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1. (WO2019065660) FILM POREUX, SÉPARATEUR POUR BATTERIES SECONDAIRES ET BATTERIE SECONDAIRE
Document

明 細 書

発明の名称 多孔性フィルム、二次電池用セパレータおよび二次電池

技術分野

0001  

背景技術

0002   0003   0004   0005  

先行技術文献

特許文献

0006  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0007  

課題を解決するための手段

0008   0009  

発明の効果

0010  

発明を実施するための形態

0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019   0020   0021   0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049  

実施例

0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077  

産業上の利用可能性

0078   0079  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10  

明 細 書

発明の名称 : 多孔性フィルム、二次電池用セパレータおよび二次電池

技術分野

[0001]
 本発明は、多孔性フィルム、二次電池用セパレータおよび二次電池に関するものである。

背景技術

[0002]
 リチウムイオン電池のような二次電池は、スマートフォン、タブレット、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯ゲーム機などのポータブルデジタル機器、電動工具、電動バイク、電動アシスト補助自転車などのポータブル機器、および電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車などの自動車用途など、幅広く使用されている。
 リチウムイオン電池は、一般的に、正極活物質を正極集電体に積層した正極と、負極活物質を負極集電体に積層した負極との間に、二次電池用セパレータと電解質が介在した構成を有している。
[0003]
 二次電池用セパレータとしては、ポリオレフィン系多孔質基材が用いられている。二次電池用セパレータに求められる特性としては、多孔構造中に電解液を含み、イオン移動を可能にする特性と、リチウムイオン電池が異常発熱した場合に、熱で溶融することで多孔構造が閉鎖され、イオン移動を停止させることで、発電を停止させるシャットダウン特性が挙げられる。
 しかしながら、近年のリチウムイオン電池の高容量化、高出力化に伴い、前記特性のみならず、二次電池用セパレータには、さらなる高い耐熱性の付与が求められてきている。リチウムイオン電池が異常発熱した場合、上記のシャットダウン特性が作動した後、さらに電池が加熱されることで、二次電池用セパレータの破膜が発生してしまう。また、リチウムイオン電池に衝撃が加わることで、局所的に圧力がかかった状態で発熱し、二次電池用セパレータの破膜が発生する場合もある。これらを防止するために二次電池用セパレータには、シャットダウン特性に加え、高温での耐熱破膜性が要求される。
[0004]
 さらに、二次電池の製造工程において、正極、セパレータ、負極を積層した積層体を運搬する際に、積層体を維持するため、または、捲回した正極、セパレータ、負極の積層体を円筒型、角型などの缶に挿入する場合、積層体をプレスしてから挿入するが、その際に形が崩れないようにするため、もしくは、積層体をプレスすることで、より多くの積層体を缶の中に入れ、エネルギー密度を上げるため、さらにはラミネート型において、外装材に挿入した後に形状が変形しないようにするために、電解液を含浸する前のセパレータと電極との接着性が求められている。
 また一方では、リチウムイオン電池には、高出力化、長寿命化といった優れた電池特性も求められており、二次電池用セパレータへの耐熱性付与の際に、電池特性を低下させることなく、良好な電池特性を発現することが求められている。
[0005]
 これらの要求に対して、特許文献1では、ポリオレフィンを主体とする多孔質膜に無機粒子を含む多孔質層を積層することで、熱収縮率を低減するとされている。特許文献2では、耐熱樹脂を含有する耐熱層を積層することで耐熱性が向上するとされている。また、特許文献3では、耐熱性樹脂を積層することで耐熱性が向上し、フッ素系樹脂を積層することで、電解液を注液した後の電極との接着性が向上するとされている。

先行技術文献

特許文献

[0006]
特許文献1 : 日本国特許第5183435号公報
特許文献2 : 日本国特許第5286817号公報
特許文献3 : 日本国特開2013-20769号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007]
 しかしながら、特許文献1は無機粒子により熱収縮率を低減しているが、シャットダウン後の高温領域に到達した際、無機粒子を含む多孔質層も、基材であるポリオレフィンも、容易に熱破膜が発生し、十分な耐熱性を確保することができない。また、電極との接着性も有しておらず、二次電池製造工程の効率化、高エネルギー密度化を達成することができない。特許文献2および3では、耐熱樹脂を積層しているが、表面の空孔率が高いために耐熱破膜性は低く、耐熱破膜性を向上するために耐熱樹脂の割合を高めると、電池特性の劣化が大きく、またコストも上昇する。また、電極との接着性も有しておらず、二次電池製造工程の効率化、高エネルギー密度化を達成することができない。なお、特許文献3に記載されている接着性多孔質層とは、電解液を注液した後の電極との接着性であり、本発明の目的である電解液注液前の電極との接着性とは異なる。
 したがって、本発明の目的は、上記問題に鑑み、耐熱破膜性が高く、電極との接着性を有し、かつ優れた電池特性を有する多孔性フィルム及び二次電池用セパレータを低コストで提供することである。さらに、本発明の目的は、高耐熱性、高生産性、高容量、高出力、長寿命、低コストの二次電池を提供することである。

