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1. WO2020115785 - DISPOSITIF RADAR ET PROCÉDÉ DE TRAITEMENT DE SIGNAL

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明 細 書

発明の名称 レーダ装置及び信号処理方法

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

非特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058  

産業上の利用可能性

0059  

符号の説明

0060  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6  

図面

1   2   3   4   5   6  

明 細 書

発明の名称 : レーダ装置及び信号処理方法

技術分野

[0001]
 この発明は、目標を検出するレーダ装置及び信号処理方法に関するものである。

背景技術

[0002]
 レーダ装置は、複数のパルス信号を含むMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)信号が目標に反射された信号である反射信号を受信し、反射信号からMIMO信号を復調するMIMOレーダ技術を備えることがある。
 MIMOレーダ技術を備えるレーダ装置は、復調したMIMO信号に含まれている複数のパルス信号のそれぞれに、互いに異なる複数の重み係数のそれぞれを乗算することで、互いに異なる複数の方向にビームを形成する。
 そして、レーダ装置は、形成した複数の方向のビームのそれぞれから目標を検出する。
 復調したMIMO信号は、含んでいる複数のパルス信号の間で相互相関を有していることがあり、含んでいる複数のパルス信号の間で相互相関を有している場合、複数の方向のビームのそれぞれに含まれている雑音電力が、互いに異なる。
 したがって、複数の方向のビームのうち、特定の方向のビームに含まれている雑音電力が大きいために、レーダ装置が、特定の方向に存在している目標を検出できなくなり、目標の探知能力が劣化することがある。
[0003]
 以下の非特許文献1には、復調したMIMO信号の相関行列の複素共役と単位行列とのクロネッカー積から、雑音電力を白色化する行列(以下、「白色化行列」と称する)を生成しているレーダ装置が開示されている。
 非特許文献1に開示されているレーダ装置は、復調したMIMO信号に白色化行列を乗算することで、複数の方向のビームのそれぞれに含まれている雑音電力を白色化している。

先行技術文献

非特許文献

[0004]
非特許文献1 : Guimei Zheng,“DOA Estimation in MIMO Radar With Non-Perfectly Orthogonal Waveforms”,IEEE COMMUNICATIONS LETTERS, pp.414-417, VOL. 21, NO. 2, FEBRUARY 2017.

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 非特許文献1に開示されているレーダ装置は、MIMO信号を復調する信号処理、ビームを形成する信号処理及び目標を検出する信号処理の他に、白色化行列を生成する信号処理及びMIMO信号に白色化行列を乗算する信号処理を実施する必要がある。
 したがって、非特許文献1に開示されているレーダ装置は、白色化行列を生成する信号処理及びMIMO信号に白色化行列を乗算する信号処理を実施する分だけ、装置規模が増大してしまうという課題があった。
[0006]
 この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、白色化行列を生成する信号処理及びMIMO信号に白色化行列を乗算する信号処理を実施しなくても、目標の探知能力の劣化を抑えることができるレーダ装置及び信号処理方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 この発明に係るレーダ装置は、複数のパルス信号を含むMIMO信号を生成し、MIMO信号を空間に放射する信号送信部と、信号送信部から放射されたMIMO信号が目標に反射された信号である反射信号を受信する信号受信部と、信号受信部により受信された反射信号からMIMO信号を復調する復調部と、復調部により復調されたMIMO信号に含まれている複数のパルス信号のそれぞれに、互いに異なる複数の重み係数のそれぞれを乗算することで、互いに異なる複数の方向にビームを形成するビーム形成部と、信号送信部により生成されるMIMO信号の位相を変位させ、位相の変位量に基づいて、複数の重み係数を調整することで、ビーム形成部により形成される複数の方向のビームのそれぞれに含まれる雑音電力を変化させる制御部と、ビーム形成部により形成された複数の方向のビームのそれぞれから目標を検出する目標検出部とを備えるものである。

発明の効果

[0008]
 この発明によれば、制御部が、信号送信部により生成されるMIMO信号の位相を変位させ、位相の変位量に基づいて、複数の重み係数を調整することで、ビーム形成部により形成される複数の方向のビームのそれぞれに含まれる雑音電力を変化させるように、レーダ装置を構成した。したがって、この発明に係るレーダ装置は、白色化行列を生成する信号処理及びMIMO信号に白色化行列を乗算する信号処理を実施しなくても、目標の探知能力の劣化を抑えることができる。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 実施の形態1に係るレーダ装置を示す構成図である。
[図2] 図1に示すレーダ装置に含まれている信号処理部8のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
[図3] 信号処理部8がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
[図4] 信号処理部8の処理手順を示すフローチャートである。
[図5] ビームの方位角θ及び仰角φを示す説明図である。
[図6] 図1に示すレーダ装置における目標の捜索範囲の一例を示す説明図である。

