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1. WO2020008566 - DISPOSITIF D'ATTAQUE DE DIODE LASER ET ÉMETTEUR OPTIQUE

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明 細 書

発明の名称 レーザダイオードの駆動装置および光送信器

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003  

先行技術文献

特許文献

0004  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0005   0006  

課題を解決するための手段

0007  

発明の効果

0008  

図面の簡単な説明

0009  

発明を実施するための形態

0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056  

符号の説明

0057  

請求の範囲

1   2   3   4  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8  

明 細 書

発明の名称 : レーザダイオードの駆動装置および光送信器

技術分野

[0001]
 本発明は、レーザダイオードの駆動装置および光送信器に関する。

背景技術

[0002]
 光信号を生成するレーザダイオード(LD:Laser Diode)は、バイアス電流と変調電流の和からなる駆動電流により駆動され、バイアス電流によって光信号のパワーすなわち強度が決定し、変調電流によって光信号の消光比が決定する。また、LDに供給される駆動電流とLDが出力する光信号の強度との対応関係を示す電流―光出力特性は温度に依存して変化するため、温度のモニタ結果に基づいて駆動電流を調整する制御が行われている(例えば、特許文献1)。
[0003]
 特許文献1に記載の半導体レーザの駆動方法では、LDが発する光信号を受光するフォトダイオード(PD:Photodiode)から出力されるモニタ電流を一定にするAPC(Automatic Power Control:自動パワー制御)を行うことにより、LDが発する光信号の強度を一定に保持し、環境温度のモニタ値に基づいて変調電流を調整することにより、光信号の消光比が所望の値となるようにしている。

先行技術文献

特許文献

[0004]
特許文献1 : 特開2013-8843号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0005]
 特許文献1に記載の発明では、環境温度に基づいて変調電流を調整するため、環境温度が変化した場合でも所望の消光比を維持できる。しかしながら、光信号の強度である光出力パワーを制御するAPCでは環境温度を考慮しないため、特許文献1に記載の発明では、環境温度が変化した場合、バイアス電流が適切な値からずれてしまい、LDが発する光信号の光出力パワーが変動する現象であるトラッキングエラーが発生する、という問題があった。
[0006]
 本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、LDの温度が変化した場合でもLDが発する光信号のパワーおよび消光比を目標の値に維持することが可能なレーザダイオードの駆動装置を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

[0007]
 上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるレーザダイオードの駆動装置は、レーザダイオードの温度を検出する温度センサと、レーザダイオードが出力する光信号の強度が予め定められた第1の値となるよう、レーザダイオードに供給するバイアス電流を生成する光出力制御部と、トラッキングエラーが無い状態の時に光信号の消光比が予め定められた第2の値となるよう、レーザダイオードに供給する変調電流を温度センサで検出された温度に基づいて生成する変調電流生成部と、を備える。また、レーザダイオードの駆動装置は、温度センサで検出された温度と、レーザダイオードに供給される電流である駆動電流の値と光信号の強度との対応関係を示す出力特性データと、に基づいて、トラッキングエラーを補償するために行うバイアス電流の補正で使用するバイアス電流の補正量を算出するとともに、トラッキングエラーを補償するために変調電流を補正するトラッキングエラー補償部と、補正量に基づいてバイアス電流を補正するバイアス電流制御部と、を備える。

発明の効果

[0008]
 本発明にかかるレーザダイオードの駆動装置は、レーザダイオードの温度が変化した場合でも、レーザダイオードが発する光信号のパワーおよび消光比を目標の値に維持することができる、という効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0009]
[図1] 本発明の実施の形態にかかる光送信器の構成例を示す図
[図2] 図1に示すレーザダイオードの電流―光出力特性(PI特性)の一例を示す図
[図3] 図1に示す出力特性データ記憶部が保持しているデータが示すPI特性の一例を示す図
[図4] 図1に示す電流調整値演算部が使用する高温側の温度関数Ibias(T)の一例を示す図
[図5] 図1に示す電流調整値演算部が使用する高温側の温度関数Imod(T)の一例を示す図
[図6] 図1に示す補償用データ記憶部が保持する温度関数ΔPmon(T)の一例を示す図
[図7] 図1に示すTE補償部が行うImod補正値計算のイメージを示す図
[図8] 図1に示すレーザダイオードの駆動装置を実現するハードウェアの構成例を示す図

