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1. WO2020021768 - DISPOSITIF DE COMMUNICATION SANS FIL

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明 細 書

発明の名称 無線通信デバイス

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005   0006   0007  

先行技術文献

特許文献

0008  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0009   0010  

課題を解決するための手段

0011   0012  

発明の効果

0013  

図面の簡単な説明

0014  

発明を実施するための形態

0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082  

産業上の利用可能性

0083  

符号の説明

0084  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : 無線通信デバイス

技術分野

[0001]
 本発明は、アンテナを備えた無線通信デバイス、特に、誘導電磁界又は電磁波を介して、近距離通信を行うRFID(Radio Frequency Identification)タグ等の無線通信デバイスに関する。

背景技術

[0002]
 無線通信デバイスの一形態であるRFIDタグは、リーダー・ライターとの通信を行って、所定の情報の読み書きが非接触で行われるため、様々な場面で利用される。例えば、全ての商品にRFIDタグを貼付しておくことにより、所謂セルフレジがスムースに行われる。また、トレーサビリティの確保やマーケティング等、販売・物流状況管理が円滑に行われる。
[0003]
 一方、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの販売店においては多種多様な商品が取り扱われており、商品としての食料品の中には、商品購入の直後に商品を温めて持ち帰ったり、購入者がその場で直ぐに飲食したりする場合がある。例えば弁当や総菜は、販売店において電磁波加熱装置、所謂「電子レンジ」を用いて加熱される場合がある。
[0004]
 ところが、RFIDタグが付された商品を電子レンジで加熱すると、次のような不具合が生じる場合がある。
[0005]
 RFIDタグの通信信号の周波数としては、135kHz以下のLF帯、13.56MHz等のHF帯、860MHz~960MHz帯などのUHF帯、2.45GHz等のマイクロ波帯が主に使用されるが、現在、食品に貼付されるタイプのRFIDタグはUHF帯を利用するRFIDタグである。UHF帯を利用するRFIDタグは、RFIC(Radio-Frequency Integrated Circuit)素子と共に、金属膜体であるアンテナパターンなどの金属材料が紙や樹脂等の基材上に形成されている。
[0006]
 このようなRFIDタグが付された商品が電子レンジで加熱されると、商品と共にRFIDタグに電子レンジからの電磁波のエネルギーが吸収される。これにより、
 ・上記金属材料部分において電界強度が高くなる箇所での放電
 ・金属材料部分に過電流が流れることによる金属材料の発熱・昇華
 ・RFIDタグの基材の発熱
 等によってRFIDタグ又はRFIDタグが貼付された商品部分が発火するおそれがある。特に、コンビニエンスストアに設置されている電子レンジは3kW程度の大出力の電磁波が庫内に放射されて、加熱開始直後にRFIDタグが一気に加熱されるので、条件が揃えば上記発火のおそれも高いといえる。
[0007]
 上記のような「RFIDタグ」における発火の危険性を少なくすることを目的として、「難燃性タグ」の構成が提案されている(特許文献1参照)。

先行技術文献

特許文献

[0008]
特許文献1 : 特開2006-338563号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0009]
 特許文献1に開示された「難燃性タグ」は、ICチップ及びアンテナパターンが実装される基材を難燃性材料で構成したものである。このため、基材の燃焼は抑制される。しかし、基材上に形成された金属材料部分においては時間的に連続して放電する可能性が高く、基材が発火する危険性や商品に引火する可能性を確実に防止できる構成ではない。
[0010]
 本発明の目的は、食品などに付されて、食品加熱用の高周波電力を受ける状況でも、発火や燃焼を防止することのできる無線通信デバイスを提供することにある。

課題を解決するための手段

[0011]
 本発明の一態様の無線通信デバイスは、通信信号を送受信するための無線通信デバイスであって、基材と、前記基材に形成されたアンテナパターンと、前記アンテナパターン又は前記アンテナパターンに直列接続する導体パターンに近接配置され、前記通信信号の周波数より高い周波数における損失が前記アンテナパターン及び前記基材に比べて高い高損失部材と、を備えることを特徴とする。
[0012]
 上記構造によれば、電磁波加熱用マイクロ波帯の高周波電力が照射された際に、アンテナパターンに大電流が流れて発熱する。または、アンテナパターンの電位差の大きな箇所で放電されることにより発熱する。一方、高損失部材は高効率で発熱し、この熱に起因してアンテナパターン又はアンテナパターンに直列接続する導体パターンは切断される。アンテナパターン又は導体パターンが切断されれば、上記大電流は流れなくなり、発熱は停止される。または、アンテナパターン又は導体パターンの切断により、放電位置の電位差が無くなり、または低下し、放電が維持されず、アンテナパターンの発熱は停止される。いずれにせよ、基材が発火に至ることも無くなる。このようにして、無線通信デバイス又は無線通信デバイスが貼付された商品部分の融解や変形も防止される。