発明を実施するための形態

[0010]
 以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
[0011]
実施の形態1.
 図1は、実施の形態1に係るレーダ装置を示す構成図である。
 図2は、図1に示すレーダ装置に含まれている信号処理部8のハードウェアを示すハードウェア構成図である。
 図1及び図2において、信号送信部1は、MIMO信号生成部2、送信信号生成部3及び送信アンテナ4-0~4-(K-1)を備えている。
 信号送信部1は、制御部11から出力される位相制御信号が示す位相を有するMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を生成する。
 信号送信部1は、生成したMIMO信号を空間に放射する。
[0012]
 MIMO信号生成部2は、制御部11から出力された位相制御信号が示す位相を有するMIMO信号を生成し、MIMO信号を送信信号生成部3に出力する。
 MIMO信号生成部2により生成されるMIMO信号は、送信アンテナ4-0~4-(K-1)の本数と同数のパルス信号を含んでいる。Kは、2以上の整数である。
 送信信号生成部3は、局部発振信号を出力する局部発振器3aを備えている。
 送信信号生成部3は、局部発振器3aから出力された局部発振信号を用いて、MIMO信号の周波数を無線周波数(RF:Radio Frequency)に変換する。
 送信信号生成部3は、周波数がRFのMIMO信号を送信信号として、送信アンテナ4-0~4-(K-1)に出力する。
 局部発振器3aから出力される局部発振信号は、送信信号生成部3で利用されるほか、信号受信処理部7でも利用されるため、局部発振器3aは、局部発振信号を信号受信処理部7に出力する。
[0013]
 送信アンテナ4-0~4-(K-1)は、送信信号生成部3から出力された送信信号に含まれているパルス信号のそれぞれを空間に放射する。
 図1に示す信号送信部1は、K本の送信アンテナ4-0~4-(K-1)を備えている。しかし、これは一例に過ぎず、信号送信部1が、例えば、K本の素子アンテナを有するサブアレイアンテナを備えていてもよい。
[0014]
 信号受信部5は、受信アンテナ6-0~6-(M-1)及び信号受信処理部7を備えている。Mは、1以上の整数である。
 信号受信部5は、信号送信部1から放射された送信信号が目標に反射された信号である反射信号を受信する。
 受信アンテナ6-0~6-(M-1)は、目標に反射された送信信号に含まれている複数のパルス信号のそれぞれを受信して、それぞれのパルス信号を反射信号として信号受信処理部7に出力する。
 図1に示す信号受信部5は、M本の受信アンテナ6-0~6-(M-1)を備えている。しかし、これは一例に過ぎず、信号受信部5が、例えば、M本の素子アンテナを有するサブアレイアンテナを備えていてもよい。
 また、図1に示すレーダ装置は、送信アンテナ4-0~4-(K-1)及び受信アンテナ6-0~6-(M-1)を備えている。しかし、これは一例に過ぎず、レーダ装置が、K本の送受信アンテナを備えていてもよい。
[0015]
 信号受信処理部7は、アナログデジタル変換器(以下、「A/D変換器」と称する)7aを備えている。
 信号受信処理部7は、局部発振器3aから出力された局部発振信号を用いて、受信アンテナ6-0~6-(M-1)のそれぞれから出力された複数のパルス信号を含む反射信号の周波数をベースバンドの周波数に変換する。
 信号受信処理部7は、A/D変換器7aを用いて、周波数がベースバンドの反射信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号を受信信号として復調部9に出力する。
 A/D変換器7aは、反射信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号を受信信号として復調部9に出力する。
[0016]
 信号処理部8は、復調部9、ビーム形成部10、制御部11及び目標検出部12を備えている。
 復調部9は、例えば、図2に示す復調回路21によって実現される。
 復調部9は、信号受信処理部7から出力された受信信号から、MIMO信号生成部2により生成されたMIMO信号を復調する。
 復調部9は、復調したMIMO信号をビーム形成部10に出力する。
[0017]
 ビーム形成部10は、例えば、図2に示すビーム形成回路22によって実現される。
 ビーム形成部10は、復調部9から出力されたMIMO信号に含まれている複数のパルス信号のそれぞれに、制御部11から出力された係数制御信号が示す互いに異なる複数の重み係数のそれぞれを乗算することで、互いに異なる複数の方向にビームを形成する。
 ビーム形成部10は、形成した複数の方向のビームを目標検出部12に出力する。
[0018]
 制御部11は、例えば、図2に示す制御回路23によって実現される。
 制御部11は、MIMO信号の位相を示す位相制御信号をMIMO信号生成部2に出力することで、MIMO信号生成部2により生成されるMIMO信号の位相を変位させる。
 制御部11は、例えば、送信アンテナ4-0~4-(K-1)から、図6に示すような目標の捜索範囲に向けて、送信信号が繰り返し放射される1回のスキャンが完了する毎に、MIMO信号生成部2により生成されるMIMO信号の位相を変位させる。
 図6は、図1に示すレーダ装置における目標の捜索範囲の一例を示す説明図である。