発明を実施するための形態

[0010]
 以下に、本発明の実施の形態にかかるレーザダイオードの駆動装置および光送信器を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[0011]
実施の形態.
 図1は、本発明の実施の形態にかかる光送信器の構成例を示す図である。光送信器100は、光信号を出力するレーザダイオード(LD)1と、LD1の駆動電流を生成するレーザダイオードの駆動装置20とを備える。以下、レーザダイオードの駆動装置20をLD駆動装置20と記載する。
[0012]
 LD駆動装置20は、フォトダイオード(PD)2と、温度センサ3と、トラッキングエラー(TE:Tracking Error)補償部4と、電流調整値演算部5と、バイアス電流制御部6と、変調電流制御部7と、光出力制御部8と、出力特性データ記憶部9と、変調特性データ記憶部10と、補償用データ記憶部11と、を備える。
[0013]
 LD1は、LD駆動装置20から供給される駆動電流により駆動され、発光する。LD1に供給される駆動電流は、バイアス電流制御部6から出力される電流と、変調電流制御部7から出力される電流との和である。バイアス電流制御部6から出力される電流がLD1に供給されるバイアス電流、変調電流制御部7から出力される電流がLD1に供給される変調電流である。LD駆動装置20は、変調電流制御部7からLD1に供給される変調電流を変化させ、LD1が発する光の強度を変調電流の値に応じて変化させることにより、LD1で光信号を生成させる。LD1は、前面および背面のそれぞれから、駆動電流の値に対応するパワーの光を出力する。以下、LD1の前面から出力される光を前面光と称し、背面から出力される光を背面光と称する。
[0014]
 PD2は、LD1が発した光を受光可能な位置に設置され、LD1から受光した光を電流に変換して出力する。これ以降の説明では、PD2が出力する電流をモニタPD電流と称する。また、本実施の形態では、PD2がLD1の背面光を受光可能な位置に設置されているとする。
[0015]
 温度センサ3は、光送信器100の内部に設置され、光送信器100内のLD1の温度を検知する。これは、LD1が温度に依存して発光量が変化する温度特性(以下、PI特性とする)を持つためである。LD1のPI特性については後述する。そのため、光送信器100内のLD1の温度を把握する目的として温度センサ3は設置される。温度センサ3の設置位置は、LD1の周囲の温度を検出する位置であってもよい。
[0016]
 TE補償部4は、温度センサ3から得られる温度情報と、電流調整値演算部5から得られる、後述するバイアス電流調整値および変調電流調整値と、補償用データ記憶部11が保持している、後述する温度関数とを使用して、バイアス電流補正量および変調電流補正値を計算する。バイアス電流補正量はTEを補償するために行う補正処理におけるバイアス電流の補正量である。変調電流補正値は、TEを補償するための補正を行った後の変調電流である。バイアス電流補正量および変調電流補正値の計算方法については後述する。これ以降の説明では、バイアス電流調整値をIbias調整値と称し、変調電流調整値をImod調整値と称する。
[0017]
 電流調整値演算部5は、温度センサ3で検出される温度Tに対応する変調特性を表す温度関数であるIbias(T)およびImod(T)を導出する。温度関数Ibias(T)は、LD1の温度からバイアス電流を求めるための関数であり、温度関数Imod(T)は、LD1の温度から変調電流を求めるための関数である。また、電流調整値演算部5は、導出したIbias(T)およびImod(T)を用いて、TEがない場合に目標の光出力パワーを満たす、温度Tに対応するIbias調整値と、TEがない場合に目標の消光比を満たす、温度Tに対応するImod調整値を算出する。Ibias(T)およびImod(T)の導出方法、Ibias調整値およびImod調整値の計算方法については後述する。
[0018]
 バイアス電流制御部6は、後述する光出力制御部8が出力する補正前のバイアス電流であるバイアス電流Ibiasに対して、TE補償部4が出力するバイアス電流補正量であるIbias補正量を加算してバイアス電流を補正する。バイアス電流制御部6は、補正後のバイアス電流であるバイアス電流補正値(Ibias補正値)をLD1に出力する。
[0019]
