の表情表出時の顔面形態予測方法及びシステム

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020  

発明の効果

0021  

図面の簡単な説明

0022  

発明を実施するための形態

0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096  

符号の説明

0097  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15  

明 細 書

発明の名称 : 治療後の表情表出時の顔面形態予測方法及びシステム

技術分野

[0001]
 本発明は、患者の治療後の顔面形態を演算処理により予測するための方法及びシステムに関する。特に、矯正歯科治療後の笑顔等表情表出時の顔形態を定量的に高い精度で予測することが可能な方法及びシステムに関する。

背景技術

[0002]
 人の顔は、自己が社会的に受け入れられているという心理的充足を得る上で強い影響力を有している。また、顔の表情は、社会生活において、感情や思考の伝達を行う上の非言語コミュニケーション手段として重要な機能を果たすものである。それ故に現代の矯正歯科治療においては、社会心理学的な立場から、顔の軟組織の形態を改善することが重要な治療目的のひとつであると認識されている。
[0003]
 例えば、歯科医師が、不正咬合を有する患者の治療方針を決定する際、抜歯か非抜歯か、また外科手術が必要なのか或いはカムフラージュ治療(外科手術を伴わない治療)で済むのかなどの治療方針を的確に判断するためには、患者の三次元の顔形態を客観的に評価し、更には予後の顔形態の予測を行うことが不可欠となっている。
[0004]
 従来、矯正歯科治療後の顔変化の予測は、頭部X線規格写真(「セファログラム」又は単に「セファロ」ともいう。)に写し出された矯正前の患者の硬組織(歯骨格)と軟組織(筋肉及び皮膚)のプロファイルに基づいて行われている。例えば、モニターに表示した二次元のセファロ画像上で硬組織を移動させると、それに追従して軟組織も移動する等の画像処理表示を行うことで、治療後の側貌を可視化してシミュレーションできるソフトウエアが広く普及している。
[0005]
 例えば特許文献1には、顎変形患者の外科的矯正治療における患者の術前の正面位頭部X線規格写真及び通常顔写真から、術後の正面観における顔の見え方を予測する方法が開示されている。
[0006]
 しかし、従来のセファロを用いた予測アルゴリズムは、歯や顎骨などの硬組織と皮膚などの軟組織の移動量が単純な比例関係に立つという前提で構成されており、その比例定数も専門医師等の主観又は経験に基づき指定される。そのため、顔変化の予測結果には医療従事者間のバラツキがあり、定量的・客観的な意味において予測精度が保証された技術ではなかった。
[0007]
 そこで、発明者らは、これまで術者の主観的評価に依存していた顔面形態・機能評価の偏りを可能な限りなくすため、過去の多数の症例患者の計測情報を知識化し、治療後の顔面形態についての、より定量的で客観的な評価方法の研究及びその確立を試みてきた(例えば特許文献2参照)。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2014-171702号公報
特許文献2 : 国際公開第2017/069231号

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 発明者らは、同研究の予備的解析を通じて、安静時及び表情表出時における疾患固有の形態的な顔の歪み(容貌・表情表出障害)を有する症例が存在すること、そして、安静時及び笑顔表情表出時の三次元顔計測が、この歪みの検出に有効であるとの知見を得た。上記のように、矯正歯科治療においては、顔の表情改善が重要な治療目的のひとつであると認識されている。それにも関わらず、「良い笑顔」を作り出す治療計画かどうかについては、専門の歯科医師等といえども、その事前の予測及び検討が困難であるとの課題があった。
[0010]
 本発明は、患者の治療後の表情を考慮した顔面形態を定量的に予測することができる等の技術の提供を目的としている。