課題を解決するための手段

[0008]
 そこで、本発明者らは、耐熱破膜性が高く、電極との接着性を有し、かつ優れた電池特性を有する多孔性フィルムを低コストで提供するために、鋭意検討を重ねた。その結果、多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層を有し、該多孔質層が樹脂A(樹脂A:150℃以上に融点を有する樹脂、または実質的に融点を有さない樹脂)および樹脂B(樹脂B:150℃未満に融点を有する樹脂、または非晶性樹脂)を含み、該多孔質層の表面開孔率をα、断面空隙率をβとしたとき、α/βが1.0未満である、多孔性フィルムにすることで、耐熱破膜性が高く、電極との接着性を有し、かつ優れた電池特性を有する多孔性フィルムを低コストで提供することを可能にした。
[0009]
 上記課題を解決するため本発明の多孔性フィルムは次の構成を有する。
(1)多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層を有し、該多孔質層が以下の樹脂Aおよび樹脂Bを含み、該多孔質層の表面開孔率をα、断面空隙率をβとしたとき、α/βが1.0未満である、多孔性フィルム。
樹脂A:150℃以上に融点を有する樹脂、または実質的に融点を有さない樹脂
樹脂B:150℃未満に融点を有する樹脂、または非晶性樹脂
(2)前記多孔質層の表面開孔率αが50%以下である、(1)に記載の多孔性フィルム。
(3)前記樹脂Aがポリアミド、ポリアミドイミドおよびポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である、(1)または(2)に記載の多孔性フィルム。
(4)前記樹脂Aが、下記式(1)で示される構造を含む芳香族ポリアミドを含む、(3)に記載の多孔性フィルム。
 -NH-Ar -NH-CO-Ar -CO- ・・・(1)
 ただし、Ar 、Ar はいずれも芳香族基を示す。
(5)前記芳香族ポリアミドの固有粘度(η)が3.0dl/g以上8.0dl/g以下である、(4)に記載の多孔性フィルム。
(6)前記樹脂Aの含有量が、多孔質層全体100質量%中、1質量%以上50質量%未満である、(1)から(5)のいずれかに記載の多孔性フィルム。
(7)前記樹脂Bが、フッ素樹脂、アクリル樹脂およびオレフィン樹脂より選択される少なくとも1種である、(1)から(6)のいずれかに記載の多孔性フィルム。
(8)前記多孔質層が平均粒径0.05μm以上5μm以下の無機粒子を含む、(1)から(7)のいずれかに記載の多孔性フィルム。
(9)(1)から(8)のいずれかに記載の多孔性フィルムを用いてなる、二次電池用セパレータ。
(10)(9)に記載の二次電池用セパレータを用いてなる、二次電池。

発明の効果

[0010]
 本発明によれば、多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層を有し、該多孔質層が樹脂A(樹脂A:150℃以上に融点を有する樹脂)、または実質的に融点を有さない樹脂)および樹脂B(樹脂B:150℃未満に融点を有する樹脂、または非晶性樹脂)を含み、該多孔質層の表面開孔率をα、断面空隙率をβとしたとき、α/βが1.0未満である、多孔性フィルムにすることで、耐熱破膜性が高く、電極との接着性を有し、かつ優れた電池特性を有する多孔性フィルムを低コストで提供することができる。本発明の多孔性フィルムを用いることで、高耐熱性、高生産性、高容量、高出力、長寿命、低コストの二次電池を提供することが可能となる。

発明を実施するための形態

[0011]
 本発明多孔性フィルムは、多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層を有し、該多孔質層が樹脂A(樹脂A:150℃以上に融点を有する樹脂)、または実質的に融点を有さない樹脂)および樹脂B(樹脂B:150℃未満に融点を有する樹脂、または非晶性樹脂)を含み、該多孔質層の表面開孔率をα、断面空隙率をβとしたとき、α/βが1.0未満である、多孔性フィルムである。以下、本発明について詳細に説明する。
[0012]
 [多孔質層]
 (多孔質構造)
 本発明の実施形態にかかる多孔質層は、多孔質構造を有する。多孔質構造とは、構造内に空隙を有する構造のことをいう。本発明の実施形態にかかる多孔質層における多孔質構造は、多孔質層の表面開孔率をα、多孔質層の断面空隙率をβとしたとき、α/βが1.0未満である。α/βは、多孔質層全体の空隙率に対する表面開孔率の割合を表わし、αが耐熱破膜性、βが電池特性を示す数値となるため、耐熱破膜性と電池特性の両立を示す数値となる。α/βは、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.6以下、さらに好ましくは0.4以下、最も好ましくは0.3以下である。α/βが1.0以上である場合、多孔性フィルムが十分な耐熱破膜性を得ることができない、もしくは十分な電池特性を得ることができない場合がある。
 また、多孔質層の表面開孔率αは、50%以下であることが好ましい。多孔質層の表面開孔率αは、より好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下、最も好ましくは20%以下である。多孔質層の表面開孔率αが50%以下であれば、十分な耐熱破膜性を得られる。
 多孔質層の表面開孔率αは、樹脂Aの含有量、樹脂Aのモノマー種、比率、および塗工条件などにより調整することができる。また、多孔質層の断面空隙率βは、樹脂Aの含有量、樹脂Aのモノマー種、比率、樹脂Bの含有量、塗工条件などにより調整することができる。
[0013]
 さらに、多孔質層の断面空隙率βは40%以上80%以下であることが好ましい。より好ましくは45%以上75%以下、さらに好ましくは50%以上70%以下である。多孔質層の断面空隙率βが40%以上であれば、十分なイオン透過性が得ら、電池特性が優れる。また、80%以下であれば、十分な耐熱破膜性を得られる。
 多孔質層の表面開孔率αおよび断面空隙率βは以下の手法を用いて得られる。多孔質層の表面および断面に対して、イオンコートを行い、電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)より表面および断面の画像データを得る。得られた画像データから画像解析を行い、画像全体から開孔していない部分を引くことで開孔部の面積を算出し、表面開孔率α、および断面空隙率βを得ることができる。
[0014]
 (樹脂A)
 本発明における樹脂Aとは、融点を150℃以上に有する樹脂、または実質的に融点を有さない樹脂を意味する。ここで融点とは、例えば「JIS K7121:2012 プラスチックの転移温度測定方法」の規定に準じた示差走査熱量測定(DSC)において、初めに昇温、冷却した後の2回目の昇温時の吸熱ピークのピークトップを融点とする。融点を150℃以上に有する樹脂とは、150℃以上に上記ピークトップを有する樹脂をいう。
 実質的に融点を有さない樹脂とは、測定温度範囲-20~300℃において、上記ピークトップを有さず、かつガラス転移温度が150℃以上の樹脂、または測定温度範囲-20~300℃において、上記ピークトップを有さず、かつ示差走査熱量測定(DSC)でのベースラインのシフトが見られない樹脂のことをいう。
 また、融点の測定方法は、特に制限は無いが、まず多孔性フィルムから、多孔質基材を溶解せず、多孔質層にとっての良溶媒、例えば、N-メチル-2-ピロリドンなどを用いて多孔質層を多孔質基材から分離する。その後、例えば、得られた溶液から無機粒子等の固形物を遠心分離法、沈降法、ろ過法などの公知の手法を用いて取り除き、残った樹脂分を液体クロマトグラフィ、ガスクロマトグラフィ、薄層クロマトグラフィ、蒸留法、再結晶法、または析出法などの公知の分離手法を用いて樹脂を分離する。得られた各樹脂成分の融点を示差走査熱量計にて測定することができる。
[0015]
 上記のような樹脂Aとして、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリケトン、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアセタール、などの樹脂を含むことが耐熱破膜性向上の観点から好ましい。これらの中でも特に、樹脂Aがポリアミド、ポリアミドイミドおよびポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。より好ましくは、樹脂Aが芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドイミド、芳香族ポリイミドであり、さらに好ましくは樹脂Aが芳香族ポリアミドである。
 芳香族ポリアミドとしては、例えば、メタ配向芳香族ポリアミドと、パラ配向芳香族ポリアミドが挙げられる。本発明においては、メタ配向芳香族ポリアミドと、パラ配向芳香族ポリアミドのどちらを用いてもよいが、多孔質層の強度や耐熱破膜性が優れる点からパラ配向芳香族ポリアミドが好ましい。
[0016]
 ここで、パラ配向芳香族ポリアミドとは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとの重合により得られるものであり、化学式(1)および/または化学式(2)で表される繰り返し単位を基本骨格とする。
 また、Ar 、Ar 、Ar としては、例えば、次の化学式(3)~(7)などが挙げられる。また、化学式(6)、(7)におけるX、Yは、-O-、-CO-、-SO -、-CH -、-S-、-C(CH -などから選択することができるが、これに限定されるものではない。
[0017]
[化1]