 制御部11によって変位されるMIMO信号の位相は、目標検出部12が捜索範囲に存在している目標を捜索するために、送信アンテナ4-0~4-(K-1)から、目標の捜索範囲に向けて、送信信号が繰り返し放射される1回のスキャンが完了するまでの間は、同じである。スキャンとは、目標の捜索範囲に存在している全ての目標からの反射信号を得るために、目標の捜索範囲の全体に送信信号が行き渡るように、送信アンテナ4-0~4-(K-1)から、送信信号が繰り返し放射されることを意味する。
[0019]
 制御部11は、MIMO信号の位相の変位量に対応する複数の重み係数を示す係数制御信号をビーム形成部10に出力することで、ビーム形成部10によって乗算される複数の重み係数を調整する。
 制御部11によって、複数の重み係数が調整されることで、ビーム形成部10により形成される複数の方向のビームのそれぞれに含まれる雑音電力のそれぞれが変化する。
[0020]
 目標検出部12は、例えば、図2に示す目標検出回路24によって実現される。
 目標検出部12は、ビーム形成部10により形成された複数の方向のビームのそれぞれから目標を検出する。
[0021]
 図1では、信号処理部8の構成要素である復調部9、ビーム形成部10、制御部11及び目標検出部12のそれぞれが、図2に示すような専用のハードウェアによって実現されるものを想定している。即ち、信号処理部8が、復調回路21、ビーム形成回路22、制御回路23及び目標検出回路24によって実現されるものを想定している。
 ここで、復調回路21、ビーム形成回路22、制御回路23及び目標検出回路24のそれぞれは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。
[0022]
 信号処理部8の構成要素は、専用のハードウェアによって実現されるものに限るものではなく、信号処理部8がソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現されるものであってもよい。
 ソフトウェア又はファームウェアは、プログラムとして、コンピュータのメモリに格納される。コンピュータは、プログラムを実行するハードウェアを意味し、例えば、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、あるいは、DSP(Digital Signal Processor)が該当する。
 図3は、信号処理部8がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合のコンピュータのハードウェア構成図である。
[0023]
 信号処理部8がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される場合、復調部9、ビーム形成部10、制御部11及び目標検出部12の処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムがメモリ32に格納される。そして、コンピュータのプロセッサ31がメモリ32に格納されているプログラムを実行する。
 図4は、信号処理部8の処理手順を示すフローチャートである。
[0024]
 また、図2では、信号処理部8の構成要素のそれぞれが専用のハードウェアによって実現される例を示し、図3では、信号処理部8がソフトウェア又はファームウェア等によって実現される例を示している。しかし、これは一例に過ぎず、信号処理部8における一部の構成要素が専用のハードウェアによって実現され、残りの構成要素がソフトウェア又はファームウェア等によって実現されるものであってもよい。
[0025]
 次に、図1に示すレーダ装置の動作について説明する。
 図1に示すレーダ装置では、スキャンの順番を示す変数がk で表され、k =1に初期設定される。
 k 番目のスキャンでのMIMO信号の位相の変位量と、変位量に対応する複数の重み係数とについては、後述する。
 まず、制御部11は、k =1番目のスキャンでのMIMO信号の位相を示す位相制御信号をMIMO信号生成部2に出力し、MIMO信号の位相の変位量に対応する複数の重み係数を示す係数制御信号をビーム形成部10に出力する(図4のステップST1)。
[0026]
 MIMO信号生成部2は、制御部11から出力された位相制御信号が示す位相を有するMIMO信号を生成する(図4のステップST2)。
 MIMO信号生成部2により生成されるMIMO信号は、K個のパルス信号を含んでいる。
 MIMO信号生成部2は、K個のパルス信号を含むMIMO信号を送信信号生成部3に出力する。
[0027]
 送信信号生成部3は、MIMO信号生成部2からMIMO信号を受けると、局部発振器3aから出力された局部発振信号を用いて、MIMO信号の周波数をRFに変換する(図4のステップST3)。
 送信信号生成部3は、周波数がRFのMIMO信号を送信信号とし、送信信号に含まれている複数のパルス信号のそれぞれを送信アンテナ4-0~4-(K-1)のそれぞれに出力する。
 局部発振器3aから出力される局部発振信号は、送信信号生成部3で利用されるほか、信号受信処理部7でも利用されるため、局部発振器3aは、局部発振信号を信号受信処理部7に出力する。
[0028]
 送信アンテナ4-0~4-(K-1)は、送信信号生成部3から出力された送信信号に含まれている複数のパルス信号のそれぞれを空間に放射する(図4のステップST4)。