 変調電流制御部7は、TE補償部4が出力するImod補正値である補正後の変調電流を受け取り、LD1に出力する。
[0020]
 光出力制御部8は、LD1の光出力パワーを予め定められた第1の値である目標値に保つためのAPC動作を行うAPC回路であり、バイアス電流制御部6に出力するバイアス電流Ibiasを生成する。具体的には、光出力制御部8は、PD2が出力する、LD1の光出力パワーを示すモニタPD電流に基づいて、モニタPD電流値が予め定められた値となるようにIbiasを調整する。すなわち、光出力制御部8は、LD1が出力する光のパワーに基づいて、バイアス電流制御部6に出力するIbiasを生成する。
[0021]
 出力特性データ記憶部9は、温度センサ3が検知する温度Tが第1の温度である常温のときに取得したLD1のPI特性を示すデータと、温度センサ3が検知する温度Tが第1の温度よりも高い第2の温度である高温のときに取得したLD1のPI特性を示すデータとを保持する。常温のときに取得したPI特性を示すデータはLD1が常温のときのPI特性を示すデータ、高温のときに取得したPI特性を示すデータはLD1が高温のときのPI特性を示すデータである。本実施の形態において「常温」とは、LD1のバイアス電流および変調電流を制御する際の基準温度であり、予め定められた温度とする。出力特性データ記憶部9が保持するPI特性を示すデータは、LD1に供給される電流の値とLD1の光出力パワーとの関係を示す出力特性データである。
[0022]
 変調特性データ記憶部10は、温度センサ3が検知する温度Tが常温のときの変調特性を示すデータと、温度センサ3が検知する温度Tが高温のときの変調特性を示すデータとを保持する。変調特性を示すデータとは、各温度のときに目標の光出力パワーおよび消光比となるようなIbias値およびImod値を示すデータである。変調特性データ記憶部10が保持する常温時のIbias値およびImod値、高温時のIbias値およびImod値は、常温時および高温時のそれぞれにおいて光送信器100を実際に動作させるなどして取得しておく実測値である。
[0023]
 補償用データ記憶部11は、TE補償部4が各温度でのTE量を計算する際に使用するTE量の温度関数を保持する。なお、これ以降の説明では、TE量の温度関数をΔPmon(T)と記載する場合がある。
[0024]
 次に、図1に示したLD駆動装置20の動作概要について説明する。
[0025]
 まず、バイアス電流の制御動作の概要について説明する。PD2は、LD1の背面光を受け、受光パワーをモニタPD電流に変換して光出力制御部8へ出力する。光出力制御部8は、PD2から入力されるモニタPD電流が予め定められた値となるように、バイアス電流制御部6へ出力するバイアス電流Ibiasを制御する。バイアス電流制御部6は、光出力制御部8から入力されるバイアス電流Ibiasに対して、TE補償部4にて算出される、TE補償のためのバイアス電流補正量(Ibias補正量)を加算し、バイアス電流補正値としてLD1に供給する。このようにして、LD駆動装置20は、目標の光出力パワーを得られるようにLD1に供給するバイアス電流を制御する。TE補償部4は、温度センサ3からの温度情報と、補償用データ記憶部11に保存されているTE量の温度関数とを使用してIbias補正量を算出する。
[0026]
 次に、変調電流の制御動作の概要について説明する。電流調整値演算部5は、TEがない状態の時に、LD1が生成する光信号の消光比が予め定められた第2の値である目標値となるよう、LD1に供給する変調電流をLD1の温度に基づいて生成する変調電流生成部である。具体的には、電流調整値演算部5は、TEがない場合に目標の消光比を満たすような変調電流調整値を、温度センサ3で検知される温度情報と、出力特性データ記憶部9で保持されているPI特性を示すデータと、変調特性データ記憶部10で保持されている変調特性を示すデータとに基づいて演算する。電流調整値演算部5は、TEがない場合の変調電流調整値を求めると、これをTE補償部4に出力する。TE補償部4は、バイアス電流補正量と同様に、変調電流についてもTE補償のための変調電流の補正量を計算し、計算した補正量を電流調整値演算部5から入力される変調電流調整値に加算して変調電流補正値を算出する。そして、TE補償部4は、算出した変調電流補正値を変調電流制御部7に出力し、変調電流制御部7が変調電流補正値に対応する変調電流をLD1へ供給することで目標の消光比を得られるように制御する。
