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1. WO2020116349 - POUDRE DE CUIVRE POUR IMPRESSION 3D, PROCÉDÉ DE PRODUCTION DE POUDRE DE CUIVRE POUR IMPRESSION 3D, PROCÉDÉ DE PRODUCTION D'ARTICLE IMPRIMÉ 3D, ET ARTICLE IMPRIMÉ 3D

Document

明 細 書

発明の名称 積層造形用銅粉末、積層造形用銅粉末の製造方法、積層造形物の製造方法及び積層造形物

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015  

発明の効果

0016  

図面の簡単な説明

0017  

発明を実施するための形態

0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063  

実施例

0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084   0085   0086   0087   0088   0089   0090   0091   0092   0093   0094   0095   0096   0097   0098   0099   0100  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13   14   15   16   17   18   19  

図面

1   2   3   4  

明 細 書

発明の名称 : 積層造形用銅粉末、積層造形用銅粉末の製造方法、積層造形物の製造方法及び積層造形物

技術分野

[0001]
 本発明は、積層造形用銅粉末、積層造形用銅粉末の製造方法、積層造形物の製造方法及び積層造形物に関するものである。

背景技術

[0002]
 三次元積層造形技術は、切削加工等の従来の加工技術では不可能であった複雑な形状の製品の作製が可能であり、様々な分野での応用が期待されている。近年、金属粉末を用いた積層造形法についても様々な検討がなされている。
 機械的強度および高導電率が求められる部品には銅が多用されており、銅を用いた積層造形技術の開発が求められている。
[0003]
 積層造形用の銅を含む金属粉末としては、例えば、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
 特許文献1には、クロムまたはケイ素を含む積層造形用の銅合金粉末が開示されている。特許文献2には、表面にレーザ光を照射することで酸化膜が形成された積層造形用の銅粉末が開示されている。
 しかし、銅粉末を用いた積層造形物は空隙が生じやすく機械的強度を向上させることが難しい。また、純銅の導電率に比較すると積層造形物では導電率はかなり低くなる。従って、銅粉末を用いた積層造形物の機械的強度および導電率を十分に向上させることは困難である。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 日本国 特開2016-211062号公報
特許文献2 : 日本国 特開2017-141505号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 本発明は、前記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、積層造形物の機械的強度および導電率を十分に向上させうる積層造形用銅粉末及びその製造方法の提供を目的とする。
 及び、機械的強度及び導電率が十分に高い積層造形物及びその製造方法の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 積層造形用銅粉末にかかる本発明は、平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む。
[0007]
 本発明は、波長1070nmの光に対する反射率が65%以下であってもよい。
[0008]
 本発明は、安息角が50度以下であってもよい。
[0009]
 本発明は、酸化第一銅(Cu O)を0.5質量%以上9.4質量%以下含んでいてもよい。
 本発明は、酸化第二銅(CuO)の含有量が1.7質量%以下であってもよい。
 本発明は、酸化第一銅(Cu O)の含有量が1.3質量%以上9.4質量%以下、且つ酸化第二銅(CuO)の含有量が1.7質量%以下であってもよい。
 本発明は、比表面積変化率が50%以下であってもよい。
 本発明は、被膜剥離率が80%未満であってもよい。
[0010]
 積層造形用銅粉末の製造方法にかかる本発明は、銅粉末を温度100℃以上500℃以下で0.1時間以上72時間以下焼成することで、平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む粉末となるようにする工程を含む。
 積層造形用銅粉末の製造方法にかかる本発明において、前記工程において比表面積変化率が50%以下である粉末となるようにしてもよい。
 積層造形用銅粉末の製造方法にかかる本発明において、被膜剥離率が80%未満であってもよい。
[0011]
 積層造形物の製造方法にかかる本発明は、平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む積層造形用銅粉末の所定位置にエネルギーを照射して固化させて造形層を形成する造形工程と、前記造形工程を繰り返して行い前記造形層を積層する積層工程と、を含む。
[0012]
 別の積層造形物の製造方法にかかる本発明は、平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む積層造形用銅粉末を所定位置に供給しながら加熱溶融させ、固化させて造形層を形成する造形工程と、前記造形工程を繰り返して行い前記造形層を積層する積層工程と、を含む。
[0013]
 積層造形物の製造方法にかかる本発明は、銅粉末を温度100℃以上500℃以下で0.1時間以上72時間以下焼成して前記積層造形用銅粉末を作製する粉末作製工程を、さらに含んでいてもよい。
 積層造形物の製造方法にかかる本発明において、前記積層造形用銅粉末の比表面積変化率が50%以下であってもよい。
 積層造形物の製造方法にかかる本発明において積層造形用銅粉末の被膜剥離率が80%未満であってもよい。
[0014]
 積層造形物にかかる本発明は、銅を90質量%以上含有し、相対密度が94%以上であり、導電率が50%IACS以上である。
[0015]
 積層造形物にかかる本発明は、断面観察から求められる空隙率が15%以下であってもよい。
 積層造形物にかかる本発明において、酸化第一銅(Cu O)を0.1質量%以上6.0質量%以下含んでいてもよい。
 積層造形物にかかる本発明において、導電率が60%IACS以上であってもよい。