 送信アンテナ4-0~4-(K-1)のそれぞれから空間に放射されたパルス信号は、空間に目標が存在していれば、目標に反射される。目標に反射された複数のパルス信号は、図1に示すレーダ装置に戻ってくる。
 受信アンテナ6-0~6-(M-1)は、目標に反射されたそれぞれのパルス信号を反射信号として受信する(図4のステップST5)。
 受信アンテナ6-0~6-(M-1)により受信された複数のパルス信号は、反射信号として、信号受信処理部7に出力される。
[0029]
 信号受信処理部7は、受信アンテナ6-0~6-(M-1)から反射信号を受けると、局部発振器3aから出力された局部発振信号を用いて、反射信号の周波数をベースバンドの周波数に変換する(図4のステップST6)。
 信号受信処理部7は、A/D変換器7aを用いて、周波数がベースバンドの反射信号をアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル信号を受信信号として復調部9に出力する。
[0030]
 復調部9は、信号受信処理部7から受信信号を受けると、例えば、受信信号をフーリエ変換することで、受信信号から周波数領域の信号を算出する(図4のステップST7)。
 復調部9は、周波数領域の信号に含まれている複数の周波数成分のそれぞれが、MIMO信号生成部2により生成されたMIMO信号に含まれている複数のパルス信号(以下、「送信アンテナ毎の信号」と称する)のそれぞれであるとして、MIMO信号を復調する(図4のステップST7)。
 復調部9は、復調したMIMO信号として、複数の送信アンテナ毎の信号をビーム形成部10に出力する。
 以下、復調部9によるMIMO信号の復調処理を具体的に説明する。
[0031]
 例えば、送信アンテナ数が2であり、送信アンテナ4-0~4-1が、送信信号生成部3から出力された送信信号に含まれている2つのパルス信号のそれぞれを空間に放射するものとする。
 また、1回目のスキャンでのMIMO信号の位相の変位量が0、2回目のスキャンでのMIMO信号の位相の変位量がπであり、目標が静止しているとすれば、変位量が0に対応する周波数f と、変位量がπに対応する周波数f πとにスペクトルが積み上がる。
 復調部9は、送信アンテナ毎の信号として、周波数f の信号成分を送信アンテナ4-0の信号、周波数f πの信号成分を送信アンテナ4-1の信号とする。
 復調部9は、送信アンテナ4-0の信号及び送信アンテナ4-1の信号のそれぞれを、送信アンテナ毎の信号としてビーム形成部10に出力する。
[0032]
 ビーム形成部10は、復調部9から出力された複数の送信アンテナ毎の信号のそれぞれに、制御部11から出力された係数制御信号が示す互いに異なる複数の重み係数のそれぞれを乗算することで、互いに異なる複数の方向にビームを形成する(図4のステップST8)。
 ビーム形成部10は、形成した複数の方向のビームを目標検出部12に出力する。
[0033]
 目標検出部12は、ビーム形成部10から複数の方向のビームを受けると、複数の方向のビームのそれぞれから目標を検出する(図4のステップST9)。
 ビームから目標を検出する処理自体は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
[0034]
 制御部11は、変数k が、設定回数K よりも小さければ(図4のステップST10:YESの場合)、変数k をインクリメントする(図4のステップST11)。
 そして、制御部11は、k 番目のスキャンでのMIMO信号の位相を示す位相制御信号をMIMO信号生成部2に出力する(図4のステップST12)。
 また、制御部11は、k 番目のスキャンでのMIMO信号の位相の変位量に対応する複数の重み係数を示す係数制御信号をビーム形成部10に出力する(図4のステップST12)。以下、ステップST2~ST10の処理が繰り返し実施される。
 変数k が、設定回数K に到達していれば(図4のステップST10:NOの場合)、図1に示すレーダ装置の処理が終了する。
 設定回数K は、制御部11の内部メモリに格納されているものであってもよいし、外部から与えられるものであってもよい。
[0035]
 次に、復調部9により復調されたMIMO信号に含まれている複数の送信アンテナ毎の信号の間で相互相関を有している場合、複数の方向のビームのそれぞれに含まれている雑音電力が、互いに異なることを説明する。
 図1に示すレーダ装置は、M本の受信アンテナ6-0~(M-1)を有しているが、説明の簡単化のために、レーダ装置が、1本の受信アンテナ6-0のみを有しているものとする。
 図1に示すレーダ装置が有する受信アンテナが、1本の受信アンテナ6-0のみであっても、複数の方向のビームのそれぞれに含まれる雑音電力が、互いに異なることについては、M本の受信アンテナ6-0~(M-1)を有している場合と同様である。
[0036]
 復調部9により復調されたMIMO信号に含まれている雑音信号がnであり、以下の式(1)に示すように、MIMO信号に含まれている複数の送信アンテナ毎の信号のそれぞれに含まれている雑音信号がn ,n ,・・・,n K-1であるとする。明細書の文章中では、電子出願の都合上、“n”の文字を太字で表記することができないため、“n”の文字を細字で表記しているが、式(1)中では、“n”の文字を太字で表記している。以下の式(2)及び式(5)でも同様である。