[0027]
 このように、LD駆動装置20は、バイアス電流および変調電流それぞれに対してTE補償のための補正をかける。これにより、LD駆動装置20は、目標の光出力パワーを担保しつつ目標の消光比を得られるようにLD1に供給する駆動電流を制御することができる。
[0028]
 次に、LD駆動装置20の各部の動作の詳細について説明する。
[0029]
 出力特性データ記憶部9は、二温度(常温、高温)にて予め取得したPI特性を示すデータが格納してあるメモリである。上述したように、PI特性を示すデータは、LD1の駆動電流と光出力パワーとの関係を示し、LD1にどれくらいの駆動電流が供給されたときにどれくらいの光出力パワーとなるのかを表す。なお、これ以降の説明では、光出力パワーをモニタPD受光パワーと称する場合がある。
[0030]
 図2は、図1に示すLD1の電流―光出力特性(PI特性)の一例を示す図である。図2において、横軸はLD駆動電流Iを示し、縦軸はモニタPD受光パワーPを示す。図2に示すように、バイアス電流Ibiasは、光のパワーレベルが1すなわちP(1)であるときと、光のパワーレベルが0すなわちP(0)であるときとの平均光パワー(=Pave)におけるLD駆動電流であり、LD1からの光出力パワーを決定するものである。一方、変調電流はP(1)におけるLD駆動電流Iop(1)とP(0)におけるLD駆動電流Iop(0)との差分であり、P(1)とP(0)との光強度比である消光比を決定するものである。なお、図2に示したIbiasは光出力制御部8が出力するバイアス電流ではなく、LD1に実際に供給されるバイアス電流である。また、図3は、図1に示す出力特性データ記憶部9が保持しているデータが示すPI特性の一例を示す図である。図3において、横軸はLD駆動電流Iを示し、縦軸はモニタPD受光パワーPを示す。一般的に、レーザダイオードは温度が高くなるにつれて発光効率が下がり、LD1も同様の特性を有する。よって、LD1は、高温時と常温時とで同等の光パワーで発光する場合、高温時に常温時よりも駆動電流がより多く必要になるという温度特性を持つ。そのため、図3に示すように温度によってPI特性が異なる。
[0031]
 変調特性データ記憶部10は、二温度(常温、高温)における変調特性を示すデータが保存されているメモリである。
[0032]
 電流調整値演算部5は、TEがない場合に目標の光出力パワーおよび消光比を満たすような各温度Tに対応するIbias調整値およびImod調整値を演算により求める。電流調整値演算部5は、Ibias調整値およびImod調整値の算出処理において、各温度Tに対応する変調特性を表す温度関数であるIbias(T)およびImod(T)をそれぞれ使用する。電流調整値演算部5は、以下に示す方法で予め導出された温度関数Ibias(T)およびImod(T)を保持しているものとする。
[0033]
 温度関数Ibias(T)およびImod(T)の導出方法の詳細について説明する。ここでは、電流調整値演算部5が各温度関数を導出するものとして説明を行うが、電流調整値演算部5以外が導出を行ってもよい。なお、常温および高温の二温度におけるデータからひとつの温度関数を導いてしまうと、常温よりも低い低温側のデータは使用していないため低温側で誤差が大きくなってしまう可能性が考えられる。そのため、常温よりも高い高温側と低温側とで異なる温度関数を導出し使用するものとしている。
[0034]
[低温側の温度関数Ibias(T)およびImod(T)の導出方法]
(手順#1)電流調整値演算部5は、まず、出力特性データ記憶部9に保存されている二温度(常温、高温)のPI特性における、常温でのLD閾値電流Ith1および高温でのLD閾値電流Ith2の2つのデータを用いて、指数関数近似によりLD閾値電流の温度関数Ith(T)を算出する。LD閾値電流Ith1は、図3に示したように、常温時にLD1が発光を開始する駆動電流であり、LD閾値電流Ith2は、高温時にLD1が発光を開始する駆動電流である。
[0035]
(手順#2)電流調整値演算部5は、次に、PI特性における傾きを表す、常温での発光効率ρ1および高温での発光効率ρ2と、常温でのLD閾値電流Ith1および高温でのLD閾値電流Ith2とを用い、式(1)および式(2)に従って、温度関数Ibias(T)およびImod(T)の導出で必要な定数αおよびβを求める。また、電流調整値演算部5は、式(3)に従い、PI特性における発光効率の温度関数ρ(T)を求める。