課題を解決するための手段

[0011]
 上述の課題を解決するため、本発明は、患者の治療後の表情表出時の顔面形態を、コンピュータ装置が実行する演算処理により予測する方法であって、前記演算処理が、治療を行った複数の患者(その治療を行った過去の患者を「症例患者」という。)から、三次元計測装置を使って取得した症例顔面形態データCFに基づいて、予め選択された複数の特徴変量を要素とする多次元の症例特徴ベクトルCVのセットを抽出するステップと、治療を検討している新たな患者(その新たな患者を「評価対象患者」という。)から、三次元計測装置を使って取得した患者顔面形態データPFに基づいて、前記複数の特徴変量を要素とする多次元の患者特徴ベクトルPVを抽出するステップと、複数の前記症例患者についての前記症例特徴ベクトルCVのセットのうちから、前記患者特徴ベクトルPVに近似する近似症例特徴ベクトルNCVを複数選択するステップと、選択された複数の前記近似症例特徴ベクトルNCVに対応する各症例患者(その選択された症例患者を「近似症例患者」という。)について、治療前の安静時に三次元計測装置を使って取得した治療前安静時症例顔面形態データに基づいて正規化した治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-preを演算するステップと、前記各近似症例患者について、治療後の表情表出時に三次元計測装置を使って取得した治療後表情表出時症例顔面形態データに基づいて正規化した治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postを演算するステップと、前記治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-preのベクトル平均を演算して治療前近似症例ベクトル平均NCSpreを得るステップと、前記治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postのベクトル平均を演算して治療後近似症例ベクトル平均NCSpostを得るステップと、前記治療後近似症例ベクトル平均NCSpostから前記治療前近似症例ベクトル平均NCSpreを差し引いた近似症例ベクトル平均差分NCSpost-preを演算するステップと、前記評価対象患者の前記患者顔面形態データPFに基づいて正規化した、安静時患者顔面形態モデルPFMrを演算するステップと、前記安静時患者顔面形態モデルPFMrに、前記近似症例ベクトル平均差分NCSpost-preを加味することで、当該評価対象患者の治療後に予測される、表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdを演算するステップとを含む、治療後の表情表出時の顔面形態予測方法である。
[0012]
 顔面形態予測方法において、前記各症例患者についての前記症例顔面形態データCFが、当該症例患者の治療前安静時症例顔面形態データCFr-preと、治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preとを含み、前記症例特徴ベクトルCVが、前記治療前安静時症例顔面形態データCFr-pre及び前記治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preの変化量である治療前症例形態変化量CDpreに基づいて抽出され、前記評価対象患者についての前記患者顔面形態データPFが、当該評価対象患者の安静時患者顔面形態データPFrと、表情表出時患者顔面形態データPFsとを含み、前記患者特徴ベクトルPVが、前記安静時患者顔面形態データPFr及び前記表情表出時患者顔面形態データPFsの変化量である患者形態変化量PDに基づいて抽出されることが好ましい。
[0013]
 また、顔面形態予測方法において、前記演算処理が、前記評価対象患者の歯を含む硬組織を撮影した画像データに基づいて、正規化した矯正前硬組織形態モデルHMpreを演算するステップと、前記矯正前硬組織形態モデルHMpreに基づいて当該評価対象患者の矯正後硬組織形態モデルHMpostを予測するステップと、前記表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdに前記矯正後硬組織形態モデルHMpostを組み入れて表示するステップとを更に含むことが好ましい。
[0014]
 また、顔面形態予測方法において、前記近似症例特徴ベクトルNCVが、前記患者特徴ベクトルPVとの距離が近い順に所定症例数選択されることが好ましい。
[0015]
 また、顔面形態予測方法において、前記演算処理が、前記症例特徴ベクトルCVに対しクラスタリング処理を行うことで複数の症例クラスに分類するステップと、前記各症例クラスについてクラスタ重心Gをそれぞれ演算するステップとを含み、分類された前記各症例クラスについての前記クラスタ重心Gのそれぞれのうち、前記患者特徴ベクトルPVとの距離が最も近いクラスタ重心を有する症例クラスに属する症例特徴ベクトルCVが、前記近似症例特徴ベクトルNCVとして選択されてもよい。
[0016]
 また、本発明は、患者の治療後の表情表出時の顔面形態を予測するシステムであって、コンピュータ装置の演算処理により実現される、特徴ベクトル抽出手段と、近似症例選択手段と、予測モデル演算手段とを少なくとも含み、前記特徴ベクトル抽出手段が、治療を行った複数の患者(その治療を行った過去の患者を「症例患者」という。)から、三次元計測装置を使って取得した症例顔面形態データCFに基づいて、予め選択された複数の特徴変量を要素とする多次元の症例特徴ベクトルCVのセットを抽出する処理と、治療を検討している新たな患者(その新たな患者を「評価対象患者」という。)から、三次元計測装置を使って取得した患者顔面形態データPFに基づいて、前記複数の特徴変量を要素とする多次元の患者特徴ベクトルPVを抽出する処理とを実行し、前記近似症例選択手段が、複数の前記症例患者についての前記症例特徴ベクトルCVのセットのうちから、前記患者特徴ベクトルPVに近似する近似症例特徴ベクトルNCVを複数選択する処理を実行し、前記予測モデル演算手段が、選択された複数の前記近似症例特徴ベクトルNCVに対応する各症例患者(その選択された症例患者を「近似症例患者」という。)について、治療前の安静時に三次元計測装置を使って取得した治療前安静時症例顔面形態データに基づいて正規化した治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-preを演算する処理と、前記各近似症例患者について、治療後の表情表出時に三次元計測装置を使って取得した治療後表情表出時症例顔面形態データに基づいて正規化した治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postを演算する処理と、前記治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-preのベクトル平均を演算して治療前近似症例ベクトル平均NCSpreを得る処理と、前記治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postのベクトル平均を演算して治療後近似症例ベクトル平均NCSpostを得る処理と、前記治療後近似症例ベクトル平均NCSpostから前記治療前近似症例ベクトル平均NCSpreを差し引いた近似症例ベクトル平均差分NCSpost-preを演算する処理と、前記評価対象患者の前記患者顔面形態データPFに基づいて正規化した、安静時患者顔面形態モデルPFMrを演算する処理と、前記安静時患者顔面形態モデルPFMrに、前記近似症例ベクトル平均差分NCSpost-preを加味することで、当該評価対象患者の治療後に予測される、表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdを演算する処理とを実行する、治療後の表情表出時の顔面形態予測システムである。
[0017]
 顔面形態予測システムは、前記各症例患者についての前記症例顔面形態データCFが、当該症例患者の治療前安静時症例顔面形態データCFr-preと、治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preとを含み、前記症例特徴ベクトルCVが、前記治療前安静時症例顔面形態データCFr-pre及び前記治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preの変化量である治療前症例形態変化量CDpreに基づいて抽出され、前記評価対象患者についての前記患者顔面形態データPFが、当該評価対象患者の安静時患者顔面形態データPFrと、表情表出時患者顔面形態データPFsとを含み、前記患者特徴ベクトルPVが、前記安静時患者顔面形態データPFr及び前記表情表出時患者顔面形態データPFsの変化量である患者形態変化量PDに基づいて抽出されることが好ましい。
[0018]
 また、顔面形態予測システムは、前記予測モデル演算手段が、前記評価対象患者の歯を含む硬組織を撮影した画像データに基づいて、正規化した矯正前硬組織形態モデルHMpreを演算する処理と、前記矯正前硬組織形態モデルHMpreに基づいて当該評価対象患者の矯正後硬組織形態モデルHMpostを予測する処理と、前記表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdに前記矯正後硬組織形態モデルHMpostを組み入れて表示する処理とを更に実行することが好ましい。
[0019]
 また、顔面形態予測システムは、前記近似症例特徴ベクトルNCVが、前記患者特徴ベクトルPVとの距離が近い順に所定症例数選択されることが好ましい。
[0020]
 また、顔面形態予測システムは、前記近似症例選択手段が、前記症例特徴ベクトルCVに対しクラスタリング処理を行うことで複数の症例クラスに分類する処理と、前記各症例クラスについてクラスタ重心Gをそれぞれ演算する処理とを実行し、分類された前記各症例クラスについての前記クラスタ重心Gのそれぞれのうち、前記患者特徴ベクトルPVとの距離が最も近いクラスタ重心を有する症例クラスに属する症例特徴ベクトルCVが、前記近似症例特徴ベクトルNCVとして選択されてもよい。

発明の効果

[0021]
 本発明によれば、患者の治療後の表情表出時の顔面形態を簡便かつ定量的に予測することができる。したがって、患者の表情を考慮した治療方針の適切な判断に貢献することができる。

図面の簡単な説明

[0022]
[図1] 顔面形態予測システムの概略構成を例示するブロック図である。
[図2] 症例顔面形態データCFを例示する図である。
[図3] 症例顔面形態モデルCFMを例示する図である。
[図4] 治療前の症例形態変化量CDpreを例示する図である。
[図5] 人間の正面の顔から選択される特徴パラメータを例示する図である。
[図6] 特徴パラメータの選択例を更に示す顔縦断面図である。
[図7] 特徴パラメータの選択例を更に示す顔横断面図である。
[図8] 特徴パラメータの選択例を更に示す顔横断面図である。
[図9] 症例顔面形態モデルCFMから抽出される症例形態特徴ベクトルCFVを例示する図である。
[図10] 症例形態変化量CDから抽出される症例形態変化量特徴ベクトルCDVを例示する図である。
[図11] 顔面形態予測方法の概要を説明するための図である。
[図12] 顔面形態予測方法の概要を例示するフローチャートである。
[図13] 本発明に係る予測モデル構築の実施例を説明するための図である。
[図14] 実施例3-1による予測モデル構築処理を示すフローチャートである。
[図15] 実施例3-2による予測モデル構築処理を示すフローチャートである。