 式(1)において、雑音信号n ~n K-1のそれぞれは、複素信号であり、雑音信号n ~n K-1における実部の平均及び虚部の平均のそれぞれは、0であり、雑音信号n ~n K-1における実部の分散及び虚部の分散のそれぞれは、σ /2である。
[0037]
 ビーム形成部10が、複数の方向にビームを形成するために用いる重み係数であるウェイトがwであるとすれば、ビーム形成部10により形成されるビームに含まれる雑音信号y(θ,φ)は、以下の式(2)のように表される。明細書の文章中では、電子出願の都合上、“w”の文字を太字で表記することができないため、“w”の文字を細字で表記しているが、式(2)中では、“w”の文字を太字で表記している。以下の式(4)~(6)、式(8)~(11)、式(15)、式(17)及び式(20)でも同様である。




 式(2)において、Hは、複素共役転置を示す記号である。
 θは、図5に示すように、ビーム形成部10によって形成されるビームの方位角、φは、図5に示すように、ビーム形成部10によって形成されるビームの仰角である。
 図5は、ビームの方位角θ及び仰角φを示す説明図である。
[0038]
 ビーム形成部10によってビームが形成される方向の単位方向ベクトルiは、以下の式(3)のように表される。明細書の文章中では、電子出願の都合上、“i”の文字を太字で表記することができないため、“i”の文字を細字で表記しているが、式(3)中では、“i”の文字を太字で表記している。以下の式(4)でも同様である。




 式(3)において、Tは、転置を示す記号である。
[0039]
 k(k=0,1,・・・,K-1)番目の送信アンテナ4-kの座標がd Txであるとすれば、ウェイトwは、以下の式(4)のように表される。




 式(4)において、λは、送信信号の波長である。
[0040]
 雑音信号y(θ,φ)の電力P(θ,φ)は、以下の式(5)のように表される。




 また、雑音信号y(θ,φ)の電力P(θ,φ)をσ で正規化すると、正規化後の雑音信号y(θ,φ)の電力である雑音電力P (θ,φ)は、以下の式(6)のように表される。明細書の文章中では、電子出願の都合上、“C ”の文字を太字で表記することができないため、“C ”の文字を細字で表記しているが、式(6)中では、“C ”の文字を太字で表記している。以下の式(7)でも同様である。




 式(6)において、C は、雑音信号nの相関行列であり、下の式(7)のように表される。
[0041]