[0018]
[化2]


[0019]
[化3]


[0020]
 芳香族ジアミンの具体例としては、パラフェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、2-クロロ-1,4-フェニレンジアミン、1,5’-ナフタレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフォンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
 また、芳香族ジカルボン酸ハライドの具体例としては、テレフタル酸クロライド、2-クロロテレフタル酸クロライド、イソフタル酸クロライド、2-クロロイソフタル酸クロライド、2,6’-ナフタレンジカルボン酸クロライドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
[0021]
 本発明における樹脂Aは、下記式(1)で示される構造を含む芳香族ポリアミドを含むことが好ましい。
[0022]
-NH-Ar -NH-CO-Ar -CO- ・・・(1)
ただし、Ar 、Ar はいずれも芳香族基を示す。
[0023]
 上記芳香族ポリアミドは、化学式(1)で表されるAr の5モル%以上80モル%以下がエーテル基を有する芳香族基であることが好ましい。より好ましくは7モル%以上60モル%以下、さらに好ましくは10モル%以上40モル%以下である。エーテル基を有する芳香族基が5モル%よりも少ない場合、十分な多孔質構造が得られず、電池特性が低下する場合がある。また、80モル%よりも多い場合、十分な耐熱破膜性が得られない場合がある。また、多孔質層の強度が低下し、十分な耐熱性が得られない場合がある。また、製造工程上で、多孔質層の脱離へ変形が起こる場合がある。
[0024]
 Ar のエーテル基を有する芳香族基の含有量は、まず、金枠に固定した、多孔質基材上に多孔質層が積層された多孔性フィルム試料を、試料100質量部に対して100質量部の濃硫酸中に室温下で24時間浸漬することで試料から多孔質層を回収する。その後、遠心分離機等で不溶分(例えば無機粒子)を除去し、回収した樹脂成分から化学的な手法(分子量分析法、質量分析法、核磁気共鳴法、フーリエ変換赤外分光法等)の組合せにより算出することができる。
[0025]
 また、前記芳香族ポリアミドは、化学式(1)のAr およびAr の芳香族基の少なくとも一部が、電気求引性基で置換されていることが好ましい。より好ましくは、すべての芳香族基の合計の30~100モル%が電子求引性基で置換された芳香族基であり、さらに好ましくは、50~100モル%である。ここで、本発明における電子求引性基とは、電気陰性度が2.5以上の基をいう。電子求引性基として、例えば、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基などのハロゲン基、トリフルオロメチル基などのハロゲン化アルキル基、ニトロ基、シアノ基、シアネート基、フェニル基などが挙げられる。
[0026]
 前記芳香族ポリアミドの固有粘度(η)は、3.0dl/g以上8.0dl/g以下が好ましく、より好ましくは3.3dl/g以上7.0dl/g以下、さらに好ましくは3.6dl/g以上6.0dl/g以下である。固有粘度を増大させることは、芳香族ポリアミドの重合度すなわち分子量を増大させることであり、芳香族ポリアミドの耐熱性が向上する。そのため、固有粘度の高い芳香族ポリアミドを用いた二次電池用セパレータは、十分な耐熱破膜性を得ることができる。しかしながら、固有粘度を増大し過ぎると重合時の取り扱い性の低下、および生産性の低下を招く場合がある。したがって、固有粘度(η)が3.0dl/g以上であれば、十分な耐熱破膜性が得られる。もしくは、耐熱破膜性を高めるために、芳香族ポリアミドの含有量を多くすると透気度が上昇、および空隙率が低下することで、電池特性が低下する場合がある。また、固有粘度(η)が8.0dl/g以下であれば、重合時の取り扱い性、および生産性に優れる。また、溶媒への十分な溶解性を示し、芳香族ポリアミド分子が凝集を防ぎ、多孔質膜を形成しやすくなる。
[0027]
 (樹脂B)
 本発明における樹脂Bとは、150℃未満に融点を有する樹脂、または非晶性樹脂を意味する。150℃未満に融点を有する樹脂は140℃未満に融点を有する樹脂であることが好ましく、130℃未満に融点を有する樹脂であることがより好ましい。さらに好ましくは、100℃未満に融点を有する樹脂である。
 ここでいう非晶性樹脂とは、示差走査熱量分析装置での測定において、-20~300℃において融点を有さない、すなわち、吸熱ピークを有さず、かつガラス転移温度が150℃未満である樹脂をいう。ここでガラス転移温度とは、例えば「JIS K7121:2012 プラスチックの転移温度測定方法」の規定に準じた示差走査熱量測定(DSC)において、初めに昇温、冷却した後の2回目の昇温時の低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線のこう配が最大になるような点で引いた接線との交点をガラス転移温度とする。
[0028]
 150℃未満に融点を有する樹脂、または非晶性樹脂であることで、電極との高い接着性が得られるため好ましい。電極と多孔性フィルムとを接着させる工程は熱プレス工程もしくはプレス工程のみが用いられることが多いが、その際、150℃未満に融点を有する樹脂、または非晶性樹脂であれば、熱またはプレスにより多孔質層の一部が電極の活物質間の隙間に入り込み、アンカー効果を発現することで電極との接着が可能となるため好ましい。150℃以上に融点を有する樹脂の場合、十分な電極との接着性が得られない場合がある。なお、樹脂Bにおける「融点」および「融点の測定方法」については、樹脂Aの項に記載したとおりである。
[0029]
 本発明の多孔質層を構成する樹脂Bとしては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂、架橋ポリスチレン、メチルメタクリレート-スチレン共重合体、ポリイミド、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート、カルボキシメチルセルロース樹脂などが挙げられ、これらのうち1種類だけを用いてもよく、複数組み合わせて用いてもよい。これらのうち、電気的安定性と耐酸化性の点から、フッ素樹脂、アクリル樹脂およびオレフィン樹脂より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、フッ素樹脂又はアクリル樹脂がさらに好ましい。
[0030]
 フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのホモポリマー、エチレン・テトラフルオロエチレンポリマー、エチレン-クロロトリフルオロエチレンポリマー、などのコポリマーが挙げられる。また、ホモポリマーとテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレンなどとのコポリマーなども挙げられる。これらのフッ素樹脂の中でもポリフッ化ビニリデン樹脂、特には、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体からなる樹脂が、電気的安定性と耐酸化性の点から好適に用いられる。
[0031]
 前記フッ素樹脂の重量平均分子量は、好ましくは5万以上200万以下である。より好ましくは、10万以上であり、また150万以下である。さらに好ましくは、20万以上であり、また100万以下である。重量平均分子量が5万より小さい場合、十分な電極との接着性が得られない場合がある。また、200万より大きい場合、粘度上昇によりハンドリング性、塗工性が低くなる場合がある。
