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1. (WO2019049598) SYSTÈME DE COMMUNICATION OPTIQUE POUR CHARIOT GUIDÉ SUR RAIL
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明 細 書

発明の名称 有軌道台車用光通信システム

技術分野

0001  

背景技術

0002  

先行技術文献

特許文献

0003  

発明の概要

発明が解決しようとする課題

0004   0005  

課題を解決するための手段

0006   0007   0008   0009   0010   0011   0012   0013   0014   0015   0016   0017   0018   0019  

発明の効果

0020  

図面の簡単な説明

0021  

発明を実施するための形態

0022   0023   0024   0025   0026   0027   0028   0029   0030   0031   0032   0033   0034   0035   0036   0037   0038   0039   0040   0041   0042   0043   0044   0045   0046   0047   0048   0049   0050   0051   0052   0053   0054   0055   0056   0057   0058   0059   0060   0061   0062   0063   0064   0065   0066   0067   0068   0069   0070   0071   0072   0073   0074   0075   0076   0077   0078   0079   0080   0081   0082   0083   0084  

符号の説明

0085  

請求の範囲

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11   12   13  

図面

1   2   3   4   5   6   7   8   9   10   11  

明 細 書

発明の名称 : 有軌道台車用光通信システム

技術分野

[0001]
 本発明は、有軌道台車用光通信システムに関する。

背景技術

[0002]
 従来、軌道と、軌道を走行する台車と、台車との間で情報を通信するコントローラと、を備える有軌道台車が知られている。この種の技術として、例えば特許文献1には、天井に吊り下げられたレールに沿って走行車を走行させ、荷物を天井近傍で搬送する走行車システムが記載されている。特許文献1に記載された走行車システムでは、コントローラと走行車との間で無線通信することにより、走行車が制御されている。

先行技術文献

特許文献

[0003]
特許文献1 : 特開2016-53758号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004]
 上記従来技術では、近年における台車数の増加及び情報量の大容量化等に伴い、台車とコントローラとの間でリアルタイムに通信を行う際、その通信速度が不十分となる可能性がある。一方、台車とコントローラとの間における他の通信方法として、無線LANを利用した方法も考え得る。しかし、無線LANは、電波の使用帯域が制限されており、且つ、有軌道台車以外のシステムでも用いられている。そのため、電波干渉により当該通信が妨げられる可能性がある。
[0005]
 本発明は、電波干渉がなく、台車とコントローラとの間で高速且つリアルタイムに通信を行うことが可能な有軌道台車用光通信システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0006]
 本発明の一形態に係る有軌道台車用光通信システムは、軌道と、軌道を走行する1又は複数の台車と、台車との間で情報を通信するコントローラと、を備える有軌道台車に用いられる光通信システムであって、コントローラから台車へ第1情報を通信する第1通信系と、台車からコントローラへ第2情報を通信する第2通信系と、を備え、第1通信系は、コントローラに接続され、第1情報を光として出力する第1発光素子と、軌道に沿って配置された光ファイバであって、第1発光素子で出力された光を外部に漏洩させながら伝送する第1光ファイバと、台車に搭載され、第1光ファイバから漏洩した光を受光する第1受光素子と、を有し、第2通信系は、台車に搭載され、第2情報を光として出力する第2発光素子と、軌道に沿って配置された光ファイバであって、第2発光素子で出力されて当該光ファイバの途中から入力した光、又は、第2発光素子で出力されて当該光ファイバの途中から入力した光によって発生した光を伝送する第2光ファイバと、コントローラに接続され、第2光ファイバが伝送した光を受光する第2受光素子と、を有する。
[0007]
 この有軌道台車用光通信システムでは、第1通信系と第2通信系とにおいて光ファイバが別々に設けられ、第1通信系の第1光ファイバと第2通信系の第2光ファイバが軌道に沿って配置されている。第1光ファイバは、第1発光素子で出力された光を外部に漏洩させながら伝送する光ファイバである。そのため、台車の移動中でも、第1光ファイバから漏洩した光を第1受光素子で受光することにより、コントローラから台車へ第1情報を通信することができる。一方、第2光ファイバは、第2発光素子で出力されて第2光ファイバの途中から入力した光、又は、第2発光素子で出力されて第2光ファイバの途中から入力した光によって発生した光を伝送する。そのため、台車の移動中でも、第2発光素子からの光を第2光ファイバの途中に入力することにより、台車からコントローラへ第2情報を通信することができる。したがって、コントローラと台車との間における第1情報及び第2情報の通信を、光を用いてそれぞれ独立してリアルタイムに行うことが可能である。よって、電波干渉がなく、台車とコントローラとの間で高速且つリアルタイムに通信を行うことができる。
[0008]
 一形態において、第1通信系は、第1情報を第1発光素子から光として出力される第1信号に変換する第1変換部と、台車に搭載され、第1受光素子が光として受信した第1信号を第1情報へ変換する第1逆変換部と、を更に有し、第2通信系は、台車に搭載され、第2情報を第2発光素子から光として出力される第2信号へ変換する第2変換部と、第2受光素子が光として受信した第2信号を第2情報へ変換する第2逆変換部と、を更に有してもよい。この構成によれば、第1情報から変換された第1信号及び第2情報から変換された第2信号を用いて、台車とコントローラとの間の通信を行うことが可能である。
[0009]
 一形態において、第1変換部は、マルチキャリア変調を用いて第1情報を第1信号に変換してもよい。この構成によれば、第1情報を分割し、分割された第1情報を重ね合わせて(多重化して)同時に送信することができる。したがって、第1通信系において高速な通信を行うことができる。
[0010]
 一形態において、第2変換部は、マルチキャリア変調を用いて第2情報を第2信号に変換してもよい。この構成によれば、第2情報を分割し、分割された第2情報を重ね合わせて(多重化して)同時に送信することができる。したがって、第2通信系において高速な通信を行うことができる。
[0011]
 一形態において、光は赤外光、可視光、及び紫外光の少なくとも何れかを含んでいてもよい。このように光を用いることにより、電波を用いる場合に比べて、台車とコントローラとの間でより高速なデータ速度を実現できる。
[0012]
 一形態において、有軌道台車用光通信システムは、第1光ファイバを複数備え、複数の第1光ファイバ同士は、増幅器を介して直列に接続されていてもよい。このように複数の第1光ファイバ同士を直列に接続することにより、光が伝送される距離を延ばすことができる。また、増幅器により、第1光ファイバによって伝送される光を増幅できるので、減衰による光の強度の低下を抑制することができる。
[0013]
 一形態において、有軌道台車用光通信システムは、第2光ファイバを複数備え、複数の第2光ファイバ同士は、増幅器を介して直列に接続されていてもよい。このように複数の第2光ファイバ同士を直列に接続することにより、光が伝送される距離を延ばすことができる。また、増幅器により、第2光ファイバによって伝送される光を増幅できるので、減衰による光の強度の低下を抑制することができる。
[0014]
 一形態において、第2光ファイバは、その外周面に複数のスリットを有していてもよい。この構成によれば、第2発光素子から出力された光を、スリットを介して第2光ファイバ内に入力することができる。
[0015]
 一形態において、第2光ファイバは、その外周面に照射された光を第2光ファイバ内に集光するマイクロレンズアレイを有してもよい。この構成によれば、第2発光素子から出力された光を、マイクロレンズアレイを介して第2光ファイバ内に入力させることができる。
[0016]
 一形態において、第2光ファイバは、蛍光体が添加されたコアを含んでいてもよい。この構成によれば、第2光ファイバは、第2発光素子から出力された光を入力することで蛍光体から光を発生させ、発生させた当該光を伝送することができる。
[0017]
 一形態において、第2光ファイバは、希土類が添加されたコアを含んでいてもよい。この構成によれば、第2光ファイバは、第2発光素子から出力された光を入力することで希土類から光を発生させ、発生させた当該光を伝送することができる。
[0018]
 一形態において、第1光ファイバによって伝送される光の波長帯と、第2発光素子から出力される光の波長帯とは互いに異なっていてもよい。この構成によれば、第1光ファイバから漏出した光が第2光ファイバの途中に入力された場合でも、第2光ファイバの蛍光体又は希土類から光が発生することが抑制される。すなわち、第1光ファイバから漏出した光による第2光ファイバへの干渉が抑制される。したがって、第1光ファイバと第2光ファイバとを近接して配置することができる。
[0019]
 一形態において、第1光ファイバ及び第2光ファイバは可撓性を有してもよい。この構成によれば、例えば軌道がカーブを有する場合であっても、第1光ファイバ及び第2光ファイバを当該軌道に沿って容易に配置することができる。