発明の効果

[0016]
 本発明によれば、造形物の機械的強度および導電率を十分に向上させうる積層造形用銅粉末を提供することができる。
 また、本発明によれば、機械的強度および導電率が十分に高い積層造形物及びその製造方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

[0017]
[図1] 図1は銅粉末の反射率を示すグラフ。
[図2] 図2は銅粉末の反射率を示すグラフ。
[図3] 図3は銅粉末の反射率を示すグラフ。
[図4] 図4は銅粉末の反射率を示すグラフ。

発明を実施するための形態

[0018]
 以下に、本発明の積層造形用銅粉末(以下、単に銅粉末ともいう。)及びその製造方法、積層造形物及びその製造方法(以下、単に製造方法ともいう。)の実施形態について説明する。
[0019]
(積層造形用銅粉末)
 本実施形態の銅粉末は、平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む積層造形用銅粉末である。
[0020]
 尚、本実施形態でいう「銅」とは、純銅及び銅を90質量%以上含む銅合金を意味する。また、本実施形態でいう「銅粉末」とは銅以外の金属成分が10質量%未満の粉末をいう。
[0021]
 本実施形態の銅粉末は、平均粒子径が1μm以上150μm以下であり、さらには2.5μm以上120μm以下、5μm以上90μm以下等が挙げられる。
 銅粉末の平均粒子径が上記範囲であることで、粉末の流動性を改善できると共に、積層造形物の密度及び導電率を向上させることができる。
 尚、本実施形態において粉末の平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置により計測される粒子径分布から求められるメジアン径を意味する。
[0022]
 本実施形態の銅粉末は、単位表面積当たりの酸化銅濃度が0.10g/m 以上7.0g/m 以下であり、さらには、例えば、0.15g/m 以上6.0g/m 以下であり、さらには、0.20g/m 以上5.0g/m 以下であること等が挙げられる。
 銅粉末の単位表面積当たりの酸化銅濃度が上記範囲であることで積層造形物の密度及び導電率を向上させることができる。
 単位表面積当たりの酸化銅濃度とは、銅粉末表面の被膜中の酸化銅濃度(質量%)を銅粉末の比表面積(m /g)及び100で割った値をいい、具体的には実施例で示す方法で測定される値をいう。
[0023]
 単位表面積当たりの酸化銅濃度は、銅粉末の平均粒子径によって好ましい範囲が相違していてもよい。
 例えば、平均粒子径5μm未満の場合には、酸化銅濃度は0.10g/m 以上0.70g/m 以下、平均粒子径5μm以上15μm未満の場合には、酸化銅濃度は0.15g/m 以上1.3g/m 以下、平均粒子径15μm以上25μm未満の場合には、酸化銅濃度は0.3g/m 以上2.3g/m 以下、平均粒子径25μm以上60μm未満の場合には、酸化銅濃度は0.5g/m 以上4.8g/m 以下、平均粒子径60μm以上の場合には、酸化銅濃度は0.8g/m 以上7.0g/m 以下であること等が挙げられる。
[0024]
 本実施形態の積層造形用銅粉末は酸化銅を単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下、あるいは0.5質量%以上9.0質量%以下、あるいは0.5質量%以上8.0質量%以下、あるいは1.3質量%以上9.4質量%以下、あるいは、1.3質量%以上9.0質量%以下、あるいは1.3質量%以上8.0質量%以下含むことが挙げられる。
 尚、酸化銅濃度は、酸溶解法で測定(算出)される値をいい、具体的には実施例で示す方法で測定される値である。
[0025]
 本実施形態の積層造形用銅粉末は酸化銅として酸化第一銅(Cu O)、酸化第二銅(CuO)の何れを含んでいても、あるいは両方含んでいてもよい。
 酸化第一銅(Cu O)を含む場合には0.5質量%以上9.4質量%以下、あるいは0.5質量%以上9.0質量%以下、あるいは0.5質量%以上8.0質量%以下、あるいは1.3質量%以上9.4質量%以下、あるいは、1.3質量%以上9.0質量%以下、あるいは1.3質量%以上8.0質量%以下含むことが挙げられる。
 酸化銅として酸化第一銅(Cu O)を上記濃度範囲含むことで、積層造形物の密度及び導電率を向上させることができる。
 尚、酸化第一銅濃度は、酸溶解法で測定される値を基に算出される値であり、具体的には実施例で示す方法で測定される値である。
[0026]
 本実施形態の銅粉末は、酸化銅濃度が上記範囲であれば、酸化第一銅を含む酸化銅を酸化銅被膜として表面に存在するように含んでいてもよく、銅粉末の全体に含んでいてもよい。
 銅粉末の表面に酸化銅被膜が存在する場合には、銅粉末表面を改質することができ、その結果、積層造形物の密度を向上させて機械的強度を向上させうる。一方、銅粉末の内部には銅を高濃度で保持させておくことができ、その結果導電率が高い状態の積層造形物を形成することができる。
[0027]
 本実施形態の積層造形用銅粉末は、酸化第二銅(CuO)の含有量が少ない方がよく、好ましくは実質的に酸化第二銅を含まないことである。
 尚、酸化第二銅を含まないとは、後述する実施例に記載の方法で分析した場合にCuOが検出されないことを意味する。
 本実施形態の積層造形用銅粉末は、酸化第一銅(Cu O)の含有量が1.3質量%以上9.4質量%以下、且つ酸化第二銅(CuO)の含有量が1.7質量%以下であってもよい。
[0028]