発明を実施するための形態

[0023]
(顔面形態予測システムの概要説明)
 図1に矯正歯科治療後の顔面形態予測システムの概略構成を例示する。顔面形態予測システムにおいて、後述する各種処理手段は、主にコンピュータ装置10の演算処理により実現される。コンピュータ装置10には、大容量のデータベース20、入力装置30、出力装置40等が接続される。データベース20は、コンピュータ装置10に直接的に接続されるハードディスクや光ディスクの他、ネットワークを介してコンピュータ装置10からアクセス可能な例えば病院内のデータサーバやストレージであってもよい。また、データベース20は、広域ネットワーク上の例えばクラウドデータセンターに設けられるものでもよい。
[0024]
 データベース20には、後述するように、治療を行った複数の患者(その治療を行った過去の患者を「症例患者」という。)から測定したX線写真データや三次元の顔面形態データ等の一次データ、一次データに基づいて正規化した顔面形態モデル、特徴を抽出した多変数量である特徴ベクトル等の中間データ、そして評価データである予測顔面形態モデル等を含む症例データが記憶される。なお、データベース20等の症例データへのアクセス許可は、データの共有や使用が許された特定者(例えば担当医師)のみに制限されることが好ましい。
[0025]
 コンピュータ装置10は、データベース20に記憶した症例データを使用して、後述する顔面形態予測の演算処理を実行する。入力装置30は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等の、ヒューマンインターフェースと連携した操作入力装置を含む。また、入力装置30は、他のシステムで取得又は処理されたデータを、情報記憶媒体又はネットワークを介してコンピュータ装置10に入力できる機能を有する装置であってもよい。出力装置40は、例えば予測した顔面形態データやモデルを三次元的に可視化表示する画像ディスプレイを含む。また出力装置40は、データを他のシステムに提供できるようにするための情報記憶媒体の書き込み装置又はネットワークを介して外部に出力できる通信装置であってもよい。
[0026]
 また、顔面形態予測システムは、病院の検査室等で撮影された患者の顔写真データや三次元の顔面形態データが、データベース20を介して、又は直接的に、コンピュータ装置10に取り込まれるように構成されている。そのために、本システムは、デジタルカメラ61や、三次元計測装置62を備えている。三次元計測装置62は、患者の顔の全部又は咬合部などの所定部位を、三次元カメラ、三次元スキャナ又は三次元レーザプロファイラ等の一般的な光学式計測装置を用いることができる。これら患者の顔面形態データ等が、情報記憶媒体を介して入力装置30から入力されてもよいし、例えば病院のネットワークを介して本システムに入力されてもよい。
[0027]
 本実施形態の顔面形態予測システムは、患者の硬組織(歯骨格)を撮影するため、X線写真やセファロ画像のデータが、コンピュータ装置10及び/又はデータベース20に入力されてもよい。そのために、例えば病院のネットワークを介して、X線検査装置63が本システムに備えられてもよい。X線検査装置63は、上述のセファロ画像の他、患者の咬合部のパノラマX線写真、CT画像データ等を撮影可能な検査装置を含むものでもよい。
[0028]
(症例データの説明)
 データベース20に蓄積される「症例データ」について具体的に説明する。ここで、症例データは、一次データとして、複数人の症例患者の顔を、三次元計測装置62を使って計測した「症例顔面形態データCF」のセットCF(j=1,2,…,N)を含む。ここで、Nは症例患者数(すなわち症例数)を示す。
[0029]
 各症例患者についての症例顔面形態データCFは、詳細には、「治療前安静時症例顔面形態データCFr-pre」、「治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-pre」、「治療後安静時症例顔面形態データCFr-post」、「治療後表情表出時症例顔面形態データCFs-post」を含む。
[0030]
 図2に症例顔面形態データCFの例を示す。なお、本実施形態において、「表情非表出時」の顔とは、具体的には安静時の顔をいい、「表情表出時」の顔とは、具体的には笑顔表情表出時の顔をいうものとする。
[0031]
 治療前安静時症例顔面形態データCFr-preは、症例患者が治療前に表情を表出していない状態、すなわち安静時の顔を三次元計測した顔面形態データをいう。
 治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preは、症例患者が治療前に、例えば笑顔表情を表出した顔を三次元計測した顔面形態データをいう。
 治療後安静時症例顔面形態データCFr-postは、症例患者が治療後に表情を表出していない安静時の顔を三次元計測した顔面形態データをいう。
 治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-postは、症例患者が治療後に、例えば笑顔表情を表出した顔を三次元計測した顔面形態データをいう。
[0032]
 ところで、三次元の顔面形態データは、各患者の顔の大きさ等により取得されるデータ数が異なる。また撮影された患者の立ち位置などに応じて原点の位置も異なる。本実施形態の顔面形態予測システムでは、各患者の顔面形態の定量的な比較や統計学的処理を行えるようにするために、三次元顔面形態データを正規化した顔面形態モデルに変換する形態モデル化手段110を備えている。形態モデル化手段110は、例えば、患者の三次元顔面形態データから予め定めた解剖学的特徴点を抽出し、その特徴点を同一点数、同一位相幾何学構造のポリゴンに配置することで、正規化した三次元顔面形態モデルを構築する演算処理を行う。そのような手法で構築される形態モデルは、一般には「相同モデル」と呼ばれ、例えばAIST(産業技術総合研究所)が提供するHBM(Homologous Body Modeling)プログラムを利用することができる。
[0033]
 形態モデル化手段110は、各症例患者についての上述の症例顔面形態データCFを正規化して「症例顔面形態モデルCFM」を構築する処理を行う。図3に症例顔面形態モデルCFMの例を示す。
[0034]