[0032]
 アクリル樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。ポリ(メタ)アクリル酸の単量体としてはアクリル酸、メタクリル酸が挙げられ、ポリ(メタ)アクリル酸エステルの単量体としてはメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[0033]
 (無機粒子)
 本発明の実施形態に係る多孔質層は、無機粒子を含むことが好ましい。多孔質層が無機粒子を含むことで熱寸法安定性および異物による短絡の抑制を付与することができる。
 具体的に無機粒子としては、酸化アルミニウム、ベーマイト、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化マグネシウムなどの無機酸化物粒子、窒化アルミニウム、窒化硅素などの無機窒化物粒子、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶粒子などが挙げられる。これらの粒子を1種類で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
[0034]
 用いる無機粒子の平均粒径は、0.05μm以上5.0μm以下であることが好ましい。より好ましくは、0.10μm以上3.0μm以下、さらに好ましくは0.20μm以上1.0μm以下である。0.05μmより小さいと、多孔質層が緻密になることで透気度が高くなる場合がある。また、空孔径が小さくなることから電解液の含浸性が低下し生産性に影響を与える場合がある。5.0μmより大きくなると、十分な寸法安定性が得られない場合があり、また多孔質層の膜厚が増大し、電池特性の低下をもたらす場合がある。
 用いる粒子の形状としては、球状、板状、針状、棒状、楕円状などが挙げられ、いずれの形状であってもよい。その中でも、表面修飾性、分散性、塗工性の観点から球状であることが好ましい。
[0035]
 (多孔質層の形成)
 本発明の多孔性フィルムは、例えば多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層を有し、該多孔質層が樹脂A(樹脂A:150℃以上に融点を有する樹脂、または実質的に融点を有さない樹脂)および樹脂B(樹脂B:150℃未満に融点を有する樹脂、または非晶性樹脂)を含み、該多孔質層の表面開孔率をα、断面空隙率をβとしたとき、α/βが1.0未満である、多孔性フィルムの製造方法で得られるが、その方法について以下に説明する。
[0036]
 樹脂Aとして、芳香族ポリアミドを用いる場合、ジアミンと、2-クロロテレフタロイルクロライド等の酸ジクロライドとを原料として、溶液重合などの公知の製法により製造された芳香族ポリアミドと、樹脂および無機粒子を溶媒中に分散させることで塗工液を調製する。ここで、分散させる溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性有機極性溶媒を用いることができる。この中でも、後工程での多孔質構造の形成の観点から、N-メチル-2-ピロリドンが特に好ましい。
 また、多孔質化を促進するために、芳香族ポリアミドの貧溶媒を添加してもよい。貧溶媒としては、芳香族ポリアミドと溶媒和を起こし難い液体であれば特に制限はないが、具体的には、水、アルコール系溶媒などやこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも水の添加が好ましく、添加する水の量は、芳香族ポリアミド100質量部に対して、500質量部以下が好ましい。添加する水の量が500質量部より多くなると、芳香族ポリアミドが塗工液中で凝固するなど、塗剤の安定性が十分に得られない場合がある。
 また、塗工液には、必要に応じて、分散剤、増粘剤、安定化剤、消泡剤、レベリング剤等を添加してもよい。
[0037]
 塗工液の分散方法としては、公知の手法を用いればよい。ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波装置、ペイントシェーカーなどが挙げられる。これら複数の混合分散機を組み合わせて段階的に分散を行ってもよい。
 塗工液を調製する順序としては特に限定はされない。分散工程の効率化の観点から、芳香族ポリアミドと非プロトン性有機極性溶媒を混合し、溶解させ、その溶解液に樹脂、無機粒子、その他の添加剤等を添加し、塗工液を調製することが好ましい。
[0038]
 次に、得られた塗工液を多孔質基材上に塗工し、水槽中に浸漬させ、乾燥を行い、多孔質層を積層する。塗工方法としては、公知の方法で塗工すればよい。例えば、ディップコーティング、グラビアコーティング、スリットダイコーティング、ナイフコーティング、コンマコーティング、キスコーティング、ロールコーティング、バーコーティング、吹き付け塗装、浸漬コーティング、スピンコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、パット印刷、他の種類の印刷などが利用できる。これらに限定されることはなく、用いる樹脂A、樹脂B、無機粒子、バインダー、分散剤、レベリング剤、使用する溶媒、基材などの好ましい条件に合わせて塗工方法を選択すればよい。また、塗工性を向上させるために、例えば、多孔質基材にコロナ処理、プラズマ処理などの塗工面の表面処理を行ってもよい。
[0039]
 多孔質層における樹脂Aの含有量は、多孔質層全体100質量%中、1質量%以上50質量%未満であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上30質量%未満である。さらに好ましくは、5質量%以上20質量%未満である。多孔質層を複数有する場合は、各々の多孔質層について考えるものとする。
 多孔質層における樹脂Aの含有量が1質量%以上であれば、十分な耐熱破膜性が得られる。また、多孔質層における樹脂Aの含有量が50質量%未満であれば、樹脂Aの含有量が大きくなりすぎず、十分な多孔質構造が得られ、電池特性が向上する。また、コスト面でも有利となる。多孔質層を複数有する場合は、各々の多孔質層について、少なくとも一つの層について、樹脂Aの含有量が、1質量%以上50質量%未満であることが好ましく、全ての多孔質層について、樹脂Aの含有量が、1質量%以上50質量%未満であることがより好ましい。
[0040]
 多孔質層における樹脂Bの含有量は、多孔質層全体100質量%中、0.1質量%以上30質量%以下が好ましく、より好ましくは0.3質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。
 多孔質層における樹脂Bの含有量が0.1質量%以上であれば、十分な電極との接着性が得られる。また、多孔質層における樹脂Bの含有量が30質量%以下であれば、樹脂Bの含有量が多くなりすぎず、十分な耐熱破膜性が得られる。
[0041]
 多孔質層の膜厚は、1μm以上8μm以下であることが好ましい。より好ましくは、1.5μm以上6μm以下である。さらに好ましくは2μm以上5μm以下である。ここでいう多孔質層の膜厚とは、多孔質基材の片面に多孔質層を有する多孔性フィルムの場合は、当該多孔質層の膜厚をいい、多孔質基材の両面に多孔質層を有する多孔性フィルムの場合は、当該両方の多孔質層の膜厚の合計をいう。多孔質層の膜厚が1μm以上であれば、十分な耐熱破膜性が得られる。また、多孔質層の膜厚が8μm以下であれば、十分な多孔質構造が得られ、電池特性の低下を防ぐことができる。また、コスト面でも有利となる。なお、多孔質基材の両面に多孔質層を有する場合は、両方の多孔質層の膜厚の合計が1μm以上8μm以下であることが好ましい。