発明の効果

[0020]
 本発明によれば、電波干渉がなく、台車とコントローラとの間で高速且つリアルタイムに通信を行うことが可能な有軌道台車用光通信システムが提供される。

図面の簡単な説明

[0021]
[図1] 一実施形態に係る有軌道台車用光通信システムの構成を概略的に示す図である。
[図2] 図1の有軌道台車用光通信システムの構成を概略的に示す断面図である。
[図3] 第1光ファイバの伝送性能を示す図である。
[図4] 第2光ファイバによる光の伝送を説明するための図である。
[図5] 第2光ファイバのコアに添加された蛍光体の吸収波長及び放射波長を示す図である。
[図6] 第2光ファイバの伝送性能を示す図である。
[図7] 第2光ファイバの変形例を概略的に示す図である。
[図8] 第2光ファイバの他の変形例を概略的に示す図である。
[図9] OFDM方式を説明するための図である。
[図10] OFDM方式を説明するための図である。
[図11] OFDM方式を説明するための図である。

発明を実施するための形態

[0022]
 以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[0023]
 図1を参照して、本実施形態に係る有軌道台車用光通信システムについて説明する。有軌道台車用光通信システムは、軌道に沿って物品を搬送する有軌道台車に用いられる光通信システムである。図1に示されるように、本実施形態に係る有軌道台車用光通信システム1は、例えば工場内又は倉庫内における天井走行式搬送車システムを構成する有軌道台車100に好適に用いられる。有軌道台車100は、軌道2と、軌道2を走行する台車3と、台車3との間で情報を通信するコントローラ4と、台車3に搭載された台車制御部7と、を備えている。
[0024]
 有軌道台車用光通信システム1は、第1通信系50と、第2通信系60と、を備えている。第1通信系50は、コントローラ4から台車3へ第1情報を通信する下り通信を行う通信系である。第1通信系50は、第1変換部51と、第1発光素子52と、第1光ファイバ53と、第1受光素子54と、第1逆変換部55と、増幅器56と、を有している。第2通信系60は、台車3からコントローラ4へ第2情報を通信する上り通信を行う通信系である。第2通信系60は、第2変換部61と、第2発光素子62と、第2光ファイバ63と、第2受光素子64と、第2逆変換部65と、増幅器66と、を有している。
[0025]
 軌道2は、その断面が下向きU字形状であって台車3の走行経路を形成しており、その内部空間は天井Wに設置された照明に対して遮光されて暗部となっている。図2に示されるように、軌道2は、例えばボルトB等の締結部材によって天井Wに吊り下げ固定されている。軌道2は、台車3が走行する第1レール2Aと、第1通信系50の第1光ファイバ53及び第2通信系60の第2光ファイバ63が配置された第2レール2Bと、を有している。
[0026]
 第1レール2Aは、その延在方向を軸方向とする矩形筒状を呈している。第1レール2Aは、天井Wと対向する上壁21と、上壁21の幅方向の両端それぞれから下方向に延びる側壁22,23と、側壁22,23の下端それぞれから互いに近づくように内側へ水平に延びる走行レール24,25と、を有している。走行レール24と走行レール25との間には、開口が設けられている。第1レール2A内には、台車3の走行ユニット31(後述)が配置される。走行レール24,25上には、台車3の走行輪34(後述)が載置される。これにより、走行ユニット31は、第1レール2A内を走行可能に構成される。第1レール2Aは、例えばアルミニウム等の金属材料によって構成されている。
[0027]
 第2レール2Bは、第1レール2Aの下部に配置されている。第2レール2Bは、第1レール2Aの走行レール24,25の下部それぞれに、例えばボルト等によって固定されている。第2レール2Bの横断面は、内側に向けて開口するU字状を呈している。第2レール2Bは、例えばアルミニウム等の金属材料によって構成されている。一対の第2レール2Bのうちの一方の内部には、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63を保持するホルダ26が設けられている。
[0028]
 ホルダ26は、複数あり、軌道2に沿って所定間隔で並ぶように配置されている。ホルダ26は、第2レール2Bの内側に固定されている。ホルダ26の横断面は、第2レール2Bに倣ったU字状を呈している。このようなホルダ26は、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63を、例えば上下に互いに一定距離だけ離間させた状態で第2レール2Bに沿って延びるように保持する。これにより、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63は、第2レール2Bによって覆われた状態で軌道2に沿って配置される。
[0029]
 台車3は、第1レール2A内に配置された走行ユニット31と、荷物が積載される本体部32と、走行ユニット31と本体部32とを連結する連結部33と、を有している。台車3は、例えば第2レール2B内に配置された高周波電流線(不図示)から非接触で電力供給を受けることによって走行する。走行ユニット31には、複数の走行輪34が設けられている。走行輪34は、例えば走行ユニット31内のモータ(不図示)によって回転する。走行輪34は、第1レール2Aの走行レール24,25上に載せられている。連結部33は、走行レール24と走行レール25との間に設けられた開口を通り、且つ、一対の第2レール2Bの間を通るように設けられている。これにより、台車3は、軌道2に吊り下がった状態で軌道2に沿って走行する。
[0030]
 台車3には、コントローラ4と通信を行うための通信部35が設けられている。図示する例では、通信部35は、連結部33からホルダ26内に進入するように突出している。通信部35では、第1光ファイバ53に対向するように第1受光素子54が配置されている。通信部35では、第2光ファイバ63に対向するように第2発光素子62が配置されている。これにより、台車3は、第1光ファイバ53と第1受光素子54とが互いに対向し、且つ、第2光ファイバ63と第2発光素子62とが互いに対向した状態で、軌道2に沿って走行する。なお、台車3の構成としては、図2に示される例に限定されず、仕様等に応じて種々の構成を採用できる。
[0031]