発明の効果

[0013]
 本発明によれば、食品などに付されて、食品加熱用の高周波電力を受ける状況でも、発火や燃焼を防止することのできる無線通信デバイスが得られる。

図面の簡単な説明

[0014]
[図1] 図1(A)は、第1の実施形態に係るRFIDタグ101の平面図であり、図1(B)はアンテナパターンの一部が切断された後の状態を示すRFIDタグ101の平面図である。
[図2] 図2(A)、図2(B)、図2(C)、図2(D)は、通信信号の周波数での共振モード又は電磁波加熱用マイクロ波の周波数での共振モードの例を電流分布及び電圧分布で示す図である。
[図3] 図3(A)、図3(B)は、基材1に対する高損失部材19の形成位置の構造の例を示す部分断面図である。
[図4] 図4(A)、図4(B)は、基材1に対する高損失部材19の形成位置の構造について別の例を示す部分断面図である。
[図5] 図5(A)は第2の実施形態に係るRFIDタグ102の平面図である。図5(B)は高損失部材19の形成前の基材1の平面図である。
[図6] 図6は、アンテナパターン2A,2Bのランドパターン6(6a,6b)上に実装されるRFICパッケージ3の構成を示す分解斜視図である。
[図7] 図7は、RFIDタグが付された商品の一例を示す図であり、RFIDタグ102が付された弁当201の斜視図である。
[図8] 図8(A)は第3の実施形態に係るRFIDタグ103の平面図である。図8(B)はチップフェライトビーズ20を実装する前の状態での基材1の平面図である。