 より詳細には、治療前安静時症例顔面形態データCFr-preを正規化したモデルデータを「治療前安静時症例顔面形態モデルCFMr-pre」と称し、治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preを正規化したモデルデータを「治療前表情表出時症例顔面形態モデルCFMs-pre」と称し、治療後安静時症例顔面形態データCFr-postを正規化したモデルデータを「治療後安静時症例顔面形態モデルCFMr-post」と称し、治療後表情表出時症例顔面形態データCFs-postを正規化したモデルデータを「治療後表情表出時症例顔面形態モデルCFMs-post」と称する。
 データベース20には、演算された症例患者N人に対応する症例顔面形態モデルCFMのセットCFM(j=1,2,…,N)が蓄積される。
[0035]
 症例データは、更に、症例患者N人分の「症例形態変化量CD」を含む。本実施形態において各症例患者についての症例形態変化量CDは、詳細には、「治療前症例形態変化量CDpre」と「治療後症例形態変化量CDpost」とを含む。
[0036]
 形態変化量演算手段120は、治療前安静時症例顔面形態モデルCFMr-pre及び治療前表情表出時症例顔面形態モデルCFMs-preの変化量を演算することにより「治療前症例形態変化量CDpre」を得る。また、形態変化量演算手段120は、治療後安静時症例顔面形態モデルCFMr-post及び治療後表情表出時症例顔面形態モデルCFMs-postの変化量を演算することにより「治療後症例形態変化量CDpost」を得る。図4に治療前の症例顔面形態モデルCFMr-pre、CFMs-preから症例形態変化量CDpreを得る例を示す。
[0037]
 すなわち「形態変化量」は、患者の安静時の顔から笑顔表出時の顔に変化する際の軟組織の変化量と方向の情報を含み、それらを三次元の画像データとして表示することができる。
[0038]
 そして、データベース20には、演算された症例患者N人に対応する治療前症例形態変化量CDpreのセットCDpre(j=1,2,…,N)と、治療後症例形態変化量CDpostのセットCDpost(j=1,2,…,N)が蓄積される。
[0039]
(知識ベースの説明)
 特徴ベクトル抽出手段130は、各症例患者についての症例顔面形態モデルCFMから、予め選択された複数の「特徴変量」(特徴パラメータの値)を要素とする多次元の「症例形態特徴ベクトルCFV」を抽出する処理を行う。
[0040]
 ここで、「特徴パラメータ」とは、人間の顔などの形態を特徴的に表す幾何学的パラメータであり、例えば専門医がその経験や知識に基づいて予め選択される。ここでは、特徴パラメータ及び特徴変量について、若干の説明を加える。
[0041]
 図5には人間の顔外形線において選択される特徴パラメータの例が示される。図5に示されるように、人間の顔には、その形態においていくつかの変曲点を認識することができる。そのような変曲点は、目や鼻などの境界線の角や、三次元的に最も突出した位置や、最も窪んだ位置などを選択することができる。本明細書では、そのような変曲点を「ランドマーク」と称し、特徴パラメータの定義に使用される。なお、ランドマークは、変曲点でなくても、2つの変曲点を結ぶ直線の中心点など幾何学的に定義できる点であれば特に制約はない。
[0042]
 なお、顔の外形線は次のように抽出することができる。先ず、顔の正面画像から顔面形態を測定するためにカスタマイズされた演算プログラムにより、三次元表面データの各ピクセルにおける面法線が計算される。また、顔表面の各座標についてz軸と顔の面法線とのなす角度も計算される。z軸と顔の面法線とのなす角度が例えば60度である各座標点が抽出され、それらの点を結ぶ線が顔の外形線として用いられる。顔の外形線を規定する前記角度は45度から90度の間の角度が好ましい。
[0043]
 特徴パラメータの一つの例はランドマーク間の距離である。図5に示される、例えば特徴パラメータv1は、目尻Ex間の距離(|Ex-Ex|)として定義される。また、v3のように、ランドマーク間を結ぶ線(例えば顔の最側端Zy´と顎の突点Gn)を結ぶ線)と、ランドマーク(例えば頬の突点Go´)との距離であってもよい。また、特徴パラメータの他の例は、ランドマークを結ぶ線の角度である。例えば特徴パラメータv4の角度は、顔の最側端Zy´、頬の突点Go´及び頬の位置関係で定まる。
[0044]
 なお、距離の特徴パラメータは無次元量であってもよい。例えば口角幅(|Ch-Ch|)を目尻間の距離(|Ex-Ex|)で正規化した幅(|Ch-Ch|/|Ex-Ex|)を特徴パラメータとして採用することができる。また、複数の平均値に対する偏差や平均に対する比を特徴パラメータとして考慮してもよい。
[0045]
 また、図6~8に示すように、人間の顔の特定部位を撮影した三次元データに基づく断面からも複数の特徴パラメータが選択される。これらの断面は、三次元の座標系を決定した後に、解剖学的計測点に基づくデータ処理により作成される。図6には、例として、目尻Exと口角点Chとを結ぶラインで被験者の顔を切断した場合のyz断面が示される。例えば、目尻Exを基点とする口角Chのz軸方向における角度(v7)、目尻Exを基点とする当該断面における頬の突点P(Ex-Ch)の角度(v8)、目尻Exと口角Chの外形曲線の長さ(v12)、前記外形曲線で閉じられる面積(v13)などが特徴パラメータとして選択できる。
[0046]
 図7には、追加的な例として、鼻下点Snを通る水平面で被験者の顔を切断した場合のxz断面が示される。同じく図8には、鼻の最突点Pmを通る水平面で被験者の顔を切断した場合のxz断面が例示される。これらの図に示されるように、様々な断面位置における顔の部位のz方向へ突出する量(v14、v18)、突点部の角度(v16、v20)、突出量(v17、v22、v23)、凹点部の角度(v21)などが特徴パラメータとして選択できる。顔面形態を特徴付ける断面は、図示はしないがこれら以外にも、例えば、眉間点Gla、鼻根点N、上唇点Ls、下唇点Li、オトガイ点Smを通る断面であってもよい。また、特定部位のz平均値に対する差分や比率を特徴パラメータに加えてもよい。
[0047]
 特徴ベクトル抽出手段130は、患者の三次元顔面形態データから、選択設定された複数の各特徴パラメータに対応する特徴変量を測定する処理を行う。特徴ベクトル抽出手段130は、測定したn個の特徴変量vをベクトル要素とするn次元の「特徴ベクトルV」を抽出する。
[数1]