 図1に戻り、コントローラ4は、台車3との間で情報(信号)を通信する。コントローラ4は、台車3に対して送信される第1情報を生成する信号源41を有している。コントローラ4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含むマイクロコンピュータシステムとして実現できる。また、コントローラ4は上位制御装置(不図示)に接続されている。台車3から送信された第2情報は、例えばコントローラ4を経由して上位制御装置に送信される。第1情報としては、例えば台車3を走行や荷物の移載を制御するための信号が含まれ得る。第2情報としては、例えば台車3の状態を示す情報、及び台車3に搭載されたカメラ等によって撮影された画像データ等が含まれ得る。
[0032]
 台車制御部7は、台車3に搭載されており、第1逆変換部55及び第2変換部61に接続されている。台車制御部7は、コントローラ4から送信された第1情報に基づいて台車3を制御する。台車制御部7は、台車3からコントローラ4に対して送信される第2情報を生成し、第2情報を第2変換部61に送信する。台車制御部7は、コントローラ4と同様に、CPU、RAM、及びROM等を含むマイクロコンピュータシステムとして実現できる。
[0033]
 次に、第1通信系50について具体的に説明する。
[0034]
 第1変換部51は、コントローラ4と第1発光素子52との間に接続されている。第1変換部51は、コントローラ4の信号源41で生成された第1情報を電気的な信号である第1信号に変換する。変換された第1信号は、第1発光素子52へ送信される。第1情報から第1信号への変換方法としては、例えば、強度変調の一種であるベースバンド変調等の公知の変換方法が用いられ得る。
[0035]
 第1発光素子52は、第1変換部51を介してコントローラ4に接続されている。第1発光素子52は、第1情報を第1変換部51で変換してなる第1信号を、光(光信号)に変換する。これにより、第1発光素子52は、第1情報を光として出力(出射)する。第1発光素子52は、出力した光が第1光ファイバ53内に導入されるように、第1光ファイバ53の端部又は該端部に近接する位置に設けられている。第1発光素子52としては、例えばレーザダイオード(LD:Laser Diode)又はLED(Light Emitting Diode)等が用いられ得る。なお、第1発光素子52は、高速な応答特性を有し、且つ、鋭い指向性を有していることが好ましい。したがって、レーザダイオードは、LEDよりも第1発光素子52として好適である。第1発光素子52から出力される光は、赤外光、可視光及び紫外光の少なくとも何れかを含んでいる。一例として、第1発光素子52から出力される光は、できるだけ製品コストを抑える観点では658nm程度の赤光が好ましく、また、人の目への安全性を確保する観点では赤外光が好ましい。また、第1発光素子52の出力は、例えば数mW~数十mW程度とすることができる。
[0036]
 複数の第1光ファイバ53は、上述したように、軌道2に沿って配置(張設)されている。第1光ファイバ53は、光の拡散を応用して、第1発光素子52で出力された光を外部に漏洩させながら伝送する光ファイバである。換言すると、第1光ファイバ53は、伝送する光の一部が当該伝送路の途中部で漏れ出す漏洩光ファイバである。このため、第1光ファイバ53が配置された区間においては、第1光ファイバ53から光が漏洩している。また、第1光ファイバ53は、可撓性を有する。
[0037]
 増幅器56は、複数の第1光ファイバ53の端部間に配置されている。増幅器56は、隣り合う一対の第1光ファイバ53同士を直列に接続する。増幅器56としては、光を増幅する光増幅器を用いることができる。光増幅器としては、例えば希土類が添加されたファイバを用いたファイバ増幅器、又は半導体光増幅器等が挙げられる。或いは、増幅器56としては、光電変換器を用いることができる。この場合、光電変換器は、例えば一方の第1光ファイバ53から出力された光を電気信号に変換して増幅した後、当該電気信号を光へ変換して他方の第1光ファイバ53へ入力することにより、複数の第1光ファイバ53間で光を増幅できる。
[0038]
 第1受光素子54は、台車3に搭載されている。より具体的には、第1受光素子54は、台車3の通信部35において、第1光ファイバ53と対向するように設けられている(図2参照)。第1受光素子54と第1光ファイバ53との間の距離は、例えば5mm~20mm程度とすることができる。第1受光素子54は、第1光ファイバ53から漏洩した光を受光し、電気的な信号である第1信号に変換する。第1受光素子54としては、例えばアバランシェフォトダイオード等を用いることができる。
[0039]
 第1逆変換部55は、台車3に搭載されている。また、第1逆変換部55は、第1受光素子54と台車制御部7との間に接続されている。第1逆変換部55は、第1受光素子54が光として受信した第1信号を第1情報に逆変換する。逆変換された第1情報は、例えば台車制御部7に送信される。
[0040]
 図3を参照して第1光ファイバ53の伝送性能について説明する。ここでは、第1光ファイバ53の伝送性能を評価するために、光源からの距離を変化させながら第1光ファイバから漏洩した光の強度を測定した。第1光ファイバとしては、全長が10mのFibrance(商標登録、Corning Inc.)を使用した。光源としては、波長が650nm、出力が4mWのレーザダイオードを用いた。光源に入力される信号としては、周波数が10MHzの正弦波を用いた。漏洩した光を受光する受光器には、アバランシェフォトダイオードを使用した。アバランシェフォトダイオードから出力された電気信号を、フォトセンサアンプによって増幅し、スペクトラムアナライザによって測定した。すなわち、第1光ファイバ53から漏洩した光を、受信電力として測定した。図3に示されるように、光源からの距離が大きくなっていても、受信電力は大きく低下することなく、ある程度一定の値を示している。したがって、第1光ファイバ53によって伝送される光は大きく減衰せずに伝送されることが確認できる。
[0041]
 次に、第1光ファイバ53の通信性能について説明する。ここでは、第1光ファイバ53の通信性能を評価するために、変調された信号を光として光源から出力して第1光ファイバ53に入力し、第1光ファイバ53によって伝送された信号のBER(Bit Error Rate)を測定した。光源としては、波長が658nm、出力が4mWのレーザダイオードを用いた。信号の変調方式としては、NRZ(Non Return to Zero)方式を用いた。第1光ファイバ53としては、全長が1mのFibrance(商標登録、Corning Inc.)を使用した。受光器としてはアバランシェフォトダイオードを使用し、第1光ファイバ53の端部から50cmの位置で、第1光ファイバ53から漏洩した光を受光した。このとき、光減衰器を用いて光源の出力を段階的に低下させ、受光器によって測定される光の強度が67nW/mm2、31nW/mm2、18nW/mm2、8.3nW/mm2、3.2nW/mm2、1.5nW/mm2、0.72nW/mm2、0.26nW/mm2となるように調整し、それぞれの場合のBERを測定した。この測定では、通信速度が10Mbpsである場合と、通信速度が100Mbpsである場合との2種類の通信速度でBERの測定を行った。なお、この測定では、妥当な通信性能が担保されるBERの値の上限を10-3とした。