[0042]
 多孔質層の積層による透気度の上昇値は、250秒/100cc以下であることが好ましい。より好ましくは200秒/100cc以下である。ここで、多孔質層の積層による透気度の上昇値とは、多孔質層を有する多孔性フィルムの透気度から多孔質基材単体での透気度を引いた値であり、多孔質層を積層したことによる透気度の上昇値を表すものでる。多孔質層の積層による透気度の上昇が250秒/100cc以下であれば、電池特性に優れる。
[0043]
 [多孔質基材]
 本発明において多孔質基材とは、内部に空孔を有する基材をいう。また、本発明において、多孔質基材としては、例えば内部に空孔を有する多孔膜、不織布、または繊維状物からなる多孔膜シートなどが挙げられる。多孔質基材を構成する材料としては、電気絶縁性であり、電気的に安定で、電解液にも安定である樹脂から構成されていることが好ましい。また、シャットダウン機能を付与する観点から用いる樹脂は融点が200℃以下の熱可塑性樹脂が好ましい。ここでのシャットダウン機能とは、リチウムイオン電池が異常発熱した場合に、熱で溶融することで多孔構造を閉鎖し、イオン移動を停止させて、発電を停止させる機能のことである。
 熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂が挙げられ、前記多孔質基材はポリオレフィン系多孔質基材であることが好ましい。また、前記ポリオレフィン系多孔質基材は融点が200℃以下であるポリオレフィン系多孔質基材であることがより好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、その共重合体、およびこれらを組み合わせた混合物などが挙げられ、例えばポリエチレンを90質量%以上含有する単層の多孔質基材、ポリエチレンとポリプロピレンからなる多層の多孔質基材などが挙げられる。
[0044]
 多孔質基材の製造方法としては、ポリオレフィン系樹脂をシートにした後に延伸することで多孔質化する方法やポリオレフィン系樹脂を流動パラフィンなどの溶剤に溶解させてシートにした後に溶剤を抽出することで多孔質化する方法が挙げられる。
 多孔質基材の厚みは、3μm以上50μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以上、また30μm以下である。多孔質基材の厚みが50μmより厚くなると多孔質基材の内部抵抗が高くなる場合がある。また、多孔質基材の厚みが3μmより薄くなると製造が困難になり、また十分な力学特性が得られない場合がある。
 多孔質基材の透気度は、50秒/100cc以上1,000秒/100cc以下であることが好ましい。より好ましくは50秒/100cc以上、また500秒/100cc以下である。透気度が1,000秒/100ccよりも大きいと、十分なイオン移動性が得られず、電池特性が低下してしまう場合がある。50秒/100ccよりも小さい場合は、十分な力学特性が得られない場合がある。
[0045]
 [多孔性フィルム]
 本発明の多孔性フィルムは、多孔質基材の少なくとも片面に、上述の多孔質層を有する多孔性フィルムである。多孔質層は、イオン透過性を有するために十分に多孔化されていることが好ましく、多孔性フィルムの透気度として、50秒/100cc以上1,000秒/100cc以下であることが好ましい。より好ましくは、50秒/100cc以上500秒/100cc以下である。さらに好ましくは、50秒/100cc以上300秒/100cc以下である。透気度が1,000秒/100ccよりも大きいと、十分なイオン移動性が得られず、電池特性が低下してしまう場合がある。50秒/100ccよりも小さい場合は、十分な力学特性が得られない場合がある。
[0046]
 [二次電池]
 本発明の多孔性フィルムは、リチウムイオン電池等の二次電池用セパレータに好適に用いることができる。リチウムイオン電池は、正極活物質を正極集電体に積層した正極と、負極活物質を負極集電体に積層した負極との間に、二次電池用セパレータと電解質が介在した構成となっている。
 正極は、活物質、バインダー樹脂、および導電助剤からなる正極材が集電体上に積層されたものであり、活物質としては、LiCoO 、LiNiO 、Li(NiCoMn)O 、などの層状構造のリチウム含有遷移金属酸化物、LiMn などのスピネル型マンガン酸化物、およびLiFePO などの鉄系化合物などが挙げられる。バインダー樹脂としては、耐酸化性が高い樹脂を使用すればよい。具体的にはフッ素樹脂、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂などが挙げられる。導電助剤としては、カーボンブラック、黒鉛などの炭素材料が用いられている。集電体としては、金属箔が好適であり、特にアルミニウムが用いられることが多い。
[0047]
 負極は、活物質およびバインダー樹脂からなる負極材が集電体上に積層されたものであり、活物質としては、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボンなどの炭素材料、スズやシリコンなどのリチウム合金系材料、Liなどの金属材料、およびチタン酸リチウム(Li Ti 12)などが挙げられる。バインダー樹脂としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂などが用いられる。集電体としては、金属箔が好適であり、特に銅箔が用いられることが多い。
[0048]
 電解液は、二次電池の中で正極と負極との間でイオンを移動させる場となっており、電解質を有機溶媒にて溶解させた構成をしている。電解質としては、LiPF 、LiBF 、およびLiClO などが挙げられるが、有機溶媒への溶解性、イオン電導度の観点からLiPF が好適に用いられている。有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ガンマブチロラクトン、およびスルホランなどが挙げられ、これらの有機溶媒を2種類以上混合して使用してもよい。
[0049]
 二次電池の作製方法としては、まず活物質と導電助剤をバインダー溶液中に分散して電極用塗布液を調製し、この塗布液を集電体上に塗工して、溶媒を乾燥させることで正極、負極がそれぞれ得られる。乾燥後の塗工膜の膜厚は50μm以上500μm以下とすることが好ましい。得られた正極と負極の間に二次電池用セパレータを、それぞれの電極の活物質層と接するように配置し、アルミラミネートフィルム等の外装材に封入し、電解液を注入後、負極リードや安全弁を設置し、外装材を封止する。このようにして得られた二次電池は、耐熱破膜性が高く、かつ優れた電池特性を有し、また、低コストでの製造が可能となる。
実施例
[0050]
 以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。本実施例で用いた測定法を以下に示す。
[0051]
 [測定方法]
 (1)表面開孔率α、断面空隙率β