発明を実施するための形態

[0015]
 まず、本発明に係る無線通信デバイスにおける各種態様の構成について記載する。
[0016]
 本発明に係る第1の態様の無線通信デバイスは、通信信号を送受信するための無線通信デバイスであって、基材と、この基材に形成されたアンテナパターンと、このアンテナパターン又はこのアンテナパターンに直列接続する導体パターンに近接配置され、通信信号の周波数より高い周波数における損失がアンテナパターン及び前記基材に比べて高い高損失部材と、を備える。
[0017]
 上記のように構成された第1の態様の無線通信デバイスは、例えば電子レンジの庫内でマイクロ波の照射を受けると、上記高損失部材は特に発熱する。この熱に起因して、基材が局部的に変形してアンテナパターンに掛かる応力が増大する。また、高損失部材位置のアンテナパターン又は導体パターンが溶断又は昇華する。これらのことによってアンテナパターン又は導体パターンは切断される。アンテナパターン又は導体パターンが切断されれば、上記大電流は流れなくなり、発熱は停止される。または、アンテナパターン又は導体パターンが切断されることにより、放電位置の電位差が無くなり、または低下し、放電が維持されず、アンテナパターンの発熱は停止される。
[0018]
 つまり、本発明によれば、上記高損失部材を備えることによって、制御された、高効率で局所的な加熱が行われ、基材が発火に至る前にアンテナパターンによる発熱を停止することができる。そのため、無線通信デバイス又は無線通信デバイスが貼付された商品部分の融解や変形も防止される。
[0019]
 本発明に係る第2の態様の無線通信デバイスでは、前記高損失部材は、前記アンテナパターンの一部に接して配置される。この構成によれば、アンテナパターンの切断に要する熱がアンテナパターンの所定箇所に高効率で加わり、アンテナパターンが速やかに切断される。
[0020]
 本発明に係る第3の態様の無線通信デバイスでは、前記高損失部材は、前記アンテナパターン又は前記導体パターンが切断されることにより、電磁波加熱用マイクロ波の周波数での前記アンテナパターンの共振が維持されない、当該切断位置に形成される。この構成によれば、アンテナパターン又は前記導体パターンが高損失部材の位置で切断されると、アンテナパターンは電磁波加熱用マイクロ波帯の周波数での共振による発熱を直ちに停止するので、温度上昇が効果的に抑制される。
[0021]
 本発明に係る第4の態様の無線通信デバイスでは、前記高損失部材はチップフェライトビーズのフェライトであり、前記導体パターンは前記チップフェライトビーズに設けられた導体パターンである。この構成によれば、基材に対しての実装が容易であり、高損失部材を容易に設けることができる。
[0022]
 無線通信デバイスが付された商品を販売するコンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、食品、日用雑貨品などの多種多様な商品が取り扱われる。近年、コンビニエンスストアに関して、購入した商品の会計、及び袋詰めを自動化する「無人コンビニエンスストア」の実用化に向けて、各種実験が行われている。
[0023]
 「無人コンビニエンスストア」における商品会計の自動化のために、無線通信デバイスである「RFIDタグ」を全ての商品に付して対応することが考えられている。「無人コンビニエンスストア」においては、「RFIDタグ」が付された商品を収容した買い物カゴが精算台に置かれると、「RFIDタグ」からの情報が読み取られて商品代金が表示されるシステムである。購入者は、商品代金としての現金を現金投入口に投入するか、クレジットカードを差し込んで支払いを済ませて、自動的に買い物袋に詰められた商品を受け取ることにより、「無人コンビニエンスストア」における商品の購入を完了することができる。
[0024]
 以下、本発明に係る無線通信デバイスの具体的な例示としての実施形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。本発明に係る無線通信デバイスが付される商品としては、所謂「コンビニエンスストア」や「スーパーマーケット」などの販売店において取り扱われる全ての商品が対象である。
[0025]
 なお、以下の実施形態において説明する電磁波加熱装置としては、誘電加熱を行う所謂「電子レンジ」で説明するが、本発明おける電磁波加熱装置としては誘電加熱を行う機能を有する加熱装置が対象となる。また、以下の実施形態では、上記商品に付されるRFIDタグを無線通信デバイスの一例として説明する。
[0026]
《第1の実施形態》
 図1(A)は、第1の実施形態に係るRFIDタグ101の平面図であり、図1(B)はアンテナパターンの一部が切断された後の状態を示すRFIDタグ101の平面図である。
[0027]
 図1(A)に示すように、RFIDタグ101は、絶縁体又は誘電体の基材1と、この基材1に形成されたアンテナパターン2A,2Bと、アンテナパターン2A,2Bに対して給電する給電回路90とを備える。
[0028]
 本実施形態のRFIDタグ101は、UHF帯の通信信号の周波数(キャリア周波数)を含む高周波信号で無線通信(送受信)するよう構成されている。UHF帯とは、860MHzから960MHzの周波数帯域である。ここで、UHF帯の通信信号の周波数は本発明における「通信信号の周波数」の一例である。
[0029]
 給電回路90は、例えば後に例示するRFIC素子やRFICパッケージ等である。本実施形態のRFIDタグ101において、基材1として、可撓性を有するフィルム材料又は難燃性のフィルム材料が用いられる。基材1の平面視での外形は矩形状である。また、基材1が難燃性ではない通常のフィルム材料の場合は、基材1の厚みを38μm以下の薄さにしてもよい。これにより、基材1は、燃焼するまでに溶けて変形するので、基材形状を保てないようにすることができる。