 銅粉末の形状は特に限定されず、球状、フレーク状、板状、針状、不定形等であり得る。後述のパウダーベッド方式により積層造形を行う場合は、粉末層の形成時に粉末間の隙間を少なく敷き詰められることから、球状またはアスペクト比2以下の略球状が好ましい。金属粉末の表面には凹凸が形成されていてもよい。また、金属粉末の表面に二次粒子が析出していてもよい。
[0029]
 銅粉末は波長1070nmの光に対する反射率が例えば、65%以下、さらに60%以下、さらにより好ましくは55%以下であること等が挙げられる。前記反射率であることで金属粉末を溶融固化させるために照射するレーザ等のエネルギーの利用効率が向上するため、より密度の高い、機械的強度及び導電率の高い積層造形物の材料となりうる。
 尚、本実施形態でいう波長とは、レーザ積層造形において主流となっているYb(イッテルビウム)ファイバーレーザ光の波長であることが好ましい。
[0030]
 銅粉末は、安息角が例えば、50度以下、さらには45度以下、さらには40度以下であること等が挙げられる。銅粉体の安息角が上記範囲であることで銅粉体の流動性が向上し、積層造形物を製造する際に密な状態で粉末層を形成でき、銅粉体を溶融固化させることができる。よって、密度、機械的強度及び導電率のより高い積層造形物の材料となりうる。
[0031]
 本実施形態でいう安息角は、後述する実施例に記載する方法で測定される値をいう。
[0032]
 本実施形態の銅粉末は、比表面積変化率が50%以下、あるいは45%以下、さらには43%以下であることが挙げられる。
 比表面積変化率が上記範囲であることで、積層造形物の密度及び導電率を向上させることができる。
 尚、本実施形態でいう比表面積変化率とは、銅粉末表面の酸化銅被膜を所定の方法で除去し、除去前の銅粉末の比表面積と、除去後の銅粉末の比表面積とを比較して、違いを変化率として%で表した値をいい、具体的には実施例で示す方法で測定される値をいう。
[0033]
 本実施形態の銅粉末は、被膜剥離率が80%未満、あるいは77%以下、さらには70%以下、さらには45%以下であることが挙げられる。
 被膜剥離率が上記範囲であることで、積層造形物の密度及び導電率を向上させることができる。
 尚、本実施形態でいう被膜剥離率は具体的には実施例で示す方法で測定される値をいう。
[0034]
(積層造形用銅粉末の製造方法:粉末作製工程)
 本実施形態の銅粉末の製造方法は特に限定されず、所定の組成を有する材料を粉末化してもよく、原料粉末に表面処理を施すことで調整してもよい。
 原料銅粉末としては、機械的手法、化学的手法、アトマイズ法等により形成された銅粉末を制限なく使用できる。球状または略球状の粉末を得るためには、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、ディスクアトマイズ法、プラズマ回転電極法、熱プラズマ法等が好ましい。一般には、表面処理の前後で粒子径はほとんど変化しないため、原料銅粉末としては、積層造形物用銅粉末の粒子径と同等の粒子径を有するものが好ましい。
[0035]
 表面処理としては、焼成、レーザ光照射による原料銅粉末の加熱処理、原料銅粉末を表面処理液に接触させることによる表面処理等が挙げられる。
[0036]
 表面処理液を接触させる表面処理の場合には、原料銅粉末の表面に酸化被膜を形成する溶液を、スプレー等によりミスト状にして接触させる方法や、溶液中に原料粉末を浸漬する方法等が挙げられる。処理時の温度や処理時間等の処理条件は、原料粉末の形状や粒子径、表面処理液の組成等に応じて適宜選択することができる。
[0037]
 焼成によって銅粉末を処理して上述のような本実施形態の積層造形物用銅粉末を製造することもできる。
 以下、焼成による本発明にかかる積層造形物用銅粉末の製造方法について説明する。
[0038]
 本実施形態の積層造形用銅粉末の製造方法は、銅粉末を温度100℃以上500℃以下で0.1時間以上72時間以下焼成することで、平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む粉末となるようにする工程を含む。
[0039]
 本実施形態で用いる銅粉末としては、上述のような機械的手法、化学的手法、アトマイズ法等により形成された銅粉末等を制限なく使用できる。
 また銅粉末の粒子径としても上述のとおり積層造形物用銅粉末の粒子径と同等の粒子径を有するものが好ましい。
[0040]
 本実施形態の焼成による焼成条件は、100℃以上500℃以下、さらには110℃以上400℃以下、あるいは120℃以上300℃以下等の温度で、0.1時間以上72時間以下、さらには0.25時間以上48時間以下、あるいは0.5時間以上24時間以下等の条件で焼成すること等が挙げられる。
 本実施形態の製造方法は、かかる焼成条件の範囲の中から適宜調整することで、平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む粉末となるようにする工程を含む。
[0041]
 尚、かかる積層造形用銅粉末の製造方法は、後述する積層造形物の製造方法における一工程として実施してもよく、銅粉末の製造工程として積層造形物の製造とは別に実施してもよい。
[0042]
 本実施形態の積層造形用銅粉末の製造方法において、前記工程において比表面積変化率が50%以下である粉末となるようにしてもよい。
 比表面積変化率を上記範囲に調整する手法としては特に限定されるものではないが、例えば、銅粉末表面に酸化銅被膜を形成し、且つ、その量を調整すること等が挙げられる。より具体的な例としては、上記工程における焼成温度、焼成時間等を適宜調整することで、比表面積変化率を上記範囲に調整すること等が挙げられる。
 あるいは、焼成時の粉末の分散状態を適宜調整することで、比表面積変化率を上記範囲に調整すること等も挙げられる。銅粉末同士が接触している状態と分散している状態とでは酸化銅被膜の形成プロセスが変化するため、例えば、焼成時にガスで分散させる等分散状態を調整することでも比表面積変化率を調整することができる。