[0042]
 測定の結果、通信速度が10Mbpsである場合には、受光器で受光された光の強度が3.2nW/mm2以上であればBERを10-3以下に抑えることができ、通信性能を保つことができると判明した。また、通信速度が100Mbpsである場合には、受光器で受光された光の強度が8.3nW/mm2以上であればBERを10-3以下に抑えることができ、通信性能を保つことができると判明した。この結果から、第1光ファイバ53の全長が1mであり、通信速度が100Mbpsである場合に、光減衰器によって光源の出力を0.2mW相当に減衰させても十分にBERを10-3以下に抑えられることが確認できる。したがって、この結果に基づいて換算すれば、光源の出力を20mW程度とすることで、100Mbpsの通信速度で100m程度の距離まで信号を受信できると見込まれる。以上の結果より、光源の出力を20mWとすれば、第1光ファイバ53から漏洩した光を受信することにより、光源から送信された信号を100Mbpsの通信速度で100m程度の距離まで受信できるため、工場内又は倉庫内における天井走行式搬送車システムに第1通信系50を適用できることが確認できる。
[0043]
 再び図1に戻り、第2通信系60について具体的に説明する。
[0044]
 第2変換部61は、台車制御部7と第2発光素子62との間に接続されている。第2変換部61は、台車制御部7で生成された第2情報を電気的な信号である第2信号に変換する。変換された第2信号は、第2発光素子62へ送信される。第2情報から第2信号への変換方法としては、第1変換部51と同様に、例えばベースバンド変調等の公知の変換方法が用いられ得る。
[0045]
 第2発光素子62は、台車3に搭載されている。より具体的には、第2発光素子62は、台車3の通信部35において、第2光ファイバ63と対向するように設けられている(図2参照)。第2発光素子62は、第2変換部61を介して台車制御部7に接続されている。第2発光素子62は、第2情報を第2変換部61で変換してなる第2信号を光に変換する。これにより、第2発光素子62は、第2情報を光として出力する。
[0046]
 第2発光素子62としては、例えばレーザダイオード又はLED等が用いられ得る。なお、第2発光素子62は、高速な応答特性を有し、且つ、鋭い指向性を有していることが好ましい。したがって、レーザダイオードは、LEDよりも第2発光素子62として好適である。一例として、第2発光素子62から出力される光の波長帯は、第2光ファイバ63として後述する蛍光体添加ファイバを利用する場合には405nm程度である。このように、第2発光素子62から出力される光の波長帯と第1光ファイバ53によって伝送される光(第1光ファイバ53から漏洩した光)の波長帯とは、互いに異なっていることが好ましい。第2発光素子62の出力は、例えば数mW~数十mW程度とすることができる。なお、第2発光素子62から出力される光は、できるだけ製品コストを抑える観点では658nm程度の赤光が好ましく、また、人の目への安全性を確保する観点では赤外光が好ましい。第2発光素子62は、第1受光素子54に対して所定長離れて配置されている。これにより、第2発光素子62から出力された光が第1受光素子54に入射してしまって第1通信系50の通信が妨げられることを抑制できる。なお、第2発光素子62と第1受光素子54との間に、第2発光素子62から出力された光を遮る衝立等を設けてもよい。
[0047]
 複数の第2光ファイバ63は、上述したように、軌道2に沿って配置(張設)されている。第2光ファイバ63は、第2発光素子62で出力されて第2光ファイバ63の途中から入力した光によって発生した光を伝送する光ファイバである。換言すると、第2光ファイバ63は、その伝送路の途中部からの光の入力により生じた光を伝播させる光ファイバである。図4に示されるように、第2光ファイバ63は、蛍光体が添加されたコア63aと、クラッド63bとを含む光ファイバである。第2発光素子62から出力され、コア63aの外周面から入光した光P1が第2光ファイバ63のコア63aに入力されると、この光P1によって蛍光体が励起される。これにより、蛍光体から光P2が四方八方に発生する。蛍光体から発生した光P2のうち、コア63aとクラッド63bとの臨界角以下の角度でクラッド63bに入射した光P2は、第2光ファイバ63内を伝送される。すなわち、第2光ファイバ63では、第2光ファイバ63の伝送路の途中部から入力された光P1がもつ第2信号の伝送を、波動光学的アプローチにより可能にしている。また、第2光ファイバ63は、可撓性を有する光ファイバである。図5に第2光ファイバ63の好ましい例を示す。この例の第2光ファイバ63は、波長が約360nm~450nm程度の光P1を吸収し、波長が約470nm~600nm程度の光P2を放射する。第2光ファイバ63の最大吸収波長は405nm、最大放射波長は492nmである。
[0048]
 増幅器66は、複数の第2光ファイバ63の端部間に配置されている。増幅器66は、隣り合う一対の第2光ファイバ63同士を直列に接続する。増幅器66としては、増幅器56と同様に、光を増幅する光増幅器或いは光電変換器を用いることができる。
[0049]
 第2受光素子64は、第2逆変換部65を介してコントローラ4に接続されている。第2受光素子64は、第2光ファイバ63によって伝送された光を受光し、電気的な信号である第2信号に変換する。第2受光素子64は、第2光ファイバ63の端部から出力された光P2を受光できるように、第2光ファイバ63の端部又は該端部に近接する位置に設けられている。第2受光素子64としては、例えばアバランシェフォトダイオード等を用いることができる。
[0050]
 第2逆変換部65は、第2受光素子64とコントローラ4との間に接続されている。第2逆変換部65は、第2受光素子64が光として受信した第2信号を第2情報に逆変換する。逆変換された第2情報は、例えばコントローラ4に送信される。
[0051]
 図6を参照して、一例としての第2光ファイバ63の伝送性能について説明する。ここでは、伝送性能を評価するために、第2光ファイバ63に光P1が入力される位置を変化させながら第2光ファイバ63によって伝送された光P2の強度を測定する実験を行った。第2光ファイバ63としては、全長が100m程度の波長シフトファイバを使用した。光源としては、波長が405nm、出力が3mWのレーザダイオードを用いた。光源と第2光ファイバ63との間の距離を5mmに設定した。第2光ファイバの端部に光検出センサを配置し、第2光ファイバ63によって伝送された光P2の強度を測定した。