[0030]
 基材1に難燃性フィルムを採用する場合、用いられる難燃性フィルム材料としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂などの樹脂材料にハロゲン系難燃材料の添加や、難燃性コーティング材料を塗工したフィルムが用いられる。また、基材1の材料としては、耐熱性を有するPEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂などの耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性の面で高機能を有する樹脂材料を用いることも可能である。なお、基材1には必ずしも難燃性材料が必要なわけではなく、例えば紙材により構成することも可能である。
[0031]
 基材1の表面には、アンテナパターン2A,2Bが形成されている。また、基材1の表面に形成されたアンテナパターン2A,2Bには給電回路90が電気的に接続されている。
[0032]
 アンテナパターン2A,2Bはアルミニウム箔や銅箔など導電率の高い金属材料である。なお、金属材料以外ではカーボン系の材料を用いてもよい。
[0033]
 図1(A)に示すように、アンテナパターン2A,2Bは、給電回路90から互いに反対方向にそれぞれ延伸されている。アンテナパターン2A,2Bは、給電回路接続端FEに給電回路90が接続され、先端が開放端OEである、ダイポール型の電界アンテナを構成するパターンである。
[0034]
 RFIDタグ101は、アンテナパターン2A,2Bの所定の近接位置PPに近接する、高損失部材19を備える。本実施形態では、高損失部材19は、平面視でアンテナパターン2A,2Bに重なっている。つまり、高損失部材19は厚み方向にアンテナパターン2A,2Bに近接する。例えば、高損失部材19の主成分は、アンテナパターン2A,2Bに比べて、ヒステリシス損又は渦電流損が大きなフェライトである。具体的には、溶媒にフェライト粉を分散させたフェライトペーストを基材1に印刷することによって高損失部材19のパターンを形成する。または、微小な焼成フェライト板を基材1に接着することによって高損失部材19を設ける。
[0035]
 RFIDタグ101に電磁波加熱用マイクロ波が照射されると、高損失部材19、アンテナパターン2A,2B、及び基材1がそれぞれ加熱され昇温する。高損失部材19の発熱効率は基材1やアンテナパターン2A,2Bの発熱効率より高い。そのため、高損失部材19は速やかに昇温し、アンテナパターン2A,2Bのうち高損失部材19が重なる箇所が局部的に加熱される。また、基材1のうち高損失部材19の形成箇所が局部的に加熱される。この熱に起因して、基材1が局部的に変形してアンテナパターン2A,2Bに掛かる応力が増大する。または、アンテナパターン2A,2Bが溶断又は昇華する。これらのことによってアンテナパターン2A,2Bは切断される。
[0036]
 図1(B)は、このようにしてアンテナパターン2A,2Bが近接位置PPで切断された後の状態を示している。
[0037]
 図1(B)に示したように、アンテナパターン2A,2Bが、高損失部材19の近接位置PPで切断されると、アンテナパターン2A,2Bの実効長は短くなって、電磁波加熱用マイクロ波帯の周波数では共振しなくなり、電磁波加熱用マイクロ波の照射が続いても、アンテナパターン2A,2Bに、上記マイクロ波による共振電流が流れず、昇温は停止し、発火(燃焼)には至らない。
[0038]
 ここで、上記アンテナパターン2A,2Bにおける、通信信号の周波数での共振モード及び電磁波加熱用マイクロ波の周波数での共振モードの例について、図2(A)、図2(B)、図2(C)、図2(D)を基に例示する。図2(A)、図2(B)、図2(C)、図2(D)は、通信信号の周波数での共振モード又は電磁波加熱用マイクロ波の周波数での共振モードの例を電流分布及び電圧分布で示す図である。図2(A)で示す共振モードは、共振周波数foにて、給電端から開放端までにおいて1/4波長で基本波共振する。図2(B)で示す共振モードは共振周波数2foにて、給電端から開放端までにおいて1/2波長で高調波共振する。図2(C)で示す共振モードは、共振周波数3foにて、給電端から開放端までにおいて3/4波長で高調波共振する。図2(D)で示す共振モードでは、共振周波数4foにて、給電端から開放端までにおいて1波長で高調波共振する。
[0039]
 アンテナパターン2A,2Bによるダイポール型アンテナは、通信信号の周波数で、例えば図2(A)に示した1/4波長で共振する。または、図2(B)に示した1/2波長で共振する。このダイポール型アンテナに、電磁波加熱用マイクロ波の周波数で、図2(B)、図2(C)、図2(D)に示すような高次の共振モードが生じる条件であれば、その、マイクロ波の高電力によってアンテナパターン2A,2Bに大電流が誘導され、発熱する。しかし、図1(B)に示したように、アンテナパターン2A,2Bが、その途中位置で切断されることによって、アンテナパターン2A,2Bは実質的に短くなって、電磁波加熱用マイクロ波帯の周波数では共振しなくなり、電磁波加熱用マイクロ波の照射が続いても、アンテナパターン2A,2Bに、上記マイクロ波による共振電流が流れず、昇温は停止し、発火(燃焼)には至らない。
[0040]
 図3(A)、図3(B)は、基材1に対する高損失部材19の形成位置の構造の例を示す部分断面図である。
[0041]
 図3(A)に示す例では、基材1の上面にアンテナパターン2Aが形成されていて、基材1の上面に、アンテナパターン2Aの一部を覆うように、基材1上に高損失部材19が形成されている。既に述べたとおり、高損失部材19は、フェライトペーストの印刷後焼き付け、又は加熱乾燥によって形成される。また、高損失部材19は、薄板状に成形されたフェライト板の張り付けによって形成される。