[0048]
 上述したように、特徴ベクトル抽出手段130は、各症例患者についての治療前と治療後並びに安静時と笑顔表情表出時のそれぞれの症例顔面形態データCFに基づいて多次元の「症例形態特徴ベクトルCFV」を抽出する処理を行う。図9に、症例顔面形態モデルCFMから症例形態特徴ベクトルCFVを抽出する例を示す。
[0049]
 治療前安静時症例顔面形態データCFr-preに基づいて抽出された特徴ベクトルを「治療前安静時症例形態特徴ベクトルCFVr-pre」と称し、治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preに基づいて抽出された特徴ベクトルを「治療前表情表出時症例形態特徴ベクトルCFVs-pre」と称し、治療後安静時症例顔面形態データCFr-postに基づいて抽出された特徴ベクトルを「治療後安静時症例形態特徴ベクトルCFVr-post」と称し、治療後表情表出時症例顔面形態データCFs-postに基づいて抽出された特徴ベクトルを「治療後表情表出時症例形態特徴ベクトルCFVs-post」と称する。
[0050]
 また、特徴ベクトル抽出手段130は、各症例患者について安静時及び笑顔時の軟組織変化量を示す症例形態変化量CDから多次元の「症例形態変化量特徴ベクトルCDV」を抽出することもできる。
[0051]
 図10に、症例形態変化量CDから症例形態変化量特徴ベクトルCDVを抽出する例を示す。治療前症例形態変化量CDpreに基づいて抽出された特徴ベクトルを「治療前症例形態変化量特徴ベクトルCDVpre」と称し、治療後症例形態変化量CDpostに基づいて抽出された特徴ベクトルを「治療後症例形態変化量特徴ベクトルCDVpost」と称する。
[0052]
 なお、後述する「近似症例患者」を選択する際の基底変量として使用する「症例特徴ベクトルCV」は、上述の治療前安静時症例形態特徴ベクトルCFVr-pre、治療前表情表出時症例形態特徴ベクトルCFVs-pre及び治療前症例形態変化量特徴ベクトルCDVpreの群から選択されるいずれか1つの特徴ベクトルか、又はこれら2つ以上の特徴ベクトルの特徴変量を複合した拡張型特徴ベクトルとすることができる。
[0053]
 すなわち、「症例特徴ベクトルCV」の具体的な実施例としては、
(例1)治療前安静時症例形態特徴ベクトルCFVr-pre
(例2)治療前表情表出時症例形態特徴ベクトルCFVs-pre
(例3)治療前症例形態変化量特徴ベクトルCDVpre
(例4)治療前安静時症例形態特徴ベクトルCFVr-pre+治療前表情表出時症例形態特徴ベクトルCFVs-pre
(例5)治療前安静時症例形態特徴ベクトルCFVr-pre+治療前症例形態変化量特徴ベクトルCDVpre
(例6)治療前表情表出時症例形態特徴ベクトルCFVs-pre+治療前症例形態変化量特徴ベクトルCDVpre
などが挙げられる。
[0054]
 このようにしてデータベース20には、症例形態特徴ベクトルCFV及び/又は症例形態変形量特徴ベクトルCDVから抽出された、症例患者N人に対応する症例特徴ベクトルCVのセットCV(1),CV(2),CV(3),・・・,CV(N)が知識化される。以下、症例特徴ベクトルCVのセットを、CV(j=1,2,…,N)又はCV(j)と表記する。
[0055]
 複数の症例患者についての症例特徴ベクトルCVのセットは、クラスタリング処理されてデータベース20に知識化されてもよい。クラスタリング処理としては、Lloyd法やk-means法などの一般的なベクトル量子化手法を用いることができる。
[0056]
 例えばk-means法によれば、次のようにして、症例特徴ベクトルCVのクラスタリング処理を行うことができる。先ず一次クラスタの数C1を任意に設定し、n次元(nは特徴変量vの個数)のベクトル空間に仮のクラスタCL (l=1,2,…,C1)を割り当てる。次に、各一次クラスタCL (l)に属する症例特徴ベクトルCVの平均を演算して一次クラスタ重心G (l=1,2,…,C1)を求める。そして、求めたC1個の各重心G (l)と全ての症例特徴ベクトルCVとの距離D (l,i)=|G (l)-CV(i)|を求める。ここで、ベクトル間の「距離」は、ユークリッド距離又はマンハッタン距離の何れでもよい。
[0057]
 次に、各症例特徴ベクトルCVから見て、最短距離にある一次クラスタ重心G (l)を探し、最短距離重心G (l)を共通とする症例特徴ベクトルCVの群を要素とする二次クラスタCL **(l)を再編成する。そして、二次クラスタCL **(l)においても二次クラスタ重心G **(l)を求め、最短距離にある症例特徴ベクトルCVの群から三次クラスタ重心G ***(l)を求める。このようなクラスタの再編成のサイクルを繰り返すことで収束させたC1個のクラスタ(症例クラス)CL(l=1,2,…,C1)に、各症例患者の症例特徴ベクトルCVを分類することができる。
[0058]
 続いて、クラスタ(つまり症例クラス)の数の最適化の処理を、次のアルゴリズムにより行ってもよい。
 先ず、候補となるクラスタの個数Cを、例えば3,4,・・・,12など想定される合理的な範囲でいくつか設定し、それぞれのクラスタ数で分類した各クラスタの重心Gc(l=1,2,…,C)を求める。各クラスタで得られた各重心Gc(l)と、各重心Gc(l)のクラスタに属する症例特徴ベクトルCV(j=1,2,…,N)との距離Dc(l,j)をそれぞれ演算し、そのうち最小の距離Dc(l)minを求める。
[0059]
 各クラスタの最小距離Dc(l)minの平均値であるクラスタ間距離Dcを数式(1)で求める。
[数2]