[0052]
 図6に示されるように、第2光ファイバ63に光P1が入力される入力位置と光検出センサとの間の距離が遠くなるにつれて、光P2の強度が低下している。したがって、光P1の入力位置と光検出センサとの間の距離が遠くなるほど、伝送される光P2が減衰することが確認できる。しかしながら、例えば、光P1の入力位置と光検出センサとの間の距離が100mであっても、光P2の強度は約-55dBm程度であり、光源から送信された信号を受信可能な強度が保たれている。したがって、この一例としての第2光ファイバ63を用い、この第2光ファイバ63の途中から入力された光P1によって発生する光P2を受信することにより、100m離れた光源から送信された信号を受信できることが確認された。したがって、工場内又は倉庫内における天井走行式搬送車システムに第2通信系60を適用できることが確認できる。
[0053]
 次に、コントローラ4から台車3への下り通信(ダウンリンク)の一例を説明する。例えば上位コントローラからの指令に基づいて、コントローラ4の信号源41により第1情報を生成する。生成した第1情報は、第1変換部51で第1信号に変換されて第1発光素子52へ送信される。第1発光素子52は、第1信号に応じた光を出力する。第1発光素子52からの光は、第1光ファイバ53の端部から当該第1光ファイバに入力され、第1光ファイバ53内を伝送されながら、その光の一部が第1光ファイバ53の周囲へと漏れ出す。
[0054]
 このとき、台車3においては、第1受光素子54により、第1光ファイバ53から漏れ出す光を受光し、当該光を第1信号に変換する。第1信号は、第1逆変換部55で第1情報に逆変換されて、台車制御部7に送信される。台車制御部7は、第1情報に基づき台車3の走行や荷物の移載を制御する。第1光ファイバ53が配置された区間では、第1情報に対応する光が第1光ファイバ53から漏れ出しているため、台車3が停止中であっても走行中であっても、途切れることなくコントローラ4から台車3へ第1情報を通信できる。
[0055]
 次に、台車3からコントローラ4への上り通信(アップリンク)の一例を説明する。例えば台車3のカメラ等の撮像結果やステータスに基づいて、台車制御部7により第2情報を生成する。生成した第2情報は、第2変換部61で第2信号に変換されて第2発光素子62へ送信される。第2発光素子62は、第2信号に応じた光P1を出力する。第2発光素子62で出力した光P1は、第2光ファイバ63の途中から第2光ファイバ63内に入力される。第2光ファイバ63では、当該入力に応じて蛍光体が励起されて発光し、発光した光P2が第2光ファイバ63内を伝送し、第2光ファイバ63の端部から出力される。第2受光素子64は、第2光ファイバ63から出力された光P2を受光し、当該光を第2信号へ変換する。第2信号は、第2逆変換部65で第2情報に逆変換された後、例えば上位コントローラへ送信される。第2光ファイバ63が配置された区間では、第2情報に対応する光P1を台車3の第2発光素子62により第2光ファイバ63の途中から入力することで、台車3が停止中であっても走行中であっても、途切れることなくから台車3からコントローラ4へ第2情報を通信できる。
[0056]
 以上に説明したように、有軌道台車用光通信システム1では、第1通信系50と第2通信系60とにおいて光ファイバが別々に設けられ、第1通信系50の第1光ファイバ53と第2通信系60の第2光ファイバ63が軌道2に沿って配置されている。第1光ファイバ53は、第1発光素子52で出力された光を外部に漏洩させながら伝送する光ファイバである。そのため、台車3の移動中でも、第1光ファイバ53から漏洩した光を第1受光素子54で受光することにより、コントローラ4から台車3へ第1情報を通信することができる。一方、第2光ファイバ63は、第2発光素子62で出力されて第2光ファイバ63の途中から入力した光によって発生した光を伝送する。そのため、台車3の移動中でも、第2発光素子62からの光を第2光ファイバ63の途中に入力することにより、台車3からコントローラ4へ第2情報を通信することができる。したがって、コントローラ4と台車3との間における第1情報及び第2情報の通信を、光を用いてそれぞれ独立してリアルタイムに行うことが可能である。よって、電波干渉がなく、台車3とコントローラ4との間で高速且つリアルタイムに通信を行うことができる。
[0057]
 有軌道台車用光通信システム1では、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63は、第2レール2Bによって覆われた状態で軌道2に沿って配置されている。これにより、第1光ファイバ53から漏洩した光が軌道2の外部に漏れることが抑制される。したがって、第1光ファイバ53から漏洩した光が外部の装置等に影響を及ぼすことを抑制できる。また、外部の光が第2光ファイバ63に入力されることも抑制されるので、第2通信系60のよる第2情報の通信が外部の光(例えば天井Wに設置された照明等)によって妨げられることを抑制できる。
[0058]
 有軌道台車用光通信システム1では、第1通信系50は、第1情報を第1発光素子52から光として出力される第1信号に変換する第1変換部51と、台車3に搭載され、第1受光素子54が光として受信した第1信号を第1情報へ変換する第1逆変換部55と、を更に有し、第2通信系60は、台車3に搭載され、第2情報を第2発光素子62から光として出力される第2信号へ変換する第2変換部61と、第2受光素子64が光として受信した第2信号を第2情報へ変換する第2逆変換部65と、を更に有している。これにより、変換された第1信号及び第2信号を用いて、台車3とコントローラ4との間の通信を行うことが可能である。
[0059]
 有軌道台車用光通信システム1では、光は、赤外光、可視光、及び紫外光の少なくとも何れかを含んでいる。このように光を用いることにより、電波を用いる場合に比べて、台車3とコントローラ4との間でより高速なデータ速度を実現できる。
[0060]
 有軌道台車用光通信システム1は、第1光ファイバ53を複数備え、複数の第1光ファイバ53同士は、増幅器56を介して直列に接続されている。このように複数の第1光ファイバ53同士を直列に接続することにより、光が伝送される距離を延ばすことができる。また、増幅器56により、第1光ファイバ53によって伝送される光を増幅できるので、減衰による光の強度の低下を抑制することができる。
[0061]
 有軌道台車用光通信システム1は、第2光ファイバ63を複数備え、複数の第2光ファイバ63同士は、増幅器66を介して直列に接続されている。このように複数の第2光ファイバ63同士を直列に接続することにより、光が伝送される距離を延ばすことができる。また、増幅器66により、第2光ファイバ63によって伝送される光を増幅できるので、減衰による光の強度の低下を抑制することができる。