 式(7)において、ρ は、自己相関値であり、ρ =1である。
 相関行列C におけるρ 以外の要素は、相互相関値を示している。
 例えば、ρ は、送信アンテナ4-0から送信されるパルス信号と、送信アンテナ4-1から送信されるパルス信号との相互相関値である。
 *は、複素共役を表す記号である。
[0042]
 相関行列C の自己相関成分がC autoであり、相関行列C の相互相関成分がC crosであるとすれば、雑音電力P (θ,φ)は、以下の式(8)のように表される。明細書の文章中では、電子出願の都合上、“C auto”及び“C cros”の文字を太字で表記することができないため、“C auto”及び“C cros”の文字を細字で表記しているが、式(8)中では、“C auto”及び“C cros”の文字を太字で表記している。以下の式(9)~(10)、式(13)~(15)及び式(17)でも同様である。




 雑音電力P (θ,φ)における自己相関に係る雑音電力P n,auto(θ,φ)は、以下の式(9)に表され、雑音電力P (θ,φ)における相互相関に係る雑音電力P n,cros(θ,φ)は、以下の式(10)に表される。



[0043]
 相関行列C の相互相関値が0であれば、相関行列C における全ての相互相関成分C crosが0である。
 相関行列C における全ての相互相関成分C crosが0である場合、相関行列C が単位行列となるため、雑音電力P (θ,φ)は、w w=Kとなり、ビームの方位角θ及び仰角φに依存しない。
 相関行列C の相互相関値が0でなければ、雑音電力P (θ,φ)は、式(10)に示す項を含むため、ビームの方位角θ及び仰角φのそれぞれが異なれば、雑音電力P (θ,φ)が異なる、
[0044]
 例えば、送信アンテナ数が2(K=2)、受信アンテナ数が1(M=1)であるとして、送信アンテナ4-0及び受信アンテナ6-0のそれぞれが、図5に示す座標の原点に配置されているものとする。また、送信アンテナ4-1が、図5に示す座標の原点からの距離が送信信号の半波長の長さとなる位置であり、かつ、x軸上の位置に配置されているものとする。
 ビーム形成部10によってビームが形成される方向が、例えば、θ=0及びφ=0であるとすれば、ウェイトwは、以下の式(11)のように表される。



[0045]
 したがって、式(9)に示す自己相関に係る雑音電力P n,auto(θ,φ)は、2となる。また、式(10)に示す相互相関に係る雑音電力P n,cros(θ,φ)は、以下の式(11)のように表され、ビーム形成部10によってビームが形成される方向である方位角θ及び仰角φに依存している。




 したがって、ビーム形成部10によってビームが形成される複数の方向のうち、特定の方向の雑音電力P (θ,φ)が上昇することがある。
[0046]
 制御部11が、スキャン単位で、MIMO信号の位相を変化させることで、特定の方向の雑音電力P (θ,φ)を変化させると、特定の方向の雑音電力P (θ,φ)が低下するスキャンタイミングが発生する。特定の方向の雑音電力P (θ,φ)が低下するスキャンタイミングでは、特定の方向に存在している目標の探知性能が高まる。
 以下、スキャン単位での位相の変化量の求め方について説明する。
[0047]
 特定の方向の雑音電力P (θ,φ)が低下するスキャンタイミングが、k 番目のスキャンであるとすれば、式(10)に示す相互相関に係る雑音電力P n,cros(θ,φ)は、以下の式(13)のように表される。明細書の文章中では、電子出願の都合上、“w kp”の文字を太字で表記することができないため、“w kp”の文字を細字で表記しているが、式(13)中では、“w kp”の文字を太字で表記している。以下の式(14)~(15)でも同様である。




 式(13)において、w kpは、k 番目のスキャンでのウェイトである。
 相互相関に係る雑音電力P n,cros(θ,φ)におけるk 回の平均P n,cros,ave(θ,φ)は、以下の式(14)のように表される。



[0048]
 k 番目のスキャンには、MIMO信号生成部2により生成されるMIMO信号に含まれているK個のパルス信号の位相のそれぞれの変位量がΔw kpであるとすると、k 回の平均P n,cros,ave(θ,φ)は、以下の式(15)のように表される。




 式(15)において、“〇”の中に“・”が含まれている記号は、アダマール積を示す記号である。アダマール積は、同じサイズの行列の要素同士の積を求めるものである。
[0049]
 制御部11は、式(15)に示すk 回の平均P n,cros,ave(θ,φ)の分散を評価する評価関数をV[P n,cros,ave(θ,φ)]とし、以下の式(16)に示すように、評価関数V[P n,cros,ave(θ,φ)]が最小となる変位量Δw kpを求める。明細書の文章中では、電子出願の都合上、“w opt”の文字を太字で表記することができないため、“w opt”の文字を細字で表記しているが、式(16)中では、“w opt”の文字を太字で表記している。