[0042]
 RFIDタグ101に電磁波加熱用マイクロ波が照射されると、高損失部材19、アンテナパターン2A、及び基材1がそれぞれ加熱され昇温する。高損失部材19の発熱効率は基材1やアンテナパターン2A,2Bの発熱効率より高い。そのため、高損失部材19は速やかに昇温し、アンテナパターン2A,2Bのうち高損失部材19が重なる箇所が局部的に加熱される。また、基材1のうち高損失部材19の形成箇所が局部的に加熱される。この熱に起因して、図3(B)に示すように、アンテナパターン2Aは切断される。
[0043]
 図4(A)、図4(B)は、基材1に対する高損失部材19の形成位置の構造について別の例を示す部分断面図である。
[0044]
 図4(A)に示す例では、基材1の上面に高損失部材19が形成されていて、この高損失部材19の上を通るように、基材1上にアンテナパターン2Aが形成されている。高損失部材19は、フェライトペーストの印刷後焼き付け、又は加熱乾燥によって形成される。また、高損失部材19は、薄板状に成形されたフェライト板の張り付けによって形成される。この図4(A)に示した構造であっても、RFIDタグ101に電磁波加熱用マイクロ波が照射されることで高損失部材19が速やかに昇温し、高損失部材19の形成箇所が局部的に加熱される。この熱に起因して、アンテナパターン2Aは切断される。
[0045]
 なお、図3(A)、図3(B)、図4(A)、図4(B)に示した例では、アンテナパターン2Aに関して示したが、アンテナパターン2Bに関しても同様である。
[0046]
《第2の実施形態》
 第2の実施形態では、アンテナパターン及び高損失部材の形状が第1の実施形態で示した例とは異なるRFIDタグについて示す。
[0047]
 図5(A)は第2の実施形態に係るRFIDタグ102の平面図である。図5(B)は、後に示す高損失部材19の形成前の基材1の平面図である。
[0048]
 図5(A)に示すRFIDタグ102は、絶縁体又は誘電体の基材1と、この基材1に形成されたアンテナパターン2A,2Bと、アンテナパターン2A,2Bに接続されたRFICパッケージ3とを備える。そして、基材1上に複数の高損失部材19が形成されている。
[0049]
 図5(A)に示すように、アンテナパターン2A,2Bはミアンダライン状であり、RFICパッケージ3が実装される第1ランドパターン6aから複数の折り返し部FPを有して蛇行するミアンダライン状の第1アンテナパターン2A、及びRFICパッケージ3が実装される第2ランドパターン6bから複数の折り返し部分を有して蛇行するミアンダライン状の第2アンテナパターン2Bがそれぞれ延設されて構成されている。つまり、第1ランドパターン6aからミアンダライン状の第1アンテナパターン2Aが、基材1における長手方向の一方端に向かって(-X方向に)延設されている。また、第2ランドパターン6bからミアンダライン状の第2アンテナパターン2Bが、基材1における長手方向の他方端に向かって(+X方向に)延設されている。
[0050]
 上記構成により、アンテナパターン2A,2Bは、ダイポール型の電界アンテナとして作用する。
[0051]
 アンテナパターン2A,2Bの折り返し部FPとは、アンテナパターン2A,2Bの延びる方向が反転する箇所である。このアンテナパターン2A,2Bの折り返し部FPに高損失部材19が形成されている。
[0052]
 RFIDタグ102に電磁波加熱用マイクロ波が照射されると、高損失部材19が速やかに昇温する。この高損失部材19の熱に起因して、高損失部材19の形成位置でアンテナパターン2A,2Bが切断される。
[0053]
 このように構成されたRFIDタグ102によっても、第1の実施形態で示したRFIDタグ101と同様の作用効果を奏する。特に、本実施形態では、アンテナパターン2A,2B毎に複数の高損失部材19が形成されているので、仮に、幾つかの高損失部材19の形成位置でアンテナパターン2A,2Bが切断されなかったとしても、アンテナパターン2A,2Bのいずれかの位置で切断される確率が高い。
[0054]
 なお、アンテナパターン2A,2Bの折り返し部FPで折り返されることによって、互いに対向する導体パターン(アンテナパターン2A,2Bのうち、折り返し部FP以外の導体パターン)に高損失部材19を形成してもよい。
[0055]
 図6は、アンテナパターン2A,2Bのランドパターン6(6a,6b)上に実装されるRFICパッケージ3の構成を示す分解斜視図である。図6に示すように、第1の実施形態におけるRFICパッケージ3は、三層からなる多層基板で構成されている。具体的には、RFICパッケージ3の多層基板は、ポリイミド、液晶ポリマーなどの樹脂材料から作製されており、可撓性を有する三つの絶縁シート12A,12B,12Cが積層されて構成されている。絶縁シート12A,12B,12Cは、平面視が略四角形状であり、本実施形態においては略長方形の形状を有している。図6に示すRFICパッケージ3は、図5(A)に示したRFICパッケージ3を裏返して三層を分解した状態を示している。
[0056]
 図6に示すように、RFICパッケージ3は、三層の基板(絶縁シート12A,12B,12C)上において、RFICチップ9と、複数のインダクタンス素子10A,10B,10C,10Dと、アンテナパターン2A,2Bに接続される外部接続端子11(11a,11b)と、が所望の位置に形成されている。
[0057]