[0043]
 本実施形態の積層造形用銅粉末の製造方法において、前記工程において被膜剥離率が80%未満である粉末となるようにしてもよい。
 被膜剥離率を上記範囲に調整する手段としては特に限定されるものではないが、例えば、上記工程における焼成温度、焼成時間、銅粉末の分散状態等を適宜調整することで、被膜剥離率を上記範囲に調整すること等が挙げられる。
[0044]
(積層造形物の製造方法)
 本実施形態の銅粉末を用いて積層造形物を製造する方法について説明する。
 銅粉末を用いた積層造形方法としては、金属粉末(銅粉末)を用いて積層造形物を製造する一般的な方法が採用できる。
 例えば、金属粉末に高密度のエネルギーを付与して溶融固化させる方法が適している。金属粉末を溶融固化させるためのエネルギー源としては、レーザ、電子ビーム、プラズマ等が挙げられる。中でも、局所的に高密度のエネルギーを付与して金属粉末を溶融できることから、レーザを用いる方法が好ましい。レーザを用いた金属粉末の積層造形法としては、パウダーベッド方式およびメタルデポジション方式が挙げられる。
[0045]
 パウダーベッド方式では、金属粉末を層状に配置して粉末層を形成し、粉末層の所定位置にエネルギーを照射して金属粉末を溶融固化して造形層を形成する。粉末層の形成とエネルギー照射による造形層の形成とを繰り返すことにより、任意の形状の三次元積層造形物を作製できる。
 メタルデポジション方式では、レーザ等のエネルギーにより所定位置を加熱し、金属粉末を供給して所定位置で固化させることにより造形層を形成する。造形層の形成を繰り返すことにより三次元積層造形物を作製できる。特に、パウダーベッド方式は、加工精度が高く、高密度の造形物を形成可能であるとの利点を有する。
 パウダーベッド方式は、試作品や唯一品の造形物を製造するのに適しており、メタルデポジション方式は既存の母材や部品の表面のコーティングや補修に適している。
 以下ではパウダーベッド方式による積層造形方法について説明する。
[0046]
 積層造形においては、まず造形物の三次元形状データに基づいて、積層造形用のスライスデータを作成する。例えば3D-CAD等により作製した三次元形状データを、有限要素法による要素分割により、STL(Stereolithography)データに変換し、STLデータからスライスデータが作成される。スライスデータは、造形物のSTLデータを高さ方向(造形方向)に沿ってN分割したものであり、第1層~第N層のそれぞれの造形層の形状データ(xy座標)を含んでいる。スライス厚さdは10~150μm程度である。このスライス厚さdが、積層造形における1層の積層厚さに対応する。
[0047]
 スライスデータに基づいて積層造形を行う。積層造形は、造形物の酸化を抑制するために、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下や、減圧雰囲気下で実施することが好ましい。
[0048]
[粉末層形成工程]
 昇降可能なテーブル上の所定領域に、上記の金属粉末を敷き詰め、所定の厚み(d)の粉末層を形成する。粉末層は、上記の金属粉末の他に、レーザ吸収剤等を含んでいてもよい。粉末層の表面は、必要に応じてスキージブレード等により平滑にしてもよい。
[0049]
[造形工程]
 スライスデータに基づいて、粉末層の所定位置にエネルギーを照射する。前述のように、照射するエネルギーとしては、レーザ、電子ビーム、プラズマ等が挙げられ、特にレーザが好ましい。レーザ等によるエネルギー照射に先立ち、予め粉末層を加熱しておいてもよい。エネルギー照射領域の金属粉末は、溶融または焼結を経て固化し、造形層が形成される。エネルギーが照射されなかった領域の金属粉末は固化せずに粉末状態で残存する。
[0050]
 レーザとしては、ファイバーレーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、半導体レーザ等などが用いられる。レーザ出力は、50~1000W程度が好ましい。レーザの走査速度は、たとえば1~5000mm/秒程度である。レーザの走査ピッチは、10~500μm程度である。レーザのエネルギー密度は、例えば50~1000J/mm の範囲で調整される。レーザのエネルギー密度Eは、E=P/v・s・dで表される。Pはレーザの出力、vは走査速度、sは走査ピッチ、dはスライス厚さ(積層厚さ)である。
[0051]
 上記の粉末層形成工程と造形工程により、スライスデータの第1層に対応する造形層が形成される。その後、テーブルをスライス厚さdだけ下降させる。テーブルを下降させる代わりに、レーザ光源を上昇させることにより、粉末層とレーザ光源との相対的な位置関係を調整してもよい。造形層形成後の第1層の上に金属粉末を敷き詰めて第2層の粉末層を形成し、第2層のスライスデータに基づいて、粉末層の所定位置にレーザを照射し、造形層を形成する。
[0052]
 以降、第3層~第N層まで、粉末層形成工程と、第n層(n≦N)のスライスデータに基づくエネルギー照射による造形層形成工程とを繰り返す。最後に、エネルギーが照射されなかった領域の未固化の金属粉末を除去することにより、積層造形物が完成する。積層造形物は後処理に供してもよい。後処理としては例えば加熱が挙げられる。加熱等の後処理を行うことにより、積層造形物の機械的強度や導電率が向上する場合がある。
[0053]
 以上パウダーべッド方式による積層造形物の製造方法を説明したが、本実施形態の銅粉末を用いて積層造形物を製造する一般的な積層造形方法としては、これに限定されるものではなく、例えば、メタルデポジション方式による積層造形方法を採用してもよい。