  α = (1/ρ1-1/ρ2)/(Ith1-Ith2) …(1)
  β = 1/ρ1-(α×Ith1)           …(2)
  ρ(T) = 1/{α+β×Ith(T)}       …(3)
[0036]
(手順#3)電流調整値演算部5は、次に、定数α,βと、式(4)に示すImodsと、式(5)に示すKとを用い、式(6)に従って常温におけるIbias計算値を求めるとともに、式(7)に従って常温におけるImod計算値を求める。式(4)および式(5)において、ERは消光比、PmonはモニタPD受光パワーである。ERおよびPmonは仮値とし、適当に設定する。
  Imods = {2×Pmon×(ER-1)×β}/(ER+1) …(4)
  K = {2×Pmon×(ER-1)×α}/(ER+1)     …(5)
  常温におけるIbias計算値 = Ith1+Pmon/ρ1    …(6)
  常温におけるImod計算値 = Imods+K×Ith1     …(7)
[0037]
(手順#4)電流調整値演算部5は、次に、手順#3で求めたIbias計算値と、変調特性データ記憶部10で保持されている常温時のIbias値との誤差が最小となり、かつ、手順#3で求めたImod計算値と、変調特性データ記憶部10で保持されている常温時のImod値との誤差が最小となるように、モニタPD受光パワーPmon’および消光比ER’を最小二乗法により計算する。
[0038]
(手順#5)電流調整値演算部5は、次に、手順#4で求めたPmon’およびER’を上記の式(4)および式(5)に代入してImodsおよびKの値を更新する。更新後の値をそれぞれImods’およびK’とする。
[0039]
(手順#6)電流調整値演算部5は、次に、手順#5で求めたImods’およびK’を使用し、式(8)に従って温度関数Ibias(T)を導出するとともに、式(9)に従って温度関数Imod(T)を導出する。
  Ibias(T) = Ith(T)+Pmon’/ρ(T)   …(8)
  Imod(T) = Imods’+K’×Ith(T)     …(9)
[0040]
[高温側の温度関数Ibias(T)およびImod(T)の導出方法]
 電流調整値演算部5は、変調特性データ記憶部10で保持されている常温時のIbias実測値および高温時のIbias実測値の2点のデータを用いて、指数関数近似により高温側の温度関数Ibias(T)を導出する。同様に、電流調整値演算部5は、変調特性データ記憶部10で保持されている常温時のImod実測値および高温時のImod実測値の2点のデータを用いて、指数関数近似により高温側の温度関数Imod(T)を導出する。
[0041]
 図4は、高温側の温度関数Ibias(T)の一例を示す図、図5は、高温側の温度関数Imod(T)の一例を示す図である。図4に示した温度関数Ibias(T)は、LD1の温度が常温(T1)のときにLD1に供給されるバイアス電流(Ibias)の実測値と、LD1の温度が高温(T2)のときにLD1に供給されるバイアス電流の実測値とを使用して導出される。同様に、図5に示した温度関数Imod(T)は、LD1の温度が常温(T1)のときにLD1に供給される変調電流(Imod)の実測値と、LD1の温度が高温(T2)のときにLD1に供給される変調電流の実測値とを使用して導出される。高温側の温度関数Ibias(T)およびImod(T)は、式(10)および式(11)で表される。式(10)および式(11)において、A,B,C,Dは係数、Tは温度である。
  Ibias(T) = A×Exp(B×T)   …(10)
  Imod(T) = C×Exp(D×T)    …(11)
[0042]
 電流調整値演算部5は、温度センサ3から温度情報を取得すると、取得した温度情報と、温度関数Ibias(T),Imod(T)とを用いて、バイアス電流の調整値および変調電流の調整値を算出する。このとき、電流調整値演算部5は、取得した温度情報が低温側すなわち常温よりも低い温度を示す場合は低温側の温度関数Ibias(T),Imod(T)を使用し、取得した温度情報が示す温度Tが高温側すなわち常温よりも高い場合は高温側の温度関数Ibias(T),Imod(T)を使用する。
[0043]