[0062]
 有軌道台車用光通信システム1では、第2光ファイバ63は、蛍光体が添加されたコア63aを含んでいる。これにより、第2光ファイバ63は、第2発光素子62から出力された光を入力することで蛍光体から光を発生させ、発生させた当該光を伝送することができる。したがって、第2発光素子62から出力された光によって発生する光を第2受光素子64に伝送することができる。
[0063]
 有軌道台車用光通信システム1では、第1光ファイバ53によって伝送される光の波長帯と、第2発光素子62から出力される光の波長帯とは互いに異なっている。これにより、第1光ファイバ53から漏洩した光が第2光ファイバ63の途中に入力された場合でも、第2光ファイバ63の蛍光体から光が発生することが抑制される。すなわち、第1光ファイバ53から漏洩した光による第2光ファイバ63への干渉が抑制される。したがって、第1光ファイバ53と第2光ファイバ63とを近接して配置することができる。
[0064]
 有軌道台車用光通信システム1では、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63は、可撓性を有している。これにより、例えば軌道2がカーブを有する場合であっても、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63を当該軌道2に沿って容易に配置することができる。
[0065]
 次に、図7を参照して、第2光ファイバ63の変形例について説明する。
[0066]
 図7に示されるように、変形例に係る第2光ファイバ70は、その外周面に入力された光P1を第2光ファイバ70内に集光するマイクロレンズアレイ71と、コア72と、クラッド73と、複数の楔形構造体74と、を有している。複数の楔形構造体74は、コア72内に設けられている。楔形構造体74の位置は、それぞれのマイクロレンズの焦点に対応している。マイクロレンズアレイ71により第2光ファイバ70内に集光された光P1は、楔形構造体74によって反射され、コア72内を伝搬する。このように、第2光ファイバ70では、第2光ファイバ70の伝送路の途中部から入力された光P1の伝送を、幾何光学的アプローチにより可能にしている。
[0067]
 変形例に係る第2光ファイバ70のコア72には、上記第2光ファイバ63(図1参照)とは異なり、蛍光体が添加されていない。このような第2光ファイバ70を用いた場合であっても、第2発光素子62から出力された光P1を、マイクロレンズアレイ71を介して第2光ファイバ70内に入力させて伝送することができる。台車3からコントローラ4へ第2情報を確実に通信することが可能である。なお、第2光ファイバ70に関する構造及び原理等の詳細については、例えば、米国特許出願公開第2010/0329619号公報に記載されており、その記載は本願特許請求の範囲に記載の発明に包含される。
[0068]
 次に、図8を参照して、第2光ファイバ63の他の変形例について説明する。
[0069]
 図8に示されるように、他の変形例に係る第2光ファイバ80は、コア81と、クラッド82と、を有している。第2光ファイバ80の外周面には、複数のスリット83が形成されている。複数のスリット83は、クラッド82を貫通すると共に第2光ファイバ80の周方向に沿って延在している。隣り合うスリット83同士の間の距離Lは、第2発光素子62から出力される光P1の照射幅(ビーム径)よりも狭く設定されている。第2光ファイバ80のコア81には、第2光ファイバ70のコア72(図7参照)と同様に、蛍光体が添加されていない。第2発光素子62から出力された光は、スリット83を介して第2光ファイバ80内に入力され、コア81内を伝搬する。このように、第2光ファイバ80では、第2光ファイバ80の伝送路の途中部から入力された光P1の伝送を、幾何光学的アプローチにより可能にしている。
[0070]
 第2光ファイバ80においても、第2発光素子62から出力された光P1を、スリット83を介して第2光ファイバ70内に入力させて伝送することができる。したがって、台車3からコントローラ4へ第2情報を通信することが可能である。また、隣り合うスリット83同士の間の距離Lが第2発光素子62から出力される光P1の照射幅よりも小さく設定されている。これにより、台車3が移動していても、第2発光素子62から出力される光が常に何れかのスリット83に照射された状態となる。したがって、台車3が移動していても、常に光P1を第2光ファイバ80内に入力することができる。
[0071]
 以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更を行うことができる。
[0072]
 上記実施形態では、第2光ファイバ63は蛍光体が添加されたコア63aを含む例について説明した。蛍光体としては、有機蛍光材料や希土類金属が挙げられる。希土類金属の場合、第2光ファイバ63は、第2発光素子62から出力された光を入力することで希土類から光を発生させ、発生させた当該光を伝送することができる。コアに添加される希土類としては、例えばエルビウム、イッテルビウム、ネオジウム、ツリウム、又はホルシウム等が用いられ得る。
[0073]
 上記実施形態では、有軌道台車用光通信システム1が第1通信系50及び第2通信系60を1つずつ備える例について説明したが、有軌道台車用光通信システム1は、複数の第1通信系50及び複数の第2通信系60を備えていてもよい。この場合、複数の第1通信系50又は複数の第2通信系60を用いて台車3とコントローラ4との間の通信を行うことができるので、台車3とコントローラ4との間の通信速度を更に向上させることができる。
[0074]
 つまり、第1通信系50として複数本の第1光ファイバ53を平行に配置し、第2通信系60として複数本の第2光ファイバ63を平行に配置してもよい。この場合、各光ファイバ53,63を、制御信号の伝送用、管理情報の伝送用又は撮像画像の伝送用等の用途に応じて使い分けることができる。また、台車3の数が複数である場合、通信する台車3毎に光ファイバ53,63を使い分けることで、使用する帯域を広げることができる。また、各光ファイバ53,63によって伝送される光の波長を互いに異ならせることもできる。
[0075]
 上記実施形態では、台車3が1台である例について説明したが、台車3の数は複数であってもよい。上記実施形態では、第1光ファイバ53と第2光ファイバ63とが互いに離間して配置される例について説明したが、第1光ファイバ53と第2光ファイバ63とは互いに隣接して配置されていてもよい。
[0076]