[0060]
 クラスタ数の各候補C(例えば3,4,・・・,12)について、クラスタ間距離Dc(例えばD ,D ,・・・,D 12)をそれぞれ求め、数式(2)に示す変化ΔDcが最大となるCに1を加算したC+1を、最適のクラスタ数として決定することができる。
[0061]
 症例クラス分類手段180は、各症例患者の症例特徴ベクトルCV(j=1,2,…,N)に対しこのようなクラスタリング処理を行うことで、C個のクラスタ重心G(l=1,2,…,C)を演算し、C個の症例クラスCL(l=1,2,…,C)に分類することができる。各症例クラスCLに分類された症例特徴ベクトルCVと、そのクラスタ重心Gのデータは、データベース20において知識化される。
[0062]
(顔面形態の予測方法の説明)
 上述した顔面形態予測システムに、以下説明する方法で上述した症例データの知識ベースを活用することにより、患者の治療後の表情表出時の顔面形態を定量的に予測することができる。図11は顔面形態予測方法の概要を示すブロック図、図12はそのフローチャートである。
[0063]
 まず、ステップS1において、治療を検討している新たな患者(その新たな患者を「評価対象患者」という。)の顔を、治療前に三次元計測装置62を使って計測して患者顔面形態データPFを取得する。このとき、患者が表情を表出していない状態、すなわち安静時の顔を計測した顔面形態データである「安静時患者顔面形態データPFr」と、笑顔表情表出時の顔を計測した顔面形態データである「表情表出時患者顔面形態データPFs」の少なくとも2種類の患者顔面形態データPFを取得する。
[0064]
 形態モデル化手段110は、患者顔面形態データPFに基づいて、例えば上述した相同モデルアルゴリズムを利用して正規化した「患者顔面形態モデルPFM」を演算する。安静時患者顔面形態データPFrに基づいて構築した顔面形態モデルを「安静時患者顔面形態モデルPFMr」と称し、表情表出時患者顔面形態データPFsに基づいて構築した顔面形態モデルを「表情表出時患者顔面形態モデルPFMs」と称する。
[0065]
 また、形態変化量演算手段120は、安静時患者顔面形態モデルPFMr及び表情表出時患者顔面形態モデルPFMsの変化量を演算することにより「患者形態変化量PD」を得る。
[0066]
 次に、特徴ベクトル抽出手段130は、患者顔面形態モデルPFM及び/又は患者形態変化量PDから、複数の特徴変量を要素とする多次元の「患者特徴ベクトルPV」を抽出する。
[0067]
 安静時患者顔面形態モデルPFMrに基づいて抽出された特徴ベクトルを「安静時患者形態特徴ベクトルPFVr」と称し、表情表出時患者顔面形態モデルPFMsに基づいて抽出された特徴ベクトルを「表情表出時患者形態特徴ベクトルPFVs」と称する。また、患者形態変化量PDに基づいて抽出された特徴ベクトルを「患者形態変化量特徴ベクトルPDV」と称する。
[0068]
 上述の「患者特徴ベクトルPV」は、安静時患者形態特徴ベクトルPFVr、表情表出時患者形態特徴ベクトルPFVs及び患者形態変化量特徴ベクトルPDVの群から選択されるいずれか1つの特徴ベクトルか、又はこれら2つ以上の特徴ベクトルの特徴変量を複合した拡張型特徴ベクトルとすることができる。
[0069]
 すなわち、「患者特徴ベクトルPV」の具体的な実施例としては、
(例1)安静時患者形態特徴ベクトルPFVr
(例2)表情表出時患者形態特徴ベクトルPFVs
(例3)患者形態変化量特徴ベクトルPDV
(例4)安静時患者形態特徴ベクトルPFVr+表情表出時患者形態特徴ベクトルPFVs
(例5)安静時患者形態特徴ベクトルPFVr+患者形態変化量特徴ベクトルPDV
(例6)表情表出時患者形態特徴ベクトルPFVs+患者形態変化量特徴ベクトルPDV
などが挙げられる。
[0070]
 次に、ステップS2において、近似症例選択手段140は、複数の症例患者についての症例特徴ベクトルCVを基底変量として近似症例を選択する処理を行う。具体的には、症例特徴ベクトルCVのセットCV(j=1,2,…,N)から、患者特徴ベクトルPVに近似する複数の症例特徴ベクトルCVを選択する。ここで選択された、患者特徴ベクトルPVに近似する症例特徴ベクトルCVを「近似症例特徴ベクトルNCV」と称する。
[0071]
 なお、症例特徴ベクトルCVの母集合は、評価対象患者と、例えば性別、年代、治療部位、硬組織(歯並び等)などが共通又は近似する症例に絞られることが好ましい。
[0072]
 患者特徴ベクトルPVと、それと距離が比較される症例特徴ベクトルCVの組み合わせは同種のものとなる。それらの組み合わせの例を以下に挙げる。
[0073]
 (実施例1-1)
 例えば、患者特徴ベクトルPVとして「安静時患者形態特徴ベクトルPFVr」を採用するときには、症例特徴ベクトルCVは「治療前安静時症例形態特徴ベクトルCFVr-pre」となる。
[0074]
 (実施例1-2)
 また、患者特徴ベクトルPVとして「表情表出時患者形態特徴ベクトルPFVs」を採用するときには、症例特徴ベクトルCVは「治療前表情表出時症例形態特徴ベクトルCFVs-pre」となる。
[0075]
 (実施例1-3)
 また、患者特徴ベクトルPVとして「患者形態変化量特徴ベクトルPDV」を採用するときには、症例特徴ベクトルCVは「治療前症例形態変化量特徴ベクトルCDVpre」となる。
[0076]
 特に、上記実施例1-3の形態変化量特徴ベクトルは、顔の軟組織の変形量、変形方向、組織の軟らかさ等の情報を特徴量として含むので、これを基底変量として近似症例を選択することにより、評価対象患者の笑顔表情表出時の顔面形態予測の精度を増すことができる。
[0077]
 図12のステップS2における、近似症例特徴ベクトルNCVを選択する処理の具体的な実施例を説明する。
[0078]
 (実施例2-1)
 近似症例選択手段140は、患者特徴ベクトルPVとの距離が近い順に所定症例数kの症例特徴ベクトルCVを選択することができる。近似症例数kは、専門の医師等の経験則的判断により定められる数である。
 上述したように症例患者N人に対応する症例特徴ベクトルCVのセットCV(j)がデータベース20に知識化されている。近似症例選択手段140は、各症例特徴ベクトルCV(j)と、抽出された患者特徴ベクトルPVとの距離(|CV(j)-PV|)が近い順に、症例数kの近似症例を選択する。ここで、ベクトル間の「距離」は、ユークリッド距離又はマンハッタン距離の何れでもよい。
[0079]
 (実施例2-2)
 また、近似症例選択手段140は、患者特徴ベクトルPVとの距離が最も近いクラスタ重心Gを有する症例クラスCLに属する症例特徴ベクトルCVを、近似症例特徴ベクトルNCVとして選択してもよい。
 上述したように、各症例クラスCLに分類された症例特徴ベクトルCVと、そのクラスタ重心Gのデータは、データベース20において知識化されている。近似症例選択手段140は、各症例クラスCL(l=1,2,…,C)に属する症例特徴ベクトルCVの重心G(l=1,2,…,C)のうち、患者特徴ベクトルPVとの距離(|G(l)-PV|)が最も近いベクトル重心Gを有する近似症例クラスNCLを選択する。この場合の「距離」は、ユークリッド距離又はマンハッタン距離の何れでもよい。
 そして、近似症例選択手段140は、近似症例クラスNCLに属するすべての症例特徴ベクトルCVのセットを、近似症例特徴ベクトルNCVとして選択する。