 補償用データ記憶部11は、TE補償部4にて各温度でのTE量を計算するためのTE量の温度関数ΔPmon(T)を保持するメモリである。TE量の温度関数ΔPmon(T)は、LD1の温度とTE量との対応関係を示す。TE量の温度関数ΔPmon(T)は、常温でTE量を0とした際の低温および高温の2温度でのTE量データから導出される、TE量を表す上に凸の2次関数である。温度関数ΔPmon(T)を導出する処理では、まず、LD1を常温とした状態で、目標の光パワーおよび目標の消光比が得られ、かつTE量が0となるようにバイアス電流および変調電流を調整する。次に、バイアス電流および変調電流を変化させずに、LD1の温度を低温側(常温よりも低い温度)および高温側(常温よりも高い温度)に変化させて低温時のTE量および高温時のTE量を求める。次に、低温時のTE量および高温時のTE量を用いてTE量の温度関数ΔPmon(T)を導出する。TE量の温度関数ΔPmon(T)は、式(12)で表すことができ、図6に示すような、LD1の温度とTE量との関係を表す関数である。式(12)において、a,b,cは係数、Tは温度である。図6は、図1に示す補償用データ記憶部11が保持する温度関数ΔPmon(T)の一例を示す図である。TE量の温度関数ΔPmon(T)は、例えばTE補償部4が導出する。TE補償部4以外で導出するようにしてもよい。
  ΔPmon(T) = a×T^2+b×T+c  …(12)
[0044]
 TE補償部4は、TE補償のための電流調整値の補正量を計算する。TE補償部4は、バイアス電流についてはバイアス電流の補正で使用する補正量を計算し、変調電流についてはImod調整値に補正量を反映したImod補正値を計算する。なお、バイアス電流の補正はバイアス電流制御部6が行う。TE補償部4は、温度センサ3から得られる温度情報と、電流調整値演算部5で算出されるバイアス電流の調整値および変調電流の調整値と、補償用データ記憶部11で保持されているTE量の温度関数ΔPmon(T)とを使用して、バイアス電流の補正量およびImod補正値を算出する。TE補償部4の動作の詳細について、以下に説明する。
[0045]
(手順#1)TE補償部4は、まず、温度センサ3より取得した温度情報が示す温度に対応するTE量を、補償用データ記憶部11で保持されているTE量の温度関数ΔPmon(T)を用いて求める。ここでは、TE補償部4が温度センサ3より取得した温度情報が示す温度をTxとし、TE補償部4が求めるTE量をΔPmon(Tx)とする。
[0046]
(手順#2)TE補償部4は、次に、手順#1で求めたTE量ΔPmon(Tx)と、PI特性における発光効率の温度関数ρ(T)とを用いて、TE補償のためのバイアス電流の補正量ΔIbias(Tx)を式(13)に従って計算する。なお、PI特性における発光効率の温度関数ρ(T)は、上記の式(3)で表される関数である。TE補償部4は、電流調整値演算部5が低温側の温度関数Ibias(T)およびImod(T)を導出する場合と同様の方法で温度関数ρ(T)を予め導出して保持しておく。TE補償部4は、電流調整値演算部5で導出された温度関数ρ(T)を電流調整値演算部5から受け取って保持しておいてもよい。TE補償部4は、温度がTxのときに温度関数ρ(T)を用いて算出される発光効率の値ρ(Tx)を電流調整値演算部5から取得するようにしてもよい。TE補償部4は、求めた補正量ΔIbias(Tx)をバイアス電流制御部6へ出力する。
  ΔIbias(Tx) = ΔPmon(Tx)/ρ(Tx)   …(13)
[0047]
(手順#3)TE補償部4は、次に、手順#2で求めた補正量ΔIbias(Tx)を用いて、TE補償のためのImod調整値の補正量ΔImod(Tx)を式(14)に従って計算する。
  ΔImod(Tx) = ΔIbias(Tx)×2   …(14)
[0048]
(手順#4)TE補償部4は、次に、手順#3で求めた補正量ΔImod(Tx)を用いて、Imod補正値を式(15)に従って計算する。図7は、図1に示すTE補償部4が行うImod補正値計算のイメージを示す図である。温度TxにおけるImod補正値は、温度TxにおけるImod調整値に温度TxにおけるImodの補正量を加算することで得られる。TE補償部4は、求めたImod補正値を変調電流制御部7へ出力する。
  Imod補正値(Tx) = Imod(Tx)+ΔImod(Tx)…(15)