 メタルデポジション方式による造形方法は、金属粉末を層状に配置して粉末層を形成する代わりに、ノズルから金属粉末を噴射すると同時にレーザ光を照射するなどして金属粉末を所定位置に供給しながら加熱溶融させ、固化させて造形する方法である。ノズル又は所定位置(積層物を形成するステージ等)を移動させながら噴射することで、所望の形状の造形物を得ることができる。
 また、この方式では、各種既存の造形物(母材や部品)の所望の箇所に追加して造形物を形成して、コーティングしたり補修したりすることも容易にできるという利点がある。
[0054]
 上述したような任意の一般的な積層造形物の製造方法において、本実施形態の積層造形用銅粉末を使用することができる。
 例えば、本実施形態の積層造形物の製造方法としては平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む積層造形用銅粉末の所定位置にエネルギーを照射して固化させて造形層を形成する造形工程と、前記造形工程を繰り返して行い前記造形層を積層する積層工程と、を含む積層造形物の製造方法が挙げられる。
[0055]
 あるいは、平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む積層造形用銅粉末を所定位置に供給しながら加熱溶融させ、固化させて造形層を形成する造形工程と、前記造形工程を繰り返して行い前記造形層を積層する積層工程と、を含む積層造形物の製造方法が挙げられる。
[0056]
(積層造形物)
 本実施形態の積層造形物は、銅を90質量%以上含有し、相対密度が94%以上であり、導電率が50%IACS以上である。
 積層造形により作製される造形物は、切削加工では実現できない複雑形状を有し得る。本発明では、銅粉末を積層造形材料として用いるため、得られる積層造形物は銅を主成分とする。
 尚、積層造形物の組成は、原料の銅粉末と同一でもよく異なっていてもよい。
 また、積層造形物における酸化銅の含有量は、銅粉末における含有量よりも小さくなる傾向がある。積層造形物は不可避不純物を含んでいてもよい。
[0057]
 積層造形物における銅の含有量は、90質量%以上、さらには、95質量%以上、さらには97質量%以上であることが挙げられる。
 銅の含有量が上記範囲であることで高い導電率とすることができる。
[0058]
 積層造形物における相対密度は94%以上、さらには95%以上、さらには96%以上であることが好ましい。積層造形物の相対密度が上記範囲であることで機械的強度が向上する。
 尚、本実施形態でいう相対密度とは、アルキメデス法により測定される相対密度であり、具体的には後述する実施例に記載の測定方法で測定される密度をいう。
[0059]
 本実施形態の積層造形物における導電率は、50%IACS以上、さらには60%IACS以上、さらには69%IACS以上、さらには70%IACS以上、さらには80%以上、が特に好ましい。尚、IACS%とは、焼鈍標準軟銅(International Annealed Copper Standard: IACS)の導電率(1.7241×10 -20μΩ・m)を100%IACSとして規定した導電率である。
 積層造形物が電気材料として用いられる場合、導電率は高い方が好ましく、上記範囲であることで、電気材料として十分に使用可能な積層造形物となる。
 また、導電率が上記範囲であることで、ウィーデマン・フランツの法則(κ/σ=LT、κ:熱伝導率、σ:導電率、T:絶対温度、L:ローレンツ数2.31×10 -8Js -1ΩK -2)により、熱伝導材料としても十分に使用可能な積層造形物となる。
[0060]
 本実施形態の積層造形物において、断面観察から求められる空隙率が15%以下、さらには10%以下、さらには7%以下、さらには5%以下、さらには3%以下であることが好ましい。
 積層造形物の空隙率が小さいほど、機械的強度および導電率が向上する傾向がある。
 積層造形物の材料として上述の本実施形態にかかる銅粉末を用いることにより、一般的な銅粉末を用いた場合よりも空隙率が小さく高密度の積層造形物を形成できる。
[0061]
 本実施形態の積層造形物は、酸化第一銅(Cu O)を例えば、0.1質量%以上6.0質量%以下、さらには0.3質量%以上5.7質量%以下含んでいてもよい。
 積層造形物の酸化第一銅濃度が上記範囲であることで高い導電率及び機械的強度が得られる。
[0062]
 本実施形態の積層造形用銅粉末、積層造形用銅粉末の製造方法、積層造形物の製造方法及び積層造形物は、それぞれ独立して解釈されるべきものである。従って、本実施形態の積層造形物用銅粉末を積層造形物の製造方法に用いて本実施形態の積層造形物を実施することはもちろん、その他の技術の組み合わせによって各実施形態を実施してもよい。
[0063]
 本実施形態にかかる積層造形用銅粉末、積層造形用銅粉末の製造方法、積層造形物の製造方法及び積層造形物は、以上のとおりであるが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前記説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施例
[0064]
 以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[0065]
(試験1)
[銅粉末の調製]
 原料として、平均粒子径が異なる(10μm、20μm、46μm、80μm)純銅のアトマイズ粉末を準備し、それぞれの径の純銅粉末を焼成炉を用いて表1に示す焼成時間及び焼成温度で焼成して、各銅粉末を得た。
 尚、それぞれ未処理の純銅粉末を未処理A~Dとした。