 外部接続端子11a,11bは、最下層(アンテナパターン2A,2Bに対向する基板)となる第1絶縁シート12Aに形成されており、アンテナパターン2A,2Bのランドパターン6a,6bに対向する位置に形成されている。4つのインダクタンス素子10A,10B,10C,10Dは、第2絶縁シート12B及び第3絶縁シート12Cに2つずつ分かれて形成されている。即ち、最上層(図6においては最も下に記載されている層)となる第3絶縁シート12Cには第1インダクタンス素子10A及び第2インダクタンス素子10Bが形成されており、中間層となる第2絶縁シート12Bには第3インダクタンス素子10C及び第4インダクタンス素子10Dが形成されている。
[0058]
 本実施形態におけるRFICパッケージ3においては、外部接続端子11a,11b及び4つのインダクタンス素子10A,10B,10C,10Dは、アルミニウム箔、銅箔などの導電材料により作製される導体パターンにより構成される。
[0059]
 図6に示すように、RFICチップ9は、最上層である第3絶縁シート12C上に長手方向(図6におけるX方向)の中央部分に実装されている。RFICチップ9は、シリコンなどの半導体を素材とする半導体基板にRF回路が形成された構造を有する。第3絶縁シート12C上の長手方向の一方側(図6においては+X方向の側)において渦巻き状に形成されている第1インダクタンス素子10Aは、RFICチップ9の一方の入出力端子9aにランド10Aaを介して接続されている。第3絶縁シート12C上の長手方向の他方側(図6においては-X方向の側)において渦巻き状に形成されている第2インダクタンス素子10Bは、RFICチップ9の他方の入出力端子9bにランド10Baを介して接続されている。
[0060]
 中間層である第2絶縁シート12B上の長手方向の一方側(図6においては+X方向の側)には、渦巻き状の第3インダクタンス素子10Cが形成されており、第2絶縁シート12B上の長手方向の他方側(図6においては-X方向の側)には、渦巻き状の第4インダクタンス素子10Dが形成されている。渦巻き状の第3インダクタンス素子10Cの外周側の端部と、渦巻き状の第4インダクタンス素子10Dの外周側の端部は直接接続されている。一方、第3インダクタンス素子10Cの内周側の端部であるランド10Caは、第2絶縁シート12Bを貫通するビア導体などの層間接続導体を介して、第3絶縁シート12C上の渦巻き状の第1インダクタンス素子10Aの内周側の端部であるランド10Abに接続されている。また、第3インダクタンス素子10Cの内周側の端部であるランド10Caは、最下層となる第1絶縁シート12Aを貫通するスルーホール導体などの層間接続導体を介して、第1絶縁シート12A上の第1外部接続端子11aに接続されている。
[0061]
 第4インダクタンス素子10Dの内周側の端部であるランド10Daは、第2絶縁シート12Bを貫通するスルーホール導体などの層間接続導体を介して、第3絶縁シート12C上の渦巻き状の第2インダクタンス素子10Bの内周側の端部であるランド10Bbに接続されている。また、第4インダクタンス素子10Dの内周側の端部であるランド10Daは、最下層となる第1絶縁シート12Aを貫通するスルーホール導体などの層間接続導体を介して、第1絶縁シート12A上の第2外部接続端子11bに接続されている。
[0062]
 第1絶縁シート12A上の第1外部接続端子11aは、基材1上に形成された第1アンテナパターン2Aの第1ランドパターン6aに接続されるよう配設されている。また、第1絶縁シート12A上の第2外部接続端子11bは、基材1上に形成された第2アンテナパターン2Bの第2ランドパターン6bに接続されるよう配設されている。
[0063]
 また、中間層である第2絶縁シート12Bには、第3絶縁シート12C上に実装されたRFICチップ9が収容される貫通孔13が形成されている。RFICチップ9は、第1インダクタンス素子10Aと第2インダクタンス素子10Bとの間、及び第3インダクタンス素子10Cと第4インダクタンス素子10Dとの間に配設されている。このため、RFICチップ9がシールドとして機能し、第1インダクタンス素子10Aと第2インダクタンス素子10Bとの間における磁界結合及び電界結合が抑制され、同様に、第3インダクタンス素子10Cと第4インダクタンス素子10Dとの間における磁界結合及び電界結合が抑制される。その結果、RFICパッケージ3においては、通信信号の通過帯域が狭くなることが抑制されており、通過帯域を広いものとしている。
[0064]
 本実施形態では、RFICパッケージ3がアンテナパターン2A,2B上に実装された形態を例示したが、RFICチップ9を直接アンテナパターン2A,2B上に実装してもよい。また、このとき、RFICパッケージ3において複数のインダクタンス素子10A,10B,10C,10Dとして構成されていたインダクタを、ループ状のパターンによって基材1上に構成してもよい。
[0065]
 図7は、RFIDタグが付された商品の一例を示す図であり、RFIDタグ102が付された弁当201の斜視図である。
[0066]
 このように、RFIDタグ102が付された弁当201を電子レンジで加熱しても、RFIDタグ102の発火、さらにはRFIDタグ102が付された弁当201のラッピングフィルムの融解や変形を防止できる。
[0067]
 なお、以上に示した例では、高損失部材19が、平面視でアンテナパターン2A,2Bに重なる、つまり、高損失部材19がアンテナパターン2A,2Bに対して厚み方向に近接する、構造のRFIDタグについて示した。本発明はこの構造に限るものではなく、高損失部材19が、平面視でアンテナパターン2A,2Bの近傍に配置されていてもよい。
[0068]
《第3の実施形態》
 第3の実施形態では、第2の実施形態とは高損失部材の形状及び形成位置が異なるRFIDタグの例について示す。
[0069]
 図8(A)は第3の実施形態に係るRFIDタグ103の平面図である。図8(B)は、後述するチップフェライトビーズ20を実装する前の状態での基材1の平面図である。