 上記実施形態では、第1通信系50は、第1受光素子54を覆い、第1光ファイバ53によって伝送される波長帯の光のみを通過させるフィルタを更に有していてもよい。これにより、第2発光素子62から出力される光及び外光等、第1光ファイバ53によって伝送される光以外の光を遮蔽することができる。したがって、第1通信系50による第1情報の通信をより確実に行うことができる。同様に、第2通信系60は、第2受光素子64を覆い、第2光ファイバ63によって伝送される波長帯の光のみを通過させるフィルタを更に有していてもよい。これにより、第1発光素子52から出力される光及び外光等、第2光ファイバ63によって伝送される光以外の光を遮蔽することができる。したがって、第2通信系60による第2情報の通信をより確実に行うことができる。
[0077]
 上記実施形態では、有軌道台車用光通信システム1が第1変換部51、第1逆変換部55、第2変換部61及び第2逆変換部65を備える例について説明したが、有軌道台車用光通信システム1は、第1変換部51、第1逆変換部55、第2変換部61及び第2逆変換部65を備えていなくてもよい。すなわち、有軌道台車用光通信システム1では、第1情報及び第2情報を、それぞれ、第1信号及び第2信号に変換せずに光通信してもよい。
[0078]
 上記実施形態では、複数の第1光ファイバ53同士が増幅器56を介して接続され、複数の第2光ファイバ63同士が増幅器66を介して接続されている例について説明したが、有軌道台車用光通信システム1が増幅器56,66を備えていなくてもよい。すなわち、複数の第1光ファイバ53同士、及び複数の第2光ファイバ63同士は、それぞれ増幅機能を有しない接続部品によって接続されていてもよい。また、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63は、それぞれ1本のみであってもよい。
[0079]
 上記実施形態では、隣接する一対の第1光ファイバ53のうち、一方の第1光ファイバ53の端部と他方の第1光ファイバ53の端部とが、オーバーラップするように配置されていてもよい。これにより、複数の第1光ファイバ53における光の漏洩範囲の間に、当該光が漏洩していない範囲が形成されることを抑制できる。したがって、複数の第1光ファイバ53同士の接続部において通信が途切れることを抑制できる。
[0080]
 上記実施形態では、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63が可撓性を有する例について説明したが、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63は可撓性を有していなくてもよい。上記実施形態において、第1光ファイバ53及び第2光ファイバ63を軌道2に沿って配置する構成は、図2に示される例に限定されず、種々の配置構成を採用してもよい。
[0081]
 上記実施形態は、例えば工場内又は倉庫内における天井走行式搬送車システムに適用した光通信システムであるが、適用先の搬送車システム(有軌道台車)は特に限定されない。本発明は、半導体ウェハを収容したFOUP(Front Opening Unified Pod)を搬送する天井走行式搬送車システムに適用した光通信システムであってもよいし、工場又は倉庫内で物品を搬送する地上走行式搬送車システムに適用した光通信システムであってもよい。
[0082]
 上記の実施形態では、第1情報から第1信号への変調方式、及び、第2情報から第2信号への変調方式として、強度変調の一種であるベースバンド変調を用いる例について説明したが、当該変調方式は特に限定されない。第1変換部51(図1参照)は、マルチキャリア変調を用いて第1情報を第1信号に変換してもよい。同様に、第2変換部61(図1参照)は、マルチキャリア変調を用いて第2情報を第2信号に変換してもよい。マルチキャリア変調の一例として、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が用いられ得る。以下、図9~図11を参照して、第1変換部51及び第2変換部61の少なくとも何れかに実装可能なアプリケーションである、OFDM方式のマルチキャリア変調について説明する。図9~図11は、OFDM方式を説明するための図である。
[0083]
 OFDM方式では、例えば図9に示されるように、送信したい情報(すなわち、第1情報又は第2情報)をいくつかの系列に分割する。そして、それぞれの系列に対して異なるサブキャリアを割り当てて変調し、各系列に分割された情報を一括に送信する。図9に示される例では、送信したい情報を第1系列D1、第2系列D2、第3系列D3、及び第4系列D4の4つの系列に分割し、第1サブキャリアS1、第2サブキャリアS2、第3サブキャリアS3、及び第4サブキャリアS4の4種類のサブキャリアを用いて変調を行う。第1~第4サブキャリアS1,S2,S3,S4のそれぞれは、図10に示されるように、互いに異なる周波数を有している。また、OFDM方式で用いられる各サブキャリアS1,S2,S3,S4は、互いに直交している。ここで、「直交」とは、第1~第4サブキャリアS1,S2,S3,S4のそれぞれの波の位相が90度ずれている状態を言う。第1~第4サブキャリアS1,S2,S3,S4の信号の強さと周波数との関係をグラフにすると、例えば図11に示されるような波形となる。各サブキャリアS1,S2,S3,S4の波形は、サイドローブが抑制された状態となっている。各サブキャリアS1,S2,S3,S4が互いに直交していることにより、各サブキャリアS1,S2,S3,S4は、一のサブキャリアの中心周波数(電力密度が最大となる点)と他のサブキャリアのヌル点(電力密度が0となる点)とが一致するように重なり合う。例えば、第2サブキャリアS2の中心周波数においては、第1サブキャリアS1、第3サブキャリアS3、及び第4サブキャリアS4の信号の強さは0となっている。このため、限られた周波数帯に複数のサブキャリアを重ね合わせても(すなわち、複数のサブキャリアを束ねても)、サブキャリア同士の干渉を抑制することができる。
[0084]
 このように、OFDM方式のマルチキャリア変調を用いて第1情報から第1信号への変換を行うことにより、分割された第1情報を重ね合わせて(多重化して)同時に送信することができるため、高速マルチチャネル化を図ることができる。したがって、第1通信系50において高速な通信を行うことができる。OFDM方式のマルチキャリア変調を用いて第2情報から第2信号へ変換を行うことにより、分割された第2情報を重ね合わせて(多重化して)同時に送信することができるため、高速マルチチャネル化を図ることができる。したがって、第2通信系60において高速な通信を行うことができる。なお、第1変換部51における変調方式と第2変換部61における変調方式とは、同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。