 表面開孔率αの場合は、多孔性フィルムの表面にイオンコーターを用いてイオンコートを行い、サンプルを作製した。また、断面空隙率βの場合は、多孔性フィルムを液体窒素にて凍結し、上部からアルゴンビームを照射することで、断面を作製し(Cryo-BIB法)、断面にイオンコーターを用いてイオンコートを行い、測定用サンプルを作製した。得られたサンプルを、日立ハイテクノロジー社製電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)S4800を用いて加速電圧1.5kVにて、表面を撮影倍率2万倍、断面を撮影倍率4万倍で観察し、画像データを得た(スケールバーなどの表示がない、観察部のみの画像)。得られた画像データから多孔質層のみが残るように画像を切り取り、MVTec社製HALCON Ver.10.0を用いて画像解析を行い、表面開孔率α(%)および断面空隙率β(%)を算出した。画像解析方法としては、まず256階調モノクロ画像に対して、11画素平均画像Aと3画素平均画像Bをそれぞれ生成し、画像B全体の面積(Area_all)を算出した。
[0052]
 次に画像Bから画像Aを差として除去し、画像Cを生成し、輝度≧10となる領域Dを抽出した。抽出した領域Dを塊ごとに分割し、面積≧100となる領域Eを抽出した。その領域Eに対して、半径2.5画素の円形要素でクロージング処理した領域Fを生成し、横1×縦5画素の矩形要素でオープニング処理した領域Gを生成することで、縦サイズ<5の画素部を除去した。そして、領域Gを塊ごとに分割し、面積≧500となる領域Hを抽出することで、フィブリル領域を抽出した。
 さらに画像Cにて画像≧5となる領域Iを抽出し、領域Iを塊ごとに分割し、面積≧300となる領域Jを抽出した。領域Jに対して、半径1.5画素の円形要素でオープニング処理した後、半径8.5画素の円形要素でクロージング処理した領域Kを生成し、領域Kに対して、面積≧200となる領域Lを抽出した。領域Lにおいて、面積≧4,000画素の暗部を明部で埋めた領域Mを生成することでフィブリル以外の未開孔部の領域を抽出した。
 最後に、領域Hと領域Mの和領域Nを生成し、和領域Nの面積(Area_closed)を算出することで、未開孔部の面積を求めた。なお、表面開孔率α、および断面空隙率βの計算は、以下の式により算出した。
[0053]
 表面開口率α(%)、断面空隙率β(%)=(Area_all-Area_closed)/Area_all×100
[0054]
 得られた表面開孔率αと断面空隙率βから、以下の式によりα/βを算出した。
 α/β=表面開孔率α(%)/断面空隙率β(%)
 上記の方法にて、同じ多孔性フィルムの両面において10ヶ所ずつ測定し、その平均値の値を当該サンプルのα/βとした。
[0055]
 (2)固有粘度(η)
 臭化リチウム(LiBr)を2.5質量%添加したN-メチルピロリドン(NMP)に、樹脂Aである芳香族ポリアミドを0.5g/dlの濃度で溶解させ、ウベローデ粘度計を使用して、30℃にて流下時間を測定した。ポリマーを溶解させないブランクのNMPの流下時間も同様に測定し、下式を用いて固有粘度(η)(dl/g)を算出した。
 固有粘度(η)(dl/g)=〔ln(t/t0)〕/0.5
  t0:ブランクの流下時間(秒)
  t:サンプルの流下時間(秒)。
[0056]
 (3)熱破膜温度
 50mm×50mmサイズの多孔性フィルムを切り出し、中央に12mmの貫通孔のある2枚のステンレス板で試料を挟み、さらにその両側から中央に12mmの貫通孔のある加熱ブロック板で挟んだ。貫通孔にタングステン製で直径9.5mmの球を乗せ、加熱ブロックを5℃/分で昇温していき、球が落下した際の温度を計測した。50mm×50mmサイズの試料を5枚用意し、測定を実施した平均値を熱破膜温度とした。160℃未満を×、160℃以上250℃未満を△、250℃以上300℃未満を○、300℃以上を◎とした。
[0057]
 (4)融点
 「JIS K7121:2012 プラスチックの転移温度測定方法」の規定に準じた示差走査熱量測定(DSC)において、PerkinElmer製DSC(示差走査熱量分析装置)にて、異なる測定パンに6~7mgの樹脂Aおよび樹脂Bをそれぞれ入れ測定用試料とし、以下の条件にて測定した。初めに昇温、冷却した後、2回目の昇温時の吸熱ピークのピークトップの温度を融点とした。
昇温、冷却速度:±10℃/min
測定温度範囲 :-20~300℃。
[0058]
 (5)電極との接着性
 活物質がLiCoO 、バインダーがフッ化ビニリデン樹脂、導電助剤がカーボンブラックの正極15mm×100mmと多孔性フィルムを、活物質と多孔質層が接触するように設置し、熱ロールプレス機にて0.5MPa、100℃、0.2m/分で熱プレスを行い、ピンセットを用いて手動で剥離させ、接着強度を下記4段階にて評価を行った。同様に、活物質が黒鉛、バインダーがフッ化ビニリデン樹脂、導電助剤がカーボンブラックの負極と多孔性フィルムとの接着強度も測定し、正極および負極のそれぞれの評価を行い、接着強度とした。
・接着強度◎:強い力で電極と多孔性フィルム側が剥離した。
・接着強度○:やや強い力で電極と多孔性フィルムが剥離した。
・接着強度△:弱い力で電極と多孔性フィルムが剥離した。
・接着強度×:極弱い力で電極と多孔性フィルムが剥離した。
[0059]
 (6)電池作製
 正極シートは、正極活物質としてLi(Ni 5/10Mn 2/10Co 3/10)O を92質量部、正極導電助剤としてアセチレンブラックとグラファイトを2.5質量部ずつ、正極結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部を、プラネタリーミキサーを用いてN-メチル-2-ピロリドン中に分散させた正極スラリーを、アルミ箔上に塗布、乾燥、圧延して作製した(塗布目付:9.5mg/cm )。
 この正極シートを40mm×40mmに切り出した。この時、活物質層の付いていない集電用のタブ接着部が、前記活物質面の外側に5mm×5mmの大きさになるように切り出した。幅5mm、厚み0.1mmのアルミ製のタブをタブ接着部に超音波溶接した。
 負極シートは、負極活物質として天然黒鉛98質量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースを1質量部、負極結着剤としてスチレン-ブタジエン共重合体1質量部を、プラネタリーミキサーを用いて水中に分散させた負極スラリーを、銅箔上に塗布、乾燥、圧延して作製した(塗布目付:5.5mg/cm )。
 この負極シートを45mm×45mmに切り出した。この時、活物質層の付いていない集電用のタブ接着部が、前記活物質面の外側に5mm×5mmの大きさになるように切り出した。正極タブと同サイズの銅製のタブをタブ接着部に超音波溶接した。
 次に、多孔性フィルムを55mm×55mmに切り出し、多孔性フィルムの両面に上記正極と負極を活物質層が多孔性フィルムを隔てるように重ね、正極塗布部が全て負極塗布部と対向するように配置して電極群を得た。1枚の90mm×200mmのアルミラミネートフィルムに上記正極・負極・多孔性フィルムを挟み込み、アルミラミネートフィルムの長辺を折り、アルミラミネートフィルムの長辺2辺を熱融着し、袋状とした。
 エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF を濃度1モル/リットルとなるように溶解させ、作製した電解液を用いた。袋状にしたアルミラミネートフィルムに電解液1.5gを注入し、減圧含浸させながらアルミラミネートフィルムの短辺部を熱融着させてラミネート型電池とした。
[0060]
 (7)放電負荷特性
 放電負荷特性を下記手順にて試験を行い、放電容量維持率にて評価した。
 上記ラミネート型電池を用いて、25℃下、0.5Cで放電したときの放電容量と、10Cで放電したときの放電容量とを測定し、(10Cでの放電容量)/(0.5Cでの放電容量)×100で放電容量維持率を算出した。ここで、充電条件は0.5C、4.3Vの定電流充電とし、放電条件は2.7Vの定電流放電とした。上記ラミネート型電池を5個作製し、放電容量維持率が最大、最小となる結果を除去した3個の測定結果の平均を容量維持率とした。放電容量維持率が55%未満を×、55%以上65%未満を○、65%以上の場合を◎とした。