[0049]
 以上のように、TE補償部4は、温度センサ3から得られる温度情報が示すLD1の温度と、LD1の発光効率とに基づいて、TE補償のためのバイアス電流の補正量を算出し、さらに、TE補償のためのバイアス電流の補正量に基づいて、変調電流であるImodのTE補償のための補正量を算出し、変調電流を補正してTEを補償する。
[0050]
 バイアス電流制御部6は、式(16)に示したように、光出力制御部8から得られるバイアス電流Ibiasに対して、TE補償部4から得られるTE補償のためのバイアス電流の補正量ΔIbias(T)を加算することでIbias補正値(T)を生成する。
  Ibias補正値(T) = Ibias+ΔIbias(T)  …(16)
[0051]
 バイアス電流制御部6は、生成したIbias補正値(T)をLD1に出力する。これにより、目標の光出力パワーを満足するバイアス電流の制御を実現できる。
[0052]
 変調電流制御部7は、TE補償部4から得られるTE補償のための変調電流の補正値であるImod補正値(T)をLD1に出力する。これにより、目標の消光比を満足する変調電流の制御を実現できる。
[0053]
 次に、本実施の形態にかかるLD駆動装置20のハードウェア構成について説明する。LD駆動装置20の出力特性データ記憶部9、変調特性データ記憶部10および補償用データ記憶部11は、上述したように、メモリによって実現される。LD駆動装置20のTE補償部4、電流調整値演算部5、バイアス電流制御部6および変調電流制御部7は、これら各部の機能を実現する処理回路で構成される。ここで、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはこれらを組み合わせた専用のハードウェアであってもよいし、図8に示したようなプロセッサ201およびメモリ202であってもよい。
[0054]
 図8に示したプロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)などである。メモリ202は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどである。LD駆動装置20のTE補償部4、電流調整値演算部5、バイアス電流制御部6および変調電流制御部7は、これらの各部として動作するためのプログラムをメモリ202に格納しておき、このプログラムをプロセッサ201がメモリ202から読み出して実行することにより実現される。LD駆動装置20のTE補償部4、電流調整値演算部5、バイアス電流制御部6および変調電流制御部7の一部をプロセッサ201およびメモリ202で実現し、残りを専用のハードウェアで実現してもよい。LD駆動装置20のTE補償部4、電流調整値演算部5、バイアス電流制御部6および変調電流制御部7を図8に示したプロセッサ201およびメモリ202で実現する場合、LD駆動装置20の出力特性データ記憶部9、変調特性データ記憶部10および補償用データ記憶部11はメモリ202で実現されてもよい。
[0055]
 以上のように、本実施の形態にかかるLD駆動装置20において、光出力制御部8は、LD1が出力する光のパワーが目標値となるバイアス電流を生成する。電流調整値演算部5は、LD1の温度に基づいて、トラッキングエラーが無い状態のときに目標の消光比が得られる変調電流を生成する。TE補償部4は、LD1の温度とLD1が常温および高温のときの発光効率とに基づいてトラッキングエラーの発生量を算出し、算出したトラッキングエラーの発生量に基づいて、バイアス電流の補正量を算出するとともに、トラッキングエラーを補償するための補正を変調電流に対して行う。バイアス電流制御部6は、バイアス電流の補正量に基づいて、トラッキングエラーを補償するための補正をバイアス電流に対して行い、補正後のバイアス電流をLD1に供給する。変調電流制御部7は、TE補償部4から出力される補正後の変調電流をLD1に供給する。これにより、LD駆動装置20は、LD1の温度が変化した場合でも、LD1が生成する光信号のパワーおよび消光比を目標の値とすることができる。すなわち、本実施の形態にかかる光送信器100は、LD1の温度が変化した場合でも、目標のパワーおよび消光比の光信号を生成することができる。
[0056]
 以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