[0070]
 図8(A)に示すように、RFIDタグ103は、絶縁体又は誘電体の基材1と、この基材1に形成されたアンテナパターン2A,2Bと、アンテナパターン2A,2Bに接続されたRFICパッケージ3とを備える。そして、基材1上の所定位置にチップフェライトビーズ20が実装されている。図8(B)に示すように、チップフェライトビーズ20の実装位置にはランドパターンLPが形成されている。このランドパターンLPにチップフェライトビーズ20が接続される。つまり、アンテナパターン2A,2Bに対してチップフェライトビーズ20がそれぞれ直列に接続される。
[0071]
 上記チップフェライトビーズ20は、電磁波加熱用マイクロ波を受けて損失によって内部のフェライトが発熱し、その発熱によって内部の導体パターンが断線する素子である。例えば、導電性ペーストによるコイルパターン及び層間接続導体が形成されたフェライトグリーンシートを積層し、一体化させて焼成することにより構成される。このチップフェライトビーズ20がアンテナパターン2A,2Bに直列接続されることで、チップフェライトビーズ20内の導体パターンはアンテナパターン2A,2Bに直列接続されることになる。また、チップフェライトビーズ20内のフェライト部分が本発明の高損失部材に相当する。このチップフェライトビーズ20が電磁波加熱用マイクロ波を受けると、チップフェライトビーズ20のフェライト部分のヒステリシス損又は渦電流損によって発熱する。この熱によってチップフェライトビーズ20内の導体パターンが断線する。
[0072]
 チップフェライトビーズ20のフェライトによるヒステリシス損又は渦電流損は、周波数依存性があり、周波数が低い程、低損失である。したがって、通信信号の周波数帯が電磁波加熱用マイクロ波帯より低い周波数帯であれば、通信時にはチップフェライトビーズ20での損失は小さい。
[0073]
 RFIDタグ103が電磁波加熱用マイクロ波を受けると、チップフェライトビーズ20内のフェライトは高効率で発熱し、導体パターンが断線する。チップフェライトビーズ20の導体パターンが断線すると、アンテナパターン2A,2Bは電磁波加熱用マイクロ波帯の周波数での共振による発熱を停止するので、温度上昇が効果的に抑制される。
[0074]
 特に、チップフェライトビーズ20は、このチップフェライトビーズ20の導体パターンの断線により、電磁波加熱用マイクロ波の周波数でのアンテナパターン2A,2Bの共振が維持されない位置に接続されることが好ましい。つまり、電磁波加熱用マイクロ波の周波数での共振モードで電流密度の高い位置にチップフェライトビーズ20を挿入することが好ましい。
[0075]
 アンテナパターン2A,2Bが、電磁波加熱用マイクロ波の周波数で、例えば図2(C)に示した3/4波長共振するような条件であれば、図8(A)に示したチップフェライトビーズ20の挿入位置は、給電回路90に近い位置であるので、3/4波長共振の電流密度の高い位置である。
[0076]
 一方、通信信号の周波数で、アンテナパターン2A,2Bが、例えば図2(B)に示した1/2波長共振するような条件であれば、チップフェライトビーズ20の挿入位置(給電回路90に近い位置)での電流密度は低いので、チップフェライトビーズ20による通信信号の損失は低く抑制される。つまり、チップフェライトビーズ20の上述の周波数依存性による低損失特性以外に、アンテナパターン2A,2Bへの適切な挿入位置によっても、通信信号の損失は抑制される。
[0077]
 なお、本実施形態で示したように、高損失部材と電磁波加熱用マイクロ波の電力で断線する導体パターンを一体化した素子(例えば、チップフェライトビーズ20)を、図1(A)に示したように、アンテナパターン2A,2Bの途中位置に挿入してもよい。また、図5(A)に示したように、アンテナパターン2A,2Bの複数の位置に挿入してもよい。
[0078]
 以上、幾つかの実施形態で例示したように、電磁波加熱用マイクロ波を受けることで、アンテナパターン2A,2Bが、その途中位置で切断されることによって、アンテナパターン2A,2Bの発熱が抑制される。
[0079]
 なお、高損失部材19は、第1アンテナパターン2A、第2アンテナパターン2Bの一方にのみ設けてもよい。その場合でも、アンテナパターン2A,2Bが上記高損失部材19の近接位置PPで切断すれば、アンテナパターン2A,2Bの実効長が短くなって、電磁波加熱用マイクロ波での共振が維持されず、アンテナパターン2A,2Bの発熱が停止される。
[0080]
 また、図5(A)、図5(A)、図8(A)、図8(B)に示した例では、第1アンテナパターン2Aと第2アンテナパターン2Bの形状が、給電点(RFICパッケージ3の位置)を中心として線対称の関係にある例を示したが、二つのアンテナパターン2A,2Bの形状の関係は、給電点を中心とする点対称であってもよい。さらには、非対称であってもよい。
[0081]
 以上のように、各実施形態において具体的な構成を用いて説明したように、これらの実施形態によれば、RFIDタグが付された商品が電磁波加熱装置で加熱される場合において、RFIDタグの発火、さらにはRFIDタグが付された商品における部材の融解や変形を防止できる。したがって、本発明は、食品、日用雑貨品などの多種多様な商品を取り扱うコンビニエンスストアなどの販売店において、購入した商品の会計、及び袋詰めを自動化するシステムを構築することが可能となり、「無人コンビニエンスストア」の実用化に向けて、大きく前進させることができる無線通信デバイスを提供するものである。
[0082]
 最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形及び変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。