[0061]
 (8)充放電サイクル特性
 充放電サイクル特性を下記手順にて試験を行い、放電容量維持率にて評価した。
 〈1~300サイクル目〉
 充電、放電を1サイクルとし、充電条件を2C、4.3Vの定電流充電、放電条件を2C、2.7Vの定電流放電とし、25℃下で充放電を300回繰り返し行った。
 〈放電容量維持率の算出〉
 (300サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)×100で放電容量維持率を算出した。上記ラミネート型電池を5個作製し、放電容量維持率が最大、最小となる結果を除去した3個の測定結果の平均を容量維持率とした。放電容量維持率が60%未満を×、60%以上70%未満を○、70%以上の場合を◎とした。
[0062]
 (実施例1)
 脱水したN-メチル-2-ピロリドンに、ジアミン全量に対して85モル%に相当する2-クロロ-1,4-フェニレンジアミンと15モル%に相当する4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを溶解させた。そこへ酸ジクロライドとして、ジアミン全量に対して98.5モル%に相当する2-クロロテレフタロイルクロライドを添加し撹拌を行うことで、芳香族ポリアミドを重合した。得られた重合溶液を、酸ジクロライド全量に対して97モル%の炭酸リチウムで中和し、さらに15モル%のジエタノールアミン、25モル%のトリエタノールアミンにて中和し、芳香族ポリアミド濃度が10質量%である芳香族ポリアミド溶液を得た。芳香族ポリアミドの固有粘度(η)は3.0dl/gであり、-20~300℃に融点を有さず、示差走査熱量測定(DSC)でのベースラインのシフトが見られない樹脂であった。
 得られた芳香族ポリアミド溶液にN-メチル-2-ピロリドンを加え、さらに樹脂Bとして、フッ素樹脂(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、融点130℃)を多孔質層全体100質量%において1質量%となるよう添加して、攪拌機にて攪拌した。その後、多孔質層全体100質量%において、芳香族ポリアミドが10質量%となるようにアルミナ粒子(平均粒径0.4μm)を添加した。その混合溶液を攪拌機で予備分散した後に、ビーズミルを用いて分散を行い、塗工液を得た。
 得られた塗工液をディップコートにて、ポリエチレン多孔質基材(厚み5μm、透気度120秒/100cc)の両面に塗工し、その後、水槽に浸漬し、含有される溶媒が揮発するまで乾燥することで多孔質層を形成し、本発明の多孔性フィルムを得た。得られた多孔性フィルムについて、多孔質層の表面開孔率α、断面空隙率β、多孔質層の両面合計の膜厚、熱破膜温度、電極との接着性、放電負荷特性、充放電サイクル特性の測定結果を表1に示す。
[0063]
 (実施例2)
 樹脂Bを多孔質層全体100質量%において5質量%となるよう添加した以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0064]
 (実施例3)
 多孔質層全体100質量%において、芳香族ポリアミド濃度が20質量%となるようにした以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0065]
 (実施例4)
 多孔質層全体100質量%において、芳香族ポリアミド濃度が4質量%となるようにした以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0066]
 (実施例5)
 樹脂Aを芳香族ポリアミド(酸ジクロライドとして、ジアミン全量に対して99.0モル%に相当する2-クロロテレフタロイルクロライドを添加した以外は、実施例1と同様にして得た。固有粘度(η)4.3dl/g、-20~300℃に融点を有さず、示差走査熱量測定(DSC)でのベースラインのシフトが見られない樹脂であった。)に変更した以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0067]
 (実施例6)
 樹脂Aを芳香族ポリアミド(酸ジクロライドとして、ジアミン全量に対して99.5モル%に相当する2-クロロテレフタロイルクロライドを添加した以外は、実施例1と同様にして得た。固有粘度(η)5.0dl/g、-20~300℃に融点を有さず、示差走査熱量測定(DSC)でのベースラインのシフトが見られない樹脂であった。)に変更し、樹脂Bを多孔質層全体100質量%において5質量%となるよう添加した以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0068]
 (実施例7)
 樹脂Bを多孔質層全体100質量%において10質量%となるよう添加した以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0069]
 (実施例8)
 樹脂Aを芳香族ポリアミド(酸ジクロライドとして、ジアミン全量に対して98.0モル%に相当する2-クロロテレフタロイルクロライドを添加した以外は、実施例1と同様にして得た。固有粘度(η)2.5dl/g、-20~300℃に融点を有さず、示差走査熱量測定(DSC)でのベースラインのシフトが見られない樹脂であった。)に変更した以外は実施例1同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0070]
 (実施例9)
 塗工液をディップコートにて、ポリエチレン多孔質基材の両面に塗工した後に、温度60℃、湿度60%の環境下で10秒保持した以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0071]
 (実施例10)
 樹脂Bとして、フッ素樹脂(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、融点を有さず、かつガラス転移温度が-40℃である非晶性樹脂)を多孔質層全体100質量%において5質量%となるよう添加した以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0072]
 (実施例11)
 樹脂Bとして、アクリル樹脂(平均粒径100nmの粒子の水分散体、融点50℃)を多孔質層全体100質量%において5質量%となるよう添加した以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0073]
 (実施例12)
 樹脂Bとして、ポリエチレン樹脂(平均粒径100nmの粒子の水分散体、融点90℃)を多孔質層全体100質量%において5質量%となるよう添加した以外は実施例1と同様にして、本発明の多孔性フィルムを得た。
[0074]
 (比較例1)
 樹脂Bとして、フッ素樹脂(フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、融点165℃)を多孔質層全体100質量%において5質量%となるよう添加した以外は実施例1と同様にして、多孔性フィルムを得た。
[0075]
 (比較例2)
 樹脂Bを多孔質層全体100質量%において5質量%となるよう添加し、得られた塗工液をディップコートにて、ポリエチレン多孔質基材の両面に塗工した後に、温度80℃、湿度80%の環境下で10秒保持した以外は実施例1と同様にして、多孔性フィルムを得た。
[0076]
[表1]