符号の説明

[0057]
 1 レーザダイオード、2 フォトダイオード、3 温度センサ、4 トラッキングエラー補償部、5 電流調整値演算部、6 バイアス電流制御部、7 変調電流制御部、8 光出力制御部、9 出力特性データ記憶部、10 変調特性データ記憶部、11 補償用データ記憶部、20 レーザダイオードの駆動装置、100 光送信器。

請求の範囲

[請求項1]
 レーザダイオードの温度を検出する温度センサと、
 前記レーザダイオードが出力する光信号の強度が予め定められた第1の値となるよう、前記レーザダイオードに供給するバイアス電流を生成する光出力制御部と、
 トラッキングエラーが無い状態の時に前記光信号の消光比が予め定められた第2の値となるよう、前記レーザダイオードに供給する変調電流を前記温度センサで検出された温度に基づいて生成する変調電流生成部と、
 前記温度センサで検出された温度と、前記レーザダイオードに供給される電流である駆動電流の値と前記光信号の強度との対応関係を示す出力特性データと、に基づいて、トラッキングエラーを補償するために行う前記バイアス電流の補正で使用する前記バイアス電流の補正量を算出するとともに、前記トラッキングエラーを補償するために前記変調電流を補正するトラッキングエラー補償部と、
 前記補正量に基づいて前記バイアス電流を補正するバイアス電流制御部と、
 を備えることを特徴とするレーザダイオードの駆動装置。
[請求項2]
 前記変調電流生成部は、トラッキングエラーが無い状態かつ前記レーザダイオードが第1の温度のときの前記駆動電流と前記強度の対応関係を示す第1の出力特性データと、トラッキングエラーが無い状態かつ前記レーザダイオードが第2の温度のときの前記駆動電流と前記強度の対応関係を示す第2の出力特性データとに基づいて、トラッキングエラーが無い状態における、前記レーザダイオードの温度と、前記光信号の消光比を前記第2の値とする変調電流との関係を示す関数を導出して保持しておき、前記温度センサから前記レーザダイオードの温度の検出結果を取得すると、取得した前記検出結果と保持している前記関数とを使用して前記レーザダイオードに供給する変調電流を生成する、
 ことを特徴とする請求項1に記載のレーザダイオードの駆動装置。
[請求項3]
 前記トラッキングエラー補償部は、トラッキングエラーが無い状態で前記強度が前記第1の値となり、かつ前記消光比が前記第2の値となるよう、前記バイアス電流および前記変調電流を調整した状態を基準状態とし、前記基準状態から前記レーザダイオードの温度が低温側に変化した場合に発生するトラッキングエラーの量と、前記基準状態から前記レーザダイオードの温度が高温側に変化した場合に発生するトラッキングエラーの量とに基づいて導出された、前記レーザダイオードの温度とトラッキングエラーの量との対応関係を示す関数、を使用して、前記温度センサで検出された温度に対応するトラッキングエラーの量を算出し、算出した前記トラッキングエラーの量に基づいて前記補正量を算出し、算出した前記補正量に基づいて前記変調電流を補正する、
 ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザダイオードの駆動装置。
[請求項4]
 請求項1から3のいずれか一つに記載のレーザダイオードの駆動装置と、
 前記レーザダイオードの駆動装置により駆動されるレーザダイオードと、
 を備えることを特徴とする光送信器。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]