10μm:未処理銅粉末A Cu-HWQ10(純銅)
20μm:未処理銅粉末B Cu-HWQ20(純銅)
46μm:未処理銅粉末C Cu-At-200At2(純銅)
80μm:未処理銅粉末D Cu-At-100(純銅)を目開き52μmと125μmのふるいで分級し、レーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所社製 SALD-2300)にて粒度分布測定を行いメジアン径80μmであることを確認したもの。
[0066]
[表1]


[0067]
[積層造形物]
 未処理銅粉末A、B及び、銅粉末1~13を用いて積層造形物を作製した。
 ドイツEOS製「EOSINT M280」を用い、窒素ガスフロー雰囲気(残留酸素濃度約0.5%)にて、下記の条件で、直径8mm、高さ約12mmの円柱形状の造形物を作製した。
  レーザ出力:370W
  走査速度:200~1200mm/秒
  走査ピッチ:0.1mm
  積層厚さ:0.04mm
 走査速度は、各表に示す速度で行った。
[0068]
[評価]
<積層造形物の相対密度>
 積層造形物の相対密度はJIS Z2501:2000に準じて、液体として水を用いてアルキメデス法による測定を行い、銅の密度(8.94g/cm )に対する比率を算出した。
[0069]
<積層造形物の空隙率>
 得られた積層造形物(円柱:高さ12mm、直径8mm)をクロスセクションにより断面研磨する。断面(円の中心付近)を光学顕微鏡(倍率50倍)で観察し、VHX(キーエンス社製、デジタルマイクロスコープ)付属の計測ソフトを用いて倍率50倍の画像を明度を基に二値化し、観察像内の空隙の面積から、
  空隙率(%)=100×(空隙面積)÷(観察面積)
を算出した。
[0070]
<積層造形物の導電率>
 渦電流式導電率計を用いて、積層造形物の導電率(%IACS)を測定した。
[0071]
<Cu O濃度>
 得られた積層造形物の断面をX線回折装置(リガク社製、SmartLab9kW)にて、Cu管球、管電圧45kV、管電流200mA、走査速度20°/分、サンプリング間隔0.01°の条件で分析した。予め既知濃度のCu Oを同X線回折装置で分析した結果を基に作成した検量線を用いて、銅粉末試料のCu Oと濃度を算出する。
[0072]
 各結果を表2乃至表16に示す。
[0073]
[表2]