[0077]
 表1から、実施例1~12は、いずれも、多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層を有し、該多孔質層が樹脂Aおよび樹脂Bを含み、該樹脂Bが150℃未満に融点を有する、または非晶性樹脂であり、該多孔質層の表面開孔率をα、該多孔質層の断面空隙率をβとしたとき、α/βが1.0未満である多孔性フィルムであるため、十分な耐熱破膜性と電極との接着性、および良好な電池特性が得られる。
 一方、比較例1は、用いた樹脂の融点が高く、十分な電極との接着性が得られない。また、比較例2は、表面開孔率が高く、α/βが1.0を超えるため、十分な耐熱破膜性が得られない。

産業上の利用可能性

[0078]
 本発明の実施形態にかかる多孔複合フィルムは、耐熱破膜性が高く、電極との接着性を有し、かつ優れた電池特性を有する二次電池用セパレータを低コストで提供することができる。さらに、高耐熱性、高生産性、高容量、高出力、長寿命、低コストの二次電池を提供することができる。
[0079]
 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
 本出願は、2017年9月26日出願の日本特許出願(特願2017-184497)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

請求の範囲

[請求項1]
 多孔質基材の少なくとも片面に多孔質層を有し、該多孔質層が以下の樹脂Aおよび樹脂Bを含み、該多孔質層の表面開孔率をα、断面空隙率をβとしたとき、α/βが1.0未満である、多孔性フィルム。
樹脂A:150℃以上に融点を有する樹脂、または実質的に融点を有さない樹脂
樹脂B:150℃未満に融点を有する樹脂、または非晶性樹脂
[請求項2]
 前記多孔質層の表面開孔率αが50%以下である、請求項1に記載の多孔性フィルム。
[請求項3]
 前記樹脂Aがポリアミド、ポリアミドイミドおよびポリイミドからなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である、請求項1または2に記載の多孔性フィルム。
[請求項4]
 前記樹脂Aが、下記式(1)で示される構造を含む芳香族ポリアミドを含む、請求項3に記載の多孔性フィルム。
-NH-Ar -NH-CO-Ar -CO- ・・・(1)
ただし、Ar 、Ar はいずれも芳香族基を示す。
[請求項5]
 前記芳香族ポリアミドの固有粘度(η)が3.0dl/g以上8.0dl/g以下である、請求項4に記載の多孔性フィルム。
[請求項6]
 前記樹脂Aの含有量が、多孔質層全体100質量%中、1質量%以上50質量%未満である、請求項1から5のいずれか一項に記載の多孔性フィルム。
[請求項7]
 前記樹脂Bが、フッ素樹脂、アクリル樹脂およびオレフィン樹脂より選択される少なくとも1種である、請求項1から6のいずれか一項に記載の多孔性フィルム。
[請求項8]
 前記多孔質層が平均粒径0.05μm以上5μm以下の無機粒子を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の多孔性フィルム。
[請求項9]
 請求項1から8のいずれか一項に記載の多孔性フィルムを用いてなる、二次電池用セパレータ。
[請求項10]
 請求項9に記載の二次電池用セパレータを用いてなる、二次電池。