[0080]
 次に、図12のステップS3において、予測モデル演算手段150は、評価対象患者の患者顔面形態モデルPFMに基づいて、当該評価対象患者の治療後に予測される、笑顔表情表出時の「予測顔面形態モデルPFMs-prd」を演算する。その予測モデル構築処理の実施例を、図13~15を参照して以下説明する。
[0081]
 (実施例3-1)
 本実施例3-1によれば、図13に示すように、評価対象患者の笑顔時の患者顔面形態モデルPFMsに基づいて、治療後に予測される、笑顔時の予測顔面形態モデルPFMs-prdを演算する。
[0082]
 本実施例による予測モデル構築処理を、図14のフローチャートに基づいて、更に詳細に説明する。まず、ステップS11において、各近似症例患者についての治療前表情表出時症例顔面形態データNCFs-preに基づいて、正規化した「治療前表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-pre」のセットを演算する。
 また、ステップS12において、各近似症例患者についての治療後表情表出時症例顔面形態データNCFs-postに基づいて、正規化した「治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-post」を演算する。
[0083]
 ステップS13において、治療前表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-preのセットのベクトル平均を演算して「治療前近似症例ベクトル平均NCApre」を得る。また、ステップS14において、治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postのセットのベクトル平均を演算して「治療後近似症例ベクトル平均NCApost」を得る。
[0084]
 ステップS15において、治療後近似症例ベクトル平均NCApostから治療前近似症例ベクトル平均NCApreを差し引いた「近似症例ベクトル平均差分NCApost-pre」を演算する。
[0085]
 ステップS16において、評価対象患者の表情表出時患者顔面形態モデルPFMsに、ステップS15で演算した近似症例顔面形態ベクトル平均差分NCApost-preを加味する。これにより、当該評価対象患者の治療後に予測される、笑顔表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdが演算される。
[0086]
 (実施例3-2)
 また、予測モデル演算手段150は、図13に示したように、評価対象患者の安静時の患者顔面形態モデルPFMrに基づいて、治療後に予測される、笑顔時の予測顔面形態モデルPFMs-prdを演算してもよい。
[0087]
 本実施例による予測モデル構築処理を、図15のフローチャートに基づいて、更に詳細に説明する。まず、ステップS21において、各近似症例患者についての治療前安静時症例顔面形態データNCFr-preに基づいて、正規化した「治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-pre」のセットを演算する。
 また、ステップS22において、各近似症例患者についての治療後表情表出時症例顔面形態データNCFs-postに基づいて、正規化した「治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-post」を演算する。
[0088]
 ステップS23において、治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-preのセットのベクトル平均を演算して「治療前近似症例ベクトル平均NCApre」を得る。また、ステップS24において、治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postのセットのベクトル平均を演算して「治療後近似症例ベクトル平均NCApost」を得る。
[0089]
 ステップS25において、治療後近似症例ベクトル平均NCApostから治療前近似症例ベクトル平均NCApreを差し引いた「近似症例ベクトル平均差分NCApost-pre」を演算する。
[0090]
 ステップS26において、評価対象患者の安静時患者顔面形態モデルPFMrに、ステップS25で演算した近似症例顔面形態ベクトル平均差分NCApost-preを加味する。これにより、当該評価対象患者の治療後に予測される、笑顔表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdが演算される。
[0091]
 次に、予測した患者顔面形態のモデルを表示するステップS4(図12参照)では、治療後の歯並び等の画像を、笑顔表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdとともに、ディスプレイ等の出力装置40に表示することが好ましい。
[0092]
 その場合、コンピュータ装置10による演算処理が、評価対象患者の歯骨格を含む硬組織を撮影した画像データに基づいて、正規化した矯正前硬組織形態モデルHMpreを演算するステップと、前記矯正前硬組織形態モデルHMpreに基づいて当該評価対象患者の矯正後硬組織形態モデルHMpostを予測するステップと、ステップS3で評価した、治療後の笑顔表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdに、予測した前記矯正後硬組織形態モデルHMpostを組み入れるステップと、を含むことができる。
[0093]
 硬組織の画像データは、例えば患者の歯の部分を三次元計測装置で計測した三次元画像データ、咬合部の歯骨格を含むCT画像、セファロ画像、パノラマX写真等であり、硬組織形態モデルHMpreは、これらの二次元及び/又は三次元画像データを組み合わせて構築されてもよい。
[0094]
 矯正治療を計画している硬組織構造と共通する症例データに絞って、上述の予測モデル構築処理を実行すれば、治療後に予測される歯並びが笑顔表情表出時の予測顔面形態の画像に表示させることができる。例えば、予測した笑顔のうち口元の部分に、三次元の歯列予測画像もしくは二次元の歯列予測画像を組み合わせることで、歯並びの見え方も含めた予測が可能である。また、画像上で硬組織を移動させながら、それに追従して治療後の笑顔がどのように改善されるか可視化してシミュレーションも行うことができる。
[0095]
 以上説明した顔面形態予測システム及び顔面形態予測方法によれば、矯正歯科治療後の患者の三次元の顔面形態を、簡便かつ定量的に予測することができる。特に、本実施形態では、笑顔表情表出時の顔形態が治療前に事前に予測できるので、患者にとっても表情の審美的改善につながる「良い笑顔」を作り出す治療計画かどうか、適切な判断に貢献することができる。
[0096]
 本発明に係る顔面形態予測システム及び顔面形態予測方法は、矯正歯科治療以外にも、例えば顎変形症患者の外科的治療にも利用できる。また、例えば顎顔面外科(口腔外科と形成外科を含む)手術単独、矯正歯科治療又は顎補綴治療と共同で治療を行うときの予測にも利用できる。更に、顔面形態の加齢変化予測にもその応用が期待できる。