[0074]
[表3]


[0075]
[表4]


[0076]
[表5]


[0077]
[表6]


[0078]
[表7]


[0079]
[表8]


[0080]
[表9]


[0081]
[表10]


[0082]
[表11]


[0083]
[表12]


[0084]
[表13]


[0085]
[表14]


[0086]
[表15]


[0087]
[表16]


[0088]
(試験2)
 上記銅粉末に加えて未処理CおよびDを用いて、各測定を行った。
[0089]
<安息角>
 未処理の銅粉末A~D、銅粉末1~13の安息角を測定した。
 黄銅製円柱試料台(高さ5mm、Φ10mm)にスパチュラを用いて各銅粉末を試料台からこぼれ落ちるまで静かに堆積させ、デジタルカメラで撮影した。その画像を画像解析ソフトImageJを用いて安息角を測定した。
[0090]
<単位質量当りのCu O濃度>
 まず、0.2mol/L塩酸と99.5%メタノールとを体積比1:1で混合した溶液200mlに、オクチルアミン0.1gを添加し、スターラーで撹拌しながら、窒素ガスで10分間脱酸素処理を行う。さらに、窒素ガスを流しながら銅粉末試料200mgを投入する。ろ液の銅濃度がサチレートするまで撹拌処理した後、アドバンテック製ろ紙4Aを用いてろ過する。ろ液を50倍希釈し、ICP発光分光分析装置(日立社製、PS3520UVDDII)にて銅濃度を測定する。
 尚、各銅粉末は、X線回折装置(リガク社製、SmartLab9kW)にて、Cu管球、管電圧45kV、管電流200mA、走査速度20°/分、サンプリング間隔0.01°の条件で分析した。CuOが検出されなかった場合には測定された銅濃度はすべてCu O由来の銅の濃度であるとして、酸化銅および酸素濃度を算出した。
[0091]
<CuO濃度>
 銅粉末試料を上記のX線回折装置で分析し、Cu Oに加えてCuOが検出された場合は、予めCu OとCuOを既知の質量比で混合し、同X線回折装置で分析した結果を基に作成した検量線を用いて、銅粉末試料のCu OとCuOの質量比を算出する。続いて、酸溶解法により測定した酸化銅濃度の測定結果とCuOの質量比率からCuO濃度を算出する。
 尚、上記CuO濃度の測定方法において測定可能な濃度は1.7質量%を超える濃度であった。すなわち、あらかじめ濃度がわかっている試料(1.0質量%、1.2質量%、1.4質量%、1.5質量%、1,7質量%及び1.9質量%)を準備し、これらの試料を上記測定方法で測定したところ、1.9質量%の試料のみ濃度を測定することができ、他の試料はCuOが検出できなかった。よって、本実施例においてCuOの含有量1.7質量%以下であれば実質的にCuOが含まれていない、すなわちCuO濃度は0%の銅粉末であるとした。
[0092]
<比表面積>
 各銅粉末の比表面積を測定した。
[酸化銅除去後の比表面積]
 1.0mol/L塩酸と99.5%メタノールとを体積比3:1で混合した溶液2Lにオクチルアミン0.7gを添加し、スターラーで撹拌しながら、銅粉末試料を投入する。このときに投入する銅粉末試料量は、酸化銅濃度が4.0質量%未満のときは150g、4.0質量%以上のときは75gとする。前記<単位質量当りの酸化銅Cu O濃度>の試料の調整方法において銅粉末試料を投入した後にサチレートしたときの銅濃度と同等になるまで撹拌処理した後、アドバンテック製ろ紙5Cを用いてろ過し、酸化銅被膜を除去した銅粉末を得る。尚、ろ過前の液の調整において、塩酸濃度とオクチルアミンの量は、酸化銅被膜を溶解でき、且つ、ろ液の銅濃度がサチレートするように調整して上記濃度及び量とした。得られた銅粉末を真空乾燥し、ふるいがけしたものを比表面積測定用の試料とした。メジアン径10μmの銅粉末は目開き40μm、メジアン径20μmの銅粉末は目開き90μm、メジアン径45μmと80μmの銅粉末は目開き125μmのふるいを使用した。ブレーン空気透過粉末度測定器(東京理化精機製作所製)にて比表面積測定を行った。
[0093]
[酸化銅除去前の比表面積]
 各銅粉末をふるいがけする。ふるいは、メジアン径10μmの銅粉末は目開き40μm、メジアン径20μmの銅粉末は目開き90μm、メジアン径45μmと80μmの銅粉末は目開き125μmのふるいを使用した。ブレーン空気透過粉末度測定器(東京理化精機製作所製)にて比表面積測定を行った。
[0094]
[比表面積変化率]
 各銅粉末の比表面積変化率は、以下の式で算出された。単位は、[%]である。