 制御部11は、評価関数V[P n,cros,ave(θ,φ)]が最小となる変位量Δw kpを、k 番目のスキャンでの変位量Δw opt,kpに決定する。
[0050]
 例えば、送信アンテナ数が2、受信アンテナ数が1であるとして、送信アンテナ4-0及び受信アンテナ6-0のそれぞれが、図5に示す座標の原点に配置されているものとする。また、送信アンテナ4-1が、図5に示す座標の原点からの距離が送信信号の半波長の長さとなる位置であり、かつ、x軸上の位置に配置されているものとする。
 また、ビーム形成部10によってビームが形成される方向が、例えば、θ=0及びφ=0であり、k =2番目のスキャン時に、特定の方向の雑音電力P (θ,φ)を低減させるものとする。
 k =1番目のスキャンでのウェイトwの全要素に対する位相の変位量Δw が1、k =2番目のスキャンでのウェイトwの全要素に対する位相の変位量がΔw であるとすると、2回の平均P n,cros,ave(θ,φ)は、以下の式(17)のように表される。



[0051]
 送信アンテナ4-0から送信されるパルス信号の位相と、送信アンテナ4-1から送信されるパルス信号の位相との位相差がπであるとすると、変位量Δw は、以下の式(18)のように表される。




 変位量Δw が式(18)で表される場合、2回の平均P n,cros,ave(θ,φ)は、以下の式(19)に表されるように、0になる。




 また、2回の平均P n,cros,ave(θ,φ)の分散も0になり、2回の平均P n,cros,ave(θ,φ)の分散が最小になる。
[0052]
 制御部11は、目標検出部12が目標の検出処理を開始する前に、式(16)に基づいて、k (k =1,2,・・・,K )番目のスキャンでのMIMO信号の位相の変位量Δw opt,kpを決定し、決定した変位量Δw opt,kpを例えば内部メモリに格納する。
 例えば、k =1番目のスキャンでのMIMO信号の位相が基準の位相であり、k (k =1,2,・・・,K )番目のスキャンでの変位量Δw opt,kpは、基準の位相からの変位量である。
[0053]
 目標検出部12が目標の検出処理を開始すると、制御部11は、例えば、内部メモリに格納したk 番目のスキャンでのMIMO信号の位相の変位量Δw opt,kpを読み出し、変位量Δw opt,kpを基準の位相に加算する。
 制御部11は、変位量加算後の位相を示す位相制御信号をMIMO信号生成部2に出力する。
 MIMO信号生成部2は、制御部11から出力された位相制御信号が示す位相を有するMIMO信号を生成する。
[0054]
 また、制御部11は、以下の式(20)に示すように、変位量Δw opt,kpに対応するウェイトw’を算出する。




 また、制御部11は、算出したウェイトw’を示す係数制御信号をビーム形成部10に出力する。
 ビーム形成部10は、復調部9から出力された複数の送信アンテナ毎の信号のそれぞれに、制御部11から出力された係数制御信号が示すウェイトw’に含まれている複数の要素のそれぞれを乗算することで、互いに異なる複数の方向にビームを形成する。
[0055]
 図1に示すレーダ装置は、目標検出部12が目標の検出処理を実施しているときに、制御部11が、変位量Δw opt,kpを基準の位相に加算して、変位量加算後の位相を示す位相制御信号をMIMO信号生成部2に出力する処理を実施する必要がある。また、制御部11が、変位量Δw opt,kpに対応するウェイトw’を算出し、ウェイトw’を示す係数制御信号をビーム形成部10に出力する処理を実施する必要がある。
 しかし、制御部11におけるこれらの処理は、単なる加算処理とアダマール積を算出する処理であり、白色化行列を生成する信号処理及びMIMO信号に白色化行列を乗算する信号処理と比べて、演算規模が極めて小さい処理である。
[0056]
 以上の実施の形態1は、制御部11が、信号送信部1により生成されるMIMO信号の位相を変位させ、位相の変位量に基づいて、複数の重み係数を調整することで、ビーム形成部10により形成される複数の方向のビームのそれぞれに含まれる雑音電力を変化させるように、レーダ装置を構成した。したがって、レーダ装置は、白色化行列を生成する信号処理及びMIMO信号に白色化行列を乗算する信号処理を実施しなくても、目標の探知能力の劣化を抑えることができる。
[0057]
実施の形態2.
 図1に示すレーダ装置では、制御部11が、1回のスキャンが完了する毎に、信号送信部1により生成されるMIMO信号の位相を変位させている。
 しかし、これは一例に過ぎず、制御部11は、復調部9により反射信号が周波数領域の信号に変換される間隔であるCPI(Coherent Processing Interval)毎に、信号送信部1により生成されるMIMO信号の位相を変位させるようにしてもよい。
 実施の形態2のレーダ装置でも、図1に示すレーダ装置と同様に、白色化行列を生成する信号処理及びMIMO信号に白色化行列を乗算する信号処理を実施しなくても、目標の探知能力の劣化を抑えることができる。
[0058]
 なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。