符号の説明

[0097]
10 コンピュータ装置         20 データベース
30 入力装置             40 出力装置
62 三次元計測装置          63 X線検査装置
110 形態モデル化手段        120 形態変化量演算手段
130 特徴ベクトル抽出手段      140 近似症例選択手段
150 予測モデル演算手段
CF 症例顔面形態データ        CFM 症例顔面形態モデル
CD 症例形態変化量          CV 症例特徴ベクトル
CFV 症例形態特徴ベクトル      CDV 症例形態変化量特徴ベクトル
PF 患者顔面形態データ        PFM 患者顔面形態モデル
PFMs-prd 表情表出時の予測顔面形態モデル
PD 患者形態変化量
PV 患者特徴ベクトル         PDV 患者形態変化量特徴ベクトル
NCV 近似症例特徴ベクトル
NCApre 治療前近似症例ベクトル平均
NCApost 治療後近似症例ベクトル平均
NCApost-pre 近似症例ベクトル平均差分
N 症例患者数(症例数)        CL 症例クラス
NCL 近似症例クラス         G クラスタ重心

請求の範囲

[請求項1]
 患者の治療後の表情表出時の顔面形態を、コンピュータ装置が実行する演算処理により予測する方法であって、
 前記演算処理が、
 治療を行った複数の患者(その治療を行った過去の患者を「症例患者」という。)から、三次元計測装置を使って取得した症例顔面形態データCFに基づいて、予め選択された複数の特徴変量を要素とする多次元の症例特徴ベクトルCVのセットを抽出するステップと、
 治療を検討している新たな患者(その新たな患者を「評価対象患者」という。)から、三次元計測装置を使って取得した患者顔面形態データPFに基づいて、前記複数の特徴変量を要素とする多次元の患者特徴ベクトルPVを抽出するステップと、
 複数の前記症例患者についての前記症例特徴ベクトルCVのセットのうちから、前記患者特徴ベクトルPVに近似する近似症例特徴ベクトルNCVを複数選択するステップと、
 選択された複数の前記近似症例特徴ベクトルNCVに対応する各症例患者(その選択された症例患者を「近似症例患者」という。)について、治療前の安静時に三次元計測装置を使って取得した治療前安静時症例顔面形態データに基づいて正規化した治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-preを演算するステップと、
 前記各近似症例患者について、治療後の表情表出時に三次元計測装置を使って取得した治療後表情表出時症例顔面形態データに基づいて正規化した治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postを演算するステップと、
 前記治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-preのベクトル平均を演算して治療前近似症例ベクトル平均NCSpreを得るステップと、
 前記治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postのベクトル平均を演算して治療後近似症例ベクトル平均NCSpostを得るステップと、
 前記治療後近似症例ベクトル平均NCSpostから前記治療前近似症例ベクトル平均NCSpreを差し引いた近似症例ベクトル平均差分NCSpost-preを演算するステップと、
 前記評価対象患者の前記患者顔面形態データPFに基づいて正規化した、安静時患者顔面形態モデルPFMrを演算するステップと、
 前記安静時患者顔面形態モデルPFMrに、前記近似症例ベクトル平均差分NCSpost-preを加味することで、当該評価対象患者の治療後に予測される、表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdを演算するステップと
を含む、治療後の表情表出時の顔面形態予測方法。
[請求項2]
 前記各症例患者についての前記症例顔面形態データCFが、当該症例患者の治療前安静時症例顔面形態データCFr-preと、治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preとを含み、
 前記症例特徴ベクトルCVが、前記治療前安静時症例顔面形態データCFr-pre及び前記治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preの変化量である治療前症例形態変化量CDpreに基づいて抽出され、
 前記評価対象患者についての前記患者顔面形態データPFが、当該評価対象患者の安静時患者顔面形態データPFrと、表情表出時患者顔面形態データPFsとを含み、
 前記患者特徴ベクトルPVが、前記安静時患者顔面形態データPFr及び前記表情表出時患者顔面形態データPFsの変化量である患者形態変化量PDに基づいて抽出され
る、請求項1に記載の治療後の表情表出時の顔面形態予測方法。
[請求項3]
 前記演算処理が、
 前記評価対象患者の歯を含む硬組織を撮影した画像データに基づいて、正規化した矯正前硬組織形態モデルHMpreを演算するステップと、
 前記矯正前硬組織形態モデルHMpreに基づいて当該評価対象患者の矯正後硬組織形態モデルHMpostを予測するステップと、
 前記表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdに前記矯正後硬組織形態モデルHMpostを組み入れて表示するステップと
を更に含む、請求項1又は2に記載の治療後の表情表出時の顔面形態予測方法。
[請求項4]
 前記近似症例特徴ベクトルNCVが、前記患者特徴ベクトルPVとの距離が近い順に所定症例数選択される、請求項1又は2に記載の治療後の表情表出時の顔面形態予測方法。
[請求項5]
 前記演算処理が、
 前記症例特徴ベクトルCVに対しクラスタリング処理を行うことで複数の症例クラスに分類するステップと、
 前記各症例クラスについてクラスタ重心Gをそれぞれ演算するステップと
を含み、
 分類された前記各症例クラスについての前記クラスタ重心Gのそれぞれのうち、前記患者特徴ベクトルPVとの距離が最も近いクラスタ重心を有する症例クラスに属する症例特徴ベクトルCVが、前記近似症例特徴ベクトルNCVとして選択される、請求項1又は2に記載の治療後の表情表出時の顔面形態予測方法。
[請求項6]
 患者の治療後の表情表出時の顔面形態を予測するシステムであって、
 コンピュータ装置の演算処理により実現される、特徴ベクトル抽出手段と、近似症例選択手段と、予測モデル演算手段とを少なくとも含み、
 前記特徴ベクトル抽出手段が、
 治療を行った複数の患者(その治療を行った過去の患者を「症例患者」という。)から、三次元計測装置を使って取得した症例顔面形態データCFに基づいて、予め選択された複数の特徴変量を要素とする多次元の症例特徴ベクトルCVのセットを抽出する処理と、
 治療を検討している新たな患者(その新たな患者を「評価対象患者」という。)から、三次元計測装置を使って取得した患者顔面形態データPFに基づいて、前記複数の特徴変量を要素とする多次元の患者特徴ベクトルPVを抽出する処理と
を実行し、
 前記近似症例選択手段が、複数の前記症例患者についての前記症例特徴ベクトルCVのセットのうちから、前記患者特徴ベクトルPVに近似する近似症例特徴ベクトルNCVを複数選択する処理を実行し、
 前記予測モデル演算手段が、
 選択された複数の前記近似症例特徴ベクトルNCVに対応する各症例患者(その選択された症例患者を「近似症例患者」という。)について、治療前の安静時に三次元計測装置を使って取得した治療前安静時症例顔面形態データに基づいて正規化した治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-preを演算する処理と、
 前記各近似症例患者について、治療後の表情表出時に三次元計測装置を使って取得した治療後表情表出時症例顔面形態データに基づいて正規化した治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postを演算する処理と、
 前記治療前安静時近似症例顔面形態モデルNCMr-preのベクトル平均を演算して治療前近似症例ベクトル平均NCSpreを得る処理と、
 前記治療後表情表出時近似症例顔面形態モデルNCMs-postのベクトル平均を演算して治療後近似症例ベクトル平均NCSpostを得る処理と、
 前記治療後近似症例ベクトル平均NCSpostから前記治療前近似症例ベクトル平均NCSpreを差し引いた近似症例ベクトル平均差分NCSpost-preを演算する処理と、
 前記評価対象患者の前記患者顔面形態データPFに基づいて正規化した、安静時患者顔面形態モデルPFMrを演算する処理と、
 前記安静時患者顔面形態モデルPFMrに、前記近似症例ベクトル平均差分NCSpost-preを加味することで、当該評価対象患者の治療後に予測される、表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdを演算する処理と
を実行する、治療後の表情表出時の顔面形態予測システム。
[請求項7]
 前記各症例患者についての前記症例顔面形態データCFが、当該症例患者の治療前安静時症例顔面形態データCFr-preと、治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preとを含み、
 前記症例特徴ベクトルCVが、前記治療前安静時症例顔面形態データCFr-pre及び前記治療前表情表出時症例顔面形態データCFs-preの変化量である治療前症例形態変化量CDpreに基づいて抽出され、
 前記評価対象患者についての前記患者顔面形態データPFが、当該評価対象患者の安静時患者顔面形態データPFrと、表情表出時患者顔面形態データPFsとを含み、
 前記患者特徴ベクトルPVが、前記安静時患者顔面形態データPFr及び前記表情表出時患者顔面形態データPFsの変化量である患者形態変化量PDに基づいて抽出され
る、請求項6に記載の治療後の表情表出時の顔面形態予測システム。
[請求項8]
 前記予測モデル演算手段が、
 前記評価対象患者の歯を含む硬組織を撮影した画像データに基づいて、正規化した矯正前硬組織形態モデルHMpreを演算する処理と、
 前記矯正前硬組織形態モデルHMpreに基づいて当該評価対象患者の矯正後硬組織形態モデルHMpostを予測する処理と、
 前記表情表出時の予測顔面形態モデルPFMs-prdに前記矯正後硬組織形態モデルHMpostを組み入れて表示する処理と
を更に実行する、請求項6又は7に記載の治療後の表情表出時の顔面形態予測システム。
[請求項9]
 前記近似症例特徴ベクトルNCVが、前記患者特徴ベクトルPVとの距離が近い順に所定症例数選択される、請求項6又は7に記載の治療後の表情表出時の顔面形態予測システム。
[請求項10]
 前記近似症例選択手段が、
 前記症例特徴ベクトルCVに対しクラスタリング処理を行うことで複数の症例クラスに分類する処理と、
 前記各症例クラスについてクラスタ重心Gをそれぞれ演算する処理と
を実行し、
 分類された前記各症例クラスについての前記クラスタ重心Gのそれぞれのうち、前記患者特徴ベクトルPVとの距離が最も近いクラスタ重心を有する症例クラスに属する症例特徴ベクトルCVが、前記近似症例特徴ベクトルNCVとして選択される、請求項6又は7に記載の治療後の表情表出時の顔面形態予測システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]

[ 図 12]

[ 図 13]

[ 図 14]

[ 図 15]