符号の説明

[0085]
 1…有軌道台車用光通信システム、2…軌道、3…台車、4…コントローラ、50…第1通信系、51…第1変換部、52…第1発光素子、53…第1光ファイバ、54…第1受光素子、55…第1逆変換部、56,66…増幅器、60…第2通信系、61…第2変換部、62…第2発光素子、63,70,80…第2光ファイバ、63a…コア、64…第2受光素子、65…第2逆変換部、71…マイクロレンズアレイ、83…スリット、100…有軌道台車。

請求の範囲

[請求項1]
 軌道と、前記軌道を走行する1又は複数の台車と、前記台車との間で情報を通信するコントローラと、を備える有軌道台車に用いられる光通信システムであって、
 前記コントローラから前記台車へ第1情報を通信する第1通信系と、
 前記台車から前記コントローラへ第2情報を通信する第2通信系と、を備え、
 前記第1通信系は、
  前記コントローラに接続され、前記第1情報を光として出力する第1発光素子と、
  前記軌道に沿って配置された光ファイバであって、前記第1発光素子で出力された光を外部に漏洩させながら伝送する第1光ファイバと、
  前記台車に搭載され、前記第1光ファイバから漏洩した光を受光する第1受光素子と、を有し、
 前記第2通信系は、
  前記台車に搭載され、前記第2情報を光として出力する第2発光素子と、
  前記軌道に沿って配置された光ファイバであって、前記第2発光素子で出力されて当該光ファイバの途中から入力した光、又は、前記第2発光素子で出力されて当該光ファイバの途中から入力した光によって発生した光を伝送する第2光ファイバと、
  前記コントローラに接続され、前記第2光ファイバが伝送した光を受光する第2受光素子と、を有する、有軌道台車用光通信システム。
[請求項2]
 前記第1通信系は、
  前記第1情報を、前記第1発光素子から光として出力される第1信号に変換する第1変換部と、
  前記台車に搭載され、前記第1受光素子が光として受信した前記第1信号を、前記第1情報へ変換する第1逆変換部と、を更に有し、
 前記第2通信系は、
  前記台車に搭載され、前記第2情報を、前記第2発光素子から光として出力される第2信号へ変換する第2変換部と、
  前記第2受光素子が光として受信した前記第2信号を、前記第2情報へ変換する第2逆変換部と、を更に有する、請求項1に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項3]
 前記第1変換部は、マルチキャリア変調を用いて前記第1情報を前記第1信号に変換する、請求項2に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項4]
 前記第2変換部は、マルチキャリア変調を用いて前記第2情報を前記第2信号に変換する、請求項2又は3に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項5]
 前記光は、赤外光、可視光及び紫外光の少なくとも何れかを含む、請求項1~4の何れか一項に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項6]
 前記第1光ファイバを複数備え、
 複数の前記第1光ファイバ同士は、増幅器を介して直列に接続されている、請求項1~5の何れか一項に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項7]
 前記第2光ファイバを複数備え、
 複数の前記第2光ファイバ同士は、増幅器を介して直列に接続されている、請求項1~6の何れか一項に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項8]
 前記第2光ファイバは、その外周面に複数のスリットを有する、請求項1~7の何れか一項に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項9]
 前記第2光ファイバは、その外周面に照射された光を前記第2光ファイバ内に集光するマイクロレンズアレイを有する、請求項1~7の何れか一項に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項10]
 前記第2光ファイバは、蛍光体が添加されたコアを含む、請求項1~7の何れか一項に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項11]
 前記第2光ファイバは、希土類が添加されたコアを含む、請求項1~7の何れか一項に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項12]
 前記第1光ファイバによって伝送される光の波長帯と、前記第2発光素子から出力される光の波長帯とは、互いに異なる、請求項10又は11に記載の有軌道台車用光通信システム。
[請求項13]
 前記第1光ファイバ及び前記第2光ファイバは、可撓性を有する、請求項1~12の何れか一項に記載の有軌道台車用光通信システム。

図面

[ 図 1]

[ 図 2]

[ 図 3]

[ 図 4]

[ 図 5]

[ 図 6]

[ 図 7]

[ 図 8]

[ 図 9]

[ 図 10]

[ 図 11]