産業上の利用可能性

[0059]
 この発明は、目標を検出するレーダ装置及び信号処理方法に適している。

符号の説明

[0060]
 1 信号送信部、2 MIMO信号生成部、3 送信信号生成部、3a 局部発振器、4-0~4-(K-1) 送信アンテナ、5 信号受信部、6-0~6-(M-1) 受信アンテナ、7 信号受信処理部、7a A/D変換器、8 信号処理部、9 復調部、10 ビーム形成部、11 制御部、12 目標検出部、21 復調回路、22 ビーム形成回路、23 制御回路、24 目標検出回路、31 プロセッサ、32 メモリ。

請求の範囲

[請求項1]
 複数のパルス信号を含むMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)信号を生成し、前記MIMO信号を空間に放射する信号送信部と、
 前記信号送信部から放射されたMIMO信号が目標に反射された信号である反射信号を受信する信号受信部と、
 前記信号受信部により受信された反射信号から前記MIMO信号を復調する復調部と、
 前記復調部により復調されたMIMO信号に含まれている複数のパルス信号のそれぞれに、互いに異なる複数の重み係数のそれぞれを乗算することで、互いに異なる複数の方向にビームを形成するビーム形成部と、
 前記信号送信部により生成されるMIMO信号の位相を変位させ、前記位相の変位量に基づいて、前記複数の重み係数を調整することで、前記ビーム形成部により形成される複数の方向のビームのそれぞれに含まれる雑音電力を変化させる制御部と、
 前記ビーム形成部により形成された複数の方向のビームのそれぞれから前記目標を検出する目標検出部と
 を備えたレーダ装置。
[請求項2]
 前記制御部は、前記信号送信部から、前記目標の捜索範囲に向けて、MIMO信号が繰り返し放射される1回のスキャンが完了する毎に、前記信号送信部により生成されるMIMO信号の位相を変位させることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
[請求項3]
 前記復調部は、前記信号受信部により受信された反射信号を周波数領域の信号に変換し、前記周波数領域の信号に含まれている複数の周波数成分のそれぞれが、前記信号送信部により生成されたMIMO信号に含まれている複数のパルス信号のそれぞれであるとして、前記MIMO信号を復調することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
[請求項4]
 前記制御部は、前記復調部により反射信号が周波数領域の信号に変換される毎に、前記信号送信部により生成されるMIMO信号の位相を変位させることを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。
[請求項5]
 前記制御部は、前記ビーム形成部により複数の方向のビームが複数回形成されたときに、それぞれの方向のビームに含まれている雑音電力の分散が最小になるMIMO信号の位相の変位量を算出し、前記算出した変位量に従って前記信号送信部により生成されるMIMO信号の位相を変位させることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
[請求項6]
 信号送信部が、複数のパルス信号を含むMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)信号を生成して、前記MIMO信号を空間に放射し、
 信号受信部が、前記信号送信部から放射されたMIMO信号が目標に反射された信号である反射信号を受信し、
 復調部が、前記信号受信部により受信された反射信号から前記MIMO信号を復調し、
 ビーム形成部が、前記復調部により復調されたMIMO信号に含まれている複数のパルス信号のそれぞれに、互いに異なる複数の重み係数のそれぞれを乗算することで、互いに異なる複数の方向にビームを形成し、
 制御部が、前記信号送信部により生成されるMIMO信号の位相を変位させ、前記位相の変位量に基づいて、前記複数の重み係数を調整することで、前記ビーム形成部により形成される複数の方向のビームのそれぞれに含まれる雑音電力を変化させ、
 目標検出部が、前記ビーム形成部により形成された複数の方向のビームのそれぞれから前記目標を検出する
 信号処理方法。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]