産業上の利用可能性

[0083]
 本発明は、商品に付する無線通信デバイスとして汎用性が高く、有用なものであり、特に、「無人コンビニエンスストア」の実現においては必要な製品である。

符号の説明

[0084]
FE…給電回路接続端
LP…ランドパターン
OE…開放端
PP…近接位置
1…基材
2A…第1アンテナパターン
2B…第2アンテナパターン
3…RFICパッケージ
6…ランドパターン
6a…第1ランドパターン
6b…第2ランドパターン
9…RFICチップ
9a,9b…入出力端子
10A…第1インダクタンス素子
10B…第2インダクタンス素子
10C…第3インダクタンス素子
10D…第4インダクタンス素子
10Aa,10Ab,10Ba,10Bb,10Ca,10Da…ランド
11…外部接続端子
11a…第1外部接続端子
11b…第2外部接続端子
12A…第1絶縁シート
12B…第2絶縁シート
12C…第3絶縁シート
13…貫通孔
19…高損失部材
20…チップフェライトビーズ
90…給電回路
101,102,103…RFIDタグ
201…弁当

請求の範囲

[請求項1]
 通信信号を送受信するための無線通信デバイスであって、
 基材と、
 前記基材の面に沿って形成されたアンテナパターンと、
 前記アンテナパターン又は前記アンテナパターンに直列接続する導体パターンに近接配置され、前記通信信号の周波数より高い周波数における損失が前記アンテナパターン及び前記基材に比べて高い高損失部材と、
 を備えた無線通信デバイス。
[請求項2]
 前記高損失部材は、前記アンテナパターンの一部に接して配置される、
 請求項1に記載の無線通信デバイス。
[請求項3]
 前記高損失部材は、前記アンテナパターン又は前記導体パターンが切断されることにより、電磁波加熱用マイクロ波の周波数での前記アンテナパターンの共振が維持されない、当該切断位置に配置される、
 請求項2に記載の無線通信デバイス。
[請求項4]
 前記高損失部材はチップフェライトビーズのフェライトであり、前記導体パターンは前記チップフェライトビーズに設けられた導体パターンである、
 請求項1から3のいずれかに記載の無線通信デバイス。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]