 [(酸化銅除去前の比表面積÷酸化銅除去後の比表面積)-1]×100
[0095]
<単位表面積当たりの酸化銅濃度>
 各銅粉末の単位表面積当たりの酸化銅濃度は、以下の式で算出された。単位は、[g/m ]である。

  Cu O濃度÷比表面積÷100
[0096]
<被膜剥離率>
 各銅粉末の被膜剥離率を以下の方法で測定し、算出した。
 銅粉末のSEM画像を撮影し、SEM画像を基に輪郭がすべて確認できる銅粉末100個のうち酸化銅被膜が剥離している粉末数をカウントし、酸化銅被膜が剥離している粉末の割合を算出する。単位は[%]である。

 酸化銅被膜剥離率[%]=剥離粉末数/100個×100

 結果を表17に示す。
[0097]
[表17]


[0098]
<反射率>
 波長1070nmの光に対する上記各銅粉末の反射率を紫外可視近赤外分光光度計(島津製作所製、SolidSpec-3700)で測定した結果を表18に示す。
[0099]
[表18]


[0100]
(考察)
 平均粒子径及び酸化銅の含有量(単位表面積当たり、単位質量当り)が所定の範囲である銅粉末を用いた積層造形物は、それ以外の銅粉末(未処理及び銅粉末6)に比べて空隙率が低く、あるいは相対密度が高く、且つ導電率が高い積層造形物を得られやすいことが明らかであった。
 また、それらの銅粉末の安息角及び反射率も所定の範囲であることが示された。

請求の範囲

[請求項1]
 平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、
 酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む積層造形用銅粉末。
[請求項2]
 波長1070nmの光に対する反射率が65%以下である請求項1に記載の積層造形用銅粉末。
[請求項3]
 安息角が50度以下である請求項1又は2に記載の積層造形用銅粉末。
[請求項4]
 酸化第一銅(Cu O)を0.5質量%以上9.4質量%以下含む請求項1乃至3の何れか一項に記載の積層造形用銅粉末。
[請求項5]
 酸化第一銅(Cu O)の含有量が1.3質量%以上9.4質量%以下、且つ酸化第二銅(CuO)の含有量が1.7質量%以下である請求項1乃至4の何れか一項に記載の積層造形用銅粉末。
[請求項6]
 比表面積変化率が50%以下である請求項1乃至5の何れか一項に記載の積層造形用銅粉末。
[請求項7]
 被膜剥離率が80%未満である請求項1乃至6の何れか一項に記載の積層造形用銅粉末。
[請求項8]
 銅粉末を温度100℃以上500℃以下で0.1時間以上72時間以下焼成することで、平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む粉末となるようにする工程を含む積層造形用銅粉末の製造方法。
[請求項9]
 前記工程において比表面積変化率が50%以下である粉末となるようにする請求項8に記載の積層造形用銅粉末の製造方法。
[請求項10]
 前記工程において被膜剥離率が80%未満である粉末となるようにする請求項8又は9に記載の積層造形用銅粉末の製造方法。
[請求項11]
 平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む積層造形用銅粉末の所定位置にエネルギーを照射して固化させて造形層を形成する造形工程と、
 前記造形工程を繰り返して行い前記造形層を積層する積層工程と、を含む積層造形物の製造方法。
[請求項12]
 平均粒子径が1μm以上150μm以下であって、酸化銅を単位表面積当たり0.10g/m 以上7.0g/m 以下、且つ単位質量当り0.5質量%以上9.4質量%以下含む積層造形用銅粉末を所定位置に供給しながら加熱溶融させ、固化させて造形層を形成する造形工程と、
 前記造形工程を繰り返して行い前記造形層を積層する積層工程と、を含む積層造形物の製造方法。
[請求項13]
 銅粉末を温度100℃以上500℃以下で0.1時間以上72時間以下焼成して前記積層造形用銅粉末を作製する粉末作製工程を、さらに含む請求項11又は12に記載の積層造形物の製造方法。
[請求項14]
 前記積層造形用銅粉末の比表面積変化率が50%以下である請求項11乃至13の何れか一項に記載の積層造形物の製造方法。
[請求項15]
 前記積層造形用銅粉末の被膜剥離率が80%未満である請求項11乃至14の何れか一項に記載の積層造形物の製造方法。
[請求項16]
 銅を90質量%以上含有し、相対密度が94%以上であり、導電率が50%IACS以上である積層造形物。
[請求項17]
 断面観察から求められる空隙率が15%以下である請求項16に記載の積層造形物。
[請求項18]
 酸化第一銅(Cu O)を0.1質量%以上6.0質量%以下含む請求項16又は17に記載の積層造形物。
[請求項19]
 導電率が60%IACS以上である請求項16乃至18のいずれか一項に記載の積層造形物。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]